説明

複合粒子

【課題】保存後も優れた溶解性を示すアルカリ金属珪酸塩を含有する複合粒子、及びこれを含有する洗剤組成物を提供する。
【解決手段】アルカリ金属珪酸塩粒子(A)及びアルドン酸塩(B)を含有する複合粒子。また、本発明の複合粒子と、(A)及び(B)以外の洗剤成分とを含有する洗剤組成物に関する。保存後の水不溶分が低減され、保存後の溶解性に優れたアルカル金属珪酸塩粒子を含有する複合粒子、及びそれを含有する洗剤組成物が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合粒子及びこれを含有する洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルカリ金属珪酸塩はアルカリ剤として、また結晶性アルカリ金属珪酸塩はアルカリ剤とカチオン交換体も兼ね合わせた剤として洗浄剤に配合されることが知られている。例えば、特許文献1に記載されるように、金属、ガラス、陶磁器、プラスチック等の硬表面を効率的に洗浄する業務用自動食器洗浄分野で結晶性アルカリ金属珪酸塩であるメタ珪酸ナトリウムを高配合した粉末・固形洗浄剤が提案されている。通常、アルカリ金属珪酸塩は、洗剤スラリーに少量配合することで噴霧乾燥し粉末化する際の骨格剤として使用することができるが、多量に配合すると粒子自体の溶解性に影響を与えることが懸念される。そのため噴霧乾燥粒子ではなく別途配合する方法も採用される。例えばアルカリ金属珪酸塩以外の洗剤成分を造粒した後にアルカリ金属珪酸塩を粉体混合するか、もしくは噴霧乾燥洗剤粒子と混合し非イオン界面活性剤等のバインダーによって攪拌造粒することによって配合されている。
【0003】
しかしながら、非晶質アルカリ金属珪酸塩は、空気中の水分及び炭酸ガスによりシリカを形成し、水不溶分を形成し易いという課題がある。一方、結晶質のアルカリ金属珪酸塩(以下、結晶性アルカリ金属珪酸塩という場合もある。)を洗剤粒子に配合した洗剤組成物も知られている(特許文献2)。結晶質の場合、水不溶物質の形成は非晶質よりも抑えられるものの、十分ではなく、更に空気中の水分、二酸化炭素を吸ってカネマイト化して、性能・品質劣化の原因ともなる。
【0004】
結晶性アルカリ金属珪酸塩に関し、特許文献3には、結晶性アルカリ金属珪酸塩をポリエチレングリコール、非イオン界面活性剤及び/又は陰イオン界面活性剤ペーストを用いて造粒した水分散性に優れる粒子が開示されている。特許文献4及び5には、結晶性アルカリ金属珪酸塩を脂肪酸と非イオン界面活性剤又はカルボキシメチルセルロースなどを被覆剤又は造粒した、保存安定性を高める技術が開示されている。しかしながら、これらの方法では、アルカリ金属珪酸塩の保存による溶解性の低下を抑制するにはいたらなかった。
【0005】
一方、結晶性アルカリ金属珪酸塩は、水に溶解すると非晶質のものよりも高いアルカリ性を示す性質を有する。結晶性アルカリ金属珪酸塩は、水不溶分質の形成において非晶質のものより優位ではあるが、空気中の水分、二酸化炭素を吸って非晶質化し、上記のようにシリカ化することで水不溶分を形成するか、或いはカネマイト化して、性能・品質劣化の原因ともなる。
【0006】
特許文献6には、実質水を含まない有機物質で被覆し、結晶性アルカリ金属珪酸塩の固化を抑制する方法が記載されている。特許文献7には、無機酸、有機酸、酸性ポリカーボネイトなどで、アルカリ金属塩粒子表面と反応させコーティング等を行うことにより、得られた粒子に適当な溶解性及び崩壊性を付与したり、粒子の溶解時に発生する様々な問題を解決できることが記載されている。特許文献8には、特定構造のアルカリ金属珪酸塩と、カルボン酸系重合体と、水溶性無機塩と、アルミノ珪酸塩とを含有する、水不溶分の発生を低減させた粉末衣料洗剤用添加剤が記載されている。
【0007】
以上のような技術が知られているが、保存安定性に優れ保存後の溶解性低下の問題がより少ないアルカリ金属珪酸塩粒子が望まれている。保存後の溶解性低下の問題は洗剤中のアルカリ金属珪酸塩粒子の含有量を高めるほど顕在化するため、アルカリ金属珪酸塩粒子の含有量が高い系ではより重要な解決課題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−5998公報
【特許文献2】特開平2−178398号公報
【特許文献3】特表平6−502445号公報
【特許文献4】国際公開第97/033968号パンフレット
【特許文献5】国際公開第97/034978号パンフレット
【特許文献6】特開平9−208218号公報
【特許文献7】特開平10−251686号公報
【特許文献8】特開2009−144116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、保存後も優れた溶解性を示すアルカリ金属珪酸塩を含有する複合粒子、及びこれを含有する洗剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)及びアルドン酸塩(B)を含有する複合粒子に関する。
