Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
複合構造体
説明

複合構造体

【課題】航空機翼のエーロフォイルに好適に使用され、
角部において荷重を効果的に伝達できる複合構造体を提供する。
【解決手段】第1のセクション、第2のセクション、及び第1のセクションと第2のセクションとを接合する湾曲した角部を含む複合構造体であって、繊維強化プライのスタックを含み、該スタックは、第1のセクションから角部の内側を曲がって第2のセクションへ延びる第1の外側プライと、第1のセクションから角部の外側を曲がって第2のセクションへ延びる第2の外側プライとを含み、不連続的な第1の内側プライが、第1の外側プライ及び第2の外側プライ間に挟まれ、該構造体の内部で途切れており、第2のセクション内よりも第1のセクション内に該第1の内側プライが多く位置しており、第2の内側プライが第1の外側プライ及び第2の外側プライ間に挟まれた複合構造体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のセクション、第2のセクション、及び第1のセクションと第2のセクションとを接合する湾曲した角部を含む複合構造体であって、繊維強化プライ(fibre-reinforced plies:繊維補強層)のスタックを含む、複合構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
ねじり応力及び曲げ応力を効果的に伝達することができる閉セクションを有する構造体がトルクボックスである。トルクボックスは、航空宇宙用途及び自動車用途を含む様々な用途において用いられている。例えば、航空機翼、垂直尾翼及び水平尾翼の主要な構成要素はトルクボックスである。
【0003】
従来のトルクボックスの組立てには、大きな構成要素(桁(spar:スパー)、リブ、カバー、ストリンガー等)が機械的締結具を用いて一緒に接合される一連のプロセスが伴う。
【0004】
図1は、従来のウイングボックス1の概略的な斜視図である。ウイングボックスは、繊維強化プライのスタックをそれぞれが含む、前桁2、後桁3、上側カバー4及び下側カバー5を備える。図2は、前桁2及び下側カバー5のみを示す。カバー5中の繊維がカバーロゼット(rosette)6と整列しており、桁3中の繊維が、カバーロゼット6と実質的に平行ではない桁ロゼット7と整列している。
【0005】
各構成要素は、該構成要素に合わせてプライレイアップを個々に調整することによって重量に関して最適化される。したがって例えば、桁のレイアップは、5/7/7/5(すなわち、5つの0度のプライ、7つの45度のプライ、7つの135度のプライ及び5つの90度のプライ)とすることができ、一方でカバーは、同じ厚さであるがより多くの0度のプライ(例えば10/6/6/2)のレイアップを有する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様は、第1のセクション、第2のセクション、及び前記第1のセクションと前記第2のセクションとを接合する湾曲した角部を含む複合構造体であって、繊維強化プライのスタックを含み、該スタックは、前記第1のセクションから前記角部の内側を曲がって前記第2のセクションへ延びる第1の外側プライと、前記第1のセクションから前記角部の外側を曲がって前記第2のセクションへ延びる第2の外側プライと、不連続的な第1の内側プライであって、前記第1の外側プライ及び前記第2の外側プライ間に挟まれ、該構造体の内部で途切れており、そのため、一方のセクション内よりも他方のセクション内に該第1の内側プライが多く位置する、不連続的な第1の内側プライと、前記第1の外側プライ及び前記第2の外側プライ間に挟まれている第2の内側プライとを含み、前記第1の内側プライ及び前記第2の内側プライの少なくとも一部はともに同じセクション内に位置し、前記第1の内側プライの繊維は、該第1の内側プライの繊維及び前記第2の内側プライの繊維がともに位置するセクションにおいて前記第2の内側プライの繊維に対して角度θで延び、該角度θは3度よりも大きく20度よりも小さい、複合構造体を提供する。
【0007】
