説明

複合型表示媒体用粒子の子粒子及びその製造方法、この子粒子を用いる複合型表示媒体用粒子、並びに複合型表示媒体用粒子を用いる情報表示用パネル

【課題】帯電特性に優れた複合型表示媒体用粒子を構成する子粒子を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、前記表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる、前記表示媒体を構成する表示媒体用粒子について、前記表示媒体用粒子が母粒子と該母粒子の表面に固着された子粒子とを含む複合型表示媒体用粒子とされた場合における前記子粒子であって、前記子粒子が、乳化重合法もしくは分散重合法により製造されたものであり、かつ、最終洗浄液の導電率と溶媒の導電率との差が2μS/cm以下であり、かつ、乾燥後の子粒子の水−メタノール濡れ試験による疎水化度がメタノール濃度20%以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、この表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに係る技術に関するもので、より詳細には母粒子の表面に子粒子が付加されている複合型の表示媒体用粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルが知られている。このような情報表示用パネルに用いる表示媒体を構成する粒子(表示媒体用粒子)として、母粒子の表面に、帯電性を有する子粒子を固着させた複合型の表示媒体用粒子を採用する技術の提案がある(例えば特許文献1)。
そして、特許文献1にも記載があるように(段落[0020]参照)、樹脂製の微粒子を用いて上記子粒子を形成して、これを母粒子の表面に固着させて複合型の表示媒体用粒子を構成する場合がある。このように、子粒子を樹脂粒子とすることで帯電設計が容易なるなどのメリットがあり、表示媒体用粒子としての耐久性、帯電特性を改善でき、これを採用する情報表示用パネルは高耐久、帯電性能の向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−072283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、情報表示用パネルの耐久や帯電性能に関して、イオン性の化合物等がパネル内に存在していると、帯電に起因して粒子への不都合がある。具体的には、情報表示用パネルのパネル間に封入した表示媒体用粒子の帯電量等の帯電性能が変化し、粒子同士の凝集等によるコントラストの低下、粒子の駆動障害によって書き換えが困難になる等の問題が生じる場合がある。
【0005】
ところが、樹脂製の子粒子の製造では、乳化重合法もしくは非水分散重合法が広く採用されており、これにより球状の微粒子を得ている。そして、乳化重合法や非水分散重合法では、乳化剤が使用されている。そのために、子粒子の製造後にあって、この乳化剤が子粒子に残存していると、上記で指摘したイオン性化合物となり複合型表示媒体用粒子を形成しても帯電性能が低下してしまう。これを情報表示用パネルに用いると、前述したコントラストの低下等の不具合を生じることが懸念される。このため、樹脂子粒子の製造後に乳化重合法もしくは非水分散重合法で使用した乳化剤を確実に除去することが肝要である。
【0006】
ここで、粒子洗浄のための洗浄液として、一般に水を使用することが考えられる。しかしながら、乳化剤除去時の撹拌操作において、乳化剤の存在により、泡立ちが著しくなる。また、遠心分離による固液分離操作において、分離効率が悪く、長時間遠心分離操作が必要となる。その上、上澄み液は白濁しており、子粒子の回収率が悪い、乳化剤の除去率も悪い等の問題が生じてしまう。このように洗浄液として水を用いることは非効率であり、また確実に乳化剤を除去できない。そのため、製造した子粒子に上記で指摘したイオン性化合物を含む状態となるので、複合型表示媒体用粒子における電荷保持力の低下、これを用いた情報表示用パネルで駆動の不具合が生じる場合がある。
【0007】
本発明の主な目的は、帯電特性に優れた複合型表示媒体用粒子を構成する子粒子、およびその製造方法を提供することにある。更には、かかる子粒子を母粒子表面に固着させて得られ、情報表示用パネルの表示媒体に用いることで良好な表示安定性を得ることができる複合型表示媒体用粒子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、前記表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる、前記表示媒体を構成する表示媒体用粒子について、
前記表示媒体用粒子が母粒子と該母粒子の表面に固着された子粒子とを含む複合型表示媒体用粒子とされた場合における前記子粒子であって、
前記子粒子が、乳化重合法もしくは分散重合法により製造されたものであり、かつ、最終洗浄液の導電率と溶媒の導電率との差が2μS/cm以下であり、かつ、乾燥後の子粒子の水−メタノール濡れ試験による疎水化度がメタノール濃度20%以上である、ことを特徴とする複合型表示媒体用粒子の子粒子により達成される。
【0009】
前記子粒子は、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ウレタン樹脂および架橋エポキシからなる群から選択されるいずれかによる粒子とするのが好ましい。
【0010】
上記目的は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、前記表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる、前記表示媒体を構成する表示媒体用粒子について、
前記表示媒体用粒子が母粒子と該母粒子の表面に固着された子粒子とを含む複合型表示媒体用粒子とされた場合における前記子粒子の製造方法であって、
乳化重合法もしくは分散重合法を用いて前記子粒子を製造する製造ステップと
前記製造ステップの後、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類から選択した少なくとも1つを洗浄液として洗浄する洗浄ステップとを含む、ことを特徴とする複合型表示媒体用粒子における子粒子の製造方法によっても達成される。
