説明

複合機キャッシュレジスターシステムおよび複合機用機能拡張プログラム

【課題】 格別の空間を新たに必要とすることなく店内にキャッシュレジスター特に来店者用のキャッシュレジスターを増設すること。
【解決手段】 来店者にサービスを提供する複合機2に、商品を特定するための商品特定情報および商品の販売金額を商品から読み取るための商品情報読取手段と、商品情報読取手段で読み取られた商品特定情報および販売金額に基いてキャッシュレジスターの演算処理機能を実現するためのキャッシュレジスター機能実現手段とを設け、来店者にサービスを提供する複合機2を来店者用のキャッシュレジスターとして転用することで、格別の空間を新たに必要とすることなく店内に来店者用のキャッシュレジスターを設置できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー機能やファクシミリ機能等を有する複合機を利用してPOSシステム(Point Of Sales system)を構築する複合機キャッシュレジスターシステムおよび複合機用機能拡張プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
POSシステムやキャッシュレジスターシステムの使い勝手を向上させるための技術としては特許文献1に開示されるようなPOSレジスタ載置台や特許文献2に開示されるようなPOS装置が既に公知である。
前者はキャッシュレジスターをレジカウンタ上に移動可能な状態で載置してレジ周りの空間を有効利用しようとするものであり、また、後者はキャッシュレジスターを水平面内で回転可能として其の操作部を客側にも店員側にも向けられるようにして1台のキャッシュレジスターをセルフサービス用のキャッシュレジスターとしても店員用のキャッシュレジスターをとしても利用できるようにしてキャッシュレジスターの利用効率を改善したものである。
何れのものも空間の有効利用やキャッシュレジスターの利用効率の改善の面では一定の効果が望めるが、店内にキャッシュレジスターを増設するためには新たな空間が必要となる点で不都合がある。
【0003】
キャッシュレジスターを包含したPOSシステムについては、例えば、特許文献3に開示されるように既に公知である。
また、POSシステムと支払カードを利用して店内での支払い処理を無人化する技術、および、店内での支払い処理を無人で行なうか店員を利用して行なうかを選択可能とした技術、更に、店内での支払い処理を無人で行なう場合に支払カードもしくは識別カードを利用して認証処理を行なう技術やハンドスキャナ部を利用した操作で来店者が商品から商品情報を取得して装置に自動入力する技術も特許文献4に開示されるように既に公知であって、来店者にサービスを提供するために店内に設置される複合機としては、ファクシミリ機能を備えたものやコピー機能を備えたもの更にはプリント機能を備えたもの等が、例えば、特許文献5等で公知であり、投入された現金に基いて店内の複合機を駆動制御するコイン投入機等についても同特許文献5に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−187274号公報(段落0008)
【特許文献2】特許第4482710号公報(段落0009)
【特許文献3】特開2007−179199号公報(段落0002)
【特許文献4】特開平7−301014号公報(段落0008,0024,0033−0034)
【特許文献5】特開2001−245083(段落0008,0024)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、格別の空間を新たに必要とすることなくキャッシュレジスター、特に、来店者用のキャッシュレジスターを増設することのできる複合機キャッシュレジスターシステムおよび複合機用機能拡張プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の販売時点管理システムは、前記目的を達成するため、来店者にサービスを提供する複合機に、商品を特定するための商品特定情報および商品の販売金額を商品から読み取るための商品情報読取手段と、前記商品情報読取手段で読み取られた商品特定情報および販売金額に基いてキャッシュレジスターの演算処理機能を実現するためのキャッシュレジスター機能実現手段と、前記複合機本来の機能と前記キャッシュレジスター機能実現手段によるキャッシュレジスターの演算処理機能のうち何れか一方を選択するためのモード選択手段とを設け、店内のキャッシュレジスターと前記複合機とをネットワークを介して情報伝達可能に接続したことを特徴とする構成を有する。
【0007】
また、本発明の複合機用機能拡張プログラムは、前記と同様の目的を達成するため、商品を特定するための商品特定情報および商品の販売金額を商品から読み取るための商品情報読取手段を備え、ネットワークを介して店内のキャッシュレジスターと情報伝達可能に接続された複合機が有するマイクロプロセッサを、前記商品情報読取手段で読み取られた商品特定情報および販売金額に基いてキャッシュレジスターの演算処理機能を実現するためのキャッシュレジスター機能実現手段、および、前記複合機本来の機能と前記キャッシュレジスター機能実現手段によるキャッシュレジスターの演算処理機能のうち何れか一方を選択するためのモード選択手段として機能させることを特徴とした構成を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の複合機キャッシュレジスターシステムおよび複合機用機能拡張プログラムは、商品を特定するための商品特定情報および商品の販売金額を商品から読み取るための商品情報読取手段を備えて店内のキャッシュレジスターとネットワークを介して情報伝達可能に接続された複合機に、商品情報読取手段で読み取られた商品特定情報および販売金額に基いてキャッシュレジスターの演算処理機能を実現するためのキャッシュレジスター機能実現手段と、複合機本来の機能とキャッシュレジスター機能実現手段によるキャッシュレジスターの演算処理機能のうち何れか一方を選択するためのモード選択手段とを設けることにより、来店者にサービスを提供する複合機を来店者用のキャッシュレジスターとして転用することができるようにしたので、格別の空間を新たに必要とすることなく店内に来店者用のキャッシュレジスターを設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明を適用した複合機キャッシュレジスターシステムの構成例について簡略化して示したブロック図である。
