説明

複合導体及びそれを用いた配線用ケーブル

【課題】高温で使用可能な複合導体及びそれを用いた配線用ケーブルを提供する。
【解決手段】配線用ケーブル1は、複合導体2がマイカガラステープ絶縁層3により覆われ、マイカガラステープ絶縁層3がシリカガラス絶縁層4により覆われているものである。
複合導体2は、銅母材にスズが含まれる銅合金材からなる銅合金材単線にニッケルめっきが施されているニッケルめっき銅合金材単線であるか、あるいは、そのニッケルめっき銅合金材単線が複数本撚り合わされたニッケルめっき銅合金材撚り線である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力、制御、計測等の分野で電線・ケーブルに用いられる複合導体及びそれを用いた配線用ケーブルに係り、特に、高温で使用可能な複合導体及びそれを用いた配線用ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
図9に示されるように、従来の配線用ケーブル71は、タフピッチ銅(TPC)線にニッケルめっきが施されたニッケルめっきTPC単線あるいは無酸素銅(OFC)線にニッケルめっきが施されたOFC線からなる導体72と、その導体72を覆うマイカ/ガラス貼り合せテープからなる第1絶縁層73と、その第1絶縁層73を覆う電気用ガラス糸編組からなる第2絶縁層74と、その第2絶縁層74を覆う補強層75とにより構成されている。
【0003】
第1絶縁層73に使用されるマイカ/ガラス貼り合せテープは、例えば、−200〜1000℃の範囲で誘電性及び電気絶縁性を維持し、高温では絶縁を維持するゲルに変態し、冷却したときに絶縁及び封止を確保する絶縁テープであって、マイカ粒子を支持する結合剤を含浸したガラス繊維織物から成るマイカテープと、ガラス繊維がポリテトラフルオロエチレンで被覆されたガラステープとを貼り合せて構成される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
導体72としては、ニッケルめっきTPC線あるいはニッケルめっきOFC線に代えて、OFC線にニッケルが被覆されたニッケル被覆OFC線が使用されることもある。
【0005】
【特許文献1】特公平4−52568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の配線用ケーブル71によると、導体72として、ニッケルめっきTPC線あるいはニッケルめっきOFC線あるいはニッケル被覆OFC線を使用しているため、300℃以上の高温で使用すると時間経過とともに、ニッケルめっき層と銅母材(TPC線、OFC線のこと)の界面よりニッケルと銅の相互拡散が著しく進行することで、ニッケルめっき層と銅母材の界面付近に空孔が形成される。このため、導電率および引張強さが低下し、実用上問題が出てくる。また、外部雰囲気が酸素を含む大気である場合、銅がニッケルめっき層表面まで拡散するほど拡散が進行し、その銅が酸化されることにより、ニッケルめっき層表面に酸化銅が形成され、外観を損ねるとともに、導電率および引張強さの低下を招く。
【0007】
また、従来の配線用ケーブル71は、導体として耐熱性の高いニッケル線を使用する場合も有るが、ニッケルの導電率が低いため、TPC線に比べて電流が多く流せず、定格電流を低くしなければならないという問題が有る。
【0008】
従って、高温で使用しても導電率および引張り強度の低下が生じない耐熱電線・ケーブルを得るためには、銅母材とニッケルめっき層との相互拡散を抑制する必要がある。
【0009】
また、耐熱電線・ケーブルの定格電流を低くしないためには、銅を母材とする線を用いた導体又は複合導体を使用する必要がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、高温で使用可能な複合導体及びそれを用いた配線用ケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明の複合導体は、銅母材にスズが含まれる銅合金材からなる銅合金材単線にニッケルめっきが施されているニッケルめっき銅合金材単線であるものである。
【0012】
