説明

複合機、複合機制御システム、複合機の制御方法、プログラムおよびその記録媒体

【課題】複合機において生成される情報表示画面を、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置において動作するアプリケーションに応じた表示形態で表示させる。
【解決手段】複合機10は、情報表示画面を表示する表示部12bと、上記情報表示画面を生成するための初期設定条件を含む情報表示画面設定データを記憶する記憶部15と、上記各部の動作を制御する機器制御部21とを備え、機器制御部21は、上記情報表示画面を表示部12bに表示させる際、サーバ装置50から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを介して通信可能に接続された複合機とサーバ装置とが連携して動作する複合機制御システムおよび複合機制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特許文献1〜4に開示されているように、通信ネットワークを介してMFP(multifunction peripheral;複合機、多機能周辺装置)とサーバ装置とを通信可能に接続し、MFPの機能をサーバ装置から制御する技術が知られている。これらの技術では、一般に、MFPで動作するアプリケーション(MFP Native アプリケーション)と、サーバ装置で動作するアプリケーションとが連携してMFPの動作を制御するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−080017号公報(平成17年3月24日公開)
【特許文献2】特開2006−277005号公報(平成18年10月12日公開)
【特許文献3】特開2007−174400号公報(平成19年7月5日公開)
【特許文献4】特開2008−130089号公報(平成20年6月5日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようにMFPで動作するアプリケーションとサーバ装置で動作するアプリケーションとが連携してMFPの動作を制御する構成では、MFPで動作するアプリケーションによってMFPの情報表示画面に表示される画像とサーバ装置で動作するアプリケーションによってMFPの情報表示画面に表示される画像との間でデザインの一体感が損なわれるため、ユーザが混乱してしまうという問題がある。
【0005】
例えば、一般に、MFPにおいてスキャンした画像データに関するコピー、送信、ファイリング、あるいは画像編集等の処理を行う前にこの画像データをMFPの情報表示画面にプレビュー表示する場合、MFPにおいて動作するアプリケーション(MFPの標準機能)がプレビュー画像を生成して情報表示画面に表示させるようになっている。
【0006】
すなわち、プレビュー画像をサーバ装置において生成するためにはスキャンによって取得した画像データをMFPからサーバ装置に送信する必要があるが、プレビュー表示前に画像データの送信処理を行うことは、画像データに対する処理を実行する前にそのプレビュー画像をユーザに確認させて処理の実行の可否を判断させるというプレビュー表示の本来の目的に反してしまう。このため、一般に、MFPで動作するアプリケーションとサーバ装置で動作するアプリケーションとが連携してMFPの動作を制御する構成であっても、プレビュー表示についてはMFPで動作するアプリケーションが行うようになっている。
【0007】
ところが、この場合、サーバ装置のアプリケーションによってカスタマイズされた画面上(あるいはサーバ装置のアプリケーションによってカスタマイズされた画面の合間)にMFPのアプリケーションにおいて予め用意された組込のプレビュー画面が表示されることになるので、デザインの一体感が損なわれてしまい、ユーザを混乱させてしまう場合がある。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信ネットワークを介して通信可能に接続された複合機とサーバ装置とが連携して複合機の動作を制御する構成において、複合機で動作するアプリケーションによって生成される表示画面を、サーバ装置で動作するアプリケーションによって生成される表示画面に対応する表示形態で表示できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の複合機は、上記の課題を解決するために、アプリケーションプログラムを実行するサーバ装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続され、上記アプリケーションプログラムによって生成された制御コマンドに応じた処理を実行する複合機であって、情報表示画面を表示する表示部と、上記情報表示画面を生成するための初期設定条件を含む情報表示画面設定データを記憶する記憶部と、上記情報表示画面設定データに基づいて上記情報表示画面を生成する情報表示画面生成部とを備え、上記情報表示画面生成部は、上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面を上記表示部に表示させることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、情報表示画面を表示する表示部と、上記情報表示画面を生成するための初期設定条件を含む情報表示画面設定データを記憶する記憶部と、上記情報表示画面設定データに基づいて上記情報表示画面を生成する情報表示画面生成部とを備えており、上記情報表示画面生成部は、上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面を上記表示部に表示させる。したがって、複合機において動作する情報表示画面生成部によって生成される情報表示画面を、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置において動作するアプリケーションからの指示に応じて変更し、当該アプリケーションに応じた表示形態で表示させることができる。
【0011】
また、上記情報表示画面生成部は、上記初期設定条件に基づいて生成される情報表示画面に含まれる複数の構成要素画像のうちの少なくとも一部の構成要素画像の表示形態を上記サーバ装置から受信した指示に応じて変更した情報表示画面を上記表示部に表示させる構成であってもよい。例えば、上記情報表示画面生成部は、上記構成要素画像の色、サイズ、形状、表示位置、当該構成要素画像に含まれる文字の色、サイズ、フォント、太さ、表示位置のうちの少なくとも1つを上記サーバ装置から受信した指示に応じて変更した情報表示画面を上記表示部に表示させる構成であってもよい。また、上記構成要素画像は、例えば、背景画像、ボタン画像、文字画像、アイコン画像、あるいはこれらを組み合わせた画像であってもよい。
