複合機
【課題】外部の情報処理装置上で動作するアプリケーションと複合機の機能とが連携して動作するシステムにおいて、ユーザの待機時間を短縮できる複合機を実現する。
【解決手段】複合機1は、アプリケーションとの連携処理において過去に実行された機能の種別を示す機能情報と、当該機能の実行開始指示をアプリケーションから受けたときにウェブブラウザ部15に設定されていたURLを示す特定処理状況情報とが対応付けられたアプリ対応情報を記憶部に登録する。そして、ウェブブラウザ部15に現在設定されているURLと一致する特定処理状況情報が記憶部に登録されており、当該特定処理状況情報に対応する機能情報で示される機能がウォームアップの必要な機能である場合に、機器制御部10は、画像形成部13のウォームアップを開始する。
【解決手段】複合機1は、アプリケーションとの連携処理において過去に実行された機能の種別を示す機能情報と、当該機能の実行開始指示をアプリケーションから受けたときにウェブブラウザ部15に設定されていたURLを示す特定処理状況情報とが対応付けられたアプリ対応情報を記憶部に登録する。そして、ウェブブラウザ部15に現在設定されているURLと一致する特定処理状況情報が記憶部に登録されており、当該特定処理状況情報に対応する機能情報で示される機能がウォームアップの必要な機能である場合に、機器制御部10は、画像形成部13のウォームアップを開始する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置のアプリケーションと連携して動作する複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真技術を用いたプリンタや複合機では、スキャン処理や印刷処理を実行するためには、スキャナモータが安定して駆動し、定着装置の温度を所定範囲内にする必要がある。そのため、例えば印刷処理を実行する前に、定着装置の温度を所定範囲内にするためのウォームアップが行われる。
【0003】
このようなウォームアップは、ユーザに対して待機させることになる。そのため、なるべくユーザの待機時間を短くする技術が知られている。例えば、コピー機のような場合、ユーザがオペレーションパネルを操作したり、スキャナユニットを開いたり、オートフィーダーに用紙を装着するなど、実際に機器操作を始めたことをトリガとしてウォームアップを開示させる。また、特許文献1には、外部装置から画像記録装置に印刷データを送信する前に、画像記録装置をウォームアップさせるための特定コマンドを外部装置が画像記録装置に送信し、ウォームアップを早期に開始させることが記載されている。
【0004】
また、近年、複合機がPC(パーソナルコンピュータ)などと通信ネットワークを介して接続され、多種多様な処理を行うようになっている。すなわち、外部の情報処理装置上で動作するアプリケーションと複合機の機能とを連携させ、複合機がトータルアプリケーションシステムの一部となって動作することができる技術が開発されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−313452号公報
【特許文献2】特開2007−174400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献2の技術では、複合機は、情報処理装置上で動作するアプリケーションからの指示により、コピーやプリントなどの処理を実行する。そのため、複合機は、アプリケーションからの指示を受信するまで、どの処理を実行するか認識することができず、アプリケーションからの指示を受信してからウォームアップを開始することとなる。そのため、ウォームアップのためにユーザが待機する時間が長くなるという問題がある。
【0007】
上記特許文献1の技術を特許文献2の技術に適用して、アプリケーションから複合機に対してウォームアップの実行させる特定コマンドを前もって送信することが考えられる。しかしながら、この場合、アプリケーションは、特定コマンドを複合機に送信させる必要があり、当該アプリケーションの開発にコストがかかる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、外部の情報処理装置上で動作するアプリケーションと複合機の機能とが連携して動作するシステムにおいて、ユーザの待機時間を短縮できる複合機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の複合機は、外部の情報処理装置で実行される複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションと連携した連携処理を行う複合機であって、通常動作モードと、上記通常動作モードよりも消費電力が低い待機モードとを有するモード切替対象部材と、上記複数のアプリケーションの各々について、当該アプリケーションとの連携処理において過去に上記複合機で実行された機能の種別を示す機能情報と、当該機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときの当該アプリケーションの処理の段階、および、当該段階よりも所定数だけ前の段階のうちの少なくとも一つの段階を示す特定処理状況情報と、が対応付けられたアプリ対応情報を記憶部に登録する登録処理部と、上記複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションとの連携処理を行っている際に、当該選択アプリケーションの処理の現段階を示す現処理状況情報を取得する情報取得部と、所定開始条件が満たされるか否かを判定し、当該所定開始条件が満たされると判定した場合に、上記モード切替対象部材を上記待機モードから上記通常動作モードへ移行させる移行動作、もしくは、当該移行動作の一部の動作を開始させる制御部とを備え、上記所定開始条件は、少なくとも以下の条件Aを含むことを特徴とする。
【0010】
条件A:上記情報取得部により取得された現処理状況情報と一致する特定処理状況情報が上記記憶部に登録されており、当該特定処理状況情報に対応する機能情報で示される種別が上記モード切替対象部材を動作させる特定機能を示している。
【0011】
上記の構成によれば、選択アプリケーションとの連携処理の行っている際に、現処理状況情報と一致する特定処理状況情報が記憶部に登録されており、当該特定処理状況情報に対応する機能情報で示される種別がモード切替対象部材を動作させる特定機能を示している場合、当該特定機能で使用されるモード切替対象部材を待機モードから通常動作モードへ移行させる移行動作、もしくは、当該移行動作の一部の動作を開始させる。これにより、特定機能の実行開始指示を受ける前に、モード切替対象部材を待機モードから通常動作モードへ移行させる移行動作もしくはその一部の動作であるウォームアップを開始することができる。その結果、ユーザの待機時間を短縮することができる。
【0012】
また、特定処理状況情報は、機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときの当該アプリケーションの処理の段階、および、当該段階よりも所定数だけ前の段階のうちの少なくとも一つの段階を示している。そのため、現処理状況情報と特定処理状況情報とが一致する場合、将来に機能の実行開始指示を受ける可能性が高い状況である。そのため、ウォームアップを行ったのに機能を実行しなかったという事態の頻度が低くなり、無駄な電力消費を小さくすることができる。
【0013】
さらに、本発明の複合機は、ウェブブラウザに従って動作し、設定されているURL(uniform resource locator)に従って上記アプリケーションと情報通信するウェブブラウザ部を備え、上記登録処理部は、過去の連携処理において、上記機能情報で示される種別の機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときに上記ウェブブラウザ部に設定されたいたURL、および、当該URLよりも所定数だけ前に設定されていたURLの少なくとも一つを上記特定処理状況情報として登録し、上記情報取得部は、上記現処理状況情報として、上記ウェブブラウザ部に現在設定されているURLを取得することが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、ウェブブラウザに設定されるURLを用いることにより、容易に特定処理状況情報を登録することができ、かつ、容易に現処理状況情報を取得することができる。
【0015】
また、本発明の複合機は、外部の情報処理装置で実行される複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションと連携した連携処理を行う複合機であって、通常動作モードと、上記通常動作モードよりも消費電力が低い待機モードとを有するモード切替対象部材と、上記複数のアプリケーションのうち、過去の連携処理において上記モード切替対象部材を動作させる特定機能を実行させたことのあるアプリケーションについて、当該特定機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときの当該アプリケーションの処理の段階、および、当該段階よりも所定数だけ前の段階のうちの少なくとも一つの段階を示す特定処理状況情報を記憶部に登録する登録処理部と、上記複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションとの連携処理を行っている際に、当該選択アプリケーションの処理の現段階を示す現処理状況情報を取得する情報取得部と、所定開始条件が満たされるか否かを判定し、当該所定開始条件が満たされると判定した場合に、上記モード切替対象部材を上記待機モードから上記通常動作モードへ移行させる移行動作、もしくは、当該移行動作の一部の動作を開始させる制御部とを備え、上記所定開始条件は、少なくとも以下の条件A’を含むことを特徴とする。
【0016】
条件A’:上記情報取得部により取得された現処理状況情報が上記記憶部に登録されている特定処理状況情報と一致する。
【0017】
上記の構成によれば、選択アプリケーションとの連携処理の行っている際に、現処理状況情報と特定処理状況情報とが一致する場合、モード切替対象部材を待機モードから通常動作モードへ移行させる移行動作、もしくは、当該移行動作の一部の動作であるウォームアップを開始させる。ここで、特定処理状況情報は、過去の連携処理においてモード切替対象部材を動作させる特定機能の実行開始指示をアプリケーションから受けたときの当該アプリケーションの処理の段階、および、当該段階よりも所定数だけ前の段階のうちの少なくとも一つの段階を示すものである。そのため、上記の条件A’を満たす場合にウォームアップを開始することにより、特定機能の実行開始指示を受ける前にウォームアップを開始させることができる。その結果、ユーザの待機時間を短縮することができる。
【0018】
また、現処理状況情報と特定処理状況情報とが一致する場合、将来に機能の実行開始指示を受ける可能性が高い状況である。そのため、ウォームアップを行ったのに機能を実行しなかったという事態の頻度が低くなり、無駄な電力消費を小さくすることができる。
【0019】
さらに、本発明の複合機は、ウェブブラウザに従って動作し、設定されているURL(uniform resource locator)に従って上記アプリケーションと情報通信するウェブブラウザ部を備え、上記登録処理部は、過去の連携処理において、上記特定機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときに上記ウェブブラウザ部に設定されたいたURL、および、当該URLよりも所定数だけ前に設定されていたURLの少なくとも一つを上記特定処理状況情報として登録し、上記情報取得部は、上記現処理状況情報として、上記ウェブブラウザ部に現在設定されているURLを取得することが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、ウェブブラウザに設定されるURLを用いることにより、容易に特定処理状況情報を登録することができ、かつ、容易に現処理状況情報を取得することができる。
【0021】
さらに、本発明の複合機は、ログインしているユーザが使用可能な機能を示す実行権限情報を記憶する実行権限情報記憶部を備え、上記所定開始条件は、さらに以下の条件Bを含んでいてもよい。
【0022】
条件B:上記実行権限情報記憶部が記憶する実行権限情報が、上記特定機能が使用可能な機能であることを示している。
【0023】
上記の構成によれば、実行権限情報で特定機能が使用可能であることを示す場合に、モード切替対象部材を待機モードから通常動作モードへ移行させる移行動作もしくはその一部の動作を開始する。そのため、特定機能を実行できないログインユーザの場合には、上記の移行動作もしくはその一部が開始されず、余計な消費電力が発生することがない。その結果、節電効果を高めることができる。
【0024】
さらに、本発明の複合機において、上記モード切替対象部材は、記録シートに画像を形成する画像形成部であり、ログインしているユーザが上記特定機能を用いて出力可能な記録シートの枚数を示す出力枚数制限情報を記憶する出力枚数制限情報記憶部を備え、上記所定開始条件は、さらに以下の条件Cを含んでいてもよい。
【0025】
条件C:上記出力枚数制限情報記憶部が記憶する出力枚数制限情報で示される枚数が1枚以上であることを示している。
【0026】
上記の構成によれば、ログインユーザに対応する出力枚数制限情報で示される枚数が0枚である場合には、上記の移行動作もしくはその一部が開始されず、余計な消費電力が発生することがない。その結果、節電効果を高めることができる。
【0027】
さらに、本発明の複合機において、上記モード切替対象部材は、上記待機モードよりも消費電力が高く、かつ、上記通常動作モードよりも消費電力が低い少なくとも一つの節電モードを有しており、上記記憶部は、上記特定処理状況情報と対応付けて、少なくとも一つの上記節電モードおよび通常動作モードから選択された一つのモードを示す復帰先モード情報を記憶しており、上記制御部は、上記移行動作もしくは当該移行動作の一部の動作として、上記情報取得部により取得された現処理状況情報と一致する特定処理状況情報に対応付けられた復帰先モード情報で示されるモードに上記モード切替対象部材を設定してもよい。
【0028】
アプリケーションによっては、特定処理状況情報で示される段階になってから特定機能を実行させるまでの時間が長いものもある。そのため、特定処理状況情報で示される段階になったときに、ウォームアップを開始すると、余計な消費電力を発生させることとなる。しかしながら、上記の構成によれば、アプリケーションに応じて、復帰先のモードを選択することができる。その結果、例えば、特定処理状況情報で示される段階になってから特定機能を実行させるまでの時間が長いアプリケーションについて、復帰先のモードを通常動作モードではなく節電モードに設定することができる。これにより、節電効果を高めることができる。
【0029】
さらに、本発明の複合機において、上記登録処理部は、上記記憶部が記憶する情報を更新することが可能であり、上記記憶部は、上記複数のアプリケーションの各々について、当該アプリケーションを特定するアプリ識別情報と上記特定処理状況情報とを対応付けて記憶しており、上記登録処理部は、上記アプリ識別情報を変更する場合、当該アプリ識別情報に対応する特定処理状況情報を消去することが好ましい。
【0030】
アプリ識別情報を変更する場合に特定処理状況情報をそのままにしておくと、古いアプリ識別情報に対応する特定処理状況情報に基づいて、上記移行動作またはその一部の開始の有無が判定されることとなる。上記の構成によれば、アプリ識別情報を変更する場合に特定処理状況情報を消去するため、このような問題を解決することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、外部の情報処理装置上で動作するアプリケーションと複合機の機能とが連携して動作するシステムにおいて、ユーザの待機時間を短縮できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る複合機制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施形態1の複合機に備えられたアプリケーション情報記憶部が記憶するアプリケーション情報管理テーブルの一例を示す図である。
【図3】図3は、実施形態1に係る複合機制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図4は、アプリ識別情報の一覧を示す画面例である。
【図5】図5は、外部アプリケーションと複合機との連携処理を行っている際に複合機に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図6】図6は、外部アプリケーションと複合機との連携処理を行っている際に複合機に表示される操作画面の別の例を示す図である。
【図7】図7は、外部アプリケーションと複合機との連携処理を行っている際に複合機に表示される操作画面のさらに別の例を示す図である。
【図8】図8は、外部アプリケーションと複合機との連携処理を行っている際に複合機に表示される操作画面のさらに別の例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態2に係る複合機制御システムの構成を示す図である。
【図10】図10は、ユーザ情報管理DBが記憶する実行権限情報の一例を示す図である。
【図11】図11は、実施形態2に係る複合機制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図12は、出力枚数制限情報の管理テーブルの一例を示す図である。
【図13】図13は、アプリケーション情報管理テーブルの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1から図8に基づいて説明すると以下のとおりである。以下では、本発明に係る複合機制御システムの一実施形態について説明する。
【0034】
<複合機制御システム100の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る複合機制御システム100の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、複合機制御システム100は、複合機1と、情報処理装置3とを含んでおり、複合機1と情報処理装置3が、通信ネットワーク50を介してそれぞれ接続されている。
【0035】
