説明

複合型の表示媒体用粒子およびこれを用いる情報表示用パネル

【課題】低電圧で長期に安定した駆動が可能な複合型の表示媒体用粒子を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板間に封入され、電界印加に応答して移動して情報を表示する、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子であって、母粒子と該母粒子の表面に子粒子を固着させてなる複合型粒子として形成されており、前記子粒子として、電荷保持機能を有する第1の子粒子と、電荷減衰機能を有する第2の子粒子とを含むものである。第1の子粒子と第2の子粒子との2種の組み合わせ割合により、初期の電荷保持量や、時間経過による電荷保持量の変化を想定して、最適な複合型の表示媒体用粒子を設計できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、母粒子の表面に子粒子が付加されている複合型の表示媒体用粒子に関する。また、この表示媒体用粒子を対向する2枚の基板間に表示媒体として封入し、移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、電界を付与することによって、この表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルが知られている。このような情報表示用パネルにおいて表示媒体として用いる粒子群を構成する表示媒体用粒子を、母粒子の表面に子粒子を付加した複合型の表示媒体用粒子とすることにより、駆動電圧の低減や表示書換えを繰り返す際の耐久性の向上を図ることが期待されている。そして、例えば特許文献1は上記子粒子として帯電特性、特に飽和帯電量が異なる2種類の子粒子を用いて表示媒体用粒子を形成する技術を開示する。この表示媒体用粒子は、母粒子表面に固着させる2種類の子粒子を適切に混合することで、複合型の表示媒体用粒子としての飽和帯電量を制御する。これにより、低電圧駆動が可能で、高コントラスト表示に適した複合型の表示媒体用粒子を得るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−92773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、複合型の表示媒体用粒子における子粒子について帯電特性が異なる2種類の子粒子の混合率を調整して、所望の帯電量に制御して表示性能を向上させるようにしている。ただし、複合型の表示媒体用粒子における子粒子については、未だに多くの検討すべき課題があるというのが実情である。
例えば、特許文献1では、表示媒体用粒子の電荷の減衰についての検討はされていない。しかし、表示媒体用粒子でその電荷保持性能が高過ぎると低電圧での駆動が困難となる。また、情報表示用パネルの基板間に正帯電性の複合型の表示媒体用粒子および負帯電性の複合型の表示媒体用粒子を封入して書き換え表示するときに、その正帯電性の粒子と負帯電性の粒子との電荷減衰の速度が大きく異なると双方の粒子間での凝集力が強くなり、やはり低電圧駆動が困難となる。その結果、情報表示用パネルとしてはコントラストが低下するので、表示書き換えを繰り返し実行する際耐久性に劣る信頼性の低い情報表示デバイスになってしまう。
【0005】
よって、本発明の目的は、低電圧で長期に安定した駆動が可能な複合型の表示媒体用粒子を提供すること、そして、このような表示媒体用粒子を用いることで表示性能および表示書き換えを繰り返し実行する際の耐久性に優る信頼性の高い情報表示用パネルを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に封入され、電界印加に応答して移動して情報を表示する、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子であって、
母粒子と該母粒子の表面に子粒子を固着させてなる複合型粒子として形成されており、
前記子粒子として、電荷保持機能を有する第1の子粒子と、電荷減衰機能を有する第2の子粒子とを含む、ことを特徴とする複合型表示媒体用粒子により達成される。
【0007】
初期電位の1/2の電位を与える時間で定義される電荷保持時間Tに関し、前記第1の子粒子の電荷保持時間T1が1000(秒)超であり、前記第2の子粒子の電荷保持時間T2が1000(秒)以下とするのが、好ましい。
【0008】
前記少なくとも一方が透明な2枚の基板間に封入される前記表示媒体用粒子が、正帯電性である第1の複合型粒子と、負帯電性である第2の複合型粒子との少なくとも2種類の粒子から構成され、
前記第1の複合型粒子における第1の子粒子が正帯電性を有し、前記第2の複合型粒子における第1の子粒子が負帯電性を有しているものとして形成してもよい。
【0009】
また、前記第1の複合型粒子における前記第2の子粒子と、前記第2の複合型粒子における前記第2の子粒子とが同じ材料で構成されているのが好ましい。
【0010】
前記第1の複合型粒子の電荷減衰速度と前記第2の複合型粒子の電荷減衰速度との相対速度比が所定の範囲内となるように、当該第1の複合型粒子および当該第2の複合型粒子について、前記第1の子粒子に対する前記第2の子粒子の混合率をそれぞれ調整するのが好ましい。
そして、 前記相対速度比を0.33倍から3.0倍とするのが好ましい。
【0011】
前記第1の複合型粒子及び前記第2の複合型粒子の少なくとも一方の複合型粒子において、前記第1の子粒子に対する前記第2の子粒子の混合率が50%未満とするのが好ましい。
採用する前記第1の複合型粒子及び前記第2の複合型粒子について、共に、前記第1の子粒子に対する前記第2の子粒子の混合率が50%に近いと、第1の複合型粒子と前記第2の複合型粒子との帯電量に差が小さくなり、両者とも十分な帯電量が得られない場合があるからである。
【0012】
そして、前記第2の子粒子が、シリカ微粒子またはメラミン微粒子とすることができる。
【0013】
