説明

複合機

【課題】ユーザが操作法をより理解しやすい形でヘルプ画面を表示できる複合機を、提供する。
【解決手段】複合機を、拡張LCDユニット15を操作パネルユニット11に装着すれば、操作パネルユニット11のタッチスクリーン23上に操作画面が表示され、拡張LCDユニット15のLCD25上にヘルプ画面が表示される状態で動作する装置として構成しておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年、市販されている複合機は、操作パネル上のタッチスクリーン(LCD上に透明なタッチパネルを配置したもの)に表示された操作画面を操作することにより、コピー条件等を設定する装置となっている。そして、操作画面にて設定可能な項目数が多いと、操作方法が分かりにくくなるため、複合機の中には、各種設定項目の用途等をユーザに説明するためのヘルプ画面を表示できるように構成したものも存在している。
【0003】
ただし、既存のヘルプ画面を表示可能な複合機(例えば、特許文献1参照。)は、ヘルプ画面を表示させた際には、操作画面が見えなくなってしまう装置(操作画面上にヘルプ画面がポップアップ表示される装置,操作画面の代わりにヘルプ画面が表示される装置)となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−15594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、ユーザが操作法をより理解しやすい形でヘルプ画面を表示できる複合機を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の複合機は、タッチスクリーンと、LCDを備えた拡張LCDユニットを装着するための拡張LCDユニット用スロットと、タッチスクリーン上に操作画面を表示させることにより,ユーザに各種設定項目にについての設定を行わせる制御部であって、拡張LCDユニット用スロットに装着されている拡張LCDユニットのLCD上に、タッチスクリーンに表示中の操作画面を操作することにより設定が可能な設定項目毎に,その設定項目に関する説明文が示されたヘルプ画面を表示するヘルプ画面表示機能を有する制御部とを、備える。
【0007】
すなわち、本発明の複合機は、拡張LCDユニットを装着すれば、タッチスクリーン上に操作画面が表示され、拡張LCDユニットのLCD上にヘルプ画面が表示される状態で動作する装置となっている。従って、この複合機は、ヘルプ画面を表示させた場合,操作画面が見えなくなってしまう既存の複合機よりも、ユーザが操作法をより理解しやすい形でヘルプ画面を表示できる装置として機能することになる。また、本発明の複合機は、既存の複合機の僅かな改良で製造できるものであるため、拡張LCDユニットをオプションとして販売するようにしておけば、ヘルプ画面が不要なユーザに,既存の複合機と同程度の価格の複合機を提供(販売)出来ることになる。
【0008】
本発明の複合機を実現する際には、より容易に設定が行えるようにするために、制御部のヘルプ画面表示機能を、各ヘルプ画面として、対応する設定項目に関する設定を行うための幾つかの設定用アイテムを備えた画面を表示する機能としておくことが望ましい。
【0009】
また、本発明の複合機を実現する際には、制御部のヘルプ画面表示機能を、各ヘルプ画面として、対応する設定項目に関する説明文と説明画像とが示された画面を表示する機能としておくことも出来る。さらに、ヘルプ画面表示機能を、原稿がセットされている場合には、当該原稿をスキャンし、そのスキャン結果に応じた画像が説明画像として示されるヘルプ画面を表示し、原稿がセットされていない場合には、予め用意されている画像が説明画像として示されるヘルプ画面を表示する機能としておいても良い。
【0010】
また、ヘルプ画面の構成を規定するデータを複合機に記憶させておいても良いが、そのように構成した場合、より大容量の不揮発性記憶手段(ROM等)を複合機に設けておく必要が生ずることになるので、拡張LCDユニットを、各種ヘルプ画面の構成を規定する各種データを記憶したROMを備えたユニットとし、制御部のヘルプ画面表示機能を、 拡張LCDユニットのROMに記憶されているデータを利用して、ヘルプ画面を表示する機能としておくことが望ましい。
