説明

複合材料及び構造における及び関連する改良

本発明は、複合構成材、構造、及び複合構成材を生成するための方法を提供し、複合構成材は、負の実効ポアソン比を有し、第1の構成材及び第2の構成材を含み、第1の構成材及び第2の構成材は、軸に対して長手方向に延在し、第1の構成材は、1つ以上の巻回を介して第2の構成材の周りに設けられ、1つ以上の巻回は、軸に対して長手方向に間隔があけられ、第1の構成材への張力又は圧縮荷重における変化によって、軸に対する第2の構成材の半径位置が変化する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、特に、オクセティック(auxetic)性を有する(即ち、負又は実効上負のポアソン比を有する)複合材料及び構造である、複合材料及び構造における及び関連する改良と、オクセティック性を有する複合材料を生成する方法と、オクセティック性を有する複合材料の用途に係る。
【0002】
多くの従来の材料とは異なり、オクセティック性を有する材料は、その材料が伸張される軸に対して垂直に拡張する。これは、このような材料に様々な有用な特性を与える。WO00/53830に詳細に説明されるような現行のオクセティック性を有する材料とその材料の生成のための技術は、信頼度が高い方法及び/又は産業化に適したスケールでのオクセティック性を有する材料の生成において大きな問題に面する。更に、このような従来技術の材料は、単一の材料から形成されるので、その結果、制限された特性を有する。本発明は、従来技術の材料及びその生成技術に伴う問題に対処することを目的とする。
【0003】
本発明は特に、改良されたオクセティック性を有する複合材料、オクセティック性を有する複合材料を製造する方法、及びオクセティック性を有する複合材料の用途を提供することを目的とする。製造方法は、産業化規模の生産又は広い範囲のスケールの製造に適することが想定される。本発明は特に、オクセティック性を有する複合材料と、その構造及び特性において信頼度が高く、より広い範囲の材料特性及び使用を提供するそのような材料を生成する方法を提供することを目的とする。
【0004】
本発明の第1の面では、負の実効ポアソン比を有する複合構成材であって、第1の構成材及び第2の構成材を含み、第1の構成材及び第2の構成材は、軸に対して長手方向に延在し、第1の構成材は、1つ以上の巻回を介して第2の構成材の周りに設けられ、1つ以上の巻回は、軸に対して長手方向に間隔があけられ、第1の構成材への張力又は圧縮荷重における変化によって、軸に対する第2の構成材の半径位置が変化する、複合構成材を提供する。
【0005】
本発明の第2の面では、負の実効ポアソン比を有する複合構成材であって、第1の構成材及び第2の構成材を含み、第1の構成材及び第2の構成材は、軸に対して長手方向に延在し、第1の構成材は、1つ以上の巻回を介して第2の構成材の周りに設けられ、第1の構成材は、第2の構成材より高い弾性係数を有し、第1の構成材への張力又は圧縮荷重における変化によって、軸に対する第2の構成材の半径位置が変化する複合構成材を提供する。
【0006】
本発明の第3面では、負の実効ポアソン比を有する複合構成材であって、第1の構成材及び第2の構成材を含み、第1の構成材及び第2の構成材は、軸に対して長手方向に延在し、第1の構成材を、第2の構成材の周りにヘリカルに設け、第1の構成材への張力又は圧縮荷重における変化によって、第1の構成材のヘリックスの直径が変化し、第1の構成材のヘリックスの直径における変化によって、第2の構成材がヘリックス形状となり、及び/又は、第2の構成材のヘリックスの直径が変化し、第2の構成材のヘリックスの直径は、第1の構成材のヘリックスの直径が減少すると増加し、第2の構成材のヘリックスの直径は、第1の構成材のヘリックスの直径が増加すると減少する複合構成材を提供する。
【0007】
本発明の第1の及び/又は第2の及び/又は第3の面は、この文書の他の箇所に記載され、特に、以下に示す任意の特徴、選択肢、又は可能性を含んでもよい。
【0008】
ここにて生成される複合構成材及び/又は構造は、任意の負の値のポアソン比を有し得る。システムは、0乃至−5のポアソン比を有し得る。−3乃至−4のポアソン比が特に、与えられ得る。
【0009】
第1の構成材は、特に比較的高いモジュラスの材料の繊維、ロッド、又は中空のチューブであり得る。第1の構成材は、炭素繊維、ガラス繊維、ポリアラミド(例、ケブラー(Kevlar、商標))、ポリアミド(例、ナイロン)、ポリエステル、ポリアルキレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、金属ワイヤ、面、又は他の材料から形成され得る。第1の構成材が形成される材料は、天然又は人工、無機又は有機であってよい。第1の構成材は、例えば、硬化シロキサン膜といった硬化膜によってシールされ得る。第1の構成材が中空のチューブである場合、チューブは、追加の材料を含み得る。
【0010】
第2の構成材は、中間の又は低いモジュラスの材料から構成される繊維、ロッド、又は中空のチューブであり得る。この材料は、破砕することなく変形可能であることが好適である。第2の構成材は、シロキサン、液体シリコーンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、又は天然であっても人工であってもよい任意の他のエラストマー材料から形成され得る。第2の構成材が中空のチューブである場合、チューブは追加の材料を含み得る。追加の材料はオクセティック性を有しても有さなくてもよい。追加の材料は、チューブとは異なる特性を有し得る。
