複合材料のための電磁障害保護体
硬化性の柔軟な電磁障害耐性積層体であって、積層体は、導電性金属材料の層及び熱硬化性樹脂を含み、積層体の外面が、樹脂と接触する剥離可能な裏張りシートを備え、積層体が、実質的に形状変化しない固い材料のシートをさらに備える、積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁障害保護体(electromagnetic hazard protector)に関し、より詳細には、自動テープ・レイアップ装置における用途に適する、複合材料上に適用するための落雷保護体に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料は、とりわけ、非常に低い材料密度で優れた機械的性質を提供するという点において、従来の構成材料を超える十分に立証された利点を有する。その結果、そのような材料の使用は、ますます普及しつつあり、それらの応用分野は、「産業」並びに「スポーツ及びレジャー」から高性能の航空宇宙用構成要素まで広がっている。
【0003】
一般的な複合材料は、樹脂層を介挿された複数の繊維層の積層体から作製される。炭素繊維は幾分かの導電性を有するが、介挿層が存在するということは、積層体の面内においてこの導電性を示すに過ぎないということを意味する。積層体の面に垂直な方向、いわゆるz方向における導電性は低い。
【0004】
このz方向における導電性の欠如は、一般に、落雷などの電磁障害に対する複合積層体の脆弱性の一因となることが認められている。落雷は、複合材料に、極めて甚大な損傷を引き起こす可能性があり、飛行中の航空機構造物に発生すれば大惨事となりうる。したがって、そのような複合材料から作製される航空宇宙構造物にとって、このことは特に問題となる。
【0005】
この問題に対処するための、よく知られている方法は、複合材料の外面に、又は外面の近くに、導電性要素、例えば金網又は箔を含むことである。
【0006】
そのような導電性要素が適用される一般的な方法は、航空宇宙本体構造物の型の表面に、熟練工の手で導電性要素を載置することである。続いて、構造用繊維及び熱硬化性樹脂のシートを含み典型的にはプリプレグの形態の複合材料が、導電性要素の上面に置かれる。しかし、構造層は、いわゆる自動テープ・レイアップ装置すなわちATLによって、自動化されたやり方で敷設される傾向にある。
【0007】
典型的なATL機械は、材料のロールを必要とし、材料のロールは、マンドレルに載せられ、ローラのシステムを介してATLヘッドに供給される。通常、経路には、切断ステージ及び任意選択の加熱ステージが含まれる。如何なる誤差も、許容できない仕上がりをもたらす可能性があるので、切断ステージは、材料の寸法が要求通りに正確であることを確実にする。ATLのヘッドには、標準的に、ATLの「シュー(shoe)」又はATLのヘッドの「圧縮ローラ」の2つの応用方法が存在する。どちらの方法が使用されるにしても、材料は、剥離紙の表面と接触させられ、圧力が、剥離紙の裏張りシートの最上部に加えられる。粘着力のある最下面が圧力下で付着し、裏張りシートが自動的に取り外される。この工程中に、材料は、典型的製品幅である300mmにわたって、50と300Nとの間の非常に高い張力に曝される。
【0008】
レイアップ処置に続いて、その構成は、硬化された複合積層体を生産するために、高められた温度、及び任意選択で高められた圧力へ曝されることによって硬化される。硬化された積層体が型から取り出され、導電性要素が、形成されるべき航空宇宙構造物の外面上に構造物の一部として存在する。
【0009】
航空宇宙用途に対して強くて軽量で信頼性のある構造物を提供するために、複合材料が実証され成功してきた。従って、使用が増加し、従来の金属構造物が徐々に置き換えられる傾向にある。その結果、航空機の一層大きな領域が、複合材料から生産されている。結果として、導電性要素を敷設するのに必要な労働が、そのような構造物の製造に対するコスト及び時間の負担の増加となりつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そのような導電性の電磁障害保護体の要素は、複合材料がそうであるように、自動的に敷設されることが理想的であるが、このことは、困難に満ちており、満足できる自動化された解決策は存在しないことが知られている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
幾つかの調査の後、本発明者らは、自動テープ・レイアップ装置を使用中にそのような電磁障害保護体に加えられる高い張力が、導電性要素の歪み、引張り、又は形状変化を引き起こす可能性があることを見出した。特に、これは、導電性要素が金属であり、とりわけ銅などの高度に延性の金属である場合である。
【0012】
従って、第1の態様では、本発明は、硬化性の柔軟な電磁障害耐性積層体であって、積層体は、導電性の金属材料の層及び熱硬化性樹脂を含み、積層体の外面が、樹脂と接触する剥離可能な裏張りシートを備え、積層体が、実質的に形状変化しない固い材料のシートをさらに備える、積層体に関する。
【0013】
そのような電磁耐性積層体は、自動テープ・レイアップ装置によって生じる高い張力の下で伸びず且つ形状変化せず、したがって、熟練した手作業を伴うことなく、思い通りに敷設されうることが見出されている。
【0014】
「実質的に形状変化しない」ということは、幅2.54cmで長さ33.0cmの材料の細片が一端から吊り下げられ、500gの質量が取り付けられて、1分間、細片の他端にわたってその質量が均等に分布されるときに、材料の伸びが1.0%未満であることを意味する。材料の伸びは0.5%未満であることが好ましい。
【0015】
積層体は、従来の複合材料の保護体であり、そのような材料と組み合わされることが意図されるので、積層体自体においてそのような複合構造は必要ではない。従って、通常、積層体には、個別の繊維の層はなく、例えば一方向にまとめられるか又は複合材料の構造層を形成するために織られる単一ストランド繊維の層はない。
【0016】
積層体を裏張りシートから引き離して型面に付着させるために、積層体は、裏張りシートに対して有するよりも大きな粘着力を、型面に対して有する必要がある。また、積層体は、自動レイアップの間、互いに密着したままで、共に接合されたままである必要がある。
【0017】
従って、通常、積層体がATL工程において敷設されるとき、積層体が型面に付着するのを助けるために、積層体は、裏張りシートで覆われない外面上に樹脂層を備える。裏張りシートで覆われない積層体の外面は、裏張りシートで覆われる外面よりも粘着力があることが好ましい。
【0018】
さらに、積層体は、通常、この密着性をもたらすために、積層体の厚さにわたって切れ目のない樹脂の通路を備える。言い換えれば、積層体の2つの外面が、樹脂で連通することが好ましい。
【0019】
通常、自動テープ・レイアップ・デバイスは、その装置のために特別に準備された、材料のロールを使用する。従って、20cm未満、好ましくは10cm未満の直径を有するロールを形成することができるように、積層体は十分に柔軟であることが好ましい。
【0020】
知られている自動テープ・レイアップ装置は、ロールが特定の寸法を満足する必要がある。従って、ロールは、±0.5mmの許容誤差内の、254mm又は295mmのいずれかの内径のコアに巻かれ、ロールは、±0.050mmの許容誤差内の、300mm又は150mmのいずれかの長さである。
【0021】
そのため、積層体は、容易に丸められなくなるのでそれほど厚くないことが好ましい。従って、通常、積層体は0.5〜5.0mm、好ましくは0.5〜4.0mm、最も好ましくは1.0〜3.0mmの厚さを有する。
【0022】
導電性の金属材料は、通常、シートの形態であり、多孔性であっても無孔性であってもよく、例えば伸張された金属箔である。好ましくは、金属材料は、多孔性であり、孔は、微視的であってもよく、又は大きな開いた穴であってもよい。好ましい実施例では、金属材料は、金網材料の形態の伸張された金属箔である。金属材料が無孔性であるならば、通常、樹脂が、金属材料の両側から積層体を共に固めることができるように、金属材料は、個別の細片を備える。