【0011】
前記洗浄ステップでは、洗浄液の導電率と溶媒の導電率との差が2μS/cm以下であり、かつ、乾燥後の子粒子の水−メタノール濡れ試験による疎水化度がメタノール濃度20%以上となるまで、子粒子の攪拌と洗浄とを行うことが望ましい。
また、前記洗浄液中へ洗い出される乳化剤量を監視し、これに基づいて前記疎水化度を判断するようにしてもよい。
【0012】
前記子粒子は、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ウレタン樹脂および架橋エポキシからなる群から選択されるいずれかによる粒子とするのが好ましい。
【0013】
上記に記載の複合型表示媒体用粒子の子粒子を、母粒子と該母粒子の表面に固着された子粒子とを含む複合型表示媒体用粒子とされた場合における前記子粒子として用いた複合型表示媒体用粒子であれば帯電特性に優れた高耐久の複合型表示媒体用粒子となる。
【0014】
上記複合型表示媒体用粒子を用いた情報表示用パネルは、表示性能、高耐久、帯電性能が向上した表示デバイスとして提供できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、帯電特性に優れた複合型表示媒体用粒子を構成する子粒子、およびその製造方法を提供できる。また、かかる子粒子を母粒子表面に固着させて得られ、情報表示用パネルの表示媒体に用いることで良好な表示安定性を得ることができる複合型表示媒体用粒子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)、(b)は本発明の表示媒体用粒子を用いた一例となる帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの原理的構成を説明するために示した図である。
【図2】(a)、(b)は本発明の表示媒体用粒子を用いた一例となる帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するために示した図である。
【図3】母粒子の表面に子粒子を固着した複合型の表示媒体用粒子の様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る複合型の表示媒体用粒子に好適な粒子の構成、及びその製造方法を、図面に基づき詳細に説明する。ここでは、本発明の理解を容易とするため、表示媒体用粒子として帯電型の粒子を採用し、この表示媒体用粒子を移動して画像等を表示する移動方式の情報表示用パネルを一例として、その概略構成を先ず説明する。
【0018】
前記帯電粒子移動方式の情報表示用パネルは、対向する2枚の基板間の空間に封入した帯電性を有する母粒子およびその表面に子粒子を有する複合型の表示媒体用粒子で構成した粒子群に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、表示媒体用粒子が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体用粒子が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体用粒子が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時、或いは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する表示媒体用粒子にかかる力は、電界による力、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
【0019】
本発明の表示媒体用粒子を表示媒体として用いる前記情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)および図2(a)、(b)を参照して説明する。
図1(a)、(b)に示す例は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する表示媒体用粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(TFT付き画素電極)と基板2に設けた電極6(共通電極)とで形成する電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色表示をするなど、白黒ドットマトリックス表示をすることができる。
なお、図1(a)、(b)においては、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。画素(ドット)とセルとを1対1に対応させた例を示しているが、画素とセルとは対応させなくてもよい。
【0020】
また、図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)とが対向直交交差に形成する画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色表示、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示をするなど、白黒のドットマトリックス表示をすることができる。
なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。画素(ドット)とセルとを1対1に対応させた例を示しているが、画素とセルとは対応させなくてもよい。
【0021】
なお、上記基板1、2としては、ガラス基板、樹脂シート基板、樹脂フィルム基板等の基板を用いることができる。表示面側(観察側)とする基板2は、透明基板とする。この基板2の情報表示画面領域に、所定の電圧および極性(正・負)を有する電圧を印加するための電極(図1などで説明した、共通電極またはライン電極5)を配設する場合には透明電極とする。図1及び図2に示した情報表示用パネルを構成する基板1の表面には、マトリックス状電極対を構成するように薄膜トランジスタ(TFT)付き画素電極もしくはライン電極が形成されている。この対向電極対に電圧を印加したときに、表示媒体(粒子群)に電界が印加されることによって移動して所望の表示を行う前述の構造が実現できる。
