説明

複合体粒子を含むトナー添加剤

【課題】トナー粒子間でスペーサーとして役立つトナー添加剤を有することが望ましく、そこではトナー粒子は、トナー粒子内での限定された埋め込み、および限定されたドロップオフを示し、トナーの摩擦帯電に不利な影響を与えない添加剤を提供する。
【解決手段】トナー組成物は、トナー粒子およびトナー添加剤を含み、トナー添加剤は金属酸化物とポリマーを含む金属酸化物−ポリマー複合体粒子を含む。金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、トナー粒子の表面に分布されている。金属酸化物粒子はポリマーに共有結合で結合され、金属酸化物の表面は第1の疎水化剤で修飾される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真トナーの外部添加剤としての酸化物−ポリマー複合体粒子の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成は、光レセプタードラムまたはベルトの表面の均一帯電;光レセプター表面の露光および帯電パターン、すなわち実像に転写されるべき情報を写す潜像、の光レセプター表面での形成;バインダー樹脂に分散された着色剤を含む、静電的に帯電されたトナー粒子で潜像を現像すること;基材、たとえば紙、上に現像されたトナーを転写すること;基材上にその像を融合させること;ならびに残余の静電帯電を消去し、残存するトナー粒子を洗浄することにより、次のサイクルのために光レセプター表面を準備すること、を含む。
【0003】
電子写真および静電印刷に使用するためのトナーは、バインダー樹脂および着色剤を含み、さらに帯電調節剤、オフセット防止剤および他の添加剤を含み得る。金属酸化物粒子のような外部トナー添加剤は、流動性、転写性、定着性、および洗浄特性を含む、選択されたトナー粒子特性を向上させるためにトナー粒子と結合させることが多い。種々の外部添加剤は、トナーの多様な特性を向上させるために1つのトナー組成物において使用され得る。
【0004】
トナー添加剤により付与される1つの機能は、間隔をあけることと流動性の維持である。もしトナー粒子が互いに固着すると、良好には流動しない。添加剤はトナー粒子が互いに接触するのを妨げるのに役立つ。添加剤粒子は、硬くなりやすく、互いに固着しないように最適化される。一方において、トナー中のポリマーは、比較的軟らかくなりやすく、固着し得る。得られるトナー粒子凝集は、電子写真装置の操作および印刷品質の両方に有害である。実際、写真複写機の製造者は、写真複写を作成するのに要求されるエネルギーを減少させようと努めてきたので、比較的柔らかいポリマー(すなわち、比較的低いガラス転移点Tgのポリマー)に転換して像を融合するのに必要な熱量を低減してきた。しかし、硬い添加剤粒子は、柔らかいトナー粒子中に埋め込まれ得、添加剤の有効性を低下させる。添加粒子の大きさの増加は、埋め込みを低下させるが、比較的大きな粒子は比較的重く、トナー粒子からの比較的高いドロップオフ(drop off)率を示す。もちろん、トナーをドロップオフする添加剤粒子は、トナー組成物の一部としての機能に役立ち得ない。したがって、トナー粒子間でスペーサーとして役立つトナー添加剤を有することが望ましく、そこではトナー粒子は、トナー粒子内での限定された埋め込み、および限定されたドロップオフを示し、トナーの摩擦帯電に不利な影響を与えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
疎水化された金属酸化物を含む金属酸化物−ポリマー複合体の使用は添加剤ドロップオフ性能を向上し得ることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様において、トナー組成物は、トナー粒子およびトナー添加剤を含み、トナー添加剤は金属酸化物とポリマーを含む金属酸化物−ポリマー複合体粒子を含む。金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、トナー粒子の表面に分布されている。金属酸化物粒子はポリマーに共有結合で結合され、金属酸化物の表面は第1の疎水化剤で修飾され、金属酸化物−ポリマー複合体粒子の湿分は、約1気圧で50%相対湿度および25℃の平衡後に測定されるとき、0wt%〜約10wt%であり、そして金属酸化物−ポリマー複合体粒子の密度は、ヘリウムピクノメトリーで測定されるとき、金属酸化物の密度の約30%〜約90%である。
【0007】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子の湿分は、約1気圧で50%相対湿度および25℃の平衡後に測定されるとき、0wt%〜約5wt%であり得る。トナー組成物は約0.5〜約7wt%の金属酸化物−ポリマー複合体粒子を含み得る。金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、径が約50nm〜約500nmである。金属酸化物粒子の少なくとも一部は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子の表面で露出され得る。ポリマーは、第1の疎水化剤のポリマーまたはコポリマーを含み得る。金属酸化物粒子は、沈殿またはコロイド金属酸化物粒子を含み得る。金属酸化物粒子の表面は、第2の疎水化剤で修飾され得る。第2の疎水化剤は、シラザン化合物、シロキサン化合物、シラン化合物、および高々10,000の数平均分子量をもつシリコーン流体から選ばれ得る。第1の疎水化剤は式Si[H3−x(OR]RQを有し得、ここで、xは1,2または3、Rはメチルまたはエチル、Rは一般式CH2nを有するアルキルリンカー(nは1〜10)、そしてQは置換または非置換のビニル、アクリレート、またはメタクリレート基である。
【0008】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、第3の疎水化剤で処理され得る。第3の疎水化剤は、アルキルハロシランまたは10,000より大きい数平均分子量をもつシリコーン流体であり得る。ポリマーは、アクリレートおよびメタクリレート、オレフィン、ビニルエステルおよびアクリロニトリルおよびコポリマーならびにそれらの混合物から選ばれ得る。金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、約0.8〜約1.2のアスペクト比を有し得る。金属酸化物粒子の長さの約5%〜約95%が金属酸化物−ポリマー複合体粒子の表面に露出され得る。
【0009】
もう1つの態様において、複合体粒子の製造方法は、金属酸化物粒子および第1の疎水化剤を含む水性分散体を調製すること(ここで、第1の疎水化剤は金属酸化物粒子に化学的に結合される)、水性分散体に重合開始剤を添加して表面にシリカ粒子を持つ金属酸化物−ポリマー複合体粒子を形成させること、ならびに第2の疎水化剤で金属酸化物粒子の利用可能表面を処理すること、を含む。処理は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子の調製の前または形成の後に実施され得る。
【0010】
その方法は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子を乾燥することをさらに含み、そして処理が金属酸化物−ポリマー複合体粒子の形成後に実施されるとき、乾燥は処理の前または後に実施され得る。
【0011】
もう1つの態様において、複合体粒子の製造方法は、ヒュームド金属酸化物粒子および第1の疎水化剤を含む水性分散体を調製すること(ここで第1の疎水化剤は金属酸化物粒子に化学的に結合される)、ならびに水性分散体に重合開始剤を添加して表面にヒュームド金属を有する酸化物−ポリマー複合体粒子を形成させること、を含む。
【0012】
その方法は、第2の疎水化剤でヒュームド金属酸化物粒子の利用可能表面を処理することをさらに含み、処理は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子の調製の前または形成の後に実施され得る。その方法は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子を乾燥することをさらに含む。
【0013】