【0011】
また、本発明は、上記本発明の複合粒子と、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)及びアルドン酸塩(B)以外の洗剤成分とを含有する洗剤組成物に関する。
【0012】
本発明において、複合粒子についての“複合”とは、アルカリ金属珪酸塩(A)と、アルドン酸塩(B)と、更にはその他の化合物、特には有機性化合物、又は有機性化合物及び無機性化合物とが、互いに付着ないし吸着又は吸収等され固体を形成していることを指す。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、保存後の水不溶分が低減され、保存後の溶解性に優れたアルカリ金属珪酸塩粒子を含有する複合粒子が提供される。また、本発明の複合粒子を含有する洗剤組成物も、保存後の水不溶分が低減され、保存後の溶解性に優れたものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<アルカリ金属珪酸塩(A)>
アルカリ金属ケイ酸塩粒子(A)は、平均粒径が好ましくは1〜1000μm、好ましくは1〜500μmの非晶質又は結晶質の粉体である。特には組成が、下記式(1)で表される、アルカリ金属珪酸塩が好ましい。
xM2O・ySiO2・zH2O (1)
〔式中、MはNa及び/又はKを示し、y/x=0.5〜1.9(モル比)z=0〜10である。〕
【0015】
一般式(1)で表されるアルカリ金属珪酸塩は、1質量%までの量の他の元素及び/又は化合物を含んでも良い。他の元素としては、アルミニウム、鉄、チタンなどが例示され、また他の化合物としては、Al23、Fe23が例示される。
【0016】
一般式(1)で示されるアルカリ金属珪酸塩として、メタ珪酸ナトリウム無水和物、メタ珪酸ナトリウム5水和物、メタ珪酸ナトリウム9水和物などが挙げられ、その中で特に、メタ珪酸ナトリウム5水和物、メタ珪酸ナトリウム9水和物が好ましく用いられる。
【0017】
<アルドン酸塩(B)>
本発明で用いられるアルドン酸塩の酸型化合物であるアルドン酸は、アルドースのアルデヒド基を酸化してカルボキシル基としたものに相当するポリオキシカルボン酸であり、一般式(2)で表される。
HOCH2(C*HOH)nCOOH (2)
(但し、nは0以上の整数を表わし、C*は不斉炭素原子を表わす。)
【0018】
アルドン酸は、上記したように、C*で表わされる不斉炭素原子を有するので光学異性体が多く存在する。一般式(2)中のnは0〜5が好ましい。
【0019】
アルドン酸は炭素数で分類され、炭素数4個(前記一般式(2)においてn=2)のものはテトロン酸、炭素数5個(前記一般式(2)においてn=3)のものはペントン酸、炭素数6個(前記一般式(2)においてn=4)のものは、へキソン酸と総称されている。アルドン酸の具体例としては、例えば、炭素数2個(前記一般式(2)においてn=0)のグリコール酸(別名:ヒドロキシ酢酸)、炭素数3個(前記一般式(2)においてn=1)のグリセリン酸、炭素数4個(前記一般式(2)においてn=2)のエリトロン酸、トレオン酸、炭素数5個(前記一般式(2)においてn=3)のリボン酸、アラボン酸、キシロン酸、リキソン酸、炭素数6個(前記一般式(2)においてn=4)のグルコン酸、アロン酸、アルトロン酸、マンノン酸、グロン酸、イドン酸、ガラクトン酸、タロン酸、炭素数7個(前記一般式(2)においてn=4)のグルコヘプトン酸等が挙げられ、それぞれに、D体、L体及びDL体が存在するものもある。
【0020】
アルドン酸の中で好ましいものは、炭素数が5であるキシロン酸、炭素数が6であるグルコン酸又は後述するグルコン酸の光学異性体である。特には、グルコン酸が好ましい。グルコン酸は単独で水溶液中に存在することは稀である。通常グルコン酸は、その一部がγ位或いはδ位の水酸基との間にそれぞれラクトン環を形成し、それぞれγ−グルコノラクトンやδ−グルコノラクトンになり、グルコン酸、γ−グルコノラクトン及びδ−グルコノラクトン3者の平衡混合物として存在すると言われている。グルコン酸は、D体、L体、DL体が存在しており、どれを使用してもよいが、一般的にD体のD−グルコン酸が容易に入手することができる。又、グルコン酸の光学異性体としては、例えば、アロン酸、アルトロン酸、マンノン酸、グロン酸、イドン酸、ガラクトン酸、タロン酸等が存在し、これらはグルコン酸と似た性質を示すので、これらを使用してもよい。
【0021】
又、アルドン酸の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、鉄塩、銅塩等が挙げられ溶解性の観点からアルカリ金属塩が好ましい。アルドン酸塩のうち、グルコン酸塩としては、例えば、グルコン酸リチウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸マグネシウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸バリウム、グルコン酸鉄(II)、グルコン酸銅(II)等が挙げられる。中でも、グルコン酸リチウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムを使用することが好ましい。アルドン酸塩、なかでもグルコン酸塩は単独で使用することは勿論、2種類以上併用して使用することもできる。