【図2】同実施形態の複合機キャッシュレジスターシステムの主要部を構成する複合機のハードウェア構成について簡略化して示したブロック図である。
【図3】同実施形態の複合機におけるキャッシュレジスター機能実現手段,モード選択手段,支払方式選択機能実現手段,加算手段およびアラーム出力手段として機能するマイクロプロセッサの処理動作の概略について示したフローチャートである。
【図4】他の一実施形態の複合機におけるマイクロプロセッサの処理動作の概略について示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に図面を参照して本発明を実施するための形態について具体的に説明する。
【0011】
図1は本発明を適用した複合機キャッシュレジスターシステムの構成例について簡略化して示したブロック図、また、図2は同実施形態の複合機キャッシュレジスターシステム1の主要部を構成する複合機2のハードウェア構成について簡略化して示したブロック図である。
【0012】
この実施形態の複合機キャッシュレジスターシステム1は、図1に示されるように、来店者にサービスを提供する複合機2と、店内のキャッシュレジスター3、および、複合機2とキャッシュレジスター3を情報伝達可能に接続するLAN等のネットワーク4によって構成される。
【0013】
複合機2はファクシミリ機能,コピー機能,プリント機能といった3つの機能を備えたもので、ファクシミリやコピーあるいはプリントのための画像を用紙から取り込むためのスキャナ部5と、ガイダンス表示等に利用されるディスプレイ6および来店者が操作する操作スイッチ群7を備えた操作部8と、アラーム音やトーン信号等を出力するための音声出力部9を備える。
【0014】
また、複合機2には、商品を特定するための商品特定情報および商品の販売金額を商品から読み取るためのバーコードリーダー12や決済用のICカードのためのICカード用インターフェイスを構成するRFIDリード&ライター13が、各々のマシン・マシン・インターフェイス10,11を介してローカル接続されるようになっている。
【0015】
同様に、複合機2のマシン・マシン・インターフェイス14には、ファクシミリ送信やコピーあるいはプリント出力等の費用を現金決済するために必要とされるコインベンダー15がローカル接続され、複合機2のマシン・マシン・インターフェイス16には、商品の総重量を計量するための計量機17,18がローカル接続されるようになっている。なお、図2中の符号19はネットワーク用の通信インターフェイスである。
【0016】
商品に貼付または印刷されたバーコード等から商品を特定するための商品特定情報および商品の販売金額を読み取るための商品情報読取手段としては、複合機2自体が備えるスキャナ部5、または、マシン・マシン・インターフェイス10を介して複合機2にローカル接続されたバーコードリーダー12を選択的に利用することができる。
【0017】
但し、商品情報読取手段としてスキャナ部5を利用できるのは、複合機2自体がスキャナ部5を備えている場合、つまり、複合機2が少なくともファクシミリ機能もしくはコピー機能のうち何れか1つを備える場合、要するに、複合機2が用紙から画像を取り込む作業を必須とする複合機である場合に限られる。
バーコードリーダー12は複合機2に後付けすることが可能であるので、複合機2自体が本来備える機能とは無関係に複合機2の商品情報読取手段を構成することができる。
また、複合機2自体がスキャナ部5を備える場合にあっては必ずしも商品情報読取手段としてのバーコードリーダー12を併設する必要はない。
【0018】
コインベンダー15は、複合機2を利用して行なわれるファクシミリ送信やコピーあるいはプリント出力等の費用を現金で決済するための装置であり、また、ICカード用インターフェイスとして機能するRFIDリード&ライター13は、複合機2を利用して行なわれるファクシミリ送信やコピーあるいはプリント出力等の費用をICカードを利用してカード決済するために必要とされる装置であって、何れも其の用途,構成,機能に関しては既に公知である。
【0019】
計量器17は、商品特定情報および販売金額を読み取る前の商品を纏めて載置する位置に設置された第1の計量機であり、また、計量器18は、商品特定情報および販売金額の読み取り後に商品を順に載置する位置に設置された第2の計量機である。
【0020】
計量器17も計量器18も商品の総重量を計量する必要がある点では同じである。従って、例えば、計量器17は、計量値が実質的に零の状態から有意の値に変化し更に其の計量値が安定した状態、つまり、来店者が複数の商品を纏めて載置したのち載置時の振動が減衰して計量値が特定された時点での計量値をマシン・マシン・インターフェイス16経由で複合機2に入力するように構成し、また、計量器18は、来店者が計量器17から取り上げた最後の商品を載置して計量器18の測定スイッチを操作したのち最後の商品の載置に起因して生じた振動が減衰して計量値が特定された時点での計量値をマシン・マシン・インターフェイス16経由で複合機2に入力するように構成するか、または、来店者がスキャナ部5やバーコードリーダー12といった商品情報読取手段を操作して行なう商品特定情報および販売金額の読み取り処理が完了した際に複合機2の操作スイッチ群7に対して行なう読み取り終了宣言のスイッチ操作を複合機2が検知した時点で複合機2から計量器18にマシン・マシン・インターフェイス16を介して測定開始指令を送信し、これを受けた計量器18が計量器17の場合と同様の処理を実行して、最後の商品を載置した際の振動が減衰して計量値が特定された時点での計量値をマシン・マシン・インターフェイス16経由で複合機2に入力するように構成することが望ましい。
【0021】
複合機2は、図2に示されるように、演算処理用のマイクロプロセッサ20と、マイクロプロセッサ20の制御プログラムを格納したROM21と、各種のパラメータとデータベース等を記憶した不揮発性メモリ22と、画像データおよび各種の演算データ等の一時記憶に利用されるRAM23を備える。
【0022】