【0011】
また、拡張LCDユニット内のLCDを制御するための制御回路を、複合機内のタッチスクリーンを制御するための制御回路と同じ回路とすることにより、複合機/拡張LCDユニットの低価格化を図ることも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
《第1実施形態》
まず、図1乃至図3を用いて、本発明の第1実施形態に係る複合機10の概要を、説明する。
【0014】
図1に示してあるように、本発明の第1実施形態に係る複合機10は、操作パネルユニット11とスキャナ12とプリンタ13とFAXユニット14とを備えた装置である。また、複合機10は、拡張LCDユニット15がオプションとして用意されている装置となっている。
【0015】
この複合機10に用いられているスキャナ12は、コンピュータに接続して(操作パネルユニット11に接続しなくても)使用することが可能なカラースキャナである。プリンタ13は、コンピュータに接続して使用することが可能なカラーレーザプリンタであり、FAXユニット14は、FAXの送受信機能を有するユニットである。
【0016】
操作パネルユニット11は、複合機10を、コピー機能,ファクシミリ機能,スキャンメール機能,スキャンファイル機能等を有する装置として動作させるユニットである。ここで、スキャンメール機能とは、スキャナ12にセットされている原稿をスキャンし、当該原稿のイメージデータファイルを指定された場所(ネットワーク接続されているコンピュータのHDD上等)に保存する機能のことである。また、スキャンメール機能とは、スキャナ12にセットされている原稿をスキャンし、当該原稿のイメージデータファイルを添付したEメールを送信する機能のことである。
【0017】
操作パネルユニット11は、タッチスクリーン23(640×240画素のモノクロLCDであるLCD21上にタッチパネル22を配置したもの),複数のスイッチ,複数のLED,操作パネル用ASIC〔LCD21,タッチパネル22等の制御機能を有するASIC〕等が実装された操作パネル基板と、ネットワークIF,パラレルIF,IO制御ASIC,RAM,ROM24,複合機用ASIC,CPU等が実装されたメイン基板とを備えた,図2に示した形状のユニットとなっている。
【0018】
拡張LCDユニット15は、操作パネルユニット11の拡張LCDユニット用スロットに装着される,図3に示した形状のユニットである。この拡張LCDユニット15は、図1に示してあるように、LCD25,ROM26,複数のスイッチ,複数のLED,拡張LCD用ASIC等で構成されたユニットとなっている。なお、この拡張LCDユニット15に用いられているLCD25は、外観上はLCD21とほぼ同サイズの,640×480画素のカラーLCDであり、拡張LCD用ASICは、そのような仕様のLCD25の制御機能や、ROM26,スイッチ,LEDの制御機能を有するASICとなっている。
【0019】
以上のことを前提に、以下、図4乃至図17を用いて、本実施形態に係る複合機10(操作パネルユニット11)の構成及び動作を、さらに具体的に説明する。なお、説明の便宜上、以下では、拡張LCDユニット15のLCD25のことを,拡張LCDと表記することにする。
【0020】
本実施形態に係る複合機10(操作パネルユニット11)のROM24上には、操作パネルユニット11(操作パネルユニット11内のCPU)に,図4〜図6に示した手順の処理を実行させるためのファームウェアが、記録されている。
【0021】
すなわち、電源が投入されると、操作パネルユニット11は、まず、拡張LCDユニット15が拡張LCDユニット用スロットに装着されているか否かを判断する(図4;ステップS100)。
【0022】
そして、操作パネルユニット11は、拡張LCDユニット15が拡張LCDユニット用スロットに装着されていなかった場合(ステップS100;NO)には、コピー機能用の第1種基本画面をLCD21上に表示する(ステップS101)。ここで、コピー機能用の第1種基本画面とは、図7に示した構成の画面のことである。なお、第1種基本画面としては、コピー機能用のものの他に、ファクシミリ機能用のものとスキャンメール/スキャンファイル機能用のものとが、存在している。そして、ファクシミリ機能用,スキャンメール/スキャンファイル機能用の各第1種基本画面も、コピー機能用の第1種基本画面と同様に、その左側に、コピーボタン,FAXボタン及びメールファイルボタン(以下、画面遷移ボタンと表記する)が示されるものとなっている。
