説明

複合医用画像診断装置、又は医用画像診断装置を備えた治療装置

【課題】 単一の共用操作装置で複数の異種の計測及び/又は治療モダリティを操作して、前記複数モダリティによる画像診断及び/又は治療を行うのに好適な複合医療診断装置、又は医用画像診断装置を備えた治療装置を提供する。
【解決手段】 複数の異種の医用画像診断装置を共用して操作する共用操作装置とを情報通信ネットワークに接続する。共用操作装置は、異種の医用画像診断装置のそれぞれに特有な画像再構成データを生成する特有操作処理手段と、画像再構成データから画像形成、解析処理、画像表示制御処理、画像アーカイブ処理及び画像ネットワーク通信処理(ソフトウェア)の後処理である共通操作処理手段とを備える。使用する医用画像診断装置を選択し、この選択した医用画像診断装置に対応する特有操作手段を選択して、これと前記共通操作処理手段とを用いて前記選択した医用画像診断装置を操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合医用画像診断装置、又は医用画像診断装置を備えた治療装置に係り、特に一つの共用操作装置で複数の異種の医用画像診断装置、又は医用画像診断装置と治療装置とを操作して画像診断及び/又は治療を行うのに好適な複合医療診断装置、又は医用画像診断装置を備えた治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から複数の医用画像診断装置で撮影した画像を比較して総合的に診断し、この結果に基づいて治療、手術が行なわれており、また、近年、医用画像診断装置は、診断のみならず治療、手術にも用いられている。
【0003】
これは、例えばX線CT装置で撮像した画像で診断し、この診断結果に基づいてX線透視撮影装置で治療及び/又は手術を行なうIVR(Interventional Radiology)、あるいは磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置と記す場合がある)で診断し、この診断結果に基づいて手術するIMR(Interventional MRI)、またX線透視撮影装置、X線CT装置、MRI装置、超音波画像診断装置、核医学診断装置等の複数の医用画像診断装置で取得した画像を比較して診断(総合画像診断)し、前記医用画像診断装置でのリアルタイム画像を参照して前記医用画像診断装置又は治療装置で治療や手術を行なうものである。
【0004】
このような状況下において、上記複数の医用画像診断装置を用いて行なう総合画像診断や治療及び/又は手術時における前記医用画像診断装置や治療装置の操作は、それぞれの計測及び治療モダリティに備えられた操作コンソールで行なっていた。
【0005】
前記操作コンソールは、計測モダリティ特有の撮影条件や撮影制御パラメータ等の設定、この設定した条件及びパラメータ等に対応して画像形成の元である画像データの検出及びこのデータを検出するためのスキャナの制御、前記検出したデータに各種の補正処理を施して再構成画像データを生成する等の前処理と、この前処理によって得られた画像データを用いて画像形成処理(2次元再構成、三次元再構成等)や画像解析処理及びこれらによって処理された画像データを画像表示装置に表示制御する画像表示制御処理、さらに前記処理結果を各種メディアに記録するアーカイブ処理及び他の部署へ伝送する通信処理等の後処理を行なう機能を有している。
【0006】
このような操作において、例えばX線CT装置とX線透視撮影装置とを組み合わせたIVRの場合、前記X線CT装置とX線透視撮影装置のそれぞれの操作コンソールは撮影室内に配置された前記撮影装置とは隔離された別の操作室にあり、患者の近傍にいる術者は操作室に各種の指示を送り、操作者は前記指示に従って前記操作コンソールを操作して撮影する手法をとっている。
【0007】
しかし、術者と操作者とは離れた位置にあるのでコミュニケーションが取りにくく、また、操作者はそれぞれのモダリティの操作コンソールを用いて操作しなければならないので、操作が煩わしく、手間を要するものであり、術者の指示に瞬時に対応できないという問題があった。
【0008】
そこで、この問題を解決するために、二つの計測モダリティに共通の操作コンソールで操作する複合医療用診断装置とそのための共用型操作装置が特許文献1に開示されている。
これは、複数の計測モダリティの異なる計測装置を組み合わせた、例えばX線CT装置とX線透視撮影装置とを組合わせた複合医療用診断装置において、前記X線CT装置とX線透視撮影装置が配置されている撮影室に撮影画像データの計測や画像表示の制御が可能な操作装置と計測画像表示装置とを配置し、撮影室内で異種撮影装置の画像観察と計測動作を可能とし、さらに、X線CT装置用の操作卓が、組み合わせて配置された異種の計測装置の操作装置として選択的に各々の操作装置としての機能を可変する手段を持ち、これにより共用化が出来るように構成したものである。
【特許文献1】特開平8-280666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、二つ以上の医用画像診断装置を用いて診断する総合画像診断や治療及び/又は手術時の操作は、一つの共通操作コンソールで、撮影操作、画像の解析、画像表示制御、画像の記録及び外部装置との通信等を行なうことができるようにして操作性の向上を図ることが望まれている。
この場合、共通操作コンソールで複数のモダリティを該モダリティが設置されているどの撮影室又はどの操作室からでも操作できるようにすれば、さらに操作性は向上するものとなる。
【0010】