通常、これらの内側プライは構造体の主軸に対して同じ基準方向(nominal direction)を有する(例えば両方とも0度のプライ又は両方とも+45度のプライ)。好ましくは、角度θは10度よりも小さい。したがって例えば、第1の内側プライは、一方のセクションの長さ軸と概ね整列している(±3度)繊維を有する0度のプライとすることができ、第2の内側プライは、他方のセクションの長さ軸と概ね整列している(±3度)繊維を有する0度のプライとすることができる。
【0008】
通常、角度θは5度よりも大きい。
【0009】
通常、角度θは10度よりも小さい。
【0010】
本発明の更なる態様は、第1のセクション、第2のセクション、及び前記第1のセクションと前記第2のセクションとを接合する湾曲した角部を含む複合構造体であって、繊維強化プライのスタックを含み、該スタックは、前記第1のセクションから前記角部の内側を曲がって前記第2のセクションへ延びる第1の外側プライと、前記第1のセクションから前記角部の外側を曲がって前記第2のセクションへ延びる第2の外側プライと、不連続的な第1の内側プライであって、前記第1の外側プライ及び前記第2の外側プライ間に挟まれ、該構造体の内部で途切れており、そのため、一方のセクション内よりも他方のセクション内に該第1の内側プライが多く位置する、不連続的な第1の内側プライと、前記第1の外側プライ及び前記第2の外側プライ間に挟まれている第2の内側プライとを含み、前記第1の内側プライ及び前記第2の内側プライの少なくとも一部はともに同じセクション内に位置し、前記第1の内側プライの繊維は、該第1の内側プライの繊維及び前記第2の内側プライの繊維がともに位置するセクションにおいて前記第2の内側プライの繊維に対して角度θで延び、該角度θは35度〜42度である、複合構造体を提供する。
【0011】
本発明のこの更なる態様では、これらの内側プライは通常、異なる基準方向を有する(例えば一方は0度のプライであり他方は+45度のプライである)。したがって例えば、第1の内側プライは、一方のセクションの長さ軸と45度±3度の角度で整列している繊維を有するバイアスプライとすることができ、第2の内側プライは、他方のセクションの長さ軸と概ね整列している(±3度)繊維を有する0度のプライとすることができる。
【0012】
本発明の第1の態様及び第2の態様は、構造体の様々な部品が別個に形成されている図1の従来の構成とは対照的に、第1のセクション及び第2のセクションが単一部品として一緒に形成されている複合構造体を提供する。一方のセクションのレイアップは、不連続的な第1の内側プライに所望の繊維角度を割り当てることによって他方のセクションに比べて調整される。
【0013】
第1の内側プライの繊維は通常、第1のロゼットと整列し、一方で第2の内側プライの繊維は第2のロゼットと整列するが、第1のロゼットとは整列しない。ロゼット間のずれの角度は、例えば7度の、又は10度よりも大きい任意の所望の角度とすることができる。
【0014】
第1の内側プライ及び第2の内側プライは、該第1の内側プライ及び該第2の内側プライがともに位置しているセクションにおいて接して(butt up)いてもよく、重なり合っていてもよく又は重なり合っていなくてもよい。
【0015】
第1の内側プライは、角部で途切れていてもよく又は一方のセクション内において途切れていてもよく、この場合、第1の内側プライは曲がって他方のセクションに入ることはない。しかし、より好ましくは、第1の内側プライを、角部又は一方のセクション内において途切れさせるのではなく、角部を曲がって他方のセクションの内部で途切れさせることによって、角部にわたる良好な荷重伝達が達成される。
【0016】
通常、第1の内側プライ及び第2の内側プライは互いに重なり合うか又は互いに接し、第1の内側プライの繊維は、該第1の内側プライの繊維及び第2の内側プライの繊維が互いに重なり合うか又は接する地点において第2の内側プライの繊維に対して角度θで延びる。
【0017】
第1の内側プライは取って代わられることなく途切れることができるため、他方のセクションは角部よりも薄い。代替的に、第2の内側プライを不連続的なプライとしてもよい。この第2の不連続的な内側プライは、レイアップを更に調整することを可能にする。第2の不連続的な内側プライは、第1の内側プライと同じセクションで途切れることができ、この場合も同様に、途切れた第1の内側プライに対して任意選択的に接することができる。代替的に、第2の不連続的な内側プライは、第2のセクションから角部を曲がって第1のセクションに延び、第1のセクションの内部で途切れることができ、そのため、第1のセクション内よりも第2のセクション内に該第2の内側プライが多く位置し、この場合、構造体は、第1の内側プライ及び第2の内側プライが重なり合うところで厚さが増大している。角部における厚さの増大は、角部における改善された荷重伝達及び補強を提供する。好ましくは、第1の外側プライは、第1の内側プライが途切れているところに斜面を有し、第2の外側プライは、第2の内側プライが途切れているところに斜面を有する。このようにスタックの対向する両側面に斜面を設けることは、構造体が実質的に平面的な外面を有すること(このことが望ましい場合)を可能にする。
