説明

複合機

【課題】
コピーのために使用される頻度が高い環境下、コピー以外のために使用される頻度が高い環境下のいずれであっても、問題なく使用できる複合機を提供する。
【解決手段】
プリンタの状態を節電状態から通常状態に戻すタイミングとして、キーが操作された時と、印刷を必要とする処理の実行が指示された時とを選択的に指定できるように、複合機を構成しておく。また、当該タイミングとしてキーが操作された時が指定されていた場合(S110;NO)には、プリンタを通常モードで動作させるための処理(S112)が行われた後に、操作パネル部分が通常モードでの動作を開始するように、当該タイミングとして印刷を必要とする処理の実行が指示された時が指定されていた場合(S110;YES)には、プリンタを通常モードで動作させるための処理が行われることなく、操作パネル部分が通常モードでの動作を開始するように、複合機を構成しておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、一般に市販されている複合機(コピー機にFAX機能等を付与した装置)は、操作パネルに対する操作がなされていない状態が所定時間継続した場合、消費電力の少ない動作モードである節電モードでの動作を開始し、節電モードで動作している最中に操作パネルに対する操作がなされたときに、節電モードでの動作を終了する装置となっている。そして、そのような,節電モードに移行する複合機としては、節電モードでの動作の終了時に、全ての部分が通常モードでの動作を開始する複合機と、印刷部(印刷を担当するユニット)を除いた部分が通常モードでの動作を開始し、印刷部は、印刷が実際に必要となったときに通常モードでの動作を開始する複合機(例えば、特許文献1参照。)とが、知られている。
【0003】
後者のタイプの複合機では、ユーザが,コピー機能以外の機能(FAX機能等)を利用しようとして操作パネルに触れた場合、印刷部が通常モードでの動作を開始しない。従って、後者のタイプの複合機は、電力が無駄に消費されることが少ない(印刷が行われない機能の利用が指示されたときに印刷部が通常モードでの動作を開始しない)複合機として機能することになる。ただし、後者のタイプの複合機は、節電モードで動作している場合、節電モードで動作している前者のタイプの複合機よりも、コピー作業の完了に長い時間が必要とされる装置となっている。何故ならば、前者のタイプの複合機では、ユーザが操作パネルに触れた際に、印刷部を通常モードで動作させるための処理が開始されるが、後者のタイプの複合機では、ユーザが操作パネルに触れた後、コピー条件を設定してから,コピーの開始を指示したときに、印刷部を通常モードで動作させるための処理が開始されることになるからである。
【0004】
要するに、後者のタイプの複合機は、コピーのために使用される頻度が高い環境下で使用した場合、コピーに時間がかかるとユーザが感じるケースが多い装置となっている。また、前者のタイプの複合機は、コピー以外のために使用される頻度が高い環境下で使用した場合、電力が無駄に消費されるものとなっている。
【特許文献1】特開2003−167484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、コピーのために使用される頻度が高い環境下、コピー以外のために使用される頻度が高い環境下のいずれであっても、問題なく使用できる複合機を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、複合機を、セットされた原稿上の画像を読み取って当該画像を表す画像データを生成するための画像読取手段と、指定された内容の印刷物を生成するため手段であると共に、通常モードと、通常モードよりも消費電力が少ない節電モードとで動作可能な手段である印刷手段と、表示装置と入力装置とを含むユーザインタフェース手段と、印刷手段に通常モードでの動作を開始させるタイミングを印刷開始時とすることを示す印刷開始時指定情報、印刷手段に通常モードでの動作を開始させるタイミングを入力装置に対する操作が行われた時とすることを示すキー操作時指定情報のいずれかを記憶しておくための指定情報記憶手段と、画像読取手段にセットされた原稿のコピーを印刷手段に印刷させるコピー処理と、画像読取手段を利用するが印刷手段を利用しない画像読取手段利用処理とを実行可能な手段であると共に、通常モードと節電モードとで動作可能な手段である制御手段とを、備えた装置であって、制御手段が、通常モードで動作している場合には、ユーザインタフェース手段の表示装置及び入力装置を利用してユーザから指定情報記憶手段への印刷開始時指定情報或いはキー操作時指定情報の書き込み指示を含む各種の指示を得ることと、ユーザから得た指示に応じた処理を実行することが可能な手段であると共に、ユーザインタフェース手段の入力装置に対する操作がなされていない状態が所定時間継続したときに,ユーザインタフェース手段の表示装置の動作を停止させた上で節電モードでの動作を開始する手段であり、かつ、節電モードで動作している場合には、ユーザインタフェース手段の入力装置に対する操作がなされたときに、指定情報記憶手段にキー操作時指定情報が記憶されている状況下では、通常モードでの動作を開始すると共に、印刷手段に通常モードでの動作を開始させ、指定情報記憶手段に印刷開始時指定情報が記憶されている状況下では、印刷手段に通常モードでの動作を開始させることなく、通常モードでの動作を開始する手段である装置として構成しておく。
【0007】
このような構成を有する本発明の複合機は、指定情報記憶手段にキー操作時指定情報を記憶させた状態で使用すれば、コピーが即座に行える形で節電状態から復帰する装置として機能することになる。また、本発明の複合機は、指定情報記憶手段に印刷開始時指定情報を記憶させた状態で使用すれば、印刷を必要としない処理のために、印刷手段が通常モードでの動作を開始しない装置(印刷手段によって無駄に電力が消費されない)装置として機能することにもなる。従って、本発明の複合機は、コピーのために使用される頻度が高い環境下でも、コピー以外のために使用される頻度が高い環境下でも、問題なく使用できる装置となっていると言うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
まず、図1(A)を用いて、本発明の一実施形態に係る複合機10の概要を、説明する。
【0010】
図1(A)に示してあるように、本実施形態に係る複合機10は、コピーユニット11(ユーザインタフェース手段及び制御手段に相当)とスキャナ12(画像読取手段に相当)とプリンタ13(印刷手段に相当)とFAXユニット14とが組み合わされた装置である。なお、図示は省略してあるが、本複合機10は、コピーユニット11がLANに接続され、FAXユニット14が電話回線網に接続されて使用されて使用される装置となっている。
【0011】
この複合機10に用いられているスキャナ12は、単独で(コピーユニット11と接続しなくても)、コンピュータの周辺機器として使用可能な機器である。プリンタ13も、単独で、コンピュータの周辺機器として使用可能な機器である。また、プリンタ13は、一定時間の間、印刷に用いられないと、節電モードでの動作を開始する(内蔵する定着器への電力供給を停止する)機器となっている。
【0012】
FAXユニット14は、FAXの送受信を行うためのユニットである。このFAXユニット14は、単独では、原稿を画像データ化することや、受信したFAXデータに応じた印刷を行うことが出来ないユニット(スキャナ12及びプリンタ13に接続されたコピーユニット11に接続されて使用されるユニット)となっている。
【0013】
コピーユニット11は、複合機10を、コピー機能,FAX機能,スキャンメール送信機能,スキャンファイル生成機能を有する装置として動作させるユニットである。なお、スキャンメール送信機能とは、原稿の画像データファイルが添付されたEメールを送信するための処理を行う機能のことであり、スキャンファイル生成機能とは、原稿の画像データファイルを,複合機10とネットワーク接続されたコンピュータ内へ保存するための処理を行う機能のことである。
【0014】
このコピーユニット11は、CPU,ROM,RAM,EEPROM等を組み合わせることにより構成された,図1(B)に示したような外観を有するユニットとなっている。すなわち、コピーユニット11は、その筐体上面に、スタートボタン22,テンキー等の各種押しボタンスイッチやタッチスクリーン21が設けられた一種のコンピュータとなっている。
【0015】
そして、本複合機10は、コピーユニット11とプリンタ13の双方が通常モードで動作している状態と、コピーユニット11とプリンタ13の双方が節電モードで動作している状態と、コピーユニット11が通常モードで動作しており,プリンタ13が節電モードで動作している状態と、コピーユニット11が節電モードで動作しており,プリンタ13が通常モードで動作している状態とを取り得る装置として構成されている。
