説明

複合処理装置、複合処理装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】媒体を読み取る機能と、紙片を発行する機能とを有し、制御装置の制御の下、媒体の読み取り結果を反映した画像が記録された紙片を発行可能な複合処理装置について、紙片の再発行の指示があった場合に、当該再発行を迅速に行うようにする。
【解決手段】複合処理装置1の紙片発行制御部70aは、第1バッファー77aへの画像データの展開に応じて、第2バッファー77bに、画像データをコピーし、紙片の再発行の指示があった場合、第2バッファー77bにコピーされた画像データに基づいて、サーマルプリンターユニット60に感熱ロール紙に画像を記録させ、感熱ロール紙を切断させて紙片を再発行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に接続され、媒体を処理し、紙片を発行する複合処理装置、当該複合処理装置の制御方法、及び、当該複合処理装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小切手等の媒体を搬送すると共に、搬送中、媒体を磁気的、光学的に読み取る媒体処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の媒体処理装置は、一般に、ホストコンピューター等の制御装置に接続され、媒体の読み取り結果は、制御装置に出力され、制御装置側で適切な処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−255393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した媒体処理装置のように媒体を読み取る一連の処理において、媒体の読み取りに関する情報を記録した紙片等を発行し、発行した紙片を必要に応じて顧客に引き渡し、また、保管する場合がある。紙片としては、例えば、媒体の読み取りが終了したことを証明する情報や、処理した媒体のイメージ等が記録されたレシート等がある。そして、このような紙片が一度発行された後、当該紙片を受け取る者の要望、あるいは、その他の理由により、当該紙片と同等の内容の情報が記録された紙片を再発行する場合がある。
制御装置の制御の下、媒体を読み取る機能と、紙片を発行する機能とを有し、媒体の読み取り結果を反映した画像が記録された紙片を発行可能な複合処理装置では、制御装置から紙片の再発行に係る制御コマンドを取得することにより、紙片の再発行が可能であるが、制御装置の動作状況、あるいは、制御装置との通信の状況等により迅速に紙片を発行できない場合がある。再発行の指示があった場合、制御装置の動作状況、あるいは制御装置との通信の状況等に影響されることなく、紙片の再発行を迅速に行うことができれば、商品としての価値が向上する。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、制御装置の制御の下、媒体を読み取る機能と、紙片を発行する機能とを有し、媒体の読み取り結果を反映した画像が記録された紙片を発行可能な複合処理装置について、紙片の再発行の指示があった場合に、当該再発行を迅速に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、制御装置に接続可能な複合処理装置であり、媒体を搬送する搬送部と前記搬送部により搬送される前記媒体を読み取り、読み取り結果を前記制御装置に出力する読取部と、記録媒体に画像を記録し、前記記録媒体を切断することにより紙片を発行する紙片発行部と、前記制御装置から、前記読取部の読み取り結果を反映した画像が記録される前記紙片の発行を指示する制御コマンドを受信する受信部と、前記受信部により受信した前記制御コマンドに基づいて、第1バッファーに画像データを展開し、展開した前記画像データに基づいて、前記紙片発行部により前記記録媒体に画像を記録させ、前記記録媒体を切断させて前記紙片を発行させる紙片発行制御部と、を備え、前記紙片発行制御部は、前記第1バッファーへの前記画像データの展開に応じて、第2バッファーに、前記第1バッファーに展開された前記画像データをコピーし、前記紙片の再発行の指示があった場合、前記第2バッファーにコピーされた前記画像データに基づいて、前記紙片発行部により前記記録媒体に画像を記録させ、前記記録媒体を切断させて前記紙片を再発行させることを特徴とする。
この構成によれば、紙片の発行に際し、第1バッファーへの画像データの展開に応じて、第2バッファーに、第1バッファーに展開された画像データがコピーされ、紙片の再発行の指示があった場合、第2バッファーにコピーされた画像データに基づいて記録媒体に画像を記録し、記録媒体を切断して紙片を再発行する。このため、紙片の再発行にあたり、制御装置から紙片の再発行に係る制御コマンドを取得する必要が無く、制御装置との通信の状況等に影響されることなく迅速に紙片を発行可能である。
【0006】
また、本発明は、前記制御コマンドには、前記記録媒体の切断を指示するカットコマンドが含まれ、前記紙片発行制御部は、前記受信部により前記制御装置から前記制御コマンドの受信を開始した後、前記カットコマンドに基づいて前記記録媒体の切断が行われるまでに、前記第1バッファーに展開された前記画像データを、1つの前記紙片に記録すべき前記画像データとして前記第2バッファーにコピーし、前記紙片の再発行の指示があった場合、1つの前記紙片に記録すべき画像の前記画像データとして前記第2バッファーにコピーされた前記画像データに基づいて、前記紙片発行部により前記記録媒体に記録させることを特徴とする。
この構成によれば、1つの紙片を発行するための制御コマンドにおける最後のコマンドが記録媒体の切断を指示するカットコマンドであるという特性を利用して、紙片ごとに、画像データを第2バッファーにコピーすることが可能となり、紙片の再発行に際し、記録すべき画像を過不足無く紙片に記録することが可能となる。
【0007】
また、本発明は、前記紙片発行制御部は、前記第2バッファーにコピーする前記画像データについて、再発行される前記紙片に記録されることを前提とした所定の加工を行うことを特徴とする。
この構成によれば、第2バッファーにコピーされる画像データについて、再発行される紙片に記録されることを前提とした所定の加工が行われるため、再発行する紙片について、再発行されたものであることを認識できるような態様で画像を記録することが可能となる。
【0008】
また、本発明は、指示入力を行うための1又は複数のスイッチを備え、1又は複数の前記スイッチが所定の態様で操作することにより、前記紙片の再発行の指示可能に構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、再発行のための専用のスイッチを設けることなく、既存のスイッチを利用して再発行を指示できるようにすることができるため、製造コストを低減することができる。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明は、制御装置に接続可能に構成され、媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記媒体を読み取り、読み取り結果を前記制御装置に出力する読取部と、記録媒体に画像を記録し、前記記録媒体を切断することにより紙片を発行する紙片発行部と、を備える複合処理装置の制御方法であって、前記制御装置から、前記読取部の読み取り結果を反映した画像が記録された前記紙片の発行を指示する制御コマンドを受信し、受信した前記制御コマンドに基づいて、第1バッファーに画像データを展開し、展開した前記画像データに基づいて、前記紙片発行部により前記記録媒体に画像を記録させ、前記記録媒体を切断させて前記紙片を発行させると共に、前記第1バッファーへの前記画像データの展開に応じて、第2バッファーに、前記第1バッファーに展開された前記画像データをコピーし、前記紙片の再発行の指示があった場合、前記第2バッファーにコピーされた前記画像データに基づいて、前記紙片発行部に前記記録媒体に画像を記録させ、前記記録媒体を切断させて前記紙片を再発行させることを特徴とする。