上記に記載の複合型表示媒体用粒子を用いたことを特徴とする情報表示用パネルは、表示性能が良く、繰り返し表示書き換えを実行する際の耐久性に優れた信頼性の高い表示装置として提供できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の複合型表示媒体用粒子は、子粒子として、従来の子粒子と同様に電荷を付与するための電荷保持機能を有している第1の子粒子と、この第1の子粒子の電荷を減衰させるように作用する電荷減衰機能を有している第2の子粒子とが母粒子の表面に固着されているので、これらの2種の組み合わせ割合により、初期の電荷保持量や、時間経過による電荷保持量の変化を想定して、最適な複合型の表示媒体用粒子を設計できる。
このような粒子は低電圧駆動でき、高コントラスト表示に適した表示媒体用粒子として提供できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)、(b)は本発明の製造方法で作製した表示媒体用粒子を用いた一例となる帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの原理的構成を説明するために示した図である。
【図2】(a)、(b)は本発明の製造方法で作製した表示媒体用粒子を用いた一例となる帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するために示した図である。
【図3】(a)は本願発明に係る複合型粒子であって正帯電性に形成した第1の表示媒体用粒子について示している図、また(b)は負帯電性に形成した第2の表示媒体用粒子20について示している図である。
【図4】粒子の電荷保持量と帯電付与後の経過時間との関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る複合型の表示媒体用粒子として好適な構成、そして、その製造方法を、図面に基づき詳細に説明する。ここでは、本発明の理解を容易とするため、表示媒体用粒子として帯電性粒子を採用し、この表示媒体用粒子を移動して文字や画像等の情報を表示する情報表示用パネルを一例として、その概略構成を先ず説明する。
【0017】
前記情報表示用パネルは、対向する2枚の基板間の空間に封入した本発明の複合型表示媒体用粒子を含んで構成した粒子群に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、表示媒体となる粒子群が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、粒子群が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体となる粒子群が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時、或いは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、電界による力、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
【0018】
本発明の表示媒体用粒子で表示媒体を構成する前記情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)および図2(a)、(b)を参照して説明する。
図1(a)、(b)に示す例は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)と基板2に設けた電極6(共通電極)とで形成する電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示をする。図1の構成では白黒ドットマトリックス表示をすることができる。
なお、図1(a)、(b)においては、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。画素(ドット)とセルとを1対1に対応させた例を示しているが、画素とセルとは対応させなくてもよい。
【0019】
また、図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ストライプ電極)と基板2に設けた電極6(ストライプ電極)とが対向直交交差に形成する画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示をする。図2の構成では白黒のドットマトリックス表示をすることができる。
なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。画素(ドット)とセルとを1対1に対応させた例を示しているが、画素とセルとは対応させなくてもよい。
【0020】
なお、上記基板1、2としては、ガラス基板、樹脂シート基板、樹脂フィルム基板等の基板を用いることができる。表示面側(観察側)とする基板2は、少なくとも表示画面領域が透明な基板とする。この基板2の表示画面領域に、所定の電圧および極性(正・負)を有する電圧を印加するための電極(図1などで説明した、共通電極またはストライプ電極5)を配設する場合には透明電極とする。図1及び図2に示した情報表示用パネルを構成する基板1の表面には、マトリックス状電極対を構成するように薄膜トランジスタ(TFT)付き画素電極もしくはストライプ電極が形成されている。この対向電極対に電圧を印加したときに、表示媒体(粒子群)に電界が印加されることによって移動して所望の表示を行う前述の構造が実現できる。
【0021】
上記基板の厚みは、2μm〜2000μmが好ましく、さらに5μm〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合となる。
【0022】
必要に応じて、上記基板に設ける電極の形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピローラ、ポリチオフェン(例えば、poly (3, 4-ethylenedioxythiophene)- poly- (styrenesulfonate)(PEDOT:PSS))などの導電性高分子類を例示でき、これらを適宜に選択して用いることができる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法や、金属箔をラミネートする方法(例えば圧延銅箔法)や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法を用いることができる。
