説明

複合機

【課題】複合機に格納されている画像データで示される画像を含む操作画面を複合機の表示部に短時間で画像を表示させることができる複合機を提供する。
【解決手段】複合機21は、処理対象画像データを記憶する第1記憶部61と、処理対象画像データに対応し、画像を表示部10に表示させるための表示用画像データを記憶する第2記憶部62と、表示用画像データの位置を示す位置情報を生成する機器制御部7とを備える。そして、ウェブブラウザ部5は、機器制御部7により生成された位置情報を含む操作画面データに従って、当該位置情報で示される表示用画像データを第2記憶部62から取得し、当該表示用画像データで示される画像を含む操作画面を表示部10に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置のアプリケーションと連携して動作する複合機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー機能、スキャン機能、印刷機能及びFAX送受信機能などの複数の機能を併せ持つ複合機が知られている。そして、このような複合機の内部やサーバに画像データを格納しておき、必要に応じて当該画像データの編集処理や出力処理が行われている。例えば、特許文献1には、クライアント装置のウェブブラウザ上でサーバ装置に保存されている画像を閲覧(プレビュー)し、編集を行うシステムが開示されている。
【0003】
また、近年では、複合機と情報処理装置とが通信ネットワークを介して接続され、多種多様な処理を行うようになっている。すなわち、情報処理装置上で動作するアプリケーションと複合機の機能とを連携させ、複合機がトータルアプリケーションシステムの一部となって動作することができる。これにより、複合機の機能とPCの機能とを適宜組み合わせた柔軟性のあるサービスの構築を容易に行うことができる。例えば、特許文献2には、複合機と、通信ネットワークを介して、複合機に対して制御指示を送信する制御装置とを備える複合機制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−237705号公報
【特許文献2】特開2007−174400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているように、画像データの編集をクライアント装置で行う場合、編集終了後にクライアント装置において印刷などを処理を行うこととなる。そのため、印刷が終了したことを見計らって、複合機まで印刷物を取りに行く必要がある。また、クライアント装置と複合機との間の距離が長い場合、複合機から出力された印刷物を第三者が見る確率が高くなり、情報の漏洩の問題も生じる。
【0006】
このような問題を考慮すれば、画像データを複合機に蓄積しておき、複合機の操作画面上に当該画像データで示される画像(プレビュー画像)を表示し、印刷した画像データを選択するシステムが好ましい。これにより、印刷物の取り忘れや、情報漏洩のリスクを抑えることができる。
【0007】
ただし、このようなシステムを、特許文献2に記載されているような情報処理装置上で動作するアプリケーションと複合機の機能とを連携させるシステムに適用した場合、以下のような問題が生じる。これは、情報処理装置のアプリケーションと複合機とを連携させるシステムでは、情報処理装置のアプリケーションにより、複合機で表示される操作画面も制御するためである。
【0008】
すなわち、複合機の操作画面上に画像の一覧を表示させるために、情報処理装置は、複合機に蓄積されている画像データを当該複合機から取得する。そして、情報処理装置のアプリケーションは、取得した画像データに基づいて、操作画面上に表示するための表示用画像データを生成する。最後に、情報処理装置が生成した表示用画像データを複合機に送信し、複合機の操作画面に表示用画像データで示される画像が表示される。このように、情報処理装置は、表示用画像データを生成するために、複合機から画像データを取得する必要がある。その結果、画像データの通信に要する時間、および、情報処理装置での表示用画像データの作成に要する時間がかかるため、操作画面に画像が表示されるまでの時間が長くなるという問題が生じる。
【0009】
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、情報処理装置のアプリケーションと連携して動作する複合機でありながら、複合機に格納されている画像データで示される画像を含む操作画面を複合機の表示部に短時間で画像を表示させることができる複合機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、ウェブサーバのソフトウェアに従って動作する第1ウェブサーバ部を備えた情報処理装置と通信ネットワークを介して通信し、上記情報処理装置で実行される外部アプリケーションと連携した連携処理を行う複合機であって、表示部と、ウェブブラウザのソフトウェアに従って動作し、上記第1ウェブサーバ部から受けたデータに従って上記表示部に画面を表示するウェブブラウザ部と、処理対象となる処理対象画像データを記憶する第1記憶部と、上記処理対象画像データに対応し、画像を上記表示部に表示させるための表示用画像データを記憶する第2記憶部と、上記第2記憶部に格納されている表示用画像データの位置を示す位置情報を生成する制御部とを備え、上記ウェブブラウザ部は、上記制御部により生成された位置情報を含む操作画面データに従って、当該位置情報で示される表示用画像データを上記第2記憶部から取得し、当該表示用画像データで示される画像を含む操作画面を上記表示部に表示する操作画面表示処理を行うことを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、ウェブブラウザ部は、位置情報を含む操作画面データに従って、当該位置情報で示される表示用画像データを第2記憶部から取得し、当該表示用画像データで示される画像を含む操作画面を表示部に表示する。そのため、ウェブブラウザ部は、外部の情報処理装置から表示用画像データを取得する必要がなく、自装置内の第2記憶部から表示用画像データを取得すればよい。また、操作画面データにも表示用画像データを組み入れる必要がなく、第1ウェブサーバ部とウェブブラウザ部との間の通信量を小さく抑えることができる。そのため、操作画面を表示するために必要な時間を短縮することができる。