この制御方法によれば、紙片の発行に際し、第1バッファーへの画像データの展開に応じて、第2バッファーに、第1バッファーに展開された画像データがコピーされ、紙片の再発行の指示があった場合、第2バッファーにコピーされた画像データに基づいて記録媒体に画像を記録し、記録媒体を切断して紙片を再発行する。このため、紙片の再発行にあたり、制御装置から紙片の再発行に係る制御コマンドを取得する必要が無く、制御装置との通信の状況等に影響されることなく迅速に紙片を発行可能である。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、制御装置に接続可能に構成され、媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記媒体を読み取り、読み取り結果を前記制御装置に出力する読取部と、記録媒体に画像を記録し、前記記録媒体を切断することにより紙片を発行する紙片発行部と、を備える複合処理装置の各部を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部を、前記制御装置から受信した前記読取部の読み取り結果を反映した画像が記録された前記紙片の発行を指示する制御コマンドに基づいて、第1バッファーに画像データを展開し、展開した前記画像データに基づいて、前記紙片発行部により前記記録媒体に画像を記録させ、前記記録媒体を切断させて前記紙片を発行させると共に、前記第1バッファーへの前記画像データの展開に応じて、第2バッファーに、前記第1バッファーに展開された前記画像データをコピーし、前記紙片の再発行の指示があった場合、前記第2バッファーにコピーされた前記画像データに基づいて、前記紙片発行部に前記記録媒体に画像を記録させ、前記記録媒体を切断させて前記紙片を再発行させる紙片発行制御部として機能させることを特徴とする。
このプログラムを実行すれば、紙片の発行に際し、第1バッファーへの画像データの展開に応じて、第2バッファーに、第1バッファーに展開された画像データがコピーされ、紙片の再発行の指示があった場合、第2バッファーにコピーされた画像データに基づいて記録媒体に画像を記録し、記録媒体を切断して紙片を再発行する。このため、紙片の再発行にあたり、制御装置から紙片の再発行に係る制御コマンドを取得する必要が無く、制御装置との通信の状況等に影響されることなく迅速に紙片を発行可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、媒体を読み取る機能と、紙片を発行する機能とを有し、制御装置の制御の下、媒体の読み取り結果を反映した画像が記録された紙片を発行可能な複合処理装置について、紙片の再発行の指示があった場合に、当該再発行を迅速に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】複合処理装置の外観斜視図である。
【図2】複合処理装置の内部構造を示す図である。
【図3】複合処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】複合処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】紙片、及び、紙片の発行に係る制御コマンドの一例を示す図である。
【図6】第1バッファー、及び、第2バッファーを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<複合処理装置の構成>
図1は、本実施の形態に係る複合処理装置1の外観斜視図である。
複合処理装置1は、読取対象媒体であるシート状の小切手4(媒体)や帳票類に対し、この読取対象物に記録された磁気インク文字の読み取り、読取対象物の両面の光学的読み取り、及び、当該読取対象物への画像の記録を行う装置である。また、複合処理装置1は、クレジットカード等のカード型の媒体に記録された磁気情報を読み取るリーダーとしての機能、及び、感熱ロール紙(記録媒体)に画像を記録して切断することにより、画像が記録された所定の紙片を発行する機能を備えている。
【0014】
本実施形態では、読取対象物として小切手4を処理する場合を例に挙げて説明する。小切手4は、図1に示すように、所定の模様や装飾が施されたシートに金額、振出人、通し番号、サインなどが記録された帳票である。これら金額、振出人、通し番号、サインなどは表面4aに記録される。小切手4の表面4aには小切手4の長辺方向に延びる磁気インク文字列4cが形成されている。磁気インク文字列4cは、磁気インクで印刷された複数の磁気インク文字(MICR文字)が並んだものであり、磁気的または光学的に読み取ることができる。
小切手4の裏面4bには裏書き欄が設けられている。この裏書き欄には、後述するインクジェットヘッド10によって、裏書きに係る画像が記録される。小切手4の短辺方向及び長辺方向のサイズは規格化されているものの、多様な規格が存在するため、実際には様々なサイズがある。複合処理装置1では、一般的な小切手4のサイズをほぼ包含し得る最大サイズを規定し、この最大サイズ内の小切手4であれば処理できる。
【0015】
複合処理装置1は、本体下部を覆う下部ケース11、及び下部ケース11に被せられるカバー12からなる外装を有し、外装の内部に複合処理装置1の本体13(図3)が収容されている。複合処理装置1の前面には、小切手4を挿入する挿入口14が開口しており、挿入口14の奥には複数の小切手4を積層して収納できるストッカー15が設けられている。このストッカー15は、前面側へ向かって引き出し自在に構成されており、ストッカー15に収納すべき小切手4のサイズに応じてストッカー15を引き出した上で、このストッカー15に小切手4を収納させることが可能である。
また、カバー12には、上面視で略U字形状に、小切手4の搬送路Wとなるスリット18が形成されている。スリット18は、上述したストッカー15に連通すると共に、スリット18は複合処理装置1の前面側に設けられたポケット19に連通している。ストッカー15に収納された小切手4は、後述するように1枚ずつ複合処理装置1の内部に取り込まれ、スリット18を通る間に処理されて、処理後の小切手4はポケット19に排出される。ポケット19には複数の小切手4を収納することができる。
図1に示すように、ストッカー15の側方には、磁気カードリーダーユニット20が設けられている。磁気カードリーダーユニット20は、カバー12に形成されたカードスリット21と、このカードスリット21に対応して設けられたMCRヘッド22(図3)とを備え、カードスリット21を通るカード類に磁気的に記録された情報をMCRヘッド22によって読み取る。
【0016】
図2は、複合処理装置1の外装内部に収容されている本体13の構成を示す平面図である。ストッカー15の一側面にはホッパー25が設けられている。このホッパー25は、ホッパー駆動モーター26(図3)により、図中矢印方向に回動可能に構成されており、ストッカー15に貯留された小切手4を他方の側面側に付勢する。