視認側(表示面側)基板の表示画面領域に設ける電極は透明である必要があるが、表示画面領域外や背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01μm〜10μm、好ましくは0.05μm〜5μmが好適である。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。
【0023】
基板に設ける隔壁については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2μm〜100μm、好ましくは3μm〜50μmである。隔壁の高さは、基板間ギャップ以内で、基板用ギャップ確保用部分は基板間ギャップと同じに、それ以外のセル形成用部分は基板間ギャップと同じか、それよりも低くすることができる。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。隔壁の高さは、基板間距離に合わせるが、部分的に基板間距離よりも低くすることもできる。
【0024】
次に、図3に示す、本発明の表示媒体用粒子の基本的な構成を説明する。
図3(a)は本願発明に係る複合型粒子であって正帯電性に形成した第1の表示媒体用粒子10、そして図3(b)も本願発明に係る複合型粒子であって負帯電性に形成した第2の表示媒体用粒子20について示している図である。粒子構成の基本は同様であるので、図3(a)を参照して説明する。
【0025】
正帯電性の表示媒体用粒子10は、母粒子11と、第1の子粒子12Aと第2の子粒子12Bとを含んで構成されている。図3(a)では、第1の子粒子12Aと第2の子粒子12Bとを区別するために、第2の子粒子12Bにハッチングを付している。ここで、例示している複合型の表示媒体用粒子10は黒色であり、母粒子11に色剤を練り込むことによって色(光学的反射率)を特定している。よって、この母粒子11の表面に固着される第1の子粒子12Aと第2の子粒子12Bとは、その色調への影響が少ないように選択される。例えば、これらの子粒子は母粒子と同色でもよいし、透明としてもよい。ここで例示する複合型の表示媒体用粒子10は、母粒子11の表面に、例えば機械的な力を作用させて第1の子粒子12Aと第2の子粒子12Bとを埋め込んで固定することにより固着してある。
【0026】
ここで、第1の子粒子12Aは所定の帯電保持性を備えた粒子として形成してある。表示媒体用粒子を外部から印加する電界に応じて移動させるためには粒子が電荷を保持しているこが必須である。よって、この第1の子粒子12Aは従来の複合型粒子において電荷保持のために配置されていた子粒子と同様の電荷保持機能を有している。
これに対して、第2の子粒子12Bは本願発明による新たな観点で採用された子粒子である。この第2の子粒子12Bは、第1の子粒子12Aとは逆に、電荷を逃がし易く設定した電荷減衰機能を有している粒子として設計してある。このような特性の第2の子粒子12Bを、従来の第1の子粒子12Aと母粒子11の表面で共存させると、第1の子粒子12Aの電荷を減衰させることができる。よって、第1の子粒子12Aと第2の子粒子12Bとの混合率 を適宜に調整することで、複合型の表示媒体用粒子10として、時間経過に応じて、所望の電荷保持量を設定できることになる。
これにより、例えば、当初において短時間で、ある程度まで電荷保持量を減衰させるが、その後にあっては、その電荷を長時間保持するような電気的特性の複合型の表示媒体用粒子を設計できる。このような複合型表示媒体用粒子は表示書き換えの際には比較的、低電圧で駆動でき、その後は電荷を長時間保持する好ましいものとなる。このような表示媒体用粒子を用いる情報表示用パネルは、低電圧駆動が可能で、書き換え表示後にあっては電源を供給することなく長期に亘り、その表示を維持し、さらに長期放置後にも低電圧で駆動しうる表示メモリー性に優れた表示デバイスとすることができる。
【0027】
なお、図3(b)に示した複合型の第2の表示媒体用粒子20が有する性能も上述と同様に説明される。表示媒体用粒子20は、母粒子21と、第1の子粒子22Aと第2の子粒子22Bとを含んで構成されている。図3(b)でも、第1の子粒子22Aと第2の子粒子22Bとを区別するために、第2の子粒子22Bにハッチングを付している。ここで、例示している複合型の表示媒体用粒子20は白色であり、母粒子21に色剤を練り込むことによって色(光学的反射率)を特定している。よって、この母粒子21の表面に固着される第1の子粒子22Aと第2の子粒子22Bとは、その色調への影響が少ないように選択される。
第2の表示媒体用粒子20でも、第1の子粒子22Aは従来の複合型粒子において電荷保持のために配置されていた子粒子と同様の電荷保持機能を果たしている。そして、第2の子粒子22Bは、第1の子粒子22Aとは逆に、電荷減衰機能を有している粒子として設計してある。よって、第1の子粒子22Aと第2の子粒子22Bとの混合率を適宜に調整することで、複合型の表示媒体用粒子20として、時間経過に応じて、所望の電荷保持量を設定できる。
なお、第1の表示媒体用粒子10と第2の表示媒体用粒子20とを、図1、図2に示した黒色・白色の表示媒体3B、3Wとして採用する場合において、第1の表示媒体用粒子10で電荷減衰機能を有している第2の子粒子12Bと、第2の表示媒体用粒子20で電荷減衰機能を有している第2の子粒子22Bとは、同じ材料により形成した粒子でもよいし、異なる材料により形成した粒子でもよい。
【0028】
図4は、粒子の電荷保持量と帯電付与後の経過時間との関係を示した図である。この図4により、上述した第1の複合型表示媒体用粒子10と第2の複合型表示媒体用粒子20とを採用した場合の長所を説明する。
第1の表示媒体用粒子10について、第1の子粒子12Aは電荷保持機能が高く、長時間に亘り電荷を保持する。よって、この第1の子粒子12Aだけで複合型の表示媒体用粒子を形成したとすると、一旦、表示した状態を長期に維持できるとうメリットがあるものの低電圧駆動が困難である。第2の表示媒体用粒子20についても同様であり、第1の子粒子22Aは電荷保持機能が高く、長時間に亘り電荷を保持する。よって、この第1の子粒子22Aだけで複合型の表示媒体用粒子を形成したとすると、一旦、表示した状態を長期に維持できるとうメリットがあるものの低電圧駆動が困難となる。