【0022】
本発明の複合粒子に用いられるアルドン酸塩(B)は、原料としての平均粒径が好ましくは1〜1000μm、より好ましくは1〜500μm、さらに好ましくは1〜300μmである。
【0023】
本発明の複合粒子は、〔アルドン酸塩(B)の含有量〕/〔アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の含有量+アルドン酸塩(B)の含有量〕(ここでアルカリ金属珪酸塩粒子(A)の含有量は無水塩換算の含有量である)の質量比が0.05〜0.75、更には0.1〜0.70、更には0.2〜0.6であることが、保存安定性・洗浄性能の観点から好ましい。
【0024】
本発明の複合粒子は、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)及びアルドン酸塩(B)の含有量の合計が70質量%以上、更に80質量%以上、より更に90質量%以上であることが好ましく、上限値は100質量%以下、更に99.9質量%以下、より更に99質量%以下から選択できる。本発明の複合粒子は、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)とアルドン酸塩(B)以外の成分を保存後の溶解性を阻害しない範囲で含んでいてもよいが、実質的にアルカリ金属珪酸塩粒子(結晶水も含む)(A)とアルドン酸塩(B)とからなる、つまり複合粒子におけるアルカリ金属珪酸塩粒子(A)(結晶水も含む)及びアルドン酸塩(B)の含有量の合計が100質量%であることが好ましい。また、他の成分を含む場合、本発明の複合粒子は、アルカリ金属珪酸塩粒子(結晶水も含む)(A)とアルドン酸塩(B)の含有量の合計が、複合粒子中に、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより好ましい。また99.9質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましい。(A)成分を無水塩に換算する場合は、(A)成分と(B)成分の合計の含有量は、複合粒子中に40質量%以上であることが好ましく、45質量%以上がより好ましく、55質量%以上がより好ましい。また99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下がより好ましい。
【0025】
アルカリ金属珪酸塩は保存中に炭酸ガスを吸収すると炭酸により分解され珪酸ゲルが遊離する。それが脱水縮合すると水不溶性のシリカとなり水不溶分が生成する。しかし、本発明の複合粒子では、保湿性を有するアルドン酸塩を含有することから、珪酸ゲルの脱水縮合が抑制されるため、シリカの生成が抑えられ水不溶分が低減するものと考えられる。
【0026】
アルカリ金属珪酸塩粒子(A)とアルドン酸塩(B)以外の成分としては、一部後述するが、例えば界面活性剤、その他バインダーなどの高分子重合体、その他炭酸塩、硫酸塩などの水溶性無機塩などが挙げられる。
【0027】
本発明の複合粒子の形態は特に限定されないが、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の表面にアルドン酸塩(B)を接触して存在させ、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)同士が直接接触しにくくさせる観点から、1個のアルカリ金属珪酸塩粒子(A)の表面にアルドン酸塩(B)の粒子が好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上、特に好ましくは4個以上存在する形態であることが望ましい。例えば、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)とアルドン酸塩(B)とが互いに緊密に接触した集合体の形態(形態A)、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)が単独粒子として存在し、その表面にアルドン酸塩(B)が2個以上接触して存在する形態(形態B)が挙げられる。形態Bの場合、アルドン酸塩(B)の平均粒径はアルカリ金属珪酸塩粒子(A)の平均粒径より小さい方が好ましい。とりわけ、形態Bにおいて、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の粒子表面をアルドン酸塩(B)が実質的に被覆した形態が特に好ましい。また、複合粒子が顆粒である場合、その粒子形状は、保存安定性(耐吸湿性・保湿性)を高める観点から、表面積が小さいことが好ましい。具体的には、球状であることが好ましく、表面が平滑であることが好ましい。さらに、顆粒中のアルカリ金属珪酸塩粒子(A)とアルドン酸塩(B)は均一に分散し、各々が交互に接触した形態で顆粒を形成していることが保存安定性を高めるうえで好ましい。例えば、平滑性や球形度を上げる為には、不二パウダル株式会社製のマルメライザー、株式会社パウレック製の湿式・乾式整粒機コーミル等の処理装置を用いることができる。
