説明

複合材料の製造方法

本発明は、a)少なくとも1つの無機相または有機金属相と、b)有機ポリマー相とで構成されたナノ複合材料を製造するための方法に関する。前記方法は、金属または半金属Mを含む少なくとも1つの第1の重合性モノマー単位Aと、共有化学結合を介して重合性単位Aに結合された少なくとも1つの第2の重合性有機モノマー単位Bとを含む少なくとも1つのモノマーMを、両重合性モノマー単位Aおよび重合性単位Bが重合すると同時にAとBの結合が破壊される条件で重合させることを含む。重合されるモノマーMは、第1のモノマーM1と、モノマーM1と異なる少なくとも1つの第2のモノマーM2とをモノマー単位AまたはBの少なくとも一方に含む(実施形態1)。あるいは、重合されるモノマーは、少なくとも1つのモノマーMに加えて、モノマー単位Aを含まない従来のモノマーであり、モノマー単位Bと共重合可能な、モノマーMと異なる少なくとも1つのモノマーM’を含む(実施形態2)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
a)少なくとも1つの無機相または有機金属相と、
b)有機ポリマー相
とから形成されるナノ複合材料を製造するための方法に関する。
【0002】
ナノ複合材料、すなわち、無機相、例えば、寸法が500nm未満、特に100nm未満の無機(半)金属酸化物相(以降ナノスケール相、または微粒子相の場合はナノスケール粒子)を有機ポリマー相に含むポリマー系複合材料は、ナノスケール無機相と有機ポリマー相との間の大きな界面により、ポリマー相におけるミリまたはミクロスケールの従来の無機構成成分の分散体によって達成することができない化学特性、物理特性および機械特性に関する高い可能性を有する(R.P.Singh,et al.,J.Mater.Sci.2002,37,781)。
【0003】
無機−有機ナノ複合体を製造するための今日まで既知の方法は、ナノ粒子または剥離層状珪酸塩と溶液または溶融体中のポリマーとの直接混合、無機ナノ粒子または剥離層状珪酸塩の存在下で有機モノマーを重合させることによる有機相のインサイチュー製造、ゾル−ゲル技術およびこれらの手段の組合せに基づく(例えば、ポリマー溶融体へのナノ粒子の導入については、Garcia,M.;et al.,Polymers for Advanced Technologies 2004,15,164参照;無機ナノ粒子または剥離層状珪酸塩の存在下での有機モノマーの重合については、M.C.Kuo et al.,Materials Chemistry and Physics 2005,90(1),185;A.Maity et al.、Journal of Applied Polymer Science 2004,94(2),803;Y.Liao et al.(Polymer International 2001,50(2),207;およびWO2001/012678参照;ポリマー溶液または溶融体でのオリゴマーアルコキシシロキサンの加水分解による酸化物層の製造についてはWO2004/058859およびWO2007/028563参照)。
【0004】
確立された先行技術の方法には、いくつかの短所を伴う。第1に、それらの多くは、有機溶媒に可溶であるか、または分解せずに溶融する有機ポリマーの複合体に限定される。加えて、一般には、このようにしてナノ複合材料に少量の無機相しか導入することが可能でない。通常、ナノ粒子の凝集性が強く、その結果として極めて強い剪断力が必要であるため、比較的大量のナノ粒子の微細な分布は、ほとんど不可能である。ナノ粒子の存在下での有機ポリマー相のインサイチュー製造によるナノ複合体の製造の大きな欠点は、ナノ粒子の凝集体が形成されるために不均質な生成物が形成することである。その結果、それらの表面積が大きいためポリマーと広い界面を形成するというナノ粒子の長所を利用することができない。粒径が小さいために粉末状のナノ充填剤を使用する場合は、粉塵が形成されること、およびナノ粒子が肺に達し得ることにより、配合時の健康に対する高いリスクがさらに存在する。ポリマー溶融体または溶液でのゾル−ゲル法による無機相のインサイチュー製造は、一般に、結果の不十分な再現性をもたらすか、または加水分解条件を制御するための複雑な手段を必要とする。
【0005】
【化1】