これに対して、第2の子粒子12B、22Bは、短時間の内に電荷が減衰する電荷減衰機能を有する粒子である。なお、図4では、説明の簡単のため第2の子粒子12B、22Bを同じ材料で形成した場合を示している。このように電荷減衰が速い粒子は、帯電させて移動させる粒子に用いる材料としては不向きであるので、通常は選択されないことになる。
【0029】
ところが、図4で示すように、電荷保持機能を有する第1の子粒子12Aと電荷減衰機能を有する第2の子粒子12Bとを、母粒子11の表面に固着させた第1の複合型表示媒体用粒子10は、電荷減衰の状態を、第1の子粒子12Aだけを用いた場合と、第2の子粒子12Bだけを用いた場合との間に設定できる。そして、第1の子粒子12Aと第2の子粒子12Bとの混合率を変えることで、上側に位置する第1の子粒子12Aの電荷保持曲線や下側に位置する第2の子粒子12Bに電荷保持量曲線に近付けるなどの設計ができる。この点は、第1の表示媒体用粒子20についても同様である。
よって、この図4で示すように本願発明に係る第1の表示媒体用粒子10及び第2の表示媒体用粒子20は、時間経過に対する電荷保持量の減衰状態(電荷保持量曲線)が近似するように設計することも可能である。このように電荷保持量が近い表示媒体用粒子同士は凝集力が小さく低電圧駆動に適したものとなる。よって、低電圧で長期に安定した駆動が可能な複合型の表示媒体用粒子を得ることができる。このような表示媒体用粒子を用いると、良好な表示性能(高コントラスト、低電圧駆動)、特に高いコントラストを初期から長期間にわたって実現できる情報表示用パネルを提供することが可能となる。
【0030】
そして、上記のように複合型表示媒体用粒子における電荷保持量の減衰状態は、粒子の初期電位の1/2の電位を与える時間で定義される電荷保持時間(以下、電荷保持時間Tとする)に基づいて制御することができる。具体的には、第1の子粒子の電荷保持時間T1と第2の子粒子の電荷保持時間T2とに基づいて調整できる。ここで、第1の子粒子の電荷保持時間T1は1000(秒)超、一方で前記第2の子粒子の電荷保持時間T2は1000(秒)以下とするのが好ましい。
このように、電荷保持時間Tが異なる2種の子粒子を組み合わせることによって、上記図4の中央で図示されるように、初期に適度に電荷減衰した後は、その電荷を長期に保持する電荷保持量曲線の電気的特性とした複合型表示媒体用粒子10、20を設計できる。
なお、上記電荷保持時間Tが1000よりも小さいと書き換え必要回数が多くなるので省電力性を損なうことになる。
【0031】
そして、正帯電性である第1の複合型粒子と負帯電性である第2の複合型粒子とを、情報表示用パネルに封入することができる。ここで、前記第1の複合型粒子における前記第1の子粒子が正帯電性を有し、前記第2の複合型粒子における前記第1の子粒子は負帯電性を有しているものを採用できる。ここで、第1の複合型粒子における前記第2の子粒子と、第2の複合型粒子における前記第2の子粒子とが同じ材料で構成されていることが好ましい。このようにすると、電荷減衰機能を有する同じ第2の子粒子を用いて効率よく、表示媒体用粒子を製造できる。
【0032】
その際、前記第1の複合型粒子の電荷減衰速度と前記第2の複合型粒子の電荷減衰速度との相対速度比が所定の範囲内となるように、当該第1の複合型粒子および当該第2の複合型粒子について、前記第1の子粒子に対する前記第2の子粒子の割合を調整するのが望ましい。これにより、第1の複合型粒子と第2の複合型粒子とを概ね同時に移動させて表示の書き換えを円滑に行える。ここでは、前記第1の複合型粒子の電荷減衰速度と前記第2の複合型粒子の電荷減衰速度との相対速度比を0.33倍から3.0倍に設計しておくのが望ましく、特に、前記第1の複合型粒子の電荷減衰速度と前記第2の複合型粒子の電荷減衰速度とが一致するようにするのが望ましい。
【0033】
前記第1の子粒子に対する前記第2の子粒子の割合は任意であるが、前記第1の複合型粒子及び前記第2の複合型粒子の少なくとも一方の複合型粒子において、第1の子粒子に対する第2の子粒子の混合率を50%未満とするのが好ましい。採用する第1の複合型粒子及び第2の複合型粒子について、共に、第1の子粒子に対する第2の子粒子の混合率が50%に近いと、第1の複合型粒子と前記第2の複合型粒子との帯電量に差が小さくなり、両者ともに十分な帯電量が得られないという可能性があり、これを回避する必要がある。よって、複合型粒子は第1の子粒子に対して第2の子粒子を必ず含むものではあるが、混合率が50%以上とならないようにするのが望ましい。これら子粒子の帯電量比が3倍程度になるからである。帯電量比が3倍となると正負の凝集力が大きくなり表示コントラストが悪化する可能性がある。
また、前記第2の子粒子として、シランカップリング剤などでシラノール基を部分的に疎水処理したシリカ微粒子またはメラミン微粒子を採用してもよい。
ところで、採用する2種の表示媒体用粒子の内、一方の粒子だけに、本発明の複合型表示媒体用粒子を採用してもよい。この場合、他方の表示媒体用粒子の電荷保持量曲線は固定となるので、本発明に係る複合型表示媒体用粒子の電荷保持量曲線を調整すればよい。
【0034】
さらに、上記した本発明により製造可能な複合型の表示媒体用粒子について説明する。
複合型の表示媒体用粒子での母粒子について説明する。母粒子の主成分となるベース樹脂は熱可塑性樹脂とするのが好ましく、必要に応じて、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含めることができる。以下で樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
【0035】
表示媒体用粒子の母粒子は、その主成分となるベース樹脂に着色剤として顔料を含み、更に必要に応じて、荷電制御剤、無機添加剤等を含ませることができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
【0036】