【0028】
本発明の複合粒子は、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)とアルドン酸塩(B)とを複合化することで得られる。本発明の複合粒子の平均粒径は、分散性と保存安定性の観点から、10〜3000μmが好ましく、50〜600μmがより好ましく、100〜500μmが更に好ましい。また、本発明の複合粒子におけるアルカリ金属珪酸塩粒子(A)の平均粒径は、分散性と保存安定性、及び水への分散性の観点から、好ましくは1〜1000μmであり、より好ましくは1〜500μmである。また、本発明の複合粒子におけるアルドン酸塩(B)の平均粒径は、同様の観点から、好ましくは1〜1000μmであり、より好ましくは5〜500μmであり、更に好ましくは20〜300μmである。また、本発明の複合粒子では、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の平均粒径よりもアルドン酸塩(B)の平均粒径が小さい方が、複合粒子の形態が、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の表面にアルドン酸塩(B)が接触した形態になりやすくなるため好ましい。
【0029】
なお、複合粒子の平均粒径、複合粒子におけるアルカリ金属珪酸塩粒子(A)及びアルドン酸塩(B)の平均粒径の測定は、実施例に記載の方法により行うことができる。
【0030】
本発明の複合粒子は、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)とアルドン酸塩(B)とを機械力をかけつつ混合することで得ることができる。具体的な製造方法としては、以下の(i)〜(iii)等の方法が挙げられる。
(i)粒径がそれぞれ所範囲にあるアルカリ金属珪酸塩粒子(A)とアルドン酸塩(B)とを、混合機によって混合して複合化する方法。
(ii)アルカリ金属珪酸塩粒子(A)とアルドン酸塩(B)を粉砕機に添加し、粉砕しながら混合する方法。
(iii)造粒装置によりアルカリ金属珪酸塩粒子(A)とアルドン酸塩(B)を混合して造粒する方法。
【0031】
この場合、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)やアルドン酸塩(B)の粉砕前の平均粒径としては、得られる複合粒子が所定の範囲内の大きさに収まるのであれば特に限定されないが、前記の範囲であることが好ましい。
【0032】
本発明の複合粒子の製造に用いられる混合装置としては、(1)混合槽内部に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて、粉末の混合を行う形式のミキサー、例えば、深江工業株式会社製のハイスピードミキサー、ヘンシェルミキサー等、(2)粉体投入口を備えた竪型シリンダーと混合ブレードを備えたメインシャフトよりなり、メインシャフトは上部軸受けによって支えられ、排出側がフリーになっている構造の連続ミキサー、例えば、株式会社パウレック製のフレキソミックスミキサー等、(3)攪拌ピンを有した円盤の上部に原料を投入し、この円盤を高速回転させて、せん断作用によって混合を行う連続ミキサー、例えば、株式会社粉研パウテックス製のフロージェットミキサー、太平洋機工株式会社製のスパイラルピンミキサー等が挙げられる。
【0033】
アルカリ金属珪酸塩粒子(A)とアルドン酸塩(B)を複合化させた後、粒度を制御するために粉砕処理することが好ましい。用いることのできる粉砕装置は特に限定されない。例えば、化学工学便覧(改訂5版)(日本化学会編、丸善株式会社発行)826〜838頁に記載の粉砕機等が用いられ。具体例としては、(1)圧力や打撃力により粉砕する装置、例えばジョークラッシャー、ジャイレトリクラシャー、ロールクラッシャー、ロールミル等、(2)高速回転するローター周辺に打撃板が固定され、ローターと打撃板とによるせん断力等によって処理物を粉砕する装置、例えばハンマーミル、インパクトクラッシャー、ピンミル等、(3)リング上にロール又はボールが押しつけられつつ回転し、その間で処理物をすりつぶして粉砕する装置、例えばリングローラーミル、リングボールミル、遠心ローラーミル、ボールベアリングミル等、(4)円筒形の粉砕室を備え、その粉砕室の中に粉砕媒体としてボールやロッドを入れて回転もしくは振動させることにより処理物を粉砕する粉砕装置、例えばボールミル、振動ミル、遊星ボールミル等、(5)円筒形の粉砕室を備え、その粉砕室にボール又はビーズ等の粉砕媒体を入れ、この媒体に挿入したディスク型やアニュラー型の攪拌機構による、せん断、摩擦作用によって処理物を粉砕する装置、例えばタワーミル、アトライター、サンドミル等が挙げられる。