【0012】
上記の構成によれば、情報表示画面に含まれる構成要素画像の表示形態を、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置において動作するアプリケーションからの指示に応じて変更し、当該アプリケーションに応じた表示形態で表示させることができる。
【0013】
また、上記情報表示画面生成部は、上記初期設定条件に基づいて生成される情報表示画面に含まれる複数の構成要素画像のうちの少なくとも一部の構成要素画像を、上記サーバ装置から受信した指示に応じて削除した情報表示画面を上記表示部に表示させる構成としてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置において動作するアプリケーションにおける処理に対応する構成要素画像を選択して表示する情報表示画面に含めることができる。
【0015】
また、上記情報表示画面生成部は、上記初期設定条件に基づいて生成される情報表示画面に含まれる複数の構成要素画像のうちの少なくとも一部の構成要素画像を、上記サーバ装置から受信した指示によって指定されたアドレスから取得した構成要素画像に置き換えた情報表示画面を上記表示部に表示させる構成としてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置において動作するアプリケーションからの指示に応じた構成要素画像を取得し、取得した構成要素画像に基づいて情報表示画面を変更することができる。
【0017】
また、画像データに応じた画像を記録材上に形成する画像形成処理を行う画像形成部を備え、上記情報表示画面は、上記画像形成処理を行う前に上記画像データに応じた画像をユーザに提示するためのプレビュー画面であり、上記情報表示画面生成部は、上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面の画像データと、上記画像データとを合成することによって生成した情報表示画面を上記プレビュー画面として上記表示部に表示させる構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、複合機において生成されるプレビュー画面を、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置において動作するアプリケーションからの指示に応じて変更し、当該アプリケーションに応じた表示形態で表示させることができる。
【0019】
また、上記画像データを取得する画像データ取得処理を行う画像データ取得部を備え、上記情報表示画面生成部は、上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して上記情報表示画面の画像データを生成する処理を、上記画像データ取得処理と並行して行う構成としてもよい。なお、上記画像データ取得部は、例えば、原稿を読み取ってこの原稿の画像データを取得するものであってもよく、通信ネットワークを介して接続された他の装置から画像データを取得するものであってもよく、複合機に備えられる記憶部または複合機に対して着脱可能に接続される記憶媒体から画像データを読み出すものであってもよい。
【0020】
上記の構成によれば、画像データの取得処理と上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して上記情報表示画面の画像データを生成する処理とを並行して行うことで、プレビュー画面を表示するまでに要する時間を短縮することができる。
【0021】
本発明の複合機制御システムは、アプリケーションプログラムを実行するサーバ装置と、当該サーバ装置に通信ネットワークを介して通信可能に接続され、上記アプリケーションプログラムによって生成された制御コマンドに応じた処理を実行する複合機とを備えた複合機制御システムであって、上記複合機は、情報表示画面を表示する表示部と、上記情報表示画面を生成するための初期設定条件を含む情報表示画面設定データを記憶する記憶部と、上記各部の動作を制御する情報表示画面生成部とを備え、上記サーバ装置は、上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更させるために指示を上記複合機に送信し、上記情報表示画面生成部は、上記情報表示画面を上記表示部に表示させる際、上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面を上記表示部に表示させることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、上記複合機は、情報表示画面を表示する表示部と、上記情報表示画面を生成するための初期設定条件を含む情報表示画面設定データを記憶する記憶部と、上記情報表示画面設定データに基づいて上記情報表示画面を生成する情報表示画面生成部とを備えており、上記情報表示画面生成部は、上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面を上記表示部に表示させる。したがって、複合機において動作する情報表示画面生成部によって生成される情報表示画面を、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置において動作するアプリケーションからの指示に応じて変更し、当該アプリケーションに応じた表示形態で表示させることができる。
【0023】
本発明の複合機の制御方法は、アプリケーションプログラムを実行するサーバ装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続され、上記アプリケーションプログラムによって生成された制御コマンドに応じた処理を実行する複合機の制御方法であって、上記複合機は、情報表示画面を表示する表示部と、上記情報表示画面を生成するための初期設定条件を含む情報表示画面設定データを記憶する記憶部とを備えており、上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面を生成する工程と、上記情報表示画面を上記表示部に表示させる工程とを含むことを特徴としている。
【0024】
上記の方法によれば、上記複合機は、情報表示画面を表示する表示部と、上記情報表示画面を生成するための初期設定条件を含む情報表示画面設定データを記憶する記憶部とを備えており、上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面を上記表示部に表示させる。したがって、複合機において動作する情報表示画面生成部によって生成される情報表示画面を、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置において動作するアプリケーションからの指示に応じて変更し、当該アプリケーションに応じた表示形態で表示させることができる。