【0022】
さらに、本発明の対象となる表示媒体用粒子について詳細に説明する。表示媒体用粒子は、図1(a)、(b)及び図2(a)、(b)の情報表示用パネルなどに適用することができ少なくとも一方が透明な2枚の基板の間に表示媒体を構成して封入されるものである。
そして、本発明は、図3で示すように、母粒子32の表面に子粒子33が固着されている、いわゆる複合型の表示媒体用粒子31に係るもので、特には帯電性及び耐久性に優れた子粒子33、そのような子粒子の製造方法、そして、この子粒子を用いる複合型表示媒体用粒子31に関するものである。以下順に説明する。
【0023】
複合型の表示媒体用粒子での母粒子について、先ず説明する。母粒子の主成分となるベース樹脂に、必要に応じて、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含めることができる。以下で樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
【0024】
表示媒体用粒子の母粒子は、その主成分となるベース樹脂に着色剤として顔料を含み、更に必要に応じて、荷電制御剤、無機添加剤等を含ませることができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
【0025】
表示媒体用粒子の母粒子は、その主成分となるベース樹脂に着色剤として顔料を含み、更に必要に応じて、荷電制御剤、無機添加剤等を含ませることができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
表示媒体用粒子の母粒子のベース樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、チオウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルチオウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、スチレンブタジエンアクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ノルボルネン樹脂、メチルペンチル樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等を挙げることができる。これらを2種類以上混合して使用してもよい。また、予め重合した樹脂を粉砕処理したものを使用してもよいし、懸濁重合で形成したものを使用してもよい。荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を混練りした後、粉砕することにより作製される場合には、母粒子の主成分は熱可塑性を有すると共に、粉砕しやすいことも必要である。この観点から、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリル樹脂、アクリルフッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ノルボルネン樹脂、メチルペンチル樹脂、ポリスチレン系樹脂の各水素添加物等が挙げられる。なお、懸濁重合の場合、その容易さからアクリル樹脂、アクリルフッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂の各水素添加物等が好適である。
【0026】
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
【0027】
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
【0028】
また、黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
【0029】
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
【0030】
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の表示媒体用粒子前駆体である母粒子を作製できる。
【0031】
そして、上記母粒子に固着される子粒子については、帯電性と共に、適度な硬度および粒径の揃った微粒子であることが望まれる。このような子粒子は、帯電性及び耐久性に優れたものとなるので、これを母粒子の表面に固着して用いる複合型粒子の表示媒体用粒子はその結果として帯電性や耐久性を向上させることができる。
ここで、本願発明に係る子粒子は、乳化重合法もしくは分散重合法により製造されたものであり、かつ、最終洗浄液の導電率と溶媒の導電率との差が2μS/cm以下であり、かつ、乾燥後の子粒子の水−メタノール濡れ試験による疎水化度がメタノール濃度20%以上とされている。子粒子を形成するための樹脂として、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ウレタン樹脂および架橋エポキシからなる群から選択したものを採用すると、適度な硬度および粒径の揃った高耐久の微粒子を得ることができる。ここでは、例えば架橋ポリスチレン樹脂の一種であるスチレン−ジビニルベンゼン系の重合体を好適に採用できる。
そして、重合の際に使用した乳化剤の残存度合いを示す最終洗浄液の導電率と溶媒の導電率との差が2μS/cm以下であり、かつ、乾燥後の子粒子の水−メタノール濡れ試験による疎水化度がメタノール濃度20%以上であるものは、乳化剤が十分に低減されており、先に指摘した帯電性能の低下がないので、粒子凝集などの不都合の発生を抑制できる。よって、複合型表示媒体用粒子に好適な子粒子となる。
【0032】
以下で、更に子粒子の製造方法を説明する。
本願発明に係る子粒子の製造方法では、乳化重合法もしく分散重合法を用いて前記子粒子を製造する製造ステップと、前記製造ステップの後、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類から選択した少なくとも1つを洗浄液として、ペイントシェーカー等による攪拌、及び、遠心分離機等による固液分離を繰り返すことにより子粒子を洗浄する洗浄、又は、クロスフロー濾過によるバッチ式若しくはダイヤルフィルトレーションにより子粒子を洗浄する洗浄によって構成される洗浄ステップとを含む、ものである。