【0034】
本発明の複合粒子を混合処理で調製する際、アルドン酸塩(B)の平均粒径が、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の平均粒径の10分の1以下である場合、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の表面をアルドン酸塩(B)が被覆する形態をとりやすくなる。このような形態の複合粒子は、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の保存安定性を高める効果が高く好ましい。このような粒子形態の形成に適した混合装置としては、奈良機械株式会社製のハイブリダイザー、ホソカワミクロン株式会社製のメカノフュージョン、ノビルタ等が挙げられる。
【0035】
本発明においては、上記で得られた複合粒子を更に造粒することもできる。ここで、「造粒」とは粉状の原料から、ほぼ均一な形状と大きさをもつ粒子の集合体(例えば平均粒径200〜3000μm)を作る操作である。造粒装置としては、深江パウテック株式会社製のハイスピードミキサー、ハイフレックスグラル、株式会社パウレック製のバーチカルグラニュレーター、太平洋機工株式会社製のアペックスグラニュレーター、プロシェアミキサー、株式会社徳寿工作所製のジュリアミキサー、株式会社マツボー製のレディゲミキサー、日本アイリッヒ株式会社製のインテンシブミキサー、不二パウダル株式会社製のマルメライザー、ペレッターダブル、株式会社ダルトン製のツインドームグラン、ファインディスクペレッター、新東工業株式会社製のブリケッタ、ホソカワミクロン株式会社製のブリケッティングマシン、フロイント産業株式会社製やターボ工業株式会社製のローラーコンパクター等が挙げられる。
【0036】
造粒の際には、複合粒子の強度を高める目的で、分散性を阻害しない範囲でバインダーを加えることもできる。バインダーとしては、公知の水溶性バインダー又は非水溶性バインダーを用いることができる。バインダーは、複合粒子に対して、0.1〜30質量%、更に1〜10質量%用いることが好ましい。
【0037】
水溶性バインダーとしては、澱粉、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ガゼイン、カルボキシメチルセルロース、リグニンスルホン酸カルシウム、カルボキシメチルスターチ、リン酸エステルナトリウム、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、各種界面活性剤が挙げられる。
【0038】
また、非水溶性バインダーとしては、メタ珪酸アルミン酸ナトリウム、消石灰、石膏、セメント、にかわ等が挙げられる。これらの中では、顆粒強度向上と分散性を両立させる観点から、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、メタ珪酸アルミン酸ナトリウムが好ましく、ポリアクリル酸ナトリウム、メタ珪酸アルミン酸ナトリウムがより好ましい。
【0039】
本発明の複合粒子は、溶解性の観点から、実施例に記載の測定方法による水不溶分量が少ないものが好ましい。水不溶分量(%)は、実施例に記載の測定方法で、2%以下が好ましく、1%以下がより好ましく、0.5%以下が更に好ましい。下限値は0%である。
【0040】
<複合粒子の用途等>
本発明の複合粒子の用途は特に限定されない。アルカリ金属珪酸塩を配合する系において利用することができる。複合粒子は、複合粒子そのものを洗剤として用いることもでき、後述するベース洗剤に添加して洗剤組成物として使用することができる。
【0041】
<洗剤組成物>
本発明の複合粒子は、保存安定性が高く、アルカリ剤として機能する成分を含有するため、洗剤用のビルダーとして好適である。洗剤用のビルダーとして利用する場合、予め本発明の複合粒子を調製し、後述するベース洗剤、及び任意成分であるその他の洗剤用添加剤とを混合して洗剤組成物を得ることができる。
【0042】
ベース洗剤は、界面活性剤と、アルカリ剤(炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩等)や金属イオン封鎖剤(ゼオライトなどの金属イオン交換剤、メチルグリシン二酢酸塩などの有機金属キレート剤)などの洗剤用ビルダーとを含有するものであって、場合によっては粒状化に用いられるポリエチレングリコールなどのバインダー物質、硫酸ナトリウムなどの増量剤、ベース化する場合は有機溶剤などを含有する。任意のその他の洗剤用添加剤としては、酵素、漂白剤(過炭酸塩、過ホウ酸塩、漂白活性化剤等)、再汚染防止剤(ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース等)、柔軟化剤、還元剤(亜硫酸塩等)、蛍光増白剤、抑泡剤(シリコーン等)、香料等が挙げられる。その他の洗剤用添加剤は、粒状化したものであってもよく、2種以上の成分から成る粒子であってもよい。また蛍光染料や香料などは、安定性が損なわれない限り、複数の粒子の混合物に添加して全体の粒子に添加してもよい。