【0025】
なお、上記複合機は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各部として動作させることにより、上記複合機をコンピュータにて実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明の複合機、複合機制御システム、および複合機の制御方法では、上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面を上記表示部に表示させる。
【0027】
それゆえ、複合機において動作する情報表示画面生成部によって生成される情報表示画面を、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置において動作するアプリケーションからの指示に応じて変更し、当該アプリケーションに応じた表示形態で表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態にかかる複合機および複合機制御システムの構成を示す説明図である。
【図2】図1に示した複合機制御システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1に示した複合機の表示部に表示される情報表示画面の一例を示す説明図である。
【図4】図1に示した複合機に記憶されている管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図5】図1に示した複合機制御システムにおいてサーバ装置から複合機に送信される情報表示画面データの一例を示す説明図である。
【図6】図5に示した情報表示画面データに基づいて複合機の表示部に表示される情報表示画面を示す説明図である。
【図7】図1に示した複合機制御システムにおいてサーバ装置から複合機に送信されるコピー処理の実行開始要求の一例を示す説明図である。
【図8】図1に示した複合機制御システムにおいて行われるコピー処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図1に示した複合機に予め組み込まれたプレビュー画面構成要素に基づいて生成されたプレビュー画面の一例を示す説明図である。
【図10】図1に示した複合機において、図9のプレビュー画面をサーバ装置からの指示に応じてカスタマイズしたプレビュー画面の一例を示す説明図である。
【図11】図1に示した複合機に予め組み込まれたプレビュー画面構成要素に基づいて生成された情報表示画面の一例を示す説明図である。
【図12】図1に示した複合機において、図11の情報表示画面をサーバ装置からの指示に応じてカスタマイズした情報表示画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の一実施形態について説明する。
【0030】
(1−1.複合機制御システム1の全体構成)
図1は、本実施形態にかかる複合機制御システム1の構成を示す説明図である。この図に示すように、複合機制御システム1は、複合機(MFP)10と、サーバ装置(アプリケーションサーバ装置)50とを含んでおり、これらの装置が通信ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。もちろん、複合機制御システム1に含まれる複合機10の台数は複数であってもよく、サーバ装置50の台数も複数であってもよい。なお、通信ネットワーク30としては、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線、シリアルケーブル等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。また、複合機10とサーバ装置50とは、ウェブサーバとウェブブラウザとの間の通信(例えば、ウェブページの要求および送信)に用いられるプロトコルであるHTTP(Hyper Text Transfer Protocol:ハイパーテキスト転送プロトコル)を用いて通信を行うようになっている。
【0031】
(1−2.複合機10の構成)
複合機10は、HTML形式の制御情報を、HTTPを用いてサーバ装置50から受け取り、受け取った制御情報に基づいて、複合機10の各種機能(例えば、スキャン機能、印刷機能、コピー機能、ファクシミリの送受信機能、通信機能など)を実行するデジタル複合機またはアナログ複合機である。
【0032】
複合機10は、制御部11、操作部12、画像読取部(画像データ取得部)13、画像形成部14、記憶部15、および第2通信部(画像データ取得部)16を備えている。また、制御部(情報表示画面生成部)11は、機器制御部(情報表示画面生成部)21、ウェブブラウザ部22、制御アプリケーション部23、および第2ウェブサーバ部24を備えている。
【0033】
操作部12は、ユーザに対して各種情報を通知するとともに、ユーザからの入力を受け付けるユーザインターフェイスである。操作部12は、各種の入力キーを含む入力部12aと、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)などの表示部12bとを備えている。なお、操作部12は、入力部12aと表示部12bとが一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
【0034】
画像読取部13は、スキャナと、原稿をスキャナの位置まで搬送する原稿搬送部とを含んでおり、原稿に印刷された文字や画像などを画像データとして読み取るスキャン機能を実行する。なお、画像読取部13は、所定の解像度で画像を読み取る。
【0035】
画像形成部14は、用紙などの記録シートに対して、入力された画像データに対応する画像(文字/写真/グラフィック)を印刷するためのものであり、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、および用紙トレイなどを含む。具体的には、画像形成部14は、画像読取部13から入力された画像データを印刷するコピー機能、および外部装置から入力された画像データを印刷するプリンタ機能を実行する。
【0036】
第2通信部16は、通信ネットワーク30を介して、サーバ装置50などの外部装置との間で通信を行う通信インターフェイスである。本実施形態では、上述したように、第2通信部16はサーバ装置50とHTTPを用いて通信する。また、第2通信部16は、アクセス先が自装置のIPアドレスが示されている場合、複合機10内部の第2ウェブサーバ部24にアクセスすることもできる。
