説明

複合材料用樹脂組成物、複合材料用中間材および複合材料

【目的】 従来のプリプレグ用エポキシ樹脂では達成し得なかった製造時の混合安全性のため、真空脱気により樹脂中の気泡を十分に抜くことおよび強化繊維に該エポキシ樹脂を含浸させてボイドの少ない、しかも耐水性の優れた複合材料を得る。また、貯蔵安定性がよく、パイプ等の成形性に優れ、得られた成形物の耐湿性が優れている複合材料中間材を製造する。
【構成】
(A)ビスフェノールF型エポキシ樹脂 5〜15重量部 (B)フェノールノボラック型エポキシ樹脂 50〜70重量部 (C)3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂 7〜25重量部 (D)フェノキシ樹脂 5〜15重量部および (E)4,4′−ジアミノジフェニルスルホンを前記(A)〜(D)の総量100重量部に対して25〜45重量部を必須成分として含有する樹脂組成物。該樹脂組成物を強化繊維に含浸して得られる複合材料用中間材。該中間材を成形して得られる複合材料。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合材料用樹脂組成物およびそれを強化繊維に含浸して得られる中間材ならびに該中間材を成形して得られる複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維、ガラス繊維等を補強材とする複合材料はゴルフシャフト、釣竿、テニスラケット等のスポーツ・レジャー用品、航空機関係、印刷インキ用ロール、圧力容器等の工業材料および医療関係等に使用されている。
【0003】さらに、近年においては、かかる複合材料が工業材料部品に使用されることが多くなってきた。
【0004】繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの複合材料は炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維等の強化繊維基材にマトリックス樹脂を含浸してプリプレグとなし、これらを積層して適当な温度で硬化させることにより得られる。
【0005】CFRPのマトリックス樹脂としては炭素繊維に対する接着性に優れるエポキシ樹脂が採用されている。しかしながら従来より主に用いられているビスフェノールA型エポキシ樹脂は耐熱性に劣り、さらにコンポジット物性、特に層間剪断強度(ILSS)が低いという欠点を有している。一方、多官能のエポキシ樹脂は耐熱性が高いが樹脂組成物を製造する場合、その反応性が高いため、得られた樹脂組成物の品質および配合時の安全性に問題がある。更に、多官能エポキシ樹脂が主成分の場合には強化繊維に含浸して得られる中間材はタックが強く、取扱いが悪く、しかも、硬化剤のジアミノジフェニルスルホンが樹脂に溶解しているため貯蔵安定性が劣る。また、中間材を成形する際に、加熱時の粘度が著しく低いため、樹脂が漏洩したり、流動したりするため、得られる成形体の精度に問題を生ずる。成形時の粘度をコントロールするため、ジアミノジフェニルスルホンとともに、ジシアンジアミドおよびその促進剤を添加する方法(特開昭59−207920)がみられるが、得られた硬化物の耐湿性が低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの欠点を解決するため、樹脂組成物の製造が安全で、樹脂組成物を強化繊維に含浸して得られる中間材の貯蔵安定性が優れ、さらにこれらを成形する場合には成形性が優れ、得られた成形物の耐湿性が優れたものを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の樹脂組成物は、 (A)ビスフェノールF型エポキシ樹脂 5〜15重量部 (B)フェノールノボラック型エポキシ樹脂 50〜70重量部 (C)3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂 7〜25重量部 (D)フェノキシ樹脂 5〜15重量部および (E)ジアミノジフェニルスルホンを前記(A)〜(D)の総量100重量部に対して25〜45重量部、を必須成分として含有する複合材料用樹脂組成物に関する。
【0008】以下、本発明の内容をより詳細に説明する。
【0009】本発明において用いられる成分(A)の配合割合は5〜15重量部であることが好ましく、より好ましくは7〜12重量部である。成分(A)が5重量部より少ないと複合材料用樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて炭素繊維等の繊維束への含浸が困難となる。一方、15重量部より多くなると、複合材料としての耐熱性が不十分となる。
【0010】成分(B)の配合割合は50〜70重量部であることが好ましく、より好ましくは55〜65重量部である。成分(B)が50重量部より少ないと複合材料用樹脂組成物の粘度が低くなりすぎて、成形が困難となる。一方、70重量部より多くなると、複合材料としての耐熱性が不十分となる。
【0011】成分(C)の配合割合は7〜25重量部であることが好ましく、より好ましくは15〜20重量部である。成分(C)が17重量部より少ないと複合材料としての耐熱性が不十分であり、一方、25重量部より多くなると、複合材料用樹脂組成物の粘度が低くなりすぎて成形性が困難となる。
