説明

複合粒子及びその製造方法、ならびに化粧料

【解決手段】核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子。
【効果】本発明によれば、のび、柔らかさ、つき、混ざり具合が良好で、肌の形態補正効果に優れる複合粒子及びその製造方法、ならびにこの複合粒子を含有する化粧料を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子及びその製造方法、ならびにこの複合粒子を含有する化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ファンデーション等のメークアップ化粧料は、肌のシワ、毛穴、キメの荒さ等の形態トラブルや肌のシミ、ソバカス等の色調トラブルを隠し、肌をなめらかに、美しく見せるためのものであり、近年では人工的でない自然な仕上り感(素肌感)が重視されている。また、化粧料の自然な仕上り感は、不自然な光沢(つや)がなく、化粧膜のつきの均一性に優れ、高い透明性を有する場合に評される。従来、前記のメークアップ化粧料の効果を踏襲させつつも、自然な仕上がり感を得るため、多くの新素材や新技術の提案がなされている。特に、形態トラブルを隠す方法としては、各種の拡散反射型粉体を配合した化粧料が知られている。特開平6−128122号公報(特許文献1)には、粘着性物質を含有する第一層用メークアップ下地料と、光を拡散反射する粉体を含有する第二層用メークアップ仕上料とを組み合わせたシワ隠し用重層化粧料が提案されている。このシワ隠し用重層化粧料には、例えばタルク粒子をアクリル系ポリマーで被覆した光拡散反射型複合粉体が用いられている。
【0003】
しかしながら、この化粧料では、肌上で化粧膜を長時間保持した場合、皮脂が粘着性物質と混合することによって粉体と粘着性物質との適正混合範囲から外れ、その効果が低減してしまうという欠点があった。国際公開第92/03119号パンフレット(特許文献2)には、天然雲母等の薄片状物質の表面に球状の微粒子シリカが被覆されてなる薄片状微粉末が開示されている。この薄片状微粉末は、光の表面拡散散乱効果が大きい球状微粒子を用いているので、この薄片状微粉末を化粧料配合剤として用いると、「基質雲母の角の光沢を抑制するとともに、小皺を目立たなくする等のいわゆるソフトフォーカス効果を発揮することができる。また、使用時のすべり性や感触等も一段と改善された化粧品を得ることができる。」という技術的効果が奏されるとされている。
【0004】
しかしながら、該薄片状微粉末の滑り性が非常に優れるがゆえに、これを配合した化粧料は塗布時によれが生じ易く、化粧料を均一に塗布することが困難であり、自然な仕上りが得られないという欠点があった。さらに、被覆剤として使用される微粒子シリカは、該複合粉体の肌との接触面積を低下させるため、肌に対する付着性を低下させ、衣服によるすれ等の物理的衝撃によって該複合粉体を肌上より剥がれ落ち易くさせ、化粧料効果の持続性を低下させるという欠点があった。また、該薄片状微粉末中の微粒子シリカの比率を低下させ該複合粉体の肌に対する付着性を向上させようとすると、形態トラブルに対する効果が充分に得られなくなるという欠点があった。
【0005】
その他、形態トラブルの回避、あるいは、自然な仕上がり感を演出することを目的とするこれらに類する技術としては、薄片状体質顔料をコアとしてこれを有色顔料含有二酸化チタンで被覆し、さらにこれを、光を拡散する粉体で被覆したコアシェル構造の顔料を含有する化粧料(特開平8−188723号公報:特許文献3)、粘土鉱物の表面を水酸化アルミニウムの様な無機金属水酸化物によって被覆した複合粉体を化粧料に配合する技術(特開平9−20609号公報:特許文献4、特開2002−146238号公報:特許文献5)、硫酸バリウム等の屈折率1.6〜1.7の粉体の表面に、高屈折率の金属酸化物で被覆された層を有し、さらにその上に黄酸化鉄、黒酸化鉄及びベンガラから選択される1種又は2種以上で被覆された層を有する粉体を含有する化粧料(特開2003−40737号公報:特許文献6)、シリカゾルと亜鉛酸化物等の複合化によって得られたシリカ/酸化亜鉛複合体を化粧料に配合する化粧料(特許3702072号公報:特許文献7)等がある。
【0006】
しかしながら、これら複合粉体は、その光拡散効果により、ある程度のソフトフォーカス効果を発現するものの、無機金属酸化物あるいは無機金属水酸化物から構成されている為、化粧料の使用感という点に着目した場合、その複合粉体自体の硬さから、柔らかさ、しっとりさ、なめらかさ等で、充分に満足が得られるものではなかった。一方、化粧料粉体の使用感の改善、すなわち、さらさら感、なめらかさ等の使用感、伸展性、付着性等を付与する目的で、特開2002−69329号公報(特許文献8)には、鱗片状無機粒子の粒子表面をポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、シリコーン系エラストマー、又はポリオレフィン系エラストマーで被覆した粒子が提案されており、柔らかくしっとりとした感触が得られるとされている。
【0007】
しかしながら、シリコーン系エラストマーで被覆した粒子は、具体的には例示されていない。別の文献では、粒子の表面にシリコーンエラストマーを付着、被覆した粒子及びその製造方法が提案されている。特開平8−3451号公報(特許文献9)には、反応性官能基を有するシリコーンエラストマーとシリカとを粉砕混合する方法が提案されているが、母粒子となるシリカ粒子は粉砕されるため、初期の形状、粒径を維持した粒子を得ることができない。すなわち、球状、板状、棒状等特定の形状をした粒子を得ることはできず、また、粒径をコントロールすることが困難であるという欠点がある。特開平3−294357号公報(特許文献10)には、母粒子とシリコーンエラストマーとなる硬化性シリコーンを混合した後、シリコーンを硬化させる方法が提案されているが、得られる粒子は粒子中に母粒子が複数存在するものである。特開平2−232263号公報(特許文献11)には、母粒子となるシリカ粒子とシリコーンエラストマーとなる硬化性シリコーンの混合物を水に乳化分散した後、シリコーンを硬化させる方法が提案されており、特開平3−281536号公報(特許文献12)には、シリカ粒子水分散液とシリコーンエラストマーとなる硬化性シリコーンの混合物を水に乳化分散させた後、シリコーンを硬化させる方法が提案されているが、粒子中に母粒子が複数存在するものになったり、母粒子を含まない粒子ができたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6−128122号公報
【特許文献2】国際公開第92/03119号パンフレット
【特許文献3】特開平8−188723号公報
【特許文献4】特開平9−20609号公報
【特許文献5】特開2002−146238号公報
【特許文献6】特開2003−40737号公報
【特許文献7】特許3702072号公報
【特許文献8】特開2002−69329号公報
【特許文献9】特開平8−3451号公報
【特許文献10】特開平3−294357号公報
【特許文献11】特開平2−232263号公報
【特許文献12】特開平3−281536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の通り、これまで提案されている技術では、化粧料の自然な仕上がり感と良好な使用感の双方を満足させる粉体を得ることができなかった。つまり、のび、柔らかさ、つき、混ざり具合が良好で、肌の形態補正効果に優れる複合粒子及びその製造方法、ならびにこの複合粒子を含有する化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、任意の核粉体表面に光拡散性を有するシリコーンエラストマーを付着させることにより、肌の形態トラブル改善効果を視覚的に発現でき、シリコーンエラストマー特有のさらさらとして、柔らかく、しっとりした使用感を有し、のび、柔らかさ、つき、混ざり具合が良好で、肌の形態補正効果を付与することができ、これを配合した化粧料も同様の効果を有することを知見し、本発明をなすに至ったものである。また、シリコーンエラストマーを付着させる際に、シリコーンレジンをバインダーとすることで、前記の効果をより得ることができる。
【0011】
従って、本発明は下記複合粒子及びその製造方法、ならびにこの複合粒子を含有する化粧料を提供する。
[1].核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子。
[2].上記核粉体が、無機粉体、有機粉体又は無機・有機複合粉体である[1]記載の複合粒子。
[3].シリコーンレジンをバインダーとして、核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる[1]又は[2]記載の複合粒子。
[4].核粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液に、酸性物質又はアルカリ性物質と、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、この化合物を加水分解・縮合反応させることによって、核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着させた[3]記載の複合粒子。
[5].上記混合水分散液が、さらに界面活性剤を含有することを特徴とする[4]記載の複合粒子。
[6].核粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液に、酸性物質又はアルカリ性物質と、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、この化合物を加水分解・縮合反応させることを特徴とする、核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子の製造方法。
[7].上記混合水分散液が、さらに界面活性剤を含有することを特徴とする[6]記載の複合粒子の製造方法。
[8].請求項1〜5のいずれかに記載の複合粒子を含有する化粧料。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、のび、柔らかさ、つき、混ざり具合が良好で、肌の形態補正効果に優れる複合粒子及びその製造方法、ならびにこの複合粒子を含有する化粧料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1で得られた複合粒子の電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例2で得られた複合粒子の電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について、I.複合粒子、II.複合粒子の製造法、III.複合粒子を含有する化粧料の順に詳細に説明する。
【0015】
I.複合粒子
本発明の複合粒子は、核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなり、好適にはシリコーンレジンをバインダーとして、シリコーンエラストマーを付着してなる粒子である。
【0016】
[核粉体]
核粉体は、無機粒子、有機粒子又は無機・有機複合粒子のいずれでもよく、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、化粧料に実質的に使用可能な粉体及び全範囲の粒子径のものが適用できる。また、その幾何学的態様が、通常化粧料に用いられるものであれば、球状、多面体状、紡錘状、針状、板状等いずれの形状でもよく、また、無孔質、多孔質のいずれでもよい。
【0017】
平均粒径は0.5〜50μmの範囲が好ましく、より好ましくは1〜30μmである。粒径が0.5μmより小さいとさらさら感、なめらかさ等の使用感や伸展性付与の効果が低下する場合があり、50μmより大きいとざらつき感が出る場合がある。なお、平均粒径は、各形状に合わせ、顕微鏡法、光散乱法、レーザー回折法、液相沈降法、電気抵抗法等から適宜選択して測定する。
【0018】
無機粉体としては、酸化チタン、雲母チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、劈開タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、二酸化ケイ素、含水二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックス、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、チッ化ホウ素、チッ化ボロン、ガラス等の粒子が挙げられる。
【0019】
さらに、無機系の顔料が挙げられ、具体例としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料;マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;紺青、群青等の無機青色系顔料;タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの等の有色顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等のパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等の金属粉末顔料が挙げられる。
【0020】
有機粉体としては、ポリアミド、ポリアクリル酸・アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン、ポリメチルベンゾグアナミン、テトラフルオロエチレン、ポリメタクリル酸メチル等のポリメチルメタクリレート、セルロース、シルク、ナイロン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート等の粉体が挙げられる。
【0021】
さらに、界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)が挙げられ、具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等が挙げられる。
【0022】
さらに有機系色素が挙げられ、具体例としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール色素;カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等の天然色素が挙げられる。
【0023】
無機・有機複合粉体としては、化粧品に汎用の無機粉体表面が、公知公用の方法により有機粉体で被覆された複合粉体であってよい。
【0024】
前記核粉体が金属石鹸、シラン、シリコーン、シリコーン樹脂、フッ素化合物、アミノ酸、酸化鉄、酸化チタン、酸化鉄酸化チタン又は水酸化アルミニウムにより、表面処理されていてもよい。特に、他の化粧品用粉体と比較して相対的に高い光拡散効果を発現する粉体を採用した場合には、シリコーンエラストマーの光拡散効果と相俟って、当該複合粒子表面あるいは内部で光を拡散し、肌の皮丘部と皮溝部との明度差を小さくして、シワ等の形態トラブルを隠す効果を一層向上させることができる。当該粉体として、例えば、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化鉄処理硫酸バリウム、酸化チタン処理硫酸バリウム、酸化鉄酸化チタン処理硫酸バリウム、水酸化アルミニウム処理マイカ、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられる。また、薄く均一に、柔らかく、滑らかに広がる点から、マイカ、セリサイト、タルク、劈開タルク、雲母チタン、酸化鉄処理雲母チタン等も好ましい。
【0025】
[シリコーンエラストマー]
本発明において、核粉体表面に付着しているシリコーンエラストマーは、どのような形状で付着してもよい。また、粉体の表面に付着している密度も、本発明が達成するところの効果を発現する場合においては、特に限定はない。すなわち、粒子状のシリコーンエラストマーが粉体表面にまばらに付着、粒子状のシリコーンエラストマーが粉体表面を隙間なく被覆付着、粒子形状を持たないシリコーンエラストマーがネット状で粉体表面に付着、シリコーンエラストマーが皮膜状で粉体表面を隙間なく被覆付着してもよく、これらが組み合わさった状態であってもよい。