スキャナ部5はファクシミリ送信やコピーのための画像を用紙から取り込むのに適したフラット型のもので、ファクシミリ送信やコピーの際に必要とされる画像を来店者が持参した用紙から読み込み、入出力回路24を介してマイクロプロセッサ20に渡し、マイクロプロセッサ20が、RAM23に画像データを一時記憶させる。
そして、ファクシミリ送信の場合であれば、RAM23の画像データをマイクロプロセッサ20が処理し、通信インターフェイス19とネットワーク4およびネットワーク4に接続された図示しない変換器および電話回線を介して送信先にコード化された画像データを送信する。
また、コピーの場合であれば、RAM23に一時記憶された画像データをマイクロプロセッサ20が処理し、用紙搬送機構や印字機構等からなる複合機2のプリント部25をマイクロプロセッサ20が駆動制御して用紙のハードコピーを出力する。
【0023】
ディスプレイ6および音声出力部9は入出力回路24を介してマイクロプロセッサ20によって駆動制御され、操作スイッチ群7に対する来店者のスイッチ操作は、入出力回路24を介してマイクロプロセッサ20に入力される。
【0024】
キャッシュレジスター3は販売時点管理システム(Point Of Sales system)のキャッシュレジスターであり、商品の購入金額の合計といった従来型の金銭登録機としての機能の他、販売情報の記録や集計および在庫管理等に必要とされる機能も備えている。販売時点管理システムにおけるキャッシュレジスターの用途,構成,機能に関しては既に様々なものが公知である。
【0025】
複合機2のROM21には、ファクシミリ機能,コピー機能,プリント機能といった複合機2本来の機能を実現するためのプログラムや、コインベンダー15による現金決済、および、RFIDリード&ライター13や来店者のICカードを利用して行なわれるカード決済等を実現するために必要とされるプログラムが格納されている。
【0026】
そして、この実施形態においては、更に、キャッシュレジスター3の機能のうち少なくとも金銭登録機の機能に相当する演算処理機能を実現するために必要とされる手段、すなわち、商品情報読取手段として機能するスキャナ部5やバーコードリーダー12が商品から読み取った商品特定情報や販売金額に基いて商品の購入金額を合計する際に必要とされるキャッシュレジスター機能実現手段として複合機2のマイクロプロセッサ20を機能させるためのキャッシュレジスター用機能拡張プログラムと、複合機2の操作スイッチ群7のうちから予め選択されたスイッチたとえばファクシミリ機能,コピー機能,プリント機能の操作には使われずに機能の割り付けが未定義の状態となっているファンクションスイッチ等の操作を利用して複合機2本来の機能とキャッシュレジスター機能実現手段による演算処理機能のうちから何れか一方の機能を選択するためのモード選択手段として複合機2のマイクロプロセッサ20を機能させるために必要とされる選択処理用機能拡張プログラムが、複合機2のROM21に格納されている。
【0027】
商品の購入に関わる費用の現金決済のためのプログラムや商品の購入に関わる費用のカード決済のためのプログラムは、専用のものをキャッシュレジスター用機能拡張プログラムに組み込んでもよいし、あるいは、ファクシミリ送信,コピー出力,プリント出力といった複合機2本来の機能を利用した際に発生した費用を処理するためにROM21に格納されている従来からの現金決済およびカード決済のためのプログラムをキャッシュレジスター用機能拡張プログラムからサブルーチンとして読み出し、このサブルーチンを利用して処理を行なうようにしてもよい。
前者の態様を採用した場合であっても後者の態様を採用した場合であっても、キャッシュレジスター機能実現手段がRFIDリード&ライター13やICカードによるカード決済処理機能とコインベンダー15による現金決済処理機能を備えるという点では同様である。
【0028】
キャッシュレジスター機能実現手段による演算処理機能が選択されている状況下でコインベンダー15への金銭投入が検知された場合、支払方式選択機能実現手段として機能する複合機2のマイクロプロセッサ20は、来店者がコインベンダー15による決済処理機能を選択したものと判定し、また、キャッシュレジスター機能実現手段による演算処理機能が選択されている状況下でRFIDリード&ライター13と来店者のICカードとの間の通信が発生した場合には、支払方式選択機能実現手段として機能する複合機2のマイクロプロセッサ20は、来店者がICカードによる決済処理機能を選択したものと判定する。
【0029】
また、複合機2の記憶手段として機能する不揮発性メモリ22には、商品特定情報と商品重量との対応関係がデータベースとして記憶されている。
複合機2とキャッシュレジスター3はネットワーク4を介して情報伝達可能に接続されているので、このデータベースをキャッシュレジスター3側の記憶装置に保存しておいて複合機2から呼び出すようにしてもよい。
複合機2の不揮発性メモリ22にデータベースを記憶させた場合には、キャッシュレジスター3側でデータベースを更新した際にキャッシュレジスター3から複合機2に更新情報を転送し、マイクロプロセッサ20によって不揮発性メモリ22内のデータベースに上書きして記憶させるようにする。
【0030】
キャッシュレジスター用機能拡張プログラムは、商品情報読取手段として機能するスキャナ部5やバーコードリーダー12が商品から読み取った商品特定情報に基いて不揮発性メモリ22内のデータベースを検索し、商品特定情報に対応する商品重量を求め、求められた商品重量を逐次加算する加算手段として複合機2のマイクロプロセッサ20を機能させるためのプログラムと、加算手段によって加算された商品重量と計量機17,18で計量された商品の総重量との偏差が予め設定された許容値を超えているか否かを判定し、加算手段により加算された商品重量と計量機17,18で計量された商品の総重量との偏差が予め設定された許容値を超えた場合に限ってアラーム信号を出力するアラーム出力手段として複合機2のマイクロプロセッサ20を機能させるためのプログラムと、商品情報読取手段として機能するスキャナ部5やバーコードリーダー12で読み取られた商品特定情報や販売金額をディスプレイ6に表示するためのプログラムを含む。
また、アラーム出力手段が判定に用いる許容値の値は不揮発性メモリ22にパラメータεとして設定されるようになっている。
【0031】