【0023】
金属材料は、種々の導電性金属、例えば青銅、アルミニウム、銅、銀、金、ニッケル、亜鉛、及びタングステンを含むことができる。銅は、その優れた導電性のため、好ましい。
【0024】
導電性の金属材料の厚さ及び重量は、高負荷又は低負荷のいずれの雷保護が必要とされるかによって、著しく変わりうる。本発明は、広範な厚さ及び重量にわたって等しく良好に働く。従って、導電性金属材料は、好ましくは、50〜1500gsmの単位面積当たりの重量を有する。しかし、本発明は、より低い重量の金属材料に特に適しており、従って、好ましくは、金属材料は、50〜1000gsm、より好ましくは50〜500gsm、最も好ましくは50〜200gsmの単位面積当たりの重量を有する。
【0025】
導電性の金属材料は、広範な重量にわたって選択されてもよいので、積層体の重量は、それに応じて変化する可能性がある。しかし、通常、金属材料を除く積層体の重量は、より厳しく制御される。従って、金属要素を除く積層体の単位面積当たりの重量は、好ましくは800gsm未満であり、より好ましくは500gsm未満であり、最も好ましくは300gsm未満である。
【0026】
固い材料のシートは、実質的に形状変化しない。このことは、自動テープ・レイアップ適用の間に直面する張力の下に置かれるとき、面内に著しい引張は発生せず、シートは、その元の形状を失わないでいることを意味する。従って、同様に、材料は、実質的に非拡張性、又は実質的に非伸張性であるものと説明されてもよい。明らかに、固い材料は、柔軟であり曲げられるが、このことを、その形状を変えることなく達成する。この特性を説明する別の言い方で言えば、固い材料は非延性であるということである。
【0027】
実質的に形状変化しない固い材料は、多孔性であってもよく、又は無孔性であってもよい。しかし、多孔性材料は、製造中に、硬化されない樹脂がその孔を通って流れることを可能にし、従って、効果的に樹脂の中に埋め込まれた固い材料と共に、互いに密着した積層体が形成されることを確実にするので、有利である。
【0028】
固い材料は、導電性であってもよく、又は電気絶縁性であってもよい。しかし、固い材料が導電性であるならば、落雷耐性に対して有利でありうる。
【0029】
固い材料のための材料は、織布又はベールなどのガラス繊維及びポリエステル及びナイロンなどの絶縁ポリマーなど、幾つかの可能性から選択されてよい。
【0030】
ベールは、短繊維の材料を含み、共にランダムに成形されてマットを形成し、実質的に形状変化しない材料のために優れた構成を提供する。
【0031】
積層体の重量は、最小化することが重要であるので、固い材料は、通常、非常に低い単位面積当たりの重量である。通常、固い材料は、5〜100gsm、好ましくは5〜50gsm、より好ましくは5〜40gsm、最も好ましくは5〜20gsmの単位面積当たりの重量を有する。
【0032】
裏張りシートは、プリプレグ製造において当業界で幾つか通常に使用されるもののうちの1つでよい。通常、裏張りシートは、紙で作製されるが、他の材料で作製されてもよい。
【0033】
熱硬化性樹脂は、フェノール−ホルムアルデヒド、ユリア−ホルムアルデヒド、1、3、5−トリアジン−2、4、6−トリアミン(メラミン)、ビスマレイミド、エポキシ樹脂、ビニル・エステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリエステル、不飽和ポリエステル、シアン酸エステル樹脂、又はそれらの混合物の樹脂など、複合材料の製造において使用するために、従来から当業者に知られているものから選択されてよい。
【0034】
エポキシ樹脂、例えば、単官能性、二官能性、三官能性、又は四官能性のエポキシ樹脂が、特に好ましい。好ましい二官能性エポキシ樹脂は、ビスフェノールFのジグリシジル・エーテル(例えば、アラルダイトGY 281)、ビスフェノールAのジグリシジル・エーテル、ジグリシジル・ジヒドロキシ・ナフタレン及びそれらの混合物を含む。高度に好ましいエポキシ樹脂は、その骨格の中に少なくとも1つのメタ置換フェニル環を有する三官能性エポキシ樹脂、例えばアラルダイトMY 0600である。好ましい四官能性エポキシ樹脂は、テトラグリシジル・ジアミノ・ジフェニルメタン(例えば、アラルダイトMY721)である。また、二官能性及び三官能性のエポキシ樹脂の混合物が、非常に好ましい。
【0035】
また、熱硬化性樹脂は、1つ又は複数の硬化剤を含む。適切な硬化剤は、無水物、とりわけ、ポリ・カルボン酸無水物、アミン、とりわけ芳香族アミン、例えば1、3−ジアミノベンゼン、4、4’−ジアミノジフェニルメタン、及びとりわけスルフォン、例えば4、4’−ジアミノジフェニル・スルフォン(4、4’DDS)、及び3、3’−ジアミノジフェニル・スルフォン(3、3’DDS)、並びにフェノール−ホルムアルデヒドの樹脂を含む。好ましい硬化剤は、アミノ・スルフォン、とりわけ4、4’DDS及び3、3’DDSである。
【0036】
また、熱硬化性樹脂は、通常、離散層の中に埋め込まれた、金属材料又は固い材料の1つ又は複数の多孔性シートを含有する可能性がある、離散層(discrete layer)の形で存在する。従って、通常、金属材料、及び通常は同様に固い材料が、2枚の樹脂層に隣接し、即ち2枚の樹脂層の間に挟まれ、2枚の樹脂層は、金属材料内の孔又は開口を通して互いに樹脂で連通することができる。
【0037】
好ましい実施例では、実質的に形状変化しない固い材料のシートが、導電性金属材料と裏張りシートとの間に設置される。固い材料のシートが多孔性であるとき、樹脂は、好ましくは、積層体の内部に向かって移動し、したがって、(多孔性の)固い材料のシートを備える面上の樹脂面の厚さを低減する傾向があることが見出されている。固い材料が裏張りシート面上にあるように構成することによって、この外面の厚さが、このようにして低減される。
【0038】
従って、好ましい実施例では、積層体は、裏張りシートから始まり、樹脂層、固い材料のシート、樹脂層、金属材料、及び樹脂層の順番の材料の層を備え、積層体の厚さを通して連続的で切れ目のない樹脂の通路を有する。
【0039】
しかし、実質的に形状変化しない固い材料は、裏張りシートで覆われない金属材料の面上に設置されるとき、優れた表面仕上げをもたらすことができることも見出されている。このことは、固い材料が、時には粗い金属材料の表面を覆うからである。
【0040】
従って、さらに好ましい実施例では、積層体は、第2の実質的に形状変化しない固い材料のシートを備える。この実施例では、金属材料のいずれかの面上に1枚の固い材料のシートを有することは、特に好ましいことが見出されている。何故なら、材料の表面仕上げが、自動レイアップに対する適切さを維持したまま改良され、形状変化耐性における引張りにおいて、さらなる改良がもたらされるからである。
【0041】
上で説明されたように、裏張りシートで覆われない外面は、裏張りシートで覆われる外面よりも厚いことが好ましい。しかし、樹脂面の粘着力は、樹脂の種類及び量、並びに固い材料のシートの位置など、幾つかの特徴に左右されうる。
【0042】
相対的な粘着力が達成されることを確実にするのを助けるために、裏張りシートを含有しない金属材料の面上に、裏張りシートを含有する面上よりも多くの樹脂が存在することが好ましい。したがって、裏張りされない面上の樹脂の量の、裏張りされる面に対する比率は、1:1より大きいが10:1未満であること、好ましくは1.1:1〜5:1、より好ましくは1.3:1〜3:1であることが好ましい。
【0043】
本発明による積層体は、種々の方法で製造することができる。しかし、好ましくは、積層体は、材料の層を接合することによって、連続的に製造される。
【0044】