【0026】
本発明のシリコーンエラストマーは、例えば、後述する硬化性液状シリコーン組成物を乳化する方法等によって製造されるが、それゆえ形状は球状である場合が多い。反応条件によっては、略球状であっても部分的凝集粒子であっても効果を大きく損なうことはない。また、粒径は、エラストマーの使用感を効果的に発現させる上では、エラストマーを付着させる核粉体より小さいことが好ましい。核粉体より大きいと、粉体のさらさら感、なめらかさ等の使用感、伸展性、付着性等の特性が発現しなくなる場合がある。粒径の小さい方は、特に制限はなく、液状シリコーンを乳化する方法で得られる最小粒径が下限となる。
【0027】
シリコーンエラストマーは、下記式(1)
−(R12SiO2/2n− (1)
(R1は、置換又は非置換の炭素数1〜30の1価炭化水素基であり、nは、5〜5,000の正数である。)
で示される線状オルガノシロキサンブロックを有するゴム弾性体である。ここで、式中の
1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘニコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラシル基、トリアコチル基等のアルキル基;シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の原子及び/又はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基等の置換基で置換した炭化水素基等が挙げられる。
【0028】
シリコーンエラストマーのゴム硬度は、柔らかい方はJIS K 6253に規定されているタイプEデュロメータによる測定で10以上、硬い方はタイプAデュロメータによる測定で、90以下が好ましい。より好ましくはタイプEデュロメータで20以上、タイプAデュロメータで80以下の範囲である。タイプEデュロメータで10未満では、凝集性が高くなり、さらさら感、なめらかさ等の使用感、伸展性が乏しくなる場合がある。また、タイプAデュロメータで90を超えると柔らかな感触が乏しくなる場合がある。さらさら感、なめらかさ等の使用感、伸展性を大きく低下させることがなければ、シリコーンエラストマーはべたつきのあるものでもよい。該シリコーンエラストマーは、その粒子中に、シリコーンオイル、オルガノシラン、シリコーンレジン、無機粒子、有機粒子、炭化水素系の液体油等、化粧品に許容される成分を含有していてもよい。
【0029】
シリコーンエラストマーは、硬化性液状シリコーン組成物から得られるものであるが、その硬化は、メトキシシリル基(≡SiOCH3)とヒドロキシシリル基(≡SiOH)、ヒドロシリル基(≡SiH)とヒドロキシシリル基(≡SiOH)等との縮合反応、メルカプトプロピルシリル基(≡Si−C36SH)とビニルシリル基(≡SiCH=CH2)とのラジカル反応、ビニルシリル基(≡SiCH=CH2)とヒドロシリル基(≡SiH)との付加反応によるもの等が例示されるが、反応性の点から、縮合反応又は付加反応によるものとすることが好ましい。
【0030】
例えば、付加反応による硬化でシリコーンエラストマーとする場合、下記平均組成式(2)
2a3bSiO(4-a-b)/2 (2)
で示される一分子中に1価オレフィン性不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと、下記平均組成式(3)
4cdSiO(4-c-d)/2 (3)
で示される一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、1価オレフィン性不飽和基1個に対しヒドロシリル基が0.5〜2個となるような比率で配合された硬化性液状シリコーン組成物を白金系触媒の存在下において付加重合させればよい。
【0031】
式中、R2は脂肪族不飽和基を除く、置換又は非置換の炭素数1〜30の1価炭化水素基であり、R3は炭素数2〜6の1価オレフィン性不飽和基である。a、bは、0<a<3、0<b≦3、0.1≦a+b≦3で示される正数であり、好ましくは0<a≦2.295、0.005≦b≦2.3、0.5≦a+b≦2.3である。
【0032】
式中、R4は脂肪族不飽和基を除く、置換又は非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基である。c、dは0<c<3、0<d≦3、0.1≦c+d≦3で示される正数であり、好ましくは0<c≦2.295、0.005≦d≦2.3、0.5≦c+d≦2.3である。
【0033】
2としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘニコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラシル基、トリアコチル基等のアルキル基;シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基;及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の原子及び/又はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、カルボキシル基等の置換基で置換した炭化水素基等が挙げられる。R2は、80モル%以上、好ましくは90モル%以上が、アルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基等の反応性のない基であることが好ましい。
【0034】
3としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられるが、工業的にはビニル基であることが好ましい。R4としては、R2と同じものが例示される。
【0035】
前記オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は、1,000,000mm2/sを超えると、後記の製造で、粒径の小さな粒子を得ることができなくなることから、1,000,000mm2/s以下が好ましく、より好ましくは500,000mm2/s以下である。また、オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造としては、直鎖状、環状、分岐状いずれであってもよい。この粘度は毛管粘度計による測定値である。
【0036】
白金系触媒は、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;H2PtCl4・kH2O、H2PtCl6・kH2O、NaHPtCl6・kH2O、KHPtCl6・kH2O、Na2PtCl6・kH2O、K2PtCl4・kH2O、PtCl4・kH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・kH2O(但し、式中、kは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有シロキサンとのコンプレックス等が挙げられる。
【0037】
例えば、縮合反応による硬化でシリコーンエラストマーとする場合、一分子中にケイ素原子に結合したヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンからなる液状シリコーン組成物を縮合触媒の存在下において縮合重合させればよい。
【0038】
シリコーンエラストマーの量は、本発明が達成するところの効果を発現する場合においては、特に限定はないが、より顕著なソフトフォーカス効果、さらさら感、なめらかさ、伸延性、しっとり感、やわらかさ等、良好な使用感を所望する場合には、核粉体100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは1質量部以上であり、さらに好ましくは2質量部以上である。シリコーンエラストマーが多くなると、凝集性が高くなり、さらさら感、なめらかさ等の使用感、伸展性が乏しくなる場合があるので、粉体100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
【0039】
[シリコーンレジン]
本発明においては、シリコーンレジンを、核粉体とシリコーンエラストマーとのバインダーとして用いることが好ましい。シリコーンレジンをバインダーとして、核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子とすることで、シリコーンエラストマーが核粉体表面に固着され、粉体表面から脱落しにくくなり、シリコーンエラストマーの付着の均一性が高まり、より良好な使用感を付与することが可能となる。シリコーンレジンは、核粉体表面及び/又はシリコーンエラストマー表面に部分的に又は全面に付着していてもよい。
【0040】
本発明のシリコーンレジンは、〔R5SiO3/2〕、〔R52SiO2/2〕、〔R53SiO1/2〕及び〔SiO4/2〕から選択され、少なくとも〔R5SiO3/2〕又は〔SiO4/2〕を含む1種又は2種以上の構造単位からなる重合体である。ここで、R5は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の一価有機基である。後述の方法によって、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物の加水分解・縮合反応によりシリコーンレジンを製造するが、一部縮合反応せずにシラノール基が残存するため、正確には、下記シラノール基を含有する構造単位から選択されるものも含む共重合体である。
【0041】
【化1】

【0042】
〔R5SiO3/2〕又は〔SiO4/2〕を含む構造体でないと、レジン状の固体物となり得ない。少なくとも〔R5SiO3/2〕又は〔SiO4/2〕を含み、常温でレジン状の固体物で、かつ後記に示すような化粧料に用いられる油剤に不溶であるならば、前記構造単位の比率、重合度、及び硬度は特に限定されない。ただし、融点が低いと、気温の高い雰囲気での保管時、また乾燥工程において、複合粒子同士が融着するので、融点は50℃以上であることが好ましく、より好ましくは80℃以上である。〔SiO4/2〕単位が多いと滑り性が低下することから、〔R5SiO3/2〕、〔R52SiO2/2〕及び〔R53SiO1/2〕から選ばれ、〔R5SiO3/2〕を含む1種又は2種以上の構造単位からなる重合体が好ましく、さらに50モル%以上が〔R5SiO3/2〕単位である構造が好ましく、より好ましくは70モル%以上である。
【0043】
前記式中のR5としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等のアルキル基;シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の原子及び/又はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基等の置換基で置換した炭化水素基等が挙げられる。後記の方法によって、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物の加水分解・縮合反応によりレジン状シリコーンを製造するが、その縮合反応性の点から、R5は50モル%以上がメチル基であることが好ましく、より好ましくは70モル%以上である。
【0044】
バインダーとしてシリコーンレジンを用いる場合、その量に特に限定はないが、シリコーンエラストマーによる付着の均一性をさらに高める点から、シリコーンエラストマー100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、より好ましくは20質量部以上であり、さらに好ましくは30質量部以上である。また、シリコーンレジンが多くなると、シリコーンエラストマーの柔らかな感触が発現しなくなる場合がある。また、シリコーンエラストマー100質量部に対して、500質量部以下が好ましく、より好ましくは300質量部以下、さらに好ましくは200質量部以下である。
【0045】
本発明の複合粒子は、核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなり、好適にはシリコーンレジンをバインダーとして、シリコーンエラストマーを付着してなる粒子であるが、撥水性の付与、向上や油剤への分散性の向上のために、粒子表面をシリル化剤、シリコーンオイル、ワックス類、パラフィン類、有機フッ素化合物、界面活性剤等で処理されていても問題がない。
【0046】
核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着した状態は、電子顕微鏡で確認することができる。付着したシリコーンエラストマーの粒径は、50nm〜1μmが好ましく、100〜800nmがより好ましい。なお、この粒径は電子顕微鏡により確認することができる。
【0047】
II.複合粒子の製造法
シリコーンレジンをバインダーとして、核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子は、例えば、核粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液に、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、これらの化合物を加水分解・縮合反応させることにより得ることができる。
【0048】
核粉体は、配合される水100質量部に対して、3〜150質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。3質量部未満では効率が悪くなる場合があり、150質量部を超えると混合水分散液の粘度が高くなるため、核粒子にシリコーンエラストマーを付着させにくくなる場合がある。核粉体は、予め水分散液に調製されたものを用いてもよい。
【0049】
シリコーンエラストマーの製造方法には特に限定はなく、公知のシリコーンエラストマーの分散液を調製する方法が用いられる。例えば、硬化性液状シリコーン組成物を、界面活性剤を用いて水中に乳化した後、硬化反応させることによって製造することができる。例えば、付加反応による硬化でシリコーンエラストマーとする場合、前記したオレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとからなる硬化性液状シリコーン組成物に、界面活性剤と水を添加し乳化を行い、エマルジョンとした後に白金系触媒を添加して付加重合させる方法が挙げられる。
【0050】
また、別の方法として、乳化重合で製造した硬化性液状シリコーン組成物を使用する方法が挙げられる。例えば、縮合反応による硬化でシリコーンエラストマーとする場合、一般式[R62SiO]m(R6は置換又は非置換の炭素数1〜30の1価炭化水素基、mは3〜7の数)で示されるシクロポリシロキサンに、界面活性剤と水を添加し乳化を行い、次いで酸を添加して重合反応させた後、アルカリを添加して中和し、直鎖状の分子の両末端にケイ素原子に結合したヒドロキシル基が含有したオルガノポリシロキサンのエマルジョンを製造する。これにオルガノトリアルコキシシラン及び縮合触媒を添加して縮合重合させる方法が挙げられる。
【0051】
前記硬化性液状シリコーン組成物の乳化に用いられる界面活性剤は特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の非イオン性界面活性剤;アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、N−アシルタウリン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、ジアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、芳香族スルホン酸塩ホルマリン縮合物、カルボキシビニルポリマー、スチレンオキシアルキレン酸無水物共重合体等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルジメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、トリポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、モノアルキルアミドアミン塩、カチオン化セルロース等のカチオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルカルボキシベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルカルボキシベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。界面活性剤の使用量は、硬化性液状シリコーン組成物100質量部に対し、0.1〜50質量部の範囲が好ましい。