【0012】成分(D)の配合割合は5〜15重量部であることが好ましく、より好ましくは7〜12重量部である。成分(D)が5重量部より少ないと複合材料としての靭性が不十分であり、一方、15重量部より多くなると、複合材料用樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて炭素繊維等の繊維束への含浸が困難となり、さらに複合材料としての耐熱性が不十分となる。
【0013】本発明において硬化剤として用いられる成分(E)の配合割合は成分(A)〜成分(D)の総重量100重量部に対して、25〜45重量部であることが好ましく、より好ましくは30〜40重量部である。成分(E)が25重量部より少ないと複合材料としての耐熱性が不十分であり、一方、45重量部より多くなると、炭素繊維等の繊維束への含浸が困難となる。
【0014】本発明における成分(A)のビスフェノールF型エポキシ樹脂の例としてはエポトートYDF−170(東都化成社製)、エピコート807(油化シェルエポキシ社製)、エピクロン830(大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。成分(B)のフェノールノボラック型エポキシ樹脂の例としてはエピコート152,エピコート154(以上油化シェルエポキシ社製)、ダウエポキシDEN431,ダウエポキシDEN438,ダウエポキシDEN439(以上ダウケミカル社製)、エポトートYDPN638、エポトートYDPN601、エポトートYDPN602(以上東都化成社製)、アラルダイトEPN1138(チバ−ガイギー社製)等が挙げられる。
【0015】成分(C)の3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂の例としてはスミエポキシELM100、スミエポキシELM120(以上住友化学工業社製)等がある。
【0016】成分(D)のフェノキシ樹脂の例としてはフェノトートYP−50(東都化成社製)、スミエポキシESP−50(住友化学工業社製)、エピコートOL−53(油化シェルエポキシ社製)等が挙げられる。
【0017】成分(E)のジアミノジフェニルスルホンとしては4,4′−ジアミノジフェニルスルホンおよび3,3′−ジアミノジフェニルスルホンのいずれも使用できる。これらは室温で粉末状であり、粒径の上限が20μm以下、好ましくは17μm以下、より好ましくは12μm以下のものでかつ粒径の下限が0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上の粉末粒子が全体の粉末粒子に占める割合が65重量部%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上の粒径分布であると均一な硬化物が得られ好ましい。本発明の複合材料用樹脂組成物においては、その性能を損なわない範囲で他のエポキシ樹脂、靭性付与樹脂、フィラー、着色剤等を配合することができる。
【0018】本発明の樹脂組成物に所望に応じて含有することのできるその他のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、トリグリシジルメタン型エポキシ樹脂、テトラグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0019】本発明の樹脂組成物に所望に応じて含有することのできる靭性付与樹脂としては反応性エラストマー、ハイカーCTBN変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ニトリルゴム添加エポキシ樹脂、架橋アクリルゴム微粒子添加エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、熱可塑性エラストマー添加エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0020】本発明の樹脂組成物に所望に応じて含有することのできるフィラーとしてはマイカ、アルミナ、タルク、微粉状シリカ、亜鉛末、アルミニウム粉などが挙げられる。
【0021】本発明の樹脂組成物に所望に応じて含有することのできる着色剤としては有機顔料ではアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料など、無機顔料では二硫化チタン、硫化クロム、コバルトブルー、硫化鉄などが挙げられる。
【0022】また、成分(E)の硬化剤の他、必要に応じ他の硬化剤、硬化促進剤を配合することができる。成分(E)以外に配合できる硬化剤としてジシアンジアミド(DICY)など、成分(E)以外に配合できる硬化促進剤として三フッ化ほう素のモノメチルアミン錯体などのBF3 錯体、3−(3,4ジクロロフェニル)−1,1ジメチルウレア(DCMU)、3−(4クロロフェニル)−1,1ジメチルウレアなどが挙げられる。