従って、他の一態様では、本発明は、本明細書で説明されるような電磁耐性積層体を製造するための工程であって、導電性金属材料のシートと実質的に形状変化しない固い材料のシートとを連続的に同時供給するステップと、少なくとも一方のシートが熱硬化性樹脂で被覆される、材料を裏張りする2枚のシートを、材料の外面と接触させるステップと、その後、シートを共に圧縮するステップと、次いで裏張り材料のシートを取り除くステップとを含む、工程に関する。
【0045】
通常、シートの圧縮は、1つ又は複数のローラ、例えば2つの反対回転するピンチ・ローラの間にシートを通過させることによって遂行される。圧縮ステージの間、積層体は、通常、硬化を始めることなく樹脂の粘度を低減するために、例えば40〜100℃の温度に加熱される。
【0046】
好ましい実施例では、裏張り材料の両シートは、熱硬化性樹脂で被覆される。
【0047】
実質的に形状変化しない固い材料のシートは、裏張り材料のシートを被覆する樹脂コーティングに接着されることが好ましい。このことが、樹脂は、圧縮中に積層体の中に移動する傾向があるので、互いに密着した積層体をもたらすことが見出された。
【0048】
好ましい実施例では、第2の実質的に形状変化しない固い材料も、裏張り材料の他のシートを被覆する樹脂コーティングに接着される。
【0049】
次いで、積層体は、通常、ロールを形成するために巻き上げられ、自動テープ・レイアップ装置によって型面上に載置される準備ができる。
【0050】
従って、他の一態様では、本発明は、本明細書で説明されるような硬化性の柔軟な電磁障害耐性積層体を、型面上に敷設する方法であって、積層体の外面が、樹脂と接触する剥離可能な裏張りシートを備え、積層体が、ツール・ヘッドによってロールから型の表面に自動的に供給され、それにより、粘着力のある硬化性の熱硬化性樹脂を含む積層体の外面が型面に接触し、ツールが積層体を載置するときに積層体が型面に付着し、裏張りシートが取り除かれ、積層体が型の表面上の適所に、その裏張りシートがない状態で残される、方法に関する。
【0051】
通常、この後に、構造用繊維及び熱硬化性樹脂を含む幾つかのプリプレグを、載置された積層体の露出面上に載置するステップが続く。
【0052】
プリプレグの敷設が完了すると、その構成は、電磁障害耐性の硬化された積層体を生産するために、高められた温度、及び任意選択で高められた圧力へ曝されることによって硬化される。
【0053】
従って、他の一態様では、本発明は、上の方法によって得ることができる電磁障害耐性の硬化された積層体に関する。
【0054】
そのような硬化された積層体は、輸送手段本体の構成要素として、とりわけ航空宇宙用輸送手段本体の構成要素として特に適する。
【0055】
次に、本発明が、以下の図面を参照して例示される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1a】本発明の範囲外の、電磁障害保護積層体の概略断面図である。
【図1b】図1aに示される積層体を製造するための工程の概略図である。
【図2a】本発明による、電磁障害保護積層体の概略断面図である。
【図2b】図2aに示される積層体を製造するための工程の概略図である。
【図3a】本発明による、電磁障害保護積層体の概略断面図である。
【図3b】図3aに示される積層体を製造するための工程の概略図である。
【図4a】本発明による、電磁障害保護積層体の概略断面図である。
【図4b】図4aに示される積層体を製造するための工程の概略図である。
【図5a】本発明による、電磁障害保護積層体の概略断面図である。
【図5b】図5aに示される積層体を製造するための工程の概略図である。
【図6a】本発明による、電磁障害保護積層体の概略断面図である。
【図6b】図6aに示される積層体を製造するための工程の概略図である。
【図7】本発明における使用に適する自動テープ・レイアップ装置のツール・ヘッドの図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
金属構成要素として73gsmの伸張された銅箔を含む、電磁耐性積層体の幾つかが、樹脂含有量を変化させて製造された。実質的に形状変化しない固い材料を構成し、Oprimatという名前でTechnical Fibre Products(Kendal、UK)から市販される12gsmのポリエステル・ベールを、積層体は、1、2、又は0枚含んだ。
【0058】
積層体のすべてが、自動テープ・レイアップ装置の使用による型面への敷設に対するそれらの適切性を試験され、それらの安定性及び剥離特性を、任意の尺度における5段階で採点された。
【0059】
また、表面仕上げの品質が、比較のために、やはり5点の任意の尺度を使用して評価された。
【0060】
ATLの安定性に関して、
1−積層体が許容できない形で引っ張られ、変形された
4−非常に軽度の引張り−許容可能
5−知覚できないほどの引張り
【0061】
ATL剥離に関して、
1−積層体が本体のシートから全く剥離しなかった
3−積層体が剥離して型上に載ることは可能であるが、工程速度に関する注意を伴う
4−工程速度の全範囲にわたって許容可能な剥離
5−全体的に優れた剥離
【0062】
表面仕上げに関して、
1−低品質の表面仕上げ−明確なピン孔
2−ピン孔が依然として目視できる
3−ピン孔は見えないが、樹脂面は均一でない
4−滑らかな表面仕上げ
5−優れた表面仕上げ
【0063】
結果が、下の表1に示される。
【0064】
【表1】
【0065】
すべての重量は、1平方メートル当たりのグラム(gsm)である。位置1は、裏紙で覆われない金属材料の面を指し、位置2は、裏紙で覆われる金属材料の面を指す。
【0066】
実施例1〜6は、それぞれ工程1b〜6bによって作製された。実施例7は、工程6bによって作製された。
【0067】
図に戻ると、図1a〜図6aは、落雷耐性積層体の概略断面図を示す。積層体のそれぞれは、それぞれ工程1b〜6bによって製造される。図1aは、本発明の範囲外であり、一方、図2a〜図6aは、本発明によるものである。従って、図1bは、本発明の範囲外であり、一方、図2b〜図6bは、本発明によるものである。図面を通して、特徴が同等の箇所に同じ数字が使用される。
【0068】
積層体は、伸張された銅箔10を備える。伸張された銅箔10は、両面を熱硬化性樹脂12の層で取り囲まれ、片面を裏紙14で裏張りされる金属構成要素を構成する。
【0069】
図2aは、この構成にポリエステル・ベール16を追加したものを示す。ポリエステル・ベール16は、実質的に形状変化しない固い材料を構成し、裏紙14から離れる方を向く側の金属材料の面に設置されている。
【0070】
図3aは、図2aの構成であるが、裏紙の側に樹脂層12が存在しないものを示す。
【0071】
図4aは、図2aの構成であるが、ベール16が金属材料10と、樹脂12及び裏張りシート14との間に設置されているものを示す。
【0072】
図5a及び図6aは、図2aの構成であるが、追加のベールが金属材料10と、樹脂12及び裏張りシート14との間に設置されているものを示す。
【0073】
図1b〜図6bは、伸張された銅箔のリール20が、加熱された圧縮ローラ28を通して供給され、最終的に巻き上げリール32に巻き上げられることを示す。
【0074】
図1bでは、加熱された圧縮ローラ28を通して供給される前に、伸張された銅箔は、両面において、リール22及び24からの、熱硬化性樹脂で被覆された裏紙と接触させられる。圧縮の後、図1aに示される組立体によって巻き上げリール32へ渡される前に、裏紙の上面シートが樹脂を残して取り除かれて、上部紙巻き戻し30に巻き取られる。
【0075】
図2bにおいて、リール23によってリール22が置き換えられていること以外は、図1bに対する構成と同じ構成である。リール23は、樹脂の層に付着されたベールを含み、その樹脂の層は同じく裏紙に付着される。
【0076】
図3bにおいて、リール25によってリール24が置き換えられていること以外は、図2bに対する構成と同じ構成である。リール25は、裏紙だけを含む。
【0077】
図4bにおいて、リール26によってリール24が置き換えられていること以外は、図1bに対する構成と同じ構成である。リール26は、樹脂の層に付着されたベールを含み、その樹脂の層は同じく裏紙に付着される。