【0052】
乳化を行う際には、一般的な乳化分散機を用いればよく、その例としては、ホモディスパー等の高速回転遠心放射型攪拌機;ホモミキサー等の高速回転剪断型攪拌機;ホモジナイザー等の高圧噴射式乳化分散機;コロイドミル;超音波乳化機等が挙げられる。
【0053】
得られたシリコーンエラストマーの水分散液は、固液分離させることなく、そのまま使用するのが好ましい。核粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液は、例えば、核粉体、シリコーンエラストマーの分散液、必要に応じて水を混合することにより得ることができる。また、核粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液中には、界面活性剤を含有することが好ましい。前記のようにシリコーンエラストマーを、界面活性剤を用いて製造した場合には、シリコーンエラストマーの水分散液中にすでに界面活性剤は含まれていることになる。場合によっては、核粉体分散性向上や核粉体表面に被覆させるシリコーンエラストマーの均一性を向上させる目的で、さらに追加することが好ましい場合がある。追加する界面活性剤は、特には限定されず、前記した硬化性液状シリコーンの乳化に用いる界面活性剤が例示され、シリコーンエラストマーの水分散液中に配合されているものと同じでも異なっていてもよく、2種以上を追加してもよい。核粉体とシリコーンエラストマーとの混合水分散液中に含有する界面活性剤の量は、水100質量部に対し、0.01〜3質量部が好ましい。
【0054】
酸性物質又はアルカリ性物質は、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、これらの部分縮合物の加水分解・縮合反応のための触媒である。酸性物質又はアルカリ性物質は、少なくとも核粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液に添加する。添加順序は特に限定されず、先に酸性物質又はアルカリ性物質を仕込んでからその他の成分を添加してもよいし、他の成分の一部を仕込んでから酸性物質又はアルカリ性物質を添加し、残りの成分を逐次添加してもよい。
【0055】
酸性物質の添加量は、少なくとも該酸性物質、核粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液のpHが、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.5〜3.5の範囲となる量である。該pHが1.0〜4.0となる量の酸性物質を添加すると、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物の加水分解・縮合反応が十分なものとなる。
【0056】
アルカリ性物質の添加量は、少なくとも該アルカリ性物質、核粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液のpHが、好ましくは10.0〜13.0、より好ましくは10.5〜12.5の範囲となる量である。該pHが10.0〜13.0となる量のアルカリ性物質を添加すると、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物の加水分解・縮合反応が十分なものとなる。
【0057】
酸性物質は特に限定されず、例えば、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸等の酸型界面活性剤;蟻酸、シュウ酸、マロン酸、乳酸、リンゴ酸等のカルボン酸、塩酸;リン酸;硫酸;メタンスルホン酸;トリフロロメタンスルホン酸等を使用することができる。
【0058】
アルカリ性物質は特に限定されず、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;アンモニア;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド;又はモノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン等のアミン類等を使用することができる。
【0059】
中でも、揮発させることにより、得られるシリコーン微粒子の粉末から容易に除去できることから、アンモニアが最も適している。アンモニアとしては、市販されているアンモニア水溶液を用いることができる。
【0060】
アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、これらの部分縮合物は、前記酸性物質又はアルカリ性物質の触媒作用により、加水分解・縮合反応し、本発明のレジン状シリコーンとなる。
【0061】
アルコキシシランは、一般式R5Si(OR73、R52Si(OR72、R53SiOR7及びSi(OR74で示される。式中のR5は前記と同様であり、R7は、非置換の炭素数1〜6の1価炭化水素基であり、R7としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられるが、反応性の点からメチル基であることが好ましい。アルコキシシランR5Si(OR73、R52Si(OR72、R53SiOR7、Si(OR74は、それぞれ、レジン状シリコーンの構造単位〔R5SiO3/2〕、〔R52SiO2/2〕、〔R53SiO1/2〕、〔SiO4/2〕の単位源となる。よって、R5Si(OR73、R52Si(OR72、R53SiOR7、Si(OR74の配合比は、所望とするレジン状シリコーンの構造になるように決定すればよい。すなわち、モル比で、所望とする構造単位〔R5SiO3/2〕:〔R52SiO2/2〕:〔R53SiO1/2〕:〔SiO4/2〕=R5Si(OR73、R52Si(OR72、R53SiOR7、Si(OR74とすればよい。
シラノール基含有シランは、前記アルコキシシランの一般式のR7が、水素である化合物である。アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、これらの縮合物から、所望とする構造単位となるように、適宜選択すればよい。
【0062】
少なくとも核粉体、シリコーンエラストマー、酸性物質又はアルカリ性物質を含む水分散液を攪拌しながら、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を添加し、加水分解・縮合反応させる。アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物は、徐々に滴下して添加してもよく、水に溶解させた形態又は水に分散させた形態で添加してもよく、アルコール等の水溶性有機溶剤を配合したものを添加してもよい。加水分解・縮合反応により、シリコーンレジンが、核粉体の表面及び/又はシリコーンエラストマーの表面上に形成され、それと共に核粉体と、シリコーンエラストマーの付着が起こり、核粉体表面に、レジン状シリコーンをバインダーとして、シリコーンエラストマーを付着させた複合粒子が形成される。
【0063】
攪拌は、強い攪拌とすると該粒子同士の凝集が起こることから、パドル翼、プロペラ翼、後退翼、錨型翼等を用いる緩い攪拌とすることがよいが、核粉体、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物が、水分散液中に分散される攪拌強度は必要とされる。
【0064】
アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を、混合水分散液に添加する時の温度は、0〜60℃であることが好ましく、より好ましくは0〜39℃である。この温度が、0℃より低いと水分散液が凝固するおそれがあり、60℃より高くすると得られた粒子が凝集を起こすおそれがある。
【0065】
粉体表面にシリコーンエラストマーを均一に付着させる目的で、水分散液にアルコール等の水溶性有機溶剤を配合してもよい。シリル化剤により表面処理した粒子とする場合には、仕上がった複合粒子に処理してもよいが、前記のアルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を混合水分散液に添加した後に、シリル化剤を添加して処理してもよい。シリル化剤としては、例えば、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルシラノール基含有シラン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
【0066】
アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を添加終了後、加水分解・縮合反応が終了するまで、しばらく攪拌を続けておくことが好ましい。反応を促進させるために40〜100℃で加熱してもよいし、酸性物質又はアルカリ性物質を追加してもよい。その後必要であれば酸性物質又はアルカリ性物質を投入して中和してもよい。
【0067】
加水分解・縮合反応後、水分を除去する。水分の除去は、例えば、反応後の水分散液を常圧下又は減圧下に加熱することにより行うことができ、具体的には、分散液を加熱下で静置して水分を除去する方法、分散液を加熱下で攪拌流動させながら水分を除去する方法、スプレードライヤーのように熱風気流中に分散液を噴霧、分散させる方法、流動熱媒体を利用する方法等が挙げられる。なお、この操作の前処理として、加熱脱水、加圧ろ過等の濾過分離、遠心分離、デカンテーション等の方法で分散液を濃縮してもよいし、必要ならば分散液を水やアルコール等で洗浄してもよい。
【0068】
反応後の水分散液から水分を除去することにより得られた粉体が凝集している場合には、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル等の粉砕機で解砕又は分級するとよい。
【0069】
III.複合粒子を含有する化粧料
本発明の複合粒子(以下(A)とする)は、各種の化粧料に使用することができ、例えば、スキンケア製品、メークアップ製品、頭髪製品、制汗剤製品、紫外線防御製品等の、特に皮膚や毛髪に外用される化粧料に好適に使用される。該複合粒子の配合割合は特に限定はなく、各製剤にあわせて、化粧料全体に対して0.1〜95.0質量%の範囲で適宜選定される。該化粧料は、通常の化粧料に使用される種々の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。成分としては、例えば(B)油剤、(C)水、(D)アルコール性水酸基を有する化合物、(E)水溶性又は水膨潤性高分子化合物、(F)本発明の複合粒子以外の粒子、(G)界面活性剤、(H)架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物、(I)シリコーン樹脂、(J)シリコーンワックス、その他の添加剤を含んでよい。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0070】
(B)油剤は、固体、半固体、液状、いずれであってもよく、例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂、炭化水素油、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、及びフッ素系油剤を使用することができる。
【0071】
天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、精製キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、スクワラン、スクワレン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、メドウフォーム油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。
【0072】
炭化水素油としては、直鎖状、分岐状、さらに揮発性の炭化水素油等が挙げられ、具体的には、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレンワックス、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、流動パラフィン、流動イソパラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0073】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0074】
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等のグリセライド油が挙げられる。
【0075】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、カプリリルメチコン、フェニルトリメチコン、テトラキストリメチルシロキシシラン、メチルフェニルポリシロキサン,メチルヘキシルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度の直鎖又は分岐状のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン,テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ピロリドン変性オルガノポリシロキサン、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの環状オルガノポリシロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液、ステアロキシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、長鎖アルキル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。
【0076】
フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。(B)油剤の配合量は、剤型に依存して、化粧料全体の1〜98質量%の範囲から適宜選定される。
【0077】
(C)水の配合量は、剤型に依存するが、化粧料全体の1〜95質量%から適宜選定される。
【0078】
(D)アルコール性水酸基を有する化合物としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール;ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等が挙げられる。また、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール;ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、ペンチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。配合量としては、化粧料全体の0.1〜98質量%の範囲から適宜選定される。
【0079】