もう1つの態様において、金属酸化物−ポリマー複合体粒子の製造方法は、水性媒体中に第1の疎水化剤を含むミセルからなるエマルションを調製すること(ここで金属酸化物粒子は少なくともミセル表面に分布されており、そして第1の疎水化剤は式Si[H3−x(OR]RQであり、ここで、xは1,2または3、Rはメチルまたはエチル、Rは一般式CH2nを有するアルキルリンカー(nは1〜10)、そしてQは置換または非置換のビニル、アクリレート、またはメタクリレート基である。)、所定の時間、エマルションを温置すること、油溶性ラジカル開始剤をエマルションに添加すること、第1の疎水化剤の化学基をポリマーの一部とし、それにより金属酸化物−ポリマー複合体粒子を形成すること、ならびに金属酸化物−ポリマー複合体粒子を乾燥して粉末を得ること(ここで金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子に配合された金属酸化物の密度の約30%〜約90%の密度を有する)、を含む。
【0014】
その方法は、第2の疎水化剤で金属酸化物粒子をエマルション調製前に処理することをさらに含む。さらに、その方法は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子をの調製の前または形成の後に実施され得る。その方法は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子を第2の疎水化剤、第3の疎水化剤またはその両方で処理することを含む。その方法は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子を粉砕することをさらに含む。エマルションは、さらにビニルモノマーを含み得る。
【0015】
前述の一般的説明および以下の詳細な説明は、典型的で説明的なものにすぎず、請求項に記載されるような本発明をさらに説明しようとするものであることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の態様により製造された金属酸化物−ポリマー複合体粒子の透過型電子顕微鏡写真。
【図2】本発明の態様により製造された金属酸化物−ポリマー複合体粒子の透過型電子顕微鏡写真。
【図3A】本発明の典型的態様により調製され、20%粉末での音波処理後に代用トナー調合で残る添加剤の量。
【図3B】本発明の典型的態様により調製され、30%粉末での音波処理後に代用トナー調合で残る添加剤の量。
【図4】本発明の態様により製造された金属酸化物−ポリマー複合体粒子の透過型電子顕微鏡写真。
【図5】本発明の態様により製造された金属酸化物−ポリマー複合体粒子の透過型電子顕微鏡写真。
【図6】本発明の態様により製造された金属酸化物−ポリマー複合体粒子の透過型電子顕微鏡写真。
【図7】本発明の態様により製造された金属酸化物−ポリマー複合体粒子の湿分吸着等温線。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1つの態様において、トナー組成物は、トナー粒子およびトナー添加剤を含み、トナー添加剤は金属酸化物とポリマーを含む金属酸化物−ポリマー複合体粒子を含む。金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、トナー粒子の表面に分布されている。金属酸化物粒子はポリマーに共有結合で結合され、金属酸化物の表面は第1の疎水化剤で修飾される。金属酸化物−ポリマー複合体粒子の密度は、ヘリウムピクノメトリーで測定されるとき、金属酸化物の密度の約40%〜約85%である。金属酸化物−ポリマー複合体粒子の湿分は、大気圧(通常、約1気圧)で50%相対湿度および25℃の平衡後に測定されるとき、0wt%〜約10wt%である。
【0018】
本発明に使用されるのに適切な金属酸化物粒子は、シリカ、アルミナ、セリア、酸化モリブデン、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化鉄(マグネタイトFeおよびマグヘマイトγ−Feを含むが、限定されない)、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化タングステン、またはそれらの2種以上の混合酸化物、を含む。トナーにおける使用のために、金属酸化物粒子は、シリカ、アルミナおよびチタニアの少なくとも1つを含むのが通常である。
【0019】
好適な粒子は、沈殿またはコロイド金属酸化物粒子を含むが、これらに限定されない。金属酸化物粒子は当業者に知られている方法を用いて製造され得る。典型的な商業的に利用できるチタニアは、堺化学の酸化チタンSTR100NおよびSTR100Aを含む。
【0020】
沈殿金属酸化物粒子は一般的方法を用いて製造され得、高い塩濃度、酸または他の凝固剤の影響下に水性媒体から所望の粒子凝固させて形成されることが多い。金属酸化物粒子は、当業者に知られている一般的な方法による、他の反応生成物の残留物からろ過され、洗浄され、乾燥され、そして分離される。沈殿粒子は、多くの一次粒子が互いに凝固して幾分球状の凝集クラスターを形成するという意味で凝集することが多い。このような凝集クラスターがヒュームドもしくは熱的に調製された粒子(凝集一次粒子の鎖状構造であり、一次粒子が互いに融合されている)とは構造的に異なることを当業者は容易に理解するであろう。商業的に利用可能な沈殿金属酸化物の非制限的な例は、PPG Industries,Inc.からのHi-Sil(登録商標)およびDegussa Corporation から入手っできるSIPERNAT(登録商標)を含む。
【0021】
代替の金属酸化物の形態は、米国特許第4,755,368号および6,702,994号明細書、ならびにMuellerらの “Nanoparticle synthesis at high production by flame spray pyrolysis”Chemical Engineering Science, 58:1969 (2003)に開示される方法を用いて得られ得、その全内容は、引用により組み入れられる。これらの方法は、低構造および表面積を持つ金属酸化物粒子を生じるのが通常である。
【0022】
コロイド金属酸化物粒子は、非凝集の、個々に分離した(一次)粒子であることが多く、形状が球状もしくは球状に近いが、他の形状(例えば、通常は楕円形、正方形、または長方形の横断面)を有していてもよい。コロイド金属酸化物粒子は、商業的に入手可能であり、または種々の出発原料から公知の方法により製造され得る(たとえば、湿式型の金属酸化物)。コロイド金属酸化物粒子は、典型的には、沈降金属酸化物粒子と同様の方法で作られる(すなわち、それらは水性媒体から凝固される)が、液体媒体(しばしば、水単独、または共溶媒および/または安定剤を含む水)中に分散されたままである。金属酸化物粒子は、たとえば、pH約9〜約11のケイ酸アルカリ塩溶液に由来するケイ酸から調製さ得、ケイ酸塩アニオンは重合して、個々に分離したシリカ粒子を製造し、シリカ粒子は水性分散体の形態で所望の平均粒径を有する。典型的には、コロイド金属酸化物出発原料は、ゾルとして利用可能であり、好適な溶媒(水単独、または共溶媒および/または安定剤を含む水であることが最も多い)中のコロイド金属酸化物分散体である。たとえば、Stoeberらの Controlled Growth of Monodisperse Silica Spheres in the Micron Size Range, Journal of Colloid and Interface Science,26,1968,pp.62-69; Akitoshi Yoshida、Silica Nucleation, Polymerization, and Growth Preparation of Monodispersed Sols, in Colloidal Silica Fundamentals and Applications、p.47〜56(H. E. Bergna & W. O. Roberts, eds.,CRC Press:Boca raton, Florida,2006)、およびIler,R.K.,The Chemistry of silica,p866(John Wiley & Sons:New York,1979)参照。本発明で用いるのに好適な商業的に入手可能なコロイド金属酸化物の限定されない例は、Nissan ChemicalのSNOWTEX(登録商標)製品、W.R.Grace & Co.,から入手可能なLUDOX(登録商標)製品、Nyacol Nanotechnologies, Inc.から入手可能なNexSil(商標)およびNexSil A(商標)シリーズの製品、Fuso Chemicalから入手可能なQuartron(商標)製品、ならびにAkzoNobelから入手可能なLavasil(登録商標)製品を含む。
