複合容器
【課題】即席麺のような即席食品に用いることのでき、着脱が簡単でかつ良好な嵌合状態を呈する二段容器を提供する。
【解決手段】
開口部、側面部12及び底面部11を有し、底面部11に向って略テーパ形状を有する第一容器1及び第二容器2から構成され、前記第一容器1の底面部11を含む下方側面部121を、前記第二容器の開口部より挿入し、前記第二容器の上方側面部222と嵌合させることで前記第一容器1及び第二容器2を上下二段に一体化させた複合容器であって、
前記第一容器1の下方側面部121が容器内方向に多段形状を有しており、前記第二容器の上方側面部222が前記多段形状121と嵌合可能な形状を有する複合容器。
【解決手段】
開口部、側面部12及び底面部11を有し、底面部11に向って略テーパ形状を有する第一容器1及び第二容器2から構成され、前記第一容器1の底面部11を含む下方側面部121を、前記第二容器の開口部より挿入し、前記第二容器の上方側面部222と嵌合させることで前記第一容器1及び第二容器2を上下二段に一体化させた複合容器であって、
前記第一容器1の下方側面部121が容器内方向に多段形状を有しており、前記第二容器の上方側面部222が前記多段形状121と嵌合可能な形状を有する複合容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、即席麺のような即席食品に利用することのできる二段形態の複合容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、二種類の容器を上下二段に重ねて一体化させた複合容器に関する発明である。特に即席麺等の即席食品の分野において、分離する二種類の容器を必要とする場合に好適に利用できる複合容器に関する発明である。
【0003】
従来の即席麺の容器においては、お湯を注ぐのみでそのまま喫食するタイプやお湯を入れた後に排湯する焼そばタイプのものがほとんどであり、二種類の容器を必要とする場合は少なかった。
【0004】
一方、麺類においてお湯でゆがいた麺とは別に、つけ汁を用意し、茹で後の麺線をつけ汁に付着させて喫食するタイプの麺類が存在する。すなわち、ざるそばやそうめん等においては、麺自体を収納する容器以外につけ汁用の別の容器が必要になる。
【0005】
また、最近人気が高まっているつけ麺の分野においても中華めん自体を収納しておく容器に加えてつけ汁用の容器も必要になる。即席麺の分野においても、つけ麺等のタイプも存在するが、通常、つけ汁用の容器を麺塊とともに容器の内部に収納するタイプであった。
【0006】
しかし、当該タイプの場合、容器を収納することによって容器の収納空間が減少するため、麺塊や具材、スープ等を収納しきれない場合があった。そこで、二種類の容器を二段にして一体化する方法が考えられる。このような二段容器の先行技術として特許文献1が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭57−21567
【0008】
しかし、当該先行文献には二段容器ではあるが、上段及び下段を一体化するための方法が単に“はめ込み”、“ねじ込み”等の記載があるのみで具体的な態様が記載されていない。また、容器形状が円柱状の形状であるため、開口部が小さいため、即席麺等の商品に用いる場合には使いにくいという難点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明者らは即席麺のような即席食品に用いることができる二段容器を開発することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意研究の結果、略テーパ形状の二段容器において、第一容器の下方側面部を第一容器の上方側面部に嵌合させるタイプが、簡単に着脱でき有効であることを見出した。
【0011】
また、当該二段容器において第一容器の下方側面部を多段形状とし、第二容器の上方側面部を当該多段形状と嵌合できる形状とすることで、嵌合状態を良好にできることができることを見出した。
【0012】
また、当該多段形状の部分を第二容器の上方側面部に深く嵌合させることができるため、第一容器の底面部を第二容器に比較的深くまで挿入させることができ、嵌合後の一体化させた容器の高さを抑えることができる。
【0013】
このように、本発明者らは、第一容器の下方側面部を多段形状にするとともに、第二容器の開口部からの容器内面の形状を前記多段形状に嵌合させることで確実な嵌合状態とすることができることを見出した。
【0014】
すなわち、本願第一の発明は、
「開口部、側面部及び底面部を有し、底面部に向って略テーパ形状を有する第一容器及び第二容器から構成され、前記第一容器の底面部を含む下方側面部を、前記第二容器の開口部より挿入し、前記第二容器の上方側面部と嵌合させることで前記第一容器及び第二容器を上下二段に一体化させた複合容器であって、