通信ネットワーク50としては、インターネット、電話線、シリアルケーブル、または、他の有線回線もしくは無線回線などの通信回線を利用することができる。複合機1と情報処理装置3とは、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol:ハイパーテキスト転送プロトコル)やSOAP(Simple Object Access Protocol)などを用いて通信を行う。
【0036】
当然ながら、複合機制御システム100に含まれる複合機1の台数は複数であってもよく、情報処理装置3の台数も複数であってもよい。なお、本実施形態において、単に「アプリケーション」と称する場合は、アプリケーションプログラム(アプリケーションソフトウェア)を指すものとする。
【0037】
<複合機1の構成>
複合機1は、各種機能(例えば、スキャン機能、印刷機能、通信機能など)を実行するデジタル複合機またはアナログ複合機である。複合機1は、機器制御部(登録処理部、制御部)10と、操作部11と、画像読取部12と、画像形成部13と、第1通信部14と、ウェブブラウザ部15と、アプリケーション情報記憶部(記憶部)16とを備える。
【0038】
操作部11は、ユーザに対して各種情報を通知するとともに、ユーザからの入力を受け付けるユーザインターフェイスである。操作部11は、各種の入力キーを含む入力部11aと、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)などの表示部11bとを備えている。なお、操作部11は、入力部11aと表示部11bとが一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
【0039】
画像読取部12は、スキャナと、原稿をスキャナの位置まで搬送する原稿搬送部とを含んでおり、原稿に印刷された文字や画像などを画像データとして読み取るものである。なお、画像読取部12は、所定の解像度で画像を読み取る。
【0040】
画像形成部13は、用紙などの記録シートに対して、入力された画像データに対応する画像(文字/写真/グラフィック)を印刷するためのものであり、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、および用紙トレイなどを含む。具体的には、画像形成部13では、帯電装置が感光体ドラムの表面に静電気を帯電させる。そして、露光装置が画像データに応じた光を感光体ドラムに照射し、画像データで示される画像と同じパターンに帯電させる。その後、現像装置により感光体ドラムの表面にトナーが引き付けられ、転写装置が当該トナー像が記録シートに転写する。最後に、定着装置がトナーに熱を加えて記録シートに融着させることで、記録シートに画像が形成される。これにより、画像読取部12から入力された画像データ、または外部装置から入力された画像データに基づいた印刷処理が実行される。
【0041】
ここで、定着の際にトナーに十分な熱を加えるために、定着装置のヒータに十分に通電し、定着装置におけるトナーとの接触面を所定範囲の温度(例えば、160〜180℃)にする必要がある。一方で、省エネルギーの観点から、定着装置のヒータへの電力消費量をなるべく低く抑える要望がある。そこで、画像形成部13は、定着装置におけるトナーとの接触面がトナーを記録シートへ定着させるために適正な温度範囲に設定された通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力が低い待機モードとを有する。すなわち、定着装置のヒータへの供給電力量は、通常動作モードよりも待機モードが低くなるように設定されている。そして、画像形成部13は、印刷処理を実行する前に、待機モードから通常動作モードに移行するための処理であるウォームアップを実行させる。また、画像形成部13は、印刷処理の実行終了後、所定時間の間に印刷処理の実行指示がない場合、通常動作モードから待機モードに移行する。なお、画像形成部13は、機器制御部10からの指示に従って、定着装置のウォームアップを開始する。このように、画像形成部13は、通常動作モードと待機モードとを有するモード切替対象部材である。そして、本実施形態では、画像形成部13を実行させる機能が、待機モードから通常動作モードに移行するためのウォームアップが必要な機能となる。画像形成部13を実行させる機能(つまり、ウォームアップの必要な機能)としては、画像読取部12により読み取られた画像データを印刷処理するコピー機能や、外部から取得した画像データを印刷処理するプリント機能がある。
【0042】
第1通信部14は、通信ネットワーク50を介して、情報処理装置3などの外部装置との間で通信するインターフェイスである。本実施形態では、第1通信部14は、情報処理装置3とHTTPやSOAPなどを用いて通信する。
【0043】
ウェブブラウザ部15は、ウェブブラウザのソフトウェアに従った動作を行うものであり、設定されたURL(uniform resource locator)に応じた情報を取得する。ウェブブラウザ部15は、複合機1と情報処理装置3とが連携して動作する際に、情報処理装置3が備える外部アプリケーション部31と情報通信する。
【0044】
アプリケーション情報記憶部16は、情報処理装置3が備える外部アプリケーション33を識別するアプリ識別情報であるアプリケーション名および登録アドレス(本実施形態ではURLで示される)と、当該外部アプリケーション33との連携により過去に実行された複合機の機能の種別を示す機能情報と、当該機能の実行開始指示を外部アプリケーション33から受けたときの当該外部アプリケーション33の処理の段階を示す特定処理状況情報とが対応付けられたアプリ対応情報を含むアプリケーション情報管理テーブルを記憶するものである。
【0045】
ここで、登録アドレスは、外部アプリケーション33にアクセスするためのアドレスである。また、特定処理状況情報は、本実施形態では、過去の連携処理において、機能情報で示される種別の機能の実行開始指示を外部アプリケーション33から受けたときにウェブブラウザ部15に設定されていたURLである。
【0046】
図2は、アプリケーション情報管理テーブルの一例を示す図である。図において、各アプリ対応情報にはIDが付されている。なお、各アプリ対応情報は、情報処理装置3が記憶する一つの外部アプリケーション33に対応している。
【0047】
機器制御部10は、複合機1が備える各部を制御する。具体的には、機器制御部10は、操作部11、画像読取部12、画像形成部13、第1通信部14、ウェブブラウザ部15などの各部の動作を制御する。例えば、機器制御部10は、画像読取部12の動作を制御して、スキャン画像のデータを取得する。また、機器制御部10は、画像形成部13の動作を制御して、入力された画像データで示される画像を用紙上に形成し出力する。
【0048】
また、機器制御部10は、アプリケーション情報記憶部16が記憶するアプリケーション情報管理テーブルの登録処理および更新処理を行う登録処理部としても機能する。この登録処理および更新処理の詳細についてが後述する。
【0049】
また、機器制御部10は、第1通信部14を用いて、入力された画像データを指定された外部装置(例えば、情報処理装置3)に保存したり、入力された画像データを電子メールに添付して、指定されたアドレスに送信する。
【0050】
このような構成の複合機1によれば、例えば、複合機1は、情報処理装置3から操作画面を示すHTML(Hypertext Markup Language)データを受け取り、当該HTMLデータで示される操作画面をウェブブラウザ部15により表示させる。そして、複合機1は、操作画面に対して入力された情報を情報処理装置3の外部アプリケーション部31に送る。その後、外部アプリケーション部31から受けた制御コマンドに従って、複合機1は各種機能を実行することができる。
【0051】
<情報処理装置3の構成>
次に、情報処理装置3の構成について説明する。情報処理装置3は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶部などにより構成されるコンピュータ装置であり、複数の複合機1に対するウェブサーバ装置として機能するものである。情報処理装置3は、第3通信部30と、外部アプリケーション部31と、外部アプリケーション記憶部32とを備える。
【0052】
第3通信部30は、通信ネットワーク50を介して、複合機1などの外部装置との間で通信するインターフェイスである。本実施形態では、上述したように、第3通信部30は、複合機1とHTTPやSOAPなどを用いて通信する。
【0053】
外部アプリケーション記憶部32は、複合機1を制御するための各種の外部アプリケーション33を記憶する。
【0054】
外部アプリケーション部31は、所定のウェブアプリケーションに従った動作を行うものである。すなわち、外部アプリケーション部31は、ウェブサーバ上で動作する各種のウェブアプリケーションに従った動作を行うものである。このウェブアプリケーションは、例えば、Java(登録商標)scriptで記載されたカスタムアプリケーションであり、ウェブサーバ上に設けられたJava(登録商標)script実行環境で動作するアプリケーションである。外部アプリケーション部31は、複合機1からの要求された外部アプリケーション33を外部アプリケーション記憶部32から読み出し、当該外部アプリケーション33に従った処理を実行する。
【0055】
<アプリケーション情報管理テーブルの登録・更新>
次に、アプリケーション情報記憶部16が記憶するアプリケーション情報管理テーブルの登録処理や更新処理について説明する。機器制御部10は、アプリケーション情報管理テーブルへの新たな外部アプリケーションの登録指示が操作部11に入力されると、アプリケーション名や登録アドレスなどのアプリ識別情報の入力を促す。そして、機器制御部10は、入力されたアプリ識別情報と機能情報と特定処理状況情報とを対応付けたアプリ対応情報をアプリケーション情報管理テーブルに追加登録する。この際、機器制御部10は、機能情報および特定処理状況情報として「なし」を登録する。
【0056】
また、機器制御部10は、アプリケーション情報管理テーブルに既に登録されているアプリ識別情報(アプリケーション名および登録アドレス)の編集指示が入力された場合、編集対象のアプリ対応情報の選択指示の入力を促す。そして、機器制御部10は、選択されたアプリ対応情報で示されるアプリ識別情報を表示して編集指示の入力を促す。その後、編集指示に従って、機器制御部10は、アプリ対応情報を更新する。この際、機器制御部10は、編集対象のアプリ対応情報の機器情報および特定処理状況情報を「なし」に変更する(消去する)。
【0057】
さらに、機器制御部10は、連携処理を実行中の外部アプリケーションに対応するアプリ対応情報を特定し、当該連携処理において情報処理装置3から実行開始指示を受けた機能の種別を示す情報を当該アプリ対応情報の中の機能情報に追加する。さらに、機器制御部10は、当該機能の実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURLを、当該アプリ対応情報の中の特定処理状況情報として追加する。
【0058】
具体的には、機器制御部10は、実行開始指示により指示された機能の種別を示す情報を生成するとともに、当該実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURLをウェブブラウザ部15から取得する。そして、機器制御部10は、生成した機能の種別を示す情報が機能情報の中に既に含まれているか確認する。含まれていない場合、機器制御部10は、生成した機能の種別を示す情報を機能情報とし、取得したURLを当該機能情報に対応する特定処理状況情報として登録する。一方、生成した機能の種別を示す情報が機能情報の中に含まれている場合、機器制御部10は、取得したURLと当該機能情報に対応する特定処理状況情報とが一致するか確認する。一致している場合には、機器制御部10は、機能情報および特定処理状況情報を更新しない。一致していない場合には、機器制御部10は、取得したURLを特定処理状況情報の中に追加するか、もしくは、取得したURLにより特定処理状況情報を更新する。
【0059】
<連携処理の概要>
次に、外部アプリケーション33と複合機1との連携処理の概要について説明する。まず、複合機1の機器制御部10は、ユーザにより選択された登録アドレスをアプリケーション情報記憶部16から読み出し、当該登録アドレスで示されるURLにアクセスするようにウェブブラウザ部15を起動する。これにより、ウェブブラウザ部15は、情報処理装置3の外部アプリケーション部31と通信を行うこととなる。例えば、ウェブブラウザ部15は、外部アプリケーション部31から操作画面データを受信し表示する。また、ウェブブラウザ部15は、操作画面に入力された情報を外部アプリケーション部31に送信する。そして、外部アプリケーション部31は、入力された情報に従って所定の処理を実行し、その結果として、複合機1の機能の実行開始指示を作成して複合機1に送信する。実行開始指示を受けた複合機1では、当該実行開始指示に応じた機能が実行されるように、機器制御部10が各部を制御することとなる。これにより、複合機1と情報処理装置3の外部アプリケーション33とが連携した処理を実行することが可能となる。
【0060】
連携処理を実行する際に複合機1から情報処理装置3に情報を送信する場合、複合機1は、当該情報とともに、当該複合機1に固有の機器情報を付加して送信する。ここで、機器情報とは、他の機器と識別可能にするための識別情報であり、複合機1について例示すると、機器情報とは、複合機1を他の機器(他の複合機等)と識別可能にするための識別情報であって、例えば、複合機1に固有の機器番号(シリアル番号)やMAC(Media Access Control)アドレスなどが挙げられる。これにより、情報処理装置3は、各種機能の制御を行う対象の複合機1を認識することができる。
【0061】
さらに、複合機1は、情報処理装置3に、外部アプリケーション33の機能(以下、外部アプリケーション機能と称する)を呼び出してその処理結果を得る。1つの外部アプリケーション機能は、情報処理装置3に格納された1つの外部アプリケーション33に対応しており、格納された外部アプリケーション33ごとに複合機1に実装させることができる。
【0062】
ここで、複合機1と外部アプリケーション部31との交信は、標準的なネットワーク技術に基づいて行うことができる。これにより、機器制御部10(機器制御部10内のファームウェア)と外部アプリケーション部31との連携部分の開発に多くの一般的なツールやスキルを利用することができるため、実装が容易になると共に、開発費を低減することができる。
【0063】
<処理の流れ>
次に、本実施形態の複合機制御システム100における処理の流れについて説明する。ここでは、本発明の特徴的処理であるウォームアップを中心に説明する。図3は、複合機制御システム100における処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
まず、機器制御部10は、アプリケーション情報記憶部16に格納されているアプリケーション情報管理テーブルの中のアプリケーション名の一覧を表示部11bに表示し、ユーザに対して選択入力を促す。図4は、アプリケーション名の一覧を示す画面例である。そして、機器制御部10は、選択されたアプリケーション名に対応する登録アドレスで示されるURLにアクセスするようにウェブブラウザ部15を起動する(S1)。ここで、S1にて選択されたアプリケーションを選択アプリケーションという。これにより、ウェブブラウザ部15と情報処理装置3とは、操作画面データや各種コマンドなどの通信を行う。例えば、図5に示されるような、外部アプリケーション33へのログイン処理を実行するための操作画面を示すデータを、外部アプリケーション部31から複合機1に送信する。なお、図5に示される操作画面に対応するURLを「http://example.com/docmng」とする。
【0065】
次に、機器制御部10は、選択されたアプリ識別情報に対応する機能情報をアプリケーション情報管理テーブルから特定し、当該機能情報が有りか否かを判断する(S2)。
【0066】
機能情報が存在する場合、すなわち、機能情報が「なし」ではない場合(S2でYes)、機器制御部10は、ウォームアップが必要か否かを判断する(S3)。具体的には、機器制御部10は、(a)機能情報で示される種別の機能がウォームアップの必要な機能か否かを判断するとともに、(b)機能情報に対応する特定処理状況情報で示されるURLと、外部アプリケーション33における処理の現段階を示す現処理状況情報とが一致するか否かを判定する。本実施形態では、現処理状況情報は、ウェブブラウザ部15に現在設定されているURLである。すなわち、機器制御部10は、以下の条件Aを満たすか否かを判定する。
条件A:ウェブブラウザ部15に現在設定されているURL(現処理状況情報)と一致する特定処理状況情報がアプリケーション情報記憶部16に登録されており、当該特定処理状況情報に対応する機能情報で示される種別が画像形成部13を動作させる特定機能(ここでは、プリント機能またはコピー機能)を示している。
【0067】
なお、機器制御部10は、現在設定されているURLをウェブブラウザ部15から現処理状況情報として取得する情報取得部として機能する。
【0068】
そして、機器制御部10は、条件Aを満たす場合、つまり、機能情報で示される種別の機能がウォームアップの必要な機能であり、かつ、特定処理状況情報で示されるURLと現在設定されているURLとが一致する場合に、画像形成部13のウォームアップが必要であると判断し、それ以外の場合にはウォームアップが不要であると判断する。
【0069】
ここで、ウォームアップの必要な機能とは、待機モードと通常動作モードとを有し、これらのモードが切替可能なモード切替対象部材を動作させる機能のことである。本実施形態では、複合機1は、モード切替対象部材として画像形成部13を備えており、画像形成部13を動作させる機能としては、プリント機能、コピー機能が存在する。機能制御部10は、機能の種別ごとに、当該機能がウォームアップの必要な機能であるか否かを示すウォームアップ要否情報を予め記憶しておき、当該ウォームアップ要否情報に基づいてS3の処理を行う。本実施形態では、機器制御部10は、プリント機能およびコピー機能がウォームアップの必要な機能であることを示すウォームアップ要否情報を記憶しておけばよい。
【0070】
ウォームアップが必要であると判断した場合(S3でYes)、機器制御部10は、画像形成部13のウォームアップを開始する(S4)。つまり、機器制御部10は、画像形成部13を待機モードから通常動作モードへの移行動作を開始させる。そして、S5の処理に移行する。
【0071】
一方、機器情報が「なし」である場合(S2でNo)、または、ウォームアップが不要であると判断した場合(S3でNo)も、S5の処理に移行する。