【0023】
コロイド状金属酸化物粒子は、約5〜約100nm、たとえば約5〜約10nm、約10〜約20nm、約20〜約30nm、約30〜50nm、または約50〜70nmの一次粒径を有し得る。金属酸化物粒子は、非凝集(たとえば、実質的に球状)であるか、またはわずかに凝集していてもよい。たとえば、一次粒径に対する凝集径の比は、約1.5〜約3、たとえば約1.5〜約1.8、約1.8〜2.1、約2.1〜約2.5、約2.5〜約2.8、4または約2.8〜約3、であり得る。粒径は動的光散乱(DLS)により測定され得る。
【0024】
金属酸化物粒子は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子のポリマーに結合され得る基を含む、第1の疎水化剤で処理される。「疎水性」金属酸化物粒子は、ここで用いられる用語としては、疎水性の種々の水準および程度を包含している。金属酸化物粒子に与えられる疎水性の程度は、用いられる処理剤の種類および量に応じて変わる。本発明における疎水性金属酸化物粒子は、たとえば、利用可能な金属酸化物表面ヒドロキシル基の約15%〜約85%が反応している、たとえば、利用可能な金属酸化物表面ヒドロキシル基の約25%〜約75%、または約40%〜約65%が反応していることができ、あるいは、上記の端点のいずれかの2つの範囲に入るいずれかの範囲のパーセントを有し得る。
【0025】
第1の疎水化剤は式Si[H3−x(OR]RQを有し得、ここで、xは1,2または3、Rはメチルまたはエチル、Rは一般式CH2nを有するアルキルリンカー(nは1〜10)、そしてQは置換または非置換のビニル、アクリレート、またはメタクリレート基である。第1の疎水化剤として使用するのに好適な典型的な剤は、ビニルトリアセトキシシラン、(3−アクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−アクリルオキシプロピル)トリエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリメトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリエトキシシラン、(3−アクリルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、を含む。金属酸化物がシリカでないとき、ジ−またはトリ−官能シランが用いられるべきである(すなわち、xは2または3であるべきである)。
【0026】
あるいは、または加えて、Qは重合時にビニルモノマーと連鎖移動を行なえる化学基であり得る。典型的な基は、酸、カルボニル化合物、エーテル、アルコール、ジスルフィド等を含む。
金属酸化物粒子は、第1の疎水化剤での処理の前もしくは後に、または金属酸化物−ポリマー複合体粒子の形成後に、第2の疎水化剤で付加的に処理され得、そこでは金属酸化物粒子の露出表面のみが処理される。第2の疎水化剤としての使用に好適な剤は、シラザン化合物、シロキサン化合物、およびシラン化合物、ならびに共溶媒を有してもよい水にいくらかの溶解性を有するシリコーン流体である。好適には、第2の疎水化剤として使用されるシリコーン流体は、高々10,000の数平均分子量を有する。第2の疎水化剤は、シラザン化合物、シロキサン化合物、シラン化合物、および高々10,000の数平均分子量をもつシリコーン流体から選ばれ得る。シラン化合物の例は、アルキルシラン、およびアルコキシシランを含む。アルコキシシランは、一般式RSi(OR’’)4−x(ここでR〜C30の、分岐および直鎖アルキル、アルケニル、C〜C10シクロアルキル、およびC〜C10アリールであり、R’’はC〜C10の分岐もしくは直鎖アルキルであり、そしてxは1〜3の整数である)を有する化合物を含む。
金属酸化物がシリカを含まないとき、第2の疎水化剤は、ジ−またはトリ−官能シランもしくはシロキサン、またはシリコーン流体であるべきである。
【0027】
第2の疎水化剤として使用され得るシラン化合物の非制限的な例は、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、等を含む。有用なシロキサン化合物の非限定例は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン等を含む。有用なシラザン化合物の非限定例は、ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)、ヘキサメチルシクロトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン等を含む。たとえば、HMDZは、金属酸化物粒子の表面の未反応ヒドロキシル基を覆うのに用いられ得る。さらに、典型的な疎水性付与剤はヘキサメチルジシラザン、イソブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、および米国特許第5,989,768号明細書に開示される環状シラザンを含む。このような環状シラザンは、式
【0028】
【化1】

【0029】
で表わされ、ここでRおよびRは、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アリールおよびアリールオキシからなる群より独立して選ばれ;Rは、水素、(CHCH(ここでrは0〜3の整数)、C(O)(CHCH(ここでrは0〜3の整数)、C(O)NH、C(O)NH(CHCH(ここでrは0〜3の整数)、およびC(O)N[(CHCH](CHCH(ここでrおよびsは0〜3の整数)からなる群より選ばれ;R10は、
式[(CH(CHX)(CYZ)]で表される(ここでx、y、およびzは水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アリールおよびアリールオキシからなる群より独立して選ばれ、a、bおよびcは0〜6の整数であり、(a+b+c)は2〜6の整数に等しい。)。環状シラザンは、式
【0030】
【化2】

【0031】
を有する5または6員環であり得、ここでR11は、式[(CH(CHX)(CYZ)]で表され、ここでx、y、およびzは水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アリールおよびアリールオキシからなる群より独立して選ばれ、a、bおよびcは0〜6の整数であり、(a+b+c)は3または4の整数に等しい。
【0032】
第2の処理剤として好適なシリコーン流体は、非官能化シリコーン流体および官能化シリコーン流体の両方を含む。金属酸化物粒子を表面処理するのに用いられる条件および使用される特定のシリコーン流体に依存して、シリコーン流体は、非共有結合的に結合された被覆として存在し得、または金属酸化物粒子の表面に共有結合的に結合され得る。有用な非官能化シリコーン流体の非制限的な例は、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン コポリマー、フルオロアルキルシロキサン コポリマー、ジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン コポリマー、フェニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン コポリマー、フェニルメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン コポリマー、メチルヒドロシロキサン−ジメチルシロキサン コポリマー、ポリアルキレンオキシド変性シリコーン等を含む。官能化シリコーン流体は、たとえば、ビニル、ハイドライド、シラノール、アミノ、およびエポキシからなる群より選ばれる官能基を含み得る。官能基は、シリコーンポリマー主鎖に直接結合され得、またはアルキル、アルケニル、またはアリール基を介して結合され得る。
【0033】
あるいは、または加えて、2010年4月6日に出願された米国特許出願12/798,540に開示されるジメチルシロキサン コポリマーは、金属酸化物粒子を処理するのに用いられ得、その内容は引用によりここに組み入れられる。