(E)水溶性又は水膨潤性高分子化合物としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子化合物;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子化合物;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子化合物;カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子化合物;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子化合物;ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子化合物;ポリオキシエチレン系高分子化合物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子化合物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子化合物;ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等他の合成水溶性高分子化合物、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子化合物等が挙げられる。また、これらの水溶性高分子化合物には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。配合量としては、化粧料全体の0.1〜25質量%の範囲が好適である。
【0080】
(F)本発明の複合粒子以外の粒子としては、無機粒子、有機粒子、無機・有機複合粉体、シリコーン樹脂粒子等が挙げられる。無機粒子、樹脂粒子、無機・有機複合粉体としては、前記した本発明で用いられる無機粒子、樹脂粒子、無機・有機複合粉体と同じものが例示される。シリコーン樹脂粒子としては、シリコーンエラストマー粒子、ポリメチルシルセスキオキサン粒子、シリコーンエラストマー粒子表面をポリメチルシルセスキオキサンで被覆してなる粒子等が挙げられる。これらの粉体は、粒子表面をシリル化剤、シリコーンオイル、ワックス類、パラフィン類、有機フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用できる。
【0081】
(G)界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性の活性剤があるが、前記した本発明の複合粒子の製造に用いられるものと同じものが例示される。それらの界面活性剤の中でも、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。これらの界面活性剤において、親水性のポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基又はポリグリセリン残基の含有量が、分子中の10〜70質量%を占めることが好ましい。配合量としては、化粧料全体の0.1〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜10質量%の範囲である。界面活性剤のHLBは、限定されないが2〜14.5が好ましい。
【0082】
(H)架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物において、架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油を含んで膨潤することが好ましい。液状油としては、(B)成分中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、0.65mm2/s(25℃)〜100.0mm2/s(25℃)の低粘度シリコーン油、流動パラフィン、スクワラン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油やトリオクタノイン等のグリセライド油、イソノナン酸イソトリデシル、N−アシルグルタミン酸エステル、ラウロイルサルコシン酸エステル等のエステル油、マカデミアナッツ油等の天然動植物油が挙げられる。また、この架橋型オルガノポリシロキサンの架橋剤は、分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持ち、かつ、ケイ素原子に直接結合した水素原子との間で反応することにより、架橋構造を形成することが好ましい。分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持つものとしては、分子中に二つ以上のビニル基を有するオルガノポリシロキサン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリオキシアルキレン、分子中に二つ以上のアリル基を有するポリグリセリン、α、ω−アルケニルジエン等が挙げられる。また、ポリオキシアルキレン部分、ポリグリセリン部分、長鎖アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、及びフルオロアルキル部分からなる群から選択される少なくとも1種を架橋分子中に含有する架橋型オルガノポリシロキサンを使用することもできる。架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物を用いる場合の配合量としては、化粧料全体の0.1〜80質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜50質量%である。
【0083】
(I)シリコーン樹脂は、アクリル/シリコーングラフト又はブロック共重合体のアクリルシリコーン樹脂であることが好ましい。また、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、カルボン酸等のアニオン部分の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂を使用することもできる。さらにこのシリコーン樹脂は、R83SiO0.5単位とSiO2単位から構成される樹脂、R83SiO0.5単位とR82SiO単位及びSiO2単位から構成される樹脂、R83SiO0.5単位とR8SiO1.5単位から構成される樹脂、R83SiO0.5単位とR82SiO単位及びR8SiO1.5単位から構成される樹脂、R83SiO0.5単位、R82SiO単位、R8SiO1.5単位及びSiO2単位から構成される樹脂からなるシリコーン網状化合物であることが好ましい。式中のR8は、置換又は非置換の炭素数1〜30の1価炭化水素基である。また、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分、ポリグリセリン部分、フルオロアルキル部分、アミノ部分の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有するシリコーン網状化合物使用することもできる。アクリルシリコーン樹脂やシリコーン網状化合物等のシリコーン樹脂を用いる場合の配合量としては、化粧料全体の0.1〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜10質量%である。
【0084】
(J)シリコーンワックスは、アクリル/シリコーングラフト又はブロック共重合体のアクリルシリコーン樹脂であることが好ましい。また、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、カルボン酸等のアニオン部分の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂を使用することもできる。また、このシリコーンワックスは、5員環以上のラクトン化合物が開環重合物であるポリラクトンを結合させたポリラクトン変性ポリシロキサンであることが好ましい。さらに、このシリコーンワックスは、α−オレフィンとジエンからなる不飽和基を有するオレフィンワックスと1分子1個以上のSiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させることによって得られるシリコーン変性オレフィンワックスである。オレフィンワックスのα―オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル1−ペンテン等の炭素原子数2〜12が好ましく、ジエンとしてはブタジエン、イソプレン、1.4ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等が好ましい。SiH結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは直鎖状やシロキサン分岐型等の構造のものが使用できる。
【0085】
その他の添加剤としては、油溶性ゲル化剤、制汗剤、紫外線吸収剤、紫外線吸収散乱剤、保湿剤、抗菌防腐剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物、毛髪用固形化剤等が挙げられる。
【0086】
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン;N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体;デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体;ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0087】
制汗剤としては、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等が挙げられる。
【0088】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸メチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリメチルシクロヘキシル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤;4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤;フェニルベンズイミダゾールスルフォン酸、トリアジン誘導体等が挙げられ、紫外線吸収散乱剤としては微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等、紫外線を吸収散乱する粒子が挙げられ、これらの紫外線を吸収散乱する粒子をあらかじめ油剤に分散させた分散物を用いることもできる。
【0089】
保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファジチルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等が挙げられる。
【0090】
抗菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0091】
塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば、酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等が挙げられる。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等や、さらには、化粧品処方の中で使用される酸−アルカリの中和塩等も使用することができる。
【0092】
酸化防止剤としては、トコフェロール、p−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等が挙げられ、pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられ、キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等挙げられ、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等、抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0093】
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤;ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤;肌荒れ改善剤;ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤;酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤;イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0094】
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類;リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類;L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類;ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類;ビタミンH、ビタミンP、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等が挙げられる。
【0095】
アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられ、核酸としては、デオキシリボ核酸等、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0096】
毛髪用固定化剤としては、両性、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各高分子化合物が挙げられ、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等の、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子化合物、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物が挙げられる。また、セルロース又はその誘導体、ケラチン及びコラーゲン又はその誘導体等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0097】
本発明の化粧料は、粉体、油性、油中水型エマルション、水中油型エマルション、非水エマルション、W/O/WやO/W/O等のマルチエマルション等の形態であってよく、また、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状、ペンシル状等であってよい。また、化粧料の例としては、化粧水、乳液、クリーム、クレンジング、パック、オイルリキッド、マッサージ料、美容液、美容オイル、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム、しわ隠し等のスキンケア化粧料、メークアップ下地、コンシーラー、白粉、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、油性ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメークアップ化粧料、シャンプ−、リンス、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料、制汗剤、日焼け止めオイルや日焼け止め乳液、日焼け止めクリーム等の紫外線防御化粧料が挙げられる。
【0098】
また、これらの化粧料の形状としては、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状、ペンシル状等、種々の形態を選択することができる。
【実施例】
【0099】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、例中、粘度は25℃において測定した値であり、濃度及び含有率を表す「%」は「質量%」を示す。
【0100】
[製造例1]