【0023】
ステップS101の処理を終えた操作パネルユニット11は、第1種基本画面上のボタンや,スタートボタン等(操作パネルユニット11の筐体上に設けられている各種スイッチ)が操作されるのを監視する状態(ステップS102)となる。そして、操作パネル11は、画面遷移ボタンが操作された場合(ステップS102;画面遷移)には、操作ボタンに応じたヘルプ画面,具体的には,遷移先の第1種基本画面(操作ボタンに対応する第1種基本画面)の用途の説明文等が示されたヘルプ画面を,第1種基本画面上に表示する(ステップS103)。なお、ステップS103の処理が行われるのは、通常形態(図7におけるFAXボタン,メールファイルボタンの表示形態)で表示されている画面遷移ボタンが操作された場合だけである。また、ステップS103の処理で表示されるヘルプ画面は、図8に示したように、キャンセルボタンとOKボタンとが、遷移先の第1種基本画面の用途の説明文と共に示される画面となっている。
【0024】
その後、操作パネルユニット11は、ヘルプ画面上のキャンセルボタン或いはOKボタンが操作されるのを待機(ステップS104)し、キャンセルボタンが操作された場合(ステップS104:キャンセル)には、第1種基本画面上のヘルプ画面を消去(ステップS105)してから、再び、各種ボタン(第1種基本画面上のボタン,スタートボタン等)が操作されるのを監視する状態(ステップS102)となる。
【0025】
また、操作パネルユニット11は、ヘルプ画面上のOKボタンが操作された場合(ステップS104:OK)には、操作ボタンに対応する第1種基本画面(別の第1種基本画面)をLCD21上に表示(ステップS106)してから、新たに表示した第1種基本画面上のボタンや,スタートボタン等が操作されるのを監視する状態(ステップS102)となる。
【0026】
また、操作パネルユニット11は、第1種基本画面上の,画面遷移ボタンではないボタンや、操作パネルユニット11の筐体上のテンキー等が操作された場合(ステップS102:その他)には、ステップS107にて、操作ボタン(操作されたボタン)に応じた処理を実行する。なお、このステップにおける“操作ボタンに応じた処理”とは、第1種基本画面上の操作ボタンの表示形態を変更する処理(フルカラーボタンの表示形態を反転形態とし、モノクロボタンの表示形態を通常形態に戻す処理)、第1種基本画面上に別画面を表示することにより特殊な条件を設定させる処理(“その他>>”ボタンの操作時等に行われる,別画面の表示後、その別画面を消去してから終了する処理),テンキー入力された値(コピー部数等)を第1種基本画面内に表示する処理等のことである。
【0027】
そして、ステップS107の処理を終えた操作パネルユニット11は、各種ボタンが操作されるのを監視する状態(ステップS102)に戻る。
【0028】
また、操作パネルユニット11は、スタートボタンが操作された場合(ステップS102;スタート)には、ユーザが指定した内容の処理(コピー処理等)を実行(ステップS108)してから、各種ボタンが操作されるのを監視する状態(ステップS102)に戻る。
【0029】
操作パネルユニット11は、拡張LCDユニット15が拡張LCDユニット用スロットに装着されていた場合(ステップS100;YES)には、図5(及び図6)に示した手順の処理を開始する。
【0030】
すなわち、この場合、操作パネルユニット11は、コピー機能用の第2種基本画面をLCD21上に表示する(ステップS111)。ここで、コピー機能用の第2種基本画面とは、図9に示した構成の画面のことである。すなわち、コピー機能用の第2種基本画面は、コピー機能用の第1種基本画面(図7)では、ソートOFFボタン32が設けられていた部分に、プレビューボタン34が設けられ、コピー機能用の第1種基本画面では、ボタンが設けられていなかった部分に、ヘルプボタン35が設けられた画面となっている。また、コピー機能用の第1種基本画面は、ソートONボタン31,ソートOFFボタン32が、それぞれ、ソートのON設定ボタン,ソートのOFF設定ボタンとして機能する画面なのであるが、コピー機能用の第2種基本画面は、ソートボタン33が,ソートのON/OFFをトグル形式で設定できるボタンとして機能する画面となっている。