【0037】
制御部11は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶部(いずれも図示せず)などにより構成されるコンピュータ装置であり、上記記憶部に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで機器制御部21、ウェブブラウザ部22、制御アプリケーション部23、および第2ウェブサーバ部24の機能を実現する。
【0038】
ウェブブラウザ部22は、汎用されているウェブブラウザのソフトウェアに従った動作を行うものである。ウェブブラウザ部22は、第2通信部16を介して、サーバ装置50が有する第1ウェブサーバ部53だけでなく、複合機10内部の第2ウェブサーバ部24とも通信を行うことができる。本実施形態では、ウェブブラウザ部22は、情報表示画面のデータを要求する場合であって、複合機10の各種機能(例えば、コピー機能)を制御するための制御コマンドを実行しない場合に、サーバ装置50が有する第1ウェブサーバ部53と通信するように設定されている。一方、ウェブブラウザ部22は、複合機10の各種機能を制御するための制御コマンドを実行する場合には、複合機10内部の第2ウェブサーバ部24と通信するように設定されている。
【0039】
第2ウェブサーバ部24は、汎用されているウェブサーバのソフトウェアに従った動作を行うものである。ここで、ウェブサーバとは、インターネット上の情報システムであるWWW(World Wide Web)を構成するサーバ装置の機能を提供するソフトウェアである。第2ウェブサーバ部24は、ウェブブラウザ部22からの要求(HTTPリクエスト)を受信し、当該要求に応じたアプリケーションを実行させ、ウェブブラウザ部22に対して応答(HTTPレスポンス)を行うものである。
【0040】
制御アプリケーション部23は、ウェブサーバ上で動作するウェブアプリケーションに従った処理を実行するものである。制御アプリケーション部23は、複合機10の各種機能(例えば、コピー機能)を制御する必要がある場合、当該機能を制御するための制御コマンドを機器制御部21に送る。もしくは、制御アプリケーション部23は、制御コマンドに従って、ウェブブラウザ部22を制御することで、複合機10に固有の固有情報を第1ウェブサーバ部53に送信するように通信制御してもよい。これにより、複合機10の機能を制御することができる。
【0041】
機器制御部21は、複合機10の各種機能を制御するものである。具体的には、機器制御部21は、画像読取部13、画像形成部14、第2通信部16、および操作部12等の各部の動作を制御する。
【0042】
例えば、機器制御部21は、画像読取部13の動作を制御して、スキャン画像のデータを取得する。また、機器制御部21は、画像形成部14の動作を制御して、画像データに応じた画像を記録材上に形成(出力)する。
【0043】
機器制御部21は、固有操作モードと、連携操作モードとを有している。固有操作モードは複合機10に固有のモードであり、予め複合機10内で記憶している情報表示画面を表示部12bに表示させ、当該情報表示画面に対して入力された指示を入力部12aから受け取り、当該指示に従って複合機10の各種機能を制御する。一方、連携操作モードでは、機器制御部21は、サーバ装置50から受け取った情報表示画面を表示部12bに表示させ、当該情報表示画面に対して入力された指示に基づいて制御アプリケーション部23から受けた制御指示に従って上記のような制御を行う。あるいは、予め複合機10内で記憶している情報表示画面の少なくとも一部をサーバ装置50から受け取った指示に応じて変更した情報表示画面を表示部12bに表示させ、当該情報表示画面に対して入力された指示に基づいて制御アプリケーション部23から受けた制御指示に従って上記のような制御を行う。
【0044】
固有操作モード時には、機器制御部21は、現在の複合機10の構成や状態に合わせて、記憶部15に保持されているパーツ(構成要素画像)単位の画像情報を適宜組み合わせ、情報表示画面上に表示するなどの制御も行う。なお、固有操作モードは、従来の複合機で行われている一般的なモードであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0045】
連携操作モードの実行指示が入力された場合、機器制御部21は、ウェブブラウザ部22を起動させ、予め設定されたURL(本実施形態では、サーバ装置50の第1ウェブサーバ部53に対して初期情報表示画面の送信を要求するURLである)に従った処理を実行させる。そして、連携操作モードでは、機器制御部21は、制御アプリケーション部23から制御コマンドを受け付け、当該制御コマンドに従った制御を行う。
【0046】
機器制御部21は、複合機10の機種に依存しない制御コマンドを受け付け可能なOpenI/F部21aを備えている。OpenI/F部21aは、複合機10の各種機能を制御するための制御コマンドを制御アプリケーション部23に公開しており、制御アプリケーション部23から制御コマンドを受け付けるとともに、受け付けた制御コマンドを、機器制御部21で認識可能なコマンドに変換するものである。
【0047】
OpenI/F部21aは、外部に公開している制御コマンドと、機器制御部21で認識可能なコマンドとを対応付けた変換テーブルを記憶する変換テーブル記憶部(図示せず)を備えており、当該変換テーブルに従って、コマンドの変換処理を行う。
【0048】
このように、OpenI/F部21aは、複合機10の機種によらない共通の制御コマンドを受け付け可能である。これにより、制御アプリケーション部23を動作させるためのウェブアプリケーションは、複合機10によらず共通のものを用いることができる。そのため、新たなウェブアプリケーションに従って制御アプリケーション部23を動作させる場合、各複合機10に対して同じウェブアプリケーションをインストールするだけでよく、複合機10ごとにウェブアプリケーションの変更を行う必要がなくなる。これにより、制御アプリケーション部23を動作させるためのウェブアプリケーションの開発を容易に行うことができる。
【0049】
(1−3.サーバ装置50の構成)
サーバ装置50は、図1に示したように、第1通信部52と、制御部51とを備えている。また、制御部51は、第1ウェブサーバ部53と、外部アプリケーション部54とを備えている。
【0050】