【0072】
続いて、S5において、機器制御部10は、情報処理装置3の外部アプリケーション33から機能の実行開始指示を受け付けたか否かを判断する(S5)。
【0073】
実行開始指示を受け付けていない場合、上記S2の処理に戻る。すなわち、実行開始指示を受け付けていない場合、ウェブブラウザ部15と外部アプリケーション部31との通信処理が進み、ウェブブラウザ部15に設定されるURLが変更されていることが考えられる。そのため、実行開始指示を受け付けるまでの間、URLの変更に応じて、現在設定されているURLに従ったS3の判断が繰り返し実行されることとなる。
【0074】
ウェブブラウザ部15と外部アプリケーション部31との通信処理により、表示部11bに表示される画面としては、例えば図5〜図8で示される画面がある。図5は、上述したように、外部アプリケーション33へのログイン処理を実行するための操作画面の一例を示す図であり、当該画面に対応するURLは「http://example.com/docmng」である。図6は、図5の画面42でログイン処理を行った後に表示される画面であり、スキャン機能かプリント機能のどちらかの選択入力をユーザに促す画面43の一例である。図6に示す画面43に対応するURLを「http://example.com/docmng/menu.asp」とする。
【0075】
また、図7は、図6でスキャン機能が選択された後に表示される画面であり、スキャン機能の条件を設定し、スキャン機能の実行指示の入力をユーザに促す画面44の一例である。図7に示す画面44に対応するURLを「http://example.com/docmng/scan.asp」とし、図7の画面でスタートボタン44aが押下されたとき、ウェブブラウザ部15にはURL「http://example.com/docmng/scan/start.asp」が設定され、当該URLに従った通信が行われるものとする。ここでは、URL「http://example.com/docmng/scan/start.asp」が設定されたウェブブラウザ部15は、スキャン機能のスタートボタンが押下されたことを示す情報を外部アプリケーション部33に通知する。そして、外部アプリケーション部33は、スキャン機能の実行開始指示を生成し、複合機1に送信する。
【0076】
さらに、図8は、図6でプリント機能が選択された後に表示される画面であり、プリント機能の条件を設定し、プリント機能の実行指示の入力をユーザに促す画面45の一例である。図8に示す画面に対応するURLを「http://example.com/docmng/print.asp」とし、図8の画面でスタートボタン45aが押下されたとき、ウェブブラウザ部15にはURL「http://example.com/docmng/print/start.asp」が設定され、当該URLに従った通信が行われるものとする。ここでは、URL「http://example.com/docmng/print/start.asp」が設定されたウェブブラウザ部15は、プリント機能のスタートボタンが押下されたことを示す情報を外部アプリケーション部33に通知する。そして、外部アプリケーション部33は、プリント機能の実行開始指示を生成し、複合機1に送信する。
【0077】
ここで、アプリケーション情報記憶部16が図2に示されるアプリケーション情報管理テーブルを記憶している場合を例にとり具体的に説明する。この場合、例えば図5や図6の画面が表示部11bに表示されている状態では、ウェブブラウザ部15に設定されているURLと特定処理状況情報とが一致しないため、ウォームアップが不要であると判断する。
【0078】
また、図7の画面でスタートボタン44aが押下され、ウェブブラウザ部15に設定されるURLが「http://example.com/docmng/scan/start.asp」に変更されたときには、ウェブブラウザ部15に設定されているURLと特定処理状況情報とが一致すると判断する。ただし、当該特定処理状況情報に対応する機能情報が「スキャン」を示している。本実施形態では、スキャン機能は、ウォームアップの必要な機能ではないため、機器制御部10は、ウォームアップが不要であると判断する。
【0079】
一方、図8の画面でスタートボタン45aが押下され、ウェブブラウザ部15に設定されるURLが「http://example.com/docmng/print/start.asp」に変更されたときには、ウェブブラウザ部15に設定されているURLと特定処理状況情報とが一致すると判断する。さらに、当該特定処理状況情報に対応する機能情報が「プリント」を示している。本実施形態では、プリント機能は、ウォームアップの必要な機能であるため、機器制御部10は、ウォームアップが必要であると判断する。
【0080】
上記のようにしてS2〜S5の処理が繰り返され、S5にて実行開始指示を外部アプリケーション33から受け付けたことを検知すると(S5でYes)、機器制御部10は、当該実行開始指示で指示された機能がウォームアップの必要な機能か否かを判断する(S6)。当該判定は、上述したウォームアップ要否情報に基づいて行うことができる。
【0081】
ウォームアップの必要な機能を実行するための実行開始指示でない場合(S6でNo)、機器制御部10は、当該実行開始指示に応じた機能の実行を開始する(S8)。
【0082】
一方、ウォームアップの必要な機能を実行するための実行開始指示である場合(S6でYes)、機器制御部10は、ウォームアップが終了するまで、つまり、モード切替対象部材である画像形成部13が通常動作モードになるまで待機する(S7)。そして、ウォームアップ終了後(S7でYes)、つまり、画像形成部13が通常動作モードの状態になった後、機器制御部10は、実行開始指示に応じた機能を実行させる(S8)。
【0083】
その後、機器制御部10は、S1で選択されたアプリ識別情報に対応する機能情報の更新処理を行う(S9)。具体的な更新処理は以下の通りである。機器制御部10は、S5で受け付けた実行開始指示に従って実行する機能の種別を示す情報を作成するとともに、当該実行開始指示を受け付けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURLをウェブブラウザ部15から取得する。そして、機器制御部10は、上記<アプリケーション情報管理テーブルの登録・更新>に記載した方法に従って、アプリケーション情報管理テーブルの更新処理を行う。これにより、アプリケーション情報管理テーブルの各アプリ対応情報は、過去に実行した機能の種別を示す機能情報と、当該機能の実行開始指示を受け付けたときにウェブブラウザ部15に設定されていたURLを示す特定処理状況情報とを含むことができる。
【0084】
例えば、図8の画面でスタートボタン45aが押下され、ウェブブラウザ部15に設定されるURLが「http://example.com/docmng/print/start.asp」に変更された後、プリント機能の実行開始指示を受けた場合を説明する。この場合、機器制御部10は、プリント機能を示す情報を作成するとともに、ウェブブラウザ部15に設定されているURL「http://example.com/docmng/print/start.asp」を取得する。そして、作成した情報を機能情報として登録するとともに、取得したURLを特定処理状況情報として登録する。これにより、図2のID=2のようなアプリ対応情報を登録することができる。
【0085】
そして、機器制御部10は、アプリケーションからの終了コマンドを受けると、S1で選択されたアプリ識別情報で示される外部アプリケーション33との連携処理が終了したものと判断し、操作部11の画面を初期画面に戻す(S10)。これにより、連携処理が終了する。
【0086】
このように、本実施形態1によれば、機器制御部10は、S1で選択されたアプリ識別情報に対応する機能情報および特定処理状況情報をアプリケーション情報記憶部16の中から特定する。そして、特定した機能情報で示される種別が、ウォームアップの必要な機能、つまり、モード切替対象部材である画像形成部13を動作させる特定機能を示しているか否かを判定する。さらに、ウェブブラウザ部15に現在設定されているURLと特定処理状況情報とが一致しているか否かを判定する。すなわち、上記条件Aを満たすか否かを判断する。
【0087】
そして、特定した機能情報で示される種別がウォームアップの必要な機能を示しており、かつ、ウェブブラウザ部15に現在設定されているURLと特定処理状況情報とが一致している場合(条件Aを満たす場合)に、画像形成部13のウォームアップを開始する。つまり、画像形成部13を待機モードから通常動作モードへ移行させる移行動作であるウォームアップを開始する。これにより、ウォームアップの必要な機能の実行開始指示を受ける前に、画像形成部13を待機モードから通常動作モードへ移行させる動作を開始することができる。その結果、ユーザの待機時間を短縮することができる。
【0088】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図9から図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0089】
図9は、本実施形態2に係る複合機制御システム100aの構成を示す図である。図9に示されるように、複合機制御システム100aは、複合機1aおよび情報処理装置3の他に認証サーバ2を備えている。
【0090】
認証サーバ2は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶部などにより構成されるコンピュータ装置であり、複合機21に対する認証装置として機能するものである。複合機1aと認証サーバ2とは、例えば、LDAP(Light Directory Access Protocol)などを用いて通信を行う。
【0091】
認証サーバ2は、第2通信部20と、ユーザ認証処理部21とを備えている。第2通信部20は、複合機1aなどの外部装置との間での通信を行うためのインターフェイスである。
【0092】
ユーザ認証処理部21は、ユーザの認証処理を実行するものであり、ユーザ認証部25、ユーザ情報管理データベース(DB)26、およびデータベース(DB)管理部23を備えている。
【0093】
ユーザ情報管理DB26は、ユーザごとに予め登録されたユーザ登録情報を記憶する。ユーザ情報管理DB26は、ユーザ登録情報として、ユーザが複合機1aを操作する際の認証処理に用いるユーザ認証情報(例えば、ログイン名やパスワード)の他に、当該ユーザが使用可能な機能の種別を示す実行権限情報も記憶している。図10は、ユーザ情報管理DB26が記憶する実行権限情報の一例を示す図である。図10に示されるように、ユーザ情報管理DB26は、ユーザごとに、複合機1aが有する各種機能の各々について当該ユーザが使用可能な否かを示す実行権限情報を記憶している。
【0094】
ユーザ認証部25は、複合機1aから送信されたログイン情報を取得し、当該ログイン情報とユーザ情報管理DB26に予め登録されたユーザ登録情報とを照合することによって認証処理を行う。そして、ユーザ認証部25は、認証成功した場合、当該ユーザに対応する実行権限情報をユーザ情報管理DB26から取得し、認証成功を示す認証結果とともに複合機1aに送信する。一方、ユーザ認証部25は、認証失敗した場合、その旨を示す認証結果を複合機1aに送信する。
【0095】
また、本実施形態に係る複合機1aは、実施形態1の複合機1と比較して、ログインユーザ情報記憶部17を備える点で異なる。
【0096】
本実施形態の複合機1aでは、機器制御部10は、ユーザに対してログイン情報の入力を促し、入力されたログイン情報を認証サーバ2に送る。そして、機器制御部10は、認証サーバ2から受けた認証結果が認証失敗を示す場合には、ユーザから各種機能の実行指示を受け付けない。一方、機器制御部10は、認証サーバ2から受けた認証結果が認証成功を示す場合、図4に示すような操作画面を表示し、ユーザに対して外部アプリケーション33の選択指示の入力を促すとともに、認証結果と共に受信した実行権限情報をログインユーザ情報記憶部17に格納する。また、機器制御部10は、外部アプリケーション33から終了通知を受けると、ログインユーザ情報記憶部17に格納されている実行権限情報を消去する。これにより、ログインユーザ情報記憶部17は、現在ログイン中のユーザに対応する実行権限情報を記憶することとなる。
【0097】
そして、本実施形態では、機器制御部10は、ログインユーザ情報記憶部17に格納されている実行権限情報において、ウォームアップの必要な機能の使用が可能であることが示されている場合に限り、ウォームアップを開始するものとする。
【0098】
以下、本実施形態の複合機制御システム100aにおけるウォームアップに関する処理の流れについて説明する。図11は、複合機制御システム100aにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【0099】
図11に示されるように、複合機制御システム100aは、図3に示す処理と比較して、S31の処理を実行する点で異なる。そこで、S31の処理を中心に説明する。
【0100】
図11に示されるように、機器制御部10は、S3においてウォームアップが必要であると判断した場合(S3でYes)にS31の処理を行う。S31では、機器制御部10は、ログインユーザ情報記憶部17に格納されている実行権限情報を確認し、当該ウォームアップの必要な機能が使用可能な機能か否かを判断する。そして、使用可能な機能である場合にのみ(S31でYes)、ウォームアップを開始し(S4)、使用不可の機能である場合(S31でNo)、当該機能が実行されないため、ウォームアップを開始しない。
【0101】
例えば、ログインユーザ情報記憶部17が図10に示すユーザID「1」の実行権限情報を記憶している場合、画像形成部13のウォームアップが必要な機能であるコピー機能およびプリント機能の使用が可能であるため、機器制御部10は、ウォームアップを開始する。一方、ログインユーザ情報記憶部17が図10に示すユーザID「2」の実行権限情報を記憶している場合、画像形成部13のウォームアップが必要な機能であるコピー機能およびプリント機能の両方の使用が不可であるため、機器制御部10は、ウォームアップを開始しない。なお、画像形成部13のウォームアップが必要な機能であるコピー機能およびプリント機能の何れか一方の使用が可能である場合には、ウォームアップを開始するものとする。
【0102】
このように、本実施形態によれば、機器制御部10は、上記の条件Aに加えて以下の条件Bを満たす場合にのみ(つまり、S3およびS31の両方でYesの場合にのみ)、画像形成部13のウォームアップを開始する。
条件B:ログインユーザ情報記憶部17が記憶する実行権限情報は、ウォームアップの必要な機能が使用可能な機能であることを示している。
これにより、ユーザが使用できない機能のためのウォームアップを不必要に開始することを防止できる。
【0103】
なお、上記の説明では、認証サーバ2のユーザ情報管理DB26がユーザ認証情報の他に図10に示す実行権限情報を記憶し、ログインしているユーザに対応する実行権限情報を複合機1aに送るものとした。しかしながら、これに限らず、ユーザ情報管理DB26は、実行権限情報に代えて、ユーザごとの出力枚数制限情報を記憶していてもよい。図12は、出力枚数制限情報の管理テーブルの一例を示す図である。図12に示されるように、出力枚数制限情報とは、ユーザごとに設定された、機能の種別ごとの出力制限枚数の残数を示す情報である。この場合、認証サーバ2は、各複合機1aから、出力した枚数の情報を取得し、出力枚数制限情報を更新するものとする。
【0104】
そして、認証サーバ2は、ユーザ認証に成功した場合、認証結果とともにログインしたユーザに対応する出力枚数制限情報を複合機1aに送る。そして、複合機1aの機器制御部10は、認証サーバ2から受けた出力枚数制限情報をログインユーザ情報記憶部17に格納する。また、機器制御部10は、外部アプリケーション33から終了通知を受けると、ログインユーザ情報記憶部17に格納されている出力枚数制限情報を消去する。これにより、ログインユーザ情報記憶部17は、現在ログイン中のユーザに対応する出力枚数制限情報を記憶することとなる。
【0105】
この場合、機器制御部10は、S31において、ログインユーザ情報記憶部17に格納されている出力枚数制限情報を確認し、ウォームアップの必要な機能に対応する出力制限枚数の残数が1以上か否かを判断する。そして、残数が1以上である場合、使用可能な機能であると判断し(S31でYes)、ウォームアップを開始する(S4)。一方、残数が0である場合、使用不可の機能であると判断し(S31でNo)、ウォームアップを開始しない。
【0106】
例えば、ログインユーザ情報記憶部17が図12に示すユーザID「1」の出力枚数制限情報を記憶している場合、画像形成部13のウォームアップが必要な機能であるコピー機能の出力可能枚数の残数が154であるため、機器制御部10は、ウォームアップを開始する。一方、ログインユーザ情報記憶部17が図12に示すユーザID「2」の出力枚数制限情報を記憶している場合、画像形成部13のウォームアップが必要な機能であるコピー機能およびプリント機能の両方の出力可能枚数の残数が0であるため、機器制御部10は、ウォームアップを開始しない。
【0107】
このように、機器制御部10は、上記の条件Aに加えて以下の条件Cを満たす場合にのみ、画像形成部13のウォームアップを開始する。
条件C:ログインユーザ情報記憶部17が記憶する出力枚数制限情報は、ウォームアップの必要な機能の出力枚数の残数が1枚以上であることを示している。
これにより、ユーザが使用できない機能のためのウォームアップを不必要に開始することを防止できる。
【0108】
また、認証サーバ2のユーザ情報管理DB26は、図10に示すような実行権限情報と、図12に示すような出力枚数制限情報との両方を記憶していてもよい。この場合、認証サーバ2は、認証成功を示す認証結果とともに、ログインユーザに対応する実行権限情報と出力枚数制限情報との両方を複合機1aに送る。そして、複合機1aのログインユーザ情報記憶部17は、認証サーバ1から受けた実行権限情報および出力枚数制限情報を記憶する。
【0109】
そして、機器制御部10は、S31において、実行権限情報および出力枚数制限情報の両方を確認し、S3でウォームアップが必要な機能であると判断された機能の使用が可能か否かを判断すればよい。すなわち、実行権限情報および出力枚数制限情報の何れにおいても使用可能と判断された場合にのみ、ウォームアップを開始し、実行権限情報および出力枚数制限情報の少なくとも一方においても使用不可と判断された場合、ウォームアップを開始しない。
【0110】
〔変形例〕