前記第一容器の下方側面部が容器内方向に多段形状を有しており、前記第二容器の上方側面部が前記多段形状と嵌合可能な形状を有する複合容器。」、である。
【0015】
さらに、本複合容器は即席カップ麺用として用いることが好適である。
【0016】
すなわち、本願第二の発明は、
「前記複合容器が即席カップ麺用の複合容器である請求項1に記載の複合容器。」、である。
【0017】
次に、本願発明の複合容器は側面部が多角形状であると、第一容器と第二容器の位置合わせが容易となり、デザイン等を一致させることが容易になるため好ましい。
【0018】
すなわち、本願第三の発明は、
「前記第一容器及び第二容器の側面部の水平方向断面形状が多角形状である請求項1又は2に記載の複合容器。」である。
【0019】
さらに、本願発明における材質としては、種々の素材を選択することができるが、低密度で保温性に優れたポリスチレンペーパーであることが好ましい。
【0020】
すなわち、本願第4の発明は、
「前記第一容器及び第二容器の材質がポリスチレンペーパーである請求項1〜3のいずれかに記載の複合容器。」である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第一容器の開口部側からの斜視図である。
【図2】第一容器の底面部側からの斜視図である。
【図3】図1で直線AA´を垂下させて容器を切断した場合の断面図である。
【図4】第一容器の別形態の開口部側からの斜視図である。
【図5】第一容器の別形態の底面部側からの斜視図である。
【図6】図3の断面図のうち多段形状部の部分拡大図である。
【図7】多段形状部の断面図の別形態を示した部分拡大図である。
【図8】複数の第一容器をスタックした場合の断面図である。
【図9】第二容器の開口部側からの斜視図である。
【図10】第二容器の底面部側からの斜視図である。
【図11】図9で直線BB´を垂下させて容器を切断した場合の断面図である。
【図12】第一容器を第二容器に嵌合させる際の参考図である。
【図13】第一容器と第二容器を嵌合後の複合容器の開口部側からの斜視図である。
【図14】嵌合後の複合容器の底面部側からの斜視図である。
【図15】図13で直線CC´を垂下させて容器を切断した場合の断面図である。
【図16】第一容器の多段形状部に凸部を設けた場合の斜視図である。
【図17】第二容器の上方側面部内面に凹部を設けた場合の斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に図面を参照にして本発明を説明する。本発明は以下の図面に開示された態様に限定されるものではない。以下これらの各容器及び嵌合させた状態について具体的に説明を行う。
─第一容器について─
【0023】
図1は第一容器の開口部側から見た斜視図である。また、図2は底面部側から見た斜視図であり、図3は図1の直線AA´を垂下させ切断した場合の断面図である。本発明は側面部が八角形の場合の例を示している。
【0024】
第一容器1は、底面部11を有し、当該底面部11より上方に立ち上がった側面部12を有する。また、当該側面部12は底面部11に向って略テーパ形状を有している。
尚、この第一容器1が上段側の容器となる。
【0025】
また、本発明にいうテーパ形状とは、底面方向に向うに従って、側面同士の間隔が狭まるようになる形状をいう。尚、本発明にいうテーパ形状とは、図1に示すような角錐状のタイプも含むものとする。
【0026】
また、本発明にいう“略テーパ形状”とあるのは、必ずしも側面部のすべてが完全なテーパ状態ではなく、所定の区間では側面同士の間隔が変わらない部分を含んでもよい。さらに、本発明は該側面部の上端において開口部を形成しており、いわゆる丼形状を有している。また、フランジ部13が設けられている。
【0027】
本実施態様に示すように、本発明において側面部は多角形状である場合を含む。本実施態様に示す角錐状の側面部12に限定されず、図4及び5に示すように側面部の断面が円形の場合についても含むことはもちろんである。
【0028】
また、角錐状のタイプの場合、本実施態様に示すように、側面部12の水平方向断面が多角形の三角錐や四角錐、あるいは、本実施態様に示すような八角錐状であってもよいことはもちろんである。
【0029】
本発明における第一容器の側面部12の下方には容器内方向に多段形状121を有している。ここで、多段形状とは少なくとも二段以上をいい、二段以上であればより多数段であってもよい。
【0030】