【0012】
さらに、本発明の複合機は、ウェブサーバのソフトウェアに従って動作し、上記第2記憶部にアクセス可能な第2ウェブサーバ部を備え、上記位置情報は、上記第2ウェブサーバ部を介して上記表示用画像データを取得するためのURL(uniform resource locator)であることが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、汎用されているURLを用いて位置情報を容易に作成することができる。また、ウェブブラウザ部は、URLを用いて、第2ウェブサーバ部を介して第2記憶部から容易に表示用画像データを取得することができる。
【0014】
さらに、本発明の複合機において、上記URLは、上記複合機のIPアドレスとしてループバックアドレスを含むことが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、ウェブブラウザ部は、ループバックアドレスに従って、自装置の第2ウェブサーバ部にアクセスして表示用画像データを取得することとなる。そのため、上記複合機とは別の装置であって、かつ、ウェブブラウザを備えた装置に上記URLを設定したとしても、当該ウェブブラウザからは複合機の第2記憶部にはアクセスすることができない。よって、第2記憶部に格納された表示用画像データが意図しない装置から閲覧されることがなく、セキュリティを高めることができる。
【0016】
さらに、本発明の複合機において、上記制御部は、表示用画像データのリストの取得要求を上記外部アプリケーションから受け付け、上記取得要求を受け付けると、上記位置情報を生成して上記情報処理装置に送信し、上記ウェブブラウザ部は、上記情報処理装置が上記制御部から受信した位置情報に基づいて当該情報処理装置により生成された、当該位置情報を含む操作画面データを上記情報処理装置から受信し、受信した操作画面データに従って上記操作画面表示処理を行ってもよい。
【0017】
上記の構成によれば、制御部が位置情報を情報処理装置に送り、ウェブブラウザ部は、位置情報を含む操作画面データを情報処理装置から受け取る。ここで、位置情報は、表示用画像データと比較してデータ容量が極端に小さい。そのため、操作画面データを情報処理装置から取得するために必要な通信量を小さくすることができ、時間を短縮することができる。
【0018】
さらに、本発明の複合機において、上記ウェブブラウザ部は、上記第1ウェブサーバ部から、上記表示用画像データの位置情報が操作画面データに組み込まれるような処理の実行指示を受信し、当該実行指示に従って、上記制御部から上記表示用画像データの位置情報を取得し、取得した位置情報を含む操作画面データを生成することにより、生成した操作画面データに従って上記操作画面表示処理を行ってもよい。
【0019】
上記の構成によれば、ウェブブラウザ部は、第1ウェブサーバ部からの実行指示に従って、位置情報を含む操作画面データを生成する。これにより、複合機と情報処理装置との間で位置情報を予め通信する必要がなく、操作画面の表示に要する時間を短縮することができる。
【0020】
さらに、本発明の複合機は、処理対象画像データに画像処理を施すことで表示用画像データを生成する画像処理部を備え、上記制御部は、第1記憶部に格納されている処理対象画像データに対応する表示用画像データが第2記憶部に格納されていない場合、上記画像処理部を制御して表示用画像データを生成させ、第2記憶部に格納することが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、複合機の内部で表示用画像データを生成することができるため、外部の装置で表示用画像データを生成させる場合と比べて時間を短縮することができる。
【0022】
さらに、本発明の複合機において、上記制御部は、上記連携処理の終了後に、上記第2記憶部の中から表示用画像データを削除することが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、不要なデータが第2記憶部に残存されず、複合機の記憶領域を圧迫することがなくなる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、情報処理装置のアプリケーションと連携して動作する複合機でありながら、複合機に格納されている画像データで示される画像を含む操作画面を複合機の表示部に短時間で画像を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る複合機制御システムの構成を示す図である。
【図2】図2は、実施形態1におけるプレビュー画像の表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】図3は、アプリケーション情報管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】図4は、アプリケーション選択画面の一例を示す図である。
【図5】図5は、SOAPを用いたGetFileListのコマンドのサンプルを示す図である。
【図6】図6は、SOAPを用いたGetFileListに対するレスポンスのサンプルを示す図である。
【図7】図7は、位置情報を含む操作画面のHTMLデータの一例を示す図である。
【図8】図8は、図7に示されるHTMLデータに基づいて表示される画面を示す図である。
【図9】図9は、実施形態2におけるプレビュー画像の表示処理の流れを示す図である。