典型的なジメチルシロキサン コポリマーは、式
【0034】
【化3】

【0035】
のコポリマーを含む。ここで、Rは−H,−CHであり、Rは−H,−CHであり、Rは−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHAr、−CHCHAr、−Ar、−CHCHCF、または−CHCH−Rであり(RはC〜Cパーフルオロアルキル基)、Rは−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCF、または−CHCH−Rであり(RはC〜Cパーフルオロアルキル基)、Rは−CH、−CHCH、−CHAr、−CHCHAr、または−Arであり、Rは−H,−OH,−OCH、または−OCHCHであり、Arは非置換フェニル、または1つ以上のメチル、ハロゲン、エチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、または−CHCF基で置換されたフェニルであり、n、mおよびkは整数であり、n≧1、m≧1、およびk≧0であり、ここでコポリマーは208〜約20,000の分子量を有する。
【0036】
あるいは、または加えて、第2の疎水化剤は、荷電変性剤であり得る。米国特許公開2010/0009280に開示される、いかなる荷電変性剤もここで使用され得、その内容は引用により、ここに組み入れられる。典型的な荷電変性剤は、3−(2,4−ジニトロフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン(DNPS)、3,5−ジニトロベンズアミド−n−プロピルトリエトキシシラン、3−(トリエトキシリルプロピル)−p−ニトロベンズアミド(TESPNBA)、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン(PFPTES)、および2−(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリメトキシシラン(CSPES)、を含むが、これらに限定されない。ニトロ基を含む荷電変性剤は、ハイドライド基がニトロ基を還元し得るので、コポリマーの後で金属酸化物粒子を後処理するのに使用されるべきである。
【0037】
あるいは、または第2の疎水化剤に加えて、金属酸化物粒子は第3の疎水化剤で処理され得、ついで金属酸化物−ポリマー複合体粒子が形成される。第3の処理剤は、アルキルハロシランまたは10,000より大きい数平均分子量をもつシリコーン流体であり得る。アルキルハロシランは、一般式RSiR’’4−x−yを有する化合物を含み、ここで、RおよびR’’は上記で規定した通りであり、Xはハロゲン、好ましくは塩素であり、そしてyは1、2もしくは3である。
【0038】
第2の疎水化剤(金属酸化物−ポリマー粒子の形成後に用いられるとき)および/または第3の疎水化剤と金属酸化物−ポリマー複合体粒子のポリマー成分との間の相互作用に依存して、これらの剤は金属酸化物−ポリマー複合体粒子の露出ポリマー表面をさらに表面処理し得る。
【0039】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子に使用されるポリマーは、第1の疎水化剤と同一でも異なっていてもよい。すなわち、第1の疎水化剤が重合可能な基を含むとき、同一材料がポリマーを形成するために簡易に使用され得る。あるいは、または加えて、第1の疎水化剤の末端基と共重合し得る、異なるモノマーが使用され得る。金属酸化物−ポリマー複合体粒子を製造するのに用いられ得る好適なモノマーは、置換もしくは非置換のビニルおよびアクリレートモノマー、ならびにラジカル重合により重合する、他のモノマーを含む。典型的なモノマーは、スチレン、アクリレートとメタクリレート、オレフィン、ビニルエステル、およびアクリロニトリルを含み、そして、たとえばSigma-Aldrich (Milwaukee, WI)から当業者には容易に入手可能である。このようなモノマーは、単独で、コポリマーを形成する混合物で、または下記の架橋剤とともに、使用され得る。
【0040】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、当業者に公知のいかなる方法によっても製造され得る。1つの典型的な方法において、水性分散体が第1の疎水化剤と金属酸化物で約2.2〜7.0の質量比(剤:金属酸化物)で調製される。pHは約8.0〜8.5とされ、分散体はエマルションを形成するために撹拌され(通常1〜3時間)、温度は50〜60℃に維持される。撹拌に続いて、開始剤が、モノマーに対し約1〜約4wt%の量でエタノールもしくは他の水と混和し得る溶媒の溶液として導入される。好適な開始剤は、油溶性アゾもしくはパーオキシド熱開始剤を含むが、それに限定されない。たとえば、2,2’-アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)、ベンゾイルパーオキシド、tert-ブチルパーアセテート、およびシクロヘキサノンパーオキシドである。種々の好適な開始剤が、和光純薬(大阪、日本)から入手可能である。開始剤は金属酸化物の導入前にモノマーに溶解され得る。得られる溶液は、撹拌しながら4〜6時間、65〜95℃で温置される。得られるスラリーは、100〜130℃で、一夜乾燥され、残る固体は粉砕され粉末を形成する。第2の疎水化剤は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子の形成後に添加されるとき、乾燥段階前に添加さてもよい。たとえば、第2の疎水化剤が添加され、スラリーは60〜75℃での温置でさらに2〜4時間撹拌され得る。
【0041】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子の表面で露出されている金属の量は、開始剤が活性化される前に、金属酸化物粒子が第1の疎水化剤に露出される時間量に依存して変動する。エマルション中の金属酸化物粒子は、第1の疎水化剤を含むミセルまたは小滴の表面に分布される。いかなる理論にも拘束されないが、第1の疎水化剤は金属酸化物上に吸着され、結合されるので、金属酸化物粒子は比較的疎水性となり、エマルションの水性連続相にはあまり表面を露出しないように小滴中に沈むことにより、第1の疎水化剤の小滴の内側に、表面の比較的大きな部分を徐々に露出すると考えられる。重合が完了すると、金属酸化物粒子はその場に固定される。もし第2の疎水化剤が使用されると、処理の程度は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子の表面での金属酸化物粒子の露出を調節するために追加の機械を用意する。
【0042】
コモノマーまたは架橋剤は、第1の疎水化剤に加えて反応混合物に添加され得る。追加のモノマーは、第1の疎水化剤と同時または異時に添加され得る。コモノマーは第1の疎水化剤と共重合し、トナー添加剤における使用に好適である、いかなるモノマーも含み得る。あるいは、または加えて、架橋剤が使用され得る。たとえば、第1の疎水化剤のジビニル末端型(たとえばビニル基で置換されたシランを有する)が使用され得、または他の周知のビニル架橋剤、たとえばジビニルベンゼンおよびエチレングリコールジメタクリレート、も使用され得る。架橋剤の量は、最終ポリマーにおける架橋の程度を調節するように調節され得る。
【0043】
第1の疎水化剤での金属酸化物の表面処理の程度は、初期溶液のpHおよび温度を調節することにより調節され得る。第1の疎水化剤の金属酸化物粒子上への吸着(ついで、表面と剤の間でシロキサン結合が形成される)率は、シラン上の脱離基の選定により調節され得、エトキシはメトキシよりもゆっくり加水分解しやすい。
【0044】
表面処理の程度は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子の表面に露出される金属酸化物粒子の表面量に影響する。第1の疎水化剤が水性溶液と一緒になり、撹拌されると、混合物はエマルションを形成し、第1の疎水化剤の小滴表面への金属酸化物粒子の移行により安定化される。シランは加水分解し、金属酸化物表面上に吸着するので、初期に疎水性の表面はもっと疎水性となり、有機相ともっと相溶性となり、有機/水性界面の水性側から有機側に徐々に移行する。したがって、重合前の金属酸化物の表面処理の程度を調節することは、得られる金属酸化物−ポリマー複合体粒子の表面での金属酸化物の量を調節する。