本発明にいう多段とは、例えば二段の場合、容器の垂直方向の断面において、例えば、図6のような明確な二段状態のみではなく、図7のような一部の段がラウンド状となったような場合も含む。
【0031】
このように多段形状とすることで、第一容器1単体で存在している場合において容器の外からの圧力に対して剛性が向上する。また、後に述べる第二容器2と一体化させた場合においても嵌合状態をより強固にすることができるとともに、前述と同様に外部からの圧力に対する剛性が向上する。
【0032】
また、当該多段形状121の部分を第二容器2の上方側面部に深く嵌合させることができ、第一容器の底面部11を第二容器2に比較的深くまで挿入させることができる。これによって、図15の嵌合後の容器の垂直断面図に示すように、嵌合部分の高さWを大きくすることで嵌合後の一体化させた容器の高さHを抑えることができる。
【0033】
また、実際の工場ラインでの生産等の際に、図8に示すように複数の第一容器1のみを重ねて準備する場合において、第一容器1の多段形状部の側面部のテーパ角を調整することによって、図8の点線囲み部に示すように段状部において上部に重ねられた第一容器を支持することができることとなる。これによってスタッキングすることによるブロッキングを防止できるという利点も有する。
─第二容器について─
【0034】
次に第二容器、すなわち、下段側の容器について説明する。
図9は第二容器を開口部側より見た場合の斜視図である。また、図10は底面部側から見た場合の斜視図である。さらに、図11は図9の直線BB´を垂下させ切断した場合の断面図である。
【0035】
下段容器である第二容器2は、第一容器1と同様に底面部21を有し、当該底面部21より上方に立ち上がった側面部22を有する。また、当該側面部22の内面は底面部21に向って第一容器1に近似するテーパ形状を有している。さらに、該側面部の上端において開口部を形成しており、第一容器1と同様にいわゆる丼形状を有している。また、フランジ部23が設けられている。
【0036】
第二容器の開口部23に第一容器1の下方側面部が挿入され、第二容器2の上方側面部222と嵌合する。このため、第二容器2の上方側面部222の内面形状は、第一容器1の下方側面部の多段形状121と嵌合できる形状となっている。
【0037】
第二容器2の上方側面部222の内部形状の具体的例として、図11に示すように、第一容器の多段形状と嵌合するような多段形状を有している場合が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0038】
尚、第一容器1と第二容器2は嵌合させて一体化するため第一容器1の側面形状と第二容器の側面形状は一致させることが好ましい。すなわち、図1に示すように第一容器の側面部が八角錐状である場合には、第二容器の側面部も八角錐状とするのが好ましい。
─嵌合状態について─
【0039】
嵌合状態については図12のように、前記第一容器1の底面部11を含む下方側面部12を前記第二容器2の開口部より挿入し、前記第二容器2の上方側面部222と嵌合させることで前記第一容器1と第二容器2を上下二段に一体化させることができる。
【0040】
本実施態様においては、前述のように側面部が八角形の第二容器2と第一容器1を用いた場合について、これらを一体化させた場合について説明する。
【0041】
嵌合させてから、一体化させた状態の複合容器の開口部側からの斜視図を図13に示す。また、図14は底面部側から見た斜視図であり、図15は図13の直線CC´を垂下させて切断した場合の断面図である。
【0042】
上述のように、第一容器1の下方側面部121の外面と、第二容器2の上方側面部222の内面を嵌合させた上下二段構造となっているため、良好な嵌合状態を形成することができる。
【0043】
さらに、第一容器1と第二容器2の嵌合をさらに強固にするために、図16に示すように第一容器1の外面の多段形状部分に凸部を設け、図17に示すように第二容器2の開口部の上方側面部内面に凹部を設けてもよい。これらの凹凸による嵌合も加わることで第一容器1と第二容器2の嵌合状態を一層強固にすることができる。
【0044】
尚、凹凸は第一容器1の多段形状部分に凹部、第二容器2の開口部の上方側面部内面に凸部を設けてもよいことはもちろんである。
─材質─
【0045】
本発明用いる第一容器1及び第二容器2の材質は特に限定されないが、いわゆる発泡スチロール等の低密度であって、厚みが大きく、剛性の比較的小さな素材を用いることが好ましい。
【0046】
これは、高密度で剛性の高い素材を用いると素材に柔軟性がないため、嵌合が困難となったり、一旦嵌合してしまうと分離が困難となる場合があるからである。
【0047】
また、即席麺等の容器として用いるには、断熱性が高い容器が好ましいため、断熱性の高い発泡スチロール等の素材が好適である。