【図10】図10は、情報処理装置から複合機に送信されるHTMLデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1から図8に基づいて説明すると以下の通りである。以下では、本発明に係る複合機制御システムの一実施形態について説明する。
【0027】
図1は、本実施形態に係る複合機制御システムの構成を示す図である。本実施形態に係る複合機制御システムは、図1に示すように、複合機21と、情報処理装置51とを含んでおり、これらの装置が通信ネットワーク50を介して接続されている。もちろん、複合機制御システムに含まれる複合機21の台数は複数であってもよく、情報処理装置51の台数も複数であってもよい。
【0028】
なお、複合機21と情報処理装置51とが接続される通信ネットワーク50としては、インターネット、電話線、シリアルケーブル、または、他の有線回線もしくは無線回線などの通信回線が利用できる。
【0029】
複合機21は、制御コマンドを情報処理装置51から受け取る。そして、複合機21は、受け取った制御コマンドに基づいて、複合機21の各種機能(例えば、スキャン機能、印刷機能、通信機能など)を実行する。
【0030】
例えば、複合機21は、情報処理装置51から操作画面を示すHTML(Hypertext Markup Language)データを受け取り、当該HTMLデータで示される操作画面を表示させる。そして、複合機21は、操作画面に対して入力された指示内容を情報処理装置51に送信し、情報処理装置51から受けた制御コマンドに従って各種機能を実行する。
【0031】
もしくは、複合機21は、情報処理装置51から受けた制御コマンドの中にJava(登録商標)scriptで記載されたコマンドを実行することにより、複合機21の各種機能を実行してもよい。
【0032】
情報処理装置51は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶部などにより構成されるコンピュータ装置であり、複数の複合機21に対するウェブサーバ装置として機能するものである。情報処理装置51は、図1に示されるように、第1通信部52と、第1ウェブサーバ部53と、外部アプリケーション部54とを備えている。
【0033】
第1通信部52は、LANやインターネット回線等を介して複合機21と通信するものである。また、第1通信部52は、HTTPの通信プロトコルを用いて複合機21と通信する。
【0034】
第1ウェブサーバ部53は、ウェブサーバのソフトウェアに従って動作するものである。ここで、ウェブサーバとは、インターネット上の情報システムであるWWW(World Wide Web)を構成するサーバ装置の機能を提供するソフトウェアである。第1ウェブサーバ部53は、第1通信部52を介して複合機21から要求(ここでは、HTTPリクエスト)を受信し、当該HTTPリクエストに応じたファイルや画像データ、印刷データ、制御コマンドなどを、第1通信部52を介して当該複合機21に応答する機能を有する。
【0035】
外部アプリケーション部54は、第1ウェブサーバ部53からの指示に応じて、所定のウェブアプリケーションに従った動作を行うブロックである。すなわち、外部アプリケーション部54は、ウェブサーバ上で動作する各種のウェブアプリケーション(以下、外部アプリケーションという)に従った動作を行うものである。
【0036】
例えば、外部アプリケーション部54は、複合機21からの要求(HTTP(hypertext transfer protocol)リクエスト)が操作画面の送信要求である場合、選択された外部アプリケーションの操作画面送信プログラムに従った動作を行う。具体的には、外部アプリケーション部54は、当該送信要求で示される操作画面のHTMLデータを生成し、第1ウェブサーバ部53に送る。
【0037】
また、外部アプリケーション部54は、複合機21からの要求が印刷データの送信要求である場合、印刷アプリケーションに従った動作を行う。具体的には、外部アプリケーション部54は、当該送信要求で示されるフォルダ名のフォルダから指定されたファイル名の印刷データを取得し、その印刷データを第1ウェブサーバ部53に送る。
【0038】
次に、複合機21の構成について説明する。複合機21は、スキャン機能、印刷機能、ファクシミリの送受信機能、画像データの送信機能などの複数の機能を実行することが可能な装置である。
【0039】
図1に示されるように、複合機21は、操作部4と、画像読取部2と、画像形成部3と、ウェブブラウザ部5と、第2通信部22と、機器制御部(制御部)7と、第2ウェブサーバ部8と、制御アプリケーション部23と、画像処理部9と、第1記憶部61と、第2記憶部62とを備えている。
【0040】
操作部4は、ユーザに対して情報を通知するとともに、ユーザからの入力を受け付けるユーザインターフェイスである。操作部4は、液晶ディスプレイなどの表示部10と、各種の入力キーを含む入力部11とを備えている。なお、操作部4は、表示部10と入力部11とが一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
【0041】
画像読取部2は、スキャナと、原稿をスキャナの位置まで搬送する原稿搬送部とを含んでおり、原稿に印刷された文字や画像などを画像データとして読み取るものである。なお、画像読取部2は、所定の解像度で画像を読み取る。
【0042】
画像形成部3は、用紙などの記録シートに対して、入力された画像データに対応する画像(文字/写真/グラフィック)を印刷するためのものであり、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、および用紙トレイなどを含む。
【0043】
第2通信部22は、情報処理装置51などの外部の装置との間での通信を行うためのインターフェイスである。本実施形態では、上述したように、第2通信部22は、情報処理装置51と通信する。また、第2通信部22は、アクセス先として自装置のIPアドレスが示されている場合、複合機21内部の第2ウェブサーバ部8にアクセスすることもできる。