【0018】
第1の内側プライは例えば、構造体の長さ軸と実質的に整列している繊維を有する0度のプライとすることができるか、又は構造体の長さ軸と鋭角で整列している繊維を有するバイアスプライとすることができるか、又は構造体の長さ軸と約90度で整列している繊維を有するプライとすることができる。
【0019】
湾曲した角部における内側プライは全て、第1のセクションから角部を曲がって第2のセクションに延び、第1のセクション及び/又は第2のセクションにおいて途切れている不連続的なプライであり得る。しかし、この構成は、角部の厚さが第1のセクション及び第2のセクションと比べてほぼ2倍になる可能性があるため、好ましくない。したがって、より好ましくは、1つ又は複数の連続的な内側プライが第1の外側プライと第2の外側プライとの間に挟まれ、この内側プライは、第1のセクションから角部を曲がって第2のセクションに延び、第1のセクション又は第2のセクションの内部で途切れていない。
【0020】
外側プライ及び/又は各内側プライは、2つ以上の方向に延びる繊維を有することができ、例えば各プライは織成繊維又は編成繊維を含むことができる。しかし、より一般的には、各外側プライ及び/又は各内側プライは、一方向にのみ延びる繊維を含む。
【0021】
構造体は、第1の外側プライ及び第2の外側プライ間に挟まれ、第2のセクションから角部を曲がって第1のセクションに延び、第1のセクション及び第2のセクションの内部で途切れている、内部の角部補強プライを更に含むことができる。
【0022】
構造体は、組み付け及び圧密後にマトリックスを注入される乾燥繊維プリフォームから、すなわち予め含浸された繊維層から形成されるいわゆる「プリプレグ」のスタックから形成することができる。
【0023】
構造体はエーロフォイルの一部を形成することができ、エーロフォイルは、該エーロフォイルの低圧面及び高圧面を形成する一対の外板と、これらの外板を接合する一対の桁とを含み、これらの外板の一方及びこれらの桁の少なくとも一方は本発明による複合構造体によって形成される。エーロフォイルは、翼、水平尾翼、翼端装置(wing tip device)又はタービンブレードであり得る。代替的には、構造体は、航空機翼、タービンブレード又は他の構造体の桁を含むことができ、第1のセクションは桁のフランジを含み、第2のセクションは桁のウェブを含む。
【0024】
本発明の更なる態様は、エーロフォイルであって、該エーロフォイルの低圧面及び高圧面を形成する一対の外板と、これらの外板を接合する一対の桁とを含み、これらの外板の一方及びこれらの桁の少なくとも一方は本発明による複合構造体によって形成される、エーロフォイルを提供する。この場合好ましくは、第1のセクションはエーロフォイルの桁を含み、第2のセクションはエーロフォイルの外板を含む。
【0025】
様々な他の好ましい特徴が従属項に記載される。
【0026】
ここで、本発明の実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】既知のウイングボックスアセンブリの概略的な斜視図である。
【図2】下側カバー及び前桁を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるオメガカバー(omega cover)を組み込んだウイングボックスアセンブリの概略的な斜視図である。
【図4】オメガカバーの1つの角部の断面図である。
【図5】桁フランジが省かれているオメガカバーの平面図である。
【図6】オメガカバーの桁セクションの側面図である。
【図7】様々な繊維角度を示す桁の一部の拡大図である。
【図8】本発明の更なる実施形態によるオメガカバーの一方の角部の断面図である。
【図9】桁フランジが省かれている図8のオメガカバーの平面図である。
【図10】桁フランジが省かれている図8のオメガカバーの平面図である。