【0045】
あるいは、または加えて、金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、WO2008/142383(その全内容は引用によりここに組み入れられる)およびSchmidら(Advanced Materials, 2008,20,3331-3336; さらにFiejdingらのLangmuir, July 21,2011オンラインで発行、DOI 10.1021/1a202066n参照)に開示される方法により製造され得る。すなわち、末端もしくは他の利用できるヒドロキシル基を持つ第1の疎水化剤が、たとえばWO2004/035474に記載されるような、当業者に知られている方法を用いてコロイド金属酸化物粒子を表面処理するのに用いられる。処理された金属酸化物粒子の分散体、たとえば水中で3.5〜5wt%、が撹拌しながらモノマーと一緒にされ10%モノマー混合物を製造する。混合物は、脱気され60℃に供される。金属酸化物粒子の表面に吸着し、過剰の開始剤を持つのに十分な水溶性ラジカル開始剤が混合物中に溶解され、重合が24時間、実施される。混合物は、穏やかな速度(たとえば3000〜6000rpm)および時間(30分間)で遠心分離され、過剰の金属酸化物粒子を上澄とともに除去する。
【0046】
あるいは、または加えて、金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、Sacannaら(Langmuir 2007,23,9974-9982およびLangmuir 2007, 23, 10486-10492)に開示される方法により製造され得る。すなわち、金属酸化物粒子は、2M 水酸化テトラメチルアンモニウムまたは水酸化アンモニウム中に分散され、ついで水中に再分散される。第1の疎水化剤、たとえば3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、が分散体と一緒にされ、カリウムパーサルフェートで重合される。酸化鉄粒子を有する複合体粒子を製造する追加方法は、Bourgeat-LamiらのAdv. Polym.Sci., (2010)233:53-123に記載されており、その全内容は引用、そしてそこに引用された文献により、ここに組み入れられる。
【0047】
ある態様において、複合体の表面に露出される金属酸化物粒子は、少なくとも200の金属酸化物−ポリマー複合体粒子の電子顕微鏡により観察可能な金属酸化物粒子について測定して、ポリマー複合体粒子の表面から映される長さの、約0%〜約95%、たとえば、約5%〜約90%、約10%〜約20%、約20%〜約30%、約30%〜約40%、約40%〜約50%、約50%〜約60%、約60%〜約70%、約70%〜約80%、または約80%〜約90%、を有し得る。
【0048】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、通常丸い。粒子は球状である必要はないが、金属酸化物粒子の表面で露出される程度に依存して、「凹凸の」(bumpy)表面を有するのが通常であることが理解される。ポリマー複合体粒子は、約0.8〜約1.2のアスペクト比、たとえば約0.85〜約0.90、約0.90〜約0.95、約0.95〜約1.0、約1.0〜約1.05、約1.05〜約1.1、または約1.1〜約1.15を有し得る。
【0049】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、径が約50nm〜約500nmであり得る。アスペクト比が単一でないとき、径は粒子の最大直径をいう。たとえば、金属酸化物−ポリマー複合体粒子の径は、約50nm〜約100nm、約100nm〜約150nm、約150nm〜約200nm、約200nm〜約250nm、約250nm〜約300nm、約300nm〜約350nm、約350nm〜約400nm、約400nm〜約450nm、または約450nm〜約500nm、であり得る。
【0050】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子の表面積は、金属酸化物の約20%〜約80%、たとえば金属酸化物の約30%〜約40%、約40%〜約50%、約50%〜約60%、または約60%〜約70%、であり得る。「金属酸化物表面積」は上述のように表面処理された金属酸化物を含む。
【0051】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、金属酸化物自体の密度より小さい密度を有するのが好適である(たとえば、シリカは2.2g/cmの密度を有し、酸化チタンは3.6g/cmの密度を有する)。たとえば、複合体粒子の密度は、そこに含まれる金属酸化物の密度の約30%〜約35%、約35%〜約40%、約40%〜約45%、約45%〜約50%、約50%〜約55%、約55%〜約60%、約60%〜約63%、約63%〜約67%、約67%〜約70%、約70%〜約73%、約73%〜約76%、約76%〜約79%、約79%〜約82%、約82%〜約85%、または約85%〜約90%、であり得る。
【0052】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、当業者により通常使用される方法、たとえばヘンシェルミキサーまたは他の流動ミキサーもしくはブレンダーによって、トナー粒子と混合されるのに十分な機械的強度有すべきである。金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、電子写真法の現像サイクルの間、トナー粒子(表面にわたって酸化物−ポリマー複合体粒子が分布されている)間の衝突を生き残るのに十分な強度を有するのが好適である。いかなる理論にも拘束されないが、粒子製造の間の油溶性開始剤の使用は、比較的効率的な重合を導くと考えられる。これは比較的高い架橋密度と比較的高い強度の粒子を製造することが期待されよう。
【0053】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、一般的トナー、および化学的トナーの両方のための外部添加剤として使用され得る。一般的トナーは金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、多くの公知の方法、たとえば樹脂、顔料粒子、任意の帯電向上剤および他の添加剤を従来の溶融押出装置および関連装置内で混合、加熱することにより調製され得る。粉末の乾式ブレンドのための一般的装置は、カーボンブラック粒子を樹脂と混合またはブレンドするために使用され得る。他の方法は噴霧乾燥等を含む。顔料および他の成分の樹脂との配合は、機械的摩擦および分級に引き継がれ、所望の粒径および粒径分布を有するトナー粒子を与えるのが通常である。化学的に調製されたトナーとして知られる化学的トナーは、液相で調製される;樹脂粒子は着色剤の存在下に形成されるのが通常である。たとえば、方法が開発されており、そこではポリマーラテックスは水性顔料分散体と一緒にされ、凝固剤を用いてポリマー粒子を形成する。もう1つの方法は、少なくとも1つのモノマー中での顔料分散体の水性懸濁重合を含む。さらに、顔料/ポリエステル樹脂分散体が用意され、水と一緒にされ、ついで溶媒蒸発に続く。
【0054】
一般的および化学的に調製されたトナーの両方について、金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、ヒュームド金属酸化物またはコロイド金属酸化物のような従来の添加剤と同じ方法でトナー粒子と一緒にされ得る。たとえば、トナー組成物は適切な量の金属酸化物−ポリマー複合体粒子をブレンダー中でトナー粒子(外部添加剤を含まず、適切な平均径(たとえば約9μm)を有し得る)と混合することにより、配合され得る。ある態様において、金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、トナー組成物の約0.5%〜約5%(wt%)で構成され、たとえばトナー組成物の約0.5%〜約1%、約1%〜約1.5%、約1.5%〜約2%、約2%〜約2.5%、約2.5%〜約3%、約3%〜約3.5%、約3.5%〜約4%、約4%〜約4.5%、または約4.5%〜約5%、で構成される。好適には、金属酸化物−ポリマー複合体粒子による表面被覆は、トナー表面の約10%〜約90%である。
