説明

複合機能部品の取付構造

【課題】センタ役物等の複合機能部品を、実効遊技領域等を広く確保したまま盤面に取付け可能で、また、複合機能部品の組付け作業等の作業性も向上できる複合機能部品の取付構造を提供する。
【解決手段】遊技盤の盤面1に設定された遊技領域3のほぼ中央に位置する遊技演出機能部品4の周囲に、遊技演出機能を含む複数種類の機能を有する複合機能部品が、遊技演出機能部品4と共に遊技盤の正面側から視認可能に配設されるパチンコ機において、複合機能部品5を、複数の部品ユニット(上大入賞口7,機構18,21〜23,37)に分け、遊技盤の前後側に分割して前側ユニット5aと後側複合ユニット5bに分けて配置した。複数の部品ユニット中の遊技盤後側の部品ユニット(機構18,21〜23,37)をセット板に取り付けて低コスト化も図った。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機に係り、特に、センタ役物のような複合機能部品を遊技領域に取り付ける構造(複合機能部品の取付構造)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ機においては、遊技の興趣を高めるために遊技領域のほぼ中央位置には役物(センタ役物)と称される大形の機能部品が配設されている。この役物は、内側に演出表示装置(画像表示器)を擁し、この演出表示装置と共に遊技を演出する機能を有する。またこの役物は、遊技領域に打ち込まれた遊技球の入賞を容易にし得る機能や演出表示装置の周囲を飾る機能を有する等、多種類の機能を有し、パチンコ遊技における中枢をなす(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−158828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなパチンコ機では、役物は多種類の機能を有しているのでその構成部品は多種、多数になるが、これらは全て、遊技盤の正面側から盤面(遊技領域)に取り付けていた。このため、役物構成部品の組付け作業や保守作業には、多くの場合、遊技盤を伴わなければならず、作業性が低かった。
また遊技領域構成部品は、通常、外周部分に取付しろが形成され、この部分を用いて盤面にねじ止め等、されるが、上記役物においてもその例外ではない(例えば特許文献1の図25の役物周囲の取付しろ部分参照)。役物は、上記のように多種類の機能を有しており、電動部品等の可動部品を多く備えるために、取付しろを用いて確実に取付け保持されなければならない。このため従来、役物等の複合機能部品の盤面上の専有面積が広くなり、複合機能部品の占有箇所を除いた遊技領域(実効遊技領域)を狭め、あるいは複合機能部品内側の画像表示器の画面サイズを狭めるという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、多種類の機能を有する複合機能部品を、実効遊技領域等を広く確保したまま盤面(遊技領域)に取付け可能であり、また、複合機能部品の組付け作業や保守作業の作業性も向上できる複合機能部品の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段を以下に述べる。
各手段は、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明の理解を容易にするためであって、本明細書に記載の技術的特徴が以下の各項に記載のものに限定されるものではない。
以下の各手段のうち、(1)項が請求項1に、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、各々対応する。なお、各手段においては、必要に応じてその作用等についても述べる。
【0007】
(1)遊技盤の盤面に設定された遊技領域のほぼ中央に位置する遊技演出機能部品の周囲に、遊技演出機能を含む複数種類の機能を有する複合機能部品が、前記遊技演出機能部品と共に前記遊技盤の正面側から視認可能に配設されるパチンコ機において、前記複合機能部品は、複数の部品ユニットに分けられ、前記遊技盤の前後側に分割して配置されることを特徴とする複合機能部品の取付構造。