本発明のシステムは、上記の実施形態1、2に限定されることがなく、様々な変更が可能である。以下、変形例について説明する。
【0111】
<変形例1>
上記の実施形態では、ウォームアップとして、モード切替対象部材(ここでは、画像形成部13)を待機モードから通常動作モードへ移行させる移行動作を行うと説明した。しかしながら、S4において、当該移行動作の一部の動作を実行させてもよい。
【0112】
例えば、画像形成部13は、上記の待機モードおよび通常動作モードの他に、定着装置におけるトナーとの接触面における温度が待機モードよりも高く通常動作モードよりも低い、少なくとも一つの節電モードを有していてもよい。この節電モードは、待機モードよりも消費電力が高く、通常動作モードよりも消費電力が低いモードであるともいえる。そして、S4において、待機モードからいずれかの節電モードへと移行する動作を実行させてもよい。
【0113】
この場合、アプリケーション情報記憶部16は、外部アプリケーション33ごとに、復帰先のモードを示す復帰先モード情報を記憶している。この復帰先モード情報は、外部アプリケーション33の作成者からの推奨情報を基にユーザが登録してもよいし、予めアプリケーション情報記憶部に登録されていてもよい。
【0114】
そして、機器管理部10は、S4において、アプリケーション情報記憶部16の中から、S1で選択されたアプリ識別情報に対応する復帰先モード情報を読み出し、当該復帰先モード情報で示されるモードへ移行するようにウォームアップを開始すればよい。
【0115】
<変形例2>
上記の説明(変形例1を含む)では、アプリケーション情報記憶部16は、外部アプリケーション33との連携により過去に実行された複合機の機能の全てについて、当該機能がウォームアップの必要な機能がどうかにかかわらず、当該機能の種別を示す機能情報および特定処理状況情報を記憶するものとした。しかしながら、アプリケーション情報記憶部16は、機能情報を記憶せず、過去の連携処理においてウォームアップの必要な機能を実行させたことのあるアプリケーションについて、当該機能の実行開始指示を外部アプリケーションから受けたときにウェブブラウザ部15に設定されていたURLを示す特定処理状況情報をアプリ識別情報と対応付けて記憶していてもよい。
【0116】
図13は、本変形例におけるアプリケーション情報記憶部16が記憶するアプリケーション情報管理テーブルの一例を示す図である。図13に示されるように、アプリケーション情報記憶部16は、機能情報を記憶しておらず、特定処理状況情報として、過去の連携処理において、ウォームアップの必要な機能の実行開始指示を当該アプリケーションから受けたときにウェブブラウザ部15に設定されていたURLが登録されている。
【0117】
本変形例では、機器制御部10は、アプリケーション情報管理テーブルへの新たな外部アプリケーションの登録指示が操作部11に入力されると、アプリ識別情報(アプリケーション名および登録アドレス)と「なし」を示す特定処理状況情報とを対応付けたアプリ対応情報をアプリケーション情報管理テーブルに追加登録する。また、機器制御部10は、アプリケーション情報管理テーブルに既に登録されているアプリ識別情報の編集指示が入力された場合、編集対象のアプリ対応情報の特定処理状況情報を「なし」に変更する。
【0118】
さらに、機器制御部10は、S9の機能情報の更新処理として以下のような処理を行う。つまり、機器制御部10は、S5で受け付けた実行開始指示で指示された機能がウォームアップの必要な機能か否かを判断する。ウォームアップの必要な機能を実行するための実行開始指示でない場合、機器制御部10は、アプリ対応情報を更新を行わずに、そのままとする。一方、ウォームアップの必要な機能を実行するための実行開始指示である場合、機器制御部10は、実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURLを特定処理状況情報として追加する。これにより、アプリケーション情報管理テーブルの各アプリ対応情報は、過去の連携処理においてウォームアップの必要な機能の実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されていたURLを特定処理状況情報として含むことができる。
【0119】
そして、この場合、機器制御部10は、図3に示すS2およびS3の代わりに、選択されたアプリ識別情報に対応する特定処理状況情報と、現在ウェブブラウザ部15に設定されているURL(現処理状況情報)とが一致するか否かを判断すればよい。そして、一致している場合に、ウォームアップが必要であると判断し、S4の処理に移行すればよい。すなわち、機器制御部10は、上記の条件Aの代わりに、下記の条件A’を満たす場合にウォームアップを開始する。
【0120】
条件A’:ウェブブラウザ部15から取得した、現在設定されているURL(現処理状況情報)がアプリケーション情報記憶部16に登録されている特定処理状況情報と一致する。
【0121】
<その他>
実施形態2では、複合機1aおよび情報処理装置2の外部に認証サーバ3を設ける形態として説明した。しかしながら、認証サーバ3は、複合機1aもしくは情報処理装置3の内部に組み込まれていてもよい。
【0122】
また、上記の各実施形態では、モード切替対象部材として画像形成部13を例にとり説明した。しかしながら、モード切替対象部材は、画像形成部13に限定されるものではない。例えば、画像読取部12が、通常動作モードと待機モードとを有するモード切替対象部材であってもよい。画像読取部12は、原稿の画像を読み取るための露光ユニットを備えている。露光ユニットから照射される光は通電量に依存し、安定した光量の光を照射することが望まれる。一方で、省エネルギーの要望もあるが、露光ユニットの光源によっては、通電を開始してから光量が安定するまで時間がかかる場合もある。そこで、画像読取部12を、安定した光量の光を照射可能な通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力の低い待機モードとに切替可能とし、画像読取部12が動作していないときには、画像読取部12を待機モードに設定してもよい。そして、画像読取部12を動作させる前に、待機モードから通常動作モードに移行させるウォームアップを行わせる。
【0123】
なお、モード切替対象部材として画像読取部12および画像形成部13の2つが存在する場合、機器制御部10は、S3において、画像読取部12を動作させる機能(例えば、スキャン機能やコピー機能)、または、画像形成部13を動作させる機能(例えば、プリント機能やコピー機能)の種別を示す情報が機能情報に含まれているか否かを判断すればよい。そして、画像読取部12を動作させる機能(例えば、スキャン機能)の種別を示す情報が機能情報に含まれている場合、S4において、画像読取部12を待機モードから通常動作モードに移行させるウォームアップを開始する。また、画像形成部13を動作させる機能(例えば、プリント機能)の種別を示す情報が機能情報に含まれている場合、S4において、画像形成部13を待機モードから通常動作モードに移行させるウォームアップを開始する。また、画像読取部12および画像形成部13の両方を動作させる機能(例えば、コピー機能)の種別を示す情報が機能情報に含まれている場合、S4において、画像読取部12および画像形成部13の両方を待機モードから通常動作モードに移行させるウォームアップを開始する。
【0124】
上記の説明では、特定処理状況情報として、実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURLを登録するものとした。しかしながら、特定処理状況情報はこれに限定されない。
【0125】
例えば、特定処理状況情報として、実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURL、および、それより所定数(例えば1つや2つ)だけ前に設定されていたURLのうちの少なくとも一つのURLを特定処理状況情報として登録させてもよい。外部アプリケーション33によっては、ウォームアップの必要な機能を実行するまでに間に多数の画面を表示部11bに表示させる場合がある。そして、実行開始指示を受けたときよりも少し前に設定されていたURLは、ウォームアップの必要な機能が将来実行される可能性の高いURLであるといえる。そのため、実行開始指示を受けたときよりも前に設定されていたURLを特定処理状況情報として含めることで、より早いタイミングでウォームアップを開始することができる。
【0126】
図5〜8を例にとり具体的に説明する。上述したように、図5〜8では、図5の画面においてログイン情報が入力されると、図6の画面に遷移する。そして、図6でプリントボタンが押下されると図8の画面に遷移し、図8でスタートボタン45aが押下されると、ウェブブラウザ部15にURL「http://example.com/docmng/print/start.asp」が設定される。その後、外部アプリケーション部33は、プリント機能の実行開始指示を生成し、複合機1に送信する。この例では、プリント機能の実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURLは、「http://example.com/docmng/print/start.asp」である。そして、その一つ前のURLは、図8の画面に対応するURLであり、「http://example.com/docmng/print.asp」である。さらに、その一つ前のURLは、図6の画面に対応するURLであり、「http://example.com/docmng/menu.asp」である。この場合、例えば、機器制御部10は、実行開始指示を受けたときよりも一つ前に設定されていたURL「http://example.com/docmng/print.asp」、および、実行開始指示を受けたときに設定されていたURL「http://example.com/docmng/print/start.asp」の少なくとも一つを特定処理状況情報として登録すればよい。
【0127】
なお、汎用されているウェブブラウザは、所定数前に設定されていたURLを記憶する機能を有している。そのため、機器制御部10は、実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURL、および、それより所定回数(例えば1回や2回)だけ前に設定されていたURLをウェブブラウザ部15から容易に取得することができる。
【0128】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0129】
最後に、複合機1・1aの各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0130】
すなわち、複合機1・1aは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである機器制御部10の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、複合機1・1aに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0131】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0132】
また、複合機1・1aを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、複写、スキャン、FAXなどの複数の機能を実現する複合機に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0134】
1・1a 複合機
2 認証サーバ
3 情報処理装置
10 機器制御部(制御部、登録処理部、情報取得部)
11 操作部
12 画像読取部(モード切替対象部材)
13 画像形成部(モード切替対象部材)
16 アプリケーション情報記憶部(記憶部)
17 ログインユーザ情報記憶部(実行権限情報記憶部、出力枚数制限情報記憶部)
31 外部アプリケーション部
32 外部アプリケーション記憶部
33 外部アプリケーション
100 複合機制御システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置のアプリケーションと連携して動作する複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真技術を用いたプリンタや複合機では、スキャン処理や印刷処理を実行するためには、スキャナモータが安定して駆動し、定着装置の温度を所定範囲内にする必要がある。そのため、例えば印刷処理を実行する前に、定着装置の温度を所定範囲内にするためのウォームアップが行われる。
【0003】
このようなウォームアップは、ユーザに対して待機させることになる。そのため、なるべくユーザの待機時間を短くする技術が知られている。例えば、コピー機のような場合、ユーザがオペレーションパネルを操作したり、スキャナユニットを開いたり、オートフィーダーに用紙を装着するなど、実際に機器操作を始めたことをトリガとしてウォームアップを開示させる。また、特許文献1には、外部装置から画像記録装置に印刷データを送信する前に、画像記録装置をウォームアップさせるための特定コマンドを外部装置が画像記録装置に送信し、ウォームアップを早期に開始させることが記載されている。
【0004】
また、近年、複合機がPC(パーソナルコンピュータ)などと通信ネットワークを介して接続され、多種多様な処理を行うようになっている。すなわち、外部の情報処理装置上で動作するアプリケーションと複合機の機能とを連携させ、複合機がトータルアプリケーションシステムの一部となって動作することができる技術が開発されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−313452号公報
【特許文献2】特開2007−174400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献2の技術では、複合機は、情報処理装置上で動作するアプリケーションからの指示により、コピーやプリントなどの処理を実行する。そのため、複合機は、アプリケーションからの指示を受信するまで、どの処理を実行するか認識することができず、アプリケーションからの指示を受信してからウォームアップを開始することとなる。そのため、ウォームアップのためにユーザが待機する時間が長くなるという問題がある。
【0007】
上記特許文献1の技術を特許文献2の技術に適用して、アプリケーションから複合機に対してウォームアップの実行させる特定コマンドを前もって送信することが考えられる。しかしながら、この場合、アプリケーションは、特定コマンドを複合機に送信させる必要があり、当該アプリケーションの開発にコストがかかる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、外部の情報処理装置上で動作するアプリケーションと複合機の機能とが連携して動作するシステムにおいて、ユーザの待機時間を短縮できる複合機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の複合機は、外部の情報処理装置で実行される複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションと連携した連携処理を行う複合機であって、通常動作モードと、上記通常動作モードよりも消費電力が低い待機モードとを有するモード切替対象部材と、上記複数のアプリケーションの各々について、当該アプリケーションとの連携処理において過去に上記複合機で実行された機能の種別を示す機能情報と、当該機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときの当該アプリケーションの処理の段階、および、当該段階よりも所定数だけ前の段階のうちの少なくとも一つの段階を示す特定処理状況情報と、が対応付けられたアプリ対応情報を記憶部に登録する登録処理部と、上記複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションとの連携処理を行っている際に、当該選択アプリケーションの処理の現段階を示す現処理状況情報を取得する情報取得部と、所定開始条件が満たされるか否かを判定し、当該所定開始条件が満たされると判定した場合に、上記モード切替対象部材を上記待機モードから上記通常動作モードへ移行させる移行動作、もしくは、当該移行動作の一部の動作を開始させる制御部とを備え、上記所定開始条件は、少なくとも以下の条件Aを含むことを特徴とする。
【0010】
条件A:上記情報取得部により取得された現処理状況情報と一致する特定処理状況情報が上記記憶部に登録されており、当該特定処理状況情報に対応する機能情報で示される種別が上記モード切替対象部材を動作させる特定機能を示している。
【0011】
上記の構成によれば、選択アプリケーションとの連携処理の行っている際に、現処理状況情報と一致する特定処理状況情報が記憶部に登録されており、当該特定処理状況情報に対応する機能情報で示される種別がモード切替対象部材を動作させる特定機能を示している場合、当該特定機能で使用されるモード切替対象部材を待機モードから通常動作モードへ移行させる移行動作、もしくは、当該移行動作の一部の動作を開始させる。これにより、特定機能の実行開始指示を受ける前に、モード切替対象部材を待機モードから通常動作モードへ移行させる移行動作もしくはその一部の動作であるウォームアップを開始することができる。その結果、ユーザの待機時間を短縮することができる。
【0012】
また、特定処理状況情報は、機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときの当該アプリケーションの処理の段階、および、当該段階よりも所定数だけ前の段階のうちの少なくとも一つの段階を示している。そのため、現処理状況情報と特定処理状況情報とが一致する場合、将来に機能の実行開始指示を受ける可能性が高い状況である。そのため、ウォームアップを行ったのに機能を実行しなかったという事態の頻度が低くなり、無駄な電力消費を小さくすることができる。
【0013】
さらに、本発明の複合機は、ウェブブラウザに従って動作し、設定されているURL(uniform resource locator)に従って上記アプリケーションと情報通信するウェブブラウザ部を備え、上記登録処理部は、過去の連携処理において、上記機能情報で示される種別の機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときに上記ウェブブラウザ部に設定されたいたURL、および、当該URLよりも所定数だけ前に設定されていたURLの少なくとも一つを上記特定処理状況情報として登録し、上記情報取得部は、上記現処理状況情報として、上記ウェブブラウザ部に現在設定されているURLを取得することが好ましい。