下記式(1)で示される、粘度が580mm2/sのメチルビニルポリシロキサン450gと下記式(2)で示される、粘度が30mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン18g(ビニル基1個に対しヒドロシリル基が1.1個となる配合量)を容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて混合溶解させた。ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)22gと水45gを加え、ホモミキサーを用いて攪拌したところ、攪拌できない状態にまで増粘した。増粘物を、ホモディスパーを用いて、15分間混練りした。次いで水463gを加え、ホモミキサーを用いて混合したところ、均一な白色エマルジョンが得られた。このエマルジョンを錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量1リットルのガラスフラスコに移し、15〜20℃に温度調整した後、攪拌下に塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5%)0.7g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)1.4gの混合溶解物を添加し、同温度で24時間攪拌し、シリコーンエラストマーの水分散液を得た。得られたシリコーンエラストマーの水分散液をシリコーンエラストマー水分散液−1とする。
【0101】
シリコーンエラストマーの体積平均粒径を、「レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、460nmであった。下記式(1)で示される、粘度が580mm2/sのメチルビニルポリシロキサン、下記式(2)で示される、粘度が30mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン、及び塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5%)を前記の配合割合で混合し、厚みが10mmになるようアルミシャーレに流し込み、25℃で6時間放置後、さらに50℃の恒温槽内で1時間加熱した。得られた硬化物は、べたつきのないゴム弾性体であり、硬度を、デュロメータA硬度計で測定したところ、29であった。
【0102】
【化2】

【0103】
[製造例2]
(製造例2:シリコーンエラストマーの水分散液の製造)
下記式(3)で示される、粘度が4,900mm2/sのメチルビニルポリシロキサン400gと前記式(2)で示される、粘度が30mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン7g(ビニル基1個に対しヒドロシリル基が1.1個となる配合量)を容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて混合溶解させた。ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)62gと水35gを加え、ホモミキサーを用いて攪拌したところ、攪拌できない状態にまで増粘した。増粘物を、ホモディスパーを用いて、15分間混練りした。次いで水494gを加え、ホモミキサーを用いて混合したところ、均一な白色エマルジョンが得られた。このエマルジョンを錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量1リットルのガラスフラスコに移し、15〜20℃に温度調整した後、攪拌下に塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5%)0.6g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)1.2gの混合溶解物を添加し、同温度で24時間攪拌し、シリコーンエラストマーの水分散液を得た。得られたシリコーンエラストマーの水分散液をシリコーンエラストマー水分散液−2とする。
【0104】
シリコーンエラストマーの体積平均粒径を、「レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、190nmであった。下記式(3)で示される、粘度が4,900mm2/sのメチルビニルポリシロキサン、前記式(2)で示される、粘度が30mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン、及び塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5%)を前記の配合割合で混合し、厚みが10mmになるようアルミシャーレに流し込み、25℃で6時間放置後、さらに50℃の恒温槽内で1時間加熱した。得られた硬化物は、べたつきのないゴム弾性体であり、硬度を、デュロメータA硬度計で測定したところ、20であった。
【0105】
【化3】

【0106】
[製造例3]
(製造例3:シリコーンエラストマーの水分散液の製造)
前記式(3)で示される、粘度が4,900mm2/sのメチルビニルポリシロキサン340gと下記式(4)で示される、粘度が410mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン68g(ビニル基1個に対しヒドロシリル基が1.1個となる配合量)を容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて混合溶解させた。ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)62gと水35gを加え、ホモミキサーを用いて攪拌したところ、攪拌できない状態にまで増粘した。増粘物を、ホモディスパーを用いて、15分間混練りした。次いで水493gを加え、ホモミキサーを用いて混合したところ、均一な白色エマルジョンが得られた。このエマルジョンを錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量1リットルのガラスフラスコに移し、15〜20℃に温度調整した後、攪拌下に塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5%)0.6g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)1.2gの混合溶解物を添加し、同温度で24時間攪拌し、シリコーンエラストマーの水分散液を得た。得られたシリコーンエラストマーの水分散液をシリコーンエラストマー水分散液−3とする。
【0107】
シリコーンエラストマーの体積平均粒径を、「レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、200nmであった。前記式(3)で示される、粘度が4,900mm2/sのメチルビニルポリシロキサン、下記式(4)で示される、粘度が410mm2/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン、及び塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5%)を前記の配合割合で混合し、厚みが10mmになるようアルミシャーレに流し込み、25℃で6時間放置後、さらに50℃の恒温槽内で1時間加熱した。得られた硬化物は、ややべたつきのあるゴム弾性体であり、硬度を、デュロメータA硬度計で測定したところ、12であった。
【0108】
【化4】

【0109】
[製造例4]
(製造例4:シリコーンエラストマーの水分散液の製造)
下記式(5)で示される、粘度が10mm2/sのメチルビニルポリシロキサン94gと下記式(6)で示される、粘度が110mm2/sのオルガノハイドロジェンポリシロキサン360g(ビニル基1個に対しヒドロシリル基が1.1個となる配合量)を容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて混合溶解させた。ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)45gと水100gを加え、ホモミキサーを用いて攪拌したところ、増粘が認められ、さらに15分間攪拌した。次いで水398gを加え均一な液とした後、30MPaの圧力でホモジナイザーに通し、白色エマルジョンを得た。このエマルジョンを錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量1リットルのガラスフラスコに移し、15〜20℃に温度調整した後、攪拌下に塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5%)1.4g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)1.4gの混合溶解物を添加し、35〜45℃で5時間攪拌し、シリコーンエラストマーの水分散液を得た。得られたシリコーンエラストマーの水分散液をシリコーンエラストマー水分散液−4とする。
【0110】
シリコーンエラストマーの体積平均粒径を、「レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、190nmであった。前記式(5)で示される、粘度が10mm2/sのメチルビニルポリシロキサン、下記式(6)で示される、粘度が110mm2/sのオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及び塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5%)を前記の配合割合で混合し、厚みが10mmになるようアルミシャーレに流し込み、25℃で6時間放置後、さらに50℃の恒温槽内で1時間加熱した。得られた硬化物は、べたつきのないゴム弾性体であり、硬度を、デュロメータE硬度計で測定したところ、44であった。
【0111】
【化5】

【0112】
[実施例1]
錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに、硫酸バリウム粒子(商品名:板状硫酸バリウムHL、堺化学工業(株)製、形状=板状、平均粒径=15μm)180g、シリコーンエラストマー水分散液−1 26g(硫酸バリウム粒子100質量部に対し、シリコーンエラストマーが6.8質量部となる量)、30%ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液(商品名:カチオンBB、日本油脂(株)製)5g、28%アンモニア水29g、及び水1,233gを仕込んだ。このときの液のpHは、11.3であった。5〜10℃に温度調整した後、メチルトリメトキシシラン27g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、加水分解・縮合反応後のシリコーンレジンが109質量部となる量)を20分かけて滴下し、この間の液温を5〜10℃に保ち、さらに1時間攪拌を行った。次いで、55〜60℃まで加熱し、その温度を保ったまま1時間攪拌を行い、メチルトリメトキシシランの加水分解・縮合反応を完結させた。得られた懸濁液を、加圧ろ過器を用いて脱水した。脱水物を錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに移し、水1,000gを添加し、30分間攪拌を行った後、加圧ろ過器を用いて脱水した。再度、脱水物をガラスフラスコに移し、110℃のオイルバスにフラスコを浸し、攪拌しながら乾燥を行い、流動性のある粒子を得た。
【0113】
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、板状の粒子表面に約500nmの球状粒子が付着しており、硫酸バリウム粒子表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子となっていることが確認された。また、レジン状シリコーンがバインダーとなり、硫酸バリウム粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることが分かった。すなわち、硫酸バリウム粒子表面にシリコーンエラストマーを付着させるバインダーがなければ、硫酸バリウム粒子表面にシリコーンエラストマーが付着していたとしても、前記水洗浄や乾燥の操作で、シリコーンエラストマーは硫酸バリウム粒子表面から脱落すると考えられる。シリコーンエラストマーが脱落すると、シリコーンエラストマーは凝集性が高いため、粒子同士の凝集が起こると考えられるが、電子顕微鏡でそのような形状の粒子は観察されなかった。
【0114】
さらに、100mLガラス瓶にポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王((株)製)0.2g、水50g及び複合粒子2.5gを量りとり、30分振とうした後、24時間静置し、粒子の浮き沈みを観察した。シリコーンエラストマーが硫酸バリウム粒子表面から脱落すると、シリコーンエラストマーは比重が水より小さいため浮いてくるが、全量、沈降していた。この結果も、シリコーンレジンがバインダーとなり、硫酸バリウム粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることを示唆するものである。
【0115】
[実施例2]
錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに、セリサイト(商品名:三信マイカFSE、(株)三信鉱工製、形状=板状、平均粒径=10μm)150g、シリコーンエラストマー水分散液−2 41g(セリサイト100質量部に対し、シリコーンエラストマーが11.1質量部となる量)、28%アンモニア水30g、及び水1,238gを仕込んだ。このときの液のpHは、11.3であった。5〜10℃に温度調整した後、メチルトリメトキシシラン40g、及びγ−アミノプロピルトリメトキシシラン1gの混合溶解物(シリコーンエラストマー100質量部に対し、加水分解・縮合反応後のシリコーンレジンが122質量部となる量)を25分かけて滴下し、この間の液温を5〜10℃に保ち、さらに1時間攪拌を行った。次いで、55〜60℃まで加熱し、その温度を保ったまま1時間攪拌を行い、メチルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解・縮合反応を完結させた。得られた懸濁液を、加圧ろ過器を用いて脱水した。脱水物を錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに移し、水1,000gを添加し、30分間攪拌を行った後、加圧ろ過器を用いて脱水した。再度、脱水物をガラスフラスコに移し、110℃のオイルバスにフラスコを浸し、攪拌しながら乾燥を行い、流動性のある粒子を得た。
【0116】
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、板状の粒子表面に約200nmの球状粒子が付着しており、セリサイト表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子となっていることが確認された。また、シリコーンレジンがバインダーとなり、セリサイトにシリコーンエラストマーを付着させていることが分かった。
【0117】
さらに、100mLガラス瓶にポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)0.2g、水50g及び複合粒子2.5gを量りとり、30分振とうした後、24時間静置し、粒子の浮き沈みを観察した。シリコーンエラストマーが硫酸セリサイトから脱落すると、シリコーンエラストマーは比重が水より小さいため浮いてくるが、全量、沈降していた。この結果から、シリコーンレジンがバインダーとなり、セリサイトにシリコーンエラストマーを付着させていることを示唆するものである。
【0118】
[実施例3]
錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに、含水二酸化ケイ素粒子(商品名:シルリーフ、水澤化学工業(株)製、形状=板状、平均粒径=6μm、含水量=8%)163g、シリコーンエラストマー水分散液−2 33g(二酸化ケイ素粒子100質量部に対し、シリコーンエラストマーが9.0質量部となる量)、30%ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液(商品名:カチオンBB、日本油脂(株)製)4g、28%アンモニア水30g、及び水1,241gを仕込んだ。このときの液のpHは、11.3であった。5〜10℃に温度を調整した後、メチルトリメトキシシラン24g、及びジメチルジメトキシシラン5gの混合溶解物(シリコーンエラストマー100質量部に対し、加水分解・縮合反応後のシリコーンレジンが111質量部となる量)を20分かけて滴下し、この間の液温を5〜10℃に保ち、さらに1時間攪拌を行った。次いで、55〜60℃まで加熱し、その温度を保ったまま1時間攪拌を行い、メチルトリメトキシシラン及びジメチルジメトキシシランの加水分解・縮合反応を完結させた。得られた懸濁液を、加圧ろ過器を用いて脱水した。脱水物を錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに移し、水1,000gを添加し、30分間攪拌を行った後、加圧ろ過器を用いて脱水した。再度、脱水物をガラスフラスコに移し、110℃のオイルバスにフラスコを浸し、攪拌しながら乾燥を行い、流動性のある粒子を得た。