【0011】
第1の構成材は、第2の構成材より高いモジュラスであることが好適である。第1の構成材は、第2の構成材の直径の0.01乃至1倍である直径を有し得る。第1の構成材は、第2の構成材の断面積の0.001乃至1倍の断面積であり得る。
【0012】
第1の構成材及び/又は第2の構成材は、連続材料から形成され得る。第1の構成材及び/又は第2の構成材は、細長いことが好適である。第1の構成材及び/又は第2の構成材は、それらの最大横断寸法又は範囲の少なくとも100倍の長さであり得る。
【0013】
第1の構成材及び第2の構成材から構成される複合構成材の中心に軸が設けられ得る。この軸は、2つ以上の構成材の間に設けられ得る。軸は、コア構成材を通り、特に、コア構成材の中心を通り設けられ得る。その周りには1つ以上の第1の構成材及び/又は第2の構成材が設けられる。
【0014】
第1の構成材の第2の構成材の周りの巻き付けは、カバリング又はワインディングの形で与えられ得る。第1の構成材の第2の構成材の周りの巻き付けは、スパイラル又はヘリックスの形であり得る。スパイラル又はヘリックスは、第2の構成材に沿って一定のピッチを有し得る。ピッチは、軸に対して0乃至90度であり得る。
【0015】
第2の構成材は、第1の構成材が巻き付けられて線形であり得る。第2の構成材が、第1の構成材の周りに巻き付けられてもよい。第2の構成材は、スパイラル又はヘリックスの形であり得る。第1の構成材のスパイラル又はヘリックスのピッチは、第2の構成材のスパイラル又はヘリックスのピッチと同じであり得る。
【0016】
第1の構成材への張力又は圧縮荷重における変化は、軸に沿って又は軸に平行に加えられる荷重における変化であり得る。荷重における変化は、荷重における増加であり得る。荷重における変化は、荷重における減少であり得る。第1の構成材は、その変化を引き起こすためにゼロから荷重値に増加された荷重を有し得る。又は、第1の構成材は、その変化を引き起こすために第1の値から第2のより低い値に減少される荷重を有し得る。荷重は、第1の構成材の両端に加えられるか、及び/又は、中間位置において導入され得る。
【0017】
第2の構成材の半径位置は、軸に対して垂直に測定され得る。半径位置における変化は、荷重が変化されたときの軸に対して第2の構成材の少なくとも一部の移動量における増加であることが好適であり、その変化は特に、荷重が張力荷重であるときは増加であり、荷重が圧縮荷重であるときは減少である。半径方向における変化は、荷重が変化されたときの軸からの第2の構成材の少なくとも一部の移動量における減少であることが好適である。第2の構成材の幾つかの部分の位置は、荷重が変化されたときの移動量増加を特徴としない場合もある。
【0018】
構造は、少なくとも1つの複合構成材の対を含むことが好適である。各複合構成材は、第1の構成材及び第2の構成材を含む。複合構成材の対は、互いに隣接して又は互いに接触して配置され得る。接触は、複合構成材の第1の構成材、及び/又は、複合構成材の第2の構成材の間であり得る。2つ以上の複合構成材が、コア構成材の周りに配置され得る。複合構成材の第1の構成材及び/又は第2の構成材は、コア構成材に隣接又は接触して設けられ得る。
【0019】
バルク構造が、複数の複合構成材を含む単位の繰り返しから形成され得る。コア素子は、複合構成材の間、及び/又は、複数の複合構成材から形成される単位間に設けられ得る。コア構成材は、コア構成材の周りに設けられた2つ以上の複合構成材を有する単位の中心に設けられる。複合構成材は、コア構成材の周りに均等に間隔があけられ得る。各複合構成材は、他のコア構成材に隣接又は接触して設けられ得る。バルク構造は、複数の複合構成材及び複数のコア構成材を含む単位の繰り返しから形成され得る。
【0020】
バルク構造が、各複合構成材が2つ以上の他の複合構成材に隣接又は接触して設けられることによって与えられ得る。平面又は用紙タイプのバルク構造が、互いに沿って第1の複合構成材から形成される単位の繰り返しを設け、更なる複合構成材をどちらかの側部に設けることによって与え得る。コア構成材は、そのような構造において複合構成材間に設けられ得る。各単位は、2つの他の単位に隣接又は接触することが好適である。
【0021】
バルク構造が、各複合構成材が4つの他の複合構成材に隣接又は接触して設けられることによって与えられ得る。バルク構造は、特に、単一のコア構成材の周りに設けられた4つの複合構成材を含む単位から形成され得る。各単位は、4つ又は8つの他の単位に隣接又は接触することが好適である。
【0022】
バルク構造が、各複合構成材が5つの他の複合構成材に隣接又は接触して設けられることによって与えられ得る。バルク構造は、特に、単一のコア構成材の周りに設けられた5つの複合構成材を含む単位から形成され得る。各単位は、5つの他の単位に隣接又は接触して設けられることが好適である。
【0023】
バルク構造は、各複合構成材が6つの他の複合構成材に隣接又は接触して設けられることによって与えられ得る。バルク構造は、6つの複合構成材を含む単位から形成され得る。コア素子が、6つの複合構成材の間に設けられ得る。6つの複合構成材は、コア素子の周りに均等に間隔があけられ得る。各単位は、6つの他の単位に隣接又は接触して設けられることが好適である。