上記製造ステップでは、乳化重合法もしくは分散重合法を用いて、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ウレタン樹脂および架橋エポキシからなる群から選択されるいずれかにより、子粒子を製造するのが好ましい。好適には、架橋ポリスチレン樹脂の一種であるスチレン−ジビニルベンゼン系の重合体により子粒子を形成するのが好ましい。
【0033】
そして、子粒子に残存している重合の際に使用した乳化剤を上記したアルコール類、ケトン類から選択した洗浄液(有機溶剤)を用いて洗浄する。有機溶剤を用いての洗浄は、水を用いた場合のような泡立ちがなく、固液分離に掛る時間を短縮でき、粒子の回収率を向上させることができる。よって、先に水を洗浄液とした場合に指摘した不都合を解消して、複合型粒子に用いる子粒子を確実に、効率良く製造できる。
子粒子を洗浄処理する手法として、ペイントシェーカーやメカニックスターラー等による分散液の攪拌と遠心分離機等による固液分離を繰り返すことにより子粒子を洗浄処理する手法、若しくは酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム等限外濾過膜を用いたクロスフロー濾過によるバッチ式若しくはダイヤルフィルトレーションにより子粒子を洗浄処理する手法などにより、効率良く処理できる。
【0034】
ここで、本願発明では乳化剤の残存度合いの指針として洗浄液の導電率と疎水化度とを用い、子粒子に残存する乳化剤量を確認している。疎水化度は、いわゆる「メタノール濡れ性試験」と称される疎水(又は、親水)度合いを検出する試験で得られる数値として特定できる。前記洗浄ステップでは、洗浄液中へ洗い出された乳化剤量は導電率計等を用いて監視するのが望ましく、最終洗浄液の導電率と溶媒の導電率との差が2μS/cm以下
となるまで、洗浄を行うのが望ましく、かつ、乾燥後の子粒子の水−メタノール濡れ試験による疎水化度がメタノール濃度20%以上となるまで処理を実行することが望ましい。
そのため、必要に応じて、複数回の処理を実行してもよい。
【0035】
なお、子粒子製造の際に採用する乳化重合法もしくは非水分散重合法は、従来において粒子を製造する際に用いた要領で同様に実施すればよく、ここで用いる乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、セチル硫酸アンモニウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸アンモニウム、オレイル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸アンモニウムなどの直鎖および分岐アルキル硫酸エステル塩; ラウリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸アンモニウム、ミリスチルスルホン酸ナトリウム、ミリスチルスルホン酸アンモニウム、セチルスルホン酸ナトリウム、セチルスルホン酸アンモニウム、ステアリルスルホン酸ナトリウム、ステアリルスルホン酸アンモニウム、オレイルスルホン酸ナトリウム、オレイルスルホン酸アンモニウムなどの直鎖および分岐アルキルスルホン酸塩; α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸アンモニウムなどのα−オレフィンスルホン酸塩; ノニルフェノール硫酸エステルナトリウム塩、ノニルフェノール硫酸エステルアンモニウム塩、ドデシルフェノール硫酸エステルナトリウム塩(ラウリル硫酸エステルナトリウム塩)、ドデシルフェノール硫酸エステルアンモニウム塩(ラウリル硫酸エステルアンモニウム塩)などのアルキルフェノール硫酸エステル塩; ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム(ラウリルベンゼンスルホン酸アンモニウム)などのアルキルベンゼンスルホン酸塩; ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸アンモニウムなどのアルキルナフタレンスルホン酸塩; ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、モノオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸塩; ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(ラウリルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム)、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸アンモニウム(ラウリルジフェニルエーテルジスルホン酸アンモニウム)などのアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩; ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩などのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩; ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体の硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシブチレンブロック共重合体の硫酸エステルナトリウム塩などのポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体の硫酸エステル塩; ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体のドデシルエーテルの硫酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシブチレンブロック共重合体のドデシルエーテルの硫酸エステルナトリウム塩などのポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体のアルキルエーテルの硫酸エステル塩等が挙げられ、これらを単独で、あるいは2種類以上を組合せて使用してもよい。