【0055】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子は低レベルのドロップオフを示すのが好適である。トナー粒子上の複合体粒子の保持はトナーの組成に部分的に依存するが、代用試験は比較し得る大きさおよび形状の金属酸化物−ポリマー複合体粒子および金属酸化物粒子の性能を比較するために使用され得る。たとえば、US2003/0064310A1,US2010/0009282A1およびUS2006/0240350に記載されるものと同様な試験が使用され得る。特に、化学的トナー試料が表Aに特定される添加剤試料1〜6wt%と十分なブラックポリエステル化学的トナー(粒径8〜12μm、Sinonar Inc.により供給される)とともに配合され、80g試料を作成する。トナーと添加剤がIKA M20 Universal Mill (IKA WORKS, Inc.,Wilmington, NC)内で45秒間、混合される。ミルはパルスモード(ミキサー15秒間オンおよびミキサー15秒間オフのサイクル)で運転され、トナーはガラス転移点を超えて加熱される。得られるトナーはガラスジャー内に入れられ、ロールミル上で約265rpmで60分間回転される。ついで、トナー5.0gを含む3つの試料がTriton X-100 (商標)分散剤1.0g(水100g中)の溶液と混合され、20分間、撹拌される。追加の水(20〜30mLまで)がビーカーの側壁のトナーを洗浄するために時々添加される。撹拌後に、分散体の1つが取りおかれ、他の2つはMisonix XL2020音波処理器(出力電力550W,出力周波数20kHz)内で1分間、20%および30%エネルギー出力で音波処理される。ついで、すべての3つの分散体がろ過され、遊離金属酸化物を除去する。フィルターケーキは水中で再分散され、ついで再ろ過され、フィルターケーキは水100mLで洗浄され、分散剤を除去する。すべての3つの試料はついで40℃で一夜乾燥され、さらに70℃で1時間、乾燥される。トナー上に残る添加剤量は、TGAを用いて測定される。試料からの灰分の、裸のトナーのTGA〜生じる灰分との比較は、有機成分燃焼後に残る金属酸化物の算出を可能にする。
【0056】
【表1】

【0057】
図3A、3Bのシリカについてみられるように、金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、同一の大きさの金属酸化物粒子より小さいドロップオフを示す。さらに、ドロップオフ性能の向上は粒径とともに増加する。
【0058】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、同一の大きさの金属酸化物粒子のものに匹敵し得る摩擦帯電レベルを好適に示す。たとえば、金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、同一の径を持つ金属酸化物粒子のものの25%以内の摩擦帯電レベルを有する。たとえば、金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、同一の大きさの金属酸化物粒子の摩擦帯電の約20%以内、約15%以内、約10%以内、または約5%以内、の摩擦帯電を有する。摩擦帯電測定は、この分野で知られる、適切な方法および装置を用いて実施され得る(たとえば,Vertex T-150摩擦帯電)。
【0059】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、約1気圧で50%相対湿度および25℃の平衡後に低い湿分を好適に示し、たとえば約10wt%より低い湿分、たとえば0wt%〜約3wt%、約1wt%〜約4wt%、約3wt%〜約5wt%、約5wt%〜約7wt%、または7wt%〜約10wt%、の湿分である。湿分はガラス小瓶中の試料100gをオーブン内で125℃、30分間、乾燥し、それらを排出し(たとえば、Haug One-Point-Ionizer (Haug North America, Williamsville, NY)の下にそれらを簡単に保持することにより)、そして0〜95%の選ばれた相対湿度で20分間、試料を温置後に試料の質量を測定する装置に試料を充填することにより測定される。
【0060】
本発明は典型的であると意図される、次の例によりさらに明らかにされる。
【実施例】
【0061】
例1
Ludox AS-40 シリカを用いる複合体粒子の合成、MMPS/Msilica=2.2、pH調節なし
オーバーヘッド撹拌モータ、コンデンサおよび熱電対を備えた250mL四つ口丸底フラスコは、Ludox AS-40 コロイドシリカ分散体(W.R.Grace & Co.)(20〜30nmサイズ、BET SA 126m/g, pH9.1、シリカ濃度40wt%)18.7g、脱イオン水125mL,およびメタクリルオキシプロピル-トリメトキシシラン(MPSと略記、CAS #2530−85−0、Mw=248.3)を充填された。この例において、質量比MMPS/Msilicaは2.2であった。温度は65℃まで上昇し、混合物は120rpmで撹拌された。窒素が30分間、混合物に吹き込まれた。3時間後に、エタノール10mLに溶解されたラジカル開始剤2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBNと略記、CAS #78−67−1、Mw=164.2)0.16g(MPS 1wt%以下)が添加され、温度は75℃に上昇した。ラジカル重合は5時間行われ、ついで1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)3mL(2.3g、0.014モル)が混合物に添加された。反応はさらに3時間行われた。最終混合物は170メッシュ篩でろ過され、凝塊を除去し、分散体はパイレックス(登録商標)トレイ内で120℃で一夜乾燥された。次の日、白色の粉末状固体が捕集され、IKA M20 Universalミルを用いて粉砕された。この材料の透過型電子顕微鏡(TEM顕微鏡)写真が図1に示される。
例2および3
Ludox AS-40 シリカを用いる複合体粒子の合成、MMPS/Msilica=5.0および7.5、pH調節なし
複合体粒子が例1の方法に従って調製された。ただし、Ludox AS-40シリカ7.5g(例2)および4.7g(例3)が使用され、それぞれMMPS/Msilicaは5.0および7.5であった。例2の材料の透過型電子顕微鏡(TEM顕微鏡)写真が図2に示される
例4
複合体粒子の特性
THFに分散された例1〜3の複合体粒子の粒径分布がNanotrac(商標)を用いて測定された。結果は下の表1に要約される。データは、平均粒径はMMPS/Msilica比の増加とともに増加することを示す。
【0062】
【表2】

【0063】
例1〜3の複合体粒子のシリカ含量がTGAにより測定された。データは、複合体粒子のシリカ含量がMMPS/Msilica比の増加とともに着実に減少することを示す。
【0064】
【表3】

【0065】
例5
ドロップオフ試験
上述のドロップオフ試験が、上述の方法により、SinonarからのEUPSA&K-P100ポリエステルトナーを用いて例1〜3で製造された複合体粒子について実施された。結果は、HMDZで処理された115nmおよび300nm球状コロイドシリカおよび同様にHMDZで処理された200nm非球状コロイドシリカについて、同一方法で実施されたドロップオフ試験の結果と比較された。HMDZでのコロイドシリカの処理は、US7,8が11,540B2に記載されるプロトコールに従って実施された。すなわち、疎水性シリカ粒子試料A,B,およびCが、表3に示される、商業的に入手可能な疎水性コロイドシリカ分散体から調製された。イソプロパノール共溶媒およびヘキサメチルジシラザン(HMDZ)が、表4に示されるように、オーバーヘッド撹拌機、熱電対およびコンデンサを備えた1Lフラスコ内の各コロイドシリカ分散体に添加された。混合物は少なくとも撹拌翼の頂部に分散体の渦巻が延びる速度で急速撹拌された。この速度での撹拌は反応時間の間、継続された。各分散体を5〜6時間、65〜70℃で反応させた後に、各分散体はパイレックス(登録商標)トレイ内に注がれ、120℃で強制空気オーブン内で一夜乾燥された。最終生成物は、IKA M20 Universalミルを用いて粉砕され、炭素含有量について試験された。