【0024】
単位及びバルク構造における複合構成材を含む隣接複合構成材は、第2の構成材の周りに互いに反対方向に巻き付けられた第1の構成材が与えられ得る。
【0025】
本発明の1つの好適な実施例では、第1の複合構成材及び更なる複合構成材から形成される構造が与えられ、第1の複合構成材は、第2の構成材の周りに1つの方向に巻き付けられた第1の構成材を有し、更なる複合構成材は、第2の構成材の周りにもう1つの方向に巻き付けられた第1の構成材を有する。少なくとも1つの複合構成材は、時計周りに巻き付けられ、少なくとも1つの複合構成材は、反時計回りに巻き付けられ、理想的には、互いに向かい合う2つの複合構成材は、互いに鏡像である。コア素子は、2つ以上の複合構成材の間に設けられ得る。
【0026】
本発明の別の実施例では、2つ以上の複合構成材から形成される構造が与えられ、2つ以上、或いは全ての複合構成材は、第2の構成材の周りに同一の向きで巻き付けられる第1の構成材を有し、従って、複合構成材は、鏡像ではない。コア素子は、2つ以上の複合構成材の間に設けられ得る。
【0027】
構造には、1つ以上のコア構成材が与えられ、特に、コア構成材は、少なくとも2つの複合構成材の間に設けられ得る。コア構成材は、繊維であり得る。コア構成材は、固体又は中空であり得る。中空のコア構成材は、追加の材料を含むか、又は、追加の材料が充填される。第1の構成材及び/又は第2の構成材は、コア素子とは別個であり得る。全ての3つの構成材は、互いから別個であり得る。第1の構成材及び第2の構成材は、互いに亘って構成材の動作がないよう設けられることが好適である。コア構成材は、第1の構成材及び/又は第2の構成材に対してコア構成材の動作がないよう複合構造内に設けられ得る。
【0028】
構造は、1つ以上のマトリクス構成材を含み得る。マトリクス構成材は、シロキサン発泡体、ポリウレタン発泡材、又は他のそのような材料であるか又はこれらを含み得る。マトリクス構成材は、全ての複合構成材、又は、少なくとも第1の構成材及び/又は第2の構成材と接触することが好適である。マトリクス構成材は、第1の構成材上への張力又は圧縮荷重における変化によって変形される、及び/又は、荷重変化によって引き起こされる第2の構成材の動作に抵抗し得る。マトリクス構成材は、荷重変化の前に第2の構成材が占めていた半径位置に第2の構成材を戻すこと助長し得る。マトリクス構成材は、構造及び/又は材料の負のポアソン比、即ち、オクセティック効果を増幅する。
【0029】
張力荷重における増加又は圧縮荷重における減少は、第1の構成材がより直線となり、第2の構成材があまり直線とならなくなるようにすることが好適である。張力荷重における減少又は圧縮荷重における増加は、第1の構成材があまり直線とならず、第2の構成材がより直線となるようにすることが好適である。
【0030】
構造は、例えば、衝撃吸収及び/又は音響吸収用途に適しているようにエネルギーを吸収し得る。構造は、自動車の部品、スポーツ器具、航空宇宙部品、モールド成形された部品、圧電材料、織物、布等に形成されるか又は織り込まれ得る。特に、構造は、自動車のバンパ、自動車のインテリア、自動車及び航空宇宙タイヤ、飛行服用のチューブ、防護服、人工器官及び他の医用使用のための生体適合材料、パッド、ハンドヘルド装置、コンピュータ、通信機器、カメラ等を含む電子装置用のダンピング材料に形成されるか又は織り込まれ得る。
【0031】
構造は、広い表面面積に亘って重い対象又は力を支持することを目的とする張力荷重に関連する用途において効果的であり得る。複合構造は、ウェブ、ベルト、ストラップ、織物、布、タイヤカーカス構成等に形成される又は作り上げられる。
【0032】
本発明の第4の面では、負の実効ポアソン比を有する複合構成材を生成する方法であって、第1の構成材を形成する段階と、第2の構成材を形成する段階と、巻き付け及び/又はスピニング及び/又はカバリング等によって、第1の構成材を、第2の構成材の周りに1つ以上の巻回を介して付す段階とを含み、1つ以上の巻回は、第2の構成材に沿って長手方向に間隔があけられる方法を提供する。
【0033】
本発明の第5の面では、負の実効ポアソン比を有する複合構成材を生成する方法であって、第1の構成材を形成する段階と、第2の構成材を形成する段階と、巻き付け及び/又はスピニング及び/又はカバリング等によって、第1の構成材を、第2の構成材の周りに1つ以上の巻回を介して付す段階とを含み、第1の構成材の弾性係数は、第2の構成材の弾性係数より大きい方法を提供する。
【0034】
本発明の第6の面では、負の実効ポアソン比を有する複合構成材を生成する方法であって、第1の構成材を形成する段階と、第2の構成材を形成する段階とを含み、第1の構成材及び第2の構成材は、軸に対して長手方向に延在し、更に第1の構成材を第2の構成材の周りに、例えば、巻き付け及び/又はスピニング及び/又はカバリングによって、ヘリカル状に付す段階とを含み、第1の構成材への張力又は圧縮荷重における変化によって、第1の構成材のヘリックスの直径が変化し、第1の構成材のヘリックスの直径における変化によって、第2の構成材がヘリックス形状となり、及び/又は、第2の構成材のヘリックスの直径が変化し、第2の構成材のヘリックスの直径は、第1の構成材のヘリックスの直径が減少すると増加し、第2の構成材のヘリックスの直径は、第1の構成材のヘリックスの直径が増加すると減少する方法を提供する。