【0043】
ベース洗剤に本発明の複合粒子および任意であるその他の洗剤用添加剤とを混合して得られる洗剤組成物は、洗浄性能の観点から洗剤組成物中に、本発明の複合粒子〔好ましくは、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)(結晶水を含む)及びアルドン酸塩(B)の含有量の合計として〕を、1質量%以上混合してなることが好ましく、5質量%以上混合してなることがより好ましく、10質量%以上混合してなることが更に好ましい。また、水不溶分の生成抑制の観点から、70質量%以下混合してなることが好ましく、50質量%以下混合してなることがより好ましく、30質量%以下混合してなることが更に好ましい。また、本発明によると、アルカリ金属珪酸塩(A)の含有量を増加させても、保存による水不溶分の生成を抑制することができることから、アルカリ金属珪酸塩によるアルカリ性を高めた粉末洗剤組成物を調製することができる。具体的には洗剤組成物中のアルカリ金属珪酸塩(A)の含有量は、無水塩に換算して、0.5質量%以上、更には1質量%以上、更には3質量%以上であってもよく、水不溶物の抑制効果の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは26質量%以下である。
【0044】
また、洗剤組成物中の複合粒子以外のアルカリ金属珪酸塩(但し結晶性層状珪酸塩を除く)の含有量は、無水塩に換算して、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは実質的に含有しない。
【0045】
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、高級アルコール又はそのエトキシレート化物の硫酸エステルの塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステルの塩又は脂肪酸塩等が挙げられる。ここで、塩としてはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。非イオン性界面活性剤としては、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルポリグリコシド等が挙げられる。
【0046】
ビルダーとしては、本発明の複合粒子の他に、アルカリ金属炭酸塩、ゼオライト、非晶質アルミノ珪酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩等の無機ビルダーや、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アクリル酸(共)重合体等の有機ビルダーが挙げられる。
【0047】
本発明の洗剤組成物の用途は特に限定されず、衣料用洗剤、食器用洗剤、住居用洗剤、自動車用洗剤、身体用洗剤、歯ミガキ、金属用洗浄剤等として好適に用いられる。特には衣料用洗剤が好適である。
【0048】
衣料用洗剤として好ましい組成の一例としては、本発明の複合粒子1〜30質量%(好ましくはアルカリ金属珪酸塩粒子(A)及びアルドン酸塩(B)の含有量の合計として)、ゼオライト10〜50質量%、界面活性剤1〜50質量%、炭酸ナトリウム1〜50質量%、その他の成分(酵素、漂白剤、粘土粒子等)0.1〜5質量%を含有するものが挙げられる。
【0049】
本発明の洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であることが好ましく、平均粒径は、125〜1000μmが好ましい。
【0050】
本発明の洗剤組成物は、後述の実施例記載の方法(ただし、複合粒子は洗剤組成物に置き換えて試験する)で測定される水不溶分が、調製直後で2質量%以下、更に1質量%以下であることが好ましく、保存7日後で3質量%以下、更に2質量%以下、より更に1質量%以下であることが好ましい。
【実施例】
【0051】
下記の実施例及び比較例における、平均粒径、水不溶分量は以下の方法により、測定ないし算出した。また、ベース洗剤を以下の製造例により製造した。
【0052】
(1)原料の平均粒径の測定
原料としてのアルカリ金属珪酸塩(A)とアルドン酸塩(B)の平均粒径は、平均粒径の範囲により、以下のように測定した。
(1−1)200μm以上の平均粒径の測定