マイクロプロセッサ20をキャッシュレジスター機能実現手段として機能させるためのキャッシュレジスター用機能拡張プログラムと、マイクロプロセッサ20をモード選択手段として機能させるための選択処理用機能拡張プログラムと、マイクロプロセッサ20を加算手段として機能させるためのプログラムと、マイクロプロセッサ20をアラーム出力手段として機能させるためのプログラムとを併せたものが、この実施形態における複合機用機能拡張プログラムである。
【0032】
次に、来店者用のキャッシュレジスターとして機能する複合機2の全体的な処理動作と、複合機2のキャッシュレジスター機能実現手段,モード選択手段,支払方式選択機能実現手段,加算手段およびアラーム出力手段として機能するマイクロプロセッサ20の処理動作について図3のフローチャートを参照して具体的に説明する。
【0033】
まず、来店者が操作スイッチ群7のファンクションスイッチ等を操作してキャッシュレジスター機能の選択を宣言すると、モード選択手段として機能するマイクロプロセッサ20が此の操作を検知し、複合機2のモードをファクシミリ送信,コピー出力,プリント出力といった通常の処理を実行するためのモードから複合機用機能拡張プログラムを実行するモードに切り替え、RAM23内の金額記憶レジスタR0,初期重量記憶レジスタR1,計算重量記憶レジスタR2,最終重量記憶レジスタR3の各値を零に初期化する(ステップa1)。
【0034】
次いで、マイクロプロセッサ20は、計量器17に商品を纏めて載置する旨のガイダンスメッセージをディスプレイ6に表示し(ステップa2)、来店者が商品を纏めて計量器17に載置するのを待機する(ステップa3)。
【0035】
そして、来店者が商品を纏めて計量器17に載置し、計量器17が商品の総重量を計量し、この計量値がマシン・マシン・インターフェイス16経由でマイクロプロセッサ20に入力されると、マイクロプロセッサ20は、この計量値を初期重量記憶レジスタR1に記憶させる(ステップa4)。
【0036】
次いで、来店者が計量器17から商品を1つずつ取り上げ、商品情報読取手段として機能するバーコードリーダー12あるいはスキャナ部5を操作して各商品のバーコードから次々と商品特定情報および販売金額を読み込ませると、その都度、キャッシュレジスター機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ20が、商品情報読取手段として機能するバーコードリーダー12やスキャナ部5で読み取られた商品の販売金額を金額記憶レジスタR0の現在値に加算して記憶させ、また、加算手段として機能するマイクロプロセッサ20が、不揮発性メモリ22のデータベースを参照して商品情報読取手段として機能するバーコードリーダー12やスキャナ部5で読み取られた商品特定情報に対応する商品重量を求め、その値を計算重量記憶レジスタR2の現在値に加算して記憶させていく(ステップa5)。
この際、商品特定情報および販売金額の読み込みを終えた商品は来店者の手によって順に計量器18上に載置されてゆく。
また、バーコードから読み取られた販売金額と金額記憶レジスタR0の現在値は逐次ディスプレイ6上に更新して表示される。
【0037】
そして、来店者が全ての商品に対するバーコードの読み取り操作を終え、操作スイッチ群7を操作して読み取り終了宣言を複合機2に入力すると、この操作がマイクロプロセッサ20によって検知される(ステップa6)。
このとき、マイクロプロセッサ20が計量器18に測定開始指令を送信し、これを受けた計量器18が、最後の商品の載置による振動が減衰して計量値が特定された時点での計量値をマシン・マシン・インターフェイス16経由でマイクロプロセッサ20に送信し、マイクロプロセッサ20は其の値を最終重量記憶レジスタR3に記憶させる。
【0038】
次いで、アラーム出力手段として機能するマイクロプロセッサ20が、初期重量記憶レジスタR1の現在値すなわち商品特定情報および販売金額の読み取り前の商品を纏めて計量機17上に載置した時の商品の総重量と、計算重量記憶レジスタR2の現在値すなわち実際にバーコードリーダー12やスキャナ部5といった商品情報読取手段によってバーコードを読み込まれた商品つまり商品の販売金額を金額記憶レジスタR0に加算された商品の総重量と、最終重量記憶レジスタR3の現在値すなわち計量器18上に実際に載置された商品の総重量と、不揮発性メモリ22に記憶された偏差の許容値ε(正の値)とに基いて、異常の有無を判定する。
例えば、R1−R2>εまたはR3−R2>εとなった場合には商品の販売金額を金額記憶レジスタR0に加算された商品の総重量に比べて実際に計量機17,18に載置された商品の総重量の方が明らかに大きいことを意味するので、これを善意に解釈すれば、来店者が少なくとも1つ以上の商品のバーコードのスキャン操作を忘れたものと考えられ、また、これを悪意に解釈するのであれば、来店者が商品のバーコードのスキャン操作を行なわずに1つ以上の商品を抜き取ったとも考えられる。
また、R1−R2<εまたはR3−R2<εとなった場合には実際に計量機17,18に載置された商品の総重量に比べて商品の販売金額を金額記憶レジスタR0に加算された商品の総重量の方が明らかに大きいことを意味するが、一般的に、来店者が自らに不利益の生じる不正操作を行なうということは考え難いので、単純に、来店者が商品のバーコードをダブルスキャンする等の操作ミスが発生したものと考えるのが妥当である。
また、R1−R2>εまたはR3−R2>εの状況下で、且つ、R1−R3>εとなっていたとすれば、商品の販売金額を金額記憶レジスタR0に加算された商品の総重量に比べて実際に計量機17に載置された商品の総重量の方が明らかに大きく、しかも、計量機17に載置された商品の総重量に比べて計量機18に載置された商品の総重量が明らかに減少していることを意味するので、来店者が商品のバーコードのスキャン操作を行なわずに1つ以上の商品を抜き取った可能性が高いと考えられる。
バーコードのスキャン操作が来店者によって適切に行なわれたと判断され得るのは、|R1−R2|≦ε∧|R3−R2|≦ε(この場合、R1≒R2≒R3であるから結果的に|R1−R3|≦εも成り立つ)となった場合だけである。
従って、この実施形態にあっては、|R1−R2|≦ε∧|R3−R2|≦εとなった場合にだけ異常なし、つまり、バーコードのスキャン操作が来店者によって適切に行なわれたと判定するようにしている(以上、ステップa7)。
【0039】