【0006】
Spange et al.,Angew.Chem.Int.Ed.,46(2007)628−632には、以下のスキームによるテトラフルフリルオキシシランTFOSおよびジフルフリルオキシジメチルシランの陽イオン重合によるナノ複合材料への新規の経路が記載されている。
【0007】
Spangeらは、この種の重合に対して「二連重合」という用語を提示している。
【0008】
陽イオン条件下でのTFOSの重合は、二酸化珪素相、およびポリフルフリルアルコールPFAで構成される有機ポリマー相を有する複合材料を形成する。そのようにして得られた複合材料における相領域の寸法は、数ナノメートルの範囲である。加えて、二酸化珪素相の相領域およびPFA相の相領域は、共連続配列を有する。すなわち、PFA相およびSiO2相の双方が互いに貫通し、不連続領域を実質的に形成しない。隣接する層界面間の距離または隣接する同一相の領域間の距離は、極めて小さく、平均で10nm以下である。特定の相の不連続領域に巨視的に認識可能な隔たりはない。
【0009】
特異的な相配列および隣接相の間の小さな距離は、第1にフルフリル単位の重合の動力学的結合、および第2に二酸化珪素の結合の結果であると想定される。したがって、相構成成分は、多かれ少なかれ同期的に形成し、TFOSの重合時には無機相と有機相とに相分離する。
【0010】
DFOSの重合の過程では、対照的に、複合材料の形成が観察されない。その代わり、PFAおよびオリゴマージメチルシロキサンが形成され、後者は油として分離する。
【0011】
Spangeらが記載する二連重合は、ナノ複合材料の製造におけるいくつかの問題を解決し、特にナノ材料の使用を回避する。しかし、Spangeらが記載するナノ複合材料は、様々な態様で不十分であり、中程度の強度にすぎず、比較的脆い。
【0012】
二連重合は、他のモノマーにも適用できる新規の重合原理であることが判明した。本発明の文脈において、二連重合は、
−金属または半金属Mを含む少なくとも1つの第1の重合性モノマー単位A(TFOS中、SiO4単位)と、
−共有化学結合を介して重合性単位Aに結合する少なくとも1つの第2の重合性有機モノマー単位B(TFOS中、フルフリル基)と
を有する(二連モノマーとして既知の)モノマーを、重合性モノマー単位Aおよび重合性単位Bの双方がAとBの結合を破壊しつつ重合する重合条件下で重合させることを意味するものと理解される。したがって、重合性単位AおよびBは、それらが同じ条件下で重合するように選択される。
【0013】
例えば、本出願人による先行特許出願PCT/EP2008/010169には、場合により置換された2,2’−スピロ[4H−1,3,2−ベンゾジオキサシリン](以降SPISIと称する)を陽イオン重合条件下で重合して、有機フェノールホルムアルデヒドポリマー相および二酸化珪素相を含み、Spangeが記載する特性を有するナノ複合材料を得ることが記載されている。
【0014】
意外にも、当該二連モノマーを二連重合で共重合させることが可能であり、ナノ複合材料は、相領域の配列がSPISまたはTFOSを単独重合させることによって得られるナノ複合材料のそれと類似することも判明した。二連モノマーの混合物においても、個々のモノマーの動力学的に過酷なメカニズムが互いに影響を及ぼし、重合の早発的な停止または欠如を招くことが推定されるため、実質的に完全な重合が生じることは既に意外である。また、ここでの相領域も、共連続配列および数ナノメートルの範囲の寸法(隣接する同一相間の距離)を有する。これは、TFOSまたはSPISIの単独重合によって得られる複合材料における相領域の配列は、有機分子部分および無機成分の重合の動力学的結合に基づくことを想定しなければならなかったため意外である。コモノマー間に当該結合が存在しないため、二連モノマーの共重合において相領域間のはるかに顕著な分離が生じ、均質な複合材料を得ることができないことが推定された。
【0015】
相分離は、意外にも、従来のモノマーが二連モノマーのモノマー単位Bと共重合可能な場合に、二連モノマーを従来のモノマー、すなわちモノマー単位Aを有さないモノマーと共重合するときにも維持される。
【0016】
したがって、本発明は、
a)少なくとも1つの無機相または有機金属相と、
b)有機ポリマー相と
からナノ複合材料を製造するための方法であって、
−金属または半金属Mを含む少なくとも1つの第1の重合性モノマー単位Aと、
−共有化学結合を介して重合性単位Aに結合された少なくとも1つの第2の重合性有機モノマー単位Bと
を有する少なくとも1つのモノマー(二連モノマー)を、重合性モノマー単位Aおよび重合性単位Bの双方がAとBの結合を破壊しつつ重合する重合条件下で重合させることを含み、重合されるモノマーが、第1の二連モノマーM1と、少なくともモノマー単位AおよびBの一方においてモノマーM1と異なる少なくとも1つの第2の二連モノマーM2とを含む(実施形態1)か、あるいは重合されるモノマーが、少なくとも1つの二連モノマーに加えて、二連モノマー以外の少なくとも1つのさらなるモノマーM’、すなわちモノマー単位Aを有さず、二連モノマーのモノマー単位Bと共重合可能な従来のモノマーを含む(実施形態2)方法に関する。
【0017】
本発明による方法は、いくつかの利点を伴う。第1に、本発明による方法は、好適なコモノマーの選択を介して、それによって得られる複合材料の材料特性の制御的改質を可能にする。例えば、共重合性A単位のタイプが異なる二連モノマーを互いに共重合させることによって、無機ポリマー相の特性を改質することができる。同様にして、共重合性B単位のタイプが異なる二連モノマーを互いに共重合させることによって有機ポリマー相の特性を改質することが可能である。さらに、従来のコモノマーを共重合させることによって有機ポリマー相を改質することができる。このように、例えば、ポリマー相の架橋を達成することが可能である。例えば、重合性A単位のタイプおよび重合性B単位のタイプの両方が異なる二連モノマーを互いに共重合させることによって有機および無機ポリマー相の特性を改質することも同様に可能である。
【0018】
意外にも、当該改質は、領域配列の破壊をもたらさない。加えて、本発明により得られる複合材料は、有利な機械特性、特に、比較的低い脆性、および比較的高い靱性もしくは弾力性、および/または比較的高い強度が注目に値する。
【0019】
したがって、本発明は、本発明による方法によって得られるナノ複合材料にも関する。
【0020】
本発明による方法は、モノマー単位Aが、第3主族(IUPAC第3族)の金属および半金属、特にBまたはAl、周期表の第4主族(IUPAC第14族)の金属および半金属、特にSi、Ge、SnまたはPb、周期表の第15主族(IUPAC第15族)の半金属、特にAs、SbおよびBi、周期表の第4副族の金属、特にTi、ZrおよびHf、ならびにVなどの周期表の第5副族の金属から選択される金属または半金属を含むモノマーの二連重合に特に好適である。本発明による方法は、モノマー単位Aが、周期表の第4主族の金属および半金属、特にSi、Ge、SnまたはPb、ならびに周期表の第4副族の金属、特にTi、ZrおよびHfから選択される金属または半金属を含むモノマーの二連重合に特に好適である。本発明による方法は、より好ましくは、モノマーの少なくとも1つのモノマー単位Aが、SiおよびTiから選択される金属または半金属を含むモノマーの二連重合に好適である。本発明による方法は、最も好ましくは、モノマーの少なくとも一部または全体において、モノマー単位Aが、実質的に珪素のみを含むモノマーの二連重合に好適である。極めて好適な実施形態において、二連モノマーに存在する金属または半金属の少なくとも90モル%、特に全体が珪素である。同様に、極めて好適な実施形態において、二連モノマーに存在する金属または半金属の少なくとも90モル%、特に全体がホウ素である。同様に、極めて好適な実施形態において、二連モノマーに存在する金属または半金属の少なくとも90モル%、特に全体が、珪素と、少なくとも1つのさらなる金属原子、特にチタンまたは錫、特にチタンとの組合せから選択される。この場合、珪素とさらなる金属原子とのモル比は、好ましくは10:1〜1:10の範囲、特に1:5〜5:1の範囲である。
【0021】
発明の実施形態1において、重合されるモノマーMは、第1のモノマーM1と、少なくともモノマー単位AおよびBの一方においてモノマーM1と異なる少なくとも1つの第2のモノマーM2とを含む。
【0022】
実施形態1の好適な構成において、モノマーM1およびM2は、モノマー単位Aのタイプが異なる。
【0023】
当該相違は、モノマー単位Aにおける金属または半金属のタイプであってもよい。例えば、1つのモノマー(モノマーM1)が半金属として珪素を含み、第2のモノマーM2が、珪素以外の金属または半金属から選択される金属または半金属、例えば周期表の第4副族の金属、例えばTi、ZrまたはHf、特にTiを含む二連モノマーを互いに共重合させることができる。同様に、1つのモノマー(モノマーM1)が半金属として珪素を含み、第2のモノマーM2が、周期表の第3主族の金属または半金属から選択される金属または半金属、例えばホウ素またはアルミニウム、特にホウ素を含む二連モノマーを共重合させることが可能である。同様に、1つのモノマー(モノマーM1)が半金属として珪素を含み、第2のモノマーM2が、珪素以外の周期表の第4主族の金属または半金属から選択される金属または半金属、例えば錫またはゲルマニウム、特に錫を含む二連モノマーを共重合させることが可能である。
【0024】
当該相違は、有機相の重合に関与しない二連モノマーにおける金属または半金属のリガンドのタイプであってもよい。例えば、モノマーM2のモノマー単位Aにおける金属または半金属、特に珪素が、重合条件下で不活性であり、例えば、アルキル、シクロアルキルまたは場合により置換されたフェニルなどの炭素または窒素結合不活性炭化水素基により、重合条件下で除去されない無機または有機リガンドを有する場合は、これらの不活性基が無機相または有機金属相になる。当該モノマーM2と、モノマー単位Aの(半)金属原子上に当該リガンドを保持しないが、その代わりに重合性単位Bを形成し、好ましくは酸素を介して結合されるリガンドのみを保持するモノマーM1との共重合の場合は、結果は、一般に、無機混合相、あるいは2つの無機相または有機金属相と、モノマーM1に起因する典型的には酸化物(または窒化物もしくは硫化物)構成成分、およびモノマーM2に起因する酸化物、硫化物、窒化物または有機金属構成成分との混合物である。例えば、モノマーM1における(半)金属原子が、酸素結合B基のみを有する珪素またはチタンであり、モノマーM2における(半)金属原子が、好ましくは酸素を介して結合されるB基に加えて不活性炭素結合リガンドをも保持する珪素である場合は、重合は、二酸化珪素または二酸化チタンだけでなく、ポリシロキサン、またはシロキサン単位で変性された二酸化珪素もしくは二酸化チタンをも形成する。
【0025】
実施形態1のさらなる好適な構成において、モノマーM1およびM2は、モノマー単位Bのタイプが異なる。このように、有機ポリマー相に関して変性された複合材料が得られる。例えば、モノマーM1およびM2が、それぞれ、互いに共重合可能なモノマー単位B1およびB2を有する場合は、二連重合は、モノマー単位B1およびB2から形成されたコポリマーを形成する。モノマー単位B1およびB2が互いに共重合性がない場合は、二連共重合は、有機ポリマー相において、一方のポリマーが実質的にモノマー単位B1から形成され、他方のポリマーが実質的にモノマー単位B2から形成された互いに極めて均一に混合された2つの異なるポリマーを形成する。
【0026】
実施形態1において、モノマーM1の少なくとも1つのさらなるモノマーM2に対するモル比は、一般に、5:95〜95:5の範囲、好ましくは10:90〜90:10の範囲、特に15:85〜85:15の範囲、特に20:80〜80:20の範囲である。
【0027】
発明の実施形態2において、重合されるモノマーは、少なくとも1つの二連モノマーに加えて、二連モノマー以外の少なくとも1つのさらなるモノマーM’(コモノマーM’)、すなわちモノマー単位Aを有さず、モノマー単位Bと共重合可能な従来のモノマーを含む。このように、二連重合は、モノマー単位BとコモノマーM’とから形成されたコポリマーを形成する。当該コポリマーは、例えば、特にモノマー単位Bが場合により置換されたベンジル、フルフリルまたはチエニルメチル単位であるときは、ホルムアルデヒドもしくはパラホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド前駆体、ジメトキシメタンまたはトリオキサンであってもよい。
【0028】
二連モノマーとして好適な化合物は、先行技術から既知であるか、またはそれらに記載されている方法と同様にして製造され得る。ここでは、例えば、冒頭で引用した文献および以下の文献を参照することができる。
・ Silyl enol ethers(Chem.Ber.119,3394(1986);J.Organomet.Chem.244,381(1981);JACS 112,6965(1990))
・ Cycloboroxanes(Bull.Chem.Soc.Jap.51,524(1978);Can.J.Chem.67,1384(1989);J.Organomet.Chem.590,52(1999))
・ Cyclosolicates and −germanates(Chemistry of Heterocyclic Compounds,42,1518,(2006);Eur.J.Inorg.Chem.(2002)、1025;J.Organomet.Chem.,93(1963);J.Organomet.Chem.212,301(1981);J.Org.Chem.34,2496(1968);Tetrahedron 57,3997(2001)および先行国際出願WO2009/083081およびWO2009/083083)
・ Cyclostannanes(J.Organomet.Chem.,328(1963))
・ Cyclozirconates(JACS 82,3495(1960))
二連重合に使用される好適な二連モノマーを一般式I:
【化2】

[式中、
Mは、金属または半金属、好ましくは、周期表の第3もしくは第4主族または第4もしくは第5副族の金属または半金属、特にB、Al、Si、Ti、Zr、Hf、Ge、Sn、Pb、V、As、SbまたはBi、より好ましくはB、Si、Ti、ZrまたはSn、さらにより好ましくはSiまたはTi、特にSiであり、
1、R2は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれAr−C(Ra、Rb)基であり、Arは、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択される1つまたは2つの置換基を場合により有する芳香族または複素芳香族環であり、Ra、Rbは、互いに独立して、水素またはメチルであり、あるいは一緒になって酸素原子またはメチリデン基(=CH2)であり、特にともに水素であり、あるいは
1QおよびR2G基は、ともに式A:
【化3】