遊技演出機能部品としては、遊技の演出に係る画像を含む任意の画像を表示する画像表示器が適例であるが、遊技の演出を行う部品であれば画像表示器に限られない。
遊技演出機能を含む複数種類の機能とは、遊技演出機能の他、賞球を獲得し得る経路に遊技球を振り分けさせ得る遊技球振分け機能、遊技球移動機能、装飾機能等が挙げられる。
複合機能部品としては、遊技球の入賞を容易にし得ると共に遊技を演出するセンタ役物が適例であるが、これのみに限られない。
複合機能部品の複数の部品ユニットへの分割は、機能単位で行うのが好ましい。
複合機能部品を構成する複数の部品ユニットの殆どを遊技盤の後側に配置すれば、得られる効果は大となる。
(2)前記複数の部品ユニット中の遊技盤後側の部品ユニットは、前記遊技盤の裏面側に配置されて前記盤面側から遊技盤裏面側に排出される遊技球を下方に誘導するセット板に取り付けられることを特徴とする(1)項に記載の複合機能部品の取付構造。
セット板は、盤面側から遊技盤裏面側に排出される遊技球を下方に誘導するためのものであり、パチンコ機の遊技盤の裏面側に通常装備されている板体である。このセット板は、従来から、上記遊技球誘導用の他、若干の部品の取付板としても兼用されることがあるが、それでもまだ他の部品を取り付ける余裕のある板体であって、本項の発明は、このようなセット板の有効利用にも寄与する。
(3)前記遊技演出機能部品として、遊技の演出に係る画像を含む任意の画像を表示する画像表示器が用いられ、前記複合機能部品は、前記遊技領域に打ち込まれた遊技球の入賞を容易にし得ると共に遊技を演出するセンタ役物を構成することを特徴とする(1)項又は(2)項に記載の複合機能部品の取付構造。
【発明の効果】
【0008】
(1)項に記載の発明によれば、遊技盤の後側に分割配置する部品ユニットの分だけ、遊技盤の前側に配置する部品ユニットが減るので、多種類の機能を有する複合機能部品、例えばセンタ役物を、実効遊技領域等を広く確保したまま盤面(遊技領域)に取付け可能となる。同様に、複合機能部品の組付け作業や保守作業の作業性も向上する。
(2)項に記載の発明によれば、(1)項に記載の発明を低コストで実施できる。盤面側(遊技領域)から遊技盤裏面側に排出される遊技球を下方に誘導するため、遊技盤の裏面側に通常配設されるセット板を、本項の部品ユニット取付板として兼用するからである。
(3)項に記載の発明によれば、(1)項又は(2)項に記載の発明において、
遊技者に遊技上種々の演出効果を与え、あるいは遊技機が稼働していない時にその遊技機の使用方法を説明したり、任意の宣伝画像を表示したりする等、様々な画像を遊技領域のほぼ中央で表示できるという効果を付加できる。また、遊技者になじみ深く、遊技の興趣を高め得るセンタ役物を備えたパチンコ機が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は、本発明が適用されたパチンコ機の遊技盤の盤面構成例を示す図である。
図示するように、盤面1にはレール2が取り付けられており、このレール2の内側には、遊技領域3が形成されている。レール2は、図示しないハンドルの操作により発射された遊技球(図示せず)が盤面1の左側上部から遊技領域3内へ打ち込まれるように案内する。
【0010】
遊技領域3には種々の遊技領域構成部品が設けられている。
すなわち、遊技領域3のほぼ中央には、遊技演出機能部品、ここでは任意の画像を表示する液晶表示器等からなる画像表示器4が配置されている。この画像表示器4は、遊技中に図柄等、遊技者に遊技上種々の演出効果を与える画像を表示する他、パチンコ機が稼働していない時にはそのパチンコ機の使用方法を説明したり、任意の宣伝画像を表示したりする等、様々な画像を表示できる。
この画像表示器4の周囲には、遊技演出機能を含む複数種類の機能を有する複合機能部品、ここではセンタ役物5が配置されている。センタ役物5は、画像表示器4を囲む位置を装飾するが、主に遊技全体の流れの中で遊技球の入賞を容易にし得る機能を有し、また遊技に種々の演出効果を与える機能(遊技を演出する機能)を有する。このセンタ役物5の詳細は後述する。
なお、画像表示器4及びセンタ役物5は、いずれも遊技盤の正面側から視認可能に配設されていることはいうまでもない。
【0011】