目開き125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの9段の篩と受け皿を用いて、受け皿上に目開きの小さな篩から順に積み重ね、最上部の2000μmの篩の上から100gの顆粒を添加し、蓋をしてロータップ型ふるい振とう機(株式会社平工製作所製、タッピング156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け5分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留した粒子の質量を測定し、各篩上の粒子の質量割合(%)を算出した。受け皿から順に目開きの小さな篩上の粒子の質量割合を積算していく。質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、またaμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとした時、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%とした場合、平均粒径は次の式から求められる。
【0053】
【数1】

【0054】
(1−2)200μm未満の平均粒径の測定
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、「LA920」)を用いて、エタノールを分散媒として、超音波3分照射後の粒度分布を相対屈折率1.5で測定したときの体積中位粒径(D50)の値を平均粒径とした。
【0055】
(3)水不溶分量の測定
水不溶分量の測定は、(i)調製直後の複合粒子、(ii)調製後、温度30℃、湿度70%、CO2濃度0.3%の条件で7日間保存した複合粒子、(iii)調製後、温度30℃、湿度70%、CO2濃度0.3%の条件で12日間保存した複合粒子、について行った。5℃にした水道水を1リットルビーカー(内径105mm、高さ150mmの円筒型、例えば岩城硝子株式会社製)の中に満たし、5℃の水温をウオーターバスにて一定に保った状態で、攪拌子(長さ35mm、直径8mm、例えば型式:ADVANTEC社製、テフロン(登録商標)丸型細型)にて水深に対する渦巻きの深さが略1/3となる回転数(1000rpm)で攪拌した。0.5gとなるように秤量した複合粒子を攪拌下に水中に投入・分散させ攪拌を続けた。投入から10分後に400メッシュの金網を通し、105℃で30分間乾燥し、金網上の残分を秤量し、〔金網残量÷0.5×100〕を水不溶分量(%)とした。
【0056】
(4)ベース洗剤の製造例
イオン交換水を200mmの長さの攪拌羽根を有する混合槽(容量:180L)に添加し、攪拌しながら加熱した。水温が55℃に達した後に、炭酸ナトリウム(デンス灰、セントラル硝子社製)を添加し、次に硫酸ナトリウム(無水中性ボウ硝,四国化成社製)を添加して15分間攪拌した。その後40質量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液(重量平均分子量10000、花王(株)製)を添加し、次いで塩化ナトリウム(やき塩、日本製塩社製)を添加して15分間攪拌した後、4A型ゼオライトを添加し、30分間攪拌して均質なスラリー(水分量53質量%)60kgを得た。このスラリーを噴霧乾燥して水分量1.2質量%のベース顆粒を得た。得られたベース顆粒の組成は、塩化ナトリウム8質量%、ポリアクリル酸ナトリウム12質量%、炭酸ナトリウム28質量%、硫酸ナトリウム26質量%、ゼオライト26質量%で構成されていた。次に、このベース顆粒に次のようにして界面活性剤等を添加することにより、ベース洗剤粒子を得た。
【0057】
容量5Lのレディゲミキサー(ラボミキサーM−5型、松坂貿易製)に上記ベース顆粒を36質量部投入し、100rpmで攪拌を開始した。そこに、70℃の界面活性剤混合液(非イオン界面活性剤39質量%、陰イオン界面活性剤46質量%、ポリエチレングリコール2質量%及び水13質量%で構成された液体)20質量部を3分間で投入し、5分間攪拌を行った。更に、このミキサーにパルミチン酸〔商品名:ルナックP−95、花王(株)製〕1質量部を30秒間で添加し、その後3分間攪拌を行った。更にこのミキサーに、ソーダ灰24質量部とゼオライト17質量部、を投入し、表面被覆を行い、目開き1180μmの篩を用いて洗剤粒子を分級し、1180μm未満の粒径のベース洗剤粒子を得た。ベース洗剤粒子の平均粒径は320μmであった。
【0058】
実施例1及び比較例1
(1)実施例1−1〜実施例1−4
平均粒径680μmのアルカリ金属珪酸塩粒子(Na2SiO3・5H2O、日本化学工業)と平均粒径190μmのグルコン酸Na(和光純薬)とを、表1記載の各比率で混合し、複合粒子を得た。得られた複合粒子の水不溶分量を表1に示す。なお、表1中、(B)/〔(A)+(B)〕(質量比)は、〔アルドン酸塩(B)の含有量〕/〔アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の含有量+アルドン酸塩(B)の含有量〕の質量比であって、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の含有量は無水塩換算の含有量である。また、複合粒子中の(A)+(B)の割合は、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)を結晶水を含む場合(有姿)の含有量と無水塩換算した場合の含有量のそれぞれに基づくものを示した。