ストッカー15の他方の側面には、後述するASF(Automatically Sheet Feeder)モーター27(図3)により駆動されるピックアップローラー28が配置されており、ホッパー25がピックアップローラー28側に回動すると、この回動に応じてストッカー15内の小切手4のうち1枚がピックアップローラー28に付勢され、当該ローラーに接触して、当該ローラーの回転に応じて搬送路Wに引き込まれる。
ストッカー15の奥には、一対のローラーで構成されるASFローラー29が配置されている。ASFローラー29の2つのローラーは、搬送路Wの両側に配置され、一方は後述するASFモーター27の動力により回転し、他方のローラーは従動ローラーである。ピックアップローラー28に接した小切手4はASFローラー29に挟まれて、スリット18内を下流側へ搬送される。
【0017】
ストッカー15の所定の位置には、ASF用紙検出器31(図3)が設けられている。ASF用紙検出器31は、例えば透過型光センサーで構成され、ストッカー15における小切手4の有無を検出する。
また、ストッカー15において、ホッパー25の待機位置には、ホッパー位置検出器32(図3)が設けられている。ホッパー位置検出器32は、例えば透過型光センサーで構成され、ホッパー25が待機位置に位置しているか否かを検出する。
ASFローラー29の下流側には、小切手4の表面4aに接して磁気インク文字列4c(図1)を磁気的に読み取るMICR(Magnetic Ink Character Recognition)ヘッド35が配置されている。MICRヘッド35には、MICRローラー36が対向配置される。MICRローラー36はMICRヘッド35側に付勢されており、小切手4をMICRヘッド35に押しつけながら回転して、小切手4を、MICR文字の読み取りに適した定速で搬送する。MICRヘッド35の上流側には、ASFローラー29により繰り出された小切手4をMICRヘッド35に案内する、一対のローラーからなるアシストローラー37が配置されている。
【0018】
また、搬送路W上においてアシストローラー37とMICRヘッド35との間には、用紙長検出器38が配置されている。用紙長検出器38は、例えば反射型光センサーで構成され、搬送路W上を通る小切手4の検出位置における有無を検出することにより、小切手4の先端及び後端を検出する。用紙長検出器38の検出値は後述する制御部70により取得され、この検出値の変化に基づいて小切手4の長さが求められる。
搬送路W上でMICRヘッド35の下流側には、搬送路Wを挟んで対向する一対のローラーを有する第1搬送ローラー40が設けられ、さらに、この第1搬送ローラー40の下流側には第2搬送ローラー41が設けられている。これら第1搬送ローラー40、及び、第2搬送ローラー41は、搬送モーター42(図3)によって回転駆動されるローラーであり、これらローラーによって小切手4はインクジェットプリンターユニット44へ搬送される。
【0019】
インクジェットプリンターユニット44は、インクジェットヘッド10を備えている。インクジェットヘッド10は、本体13の前部に収容されているインクカートリッジ45からインクの供給を受けて、小切手4にインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドである。このインクジェットヘッド10は、いわゆるラインインクジェットヘッドであり、小切手4に対する記録の際は、一定の速度で搬送される小切手4の裏面4bに対して、固定された状態のインクジェットヘッド10からインクが吐出されて、画像が記録される。この小切手4の裏面4bに記録される画像は、いわゆる裏書きと呼ばれる文字や記号等である。
インクジェットヘッド10の上流側であって、インクジェットヘッド10と、第2搬送ローラー41との間には、中間検出器46が設けられている。中間検出器46は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
【0020】
インクジェットヘッド10の下流には、小切手4を光学的に読み取るCIS(Contact Image Sensor)ユニットが配置されている。このCISユニットは、小切手4の表面4aを読み取る表面CISユニット47と、裏面4bを読み取る裏面CISユニット48とを有し、小切手4の両面を光学的に読み取り可能である。表面CISユニット47と裏面CISユニット48は搬送路Wを挟んで対向配置されており、これらユニットの上流側には第1CISローラー50が配置され、また、下流側には第2CISローラー51が配置されている。これら第1CISローラー50、及び、第2CISローラー51は、搬送モーター42によって回転駆動されるローラーであり、これらローラーによってCISユニットによって読み取り中の小切手4が安定して搬送される。
第2CISローラー51の下流には、排出検出器52が設けられている。排出検出器52は、例えば反射型光センサーで構成され、検出位置における小切手4の有無を検出する。
【0021】
表面CISユニット47、裏面CISユニット48の下流側には上述したポケット19が設けられている。ポケット19は、メインポケット19aと、サブポケット19bとに区画されており、スリット18が分岐して、それぞれのポケット19に連通している。これらメインポケット19a、及び、サブポケット19bには、それぞれ複数の小切手4を収納できる。
そして、スリット18が分岐した位置には、小切手4を排出すべきポケット19を、メインポケット19aとサブポケット19bとのいずれかに切り替える切替板54が配置されている。切替板54は、メインポケット19aに連通する経路とサブポケット19bに連通する経路のいずれか一方を塞ぐことで小切手4を他方に案内するガイドであり、切替板駆動モーター55(図3)によって駆動される。切替板54からメインポケット19aに繋がる経路には排出ローラー56が設けられ、また、切替板54からサブポケット19bに繋がる経路には排出ローラー57が設けられており、小切手4は、これらローラーにより切替板54に案内されたいずれかのポケット19にスムーズに排出される。
後述するように、複合処理装置1は、MICRヘッド35による磁気インク文字列4cの読み取り結果に基づいて、小切手4が正しくセットされていると判別した場合は、小切手4をメインポケット19aに排出し、一方、小切手4が正しくセットされていないと判別した場合は、サブポケット19bに排出する。
【0022】
また、図1及び図2に示すように、複合処理装置1の中央部には、画像が記録された紙片を発行するサーマルプリンターユニット60(紙片発行部)が設けられている。
図1に示すように、サーマルプリンターユニット60は、ユニット本体の上部を覆うプリンターカバー61を備えている。このプリンターカバー61は、カバー12に対して開閉自在に取り付けられており、プリンターカバー61を開くと、感熱ロール紙を収容可能な空間であるロール紙収容部62(図3)が露出し、感熱ロール紙の補充や交換が可能となる。プリンターカバー61には、排紙口63が形成されており、ロール紙収容部62に収容された感熱ロール紙は、排紙口63を介して、排出される。
サーマルプリンターユニット60は、ロール紙収容部62に収容した感熱ロール紙を繰り出して搬送路W上を搬送させるローラー状のプラテン(不図示)と、プラテンに対向配置されたサーマルヘッド65(図3)と、搬送方向に対し直交する方向に感熱ロール紙を切断するカッターユニット66とを備えている。紙片の発行に際し、サーマルプリンターユニット60は、プラテンを駆動して感熱ロール紙を搬送方向に搬送しつつ、サーマルヘッド65により感熱ロール紙に画像を記録し、カッターユニット66によって所定の位置で感熱ロール紙を切断することにより、紙片を発行する。
【0023】