の基であり、Aは、二重結合に縮合された芳香族または複素芳香族環であり、mは、0、1または2であり、R基は、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択され、Ra、Rbは、以上に記載されている通りであり、
Gは、O、SまたはNH、特にOであり、
Qは、O、SまたはNH、特にOであり、
qは、Mの原子価または電荷に応じて0、1または2、特に1であり、
X、Yは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれO、S、NHまたは化学結合、特に酸素または化学結合であり、
1’、R2’は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれC1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、アリールまたはAr’−C(Ra’、Rb’)−基であり、Ar’は、Arについて定義されている通りであり、Ra’、Rb’は、それぞれRa、Rbについて定義されている通りであり、特に水素であり、あるいはR1’、R2’は、XおよびYと一緒になって以上に定義されている式Aの基である]によって表すことができる。
【0029】
M、R1、R2、G、Q、q、YおよびR2’が、それぞれ以上に定義されている通りであり、R1’基が式:
【化4】

の基であり、q、R1、R2、R2’、Y、QおよびGが、それぞれ以上に定義されている通りであり、X’’がQについて定義されている通りであり、特に酸素であり、#がMに対する結合を指す式Iのモノマーも二連共重合に好適である。これらの中でも、M、R1、R2、G、Q、q、YおよびR2’が好適であると指定される定義を有するモノマー、特に、R1QおよびR2G基がともに式Aのラジカルであるモノマーが好ましい。
【0030】
MがTiまたはZrであり、q=1であり、QおよびGがそれぞれ酸素であるモノマーに由来するモノマーであり、特に、これらのモノマーがμ−オキシド架橋オリゴマー、例えばテトラマーであるモノマーも二連共重合に好適である。
【0031】
式Iのモノマーにおいて、R1およびR2G基に対応する分子部分は、重合性B単位を構成する。XおよびYが化学結合でなく、R1’XおよびR2’がC1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキルまたはアリールなどの不活性基でない場合は、R1’XおよびR2’Yは、同様に重合性B単位を構成する。対照的に、金属原子Mは、場合によりQおよびY基とともに、モノマー単位Aの主要構成成分を形成する。
【0032】
本発明の文脈において、芳香族基またはアリールは、フェニルまたはナフチルなどの炭素環式芳香族炭化水素基を指すものと理解される。
【0033】
本発明の文脈において、複素環式芳香族基またはヘタリールは、一般に5または6環員を有する複素環式芳香族基であって、環員の1つが、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子であり、1つまたは2つのさらなる環員が場合により窒素原子であってもよく、残りの環員が炭素である複素環式芳香族基を指すものと理解される。複素環式芳香族基の例は、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジルまたはチアゾリルである。
【0034】
本発明の文脈において、縮合芳香族基または環は、o−フェニレン(ベンゾ)または1,2−ネフチレン(ナフト)などの炭素環式芳香族二価炭化水素基を指すものと理解される。
【0035】
本発明の文脈において、縮合複素環式芳香族基または環は、2つの隣接炭素原子が式Aまたは式IIおよびIIIに示される二重結合を形成する以上に定義されている複素環式芳香族基を指すものと理解される。
【0036】
式Iのモノマーの第1の実施形態において、R1QおよびR2G基は、ともに以上に定義されている式Aの基、特に式Aa:
【化5】

[式中、
#、m、R、RaおよびRbは、それぞれ以上に定義されている通りである]の基である。式AおよびAaにおいて、変数mは、特に0である。mが1または2である場合は、Rは、特にメチルまたはメトキシ基である。式AおよびAaにおいて、RaおよびRbは、特に、それぞれ水素である。式Aにおいて、Qは、特に酸素である。式AおよびAaにおいて、Gは、特に酸素またはNH、特に酸素である。
【0037】
第1の実施形態の二連モノマーの中でも、特に、q=1であり、X−R1’およびY−R2’基がともに式Aの基、特に式Aaの基である式Iのモノマーが好ましい。当該モノマーを以下の式IIおよびIIa
【化6】

によって表すことができる。
【0038】
第1の実施形態の二連モノマーの中でも、qが0または1であり、X−R1’基が式A’またはAa’:
【化7】

[式中、
m、A、R、Ra、Rb、G、Q、X’’、Y、R2’およびqは、それぞれ以上に定義されている通りであり、特に、好適であると指定される定義を有する]の基である式Iのモノマーがさらに好ましい。
【0039】
当該モノマーを以下の式II’またはIIa’
【化8】

によって表すことができる。
【0040】
式IIおよびII’において、変数は、それぞれ以下のように定義される。
Mは、金属または半金属、好ましくは、周期表の第3もしくは第4主族または第4もしくは第5副族の金属または半金属、特にB、Al、Si、Ti、Zr、Hf、Ge、Sn,Pb、V、As、SbまたはBi、より好ましくはB、Si、Ti、ZrまたはSn、特にSiであり、
A、A’は、互いに独立して、二重結合に縮合された芳香族または複素芳香族環であり、
m、nは、互いに独立して、0、1または2、特に0であり、
G、G’は、互いに独立して、O、SまたはNH、特にOまたはNH、特にOであり、
Q、Q’は、互いに独立して、O、SまたはNH、特にOであり、
R、R’は、互いに独立して、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択され、特にそれぞれメチルまたはメトキシであり、
a、Rb、Ra’、Rb’は、互いに独立して、水素およびメチルから選択され、あるいはRaおよびRbおよび/またはRa’およびRb’は、それぞれの場合においてともに酸素または=CH2であり、特に、Ra、Rb、Ra’、Rb’は、それぞれ水素であり、
Lは、Y、R2’およびqがそれぞれ以上に定義されている通りである(Y−R2’q基であり、
X’’は、Qについて指定されている定義の1つを有し、特に酸素である。
【0041】
式IIaおよびIIa’において、変数は、それぞれ以下のように定義される。
Mは、金属または半金属、好ましくは、周期表の第3もしくは第4主族または第4もしくは第5副族の金属または半金属、特にB、Al、Si、Ti、Zr、Hf、Ge、Sn,Pb、V、As、SbまたはBi、より好ましくはB、Si、Ti、ZrまたはSn、特にSiであり、
m、nは、互いに独立して、0、1または2、特に0であり、
G、G’は、互いに独立して、O、SまたはNH、特にOまたはNH、特にOであり、
R、R’は、互いに独立して、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択され、特にそれぞれメチルまたはメトキシであり、
a、Rb、Ra’、Rb’は、互いに独立して、水素およびメチルから選択され、あるいはRaおよびRbおよび/またはRa’およびRb’は、それぞれの場合において一緒になって酸素原子または=CH2であり、特に、Ra、Rb、Ra’、Rb’は、それぞれ水素であり、
Lは、Y、R2’およびqがそれぞれ以上に定義されている通りである(Y−R2’q基である。
【0042】
式IIまたはIIaのモノマーの1つの例は、2,2’−スピロビス[4H−1,3,2−ベンゾジオキサシリン](M=Siであり、m=n=0であり、G=0であり、Ra=Rb=Ra’=Rb’=水素である式IIaの化合物)である。当該モノマーは、先行の国際特許出願WO2009/083082およびPCT/EP2008/010169[WO2009/083083]から既知であるか、またはそれらに記載されている方法によって製造され得る。モノマーIIaのさらなる例は、2,2−スピロビ[4H−1,3,2−ベンゾジオキサボリン](Bull.Chem.Soc.Jap.51(1978)524):(M=B、m=n=0、G=O、Ra=Rb=Ra’=Rb’=水素である式IIaの化合物)である。モノマーIIa’のさらなる例は、ビス(4H−1,3,2−ベンゾジオキサボリン−2−イル)オキシド(M=B、m=n=0、L不在(q=0)、G=O、Ra=Rb=Ra’=Rb’=水素である式IIa’の化合物;Bull.Chem.Soc.Jap.51(1978)524)である。
【0043】
モノマーIIおよびIIaにおいて、MQQ’またはMO2単位は、重合性A単位を構成するのに対して、モノマーIIまたはIIaの残留部分、すなわち式AまたはAaの基からQまたはQ’原子を引いた部分(またはAaにおいて酸素原子を引いた部分)が重合性B単位を構成する。
【0044】
好適な実施形態1aにおいて、2つ以上のモノマーM1およびM2の混合物が共重合され、モノマーM1は式IIまたはIIaのモノマーであり、さらなるモノマーM2は、同様に、式IIおよびIIaのモノマーから選択され、モノマーM1は、重合性A単位、すなわち(半)金属原子MのタイプがモノマーM2と異なる。特に、モノマーM1における(半)金属原子Mは珪素であり、モノマーM2における(半)金属原子Mは、珪素以外の(半)金属原子、特に、B、Ti、Zr、HfまたはSn、特にTiまたはBである。
【0045】
さらなる好適な実施形態1bにおいて、2つ以上のモノマーM1およびM2の混合物が共重合され、モノマーM1は式IIまたはIIaのモノマーであり、さらなるモノマーM2は、以下に定義される式IIIおよびIIIa
【化9】

