説明

複合熱交換器

【課題】 サブラジエータ15を小型にし、配置スペースを狭くし、レイアウトの自由度を高め、水冷コンデンサ25とコンデンサ27との接続配管時に充分な作業スペースと配管取り付け調整代を得る。
【解決手段】 車載発熱体11.13を冷却水で冷却する第1熱交換器15と、この冷却水を気液分離するデガスタンク17と、車室空調用の冷媒を車載発熱体11.13用の冷却水で冷却する第2熱交換器25と、第2熱交換器25からの冷媒を外気で冷却する第3熱交換器27とを有する複合熱交換器において、第2熱交換器25をデガスタンク17に内蔵させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両(HEV)や電気気動車(EV)の冷却システムなどに用いられる複合熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ハイブリッド車両(HEV)や電気気動車(EV)においても、小型化、軽量化、省燃費化などの要求は極めて強く、これらの車両に用いられる冷却システムでは、冷却システムを構成する複数個の熱交換器を一体に組み合わせた複合熱交換器が用いられている。
【0003】
特許文献1に従来の複合熱交換器(車両用マルチタイプ熱交換器)が開示されており、図7はこれと同等に構成された複合熱交換器101を示している。
【0004】
複合熱交換器101が用いられている冷却システムは、車両駆動用の電動機103とインバータ105とコンバータなどからなる動力回路を冷却水で冷却する動力回路冷却システムと、車室用の空調システムと、エンジン107を冷却水で冷却するエンジン冷却システムから構成されている。
【0005】
動力回路冷却システムにおいて、電動ポンプによってメイン循環回路を循環する冷却水は動力回路を冷却し、外気によってサブラジエータ109で空冷されると共に、メイン循環回路と並列に設けられたサブ回路からデガスタンク111に送られ空気が分離されてメイン循環回路へ戻る。また、車室用空調システムにおいて、コンプレッサ113で圧縮された冷媒は、サブラジエータ109に内蔵された水冷コンデンサ115で水冷された後、コンデンサ117で空冷され、膨張弁からエバポレータへ移動する。また、エンジン冷却システムにおいてエンジン107を冷却した冷却水はラジエータ119で空冷される。
【0006】
また、複合熱交換器101では、上下に一体にされたサブラジエータ109とコンデンサ117をラジエータ119の一側に配置して一体に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許4175918号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の複合熱交換器101では、上記のように、水冷コンデンサ115をサブラジエータ109に内蔵させたことによってサブラジエータ109のタンクサイズが大型化しており、それだけ広い配置スペースが必要になる上に、レイアウト上の自由度が低下する。
【0009】
また、サブラジエータ109とコンデンサ117を上下に配置し、水冷コンデンサ115をサブラジエータ109に内蔵させたので、水冷コンデンサ115とコンデンサ117との距離が近すぎて、これらの配管を接続するに当たって充分な作業スペース及び配管の取り付け調整代が得られない。
【0010】
また、コンデンサ117の上部に配置されたサブラジエータ109に水冷コンデンサ115を内蔵させた構成では、車室用空調システムのコンプレッサ113と水冷コンデンサ115との鉛直方向寸法を充分に大きくすることが不可能であり、このような状態では冷媒に含まれたオイルが逃げ易い。
【0011】
また、走行中に取り入れる外気によって冷却されるサブラジエータ109(水冷コンデンサ115)とコンデンサ117とラジエータ119は車両の前方に配置されるが、水冷コンデンサ115とコンデンサ117とを接続する配管が前方に突き出していると、車両が軽度の衝突や接触を起こしただけでも突き出した配管がダメージを受け易い。
【0012】