【図11】本発明の更なる実施形態によるオメガカバーの一方の角部の断面図である。
【図12】本発明の更なる実施形態によるオメガカバーの一方の角部の断面図である。
【図13】本発明の更なる実施形態によるオメガカバーの一方の角部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図3は、本発明の一実施形態によるウイングボックス10の概略的な斜視図である。ウイングボックスは、それぞれが繊維強化プライのスタックを含むオメガカバー11及び上側カバー(すなわち外板)12を含む。オメガカバー11は、下側カバー(すなわち外板)セクション13と、前桁セクション14及び後桁セクション15と、前桁フランジ16及び後桁フランジ17とを含む。これらの部品12〜17は、一体の複合構造体として一緒に形成される。カバー12、13は、エーロフォイルの低圧面及び高圧面を形成し、桁14、15はカバー12、13を一緒に接合する。
【0029】
例として、オメガカバー11は、一連の「プリプレグ」プライ(各プライがエポキシ樹脂マトリックスで予め含浸された一方向の炭素繊維の層を含む)を成形型(mould tool)上にレイアップすることによって製造することができる。これらのプライは、手で、自動テープ積層(ATL)又は繊維配置によって型上に載せることができる。「プリプレグ」プライは次いで熱及び圧力の組合せによって圧密化及び硬化される。上側カバー12は同様の方法で形成することができる。オメガカバー11及び上側カバーは、フランジ16、17を通る締結具(図示せず)によって一緒に接合される。
【0030】
下側カバー13は、湾曲した角部18、19によって桁14、15に接合されている。角部18、19は同様であるため、角部18のみを図4を参照して詳細に説明する。スタックの一端の第1の外側プライ20が桁14からカバー13へ延び、角部18の内側を曲がる(pass round)ときには湾曲経路を辿り、スタックの、第1の外側プライとは反対の端の第2の外側プライ21が桁14からカバー13へ延び、角部18の外側を曲がるときには湾曲経路を辿る。外側プライ20、21は、構造体の長さ軸と±45度で整列している繊維を有するバイアスプライである。より具体的には、図5を参照すると、外側プライ20、21中の繊維は、±45でカバーロゼット23と整列しており、カバーロゼット23はさらに、カバーの根本の中点からカバーの先端の中点まで延びる長さ軸24と整列している。外側プライ20、21は、カバー13又は桁14、15においては途切れていない連続的なプライである。換言すると、外側プライ20、21は、桁フランジ16の先端から反対の桁フランジ17の先端まで連続的に延びる。
【0031】
オメガカバー11はまた、外側プライ20、21間に挟まれている複数の内側プライを有する。合計で9つの内側プライが図4に示されているが、これは概略的なものにすぎず、必要であれば、より多いか又はより少ないプライを設けることができる。
【0032】
内側プライのうちの6つの内側プライ22〜27は(外側プライ20、21のように)連続的なプライであり、カバー13においても桁14、15においても途切れていない。換言すると、内側プライ22〜27は、桁フランジ16の先端から反対の桁フランジ17の先端まで連続的に延びる。
【0033】
内側プライのうちの3つの内側プライ28〜30は、桁又はカバーにおいて途切れている不連続的なプライである。プライ28、29はそれぞれ、桁セクション14から、角部18を曲がるときには湾曲経路を辿りながらカバー13へ延び、カバー13の内部で途切れているため、カバー内よりも桁内に各プライが多く位置する。同様に、プライ30は、カバーから、角部を曲がるときには湾曲経路を辿りながら桁へ延び、桁の内部で途切れているため、桁内よりもカバー内にプライ30が多く位置する。
【0034】
なお、不連続的なプライ28〜30は取って代わられることなく途切れているため、桁14及びカバー13は角部18よりも薄い(すなわち、桁14及びカバー13は角部21よりも少ないプライを含む)。したがって、オメガカバー11は、内側プライ28〜30が重なり合う角部18の周りで厚さが増大している。この増大した厚さは、相当な重量ペナルティを伴うことなく角部18の周りの良好な荷重伝達を与える。
【0035】