【0078】
図5bにおいて、リール23によってリール22が置き換えられていること以外は、図4bに対する構成と同じ構成である。リール23は、樹脂の層に付着された第2のベールを含み、その樹脂の層は同じく裏紙に付着される。
【0079】
図6bにおいて、図5bに対する構成と同じ構成であるが、裏紙の上面シートが取り除かれるだけでなく、裏紙の下面シートも同時に取り除かれて、下部紙巻き戻し34で巻き取られる。さらに、引き続いて、新たな裏紙のシートは、張り替え紙巻き戻し38から生産された積層体と接触させられる。
【0080】
図7は、本発明における使用に適する自動テープ・レイアップ装置のツール・ヘッド50の画像を示す。積層体52が、ローラ56を通り過ぎた後、載置ヘッド(deposition head)54に供給される。載置ヘッド54は、積層体52を型58の表面に押しつける。積層体52と型58との間の粘着力は、積層体52とその裏紙60との間の粘着力より大きいので、積層体52が型の表面に接触すると、裏紙60が引き離されてローラ(図示されず)に巻き取られるときに、積層体52は型に付着されたままとなる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁障害保護体(electromagnetic hazard protector)に関し、より詳細には、自動テープ・レイアップ装置における用途に適する、複合材料上に適用するための落雷保護体に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料は、とりわけ、非常に低い材料密度で優れた機械的性質を提供するという点において、従来の構成材料を超える十分に立証された利点を有する。その結果、そのような材料の使用は、ますます普及しつつあり、それらの応用分野は、「産業」並びに「スポーツ及びレジャー」から高性能の航空宇宙用構成要素まで広がっている。
【0003】
一般的な複合材料は、樹脂層を介挿された複数の繊維層の積層体から作製される。炭素繊維は幾分かの導電性を有するが、介挿層が存在するということは、積層体の面内においてこの導電性を示すに過ぎないということを意味する。積層体の面に垂直な方向、いわゆるz方向における導電性は低い。
【0004】
このz方向における導電性の欠如は、一般に、落雷などの電磁障害に対する複合積層体の脆弱性の一因となることが認められている。落雷は、複合材料に、極めて甚大な損傷を引き起こす可能性があり、飛行中の航空機構造物に発生すれば大惨事となりうる。したがって、そのような複合材料から作製される航空宇宙構造物にとって、このことは特に問題となる。
【0005】
この問題に対処するための、よく知られている方法は、複合材料の外面に、又は外面の近くに、導電性要素、例えば金網又は箔を含むことである。
【0006】
そのような導電性要素が適用される一般的な方法は、航空宇宙本体構造物の型の表面に、熟練工の手で導電性要素を載置することである。続いて、構造用繊維及び熱硬化性樹脂のシートを含み典型的にはプリプレグの形態の複合材料が、導電性要素の上面に置かれる。しかし、構造層は、いわゆる自動テープ・レイアップ装置すなわちATLによって、自動化されたやり方で敷設される傾向にある。
【0007】
典型的なATL機械は、材料のロールを必要とし、材料のロールは、マンドレルに載せられ、ローラのシステムを介してATLヘッドに供給される。通常、経路には、切断ステージ及び任意選択の加熱ステージが含まれる。如何なる誤差も、許容できない仕上がりをもたらす可能性があるので、切断ステージは、材料の寸法が要求通りに正確であることを確実にする。ATLのヘッドには、標準的に、ATLの「シュー(shoe)」又はATLのヘッドの「圧縮ローラ」の2つの応用方法が存在する。どちらの方法が使用されるにしても、材料は、剥離紙の表面と接触させられ、圧力が、剥離紙の裏張りシートの最上部に加えられる。粘着力のある最下面が圧力下で付着し、裏張りシートが自動的に取り外される。この工程中に、材料は、典型的製品幅である300mmにわたって、50と300Nとの間の非常に高い張力に曝される。
【0008】
レイアップ処置に続いて、その構成は、硬化された複合積層体を生産するために、高められた温度、及び任意選択で高められた圧力へ曝されることによって硬化される。硬化された積層体が型から取り出され、導電性要素が、形成されるべき航空宇宙構造物の外面上に構造物の一部として存在する。
【0009】
航空宇宙用途に対して強くて軽量で信頼性のある構造物を提供するために、複合材料が実証され成功してきた。従って、使用が増加し、従来の金属構造物が徐々に置き換えられる傾向にある。その結果、航空機の一層大きな領域が、複合材料から生産されている。結果として、導電性要素を敷設するのに必要な労働が、そのような構造物の製造に対するコスト及び時間の負担の増加となりつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そのような導電性の電磁障害保護体の要素は、複合材料がそうであるように、自動的に敷設されることが理想的であるが、このことは、困難に満ちており、満足できる自動化された解決策は存在しないことが知られている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
幾つかの調査の後、本発明者らは、自動テープ・レイアップ装置を使用中にそのような電磁障害保護体に加えられる高い張力が、導電性要素の歪み、引張り、又は形状変化を引き起こす可能性があることを見出した。特に、これは、導電性要素が金属であり、とりわけ銅などの高度に延性の金属である場合である。
【0012】
従って、第1の態様では、本発明は、硬化性の柔軟な電磁障害耐性積層体であって、積層体は、導電性の金属材料の層及び熱硬化性樹脂を含み、積層体の外面が、樹脂と接触する剥離可能な裏張りシートを備え、積層体が、実質的に形状変化しない固い材料のシートをさらに備える、積層体に関する。
【0013】
そのような電磁耐性積層体は、自動テープ・レイアップ装置によって生じる高い張力の下で伸びず且つ形状変化せず、したがって、熟練した手作業を伴うことなく、思い通りに敷設されうることが見出されている。
【0014】
「実質的に形状変化しない」ということは、幅2.54cmで長さ33.0cmの材料の細片が一端から吊り下げられ、500gの質量が取り付けられて、1分間、細片の他端にわたってその質量が均等に分布されるときに、材料の伸びが1.0%未満であることを意味する。材料の伸びは0.5%未満であることが好ましい。
【0015】
積層体は、従来の複合材料の保護体であり、そのような材料と組み合わされることが意図されるので、積層体自体においてそのような複合構造は必要ではない。従って、通常、積層体には、個別の繊維の層はなく、例えば一方向にまとめられるか又は複合材料の構造層を形成するために織られる単一ストランド繊維の層はない。
【0016】
積層体を裏張りシートから引き離して型面に付着させるために、積層体は、裏張りシートに対して有するよりも大きな粘着力を、型面に対して有する必要がある。また、積層体は、自動レイアップの間、互いに密着したままで、共に接合されたままである必要がある。
【0017】
従って、通常、積層体がATL工程において敷設されるとき、積層体が型面に付着するのを助けるために、積層体は、裏張りシートで覆われない外面上に樹脂層を備える。裏張りシートで覆われない積層体の外面は、裏張りシートで覆われる外面よりも粘着力があることが好ましい。
【0018】
さらに、積層体は、通常、この密着性をもたらすために、積層体の厚さにわたって切れ目のない樹脂の通路を備える。言い換えれば、積層体の2つの外面が、樹脂で連通することが好ましい。
【0019】
通常、自動テープ・レイアップ・デバイスは、その装置のために特別に準備された、材料のロールを使用する。従って、20cm未満、好ましくは10cm未満の直径を有するロールを形成することができるように、積層体は十分に柔軟であることが好ましい。
【0020】