また、本発明の複合導体は、銅母材にスズが含まれる銅合金材からなる単線にニッケルめっきが施されているニッケルめっき銅合金材単線が複数本撚り合わされたニッケルめっき銅合金材撚り線であるものである。
【0013】
前記銅合金材単線が0.01〜1.0mass%のスズを含んでもよい。
【0014】
前記ニッケルめっき銅合金材単線のニッケルめっき厚が10μm以下であってもよい。
【0015】
また、本発明の配線用ケーブルは、上記いずれかの複合導体がマイカガラステープ絶縁層により覆われ、該マイカガラステープ絶縁層がシリカガラス絶縁層により覆われているものである。
【0016】
前記シリカガラス絶縁層がシリカガラス糸の網組又は横巻であってもよい。
【0017】
前記シリカガラス絶縁層にシリコン塗料が塗布されていてもよい。
【0018】
前記シリカガラス絶縁層が金属網組補強層により覆われていてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0020】
(1)高温で使用可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0022】
図1に示されるように、本発明に係る配線用ケーブル1は、複合導体2がマイカガラステープ絶縁層3により覆われ、マイカガラステープ絶縁層3がシリカガラス絶縁層4により覆われているものである。
【0023】
複合導体2は、銅母材にスズが含まれる銅合金材からなる銅合金材単線にニッケルめっきが施されているニッケルめっき銅合金材単線である。あるいは、複合導体2は、銅母材にスズが含まれる銅合金材からなる単線にニッケルめっきが施されているニッケルめっき銅合金材単線が複数本撚り合わされたニッケルめっき銅合金材撚り線である。
【0024】
銅母材は、酸素を0.001〜0.1mass%(10〜1000ppm)含むものである。この銅母材にスズ及び不可避的不純物が含まれたものが銅合金材である。
【0025】
この銅合金材を冷間伸線して冷間伸線材とするか、あるいはその冷間伸線材を加熱して加熱伸線材とし、これら冷間伸線材又は加熱伸線材から銅合金線硬線を得て、この銅合金線硬線を銅合金材単線とする。あるいは、銅合金材を焼鈍して銅合金材単線とする。
【0026】
これら銅合金材単線にニッケルめっきを施してニッケルめっき銅合金材単線を得て、このニッケルめっき銅合金材単線を複合導体2とする。あるいは、ニッケルめっき銅合金材単線を複数本撚り合わせてニッケルめっき銅合金材撚り線を得て、このニッケルめっき銅合金材撚り線を複合導体2とする。
【0027】
銅合金材単線は、0.01〜1.0mass%(重量比のこと)のスズを含んでいるのが好ましい。銅合金材単線中のスズ濃度が0.01mass%未満であると、ニッケルと銅の拡散抑制効果が小さくなり、耐熱性向上の特性が発現しにくくなる。銅合金材単線中のスズ濃度が1.0mass%超であると銅合金材単線の硬さが増加し、加工が困難となるとともに、導体抵抗が上昇し実用的ではなくなる。また、特性及びコストのバランスの点では、スズ含有量は0.01〜0.3mass%がより合理的であり望ましい。
【0028】
絶縁層は、マイカガラステープ絶縁層3とシリカガラス絶縁層4の2層より成る。
【0029】
マイカガラステープ絶縁層3において、マイカテープとガラステープは接着剤としてシリコーン樹脂を使用して貼り付けられる。シリコーン樹脂は使用中に劣化してSiOへと変化するが、SiOはガラスの成分として使用されているものであり、絶縁性能も高い材料であるので、使用上の問題は無い。
【0030】
シリカガラス絶縁層4は、編組あるいは横巻きされたシリカガラス糸層である。このシリカガラス糸層は、シリコン塗料を塗布されると、防湿性が付与される。
【0031】
本実施形態では、シリカガラス絶縁層4が金属網組補強層5により覆われている。
【0032】
本発明に係る配線用ケーブル1は、銅合金材単線の材料である銅合金材に耐熱性の良いスズ−銅合金を使用し、その銅合金材単線に酸素による表面酸化を防止するために耐熱性のよいニッケルをめっきを施した。このニッケルめっき銅合金材単線を、あるいはニッケルめっき銅合金材撚り線を複合導体2としている。また、絶縁層の一つとして、耐熱性のよい無機絶縁体であるマイカテープとガラステープを使用したマイカガラステープ絶縁層3を設け、さらに、絶縁補強層として、耐熱性の良いシリカガラス糸編組を使用したシリカガラス絶縁層4を設けている。最外層には、シリカガラス絶縁層4の補強層として、金属線、例えば、ステンレス線による編組からなる金属網組補強層5を施している。