第1の外側プライ20は、プライ28、29が途切れているところに斜面31を有し、第2の外側プライ21は、プライ30が途切れているところに斜面32を有する。これは、外側プライ21がカバー13にわたって平滑な空気力学的面を形成し、外側プライ20が桁14にわたって平滑な平面を形成し、オメガカバー11を製造するために必要な任意の内部ツーリング(internal tooling)をなくすことを助けることを確実にする。
【0036】
角部18と斜面31との間のクリアランス距離Xはおよそ30mmである。
【0037】
外側プライ及び内側プライは、角部18を曲がるときに湾曲経路を辿るため、桁内の各プライの部分はカバー内の同じプライの部分と同じ平面には存在しない。各プライ(及びプライ中の繊維)の曲率は、桁及びカバー内では比較的低く(又はゼロであり)、角部を曲がるときは比較的高い。
【0038】
カバー13は(曲げ荷重を伝達するために)高い割合の0度のプライを有することが概して望ましいため、不連続的なプライ30は最も典型的には0度のプライである。プライ30中の0度の繊維の例示的な繊維が図5に25で示されている。対照的に、桁は高い割合の±45度のプライを有することが概して望ましいため、不連続的なプライ28、29はそれぞれ+45度のプライ及び−45度であり得る。
【0039】
図5及び図6を参照すると、0度の繊維25は角度θで角部19の折り線まで延びる。桁ロゼット32が図6に示されており、通常は桁の長さ軸と整列している。図6から、0度の繊維25が桁ロゼット32と整列していないことが理解されるであろう。同じことが、カバーロゼット23と整列している任意の90度のプライ又は±45度のバイアスプライにも当てはまり、すなわち、これらのプライも桁ロゼット32と整列していない。通常、ロゼット間の不整列の程度はおよそ7度である。このことは、複合繊維が小さい角度しか回転していないことから、複合繊維の材料特性に大幅な低下があるため、問題を呈する。大まかに言えば、10度回転すると強度の90%が失われる。
【0040】
この問題に部分的に対処するために、不連続的なプライ28、29は、カバーロゼット23と一致しているのではなく桁ロゼット32と一致している桁に沿ってそれらの繊維が延びている状態で配向されている。図7は、不連続的な+45度のプライ28内のプライの繊維方向40を示す、桁ロゼット32付近の桁の拡大図である。この繊維方向40は桁ロゼット32に対して+45度にある。
【0041】
対照的に、カバーロゼット23とは整列しているが桁ロゼットとは整列していない任意の+45度のプライは、桁に沿って方向41に延び、この方向41は、不連続的な+45度のプライ28中の繊維に対して、これらが重なり合う地点において角度θ(1)にある。この例では、角度θ(1)はおよそ7度であるが、必要であればより大きくてもよい。
【0042】
また、+0度のプライ30(及びカバーロゼット23とは整列しているが桁ロゼットとは整列していない任意の他の+0度のプライ)は方向42に延び、この方向42は、不連続的な+45度のプライ28中の繊維に対して、これらが重なり合う地点において角度θ(2)にある。この例では、角度θ(2)はおよそ38度である。
【0043】
図8は、図1のオメガボックス10と同様であるが、角部50の厚さが増大していないオメガボックスの角部の周りのレイアップを示す。この場合、第1の内側プライ51が、桁から、角部50を曲がるときには湾曲経路を辿りながらカバーセクションへ延び、カバーの内部で途切れている。第2の内側プライ52が、カバー内の、途切れた第1の内側プライ51に対して接するところで途切れている。
【0044】
プライ51、52はともに、それぞれ桁ロゼット及びカバーロゼットと整列している0度のプライとすることができる。図9は、プライ52中の繊維の繊維方向53及びプライ51中の繊維の繊維方向54を示すカバーの平面図である。図9はまた線55を示し、該線55に沿って2つのプライ51、52が互いに対して接している。図9において分かるように、0度のプライ51の繊維は、該0度のプライ51及び0度のプライ52が互いに対して接している地点では、0度のプライ52の繊維とは平行ではない。この場合、これらのプライが接している地点における繊維方向間の角度θ(3)はおよそ7度である。カバーにおけるプライ51の繊維と任意の他の0度のプライの繊維との間の、それらの繊維がスタックの同じ地点において重なり合う地点に同様の角度が存在する。
【0045】