【0014】
上記の構成によれば、ウェブブラウザに設定されるURLを用いることにより、容易に特定処理状況情報を登録することができ、かつ、容易に現処理状況情報を取得することができる。
【0015】
また、本発明の複合機は、外部の情報処理装置で実行される複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションと連携した連携処理を行う複合機であって、通常動作モードと、上記通常動作モードよりも消費電力が低い待機モードとを有するモード切替対象部材と、上記複数のアプリケーションのうち、過去の連携処理において上記モード切替対象部材を動作させる特定機能を実行させたことのあるアプリケーションについて、当該特定機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときの当該アプリケーションの処理の段階、および、当該段階よりも所定数だけ前の段階のうちの少なくとも一つの段階を示す特定処理状況情報を記憶部に登録する登録処理部と、上記複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションとの連携処理を行っている際に、当該選択アプリケーションの処理の現段階を示す現処理状況情報を取得する情報取得部と、所定開始条件が満たされるか否かを判定し、当該所定開始条件が満たされると判定した場合に、上記モード切替対象部材を上記待機モードから上記通常動作モードへ移行させる移行動作、もしくは、当該移行動作の一部の動作を開始させる制御部とを備え、上記所定開始条件は、少なくとも以下の条件A’を含むことを特徴とする。
【0016】
条件A’:上記情報取得部により取得された現処理状況情報が上記記憶部に登録されている特定処理状況情報と一致する。
【0017】
上記の構成によれば、選択アプリケーションとの連携処理の行っている際に、現処理状況情報と特定処理状況情報とが一致する場合、モード切替対象部材を待機モードから通常動作モードへ移行させる移行動作、もしくは、当該移行動作の一部の動作であるウォームアップを開始させる。ここで、特定処理状況情報は、過去の連携処理においてモード切替対象部材を動作させる特定機能の実行開始指示をアプリケーションから受けたときの当該アプリケーションの処理の段階、および、当該段階よりも所定数だけ前の段階のうちの少なくとも一つの段階を示すものである。そのため、上記の条件A’を満たす場合にウォームアップを開始することにより、特定機能の実行開始指示を受ける前にウォームアップを開始させることができる。その結果、ユーザの待機時間を短縮することができる。
【0018】
また、現処理状況情報と特定処理状況情報とが一致する場合、将来に機能の実行開始指示を受ける可能性が高い状況である。そのため、ウォームアップを行ったのに機能を実行しなかったという事態の頻度が低くなり、無駄な電力消費を小さくすることができる。
【0019】
さらに、本発明の複合機は、ウェブブラウザに従って動作し、設定されているURL(uniform resource locator)に従って上記アプリケーションと情報通信するウェブブラウザ部を備え、上記登録処理部は、過去の連携処理において、上記特定機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときに上記ウェブブラウザ部に設定されたいたURL、および、当該URLよりも所定数だけ前に設定されていたURLの少なくとも一つを上記特定処理状況情報として登録し、上記情報取得部は、上記現処理状況情報として、上記ウェブブラウザ部に現在設定されているURLを取得することが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、ウェブブラウザに設定されるURLを用いることにより、容易に特定処理状況情報を登録することができ、かつ、容易に現処理状況情報を取得することができる。
【0021】
さらに、本発明の複合機は、ログインしているユーザが使用可能な機能を示す実行権限情報を記憶する実行権限情報記憶部を備え、上記所定開始条件は、さらに以下の条件Bを含んでいてもよい。
【0022】
条件B:上記実行権限情報記憶部が記憶する実行権限情報が、上記特定機能が使用可能な機能であることを示している。
【0023】
上記の構成によれば、実行権限情報で特定機能が使用可能であることを示す場合に、モード切替対象部材を待機モードから通常動作モードへ移行させる移行動作もしくはその一部の動作を開始する。そのため、特定機能を実行できないログインユーザの場合には、上記の移行動作もしくはその一部が開始されず、余計な消費電力が発生することがない。その結果、節電効果を高めることができる。
【0024】
さらに、本発明の複合機において、上記モード切替対象部材は、記録シートに画像を形成する画像形成部であり、ログインしているユーザが上記特定機能を用いて出力可能な記録シートの枚数を示す出力枚数制限情報を記憶する出力枚数制限情報記憶部を備え、上記所定開始条件は、さらに以下の条件Cを含んでいてもよい。
【0025】
条件C:上記出力枚数制限情報記憶部が記憶する出力枚数制限情報で示される枚数が1枚以上であることを示している。
【0026】
上記の構成によれば、ログインユーザに対応する出力枚数制限情報で示される枚数が0枚である場合には、上記の移行動作もしくはその一部が開始されず、余計な消費電力が発生することがない。その結果、節電効果を高めることができる。
【0027】
さらに、本発明の複合機において、上記モード切替対象部材は、上記待機モードよりも消費電力が高く、かつ、上記通常動作モードよりも消費電力が低い少なくとも一つの節電モードを有しており、上記記憶部は、上記特定処理状況情報と対応付けて、少なくとも一つの上記節電モードおよび通常動作モードから選択された一つのモードを示す復帰先モード情報を記憶しており、上記制御部は、上記移行動作もしくは当該移行動作の一部の動作として、上記情報取得部により取得された現処理状況情報と一致する特定処理状況情報に対応付けられた復帰先モード情報で示されるモードに上記モード切替対象部材を設定してもよい。
【0028】
アプリケーションによっては、特定処理状況情報で示される段階になってから特定機能を実行させるまでの時間が長いものもある。そのため、特定処理状況情報で示される段階になったときに、ウォームアップを開始すると、余計な消費電力を発生させることとなる。しかしながら、上記の構成によれば、アプリケーションに応じて、復帰先のモードを選択することができる。その結果、例えば、特定処理状況情報で示される段階になってから特定機能を実行させるまでの時間が長いアプリケーションについて、復帰先のモードを通常動作モードではなく節電モードに設定することができる。これにより、節電効果を高めることができる。
【0029】
さらに、本発明の複合機において、上記登録処理部は、上記記憶部が記憶する情報を更新することが可能であり、上記記憶部は、上記複数のアプリケーションの各々について、当該アプリケーションを特定するアプリ識別情報と上記特定処理状況情報とを対応付けて記憶しており、上記登録処理部は、上記アプリ識別情報を変更する場合、当該アプリ識別情報に対応する特定処理状況情報を消去することが好ましい。
【0030】
アプリ識別情報を変更する場合に特定処理状況情報をそのままにしておくと、古いアプリ識別情報に対応する特定処理状況情報に基づいて、上記移行動作またはその一部の開始の有無が判定されることとなる。上記の構成によれば、アプリ識別情報を変更する場合に特定処理状況情報を消去するため、このような問題を解決することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、外部の情報処理装置上で動作するアプリケーションと複合機の機能とが連携して動作するシステムにおいて、ユーザの待機時間を短縮できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る複合機制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施形態1の複合機に備えられたアプリケーション情報記憶部が記憶するアプリケーション情報管理テーブルの一例を示す図である。
【図3】図3は、実施形態1に係る複合機制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図4は、アプリ識別情報の一覧を示す画面例である。
【図5】図5は、外部アプリケーションと複合機との連携処理を行っている際に複合機に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図6】図6は、外部アプリケーションと複合機との連携処理を行っている際に複合機に表示される操作画面の別の例を示す図である。
【図7】図7は、外部アプリケーションと複合機との連携処理を行っている際に複合機に表示される操作画面のさらに別の例を示す図である。
【図8】図8は、外部アプリケーションと複合機との連携処理を行っている際に複合機に表示される操作画面のさらに別の例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態2に係る複合機制御システムの構成を示す図である。
【図10】図10は、ユーザ情報管理DBが記憶する実行権限情報の一例を示す図である。
【図11】図11は、実施形態2に係る複合機制御システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図12は、出力枚数制限情報の管理テーブルの一例を示す図である。
【図13】図13は、アプリケーション情報管理テーブルの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1から図8に基づいて説明すると以下のとおりである。以下では、本発明に係る複合機制御システムの一実施形態について説明する。
【0034】
<複合機制御システム100の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る複合機制御システム100の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、複合機制御システム100は、複合機1と、情報処理装置3とを含んでおり、複合機1と情報処理装置3が、通信ネットワーク50を介してそれぞれ接続されている。
【0035】
通信ネットワーク50としては、インターネット、電話線、シリアルケーブル、または、他の有線回線もしくは無線回線などの通信回線を利用することができる。複合機1と情報処理装置3とは、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol:ハイパーテキスト転送プロトコル)やSOAP(Simple Object Access Protocol)などを用いて通信を行う。
【0036】
当然ながら、複合機制御システム100に含まれる複合機1の台数は複数であってもよく、情報処理装置3の台数も複数であってもよい。なお、本実施形態において、単に「アプリケーション」と称する場合は、アプリケーションプログラム(アプリケーションソフトウェア)を指すものとする。
【0037】
<複合機1の構成>
複合機1は、各種機能(例えば、スキャン機能、印刷機能、通信機能など)を実行するデジタル複合機またはアナログ複合機である。複合機1は、機器制御部(登録処理部、制御部)10と、操作部11と、画像読取部12と、画像形成部13と、第1通信部14と、ウェブブラウザ部15と、アプリケーション情報記憶部(記憶部)16とを備える。
【0038】
操作部11は、ユーザに対して各種情報を通知するとともに、ユーザからの入力を受け付けるユーザインターフェイスである。操作部11は、各種の入力キーを含む入力部11aと、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)などの表示部11bとを備えている。なお、操作部11は、入力部11aと表示部11bとが一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
【0039】
画像読取部12は、スキャナと、原稿をスキャナの位置まで搬送する原稿搬送部とを含んでおり、原稿に印刷された文字や画像などを画像データとして読み取るものである。なお、画像読取部12は、所定の解像度で画像を読み取る。
【0040】
画像形成部13は、用紙などの記録シートに対して、入力された画像データに対応する画像(文字/写真/グラフィック)を印刷するためのものであり、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、および用紙トレイなどを含む。具体的には、画像形成部13では、帯電装置が感光体ドラムの表面に静電気を帯電させる。そして、露光装置が画像データに応じた光を感光体ドラムに照射し、画像データで示される画像と同じパターンに帯電させる。その後、現像装置により感光体ドラムの表面にトナーが引き付けられ、転写装置が当該トナー像が記録シートに転写する。最後に、定着装置がトナーに熱を加えて記録シートに融着させることで、記録シートに画像が形成される。これにより、画像読取部12から入力された画像データ、または外部装置から入力された画像データに基づいた印刷処理が実行される。
【0041】
ここで、定着の際にトナーに十分な熱を加えるために、定着装置のヒータに十分に通電し、定着装置におけるトナーとの接触面を所定範囲の温度(例えば、160〜180℃)にする必要がある。一方で、省エネルギーの観点から、定着装置のヒータへの電力消費量をなるべく低く抑える要望がある。そこで、画像形成部13は、定着装置におけるトナーとの接触面がトナーを記録シートへ定着させるために適正な温度範囲に設定された通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力が低い待機モードとを有する。すなわち、定着装置のヒータへの供給電力量は、通常動作モードよりも待機モードが低くなるように設定されている。そして、画像形成部13は、印刷処理を実行する前に、待機モードから通常動作モードに移行するための処理であるウォームアップを実行させる。また、画像形成部13は、印刷処理の実行終了後、所定時間の間に印刷処理の実行指示がない場合、通常動作モードから待機モードに移行する。なお、画像形成部13は、機器制御部10からの指示に従って、定着装置のウォームアップを開始する。このように、画像形成部13は、通常動作モードと待機モードとを有するモード切替対象部材である。そして、本実施形態では、画像形成部13を実行させる機能が、待機モードから通常動作モードに移行するためのウォームアップが必要な機能となる。画像形成部13を実行させる機能(つまり、ウォームアップの必要な機能)としては、画像読取部12により読み取られた画像データを印刷処理するコピー機能や、外部から取得した画像データを印刷処理するプリント機能がある。
【0042】
第1通信部14は、通信ネットワーク50を介して、情報処理装置3などの外部装置との間で通信するインターフェイスである。本実施形態では、第1通信部14は、情報処理装置3とHTTPやSOAPなどを用いて通信する。
【0043】
ウェブブラウザ部15は、ウェブブラウザのソフトウェアに従った動作を行うものであり、設定されたURL(uniform resource locator)に応じた情報を取得する。ウェブブラウザ部15は、複合機1と情報処理装置3とが連携して動作する際に、情報処理装置3が備える外部アプリケーション部31と情報通信する。
【0044】
アプリケーション情報記憶部16は、情報処理装置3が備える外部アプリケーション33を識別するアプリ識別情報であるアプリケーション名および登録アドレス(本実施形態ではURLで示される)と、当該外部アプリケーション33との連携により過去に実行された複合機の機能の種別を示す機能情報と、当該機能の実行開始指示を外部アプリケーション33から受けたときの当該外部アプリケーション33の処理の段階を示す特定処理状況情報とが対応付けられたアプリ対応情報を含むアプリケーション情報管理テーブルを記憶するものである。
【0045】
ここで、登録アドレスは、外部アプリケーション33にアクセスするためのアドレスである。また、特定処理状況情報は、本実施形態では、過去の連携処理において、機能情報で示される種別の機能の実行開始指示を外部アプリケーション33から受けたときにウェブブラウザ部15に設定されていたURLである。
【0046】
図2は、アプリケーション情報管理テーブルの一例を示す図である。図において、各アプリ対応情報にはIDが付されている。なお、各アプリ対応情報は、情報処理装置3が記憶する一つの外部アプリケーション33に対応している。
【0047】
機器制御部10は、複合機1が備える各部を制御する。具体的には、機器制御部10は、操作部11、画像読取部12、画像形成部13、第1通信部14、ウェブブラウザ部15などの各部の動作を制御する。例えば、機器制御部10は、画像読取部12の動作を制御して、スキャン画像のデータを取得する。また、機器制御部10は、画像形成部13の動作を制御して、入力された画像データで示される画像を用紙上に形成し出力する。
【0048】
また、機器制御部10は、アプリケーション情報記憶部16が記憶するアプリケーション情報管理テーブルの登録処理および更新処理を行う登録処理部としても機能する。この登録処理および更新処理の詳細についてが後述する。
【0049】
また、機器制御部10は、第1通信部14を用いて、入力された画像データを指定された外部装置(例えば、情報処理装置3)に保存したり、入力された画像データを電子メールに添付して、指定されたアドレスに送信する。
【0050】
このような構成の複合機1によれば、例えば、複合機1は、情報処理装置3から操作画面を示すHTML(Hypertext Markup Language)データを受け取り、当該HTMLデータで示される操作画面をウェブブラウザ部15により表示させる。そして、複合機1は、操作画面に対して入力された情報を情報処理装置3の外部アプリケーション部31に送る。その後、外部アプリケーション部31から受けた制御コマンドに従って、複合機1は各種機能を実行することができる。
【0051】
<情報処理装置3の構成>
次に、情報処理装置3の構成について説明する。情報処理装置3は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶部などにより構成されるコンピュータ装置であり、複数の複合機1に対するウェブサーバ装置として機能するものである。情報処理装置3は、第3通信部30と、外部アプリケーション部31と、外部アプリケーション記憶部32とを備える。