制御部51は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶部(いずれも図示せず)などにより構成されるコンピュータ装置であり、上記記憶部に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで第1ウェブサーバ部53、および外部アプリケーション部54の機能を実現する。
【0051】
第1通信部52は、LANやインターネット回線等を介して複合機10と通信するものである。また、第1通信部52は、HTTPの通信プロトコルを用いて複合機10と通信する。
【0052】
第1ウェブサーバ部53は、ウェブサーバのソフトウェアに従って動作するものである。第1ウェブサーバ部53は、第1通信部52を介して複合機10からの要求(ここでは、HTTPリクエスト)を受信し、当該HTTPリクエストに応じたファイルや画像データ、印刷データ、制御情報などを、第1通信部52を介して当該複合機10に応答する機能を有する。
【0053】
外部アプリケーション部54は、第1ウェブサーバ部53からの指示に応じて、所定のウェブアプリケーションに従った動作を行う。すなわち、外部アプリケーション部54は、ウェブサーバ上で動作する各種のウェブアプリケーションに従った動作を行うものである。
【0054】
例えば、外部アプリケーション部54は、複合機10からの要求(HTTPリクエスト)が情報表示画面の送信要求である場合、情報表示画面送信アプリケーションに従った動作を行う。具体的には、外部アプリケーション部54は、当該送信要求で示される情報表示画面のHTMLデータを記憶部から読み出し、第1ウェブサーバ部53に送る。
【0055】
また、外部アプリケーション部54は、複合機10からの要求が印刷データの送信要求である場合、印刷アプリケーションに従った動作を行う。具体的には、外部アプリケーション部54は、当該送信要求で示されるフォルダ名のフォルダから指定されたファイル名の印刷データを取得し、その印刷データを第1ウェブサーバ部53に送る。
【0056】
(1−4.連携操作モードの動作)
次に、複合機10とサーバ装置50とが連携して処理を実行する連携操作モードの処理の一例について図2を参照しながら説明する。図2は、外部アプリケーション部54の制御により、複合機10が生成して記憶部15に保存しているプレビュー画像データを表示部12bに表示(プレビュー表示)する場合の処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、コピー処理を行うための外部アプリケーションを用いる場合の例について説明する。
【0057】
まず、機器制御部21は表示部12bに外部アプリケーション起動画面(情報表示画面)を表示させる(S1)。図3は、表示部12bに表示させる外部アプリケーション起動画面の一例を示す説明図である。なお、外部アプリケーション起動画面のデータは、記憶部15に予め記憶させておいてもよく、機器制御部21が第2通信部16を介してサーバ装置50にアクセスして取得するようにしてもよい。
【0058】
次に、ユーザから入力部12aを介して入力される外部アプリケーションの選択指示を受け付けると(S2)、機器制御部21は、ウェブブラウザ部22を起動し、選択された外部アプリケーションに関連付けられたURLに初期操作画面(情報表示画面)の送信を要求するためのHTTP Getコマンドを送信させる(S3)。具体的には、外部アプリケーション起動画面に表示される各外部アプリケーションと、当該各外部アプリケーションの初期操作画面を要求するためのURLとを対応付けた管理テーブルが予め記憶部15に記憶されている。そして、機器制御部21は、この管理テーブルから初期操作画面の送信を要求するためのURLを取得してウェブブラウザ部22に通知し、当該URLに初期操作画面の送信を要求するためのHTTP Getコマンドを送信させる。図4は記憶部15に記憶されている管理テーブルの一例を示す説明図である。
【0059】
サーバ装置50の第1ウェブサーバ部53は当該Getコマンド(初期操作画面の送信要求)を受信すると(S21)、当該Getコマンドに対応する初期操作画面(情報表示画面)のHTMLデータ(初期操作画面データ)を複合機10に応答(返信)する(S22)。
【0060】
複合機10の機器制御部21は、第2通信部16がサーバ装置50から初期操作画面データを受信すると(S4)、受信した初期操作画面データに応じた初期操作画面(情報表示画面)を表示部12bに表示させる(S5)。図5はサーバ装置50から複合機10に返信されるHTMLデータの一例であり、図6はこのHTMLデータに基づいて複合機10の表示部12bに表示される初期情報表示画面を示している。
【0061】
次に、機器制御部21は、入力部12aを介してユーザからの処理開始命令(ここではコピー開始命令)を受け付けると(S6)、ウェブブラウザ部22を制御してサーバ装置50に処理の実行開始要求の送信要求(Getコマンド)を送信させる(S7)。
【0062】
サーバ装置50の第1ウェブサーバ部53は当該送信要求を受信すると(S23)、当該送信要求に対応する処理(ここではコピー処理)の実行開始要求を複合機01に応答(返信)する(S24)。この実行開始要求は、制御アプリケーション部23への要求である。複合機10は第2通信部16でこの開始要求を受信し、第2ウェブサーバ部24を介して制御アプリケーション部23へこの開始要求を伝達する。なお、この開始要求は、HTTP GET、POST、あるいはSOAPなどの方法で行うことができる。また、この開始要求には、プレビュー画面表示を行うか否かの指定などが含まれている。また、プレビュー表示を行う場合には、その構成要素情報(複合機10の記憶部15に記憶されているプレビュー画面(情報表示画面)の初期設定条件に含まれる構成要素画像のうちの少なくとも一部を変更させるための情報)が開始要求に含まれる。
【0063】
図7はコピー処理の実行開始要求の一例を示す説明図であり、実行開始要求がSOAPによるコマンドである場合の例を示している。この図に示すように、実行要求のコマンド内には、コピー処理の実行に必要なパラメータが列挙されている。例えば、<Copy>要素はコピーの部数を指定している。また、<Preview>要素はコピーする画像の画像データのプレビューを行うか否かを指定している(<Preview>要素がtrueの場合にプレビューを行い、falseの場合には行わない)。また、<PreviewBack>要素(構成要素情報)はプレビュー画面の背景画像の画像データの保存場所を指定している。また、<PrevTitle>要素(構成要素情報)は、プレビュー画面に表示するタイトルテキストを指定している。また、プレビュー画面では、表次ページに対して実行可能な編集機能(ページ削除、ページ回転、ページ順序変更など)に応じた表示が行われるようになっており、上記コマンド内には、それら各編集機能の有効(true)/無効(false)を示す情報(構成要素情報)が含まれている。例えば、<PrevPageRotate>要素(構成要素情報の1つ)はページ回転処理の有効/無効を指定しており、<PrevPageDelete>要素(構成要素情報)はページ削除処理の有効/無効を指定している。これらの要素を指定することにより、プレビュー画面を実行可能な編集機能に応じてカスタマイズできるようになっている。