そこで、この発明は、サブラジエータの小型化によって狭いスペースに配置可能にし、レイアウト上の自由度を高め、水冷コンデンサとコンデンサとを適度な距離を介して配置し、配管時に充分な作業スペースと配管取り付け調整代を得ると共に、コンプレッサ113と水冷コンデンサ115との鉛直方向寸法を充分に大きくしてオイルのロスを軽減し、配管の前方への突き出しを回避する複合熱交換器の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の複合熱交換器は、車載発熱体を冷却する冷却水と外気との間で熱交換する第1熱交換器と、前記冷却水を気液分離するデガスタンクと、車室空調用の冷媒を前記車載発熱体用の冷却水で冷却する第2熱交換器と、前記第2熱交換器からの冷媒を外気で冷却する第3熱交換器とを有し、前記第2熱交換器を前記デガスタンクの内部に配置し、冷却水で冷媒を冷却するように構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項2の複合熱交換器は、請求項1に記載された発明であって、前記第2熱交換器は、そのコアの間に設けられた冷却水通路が、前記デガスタンクの冷却水の流れ方向とほぼ平行に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項3の複合熱交換器は、請求項1または請求項2に記載された発明であって、前記デガスタンクには、仕切り板によって、冷却水の流入ポートを有する流入側区画と冷却水の流出ポートを有する流出側区画とを含む複数の区画が形成されており、前記第2熱交換器は、流出側区画の前記流出ポートに近接して配置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項4の複合熱交換器は、請求項3に記載された発明であって、前記流入側区画と流出側区画は、冷却水の流れ線上で互いに最も離れた箇所に設けられていると共に、前記流入側区画の流入ポートは前記デガスタンクの上部に設けられ、前記流出側区画の流出ポートは前記デガスタンクの底部に設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項5の複合熱交換器は、請求項3または請求項4に記載された発明であって、前記仕切り板には、下流側の区画へ冷却水を流す冷却水流路が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項6の複合熱交換器は、請求項5に記載された発明であって、前記仕切り板の冷却水流路は、前記第2熱交換器の上端部より上方に配置されていることを特徴とする。
【0019】
請求項7の複合熱交換器は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載された発明であって、前記デガスタンクが、前記第3熱交換器より上方に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の複合熱交換器は、第2熱交換器(水冷コンデンサ)をデガスタンクの内部に配置したことにより、従来例と異なって、第2熱交換器を内蔵しない第1熱交換器(サブラジエータ)が小型化されて狭いスペースに配置可能になり、レイアウト上の自由度が向上している。
【0021】
また、デガスタンクは、一般に冷却システムの最上部に配置されており、従って、デガスタンクに内蔵された第2熱交換器と、第2熱交換器からの冷媒を外気で冷却する第3熱交換器との間に適度な距離が設けられるから、これらを接続するに当たって充分な作業スペースと配管取り付け調整代が得られる。
【0022】
また、第2熱交換器をデガスタンクに内蔵させた本発明の構成では、従来例と異なって、第2熱交換器と第3熱交換器(空冷コンデンサ)とを接続する配管が前方に突き出すことがなくなり、従って、車両が軽度の衝突や接触を起こした場合でも、これらを接続する配管がダメージを受けることが防止される。
【0023】
また、デガスタンクの内部で第2熱交換器が冷却水と衝突することによって気液分離効率(冷却水から空気を分離させる効率)が向上し、コンプレッサで圧縮された冷媒が内部を循環することによって高温になった第2熱交換器が冷却水と接触することにより、気液分離効率がさらに向上するから、第1熱交換器を用いた冷却システム、例えば、ハイブリッド車両(HEV)や電気気動車(EV)に用いられる動力回路のような車載発熱体を冷却する冷却システムの性能も向上する。
【0024】
請求項2の複合熱交換器は、請求項1の構成と同等の効果が得られる。
【0025】
また、第2熱交換器を、コアの冷却水通路とデガスタンクの冷却水の流れ方向とがほぼ平行になるように配置したことにより、第2熱交換器の周囲で冷却水が乱流を作らない。従って、多量の冷却水がコアを通過し、第2熱交換器(冷媒)が効率よく冷却される。
【0026】
さらに、冷却水の流れ方向とほぼ平行に配置したコアが、下記の仕切り板と同様に機能して気液分離機能(空気の分離機能)を促進させる。
【0027】
請求項3の複合熱交換器は、請求項1または請求項2の構成と同等の効果が得られる。
【0028】
また、仕切り板は、空気の分離を促進させると共に、デガスタンクを複数の区画に分割し、冷却水の流量と流動方向を調整して多量の冷却水を第2熱交換器に導いており、冷却水は流入側区画の流入ポートから流入し、各区画内部を流動し、流出側区画の流出ポートから流出する間に空気が分離される。従って、流出ポートに近接して配置された第2熱交換器は、空気の混入割合が少ない冷却水と接触して効率よく冷却されるから、第2熱交換器を用いた冷却システムの性能も向上する。