【0036】
また、重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水、ベンゾイルパーオキサイド、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の過酸化物、4,4‘-アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボルキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミダイン]4水和物等のカルボキシル基を有するアゾ開始剤、2,2’-アゾビス[2−(トリフルオロメチルスルホン酸-2-メチルイミダゾリン−2−イル)プロパン、2,2’-アゾビス[2−(2-メチルイミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩、2,2’-アゾビス[2−(2-メチルイミダゾリン−2−イル)プロパン硫酸塩、2,2’−アゾビズ(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)塩酸塩、2,2’-アゾビス[2−(トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸-2-メチルイミダゾリン−2−イル)プロパン、2,2’-アゾビス[2−(トルエンスルホン酸-2-メチルイミダゾリン−2−イル)プロパン、2,2’-アゾビス[2−(ベンゼンスルホン酸-2-メチルイミダゾリン−2−イル)プロパン等のイミダゾリン基を有するアゾ開始剤、4,4’-アゾビス[4−シアノ吉草酸(メチルピリジン)アミド]等のピリジン基を有するアゾ開始剤、4,4’-アゾビス[4−シアノ吉草酸(メチルアミン)アミド]、4,4’-アゾビス[4−シアノ吉草酸(メチルシクロヘキシルアミン)アミド]等のアミノ基を有するアゾ開始剤等、2,2‘−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロイオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等のアゾ系開始剤等が挙げられ、これらを単独で、あるいは2種類以上を組合せて使用してもよい。
【0037】
以下では、更に、本発明による複合型の表示媒体用粒子を用いる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
【0038】
前述した基板としては、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体の色が確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板となる背面基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフィン(PES)、アクリル等の有機高分子系基板や、ガラスシート、石英シート、金属シート等を用い、表示面側にはこのうち透明なものを用いる。基板の厚みは、2〜2000μmが好ましく、さらに5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合となる。
【0039】
必要に応じて、上記基板に設ける電極の形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピローラ、ポリチオフェンなどの導電性高分子類を例示でき、これらを適宜に選択して用いることができる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法や、金属箔をラミネートする方法(例えば圧延銅箔法)や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法を用いることができる。
視認側(表示面側)基板の情報表示画面領域に設ける電極は透明である必要があるが、情報表示画面領域外や背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmが好適である。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。
【0040】
基板に設ける隔壁については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmである。隔壁の高さは、基板間ギャップ以内で、基板用ギャップ確保用部分は基板間ギャップと同じに、それ以外のセル形成用部分は基板間ギャップと同じか、それよりも低くすることができる。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。隔壁の高さは、基板間距離に合せるが、部分的に基板間距離よりも低くすることもできる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、その形状として例えば基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方がよく、表示状態の鮮明さを増すことができる。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法を好適に用いられる。
【0041】
また、表示媒体用粒子は平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなり過ぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
【0042】
さらに本発明では、各表示媒体用粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Span(スパン)を5未満、好ましくは3未満とするのが望ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