【0066】
【表4】

【0067】
【表5】

【0068】
ドロップオフ試験の結果は図3Aおよび3Bに要約される。結果は、20および30%電力での音波処理後に、複合体粒子(円)は、HMDZで処理された同様の大きさのコロイドシリカ(正方形)よりもドロップオフが小さいことを示す。ドロップオフは、115nmから300nmの粒径とともに、そして20から30%電力の音波処理エネルギーの増加とともに、増加する。
例6
摩擦帯電測定
例1〜3からの複合体粒子ならびに例5に記載される115nmおよび300nmコロイドシリカ試料で配合されたモデルトナーの摩擦帯電挙動が次の方法により測定された。現像剤が2wt%調合トナー(すなわち、上述のように粉砕されたEUPSA&K-P100ポリエステルトナーおよび添加剤)をシリコーン樹脂被覆4Cu-Znフェライトキャリア(粒径60〜90μm、Powdertec Co., Ltd.から購入)と混合することにより調製された。現像剤は、18℃で相対湿度15%(LL状態)または30℃で、相対湿度80%(HH状態)の温度湿度調節室で、一晩状態調節された。
【0069】
状態調節後に、現像剤はガラスジャー内に入れられ、ロールミル上で約185rpmで30分間回転することにより帯電された。摩擦帯電の測定は、Vertex T-150摩擦帯電計(Vertex Image Products, Inc., Yukon,PAにより製造されている)を用いて実施された。試料はファラデイケージ内に置かれ、高圧空気ジェットがキャリアからトナーを吹き飛ばすのに用いられた。キャリアはトナー粒子の反対の荷電を保持した。結果は下の表5に要約される。
【0070】
【表6】

【0071】
表のデータは、ナノ複合体粒子がHMDZで処理された摩擦静電帯電コロイドシリカ粒子と同様な摩擦静電帯電を有することを示す。
例7
ST-O40シリカを用いる複合体粒子の合成、MMPS/Msilica=2.2、pH8.5
複合体粒子が例1に記載される方法に従って調製された。オーバーヘッド撹拌モータ、コンデンサおよび熱電対を備えた250mL四つ口丸底フラスコは、ST-O40コロイドシリカ分散体(日産化学、20〜30nm粒径、BET SA 128m/g, pH2−3、シリカ濃度40wt%)18.7g、脱イオン水125mLを充填された。分散体のpHはNHOHの1,0N溶液を数滴添加して8.5に調節され、ついでMPS 16.5g(0.066モル)が添加された。この例において、質量比MMPS/Msilicaは2.2であった。温度は65℃まで上昇し、混合物は120rpmで撹拌された。3時間後に、温度は75℃に上昇し、窒素が30分間、混合物に吹き込まれた。エタノール10mLに溶解されたラジカル開始剤AIBN0.16g(MPS 1wt%以下)が混合物に添加された。ラジカル重合は5時間行われた。ついで、混合物は170メッシュ篩でろ過され、凝塊を除去された。分散体はパイレックス(登録商標)トレイ内で120℃で一夜乾燥された。次の日、白色の粉末状固体が捕集され、IKA M20 Universalミルを用いて粉砕された。この材料のTEM顕微鏡写真が図4に示される。
例8
ST-O40シリカを用いる複合体粒子の合成、MMPS/Msilica=5、pH8.5
この例において、MMPS/Msilicaは5であった。合成方法は例7の方法と同様であるが、ST-O40コロイドシリカ分散体8.3gが使用された。この材料のTEM顕微鏡写真が図5に示される。
例9
酸化チタンを用いる複合体粒子の合成
オーバーヘッド撹拌モータ、コンデンサおよび熱電対を備えた250mL丸底フラスコは、酸化チタン(IV)ナノ粉末(比表面積200m/g,粒径<25nm、BET SA 126m/g,Sigma-Aldrichから入手可能)30gおよび脱イオン水150mLを充填された。分散体のpHは濃水酸化アンモニウム水溶液を数滴添加して8.5に調節される。分散体は10分間、30%音波処理器電力で音波処理され、酸化チタンの十分な分散を確実にした。メタクリルオキシプロピル-トリメトキシシラン(MPSと略記、CAS #2530−85−0、Mw=248.3)20gが添加された。温度は65℃まで上昇し、混合物は約100rpmで撹拌された。窒素が30分間、混合物に吹き込まれた。3時間後に、エタノール10mLに溶解されたラジカル開始剤2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBNと略記、CAS #78−67−1、Mw=164.2)0.2gが添加され、温度は75℃に上昇した。ラジカル重合は5時間行われ、ついで1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)3mL(2.3g、0.014モル)が混合物に添加された。反応はさらに3時間行われた。最終混合物は170メッシュ篩でろ過され、凝塊を除去し、分散体はパイレックス(登録商標)トレイ内で120℃で一夜乾燥された。次の日、白色の粉末状固体が捕集され、IKA M20 Universalミルを用いて粉砕された。
例10
コロイドシリカを用いる複合体粒子の合成、コモノマーとしてMPS およびスチレン
オーバーヘッド撹拌モータ、コンデンサおよび熱電対を備えた500mL三つ口丸底フラスコは、Ludox AS-40 コロイドシリカ分散体12.6g、および脱イオン水200mLを充填された。MPS14.3g(0.058モル)がスチレン4.3g(0.041モル)と混合され、Ludox分散体に滴下された。混合物は25℃で22時間撹拌された。温度は75℃まで上昇し、窒素が30分間、混合物に吹き込まれた。イソプロパノール10mLに溶解されたAIBN 700mg(0.004モル)が反応混合物に添加された。ラジカル重合は6時間行われ、ついでイソプロパノール150mLおよびイソプロパノール2mLに溶解されたHMDZ 1.1g(0.004モル)が混合物に添加された。反応はさらに5時間行われた。最終混合物はパイレックス(登録商標)トレイ内で110℃で一夜乾燥された。次の日、白色の粉末状固体が捕集され、IKA M20 Universalミルを用いて粉砕された。この材料の透過型電子顕微鏡(TEM顕微鏡)写真が図6に示される。摩擦帯電が、例6に記載されたように測定されたが、となーはSinonarからのEUHP25Kポリエステルトナーを用いて調合された;HHおよびLL状態条件での摩擦帯電の比は0.57であった。
例11
シリカ−ポリマー複合体粒子の水性吸着等温線
例2,7,8および10により製造された複合体粒子についての水吸着等温線
がSurface Measurement Systems, Inc.からの動的蒸気収着平衡を用いて25℃で測定された。試料100mgが、分析前に125℃で30分間、ガラス小瓶内で乾燥された。乾燥試料は、Haug One-Point-Ionizer (Haug North America, Williamsville, NY)の下にそれらを簡単に保持した後に、すぐに装置に装填された。データは、0〜95%の選ばれた相対湿度で20分間、温置後に測定された。 結果は、図7に示される(正方形−例2;三角形−例7;ダイアモンド形−例8;x−例10)。結果は比較的良好な吸着性能を示す−すべての試料は50%相対湿度で3wt%より小さい水吸着を示した。
【0072】
本発明の好ましい態様の上記記載は、例証と説明の目的のために示されている。網羅的であること、または本発明を記載た正確な形態に限定することを意図するものではない。修正と変更が、上記の教示に照らして可能であり、または本発明の実施により取得できる。これらの態様は、本発明の原理とその実際的な応用を、当業者が、本発明を想定された具体的な用途に適合するように、種々の態様で種々の修正を加えながら用いることを確実にするように説明するために、選択され、そして説明されている。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって規定されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー粒子およびトナー添加剤を含み、トナー添加剤は金属酸化物とポリマーを含む金属酸化物−ポリマー複合体粒子を含むトナー組成物であり、ここで金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、トナー粒子の表面に分布され、ならびに