【0059】
(2)実施例1−5〜実施例1−8
平均粒径614μmのアルカリ金属珪酸塩粒子(Na2SiO3・9H2O、日本化学工業)と平均粒径190μmのグルコン酸Na(和光純薬)とを、表1記載の各比率で混合し、複合粒子を得た。得られた複合粒子の水不溶分量を表1に示す。
【0060】
(3)比較例1−1〜1−2
アルカリ金属珪酸塩粒子(Na2SiO3・5H2O、日本化学工業)(比較例1−1)又はアルカリ金属珪酸塩粒子(Na2SiO3・9H2O、日本化学工業)(比較例1−2)のみを、便宜上、複合粒子として用いた。それらの水不溶分量を表1に示す。
【0061】
【表1】

【0062】
* アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の含有量を無水塩換算とした質量比
** アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の含有量を無水塩換算とした質量%
【0063】
表1から、(B)成分のアルドン酸塩を用いた実施例1−1〜1−8は、(B)成分のアルドン酸塩を含有しない比較例1−1〜1−2に比べて水不溶分量が非常に少ないことが分かる。本発明により、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)とアルドン酸塩(B)を複合化することで水不溶分の形成を抑制できることが明らかである。
【0064】
実施例2及び比較例2
実施例1−6又は比較例1−2の複合粒子と、前記製造例で得られたベース洗剤を混合して、粉末洗剤組成物を得た。なお、複合粒子と市販粉末洗剤の混合は、両者をチャック付ポリエチレン袋(ユニパック、サイズF)に入れて、15秒間手で振盪して行った。得られた粉末洗剤組成物について、実施例1等と同様に、調製直後と7日間保存の水不溶分量の測定(ただし、複合粒子は粉末洗剤組成物とする)を行った。結果を表2に示す。
【0065】
【表2】

【0066】
* アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の含有量を無水塩換算とした質量比
** アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の含有量を無水塩換算とした質量%
【0067】
表2の結果より、実施例1−6の複合粒子を含有する実施例2−1〜2−7の粉末洗剤組成物は、比較例1−2の複合粒子を含有する比較例2−1〜2−7の粉末洗剤組成物に比べ、保存後の水不溶分が低減することが明らかである。
【0068】
配合例
実施例1−1〜1−8において、グルコン酸Naの変わりにキシロン酸Na又はマンノン酸Naを用いる場合、本発明の複合粒子が得られる。
【0069】
更に実施例1−6のグルコン酸Naの変わりにキシロン酸Naを用いた複合粒子を調製し、該複合粒子を実施例2−1と同様にベース洗剤と混合することで、本発明の粉末洗剤組成物が得られる。
【0070】
また実施例2−1の粉末洗剤組成物100質量部に対して、その他洗剤用添加剤として、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼの3種類の酵素粒子の1種以上、珪酸ナトリウムで被覆された過炭酸ナトリウム粒子、アルカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを含有する漂白活性化剤粒子、炭酸ナトリウムとベントナイトとの造粒粒子の各粒子を、それぞれ複合粒子と同様の平均粒径の粒子として、その他洗剤用添加剤の合計が50質量部を超えない条件で、1質量部、5質量部又は10質量部の何れかの割合で1種以上混合すると、本発明の粉末洗剤組成物が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ金属珪酸塩粒子(A)及びアルドン酸塩(B)を含有する複合粒子。
【請求項2】
〔アルドン酸塩(B)の含有量〕/〔アルカリ金属珪酸塩粒子(A)の含有量+アルドン酸塩(B)の含有量〕(ここでアルカリ金属珪酸塩粒子(A)の含有量は無水塩換算の含有量である)の質量比が0.05〜0.75である請求項1記載の複合粒子。
【請求項3】
アルカリ金属珪酸塩粒子(A)及びアルドン酸塩(B)の含有量の合計が70質量%以上である請求項1又は2に記載の複合粒子。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の複合粒子と、アルカリ金属珪酸塩粒子(A)及びアルドン酸塩(B)以外の洗剤成分とを含有する洗剤組成物。

【公開番号】特開2013−35999(P2013−35999A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175591(P2011−175591)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】