【0043】
さらにまた、帯電極性が互いに異なる2種類の表示媒体用粒子を用いて構成した2種類の表示媒体を用いた情報表示用パネルでは、平均粒子径d(0.5)が大きい方の表示媒体の平均粒径と平均粒子径d(0.5)が小さい方の表示媒体の平均粒径との比を10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電極性の異なる表示媒体用粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズを同程度にし、互いの表示媒体用粒子が反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
【0044】
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザ回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザ光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。例えば、Mastersizer2000(シスメックス(株))測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフトにて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
【0045】
さらに、表示媒体用粒子で構成する表示媒体を気体中空間で駆動させる乾式の情報表示用パネルでは、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、上記図1(a)、(b)、図2(a)、(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
【0046】
本発明による表示媒体用粒子が採用される情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに、帯電粒子移動方式の情報表示用パネルでは10〜100μm、好ましくは10〜50μmに調整される。
対向する基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。なお、70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
【0047】
以下、更に、本発明の実施例として複合型の表示媒体用粒子に好適な子粒子の製造方法を説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0048】
残存乳化剤の導電率の測定について説明する。
(1)分散液を遠心分離後、上澄液を100mlとる。
(2)導電率計(ディスパージョン・テクノロジー社製:DT−700)を用いて、上澄液の導電率を測定する。
(3)洗浄に使用した溶媒の導電率を測定する。
(4)上澄液の導電率と溶媒の導電率との差が2μS/cm以下であれば、重合の際に用いた乳化剤がほぼ除去されたと判断する。
【0049】
ここでは、先ず、製造する子粒子の疎水化度について説明する。
子粒子の疎水化度は、以下に示すようにして測定した。
(1) 直径2.5cmのバイアル瓶等のガラス容器に、蒸留水20gを入れ、その水面上に微粒子を20mg載せる。
(2) (1)の状態でバイアル瓶等のガラス容器を超音波洗浄機(パナソニック社製:UT−304F)中で溶媒を10分間撹拌する。
(3) 撹拌後、1分間静置し、レーザー発光装置(キーエンス社製:LX2−01R)を用いて、(2)の状態でのバイアル瓶等のガラス容器にレーザー光をあて、レーザー透過率を測定する。レーザー透過率はバイアル瓶等のガラス容器に蒸留水のみを入れた状態でのレーザー透過光量を100%としてパーセント表示する。
(4) メタノールを1gずつ滴定して、上記(2)、(3)の操作を繰り返す。
(5) レーザー透過率が50%になる時の溶媒全量に対するメタノール量をパーセント表示した値を疎水化度とした。
(6) 本発明者は、疎水化度が25%以上であれば、重合の際に用いた乳化剤がほぼ除去され、子粒子への影響が除去できることを確認し、子粒子の疎水化度25%以上にすることが好ましいとの特定をしたものである。
【0050】
表示媒体用粒子の電荷保持率は、下記に示す条件にて測定した。
(1)銅セルに粒子を層厚300(μm)で充填する。
(2)スコロトロン帯電器(ニードル印加電圧±10(kV)、グリッド電圧±1(kV))により粒子表面電位±1(kV)となるように電荷を付与する。
(3)グラウンド(GND)結線し、室温(22℃)、湿度(50RH%)で測定開始、子粒子の場合は12時間経過した後の表面電位を初期表面電位で割ったものを電荷保持率(%)とした。複合粒子の場合は同様にして、24時間後経過した時の表面電位を初期表面電位で割ったものを電荷保持率(%)とした。
(4)電荷保性の判断は電荷保持率が90(%)以上であれば、電荷保持性が高いと判断した。
【0051】
(実施例1)
1)架橋ポリスチレン樹脂粒子の作製
3口フラスコに、過硫酸カリウムを1.5g(和光純薬製)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系の乳化剤(花王製 エマルゲン109)を2.0g、精製水を1000gの順に加え、過硫酸カリウムおよび乳化剤を溶解させた。
更に、上記溶液に、スチレン、ジビニルベンゼン(共に、東京化成製)を重量比1:1で混合した溶液200gを加えた後、室温にて20分間窒素ガスでバブリングを行った。フラスコからモノマーがもれないようにフラスコを密閉した後、80℃で24時間重合して白濁の重合溶液を得た。ここで説明した製造ステップにより子粒子とする微粒子が製造され、その分散濃度は18.6%であった。
【0052】
2)上記架橋ポリスチレン樹脂粒子の洗浄
上記製造ステップで製造された子粒子を下記の洗浄ステップで乳化剤を洗浄した。
子粒子を含む分散液100gに、洗浄液としてメタノール100gを加え、5分間撹拌した後に遠心分離機(コクサン製 H−201FR)を用いて、6900rpmで1時間遠心分離を行った。1時間後、固形分(子粒子)と溶液とに固液分離がなされており、溶液は透明であった。