【0119】
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、板状の粒子表面に約200nmの球状粒子が付着しており、二酸化ケイ素粒子表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子となっていることが確認された。また、シリコーンレジンがバインダーとなり、二酸化ケイ素粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることが分かった。
【0120】
さらに、100mLガラス瓶にポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)0.2g、水50g及び複合粒子2.5gを量りとり、30分振とうした後、24時間静置し、粒子の浮き沈みを観察した。シリコーンエラストマーが二酸化ケイ素粒子表面から脱落すると、シリコーンエラストマーは比重が水より小さいため浮いてくるが、全量、沈降していた。この結果も、シリコーンレジンがバインダーとなり、二酸化ケイ素粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることを示唆するものである。
【0121】
[実施例4]
錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに、炭酸カルシウム粒子(商品名:ウィスカルA、丸尾カルシウム(株)製、形状=針状、平均粒径(長径)=25μm)225g、シリコーンエラストマー水分散液−3 24g(炭酸カルシウム粒子100質量部に対し、シリコーンエラストマーが4.4質量部となる量)、ラウリル硫酸ナトリウム(商品名:ニッコールSLS、日光ケミカルズ(株)製)1g、28%アンモニア水29g、及び水1,241gを仕込んだ。このときの液のpHは、11.3であった。5〜10℃に温度調整した後、メチルトリメトキシシラン27g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、加水分解・縮合反応後のレジン状シリコーンが136質量部となる量)を20分かけて滴下し、この間の液温を5〜10℃に保ち、さらに1時間攪拌を行った。次いで、55〜60℃まで加熱し、その温度を保ったまま1時間攪拌を行い、メチルトリメトキシシランの加水分解・縮合反応を完結させた。得られた懸濁液を、加圧ろ過器を用いて脱水した。脱水物を錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに移し、水1,000gを添加し、30分間攪拌を行った後、加圧ろ過器を用いて脱水した。再度、脱水物をガラスフラスコに移し、110℃のオイルバスにフラスコを浸し、攪拌しながら乾燥を行い、流動性のある粒子を得た。
【0122】
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、針状の粒子表面に約200nmの球状粒子が付着しており、炭酸カルシウム粒子表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子となっていることが確認された。また、シリコーンレジンがバインダーとなり、炭酸カルシウム粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることが分かった。
【0123】
さらに、100mLガラス瓶にポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)0.2g、水50g及び複合粒子2.5gを量りとり、30分振とうした後、24時間静置し、粒子の浮き沈みを観察した。シリコーンエラストマーが炭酸カルシウム粒子表面から脱落すると、シリコーンエラストマーは比重が水より小さいため浮いてくるが、全量、沈降していた。この結果も、シリコーンレジンがバインダーとなり、炭酸カルシウム粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることを示唆するものである。
【0124】
[実施例5]
錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに、架橋型球状ポリメタクリル酸メチル(商品名:ガンツパールGMX−0810、ガンツ化成(株)製、形状=球状、平均粒径=8μm)120g、シリコーンエラストマー水分散液−4 30g(架橋型球状ポリメタクリル酸メチル粒子100質量部に対し、シリコーンエラストマーが11.4質量部となる量)、28%アンモニア水30g、及び水1,282gを仕込んだ。このときの液のpHは、11.3であった。5〜10℃に温度調整した後、メチルトリメトキシシラン37g、及びγ−アミノプロピルトリメトキシシラン1gの混合溶解物(シリコーンエラストマー100質量部に対し、加水分解・縮合反応後のシリコーンレジンが138質量部となる量)を25分かけて滴下し、この間の液温を5〜10℃に保ち、さらに1時間攪拌を行った。次いで、55〜60℃まで加熱し、その温度を保ったまま1時間攪拌を行い、メチルトリメトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシシランの加水分解・縮合反応を完結させた。得られた懸濁液を加圧ろ過器を用いて脱水した。脱水物を錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに移し、水1,000gを添加し、30分間攪拌を行った後、加圧ろ過器を用いて脱水した。再度、脱水物をガラスフラスコに移し、110℃のオイルバスにフラスコを浸し、攪拌しながら乾燥を行い、流動性のある粒子を得た。
【0125】
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、球状の粒子表面に約200nmの球状粒子が付着しており、架橋型球状ポリメタクリル酸メチル粒子表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子となっていることが確認された。また、シリコーンレジンがバインダーとなり、架橋型球状ポリメタクリル酸メチル粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることが分かった。
【0126】
さらに、100mLガラス瓶にポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)0.2g、水50g及び複合粒子2.5gを量りとり、30分振とうした後、24時間静置し、粒子の浮き沈みを観察した。シリコーンエラストマーが架橋型球状ポリメタクリル酸メチル粒子表面から脱落すると、シリコーンエラストマーは比重が水より小さいため浮いてくるが、全量、沈降していた。この結果も、シリコーンレジンがバインダーとなり、架橋型球状ポリメタクリル酸メチル粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることを示唆するものである。
【0127】
[比較例1]
硫酸バリウム粒子:実施例1で用いた硫酸バリウム粒子をそのまま用いた。
【0128】
[比較例2]
金属石鹸処理粉体:実施例2で用いたセリサイト98質量部を水400質量部に懸濁し、ステアリン酸ナトリウム3.5質量部を加え、60℃で十分攪拌した。これに、硫酸Alの20%溶液を10分で滴下し、引き続き10分間攪拌した。これを吸引濾過器で脱水後、110℃で12時間乾燥させ金属石鹸処理セリサイトを得た。
【0129】
[比較例3]
メチルハイドロジェンシロキサン処理粉体:実施例3で用いた含水二酸化ケイ素粒子95部を反応器に仕込み、これにメチルハイドロジェンポリシロキサン5部をトルエンに希釈した溶液を徐々に加えながら攪拌した。さらに、昇温してトルエンを留去し、150℃で3時間攪拌することにより焼き付け処理を行って、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理二酸化ケイ素を得た。
【0130】
[比較例4]
炭酸カルシウム粒子:実施例4で用いた炭酸カルシウム粒子をそのまま用いた。
【0131】
[比較例5]
架橋型球状ポリメタクリル酸メチル:実施例5で用いた架橋型球状ポリメタクリル酸メチル粒子をそのまま用いた。
【0132】
[複合粒子評価]
実施例で得られた複合粒子及び比較例の粉体について、10名の専門パネラーにより、下記に処方される粉体単純混合物塗布時の、のび(展延性)、柔らかさ(感触)、つき(付着性・均質性)、粉体の分散性、肌の形態補正効果(ソフトフォーカス効果)を評価した。結果を表2に示す。
【0133】
(処方)
粉体単純混合物 (質量部)
粒子(粉体) 4部
未処理タルク 92部
ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 2部
スクワラン 2部
合計 100部
※実施例1〜5及び比較例1〜5の粒子
【0134】
(製法)
粉体単純混合物の処方中、粉体部をそれぞれに秤量し、高速ブレンダーにより1分間攪拌した。そこに油相部を添加し、さらに6分間攪拌した後、100メッシュのフィルターを通して、粉体単純混合物を得た。
【0135】
(評価)
粉体単純混合物塗布時の、のび(展延性)、柔らかさ(感触)、つき(付着性・均質性)、粉体の混ざり具合(分散性)、肌の形態補正効果(ソフトフォーカス効果)について、表1に示される評価基準に従って評価した。結果を10名の平均点に基づき、下記判定基準に従って判定した。
【0136】
【表1】


判定基準
◎ :平均点が4.5点以上
○ :平均点が3.5点以上4.5点未満
△ :平均点が2.5点以上3.5点未満
× :平均点が1.5点以上2.5点未満
××:平均点が1.5点未満
【0137】
【表2】

【0138】
表2から明らかなように、本発明に係る複合粒子は比較例の粉体に比べ、のび(展延性)、柔らかさ(感触)、つき(付着性・均質性)等の使用性が良好で、粉体の混ざり具合(分散性)も良く、肌の形態補正効果(ソフトフォーカス効果)に優れることが実証された。
【0139】
[実施例6,7、比較例6,7]
パウダーファンデーション
実施例で得られた複合粒子及び比較例の粉体を用い、表3に示す配合組成比でパウダーファンデーションを調製した。
【0140】
【表3】

【0141】
(製法)
成分(1)〜(13)をヘンシェルミキサーに投入し、攪拌・混合した。これに別途均一溶解させた成分(14)〜(18)を添加して、さらに攪拌・混合を続けた。さらに、これに(19)を添加した。この混合物をハンマーミルにて粉砕し、所定のアルミパンにプレス成型してパウダーファンデーションを得た。得られたパウダーファンデーションについて、以下の評価を行った。
【0142】
(評価)
得られたパウダーファンデーションについて、50名の女性の専門パネラーにより、化粧料試験品塗布時の、のび(展延性)、柔らかさ(感触)、つき(付着性・均質性)、化粧料の仕上がりの自然さ(素肌感)、化粧持ち(持続性)について、表4に示される評価基準に従って評価した。結果を50名の平均点に基づき、下記判定基準に従って判定した。結果を表5に示す。
【0143】
【表4】

判定基準
◎ :平均点が4.5点以上
○ :平均点が3.5点以上4.5点未満
△ :平均点が2.5点以上3.5点未満
× :平均点が1.5点以上2.5点未満
××:平均点が1.5点未満
【0144】
【表5】

【0145】
表5から明らかなように、実施例6,7は比較例6,7に比べ、使用性が良好で、自然な仕上がりとなり、化粧持ちも良く、優れたパウダーファンデーションであることが実証された。下記に本発明の複合粒子を配合した化粧料の例を示す。
【0146】
[実施例8]水中油型クリーム
組成 質量(%)
1.架橋型ジメチルポリシロキサンとシリコーン油からなる組成物(注1) 10.0
2.トリオクタン酸グリセリル 5.0
3.実施例5の複合粒子 1.0
4.ジプロピレングリコール 7.0
5.グリセリン 5.0
6.メチルセルロース(2%水溶液)(注2) 7.0
7.ポリアクリルアミド系乳化剤(注3) 2.0
8.防腐剤 適量
9.香料 適量
10.精製水 63.0
合計 100.0
(注1)架橋型ジメチルポリシロキサンとシリコーン油からなる組成物
;KSG−16(信越化学工業(株)製)
(注2)メチルセルロース;メトローズSM−4000(信越化学工業(株)製)
(注3):ポリアクリルアミド系乳化剤;セピゲル305(SEPIC製)
(製造方法)
A:成分4〜10を混合した。
B:成分1〜3を混合し、これをAに加えて攪拌乳化した。
【0147】
以上のようにして得られた水中油型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがない上、柔らかな使用感であると共に肌の形態補正効果も有り、化粧持ちも非常に良い上、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが確認された。
【0148】
[実施例9]油中水型クリーム
組成 質量(%)
1.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 6.0 2.メチルフェニルポリシロキサン 4.0
3.スクワラン 5.0
4.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 3.0
5.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 3.0
6.実施例1の複合粒子 2.0
7.実施例4の複合粒子 0.7
8.グリセリン 10.0
9.防腐剤 適量
10.香料 適量
11.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6012(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜5を混合し、成分6,7を添加して均一に混合した。
B:成分8〜9及び11を混合溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化した後、成分10を添加してクリームを得た。
【0149】
以上のようにして得られた油中水型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがない上、柔らかな使用感であると共に肌の形態補正効果も有り、化粧持ちも非常に良い上、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが確認された。
【0150】
[実施例10]油中水型クリーム
組成 質量(%)
1.アルキル変性架橋型ポリエーテル変性シリコーンと流動パラフィンからなる組成物
(注1) 6.0
2.流動パラフィン 13.5
3.マカデミアナッツ油 5.0
4.アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン(注2) 0.5
5.シリコーンエラストマー粒子表面をポリメチルシルセスキオキサンで被覆した粒子(注3) 3.0
6.実施例3の複合粒子 2.0
7.クエン酸ナトリウム 0.2
8.プロピレングリコール 8.0
9.グリセリン 3.0
10.防腐剤 適量
11.香料 適量
12.精製水 58.8
合計 100.0
(注1)アルキル変性架橋型ポリエーテル変性シリコーンと流動パラフィンからなる組成
物;KSG−310(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
(注3)シリコーンエラストマー粒子表面をポリメチルシルセスキオキサンで被覆した粒子;KSP−100(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜6を混合した。
B:成分7〜12を混合溶解し、Aに加えて攪拌乳化した。
【0151】