【0035】
本発明の第4の及び/又は第5の及び/又は第6の面は、この文書の他の箇所に記載され、特に以下に示す任意の特徴、選択肢、又は可能性を含んでもよい。
【0036】
第1の構成材及び/又は第2の構成材及び/又はコア構成材は、例えば、張力を加えるか又は加えないでダイによって押出し成形されるか又は引出し成形され得る。第1の構成材及び/又は第2の構成材及び/又はコア構成材は、紡糸口金又は類似するスパイラルワインディング/カバリング装置によって形成され得る。第2の構成材は、第1の構成材が第2の構成材の周りに巻き付けられる間に伸張されてもよい。
【0037】
第1の構成材及び/又は第2の構成材は形成され、次に、例えば巻き付けることによって付される。第1の構成材は、第1の構成材が形成される最に第2の構成材の周りに付され得る。第1の構成材及び第2の構成材は、複合構成材を形成し得る。2つ以上の複合構成材は、まとめられ得る。複合構成材は、例えば、1つ以上のコア素子の周りにパッキングすることによって構造を形成するようまとめられ得る。
【0038】
この方法は、1つ以上の構成材に対しボイドを充填する段階を与えるか又は与えないマトリクスを含む。ボイドは、繊維及び/又はバルク材料或いはマトリクスで充填され得る。シロキサン発泡体、ポリウレタン発泡体、液体シリコーンゴム、天然ゴム、及び他の合成又は天然材料が、マトリクスを形成する又はボイドフィラーとして作用するよう使用され得る。
【0039】
第1の構成材及び第2の構成材、又は、そこから形成される複合構成材、又は、そこから形成される構造又はバンドルは、構造を生成するよう織り成されるか又はバルク構造を形成するようモールド処理に導入され得る。
【0040】
本発明の様々な実施例を、添付図面を参照しながら説明する。
【0041】
本発明は、オクセティック性を有する材料の改良された構造と生産技術、並びに改良されたオクセティック性を有する材料自体を提供することを目的とする。尚、材料という用語が使用される場合、これには、他の可能性も含めて織物及び繊維も含むと理解すべきである。
【0042】
オクセティック性を有する材料とは、負の実際の又は実効上のポアソン比を有する材料である。即ち、オクセティック性を有する材料を第1の軸に沿って伸張するためにその材料に張力荷重が加えられると、材料は、第1の軸に垂直な第2の軸に沿って拡張する。材料の軸に沿って圧縮荷重が加えられ、その圧縮が、その第1の軸に垂直な第2の軸に沿った幅における減少をもたらすと、材料はオクセティック性を有すると言える。これは、正のポアソン比を示す多くの材料の挙動と対照的である。材料のポアソン比は、長手方向の張力歪みに対する横の収縮歪みの比によって決定される。
【0043】
オクセティック性を有する合成材料は、オープンセルポリマーフォームの機械的変形によって1980年代後半に最初に生成された。その後の技術は、ハニカム型のポリマー材料又はフィブリルによって連結される粒子によって形成される材料を生成することを目的としてきた。
【0044】
ハニカム型のオクセティック性を有するポリマー材料の一例を、図1aに示す。軸X−Xに沿って張力荷重を加えると、ステム1及び3が離れるように動かされる。しかし、この動作によって、ステム5及び7が真っ直ぐになり、従って、ステム9及び11の分離を増加する。結果として、軸X−Xに垂直の軸Y−Yに沿っての材料の範囲が増加する。
【0045】
粒子及びフィブリルに基づいたオクセティック性のポリマー材料の一例を、図1bに示す。これはフィブリル15によって連結される一連の粒子13を与える。フィブリル15は、一般的に、押出し成形及び/又はその後のスピン処理によって粒子13と同じ材料から生成される。ここでも、粒子13a及び13bを軸X−Xに沿って離れるように動かすことによって、フィブリル15a及び15bが真っ直ぐになり、それにより、粒子13c及び13dの分離が増加する。従って、軸X−Xに垂直の軸Y−Yに沿っての材料の範囲における増加が生じる。このような材料は、突固め及び焼結段階を用いてか、又は、WO00/53830に詳しく述べられているように、部分的に融解してその後単一のポリマー材料を押出し成形することによって生成されてきた。
【0046】
オクセティック性を有する材料を生成するために様々な技術が提案されてきており、これらの技術は相当に様々な形式及び負のポアソン比のレベルを有する。しかしながら、多くの場合、生産方法は複雑であり、一般的に、整合性に問題のある非常に少量のオクセティック性を有する材料を生成することにしか適していない。他の場合では、処理の性質、単一の材料から材料を形成するための表面融解及び押出し成形は、従来技術及びこの文書の図1a及び図1bにおけるその図解に示されるよりも構造及び特性において遙かに均等ではないオクセティック性を有する材料をもたらす。粒子の交差連結、不完全なフィブリル構造、非離散的な粒子、及び他の問題に遭遇する。そのような従来技術のオクセティック性を有する材料サンプルを有用な形状又はフォームにすることにも実質的な問題がある。
【0047】
本発明はこれらの問題に取り組み、生成するのが相対的に容易であり、その構造及び特性において整合性があり、感知可能な及び制御可能な負のポアソン比を有し、より複雑及び有用なフォームを形成するのに容易に使用可能であるオクセティック性を有する材料を提供することを目的とする。