従って、ステップa7の判定結果が偽となり、|R1−R2|の偏差もしくは|R3−R2|の偏差のうち少なくとも一方が許容値εを超えた場合、アラーム出力手段として機能するマイクロプロセッサ20は、音声出力部9にアラーム信号を送出して音声出力部9から警報音を出力させて店員を呼び、その後の対応を店員に任せる(ステップa8)。
【0040】
このように、計量器17,18を用いて来店者によるバーコードスキャンの適否を判定することにより清算前の商品の持ち出しを防ぐことが可能となり、防犯性を向上させることができる。
ここでは、一例として、商品特定情報および販売金額の読み取り前の商品を纏めて載置する位置に設置された計量器17と商品特定情報および販売金額の読み取り後に商品を順に載置する位置に設置された計量器18を併用することで来店者によるバーコードスキャンが適切に行なわれたか否かの判定処理の信頼性を高めた場合の例について述べているが、計量器17,18のうち何れか一方の計量器のみでも|R1−R2|の偏差もしくは|R3−R2|の偏差の何れかを求めて許容値εとの比較処理を行うことができるので、バーコードスキャンの適否判定は可能である。
また、既に述べた通り、R1−R2<εまたはR3−R2<εとなった場合には来店者が商品のバーコードをダブルスキャンする等の操作ミスが発生したものと考えるのが妥当であるから、必ずしも音声出力部9から警報音を出力させて店員を呼ぶ必要はなく、警報出力の処理に代え、バーコードスキャンのやり直しを来店者に促すガイダンスメッセージ等をディスプレイ6に表示させる処理をアラーム出力手段としてのマイクロプロセッサ20に実行させるようにしてもよい。
【0041】
一方、ステップa7の判定結果が真となり、|R1−R2|の偏差も|R3−R2|の偏差も許容値εの範囲内に収まっていることが明らかとなった場合には、来店者による商品のバーコードスキャンが適切に行なわれたことを意味する。
【0042】
従って、この場合、マイクロプロセッサ20は、コインベンダー15を利用した決済もしくはICカードを利用した決済の何れかを選択する旨のガイダンスメッセージをディスプレイ6上に表示し、来店者が何れかの決済方法を選択するのを待機する(ステップa9)。
【0043】
ここで、コインベンダー15への金銭投入が検知された場合、支払方式選択機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ20は、来店者がコインベンダー15による決済処理機能を選択したものと判定し、また、RFIDリード&ライター13と来店者のICカードとの間の通信が発生した場合には、来店者がICカードによる決済処理機能を選択したものと判定する(ステップa10)。
【0044】
そして、来店者がICカードによる決済処理機能が選択した場合には、キャッシュレジスター機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ20がRFIDリード&ライター13を従来と同様に駆動制御してICカードによる決済処理を実行し(ステップa11)、また、来店者がコインベンダー15による決済処理を選択した場合には、キャッシュレジスター機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ20がコインベンダー15を従来と同様に駆動制御してコインベンダー15による決済処理と釣銭の払い出し処理を実行して(ステップa12,ステップa13)、決済処理を終了する(ステップa14)。
この際、商品情報読取手段として機能するバーコードリーダー12あるいはスキャナ部5を操作して来店者がステップa5の処理で読み込ませた各商品の商品特定情報および販売金額と金額記憶レジスタR0の現在値がネットワーク4を介して店内のキャッシュレジスター3に集計用データとして送信される。
【0045】
次いで、キャッシュレジスター機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ20は、レシートの有無を選択する旨のガイダンスメッセージをディスプレイ6に表示して来店者による選択を待機し(ステップa15)、来店者が操作スイッチ群7に対するスイッチ操作によってレシートの発行を指示した場合には複合機2のプリント部25を駆動制御してレシートを発行し(ステップa16)、また、レシートを発行する指示がなければレシートの発行処理をスキップして(ステップa17)、処理を終了する。
【0046】
なお、この実施形態においては、商品情報読取手段としてバーコードリーダー12を利用するかスキャナ部5を利用するかは任意であり、利用者は、操作スイッチ群7に対するスイッチ操作によって何れか一方を自由に選択することができる。
そして、複合機2自体が備えるスキャナ部5を商品情報読取手段として利用する場合には原稿押さえを開放して商品のバーコード面をスキャナ部5のガラス面に押し付けてバーコードを読み込ませるようにする。
複合機2自体が備えるスキャナ部5を商品情報読取手段として利用する際には一連のバーコード読み込み作業の前後で用紙押さえを開閉するといった煩わしさはあるが、新たにバーコードリーダーを購入して取り付ける必要がないので、来店者用のキャッシュレジスターを設置する際のコストを軽減化できるメリットがある。
また、バーコードリーダー15を使用する場合、つまり、新たにバーコードリーダーを購入して複合機2に取り付ける場合であっても、複合機2それ自体が実質的な来店者用キャッシュレジスターとして機能することに変わりはないので、独立した来店者用キャッシュレジスターを設置する場合のように格別の空間を新たに必要とすることなく、来店者用のキャッシュレジスターを簡単に店内に増設することができ。
しかも、来店者用キャッシュレジスターとして機能する複合機2は、店内のキャッシュレジスター3とは飽くまでも物理的に独立した存在であるから、店員用のキャッシュレジスターを店員と来店者がパートタイムで二者択一的に使い分けるもの(例えば特許文献2)とは相違し、店員の作業が滞るといった不都合も生じない。
【0047】
次に、複合機2の管理者として店員が行う操作について簡単に説明する。
【0048】
管理者権限を持つ店員は、操作部8の操作スイッチ群7を操作することにより、複合機2のキャッシュレジスター機能に対して制限を行なったり調整を加えたりすることが可能である。
【0049】