図3は、複合処理装置1とホストコンピューター5(制御装置)とを接続して構成される複合処理システム8の機能的構成を示すブロック図である。
複合処理装置1は、複合処理装置1全体を制御する制御部70と、インクジェットヘッド駆動回路72と、モータードライバー73と、読取制御回路74と、センサー駆動回路75と、インターフェイス部76と、操作部78と、を有し、これらの各部は相互に通信可能に接続されている。
【0024】
制御部70は、複合処理装置1の各部を中枢的に制御するものであり、接続されたフラッシュROMに記憶されている制御プログラムをCPUにより読み出して実行することにより、複合処理装置1の各部を制御する。制御部70は、紙片発行制御部70aを備えているが、これについては後述する。
制御部70には、RAM77が接続されており、このRAM77には、第1バッファー77a、及び、第2バッファー77bが形成されているが、これらについては後述する。
制御部70は、インクジェットヘッド駆動回路72を介してインクジェットヘッド10に駆動電流を供給し、インクジェットヘッド10からインクを吐出して小切手4への画像の記録を行う。
モータードライバー73は、ホッパー駆動モーター26に接続され、制御部70の制御に従ってホッパー25を回動させる。また、モータードライバー73は、ASFモーター27、及び、搬送モーター42に接続され、これら各モーターに駆動電流や駆動パルスを出力して、制御部70の制御に従いこれらモーターを動作させて、これらモーターに接続されたローラーを駆動する。
これら制御部70や、モータードライバー73、ホッパー駆動モーター26、ホッパー25、ASFモーター27、搬送モーター42、これらモーターに接続されたローラー、その他の機構、装置が協働して、小切手4(媒体)を搬送する搬送部として機能する。
また、モータードライバー73は、切替板駆動モーター55に接続され、制御部70の制御の下当該モーターに駆動電流や駆動パルスを出力することによって切替板54を移動させ、小切手4が排出されるポケット19を、メインポケット19a側、又は、サブポケット19b側に切り替える。
【0025】
読取制御回路74は、MCRヘッド22、MICRヘッド35、表面CISユニット47、及び、裏面CISユニット48に接続されている。
読取制御回路74は、制御部70の制御に従って、カードスリット21(図1)にカード類が通される際にMCRヘッド22によって磁気情報を読み取らせ、MCRヘッド22が出力する読取信号をデジタル化して制御部70に出力する。
また、読取制御回路74は、制御部70の制御に従って、MICRヘッド35によって磁気情報を読み取らせ、MICRヘッド35が出力する読取信号をデジタル化して制御部70に出力する。制御部70は、MICRヘッド35による読み取り結果に係るデータを、ホストコンピューター5に出力する。これら制御部70や、読取制御回路74、MICRヘッド35、その他の機構、装置が協働して読取部として機能する。
また、読取制御回路74は、制御部70の制御に従って、表面CISユニット47及び裏面CISユニット48に、小切手4の表面4a及び裏面4bを読み取らせ、これらCISユニットが出力する読取信号をデジタル化して制御部70に出力する。制御部70は、これらCISユニットによる読み取り結果に係るデータを、ホストコンピューター5に出力する。これら制御部70や、読取制御回路74、表面CISユニット47、裏面CISユニット48、その他の機構、装置が協働して読取部として機能する。
【0026】
センサー駆動回路75は、ASF用紙検出器31、ホッパー位置検出器32、用紙長検出器38、中間検出器46、及び、排出検出器52に接続され、これらの各検出器に電流を供給して、所定周期で出力値を取得し、取得した出力値をデジタルデータに変換して制御部70に出力する。
インターフェイス部76は、ホストコンピューター5に対して有線または無線で接続され、制御部70の制御に従って、ホストコンピューター5との間で制御データを含む各種データを送受信する。制御部70、及び、インターフェイス部76が協働して、ホストコンピューター5から制御コマンドを受信する受信部として機能する。
操作部78は、複合処理装置1に設けられた各種スイッチに接続されており、スイッチに対する操作を検出し、制御部70に出力する。スイッチには、少なくとも、上述したサーマルプリンターユニット60に収容された感熱ロール紙を手動でフィードするための紙送りスイッチ78aと、インクジェットヘッド10のクリーニングの実行を指示するためのクリーニングスイッチ78bとがある。
【0027】
制御部70には、サーマルプリンターユニット60が接続されている。
上述したようにサーマルプリンターユニット60は、サーマルヘッド65、及び、カッターユニット66を備えており、制御部70の紙片発行制御部70aは、サーマルプリンターユニット60の各部を制御して、ロール紙収容部62に収容した感熱ロール紙をプラテンにより搬送方向に搬送しつつ、サーマルヘッド65により感熱ロール紙に画像を記録し、カッターユニット66によって所定の位置で感熱ロール紙を切断することにより、紙片を発行する。
この紙片発行制御部70aの機能は、CPUが制御プログラムを読み出して実行する等ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
【0028】
さて、本実施形態に係る複合処理装置1は、ストッカー15に収納された複数の小切手4について、所定のタイミングで、順次、搬送路W上に繰り出し、搬送路W上に設けられた各装置による一連の処理を、各小切手4について連続して実行可能である。さらに、複合処理装置1は、処理対象となった小切手4について、MICRヘッド35による読み取り、及び、CISユニットによる読み取りの結果を反映した画像が記録された紙片を発行可能である。さらに、複合処理装置1は、紙片の発行後、当該紙片について再発行の指示があった場合に、当該紙片を再発行することが可能である。
以下、ある1枚の小切手4に対して一連の処理を実行し、当該一連の処理における読み取り結果に基づいて当該小切手4について紙片を発行し、再発行の指示に応じて紙片を再発行する場合における複合処理システム8の動作について説明する。
【0029】
<複合処理装置1の動作フロー>
図4は、複合処理システム8の動作を示すフローチャートである。
図4において、(A)は複合処理装置1の動作を示し、(B)はホストコンピューター5の動作を示している。
まず、ホストコンピューター5は、複合処理装置1に、小切手4に対する一連の処理を実行させる制御コマンドを出力する(ステップSB1)。ここで出力された制御コマンドには、複合処理装置1に小切手4に対してステップSA1〜ステップSA8の一連の処理を行わせるために必要なコマンドが不足無く含まれているものとする。制御コマンドを生成し、出力する処理は、ホストコンピューター5にインストールされているデバイスドライバーの機能により行われる。
制御コマンドを受信すると(ステップSA1)、複合処理装置1の制御部70は、ホッパー位置検出器32の検出値や、ASF用紙検出器31の検出値を監視しつつ、ホッパー駆動モーター26や、ASFモーター27を駆動して、ストッカー15に収納された小切手4のうち1枚を搬送路Wに送り出して、小切手4の搬送を開始する(ステップSA2)。
次いで、制御部70は、用紙長検出器38の検出値を監視することにより小切手4の位置を管理しつつ、MICRヘッド35によって、小切手4の磁気インク文字列4cを読み取り、読み取り結果に係るデータをホストコンピューター5に出力する(ステップSA3)。