【0044】
ウェブブラウザ部5は、汎用されているウェブブラウザのソフトウェアに従った動作を行うものである。ウェブブラウザ部5は、第2通信部22を介して、情報処理装置51が有する第1ウェブサーバ部53だけでなく、複合機21内部の第2ウェブサーバ部8に対しても通信を行うことができる。
【0045】
第2ウェブサーバ部8は、汎用されているウェブサーバのソフトウェアに従った動作を行うものである。第2ウェブサーバ部8は、ウェブブラウザ部5からの要求(HTTPリクエスト)を受信し、当該要求に応じたアプリケーションを実行させ、ウェブブラウザ部5に対して応答(HTTPレスポンス)を行うものである。
【0046】
制御アプリケーション部23は、ウェブサーバ上で動作するウェブアプリケーションに従った処理を実行するものである。このウェブアプリケーションは、例えば、Java(登録商標)scriptで記載されたカスタムアプリケーションであり、ウェブサーバ上に設けられたJava(登録商標)script実行環境で動作するアプリケーションである。
【0047】
制御アプリケーション部23は、複合機21の各種機能(例えば、スキャン機能や印刷機能、通信機能)を制御する必要がある場合、当該機能を制御するための指示を機器制御部7に送る。
【0048】
第1記憶部61は、複合機21おいて出力処理(印刷処理や画像送信処理)や画像編集処理の対象となる画像データ(以下、処理対象画像データという)を記憶するものである。例えば、第1記憶部61には、画像読取部2により読み取られた画像データや外部の情報処理装置から受け付けた画像データが処理対象画像データとして格納される。なお、第1記憶部61は、第2ウェブサーバ部8からアクセス不可に設定されている。
【0049】
画像処理部9は、処理対象画像データに対する画像処理を行うものである。例えば、画像処理部9は、処理対象画像データを画像形成部3が認識可能なCMYKの画像データに変換する処理を行い、印刷用画像データを生成する。また、画像処理部9は、処理対象画像データを表示部10の色空間に適合するRGBの画像データに変換する処理とともに、表示部10の一部の領域にのみ表示させるために、画素数を減少させる間引き処理を行い、表示用画像データを生成する。さらに、画像処理部9は、入力部11への入力指示に従って、処理対象画像データに対して各種の画像編集処理を実行することもできる。
【0050】
なお、画像処理部9は、(1)A/D(アナログ/デジタル)変換処理、(2)画像読取部の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除くシェーディング補正処理、(3)γ補正処理などの階調変換処理、(4)原稿の種別の判定する原稿種別自動判別処理、(5)入力画像の画素毎に、当該画素がどのような画像領域に分類されるのかを判別し、この判別結果を示す領域分離信号を生成する領域分離処理、(6)符号化する圧縮処理、(7)符号化されたコードを伸張する復号処理、(8)RGBのバランス(カラー調整、赤み青みといった全体のカラー調整)、明るさ、鮮やかさの調整を行う画質調整処理、(9)色空間の変換などを行う色補正処理、(10)CMYの画像データから黒(K)の画像データを生成する黒生成を行う一方、元のCMYの画像データから黒(K)の画像データを差し引いて新たなCMYの画像データを生成する黒生成/下色除去処理、(11)空間フィルタ処理(強調処理、平滑化処理等)、(12)画像の拡大や縮小処理(変倍処理)、(13)用紙等の記録媒体への出力や表示部への表示のための出力γ補正処理、(14)画像を印刷するために必要な階調再現処理(中間調生成処理)、などを行う。これらの処理については公知の技術を用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0051】
第2記憶部62は、画像処理部9により生成された表示用画像データを記憶するものであり、第2ウェブサーバ部8からアクセス可能な記憶部である。
【0052】
機器制御部7は、複合機21の各種機能を制御するものである。具体的には、機器制御部7は、画像読取部2、画像形成部3、画像処理部9、第2通信部22、操作部4等の各部の動作を制御する。
【0053】
例えば、機器制御部7は、画像読取部2の動作を制御して、スキャン画像のデータを取得し、処理対象画像データとして第1記憶部61に格納する。また、機器制御部7は、第1記憶部61に格納された処理対象画像データを印刷用画像データに変換するように画像処理部9を制御し、生成された印刷用画像データに基づいた印刷処理を行うように画像形成部3を制御する。
【0054】
さらに、機器制御部7は、外部アプリケーションと複合機21との連携処理を行う際、第1記憶部61に格納された処理対象画像データに対応する表示用画像データが第2記憶部62に格納されていない場合、処理対象画像データを表示用画像データに変換するように画像処理部9を制御する。そして、機器制御部7は、生成された表示用画像データを第2記憶部62に格納する。
【0055】
機器制御部7は、固有操作モードと連携操作モードとを有している。固有操作モードは、複合機21に固有であり、予め複合機21内で記憶している操作画面を表示部10に表示させ、当該操作画面に対して入力された指示を入力部11から受け取り、当該指示に従って上記のような制御を行うモードである。連携操作モードは、情報処理装置51から受け取った操作画面を表示部10に表示させ、当該操作画面に対して入力された指示に基づいて外部アプリケーションにより生成された制御コマンドを受け、当該制御コマンドに従って各種機能を制御するモードである。つまり、連携操作モードは、外部アプリケーションと複合機21とが連携した連携処理を行うモードである。なお、固有操作モードは、従来の複合機で行われている一般的なモードであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0056】