【0048】
具体的には、PSP(ポリスチレンペーパー:Polystyrene Paper)やEPS(Expanded Polystyrene)などの素材が挙げられる。特に、ポリスチレンペーパーであると、シート状にしたPSシートから金型により打ち抜くことができるため、大量に迅速に生産することができる。
─製造方法─
【0049】
本発明の二段容器の製造方法は、使用する原料素材によって異なるが、例えば、ポリスチレンペーパーであると、上述のようにポリスチレンを発泡させて製造したポリスチレンペーパーに耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)シートやPSフィルムをラミネートした上で、プラグアシスト成形法などにより成型して所定の形状の容器を得ることができる。
【0050】
尚、成型後の容器についてドライオフセット印刷を行ったり、予めグラビア印刷を施したPSフィルム等をラミネートしておく方法でもよい。また、EPSを用いる場合には、ポリスチレンビーズを金型に充填し、加熱・発泡・融着させることで本発明の容器とすることも可能である。
【符号の説明】
【0051】
1・・・・・・・第一容器
11・・・・・・底面部
12・・・・・・側面部
121・・・・・多段形状(下方側面部)
122・・・・・上方側面部
13・・・・・・フランジ部
2・・・・・・・第二容器
21・・・・・・底面部
22・・・・・・側面部
221・・・・・下方側面部
222・・・・・上方側面部
23・・・・・・フランジ部
H・・・・・・・二段容器の高さ
W・・・・・・・嵌合部高さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、即席麺のような即席食品に利用することのできる二段形態の複合容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、二種類の容器を上下二段に重ねて一体化させた複合容器に関する発明である。特に即席麺等の即席食品の分野において、分離する二種類の容器を必要とする場合に好適に利用できる複合容器に関する発明である。
【0003】
従来の即席麺の容器においては、お湯を注ぐのみでそのまま喫食するタイプやお湯を入れた後に排湯する焼そばタイプのものがほとんどであり、二種類の容器を必要とする場合は少なかった。
【0004】
一方、麺類においてお湯でゆがいた麺とは別に、つけ汁を用意し、茹で後の麺線をつけ汁に付着させて喫食するタイプの麺類が存在する。すなわち、ざるそばやそうめん等においては、麺自体を収納する容器以外につけ汁用の別の容器が必要になる。
【0005】
また、最近人気が高まっているつけ麺の分野においても中華めん自体を収納しておく容器に加えてつけ汁用の容器も必要になる。即席麺の分野においても、つけ麺等のタイプも存在するが、通常、つけ汁用の容器を麺塊とともに容器の内部に収納するタイプであった。
【0006】
しかし、当該タイプの場合、容器を収納することによって容器の収納空間が減少するため、麺塊や具材、スープ等を収納しきれない場合があった。そこで、二種類の容器を二段にして一体化する方法が考えられる。このような二段容器の先行技術として特許文献1が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭57−21567
【0008】
しかし、当該先行文献には二段容器ではあるが、上段及び下段を一体化するための方法が単に“はめ込み”、“ねじ込み”等の記載があるのみで具体的な態様が記載されていない。また、容器形状が円柱状の形状であるため、開口部が小さいため、即席麺等の商品に用いる場合には使いにくいという難点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明者らは即席麺のような即席食品に用いることができる二段容器を開発することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意研究の結果、略テーパ形状の二段容器において、第一容器の下方側面部を第一容器の上方側面部に嵌合させるタイプが、簡単に着脱でき有効であることを見出した。
【0011】
また、当該二段容器において第一容器の下方側面部を多段形状とし、第二容器の上方側面部を当該多段形状と嵌合できる形状とすることで、嵌合状態を良好にできることができることを見出した。
【0012】
また、当該多段形状の部分を第二容器の上方側面部に深く嵌合させることができるため、第一容器の底面部を第二容器に比較的深くまで挿入させることができ、嵌合後の一体化させた容器の高さを抑えることができる。
【0013】