【0029】
請求項4の複合熱交換器は、請求項3の構成と同等の効果が得られる。
【0030】
また、流入側区画の流入ポートをデガスタンクの上部に設け、流出側区画の流出ポートをデガスタンクの底部に設けたことによって冷却水の流路が最も長くなり、空気の分離がそれだけ促進されるから、第2熱交換器の冷却効率と、第2熱交換器を用いた冷却システムの性能が向上する。
【0031】
請求項5の複合熱交換器は、請求項3または請求項4の構成と同等の効果が得られる。
【0032】
また、下流側区画へ冷却水を流す冷却水流路(例えば、貫通孔や切り欠き)を設けたことにより、仕切り板による冷却水の流量及び流動方向の調整機能が向上すると共に、冷却水流路を通過する際に空気の分離が促進され、第2熱交換器の冷却効率と、第2熱交換器を用いた冷却システムの性能が向上する。
【0033】
請求項6の複合熱交換器は、請求項5の構成と同等の効果が得られる。
【0034】
また、仕切り板の冷却水流路を第2熱交換器の上端部より上方に配置したことにより、冷却水が第2熱交換器に効率よく導かれるから、第2熱交換器の冷却効率と、第2熱交換器を用いた冷却システムの性能が向上する。
【0035】
請求項7の複合熱交換器は、請求項1〜請求項6の構成と同等の効果が得られる。
【0036】
また、第2熱交換器を内蔵したデガスタンクを第3熱交換器より上方に配置したことにより、コンプレッサと第2熱交換器との鉛直方向寸法を充分に大きくすることが可能になり、冷媒に含まれたオイルの逃げ(ロス)がそれだけ軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】一実施例の複合熱交換器1が用いられた車両冷却システム3を示すブロック図である。
【図2】複合熱交換器1の一部を構成する強電系冷却システム5を示すブロック図である。
【図3】デガスタンク17を示す断面図である。
【図4】デガスタンク17の他の断面図である。
【図5】デガスタンク17を水平に切断して示す断面図である。
【図6】仕切り板33,35の平面図である。
【図7】従来例の複合熱交換器101を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
<一実施例>
図1〜図6によって複合熱交換器1の説明をする。
【0039】
[複合熱交換器1の構成]
図1と図2のように、複合熱交換器1が用いられている冷却システム3は、強電系冷却システム5と、車室用の空調システム7と、エンジン冷却システム9から構成されている。
【0040】
強電系冷却システム5は、車両駆動用の電動機11及びインバータ13及びコンバータなどからなる強電系(車載発熱体)を冷却水で冷却する冷却システムであり、サブラジエータ15(第1の熱交換器)とデガスタンク17と冷却水ポンプ19と、これらを接続して冷却水を循環させるメイン回路21と、メイン回路21から分岐してメイン回路21とデガスタンク17との間で冷却水を循環させるサブ回路23などから構成されており、矢印のように、冷却水ポンプ19からの冷却水は電動機11及びインバータ13及びコンバータを冷却し、サブラジエータ15において、車両の前方から取り入れた外気によって空冷され、冷却水ポンプ19に戻ってメイン回路21を循環する。さらに、冷却水はサブ回路23とデガスタンク17との間で循環し、デガスタンク17で空気を分離(気液分離)してメイン回路21へ戻る。また、デガスタンク17は冷却システム3の最上部に配置されている。
【0041】
車室用の空調システム7は、コンプレッサと、水冷コンデンサ25(第2の熱交換器)と、空冷コンデンサ27(第3熱交換器)と、膨張弁と、エバポレータなどからなり、水冷コンデンサ25は強電系冷却システム5のデガスタンク17に内蔵されている。コンプレッサで圧縮された冷媒は水冷コンデンサ25に送られ、デガスタンク17の内部を流れる冷却水によって水冷された後、コンデンサ27で外気により空冷されて凝縮し、エバポレータで車室の空気と熱交換し、コンプレッサで再び圧縮されて循環する。
【0042】
サブラジエータ15とコンデンサ27は、サブラジエータ15をコンデンサ27の上側にして一体的に形成されており、図1のように、デガスタンク17は空冷コンデンサ27より上方に配置されている。
【0043】
また、エンジン冷却システム9において、冷却水はエンジン29(図2)を冷却し、ラジエータ31で外気によって空冷され、冷却水ポンプに戻って循環する。
【0044】