また遊技領域3には、センタ役物5の位置を基準として、下方及びその両側には始動入賞口6が、上方には上大入賞口7が、下方の始動入賞口6の直下には下大入賞口8が、各々設けられている。その他、いくつかの一般入賞口9が遊技領域3に設けられている。入賞口に入賞(入球)すると賞球が獲得される。なお7aは、上大入賞口7を開放する羽根である。
上,下大入賞口7,8は、図1では閉じた状態を示しているが、開放時には、他の入賞口6,9よりも入賞が著しく容易な形態となるように、ここでは入賞開口が著しく大きくなるように構成されている。したがって遊技者は、上,下大入賞口7,8の開放時には一般入賞口9や始動入賞口6の入賞時よりも多くの賞球を獲得できる。
更に、遊技領域3(センタ役物5内)には、後述する第4遊技球振分け機構(終段遊技球振分け機構)が設けられる箇所に、同振分け機構への入口、後述する当り経路及び外れ経路への入口等が各々開口している(図1においては符号が省略されている)。
【0012】
遊技領域3の左右側には、各々サイドランプ10が設けられている。ゲート11や風車12も遊技領域3の適所に設けられている。
遊技領域3の最下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口13が設けられている。
更に、上記各部品2,5,6,8〜12やアウト口13を避けた適宜箇所には、多数の遊技釘14(一部のみ図示)が打ち込まれている。
なお、遊技領域3は透明ガラス板(図示せず)により覆われ、遊技球が遊技領域3から離脱することはない。
【0013】
次に、上記センタ役物5の詳細を説明する。
センタ役物5は、本実施形態では図2に示すように、センタ役物前側ユニット5aとセンタ役物本体をなすセンタ役物後側複合ユニット5bとからなり、遊技盤、詳しくは遊技盤材を構成する合板材20に開けられた取付け穴20aに同合板材20を前後両側から挟み込むようにして組み付けられる。
なお図2中、19は、遊技盤(合板材20)の裏面側に配置されて盤面1側、つまり遊技領域3から遊技盤裏面側に排出される遊技球を下方に誘導するセット板であり、上記センタ役物後側複合ユニット5bの取付板に兼用されている。つまり、センタ役物後側複合ユニット5bはセット板19に取り付けられ(図3参照)、セット板19が遊技盤裏面に取り付けられることにより、単一のセンタ役物5として組立て構成される。
【0014】
このセンタ役物5は、上記上大入賞口7と、第1〜第4遊技球振分け機構21〜24と、回転演出機構25と、遊技球上昇移動機構37と、これらの部品(7,21〜25,37)を組み込む枠体等からなる部品組込み構体(符号省略)等を備えてなる。なお本実施形態では、第1〜第4遊技球振分け機構21〜24及び遊技球上昇移動機構37は演出機構も兼ねている。
この場合、上大入賞口7はセンタ役物前側ユニット5aに組み込まれ、連絡通路30、第1〜第4遊技球振分け機構21〜24、回転演出機構25、及び遊技球上昇移動機構37等はセンタ役物後側複合ユニット5bに組み込まれている。
【0015】
各機構21〜25,37中、機構24,25を除く機構21〜23,37は、各々別個独立の部品ユニットとして構成されている。機構24,25は、遊技球回転演出・振分け機構18として一体に組み付けられ、1つの部品ユニットとして構成されている(図4参照)。詳しく述べれば、センタ役物5を構成する機能部品(複合機能部品)のうち、上大入賞口7を構成する部品ユニットは、センタ役物前側ユニット5aに配置されている。また、第1〜第3遊技球振分け機構21〜23、遊技球回転演出・振分け機構18(第4遊技球振分け機構24、回転演出機構25)及び遊技球上昇移動機構37を構成する部品ユニットは、センタ役物後側複合ユニット5bに配置されている。
すなわち、多種類の機能を有するセンタ役物5の部品ユニットの大部分が遊技盤とは別個のセンタ役物後側複合ユニット5bに配置されてセット板19に取り付けられ、セット板19が遊技盤裏面に取り付けられる構成である。したがって、センタ役物5は実効遊技領域等を広く確保したまま盤面1(遊技領域3)に取付け可能となり、また、センタ役物5の組付け作業や保守作業も、全ての部品ユニットの取付けを遊技盤に対して行うわけではなくなり、それらの作業性も向上する。センタ役物後側複合ユニット5bを取付ける板体も、遊技盤の裏面側に通常配設されるセット板19が兼用される。