母粒子のベース樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、チオウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルチオウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、スチレンブタジエンアクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ノルボルネン樹脂、メチルペンチル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等を挙げることができる。これらを2種類以上混合して使用してもよい。また、予め重合した樹脂を粉砕処理したものを使用してもよいし、懸濁重合で形成したものを使用してもよい。荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を混練りした後、粉砕することにより作製される場合には、母粒子の主成分は熱可塑性を有すると共に、粉砕しやすいことも必要である。この観点から、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリル樹脂、アクリルフッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ノルボルネン樹脂、メチルペンチル樹脂、ポリスチレン系樹脂の各水素添加物等が挙げられる。なお、懸濁重合の場合、その容易さからアクリル樹脂、アクリルフッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂の各水素添加物等が好適である。
【0037】
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
【0038】
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
【0039】
また、黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
【0040】
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
【0041】
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の表示媒体用粒子前駆体である母粒子を作製できる。
【0042】
なお、本発明により製造される表示媒体用粒子は平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなり過ぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
【0043】
さらに本発明では、各表示媒体用粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Span(スパン)を5未満、好ましくは3未満とするのが望ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
【0044】
さらにまた、帯電極性が互いに異なる2種類の表示媒体用粒子を用いて構成した情報表示用パネルでは、平均粒子径d(0.5)が大きい方の表示媒体用粒子の平均粒子径と平均粒子径d(0.5)が小さい方の表示媒体用粒子の平均粒子径との比を10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電極性の異なる表示媒体用粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズを同程度にし、互いの表示媒体用粒子が反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
【0045】
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザ回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザ光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。例えば、Mastersizer2000(シスメックス(株))測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフトにて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
【0046】
さらに、表示媒体用粒子で構成する表示媒体を気体中空間で駆動させる乾式の情報表示用パネルでは、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、上記図1(a)、(b)、図2(a)、(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
【0047】
(実施例)
下記に、本発明の実施例を説明する。
以下のように、本発明に係る複合型の表示媒体用粒子を作製し、この表示媒体用粒子を用いた情報表示用パネルにおいて、表示試験(長間欠書き換え表示試験、短間欠書き換え表示試験)を行って評価した。
【0048】
まず、本発明の表示媒体用粒子を作製する方法を説明する。
(1)母粒子
正帯電性である第1の表示媒体用粒子に用いる正帯電性母粒子として、ポリ(エチレン−ノルボルネン)共重合樹脂(TOPAS5013S;ポリプラスチックス(株)製)100質量部、及び着色剤としてカーボンブラック(スペシャルブラック#4;エボニック・デグサ・ジャパン(株)製)5質量部とを2軸混錬機により溶解混錬し、ジェットミル(ラボジェットミル IDS−LJ型;日本ニューマチック工業(株)製)で細かく粉砕し、分級機(MDS−2;日本ニューマチック工業(株)製)を用いて分級し、溶融球状化装置(MR−10;日本ニューマチック工業(株)製)を用いて溶融球状化し粒子径0.5μm〜50μmの範囲で平均粒子径R0=9.2μmの黒色の母粒子Xを得た。
【0049】
また、負帯電性である第2の表示媒体用粒子に用いる負帯電性母粒子として、ポリ(エチレン−ノルボルネン)共重合樹脂(TOPAS5013S;ポリプラスチックス(株)製)100質量部、及び着色剤として二酸化チタン(タイペークCR−90;石原産業(株)製)100質量部とを2軸混錬機により溶解混錬し、ジェットミル(ラボジェットミル IDS−LJ型;日本ニューマチック工業(株)製)で細かく粉砕し、分級機(MDS−2;日本ニューマチック工業(株)製)を用いて分級し、溶融球状化装置(MR−10;日本ニューマチック工業(株)製)を用いて溶融球状化し粒子径0.5μm〜50μmの範囲で平均粒子径R0=8.3μmの白色の母粒子Yを得た。