このように、本発明者らは、第一容器の下方側面部を多段形状にするとともに、第二容器の開口部からの容器内面の形状を前記多段形状に嵌合させることで確実な嵌合状態とすることができることを見出した。
【0014】
すなわち、本願第一の発明は、
「開口部、側面部及び底面部を有し、底面部に向って略テーパ形状を有する第一容器及び第二容器から構成され、前記第一容器の底面部を含む下方側面部を、前記第二容器の開口部より挿入し、前記第二容器の上方側面部と嵌合させることで前記第一容器及び第二容器を上下二段に一体化させた複合容器であって、
前記第一容器の下方側面部が容器内方向に多段形状を有しており、前記第二容器の上方側面部が前記多段形状と嵌合可能な形状を有する複合容器。」、である。
【0015】
さらに、本複合容器は即席カップ麺用として用いることが好適である。
【0016】
すなわち、本願第二の発明は、
「前記複合容器が即席カップ麺用の複合容器である請求項1に記載の複合容器。」、である。
【0017】
次に、本願発明の複合容器は側面部が多角形状であると、第一容器と第二容器の位置合わせが容易となり、デザイン等を一致させることが容易になるため好ましい。
【0018】
すなわち、本願第三の発明は、
「前記第一容器及び第二容器の側面部の水平方向断面形状が多角形状である請求項1又は2に記載の複合容器。」である。
【0019】
さらに、本願発明における材質としては、種々の素材を選択することができるが、低密度で保温性に優れたポリスチレンペーパーであることが好ましい。
【0020】
すなわち、本願第4の発明は、
「前記第一容器及び第二容器の材質がポリスチレンペーパーである請求項1〜3のいずれかに記載の複合容器。」である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第一容器の開口部側からの斜視図である。
【図2】第一容器の底面部側からの斜視図である。
【図3】図1で直線AA´を垂下させて容器を切断した場合の断面図である。
【図4】第一容器の別形態の開口部側からの斜視図である。
【図5】第一容器の別形態の底面部側からの斜視図である。
【図6】図3の断面図のうち多段形状部の部分拡大図である。
【図7】多段形状部の断面図の別形態を示した部分拡大図である。
【図8】複数の第一容器をスタックした場合の断面図である。
【図9】第二容器の開口部側からの斜視図である。
【図10】第二容器の底面部側からの斜視図である。
【図11】図9で直線BB´を垂下させて容器を切断した場合の断面図である。
【図12】第一容器を第二容器に嵌合させる際の参考図である。
【図13】第一容器と第二容器を嵌合後の複合容器の開口部側からの斜視図である。
【図14】嵌合後の複合容器の底面部側からの斜視図である。
【図15】図13で直線CC´を垂下させて容器を切断した場合の断面図である。
【図16】第一容器の多段形状部に凸部を設けた場合の斜視図である。
【図17】第二容器の上方側面部内面に凹部を設けた場合の斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に図面を参照にして本発明を説明する。本発明は以下の図面に開示された態様に限定されるものではない。以下これらの各容器及び嵌合させた状態について具体的に説明を行う。
─第一容器について─
【0023】
図1は第一容器の開口部側から見た斜視図である。また、図2は底面部側から見た斜視図であり、図3は図1の直線AA´を垂下させ切断した場合の断面図である。本発明は側面部が八角形の場合の例を示している。
【0024】
第一容器1は、底面部11を有し、当該底面部11より上方に立ち上がった側面部12を有する。また、当該側面部12は底面部11に向って略テーパ形状を有している。
尚、この第一容器1が上段側の容器となる。
【0025】
また、本発明にいうテーパ形状とは、底面方向に向うに従って、側面同士の間隔が狭まるようになる形状をいう。尚、本発明にいうテーパ形状とは、図1に示すような角錐状のタイプも含むものとする。
【0026】
また、本発明にいう“略テーパ形状”とあるのは、必ずしも側面部のすべてが完全なテーパ状態ではなく、所定の区間では側面同士の間隔が変わらない部分を含んでもよい。さらに、本発明は該側面部の上端において開口部を形成しており、いわゆる丼形状を有している。また、フランジ部13が設けられている。
【0027】
本実施態様に示すように、本発明において側面部は多角形状である場合を含む。本実施態様に示す角錐状の側面部12に限定されず、図4及び5に示すように側面部の断面が円形の場合についても含むことはもちろんである。
【0028】
また、角錐状のタイプの場合、本実施態様に示すように、側面部12の水平方向断面が多角形の三角錐や四角錐、あるいは、本実施態様に示すような八角錐状であってもよいことはもちろんである。