【0023】本発明による樹脂組成物の製造方法は特に制限はないが、例えば、樹脂成分(A)、(B)および(D)を180〜210℃で加熱混合後、冷却あるいは自然放熱によって100℃以下に温度が低下した後、成分(C)を添加し、その後、樹脂温度が90℃以下になってから硬化剤成分(E)を添加する方法が好ましく用いられる。また、該硬化剤成分(E)を混合する場合は、成形後のボイドの発生を少なくする目的で撹拌しながら真空脱気する方法が好ましく採用される。この方法によれば、成分(E)は樹脂組成中に均一に分散した系となり、貯蔵安定性に優れる。なお、樹脂温度が90℃より高い温度で硬化剤成分(E)を添加、混合すると硬化剤成分(E)の一部が樹脂に溶解し、樹脂と硬化剤が反応しやすくなり、該樹脂組成物に強化繊維を含浸させてできる複合材料用中間材の貯蔵安定性が著しく損なわれる。
【0024】成分(B)の代わりに4官能のテトラグリシジルアミン型エポキシ樹脂を主成分として135℃でジフェニルジアミノスルホンを溶解すると混合時の急激な反応のため安全性に問題があり、成形時のボイドの除去も十分でなく、さらに他の樹脂と混合した場合は成形物の耐湿性や樹脂組成物の貯蔵安定性が低下するので好ましくない。
【0025】本発明においては前記成分(A)、(B)、(C)、(D)および(E)を含有する樹脂組成物を強化繊維に含浸させ複合材料用中間材(プリプレグ)とする。
【0026】強化繊維としては特に限定されず複合材料の強化繊維として用いられる全ての繊維を用いることができる。例えば炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維および表面処理した有機繊維等でありかつ、これらのうちから選ばれる2種類以上をハイブリッド構造とした繊維を用いることができるが、特に、炭素繊維を強化繊維として用いた場合、軽量で高剛性の成形物が得られるため好ましく用いられる。
【0027】強化繊維プリプレグの形態は特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、一方向材、織物、組み紐状組織り、不織布等が挙げられる。本発明における強化繊維に樹脂組成物を含浸させる方法としては特に制限はないが樹脂組成物を通常60〜90℃に加温して強化繊維に含浸させるいわゆるホットメルト法が好ましく採用される。
【0028】このようにして製造された中間材の樹脂組成物の含量は強化繊維と樹脂組成物の総量に対して通常25〜50重量%、好ましくは30〜45重量%である。
【0029】中間材は最終的に複合材料に成形される。例えば中間材を積層して、オートクレーブ中または加圧プレス等により通常150〜200℃で30分〜3時間、加熱硬化させることにより複合材料とすることができる。得られた複合材料は硬化剤成分(E)が分散系であるにもかかわらず、品質が安定で、しかも均一でボイドの少ないものが得られる。
【0030】これらの用途の一例として印刷インキ用ロール、自転車パイプ、圧力容器等が挙げられる。中でも印刷インキ用のCFRP製ゴム被覆ロールには本発明の複合材料が適している。すなわち、近年、従来のスチール製ロールと比べ、軽量で作業性が良好であるため、CFRP製ゴム被覆ロールがスチール製ロールの代替として急速に利用されつつある。従来の250°F硬化エポキシ樹脂系のCFRP製ロールでは未加硫ゴムをCFRP管に巻き付け、150℃のスチーム加熱下に加硫する際、熱の影響のためロールに変形を生じたり、高温の水分の影響のため、一部に腫れやはがれを生じたりする。それに対し、本発明により得られたCFRPロールでは150℃における耐熱性はもちろんのこと、スチームの影響も少ないため、寸法精度の優れたCFRP製印刷インキ用のゴム被覆ロールが得られる。
【0031】
【発明の効果】本発明の複合材料用樹脂組成物は従来のプリプレグ用エポキシ樹脂では達成し得なかった製造時の混合安全性のため、真空脱気により樹脂中の気泡を十分に抜くことができる。また、強化繊維に該樹脂組成物を含浸して得られる複合材料中間材は貯蔵安全性がよく、パイプ等の成形性に優れ、得られた成形物の耐湿性が優れている。該複合材料中間材から得られた複合材料にはボイドが少なく、しかも耐水性の優れたものが得られる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】実施例1(複合材料用樹脂組成物の製造)樹脂成分(A)としてエポトートYDF170(東都化成社製)10重量部、樹脂成分(B)としてエポトートYDPN638(東都化成社製)70重量部および樹脂成分(D)としてフェノトートYP50(東都化成社製)10重量部を200℃で1.5時間混合後、温度を120℃に下げ、樹脂成分(C)としてスミエポキシELM100(住友化学工業社製)を20重量部を添加混合した。さらに温度を90℃に下げた後、硬化剤成分(E)として、アミキュアS粉砕品(住友化学工業社製)40重量部を添加し、真空脱気を20分続けた。その後、樹脂を抜き出し、冷却した。
【0034】(複合材料用中間材の製造)得られたエポキシ樹脂組成物を引張弾性率23t/mm2 ,引張強度350kgf/mm2 の炭素繊維に含浸し、一方向プリプレグを作製した。(Vfは60vol%)。得られた一方向プリプレグは室温で一週間放置してもタックおよびドレープの変化がわずかなため、積層時の取扱いがよかった。