【0033】
この構成により、引張強度の低下及び導電率の低下を抑制して耐熱度が上がるため、電線・ケーブルの交換周期が長くなり、交換のための工事費を低減することができる。
【0034】
以下、複合導体の耐熱性及び配線用ケーブルの耐熱性を評価する。
(a)複合導体の引張強度
図2は、スズ含有量が0.15mass%であるスズ−銅合金線とTPC線のそれぞれにニッケルめっき(厚さ5μm)を施した試料単線(本発明の複合導体2と従来の導体)について、大気中で400℃で保持した後の試料単線の引張強度と暴露時間との関係を示したグラフである。本発明の複合導体2の特性21と従来の導体の特性22とを比較すると、本発明の複合導体2の引張強さは250MPaを超えており、従来の導体の引張強さの220MPaと比べて高い。また、図外であるが400℃×1000hの時点において、本発明の複合導体2の引張強さは従来の導体と比べて高く、また、強度低下も少ない。
(b)導体抵抗
図3は、スズ含有量が0.15mass%であるスズ−銅合金線とTPC線のそれぞれにニッケルめっき(厚さ5μm)を施した試料単線(本発明の複合導体2と従来の導体)について、大気中で400℃の環境のもとに晒したときの導体抵抗と暴露時間の関係を示したグラフである。従来の導体の導体抵抗は10%を超える上昇が見られるが、本発明の複合導体2の導体抵抗は約3%の上昇しか見られず、図外であるが400℃×1500h後も約3%の上昇で落ち着いている。
【0035】
図4に、上記試料単線(本発明の複合導体2)を大気中に400℃で保持した後の複合導体2の断面写真を示す。図5に、複合導体2のニッケルと銅の相対比率を示す。図6に、上記試料単線(従来の導体)を大気中に400℃で保持した後の導体の断面写真を示す。図7に、従来の導体のニッケルと銅の相対比率を示す。図5、図7中、縦軸はそれぞれの分析ライン上での銅とニッケルの相対比率(銅濃度+ニッケル濃度=100mass%)を示し、図中の実線は銅濃度を示し、破線はニッケル濃度を示す。また、横軸は、図4、図6中の分析ラインの左端部を0としたときの距離(μm)を表す。
【0036】
図4の写真からは、本発明の複合導体2(スズ含有量が0.15mass%であるスズ−銅合金線にニッケルめっきを施したニッケルめっき銅合金材単線)におけるニッケルと銅との界面付近には、図6の従来の導体(TPC線にニッケルめっきを施したニッケルめっきTPC線)にみられる空孔がほとんどないことがわかる。さらに、図5及び図7のライン分析結果にて熱処理によるニッケルと銅との拡散距離を計測した結果、本発明の複合導体2における拡散距離は4〜5μmであるのに対し、従来の導体における拡散距離は10μm以上である。
【0037】
また、前記熱処理後の複合導体表面及び導体表面は酸化による変色がみられるが、断面写真によると、本発明の複合導体2の表面に形成された酸化銅の厚さは1μm以下であるのに対し、従来の導体の表面に形成された酸化銅の厚さは、約3〜4μmと著しく厚い。
【0038】
上記結果からわかるように、従来の導体と比べて、本発明の複合導体2は、高温下でのニッケルと銅の拡散が抑制されている。これらの効果により、スズ入り銅合金線を配線用ケーブル1の複合導体2に用いることで、複合導体2の導電率の低下を抑制した耐熱性の高い配線用ケーブル1が得られる。
【0039】
ここで、上記の効果をより効果的に得る為には、ニッケルめっき層の厚さが10μm以下であることが望ましい。ニッケルめっき層の厚さが10μmを超える場合、高温長時間保持における銅成分のニッケルめっき層表面への拡散が少なくなり、従来の導体を本発明の複合導体2にした効果が小さくなってしまう。また、ニッケルめっき層を厚くすることは、複合導体2全体の抵抗を上昇させてしまう要因となり、かつ製造コストの増大につながるので、ニッケルめっき層の厚さは、その使用環境にもよるが、できるだけ薄くさせることが望ましい。
【0040】
また、複合導体2の特性として、導電率は50%IACS以上、引張強度は230MPa以上の範囲がより実用的である。
【0041】