のモノマーから選択される。ここでも、モノマーM1は、具体的にはモノマーM2が重合条件下で金属上に留まることができるリガンドを有する点で、重合性A単位のタイプがモノマーM2と異なる。より具体的には、モノマーM1における(半)金属原子Mは珪素、ホウ素またはチタンであり、モノマーM2における(半)金属原子Mは珪素である。同様に、好ましくは、モノマーM1における(半)金属原子Mは珪素、ホウ素またはチタンであり、モノマーM2における(半)金属原子Mは珪素、ホウ素または錫である。
【0046】
式IIIにおいて、変数は、それぞれ以下のように定義される。
Mは、金属または半金属、好ましくは、周期表の第3もしくは第4主族または第4もしくは第5副族の金属または半金属、特にB、Al、Si、Ti、Zr、Hf、Ge、Sn,Pb、V、As、SbまたはBi、より好ましくはB、Si、Ti、ZrまたはSn、特にSiであり、
Aは、二重結合に縮合された芳香族または複素芳香族環であり、
mは、0、1または2、特に0であり、
qは、Mの原子価および電荷に応じて、0、1または2であり、
Gは、O、SまたはNH、特にOまたはNH、特にOであり、
Rは、互いに独立して、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択され、特にメチルまたはメトキシであり、
a、Rbは、互いに独立して、水素およびメチルから選択され、あるいはRaおよびRbは、一緒になって酸素原子または=CH2であり、特にともに水素であり、
c、Rdは、同一であるか、または異なっており、C1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキルおよびアリールから選択され、特にそれぞれメチルである。
【0047】
式IIIaにおいて、変数は、それぞれ以下のように定義される。
Mは、金属または半金属、好ましくは、周期表の第3もしくは第4主族または第4もしくは第5副族の金属または半金属、特にB、Al、Si、Ti、Zr、Hf、Ge、Sn,Pb、V、As、SbまたはBi、より好ましくはB、Si、Ti、ZrまたはSn、特にSiであり、
mは、0、1または2、特に0であり、
Gは、O、SまたはNH、特にOまたはNH、特にOであり、
Qは、O、SまたはNH、特にOであり、
Rは、互いに独立して、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択され、特にメチルまたはメトキシであり、
a、Rbは、互いに独立して、水素およびメチルから選択され、あるいはRaおよびRbは、一緒になって酸素原子または=CH2であり、特にともに水素であり、
c、Rdは、同一であるか、または異なっており、それぞれC1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキルおよびアリールから選択され、特にそれぞれメチルである。
【0048】
式IIIまたはIIIaのモノマーの例は、2,2−ジメチル−4H−1,3,2−ベンゾジオキサシリン(M=Si、q=1、m=0、G=O、Ra=Rb=水素、Rc=Rd=メチルである式IIIaの化合物)、2,2−ジメチル−4H−1,3,2−ベンゾオキサザシリン(M=Si、q=1、m=0、G=NH、Ra=Rb=水素、Rc=Rd=メチルである式IIIaの化合物)、2,2−ジメチル−4−オキソ−1,3,2−ベンゾジオキサシリン(M=Si、q=1、m=0、G=O、Ra+Rb=O、Rc=Rd=メチルである式IIIaの化合物)および2,2−ジメチル−4−オキソ−1,3,2−ベンゾオキサザシリン(M=Si、q=1、m=0、G=NH、Ra+Rb=O、Rc=Rd=メチルである式IIIaの化合物)である。当該モノマーは、例えば、Wieber et al.Journal of Organometallic Chemistry;1,1963,93,94から既知である。モノマーIIIaのさらなる例は、2,2−ジフェニル[4H−1,3,2−ベンゾジオキサシリン](J.Organomet.Chem.71(1974)225)、2,2−ジ−n−ブチル[4H−1,3,2−ベンゾジオキサスタニン](Bull.Soc.Chim.Belg.97(1988)873)、2,2−ジメチル[4−メチリデン−1,3,2−ベンゾジオキサシリン](J.Organomet.Chem.,244,C5−C8(1983))、2−メチル−2−ビニル[4−オキソ−1,3,2−ベンゾジオキサザシリン]である。
【0049】
さらなる好適な実施形態1cにおいて、2つ以上のモノマーM1およびM2の混合物が共重合され、モノマーM1は、式IIまたはIIaのモノマーであり、さらなるモノマーM2は、以下に定義される式IV、V、Va、VIまたはVIのモノマーから選択される。ここで、モノマーM1は、具体的にはモノマーVIおよびVIの場合、またはモノマーIV、VもしくはVIaがモノマーM1の(半)金属原子M以外の(半)金属原子Mを有する場合に、重合性B単位のタイプ、および場合により重合性A単位のタイプがモノマーM2と異なる。
【0050】
【化10】

【0051】
式IVにおいて、変数は、それぞれ以下のように定義される。
Mは、金属または半金属、好ましくは、周期表の第3もしくは第4主族または第4もしくは第5副族の金属または半金属、特にB、Al、Si、Ti、Zr、Hf、Ge、Sn,Pb、V、As、SbまたはBi、より好ましくはSi、Ti、ZrまたはSn、特にSiであり、
Ar、Ar’は、同一であるか、または異なっており、それぞれ芳香族または複素芳香族環であり、特に2−フリルまたはフェニルであり、芳香族または複素環式環は、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択される1つまたは2つの置換基を場合により有し、
a、Rb、Ra’、Rb’は、互いに独立して、水素およびメチルから選択され、あるいはRaおよびRbおよび/またはRa’およびRb’は、それぞれの場合において、一緒になって酸素原子であり、Ra、Rb、Ra’、Rb’は、特に、それぞれ水素であり、
qは、Mの原子価に応じて、0、1または2、特に1であり、
X、Yは、同一であるか、または異なっており、それぞれO、S、NHまたは化学結合であり、
1’、R2’は、同一であるか、または異なっており、それぞれC1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、アリールまたはAr’’−C(Ra’’,Rb’’)−基(Ar’’はArおよびR’について定義されている通りであり、Ra’’、Rb’’は、それぞれRa、RbまたはRa’、Rb’について定義されている通りである)であり、あるいはR1’、R2’は、XおよびYと一緒になって、以上に定義されている式Aの基、特に式Aaの基である。
【0052】
式IVのモノマーの中でも、特に、q=0、1または2、特にq=1であり、X−R1’およびY−R2’基が同一であるか、または異なっており、それぞれAr’’−C(Ra’’,Rb’’)O基であり、好ましくはそれぞれAr’’−CH2O基(Ra=Rb=水素)であり、Ar’’が以上に定義されている通りであり、特に、フリル、チエニル、ピロリルおよびフェニルから選択され、記載されている4つの環が非置換であるか、またはハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択される1つまたは2つの置換基を有するモノマーが好ましい。当該モノマーを以下の式VおよびVa
【化11】

によって表すことができる。
【0053】
式VおよびVaにおいて、変数は、それぞれ以下のように定義される。
Mは、金属または半金属、好ましくは、周期表の第3もしくは第4主族または第4もしくは第5副族の金属または半金属、特にB、Al、Si、Ti、Zr、Hf、Ge、Sn,Pb、V、As、SbまたはBi、より好ましくはB、Si、Ti、ZrまたはSn、特にSiであり、
式VにおけるAr、Ar’は、同一であるか、または異なっており、それぞれ芳香族または複素芳香族環であり、特に2−フリルまたはフェニルであり、芳香族または複素環式環は、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択される1つまたは2つの置換基を場合により有し、
a、Rb、Ra’、Rb’は、互いに独立して、水素およびメチルから選択され、あるいはRaおよびRbおよび/またはRa’およびRb’は、それぞれの場合において一緒になって酸素原子であり、Ra、Rb、Ra’、Rb’は、特に、それぞれ水素であり、
qは、Mの原子価に応じて、0、1または2、特に1である。
【0054】
式Vaにおいて、mは、0、1または2、特に0であり、Rは、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択され、特にメチルおよびメトキシから選択される。
【0055】
式VまたはVaのモノマーの1つの例は、テトラフルフリルオキシシラン(M=Si、q=1、m=0、Ra=Rb=水素である式Vaの化合物)である(Angew.Chem.Int.Ed.,46(2007)628)。モノマーVまたはVaのさらなる例は、オルトチタン酸テトラフルフリルである(Adv.Mater.2008,20,4113)。この化合物は、四量体化して、二連モノマーとして使用される(μ4−オキシド)−ヘキサキス(m−フルフリルオキソ)−オクタキス(フルフリルオキソ)四チタンになる。モノマーVまたはVaのさらなる例はトリフルフリルオキシボランである。
【0056】
式IVのモノマーの中では、X−R1’およびY−R2’基が同一であるか、または異なっており、それぞれC1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキルおよびアリール、例えばフェニルから選択される(すなわち、XおよびYがそれぞれ化学結合である)モノマーも好ましい。当該モノマーを以下の式VIおよびVIa
【化12】