なお、連携操作モードの実行指示が入力された場合、機器制御部7は、ウェブブラウザ部5を起動させ、予め設定されたURL(本実施形態では、情報処理装置51の第1ウェブサーバ部53に対して初期操作画面の送信を要求するURLである)に従った処理を実行させる。連携操作モードは、複合機21が外部アプリケーション部54へアクセスすることにより開始され、外部アプリケーション部54から処理の終了通知を受け、複合機21から外部アプリケーション部へのアクセスを終えることにより終了する。
【0057】
なお、機器制御部7は、複合機21の機種に依存しない制御コマンドを受け付け可能なOpenI/F部71を備えている。OpenI/F部71は、複合機21の各種機能を制御するための制御コマンドを制御アプリケーション部23に公開しており、制御アプリケーション部23から制御コマンドを受け付けるとともに、受け付けた制御コマンドを、機器制御部7で認識可能なコマンドに変換するものである。
【0058】
OpenI/F部71は、外部に公開している制御コマンドと、機器制御部7で認識可能なコマンドとを対応付けた変換テーブルを記憶する変換テーブル記憶部(図示せず)を備えており、当該変換テーブルに従って、コマンドの変換処理を行う。
【0059】
このように、OpenI/F部71は、複合機21の機種によらない共通の制御コマンドを受け付け可能である。これにより、制御アプリケーション部23を動作させるためのウェブアプリケーションは、複合機21によらず共通のものを用いることができる。そのため、新たなウェブアプリケーションに従って制御アプリケーション部23を動作させる場合、各複合機21に対して同じウェブアプリケーションをインストールするだけでよく、複合機21ごとにウェブアプリケーションの変更を行う必要がなくなる。これにより、制御アプリケーション部23を動作させるためのウェブアプリケーションの開発を容易に行うことができる。
【0060】
(プレビュー画像の表示処理)
次に、本実施形態の特徴的な処理である、連携操作モードにおいて操作画面上に表示用画像データで示される画像を表示させる処理について詳細に説明する。ここで、操作画面上に表示された、表示用画像データで示される画像をプレビュー画像という。
【0061】
図2は、プレビュー画像の表示処理の流れを示すフローチャートである。まず、入力部11に連携操作モードの起動指示が入力されると、機器制御部7は、予め記憶しているアプリケーション情報管理テーブルを読み出す。アプリケーション情報管理テーブルは、情報処理装置51が有する複数の外部アプリケーションの各々について、当該外部アプリケーションを識別するアプリ識別情報(例えば、アプリケーション名)と、当該外部アプリケーションにアクセスするためのURL(uniform resource locator)とが対応付けられたテーブルである。図3は、アプリケーション情報管理テーブルの一例を示す図である。
【0062】
そして、機器制御部7は、読み出したアプリケーション情報管理テーブルの中のアプリ識別情報の一覧を含み、ユーザに外部アプリケーションの選択を促すためのアプリケーション選択画面を表示部10に表示させる。図4は、アプリケーション選択画面の一例を示す図である。
【0063】
アプリケーション選択画面において一つの外部アプリケーションが選択されると、機器制御部7は、アプリケーション情報管理テーブルの中から、選択されたアプリ識別情報に対応するURLを取得する。そして、機器制御部7は、取得したURLにアクセスするようにウェブブラウザ部5を起動する(S201)。これにより、ウェブブラウザ部5は、第2通信部22を介して、URLで示される情報処理装置51の外部アプリケーションに対して、初期操作画面の送信を要求するHTTP Getコマンドを送信することとなる(S202)。
【0064】
ここでは、文書管理アプリケーションが選択されたものとする。文書管理アプリケーションは、複合機21に格納されている処理対象画像データに対して印刷等の処理を行うためのものである。
【0065】
情報処理装置51の第1ウェブサーバ部53は、GETコマンドを受信すると(S211)、当該GETコマンドに対応する操作画面のHTMLデータを外部アプリケーション部54に要求する。
【0066】
外部アプリケーション部54は、要求に応じたHTMLデータを生成する。ここでは、文書管理アプリケーションに対応する操作画面を示すHTMLデータを生成する必要がある。文書管理アプリケーションは複合機21に格納されている処理対象画像データに対して印刷等の処理を行うためのものであるため、外部アプリケーション部54は、複合機21に格納されている処理対処画像データで示される画像を含み、ユーザに処理対象となる画像の選択を促す操作画面に対応するHTMLデータを生成するものとする。
【0067】
まず、外部アプリケーション部54は、上記のようなHTMLデータを生成するために、複合機21の第1記憶部61に格納されている処理対象画像データのリストの要求(画像リスト取得要求)を複合機21に送信する(S212)。
【0068】
画像リスト取得要求は、HTTP GETもしくはPOST、SOAP(Simple Object Access Protocol)などの方法を用いることができる。ここでは、SOAPを用いた例を説明する。図5は、SOAPを用いたGetFileListと呼ばれる画像リスト取得要求のコマンドのサンプルを示す図である。
【0069】
画像リスト取得要求を受けた複合機21の第2通信部22は、第2ウェブサーバ部8を介して制御アプリケーション部23へ当該要求を伝達する(S203)。そして、第2ウェブサーバ部8により起動された制御アプリケーション部23は、要求のコマンドを解析し、解析結果に基づいて生成した画像リスト取得要求のための制御コマンドを機器制御部7に送る。
【0070】
機器制御部7は、制御アプリケーション部23から画像リスト取得要求のコマンドを受け付けた場合、以下のような処理を行う。
【0071】