これに応じて、ホストコンピューター5は、MICRヘッド35による読み取り結果に係るデータを取得し(ステップSB2)、取得したデータに基づいて、磁気インク文字認識を行う(ステップSB3)。例えば、ホストコンピューター5は、受信したデータに基づいて、MICRヘッド35により検出された検出信号が示す波形と、パターンマッチング用の基準波形とを照合し、小切手4の磁気インク文字列4cを構成する磁気インク文字のそれぞれについて認識を試みる。ホストコンピューター5は、磁気インク文字列4cを構成する磁気インク文字の全てについて認識ができた場合は、文字認識が成功したと判別し、一方、1つでも認識が失敗したものがある場合は、文字認識が失敗したと判別する。
【0030】
MICRヘッド35による読み取り後、複合処理装置1の制御部70は、MICRヘッド35の読み取り結果に基づいて、小切手4が上下裏表逆にセットされることなく、正しくセットされているか否かを判別する(ステップSA4)。詳細には、紙片発行制御部70aは、磁気波形の検出の有無により小切手4が上下逆にセットされていないか否かを判別すると共に、磁気波形の状態により、小切手4が裏表逆にセットされていないか否かを判別する。
次いで、制御部70は、ステップSA4の判別結果に基づいて、切替板駆動モーター55を駆動して、切替板54を切り替える(ステップSA5)。すなわち、制御部70は、小切手4が正しくセットされている場合は、切替板54をメインポケット19a側に切り替え、一方、小切手4が正しくセットされていない場合は、切替板54をサブポケット19b側に切り替える。なお、ステップSA4、SA5の処理は、以下のステップSA6〜SA7の処理と並行して行われてもよい。
【0031】
次いで、制御部70は、中間検出器46の検出値を監視することにより小切手4の位置を監視しつつ、搬送モーター42の駆動により各種モーターを駆動して小切手4を搬送し、インクジェットヘッド10により、小切手4の裏面4bに所定の画像を記録する(ステップSA6)。なお、小切手4が正しくセットされていない場合は、ステップSA6において、画像の記録を行わないようにしてもよい。
次いで、制御部70は、表面CISユニット47によって小切手4の表面4aを光学的に読み取ると共に、裏面CISユニット48によって裏面4bを光学的に読み取り、読み取り結果に係るデータをホストコンピューター5に出力する(ステップSA7)。なお、小切手4が正しくセットされていない場合は、ステップSA7において、スキャンを行わないようにしてもよい。これに応じて、ホストコンピューター5は、CISユニットによる読み取り結果に係るデータを取得する(ステップSB4)。
次いで、制御部70は、排出検出器52の検出値を監視することにより小切手4が正常に排紙されたか否かを監視しつつ、搬送モーター42を駆動することにより各種モーターを駆動して小切手4をポケット19に排出する(ステップSA8)。その際、小切手4は、切替板54に導かれてメインポケット19a、サブポケット19bのうちMICRヘッド35の読み取り結果に応じた適切なポケット19に排出される。
【0032】
ステップSB4においてCISユニットによる読み取り結果に係るデータを取得した後、ホストコンピューター5は、ステップSB3の文字認識の結果、及び、ステップSB4で取得したCISユニットによる読み取り結果に係るデータに基づいて、所定の紙片を発行させる制御コマンドを生成し、出力する(ステップSB5)。
以下、ステップSB5においてホストコンピューター5から複合処理装置1に出力される制御コマンドの内容、及び、当該制御コマンドに基づいて発行される紙片の内容について、具体例を挙げて説明する。
【0033】
図5(a)は、ステップSB5で生成し、出力された制御コマンドに基づいて発行される紙片の一例を示す図である。
図5(a)の例では、紙片の先頭には、紙片が発行された日付を示す日付情報80が記録される。また、紙片において、日付情報80の下方には、ステップSB3における文字認識が成功したか否かを示す認識成否情報81が記録される。また、紙片において、認識成否情報81の下方には、小切手4の表面4aのグラフィック画像である小切手表面画像82が記録される。また、紙片において、小切手表面画像82の下方には、紙片の下端部に定型的に記録される文字列である定型文字列83が記録される。
このように、紙片には、認識成否情報81、及び、小切手表面画像82が記録されるが、これは、小切手4に対する処理の結果に基づいて、このような情報、画像が記録された紙片を発行し、必要に応じて、顧客に引き渡し、また、保管したいとする現実のニーズに応えたものである。
【0034】
図5(b)は、図5(a)に示す紙片を発行させる制御コマンドの内容を模式的に示す図である。
図5(b)に示すように、制御コマンドには、日付情報80を構成する文字列を記録することを指示する文字列記録指示コマンドMK1が含まれている。この文字列記録指示コマンドMK1には、文字列の記録を指示する命令コードのほか、日付情報80を構成する文字列(本例では、文字列「2011/01/01」)が含まれている。複合処理装置1は、後述するように、文字列を構成する各文字を、対応するフォントデータに変換した上で、第1バッファー77aに展開し、感熱ロール紙に記録する。フォントデータとは、文字を、感熱ロール紙に記録可能な態様で表現する実データのことであり、ドットマトリックスフォントデータや、ベクトルフォントデータ、アウトラインフォントデータ、ビットマップフォントデータや、スケイラブルフォントデータ等が存在する。
さらに、制御コマンドには、文字列記録指示コマンドMK1に続いて、文字列記録指示コマンドMK2が含まれている。この文字列記録指示コマンドMK2は、認識成否情報81を構成する文字列を記録することを指示するコマンドである。ホストコンピューター5は、ステップSB3の文字認識の結果に応じて、認識が成功したことを表す文字列、又は、認識が失敗したことを表す文字列のいずれかの記録を指示する文字列記録指示コマンドMK2を生成し、制御コマンドに含める。
【0035】
さらに、制御コマンドには、文字列記録指示コマンドMK2に続いて、グラフィック画像記録指示コマンドGK1が含まれている。
このグラフィック画像記録指示コマンドGK1は、小切手表面画像82の記録を指示する制御コマンドであり、小切手4の表面4aの画像データ(ビットマップデータ等の、画素ごとに色に関する情報を保持するデータ。以下、「表面画像データ」という。)が含まれている。ホストコンピューター5は、ステップSB4で取得した表面CISユニット47の読み取り結果に係るデータに、必要な画像処理を施して表面画像データを生成し、生成した表面画像データを含み、当該表面画像データに基づいて小切手表面画像82させるグラフィック画像記録指示コマンドGK1を生成し、制御コマンドに含める。
さらに、制御コマンドには、グラフィック画像記録指示コマンドGK1に続いて、文字列記録指示コマンドMK3が含まれている。この文字列記録指示コマンドMK3は、定型文字列83を構成する文字列を記録することを指示するコマンドである。
さらに、制御コマンドには、文字列記録指示コマンドMK3に続いて、カットコマンドCC1が含まれている。
カットコマンドCC1は、感熱ロール紙の切断を指示するコマンドである。このコマンドに基づいて感熱ロール紙が切断されることにより、紙片が感熱ロール紙から切り離されて、紙片の発行が完了する。従って、1の紙片の発行を指示する制御コマンドに含まれるコマンドのうち、カットコマンドCC1は、最後のコマンドである。
以下の説明では、ステップSB5において、ホストコンピューター5から複合処理装置1に対して、図5(a)に示す紙片を発行するべく、図5(b)に示す制御コマンドが出力されたものとする。
【0036】