【0031】
なお、第2種基本画面としても、ファクシミリ機能用のものと,スキャンメール/スキャンファイル機能用のものとが存在しており、ファクシミリ機能用の第2種基本画面は、ファクシミリ機能用の第1種基本画面にヘルプボタンを追加したものとなっている。また、スキャンメール/スキャンファイル機能用の第2種基本画面は、スキャンメール/スキャンファイル機能用の第1種基本画面に、ヘルプボタンとプレビューボタンとを追加したものとなっている。
【0032】
ステップS111の処理を終えた操作パネルユニット11は、第2種基本画面上のボタンや,スタートボタン等が操作されるのを監視する状態(ステップS112)となる。そして、操作パネル11は、画面遷移ボタンが操作された場合(ステップS112;画面遷移)には、ステップS103〜S106の処理とほぼ同内容の処理〔LCD21上に表示する基本画面の種類のみが異なる処理〕である画面遷移用処理(ステップS113)を行ってから、再び、各種ボタンが操作されるのを監視する状態(ステップS112)となる。
【0033】
また、操作パネルユニット11は、第2種基本画面上のプレビューボタン(コピー機能用の第2種基本画面上のプレビューボタン34等)が操作された場合(ステップS112;プレビュー)には、原稿をスキャンすることにより、拡張LCD(拡張LCDユニット15のLCD25)上に,現設定条件での原稿のスキャン結果が示されたプレビュー画面を表示する処理(ステップS114)を行う。なお、このステップS114の処理は、原稿がセットされていない場合、プレビュー画面を拡張LCD上に表示することなく、その旨を示すダイアログボックスを,一定時間,第2種基本画面上(LCD21上)に表示する処理となっている。
【0034】
そして、ステップS114の処理を終えた操作パネルユニット11は、各種ボタンが操作されるのを監視する状態(ステップS112)に戻る。
【0035】
操作パネルユニット11は、第2種基本画面上の,画面遷移ボタン,ヘルプボタン,プレビューボタン以外のボタンやテンキー等が操作された場合(ステップS112:その他)には、ステップS115にて、ステップS107と同様の処理を実行してから、各種ボタンが操作されるのを監視する状態(ステップS112)に戻る。
【0036】
また、操作パネルユニット11は、スタートボタンが操作された場合(ステップS112;スタート)には、ユーザが指定した内容の処理(コピー処理等)を実行(ステップS108)してから、各種ボタンが操作されるのを監視する状態(ステップS112)に戻る。
【0037】
操作パネルユニット11は、第2種基本画面上のヘルプボタンが操作された場合(ステップS112:ヘルプ)には、図6に示してあるように、まず、ヘルプボタンの表示形態を反転形態に変更する処理(ステップS121)を行う。すなわち、操作パネルユニット11は、このステップS121で、例えば、図9に示した状態にある第2種基本画面を、図10に示した状態のものに変更する処理を、行う。
【0038】
その後、操作パネルユニット11は、第2種基本画面上のボタンや,スタートボタン等が操作されるのを監視する状態(ステップS122)となる。そして、操作パネルユニット11は、第2種基本画面上の,それを操作するだけで特定の項目に関する条件が設定/選択できるものとして用意されているボタン(図10等におけるフルカラーボタン,モノクロボタン,文字・写真ボタン等;以下、設定選択ボタンと表記する)が操作された場合(ステップS122;設定選択)には、操作された設定選択ボタンに対応する項目に関するヘルプ画面を拡張LCD上に表示する処理(ステップS123)を行う。
【0039】