【0048】
図2を参照するに、本発明のオクセティック性を有する材料は、実質的に幾つかの構成材から形成される複合構成材である。ここでは、この材料は、部分的に引っ張られた状態にあるよう示す。従来技術のオクセティック性を有する材料とは異なり、本発明の材料は、幾つかの別個の構成材、及び、潜在的に異なる材料種類又は特性を有する別個の構成材から形成される。
【0049】
中心を通されるのは、コア構成材20である。このコア構成材20は、一般的に、構成において線形であり、複合構造のためのコアを与える。コア構成材20は更に、この構造の軸X−Xも決定する。コア構成材20の両側には、第1の構成材22a、22bがある。第1の構成材22a、22bは、第2の構成材24a、24bと併せて設けられる。どちらの場合も、第1の構成材22は、第2の構成材24の周りにスパイラル状に巻き付けられる。即ち、第1の構成材22は、構成材22及び24に沿って進むと、第2の構成材24の周囲の様々な部分に接触する。この巻き付けの結果、第1の構成材22は、軸X−Xに沿っての位置によって異なる、軸X−Xに対する変位の程度を少なくとも有する。従って、位置28では、変位は、位置26におけるより大きい。
【0050】
軸X−Xに対するもう一方の第1の構成材22bの変位の程度は、軸X−Xに沿っての同じ位置26、28等に対しては同じ程度であるが、変位の方向は、軸X−Xに対して反対の方向であり得る。従って、第1の構成材22の部分30は互いに近く、第1の構成材22の部分32は相対的に離れている。このことは、第1の構成材22a、22bを第2の構成材24a、24bの周りに反対方向に巻き付けることによって実現される。
【0051】
図示する場合では、第1の構成材22及び第2の構成材24の両方が、軸X−Xに沿っての位置によって異なる軸X−Xに対する変位を有する。従って、複合構成材全体は、所与のサイズの隙間34を与える。
【0052】
全体的な形は、図4の軸X−Xに沿って見る概略的な断面図において見ることができる。この断面図では、第1の構成材22は点Aにおいて開始し、第2の構成材24のもう一方の内側を下がって点Cに進む前に、上に進み、第2の構成材24を越えて、点Bに進む。コア素子の両側には鏡像がある。第1の構成材22の完全な遷移及び第2の構成材24の完全な範囲は図示していない。
【0053】
使用時、図3に示すように、張力荷重が、軸X−Xと平行に複合構成材の第1の構成材22に加えられると、この荷重は、第1の構成材22をそのヘリカル構成からより真っ直ぐな又は直線の構成にする。図3では、コア構成材20は依然として複合構成材の中心を占め、また、第1の構成材22は依然として第2の構成材24の周りに巻き付けられている。しかし、第1の構成材22を真っ直ぐにすることによって、第2の構成材24によって形成されるヘリックスの直径における増加がもたらされる。第2の構成材24の軸X−Xからの変位のレベルは、複合構成材の軸Y−Yに沿っての全体の範囲を相当に増加するという最終的な効果を有する。隙間34のサイズも相当に増加する。
【0054】
第1の構成材22及び第2の構成材24の両方に対するヘリックス形状の代替として、線形の第2の構成材24と、巻き付けられ、変位が長さに沿って異なる第2の構成材22とを用いて機能する複合構成材を提供してもよい。この形は図示しない。この場合、張力荷重の付加は、ここでも、第1の構成材22を真っ直ぐにし、従って、第2の構成材24が線形からヘリックス形状に動かされる。ここでも、張力荷重の方向に垂直な範囲における増加が生じる。
【0055】
コア構成材20、第1の構成材22、及び第2の構成材24の様々な相対寸法を図2、3、及び4に示すが、非常に様々に異なる寸法が、絶対的な意味でも様々な構成材の互いに対する相対寸法でも可能である。
【0056】
本発明の1つの好適な実施例では、コア構成材20は、それ自体が更なるオクセティック性を有する構成材又は構造であるが、中間の又は低いモジュラスを有するエラストマーロッドであってもよい。コア構成材が破砕することなく変形可能であることが好適である。好適な材料としては、シロキサン、液体シリコーンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、又は自然或いは人工であってよい任意の他のエラストマー材料が挙げられる。コア構成材が中空のチューブである場合、チューブは、オクセティック性を有しても有さなくてもよい追加の材料を含み得、また、この追加の材料は、チューブとは異なる特性を有してもよい。第1の構成材は、高い弾性係数を有することが好適であり、例えば、炭素繊維、ケブラー(Kevlar:商標)、ガラス繊維、又はワイヤである。第2の構成材も本質的にエラストマーであることが好適である。しかし、非常に広い範囲の材料を、結果の複合構造の所望の特性、用途、及びスケールに依存して採用することが可能である。更なる可能性を、この文書の後半に記載する。
【0057】
図2、3、及び4の複合構成材は、事実上、そこからより大きい構造又は製品を形成可能な構造である。
【0058】