溶液を除去した後、洗浄液としてメタノール200gを加え、2時間撹拌した後、遠心分離機を用いて、6900rpmで1時間遠心分離を行い、上澄液を除去した。この操作をさらに3回繰り返した後、子粒子を80℃1日、真空乾燥した。
【0053】
子粒子の回収量は18.1g(収率97.3%)であり、疎水化度は26.3%で、20%以上であった。また、5回目の洗浄液を濃縮したところ導電率の差は1.7μS/cmであった回収した子粒子の電荷保持率は99.0%であり、高い電荷保持力を示した。
【0054】
(実施例2)
上記実施例1の1)に記載の製造ステップと同様にして子粒子を製造した。この子粒子を含む分散液100gに、洗浄液としてエタノール100gを加え、5分間撹拌した後に遠心分離機(コクサン製 H−201FR)を用いて、6900rpmで1時間遠心分離を行った。1時間後、固形分(子粒子)と溶液とに固液分離がなされており、溶液は透明であった。
溶液を除去した後、洗浄液としてエタノール200gを加え、2時間撹拌した後、遠心分離機を用いて、6900rpmで1時間遠心分離を行い、上澄み液を除去した。この操作をさらに3回繰り返した後、子粒子を80℃1日真空乾燥した。
【0055】
子粒子の回収量は17.1g(収率92.2%)であり、疎水化度は27.1%で、20%以上であった。なお、5回目の洗浄液を濃縮したところ導電率の差は1.01μS/cmであった。回収した子粒子の電荷保持率は99.0%であり、高い電荷保持力を示した。
なお、ここで説明したように、洗浄液中へ洗い出される乳化剤量を監視し、これに基づいて前記疎水化度を間接的に判断するようにしてもよい。そのために、用いる乳化剤と洗浄液を適宜に組み合せて、予め複数の洗浄試験を行い。洗浄液に回収した乳化剤量のデータを集積すれば、洗浄液中へ洗い出された乳化剤量に基づいて、疎水化度を推測することが可能となる。
【0056】
(実施例3)
上記実施例1の1)に記載の製造ステップと同様にして子粒子を製造した。この子粒子を含む分散液100gに洗浄液としてアセトン100gを加え、5分間撹拌した後に遠心分離機(コクサン製 H−201FR)を用いて、6900rpmで1時間遠心分離を行った。1時間後、固形分(子粒子)と溶液とに固液分離がなされており、溶液は透明であった。
溶液を除去した後、洗浄液としてアセトン200gを加え、2時間撹拌した後、遠心分離機を用いて、6900rpmで1時間遠心分離を行い、上澄液を除去した。この操作をさらに3回繰り返した後、子粒子を80℃1日真空乾燥した。
【0057】
子粒子の回収量は13.44g(収率72.5%)であり、疎水化度は26.1%で、20%以上であった。また、5回目の洗浄液を濃縮したところ導電率の差は1.4μS/cmであった。回収した子粒子の電荷保持率は99.90%であり、高い電荷保持力を示した。
【0058】
(実施例4)
上記実施例1の1)に記載の製造ステップと同様にして子粒子を製造した。この子粒子を含む分散液3000g(以下、母液)をジルコニア濾過膜(日本ポール社製:ETI-070)を用いて循環液速度7.0ml/分、濾過(液)速度20ml/分にて循環し、母液2000mlとなるまで濃縮させた後、エタノール2000mlを加え、母液2000mlとなるまで濃縮を繰り返した。エタノールの追加を14回繰り返し、母液を濃縮したところ濾過液の導電率が0.81μS/cmを示し、上澄液の導電率と溶媒の導電率との差が2μS/cm以下であった。濃縮液を遠心分離器を用いて、上澄液を除去した後、子粒子を80℃1日真空乾燥した。回収した子粒子の疎水化度は26.0%であり、電荷保持率は99.0%であり、高い電荷保持力を示した。
【0059】
(実施例5)
上記実施例1の1)に記載の製造ステップと同様にして子粒子を製造した。この子粒子を含む分散液3000g(以下、母液)をジルコニア濾過膜(日本ポール社製:ETI-070)を用いて循環液速度7.0ml/分、濾過(液)速度20ml/分にて循環し、母液2000mlとなるまで濃縮させた後、30%エタノール水2000mlを加え、母液2000mlとなるまで濃縮を繰り返した。30%エタノール水の追加を14回繰り返し、母液を濃縮したところ濾過液の導電率が1.12μS/cmを示し、上澄液の導電率と溶媒の導電率との差が2μS/cm以下であった。濃縮液を遠心分離器を用いて、上澄液を除去した後、子粒子を80℃1日真空乾燥した。回収した子粒子の疎水化度は23.2%であり、電荷保持率は99.0%であり、高い電荷保持力を示した。
【0060】
(実施例6)
上記実施例1の1)に記載の製造ステップと同様にして子粒子を製造した。この子粒子を含む分散液3000g(以下、母液)をジルコニア濾過膜(日本ポール社製:ETI-070)を用いて循環液速度7.0ml/分、濾過(液)速度20ml/分にて循環し、同時に30%エタノール水20ml/分で母液に注入した。30%エタノール水14000ml注入した後、母液の濾過液の導電率が1.31μS/cmを示し、上澄液の導電率と溶媒の導電率との差が2μS/cm以下であった。濃縮液を遠心分離器を用いて、上澄液を除去した後、子粒子を80℃1日真空乾燥した。回収した子粒子の疎水化度は24.2%であり、電荷保持率は99.0%であり、高い電荷保持力を示した。
【0061】
(比較例1)
上記実施例1の1)に記載の製造ステップと同様にして子粒子を製造した。この子粒子を含む分散液100gに、洗浄液として水100gを加え、5分間撹拌した後に遠心分離機(コクサン製 H−201FR)を用いて、6900rpmで1時間遠心分離を行った。1時間後、固形分(子粒子)と溶液とに固液分離がされておらず、溶液は半透明であった。
溶液を除去した後、洗浄液として水200gを加え、2時間撹拌した後、遠心分離機を用いて、6900rpmで1時間遠心分離を行い、上澄液を除去した。この操作をさらに3回繰り返した後、子粒子を80℃1日真空乾燥した。子粒子の回収量は3.0g(収率16.3%)であり収率が悪かった。そして、その疎水化度は23.6%で、20%以上であった。しかしながら、5回目の洗浄液を濃縮したところ乳化剤(エマルゲン109)の残存量は0.10gであった。回収した子粒子の電荷保持率は80.3%であり、基準とした90%より低い電荷保持率を示した。