【0050】
(2)子粒子
子粒子として、下記表1に示すように正帯電性である第1の表示媒体用粒子に用いる正帯電用の第1の子粒子としてP1、P2を準備した。また、負帯電性である第2の表示媒体用粒子に用いる負帯電用の第1の子粒子としてN1、N2、N3を準備した。そして、さらに、共通に用いる電荷減衰特性を備えた第2の子粒子としてD1、D2、D3を準備した。
【0051】
第1の表示媒体用粒子に用いる正帯電用の第1の子粒子(P1)は次のように作製した。
モノマーAとモノマーBとを重合することにより第1の微粒子を作製し、この第1の微粒子とモノマーAと反応する化合物Cとを更に反応させて第2の微粒子を作製して子粒子とする。これを、本発明にける第1の子粒子(P1)とした。具体的には、第1の子粒子は、以下のように次のように作製した。
【0052】
1)第1の微粒子の作製
シクロヘキサン200mlとn−オクタン100mlの混合溶液にポリシクロオレフィン(平均分子量50000)36gを加え、溶解させた後、2−メタクリロリルオキシエチルイソシアネート19.2g、ジビニルベンゼン0.85g、過酸化ベンゾイル0.6gを加えた後、室温にて20分間窒素ガスでバブリングを行い、80℃で24時間重合して白濁の重合溶液を得た。重合溶液をn−へキサンで2回洗浄した。重合物は遠心分離により回収すると、第1の微粒子50.5g、平均粒子径190nmが得られる。
2)第2の微粒子の作製
第1の微粒子50.5gにテトラヒドロフラン300mlを加え、室温で一晩粒子を膨潤させた後、キシリレンジアミン6.0gを加え60℃で6時間反応させた。テトラヒドロフランで2回洗浄し、80℃で24時間乾燥させると正帯電性のアミノ基を有する高架橋微粒子が得られた。粒子径は185nmであった。この微粒子を第1の子粒子P1とした。
【0053】
第1の表示媒体用粒子に用いる正帯電用の第1の子粒子(P2)は次のように作製した。
正帯電用の第1の子粒子(P2)は次のように作製した。
メラミン類を必須とする第1のアミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物からなるコア部と、グアナミン類を必須とする第2のアミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物からなり前記コア部を覆うシェル部とを含む形態とする。これを、本発明にける第1の子粒子(P2)とした。具体的には、第1の子粒子は、以下のように次のように作製した。
【0054】
(コア部の形成)
撹拌機、還流冷却管および温度計を備えた4つ口の2Lセパラブルフラスコに、メラミン400質量部、37質量%ホルマリン772質量部、25質量%アンモニア水12質量部を仕込み、加熱撹拌し、このものを、別途調整した固形分濃度65質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(ネオペレックスG65:花王(株)製:以下、単に「DBSNa」とも称する)25.2質量部、およびイオン交換水5600質量部の均一な界面活性剤水溶液に投入し、次いで、10質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液(以下、単に「DBS」とも称する)200質量部を添加した。この状態で5時間保持して、アミノ樹脂架橋粒子(1)を含有する液(以下、単に「メラミン樹脂シード液(1)」とも称する)7009.2質量部を得た。なお、メラミン樹脂シード液(1)に含有するアミノ樹脂架橋粒子(1)の平均粒子径を測定したところ、0.19μmであった。
(シェル部の形成)
ベンゾグアナミン(以下、単に「BG」とも称する)200質量部、37質量%ホルマリン260質量部、DBSNa12.6質量部、DBS10質量部、およびイオン交換水2560質量部を均一に分散混合して、BG分散液3042.6質量部を得た。そして、上記で調整されたメラミン樹脂シード液(1)7009.2質量部中に、上記BG分散液の全量を滴下し、滴下終了後にさらに5時間保持した。これにより、アミノ樹脂架橋粒子(1)の表面がBGとホルムアルデヒドとの縮合物により被覆されたBG被覆アミノ樹脂架橋粒子(1)を含有する分散液(1)(以下、単に「BG被覆スラリー(1)」とも称する)10051.9質量部を得た。
(洗浄〜乾燥〜粉砕処理)
上記で得られたBG被覆スラリー(1)を遠心分離機にて固液分離し、上澄み液を除去した後、沈降したケーキを取り出した。得られたケーキをメタノールに分散させた後、遠心分離機にて固液分離を行う操作を2回繰り返し、ケーキを得た。得られたケーキに対して190℃にて3時間真空乾燥を行い、得られた乾燥粉体を粉砕処理して、正帯電粒子であるBG被覆アミノ樹脂架橋粒子(1)を得た。BG被覆アミノ樹脂架橋粒子(1)の平均粒子径は0.22μm、摩擦帯電量は71.5μC/gであった。
このBG被覆アミノ樹脂架橋粒子を第1の子粒子P2とした。
【0055】
さらに、第1の表示媒体用粒子に用いる負帯電用の第1の子粒子N1、N2、N3は下記のように準備した。
先ず、第1の子粒子(N1)は以下に示す配合で乳化重合の標準的な手法に従い、70℃×12時間、Nガス還流雰囲気下で重合し、精製水で十分に洗浄して真空オーブンで水分を蒸発させ乾燥粉体試料を得た。
ジビニルベンゼンモノマー(新日鐵化学(株)製)100質量部
ラウリル硫酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)0.5質量部
2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]
(和光純薬工業(株)製)0.5質量部
精製水 600質量部
【0056】
次に、第1の子粒子(N2)は以下に示す配合で乳化重合の標準的な手法に従い、70℃×12時間、Nガス還流雰囲気下で重合し、精製水で十分に洗浄して真空オーブンで水分を蒸発させ乾燥粉体試料を得た。
ジビニルベンゼンモノマー(新日鐵化学(株)製) 50質量部
スチレンモノマー(和光純薬工業(株)製) 50質量部
