説明

複合触媒の製造方法

【課題】
従来例に比べ短時間で、多孔性金属錯体と触媒作用を有する機能性材料との複合触媒を製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】
中心金属及び該中心金属に配位する有機配位子を含む有機金属錯体が集積して形成される、多孔性構造を有する多孔性金属錯体、及び、触媒作用を有する機能性材料を含む複合触媒の製造方法であって、前記多孔性金属錯体を構成する中心金属を含む化合物及び前記有機配位子となる化合物及び前記機能性材料又はその前駆体を含むと共に、前記多孔性金属錯体及び/又は前記複合触媒のシードが均一に分散している原料溶液を調製する工程、前記原料溶液を気相中に噴霧して液滴を生成する工程、前記液滴を加熱して前記シードを前記複合触媒に成長させる工程を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔性金属錯体と触媒作用を有する機能性材料との複合触媒の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、中心金属とこれに配位する多座有機配位子からなる金属錯体が集積し、多孔性の三次元構造体となった多孔性金属錯体は多数知られている(例えば特許文献1、2)。
【0003】
こうした多孔性金属錯体は、ゼオライトや活性炭といった他の多孔性材料に比べ、均一な細孔を形成することができることから、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、酸素、窒素、炭化水素等の吸着材料や吸蔵材料としての利用が期待され、その構造や合成法に関する研究が進められている。
【0004】
通常、多孔性金属錯体は、金属塩と有機配位子となる化合物をアルコール等の溶媒中に溶解し、反応させて析出(以下「液相法」)させることにより得られるが、液相法による生成には数時間から数日、場合によっては1週間近い時間を要し、また多量の溶媒が必要であった。
【0005】
本出願人等は、先に特願2011−126091に記載されている発明(以下「先行発明」という)により、液相法を含む従来例に比べ、極めて短時間で多孔性金属錯体を合成できる製造方法を提供した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−328050号公報
【特許文献2】特開2008−247884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述の先行発明を踏まえて更に発展させたものであり、従来例に比べ短時間で多孔性金属錯体と触媒作用を有する機能性材料との複合触媒の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明は、中心金属及び該中心金属に配位する有機配位子を含む有機金属錯体が集積して形成される、多孔性構造を有する多孔性金属錯体、及び、触媒作用を有する機能性材料を含む複合触媒の製造方法であって、前記中心金属を含む化合物、前記有機配位子となる化合物、及び、前記機能性材料又はその前駆体を含み、且つ、前記多孔性金属錯体のシードが均一に分散している原料溶液を調製する調製工程と、前記原料溶液を気相中に噴霧して液滴を生成する噴霧工程と、前記液滴を加熱して前記シードを前記複合触媒に成長させる加熱工程を備えるものである。
【0009】
または、上記目的を達成する本発明は、中心金属及び該中心金属に配位する有機配位子を含む有機金属錯体が集積して形成される、多孔性構造を有する多孔性金属錯体、及び、触媒作用を有する機能性材料を含む複合触媒の製造方法であって、前記中心金属を含む化合物、前記有機配位子となる化合物、及び、前記機能性材料又はその前駆体を含み、且つ、前記複合触媒のシードが均一に分散している原料溶液を調製する調製工程と、前記原料溶液を気相中に噴霧して液滴を生成する噴霧工程と、 前記液滴を加熱して前記シードを前記複合触媒に成長させる加熱工程を備えるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、目的とする複合触媒を極めて短時間に合成することができ、使用する溶媒量を低減することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1で得られた粉末のXRD測定結果である。
【図2】実施例1で得られた粉末のFT−IR測定結果である。
【図3】実施例1で得られた粉末のCOの吸着測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の製造方法を説明する。
【0013】
先ず、目的とする多孔質金属錯体に応じた金属化合物と有機配位子となる化合物、並びに、触媒作用を持つ機能性材料又はその前駆体を溶媒に溶解・分散して原料溶液の調製を行う。
【0014】
本発明で使用可能な金属化合物は、原料溶液に使用する溶媒に溶解可能なものであり、Zn、Cu、Mn、Co、Pd、Mg、Ca、Al、Cr、Mo、W、Fe、Ru、Rh、Ni、Cd等の無機化合物や有機化合物を使用することができ、その一例としては酢酸塩、蟻酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物等である。
【0015】