【0064】
なお、複合機10の記憶部15にプレビュー画面を生成するためのデフォルト情報(初期設定情報)を含むプレビュー画面設定データ(情報表示画面設定データ)を予め記憶させておき、サーバ装置50から複合機10に送信される上記コマンドに上記初期設定条件のうち変更させる項目に関する情報(構成要素情報)のみを含めるようにしてもよい。例えば、プレビュー画像(情報表示画面)に含まれる複数の構成要素画像のうち、表示形態を変更させる構成要素画像およびその変更内容を示す情報(構成要素情報)を上記コマンドに含めるようにしてもよい。上記構成要素画像としては、例えば、プレビュー画像、背景画像、ボタン画像、文字画像、アイコン画像、あるいはこれらを組み合わせた画像などが挙げられる。また、上記変更内容としては、例えば、上記構成要素画像の色、サイズ、形状、表示位置、当該構成要素画像に含まれる文字の色、サイズ、フォント、太さ、表示位置、あるいはこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0065】
機器制御部21は、第2通信部16を介してサーバ装置50からの実行開始要求を受信すると(S8)、受信した実行開始要求に応じた処理を実行し(S9)、処理を終了する。具体的には、機器制御部21は、サーバ装置50から受信した実行開始要求を制御アプリケーション部23に解析させる。制御アプリケーション部23は、解析結果に基づいて制御コマンドを生成し、生成した制御コマンドを機器制御部21(OpenI/F部21a)に送る。機器制御部21のOpenI/F部21aは、制御アプリケーション部23から受け取った制御コマンドを機器制御部21が認識可能なコマンドに変換する。その後、機器制御部21は、変換されたコマンドに従って複合機10における各種の機能を制御する。
【0066】
図8は図2のS9において行われるコピー処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
第2通信部16がサーバ装置50からコピー処理の実行開始要求を受信すると(図2のS8)、機器制御部21は、受信した実行開始要求に応じて画像読取部13を制御し、コピー原稿の画像の読み取らせてコピー原稿の原稿画像データを取得させる(S10)。
【0068】
次に、機器制御部21は、画像形成前にプレビュー画面を表示させるか否かを判断する(S11)。この判断は、サーバ装置50から受信した実行開始要求のコマンドに含まれる<Preview>要素が有効(true)であるか無効(false)であるかに応じて行う。
【0069】
S11においてプレビュー画面を表示しないと判断した場合、機器制御部21は画像形成部14を制御して上記原稿画像データに応じた画像を記録材上に形成(画像形成処理)させ(S20)、処理を終了する。
【0070】
一方、S11においてプレビュー画面を表示すると判断した場合、機器制御部21は、画像読取部13が取得した原稿画像データに基づいてプレビュー用原稿画像データを生成し(S12)、記憶部15に記憶させる。なお、プレビュー用原稿画像データの生成は、機器制御部21が行ってもよく、機器制御部21の指示に応じて複合機10に備えられる画像処理部(図示せず)がおこなってもよい。
【0071】
また、機器制御部21は、プレビュー用原稿画像データの作成処理と並行して、制御アプリケーション部23にコピー実行開始要求に含まれるプレビュー画面構成情報(構成要素情報)を解析させ、プレビュー画面の構成要素に関する情報(プレビュー画面構成要素)を外部アプリケーション部54から取得する必要がある場合には、ウェブブラウザ部22を制御してプレビュー画面構成要素の送信要求をサーバ装置50の第1ウェブサーバ部53に送信させる(S13)。プレビュー画面構成要素の送信要求は、例えば、HTTP GETもしくはPOST、SOAPなどの方法を用いて行うことができる。なお、上記の説明ではプレビュー用原稿画像データの作成処理とプレビュー画面構成要素の送信要求とを並行して行っているが、これに限らず、いずれか一方の処理を行った後に他方の処理を行うようにしてもよい。
【0072】
サーバ装置50の第1ウェブサーバ部53は、プレビュー画面構成要素の送信要求を受信すると(S25)、プレビュー画面構成要素を複合機10に応答(返信)する(S26)。
【0073】
複合機10の機器制御部21は、第2通信部16がプレビュー画面構成要素を受信すると、受信したプレビュー画面構成要素とS12で生成したプレビュー用原稿画像データとに基づいてプレビュー画面(プレビュー画面の画像データ)を作成し(S15)、表示部12bに表示させる(S16)。なお、プレビュー画面構成要素を受信した時点でプレビュー用原稿画像データの生成が完了していない場合には、プレビュー用原稿画像データを記憶部15に記憶させてプレビュー用原稿画像データの生成を待つようにしてもよい。この場合、プレビュー用原稿画像データの生成が完了した時点で記憶部15からプレビュー画面構成要素を読み出し、プレビュー用原稿画像データと合成すればよい。また、プレビュー画面構成要素において、プレビュー画像に含めるパーツ画像(構成要素画像)を所定の保存先から取得することが指定するようにしてもよい。この場合、機器制御部21はプレビュー画面構成要素で指定された保存先から構成要素画像を取得し、プレビュー用原稿画像データおよび他の構成要素画像と合成することでプレビュー画面(プレビュー画面の画像データ)を作成する。
【0074】
図9は複合機10に予め組み込まれたプレビュー画面構成要素に基づいて生成されたプレビュー画面の一例を示す説明図であり、図10はサーバ装置50から取得した実行開始要求(図7に示した実行開始要求)およびプレビュー画面構成要素に基づいて生成されたプレビュー画面の一例を示す説明図である。
【0075】
図7に示した実行開始要求では、タイトルを示す<PrevTitle>要素に「本人確認書類コピーアプリケーション」と設定されている。このため、図10のプレビュー画面ではタイトルが図9のプレビュー画像における「プレビュー」から「本人確認書類コピーアプリケーション」に変更されている。
【0076】
また、図7に示した実行開始要求では、プレビュー画面内の回転機能を示す<PrevPageRotate>要素がfalse(無効)に設定されているため、図9のプレビュー画像では「回転」ボタンが表示されていたが、図10のプレビュー画面では「回転」ボタンは表示されていない。