まず、第1記憶部61に格納されている処理対象画像データの各々を識別するための識別情報を生成する。さらに、機器制御部7は、処理対象画像データの各々に対応する表示用画像データが第2記憶部62に格納されているか確認し、格納されていない場合には、画像処理部9に対して表示用画像データの生成を指示する。そして、機器制御部7は、画像処理部9により生成された表示用画像データを第2記憶部62に格納する。これにより、機器制御部7は、処理対象画像データの各々に対応する表示用画像データを第2記憶部62に格納することができる。
【0072】
その後、機器制御部7は、第1記憶部61に格納されている処理対象画像データの各々について、識別情報と、当該識別情報で識別される処理対象画像データに対応する表示用画像データの位置を示すURL(位置情報)とを対応付けた画像リスト情報を生成し、制御アプリケーション部23に応答する。ここで、表示用画像データの位置を示すURLに含まれるIPアドレスにはループバックアドレス(例えば、127.0.0.1)を用いる。
【0073】
その後、制御アプリケーション部23は、画像リスト情報を、第2ウェブサーバ部8および第2通信部22を介して情報処理装置51に送信する(S204)。図6は、SOAPを用いたGetFileListに対するレスポンスのサンプルを示す図である。図6では、識別情報「sample」と位置情報「http://127.0.0.1/tmp/file1.png」とが対応し、識別情報「sample2」と位置情報「http://127.0.0.1/tmp/file2.png」とが対応したリスト情報が含まれている。
【0074】
次に、外部アプリケーション部54は、第1通信部52および第1ウェブサーバ部53を介して、複合機21から画像リスト情報を受信する(S213)。そして、外部アプリケーション部54は、受信した画像リスト情報に基づいて操作画面のHTMLデータを生成する。例えば、外部アプリケーション部54は、取得した画像リスト情報の中の位置情報であるURLを画像のURLとして含む操作画面のHTMLデータを生成する。図7は、HTMLデータの一例を示す図である。図7において、"img src"が画像のURLを示している。そして、外部アプリケーション部54は、生成したHTMLデータを複合機21に送信する(S214)。
【0075】
複合機21では、ウェブブラウザ部5がHTMLデータを受信し、当該HTMLデータに従った処理を行う。すなわち、ウェブブラウザ部5は、「img src="http://127.0.0.1/tmp/file1.png"」および「img src="http://127.0.0.1/tmp/file2.png"」に従って操作画面に含める画像を取得する。ここでは、画像のURLが「http://127.0.0.1・・・」のようにループバックアドレスで示されるため、ウェブブラウザ部5は、自装置内のウェブサーバである第2ウェブサーバ部8にアクセスし、URLで示される画像データを第2ウェブサーバ部8から受け取る。これにより、ウェブブラウザ部5は、図8に示されるように、第2記憶部62に格納されている表示用画像データで示される画像81・82を含む操作画面を表示部10に表示させることができる(S205)。
【0076】
その後、操作画面において画像が選択されると、ウェブブラウザ部5は、選択された画像を示す選択情報を外部アプリケーション部54に送る。そして、外部アプリケーション部54は、当該選択情報で示される画像に対応する識別情報を特定する。外部アプリケーション部54は、当該識別情報で識別される処理対象画像データに対する各種の処理(例えば印刷処理など)の実行を示す制御コマンドを生成し、複合機21に送る。この制御コマンドの送信方法としては、Java(登録商標)Scriptにより制御アプリケーション部23を呼び出す方法や、SOAPなどの方法を用いることができる。これにより、制御アプリケーション部23は、当該制御コマンドを機器制御部7に通知する。機器制御部7は、受けた制御コマンドに従って、指定された処理対象画像データを第1記憶部61から読み出し、指示された処理(印刷処理など)の実行を開始するように各部を制御する。
【0077】
また、外部アプリケーション部54と複合機21との連携処理の終了後、複合機21の操作画面が図4のような初期画面に変更されると、機器制御部7は、第2記憶部62に格納されている表示用画像データを削除する。これにより、不要なデータが第2記憶部62に残存されず、複合機21の記憶領域を圧迫することがなくなる。なお、機器制御部7は、外部アプリケーション部54からの終了通知を複合機21が受信したことにより、連携処理が終了したものと判断することができる。
【0078】
このように、本実施形態によれば、表示用画像データを予め複合機21で作成しておき、第2記憶部62に格納しておく。そして、機器制御部7は、表示用画像データの位置を示す位置情報を生成し、外部アプリケーション部54に送信する。これにより、外部アプリケーション部54がHTMLデータの中に位置情報のみを含めることで、ウェブブラウザ部5は、当該HTMLデータに従って、第2記憶部62から表示用画像データを取得し、当該表示用画像データで示される画像を含む操作画面を表示部10に表示することができる。すなわち、複合機21と外部アプリケーションとの間で画像データ自体を送受信する必要がないため、HTMLデータを生成するための時間を短縮することができる。
【0079】
また、表示用画像データは、第2ウェブサーバ部8からアクセス可能な第2記憶部62に格納される。そのため、位置情報としてURLを用いることができる。この結果、ウェブブラウザ部5は、URLに基づいて、第2ウェブサーバ部8から表示用画像データを取得することができる。
【0080】
さらに、表示用画像データの位置情報を示すURLには、IPアドレスとして、複合機21に固有のIPアドレスではなく、ループバックアドレスを用いている。そのため、S214で送信されるHTMLデータを別の機器が不正に取得したとしても、当該別の機器は、HTMLデータの中の位置情報に基づいて、複合機21の表示用画像データを取得することができない。すなわち、自装置のウェブブラウザ部5のみがHTMLデータに従って正常に表示用画像データを取得して表示することができ、他の機器から表示用画像データへの不正なアクセスを防止することができる。