【0052】
第3通信部30は、通信ネットワーク50を介して、複合機1などの外部装置との間で通信するインターフェイスである。本実施形態では、上述したように、第3通信部30は、複合機1とHTTPやSOAPなどを用いて通信する。
【0053】
外部アプリケーション記憶部32は、複合機1を制御するための各種の外部アプリケーション33を記憶する。
【0054】
外部アプリケーション部31は、所定のウェブアプリケーションに従った動作を行うものである。すなわち、外部アプリケーション部31は、ウェブサーバ上で動作する各種のウェブアプリケーションに従った動作を行うものである。このウェブアプリケーションは、例えば、Java(登録商標)scriptで記載されたカスタムアプリケーションであり、ウェブサーバ上に設けられたJava(登録商標)script実行環境で動作するアプリケーションである。外部アプリケーション部31は、複合機1からの要求された外部アプリケーション33を外部アプリケーション記憶部32から読み出し、当該外部アプリケーション33に従った処理を実行する。
【0055】
<アプリケーション情報管理テーブルの登録・更新>
次に、アプリケーション情報記憶部16が記憶するアプリケーション情報管理テーブルの登録処理や更新処理について説明する。機器制御部10は、アプリケーション情報管理テーブルへの新たな外部アプリケーションの登録指示が操作部11に入力されると、アプリケーション名や登録アドレスなどのアプリ識別情報の入力を促す。そして、機器制御部10は、入力されたアプリ識別情報と機能情報と特定処理状況情報とを対応付けたアプリ対応情報をアプリケーション情報管理テーブルに追加登録する。この際、機器制御部10は、機能情報および特定処理状況情報として「なし」を登録する。
【0056】
また、機器制御部10は、アプリケーション情報管理テーブルに既に登録されているアプリ識別情報(アプリケーション名および登録アドレス)の編集指示が入力された場合、編集対象のアプリ対応情報の選択指示の入力を促す。そして、機器制御部10は、選択されたアプリ対応情報で示されるアプリ識別情報を表示して編集指示の入力を促す。その後、編集指示に従って、機器制御部10は、アプリ対応情報を更新する。この際、機器制御部10は、編集対象のアプリ対応情報の機器情報および特定処理状況情報を「なし」に変更する(消去する)。
【0057】
さらに、機器制御部10は、連携処理を実行中の外部アプリケーションに対応するアプリ対応情報を特定し、当該連携処理において情報処理装置3から実行開始指示を受けた機能の種別を示す情報を当該アプリ対応情報の中の機能情報に追加する。さらに、機器制御部10は、当該機能の実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURLを、当該アプリ対応情報の中の特定処理状況情報として追加する。
【0058】
具体的には、機器制御部10は、実行開始指示により指示された機能の種別を示す情報を生成するとともに、当該実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURLをウェブブラウザ部15から取得する。そして、機器制御部10は、生成した機能の種別を示す情報が機能情報の中に既に含まれているか確認する。含まれていない場合、機器制御部10は、生成した機能の種別を示す情報を機能情報とし、取得したURLを当該機能情報に対応する特定処理状況情報として登録する。一方、生成した機能の種別を示す情報が機能情報の中に含まれている場合、機器制御部10は、取得したURLと当該機能情報に対応する特定処理状況情報とが一致するか確認する。一致している場合には、機器制御部10は、機能情報および特定処理状況情報を更新しない。一致していない場合には、機器制御部10は、取得したURLを特定処理状況情報の中に追加するか、もしくは、取得したURLにより特定処理状況情報を更新する。
【0059】
<連携処理の概要>
次に、外部アプリケーション33と複合機1との連携処理の概要について説明する。まず、複合機1の機器制御部10は、ユーザにより選択された登録アドレスをアプリケーション情報記憶部16から読み出し、当該登録アドレスで示されるURLにアクセスするようにウェブブラウザ部15を起動する。これにより、ウェブブラウザ部15は、情報処理装置3の外部アプリケーション部31と通信を行うこととなる。例えば、ウェブブラウザ部15は、外部アプリケーション部31から操作画面データを受信し表示する。また、ウェブブラウザ部15は、操作画面に入力された情報を外部アプリケーション部31に送信する。そして、外部アプリケーション部31は、入力された情報に従って所定の処理を実行し、その結果として、複合機1の機能の実行開始指示を作成して複合機1に送信する。実行開始指示を受けた複合機1では、当該実行開始指示に応じた機能が実行されるように、機器制御部10が各部を制御することとなる。これにより、複合機1と情報処理装置3の外部アプリケーション33とが連携した処理を実行することが可能となる。
【0060】
連携処理を実行する際に複合機1から情報処理装置3に情報を送信する場合、複合機1は、当該情報とともに、当該複合機1に固有の機器情報を付加して送信する。ここで、機器情報とは、他の機器と識別可能にするための識別情報であり、複合機1について例示すると、機器情報とは、複合機1を他の機器(他の複合機等)と識別可能にするための識別情報であって、例えば、複合機1に固有の機器番号(シリアル番号)やMAC(Media Access Control)アドレスなどが挙げられる。これにより、情報処理装置3は、各種機能の制御を行う対象の複合機1を認識することができる。
【0061】
さらに、複合機1は、情報処理装置3に、外部アプリケーション33の機能(以下、外部アプリケーション機能と称する)を呼び出してその処理結果を得る。1つの外部アプリケーション機能は、情報処理装置3に格納された1つの外部アプリケーション33に対応しており、格納された外部アプリケーション33ごとに複合機1に実装させることができる。
【0062】
ここで、複合機1と外部アプリケーション部31との交信は、標準的なネットワーク技術に基づいて行うことができる。これにより、機器制御部10(機器制御部10内のファームウェア)と外部アプリケーション部31との連携部分の開発に多くの一般的なツールやスキルを利用することができるため、実装が容易になると共に、開発費を低減することができる。
【0063】
<処理の流れ>
次に、本実施形態の複合機制御システム100における処理の流れについて説明する。ここでは、本発明の特徴的処理であるウォームアップを中心に説明する。図3は、複合機制御システム100における処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
まず、機器制御部10は、アプリケーション情報記憶部16に格納されているアプリケーション情報管理テーブルの中のアプリケーション名の一覧を表示部11bに表示し、ユーザに対して選択入力を促す。図4は、アプリケーション名の一覧を示す画面例である。そして、機器制御部10は、選択されたアプリケーション名に対応する登録アドレスで示されるURLにアクセスするようにウェブブラウザ部15を起動する(S1)。ここで、S1にて選択されたアプリケーションを選択アプリケーションという。これにより、ウェブブラウザ部15と情報処理装置3とは、操作画面データや各種コマンドなどの通信を行う。例えば、図5に示されるような、外部アプリケーション33へのログイン処理を実行するための操作画面を示すデータを、外部アプリケーション部31から複合機1に送信する。なお、図5に示される操作画面に対応するURLを「http://example.com/docmng」とする。
【0065】
次に、機器制御部10は、選択されたアプリ識別情報に対応する機能情報をアプリケーション情報管理テーブルから特定し、当該機能情報が有りか否かを判断する(S2)。
【0066】
機能情報が存在する場合、すなわち、機能情報が「なし」ではない場合(S2でYes)、機器制御部10は、ウォームアップが必要か否かを判断する(S3)。具体的には、機器制御部10は、(a)機能情報で示される種別の機能がウォームアップの必要な機能か否かを判断するとともに、(b)機能情報に対応する特定処理状況情報で示されるURLと、外部アプリケーション33における処理の現段階を示す現処理状況情報とが一致するか否かを判定する。本実施形態では、現処理状況情報は、ウェブブラウザ部15に現在設定されているURLである。すなわち、機器制御部10は、以下の条件Aを満たすか否かを判定する。
条件A:ウェブブラウザ部15に現在設定されているURL(現処理状況情報)と一致する特定処理状況情報がアプリケーション情報記憶部16に登録されており、当該特定処理状況情報に対応する機能情報で示される種別が画像形成部13を動作させる特定機能(ここでは、プリント機能またはコピー機能)を示している。
【0067】
なお、機器制御部10は、現在設定されているURLをウェブブラウザ部15から現処理状況情報として取得する情報取得部として機能する。
【0068】
そして、機器制御部10は、条件Aを満たす場合、つまり、機能情報で示される種別の機能がウォームアップの必要な機能であり、かつ、特定処理状況情報で示されるURLと現在設定されているURLとが一致する場合に、画像形成部13のウォームアップが必要であると判断し、それ以外の場合にはウォームアップが不要であると判断する。
【0069】
ここで、ウォームアップの必要な機能とは、待機モードと通常動作モードとを有し、これらのモードが切替可能なモード切替対象部材を動作させる機能のことである。本実施形態では、複合機1は、モード切替対象部材として画像形成部13を備えており、画像形成部13を動作させる機能としては、プリント機能、コピー機能が存在する。機能制御部10は、機能の種別ごとに、当該機能がウォームアップの必要な機能であるか否かを示すウォームアップ要否情報を予め記憶しておき、当該ウォームアップ要否情報に基づいてS3の処理を行う。本実施形態では、機器制御部10は、プリント機能およびコピー機能がウォームアップの必要な機能であることを示すウォームアップ要否情報を記憶しておけばよい。
【0070】
ウォームアップが必要であると判断した場合(S3でYes)、機器制御部10は、画像形成部13のウォームアップを開始する(S4)。つまり、機器制御部10は、画像形成部13を待機モードから通常動作モードへの移行動作を開始させる。そして、S5の処理に移行する。
【0071】
一方、機器情報が「なし」である場合(S2でNo)、または、ウォームアップが不要であると判断した場合(S3でNo)も、S5の処理に移行する。
【0072】
続いて、S5において、機器制御部10は、情報処理装置3の外部アプリケーション33から機能の実行開始指示を受け付けたか否かを判断する(S5)。
【0073】
実行開始指示を受け付けていない場合、上記S2の処理に戻る。すなわち、実行開始指示を受け付けていない場合、ウェブブラウザ部15と外部アプリケーション部31との通信処理が進み、ウェブブラウザ部15に設定されるURLが変更されていることが考えられる。そのため、実行開始指示を受け付けるまでの間、URLの変更に応じて、現在設定されているURLに従ったS3の判断が繰り返し実行されることとなる。
【0074】
ウェブブラウザ部15と外部アプリケーション部31との通信処理により、表示部11bに表示される画面としては、例えば図5〜図8で示される画面がある。図5は、上述したように、外部アプリケーション33へのログイン処理を実行するための操作画面の一例を示す図であり、当該画面に対応するURLは「http://example.com/docmng」である。図6は、図5の画面42でログイン処理を行った後に表示される画面であり、スキャン機能かプリント機能のどちらかの選択入力をユーザに促す画面43の一例である。図6に示す画面43に対応するURLを「http://example.com/docmng/menu.asp」とする。
【0075】
また、図7は、図6でスキャン機能が選択された後に表示される画面であり、スキャン機能の条件を設定し、スキャン機能の実行指示の入力をユーザに促す画面44の一例である。図7に示す画面44に対応するURLを「http://example.com/docmng/scan.asp」とし、図7の画面でスタートボタン44aが押下されたとき、ウェブブラウザ部15にはURL「http://example.com/docmng/scan/start.asp」が設定され、当該URLに従った通信が行われるものとする。ここでは、URL「http://example.com/docmng/scan/start.asp」が設定されたウェブブラウザ部15は、スキャン機能のスタートボタンが押下されたことを示す情報を外部アプリケーション部33に通知する。そして、外部アプリケーション部33は、スキャン機能の実行開始指示を生成し、複合機1に送信する。
【0076】
さらに、図8は、図6でプリント機能が選択された後に表示される画面であり、プリント機能の条件を設定し、プリント機能の実行指示の入力をユーザに促す画面45の一例である。図8に示す画面に対応するURLを「http://example.com/docmng/print.asp」とし、図8の画面でスタートボタン45aが押下されたとき、ウェブブラウザ部15にはURL「http://example.com/docmng/print/start.asp」が設定され、当該URLに従った通信が行われるものとする。ここでは、URL「http://example.com/docmng/print/start.asp」が設定されたウェブブラウザ部15は、プリント機能のスタートボタンが押下されたことを示す情報を外部アプリケーション部33に通知する。そして、外部アプリケーション部33は、プリント機能の実行開始指示を生成し、複合機1に送信する。
【0077】
ここで、アプリケーション情報記憶部16が図2に示されるアプリケーション情報管理テーブルを記憶している場合を例にとり具体的に説明する。この場合、例えば図5や図6の画面が表示部11bに表示されている状態では、ウェブブラウザ部15に設定されているURLと特定処理状況情報とが一致しないため、ウォームアップが不要であると判断する。
【0078】
また、図7の画面でスタートボタン44aが押下され、ウェブブラウザ部15に設定されるURLが「http://example.com/docmng/scan/start.asp」に変更されたときには、ウェブブラウザ部15に設定されているURLと特定処理状況情報とが一致すると判断する。ただし、当該特定処理状況情報に対応する機能情報が「スキャン」を示している。本実施形態では、スキャン機能は、ウォームアップの必要な機能ではないため、機器制御部10は、ウォームアップが不要であると判断する。
【0079】
一方、図8の画面でスタートボタン45aが押下され、ウェブブラウザ部15に設定されるURLが「http://example.com/docmng/print/start.asp」に変更されたときには、ウェブブラウザ部15に設定されているURLと特定処理状況情報とが一致すると判断する。さらに、当該特定処理状況情報に対応する機能情報が「プリント」を示している。本実施形態では、プリント機能は、ウォームアップの必要な機能であるため、機器制御部10は、ウォームアップが必要であると判断する。
【0080】
上記のようにしてS2〜S5の処理が繰り返され、S5にて実行開始指示を外部アプリケーション33から受け付けたことを検知すると(S5でYes)、機器制御部10は、当該実行開始指示で指示された機能がウォームアップの必要な機能か否かを判断する(S6)。当該判定は、上述したウォームアップ要否情報に基づいて行うことができる。
【0081】
ウォームアップの必要な機能を実行するための実行開始指示でない場合(S6でNo)、機器制御部10は、当該実行開始指示に応じた機能の実行を開始する(S8)。
【0082】
一方、ウォームアップの必要な機能を実行するための実行開始指示である場合(S6でYes)、機器制御部10は、ウォームアップが終了するまで、つまり、モード切替対象部材である画像形成部13が通常動作モードになるまで待機する(S7)。そして、ウォームアップ終了後(S7でYes)、つまり、画像形成部13が通常動作モードの状態になった後、機器制御部10は、実行開始指示に応じた機能を実行させる(S8)。
【0083】
その後、機器制御部10は、S1で選択されたアプリ識別情報に対応する機能情報の更新処理を行う(S9)。具体的な更新処理は以下の通りである。機器制御部10は、S5で受け付けた実行開始指示に従って実行する機能の種別を示す情報を作成するとともに、当該実行開始指示を受け付けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURLをウェブブラウザ部15から取得する。そして、機器制御部10は、上記<アプリケーション情報管理テーブルの登録・更新>に記載した方法に従って、アプリケーション情報管理テーブルの更新処理を行う。これにより、アプリケーション情報管理テーブルの各アプリ対応情報は、過去に実行した機能の種別を示す機能情報と、当該機能の実行開始指示を受け付けたときにウェブブラウザ部15に設定されていたURLを示す特定処理状況情報とを含むことができる。
【0084】
例えば、図8の画面でスタートボタン45aが押下され、ウェブブラウザ部15に設定されるURLが「http://example.com/docmng/print/start.asp」に変更された後、プリント機能の実行開始指示を受けた場合を説明する。この場合、機器制御部10は、プリント機能を示す情報を作成するとともに、ウェブブラウザ部15に設定されているURL「http://example.com/docmng/print/start.asp」を取得する。そして、作成した情報を機能情報として登録するとともに、取得したURLを特定処理状況情報として登録する。これにより、図2のID=2のようなアプリ対応情報を登録することができる。
【0085】
そして、機器制御部10は、アプリケーションからの終了コマンドを受けると、S1で選択されたアプリ識別情報で示される外部アプリケーション33との連携処理が終了したものと判断し、操作部11の画面を初期画面に戻す(S10)。これにより、連携処理が終了する。
【0086】