さて、前掲図4に戻り、ステップSB5においてホストコンピューター5から出力された制御コマンドが入力されると(ステップSA9)、複合処理装置1の制御部70の紙片発行制御部70aは、制御コマンドのうち、文字列記録指示コマンドMK1、MK2、グラフィック画像記録指示コマンドGK1、文字列記録指示コマンドMK3に基づいて、感熱ロール紙に順次画像を記録する(ステップSA10)。
以下、ステップSA10の動作について詳述する。
【0037】
図6(a1)、(a2)は、ステップSA10の処理を説明するため、第1バッファー77aを模式的に示す図である。
以下の説明において、説明の便宜のため、動作の開始時点では、第1バッファー77aには、画像データが展開されていない状態であるものとする。
第1バッファー77aは、感熱ロール紙に記録すべき画像の画像データが展開される記憶領域であり、リングバッファーによって構成されている。第1バッファー77aをリングバッファーによって構成することにより、バッファーのオーバーフローのリスクを低減しつつ、バッファーへの画像データの展開、及び、展開した画像データに基づく画像の記録を順次実行していく本実施形態の記録方式に対応して、効率よく記憶領域を使用可能である。
ステップSA10において、紙片発行制御部70aは、文字列記録指示コマンドMK1に基づいて、日付情報80を構成する文字列をフォントデータに変換し、変換したフォントデータを、画像データとして領域A1に展開する(図6(a1)参照。)。この領域A1は、感熱ロール紙に記録される文字列、1行分に対応する記憶領域である。
次いで、紙片発行制御部70aは、領域A1に展開した画像データに基づいて、サーマルヘッド65の駆動回路を制御して、サーマルヘッド65によって日付情報80を感熱ロール紙に記録する。
次いで、紙片発行制御部70aは、文字列記録指示コマンドMK2に基づいて、認識成否情報81を構成する文字列のフォントデータを、画像データとして領域A2(図6(a1)参照。)に展開し、展開した画像データに基づいて、サーマルヘッド65により認識成否情報81を感熱ロール紙に記録する。
次いで、紙片発行制御部70aは、グラフィック画像記録指示コマンドGK1に基づいて、表面画像データを、領域A3(図6(a1))に展開し、展開した表面画像データに基づいて、サーマルヘッド65により小切手表面画像82を感熱ロール紙に記録する。
ここで、第1バッファー77aは、領域A3に表面画像データを展開した時点で、第1バッファー77aの記憶領域のサイズの関係上、次の画像データの書き込み開始アドレスが、第1バッファー77aの先頭アドレスへ移行するものとする。
次いで、紙片発行制御部70aは、文字列記録指示コマンドMK3に基づいて、定型文字列83を構成する文字列のフォントデータを、画像データとして領域A4(領域A1と共通する領域。図6(a2)参照。)に展開し、展開した画像データに基づいて、サーマルヘッド65により定型文字列83を感熱ロール紙に記録する。
このように、ステップSA10では、コマンドに基づく画像データの第1バッファー77aへの展開、展開した画像データに基づく画像の記録が、コマンドごとに順次行われる。
【0038】
さて、前掲図4に戻り、ステップSA10において画像を記録した後、紙片発行制御部70aは、制御コマンドに含まれるカットコマンドCC1に基づいて、感熱ロール紙を切断する(ステップSA11)。これにより、日付情報80、認識成否情報81、小切手表面画像82、及び、定型文字列83が記録された紙片の発行が完了する。
さらに、紙片発行制御部70aは、ステップSA10の動作と並行して、第1バッファー77aに展開された画像データの第2バッファー77bへのコピーを実行する(ステップSA12)。
以下、ステップSA12の動作について詳述する。
【0039】
図6(b)は、ステップSA12の動作を説明するため、第2バッファー77bを模式的に示す図である。
第2バッファー77bは、1枚の紙片に記録される画像の画像データであって最大と想定されるものを展開できる程度に十分なサイズを有している。
ステップSA12において、紙片発行制御部70aは、コマンドに基づいて第1バッファー77aの所定の領域に画像データが展開されるごとに、展開されたデータを、順次、第2バッファー77bにコピーする。より具体的には、第1バッファー77aの領域A1に日付情報80に係る画像データが展開されると、これに応じて、紙片発行制御部70aは、当該画像データを、第2バッファー77bの領域A1’(図6(b)参照。)にコピーする。領域A1’とは、領域A1と同サイズの記憶領域であって、第2バッファー77bの先頭に形成された記憶領域である。
さらに、紙片発行制御部70aは、第1バッファー77aの領域A2に認識成否情報81に係る画像データが展開されると、これに応じて、当該画像データを第2バッファー77bの領域A2’(図6(b)参照。)にコピーする。この領域A2’は、領域A2と同サイズの記憶領域であって、領域A1’に連続して形成された記憶領域である。
さらに、紙片発行制御部70aは、第1バッファー77aの領域A3に小切手表面画像82に係る画像データが展開されると、これに応じて、当該画像データを第2バッファー77bの領域A3’(図6(b)参照。)にコピーする。この領域A3’は、領域A3と同サイズの記憶領域であって、領域A2’に連続して形成された記憶領域である。
さらに、紙片発行制御部70aは、第1バッファー77aの領域A4に定型文字列83に係る画像データが展開されると、これに応じて、当該画像データを第2バッファー77bの領域A4’(図6(b)参照。)にコピーする。この領域A4’は、領域A4と同サイズの記憶領域であって、領域A3’に連続して形成された記憶領域である。
このように、ステップSA12において、紙片発行制御部70aは、第1バッファー77aに画像データが展開される度に、当該画像データを第2バッファー77bにコピーする。その際、紙片発行制御部70aは、1の画像データをコピーした後、次の画像データをコピーする際、当該1の画像データがコピーされた領域に連続した次の領域に当該次の画像データをコピーする。
【0040】
ステップSA12における画像データのコピー中、紙片発行制御部70aは、カットコマンドCC1に基づく感熱ロール紙の切断が行われたか否かを監視する(ステップSA13)。
そして、紙片発行制御部70aは、カットコマンドCC1に基づく感熱ロール紙の切断が行われた場合(ステップSA13:YES)、第2バッファー77bへの画像データのコピーを停止し、処理手順をステップSA14へ移行する。
すなわち、紙片発行制御部70aは、ホストコンピューター5から紙片の発行に係る制御コマンドの受信を開始した後、カットコマンドCC1に基づいて感熱ロール紙の切断が行われるまでに、第1バッファー77aに順次展開される画像データのそれぞれを、第2バッファー77bにおいて各画像データが連続した一群の画像データとなるように、第2バッファーにコピーする。これにより、カットコマンドCC1が1の紙片の発行に係る制御コマンドのうち、最後に実行されるコマンドであるということを利用して、1の紙片に記録される画像の画像データとして第1バッファー77aに展開された画像データを、過不足無く、第2バッファー77bに連続してコピー可能である。
ステップSA14において、紙片発行制御部70aは、第2バッファー77bの領域A4’に続く領域に、再発行の紙片であることを示す文字列(図6の例では、文字列「reprint」。)の画像データを展開する。すなわち、紙片発行制御部70aは、第2バッファー77bに記憶されている画像データが示す画像について、再発行される紙片に記録されることを前提とした加工を行う。