によって表すことができる。
【0057】
式VIおよびVIaにおいて、変数は、以下のように定義される。
Mは、金属または半金属、好ましくは、周期表の第3もしくは第4主族または第4もしくは第5副族の金属または半金属、特にB、Al、Si、Ti、Zr、Hf、Ge、Sn,Pb、V、As、SbまたはBi、より好ましくはB、Si、Ti、ZrまたはSn、特にSiであり、
式VIにおけるAr、Ar’は、同一であるか、または異なっており、それぞれ芳香族または複素芳香族環であり、特に2−フリルまたはフェニルであり、芳香族または複素環式環は、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択される1つまたは2つの置換基を場合により有し、
a、Rb、Ra’、Rb’は、互いに独立して、水素およびメチルから選択され、あるいはRaおよびRbおよび/またはRa’およびRb’は、それぞれの場合において一緒になって酸素原子であり、Ra、Rb、Ra’、Rb’は、特に、それぞれ水素であり、
qは、Mの原子価に応じて、0、1または2、特に1であり、
c、Rdは、同一であるか、または異なっており、それぞれC1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキルおよびアリールから選択され、特にそれぞれメチルである。
【0058】
式VIaにおいて、mは、0、1または2、特に0であり、Rは、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択され、特にメチルおよびメトキシから選択される。
【0059】
式VIまたはVIaのモノマーの1つの例は、ビス(フルフリルオキシ)ジメチルシラン(M=Si、q=1、m=0、Ra=Rb=水素、Rc=Rd=メチルである式VIaの化合物)である。
【0060】
式IV、V、Va、VIおよびVIaの当該モノマーは、先行技術、例えば、冒頭で引用したSpangeらによる記事、およびそれに引用されている文献から既知であるか、または同様にして製造され得る。
【0061】
さらなる好適な実施形態1dにおいて、重合されるモノマーMは、以上に定義されている一般式IVの少なくとも1つのモノマー、特に一般式Vの少なくとも1つのモノマー、および特に一般式Vaの少なくとも1つのモノマーを含む。
【0062】
好適な実施形態1eにおいて、2つ以上のモノマーM1およびM2の混合物が共重合され、モノマーM1は、式VまたはVaのモノマーであり、さらなるモノマーM2は、同様に、式VおよびVaのモノマーから選択され、モノマーM1は、重合性A単位、すなわち(半)金属原子MのタイプがモノマーM2と異なる。より具体的には、モノマーM1における(半)金属原子Mは珪素であり、モノマーM2における(半)金属原子Mは、珪素以外の(半)金属原子、特に、Ti、Zr、HfまたはSn、特にTiである。
【0063】
さらなる好適な実施形態1fにおいて、2つ以上のモノマーM1およびM2の混合物が共重合され、モノマーM1は、式VまたはVaのモノマーであり、さらなるモノマーM2は、以上に定義されている式VIおよびVIaのモノマーから選択される。ここでも、モノマーM1は、具体的にはモノマーM2が重合条件下で金属上に留まることができるリガンドを有する点で、重合性A単位のタイプがモノマーM2と異なる。より具体的には、モノマーM1における(半)金属原子Mは珪素またはチタンであり、モノマーM2における(半)金属原子Mは珪素である。
【0064】
発明の実施形態2の好適な構成において、重合されるモノマーは、式Iのモノマーから選択される少なくとも1つのモノマーMと、式Iのモノマーと異なり、式Iのモノマー単位Bと共重合可能な少なくとも1つのさらなるモノマーM’(コモノマーM’)とを含む。当該コモノマーは、例えば、ホルムアルデヒド、またはパラホルムアルデヒドもしくはトリオキサンなどのホルムアルデヒド前駆体であってもよい。
【0065】
発明の実施形態2の特に好適な構成において、重合されるモノマーは、式IIのモノマー、特に式IIaのモノマーから選択される少なくとも1つのモノマーMと、式IIまたはIIaのモノマーと異なり、式IIまたはIIaのモノマー単位Bと共重合可能な少なくとも1つのさらなる従来のモノマーM’(コモノマーM’)とを含む。当該コモノマーは、例えば、ホルムアルデヒド、またはパラホルムアルデヒドもしくはトリオキサンなどのホルムアルデヒド前駆体であってもよい。
【0066】
発明の実施形態2のさらなる特に好適な構成において、重合されるモノマーは、式Vのモノマー、特に式Vaのモノマーから選択される少なくとも1つのモノマーMと、式VまたはVaのモノマーと異なり、式IIまたはIIaのモノマー単位Bと共重合可能な少なくとも1つのさらなる従来のモノマーM’(コモノマーM’)とを含む。当該コモノマーは、例えば、ホルムアルデヒド、またはパラホルムアルデヒドもしくはトリオキサンなどのホルムアルデヒド前駆体であってもよい。
【0067】
本発明のさらなる実施形態において、二連モノマーは、同一の、または異なるアリール基、特にフェニル基に結合された平均で少なくとも2つのトリアルキルシリルオキシメチル基および/またはアリールジアルキルシリルオキシメチル基を有する芳香族化合物から選択される。この文脈におけるアルキルは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、特にメチルまたはエチルである。この文脈におけるアリールは、フェニルまたはナフチル、特にフェニルである。トリアルキルシリルオキシメチル基の1つの例は、トリメチルシリルオキシメチル((H3C)3Si−O−CH2−)である。アリールジアルキルシリルオキシメチル基の1つの例は、ジメチルフェニルシリルオキシメチル(フェニル(H3C)2Si−O−CH2−)である。この場合、トリアルキルシリルオキシメチル基および/またはアリールジアルキルシリルオキシメチル基が結合したアリール環はさらなる置換基、例えば、メトキシなどのC1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルキル、トリアルキルシリルオキシまたはアリールジアルキルシリルオキシを有することができる。より具体的には、当該二連モノマーは、フェノール化合物のフェニル環に結合された少なくとも2つのトリアルキルシリルオキシメチル基および/またはアリールジアルキルシリルオキシメチル基を有する(1つ以上の)フェノール化合物であり、フェノール化合物のOH基は、特にトリアルキルシリル基および/またはアリールジアルキルシリル基でエーテル化されていてもよい。当該化合物を芳香族化合物、特にフェノール化合物をヒドロキシメチル化した後にトリアルキルハロシランまたはアリールジアルキルハロシランと反応させることによって製造することが可能であり、フェノール性出発材料の場合は、ヒドロキシメチル基だけでなく、フェノール性OH基も対応するシリルエーテルに変換される。芳香族化合物の例は、特に、フェノール、クレゾールおよびビスフェノールA(=2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)などのフェノール化合物である。
【0068】
同一の、または異なるアリール基、特にフェニル環に結合された平均で少なくとも2つのトリアルキルシリルオキシメチル基および/またはアリールジアルキルシリルオキシメチル基を有する前記芳香族化合物を互いに共重合させることができる。この場合、選択される化合物は、親芳香族が異なる化合物である。同一の、または異なるアリール基、特にフェニル環に結合された平均で少なくとも2つのトリアルキルシリルオキシメチル基および/またはアリールジアルキルシリルオキシメチル基を有する芳香族化合物を、式II、IIaまたはII’もしくはII’aのモノマー、あるいは式IVまたはVもしくはVaの化合物とともに共重合させることが好ましい。
【0069】
本発明による方法における重合条件は、モノマー単位AおよびBが、モノマーMの重合の過程で同期的に重合するように選択される。「同期的に」という用語は、第1および第2のモノマー単位が同じ速度で進行することを必ずしも意味するものでない。それよりも、「同期的」は、第1および第2のモノマー単位の重合が動力学的に連結し、同じ重合条件によって誘発されることを意味する。
【0070】
モノマーM、特に以上に定義されている式I、II、IIa、III、IIIa、IV、V、Va、VIおよびVIaのモノマーを先行技術に記載されている方法と同様にして実施することができ、特にプロトン性触媒を用いて、または非プロトン性ルイス酸の存在下で実施する。ここで好適な触媒とは、ブレンステッド酸、例えば有機カルボン酸、例えばトリフルオロ酢酸または乳酸、あるいはメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはトルエンスルホン酸などの有機スルホン酸である。HCl、H2SO4またはHClO4などの無機ブレンステッド酸も好適である。使用するルイス酸は、例えば、BF3、BCl3、SnCl4、TiCl4またはAlCl3であってもよい。錯体の形で結合したルイス酸、またはイオン性液体に溶解したルイス酸の使用も可能である。酸は、モノマーに基づいて一般には0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%である。
【0071】
重合をバルクで、または好ましくは不活性希釈剤にて実施することができる。好適な希釈剤は、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、またはトルエン、キシレンもしくはヘキサンなどの炭化水素、およびそれらの混合物である。
【0072】
好ましくは、式Iのモノマーの重合は、実質的に水の不在下で行われる。すなわち、重合開始時の水の濃度は、0.1質量%未満である。したがって、式Iの好適なモノマーは、重合条件下で水を除去しないモノマーである。これらは、式II、IIa、IIIおよびIIIaのモノマーを含む。