以上のようにして得られた油中水型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがない上、柔らかな使用感であると共に肌の形態補正効果も有り、化粧持ちも非常に良い上、温度変化や経時による変化がなく安定性に優れていることが確認された。
【0152】
[実施例11]油中水型クリーム
組成 質量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 16.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 4.0
3.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 5.0
4.POE(5)オクチルドデシルエーテル 1.0
5.モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 0.5
6.実施例3の複合粒子 2.0
7.実施例1の複合粒子 10.0
8.流動パラフィン 2.0
9.マカデミアンナッツ油 1.0
10.オウゴンエキス(注2) 1.0
11.ゲンチアナエキス(注3) 0.5
12.エタノール 5.0
13.1,3−ブチレングリコール 2.0
14.防腐剤 適量
15.香料 適量
16.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
(注2)オウゴンエキス;50% 1,3−ブチレングリコール水で抽出したもの
(注3)ゲンチアナエキス;20% エタノール水で抽出したもの
(製造方法)
A:成分6〜9を均一に混合分散した。
B:成分1〜5を混合し、Aを加えた。
C:成分10〜14及び16を混合した後、Bを加えて乳化した。
D:Cに成分15を加えてクリームを得た。
【0153】
以上のようにして得られた油中水型クリームは、キメが細かく、べたつきがないだけでなく、のび広がりが軽い上、密着感に優れ、柔らかな使用感であると共に肌の形態補正効果も有り、化粧持ちも非常に優れていた。また、温度変化や経時によって変化することがなく、安定性にも優れていることが確認された。
【0154】
[実施例12]アイライナー
組成 質量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 39.0
2.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 3.0
3.有機シリコーン樹脂(注2) 15.0
4.ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト 3.0
5.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理黒酸化鉄 8.0
6.実施例5の複合粒子 2.0
7.1,3−ブチレングリコール 5.0
8.デヒドロ酢酸ナトリウム 適量
9.防腐剤 適量
10.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
(注2)有機シリコーン樹脂;KF−7312J(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5及び6を加えて均一に混合分散した。
B:成分7〜10を混合した。
C:BをAに徐添して乳化し、アイライナーを得た。
【0155】
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて描きやすく、清涼感があってさっぱりとし、さらにべたつきがない使用感であった。また、温度変化や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れており、耐水性、耐汗性に優れることはもとより、化粧持ちも非常に良いことが確認された。
【0156】
[実施例13]ファンデーション
組成 質量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 45.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 5.0
3.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 3.5
4.オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩変性モンモリロナイト 1.5
5.実施例1の複合粒子 14.5
6.トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン(注2)処理酸化鉄 2.5
7.トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン(注2)処理酸化チタン 7.5
8.ジプロピレングリコール 5.0
9.パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.3
10.香料 適量
11.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
(注2)トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン
:KF−9909(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜4を加熱混合し、成分5〜7を添加して均一にした。
B:成分8〜9及び11を溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却した後成分10を添加してファンデーションを得た。
【0157】
以上のようにして得られたファンデーションは、キメが細かい上、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、柔らかな使用感であると共に肌の形態補正効果も有り、化粧持ちも良く、温度変化や経時による変化がなく、安定性にも優れていることが確認された。
【0158】
[実施例14]アイシャドウ
組成 質量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 10.0
3.ポリエーテル変性分岐状シリコーン(注1) 2.0
4.PEG(10)ラウリルエーテル 0.5
5.実施例2の複合粒子 6.2
6.実施例1の複合粒子 4.0
7.実施例5の複合粒子 6.0
8.メチルハイドレジェンポリシロキサン処理無機着色顔料 適量
9.塩化ナトリウム 2.0
10.プロピレングリコール 8.0
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
13.精製水 残量
合計 100.0
(注1) ポリエーテル変性分岐状シリコーン;KF−6028(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5〜8を添加して均一に分散した。
B:成分9〜11及び13を均一溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、成分12を添加してアイシャドウを得た。
【0159】
以上のようにして得られたアイシャドウは、のび広がりが軽い上油っぽさや粉っぽさがなく、柔らかな使用感のものであった。また、耐水性や撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくい上、温度変化や経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0160】
[実施例15]口紅
組成 質量(%)
1.キャンデリラワックス 8.0
2.ポリエチレンワックス 8.0
3.長鎖アルキル含有アクリルシリコーン樹脂(注1) 12.0
4.メチルフェニルポリシロキサン(注2) 3.0
5.イソノナン酸イソトリデシル 20.0
6.イソステアリン酸グリセリル 16.0
7.トリイソステアリン酸ポリグリセリル 28.5
8.実施例3の複合粒子 0.8
9.実施例5の複合粒子 1.5
10.有機顔料 適量
11.香料 適量
合計 100.0
(注1)長鎖アルキル含有アクリルシリコーン樹脂;KP−561P(信越化学工業(株)製)
(注2)メチルフェニルポリシロキサン;KF−54(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜6及び7の一部を加熱混合、溶解した。
B:成分8〜10及び7の残部を均一混合し、Aに加えて均一にした。
C:Bに成分12を添加して口紅を得た。
【0161】
以上のようにして得られた口紅は、のびが軽くて油っぽさや粉っぽさがない上、柔らかな使用感を与えると共に、耐水性や撥水性が良好で持ちも良く、安定性にも優れているものであった。
【0162】
[実施例16]アイライナー
組成 質量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 6.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 5.0
3.ホホバ油 2.0
4.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 1.0
5.アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン(注2) 1.0
6.アクリルシリコーン樹脂(注3) 15.0
7.実施例2の複合粒子 2.0
8.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理黒酸化鉄 18.0
9.エタノール 5.0
10.防腐剤 適量
11.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
(注2)アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
(注3)アクリルシリコーン樹脂;KP−545(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜6を攪拌混合し、これに7,8を加えて均一に分散した。
B:成分9〜11を攪拌溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、アイライナーを得た。
【0163】
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて油っぽさや粉っぽさがない上、柔らかな使用感を与えると共に、耐水性や撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくいものであった。また、温度変化や経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0164】
[実施例17]液状乳化ファンデーション
組成 質量(%)
1.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 4.5
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
3.スクワラン 4.0
4.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 3.0
5.ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセライド 2.0
6.α−モノイソステアリルグリセリルエーテル 1.0
7.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 1.0
8.アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン(注2) 0.5
9.ジステアリン酸アルミニウム塩 0.2
10.実施例2の複合粒子 2.0
11.実施例1の複合粒子 5.0
12.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理酸化鉄顔料 適量
13.グリセリン 3.0
14.防腐剤 適量
15.香料 適量
16.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
(注2) アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜9を加熱混合し、成分10〜12を添加して均一にした。
B:成分13〜14及び16を加熱溶解した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分15を添加し液状乳化ファンデーションを得た。
【0165】
以上のようにして得られた液状乳化ファンデーションは、粘度が低くキメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがない上、柔らかな使用感であると共に肌の形態補正効果も有り、化粧持ちが良い上、温度変化や経時による変化がなく、安定性にも優れていることが確認された。
【0166】
[実施例18]液状ファンデーション
組成 質量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 16.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 8.0
3.パラメトキシケイ皮酸オクチル 3.0
4.12−ヒドロキシステアリン酸 1.0
5.フッ素変性シリコーン(注1) 15.0
6.フッ素アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン(注2) 5.0
7.球状ポリメチルシルセスキオキサン粉体(注3) 1.0
8.本発明実施例5の複合粒子 4.0
9.本発明実施例1の複合粒子 2.0
10.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理酸化鉄顔料 適量
11.エタノール 15.0
12.グリセリン 3.0
13.硫酸マグネシウム 1.0
14.防腐剤 適量
15.香料 適量
16.精製水 残量
合計 100.0
(注1)フッ素変性シリコーン;FL−50(信越化学工業(株)製)
(注2)フッ素アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン
;FPD−4694(信越化学工業(株)製)
(注3)球状ポリメチルシルセスキオキサン粉体
;KMP−590(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分7〜10を均一に混合した。
B:成分1〜6を70℃に加熱混合し、Aを加えて均一に分散混合した。
C:成分11〜14及び16を40℃に加温、Bに徐添して乳化し、冷却して成分15を加え、液状ファンデーションを得た。
【0167】
以上のようにして得られた液状ファンデーションは、べたつきがなく、のび広がりも軽い上、柔らかな使用感であると共に、肌の形態補正効果も有り、温度変化や経時による変化がなく、安定性の非常に優れたものであることが確認された。
【0168】
[実施例19]アイライナー
組成 質量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 22.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 5.0
3.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理黒酸化鉄 20.0
4.実施例4の複合粒子 1.0
5.有機シリコーン樹脂(注1) 10.0
6.ビタミンEアセテート 0.2
7.ホホバ油 2.0
8.ベントナイト 3.0
9.ポリエーテル変性シリコーン(注2) 2.0
10.エタノール 3.0
11.1,3−ブチレングリコール 5.0
12.防腐剤 適量
13.精製水 残量
合計 100.0
(注1)有機シリコーン樹脂;;KF−7312J(信越化学工業(株)製)
(注2)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜2、5〜9を混合し、成分3,4を加えて均一に混合分散した。
B:成分10〜13を混合した。
C:BをAに徐添して乳化し、アイライナーを得た。