金属酸化物粒子はポリマーに共有結合で結合され、金属酸化物の表面は第1の疎水化剤で修飾され、金属酸化物−ポリマー複合体粒子の湿分は、約1気圧で50%相対湿度および25℃の平衡後に測定されるとき、0wt%〜約10wt%であり、そして金属酸化物−ポリマー複合体粒子の密度は、ヘリウムピクノメトリーで測定されるとき、金属酸化物の密度の約30%〜約90%である、
トナー組成物。
【請求項2】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子の湿分は、約1気圧で50%相対湿度および25℃の平衡後に測定されるとき、0wt%〜約5wt%である請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項3】
トナー組成物は約0.5〜約7wt%の金属酸化物−ポリマー複合体粒子を含む請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項4】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、径が約50nm〜約500nmである請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項5】
金属酸化物粒子の少なくとも一部は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子の表面で露出される請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項6】
ポリマーは、第1の疎水化剤のポリマーまたはコポリマーを含む請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項7】
金属酸化物粒子は、沈殿またはコロイド金属酸化物粒子を含む請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項8】
金属酸化物粒子の表面は、第2の疎水化剤で修飾される請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項9】
第2の疎水化剤は、シラザン化合物、シロキサン化合物、シラン化合物、および高々10,000の数平均分子量をもつシリコーン流体から選ばれる請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項10】
第1の疎水化剤は式Si[H3−x(OR]RQを有し、ここで、xは1,2または3、Rはメチルまたはエチル、Rは一般式CH2nを有するアルキルリンカー(nは1〜10)、そしてQは置換または非置換のビニル、アクリレート、またはメタクリレート基である請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項11】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、第3の疎水化剤で処理される請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項12】
第3の疎水化剤は、アルキルハロシランまたは10,000より大きい数平均分子量をもつシリコーン流体である請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項13】
ポリマーは、アクリレートおよびメタクリレート、オレフィン、ビニルエステルおよびアクリロニトリルおよびコポリマーならびにそれらの混合物から選ばれる請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項14】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、約0.8〜約1.2のアスペクト比を有する請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項15】
金属酸化物粒子の長さの約5%〜約95%が金属酸化物−ポリマー複合体粒子の表面に露出される請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項16】
金属酸化物粒子および第1の疎水化剤を含む水性分散体を調製すること、ここで、第1の疎水化剤は金属酸化物粒子に化学的に結合される;
水性分散体に重合開始剤を添加して表面にシリカ粒子を持つ金属酸化物−ポリマー複合体粒子を形成させること;ならびに
第2の疎水化剤で金属酸化物粒子の利用可能表面を処理すること、ここで処理は金属酸化物−ポリマー複合体粒子の調製の前または形成の後に実施され得る、
を含む複合体粒子の製造方法。
【請求項17】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子を乾燥することをさらに含み、ここで処理が金属酸化物−ポリマー複合体粒子の形成後に実施されるとき、乾燥は処理の前または後に実施され得る、請求項16に記載の複合体粒子の製造方法。
【請求項18】
ヒュームド金属酸化物粒子および第1の疎水化剤を含む水性分散体を調製すること、ここで第1の疎水化剤は金属酸化物粒子に化学的に結合される;ならびに水性分散体に重合開始剤を添加して表面にヒュームド金属を有する酸化物−ポリマー複合体粒子を形成させること、
を含む複合体粒子の製造方法。
【請求項19】
第2の疎水化剤でヒュームド金属酸化物粒子の利用可能表面を処理することをさらに含み、処理は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子の調製の前または形成の後に実施され得る請求項18に記載の複合体粒子の製造方法。
【請求項20】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子を乾燥することをさらに含む請求項18に記載の複合体粒子の製造方法。
【請求項21】
水性媒体中に第1の疎水化剤を含むミセルからなるエマルションを調製すること、ここで金属酸化物粒子は少なくともミセル表面に分布されており、そして第1の疎水化剤は式Si[H3−x(OR]RQであり、ここで、xは1,2または3、Rはメチルまたはエチル、Rは一般式CH2nを有するアルキルリンカー(nは1〜10)、そしてQは置換または非置換のビニル、アクリレート、またはメタクリレート基である;
所定の時間、エマルションを温置すること;
油溶性ラジカル開始剤をエマルションに添加すること;
第1の疎水化剤の化学基をポリマーの一部とし、それにより金属酸化物−ポリマー複合体粒子を形成すること;ならびに
金属酸化物−ポリマー複合体粒子を乾燥して粉末を得ること、ここで金属酸化物−ポリマー複合体粒子は、金属酸化物−ポリマー複合体粒子に配合された金属酸化物の密度の約30%〜約90%の密度を有する、
を含む金属酸化物−ポリマー複合体粒子の製造方法。
【請求項22】
第2の疎水化剤で金属酸化物粒子をエマルション調製前に処理することをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子を第2の疎水化剤、第3の疎水化剤またはその両方で処理することをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項24】
金属酸化物−ポリマー複合体粒子を粉砕することをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項25】
エマルションは、さらにビニルモノマーを含む請求項21に記載の方法。

【図3A】
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【図3B】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−92748(P2013−92748A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−102057(P2012−102057)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【出願人】(391010758)キャボット コーポレイション (164)
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
【Fターム(参考)】