【0035】(複合材料の製造)得られた中間材を長さ30cm、幅15cmに裁断して、繊維方向が同一方向になるように積層して、オートクレーブで成形し、CFRP板を作成した。得られた成形物の断面をX線マイクロアナライザーによる面分析をしたところ、ジアミノジフェニルスルホンが分散系にもかかわらず、層状に局在することなく、均一に硬化していることを確認した。
【0036】(複合材料の耐湿性評価)得られた中間材を長さ30cm、幅15cmに裁断して、繊維方向が同一方向になるように積層して、オートクレーブで成形し、CFRP板を作成した。この硬化板から切断機を用いて、長さ60mm、幅10mm、厚さ3mmの試験片を得た。これを150℃のスチーム内に10時間、放置した。重量増加は2.0wt%であり、耐湿性は良好であった。
【0037】比較例1(複合材料用樹脂組成物の製造)4官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH434(東都化成社製)70重量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂であるエポトートYDPN638(東都化成社製)15重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート1002(油化シェルエポキシ社製)10重量部を混合して130℃で溶解した。この混合物を85℃まで温度を下げた後、硬化剤としてジアミノジフェニルスルホン30重量部、ジシアンジアミド1.5重量部をビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート828(油化シェルエポキシ社製)3重量部と、3本ロールを用いて混練したものおよびジシアンジアミドの硬化促進剤として3(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア1.5重量部をビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート828(油化シェルエポキシ社製)3重量部とを3本ロールを用いて混練したものを添加し、撹拌しながらよく分散した。
【0038】(複合材料用中間材の製造)得られたエポキシ樹脂組成物を引張弾性率23t/mm2 、引張強度350kgf/mm2 の炭素繊維に含浸し、一方向プリプレグを作製した。(Vfは60vol%)。
【0039】(複合材料の製造)得られた中間材を長さ30cm、幅15cmに裁断して、繊維方向が同一方向になるように積層して、オートクレーブで成形し、CFRP板を作成した。得られた成形物の断面をX線マイクロアナライザーによる面分析をしたところ、ジアミノジフェニルスルホンが、層状に局在した状態で硬化していることを確認した。
【0040】(複合材料の耐湿性評価)得られた中間材を長さ30cm、幅15cmに裁断して、繊維方向が同一方向になるように積層して、オートクレーブで成形し、CFRP板を作成した。この硬化板から切断機を用いて、長さ60mm、幅10mm、厚さ3mmの試験片を得た。これを150℃のスチーム内に10時間、放置した。重量増加は5.5wt%であり、耐湿性は良くなかった。
【0041】比較例2(複合材料用樹脂組成物の製造)4官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH434(東都化成社製)70重量部を135℃に加熱し、そこへ硬化剤としてジフェニルジアミノスルホン30重量部および硬化促進剤として三フッ化ほう素のモノメチルアミン錯体0.5重量部を急激な重合が発生するのを避けるためすばやく添加し、約10分間という通常より短い時間で脱気しながら加熱、撹拌した後、抜き出しすぐに冷凍保存した。
【0042】(複合材料用中間材の製造)得られたエポキシ樹脂組成物を引張弾性率23t/mm2 、引張強度350kgf/mm2 の炭素繊維に含浸し、一方向プリプレグを作製した。(Vfは60vol%)。得られた一方向プリプレグはタックが強く、積層時の取扱いが悪かった。また、室温に一週間放置した一方向プリプレグは硬化が進み、パイプ等の巻き付けが困難なほど、ドレープ性が低下した。
【0043】(複合材料の製造)得られた中間材を長さ30cm、幅15cmに裁断して、繊維方向が同一方向になるように積層して、オートクレーブで成形し、CFRP板を作成した。得られた成形物の断面をX線マイクロアナライザーによる面分析をしたところ、多数のボイドが発生しているのを確認した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ビスフェノールF型エポキシ樹脂 5〜15重量部 (B)フェノールノボラック型エポキシ樹脂 50〜70重量部 (C)3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂 7〜25重量部 (D)フェノキシ樹脂 5〜15重量部および (E)4,4′−ジアミノジフェニルスルホンを前記(A)〜(D)の総量100重量部に対して25〜45重量部、を必須成分として含有する複合材料用樹脂組成物。
【請求項2】 請求項第1項記載の樹脂組成物を強化繊維に含浸して得られる複合材料用中間材。
【請求項3】 請求項第2項記載の中間材を成形して得られる複合材料。