代替的には、プライ52はカバーロゼットと整列している0度のプライであってもよく、プライ51は桁ロゼットと整列している45度のプライであってもよい。図10は、この場合、プライ52中の0度の繊維の繊維方向57及びプライ51中の45度の繊維の繊維方向58を示すカバーの平面図である。これらのプライが接する地点におけるこれらの繊維方向間の角度θ(4)はおよそ38度である。カバーにおけるプライ51の繊維と任意の他の0度のプライの繊維との間の、それらの繊維がスタックの同じ地点において重なり合う地点に同様の角度が存在する。
【0046】
図11は、図8のオメガボックスと同様であるが、更なる不連続的な内側プライ60が設けられているオメガボックスの角部の周りのレイアップを示す。プライ51、60は、桁ロゼットと整列している±45度のプライとすることができ、プライ52は、カバーロゼットとは整列しているが桁ロゼットとは整列していない0度のプライとすることができる。
【0047】
図12は、図11のオメガボックスと同様であるが、更なる不連続的な内側プライ62が、カバー及び桁の両方で途切れている内部の角部補強プライであるオメガボックスの角部の周りのレイアップを示す。
【0048】
図13は、図4のオメガボックスと同様であるが、不連続的なプライ30が連続的なプライ70に置き換わっているオメガボックスの角部の周りのレイアップを示す。
【0049】
本発明を、1つ又は複数の好ましい実施形態を参照して上述したが、添付の特許請求の範囲において規定されるような本発明の範囲から逸脱することなく様々な変形又は変更を行うことができることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセクション、第2のセクション、及び前記第1のセクションと前記第2のセクションとを接合する湾曲した角部を含む複合構造体であって、繊維強化プライのスタックを含み、該スタックは、
a.前記第1のセクションから前記角部の内側を曲がって前記第2のセクションへ延びる第1の外側プライと、
b.前記第1のセクションから前記角部の外側を曲がって前記第2のセクションへ延びる第2の外側プライと、
c.不連続的な第1の内側プライであって、前記第1の外側プライ及び前記第2の外側プライ間に挟まれ、該構造体の内部で途切れており、一方のセクション内よりも他方のセクション内に該第1の内側プライが多く位置する、不連続的な第1の内側プライと、
d.前記第1の外側プライ及び前記第2の外側プライ間に挟まれている第2の内側プライと、
を含み、
前記第1の内側プライ及び前記第2の内側プライの少なくとも一部はともに同じセクション内に位置し、前記第1の内側プライの繊維は、該第1の内側プライの繊維及び前記第2の内側プライの繊維がともに位置するセクションにおいて前記第2の内側プライの繊維に対して角度θで延び、該角度θは3度よりも大きく20度よりも小さい、複合構造体。
【請求項2】
前記角度θは10度よりも小さい、請求項1に記載の複合構造体。
【請求項3】
前記角度θは5度よりも大きい、請求項1又は2に記載の複合構造体。
【請求項4】
前記第1の内側プライは、前記一方のセクションの長さ軸と概ね整列している(±3度)繊維を有する0度のプライであり、前記第2の内側プライは、前記他方のセクションの長さ軸と概ね整列している(±3度)繊維を有する0度のプライである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合構造体。
【請求項5】
第1のセクション、第2のセクション、及び前記第1のセクションと前記第2のセクションとを接合する湾曲した角部を含む複合構造体であって、繊維強化プライのスタックを含み、該スタックは、
a.前記第1のセクションから前記角部の内側を曲がって前記第2のセクションへ延びる第1の外側プライと、
b.前記第1のセクションから前記角部の外側を曲がって前記第2のセクションへ延びる第2の外側プライと、
c.不連続的な第1の内側プライであって、前記第1の外側プライ及び前記第2の外側プライ間に挟まれ、該構造体の内部で途切れており、一方のセクション内よりも他方のセクション内に該第1の内側プライが多く位置する、不連続的な第1の内側プライと、
d.前記第1の外側プライ及び前記第2の外側プライ間に挟まれている第2の内側プライと、
を含み、