知られている自動テープ・レイアップ装置は、ロールが特定の寸法を満足する必要がある。従って、ロールは、±0.5mmの許容誤差内の、254mm又は295mmのいずれかの内径のコアに巻かれ、ロールは、±0.050mmの許容誤差内の、300mm又は150mmのいずれかの長さである。
【0021】
そのため、積層体は、容易に丸められなくなるのでそれほど厚くないことが好ましい。従って、通常、積層体は0.5〜5.0mm、好ましくは0.5〜4.0mm、最も好ましくは1.0〜3.0mmの厚さを有する。
【0022】
導電性の金属材料は、通常、シートの形態であり、多孔性であっても無孔性であってもよく、例えば伸張された金属箔である。好ましくは、金属材料は、多孔性であり、孔は、微視的であってもよく、又は大きな開いた穴であってもよい。好ましい実施例では、金属材料は、金網材料の形態の伸張された金属箔である。金属材料が無孔性であるならば、通常、樹脂が、金属材料の両側から積層体を共に固めることができるように、金属材料は、個別の細片を備える。
【0023】
金属材料は、種々の導電性金属、例えば青銅、アルミニウム、銅、銀、金、ニッケル、亜鉛、及びタングステンを含むことができる。銅は、その優れた導電性のため、好ましい。
【0024】
導電性の金属材料の厚さ及び重量は、高負荷又は低負荷のいずれの雷保護が必要とされるかによって、著しく変わりうる。本発明は、広範な厚さ及び重量にわたって等しく良好に働く。従って、導電性金属材料は、好ましくは、50〜1500gsmの単位面積当たりの重量を有する。しかし、本発明は、より低い重量の金属材料に特に適しており、従って、好ましくは、金属材料は、50〜1000gsm、より好ましくは50〜500gsm、最も好ましくは50〜200gsmの単位面積当たりの重量を有する。
【0025】
導電性の金属材料は、広範な重量にわたって選択されてもよいので、積層体の重量は、それに応じて変化する可能性がある。しかし、通常、金属材料を除く積層体の重量は、より厳しく制御される。従って、金属要素を除く積層体の単位面積当たりの重量は、好ましくは800gsm未満であり、より好ましくは500gsm未満であり、最も好ましくは300gsm未満である。
【0026】
固い材料のシートは、実質的に形状変化しない。このことは、自動テープ・レイアップ適用の間に直面する張力の下に置かれるとき、面内に著しい引張は発生せず、シートは、その元の形状を失わないでいることを意味する。従って、同様に、材料は、実質的に非拡張性、又は実質的に非伸張性であるものと説明されてもよい。明らかに、固い材料は、柔軟であり曲げられるが、このことを、その形状を変えることなく達成する。この特性を説明する別の言い方で言えば、固い材料は非延性であるということである。
【0027】
実質的に形状変化しない固い材料は、多孔性であってもよく、又は無孔性であってもよい。しかし、多孔性材料は、製造中に、硬化されない樹脂がその孔を通って流れることを可能にし、従って、効果的に樹脂の中に埋め込まれた固い材料と共に、互いに密着した積層体が形成されることを確実にするので、有利である。
【0028】
固い材料は、導電性であってもよく、又は電気絶縁性であってもよい。しかし、固い材料が導電性であるならば、落雷耐性に対して有利でありうる。
【0029】
固い材料のための材料は、織布又はベールなどのガラス繊維及びポリエステル及びナイロンなどの絶縁ポリマーなど、幾つかの可能性から選択されてよい。
【0030】
ベールは、短繊維の材料を含み、共にランダムに成形されてマットを形成し、実質的に形状変化しない材料のために優れた構成を提供する。
【0031】
積層体の重量は、最小化することが重要であるので、固い材料は、通常、非常に低い単位面積当たりの重量である。通常、固い材料は、5〜100gsm、好ましくは5〜50gsm、より好ましくは5〜40gsm、最も好ましくは5〜20gsmの単位面積当たりの重量を有する。
【0032】
裏張りシートは、プリプレグ製造において当業界で幾つか通常に使用されるもののうちの1つでよい。通常、裏張りシートは、紙で作製されるが、他の材料で作製されてもよい。
【0033】
熱硬化性樹脂は、フェノール−ホルムアルデヒド、ユリア−ホルムアルデヒド、1、3、5−トリアジン−2、4、6−トリアミン(メラミン)、ビスマレイミド、エポキシ樹脂、ビニル・エステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリエステル、不飽和ポリエステル、シアン酸エステル樹脂、又はそれらの混合物の樹脂など、複合材料の製造において使用するために、従来から当業者に知られているものから選択されてよい。
【0034】
エポキシ樹脂、例えば、単官能性、二官能性、三官能性、又は四官能性のエポキシ樹脂が、特に好ましい。好ましい二官能性エポキシ樹脂は、ビスフェノールFのジグリシジル・エーテル(例えば、アラルダイトGY 281)、ビスフェノールAのジグリシジル・エーテル、ジグリシジル・ジヒドロキシ・ナフタレン及びそれらの混合物を含む。高度に好ましいエポキシ樹脂は、その骨格の中に少なくとも1つのメタ置換フェニル環を有する三官能性エポキシ樹脂、例えばアラルダイトMY 0600である。好ましい四官能性エポキシ樹脂は、テトラグリシジル・ジアミノ・ジフェニルメタン(例えば、アラルダイトMY721)である。また、二官能性及び三官能性のエポキシ樹脂の混合物が、非常に好ましい。
【0035】
また、熱硬化性樹脂は、1つ又は複数の硬化剤を含む。適切な硬化剤は、無水物、とりわけ、ポリ・カルボン酸無水物、アミン、とりわけ芳香族アミン、例えば1、3−ジアミノベンゼン、4、4’−ジアミノジフェニルメタン、及びとりわけスルフォン、例えば4、4’−ジアミノジフェニル・スルフォン(4、4’DDS)、及び3、3’−ジアミノジフェニル・スルフォン(3、3’DDS)、並びにフェノール−ホルムアルデヒドの樹脂を含む。好ましい硬化剤は、アミノ・スルフォン、とりわけ4、4’DDS及び3、3’DDSである。
【0036】
また、熱硬化性樹脂は、通常、離散層の中に埋め込まれた、金属材料又は固い材料の1つ又は複数の多孔性シートを含有する可能性がある、離散層(discrete layer)の形で存在する。従って、通常、金属材料、及び通常は同様に固い材料が、2枚の樹脂層に隣接し、即ち2枚の樹脂層の間に挟まれ、2枚の樹脂層は、金属材料内の孔又は開口を通して互いに樹脂で連通することができる。
【0037】
好ましい実施例では、実質的に形状変化しない固い材料のシートが、導電性金属材料と裏張りシートとの間に設置される。固い材料のシートが多孔性であるとき、樹脂は、好ましくは、積層体の内部に向かって移動し、したがって、(多孔性の)固い材料のシートを備える面上の樹脂面の厚さを低減する傾向があることが見出されている。固い材料が裏張りシート面上にあるように構成することによって、この外面の厚さが、このようにして低減される。
【0038】
従って、好ましい実施例では、積層体は、裏張りシートから始まり、樹脂層、固い材料のシート、樹脂層、金属材料、及び樹脂層の順番の材料の層を備え、積層体の厚さを通して連続的で切れ目のない樹脂の通路を有する。
【0039】
しかし、実質的に形状変化しない固い材料は、裏張りシートで覆われない金属材料の面上に設置されるとき、優れた表面仕上げをもたらすことができることも見出されている。このことは、固い材料が、時には粗い金属材料の表面を覆うからである。
【0040】
従って、さらに好ましい実施例では、積層体は、第2の実質的に形状変化しない固い材料のシートを備える。この実施例では、金属材料のいずれかの面上に1枚の固い材料のシートを有することは、特に好ましいことが見出されている。何故なら、材料の表面仕上げが、自動レイアップに対する適切さを維持したまま改良され、形状変化耐性における引張りにおいて、さらなる改良がもたらされるからである。
【0041】
上で説明されたように、裏張りシートで覆われない外面は、裏張りシートで覆われる外面よりも厚いことが好ましい。しかし、樹脂面の粘着力は、樹脂の種類及び量、並びに固い材料のシートの位置など、幾つかの特徴に左右されうる。