ここで、後述するように、紙片の再発行の指示があった場合、第2バッファー77bに記憶されている画像データに基づいて画像の記録が行われる。従って、再発行された紙片には、再発行の紙片であることを示す文字列が記録されることとなり、再発行した紙片について、それが再発行したものであることが認識できるようになる。
【0041】
カットコマンドCC1に基づく感熱ロール紙の切断が終了し(ステップSA11)、さらに、第2バッファー77bに記憶された画像データの加工が終了すると(ステップSA14)、紙片発行制御部70aは、発行した紙片の再発行の指示が行われたか否かを監視する(ステップSA15)。本実施形態では、紙送りスイッチ78aと、クリーニングスイッチ78bとを同時に操作することにより、再発行の指示を行える構成となっており、紙片発行制御部70aは、これらスイッチが同時に操作されたか否かを検出することにより、発行した紙片の再発行の指示が行われたか否かを監視する。
このように、既存のスイッチを所定の態様で操作することにより、再発行の指示が可能となっているため、再発行を指示するための専用のスイッチを設ける場合と比較して、製造コストが低減する。
【0042】
紙片の再発行の指示が行われた場合(ステップSA15:YES)、紙片発行制御部70aは、紙片の再発行を行う(ステップSA16)。
詳述すると、紙片発行制御部70aは、第2バッファー77bに記憶されている画像データに基づいて、サーマルヘッド65を制御して、感熱ロール紙に画像を記録し、当該画像データに基づく画像の記録の全てが終了すると、カッターユニット66を制御して、感熱ロール紙を切断し、これにより、先に発行した紙片と同等の内容を有する紙片を再発行する。ここで再発行された紙片には、ステップSA14における画像データの加工により、再発行の紙片であることを示す文字列が記録されている。
【0043】
このように、本実施形態では、紙片の再発行の指示があった場合、ホストコンピューター5と協働し、ホストコンピューター5から複合処理装置1に対して、再び、紙片の発行に係る制御コマンドを出力するのではなく、紙片に記録すべき画像の画像データを第2バッファー77bに記憶しておき、この第2バッファー77bに記憶された画像データに基づいて画像を記録して紙片を発行する。このため、紙片の再発行に際し、ホストコンピューター5と通信する必要がなく、ホストコンピューター5との通信の状況にかかわらず、即時に、紙片を再発行することができる。特に、小切手4の処理後、ホストコンピューター5と複合処理装置1との通信を遮断した後に、紙片を再発行する必要が生じた場合、従来のやり方では、ソフトウェア的ハードウェア的にこれら装置を通信可能に接続した上で、ホストコンピューター5から複合処理装置1に対して、再び、紙片の発行に係る制御コマンドを出力する必要が生じ、実際に紙片が再発行されるまで非常に時間を要することとなるが、このような事態が発生することを防止できる。
また、第1バッファー77aに展開した画像データに基づいて紙片を再発行する構成とした場合、第1バッファー77aがオーバーフローのリスクの低減、及び、記憶効率の向上という観点からリングバッファーで構成されているため、第1バッファー77aにおける画像データの上書きに伴う画像データの欠損のリスクがあるが、本実施形態では、第1バッファー77aに画像データが展開される度に第2バッファー77bにコピーし、再発行の際には、第2バッファー77bにコピーした画像データに基づいて再発行のための画像の記録を行う構成としたため、このような画像データの欠損を確実に防止でき、発行した紙片と同等の内容を有する紙片を確実に再発行可能である。
【0044】
なお、本実施形態では、1の小切手4についての紙片の発行後、次の小切手4に対する一連の処理が開始され、ステップSA10において、当該次の小切手4に係る画像の画像データの第1バッファー77aへの展開が開始されると、第2バッファー77bはバッファークリアーされ、再び、先頭アドレスから画像データがコピーされる。従って、本実施形態では、直近に発行した紙片の再発行を行うことができ、それ以前に遡って紙片を再発行することはできないが、当該再発行の機能は、顧客の要望等、何らかの理由により紙片を即時に再発行することを想定した機能であるため、実務上問題はない。ただし、再発行用に複数のバッファーを設け、直近の紙片の前に発行した紙片を発行できるようにしてもよいことは勿論である。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、紙片発行制御部70aは、第1バッファー77aへの画像データの展開に応じて、第2バッファー77bに、第1バッファー77aに展開された画像データをコピーし、紙片の再発行の指示があった場合、第2バッファー77bにコピーされた画像データに基づいて感熱ロール紙に画像を記録し、感熱ロール紙を切断して紙片を再発行する。
これによれば、紙片の再発行にあたり、ホストコンピューター5から紙片の再発行に係る制御コマンドを取得する必要が無く、ホストコンピューター5との通信の状況等に影響されることなく迅速に紙片を発行可能である。
【0046】
また、本実施形態では、紙片発行制御部70aは、1の紙片の発行に係る制御コマンドの受信開始後、カットコマンドCC1に基づく感熱ロール紙の切断までに第1バッファー77aに展開された画像データを、1つの紙片に記録すべき画像データとして第2バッファーに連続してコピーする。そして、紙片の再発行の指示があった場合、紙片発行制御部70aは、1つの紙片に記録すべき画像の画像データとして第2バッファー77bにコピーされた画像データに基づいて、感熱ロール紙に記録する。
これによれば、1つの紙片を発行するための制御コマンドにおける最後のコマンドがカットコマンドCC1であるという特性を利用して、紙片ごとに、画像データを第2バッファー77bにコピーすることが可能となり、紙片の再発行に際し、記録すべき画像を過不足無く紙片に記録することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態では、紙片発行制御部70aは、第2バッファー77bにコピーする画像データについて、再発行される紙片に記録されることを前提とした加工を行う。具体的には、第2バッファー77bに1の紙片の画像に係る画像データの全てをコピーした後、さらに、連続して、再発行の紙片であることを示す文字列に画像データを展開する。
これにより、再発行する紙片について、再発行されたものであることを認識できるような態様で画像を記録することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態に係る複合処理装置1は、既存の紙送りスイッチ78a、及び、クリーニングスイッチ78bを同時に操作することにより、紙片の再発行の指示が可能である。
これによれば、再発行のための専用のスイッチを設けることなく、既存のスイッチを利用して再発行を指示できるようにすることができるため、製造コストを低減することができる。
【0049】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、図5(a)を用いて、発行される紙片について具体的に例を挙げて説明したが、紙片の内容は、当該例に限らない。例えば、小切手4の裏面4bの画像を記録するようにしてもよく、また、磁気カードリーダーユニット20による読み取り結果に基づく画像を記録するようにしてもよい。
また例えば、上述した実施形態では、再発行される紙片には、再発行の紙片であることを示す文字列(図6の例では、文字列「reprint」。)が記録されるようになっていたが、これに限らず、例えば、所定のウォーターマークが記録されるようにしてもよい。この場合、紙片発行制御部70aは、第2バッファー77bに記憶された画像データについて、記録すべきウォーターマークに対応した加工を行えばよい。