前記第1の内側プライ及び前記第2の内側プライの少なくとも一部はともに同じセクション内に位置し、前記第1の内側プライの繊維は、該第1の内側プライの繊維及び前記第2の内側プライの繊維がともに位置するセクションにおいて前記第2の内側プライの繊維に対して角度θで延び、該角度θは35度〜42度である、複合構造体。
【請求項6】
前記第1の内側プライ及び前記第2の内側プライは互いに重なり合うか又は互いに接し、前記第1の内側プライの繊維は、該第1の内側プライの繊維及び前記第2の内側プライの繊維が互いに重なり合うか又は接する地点において前記第2の内側プライの繊維に対して角度θで延びる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合構造体。
【請求項7】
前記第1の内側プライは、前記第1のセクションから前記角部を曲がって前記第2のセクションへ延び、該第2のセクションの内部で途切れており、前記第2のセクション内よりも前記第1のセクション内に該第1の内側プライが多く位置し、前記第2の内側プライは前記第2のセクション内に少なくとも部分的に位置し、該第2のセクションにおける前記第1の内側プライの繊維は、該第2のセクションにおける前記第2の内側プライの繊維に対して角度θで延びる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合構造体。
【請求項8】
前記第2の内側プライは、前記第2のセクションから前記角部を曲がって前記第1のセクションへ延び、該第1のセクションの内部で途切れている不連続的なプライであり、前記第1のセクション内よりも前記第2のセクション内に前記第2の内側プライが多く位置し、前記構造体は、前記第1の内側プライ及び前記第2の内側プライが重なり合うところで厚さが増大している、請求項7に記載の複合構造体。
【請求項9】
前記第2の内側プライは、前記第1の内側プライに対して接する不連続的なプライである、請求項7に記載の複合構造体。
【請求項10】
前記第1の外側プライ及び前記第2の外側プライ間に挟まれ、前記第1のセクションから前記角部を曲がって前記第2のセクションに延び、前記第1のセクション又は前記第2のセクションの内部で途切れていない、連続的な内側プライを更に含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合構造体。
【請求項11】
前記第1の内側プライ及び前記第2の内側プライはそれぞれ、1つの方向にのみ延びる繊維を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合構造体。
【請求項12】
前記第1の外側プライ及び前記第2の外側プライ間に挟まれ、前記第2のセクションから前記角部を曲がって前記第1のセクションに延び、該第1のセクション及び前記第2のセクションの内部で途切れている、内部の角部補強プライを更に含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の複合構造体。
【請求項13】
前記内側プライのそれぞれは、1つの方向にのみ延びる繊維を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の複合構造体。
【請求項14】
エーロフォイルであって、該エーロフォイルの低圧面及び高圧面を形成する一対の外板と、該外板を接合する一対の桁とを備え、前記外板の一方及び前記桁の少なくとも一方は請求項1〜13のいずれか1項に記載の複合構造体によって形成される、エーロフォイル。
【請求項15】
前記第1のセクションは桁を含み、前記第2のセクションは外板を含む、請求項14に記載のエーロフォイル。
【請求項16】
前記第2の外側プライは前記外板の空気力学的面を形成する、請求項14に記載のエーロフォイル。
【請求項17】
請求項14〜16のいずれか1項に記載のエーロフォイルを備える航空機翼。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−176614(P2012−176614A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−36099(P2012−36099)
【出願日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【出願人】(510286488)エアバス オペレーションズ リミテッド (30)
【氏名又は名称原語表記】AIRBUS OPERATIONS LIMITED
【Fターム(参考)】