【0077】
また、図7に示した実行開始要求では、背景画像の場所が<PrevBack>要素でURL指定されているため、S13〜S14において背景画像(プレビュー画面構成要素)の取得処理が行われ、図10のプレビュー画面の背景画像色は図9のプレビュー画像の背景画像色から変更されている。
【0078】
なお、実行開始要求において設定されるプレビュー画像の構成は上記の例に限るものではない。例えば、タイトル、プレビュー用原稿画像、編集処理を示すボタン(例えば、「削除」ボタン、「回転」ボタン等)、コピーの実行指示を入力するための「OK」ボタン等の表示位置、表示サイズ、表示色、形状、フォント、文字サイズ、模様などを実行開始要求において設定するようにしてもよい。また、これらの構成要素の画像データを指定したURLから取得させるように設定してもよい。
【0079】
以上のように、本実施形態にかかる複合機制御システム1は、通信ネットワーク30を介して互いに通信可能に接続された複合機10とサーバ装置50とを備えており、複合機10は、情報表示画面を表示する表示部12bと、上記情報表示画面を生成するための初期設定条件を含む情報表示画面設定データを記憶する記憶部15と、上記各部の動作を制御する機器制御部21とを備え、サーバ装置50は、上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更させるために指示を複合機10に送信し、機器制御部21、上記情報表示画面を表示部12bに表示させる際、サーバ装置50から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面を表示部12bに表示させる。
【0080】
これにより、複合機10において動作する機器制御部21によって生成される情報表示画面を、通信ネットワークを介して接続されるサーバ装置50において動作するアプリケーションからの指示に応じて変更し、当該アプリケーションに応じた表示形態で表示させることができる。
【0081】
例えば、複合機10は、情報表示画面に含まれる背景画像、メッセージ画像、ボタン画像の表示(情報表示画面に含めるパーツ画像の画像データ、メッセージのテキストデータ、あるいは上記画像データおよび/またはテキストデータの保存先を示すデータ)を情報表示画面の表示時にサーバ装置50で動作するアプリケーション(OSAアプリ)から取得する。これにより、情報表示画面の表示や画像編集などの機能は複合機10で制御したまま、情報表示画面に含まれる各アイテム(メッセージ画像やボタン画像など)をサーバ装置50からの指示に応じた画像に変更し、複合機10の制御によって表示される情報表示画面(例えばプレビュー画面)をあたかもサーバ装置50で動作するアプリケーションが表示したかのように見せることができる。
【0082】
なお、本実施形態では、コピー処理の際に読み取った原稿画像データのプレビュー画像を表示するプレビュー画面をサーバ装置50からの指示に応じてカスタマイズする場合の実施例について説明した。しかしながら、サーバ装置50からの指示に応じてカスタマイズする表示画面はこれに限るものではない。例えば、複合機10に組み込まれている複合機10単体で動作可能な機能を実行する各種アプリケーション(MFP Native アプリケーション)の情報表示画面の表示条件や操作条件をサーバ装置50から複合機10に送信する各処理の実行開始要求に含まれる指示に応じてカスタマイズするようにしてもよい。また、上記情報表示画面の構成要素の画像データをサーバ装置50がURLで指定する保管場所から取得して表示させるようにしてもよい。
【0083】
図11は、複合機10に予め組み込まれた情報表示画面データに基づいて生成された、画像データを他の装置に送信する画像データ送信処理を行うための情報表示画面の一例を示す説明図である。また、図12は、上記の画像データ送信処理を行うための情報表示画面をサーバ装置50から複合機10に送信される実行開始要求に含まれる指示に応じてカスタマイズした情報表示画面の一例を示す説明図である。
【0084】
図12に示した例では、サーバ装置50から複合機10に送信される実行開始要求に含まれる指示に応じて、情報表示画面のタイトルが図11の「送信」から「簡単送信アプリケーション」に変更され、フォントも変更されている。また、情報表示画面の背景画像の色が図11と図12とで変更されている。また、図12では、図11の情報表示画面において表示されていたユーザが設定可能な項目を示すボタンのうち、解像度を設定するためのボタン、ファイルのフォーマットを設定するためのボタンが削除されている。
【0085】
また、本実施形態において、複合機10および/またはサーバ装置50に備えられる各部(各ブロック)、特に複合機10の制御部11および/またはサーバ装置50の制御部51を、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現してもよい。この場合、複合機10および/またはサーバ装置50は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである複合機10および/またはサーバ装置50の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、複合機10および/またはサーバ装置50に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
【0086】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0087】
また、複合機10および/またはサーバ装置50を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0088】
また、複合機10および/またはサーバ装置50の各ブロックは、ソフトウェアを用いて実現されるものに限らず、ハードウェアロジックによって構成されるものであってもよく、処理の一部を行うハードウェアと当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うソフトウェアを実行する演算手段とを組み合わせたものであってもよい。
【0089】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、アプリケーションプログラムを実行するサーバ装置と、当該サーバ装置に通信ネットワークを介して通信可能に接続され、上記アプリケーションプログラムによって生成された制御コマンドに応じた処理を実行する複合機とを備えた複合機制御システム、および当該複合機制御システムに備えられる上記複合機に適用できる。