図5には、代替の構造を断面端面図で示す。この構造は、図2、3、及び4において上述した構造の拡大バージョンであり、本発明の1つの形であり同様の原理を使用する。この場合、構造は、中心のコア構成材20を特徴とするが、コア構成材20の周囲に均等に配置された6個の第2の構成材24が設けられる。第2の構成材24のそれぞれには、第1の構成材22が巻き付けられる。ここでも、第1の構成材の、構造の中心に沿って延在する軸からの変位の程度は、軸に沿って同じ位置にある第1の構成材のそれぞれについて同じである。各構成材の変位の方向は、軸から半径方向に離れる。この構造の場合、張力荷重の付加は、コア構成材20から半径方向に離れる全方向における拡大をもたらす。類似する構成を、6個より多い又は少ない第1の構成材及び第2の構成材の組み合わせを用いて構成することも可能である。
【0059】
図2、3、4、及び5に関連して説明した構図は、負のポアソン比を有する材料を提供するが、本発明の最も有用な形は、例えば、織物、用紙、織り製品、不織り製品を形成するためにそのような単位からの仕上げされた製品の形成から生じる。これらには、複数の上述したタイプの構造又は他のそのような構造の使用が関連する。
【0060】
図6に示す場合では、各コア構成材20は、4個の第1の構成材22及び4個の第2の構成材24によって囲まれる。第1の構成材及び第2の構成材は互いに巻き付けられ、それにより上述した組み合わせを与える。4個の組み合わせは、コア構成材20の周りに均等に位置付けられる。このように多数の構造を設けることにより、体心格子が形成される。
【0061】
図7に示す場合では、各コア素子20は、6個の第1の構成材22及び第2の構成材24の組み合わせに囲まれる。ここでも6個の組み合わせは、コア構成材20の周りに均等に配置され、その結果、最密構成を与える。類似する構成を、6個より多い又は少ない第1の構成材及び第2の構成材の組み合わせを用いて構成することも可能である。
【0062】
これらの及び他の充填パターンは、その挙動がオクセティック性を有する実質的な構造が生成されることを可能にする。最も重要なことには、従来の生産技術と比較した時に、オクセティック性を有する構造は幾つかの構成材から組み立てられるので、オクセティック性を有する構造は、実施することが相対的に簡単である現行の機器設計の変形を用いた大量生産に非常に適していることである。例えば、コア構成材を押出し成形し、第1の構成材及び第2の構成材の組み合わせを作成するために紡糸口金を使用することが可能である。所望の形のための多数の第1の構成材及び第2の構成材の組み合わせは、コア構成材の周りに組み立てることが可能である。このように与えられる多数の組み合わせの組み立ては、所望のバルク構造を与える。
【0063】
コア構成材、第1の構成材、及び第2の構成材から生成される材料複合に加えて、補足材料を含むことも可能である。好適な形では、構造のオクセティック性は、構造におけるボイドをシロキサン発泡体、ポリウレタン発泡体、又は他の低弾性係数材料を充填することによって補われる。更なる構成材又はエラストマーロッドをボイド内に含むことが可能である。形成された製品へのそのような材料の導入も、産業規模の処理を用いて可能である。
【0064】
尚、図2、3、及び4に示す本発明の形は、歪みの軸に垂直な構造の範囲を増加するようその歪ませられた構造を説明する。材料が予め歪ませられ又は予め張力がかけられ、そして、そのオクセティック性を、歪み/張力が解放された時、及び/又は、圧縮力が加えられた時に、示すことも全く可能である。
【0065】
そのような材料によって示される負のポアソン比のレベルに関する数学的な計算に加えて、出願人は、そのような特性を実験的に示すことが可能であった。
【0066】
図8a乃至fを参照するに、本発明の実験的な構造が与えられる。構造は、図8aに示す2つの複合構成材100から形成される。2つの複合構成材100は、互いの近くに設けられ、それぞれ、第1の構成材102が巻き付けられた第2の構成材104を含む。第1の構成材102は、反対の方向に巻き付けられる。このような構造を、図8bでは、歪まされていない状態で示す。
【0067】
構造に歪力が加えられると、オクセティック性が見えてくる。図8cでは、長手方向における10ミリメートルの歪力が、構成材間の隙間の拡張を与える。図8dでは、長手方向における15ミリメートルの歪力が、図8eでは、長手方向における20ミリメートルの歪力が、図8fでは、長手方向における25ミリメートルの歪力が、構造の横向きの拡張によって増加する隙間を与える。
【0068】
この効果は、図9a及び9bに明瞭に示す。これらは、構造のコア軸に垂直な軸に対する第1の構成材の投影角を比較する。この場合、歪まされていない状態では、62度の角度が観察され、部分的に歪ませられた状態では、74.5度の角度が観察された。
【0069】
様々な構成材の形を用いてこの構造の構造を生産するのに加えて、このような構造を広い範囲のスケールで生成することが可能である。マクロロッド及び繊維を用いて、様々な使用に適したバルク複合構造を形成することが可能である。スケールのもう一端では、様々な有機ポリマー、無機ポリマー、又は無機構造を用いて、分子サイズのオクセティック性を有する材料を実現し得る。
【0070】
本発明によって提供されるオクセティック性を有する複合材料及び構造は、様々な種類の有利な特性を提供する。特に、このような構造は、従来の材料に対して高められた剛性率、破壊靱性、圧電特性、押込抵抗、熱衝撃抵抗、衝撃吸収、摩耗抵抗、及びエネルギー吸収を提供し得る。有用なことに、本発明のオクセティック性を有する複合材料及び構造は、単一の材料において衝撃吸収特性と音響吸収特性の両方を提供し得る。これらの構造が、軸方向及び半径方向において特性が異なる異方性の効果を示す可能性もある。