【0073】
重合温度は、一般には0〜150℃の範囲、特に20〜100℃の範囲である。
【0074】
モノマーMの共重合に続いて、精製工程、および場合により乾燥工程が実施されてもよい。
【0075】
モノマーMの共重合に続いて、焼成が実施されてもよい。この過程において、モノマー単位Bの重合で形成された有機ポリマー材料を炭化して炭素相を形成する。
【0076】
モノマーMの共重合に続いて、有機ポリマー相の酸化除去が実施されてもよい。この過程において、モノマー単位Bの重合の過程で形成された有機ポリマー材料を酸化して、ナノ多孔性酸化物または窒化物材料を得る。
【0077】
本発明による方法によって得られるナノ複合材料は、モノマー単位Aの重合から得られる少なくとも1つの無機または有機金属ポリマー相、およびモノマー単位Aの重合から得られる少なくとも1つの有機ポリマー相を有する。そのようにして得られた複合材料における相領域の寸法は、数ナノメートルの範囲である。加えて、無機相または有機金属相の相領域および有機相の相領域は、共連続配列を有する。すなわち、有機相および無機相または有機金属相の双方が互いに貫通し、不連続領域を実質的に形成しない。隣接する相界面の間の距離、または隣接する同一の相の領域の間の距離は、極めて小さく、平均して10nm以下、好ましくは5nm以下、特に2nm以下である。特定の相の不連続領域に巨視的に認識可能な隔たりはない。
【0078】
隣接する同一の相の間の距離は、例えば、有機ポリマー相の領域によって互いに隔てられた無機相または有機金属相の2つの領域の間の距離、または無機相または有機金属相の領域によって互いに隔てられた有機ポリマー相の2つの領域の間の距離を指すものと理解される。隣接する同一の相の領域の間の平均距離を、散乱ベクトルqを介する複合小角X線散乱(SAXS)によって測定することができる(20℃における透過率の測定、単色化CuKα放射、二次元検出器(画像プレート)、スリットコリメーション)。
【0079】
「連続相領域」、「不連続相領域」および「共連続相領域」という用語に関しては、W.J.Work et al.Definitions of Terms Related to Polymer Blends,Composites and Multiphase Polymeric Materials,(IUPAC Recommendations 2004),Pure Appl.Chem.,76(2004),p.1985−2007、特にp.2003も参照される。これによれば、二成分混合物の共連続配列は、各相の1つの領域内で、経路が相領域境界を横切ることなく、連続的な経路によって相領域境界のすべての領域を互いに接続することができる2つの相の相分離配列を指すものと理解される。
【0080】
発明のナノ複合材料において、有機相および無機相または有機金属相が実質的に共連続相を形成する領域は、TEMとSAXSの併用によって測定される場合にナノ複合材料の少なくとも80容量%、特に90容量%を占める。
【0081】
発明のナノ複合材料の有機構成成分を酸化除去することにより、それ自体既知の方法で、発明のナノ複合材料をナノ多孔性無機材料に変換することができる。この過程において、発明のナノ複合材料で得られた無機相のナノ構造が維持され、これにより、選択されるモノマーに応じて、(半)金属Mの窒化物もしくは酸化物、または混合体が得られる。酸化は、冒頭で引用したSpangeらによる記事に記載されているように、典型的には酸素雰囲気での焼成によって実施される。当該材料は、新規であり、同様に本発明の主題の一部を構成する。概して、焼成は、400〜1500℃の範囲、特に500〜1000℃の範囲の温度で酸素を導入することにより実施される。焼成は、典型的には酸素雰囲気、例えば空気または他の酸素/窒素混合物中で実施され、酸素の容量比率は、広範囲にわたって変更され、例えば、5〜50容量%の範囲である。
【0082】
発明のナノ複合材料を、(半)金属Mの(半)金属酸化物または窒化物の無機相に加えて、炭素相Cを有する電気的に活性のナノ複合材料に変換することもできる。当該材料は、酸素を実質的または完全に排除しつつ、本発明に従って得られるナノ複合材料を焼成することによって得られる。したがって、本発明は、酸素を実質的または完全に排除しつつ、共重合によって得られた発明のナノ複合材料を焼成することによって得られる、
a)炭素相Cと、
b)(半)金属Mの(半)金属酸化物または窒化物の少なくとも1つの無機相と
を含む炭素含有ナノ複合材料に関する。
【0083】
炭素含有ナノ複合材料において、炭素相Cおよび無機相は、実質的に共連続相領域を形成し、同一の相の2つの隣接領域の間の平均距離は、一般に10nm以下である。
【0084】
概して、焼成は、400〜1500℃の範囲、特に500〜1000℃の範囲の温度で実施される。
【0085】
次いで、焼成は、典型的には酸素を実質的に排除しつつ実施される。換言すれば、焼成が実施される反応域における酸素分圧は、焼成を通じて低く、好ましくは20mbar以下、特に10mbar以下である。焼成は、好ましくは、不活性ガス雰囲気中、例えば窒素またはアルゴン下で実施される。不活性ガス雰囲気は、好ましくは、1容量%未満、特に0.1容量%未満の酸素を含む。本発明の同様に好適な実施形態において、焼成は、還元条件下、例えば、場合により窒素またはアルゴンなどの不活性ガスとの混合物としての水素(H2)、メタン、エタンもしくはプロパンなどの炭化水素ガス、またはアンモニア(NH3)を含む雰囲気中で実施される。
【0086】
揮発性構成成分を除去するために、不活性ガス流、あるいは水素、炭化水素ガスまたはアンモニアなどの還元ガスを含むガス流の中で焼成を実施することができる。
【0087】
以下の実施例および図は、本発明を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】図1:106の倍率の実施例7のサンプルのHAADF−STEM分析。
【図2】図2:106の倍率の実施例24のサンプルのHAADF−STEM分析。
【図3】図3:106の倍率の実施例26のサンプルのHAADF−STEM分析。
【0089】
I)分析:
共重合で得られたサンプルをTEMによって分析した。(サンプルをマトリックスとしての合成樹脂に埋め込む)超薄層技術を使用して、200kVの使用電圧で、Tecnai F20透過型電子顕微鏡(FEI、Eindhoven、オランダ)によるHAADF−STEMとしてTEM分析を実施した。
【0090】
II)使用したモノマー:
以下のモノマーを使用した。
モノマーA:2,2’−スピロビ[4H−1,3,2−ベンゾジオキサシリン]:製造実施例1;
モノマーB:2,2−ジメチル[4H−1,3,2−ベンゾジオキサシリン]:Tetrahedron Lett.24(1983)1273;
モノマーC:2,2−ジメチル[4−オキソ−1,3,2−ベンゾジオキサシリン]:Chem.Ber.96,1561;
モノマーD:2−メチル−2−ビニル[4−オキソ−1,3,2−ベンゾジオキサザシリン]:製造実施例2;
モノマーE:2,2−ジフェニル[4H−1,3,2−ベンゾジオキサシリン]:J.Organomet.Chem.71(1974)225;
モノマーF:2,2−ジn−ブチル[4H−1,3,2−ベンゾジオキサスタニン]:Bull.Soc.Chim.Belg.97(1988)873;
モノマーG:2,2−ジメチル[4−メチリデン−1,3,2−ベンゾジオキサシリン]:J.Organomet.Chem.,244,C5−C8(1983);
モノマーH:ビス(4H−1,3,2−ベンゾジオキサボリン−2−イル)オキシド:Bull.Chem.Soc.Jap.51(1978)524;
モノマーI:2,2−スピロビ[4H−1,3,2−ベンゾジオキサボリン]:Bull.Chem.Soc.Jap.51(1978)524;
モノマーK:2,2−ビス[4−トリメチルシリルオキシ−3,5−ビス(トリメチルシリルオキシメチル)フェニル]プロパン(製造実施例3);
モノマーL:ビス(トリメチルシリルオキシメチル)(トリメチルシリルオキシ)ベンゼン(製造実施例4);
モノマーM:2,2’−スピロビ[6H−1,3,2−ジオキサシリン]Makrom.Chem.11(1953)51;
モノマーN:テトラフルフリルオキシシラン:Angew.Chem.Int.Ed.,46(2007)628;
モノマーO:ジフルフリルオキシジメチルシラン:Angew.Chem.Int.Ed.,46(2007)628;
モノマーP:オルトチタン酸テトラフルフリル:Adv.Mater.2008,20,4113;(該化合物は、四量体化して、モノマーPとして使用される(μ4−オキシド)−ヘキサキス(m−フルフリルオキソ)−オクタキス(フルフリルオキシ)テトラチタンになる。
【0091】
III)製造実施例
製造実施例1:2,2’−スピロビス[4H−1,3,2−ベンゾジオキサシリン](モノマーA)
135.77gのサリチルアルコール(1.0937mol)を85℃でトルエンに溶解させた。続いて、83.24g(0.5469mol)のテトラメトキシシラン(TMOS)を徐々に滴加し、TMOSの3分の1を滴加した後、0.3mlのフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(THF中1M)をシリンジによりすべて一回で導入した。混合物を85℃で1時間撹拌し、次いでメタノール/トルエン共沸混合物を(63.7℃で)蒸留除去した。残留するトルエンをロータリーエバポレータで除去した。得られた反応混合物から生成物を約70℃でヘキサンにより除去した。20℃まで冷却した後、透明な溶液をデカント除去した。ヘキサンを除去した後、表題の化合物が白色固体として残った。ヘキサンを用いた再沈殿によって、生成物をさらに精製して不純物を除去することができる。
【0092】