【0016】
以下、図1、図5及び図6を参照して上記機構(部品ユニット)21〜23,18の具体例を説明する。
図5及び図6は、図1からセンタ役物5を取り出し拡大して示す図であって、図5は正面図、図6は斜視図である。なお、図5はセンタ役物後側複合ユニット5bのみ示す。
【0017】
まず第1遊技球振分け機構(初段遊技球振分け機構)21について説明する。
第1遊技球振分け機構21は、上大入賞口7の開放時に同入賞口7に入賞(入球)した遊技球を、画像表示器4の図中左右側に向かう2つの経路(左経路26,右経路27)のうちのいずれか一方に予め定められた確率で振り分ける機構である。
第1遊技球振分け機構21は、図示例ではセンタ役物5の奥側に配置され、中央部が軸支されて左右側が交互に上下動(シーソー動作)する振分け板28及びその駆動装置(図示せず)を備えたシーソー状に構成されている。
【0018】
第2遊技球振分け機構(後述するリプレイ経路への振り分けのない中間段遊技球振分け機構)22は、第1遊技球振分け機構21により左経路26に振り分けられ、連絡通路30を通ってきた遊技球を、第3遊技球振分け機構23への誘導路31又は後述する外れ経路のいずれかに振り分ける機構である。
第2遊技球振分け機構22は、図示例では球突き板32及びその駆動装置(図示せず)と、外れ穴33(図6参照)とを備えて構成されている。ここで球突き板32は、上記連絡通路30の縦通路部30aを落下し、盤面奥側から手前側(遊技者側)に延びる横通路部30bを経て盤面手前側に転動してきた遊技球を振分け位置34で図中右方向に弾き、第3遊技球振分け機構23側に方向転換させる板体である。また外れ穴33は、球突き板32によって弾かれずに直進する(盤面手前側に転動し続ける)遊技球を落下させ、回収するための穴であって、図6に示すように、横通路部30b部分の行止り位置路面に開口している。
【0019】
第2遊技球振分け機構22(球突き板32)は、振分け位置34(図6参照)に来た遊技球が、予め定められた確率で第3遊技球振分け機構23側又は外れ穴33側に振り分けられるように、弾き動作(進退動)の時間間隔が設定されている。この弾き動作の時間間隔は、実験等によって設定される。
【0020】
第3遊技球振分け機構(中間段遊技球振分け機構)23は、第2遊技球振分け機構22によって自振分け機構23側に方向転換された遊技球を、特定の領域、ここではVゾーンを通過(V入賞)させる当り経路36、遊技球上昇移動機構37を経て第4遊技球振分け機構24に向かわせるリプレイ経路38及びVゾーンを通過させることのない外れ経路39のうちのいずれか1つの経路に振り分ける機構である。
本実施形態では、第3遊技球振分け機構23は、図6に示すように、時計回り(図中、矢印ア参照)に回転する回転体(以下、クルーンと記す。)40及びその駆動装置(図示せず)と、クルーン40直下のクルーン取付面41に穿設された2つの開口(当り開口42、外れ開口43)とを備えて構成されている。
【0021】
この場合、クルーン40は、画像表示器4の下方側に位置し、回転面がほぼ水平に向けられ、その上面の回転角方向にほぼ等間隔に突条の仕切り44を配して8等分された区域(第1〜第8区域)s1〜s8が形成されている。
このうち、第1区域s1は、回転移動して当り開口42と重なったときに遊技球が当り開口42内に落下移動して当り経路36に導入されるように構成されている。また第5区域s5は、回転移動してリプレイ経路38の入口に対向したときに遊技球がリプレイ経路38に導入されるように構成されている。残余の第2〜第4区域s2〜s4及び第6〜第8区域s6〜s8は、回転移動して外れ開口43と重なったときに遊技球が外れ開口43内に落下移動して外れ経路39に導入されるように構成されている。
なお、第1区域s1近傍のクルーン40中心に寄った箇所に立てられた細い軸体47は、その上端部が外周側に折り曲げられ、先端に小さな円板48が固着されており、その円板48を正面視したときの下方の区域が第1区域s1であることを遊技者に指し示す。
【0022】
このような構成によると、第3遊技球振分け機構23に達した遊技球は、1/8の確率で当り経路(Vゾーンを通過させる経路)36又はリプレイ経路(遊技球上昇移動機構37を経て第4遊技球振分け機構24に向かわせる経路)38に導入され、6/8の確率で外れ経路(Vゾーンを通過させることのない経路)39に導入される。