【0029】
本発明における第一容器の側面部12の下方には容器内方向に多段形状121を有している。ここで、多段形状とは少なくとも二段以上をいい、二段以上であればより多数段であってもよい。
【0030】
本発明にいう多段とは、例えば二段の場合、容器の垂直方向の断面において、例えば、図6のような明確な二段状態のみではなく、図7のような一部の段がラウンド状となったような場合も含む。
【0031】
このように多段形状とすることで、第一容器1単体で存在している場合において容器の外からの圧力に対して剛性が向上する。また、後に述べる第二容器2と一体化させた場合においても嵌合状態をより強固にすることができるとともに、前述と同様に外部からの圧力に対する剛性が向上する。
【0032】
また、当該多段形状121の部分を第二容器2の上方側面部に深く嵌合させることができ、第一容器の底面部11を第二容器2に比較的深くまで挿入させることができる。これによって、図15の嵌合後の容器の垂直断面図に示すように、嵌合部分の高さWを大きくすることで嵌合後の一体化させた容器の高さHを抑えることができる。
【0033】
また、実際の工場ラインでの生産等の際に、図8に示すように複数の第一容器1のみを重ねて準備する場合において、第一容器1の多段形状部の側面部のテーパ角を調整することによって、図8の点線囲み部に示すように段状部において上部に重ねられた第一容器を支持することができることとなる。これによってスタッキングすることによるブロッキングを防止できるという利点も有する。
─第二容器について─
【0034】
次に第二容器、すなわち、下段側の容器について説明する。
図9は第二容器を開口部側より見た場合の斜視図である。また、図10は底面部側から見た場合の斜視図である。さらに、図11は図9の直線BB´を垂下させ切断した場合の断面図である。
【0035】
下段容器である第二容器2は、第一容器1と同様に底面部21を有し、当該底面部21より上方に立ち上がった側面部22を有する。また、当該側面部22の内面は底面部21に向って第一容器1に近似するテーパ形状を有している。さらに、該側面部の上端において開口部を形成しており、第一容器1と同様にいわゆる丼形状を有している。また、フランジ部23が設けられている。
【0036】
第二容器の開口部23に第一容器1の下方側面部が挿入され、第二容器2の上方側面部222と嵌合する。このため、第二容器2の上方側面部222の内面形状は、第一容器1の下方側面部の多段形状121と嵌合できる形状となっている。
【0037】
第二容器2の上方側面部222の内部形状の具体的例として、図11に示すように、第一容器の多段形状と嵌合するような多段形状を有している場合が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0038】
尚、第一容器1と第二容器2は嵌合させて一体化するため第一容器1の側面形状と第二容器の側面形状は一致させることが好ましい。すなわち、図1に示すように第一容器の側面部が八角錐状である場合には、第二容器の側面部も八角錐状とするのが好ましい。
─嵌合状態について─
【0039】
嵌合状態については図12のように、前記第一容器1の底面部11を含む下方側面部12を前記第二容器2の開口部より挿入し、前記第二容器2の上方側面部222と嵌合させることで前記第一容器1と第二容器2を上下二段に一体化させることができる。
【0040】
本実施態様においては、前述のように側面部が八角形の第二容器2と第一容器1を用いた場合について、これらを一体化させた場合について説明する。
【0041】
嵌合させてから、一体化させた状態の複合容器の開口部側からの斜視図を図13に示す。また、図14は底面部側から見た斜視図であり、図15は図13の直線CC´を垂下させて切断した場合の断面図である。
【0042】
上述のように、第一容器1の下方側面部121の外面と、第二容器2の上方側面部222の内面を嵌合させた上下二段構造となっているため、良好な嵌合状態を形成することができる。
【0043】
さらに、第一容器1と第二容器2の嵌合をさらに強固にするために、図16に示すように第一容器1の外面の多段形状部分に凸部を設け、図17に示すように第二容器2の開口部の上方側面部内面に凹部を設けてもよい。これらの凹凸による嵌合も加わることで第一容器1と第二容器2の嵌合状態を一層強固にすることができる。
【0044】
尚、凹凸は第一容器1の多段形状部分に凹部、第二容器2の開口部の上方側面部内面に凸部を設けてもよいことはもちろんである。
─材質─
【0045】