このステップS123の処理は、図11に示したような構成のヘルプ画面、すなわち、条件を選択するたの幾つかのボタン(図では、フルカラーボタン及びモノクロボタン;以下、ヘルプ画面上設定選択ボタンと表記する)と、表示切り替えボタンと、各条件が選択された場合の複合機10の動作の説明文が示される説明文領域と、各条件が選択された場合の複合機10の動作の説明図が示されるプレビュー領域とを備えたヘルプ画面を表示する処理となっている。また、ステップS123の処理は、原稿がスキャナ12にセットされている場合には、実際に原稿をスキャンし、その結果がプレビュー領域内に示されたヘルプ画面を表示し、原稿がスキャナ12にセットされていなかった場合には、予め用意されているサンプルデータがプレビュー領域内に示されたヘルプ画面を表示する処理となっている。さらに、ステップS123の処理は、拡張LCDユニット15内のROM26から必要なデータ(ヘルプ画面の構成を規定するデータやサンプルデータ)を読み出して行われる処理となっている。
【0040】
ステップS123の処理を終えた操作パネルユニット11は、第2種基本画面上のボタン,ヘルプ画面上のボタン,スタートボタン等が操作されるのを監視する状態(ステップS122)となる。
【0041】
そして、操作パネルユニット11は、ヘルプ画面上設定選択ボタンが操作された場合(ステップS122:ヘルプ画面上設定選択)には、ユーザが設定した条件を記憶し,第2種基本画面を当該条件が設定されていることを示すものに変更し,ヘルプ画面を消去する処理(ステップS124)を行う。その後、操作パネルユニット11は、ヘルプボタンの表示形態を通常形態に変更(ステップS125)してから、ステップS112(図5)以降の処理を開始する。また、操作パネルユニット11は、ヘルプボタンが操作された場合(ステップS122:ヘルプ)には、ヘルプボタンの表示形態を通常形態に変更(ステップS125)してから、ステップS112以降の処理を開始する。
【0042】
操作パネルユニット11は、第2種基本画面上の,他画面の表示が必要なボタン(“その他 >>”ボタン等)や、ヘルプ画面上の,ヘルプ画面上設定選択ボタンではないボタンが操作された場合(ステップS122:その他)には、ステップS126にて、操作ボタンに応じた処理を行う。
【0043】
このステップS126にて操作パネルユニット11が実行する処理には、さまざまなものがある。
【0044】
例えば、図11に示したヘルプ画面上の表示切り替えボタンが操作された場合、操作パネルユニット11は、ステップS126にて、拡張LCD上のヘルプ画面を、図12に示した構成のヘルプ画面,すなわち,通常のヘルプ画面(図11)から,プレビュー領域を除去し、プレビューボタンを追加したものに相当するヘルプ画面に変更する処理を行う。
【0045】
また、操作パネルユニット11は、図12に示したヘルプ画面上のプレビューボタンが操作された場合には、拡張LCD上のヘルプ画面を,図13に示した構成のヘルプ画面,すなわち、通常のヘルプ画面から、説明文領域を除去し、ヘルプボタンを追加したものに相当するヘルプ画面に変更する処理を行い、このヘルプ画面上のヘルプボタンが操作された場合には、拡張LCD上のヘルプ画面を、通常のもの(図11)に変更する処理を行う。
【0046】
また、操作パネルユニット11は、第2種基本画面上の,他画面の表示が必要なボタンが操作された場合には、図14或いは図16に示したような画面を第2種基本画面上に表示する処理を行う。そして、操作パネルユニット11は、図14,図16に示した画面上のヘルプボタンが操作された場合には、それぞれ、図15,図17に示したようなヘルプ画面を拡張LCD上に表示する処理を行う。
【0047】
そして、操作パネルユニット11は、スタートボタンが操作された場合(ステップS102;スタート)には、ユーザが指定した内容の処理(コピー処理等)を実行(ステップS116)してから、各種ボタンが操作されるのを監視する状態(ステップS112)に戻る。
【0048】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係る複合機10は、拡張LCDユニット15を拡張LCDユニット用スロットに装着すれば、タッチスクリーン23(LCD21)上に操作画面(各機能用の第1種/第2種基本画面)が表示され、拡張LCDユニット15のLCD25上にヘルプ画面が表示される状態で動作する装置となっている。従って、この複合機10は、ヘルプ画面を表示させた場合,操作画面が見えなくなってしまう既存の複合機よりも、ユーザが分かりやすい形でヘルプ画面を表示できる装置となっていると言うことが出来る。また、拡張LCDユニット15は、複合機10のオプションであり、複合機10は、既存の複合機の僅かな改良で製造できる構成のものである。従って、複合機10は、ヘルプ画面が不要なユーザには,既存の複合機と同程度の価格で提供(販売)出来る装置となっていることにもなる。