このようなニーズに対して、上記特許文献1の複合医療用診断装置は、撮影室に計測及び画像表示制御用操作装置を、操作室にそれぞれのモダリティの操作装置を設けたものであるが、前記計測及び画像表示制御用操作装置では、撮影操作や画像の解析及び画像の記録はできないので、これらの機能を前記操作室に設置されたそれぞれのモダリティの操作装置に設ける必要が生じ、したがって前記共用型操作装置では撮影操作、計測、画像の解析、画像表示制御と表示及び画像の記録等はできない。
【0011】
また、X線CT装置用の操作卓には他の装置を操作するための手段を備えていないので、他のモダリティの操作は不可であり、したがって一つの操作コンソールで全てのモダリティを操作するという上記ニーズに対応できるものではない。
【0012】
また、上記X線CT装置の操作卓内の操作に関係する筒所のみを分割可能なモジュール構造にしておき、このモジュール構造部分と前記操作卓とを前記撮影室の計測及び画像表示制御用操作装置の制御コネクタと同形状のコネクタに接続、または、組み込み可能な構造にすることにより、撮影室での操作が必要な際に、前記モジュ―ル構造部分を操作室のX線CT装置の操作卓から取り外し、これを撮影室内の適当な装置の接続コネクタに接続して使用することが開示されているが、モジュール構造及びそれを接続する手段が必要となり、装置が複雑化し、接続替えにも手間を要するので、このような手段を講じても上記ニーズに対応できない。
【0013】
さらに、操作室に配置したモダリティの操作装置に複数のモダリティの操作制御メニュープログラムを組み込むことにより、異なる種類のモダリティを同一の操作装置で操作できることも開示されているが、複数のモダリティの操作制御メニュープログラムを全モダリティに組み込むことが必要となり、各モダリティに共通の機能をそれぞれのモダリティに設けなければならないので無駄が多く、また使用するモダリティをどのようにして選択するかについても明らにされていない。
【0014】
さらにまた、前記撮影室内用操作装置を含む複数の操作装置のうちのどれか1台の操作装置に対して、例えばLAN装置を介してディジタル画像信号を送り込み、磁気ディスク等の外部記憶装置又はメモリ装置に一時的に保管し、これをディスプレィ装置に取り込んでその表示画面を異種モダリティの画面間で切り替えて表示したり、あるいは、スーパーインポーズ機能によって、同一表示画面上に異種モダリティによる撮影画像を表示し、もって、表示装置の共用化を図ることも開示されているが、このような画像を表示する表示機能を備えた操作装置は特定されるので、例えば複数の操作装置が離れた場所にある場合は、表示装置を備えた操作装置が配置されている場所でのみ前記画像を観察することができないものとなり、画像観察場所が特定されて非常に不便なものとなる。
【0015】
このように、上記特許文献1の技術では上記ニーズに対応できない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、単一の共用操作装置で複数の異種の計測及び/又は治療モダリティを操作して、前記複数モダリティによる画像診断及び/又は治療を行うのに好適な複合医療診断装置、又は医用画像診断装置を備えた治療装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的は、複数の異種の医用画像診断装置及び/又は治療装置とこれらを操作する共通操作装置とを情報通信ネットワークに接続し、このネットワークに接続した前記医用画像診断装置及び/又は治療装置を選択し、この選択した医用画像診断装置及び/又は治療装置を前記共通操作装置で操作することによって達成するもので、具体的には以下の手段によって達成される。
【0017】
(1)複数の異種の医用画像診断装置を共用して操作する共用操作装置を備えた複合医用画像診断装置であって、前記異種の医用画像診断装置と前記共用操作装置との間で情報を送受信する情報通信ネットワーク手段と、前記異種の医用画像診断装置の中から使用する医用画像診断装置を選択する装置選択手段とを備え、さらに前記共用操作装置は、前記異種の医用画像診断装置のそれぞれに特有な操作である特有操作手段及び共通な操作である共通操作手段と、前記装置選択手段で選択した医用画像診断装置に対応する前記特有操作手段を選択する特有操作選択手段と、この特有操作選択手段で選択した特有操作手段と前記共通操作手段とを用いて前記選択した医用画像診断装置を操作する操作手段とを備えて成る。
【0018】
(2)前記装置選択手段は、選択する医用画像診断装置のID情報が前記情報通信ネットワーク手段上に存在するかを確認する手段と、この手段で確認した前記ID情報に対してTCPポートをオープンにする手段と、前記TCPを経由して接続された医用画像診断装置に前記ID情報を要求して該ID情報の存在を確認する手段とを備えて成る。
【0019】
(3)前記特有操作手段は、画像再構成データを生成するまでの前処理手段であり、前記共通操作手段は、前記前処理手段で得られた画像再構成データから画像形成及び解析を行なう画像形成解析手段と、この画像形成解析手段で形成された画像及び解析結果を表示手段に表示制御する表示制御手段と、前記処理結果を保存する画像アーカイブ手段及び前記情報通信ネットワーク手段を介して通信を行なう画像ネットワーク通信手段である。
【0020】