【0042】
相対的な粘着力が達成されることを確実にするのを助けるために、裏張りシートを含有しない金属材料の面上に、裏張りシートを含有する面上よりも多くの樹脂が存在することが好ましい。したがって、裏張りされない面上の樹脂の量の、裏張りされる面に対する比率は、1:1より大きいが10:1未満であること、好ましくは1.1:1〜5:1、より好ましくは1.3:1〜3:1であることが好ましい。
【0043】
本発明による積層体は、種々の方法で製造することができる。しかし、好ましくは、積層体は、材料の層を接合することによって、連続的に製造される。
【0044】
従って、他の一態様では、本発明は、本明細書で説明されるような電磁耐性積層体を製造するための工程であって、導電性金属材料のシートと実質的に形状変化しない固い材料のシートとを連続的に同時供給するステップと、少なくとも一方のシートが熱硬化性樹脂で被覆される、材料を裏張りする2枚のシートを、材料の外面と接触させるステップと、その後、シートを共に圧縮するステップと、次いで裏張り材料のシートを取り除くステップとを含む、工程に関する。
【0045】
通常、シートの圧縮は、1つ又は複数のローラ、例えば2つの反対回転するピンチ・ローラの間にシートを通過させることによって遂行される。圧縮ステージの間、積層体は、通常、硬化を始めることなく樹脂の粘度を低減するために、例えば40〜100℃の温度に加熱される。
【0046】
好ましい実施例では、裏張り材料の両シートは、熱硬化性樹脂で被覆される。
【0047】
実質的に形状変化しない固い材料のシートは、裏張り材料のシートを被覆する樹脂コーティングに接着されることが好ましい。このことが、樹脂は、圧縮中に積層体の中に移動する傾向があるので、互いに密着した積層体をもたらすことが見出された。
【0048】
好ましい実施例では、第2の実質的に形状変化しない固い材料も、裏張り材料の他のシートを被覆する樹脂コーティングに接着される。
【0049】
次いで、積層体は、通常、ロールを形成するために巻き上げられ、自動テープ・レイアップ装置によって型面上に載置される準備ができる。
【0050】
従って、他の一態様では、本発明は、本明細書で説明されるような硬化性の柔軟な電磁障害耐性積層体を、型面上に敷設する方法であって、積層体の外面が、樹脂と接触する剥離可能な裏張りシートを備え、積層体が、ツール・ヘッドによってロールから型の表面に自動的に供給され、それにより、粘着力のある硬化性の熱硬化性樹脂を含む積層体の外面が型面に接触し、ツールが積層体を載置するときに積層体が型面に付着し、裏張りシートが取り除かれ、積層体が型の表面上の適所に、その裏張りシートがない状態で残される、方法に関する。
【0051】
通常、この後に、構造用繊維及び熱硬化性樹脂を含む幾つかのプリプレグを、載置された積層体の露出面上に載置するステップが続く。
【0052】
プリプレグの敷設が完了すると、その構成は、電磁障害耐性の硬化された積層体を生産するために、高められた温度、及び任意選択で高められた圧力へ曝されることによって硬化される。
【0053】
従って、他の一態様では、本発明は、上の方法によって得ることができる電磁障害耐性の硬化された積層体に関する。
【0054】
そのような硬化された積層体は、輸送手段本体の構成要素として、とりわけ航空宇宙用輸送手段本体の構成要素として特に適する。
【0055】
次に、本発明が、以下の図面を参照して例示される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1a】本発明の範囲外の、電磁障害保護積層体の概略断面図である。
【図1b】図1aに示される積層体を製造するための工程の概略図である。
【図2a】本発明による、電磁障害保護積層体の概略断面図である。
【図2b】図2aに示される積層体を製造するための工程の概略図である。
【図3a】本発明による、電磁障害保護積層体の概略断面図である。
【図3b】図3aに示される積層体を製造するための工程の概略図である。
【図4a】本発明による、電磁障害保護積層体の概略断面図である。
【図4b】図4aに示される積層体を製造するための工程の概略図である。
【図5a】本発明による、電磁障害保護積層体の概略断面図である。
【図5b】図5aに示される積層体を製造するための工程の概略図である。
【図6a】本発明による、電磁障害保護積層体の概略断面図である。
【図6b】図6aに示される積層体を製造するための工程の概略図である。
【図7】本発明における使用に適する自動テープ・レイアップ装置のツール・ヘッドの図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
金属構成要素として73gsmの伸張された銅箔を含む、電磁耐性積層体の幾つかが、樹脂含有量を変化させて製造された。実質的に形状変化しない固い材料を構成し、Oprimatという名前でTechnical Fibre Products(Kendal、UK)から市販される12gsmのポリエステル・ベールを、積層体は、1、2、又は0枚含んだ。
【0058】
積層体のすべてが、自動テープ・レイアップ装置の使用による型面への敷設に対するそれらの適切性を試験され、それらの安定性及び剥離特性を、任意の尺度における5段階で採点された。
【0059】
また、表面仕上げの品質が、比較のために、やはり5点の任意の尺度を使用して評価された。
【0060】
ATLの安定性に関して、
1−積層体が許容できない形で引っ張られ、変形された
4−非常に軽度の引張り−許容可能
5−知覚できないほどの引張り
【0061】
ATL剥離に関して、
1−積層体が本体のシートから全く剥離しなかった
3−積層体が剥離して型上に載ることは可能であるが、工程速度に関する注意を伴う
4−工程速度の全範囲にわたって許容可能な剥離
5−全体的に優れた剥離
【0062】
表面仕上げに関して、
1−低品質の表面仕上げ−明確なピン孔
2−ピン孔が依然として目視できる
3−ピン孔は見えないが、樹脂面は均一でない
4−滑らかな表面仕上げ
5−優れた表面仕上げ
【0063】
結果が、下の表1に示される。
【0064】
【表1】
【0065】
すべての重量は、1平方メートル当たりのグラム(gsm)である。位置1は、裏紙で覆われない金属材料の面を指し、位置2は、裏紙で覆われる金属材料の面を指す。
【0066】
実施例1〜6は、それぞれ工程1b〜6bによって作製された。実施例7は、工程6bによって作製された。
【0067】
図に戻ると、図1a〜図6aは、落雷耐性積層体の概略断面図を示す。積層体のそれぞれは、それぞれ工程1b〜6bによって製造される。図1aは、本発明の範囲外であり、一方、図2a〜図6aは、本発明によるものである。従って、図1bは、本発明の範囲外であり、一方、図2b〜図6bは、本発明によるものである。図面を通して、特徴が同等の箇所に同じ数字が使用される。
【0068】
積層体は、伸張された銅箔10を備える。伸張された銅箔10は、両面を熱硬化性樹脂12の層で取り囲まれ、片面を裏紙14で裏張りされる金属構成要素を構成する。
【0069】
図2aは、この構成にポリエステル・ベール16を追加したものを示す。ポリエステル・ベール16は、実質的に形状変化しない固い材料を構成し、裏紙14から離れる方を向く側の金属材料の面に設置されている。
【0070】
図3aは、図2aの構成であるが、裏紙の側に樹脂層12が存在しないものを示す。
【0071】
図4aは、図2aの構成であるが、ベール16が金属材料10と、樹脂12及び裏張りシート14との間に設置されているものを示す。
【0072】
図5a及び図6aは、図2aの構成であるが、追加のベールが金属材料10と、樹脂12及び裏張りシート14との間に設置されているものを示す。
【0073】
図1b〜図6bは、伸張された銅箔のリール20が、加熱された圧縮ローラ28を通して供給され、最終的に巻き上げリール32に巻き上げられることを示す。
【0074】