【符号の説明】
【0091】
1 複合機制御システム
10 複合機
11 制御部(情報表示画面生成部)
12 操作部
12a 入力部
12b 表示部
13 画像読取部(画像データ取得部)
14 画像形成部
15 記憶部
16 第2通信部(画像データ取得部)
21 機器制御部(情報表示画面生成部)
21a OpenI/F部
22 ウェブブラウザ部
23 制御アプリケーション部
24 第2ウェブサーバ部
30 通信ネットワーク
50 サーバ装置
51 制御部
52 第1通信部
53 第1ウェブサーバ部
54 外部アプリケーション部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションプログラムを実行するサーバ装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続され、上記アプリケーションプログラムによって生成された制御コマンドに応じた処理を実行する複合機であって、
情報表示画面を表示する表示部と、
上記情報表示画面を生成するための初期設定条件を含む情報表示画面設定データを記憶する記憶部と、
上記情報表示画面設定データに基づいて上記情報表示画面を生成する情報表示画面生成部とを備え、
上記情報表示画面生成部は、上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面を上記表示部に表示させることを特徴とする複合機。
【請求項2】
上記情報表示画面生成部は、上記初期設定条件に基づいて生成される情報表示画面に含まれる複数の構成要素画像のうちの少なくとも一部の構成要素画像の表示形態を上記サーバ装置から受信した指示に応じて変更した情報表示画面を上記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項3】
上記情報表示画面生成部は、上記構成要素画像の色、サイズ、形状、表示位置、当該構成要素画像に含まれる文字の色、サイズ、フォント、太さ、表示位置のうちの少なくとも1つを上記サーバ装置から受信した指示に応じて変更した情報表示画面を上記表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の複合機。
【請求項4】
上記情報表示画面生成部は、上記初期設定条件に基づいて生成される情報表示画面に含まれる複数の構成要素画像のうちの少なくとも一部の構成要素画像を、上記サーバ装置から受信した指示に応じて削除した情報表示画面を上記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の複合機。
【請求項5】
上記情報表示画面生成部は、上記初期設定条件に基づいて生成される情報表示画面に含まれる複数の構成要素画像のうちの少なくとも一部の構成要素画像を、上記サーバ装置から受信した指示によって指定されたアドレスから取得した構成要素画像に置き換えた情報表示画面を上記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の複合機。
【請求項6】
画像データに応じた画像を記録材上に形成する画像形成処理を行う画像形成部を備え、
上記情報表示画面は、上記画像形成処理を行う前に上記画像データに応じた画像をユーザに提示するためのプレビュー画面であり、
上記情報表示画面生成部は、上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面の画像データと、上記画像データとを合成することによって生成した情報表示画面を上記プレビュー画面として上記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の複合機。
【請求項7】
上記画像データを取得する画像データ取得処理を行う画像データ取得部を備え、
上記情報表示画面生成部は、上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して上記情報表示画面の画像データを生成する処理を、上記画像データ取得処理と並行して行うことを特徴とする請求項6に記載の複合機。
【請求項8】
アプリケーションプログラムを実行するサーバ装置と、当該サーバ装置に通信ネットワークを介して通信可能に接続され、上記アプリケーションプログラムによって生成された制御コマンドに応じた処理を実行する複合機とを備えた複合機制御システムであって、
上記複合機は、
上記アプリケーションプログラムに対する指示入力をユーザに行わせるための情報表示画面を表示する表示部と、
上記情報表示画面を生成するための初期設定条件を含む情報表示画面設定データを記憶する記憶部と、
上記各部の動作を制御する情報表示画面生成部とを備え、
上記サーバ装置は、上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更させるために指示を上記複合機に送信し、
上記情報表示画面生成部は、上記情報表示画面を上記表示部に表示させる際、上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面を上記表示部に表示させることを特徴とする複合機制御システム。
【請求項9】
アプリケーションプログラムを実行するサーバ装置と通信ネットワークを介して通信可能に接続され、上記アプリケーションプログラムによって生成された制御コマンドに応じた処理を実行する複合機の制御方法であって、
上記複合機は、
情報表示画面を表示する表示部と、
上記情報表示画面を生成するための初期設定条件を含む情報表示画面設定データを記憶する記憶部とを備えており、
上記サーバ装置から受信した指示に応じて上記情報表示画面設定データに含まれる上記初期設定条件のうちの少なくとも一部の条件を変更して生成した情報表示画面を生成する工程と、
上記情報表示画面を上記表示部に表示させる工程とを含むことを特徴とする複合機の制御方法。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか1項に記載の複合機を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記情報表示画面生成部として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−186689(P2012−186689A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48884(P2011−48884)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】