例えば、コインベンダー15を使用した支払いを禁止してRFIDリード&ライター13を利用したICカードでの決済のみを許容したり、あるいは、これとは逆にRFIDリード&ライター13を利用したICカードでの決済を禁止してコインベンダー15を使用した支払いのみを許容するといった制限的な設定操作を行うことができる。
また、レシートの有無を選択する旨のガイダンスメッセージの表示を省略したり、更に、このガイダンスメッセージの表示を省略した状態で、レシートの発行を常時実行するようにしたり或いは常時非実行にしたりといったように、レシートの発行に関する動作を選択的に実行するように設定したりすることもできる。
【0050】
次に、図4のフローチャートを参照して他の一実施形態について簡単に説明する。
【0051】
この実施形態は、前述の実施形態に加え、更に、複合機2を来店者用のキャッシュレジスターとして使用する際にカード認証を行うことによって防犯対策を施したものである。
【0052】
ハードウェアの構成に関しては前述した実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0053】
まず、来店者が操作スイッチ群7のファンクションスイッチ等を操作してキャッシュレジスター機能の選択を宣言すると、モード選択手段として機能するマイクロプロセッサ20が此の操作を検知し、複合機2のモードをファクシミリ送信,コピー出力,プリント出力といった通常の処理を実行するためのモードから複合機用機能拡張プログラムを実行するモードに切り替える(ステップb1)。
【0054】
次いで、マイクロプロセッサ20は、カード認証を行なう旨のガイダンスメッセージをディスプレイ6に表示し、これを参照した来店者が、店舗との契約時に予め認証を受けた認証専用カードもしくは店舗との契約時に新たに認証情報を書き込まれた来店者個人のクレジットカード等のICカードをRFIDリード&ライター13に翳すと、マイクロプロセッサ20がカードから認証情報を読み込んで、その認証情報をRAM23に一時記憶すると共に、認証情報の真贋を判定する(ステップb2)。
【0055】
そして、カードが不適切なものであってステップb2の判定結果が偽となった場合には、マイクロプロセッサ20は、複合機2を来店者用のキャッシュレジスターとして使用することを禁止し、複合機2のモードとしてファクシミリ送信,コピー出力,プリント出力といった通常の処理を実行するためのモードが選択されるか、あるいは、複合機用機能拡張プログラムを実行するモードが改めて選択されるのを待つ初期の待機状態に復帰する(ステップb3)。
【0056】
また、カードが適切なものであってステップb2の判定結果が真となった場合には、マイクロプロセッサ20は、複合機2を来店者用のキャッシュレジスターとして使用することを許容し、商品のバーコードスキャンを開始する旨のガイダンスメッセージをディスプレイ6に表示する(ステップb4)。
【0057】
そして、来店者が商品情報読取手段として機能するバーコードリーダー12あるいはスキャナ部5を操作して各商品のバーコードから次々と商品特定情報および販売金額を読み込ませると、その都度、キャッシュレジスター機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ20が、商品情報読取手段として機能するバーコードリーダー12やスキャナ部5で読み取られた商品の販売金額を金額記憶レジスタR0の現在値に加算して記憶させていく(ステップb5)。
この際、バーコードから読み取られた販売金額と金額記憶レジスタR0の現在値は逐次ディスプレイ6上に更新して表示される。
【0058】
そして、来店者が全ての商品に対するバーコードの読み取り操作を終え、来店者が操作スイッチ群7を操作して読み取り終了宣言を複合機2に入力すると、この操作がマイクロプロセッサ20によって検知される(ステップb6)。
【0059】
次いで、マイクロプロセッサ20は、コインベンダー15を利用した決済もしくはICカードを利用した決済の何れかを選択する旨のガイダンスメッセージをディスプレイ6に表示し、来店者が何れかの決済方法を選択するのを待機する(ステップb7)。
【0060】
ここで、コインベンダー15への金銭投入が検知された場合、支払方式選択機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ20は、来店者がコインベンダー15による決済処理機能を選択したものと判定し、また、RFIDリード&ライター13と来店者のICカードとの間の通信が発生した場合には、来店者がICカードによる決済処理機能を選択したものと判定する(ステップb8)。
【0061】
つまり、ステップb2の処理で利用される認証専用カードやクレジットカード等のICカードは飽くまでも認証用の手段であり、実際の支払に際してコインベンダー15による現金決済を利用するかRFIDリード&ライター13によるカード決済を利用するかは、完全に来店者の自由である。
【0062】
そして、来店者がICカードによる決済処理機能が選択した場合には、キャッシュレジスター機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ20がRFIDリード&ライター13を従来と同様に駆動制御してICカードによる決済処理を実行し(ステップb9)、また、来店者がコインベンダー15による決済処理を選択した場合には、キャッシュレジスター機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ20がコインベンダー15を従来と同様に駆動制御してコインベンダー15による決済処理と釣銭の払い出し処理を実行して決済処理を終了すると共に(ステップb10,ステップb11)、商品情報読取手段として機能するバーコードリーダー12あるいはスキャナ部5を操作して来店者がステップb5の処理で読み込ませた各商品の商品特定情報および販売金額と金額記憶レジスタR0の現在値およびステップb2の処理でRAM23に一時記憶された来店者の認証情報とを対応させてネットワーク4を介して店内のキャッシュレジスター3に集計用データとして送信する(ステップb12)。
【0063】
このように、認証時や決済のデータ、特に、来店者の認証情報を、決済の内容すなわち商品特定情報や販売金額および合計金額と共にキャッシュレジスター3に保存することにより防犯性を向上させることができる。