上記のように、異種の医用画像診断装置のそれぞれに特有な操作処理を行なう特有操作手段と前記異種の医用画像診断装置に共通な操作処理を行なう共通操作手段とを前記異種の医用画像診断装置を操作する共通操作装置に備え、この共通操作装置と前記異種の医用画像診断装置とを情報通信ネットワーク手段に接続し、装置選択手段で前記異種の医用画像診断装置の中から使用する医用画像診断装置を選択し、この選択した医用画像診断装置を前記共通操作装置で操作するようにしたので、単一の操作装置で異種の医用画像診断装置を操作でき、かつ前記共通操作装置をネットワークが配備されている、例えば前記医用画像診断装置が設置されているどの撮影室又は前記医用画像診断装置を操作するどの操作室からでも操作が可能となって操作性は向上し、システム構成も簡素なものとなる。
【0021】
また、操作者も、従来は異種の医用画像診断装置のそれぞれの専用操作装置を操作できることが要求されていたが、本発明においては一つの共通操作装置のみが操作できれば良いので、操作者の負担は軽減される。
【0022】
また、共通操作装置で異種の医用画像診断装置を操作することができるので、特許文献1に開示されているように操作装置内の操作に関係する筒所のみを分割可能なモジュール構造にし、これを別の医用画像診断装置に接続して操作装置を構成する必要がない。したがって、装置が簡素化し、前記接続替えの手間も要しないものとなる。
さらに、異種の医用画像診断装置に共通のソフトウェアを医用画像診断装置毎に備える必要がないので、複合医用画像診断装置を無駄の少ないシステム構成にすることができる。
さらにまた、異種の医用画像診断装置で撮像した画像を共通操作装置の表示画面に同時表示したり、前記画像を切り替えて表示すること等が可能であるので、異種の医用画像診断装置で撮像した画像を比較しての総合診断の診断能向上にも寄与するものとなる。
この場合は、上記ネットワーク手段が配備されている場所ではどの場所でも診断が可能となる。
【0023】
(4)さらに治療装置を前記情報通信ネットワーク手段に接続すると共に前記共用操作装置に前記治療装置の操作手段を備えて成る。
このように、さらに治療装置もネットワーク手段に接続することによって、前記異種の医用画像診断装置の中から治療に必要な画像を取得する医用画像診断装置を選択し、この選択した医用画像診断装置で撮像した画像を参照して前記共用操作装置に設けた前記治療装置の操作手段により治療することができる。
【0024】
(5)一つの医用画像診断装置及び一つの治療装置と、前記医用画像診断装置の撮像操作手段と前記治療装置の治療操作手段と前記医用画像診断装置で撮像した画像を前記治療装置の参照画像として操作する参照画像操作手段とを備えた前記医用画像診断装置と治療装置とを操作する共用操作装置と、前記医用画像診断装置及び治療装置と前記共用操作装置との間で情報を送受信する情報通信ネットワーク手段とを備えて成る。
これにより、医用画像診断装置で撮像した画像を参照して治療装置で治療する医用画像診断装置を備えた治療装置を構成することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、異種の医用画像診断装置のそれぞれに特有な操作処理を行なう特有操作手段と共通な操作処理を行なう共通操作手段とを前記異種の医用画像診断装置を操作する共通操作装置に備え、この共通操作装置と前記異種の医用画像診断装置とを情報通信ネットワーク手段に接続し、装置選択手段で前記異種の医用画像診断装置の中から使用する医用画像診断装置を選択し、この選択した医用画像診断装置を前記共通操作装置で操作するようにしたので、単一の操作装置で異種の医用画像診断装置を操作でき、かつ前記共通操作装置をネットワークが配備されているどの場所からでも操作が可能となって操作性は向上する。さらに治療装置を前記情報通信ネットワーク手段に接続すると共に前記共用操作装置に前記治療装置の操作手段を備えることにより、前記異種の医用画像診断装置の中から治療に必要な画像を取得する医用画像診断装置を選択し、この選択した医用画像診断装置で撮像した画像を参照して治療することができる。
【0026】
以上によって、単一の共用操作装置で複数の異種の計測及び/又は治療モダリティを操作して、前記複数モダリティによる画像診断及び/又は治療を行うのに好適な複合医療診断装置、又は医用画像診断装置を備えた治療装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
《第1の実施形態》
図1は、二つの異種の医用画像診断装置を一つの共通操作コンソール(共通操作装置)で操作する本発明による複合医用画像診断装置の第1の実施形態を示す図である。
この図1に示す第1の実施形態の複合医用画像診断装置は、MRI装置1aとX線CT装置1bの二つの異種の計測モダリティ1と、これらのモダリティに共通な一つの操作コンソール2と、前記複数計測モダリティ1と前記操作コンソール2とを接続する情報通信ネットワーク3とで構成される。
【0028】
前記異種のモダリティ1は、操作メニューを入力して撮像操作を行なう撮像操作処理、この撮像操作処理で撮像操作を行なって画像データを検出し収集する画像データ収集処理、この収集したデータに各種の補正処理等を施して再構成データを生成する再構成データ生成処理、該処理された再構成データを用いて三次元や二次元の画像の形成及び血流等の解析を行なう画像形成解析処理、この画像形成解析処理によって形成及び/又は解析された画像を画像表示装置に表示するための制御を行なう画像表示制御処理、そしてこれらの処理された画像を記録する画像アーカイブ処理及び外部装置との通信を行なう画像ネットワーク通信処理機能とを備え、診断目的に応じた画像を前記画像表示装置に表示する構成をとって診断に供する。
【0029】