【0016】
以上のことを前提に、以下、本実施形態に係る複合機10の構成,動作を、さらに具体的に説明する。
【0017】
図2に、複合機10に含まれるコピーユニット11の,電源投入後の動作手順を示す。なお、図2の流れ図中のステップS102〜S107の処理が実行されている状態が、コピーユニット11が通常モードで動作している状態にほぼ相当しており、ステップS109の処理が実行されている状態が、コピーユニット11が節電モードで動作している状態にほぼ相当している。
【0018】
図示してあるように、コピーユニット11は、電源が投入されると、各部が正常に機能可能なことをチェックする処理(図示せず)を行った後、タッチスクリーン21上にコピー機能基本画面を表示する(ステップS101)。
【0019】
このステップS101で表示されるコピー機能基本画面は、図2(A)に示した構成の画面である。すなわち、コピー機能基本画面30は、コピーボタン41,FAXボタン42,メール送信・ファイル生成ボタン43,管理者設定ボタン44,コピー条件を設定するための各種ボタン等を備えた画面となっている。
【0020】
コピー機能基本画面30を表示したコピーユニット11は、その後、自ユニットに設けられているタッチスクリーン21や、スタートボタン22以外の押しボタンスイッチ(テンキー等)が操作されることと、スタートボタン22が操作されることと、タッチスクリーン21や各種押しボタンスイッチが押下されることなく所定時間が経過することとを、監視する処理(図2:ステップS102)を行っている状態となる。
【0021】
そして、コピーユニット11は、タッチスクリーン21や、スタートボタン22以外の押しボタンスイッチが操作された場合(ステップS102;一般キー)には、ステップS103にて、押下されたキー(押下されたボタン,テンキー)に応じた処理を行う。
【0022】
具体的には、コピーユニット11は、コピー機能基本画面30(図2(A))上のFAXボタン42が押下された場合には、ステップS103にて、図2(B)に示したFAX機能基本画面32をタッチスクリーン21上に表示する処理を行う。また、コピーユニット11は、コピー機能基本画面30或いはFAX機能基本画面32上のメール送信・ファイル生成ボタン43が押下された場合には、ステップS103にて、図2(C)に示したメール送信・ファイル生成機能基本画面34をタッチスクリーン21上に表示する処理を行う。
【0023】
また、コピーユニット11は、各機能基本画面上の,ボタン41〜44以外のボタンが押下された場合には、ステップS103にて、押下されたボタンに対応する処理条件項目値を記憶する処理や、押下されたボタンに対応する処理条件項目値を設定するための画面をタッチスクリーン21上に表示する処理を行う。さらに、コピーユニット11は、ステップS103(及びS102)にて、コピー部数やFAX宛先のテンキー入力を受け付ける処理も行う。
【0024】
このような処理をステップS103にて行ったコピーユニット11は、再び、ステップS102の処理を開始する。
【0025】
そして、コピーユニット11は、スタートボタン22が押下された場合(ステップS102;スタートボタン)には、実行が指示されている処理がプリンタ13を動作させる必要があるプリンタ利用処理であるか否かを判断する(ステップS104)。
【0026】
なお、本複合機10(コピーユニット11)のスタートボタン22の押下により実行指示が出せる処理のうち、プリンタ13を動作させる必要がある処理は、コピー処理だけであるため、ステップS104にて、実行が指示されている処理がプリンタ利用処理であると判断されるのは、コピー処理の実行(コピー機能の利用)がユーザにより指示された場合(タッチスクリーン21上にコピー機能基本画面30を表示している状態でスタートボタン22が押下された場合)だけである。
【0027】