本発明用いる第一容器1及び第二容器2の材質は特に限定されないが、いわゆる発泡スチロール等の低密度であって、厚みが大きく、剛性の比較的小さな素材を用いることが好ましい。
【0046】
これは、高密度で剛性の高い素材を用いると素材に柔軟性がないため、嵌合が困難となったり、一旦嵌合してしまうと分離が困難となる場合があるからである。
【0047】
また、即席麺等の容器として用いるには、断熱性が高い容器が好ましいため、断熱性の高い発泡スチロール等の素材が好適である。
【0048】
具体的には、PSP(ポリスチレンペーパー:Polystyrene Paper)やEPS(Expanded Polystyrene)などの素材が挙げられる。特に、ポリスチレンペーパーであると、シート状にしたPSシートから金型により打ち抜くことができるため、大量に迅速に生産することができる。
─製造方法─
【0049】
本発明の二段容器の製造方法は、使用する原料素材によって異なるが、例えば、ポリスチレンペーパーであると、上述のようにポリスチレンを発泡させて製造したポリスチレンペーパーに耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)シートやPSフィルムをラミネートした上で、プラグアシスト成形法などにより成型して所定の形状の容器を得ることができる。
【0050】
尚、成型後の容器についてドライオフセット印刷を行ったり、予めグラビア印刷を施したPSフィルム等をラミネートしておく方法でもよい。また、EPSを用いる場合には、ポリスチレンビーズを金型に充填し、加熱・発泡・融着させることで本発明の容器とすることも可能である。
【符号の説明】
【0051】
1・・・・・・・第一容器
11・・・・・・底面部
12・・・・・・側面部
121・・・・・多段形状(下方側面部)
122・・・・・上方側面部
13・・・・・・フランジ部
2・・・・・・・第二容器
21・・・・・・底面部
22・・・・・・側面部
221・・・・・下方側面部
222・・・・・上方側面部
23・・・・・・フランジ部
H・・・・・・・二段容器の高さ
W・・・・・・・嵌合部高さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部、側面部及び底面部を有し、底面部に向って略テーパ形状を有する第一容器及び第二容器から構成され、前記第一容器の底面部を含む下方側面部を、前記第二容器の開口部より挿入し、前記第二容器の上方側面部と嵌合させることで前記第一容器及び第二容器を上下二段に一体化させた複合容器であって、
前記第一容器の下方側面部が容器内方向に多段形状を有しており、前記第二容器の上方側面部が前記多段形状と嵌合可能な形状を有する複合容器。
【請求項2】
前記複合容器が即席カップ麺用の複合容器である請求項1に記載の複合容器。
【請求項3】
前記第一容器及び第二容器の側面部の水平方向断面形状が多角形状である請求項1又は2に記載の複合容器。
【請求項4】
前記第一容器及び第二容器の材質がポリスチレンペーパーである請求項1〜3のいずれかに記載の複合容器。
【請求項1】
開口部、側面部及び底面部を有し、底面部に向って略テーパ形状を有する第一容器及び第二容器から構成され、前記第一容器の底面部を含む下方側面部を、前記第二容器の開口部より挿入し、前記第二容器の上方側面部と嵌合させることで前記第一容器及び第二容器を上下二段に一体化させた複合容器であって、
前記第一容器の下方側面部が容器内方向に多段形状を有しており、前記第二容器の上方側面部が前記多段形状と嵌合可能な形状を有する複合容器。
【請求項2】
前記複合容器が即席カップ麺用の複合容器である請求項1に記載の複合容器。
【請求項3】
前記第一容器及び第二容器の側面部の水平方向断面形状が多角形状である請求項1又は2に記載の複合容器。
【請求項4】
前記第一容器及び第二容器の材質がポリスチレンペーパーである請求項1〜3のいずれかに記載の複合容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−1426(P2013−1426A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135079(P2011−135079)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000226976)日清食品ホールディングス株式会社 (127)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000226976)日清食品ホールディングス株式会社 (127)
【Fターム(参考)】
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