このように、本実施形態1によれば、機器制御部10は、S1で選択されたアプリ識別情報に対応する機能情報および特定処理状況情報をアプリケーション情報記憶部16の中から特定する。そして、特定した機能情報で示される種別が、ウォームアップの必要な機能、つまり、モード切替対象部材である画像形成部13を動作させる特定機能を示しているか否かを判定する。さらに、ウェブブラウザ部15に現在設定されているURLと特定処理状況情報とが一致しているか否かを判定する。すなわち、上記条件Aを満たすか否かを判断する。
【0087】
そして、特定した機能情報で示される種別がウォームアップの必要な機能を示しており、かつ、ウェブブラウザ部15に現在設定されているURLと特定処理状況情報とが一致している場合(条件Aを満たす場合)に、画像形成部13のウォームアップを開始する。つまり、画像形成部13を待機モードから通常動作モードへ移行させる移行動作であるウォームアップを開始する。これにより、ウォームアップの必要な機能の実行開始指示を受ける前に、画像形成部13を待機モードから通常動作モードへ移行させる動作を開始することができる。その結果、ユーザの待機時間を短縮することができる。
【0088】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図9から図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0089】
図9は、本実施形態2に係る複合機制御システム100aの構成を示す図である。図9に示されるように、複合機制御システム100aは、複合機1aおよび情報処理装置3の他に認証サーバ2を備えている。
【0090】
認証サーバ2は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶部などにより構成されるコンピュータ装置であり、複合機21に対する認証装置として機能するものである。複合機1aと認証サーバ2とは、例えば、LDAP(Light Directory Access Protocol)などを用いて通信を行う。
【0091】
認証サーバ2は、第2通信部20と、ユーザ認証処理部21とを備えている。第2通信部20は、複合機1aなどの外部装置との間での通信を行うためのインターフェイスである。
【0092】
ユーザ認証処理部21は、ユーザの認証処理を実行するものであり、ユーザ認証部25、ユーザ情報管理データベース(DB)26、およびデータベース(DB)管理部23を備えている。
【0093】
ユーザ情報管理DB26は、ユーザごとに予め登録されたユーザ登録情報を記憶する。ユーザ情報管理DB26は、ユーザ登録情報として、ユーザが複合機1aを操作する際の認証処理に用いるユーザ認証情報(例えば、ログイン名やパスワード)の他に、当該ユーザが使用可能な機能の種別を示す実行権限情報も記憶している。図10は、ユーザ情報管理DB26が記憶する実行権限情報の一例を示す図である。図10に示されるように、ユーザ情報管理DB26は、ユーザごとに、複合機1aが有する各種機能の各々について当該ユーザが使用可能な否かを示す実行権限情報を記憶している。
【0094】
ユーザ認証部25は、複合機1aから送信されたログイン情報を取得し、当該ログイン情報とユーザ情報管理DB26に予め登録されたユーザ登録情報とを照合することによって認証処理を行う。そして、ユーザ認証部25は、認証成功した場合、当該ユーザに対応する実行権限情報をユーザ情報管理DB26から取得し、認証成功を示す認証結果とともに複合機1aに送信する。一方、ユーザ認証部25は、認証失敗した場合、その旨を示す認証結果を複合機1aに送信する。
【0095】
また、本実施形態に係る複合機1aは、実施形態1の複合機1と比較して、ログインユーザ情報記憶部17を備える点で異なる。
【0096】
本実施形態の複合機1aでは、機器制御部10は、ユーザに対してログイン情報の入力を促し、入力されたログイン情報を認証サーバ2に送る。そして、機器制御部10は、認証サーバ2から受けた認証結果が認証失敗を示す場合には、ユーザから各種機能の実行指示を受け付けない。一方、機器制御部10は、認証サーバ2から受けた認証結果が認証成功を示す場合、図4に示すような操作画面を表示し、ユーザに対して外部アプリケーション33の選択指示の入力を促すとともに、認証結果と共に受信した実行権限情報をログインユーザ情報記憶部17に格納する。また、機器制御部10は、外部アプリケーション33から終了通知を受けると、ログインユーザ情報記憶部17に格納されている実行権限情報を消去する。これにより、ログインユーザ情報記憶部17は、現在ログイン中のユーザに対応する実行権限情報を記憶することとなる。
【0097】
そして、本実施形態では、機器制御部10は、ログインユーザ情報記憶部17に格納されている実行権限情報において、ウォームアップの必要な機能の使用が可能であることが示されている場合に限り、ウォームアップを開始するものとする。
【0098】
以下、本実施形態の複合機制御システム100aにおけるウォームアップに関する処理の流れについて説明する。図11は、複合機制御システム100aにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【0099】
図11に示されるように、複合機制御システム100aは、図3に示す処理と比較して、S31の処理を実行する点で異なる。そこで、S31の処理を中心に説明する。
【0100】
図11に示されるように、機器制御部10は、S3においてウォームアップが必要であると判断した場合(S3でYes)にS31の処理を行う。S31では、機器制御部10は、ログインユーザ情報記憶部17に格納されている実行権限情報を確認し、当該ウォームアップの必要な機能が使用可能な機能か否かを判断する。そして、使用可能な機能である場合にのみ(S31でYes)、ウォームアップを開始し(S4)、使用不可の機能である場合(S31でNo)、当該機能が実行されないため、ウォームアップを開始しない。
【0101】
例えば、ログインユーザ情報記憶部17が図10に示すユーザID「1」の実行権限情報を記憶している場合、画像形成部13のウォームアップが必要な機能であるコピー機能およびプリント機能の使用が可能であるため、機器制御部10は、ウォームアップを開始する。一方、ログインユーザ情報記憶部17が図10に示すユーザID「2」の実行権限情報を記憶している場合、画像形成部13のウォームアップが必要な機能であるコピー機能およびプリント機能の両方の使用が不可であるため、機器制御部10は、ウォームアップを開始しない。なお、画像形成部13のウォームアップが必要な機能であるコピー機能およびプリント機能の何れか一方の使用が可能である場合には、ウォームアップを開始するものとする。
【0102】
このように、本実施形態によれば、機器制御部10は、上記の条件Aに加えて以下の条件Bを満たす場合にのみ(つまり、S3およびS31の両方でYesの場合にのみ)、画像形成部13のウォームアップを開始する。
条件B:ログインユーザ情報記憶部17が記憶する実行権限情報は、ウォームアップの必要な機能が使用可能な機能であることを示している。
これにより、ユーザが使用できない機能のためのウォームアップを不必要に開始することを防止できる。
【0103】
なお、上記の説明では、認証サーバ2のユーザ情報管理DB26がユーザ認証情報の他に図10に示す実行権限情報を記憶し、ログインしているユーザに対応する実行権限情報を複合機1aに送るものとした。しかしながら、これに限らず、ユーザ情報管理DB26は、実行権限情報に代えて、ユーザごとの出力枚数制限情報を記憶していてもよい。図12は、出力枚数制限情報の管理テーブルの一例を示す図である。図12に示されるように、出力枚数制限情報とは、ユーザごとに設定された、機能の種別ごとの出力制限枚数の残数を示す情報である。この場合、認証サーバ2は、各複合機1aから、出力した枚数の情報を取得し、出力枚数制限情報を更新するものとする。
【0104】
そして、認証サーバ2は、ユーザ認証に成功した場合、認証結果とともにログインしたユーザに対応する出力枚数制限情報を複合機1aに送る。そして、複合機1aの機器制御部10は、認証サーバ2から受けた出力枚数制限情報をログインユーザ情報記憶部17に格納する。また、機器制御部10は、外部アプリケーション33から終了通知を受けると、ログインユーザ情報記憶部17に格納されている出力枚数制限情報を消去する。これにより、ログインユーザ情報記憶部17は、現在ログイン中のユーザに対応する出力枚数制限情報を記憶することとなる。
【0105】
この場合、機器制御部10は、S31において、ログインユーザ情報記憶部17に格納されている出力枚数制限情報を確認し、ウォームアップの必要な機能に対応する出力制限枚数の残数が1以上か否かを判断する。そして、残数が1以上である場合、使用可能な機能であると判断し(S31でYes)、ウォームアップを開始する(S4)。一方、残数が0である場合、使用不可の機能であると判断し(S31でNo)、ウォームアップを開始しない。
【0106】
例えば、ログインユーザ情報記憶部17が図12に示すユーザID「1」の出力枚数制限情報を記憶している場合、画像形成部13のウォームアップが必要な機能であるコピー機能の出力可能枚数の残数が154であるため、機器制御部10は、ウォームアップを開始する。一方、ログインユーザ情報記憶部17が図12に示すユーザID「2」の出力枚数制限情報を記憶している場合、画像形成部13のウォームアップが必要な機能であるコピー機能およびプリント機能の両方の出力可能枚数の残数が0であるため、機器制御部10は、ウォームアップを開始しない。
【0107】
このように、機器制御部10は、上記の条件Aに加えて以下の条件Cを満たす場合にのみ、画像形成部13のウォームアップを開始する。
条件C:ログインユーザ情報記憶部17が記憶する出力枚数制限情報は、ウォームアップの必要な機能の出力枚数の残数が1枚以上であることを示している。
これにより、ユーザが使用できない機能のためのウォームアップを不必要に開始することを防止できる。
【0108】
また、認証サーバ2のユーザ情報管理DB26は、図10に示すような実行権限情報と、図12に示すような出力枚数制限情報との両方を記憶していてもよい。この場合、認証サーバ2は、認証成功を示す認証結果とともに、ログインユーザに対応する実行権限情報と出力枚数制限情報との両方を複合機1aに送る。そして、複合機1aのログインユーザ情報記憶部17は、認証サーバ1から受けた実行権限情報および出力枚数制限情報を記憶する。
【0109】
そして、機器制御部10は、S31において、実行権限情報および出力枚数制限情報の両方を確認し、S3でウォームアップが必要な機能であると判断された機能の使用が可能か否かを判断すればよい。すなわち、実行権限情報および出力枚数制限情報の何れにおいても使用可能と判断された場合にのみ、ウォームアップを開始し、実行権限情報および出力枚数制限情報の少なくとも一方においても使用不可と判断された場合、ウォームアップを開始しない。
【0110】
〔変形例〕
本発明のシステムは、上記の実施形態1、2に限定されることがなく、様々な変更が可能である。以下、変形例について説明する。
【0111】
<変形例1>
上記の実施形態では、ウォームアップとして、モード切替対象部材(ここでは、画像形成部13)を待機モードから通常動作モードへ移行させる移行動作を行うと説明した。しかしながら、S4において、当該移行動作の一部の動作を実行させてもよい。
【0112】
例えば、画像形成部13は、上記の待機モードおよび通常動作モードの他に、定着装置におけるトナーとの接触面における温度が待機モードよりも高く通常動作モードよりも低い、少なくとも一つの節電モードを有していてもよい。この節電モードは、待機モードよりも消費電力が高く、通常動作モードよりも消費電力が低いモードであるともいえる。そして、S4において、待機モードからいずれかの節電モードへと移行する動作を実行させてもよい。
【0113】
この場合、アプリケーション情報記憶部16は、外部アプリケーション33ごとに、復帰先のモードを示す復帰先モード情報を記憶している。この復帰先モード情報は、外部アプリケーション33の作成者からの推奨情報を基にユーザが登録してもよいし、予めアプリケーション情報記憶部に登録されていてもよい。
【0114】
そして、機器管理部10は、S4において、アプリケーション情報記憶部16の中から、S1で選択されたアプリ識別情報に対応する復帰先モード情報を読み出し、当該復帰先モード情報で示されるモードへ移行するようにウォームアップを開始すればよい。
【0115】
<変形例2>
上記の説明(変形例1を含む)では、アプリケーション情報記憶部16は、外部アプリケーション33との連携により過去に実行された複合機の機能の全てについて、当該機能がウォームアップの必要な機能がどうかにかかわらず、当該機能の種別を示す機能情報および特定処理状況情報を記憶するものとした。しかしながら、アプリケーション情報記憶部16は、機能情報を記憶せず、過去の連携処理においてウォームアップの必要な機能を実行させたことのあるアプリケーションについて、当該機能の実行開始指示を外部アプリケーションから受けたときにウェブブラウザ部15に設定されていたURLを示す特定処理状況情報をアプリ識別情報と対応付けて記憶していてもよい。
【0116】
図13は、本変形例におけるアプリケーション情報記憶部16が記憶するアプリケーション情報管理テーブルの一例を示す図である。図13に示されるように、アプリケーション情報記憶部16は、機能情報を記憶しておらず、特定処理状況情報として、過去の連携処理において、ウォームアップの必要な機能の実行開始指示を当該アプリケーションから受けたときにウェブブラウザ部15に設定されていたURLが登録されている。
【0117】
本変形例では、機器制御部10は、アプリケーション情報管理テーブルへの新たな外部アプリケーションの登録指示が操作部11に入力されると、アプリ識別情報(アプリケーション名および登録アドレス)と「なし」を示す特定処理状況情報とを対応付けたアプリ対応情報をアプリケーション情報管理テーブルに追加登録する。また、機器制御部10は、アプリケーション情報管理テーブルに既に登録されているアプリ識別情報の編集指示が入力された場合、編集対象のアプリ対応情報の特定処理状況情報を「なし」に変更する。
【0118】
さらに、機器制御部10は、S9の機能情報の更新処理として以下のような処理を行う。つまり、機器制御部10は、S5で受け付けた実行開始指示で指示された機能がウォームアップの必要な機能か否かを判断する。ウォームアップの必要な機能を実行するための実行開始指示でない場合、機器制御部10は、アプリ対応情報を更新を行わずに、そのままとする。一方、ウォームアップの必要な機能を実行するための実行開始指示である場合、機器制御部10は、実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURLを特定処理状況情報として追加する。これにより、アプリケーション情報管理テーブルの各アプリ対応情報は、過去の連携処理においてウォームアップの必要な機能の実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されていたURLを特定処理状況情報として含むことができる。
【0119】
そして、この場合、機器制御部10は、図3に示すS2およびS3の代わりに、選択されたアプリ識別情報に対応する特定処理状況情報と、現在ウェブブラウザ部15に設定されているURL(現処理状況情報)とが一致するか否かを判断すればよい。そして、一致している場合に、ウォームアップが必要であると判断し、S4の処理に移行すればよい。すなわち、機器制御部10は、上記の条件Aの代わりに、下記の条件A’を満たす場合にウォームアップを開始する。
【0120】
条件A’:ウェブブラウザ部15から取得した、現在設定されているURL(現処理状況情報)がアプリケーション情報記憶部16に登録されている特定処理状況情報と一致する。
【0121】
<その他>
実施形態2では、複合機1aおよび情報処理装置2の外部に認証サーバ3を設ける形態として説明した。しかしながら、認証サーバ3は、複合機1aもしくは情報処理装置3の内部に組み込まれていてもよい。
【0122】
また、上記の各実施形態では、モード切替対象部材として画像形成部13を例にとり説明した。しかしながら、モード切替対象部材は、画像形成部13に限定されるものではない。例えば、画像読取部12が、通常動作モードと待機モードとを有するモード切替対象部材であってもよい。画像読取部12は、原稿の画像を読み取るための露光ユニットを備えている。露光ユニットから照射される光は通電量に依存し、安定した光量の光を照射することが望まれる。一方で、省エネルギーの要望もあるが、露光ユニットの光源によっては、通電を開始してから光量が安定するまで時間がかかる場合もある。そこで、画像読取部12を、安定した光量の光を照射可能な通常動作モードと、通常動作モードよりも消費電力の低い待機モードとに切替可能とし、画像読取部12が動作していないときには、画像読取部12を待機モードに設定してもよい。そして、画像読取部12を動作させる前に、待機モードから通常動作モードに移行させるウォームアップを行わせる。
【0123】
なお、モード切替対象部材として画像読取部12および画像形成部13の2つが存在する場合、機器制御部10は、S3において、画像読取部12を動作させる機能(例えば、スキャン機能やコピー機能)、または、画像形成部13を動作させる機能(例えば、プリント機能やコピー機能)の種別を示す情報が機能情報に含まれているか否かを判断すればよい。そして、画像読取部12を動作させる機能(例えば、スキャン機能)の種別を示す情報が機能情報に含まれている場合、S4において、画像読取部12を待機モードから通常動作モードに移行させるウォームアップを開始する。また、画像形成部13を動作させる機能(例えば、プリント機能)の種別を示す情報が機能情報に含まれている場合、S4において、画像形成部13を待機モードから通常動作モードに移行させるウォームアップを開始する。また、画像読取部12および画像形成部13の両方を動作させる機能(例えば、コピー機能)の種別を示す情報が機能情報に含まれている場合、S4において、画像読取部12および画像形成部13の両方を待機モードから通常動作モードに移行させるウォームアップを開始する。
【0124】
上記の説明では、特定処理状況情報として、実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURLを登録するものとした。しかしながら、特定処理状況情報はこれに限定されない。
【0125】
例えば、特定処理状況情報として、実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURL、および、それより所定数(例えば1つや2つ)だけ前に設定されていたURLのうちの少なくとも一つのURLを特定処理状況情報として登録させてもよい。外部アプリケーション33によっては、ウォームアップの必要な機能を実行するまでに間に多数の画面を表示部11bに表示させる場合がある。そして、実行開始指示を受けたときよりも少し前に設定されていたURLは、ウォームアップの必要な機能が将来実行される可能性の高いURLであるといえる。そのため、実行開始指示を受けたときよりも前に設定されていたURLを特定処理状況情報として含めることで、より早いタイミングでウォームアップを開始することができる。