以上から、本発明の子粒子の製造方法により、乳化剤を簡便に除去して、電荷保持能を改善させた子粒子が得られる。このような子粒子は重合の際に用いた乳化剤が十分に低減されており、前述した情報表示用パネルに用いる複合型粒子の子粒子として好適であり、良好な表示安定性を得ることができる。
【0062】
表示媒体装置に封入するための表示媒体用粒子として、複合型の表示媒体用粒子を製造した。複合粒子の作製は黒色表示媒体用母粒子としてシクロオレフィンポリマー(TOPAS 6013:ポリプラスチック(株)製)100質量部とカーボンブラック(SPECIAL BLACK4:エボニック−デグッサ(株)製)5質量部とを2軸混練して、ジェットミル(ラボジェットミルIDS-LJ型:日本ニューマテック(株)製)で粉砕分級することにより平均粒子径9μmを得た。
また、白色表示媒体用粒子はシクロオレフィンポリマー(TOPAS 6013:ポリプラスチック(株)製)100質量部と二酸化チタン(タイペークCR−50:石原産業(株)製)100質量部とを2軸混練して、ジェットミル(ラボジェットミルIDS-LJ型:日本ニューマテック(株)製)で粉砕分級することにより平均粒子径10μmを得た。
複合粒子の作製は複合化装置(ノビルタミル(NOB−130):ホソカワミクロン(株)製)を用いて、投入エネルギーが2400kJとなるようにして行った。この複合粒子の電荷保持力は92%であった。このような複合粒子は帯電特性に優れるので、これを用いる情報表示用パネルも高耐久で帯電性能優れた信頼性のある表示デバイスとして提供できる。
【0063】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明に係る情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(電子取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板やホワイトボード等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。他に、外部電界形成手段で表示書換えを行う表示パネルや外部表示書換え手段に接続して表示書換えを行う表示パネル(いずれも、いわゆるリライタブルペーパー)としても好適に用いられる。
【符号の説明】
【0065】
1、2 基板
3Wa、3Ba 表示媒体用粒子
3W、3B 表示媒体(粒子群)
4 隔壁
5、6 電極
31 複合型の表示媒体用粒子
32 母粒子
33 子粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、前記表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる、前記表示媒体を構成する表示媒体用粒子について、
前記表示媒体用粒子が母粒子と該母粒子の表面に固着された子粒子とを含む複合型表示媒体用粒子とされた場合における前記子粒子であって、
前記子粒子が、乳化重合法もしくは分散重合法により製造されたものであり、かつ、最終洗浄液の導電率と溶媒の導電率との差が2μS/cm以下であり、かつ、乾燥後の子粒子の水−メタノール濡れ試験による疎水化度がメタノール濃度20%以上である、ことを特徴とする複合型表示媒体用粒子の子粒子。
【請求項2】
前記子粒子は、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ウレタン樹脂および架橋エポキシからなる群から選択されるいずれかによる粒子である、ことを特徴とする請求項1に記載の複合型表示媒体用粒子の子粒子。
【請求項3】
少なくとも一方が透明な2枚の基板間に表示媒体を封入し、前記表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルに用いる、前記表示媒体を構成する表示媒体用粒子について、
前記表示媒体用粒子が母粒子と該母粒子の表面に固着された子粒子とを含む複合型表示媒体用粒子とされた場合における前記子粒子の製造方法であって、
乳化重合法もしくは分散重合法を用いて前記子粒子を製造する製造ステップと
前記製造ステップの後、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類から選択した少なくとも1つを洗浄液として洗浄する洗浄ステップとを含む、ことを特徴とする複合型表示媒体用粒子における子粒子の製造方法。
【請求項4】
前記洗浄ステップでは、洗浄液の導電率と溶媒の導電率との差が2μS/cm以下であり、かつ、乾燥後の子粒子の水−メタノール濡れ試験による疎水化度がメタノール濃度20%以上となるまで、子粒子の攪拌と洗浄とを行う、ことを特徴とする請求項3に記載の複合型表示媒体用粒子における子粒子の製造方法。
【請求項5】
前記子粒子は、架橋ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ウレタン樹脂および架橋エポキシからなる群から選択されるいずれかによる粒子である、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の複合型表示媒体用粒子における子粒子の製造方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の複合型表示媒体用粒子の子粒子を、
母粒子と該母粒子の表面に固着された子粒子とを含む複合型表示媒体用粒子とされた場合における前記子粒子として用いた、ことを特徴とする複合型表示媒体用粒子。
【請求項7】
請求項6に記載の複合型表示媒体用粒子を用いた、ことを特徴とする情報表示用パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−145792(P2012−145792A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4581(P2011−4581)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】