また有機配位子となる化合物も、原料溶液に使用する溶媒に溶解可能であれば特に限定はないが、例えば、ピラジン、アミノピラジン、メチルピラジン、ジメチルピラジン、アセチルピラジン、フェニルピラジン、キノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、ジメチルキノキサリン、ジヒドロキシキノキサリン、ジフェニルキノキサリン、フェナジン、ヒドロキシフェナジン、ピリミジン、ナフチリジン、キナゾリン、ビピリジン、ターピリジン、ピロロピリジン、ビキノリン、ビナフチリジン、ビピコリン、ジアミノビピリジル、イミダゾール、メチルイミダゾリン、フェニルイミダゾリン、アミノベンゾイミダゾール、メルカプトベンゾイミダゾール、ヒドロキシベンゾイミダゾール、メチルイミダゾール、ビスベンゾイミダゾール、ビスベンゾチアゾール、ビスベンゾオキサゾールイミダゾール、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等を使用することができる。
【0016】
触媒作用を持つ機能性材料又はその前駆体としては、分子性触媒や金属塩、活性金属種等があり、例えば金属錯体、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される粒子径が10μm以下の金属塩、金属ナノ粒子等を使用することができる。
【0017】
これらを溶解・分散する溶媒としては、最終目的物である複合触媒を分解しないものであれば使用することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、アセトン等の有機溶媒、水等が挙げられ、これらを単独若しくは二種以上を混合して使用することができ、特にはジメチルホルムアミド等の配位性溶媒を使用することが好ましい。
【0018】
本発明の製造方法においては、上述した金属化合物、有機配位子となる化合物を溶媒にに溶解し、且つ機能性材料又はその前駆体を溶媒に溶解又は分散することで原料溶液を調製する。各原料の配合比率は、目的とする金属錯体の組成や、選択する原料によって異なるため、適宜設定すれば良いが、後述するように、原料溶液の濃度及び温度、使用する溶媒、金属化合物や有機配位子となる化合物の選択は、原料溶液中のシードの生成のし易さに影響を与える重要な要因である。それ故、本発明を実施するに先立って、使用する原料の選択と共に、原料溶液濃度や温度について最適化を図っておくことが望ましい。
【0019】
なお、本発明において原料溶液には、その他にエチレングリコール等の添加剤を添加しても良い。
【0020】
本発明の製造方法においては、原料溶液に多孔性金属錯体及び/又は複合触媒のシードが含まれていることが特に重要である。先行発明で具体的に示したように、本発明の製造方法では、仮にシードを含んでいない原料溶液を噴霧加熱しても、多孔性金属錯体を含む複合触媒を良好に得ることはできない。
【0021】
本発明においてシードとは、複合触媒を構成する多孔性金属錯体と同様に、中心金属及び該中心金属に配位する有機配位子を含む有機金属錯体が集積して形成されているものであり、X線回折した場合でも多孔性金属錯体と同じピークパターンが得られるが、多孔性金属錯体に比べて集積度が低く、サイズも遙かに小さい中間体微粒子であり、一例としてSEM等により観察されるシードの粒径は200nm以下、好ましくは100nm以下である。
【0022】
なお、シードは、多孔性金属錯体単体の中間体微粒子でも構わないし、多孔性金属錯体と機能性材料とが複合化した複合触媒の中間体微粒子でも構わない。すなわち、前述した調製工程において、機能性材料やその前駆体以外の原料を含む溶液を用いて多孔性金属錯体のシードを生成した後に、機能性材料又はその前駆体を加えることにより原料溶液としても良いし、また、全ての原料を含む溶液を用いて最終目的物たる複合触媒のシードを生成するようにしても良い。
【0023】
原料溶液中にシードが含まれるかどうかは、原料溶液が懸濁しているか否かを目視で確認することもできる。例えば、前述したように原料溶液の濃度及び温度、使用する溶媒、金属化合物や有機配位子となる化合物の選択といった条件の最適化が図られている場合には、溶媒中に原料を溶解・分散させ数分〜数十分程度で原料溶液が懸濁化する様子を観察することができる。この時点で遠心分離等により固液分離しX線回折を行えばシードが生成していることを確認できる。原料溶液中に含まれるシードの濃度は、好ましくは0.1〜500mモル/Lである。
【0024】
原料溶液中にシードが生成し易い条件は、目的とする複合触媒によって異なる。
【0025】
例えば、複合触媒中の多孔質金属錯体が[Zn(1,3−bdc)(bpy)]である場合、金属化合物としては硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛の何れかに対し、有機配位子としてイソフタル酸及びビピリジンを、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)を組合せることが好ましく、具体例としては、金属亜鉛の濃度50〜500mモル/Lとし、金属亜鉛と有機配位子とをモル比で1:1.8〜1:2.2、イソフタル酸とビピリジンとをモル比で1:0.8〜1:1.2の範囲で配合し、15〜35℃、好ましくは20〜30℃の温度範囲内で攪拌を行うとシードが生成し易くなる。
【0026】
また多孔質金属錯体が[Zn(2MeIM)]である場合、金属化合物としては硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛の何れかを、有機配位子としては2−メチルイミダゾールを、溶媒としてはDMF、水、アルコール類の何れかを組合せ、更にエチレングリコールを添加することが好ましく、亜鉛濃度25〜2500mモル/Lで、金属亜鉛と有機配位子とモル比で1:1.8〜1:2.2の範囲で配合し、15〜35℃、好ましくは20〜30℃の温度範囲内で攪拌を行うとシードが生成し易くなる。