【0049】
《第2実施形態》
図18に示してあるように、本発明の第2実施形態に係る複合機50は、操作パネルユニット51とスキャナ52とプリンタ53とFAXユニット54とを備えた装置である。また、複合機50は、拡張LCDユニット55がオプションとして用意されている装置となっている。
【0050】
この複合機50の構成要素であるスキャナ52,プリンタ53,FAXユニット54は、それぞれ、複合機10の構成要素であるスキャナ12,プリンタ13,FAXユニット14と同じ装置/ユニットである。
【0051】
また、操作パネルユニット51は、自ユニットに設けられているタッチスクリーン63(LCD61及びタッチパネル62)、自ユニットに装着されている拡張LCDユニット55のLCD65に対して、操作パネルユニット11と同様の制御を行うユニット(LCD25に各種ヘルプ画面を表示する処理を実行可能なユニット)である。
【0052】
ただし、操作パネルユニット51は、タッチスクリーン63を構成しているLCD61として、拡張LCDユニット55のLCD65と同じものが用いられたユニットとなっている。また、操作パネルユニット51は、ROM26に記憶されていたデータ(各種ヘルプ画面の構成を規定するデータやサンプルデータ)とファームウェアとが、ROM64に記憶されているユニットとなっている。そして、拡張LCDユニット55は、ROM26相当のROMを備えないユニットであると共に、LCD25等の制御のために、操作パネルユニット51に用いられている操作パネル用ASIC60と同じ操作パネル用ASIC50が用いられたユニットとなっている。
【0053】
要するに、この第2実施形態に係る複合機50,拡張LCDユニット55は、拡張LCDユニット55内のLCD65を制御するための制御回路(操作パネル用ASIC60)を、複合機50内のタッチスクリーン63等を制御するための制御回路と同じ回路とすることにより、低価格化を図ったものなのであるが、この複合機50も、拡張LCDユニット55を拡張LCDユニット用スロットに装着すれば、タッチスクリーン63(LCD61)上に操作画面(各機能用の第1種/第2種基本画面)が表示され、拡張LCDユニット55のLCD65上にヘルプ画面が表示される状態で動作する装置となっている。
【0054】
従って、この複合機50は、ヘルプ画面を表示させた場合,操作画面が見えなくなってしまう既存の複合機よりも、ユーザが操作法を理解しやすい形でヘルプ画面を表示できる装置として機能することになる。
【0055】
《変形形態》
上記した複合機10/50,拡張ユニット15/55は、各種の変形を行うことが出来る。例えば、複合機10/50を、ヘルプ画面として、説明画像が示されないものを表示する装置に変形するこが出来る。また、複合機10/50を、そのような装置に変形する場合には、拡張ユニット15/55を、LCD25/65としてモノクロLCDを備えたものに変形することが出来る。また、複合機10/50を、ヘルプ画面上設定選択ボタン(図11〜図14におけるフルカラーボタン,モノクロボタン)を備えないヘルプ画面を,拡張ユニット15/55のLCD25/65上に表示する装置に変形することも出来る。ただし、ヘルプ画面上に、ヘルプ画面上設定選択ボタンがあった方が設定が容易になるので、実施形態の構成を採用しておくことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1実施形態に係る複合機の構成図。
【図2】第1実施形態に係る複合機の操作パネルユニットの外観図。
【図3】第1実施形態に係る複合機に装着可能な拡張LCDユニットの外観図。
【図4】操作パネルユニットの動作手順を示す流れ図。
【図5】操作パネルユニットの動作手順を示す流れ図。