実行が指示された処理がプリンタ利用処理であった場合(ステップS104;YES)、コピーユニット11は、プリンタ13が通常モードで動作しているか否かを調査する(ステップS105)。そして、コピーユニット11は、プリンタ13が通常モードで動作していなかった場合(ステップS105;NO)には、プリンタ13に通常モードでの動作を開始させるための処理(ステップS106)を行った後に、実行が指示されている処理(この場合、コピー処理)を実際に実行する処理(ステップS107)を行う。また、コピーユニット11は、プリンタ13が通常モードで動作していた場合(ステップS105;YES)には、ステップS106の処理を行うことなく、ステップS107の処理を行う。
【0028】
一方、実行が指示された処理がプリンタ利用処理でなかった場合(ステップS104;NO)、コピーユニット11は、ステップS105の処理等を行うことなく、実行が指示されている処理(この場合、FAX送信処理等)をステップS107にて実際に実行する。
【0029】
そして、ステップS107の処理を終えたコピーユニット11は、ステップS102の処理を再び開始する。
【0030】
また、コピーユニット11は、タッチスクリーン21や各種押しボタンスイッチが押下されることなく所定時間が経過したことを検出した場合(ステップS102;タイムアウト)には、タッチスクリーン21を何も表示されていない状態とする処理(ステップS108)を行った後、キー操作がなされるのを監視する処理(ステップS109)を開始する。なお、コピーユニット11は、このステップS109の処理を行っている最中に、FAXが受信されたことを検出した場合には、プリンタ13に受信したFAXデータに応じた内容の印刷物を生成させるための処理を行い、ネットワーク接続されたコンピュータからプリンタ13に対する印刷データを受信した場合には、当該印刷データの印刷をプリンタ13に行わせるユニットとして構成されている。このため、コピーユニット11がステップS109の処理を行っている最中にFAXが受信された場合や印刷データが送信されてきた場合、複合機10は、コピーユニット11が節電モードで動作しており,プリンタ13が通常モードで動作している状態に移行する。
【0031】
コピーユニット11は、キー操作がなされたことを検出した場合(ステップS109;YES)には、節電復帰タイミングに関する設定値が、キー操作時,印刷開始時のいずれのタイミングで節電復帰を行うことを示すものとなっているかを判断する(ステップS110)。
【0032】
ここで、節電復帰タイミングに関する設定値とは、コピーユニット11内のEEPROM(指定情報記憶手段に相当)に記憶されている情報のことである。また、この設定値は、以下のようにして、その値を管理者が変更できる情報となっている。
【0033】
節電復帰タイミングに関する設定値を変更(或いは確認)したい管理者は、まず、いずれかの機能基本画面(図3)上の管理者設定ボタン44を押下する。管理者設定ボタン44が押下されると、コピーユニット11は、管理者用ログイン画面をタッチスクリーン21上(機能基本画面上)に表示するので、管理者は、管理者用ログイン情報の入力を含む操作を行う。この操作が行われると、コピーユニット11は、図4に示した管理者設定基本画面50をタッチスクリーン21上に表示するので、管理者は、この管理者設定基本画面50上の基本設定ボタン51を押下する。
【0034】
基本設定ボタン51が押下されると、コピーユニット11は、図5に示した基本設定画面60をタッチスクリーン21上(管理者設定基本画面50上)に表示するので、管理者は、基本設定画面60上の節電復帰ボタン61を押下する。節電復帰ボタン61が押下されると、コピーユニット11は、例えば、図6に示した節電復帰タイミング選択画面70をタッチスクリーン21上(管理者設定基本画面50及び基本設定画面60上)に表示する。なお、図6に示した節電復帰タイミング選択画面70は、節電復帰タイミングに関する設定値が、キー操作時に節電復帰を行うことを示すものとなっている場合に表示されるものであり、節電復帰タイミングに関する設定値が印刷開始時に節電復帰を行うことを示すものとなっている場合には、キー操作時ボタン71ではなく、印刷開始時ボタン72が反転表示された節電復帰タイミング選択画面70がタッチスクリーン21上に表示される。
【0035】