また例えば、本実施形態では、紙送りスイッチ78aと、クリーニングスイッチ78bとを同時に操作することにより再発行の指示が可能であったが、再発行のトリガーとなる操作はこれに限らず、例えば、カバー12を開けた状態で、いずれかのスイッチを操作する等であってもよい。すなわち、既存のスイッチを使用することにより、製造コストを削減できる。
また例えば、上述した実施形態では、複合処理装置1は、搬送路W上に、MICRヘッド35、インクジェットヘッド10、及び、CISユニットが順次配置された構造であったが、装置の配置順番や、装置の具体的構造は、これに限らない。すなわち、本発明は、媒体を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される媒体の情報を読み取る読取部と、紙片を発行する紙片発行部とを備える装置に広く適用可能である。
また例えば、図3に示す各機能ブロックはハードウェアとソフトウェアの協働により任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。
また例えば、制御部70の機能を、複合処理装置1に外部接続される別の装置に持たせるようにしてもよい。
また、外部接続される記憶媒体に記憶させたプログラムを実行することにより、図4で示した各フローチャートの各ステップを実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…複合処理装置、4…小切手(媒体)、5…ホストコンピューター(制御装置)、26…ホッパー駆動モーター(搬送部)、27…ASFモーター(搬送部)、35…MICRヘッド(読取部)、42…搬送モーター(搬送部)、47…表面CISユニット(読取部)、48…裏面CISユニット(読取部)、60…サーマルプリンターユニット(紙片発行部)、70…制御部(搬送部、読取部、受信部)、70a…紙片発行制御部、73…モータードライバー(搬送部)、75…センサー駆動回路、76…インターフェイス部(受信部)、77a…第1バッファー(バッファー)、77b…第2バッファー(バッファー)、78a…紙送りスイッチ(スイッチ)、78b…クリーニングスイッチ(スイッチ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置に接続可能な複合処理装置であり、
媒体を搬送する搬送部と
前記搬送部により搬送される前記媒体を読み取り、読み取り結果を前記制御装置に出力する読取部と、
記録媒体に画像を記録し、前記記録媒体を切断することにより紙片を発行する紙片発行部と、
前記制御装置から、前記読取部の読み取り結果を反映した画像が記録される前記紙片の発行を指示する制御コマンドを受信する受信部と、
前記受信部により受信した前記制御コマンドに基づいて、第1バッファーに画像データを展開し、展開した前記画像データに基づいて、前記紙片発行部により前記記録媒体に画像を記録させ、前記記録媒体を切断させて前記紙片を発行させる紙片発行制御部と、を備え、
前記紙片発行制御部は、
前記第1バッファーへの前記画像データの展開に応じて、第2バッファーに、前記第1バッファーに展開された前記画像データをコピーし、
前記紙片の再発行の指示があった場合、前記第2バッファーにコピーされた前記画像データに基づいて、前記紙片発行部により前記記録媒体に画像を記録させ、前記記録媒体を切断させて前記紙片を再発行させることを特徴とする複合処理装置。
【請求項2】
前記制御コマンドには、前記記録媒体の切断を指示するカットコマンドが含まれ、
前記紙片発行制御部は、
前記受信部により前記制御装置から前記制御コマンドの受信を開始した後、前記カットコマンドに基づいて前記記録媒体の切断が行われるまでに、前記第1バッファーに展開された前記画像データを、1つの前記紙片に記録すべき前記画像データとして前記第2バッファーにコピーし、
前記紙片の再発行の指示があった場合、
1つの前記紙片に記録すべき画像の前記画像データとして前記第2バッファーにコピーされた前記画像データに基づいて、前記紙片発行部により前記記録媒体に記録させることを特徴とする請求項1に記載の複合処理装置。
【請求項3】
前記紙片発行制御部は、
前記第2バッファーにコピーする前記画像データについて、再発行される前記紙片に記録されることを前提とした所定の加工を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合処理装置。
【請求項4】
指示入力を行うための1又は複数のスイッチを備え、
1又は複数の前記スイッチが所定の態様で操作することにより、前記紙片の再発行の指示可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の複合処理装置。
【請求項5】
制御装置に接続可能に構成され、媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記媒体を読み取り、読み取り結果を前記制御装置に出力する読取部と、記録媒体に画像を記録し、前記記録媒体を切断することにより紙片を発行する紙片発行部と、を備える複合処理装置の制御方法であって、
前記制御装置から、前記読取部の読み取り結果を反映した画像が記録された前記紙片の発行を指示する制御コマンドを受信し、
受信した前記制御コマンドに基づいて、第1バッファーに画像データを展開し、展開した前記画像データに基づいて、前記紙片発行部により前記記録媒体に画像を記録させ、前記記録媒体を切断させて前記紙片を発行させると共に、
前記第1バッファーへの前記画像データの展開に応じて、第2バッファーに、前記第1バッファーに展開された前記画像データをコピーし、
前記紙片の再発行の指示があった場合、前記第2バッファーにコピーされた前記画像データに基づいて、前記紙片発行部に前記記録媒体に画像を記録させ、前記記録媒体を切断させて前記紙片を再発行させることを特徴とする複合処理装置の制御方法。
【請求項6】
制御装置に接続可能に構成され、媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記媒体を読み取り、読み取り結果を前記制御装置に出力する読取部と、記録媒体に画像を記録し、前記記録媒体を切断することにより紙片を発行する紙片発行部と、を備える複合処理装置の各部を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
前記制御部を、
前記制御装置から受信した前記読取部の読み取り結果を反映した画像が記録された前記紙片の発行を指示する制御コマンドに基づいて、第1バッファーに画像データを展開し、展開した前記画像データに基づいて、前記紙片発行部により前記記録媒体に画像を記録させ、前記記録媒体を切断させて前記紙片を発行させると共に、
前記第1バッファーへの前記画像データの展開に応じて、第2バッファーに、前記第1バッファーに展開された前記画像データをコピーし、
前記紙片の再発行の指示があった場合、前記第2バッファーにコピーされた前記画像データに基づいて、前記紙片発行部に前記記録媒体に画像を記録させ、前記記録媒体を切断させて前記紙片を再発行させる紙片発行制御部として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−73500(P2013−73500A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213327(P2011−213327)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】