【0093】
製造実施例2:2−メチル−2−ビニル[4−オキソ−1,3,2−ベンゾジオキサザシリン](モノマーD)
テトラメトキシシランの代わりにジメトキシメチルビニルシランを使用することを除いては、モノマーAの製造についての製造実施例に示されている方法と同様にして製造を実施した。これにより、透明な油状液が得られた。
【0094】

【0095】
製造実施例3:2,2−ビス[4−トリメチルシリルオキシ−3,5−ビス(トリメチルシリルオキシメチル)−フェニル]プロパン(モノマーK)
a)2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3,5−ジ(ヒドロキシメチル)フェニル)]プロパン
最初に、114.4gのビスフェノールA(2,2−ビス[4−ヒドロキシフェニル)])プロパン)を450gの水と50gのNaOHとの混合物に充填した。(Tmax=25℃で)冷却しながら、350gの30%ホルムアルデヒド溶液を滴加した。室温で反応を1時間継続した後、透明溶液を得た。固体CO2を添加することによって混合物を中和させた。得られた溶液を塩化ナトリウムで飽和させ、ブタノールで3回抽出した。5mbarに減圧して50℃にてロータリーエバポレータにより抽出物を濃縮した。これにより、無色の油が得られ、それをさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0096】

【0097】
b)2,2−ビス[4−トリメチルシリルオキシ−3,5−ビス(トリメチルシリルオキシメチル)フェニル]プロパン
最初に、95gの2,2−ビス[4−ヒドロキシ−3,5−ジ(ヒドロキシメチル)フェニル)]プロパンおよび160.9gのN−メチルイミダゾールを400mlのトルエンに充填した。(約25〜30℃で)撹拌および冷却しながら、2時間以内で213.3gのトリメチルクロロシランを導入した。反応終了後、混合物を70分間にわたって90℃に加熱した。冷却後、不溶物を反応混合物から除去し、反応混合物を濃縮した。これにより、結晶化する淡色油154gを得た。
【0098】

【0099】
製造実施例4:ビス(トリメチルシリルオキシメチル)(トリメチルシリルオキシ)ベンゼン(モノマーL)
a)ビス(ヒドロキシメチル化)フェノール
28gのNaOHを180mlの水に溶解させ、58.2gのフェノールを添加した。撹拌して氷浴で冷却しながら、180gのホルムアルデヒド溶液(30%水溶液)を2時間以内で導入した。混合物を固体CO2で中和した。
【0100】
得られた溶液を塩化ナトリウムで飽和し、ブタノールで3回抽出した。5mbarに減圧して50℃にてロータリーエバポレータにより抽出物を濃縮した。このようにして、ビス(ヒドロキシメチル化)フェノールを無色油として得た。
【0101】

【0102】
これは、2.3HO−CH2−基/芳香族の置換度に対応する。
【0103】
b)ビス(トリメチルシリルオキシメチル)(トリメチルシリルオキシ)ベンゼン(ヒドロキシメチル化フェノールのトリメチル珪酸塩)
最初に、41gのヒドロキシメチル化フェノールおよび68gのN−メチルイミダゾールを200mlのトルエンに充填した。撹拌して(約25〜30℃に)冷却しながら、90gのトリメチルクロロシランを2時間以内で導入した。冷却後、不溶物を反応混合物から除去し、反応混合物を濃縮した。これにより、淡色油を得た。
【0104】

【0105】
製造実施例5:トリフルフリルオキシボラン(モノマーQ)
最初に、50ml(0.58mol)のフルフリルアルコールを21.4ml(0.192mol)のトリメチルボレートとともに、電磁撹拌機、還流凝縮器、蒸留システム、スパイダおよび受器を備えた250mlフラスコに充填した。0.5gのKOHをそれに添加した。反応混合物を25℃で2時間撹拌し、次いで油浴温度の100℃まで徐々に昇温させ、形成されたメタノールを蒸留除去した。圧力を段階的に5mbarまで下げ、すべての副産物を蒸留除去した。溶液をクーゲルロール蒸留装置に移し、最終的に198℃および0.4mbarで生成物を得た。収量:28ml(55%)。
【0106】

【0107】
IV)共重合実施例:
実施例1〜10:共重合の概要
一般的方法:疎水化された20mlのペニシリンボトルに3.5gのモノマー混合物、および0.175gのトルエンに溶解した0.035gのトリフルオロ酢酸を充填した。次いで、混合物をホモジナイズし、ボトルを樹脂キャップで密閉し、重合時間にわたって85℃に加熱される加熱キャビネットに導入した。モノマー混合物の組成および重合時間、ならびに重合生成物の外観を第1表に示す。
【0108】
第1表
【表1】

【0109】
実施例6〜10で得られた固体をTEMによって分析したところ、それぞれが、相互貫通相構造を有する無機および有機相のナノ分散分布を示した。隣接する領域の間の距離は、5nmを十分に下回っている。
【0110】
実施例11〜22:共重合の概要
一般的方法Iと同様にして、4gのモノマーAと1gのコモノマーとの混合物を85℃で16時間共重合した。重合生成物のコモノマーおよび外観を第2表に示す。
【0111】
第2表
【表2】

【0112】
実施例23および24:従来のコモノマーとしてジメトキシメタンを用いた共重合の概要
一般的方法Iと同様にして、従来のコモノマーとしての0.08gのジメトキシメタンおよび触媒としての0.02gのトリフルオロ酢酸を添加することによりモノマーAとモノマーBの混合物を85℃で16時間にわたって共重合した。コモノマーの量を第3表に示す。いずれの場合も固体が得られた。
【0113】
実施例23および24で得られた固体をTEMによって分析したところ、それぞれが、相互貫通相構造を有する無機および有機相のナノ分散分布を示した。隣接する領域の間の距離は、5nmを十分に下回っている。
【0114】
第3表
【表3】

【0115】
実施例25および26:触媒として乳酸を用いた共重合の概要
一般的方法:疎水化された20mlのペニシリンボトルに3.5gのモノマー混合物を充填し、乾燥キャビネットにて90℃で溶融させた。50mgの乳酸をそれに添加した。ボトルを密封キャップで密閉し、16時間にわたって90℃に加熱される加熱キャビネットに導入した。モノマー混合物の組成を第4表に示す。いずれの場合も固体が得られた。
【0116】
実施例25および26で得られた固体をTEMによって分析したところ、それぞれが、相互貫通相構造を有する無機および有機相のナノ分散分布を示した。隣接する領域の間の距離は、5nmを十分に下回っている。
【0117】
第4表
【表4】

【0118】
実施例27〜30:溶媒からの沈殿共重合
一般的実験方法:5gのモノマー混合物を50mlのトルエンに溶解させた。5質量%の(1Mトルエン溶液としての)無水トリフルオロスルホン酸を23℃で添加することによって重合を開始した。開始剤の添加直後、かなりの熱の発生とともに淡黄色から褐色への変色が認められた。15分以内にゲル化が始まった。10〜14時間後に反応混合物を23℃で濾過し、固体を40℃にて減圧下で一定質量まで乾燥させた。暗褐色から黒/緑色粉末を高収率(ほぼ定量的収率)で得た。使用したモノマー混合物を第5表に示す。
【0119】
第5表:使用したモノマー混合物:
【表5】

【0120】
V)酸素の導入を伴う熱処理によるハイブリッド材料の熱分解
実施例31〜34:酸素の導入下でのハイブリッド材料の熱処理
実施例27〜30で得られたハイブリッド材料を10時間にわたって600℃(加熱速度:4K/分、大気)で熱処理した。0.8%未満の炭素(元素分析)を含む白色の材料を得た。チタン含有量および(DIN66131によるN2物理吸着によって測定した)BET表面積を第6表に示す。
【0121】
第6表:
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1つの無機相または有機金属相と、
b)有機ポリマー相と
からナノ複合材料を製造するための方法であって、
− 金属または半金属Mを含む少なくとも1つの第1の重合性モノマー単位Aと、
− 共有化学結合を介して重合性単位Aに結合された少なくとも1つの第2の重合性有機モノマー単位Bと
を有する少なくとも1つのモノマーを、重合性モノマー単位Aおよび重合性単位Bの双方がAとBの結合を破壊しつつ重合する重合条件下で重合させることを含み、
重合されるモノマーが、第1のモノマーM1と、少なくともモノマー単位AおよびBの一方においてモノマーM1と異なる少なくとも1つの第2のモノマーM2とを含むか、あるいは
重合されるモノマーが、重合される少なくとも1つのモノマーに加えて、該モノマーとは異なる、モノマー単位Aを有さず、モノマー単位Bと共重合可能な少なくとも1つのさらなるモノマーを含む、前記方法。
【請求項2】
モノマー単位Aの金属または半金属は、B、Al、Si、Ti、Zr、Hf、Ge、Sn、Pb、V、As、Sb、Biおよびそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
金属または半金属Mは、Mの全量に基づいて少なくとも90モル%までの珪素を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのモノマー単位Aおよび少なくとも1つのモノマー単位Bを有する、重合されるモノマーは、第1のモノマーM1と、少なくともモノマー単位AおよびBの一方においてモノマーM1と異なる少なくとも1つの第2のモノマーM2とを含み、モノマーM1とM2のモル比は、互いに、5:95〜95:5の範囲である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのモノマー単位Aおよび少なくとも1つのモノマー単位Bを有する、重合されるモノマーは、第1のモノマーM1と、少なくともモノマー単位AにおいてモノマーM1と異なる少なくとも1つの第2のモノマーM2とを含む、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのモノマー単位Aおよび少なくとも1つのモノマー単位Bを有するモノマーは、一般式I:
【化1】