節電復帰タイミングを印刷開始時に変更したい場合、管理者は、この節電復帰タイミング選択画面70上の印刷開始時ボタン72を押下する。この操作が行われると、コピーユニット11は、EEPROM上の節電復帰タイミングに関する設定値を、印刷開始時に節電復帰を行うことを示すものに書き換えた上で、タッチスクリーン21の状態を図5に示したものに戻す。また、コピーユニット11は、節電復帰タイミング選択画面70上のキャンセルボタンが押下された場合にも、EEPROM上の節電復帰タイミングに関する設定値を書き換えることなく、タッチスクリーン21の状態を図5に示したものに戻すので、節電復帰タイミングに関する設定値を変更或いは確認した管理者は、基本設定画面60上の閉じるボタンを押下する。この操作が行われると、コピーユニット11は、タッチスクリーン21の状態を、管理者設定基本画面50(図4)が表示されている状態とするので、管理者は、管理者設定基本画面50上のログアウトボタンを押下することにより、コピーユニット11を通常の操作が行える状態(機能基本画面がタッチスクリーン21に表示されている状態)に戻しておく。
【0036】
図2に戻って、コピーユニット11の動作説明を続ける。
【0037】
コピーユニット11は、節電復帰タイミングに関する設定値が、キー操作時に節電復帰を行うことを示すものとなっていた場合(ステップS110;YES)、必要である場合(ステップS111;NO)には、プリンタ13に通常モードでの動作を開始させるための処理(ステップS112)を行った後、タッチスクリーン21上に機能基本画面を表示する(ステップS113)。そして、コピーユニット11は、ステップS102の処理を開始する。すなわち、この場合、複合機10は、ユーザがコピーの開始を指示すれば、即座にコピーを開始する状態(コピーの開始が指示された後、プリンタ13の定着器の予熱が開始されない状態)であると共に、ユーザがFAX送信の開始やスキャンメール送信の開始を指示した場合には、プリンタ13の定着器の予熱が開始されている分、電力が無駄に消費されることになる状態での動作を開始する。
【0038】
一方、節電復帰タイミングに関する設定値が、印刷開始時に節電復帰を行うことを示すものとなっていた場合(ステップS110;NO)、コピーユニット11は、ステップS111の処理等を行うことなく、タッチスクリーン21上に機能基本画面を表示する処理(ステップS113)を行ってから、ステップS102の処理を開始する。すなわち、この場合、複合機10は、ユーザがコピーの開始を指示した場合には、即座にコピーが開始されない状態(コピーの開始が指示された後、プリンタ13の定着器の予熱が開始される状態)ではあるが、ユーザがFAX送信の開始やスキャンメール送信の開始を指示した場合には、プリンタ13の定着器の予熱が行われてないが故に電力が無駄に消費されることがない状態での動作を開始する。
【0039】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る複合機10は、キー操作時に節電復帰を行うことを指定しておけば、コピーが即座に行える形で節電状態から復帰する装置として機能し、印刷開始時に節電復帰を行うことを指定しておけば、印刷を必要としない処理のために、プリンタ13の定着器が予熱されることがない装置として機能するものとなっている。
【0040】
従って、この複合機10は、コピーのために使用される頻度が高い環境下でも、コピー以外のために使用される頻度が高い環境下でも、問題なく使用できる装置となっていると言うことが出来る。
【0041】
<変形形態>
上記した複合機10は、各種の変形が可能である。例えば、上記した複合機10は、自発的にその動作モードを通常モードから節電モードに変更するプリンタ13が用いられたものであったが、プリンタ13の動作モードの変更が常にコピーユニット11の指示により行われるものに、複合機10を変形しておくことが出来る。また、時間帯別やユーザ別に、節電復帰タイミングを指定できるように、複合機10を変形しておいても良い。
【0042】
また、上記複合機10で用いられている技術は、コピー処理(スキャナ12とプリンタ13とを必要とする処理)と、印刷を必要としない処理(スキャナ12を必要とするがプリンタ13を必要としない処理)とを実行可能な複合機であれば、どのような複合機にも適用可能なものである。従って、複合機10で用いられている技術に基づき、FAXの送受信機能やスキャンメールの送信機能を有さない複合機を製造しても良い。また、上記した複合機10は、コンピュータの周辺機器として使用可能なスキャナ12とプリンタ13とが用いられたものであったが、複合機10で用いられている技術に基づき、スキャナ12相当の装置/ユニットやプリンタ13相当の装置/ユニットが分離できない複合機を製造しても良く、プリンタ13とコピーユニット11とが、それぞれLANに接続されるタイプの複合機を製造しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合機の構成の説明図。