なお、当り経路36内に導入された遊技球も、外れ経路39に導入された遊技球も、最終的には盤面1の裏面側のセット板19内を経て共通に回収される。
【0023】
遊技球上昇移動機構37は、第3遊技球振分け機構23によりリプレイ経路38に振り分けられた遊技球、具体的にはリプレイ経路前半部分38aの出口から落下する遊技球を、第4遊技球振分け機構(終段遊技球振分け機構)24の左側方にある側方入口24aに進入させる機構である。
遊技球上昇移動機構37は、図示例ではちり取り状の受台37aと駆動装置(図示せず)とを備えて構成されている。
上記受台37aは、第3遊技球振分け機構23から送られ、リプレイ経路38(リプレイ経路前半部分38a)の出口から落下する遊技球を受け取る台である。
上記駆動装置は、受台37aが遊技球を受け取ると、この受台37aを上昇させ、リプレイ経路後半部分38bの出口を第4遊技球振分け機構24の側方入口24aに対向させて遊技球を同側方入口24aに進入させる。同駆動装置は、その後、受台37aを下降させ、元のリプレイ経路前半部分38aの出口に対向する位置に復帰させる。
【0024】
第4遊技球振分け機構(終段遊技球振分け機構)24は、上記側方入口24aや後述する上方入口24bから進入してきた遊技球を、上記当り経路36又は外れ経路39のいずれかに振り分ける機構である。
第4遊技球振分け機構24は、回転軸方向に交差する一端面がパチンコ機正面側に向けられた回転体51及びその駆動装置(図示せず)と、回転体51の他端面に近接対向する回転体取付面52に穿設された2つの開口(当り開口53、外れ開口54)とを備えて構成されている。回転体51は、外周面に2つの外れ球保持部49と1つの当り球保持部50とが等間隔に切欠き形成され、時計回り(図5中、矢印イ参照)に回転する。
【0025】
この第4遊技球振分け機構24は、進入してきた遊技球を、回転体51の最初に対向する外れ球保持部49又は当り球保持部50で保持して移動させるように構成されている。そして、外れ球保持部49に保持した遊技球を、その外れ球保持部49が外れ経路39の入口(外れ開口54)に対向した際にその外れ経路39に導入させ、また、当り球保持部50に保持した遊技球を、その当り球保持部50が下方に向いたときに当り経路36の入口(当り開口53)内に導入させるように構成されている。
【0026】
このような構成によると、第4遊技球振分け機構24に進入した遊技球は、1/3の確率で当り経路36に導入され、2/3の確率で外れ経路39に導入される。
なお、当り経路36の入口(当り開口53)内に導入された遊技球も、外れ経路39の入口(外れ開口54)内に導入された遊技球も、最終的には盤面1の裏面側のセット板19内を経て共通に回収される。
【0027】
回転演出機構25は、第1遊技球振分け機構21により右経路27に振り分けられた遊技球を、盤面1の奥側から手前側(遊技者側)に移動させながら第4遊技球振分け機構24の上方に移送し、同第4遊技球振分け機構24の上方入口24bに進入させる機構である。
回転演出機構25は、図示例では2つの装飾回転体55,56及びその駆動装置(図示せず)と、転送通路57(図5参照)とを備えて構成されている。
【0028】
ここで、上述した各機構21〜25,37の動作の一例を述べると、第1遊技球振分け機構21(振分け板28)は、始動入賞口6への入賞時の大当り抽選により大当りを引き、上大入賞口7が開放動作を開始してから終了、つまり上大入賞口7が閉成するまでの間、振分け動作する。
なお、振分け板28は、初期状態(非動作状態)において図1に示す左下がり状態となっており、上大入賞口7が開放動作を開始すると一定時間右下がり状態となり、その後、左下がり状態に戻る。その後、上大入賞口7が開放動作を終了するまで、上述した確率に従い、上大入賞口7に入賞した遊技球が左経路26又は右経路27へ振り分けらるように動作する。
【0029】
第2遊技球振分け機構22(球突き板32)も、第1遊技球振分け機構21(振分け板28)と同様、上大入賞口7が開放動作を開始してから終了、つまり上大入賞口7が閉成するまでの間、振分け動作する。
【0030】