以上の実施の形態において、銅合金材単線としてスズ−銅合金線を使用したが、スズに加えて、スズ以外の合金元素(例えば、亜鉛、ニッケル、チタン、シリコン、マンガン、リン、マグネシウム、コバルト、アルミニウム、ホウ素、インジウム、銀、ハフニウム)を1種類以上添加してもよい。
【0042】
次に、本発明を応用した実施形態を説明する。
【0043】
図8に示されるように、本発明を応用した多心配線用ケーブル61は、図1の配線用ケーブル1(金属網組補強層5を省く)を3本撚り合せ、その間隙にガラスヤーン介在層62を設けて断面を丸く整え、その外周にガラステープバインダ層63を形成し、そのガラステープバインダ層63の外周にシリカガラス編組層64を形成し、そのシリカガラス編組層64の外周にステンレス線編組からなる補強層65を形成したものである。シリカガラス編組層64及び補強層65は省略することができる。
【実施例】
【0044】
(実施例1)
直径0.2mmであって、スズ含有量が0.15mass%であるスズ−銅合金線に厚さ5μmのニッケルめっきを施したニッケルめっき銅合金材単線を撚り合わせて複合導体2とし、マイカガラステープ絶縁層3に耐熱性のよい無機絶縁体であるマイカ/ガラステープを使用し、シリカガラス絶縁層4に耐熱性の良いシリカガラス糸編組を使用する。最外層に、シリカガラス糸編組からなるシリカガラス絶縁層4の補強層として、金属線、例えば、ステンレス線の編組からなる金属網組補強層5を施す。
(実施例2)
直径0.2mmであって、スズ含有量が0.3mass%であるスズ−銅合金線に厚さ5μmのニッケルめっきを施したニッケルめっき銅合金材単線を撚り合わせて複合導体2とし、マイカガラステープ絶縁層3に耐熱性のよい無機絶縁体であるマイカ/ガラステープを使用し、シリカガラス絶縁層4に耐熱性の良いシリカガラス糸編組を使用する。最外層に、シリカガラス糸編組からなるシリカガラス絶縁層4の補強層として、金属線、例えば、ステンレス線の編組からなる金属網組補強層5を施す。
(実施例3)
直径0.2mmであって、スズ含有量が0.7mass%であるスズ−銅合金線に厚さ5μmのニッケルめっきを施したニッケルめっき銅合金材単線を撚り合わせて複合導体2とし、マイカガラステープ絶縁層3に耐熱性のよい無機絶縁体であるマイカ/ガラステープを使用し、シリカガラス絶縁層4に耐熱性の良いシリカガラス糸編組を使用する。最外層に、シリカガラス糸編組からなるシリカガラス絶縁層4の補強層として、金属線、例えば、ステンレス線の編組からなる金属網組補強層5を施す。
(比較例1)
直径0.2mmであって、スズ含有量が0.05mass%であるスズ−銅合金線に厚さ5μmのニッケルめっきを施したニッケルめっき銅合金材単線を撚り合わせて複合導体2とし、マイカガラステープ絶縁層3に耐熱性のよい無機絶縁体であるマイカ/ガラステープを使用し、シリカガラス絶縁層4に耐熱性の良いシリカガラス糸編組を使用する。最外層に、シリカガラス糸編組からなるシリカガラス絶縁層4の補強層として、金属線、例えば、ステンレス線の編組からなる金属網組補強層5を施す。
(比較例2)
直径0.2mmであって、スズ含有量が1.2mass%であるスズ−銅合金線に厚さ5μmのニッケルめっきを施したニッケルめっき銅合金材単線を撚り合わせて複合導体2とし、マイカガラステープ絶縁層3に耐熱性のよい無機絶縁体であるマイカ/ガラステープを使用し、シリカガラス絶縁層4に耐熱性の良いシリカガラス糸編組を使用する。最外層に、シリカガラス糸編組からなるシリカガラス絶縁層4の補強層として、金属線、例えば、ステンレス線の編組からなる金属網組補強層5を施す。
(従来例1)
直径0.2mmのTPC線に厚さ5μmのニッケルめっきを施したニッケルめっきTPC単線を撚り合わせて導体72とし、第1絶縁層73に耐熱性のよい無機絶縁体であるマイカ/ガラステープを使用し、第2絶縁層74に耐熱性の良いシリカガラス糸編組を使用する。最外層に、シリカガラス糸編組からなる第2絶縁層74の補強層として、金属線、例えば、ステンレス線の編組からなる金属網組補強層75を施す。
(従来例2)
直径0.2mmのOFC線に厚さ5μmのニッケルめっきを施したニッケルめっきOFC単線を撚り合わせて導体72とし、第1絶縁層73に耐熱性のよい無機絶縁体であるマイカ/ガラステープを使用し、第2絶縁層74に耐熱性の良いシリカガラス糸編組を使用する。最外層に、シリカガラス糸編組からなる第2絶縁層74の補強層として、金属線、例えば、ステンレス線の編組からなる金属網組補強層75を施す。