図1bでは、加熱された圧縮ローラ28を通して供給される前に、伸張された銅箔は、両面において、リール22及び24からの、熱硬化性樹脂で被覆された裏紙と接触させられる。圧縮の後、図1aに示される組立体によって巻き上げリール32へ渡される前に、裏紙の上面シートが樹脂を残して取り除かれて、上部紙巻き戻し30に巻き取られる。
【0075】
図2bにおいて、リール23によってリール22が置き換えられていること以外は、図1bに対する構成と同じ構成である。リール23は、樹脂の層に付着されたベールを含み、その樹脂の層は同じく裏紙に付着される。
【0076】
図3bにおいて、リール25によってリール24が置き換えられていること以外は、図2bに対する構成と同じ構成である。リール25は、裏紙だけを含む。
【0077】
図4bにおいて、リール26によってリール24が置き換えられていること以外は、図1bに対する構成と同じ構成である。リール26は、樹脂の層に付着されたベールを含み、その樹脂の層は同じく裏紙に付着される。
【0078】
図5bにおいて、リール23によってリール22が置き換えられていること以外は、図4bに対する構成と同じ構成である。リール23は、樹脂の層に付着された第2のベールを含み、その樹脂の層は同じく裏紙に付着される。
【0079】
図6bにおいて、図5bに対する構成と同じ構成であるが、裏紙の上面シートが取り除かれるだけでなく、裏紙の下面シートも同時に取り除かれて、下部紙巻き戻し34で巻き取られる。さらに、引き続いて、新たな裏紙のシートは、張り替え紙巻き戻し38から生産された積層体と接触させられる。
【0080】
図7は、本発明における使用に適する自動テープ・レイアップ装置のツール・ヘッド50の画像を示す。積層体52が、ローラ56を通り過ぎた後、載置ヘッド(deposition head)54に供給される。載置ヘッド54は、積層体52を型58の表面に押しつける。積層体52と型58との間の粘着力は、積層体52とその裏紙60との間の粘着力より大きいので、積層体52が型の表面に接触すると、裏紙60が引き離されてローラ(図示されず)に巻き取られるときに、積層体52は型に付着されたままとなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性の柔軟な電磁障害耐性積層体であって、前記積層体は、導電性金属材料の層及び熱硬化性樹脂を含み、前記積層体の外面が、樹脂と接触する剥離可能な裏張りシートを備え、前記積層体が、実質的に形状変化しない固い材料のシートをさらに備える、積層体。
【請求項2】
裏張りシートで覆われない樹脂層を外面に備える、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記裏張りシートで覆われない前記積層体の前記外面が、前記裏張りシートで覆われる前記外面より厚い、請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項4】
前記積層体の前記厚さにわたって切れ目のない樹脂の経路を備える、請求項1から3までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項5】
好ましくは、20cm未満の直径のロールを形成することができるように十分に柔軟である、請求項1から4までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項6】
0.5〜5.0mmの厚さを有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項7】
前記導電性金属材料が、シートの形態であって多孔性である、請求項1から6までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項8】
前記金属材料が、金網材料の形態の伸張された金属箔である、請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
前記金属材料が、50〜1500gsmの単位面積当たりの重量を有する、請求項1から8までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項10】
金属要素を除く前記積層体の前記単位面積当たりの重量が、800gsm未満である、請求項1から9までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項11】
前記実質的に形状変化しない固い材料が多孔性である、請求項1から10までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項12】
前記実質的に形状変化しない固い材料が電気絶縁性である、請求項1から11までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項13】
前記実質的に形状変化しない固い材料が、5〜100gsmの単位面積当たりの重量を有する、請求項1から12までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項14】
実質的に形状変化しない固い材料の前記シートが、前記導電性金属材料と前記裏張りシートとの間に設置される、請求項1から13までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項15】
前記積層体が、第2の実質的に形状変化しない固い材料を備える、請求項1から14までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項16】
実質的に形状変化しない固い材料の1枚のシートが、前記金属材料のいずれかの面上に設置される、請求項15に記載の積層体。
【請求項17】
前記裏張りシートを含有しない前記金属材料の前記面上に、前記裏張りシートを含有する前記面上よりも多くの樹脂が存在する、請求項1から16までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項18】
請求項1から17までのいずれか一項に記載の電磁耐性積層体を製造するための工程であって、導電性金属材料の前記シートと実質的に形状変化しない固い材料の前記シートとを連続的に同時供給するステップと、少なくとも一方のシートが熱硬化性樹脂で被覆される、材料を裏張りする2枚のシートを、前記材料の前記外面と接触させるステップと、その後、前記シートを共に圧縮するステップと、次いで裏張り材料のシートを取り除くステップとを含む、工程。
【請求項19】
前記シートを、1つ又は複数のローラを通過させることによって、前記シートの前記圧縮が遂行される、請求項18に記載の工程。
【請求項20】
裏張り材料の両シートが熱硬化性樹脂で被覆される、請求項18又は19に記載の工程。
【請求項21】
実質的に形状変化しない固い材料の前記シートが、裏張り材料のシートを被覆する樹脂コーティングに付着される、請求項18から20までのいずれか一項に記載の工程。
【請求項22】
第2の実質的に形状変化しない固い材料も、裏張り材料の他方のシートを被覆する樹脂コーティングに付着される、請求項21に記載の工程。
【請求項23】
前記積層体が巻き上げられてロールを形成するステップが後に続く、請求項18から22までのいずれか一項に記載の工程。
【請求項24】
請求項1から17までのいずれか一項に記載の硬化性の柔軟な電磁耐性積層体を型面上に敷設する方法であって、前記積層体の外面が、樹脂と接触する剥離可能な裏張りシートを備え、前記積層体が、ツール・ヘッドによってロールから前記型の前記表面に自動的に供給され、それにより粘着力のある硬化性の熱硬化性樹脂を含む前記積層体の外面が前記型面に接触し、前記ツールが前記積層体を載置するときに前記積層体が前記型面に付着し、前記裏張りシートが、取り除かれ、前記積層体が前記型の前記表面上の適所に、その裏張りシートがない状態で残される、方法。
【請求項25】