【0169】
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて描きやすい上清涼感があってさっぱりとし、べたつかず柔らかな使用感で、温度変化や経時によって変化することもなく、耐水性、耐汗性にも共に優れ、化粧持ちも非常に良いことが確認された。
【0170】
[実施例20]ファンデーション
組成 質量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 27.0
2.メチルフェニルポリシロキサン 3.0
3.トリオクタン酸グリセリル 10.0
4.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 4.0
5.モノイソステアリン酸ポリグリセリル 3.0
6.実施例1の複合粒子 8.0
7.実施例2の複合粒子 4.0
8.実施例5の複合粒子 3.0
9.ステアリン酸アルミニウム処理酸化チタン 6.0
10.メチルハイドロジェンポリシロキサン処理酸化鉄顔料 適量
11.1,3−ブチレングリコール 7.0
12.塩化ナトリウム 0.5
13.防腐剤 適量
14.香料 適量
15.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜5を混合溶解し、成分6〜10を均一に分散した。
B:成分11〜13及び15を混合した後、Aに加えて乳化した。
C:Bに成分14を加えてファンデーションを得た。
【0171】
以上のようにして得られたファンデーションは、べたつきがなく、のび広がりも軽い上密着感に優れ、柔らかな使用感であると共に肌の形態補正効果も有り、化粧持ちも非常に優れており、また、温度変化や経時によって変化することがなく、安定性にも優れていることがわかった。
【0172】
[実施例21]ブラッシング剤スプレー
組成 質量(%)
1.ミリスチン酸イソプロピル 1.0
2.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.05
3.実施例5の複合粒子 3.0
4.エタノール 25.0
5.香料 適量
6.噴射剤 残量
合計 100.0
(製造方法)
A:成分1〜5を混合した。
B:Aをエアゾール用缶に詰めた後、成分6を充填し、ブラッシング剤を得た。
【0173】
以上のようにして得られたブラッシング剤スプレーは、非常になめらかな使用感であり、持続性にも優れている上、使用時の粉の分散性に優れ、櫛通りが良くツヤのある非常に良いものであることが確認された。
【0174】
[実施例22]リンス
組成 質量(%)
1.ジステアリン酸エチレングリコール 3.0
2.セタノール 2.0
3.モノステアリン酸プロピレングリコール 3.0
4.ジメチルポリシロキサン(100mm2/s(25℃)) 3.0
5.モノステアリン酸グリセリン 4.0
6.ポリオキシエチレン(3)ステアレート 4.0
7.塩化アセチルトリメチルアンモニウム 5.0
8.ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 2.0
9.実施例5の複合粒子 2.0
10.1,3−ブチレングリコール 5.0
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
13.精製水 残量
合計 100.0
(製造方法)
A:成分1〜9を攪拌、混合した。
B:成分10〜11及び13を加熱混合した。
C:AにBを添加し、混合した後、冷却、成分12を添加してリンスを得た。
以上のようにして得られたリンスは、使用時にべたつきや重さがなく、毛髪に優れたツヤを与え、さらさら感、なめらかさ、ボリューム感を付与し、櫛通りの良い、使用性も持続性も優れたものであることが確認された。
【0175】
[実施例23]リンスインシャンプー
組成 質量(%)
1.ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン(30%) 15.0
2.ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(27%) 4.0
3.ポリオキシエチレン(150)ジステアレート 0.5
4.カチオン化セルロース(4%) 0.5
5.グリセリン 3.0
6.ジメチルポリシロキサン(100万mm2/s(25℃)) 1.0
7.ジメチルポリシロキサン(100mm2/s(25℃)) 3.0
8.実施例5の複合粒子 2.0
9.防腐剤 適量
10.香料 適量
11.精製水 残量
合計 100.0
(製造方法)
A:成分1〜5、9及び11を加熱、混合した。
B:成分6〜8を混合、分散した。
C:AにBを添加し混合した後、冷却、成分10を添加してリンスインシャンプーを得た。
【0176】
以上のようにして得られたリンスインシャンプーは、使用時にべたつきや重さがなく、毛髪に優れたツヤを与え、さらさら感、なめらかさ、ボリューム感を付与し、櫛通りの良い、使用性も持続性も優れたものであることが確認された。
【0177】
[実施例24]トリートメント
組成 質量(%)
1.ジステアリン酸エチレングリコール 1.0
2.流動パラフィン 10.0
3.スクワラン 5.0
4.ステアリルアルコール 1.5
5.ジメチルポリシロキサン(10mm2/s(25℃)) 3.0
6.ステアリン酸 6.0
7.ポリオキシエチレン(3)ステアリルアルコール 4.5
8.ポリオキシエチレン(150)セチルエーテル 2.0
9.実施例5の複合粒子 1.5
10.1,3−ブチレングリコール 6.0
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
13.精製水 残量
合計 100.0
(製造方法)
A:成分1〜9を加熱、混合した。
B:成分10〜11及び13を混合、分散した。
C:AにBを添加し混合した後、冷却、成分12を添加してトリートメントを得た。
【0178】
以上のようにして得られたトリートメントは、使用時にべたつきや重さがなく、毛髪に優れたツヤを与え、さらさら感、なめらかさ、ボリューム感を付与し、櫛通りの良い、使用性も持続性も優れたものであることが確認された。
【0179】
[実施例25]油中水型タイプ制汗剤
組成 質量(%)
1.架橋型ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン油からなる組成物(注1)
7.0
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
3.トリオクタン酸グリセリル 7.0
4.ジプロピレングリコール 5.0
5.クエン酸ナトリウム 0.2
6.アルミニウム・ジルコニウムテトラクロロハイドレイト 18.0
7.実施例4の複合粒子 5.0
8.シリコーンエラストマー粒子表面をポリメチルシルセスキオキサンで被覆した粒子(注2) 2.0
9.香料 適量
10.精製水 45.8
合計 100.0
(注1)架橋型ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン油からなる組成物
;KSG−210(信越化学工業(株)製)
(注2)シリコーンエラストマー粒子表面をポリメチルシルセスキオキサンで被覆した粒子;KSP−300(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜3を混合した。
B:成分4〜10を混合した。
C:BをAに加えて混合乳化した。
【0180】
以上のようにして得られた油中水型タイプの制汗剤は、のびが軽く、べたつきや油感がなく、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れるものであった。
【0181】
[実施例26]ロールオンタイプ制汗剤
組成 質量(%)
1.架橋型ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン油からなる組成物(注1)
20.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/s(25℃)) 10.0
3.架橋型ジメチルポリシロキサンとシリコーン油からなる組成物(注2) 15.0
4.デカメチルシクロペンタシロキサン 30.0
5.アルミニウム・ジルコニウムテトラクロロハイドレイト 20.0
6.実施例5の複合粒子 5.0
7.香料 適量
合計 100.0
(注1)架橋型ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン油からなる組成物
;KSG−210(信越化学工業(株)製)
(注2)架橋型ジメチルポリシロキサンとシリコーン油からなる組成物
;KSG−15(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜4を混合した。
B:Aに成分5〜7を加え、均一に分散した。
【0182】
以上のようにして得られたロールオンタイプの制汗剤は、のびが軽く、べたつきや油感がなく、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れているものであった。
【0183】
[実施例27]日焼け止め乳液
組成 質量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
2.メチルフェニルポリシロキサン 3.0
3.モノイソステアリン酸ソルビタン 1.0
4.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 0.5
5.トリメチルシロキシケイ酸(注2) 1.0
6.パラメトキシケイ皮酸オクチル 4.0
7.実施例1の複合粒子 2.0
8.ステアリン酸アルミニウム処理微粒子酸化チタン 6.0
9.ソルビトール 2.0
10.塩化ナトリウム 2.0
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
13.精製水 残量
合計 100.0
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6015(信越化学工業(株)製)
(注2)トリメチルシロキシケイ酸;X−21−5250(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜6を加熱混合し、成分7,8を均一分散した。
B:成分9〜11及び13を加熱混合した。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分12を添加し日焼け止め乳液を得た。
【0184】
以上のようにして得られた日焼け止め乳液は、キメが細かく、のび広がりが軽く、べたつきがない上、柔らかな使用感であると共に肌の形態補正効果もあった。さらに、化粧持ちが良いため紫外線防止効果も持続する上、温度変化や経時による変化がなく非常に安定性にも優れていることが確認された。
【0185】
[実施例28]サンカットクリーム
組成 質量(%)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 17.5
2.アクリルシリコーン樹脂(注1) 12.0
3.トリオクタン酸グリセリル 5.0
4.パラメトキシケイ皮酸オクチル 6.0
5.架橋型ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン油からなる組成物(注2) 5.0
6.アルキル・シリコーン/ポリエーテル共変性シリコーン(注3) 2.5
7.実施例5の複合粒子 2.0
8.ステアリン酸アルミニウム処理微粒子酸化チタン 15.0
9.塩化ナトリウム 0.5
10.1,3−ブチレングリコール 2.0
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
13.精製水 残量
合計 100.0
(注1)アクリルシリコーン樹脂;KP−545(信越化学工業(株)製)
(注2)架橋型ポリエーテル変性シリコーンとシリコーン油からなる組成物
;KSG−210(信越化学工業(株)製)
(注3)アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン;KF−6038(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1の一部に成分2を加えて均一にし、成分8を添加してビーズミルで分散した。
B:成分1の残部及び3〜7を混合して均一にした。
C:成分9〜11及び13を混合、溶解した。
D:BにCを加えて乳化し、Aを分散させ、さらに、成分12を添加してサンカットクリームを得た。
【0186】
以上のようにして得られたサンカットクリームは、べたつきがなく、のび広がりも軽い上密着感に優れ、柔らかな使用感であると共に肌の形態補正効果も有り、化粧持ちも非常に優れていた。また、温度変化や経時に対しても非常に安定であることが確認された。
【0187】
[実施例29]ネイルエナメル
組成 質量(%)
1.アクリルシリコーン樹脂(注1) 44.5
2.メチルトリメチコン(注2) 5.0
3.ニトロセルロース 3.0
4.カンファ 0.5
5.クエン酸アセチルトリブチル 1.0
6.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
7.酢酸ブチル 30.0
8.酢酸エチル 10.0
9.イソプロピルアルコール 5.0
10.実施例3の複合粒子 0.5
合計 100.0
(注1)アクリルシリコーン樹脂;KP−549(信越化学工業(株)製)
(注2)メチルトリメチコン;TMF−1.5(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分7〜9を混合し、これに成分4〜6を添加して均一に混合する。
B:Aに成分1〜3を添加して混合する。
C:Bに成分10を添加混合して、ネイルエナメルを得た。
【0188】
以上のようにして得られたネイルエナメルは、のび広がりが軽く、視覚的に滑らかさを与え、耐水性、耐油性があり持ちも良く、さらに、爪への圧迫感や爪の黄変や温度や経時による化粧膜の変化もなく安定性にも非常に優れていることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子。
【請求項2】
上記核粉体が、無機粉体、有機粉体又は無機・有機複合粉体である請求項1記載の複合粒子。
【請求項3】
シリコーンレジンをバインダーとして、核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる請求項1又は2記載の複合粒子。
【請求項4】
核粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液に、酸性物質又はアルカリ性物質と、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、この化合物を加水分解・縮合反応させることによって、核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着させた請求項3記載の複合粒子。
【請求項5】
上記混合水分散液が、さらに界面活性剤を含有することを特徴とする請求項4記載の複合粒子。
【請求項6】
核粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液に、酸性物質又はアルカリ性物質と、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、この化合物を加水分解・縮合反応させることを特徴とする、核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子の製造方法。
【請求項7】
上記混合水分散液が、さらに界面活性剤を含有することを特徴とする請求項6記載の複合粒子の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項記載の複合粒子を含有する化粧料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−1332(P2011−1332A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147553(P2009−147553)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】