ラウリル硫酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)0.4質量部
2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]
(和光純薬工業(株)製)0.6質量部
精製水 500質量部
【0057】
次に、第1の子粒子(N3)は、アモルファスシリカ微粒子(シーホスターKE−S30;日本触媒(株)製)を溶媒n−ヘキサン中で以下の配合/方法により、シラノール基部をデシルトリメトキシシラン(Z−6383;東レダウコーニング(株)製)によって反応変性処理して用いた。
シーホスターKE−S30 10質量部
Z−6383 0.45質量部
n−ヘキサン 20質量部
上記をガラス容器に一括投入後、室温においてロール見るで攪拌(100rpm×1h)して静置し、沈殿物を120℃で30分加熱処理し、真空乾燥し、乳鉢で解砕し、乾燥粉体を得た。処理後の粉体は純水に対する分散性を失っていることから、シラノール基の大部分がデシルシリル化されていることを確認した。
【0058】
さらに、共通に用いる電荷減衰機能を備えた第2の子粒子としてD1、D2、D3を準備した。
先ず、第2の子粒子(D1)はアモルファスシリカ微粒子(シーホスターKE−S30;日本触媒(株)製)を溶媒n−ヘキサン中で以下の配合/方法により、シラノール基部を1、1、1、3、3、3−ヘキサメチレンジシラザン(和光純薬工業(株)製)によって反応変性処理して用いた。
シーホスターKE−S30 10質量部
1、1、1、3、3、3−ヘキサメチレンジシラザン 1.5質量部
n−ヘキサン 20質量部
上記をガラス容器に一括投入後、室温においてロール見るで攪拌(100rpm×1h)して静置し、沈殿物を120℃で30分加熱処理し、真空乾燥し、乳鉢で解砕し、乾燥粉体を得た。処理後の粉体は純水に対する分散性を失っていることから、シラノール基の大部分がトリメチルシリル化されていることを確認した。
【0059】
さらに、第2の子粒子(D2)としてメラミン樹脂微粒子(エポスターS;日本触媒(株)製)を用いた。この微粒子は、適度な親水性であり電荷減衰機能に優れた粒子である。第2の子粒子(D3)としてアモルファスシリカ微粒子(シーホスターKE−S30;日本触媒(株)製)を用いた。この微粒子も、適度な親水性であり電荷減衰機能に優れた粒子である。なお、第1の子粒子(D1)は、D3の粒子に疎水処理を施したもので、これにより電荷保持時間Tを更に適宜に変更ができる。
【0060】
なお、上述した子粒子の粒子径は、溶媒を精製水、試料濃度を0.005(g/g)の条件で、動的光散乱解析装置(HORIBA LB−500)で測定した。
【0061】
【表1】

【0062】
上記表1に示すように準備した子粒子は、平均粒子径240nmとした。なお、正帯電母粒子Xの平均粒子径は9.2μm、負帯電母粒子Yの平均粒子径は8.3μmとした。
また、各子粒子の電荷特性を初期電位の1/2の電位を与える電荷保持時間T(sec(秒))として示した。なお、表1中で、例えば1.34E+05は1.34×10である。
なお、本発明の電荷保持時間Tは、下式(a)により示される電荷保持率Dが1/2になるときの時間である。
D=D/D・・・・・(a)
ただし、
D:電荷保持率
:初期電位
:検出電位
(1) 上面に直径15mm、深さ300μmの円筒形の窪みを設けた銅のブロックの窪み部分に被測定子粒子を層厚300μmで充填する。
(2) スコロトロン帯電器(ニードル印加電圧+20[kV]、グリッド電圧+1[kV])により子粒子表面の電位が+1[kV]となるように電荷を付与する。このときの表面電位を初期与電位D[V]とする。
(3) GND結線し室温(22℃)でt秒経過後の表面電位を検出電位D[V]とする。
【0063】
なお、上記表面電位は非接触式の表面電位計Model 344(トレック・ジャパン(株)製)を用いてプローブ−サンプル間距離1.5mmの条件で測定した。
各子粒子に付き、この方法で電荷保持率を測定し、これから電荷保持時間Tを確認して、表1に記した。
【0064】
(3)表示媒体用粒子作製方法と母粒子、子粒子の組み合わせ
上記母粒子XまたはYに、上記表1に示す子粒子のうちから下記表2に示す組み合わせで、黒粒子と白粒子とによるセットで実施例1〜9とした。また、比較例1〜3を準備した。なお、この比較例1は第1、第2の子粒子の両方に、帯電保持性のある粒子を用いた場合、そして、比較例2は減衰機能がある第2の子粒子を用いない場合、そして、比較例3は第1、第2の子粒子との混合率を好ましい範囲から外した、場合を示すものとして例示する。
【0065】
【表2】

【0066】
正帯電性の子粒子P1〜P2のいずれか1種と、電荷減衰機能を有する子粒子D1〜D3のいずれか1種を選択し、両者を適切な混合率Cで予備混合した後、黒色母粒子Xと共に複合化装置に投入し、母粒子表面に子粒子を固着して複合化する処理を行って複合型表示媒体用粒子を得た。たとえば、P1とD1とを選択した場合、複合型表示媒体用粒子としてXP1D1を得ることができる。
上記複合化処理に用いる複合化装置としては特に制約はないが、ここでは乾式ミキサーであるNOB−130(ホソカワミクロン(株)製)を用いて120℃で30分間の加熱圧縮剪断処理を行った。処理後に目開き32μmの篩を用いて子粒子の凝集体や熱融着した粗粉を取り除いた。
なお、混合率Cは子粒子P1〜P2の配合重量をWP、子粒子D1〜D3の配合量をWとして下式(b)のように定義した。

C=W/(W+W)・・・・・(b)

同様に、負帯電性の子粒子N1〜N3のいずれか1種と電荷減衰機能を備えた子粒子D1からD3のいずれか1種を選択し、両者を適切な混合率Cで予備混合した後、白色母粒子Yと共に複合化装置に投入し、母粒子表面に子粒子を固着して複合化する処理を行って複合型表示媒体用粒子を得た。たとえば、N1とD1とを選択した場合、複合型表示媒体用粒子としてYN1D1を得ることができる。
【0067】
(1)短間欠書き換えにおける表示特性測定