【0071】
このような複合材料及び構造は、様々な目的のための織物材料として特定の用途を有すると考えられる。本発明のオクセティック性を有する構造は、そのシンクラスティック能力(同じように指し示す2つの方向に湾曲を形成する能力)によって織物のコンテキストにおいて特に有用である。このことは、そのような織物を特に、それが接触する他のアイテムに良好に適合させる。このことは、安全ヘルメットの内張りといった非衣類タイプの用途と、快適な防護服又は衣類用ストラップ及び/又はベルトといった衣類タイプの用途の両方について言えることである。
【0072】
このような複合材料及び構造の用途は、自動車のバンパ、車内の部品、及びモールド成形された車体部分を含む押込抵抗又は衝撃を吸収する能力が所望される状況が含まれる。これらの特性は更に、そのような構造が、衣類又は追加の器具の形での衝撃保護が望まれるスポーツ器具の分野においても有用であるようにする。このような器具には、頭部保護、すね当て、他のパッド等が含まれる。
【0073】
上述した特性を与える同じ材料から音響減衰を提供する能力も有用である。何故なら、従前は、それぞれの問題に対処することを意図した2つの別個の材料が必要だったからである。
【0074】
本発明の材料は更に、ハンドヘルド式電子装置、移動電話機、カメラ、ビデオ等を振動、音響減衰、又は陥没抵抗等のために保護するための好適さにおいて利点を提供する。
【0075】
他の潜在的な用途には、タイヤ、医用縫合線、高められた特性を有する(特に、繊維抜き取り失敗が少なくされることによって)複合材料、電子センサ(特に、感圧又は感光材料の構成によって)、座席ベルト、荷物用ストラップ、衣類用ストラップ、二重湾曲構造、アクティブ材料(特に、フィルタ)、アクティブテキスタイル、高められた摩耗低減適用、熱衝撃適用等における使用を含む。
【0076】
このような材料が製造され得る多くの潜在的な方法がある。これらには、ブレーディング、ニッティング、スピニング、押出し成形、及び刺繍、並びに様々な編み及び不織り技術が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1a】第1の従来技術のオクセティック性を有する材料の形を示す図である。
【図1b】第2の従来技術のオクセティック性を有する材料の形を示す図である。
【図2】歪まされていない/部分的に歪まされた状態にある本発明のオクセティック性を有する複合構造を示す図である。
【図3】歪まされた状態に図2の複合構造を示す図である。
【図4】軸X−Xに沿って見た概略的な断面図を示す図である。
【図5】本発明の別のオクセティック性を有する複合構造の概略的に断面図を示す図である。
【図6】本発明の別のオクセティック性を有する複合構造の概略的な断面図であって、体格子構成を与える図である。
【図7】本発明により与えられる最密のオクセティック性を有する複合構造を示す図である。
【図8a】様々な歪力レベルにおける本発明の実験的な実施例を示す図である。
【図8b】様々な歪力レベルにおける本発明の実験的な実施例を示す図である。
【図8c】様々な歪力レベルにおける本発明の実験的な実施例を示す図である。
【図8e】様々な歪力レベルにおける本発明の実験的な実施例を示す図である。
【図8f】様々な歪力レベルにおける本発明の実験的な実施例を示す図である。
【図9a】歪まされていない形の第1の構成材の投影角を示す図である。
【図9b】部分的に歪まされた形の第1の構成材の投影角を示す図である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
負の実効ポアソン比を有する複合構成材であって、
第1の構成材及び第2の構成材を含み、
前記第1の構成材及び前記第2の構成材は、軸に対して長手方向に延在し、
前記第1の構成材は、1つ以上の巻回を介して前記第2の構成材の周りに設けられ、
前記1つ以上の巻回は、前記軸に対して長手方向に間隔があけられ、
前記第1の構成材への張力又は圧縮荷重における変化によって、前記軸に対する前記第2の構成材の半径位置が変化する、複合構成材。
【請求項2】
前記第1の構成材は、前記第2の構成材より高い弾性係数を有する請求項1記載の複合構成材。
【請求項3】
前記第1の構成材は、前記第2の構成材の周りにヘリカル状に設けられ、
前記第1の構成材への張力又は圧縮荷重における変化によって、前記第1の構成材のヘリックスの直径が変化し、
前記第1の構成材のヘリックスの直径における変化によって、前記第2の構成材がヘリックス形状となり、及び/又は、前記第2の構成材のヘリックスの直径が変化し、
前記第2の構成材のヘリックスの直径は、前記第1の構成材のヘリックスの直径が減少すると増加し、
前記第2の構成材のヘリックスの直径は、前記第1の構成材のヘリックスの直径が増加すると減少する、請求項1又は2記載の複合構成材。
【請求項4】
前記第1の構成材は、前記第2の構成材の周りに、付する及び/又は巻き付ける及び/又はカバリングする及び/又はスピニングすることによって設けられる請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の複合構成材。
【請求項5】
前記第1の構成材は、比較的高いモジュラスの材料の繊維、ロッド、又は中空のチューブであり、