【図2】実施形態に係る複合機が備えるコピーユニットの動作手順を示す流れ図。
【図3】コピーユニットのタッチスクリーンに表示される機能基本画面の説明図。
【図4】コピーユニットのタッチスクリーンに表示される管理者設定基本画面の説明図。
【図5】コピーユニットのタッチスクリーンに表示される基本設定画面の説明図。
【図6】コピーユニットのタッチスクリーンに表示される節電復帰タイミング選択画面の説明図。
【符号の説明】
【0044】
10 複合機、11 コピーユニット、12 スキャナ、13 プリンタ
14 FAXユニット、21 タッチスクリーン、22 スタートボタン
30 コピー機能基本画面、32 FAX機能基本画面
34 メール送信・ファイル生成機能基本画面、41 コピーボタン
42 FAXボタン、43 メール送信・ファイル生成ボタン
44 管理者設定ボタン、50 管理者設定基本画面、51 基本設定ボタン
60 基本設定画面、61 節電復帰ボタン、70 節電復帰タイミング選択画面
71 キー操作時ボタン、72 印刷開始時ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セットされた原稿上の画像を読み取って当該画像を表す画像データを生成するための画像読取手段と、
指定された内容の印刷物を生成するため手段であると共に、通常モードと、前記通常モードよりも消費電力が少ない節電モードとで動作可能な手段である印刷手段と、
表示装置と入力装置とを含むユーザインタフェース手段と、
前記印刷手段に前記通常モードでの動作を開始させるタイミングを印刷開始時とすることを示す印刷開始時指定情報、前記印刷手段に前記通常モードでの動作を開始させるタイミングを前記入力装置に対する操作が行われた時とすることを示すキー操作時指定情報のいずれかを記憶しておくための指定情報記憶手段と、
前記画像読取手段にセットされた原稿のコピーを前記印刷手段に印刷させるコピー処理と、前記画像読取手段を利用するが前記印刷手段を利用しない画像読取手段利用処理とを実行可能な手段であると共に、通常モードと節電モードとで動作可能な手段である制御手段とを、備え、
前記制御手段が、通常モードで動作している場合には、前記ユーザインタフェース手段の前記表示装置及び前記入力装置を利用してユーザから前記指定情報記憶手段への前記印刷開始時指定情報或いは前記キー操作時指定情報の書き込み指示を含む各種の指示を得ることと、ユーザから得た指示に応じた処理を実行することが可能な手段であると共に、前記ユーザインタフェース手段の前記入力装置に対する操作がなされていない状態が所定時間継続したときに,前記ユーザインタフェース手段の前記表示装置の動作を停止させた上で節電モードでの動作を開始する手段であり、かつ、節電モードで動作している場合には、前記ユーザインタフェース手段の前記入力装置に対する操作がなされたときに、前記指定情報記憶手段に前記キー操作時指定情報が記憶されている状況下では、通常モードでの動作を開始すると共に、前記印刷手段に通常モードでの動作を開始させ、前記指定情報記憶手段に前記印刷開始時指定情報が記憶されている状況下では、前記印刷手段に通常モードでの動作を開始させることなく、通常モードでの動作を開始する手段である
ことを特徴とする複合機。
【請求項2】
前記制御手段が、前記画像読取手段利用処理として、FAX送信処理を行える手段である
ことを特徴とする請求項1記載の複合機。
【請求項3】
前記制御手段が、前記画像読取手段利用処理として、前記画像読取手段に生成させた画像データをネットワーク接続されている他装置に送信する処理を行える手段である
ことを特徴とする請求項1記載の複合機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−42220(P2006−42220A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222715(P2004−222715)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】