図3〜図6のように、デガスタンク17は2枚の仕切り板33,35によって流入側区画37と中間区画39と流出側区画41とに区画されており、流入側区画37の上部には冷却水の流入ポート43が設けられ、流出側区画41の底部には流出ポート45が設けられている。このように、流入側区画37の流入ポート43と流出側区画41の流出ポート45は冷却水の流れ線上で互いに最も離れた箇所に設けられている。また、デガスタンク17の最上部には冷却水から分離された空気を外部へ逃がす空気抜きパイプ47が取り付けられている。
【0045】
水冷コンデンサ25は流出側区画41の底部に(流出ポート45に近接して)設置されており、そのコア49には冷媒移送パイプ51,51を介して冷媒が流出入する。また、コア49は冷却水通路53が冷却水の流れ方向(矢印)とほぼ平行になるように配置されており、多量の冷却水が、乱流を作らずに、コア49を通過し冷却するようにされている。
【0046】
また、図6のように、仕切り板33,35には丸孔55,57(冷却水流路)が上下に設けられており、区画37,39の冷却水は丸孔55,57を通って下流側の区画39,41へ移動する。また、図4のように、下側の丸孔57の下端は水冷コンデンサ25(コア49)の上端より上方に配置されている。
【0047】
デガスタンク17の流入ポート43から流入側区画37へ流入した冷却水は、流入側区画37で撹拌されて空気を分離し、仕切り板33の丸孔55,57を通って空気を分離しながら下流の中間区画39へ流入し、同様に、中間区画39で撹拌されて空気を分離し、仕切り板35の丸孔55,57を通って空気を分離しながら下流の流出側区画41へ流入し、流出側区画41で空気を分離すると共に、冷却水通路53を通過してコア49(水冷コンデンサ25)の冷媒を冷却する。
【0048】
[複合熱交換器1の効果]
複合熱交換器1は、水冷コンデンサ25をデガスタンク17の内部に配置したので、水冷コンデンサ25を内蔵しないサブラジエータ15が小型化されて狭いスペースに配置可能になり、レイアウト上の自由度が向上している。
【0049】
また、デガスタンク17に内蔵された水冷コンデンサ25と、水冷コンデンサ25に接続されるコンデンサ27との間に充分な距離が設けられているから、これらの配管を接続するに当たって必要な作業スペース及び配管取り付け調整代が得られている。
【0050】
また、冷却システム3の後方に配置されているデガスタンク17に水冷コンデンサ25を内蔵させた複合熱交換器1では、水冷コンデンサ25とコンデンサ27とを接続する配管が車両の前方に突き出すことがなくなり、従って、車両が軽度の衝突や接触を起こした場合でも、この配管がダメージを受けることが防止される。
【0051】
また、冷却システム3の最上部に配置されたデガスタンク17に水冷コンデンサ25を内蔵させたことによって、水冷コンデンサ25と冷媒用コンプレッサとの鉛直方向寸法が充分に大きくなっているから、冷媒に含まれたオイルの逃げ(ロス)がそれだけ軽減される。
【0052】
また、デガスタンク17の内部で冷却水が水冷コンデンサ25と衝突することによって空気の分離効率が向上し、高温冷媒が内部を循環する水冷コンデンサ25が冷却水と接触することによって空気の分離効率が向上し、コア49が仕切り板33,35と同様に機能して空気の分離をさらに促進させ、その結果、強電系冷却システム5の性能も向上する。
【0053】
また、水冷コンデンサ25を、コア49の冷却水通路53と冷却水の流れ方向とがほぼ平行になるように配置したので、コア49の周囲で冷却水が乱流を作らない。従って、冷却水通路53を通過する多量の冷却水によりコア49を介して冷媒が効率よく冷却され、車室用空調システム7の性能も向上する。
【0054】
また、デガスタンク17の仕切り板33,35は空気の分離を促進させると共に、デガスタンク17を複数の区画37,39,41に分割し、冷却水の流量と流動方向を調整して多量の冷却水を水冷コンデンサ25に導いており、冷却水は流入ポート43から流入し、区画37,39,41を流動し、流出ポート45から流出する間に空気が分離される。従って、流出ポート45に近接して配置された水冷コンデンサ25は空気の混入割合が少ない冷却水と接触して冷媒が効率よく冷却されるから、水冷コンデンサ25を用いた冷却システム7の性能がさらに向上する。
【0055】
また、流入側区画37の流入ポート43をデガスタンク17の上部に設け、流出側区画41の流出ポート45をデガスタンク17の底部に設けたことにより、冷却水の流路が最も長くなって空気の分離がそれだけ促進されるから、水冷コンデンサ25の冷却効率と、冷却システム7の性能がさらに向上する。
【0056】
また、仕切り板33,35に下流側区画へ冷却水を流す丸孔55,57を設けたことによって仕切り板33,35による冷却水の流量及び流動方向の調整機能が向上すると共に、丸孔55,57を通過する際に空気の分離が促進され、水冷コンデンサ25の冷却効率と、冷却システム7の性能がさらに向上する。