前記各種処理のうち、撮像操作処理、画像データ収集処理及び再構成データ生成処理までの前処理は各モダリティに特有な処理であり、これに対して画像形成解析処理、画像表示制御処理、画像アーカイブ処理及び画像ネットワーク通信処理の後処理は各モダリティに共通な処理である。
【0030】
そこで、本発明の複合医用画像診断システムは、各モダリティに特有な前処理と全モダリティに共通な後処理とを区分けし、前記前処理のうちの撮像操作に関する処理機能と前記後処理の機能とを共通操作コンソール2に備え、前記前処理としての画像データ収集処理及び再構成データ生成処理であるスキャナ制御に関する処理機能を各モダリティに備えて、前記操作コンソール2で複数の異種の計測モダリティを操作するものである。
【0031】
図2に前記操作コンソール2に備えたソフトウェアの構成ブロック図を示す。
この操作コンソール2のソフトウェアは、各モダリティ特有のソフトウェア2aと全モダリティに共通なソフトウェア2bと、コンソールフレームワークソフトウェ2cとを備え、前記モダリティ特有の操作を行なうためのソフトウェア2aは、MRI装置1aの操作を行なうMRI制御ソフトウェア2a1とX線CT装置1bを操作するX線CT制御ソフトウェア2a2とから成り、前記モダリティに共通な処理を実行するソフトウェア2bは、画像形成解析ソフトウェア2b1と、画像表示制御ソフトウェア2b2と、画像アーカイブソフトウェア2b3と、及び画像ネットワーク通信ソフトウェア2b4とから成っている。
【0032】
図3に前記操作コンソール2のソフトウェアを実行するハードウェアの構成を示す。
図3において、この操作コンソール2は、図2に示したソフトウェアを用いて各モダリティに特有な操作を実行するソフトウェア2aと全モダリティに共通な処理を実行するソフトウェア2bとを制御するメインCPU(中央処理装置)3aと、ROM及びRAMから成る主メモリ3bと、上記ソフトウェア2a及び2bのブログラムとこれらのソフトウェアの実行に必要なデータを記憶するハードディスク3cと、前記ソフトウェアの操作メニューを選択するグラフィックカード3dと、このグラフィックカード3dで選択した操作メニューに従って操作に必要な情報を入力する外部入力装置であるキーボード3e及びマウス3fと、これら外部入力装置から入力された入力情報を制御する入力情報コントローラ3gと、前記グラフィックカード3dで選択した操作メニューと外部入力装置から入力された入力情報と形成及び解析した画像とを表示する表示装置である液晶ディスプレィ3hと、前記形成及び解析した画像等を保存するリムーバブルメディア3iと、本操作コンソール2を前記ネットワーク3に接続するためのインターフェース3jと、前記各要素間でデータのやり取り、あるいは、制御信号のやり取りをする制御バス3kとで構成される。
【0033】
上記のように構成された操作コンソール2で使用する計測モダリティを選択し、この選択したモダリティを前記ネットワーク3に接続して前記操作コンソール2で前記選択したモダリティを操作するもので、ここでは計測モダリティとしてMRI装置1aを選択して操作する例について説明する。
【0034】
先ず、本操作コンソール2を用いて選択したMRI装置1aの操作について説明する前に、MRI装置1aの前処理と後処理とについて説明する。
【0035】
MRI装置は、NMR(核磁気共鳴)現象を利用して被検体中の所望の検査部位における原子核スピンの密度分布や緩和時間分布等を計測して、その計測値から被検体の任意の断面を画像表示するもので、図4に示すように、被検者401のまわりの体軸方向に均一な静磁場を発生する静磁場磁石402と、前記被検者401に傾斜磁場を与える傾斜磁場コイル403と、この傾斜磁場コイル403に傾斜磁場電流を供給するための傾斜磁場電源404と、前記被検者401の生態組織を構成する原子の原子核にNMR現象を起こさせるための高周波磁場を所定のパルスシーケンスで繰り返し発生するRF照射コイル405と、このRF照射コイル405に前記高周波磁場を発生させるための高周波パルスを送信する送信部406と、前記NMR現象によって放出されるエコー信号を検出するRFプローブ407及び信号検出部408と、この信号検出部408で検出したエコー信号を処理して再構成画像データを生成し、この再構成画像データを用いて三次元画像や二次元画像等の画像の形成及び血流解析等の解析処理を行なう画像処理部409と、この画像処理部409で処理された画像形成及び解析データに表示制御を行なって所望の画像及び解析結果を表示する表示部410と、前記被検者401を載置して該被検者の体軸方向に移動可能なベッド411と、このベッド411の移動を制御するベッド制御部412と、撮像シーケンス、撮像に必要なパラメータ及び撮像断面等の設定した操作信号に基づいてシステム全体を制御する制御部413とを備えて構成される。
【0036】
このように構成されたMRI装置において、本発明においては、前記画像処理部409で処理された再構成画像データ用いて三次元画像、二次元画像、血流像の形成や各種解析を行なう画像形成解析処理と、この画像形成解析処理で形成された画像及び解析結果を表示手段に表示するための表示制御処理と、前記処理結果を保存する画像アーカイブ処理及びネットワークを介して外部装置との通信処理を行なう画像ネットワーク通信処理の後処理はMRI装置に特有なものではなく、他の医用画像診断装置にも共通するものであり、その他の処理はMRI装置に特有の前処理である。
【0037】