遊技球上昇移動機構37(受台37a)は、第3遊技球振分け機構23から送られ、リプレイ経路前半部分38aの出口から落下する遊技球を受け取ると上昇を開始し、上限位置で停止して遊技球を第4遊技球振分け機構24の側方入口24a内に自重で転動移動させる(受台37aが遊技球重量を検出しなくなる)と、元のリプレイ経路前半部分38aの出口に対向する位置に復帰移動する。
以上述べた各機構21〜25,37の動作形態(動作開始、終了、復帰等の時点)は一例であり、各機構21〜25,37が上述した機能を発揮できれば適宜、変更可能である。
【0031】
以上述べたように本実施形態によれば、センタ役物5を構成する機能部品(複合機能部品)のうち、上大入賞口7を構成する部品ユニットは、センタ役物前側ユニット5aに配置されている。また、第1〜第3遊技球振分け機構21〜23、遊技球回転演出・振分け機構18(第4遊技球振分け機構24、回転演出機構25)及び遊技球上昇移動機構37を構成する部品ユニットは、センタ役物後側複合ユニット5bに配置されている。
すなわち、多種類の機能を有するセンタ役物5の部品ユニットの大部分が遊技盤とは別個のセンタ役物後側複合ユニット5bに配置されてセット板19に取り付けられ、セット板19が遊技盤裏面に取り付けられる構成である。したがって、センタ役物5は実効遊技領域等を広く確保したまま盤面1(遊技領域3)に取付け可能となり、また、センタ役物5の組付け作業や保守作業も、全ての部品ユニットの取付けを遊技盤に対して行うわけではなくなり、それらの作業性も向上する。センタ役物後側複合ユニット5bを取付ける板体も、遊技盤の裏面側に通常配設されるセット板19が兼用されるので低コストですむ等の効果がある。。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明が適用されたパチンコ機の遊技盤の盤面構成例を示す図である。
【図2】図1中のセンタ役物及その周辺部の構成を説明するための分解斜視図である
【図3】同上センタ役物(後側複合ユニット)をセット板に取り付けて示す拡大正面図である。
【図4】同上センタ役物(後側複合ユニット)中の遊技球回転演出・振分け機構部分を取り出し、拡大して示す斜視図である。
【図5】同上センタ役物(後側複合ユニット)の拡大正面図である。
【図6】同じく拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1:盤面、3:遊技領域、4:画像表示器(遊技演出機能部品)、5:センタ役物(複合機能部品)、6:始動入賞口、7:上大入賞口、18:遊技球回転演出・振分け機構(部品ユニット)、21:第1遊技球振分け機構(部品ユニット)、22:第2遊技球振分け機構(部品ユニット)、23:第3遊技球振分け機構(部品ユニット)、24:第4遊技球振分け機構、25:回転演出機構、37:遊技球上昇移動機構(部品ユニット)。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤の盤面に設定された遊技領域のほぼ中央に位置する遊技演出機能部品の周囲に、遊技演出機能を含む複数種類の機能を有する複合機能部品が、前記遊技演出機能部品と共に前記遊技盤の正面側から視認可能に配設されるパチンコ機において、
前記複合機能部品は、複数の部品ユニットに分けられ、前記遊技盤の前後側に分割して配置されることを特徴とする複合機能部品の取付構造。
【請求項2】
前記複数の部品ユニット中の遊技盤後側の部品ユニットは、前記遊技盤の裏面側に配置されて前記盤面側から遊技盤裏面側に排出される遊技球を下方に誘導するセット板に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の複合機能部品の取付構造。
【請求項3】
前記遊技演出機能部品として、遊技の演出に係る画像を含む任意の画像を表示する画像表示器が用いられ、前記複合機能部品は、前記遊技領域に打ち込まれた遊技球の入賞を容易にし得ると共に遊技を演出するセンタ役物を構成することを特徴とする請求項1又は2に記載の複合機能部品の取付構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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