【0081】
<実施形態2>
上記の実施形態では、表示用画像データの位置情報を含む操作画面データを外部アプリケーション部54が作成し、当該操作画面データが情報処理装置51の第1ウェブサーバ部53から複合機21に送信されるものとして説明した。しかしながら、外部アプリケーション部54は、表示用画像データの位置情報を操作画面データに組み込まれるような処理の実行指示を含むデータをウェブブラウザ部5に送り、複合機21側で表示用画像データの位置情報を含む操作画面データを作成してもよい。以下、複合機21側で表示用画像データの位置情報を含む操作画面データを作成する形態について説明する。
【0082】
図9は、本実施形態において表示用画像データで示される画像を含む操作画面を表示する処理の流れを示す図である。なお、本実施形態の複合機21および情報処理装置51を構成する各部は、上記実施形態1の構成と同一である。
【0083】
まず、入力部11に連携操作モードの起動指示が入力され、かつ、実行すべき外部アプリケーションが選択されると、機器制御部7は、選択された外部アプリケーション(ここでは、文書管理アプリケーションが選択されたとする)に対応するURLを特定する。そして、機器制御部7は、特定したURLにアクセスするようにウェブブラウザ部5を起動する。これにより、ウェブブラウザ部5は、第2通信部22を介して、URLで示される情報処理装置51の外部アプリケーションに対して、文書管理アプリケーションについての初期操作画面の送信を要求するHTTP Getコマンドを送信する(S11)。
【0084】
S11のHTTP Getコマンドを受けた外部アプリケーション部54および第1ウェブサーバ部53は、当該コマンドに対応する、文書管理の初期操作画面に対応するHTMLデータを複合機21に返信する(S12)。図10は、S12で応答されるHTMLデータの一例を示す図である。なお、図10において、左に「01」〜「18」までの数字を記載しているが、これは説明のために便宜上記載したものであり、HTMLデータに含まれるものではない。
【0085】
図10に示されるようなHTMLデータを受けたウェブブラウザ部5は、当該HTMLデータを解析する。図10の09行目には、ループバックアドレスを使用して第2ウェブサーバ部8を介して制御アプリケーション部23を呼び出すためのリンクが存在する。そのため、ウェブブラウザ部5は、操作画面を表示する前に、この09行目の処理を先に行う。
【0086】
09行目には<script>タグが記載されている。<script>タグは一般的にはJava(登録商標)Scriptのファイルを取得するために使用されるが、リスト取得要求がHTTP Getリクエストで行われることを利用して、制御アプリケーション部23のサービスを呼び出す手法として使用されることもある。すなわち、<script>タグには、ループバックアドレスが記載されている。そのため、ウェブブラウザ部5は、自装置内の第2ウェブサーバ部8へアクセスする。そして、ウェブブラウザ部5は、第2ウェブサーバ部8上で動作する制御アプリケーション部23に対して、<script>タグの中のURLで示されるGetFileList(画像リスト)を要求する処理を実行させる(S13)。このようなアプローチは、JSONP(Java(登録商標)Script Object Notation with Padding)と呼ばれるもので公知の技術である。
【0087】
制御アプリケーション部23は、機器制御部7を呼び出し、画像リスト取得要求のコマンドを送る(S14)。画像リスト取得要求のコマンドを受け付けた機器制御部7は、実施形態1と同様の処理を行う。
【0088】
すなわち、機器制御部7は、処理対象画像データの各々に対応する表示用画像データが第2記憶部62に格納されるように、画像処理部9の動作および第2記憶部62への書込みを制御する。さらに、機器制御部7は、第1記憶部61に格納されている処理対象画像データの各々について、識別情報と、当該識別情報で識別される処理対象画像データに対応する表示用画像データの位置を示すURL(位置情報)とを対応付けた画像リスト情報を生成し、制御アプリケーション部23に応答する(S15)。ここで、表示用画像データの位置を示すURLに含まれるIPアドレスにはループバックアドレス(例えば、127.0.0.1)を用いる。
【0089】
制御アプリケーション部23は、取得した画像リスト情報を、図10の04行目のDispUIという関数を呼び出すJava(登録商標)Scriptとして、第2ウェブサーバ部8を介してウェブブラウザ部5に応答する(S16)。なお、画像リスト情報は、DispUI Java(登録商標)Script関数の引数であるjsondataに格納される。このような手法もJSONPとして公知の技術である。
【0090】
そして、ウェブブラウザ部5は、図10のDispUIという関数を実行することにより、15行目に画像リスト情報で示される位置情報が挿入され、図7と同様の操作画面データを生成することができる。その結果、ウェブブラウザ部は、図8のような操作画面を表示部10に表示することとなる(S17)。
【0091】
その後、外部アプリケーション部54と複合機21との連携処理が終了し、複合機21の操作画面が図4のような初期画面に変更されると、機器制御部7は、第2記憶部62に格納されている表示用画像データを削除する。
【0092】