そこで、MRI装置特有の前処理を行なうソフトウェアをMRI制御ソフトウェア2a1とし、他のモダリティにも共通の後処理である画像形成解析処理を行なうソフトウェア(画像形成解析ソフトウェア2b1)と、画像表示制御処理を行なうソフトウェア(画像表示制御ソフトウェア2b2)と、画像アーカイブ処理を行なうソフトウェア(画像アーカイブソフトウェア2b3)及びネットワークを介して外部装置との通信処理を行なう画像ネットワーク通信ソフトウェア2b4とを前記操作コンソールに備え、前記前処理用のハードウェア、すなわちMRI装置のスキャナを図4のように構成し、前記図3に示した操作コンソールハードウェアを用いて前記前処理であるMRI装置の操作処理と前記後処理を行なう。
【0038】
前記MRI制御ソフトウェア2a1は、図5に示すように、グラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)コンポーネント2a11と、MRI撮像パラメータ計算コンポーネント2a12と、MRI撮像制御コンポーネント2a13とを備え、コンソールフレームワークソフトウェア2cとしてソフトウェア制御2c1とデータベース2c1とを備えている。
【0039】
前記グラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)コンポーネント2a11は、撮像断面の位置決め制御画面、撮像パラメータ入力画面の画面描画制御、及びGUIからのイベント入力の制御を行なうコンポーネント、MRI撮像パラメータ計算コンポーネント2a12は、MRI撮像パラメータの妥当性の確認、及び撮像位置等の論理的計算ロジックを持つコンポーネント、そしてMRI撮像コンポーネント2a13は、MRI撮像パラメータをMRIスキャナへ送信及びこの撮像パラメータで撮像した画像データを取得し、前記GUIの更新、及び前記データベース2c2に保存するコンポーネントで、これらは前記ソフトウェア制御2c1により制御される。
【0040】
このように構成されたソフトウェアでMRI装置1aがネットワーク3に接続されたことを確認し、前記操作コンソール2でMRI装置1aを操作する。
図6は、本ソフトウェアでMRI装置1aがネットワーク3に接続されたかを監視する処理フローである。
【0041】
先ず、MRI装置1aには、該装置の起動時に指定されたTCPポートをオープンし、MR装置1aとして一意の装置IDを戻すソフトウェアを具備している。
(1)図2のコンソールフレームソフトウェア2cは、ネットワーク3に接続する可能性のある計測モダリティ、すなわち本実施例ではMRI装置1aのIPアドレス、ポート番号、装置ID、その装置を制御するソフトウェアモジュールファイル名のリストをハードディス3cに格納してある設定ファイルから読み込む(ステップS601)。
(2)前記読み込んだリストに記述されたIPアドレス、ポート番号がネットワーク3上に存在するかをチェックする(ステップS602)。
前記IPアドレス、ポート番号がネットワーク3上に存在する場合はステップ603に進み、存在しない場合はステップS608に進んで、例えば10秒間待機する。
(3)IPアドレス、ポート番号がネットワーク3上に存在する場合は、ネットワーク3に接続するモダリティ(本実施例ではMRI装置1a)が使用するIPアドレス、ポート番号に対してTCPポートをオープンする(ステップS603)。
(4)前記TCPを経由して接続されたモダリティ(MRI装置1a)に対して該モダリティ(MRI装置1a)のIDを要求する(ステップS604)。
(5)前記TCPを経由して取得したモダリティ(MRI装置1a)のIDが前記リスト上に存在するかをチェックする(ステップS605)。モダリティ(MRI装置1a)のIDがリスト上に存在する場合はステップS606に進み、存在しない場合はステップS608に進んで、10秒間待機する。
(6)モダリティ(MRI装置1a)のIDがリスト上に存在する場合、取得したモダリティ(MRI装置1a)のIDに一致するソフトウェアモジュールをハードディスク3cから主メモリ3bにロードする(ステップS606)。
(7)前記ソフトウェアモジュールが前記主メモリ3bへのロードが完了したかをチェックし、ロード完了の場合は操作コンソールの準備処理終了となる。
【0042】
このようにしてネットワーク3に操作コンソール2とMRI装置1aが接続されで、前記操作コンソール2でMRI装置1aの操作が可能となる。
【0043】
次に、ネットワーク3に接続された操作コンソール2でMRI装置1aを操作して画像を取得する動作について説明する。
先ず、液晶ディスプレィ3hに表示された操作メニューから前記外部入力装置(キーボード3e、マウス3f)で使用するモダリティとしてMRI装置1aを制御するMRI制御ソフトウェア2a1を前記ハードディク3cから主メモリ3bにロードする。
このMRI制御ソフトウェア2a1は、図5の撮像制御ソフトウェアを備えており、前記MRI撮像制御コンポーネント2a13により撮像に必要なパラメータ、撮像断面及び撮像シーケンス等の撮像に必要な操作情報を設定し、これらの設定入力情報を撮像パラメータ計算コンポーネント2a12で前記撮像パラメータの妥当性の確認、及び撮像位置等の論理的計算を行なって、これらの結果をネットワーク3を介してMRI装置1aのスキャナに送る。
そして、このスキャナで撮像して取得した再構成データに患者情報等の付帯情報を付与してこれをハードディス3cに記憶し、前処理を行なう。
【0044】
前記前処理で取得した再構成データを用いて処理する後処理としての画像形成解析処理、画像表示制御処理、画像アーカイブ処理及び画像ネットワーク通信処理は、前記それぞれに対応するソフトウェアである画像形成解析ソフトウェア2b1と、画像表示制御ソフトウェア2b2と、画像アーカイブソフトウェア2b3と、画像ネットワーク通信ソフトウェア2b4と、前記GUIコンポーネントソフトウェア2a11及び前記前処理で取得した再構成データをハードディスク3cから主メモリ3bにロードして、前記ソフトウェアにより三次元画像、二次元画像の形成及び血流解析結果等を液晶ディスプレィ3hに表示し、必要に応じて前記