構造用繊維及び熱硬化性樹脂を含む幾つかのプリプレグを、前記載置された積層体の前記露出面上に載置するステップが後に続く、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記構成が、電磁耐性の硬化された積層体を生産するために、高められた温度、及び任意選択で高められた圧力へ曝されることによって硬化される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項26に記載の前記方法によって得られる、電磁障害耐性の硬化された積層体。
【請求項28】
請求項27に記載の硬化された積層体を備える、航空宇宙輸送手段本体の構成要素。
【請求項1】
硬化性の柔軟な電磁障害耐性積層体であって、前記積層体は、導電性金属材料の層及び熱硬化性樹脂を含み、前記積層体の外面が、樹脂と接触する剥離可能な裏張りシートを備え、前記積層体が、実質的に形状変化しない固い材料のシートをさらに備える、積層体。
【請求項2】
裏張りシートで覆われない樹脂層を外面に備える、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記裏張りシートで覆われない前記積層体の前記外面が、前記裏張りシートで覆われる前記外面より厚い、請求項1又は2に記載の積層体。
【請求項4】
前記積層体の前記厚さにわたって切れ目のない樹脂の経路を備える、請求項1から3までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項5】
好ましくは、20cm未満の直径のロールを形成することができるように十分に柔軟である、請求項1から4までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項6】
0.5〜5.0mmの厚さを有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項7】
前記導電性金属材料が、シートの形態であって多孔性である、請求項1から6までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項8】
前記金属材料が、金網材料の形態の伸張された金属箔である、請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
前記金属材料が、50〜1500gsmの単位面積当たりの重量を有する、請求項1から8までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項10】
金属要素を除く前記積層体の前記単位面積当たりの重量が、800gsm未満である、請求項1から9までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項11】
前記実質的に形状変化しない固い材料が多孔性である、請求項1から10までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項12】
前記実質的に形状変化しない固い材料が電気絶縁性である、請求項1から11までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項13】
前記実質的に形状変化しない固い材料が、5〜100gsmの単位面積当たりの重量を有する、請求項1から12までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項14】
実質的に形状変化しない固い材料の前記シートが、前記導電性金属材料と前記裏張りシートとの間に設置される、請求項1から13までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項15】
前記積層体が、第2の実質的に形状変化しない固い材料を備える、請求項1から14までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項16】
実質的に形状変化しない固い材料の1枚のシートが、前記金属材料のいずれかの面上に設置される、請求項15に記載の積層体。
【請求項17】
前記裏張りシートを含有しない前記金属材料の前記面上に、前記裏張りシートを含有する前記面上よりも多くの樹脂が存在する、請求項1から16までのいずれか一項に記載の積層体。
【請求項18】
請求項1から17までのいずれか一項に記載の電磁耐性積層体を製造するための工程であって、導電性金属材料の前記シートと実質的に形状変化しない固い材料の前記シートとを連続的に同時供給するステップと、少なくとも一方のシートが熱硬化性樹脂で被覆される、材料を裏張りする2枚のシートを、前記材料の前記外面と接触させるステップと、その後、前記シートを共に圧縮するステップと、次いで裏張り材料のシートを取り除くステップとを含む、工程。
【請求項19】
前記シートを、1つ又は複数のローラを通過させることによって、前記シートの前記圧縮が遂行される、請求項18に記載の工程。
【請求項20】
裏張り材料の両シートが熱硬化性樹脂で被覆される、請求項18又は19に記載の工程。
【請求項21】
実質的に形状変化しない固い材料の前記シートが、裏張り材料のシートを被覆する樹脂コーティングに付着される、請求項18から20までのいずれか一項に記載の工程。
【請求項22】
第2の実質的に形状変化しない固い材料も、裏張り材料の他方のシートを被覆する樹脂コーティングに付着される、請求項21に記載の工程。
【請求項23】
前記積層体が巻き上げられてロールを形成するステップが後に続く、請求項18から22までのいずれか一項に記載の工程。
【請求項24】
請求項1から17までのいずれか一項に記載の硬化性の柔軟な電磁耐性積層体を型面上に敷設する方法であって、前記積層体の外面が、樹脂と接触する剥離可能な裏張りシートを備え、前記積層体が、ツール・ヘッドによってロールから前記型の前記表面に自動的に供給され、それにより粘着力のある硬化性の熱硬化性樹脂を含む前記積層体の外面が前記型面に接触し、前記ツールが前記積層体を載置するときに前記積層体が前記型面に付着し、前記裏張りシートが、取り除かれ、前記積層体が前記型の前記表面上の適所に、その裏張りシートがない状態で残される、方法。
【請求項25】
構造用繊維及び熱硬化性樹脂を含む幾つかのプリプレグを、前記載置された積層体の前記露出面上に載置するステップが後に続く、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記構成が、電磁耐性の硬化された積層体を生産するために、高められた温度、及び任意選択で高められた圧力へ曝されることによって硬化される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請求項26に記載の前記方法によって得られる、電磁障害耐性の硬化された積層体。
【請求項28】
請求項27に記載の硬化された積層体を備える、航空宇宙輸送手段本体の構成要素。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【公表番号】特表2013−509315(P2013−509315A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535928(P2012−535928)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【国際出願番号】PCT/GB2010/051758
【国際公開番号】WO2011/051697
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(504132032)ヘクセル コンポジット、リミテッド (20)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【国際出願番号】PCT/GB2010/051758
【国際公開番号】WO2011/051697
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(504132032)ヘクセル コンポジット、リミテッド (20)
【Fターム(参考)】
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