このように、本実施形態でも、表示用画像データを予め複合機21で作成しておき、第2記憶部62に格納しておく。そして、表示用画像データの位置を示す位置情報が操作画面データに組み込まれるような処理が制御アプリケーション部23で実行されるような指示を第1ウェブサーバ部53が複合機21のウェブブラウザ部5に送る。これにより、ウェブブラウザ部5は、当該指示に従って、機器制御部7により生成された、表示用画像データの位置情報を取得し、取得した位置情報を含む操作画面データを生成する。そのため、ウェブブラウザ部5は、当該操作画面データに従って、第2記憶部62から表示用画像データを取得し、当該表示用画像データで示される画像を含む操作画面を表示部10に表示することができる。すなわち、複合機21と外部アプリケーション部54との間で画像データ自体を送受信する必要がないため、HTMLデータを生成するための時間を短縮することができる。
【0093】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0094】
最後に、複合機21および情報処理装置51の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0095】
すなわち、複合機21および情報処理装置51は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記複合機21および情報処理装置51に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0096】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0097】
また、複合機21および情報処理装置51を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、複写、スキャン、FAXなどの複数の機能を実現する複合機に適用できる。
【符号の説明】
【0099】
2 画像読取部
3 画像形成部
4 操作部
5 ウェブブラウザ部
7 機器制御部(制御部)
8 第2ウェブサーバ部
9 画像処理部
10 表示部
11 入力部
21 複合機
22 第2通信部
23 制御アプリケーション部
50 通信ネットワーク
51 情報処理装置
52 第1通信部
53 第1ウェブサーバ部
54 外部アプリケーション部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブサーバのソフトウェアに従って動作する第1ウェブサーバ部を備えた情報処理装置と通信ネットワークを介して通信し、上記情報処理装置で実行される外部アプリケーションと連携した連携処理を行う複合機であって、
表示部と、
ウェブブラウザのソフトウェアに従って動作し、上記第1ウェブサーバ部から受けたデータに従って上記表示部に画面を表示するウェブブラウザ部と、
処理対象となる処理対象画像データを記憶する第1記憶部と、
上記処理対象画像データに対応し、画像を上記表示部に表示させるための表示用画像データを記憶する第2記憶部と、
上記第2記憶部に格納されている表示用画像データの位置を示す位置情報を生成する制御部とを備え、
上記ウェブブラウザ部は、上記制御部により生成された位置情報を含む操作画面データに従って、当該位置情報で示される表示用画像データを上記第2記憶部から取得し、当該表示用画像データで示される画像を含む操作画面を上記表示部に表示する操作画面表示処理を行うことを特徴とする複合機。
【請求項2】
ウェブサーバのソフトウェアに従って動作し、上記第2記憶部にアクセス可能な第2ウェブサーバ部を備え、
上記位置情報は、上記第2ウェブサーバ部を介して上記表示用画像データを取得するためのURL(uniform resource locator)であることを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項3】
上記URLは、上記複合機のIPアドレスとしてループバックアドレスを含むことを特徴とする請求項2に記載の複合機。
【請求項4】
上記制御部は、表示用画像データのリストの取得要求を上記外部アプリケーションから受け付け、上記取得要求を受け付けると、上記位置情報を生成して上記情報処理装置に送信し、
上記ウェブブラウザ部は、上記情報処理装置が上記制御部から受信した位置情報に基づいて当該情報処理装置により生成された、当該位置情報を含む操作画面データを上記情報処理装置から受信し、受信した操作画面データに従って上記操作画面表示処理を行うことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の複合機。
【請求項5】
上記ウェブブラウザ部は、上記第1ウェブサーバ部から、上記表示用画像データの位置情報が操作画面データに組み込まれるような処理の実行指示を受信し、当該実行指示に従って、上記制御部から上記表示用画像データの位置情報を取得し、取得した位置情報を含む操作画面データを生成することにより、生成した操作画面データに従って上記操作画面表示処理を行うことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の複合機。
【請求項6】
処理対象画像データに画像処理を施すことで表示用画像データを生成する画像処理部を備え、
上記制御部は、第1記憶部に格納されている処理対象画像データに対応する表示用画像データが第2記憶部に格納されていない場合、上記画像処理部を制御して表示用画像データを生成させ、第2記憶部に格納することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の複合機。
【請求項7】
上記制御部は、上記連携処理の終了後に、上記第2記憶部の中から表示用画像データを削除することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の複合機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−70180(P2012−70180A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212600(P2010−212600)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】