【図6】操作パネルユニットの動作手順を示す流れ図。
【図7】操作パネルユニットのLCD上に表示される第1種基本画面の説明図。
【図8】画面遷移ボタン操作時に、第1種基本画面上に表示されるヘルプ画面の説明図。
【図9】操作パネルユニットのLCD上に表示される第2種基本画面の説明図。
【図10】操作パネルユニットのLCD上に表示される第2種基本画面の説明図。
【図11】拡張LCD上に表示されるヘルプ画面の説明図。
【図12】拡張LCD上に表示されるヘルプ画面の説明図。
【図13】拡張LCD上に表示されるヘルプ画面の説明図。
【図14】操作パネルユニットのLCD上に表示される画面の説明図。
【図15】図14の画面上のヘルプボタン操作時に,拡張LCD上に表示されるヘルプ画面の説明図。
【図16】操作パネルユニットのLCD上に表示される画面の説明図。
【図17】図16の画面上のヘルプボタン操作時に,拡張LCD上に表示されるヘルプ画面の説明図。
【図18】本発明の第2実施形態に係る複合機の構成図。
【符号の説明】
【0057】
10,50 複合機、 11,51 操作パネルユニット
12,52 スキャナ、 13,53 プリンタ、 14,54 FAXユニット
15,55 拡張LCDユニット、 21,25,61,65 LCD
22,62 タッチパネル、 23,63 タッチスクリーン
24,26,64 ROM、 60 操作パネル用ASIC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンと、
LCDを備えた拡張LCDユニットを装着するための拡張LCDユニット用スロットと、
前記タッチスクリーン上に操作画面を表示させることにより,ユーザに各種設定項目にについての設定を行わせる制御部であって、前記拡張LCDユニット用スロットに装着されている前記拡張LCDユニットの前記LCD上に、前記タッチスクリーンに表示中の操作画面を操作することにより設定が可能な設定項目毎に,その設定項目に関する説明文が示されたヘルプ画面を表示するヘルプ画面表示機能を有する制御部と
を備えることを特徴とする複合機。
【請求項2】
前記制御部のヘルプ画面表示機能が、
各ヘルプ画面として、対応する設定項目に関する設定を行うための幾つかの設定用アイテムを備えた画面を表示する機能である
ことを特徴とする請求項1記載の複合機。
【請求項3】
前記制御部のヘルプ画面表示機能が、
各ヘルプ画面として、対応する設定項目に関する説明文と説明画像とが示された画面を表示する機能である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複合機。
【請求項4】
前記制御部のヘルプ画面表示機能が、
原稿がセットされている場合には、当該原稿をスキャンし、そのスキャン結果に応じた画像が前記説明画像として示されるヘルプ画面を表示し、原稿がセットされていない場合には、予め用意されている画像が前記説明画像として示されるヘルプ画面を表示する機能である
ことを特徴とする請求項3記載の複合機。
【請求項5】
前記拡張LCDユニットが、各種ヘルプ画面の構成を規定する各種データを記憶したROMを備えたユニットであり、
前記制御部のヘルプ画面表示機能が、
前記拡張LCDユニットのROMに記憶されているデータを利用して、前記ヘルプ画面を表示する機能である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の複合機。
【請求項6】
前記拡張LCDユニットが、
前記LCDを制御するための制御回路として、前記タッチスクリーンを制御するために前記制御部に用いられている制御回路と同じ回路が用いられているユニットである
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の複合機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−78903(P2008−78903A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254551(P2006−254551)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】