形成した画像データ及び解析データをリムーバブルメディア3iに保存、あるいは外部装置に送信する。
【0045】
図7は、MR制御ソフトウェア2bを主メモリ3bにロードした場合の液晶ディスプレィ3hの表示例である。
本実施形態においては、画像形成解析ソフトウェア2b1、画像表示制御ソフトウェア2b2、画像アーカイブソフトウェア2b3、画像ネットワーク通信ソフトウェア2b4及びMRI制御ソフトウェア2a1はそれぞれのウインドウを持ち、操作者はウインドウを切り替えて使用する。
そして、それぞれのソフトウェアの処理はOSの並行処理機能を使用して、並行処理として実行される。
【0046】
このように、MRI装置1aを使用する場合は、ネットワーク3上のMRI装置1aを識別して該MRI装置1aを選択し、この選択したMRI装置1aを撮像操作制御するMRI制御ソフトウエェア2a1を共通操作コンソール2の主メモリ3bにロードして前記共通操作コンソール2をMRI装置1aの操作卓として使用する。
【0047】
一方、前記X線CT装置1bの場合は、X線管から被検体にX線を照射して前記被検体を透過したX線信号をX線検出器で検出し、この検出したX線信号に感度補正やLOG変換等の各種の補正処理を施し、この補正されたデータを用いて再構成画像データを生成するまでの処理がX線CT装置1bに特有の前処理であり、これらの前処理を含む撮像操作制御をX線CT制御ソフトウェア2a2で処理し、前記前処理によって得られた再構成画像データ用いて三次元画像、二次元画像、血流像の形成や各種解析を行なう画像形成解析処理と、この画像形成解析処理で形成された画像及び解析結果を表示手段に表示するための表示制御処理と、前記処理結果を保存する画像アーカイブ処理及びネットワークを介して外部装置との通信処理を行なう画像ネットワーク通信処理の後処理は、前記MRI装置1aと共通するものであるので各モダリティに共通のソフトウェア2bを用いて処理する。
【0048】
そして上記と同様に、X線CT装置1bを使用する場合は、ネットワーク3上のX線CT装置1bを識別して該X線CT装置1bを選択し、この選択したX線CT装置1bを撮像操作制御するX線CT制御ソフトウエェア2a2を共通操作コンソール2の主メモリ3bにロードして前記共通操作コンソール2をX線CT装置1bの操作卓として使用する。
【0049】
上記第1の実施形態とすることにより、MRI装置とX線CT装置のそれぞれのモダリティに特有な処理と両方のモダリティに共通の処理とを一つの操作コンソール(共通操作コンソール)に備え、この共通操作コンソールと二つの異種の計測モダリティとをネットワークに接続し、このネットワークに接続された前記共通操作コンソールにより使用するモダリティを選択して該モダリティを前記共通操作コンソールで操作するようにしたので、同じ操作コンソールでMRI装置とX線CT装置とを操作でき、かつ前記共通操作コンソールをネットワークが配備されているどの場所にでも接続することにより、例えば前記モダリティが設置されているどの撮影室又はそれらのモダリティを操作するどの操作室からでも操作が可能となって操作性は向上し、システム構成も簡素なものとなる。また、操作者も従来はMRI装置の専用操作コンソールとX線CT装置の専用操作コンソールの両方の操作コンソールで操作できることが要求されるが、本実施形態においては一つの共通操作コンソールのみが操作できれば良いので、操作者の負担も軽減される。
【0050】
また、共通操作コンソールで異種の計測モダリティを操作することができるので、特許文献1に開示されているように操作コンソール内の操作に関係する筒所のみを分割可能なモジュール構造にし、これを別のモダリティに接続して操作コンソールを構成する必要がないので、装置が簡素化し、前記接続替えの手間も要しない。
さらに、各モダリティに共通のソフトウェアをモダリティ毎に備える必要がないので、複合医用画像診断装置を無駄の少ないシステム構成にすることができる。
【0051】
さらにまた、異種モダリティで撮像した画像を共通操作コンソールの表示画面(液晶ディスプレィ)に同時表示したり、前記画像を切り替えて表示すること等が可能であるので、異種モダリティで撮像した画像を比較しての総合診断の診断能向上にも寄与するものとなる。
この場合は、上記ネットワークが配備されている場所ではどの場所でも診断が可能となる。
【0052】
《第2の実施形態》
図8は、複数の異種の医用画像診断装置と治療装置とを一つの共通操作コンソールで操作する本発明の第2の実施形態を示す図である。
この図2に示す第2の実施形態は、複数の異種の医用画像診断装置で診断し、この診断結果に基づいて治療装置で治療するもので、MRI装置1a、X線CT装置1b、X線透視撮影装置1c、PET装置(positron emission tomography)1d及び陽子線治療装置1eの複数の異種の計測及び治療モダリティ1’と、これらのモダリティ1’に共通な一つの操作コンソール2’と、前記複数モダリティ1’と前記操作コンソール2’とを接続するネットワーク3とで構成される。
【0053】