正帯電性の複合型表示媒体用粒子と負帯電性の複合型表示媒体用粒子とを、当量攪拌して摩擦帯電を行い、100μmのスペーサーを介して、一方が内側ITO処理された電源に接続されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率30%で充填し配置して、評価用の情報表示用パネルを得た。ITOガラス基板、銅基板それぞれを電源に接続し、ITOガラス基板を低電位に、銅基板を高電位となるように直流電圧をかけると、正帯電性の複合型表示媒体用粒子Xは低電位極側に、負帯電性の複合型表示媒体用粒子Yは高電位極側にそれぞれ移動する。ここで、正帯電性の複合型表示媒体用粒子Xが黒色、負帯電性の複合型表示媒体用粒子Yが白色の場合、ガラス基板を通して黒色の表示状態が観察され、次に印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆方向に移動して、白色の表示状態が観察される。+200Vおよび−200Vの電圧印加を交互に100回繰り返した後、表示状態において反射率を測定し、このときの白表示時の反射率と黒表示時の反射率との反射率比を、短間欠表示特性とした。
反射率比が10以上の場合を「特に良好」と判断し、表2に二重丸「◎」を記した。
反射率比が5以上の場合を「良好」と判断し、表2に一重丸「○」を記した。
反射率比が5未満の場合を「不良」と判断し、表2にバツ「×」を記した。
【0068】
(2)長間欠書き換えにおける表示特性評価
(1)のように短間欠書き換えを行って表示特性を測定した後、電源を取り外した評価用情報表示用パネルを50℃に温度制御した熱風循環オーブン中で24時間静置した後に、このパネルを再度、電源に接続し、+200V、−200Vの電圧を1度ずつ印加し、それぞれの表示状態におい反射率を測定し、白表示時の反射率と黒表示時の反射率との反射率比を長間欠表示特性とした。
反射率比が10以上の場合を「特に良好」と判断し、表2に二重丸「◎」を記した。
反射率比が5以上の場合を「良好」と判断し、表2に一重丸「○」を記した。
反射率比が5未満の場合を「不良」と判断し、表2にバツ「×」を記した。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係る情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(電子取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板やホワイトボード等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。他に、外部電界形成手段で表示書換えを行う表示パネルや外部表示書換え手段に接続して表示書換えを行う表示パネル(いずれも、いわゆるリライタブルペーパー)としても好適に用いられる。
【符号の説明】
【0070】
1、2 基板
3Wa、3Ba 表示媒体用粒子
3W、3B 表示媒体(粒子群)
10 第1の複合型の表示媒体用粒子
20 第2の複合型の表示媒体用粒子
11、21 母粒子
12A、22A 第1の子粒子
12B、22B 第2の子粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が透明な2枚の基板間に封入され、電界印加に応答して移動して情報を表示する、光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子であって、
母粒子と該母粒子の表面に子粒子を固着させてなる複合型粒子として形成されており、
前記子粒子として、電荷保持機能を有する第1の子粒子と、電荷減衰機能を有する第2の子粒子とを含む、ことを特徴とする複合型表示媒体用粒子。
【請求項2】
初期電位の1/2の電位を与える時間で定義される電荷保持時間Tに関し、前記第1の子粒子の電荷保持時間T1が1000(秒)超であり、前記第2の子粒子の電荷保持時間T2が1000(秒)以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の複合型表示媒体用粒子。
【請求項3】
前記少なくとも一方が透明な2枚の基板間に封入される前記表示媒体用粒子が、正帯電性である第1の複合型粒子と、負帯電性である第2の複合型粒子との少なくとも2種類の粒子から構成され、
前記第1の複合型粒子における第1の子粒子が正帯電性を有し、前記第2の複合型粒子における第1の子粒子が負帯電性を有している、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合型表示媒体用粒子。
【請求項4】
前記第1の複合型粒子における前記第2の子粒子と、前記第2の複合型粒子における前記第2の子粒子とが同じ材料で構成されている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の複合型表示媒体用粒子。
【請求項5】
前記第1の複合型粒子の電荷減衰速度と前記第2の複合型粒子の電荷減衰速度との相対速度比が所定の範囲内となるように、当該第1の複合型粒子および当該第2の複合型粒子について、前記第1の子粒子に対する前記第2の子粒子の混合率をそれぞれ調整する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の複合型表示媒体用粒子。
【請求項6】
前記相対速度比が0.33倍から3.0倍である、ことを特徴とする請求項5に記載の複合型表示媒体用粒子。
【請求項7】
前記第1の複合型粒子及び前記第2の複合型粒子の少なくとも一方の複合型粒子において、
前記第1の子粒子に対する前記第2の子粒子の混合率が50%未満である、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の複合型表示媒体用粒子。
【請求項8】
前記第2の子粒子が、シリカ微粒子またはメラミン微粒子である、ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の複合型表示媒体用粒子。
【請求項9】
請求項5から8のいずれかに記載の複合型表示媒体用粒子を用いたことを特徴とする情報表示用パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−145782(P2012−145782A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4260(P2011−4260)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】