【0126】
図5〜8を例にとり具体的に説明する。上述したように、図5〜8では、図5の画面においてログイン情報が入力されると、図6の画面に遷移する。そして、図6でプリントボタンが押下されると図8の画面に遷移し、図8でスタートボタン45aが押下されると、ウェブブラウザ部15にURL「http://example.com/docmng/print/start.asp」が設定される。その後、外部アプリケーション部33は、プリント機能の実行開始指示を生成し、複合機1に送信する。この例では、プリント機能の実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURLは、「http://example.com/docmng/print/start.asp」である。そして、その一つ前のURLは、図8の画面に対応するURLであり、「http://example.com/docmng/print.asp」である。さらに、その一つ前のURLは、図6の画面に対応するURLであり、「http://example.com/docmng/menu.asp」である。この場合、例えば、機器制御部10は、実行開始指示を受けたときよりも一つ前に設定されていたURL「http://example.com/docmng/print.asp」、および、実行開始指示を受けたときに設定されていたURL「http://example.com/docmng/print/start.asp」の少なくとも一つを特定処理状況情報として登録すればよい。
【0127】
なお、汎用されているウェブブラウザは、所定数前に設定されていたURLを記憶する機能を有している。そのため、機器制御部10は、実行開始指示を受けたときにウェブブラウザ部15に設定されているURL、および、それより所定回数(例えば1回や2回)だけ前に設定されていたURLをウェブブラウザ部15から容易に取得することができる。
【0128】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0129】
最後に、複合機1・1aの各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0130】
すなわち、複合機1・1aは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである機器制御部10の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、複合機1・1aに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0131】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0132】
また、複合機1・1aを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、複写、スキャン、FAXなどの複数の機能を実現する複合機に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0134】
1・1a 複合機
2 認証サーバ
3 情報処理装置
10 機器制御部(制御部、登録処理部、情報取得部)
11 操作部
12 画像読取部(モード切替対象部材)
13 画像形成部(モード切替対象部材)
16 アプリケーション情報記憶部(記憶部)
17 ログインユーザ情報記憶部(実行権限情報記憶部、出力枚数制限情報記憶部)
31 外部アプリケーション部
32 外部アプリケーション記憶部
33 外部アプリケーション
100 複合機制御システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の情報処理装置で実行される複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションと連携した連携処理を行う複合機であって、
通常動作モードと、上記通常動作モードよりも消費電力が低い待機モードとを有するモード切替対象部材と、
上記複数のアプリケーションの各々について、当該アプリケーションとの連携処理において過去に上記複合機で実行された機能の種別を示す機能情報と、当該機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときの当該アプリケーションの処理の段階、および、当該段階よりも所定数だけ前の段階のうちの少なくとも一つの段階を示す特定処理状況情報と、が対応付けられたアプリ対応情報を記憶部に登録する登録処理部と、
上記複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションとの連携処理を行っている際に、当該選択アプリケーションの処理の現段階を示す現処理状況情報を取得する情報取得部と、
所定開始条件が満たされるか否かを判定し、当該所定開始条件が満たされると判定した場合に、上記モード切替対象部材を上記待機モードから上記通常動作モードへ移行させる移行動作、もしくは、当該移行動作の一部の動作を開始させる制御部とを備え、
上記所定開始条件は、少なくとも以下の条件Aを含むことを特徴とする複合機。
条件A:上記情報取得部により取得された現処理状況情報と一致する特定処理状況情報が上記記憶部に登録されており、当該特定処理状況情報に対応する機能情報で示される種別が上記モード切替対象部材を動作させる特定機能を示している。
【請求項2】
外部の情報処理装置で実行される複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションと連携した連携処理を行う複合機であって、
通常動作モードと、上記通常動作モードよりも消費電力が低い待機モードとを有するモード切替対象部材と、
上記複数のアプリケーションのうち、過去の連携処理において上記モード切替対象部材を動作させる特定機能を実行させたことのあるアプリケーションについて、当該特定機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときの当該アプリケーションの処理の段階、および、当該段階よりも所定数だけ前の段階のうちの少なくとも一つの段階を示す特定処理状況情報を記憶部に登録する登録処理部と、
上記複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションとの連携処理を行っている際に、当該選択アプリケーションの処理の現段階を示す現処理状況情報を取得する情報取得部と、
所定開始条件が満たされるか否かを判定し、当該所定開始条件が満たされると判定した場合に、上記モード切替対象部材を上記待機モードから上記通常動作モードへ移行させる移行動作、もしくは、当該移行動作の一部の動作を開始させる制御部とを備え、
上記所定開始条件は、少なくとも以下の条件A’を含むことを特徴とする複合機。
条件A’:上記情報取得部により取得された現処理状況情報が上記記憶部に登録されている特定処理状況情報と一致する。
【請求項3】
ウェブブラウザに従って動作し、設定されているURL(uniform resource locator)に従って上記アプリケーションと情報通信するウェブブラウザ部を備え、
上記登録処理部は、過去の連携処理において、上記機能情報で示される種別の機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときに上記ウェブブラウザ部に設定されたいたURL、および、当該URLよりも所定数だけ前に設定されていたURLのうちの少なくとも一つを上記特定処理状況情報として登録し、
上記情報取得部は、上記現処理状況情報として、上記ウェブブラウザ部に現在設定されているURLを取得することを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項4】
ウェブブラウザに従って動作し、設定されているURL(uniform resource locator)に従って上記アプリケーションと情報通信するウェブブラウザ部を備え、
上記登録処理部は、過去の連携処理において、上記特定機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときに上記ウェブブラウザ部に設定されたいたURL、および、当該URLよりも所定数だけ前に設定されていたURLのうちの少なくとも一つを上記特定処理状況情報として登録し、
上記情報取得部は、上記現処理状況情報として、上記ウェブブラウザ部に現在設定されているURLを取得することを特徴とする請求項2に記載の複合機。
【請求項5】
ログインしているユーザが使用可能な機能を示す実行権限情報を記憶する実行権限情報記憶部を備え、
上記所定開始条件は、さらに以下の条件Bを含むことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の複合機。
条件B:上記実行権限情報記憶部が記憶する実行権限情報が、上記特定機能が使用可能な機能であることを示している。
【請求項6】
上記モード切替対象部材は、記録シートに画像を形成する画像形成部であり、
ログインしているユーザが上記特定機能を用いて出力可能な記録シートの枚数を示す出力枚数制限情報を記憶する出力枚数制限情報記憶部を備え、
上記所定開始条件は、さらに以下の条件Cを含むことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の複合機。
条件C:上記出力枚数制限情報記憶部が記憶する出力枚数制限情報で示される枚数が1枚以上であることを示している。
【請求項7】
上記モード切替対象部材は、上記待機モードよりも消費電力が高く、かつ、上記通常動作モードよりも消費電力が低い少なくとも一つの節電モードを有しており、
上記記憶部は、上記特定処理状況情報と対応付けて、少なくとも一つの上記節電モードおよび通常動作モードから選択された一つのモードを示す復帰先モード情報を記憶しており、
上記制御部は、上記移行動作もしくは当該移行動作の一部の動作として、上記情報取得部により取得された現処理状況情報と一致する特定処理状況情報に対応付けられた復帰先モード情報で示されるモードに上記モード切替対象部材を設定することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の複合機。
【請求項8】
上記登録処理部は、上記記憶部が記憶する情報を更新することが可能であり、
上記記憶部は、上記複数のアプリケーションの各々について、当該アプリケーションを特定するアプリ識別情報と上記特定処理状況情報とを対応付けて記憶しており、
上記登録処理部は、上記アプリ識別情報を変更する場合、当該アプリ識別情報に対応する特定処理状況情報を消去することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の複合機。
【請求項1】
外部の情報処理装置で実行される複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションと連携した連携処理を行う複合機であって、
通常動作モードと、上記通常動作モードよりも消費電力が低い待機モードとを有するモード切替対象部材と、
上記複数のアプリケーションの各々について、当該アプリケーションとの連携処理において過去に上記複合機で実行された機能の種別を示す機能情報と、当該機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときの当該アプリケーションの処理の段階、および、当該段階よりも所定数だけ前の段階のうちの少なくとも一つの段階を示す特定処理状況情報と、が対応付けられたアプリ対応情報を記憶部に登録する登録処理部と、
上記複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションとの連携処理を行っている際に、当該選択アプリケーションの処理の現段階を示す現処理状況情報を取得する情報取得部と、
所定開始条件が満たされるか否かを判定し、当該所定開始条件が満たされると判定した場合に、上記モード切替対象部材を上記待機モードから上記通常動作モードへ移行させる移行動作、もしくは、当該移行動作の一部の動作を開始させる制御部とを備え、
上記所定開始条件は、少なくとも以下の条件Aを含むことを特徴とする複合機。
条件A:上記情報取得部により取得された現処理状況情報と一致する特定処理状況情報が上記記憶部に登録されており、当該特定処理状況情報に対応する機能情報で示される種別が上記モード切替対象部材を動作させる特定機能を示している。
【請求項2】
外部の情報処理装置で実行される複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションと連携した連携処理を行う複合機であって、
通常動作モードと、上記通常動作モードよりも消費電力が低い待機モードとを有するモード切替対象部材と、
上記複数のアプリケーションのうち、過去の連携処理において上記モード切替対象部材を動作させる特定機能を実行させたことのあるアプリケーションについて、当該特定機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときの当該アプリケーションの処理の段階、および、当該段階よりも所定数だけ前の段階のうちの少なくとも一つの段階を示す特定処理状況情報を記憶部に登録する登録処理部と、
上記複数のアプリケーションの中から選択された選択アプリケーションとの連携処理を行っている際に、当該選択アプリケーションの処理の現段階を示す現処理状況情報を取得する情報取得部と、
所定開始条件が満たされるか否かを判定し、当該所定開始条件が満たされると判定した場合に、上記モード切替対象部材を上記待機モードから上記通常動作モードへ移行させる移行動作、もしくは、当該移行動作の一部の動作を開始させる制御部とを備え、
上記所定開始条件は、少なくとも以下の条件A’を含むことを特徴とする複合機。
条件A’:上記情報取得部により取得された現処理状況情報が上記記憶部に登録されている特定処理状況情報と一致する。
【請求項3】
ウェブブラウザに従って動作し、設定されているURL(uniform resource locator)に従って上記アプリケーションと情報通信するウェブブラウザ部を備え、
上記登録処理部は、過去の連携処理において、上記機能情報で示される種別の機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときに上記ウェブブラウザ部に設定されたいたURL、および、当該URLよりも所定数だけ前に設定されていたURLのうちの少なくとも一つを上記特定処理状況情報として登録し、
上記情報取得部は、上記現処理状況情報として、上記ウェブブラウザ部に現在設定されているURLを取得することを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項4】
ウェブブラウザに従って動作し、設定されているURL(uniform resource locator)に従って上記アプリケーションと情報通信するウェブブラウザ部を備え、
上記登録処理部は、過去の連携処理において、上記特定機能の実行開始指示を上記アプリケーションから受けたときに上記ウェブブラウザ部に設定されたいたURL、および、当該URLよりも所定数だけ前に設定されていたURLのうちの少なくとも一つを上記特定処理状況情報として登録し、
上記情報取得部は、上記現処理状況情報として、上記ウェブブラウザ部に現在設定されているURLを取得することを特徴とする請求項2に記載の複合機。
【請求項5】
ログインしているユーザが使用可能な機能を示す実行権限情報を記憶する実行権限情報記憶部を備え、
上記所定開始条件は、さらに以下の条件Bを含むことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の複合機。
条件B:上記実行権限情報記憶部が記憶する実行権限情報が、上記特定機能が使用可能な機能であることを示している。
【請求項6】
上記モード切替対象部材は、記録シートに画像を形成する画像形成部であり、
ログインしているユーザが上記特定機能を用いて出力可能な記録シートの枚数を示す出力枚数制限情報を記憶する出力枚数制限情報記憶部を備え、
上記所定開始条件は、さらに以下の条件Cを含むことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の複合機。
条件C:上記出力枚数制限情報記憶部が記憶する出力枚数制限情報で示される枚数が1枚以上であることを示している。
【請求項7】
上記モード切替対象部材は、上記待機モードよりも消費電力が高く、かつ、上記通常動作モードよりも消費電力が低い少なくとも一つの節電モードを有しており、
上記記憶部は、上記特定処理状況情報と対応付けて、少なくとも一つの上記節電モードおよび通常動作モードから選択された一つのモードを示す復帰先モード情報を記憶しており、
上記制御部は、上記移行動作もしくは当該移行動作の一部の動作として、上記情報取得部により取得された現処理状況情報と一致する特定処理状況情報に対応付けられた復帰先モード情報で示されるモードに上記モード切替対象部材を設定することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の複合機。
【請求項8】
上記登録処理部は、上記記憶部が記憶する情報を更新することが可能であり、
上記記憶部は、上記複数のアプリケーションの各々について、当該アプリケーションを特定するアプリ識別情報と上記特定処理状況情報とを対応付けて記憶しており、
上記登録処理部は、上記アプリ識別情報を変更する場合、当該アプリ識別情報に対応する特定処理状況情報を消去することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の複合機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−60228(P2012−60228A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198873(P2010−198873)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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