無論、これらのデータはキャッシュレジスター3の他、あるいは、キャッシュレジスター3に代えて、複合機2の不揮発性メモリ22に保存するようにしてもよい。
【0064】
次いで、キャッシュレジスター機能実現手段として機能するマイクロプロセッサ20は、レシートの有無を選択する旨のガイダンスメッセージをディスプレイ6に表示して来店者による選択を待機し(ステップb13)、来店者が操作スイッチ群7に対するスイッチ操作によってレシートの発行を指示した場合には複合機2のプリント部25を駆動制御してレシートを発行し(ステップb14)、また、レシートを発行する指示がなければレシートの発行処理をスキップして(ステップb15)、処理を終了する。
【0065】
最初に述べた実施形態と同様、商品情報読取手段としてバーコードリーダー12を利用するかスキャナ部5を利用するかは任意であり、利用者は、操作スイッチ群7に対するスイッチ操作によって何れか一方を自由に選択することができる。
【0066】
この実施形態では、認証専用カードもしくは店舗との契約時に新たに認証情報を書き込まれた来店者個人のクレジットカード等のICカードを認証手段として利用することにより防犯性を向上させることにより、商品の総重量の計量を利用した異常チェックを省略しているが、最初に述べた実施形態と同様にして2つあるいは1つの計量機を利用して商品の総重量に基く異常チェックを併せて実施するようにしてもよい。
【0067】
その他の作用や効果に関しては最初に述べた実施形態の場合と同様であり、この実施形態にあっても、店員の管理者権限によって複合機2のキャッシュレジスター機能に対して制限を行なったり調整を加えたりすることが可能である。
【0068】
以上に開示した実施形態の一部または全部は、以下の付記に示す記載によって適切に表現され得るが、発明を実施するための形態や発明の技術思想は、これらのものに制限されるものではない。
【0069】
また、複合機用機能拡張プログラムは非一時的な記録媒体に記憶されてもよい。非一時的な記録媒体としては、例えば、DVD,CD,フラッシュメモリ等のものを利用することができる。複合機用機能拡張プログラムを非一時的な記録媒体に記憶した場合、複合機用機能拡張プログラムは非一時的な記録媒体からROMライター等を利用してROM21に格納され、複合機2のマイクロプロセッサ20によって実行されることになる。
【0070】
〔付記1〕
来店者にサービスを提供する複合機に、商品を特定するための商品特定情報および商品の販売金額を商品から読み取るための商品情報読取手段と、前記商品情報読取手段で読み取られた商品特定情報および販売金額に基いてキャッシュレジスターの演算処理機能を実現するためのキャッシュレジスター機能実現手段と、前記複合機本来の機能と前記キャッシュレジスター機能実現手段によるキャッシュレジスターの演算処理機能のうち何れか一方を選択するためのモード選択手段とを設け、店内のキャッシュレジスターと前記複合機とをネットワークを介して情報伝達可能に接続したことを特徴とする販売時点管理システム。
【0071】
〔付記2〕
前記複合機が少なくともファクシミリ機能もしくはコピー機能を備え、前記商品情報読取手段は、前記複合機自体のスキャナ部によって構成されていることを特徴とした付記1記載の販売時点管理システム。
【0072】
〔付記3〕
前記商品情報読取手段は、前記複合機にローカル接続されたバーコードリーダーによって構成されていることを特徴とした付記1記載の販売時点管理システム。
【0073】
〔付記4〕
前記複合機にICカード用インターフェイスを設け、前記キャッシュレジスター機能実現手段は、ICカードによる決済処理機能を備えたことを特徴とする付記1,付記2または付記3の何れか一項に記載の販売時点管理システム。
【0074】
〔付記5〕
前記複合機にコインベンダーをローカル接続し、前記キャッシュレジスター機能実現手段は、コインベンダーによる決済処理機能を備えたことを特徴とする付記1,付記2または付記3の何れか一項に記載の販売時点管理システム。
【0075】
〔付記6〕
前記複合機にICカード用インターフェイスを設けると共にコインベンダーをローカル接続し、前記キャッシュレジスター機能実現手段は、ICカードによる決済処理機能と、コインベンダーによる決済処理機能と、ICカードによる決済処理機能とコインベンダーによる決済処理機能のうち何れか一方を選択するための支払方式選択機能を備えたことを特徴とする付記1,付記2または付記3の何れか一項に記載の販売時点管理システム。
【0076】
〔付記7〕
商品の総重量を計量する計量機を前記複合機にローカル接続すると共に、商品特定情報と商品重量との対応関係を記憶した記憶手段を前記複合機もしくは前記キャッシュレジスターに設け、前記キャッシュレジスター機能実現手段は、前記商品情報読取手段で読み取られた商品特定情報に対応する商品重量を加算する加算機能と、前記加算された商品重量と前記計量機で計量された総重量との偏差が予め設定された許容値を超えるとアラーム信号を出力するアラーム出力機能を備えたことを特徴とする付記1,付記2,付記3,付記4,付記5または付記6の何れか一項に記載の販売時点管理システム。
【0077】
〔付記8〕
前記計量機は、前記商品情報読取手段による商品特定情報および販売金額の読み取り前に商品を纏めて載置する位置に設置された第1の計量機と前記商品情報読取手段による商品特定情報および販売金額の読み取り後に商品を順に載置する位置に設置された第2の計量機によって構成されていることを特徴とする付記7記載の販売時点管理システム。
【0078】
〔付記9〕
商品を特定するための商品特定情報および商品の販売金額を商品から読み取るための商品情報読取手段を備え、ネットワークを介して店内のキャッシュレジスターと情報伝達可能に接続された複合機が有するマイクロプロセッサを、
前記商品情報読取手段で読み取られた商品特定情報および販売金額に基いてキャッシュレジスターの演算処理機能を実現するためのキャッシュレジスター機能実現手段、および、前記複合機本来の機能と前記キャッシュレジスター機能実現手段によるキャッシュレジスターの演算処理機能のうち何れか一方を選択するためのモード選択手段として機能させることを特徴とした複合機用機能拡張プログラム。
【0079】
〔付記10〕