【0057】
また、仕切り板33,35の丸孔55,57を水冷コンデンサ25の上端より上方に配置したことによって水冷コンデンサ25に冷却水が効率よく導かれるから、水冷コンデンサ25の冷却効率と、冷却システム7の性能がさらに向上する。
【0058】
また、複合熱交換器1は、上記のような本発明の効果を得ながら、水冷コンデンサ25とコンデンサ27とを一体的に形成したことによってコンパクトに構成され、車載性が向上している。
【0059】
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
なお、仕切り板の冷却水流路は、丸孔の他に、任意の形状の貫通孔や、仕切り板の周囲に形成された切り欠きでもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 複合熱交換器
3 複合熱交換器1が用いられた冷却システム
5 強電系冷却システム
7 車室用の空調システム
9 エンジン冷却システム
11 電動機(車載発熱体)
13 インバータ(車載発熱体)
15 サブラジエータ(第1熱交換器)
17 デガスタンク
25 水冷コンデンサ(第2熱交換器)
27 空冷コンデンサ(第3熱交換器)
33,35 仕切り板
37 流入側区画
41 流出側区画
43 冷却水の流入ポート
45 冷却水の流出ポート
49 水冷コンデンサ25のコア
53 コア49の冷却水通路
55,57 仕切り板33,37の冷却水流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載発熱体(11,13)を冷却する冷却水と外気との間で熱交換する第1熱交換器(15)と、前記冷却水を気液分離するデガスタンク(17)と、車室空調用の冷媒を前記車載発熱体(11,13)用の冷却水で冷却する第2熱交換器(25)と、前記第2熱交換器(25)からの冷媒を外気で冷却する第3熱交換器(27)とを有し、
前記第2熱交換器(25)を前記デガスタンク(17)の内部に配置し、冷却水で冷媒を冷却するように構成したことを特徴とする複合熱交換器(1)。
【請求項2】
請求項1に記載された複合熱交換器(1)であって、
前記第2熱交換器(25)は、そのコア(49)の間に設けられた冷却水通路(53)が、前記デガスタンク(17)の冷却水の流れ方向とほぼ平行に配置されていることを特徴とする複合熱交換器(1)。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載された複合熱交換器(1)であって、
前記デガスタンク(17)には、仕切り板(33,35)によって、冷却水の流入ポート(43)を有する流入側区画(37)と冷却水の流出ポート(45)を有する流出側区画(41)とを含む複数の区画(37,39,41)が形成されており、
前記第2熱交換器(25)は、流出側区画(41)の前記流出ポート(45)に近接して配置されていることを特徴とする複合熱交換器(1)。
【請求項4】
請求項3に記載された複合熱交換器(1)であって、
前記流入側区画(37)と流出側区画(41)は、冷却水の流れ線上で互いに最も離れた箇所に設けられていると共に、
前記流入側区画(37)の流入ポート(43)は前記デガスタンク(17)の上部に設けられ、前記流出側区画(41)の流出ポート(45)は前記デガスタンク(17)の底部に設けられていることを特徴とする複合熱交換器(1)。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載された複合熱交換器(1)であって、
前記仕切り板(33,35)には、下流側の区画(39,41)へ冷却水を流す冷却水流路(55,57)が設けられていることを特徴とする複合熱交換器(1)。
【請求項6】
請求項5に記載された複合熱交換器(1)であって、
前記仕切り板(33,35)の冷却水流路(55,57)は、前記第2熱交換器(25)の上端部より上方に配置されていることを特徴とする複合熱交換器(1)。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載された複合熱交換器(1)であって、
前記デガスタンク(17)が、前記第3熱交換器(27)より上方に配置されていることを特徴とする複合熱交換器(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−218680(P2012−218680A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89315(P2011−89315)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】