[式中、
Mは、金属または半金属であり、
1、R2は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれAr−C(Ra、Rb)基であり、Arは、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択される1つまたは2つの置換基を場合により有する芳香族または複素芳香族環であり、Ra、Rbは、互いに独立して、水素またはメチルであり、あるいは一緒になって酸素原子またはメチリデン基(=CH2)であり、あるいは
1QおよびR2G基は、ともに式A:
【化2】

の基であり、Aは、二重結合に縮合された芳香族または複素芳香族環であり、mは、0、1または2であり、R基は、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択され、Ra、Rbは、以上に記載されている通りであり、
Gは、O、SまたはNHであり、
Qは、O、SまたはNHであり、
qは、Mの原子価および電荷に応じて0、1または2であり、
X、Yは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれO、S、NHまたは化学結合であり、
1’、R2’は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれC1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、アリールまたはAr’−C(Ra’、Rb’)−基であり、Ar’は、Arについて定義されている通りであり、Ra’、Rb’は、それぞれRa、Rbについて定義されている通りであり、あるいはR1’、R2’は、XおよびYと一緒になって以上に定義されている式Aの基であり、あるいは
Xが酸素である場合は、R1’は、式:
【化3】

の基であってもよく、q、R1、R2、R2’、Y、QおよびGは、それぞれ以上に定義されている通りであり、#は、Xに対する結合を指す]によって表される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのモノマー単位Aおよび少なくとも1つのモノマー単位Bを有する、重合されるモノマーは、一般式II:
【化4】

[式中、
Mは、金属または半金属であり、
AおよびA’は、それぞれ二重結合に縮合された芳香族または複素芳香族環であり、
mおよびnは、互いに独立して、0、1または2であり、
GおよびG’は、同一であるか、または異なっており、互いに独立して、O、SまたはNHであり、
QおよびQ’は、同一であるか、または異なっており、互いに独立して、O、SまたはNHであり、
RおよびR’は、同一であるか、または異なっており、互いに独立して、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択され、
a、Rb、Ra’、Rb’は、互いに独立して、水素およびメチルから選択され、あるいはRaおよびRbおよび/またはRa’およびRb’は、それぞれの場合において一緒になって酸素原子である]の少なくとも1つのモノマーを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのモノマー単位Aおよび少なくとも1つのモノマー単位Bを有する、重合されるモノマーは、第1のモノマーM1と、少なくともモノマー単位AにおいてモノマーM1と異なる少なくとも1つの第2のモノマーM2とを含み、モノマーM1は、式IIのモノマーから選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのモノマー単位Aおよび少なくとも1つのモノマー単位Bを有する、重合されるモノマーは、第1のモノマーM1と、少なくともモノマー単位Aの1つにおいてモノマーM1と異なる少なくとも1つの第2のモノマーM2とを含み、モノマーM1は、式IIのモノマーから選択され、少なくとも1つのさらなるモノマーM2は、式III:
【化5】

[式中、
Mは、金属または半金属であり、
Aは、二重結合に縮合された芳香族または複素芳香族環であり、
mは、0、1または2であり、
qは、Mの原子価および電荷に応じて、0、1または2であり、
Gは、O、SまたはNHであり、
Qは、O、SまたはNHであり、
Rは、互いに独立して、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択され、
a、Rbは、互いに独立して、水素およびメチルから選択され、あるいはRaおよびRbは、一緒になって酸素原子またはメチリデン基であり、
c、Rdは、同一であるか、または異なっており、それぞれC1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキルおよびアリールから選択される]のモノマーから選択される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのモノマー単位Aおよび少なくとも1つのモノマー単位Bを有する、重合されるモノマーは、第1のモノマーM1と、少なくともモノマー単位Aの1つにおいてモノマーM1と異なる少なくとも1つの第2のモノマーM2とを含み、モノマーM1は、式IIのモノマーから選択され、少なくとも1つのさらなるモノマーM2は、同一であるか、または異なるフェニル環に結合された少なくとも2つのトリアルキルシリルオキシメチル基および/またはアリールジアルキルシリルオキシメチル基を有する芳香族化合物から選択される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのモノマー単位Aおよび少なくとも1つのモノマー単位Bを有する、重合されるモノマーは、第1のモノマーM1と、モノマー単位Bおよび場合によりAにおいてモノマーM1と異なる少なくとも1つの第2のモノマーM2とを含み、モノマーM1は、式IIのモノマーから選択され、少なくとも1つのさらなるモノマーM2は、式IV:
【化6】

[式中、
Mは、金属または半金属であり、
Ar、Ar’は、同一であるか、または異なっており、それぞれ、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択される1つまたは2つの置換基を場合により有する芳香族または複素芳香族環であり、
a、Rb、Ra’、Rb’は、互いに独立して、水素およびメチルから選択され、あるいはRaおよびRbおよび/またはRa’およびRb’は、それぞれの場合において、一緒になって酸素原子であり、
qは、Mの原子価に応じて、0、1または2であり、
X、Yは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれO、S、NHまたは化学結合であり、
1’、R2’は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれC1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、アリールまたはAr’’−C(Ra’’、Rb’’)−基(Ar’はArについて定義されている通りであり、Ra’’、Rb’’は、それぞれRa、Rbについて定義されている通りである)であり、あるいはR1’、R2’は、XおよびYと一緒になって、以上に定義されている式Aの基である]のモノマーから選択される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのモノマー単位Aおよび少なくとも1つのモノマー単位Bを有する、重合されるモノマーは、請求項11に定義されている一般式IVの少なくとも1つのモノマーを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのモノマー単位Aおよび少なくとも1つのモノマー単位Bを有する、重合されるモノマーは、一般式V:
【化7】

[式中、
Mは、金属または半金属であり、
Ar、Ar’は、同一であるか、または異なっており、それぞれ、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択される1つまたは2つの置換基を場合により有する芳香族または複素芳香族環であり、
a、Rb、Ra’、Rb’は、互いに独立して、水素およびメチルから選択され、あるいはRaおよびRbおよび/またはRa’およびRb’は、それぞれの場合において、一緒になって酸素原子であり、
qは、Mの原子価に応じて、0、1または2である]の少なくとも1つのモノマーを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つのモノマー単位Aおよび少なくとも1つのモノマー単位Bを有する、重合されるモノマーは、第1のモノマーM1と、少なくともモノマー単位AにおいてモノマーM1と異なる少なくとも1つの第2のモノマーM2とを含み、モノマーM1は、式Vのモノマーから選択され、少なくとも1つのさらなるモノマーM2は、(半)金属MにおいてモノマーM1と異なる式Vのモノマーから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのモノマー単位Aおよび少なくとも1つのモノマー単位Bを有する、重合されるモノマーは、第1のモノマーM1と、モノマー単位AおよびBにおいてモノマーM1と異なる少なくとも1つの第2のモノマーM2とを含み、モノマーM1は、式Vのモノマーから選択され、少なくとも1つのさらなるモノマーM2は、請求項9に定義されている式IIIのモノマーから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つのモノマー単位Aおよび少なくとも1つのモノマー単位Bを有する、重合されるモノマーは、第1のモノマーM1と、少なくともモノマー単位AにおいてモノマーM1と異なる少なくとも1つの第2のモノマーM2とを含み、モノマーM1は、式Vのモノマーから選択され、少なくとも1つのさらなるモノマーM2は、式VI:
【化8】

[式中、
Mは、金属または半金属であり、
Ar、Ar’は、同一であるか、または異なっており、それぞれ、ハロゲン、CN、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシおよびフェニルから選択される1つまたは2つの置換基を場合により有する芳香族または複素芳香族環であり、
a、Rb、Ra’、Rb’は、互いに独立して、水素およびメチルから選択され、あるいはRaおよびRbおよび/またはRa’およびRb’は、それぞれの場合において、一緒になって酸素原子であり、
qは、Mの原子価に応じて、0、1または2であり、
c、Rdは、同一であるか、または異なっており、C1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキルおよびアリールから選択される]のモノマーから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法によって得られるナノ複合材料。
【請求項18】
請求項17に記載の複合材料から有機構成成分を酸化除去することによって得られる(半)金属Mの(半)金属酸化物または窒化物をベースとするナノ多孔性無機材料。
【請求項19】
酸素を実質的または完全に排除しつつ、請求項17に記載の複合材料を焼成することによって得られる、
a)炭素相Cと、
b)(半)金属Mの(半)金属酸化物または窒化物の少なくとも1つの無機相と
を含む炭素含有ナノ複合材料。
【請求項20】
炭素相Cおよび無機相は、実質的に共連続相領域を形成し、同一の相の2つの隣接領域の間の平均距離は最大10nmである、請求項19に記載の炭素含有ナノ複合材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−522858(P2012−522858A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502690(P2012−502690)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054404
【国際公開番号】WO2010/112581
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】