前記マイクロプロセッサを、更に、前記商品情報読取手段で読み取られた商品特定情報に対応する商品重量を加算する加算手段、および、前記加算手段で加算された商品重量と前記複合機にローカル接続された計量機で計量された商品の総重量との偏差が予め設定された許容値を超えるとアラーム信号を出力するアラーム出力手段として機能させることを特徴とした付記9記載の複合機用機能拡張プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、来店者にサービスを提供する各種の複合機、例えば、ファクシミリ機能,コピー機能,プリント機能等を有する複合機に利用できる。
【符号の説明】
【0081】
1 複合機キャッシュレジスターシステム
2 複合機
3 キャッシュレジスター
4 ネットワーク
5 スキャナ部(商品情報読取手段)
6 ディスプレイ
7 操作スイッチ群
8 操作部
9 音声出力部
10,11 マシン・マシン・インターフェイス
12 バーコードリーダー(商品情報読取手段)
13 RFIDリード&ライター(ICカード用インターフェイス)
14 マシン・マシン・インターフェイス
15 コインベンダー
16 マシン・マシン・インターフェイス
17 計量機(第1の計量機)
18 計量機(第2の計量機)
19 通信インターフェイス
20 マイクロプロセッサ(キャッシュレジスター機能実現手段,モード選択手段,支払方式選択機能実現手段,加算手段,アラーム出力手段)
21 ROM
22 不揮発性メモリ(記憶手段)
23 RAM
24 入出力回路
25 プリント部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
来店者にサービスを提供する複合機に、商品を特定するための商品特定情報および商品の販売金額を商品から読み取るための商品情報読取手段と、前記商品情報読取手段で読み取られた商品特定情報および販売金額に基いてキャッシュレジスターの演算処理機能を実現するためのキャッシュレジスター機能実現手段と、前記複合機本来の機能と前記キャッシュレジスター機能実現手段によるキャッシュレジスターの演算処理機能のうち何れか一方を選択するためのモード選択手段とを設け、店内のキャッシュレジスターと前記複合機とをネットワークを介して情報伝達可能に接続したことを特徴とする販売時点管理システム。
【請求項2】
前記複合機が少なくともファクシミリ機能もしくはコピー機能を備え、前記商品情報読取手段は、前記複合機自体のスキャナ部によって構成されていることを特徴とした請求項1記載の販売時点管理システム。
【請求項3】
前記商品情報読取手段は、前記複合機にローカル接続されたバーコードリーダーによって構成されていることを特徴とした請求項1記載の販売時点管理システム。
【請求項4】
前記複合機にICカード用インターフェイスを設け、前記キャッシュレジスター機能実現手段は、ICカードによる決済処理機能を備えたことを特徴とする請求項1,請求項2または請求項3の何れか一項に記載の販売時点管理システム。
【請求項5】
前記複合機にコインベンダーをローカル接続し、前記キャッシュレジスター機能実現手段は、コインベンダーによる決済処理機能を備えたことを特徴とする請求項1,請求項2または請求項3の何れか一項に記載の販売時点管理システム。
【請求項6】
前記複合機にICカード用インターフェイスを設けると共にコインベンダーをローカル接続し、前記キャッシュレジスター機能実現手段は、ICカードによる決済処理機能と、コインベンダーによる決済処理機能と、ICカードによる決済処理機能とコインベンダーによる決済処理機能のうち何れか一方を選択するための支払方式選択機能を備えたことを特徴とする請求項1,請求項2または請求項3の何れか一項に記載の販売時点管理システム。
【請求項7】
商品の総重量を計量する計量機を前記複合機にローカル接続すると共に、商品特定情報と商品重量との対応関係を記憶した記憶手段を前記複合機もしくは前記キャッシュレジスターに設け、前記キャッシュレジスター機能実現手段は、前記商品情報読取手段で読み取られた商品特定情報に対応する商品重量を加算する加算機能と、前記加算された商品重量と前記計量機で計量された総重量との偏差が予め設定された許容値を超えるとアラーム信号を出力するアラーム出力機能を備えたことを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5または請求項6の何れか一項に記載の販売時点管理システム。
【請求項8】
前記計量機は、前記商品情報読取手段による商品特定情報および販売金額の読み取り前に商品を纏めて載置する位置に設置された第1の計量機と前記商品情報読取手段による商品特定情報および販売金額の読み取り後に商品を順に載置する位置に設置された第2の計量機によって構成されていることを特徴とする請求項7記載の販売時点管理システム。
【請求項9】
商品を特定するための商品特定情報および商品の販売金額を商品から読み取るための商品情報読取手段を備え、ネットワークを介して店内のキャッシュレジスターと情報伝達可能に接続された複合機が有するマイクロプロセッサを、
前記商品情報読取手段で読み取られた商品特定情報および販売金額に基いてキャッシュレジスターの演算処理機能を実現するためのキャッシュレジスター機能実現手段、および、前記複合機本来の機能と前記キャッシュレジスター機能実現手段によるキャッシュレジスターの演算処理機能のうち何れか一方を選択するためのモード選択手段として機能させることを特徴とした複合機用機能拡張プログラム。
【請求項10】
前記マイクロプロセッサを、更に、前記商品情報読取手段で読み取られた商品特定情報に対応する商品重量を加算する加算手段、および、前記加算手段で加算された商品重量と前記複合機にローカル接続された計量機で計量された商品の総重量との偏差が予め設定された許容値を超えるとアラーム信号を出力するアラーム出力手段として機能させることを特徴とした請求項9記載の複合機用機能拡張プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−226685(P2012−226685A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95887(P2011−95887)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】