前記第2の構成材は、前記第1の構成材と比較して中間の又は低いモジュラスの材料の繊維、ロッド、又は中空のチューブである請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の複合構成材。
【請求項6】
前記軸は、コア構成材を通り設けられる請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の複合構成材。
【請求項7】
前記半径位置における変化は、荷重が変化されたときの前記軸に対する前記第2の構成材の少なくとも一部の変位量における増加であり、
該変化は、荷重が張力荷重である場合は増加であり、荷重が圧縮荷重である場合は減少である請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の複合構成材。
【請求項8】
前記半径位置における変化は、荷重が変化されたときの前記軸からの前記第2の構成材の少なくとも一部の変位量における減少であり、
該変化は、荷重が張力荷重である場合は減少であり、荷重が圧縮荷重である場合は増加である請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の複合構成材。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の複合構成材を2つ以上含む構造。
【請求項10】
前記構造は、少なくとも1つの複合構成材の対を含み、
各複合構成材は、第1の構成材及び第2の構成材を含み、
前記複合構成材の対は、互いに隣接するか又は互いに接触して配置される請求項9記載の構造。
【請求項11】
前記構造は、複数の複合構成材を含む単位の繰り返しから形成される請求項9又は10記載の構造。
【請求項12】
前記構造は、各複合構成材が平面又は用紙タイプの構造を形成するよう2つ以上の他の複合構成材に隣接又は接触して設けられることによって与えられる請求項9乃至11のうちいずれか一項記載の構造。
【請求項13】
前記構造は、各複合構成材が4つ以上の他の複合構成材に隣接又は接触して設けられることによって与えられる請求項9乃至11のうちいずれか一項記載の構造。
【請求項14】
隣接する複合構成材は、互いに反対の方向で前記第2の構成材の周りに巻き付けられる前記第1の構成材が与えられる請求項9乃至13のうちいずれか一項記載の構造。
【請求項15】
前記構造には、1つ以上のコア構成材が設けられる請求項9乃至14のうちいずれか一項記載の構造。
【請求項16】
前記コア構成材は、繊維であり、及び/又は、固体或いは中空である請求項15記載の構造。
【請求項17】
互いに対して前記構成材の制限された動作がある又はないよう全ての3つの構成材が与えられる請求項15又は16記載の構造。
【請求項18】
前記構造は、1つ以上のマトリクス構成材を含む請求項9乃至17のうちいずれか一項記載の構造。
【請求項19】
前記マトリクス構成材は、荷重変化によって引き起こされる前記第2の構成材の動作に抵抗し、及び/又は、荷重変化の前に占めていた半径位置に前記第2の構成材を戻すことを助長する請求項18記載の構造。
【請求項20】
前記構造は、衝撃吸収及び/又は音響吸収といったようにエネルギーを吸収する請求項9乃至19のうちいずれか一項記載の構造。
【請求項21】
負の実効ポアソン比を有する複合構成材を生成する方法であって、
第1の構成材を形成する段階と、
第2の構成材を形成する段階と、
巻き付け及び/又はスピニング及び/又はカバリング等によって、前記第1の構成材を、前記第2の構成材の周りに1つ以上の巻回を介して付す段階と、
を含み、
前記1つ以上の巻回は、前記第2の構成材に沿って長手方向に間隔があけられる方法。
【請求項22】
前記第1の構成材の弾性係数は、前記第2の構成材の弾性係数より大きい請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記第1の構成材を、前記第2の構成材の周りにヘリカル状に付する段階を含み、
前記第1の構成材への張力又は圧縮荷重における変化によって、前記第1の構成材のヘリックスの直径が変化し、
前記第1の構成材のヘリックスの直径における変化によって、前記第2の構成材がヘリックス形状となり、及び/又は、前記第2の構成材のヘリックスの直径が変化し、
前記第2の構成材のヘリックスの直径は、前記第1の構成材のヘリックスの直径が減少すると増加し、
前記第2の構成材のヘリックスの直径は、前記第1の構成材のヘリックスの直径が増加すると減少する、請求項21又は22記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−525443(P2006−525443A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506034(P2006−506034)
【出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【国際出願番号】PCT/GB2004/001320
【国際公開番号】WO2004/088015
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(505364119)ダウ コーニング リミテッド (1)
【Fターム(参考)】