【0045】
上記実施例1〜3、比較例1〜2、従来例1〜2の条件で作製した各配線用ケーブルについて、電気炉内に400℃で1000時間の熱処理を行った。さらに熱処理後の各配線用ケーブルについて、導体素線の引張試験および導体抵抗の測定を行った。
【0046】
表1に、それぞれの引張強さおよび導体抵抗の測定結果を示す。引張強さは熱処理前後の値を、導体抵抗は熱処理後の熱処理前と比べた変化率を示す。
【0047】
【表1】

【0048】
引張強さは、どの条件による配線用ケーブルを見ても、熱処理前後の変化は少ない。また、導体抵抗の熱処理前後における変化率は、実施例1〜3は約3%であり、比較例1および従来例の10%以上という値と比べると、少ない。
【0049】
また、比較例2は導体が硬く、塑性加工が困難であるという問題がある。
【0050】
以上により総合評価(良好:○、不良:×)は、実施例1〜3は比較例および従来例と比べて良好であるという結果となった。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態を示す配線用ケーブルの断面図である。
【図2】本発明及び従来の配線用ケーブルの暴露時間対引張強度特性グラフである。
【図3】本発明及び従来の配線用ケーブルの暴露時間対導体抵抗変化率特性グラフである。
【図4】本発明の複合導体の断面顕微鏡写真のイメージ図である。
【図5】図4中の分析ラインにおける複合導体2のニッケルと銅の相対比率を示す図である。
【図6】従来の導体の断面顕微鏡写真のイメージ図である。
【図7】図6中の分析ラインにおける従来の導体のニッケルと銅の相対比率を示す図である。
【図8】本発明を応用した多心配線用ケーブルの断面図である。
【図9】従来の配線用ケーブルの断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 配線用ケーブル
2 複合導体
3 マイカガラステープ絶縁層
4 シリカガラス絶縁層
5 金属網組補強層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅母材にスズが含まれる銅合金材からなる銅合金材単線にニッケルめっきが施されているニッケルめっき銅合金材単線であることを特徴とする複合導体。
【請求項2】
銅母材にスズが含まれる銅合金材からなる単線にニッケルめっきが施されているニッケルめっき銅合金材単線が複数本撚り合わされたニッケルめっき銅合金材撚り線であることを特徴とする複合導体。
【請求項3】
前記銅合金材単線が0.01〜1.0mass%のスズを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の複合導体。
【請求項4】
前記ニッケルめっき銅合金材単線のニッケルめっき厚が10μm以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の複合導体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の複合導体がマイカガラステープ絶縁層により覆われ、該マイカガラステープ絶縁層がシリカガラス絶縁層により覆われていることを特徴とする配線用ケーブル。
【請求項6】
前記シリカガラス絶縁層がシリカガラス糸の網組又は横巻であることを特徴とする請求項5記載の配線用ケーブル。
【請求項7】
前記シリカガラス絶縁層にシリコン塗料が塗布されていることを特徴とする請求項5又は6記載の配線用ケーブル。
【請求項8】
前記シリカガラス絶縁層が金属網組補強層により覆われていることを特徴とする請求項5〜7いずれか記載の配線用ケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−4256(P2009−4256A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165194(P2007−165194)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】