前記異種のモダリティ1’の医用画像診断装置は、操作メニューを入力して撮像操作を行なう撮像操作処理、この撮像操作処理で撮像操作を行なって画像データを検出し収集する画像データ収集処理、この収集したデータに各種の補正処理等を施して再構成データを生成する再構成データ生成処理、該処理された再構成データを用いて三次元や二次元の画像の形成及び血流等の解析を行なう画像形成解析処理、この画像形成解析処理によって形成及び/又は解析された画像を画像表示装置に表示するための制御を行なう画像表示制御処理、そしてこれらの処理された画像を記録する画像アーカイブ処理及び外部装置との通信を行なう画像ネットワーク通信処理機能を備えており、前記第1の実施形態と同様に、前記各種処理のうち、撮像操作処理、画像データ収集処理及び再構成データ生成処理までの前処理は各モダリティに特有な処理であり、これに対して画像形成解析処理、画像表示制御処理、画像アーカイブ処理及び画像ネットワーク通信処理の後処理は各モダリティに共通な処理である。
【0054】
そこで、本発明の第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に複数の異種の医用画像診断装置の各モダリティに特有な前処理と全モダリティに共通な後処理とを区分けし、この区分けした前処理と後処理に、さらに前記陽子線治療装置1eを操作制御する機能を前記共通操作コンソール2’に加え、前記前処理のスキャナ制御に関する機能を各モダリティに備えて、前記共通操作コンソール2’で複数の異種のモダリティを操作するものである。
【0055】
図9に前記共通操作コンソール2’に備えたソフトウェアの構成ブロック図を示す。
この操作コンソール2’のソフトウェアは、各モダリティ特有のソフトウェア2a’と医用画像診断装置の全モダリティに共通なソフトウェア2bと、コンソールフレームワークソフトウェ2cとを備え、前記モダリティ特有の操作を行なうためのソフトウェア2a’は、MRI装置1aを操作するMRI制御ソフトウェア2a1とX線CT装置1bを操作するX線CT制御ソフトウェア2a2とX線透視撮影装置1cを操作するX線透視撮影制御ソフトウェア2a3とPET装置1dを操作するPET制御ソフトウェア2a4と陽子線治療装置1eを操作する陽子線治療制御ソフトウェア2a5とから成り、前記モダリティに共通な処理を実行するソフトウェア2bは、上記第1の実施形態の図2と同様に、画像形成解析ソフトウェア2b1と、画像表示制御ソフトウェア2b2と、画像アーカイブソフトウェア2b3と、及び画像ネットワーク通信ソフトウェア2b4とから成り、これらのソフトウェアを実行するハードウェアは図3と同じである。
【0056】
上記のように構成された操作コンソール2’で使用するモダリティを選択し、この選択したモダリティを前記ネットワーク3に接続して前記操作コンソール2’で前記選択したモダリティ、すなわち前記複合医用画像診断装置と治療装置とを共通操作コンソール2’を用いて操作し、前記複合医用画像診断装置で撮像した医用画像を組み合わせての総合診断又は単独の医用画像診断装置で診断した画像により、被検者の治療部位を位置決めし、この位置決めされた部位に陽子線治療装置により陽子線を照射して前記治療部位を治療するものである。
【0057】
本第2の実施形態においては、第1の実施形態で得られる効果に加えて、治療装置も共通操作コンソールで操作するようにしたので、診断から治療までの操作性が向上すると共に医用画像診断装置と治療装置とを任意に組み合わせることが可能となり、これにより診断から治療まで一貫したシステムをフレキシブルに構築することができる。
【0058】
《第3の実施形態》
上記第1の実施形態は複数の異種の医用画像診断装置を共用操作コンソールで操作する例、第2の実施形態は複数の異種の医用画像診断装置と治療装置とを共用操作コンソールで操作する例であるが、一つの医用画像診断装置と一つの治療装置とを備えて、前記医用画像診断装置で治療に必要な画像を撮像し、この撮像した画像を参照して治療装置で治療するシステムも構成できる。
図10は、このようなシステム構成例で、医用画像診断装置としてX線CT装置1bを、治療装置として陽子線治療装置1eを用いた例で、前記X線CT装置1bと陽子線治療装置1eとこれらを操作する共用操作コンソール2”とをネットワーク3に接続し、前記X線CT装置1bで撮像した画像を参照して被検者の治療部位を位置決めし、この位置決めされた部位に前記陽子線治療装置1eにより陽子線を照射して前記治療部位を治療するものである。
【0059】
以上、三つの実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定するものではなく、“二つ以上の異種の医用画像診断装置を一つの操作コンソール、すなわち共通操作コンソールで操作する複合医用診断装置において、前記それぞれのモダリティに特有な撮像操作処理(前処理)と該前処理により撮像して得られた画像データから画像を形成する等の全モダリティに共通な処理(後処理)とを前記共通操作コンソールに備え、この共通操作コンソールと複数の異種のモダリティとをネットワークに接続し、このネットワークに接続された前記共通操作コンソールにより使用するモダリティを選択して該モダリティを前記共通操作コンソールで操作する、又は前記ネットワークに治療装置も接続し、この治療装置の治療操作制御部を前記共通操作コンソールに備えて、前記医用画像診断装置で撮像した画像を参照して前記治療装置で治療する”という本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0060】
例えば、図示は省略するが、MRI装置と超音波画像診断装置との組み合わせによる画像診断、X線CT装置で撮像した画像を用いて治療計画を立て、この治療計画に従って治療部位に放射線治療装置から放射線を照射して治療を行なう等、一つの操作コンソール(共通操作コンソール)で様々な形態の画像診断システム、及び診断と治療を行なうシステムの操作を行なうことによって上記で述べた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】二つの異種の医用画像診断装置を一つの共通操作コンソールで操作する本発明による複合医用画像診断装置の第1の実施形態を示す図。
【図2】共通操作コンソールに備えたソフトウェアの構成ブロック図。
【図3】共通操作コンソールのハードウェアの構成を示す図。
【図4】MRI装置の構成を示す図。
【図5】MRI制御ソフトウェアの構成ブロック図。
【図6】MRI装置がネットワークに接続されたかを監視する処理フロー図。
【図7】MR制御ソフトウェアを主メモリにロードした場合の液晶ディスプレィの表示例。
【図8】複数の異種の医用画像診断装置と治療装置とを一つの共通操作コンソールで操作する本発明の第2の実施形態を示す図。
【図9】第2の実施形態の共通操作コンソールに備えたソフトウェアの構成ブロック図。
【図10】一つの医用画像診断装置と一つの治療装置とを一つの共通操作コンソールで操作する本発明の第3の実施形態を示す図。
【符号の説明】
【0062】
1 異種の計測モダリティ、1’ 異種の計測及び治療モダリティ、1a MRI装置、1b X線CT装置、1c X線透視撮影装置、1d PET装置、1e 陽子線治療装置、2、2’、2” 共通操作コンソール、2a 計測モダリティ特有のソフトウェア、2a’ 計測及び治療モダリティ特有のソフトウェア、2a1 MRI制御ソフトウェア、2a2 X線CT制御ソフトウェア、2a3 X線透視撮影制御ソフトウェア、2a4 PET制御ソフトウェア、2a5 陽子線治療制御ソフトウェア、2a11 グラフィカルユーザインターフェィスコンポーネント、2a12 MRI
撮像パラメータ計算コンポーネント、2a13 MRI撮像制御コンポーネント、2b 全計測モダリティに共通のソフトウェア、2b1 画像形成解析ソフトウェア、2b2 画像表示制御ソフトウェア、2b3 画像アーカイブソフトウェア、2b 4 画像ネットワーク通信ソフトウェア、2c コンソールフレームワークソフトウェア、2c1 ソフトウェア制御、2c2 データベース、3 情報通信ネットワーク、3a メインCPU(中央処理装置)、3b 主メモリ、3c ハードディスク、3d グラフィックカード、3e キーボード、3f マウス、3g 入力情報コントローラ、3h 液晶ディスプレィ、3i リムーバブルメディア、3j インターフェース、3k 制御バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異種の医用画像診断装置を共用して操作する共用操作装置を備えた複合医用画像診断装置であって、前記異種の医用画像診断装置と前記共用操作装置との間で情報を送受信する情報通信ネットワーク手段と、前記異種の医用画像診断装置の中から使用する医用画像診断装置を選択する装置選択手段とを備え、さらに前記共用操作装置は、前記異種の医用画像診断装置のそれぞれに特有な操作である特有操作手段及び共通な操作である共通操作手段と、前記装置選択手段で選択した医用画像診断装置に対応する前記特有操作手段を選択する特有操作選択手段と、この特有操作選択手段で選択した特有操作手段と前記共通操作手段とを用いて前記選択した医用画像診断装置を操作する操作手段とを備えて成る複合医用画像診断装置。
【請求項2】
前記装置選択手段は、選択する医用画像診断装置のID情報が前記情報通信ネットワーク手段上に存在するかを確認する手段と、この手段で確認した前記ID情報に対してTCPポートをオープンにする手段と、前記TCPを経由して接続された医用画像診断装置に前記ID情報を要求して該ID情報の存在を確認する手段とを備えて成る請求項1に記載の複合医用画像診断装置。
【請求項3】
前記特有操作手段は、画像再構成データを生成するまでの前処理手段であり、前記共通操作手段は、前記前処理手段で得られた画像再構成データから画像形成及び解析を行なう画像形成解析手段と、この画像形成解析手段で形成された画像及び解析結果を表示手段に表示制御する表示制御手段と、前記処理結果を保存する画像アーカイブ手段及び前記情報通信ネットワーク手段を介して通信を行なう画像ネットワーク通信手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合医用画像診断装置。
【請求項4】
さらに治療装置を前記情報通信ネットワーク手段に接続すると共に前記共用操作装置に前記治療装置の操作手段を備えて成る請求項1、2又は3の何れか一項に記載の複合医用画像診断装置。
【請求項5】
一つの医用画像診断装置及び一つの治療装置と、前記医用画像診断装置の撮像操作手段と前記治療装置の治療操作手段と前記医用画像診断装置で撮像した画像を前記治療装置の参照画像として操作する参照画像操作手段とを備えた前記医用画像診断装置と治療装置とを操作する共用操作装置と、前記医用画像診断装置及び治療装置と前記共用操作装置との間で情報を送受信する情報通信ネットワーク手段とを備えて成る医用画像診断装置を備えた治療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−312960(P2007−312960A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−144900(P2006−144900)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】