【0027】
なお、上述の原料溶液の調製工程において、原料溶液に対して超音波を用いた分散処理を行うと、より一層、シードが生成し易くなり好ましい。
【0028】
本発明の製造方法において、シードは噴霧される直前の原料溶液中に含まれていれば良い。例えば、各原料を溶媒中に分散・溶解した後、噴霧工程で噴霧されるまでの待機時間に、原料溶液の攪拌や温度調整、更には必要に応じてpH調整が行われ、シードが生成されるようにしても良い。また予めシードを生成しておき、これを新たに調製した原料溶液に添加攪拌し、均一に分散させた後に噴霧するようにすれば、シードの生成時間が調整工程終了の律速となることを避けることができる。
【0029】
調製した原料溶液は、気相中に噴霧し、微細な原料溶液の液滴を生成する。噴霧方法に限定はなく、例えば公知の超音波式や二流体ノズル式の噴霧器を使用することができる。液滴は気相中に10〜100g/の濃度になるように噴霧されることが望ましい。
【0030】
気相中に噴霧された原料溶液の液滴は電気炉等の加熱手段により加熱される。具体例としては、噴霧器によって霧化した原料溶液の液滴を、キャリアガスと共に電気炉中に搬送することにより、当該液滴を加熱することができる。
【0031】
キャリアガスを使用する場合、その種類には特に制限はなく、空気、酸素、水蒸気等の酸化性ガスや、窒素、アルゴン等の不活性ガス、或いはこれらの混合ガスを使用することができる。
【0032】
加熱温度は目的とする多孔性金属錯体や、使用する原料にもよるが、100〜350℃の範囲が好ましい。350℃を越えると有機配位子が分解してしまい目的物が得られず、100℃未満では目的物の生成が不十分である。好ましい加熱温度は200〜300℃である。
【0033】
本発明の製造方法においては、加熱時間に特に限定はなく、目的とする複合触媒や、使用する原料にもよるが、通常、0.1〜10秒程度の短時間の加熱で最終目的物を得ることができる。
【0034】
以上に説明した噴霧工程並びに加熱工程を実現できる具体的な装置としては、既知のスプレードライヤーや、特公昭63−31522号公報、特許第3277823号等に記載されている噴霧熱分解装置を活用することができる。
【0035】
加熱工程の後、気相中に生成した複合触媒は、必要に応じて冷却等を行った後、サイクロン等の公知の回収手段により回収(以下「回収工程」)される。
【0036】
なお、回収された複合触媒には、使用した溶媒等が不純物として含まれている場合があるため、真空乾燥処理等により不純物の除去(以下「不純物除去工程」)を行うことが好ましい。
【0037】
本発明の複合触媒として利用できる多孔質金属錯体の一例としては、 [Zn(1,3−bdc)(bpy)]、[Mn(1,4−bdc)(bpy)]、[Zn(2MeIM)] 、[Zn(dobdc)]、[ZnO(1,4−bdc)]、[ZnO(2,6−ndc)]、[Cu(btc)]、 [Al(OH)(1,4−bdc)]等があるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ここでbdcはbenzenedicarboxylic acid(1,3−bdc;イソフタル酸、1,4−bdc;テレフタル酸)、bpyは4,4’−bipyridine(4,4’−ビピリジン)、2MeIMは2−Methylimidazole(2メチルイミダゾール)、dobdcは2,5−dihydroxy−1,4−benzenedicarboxylic acid(ジヒドロキシテレフタル酸)、ndcはnaphthalene−dicarboxylic acid(ナフタレンジカルボン酸)、btcはbenzene−tricarboxylic acid(ベンゼントリカルボン酸)を意味する。
【0038】
本発明の複合触媒は、上述した多孔質金属錯体に、金属錯体等の分子性触媒、金属塩、ナノ粒子等の機能性材料が複合化したものであり、電極触媒や電池用の触媒、さらには生体材料といった用途に使用することが可能である。
【実施例】
【0039】
以下、実施例を説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0040】
〔実施例1〕
<溶液の調製>
先ず、酢酸亜鉛二水和物0.224g(1mモル)及び2−メチルイミダゾール0.164g(2mモル)をそれぞれ溶媒であるジメチルホルムアミド10mlに完全に溶解させ、さらに2−メチルイミダゾールの溶液に分子性触媒[(CoMeCp)](BFを0.1g加えて溶解させた後に、得られた二つの原料溶液を混合し、液温を25℃に保ったまま攪拌した。なお、ここでMeCpはメチルシクロペンタジエンを意味する。
【0041】
2つの原料溶液を混合してしばらくは濁りはなかったが、5分程度、撹拌を続けると溶液全体に濁りが生じ始め、この状態のまま15分間撹拌を続けることにより懸濁液(シードを含む原料溶液)を調製した。
<噴霧、加熱、回収>
上記懸濁液を2流体ノズルを用いて霧化し、250℃に設定した加熱炉に送り込んだ。この際、キャリアガスとして窒素ガスを用い、ガス流量は3L/minとし、加熱炉における加熱時間が2〜3秒になるよう制御した。
【0042】
加熱炉の出口にサイクロン捕集器を取り付けて、加熱炉で生成された粉末を回収し、真空乾燥処理を行った結果、0.4gの粉末が得られた(収率85%)
<評価>
上述のようにして得られた粉末について、ブルカーエイエックスエス製新型完全自動多目的X線回折装置D8 ADVANCEでXRD測定を行った結果、[Zn(2MeIM)]で示される多孔性金属錯体が含まれていることを確認できた。なお、図1にX線回折図を示す。
【0043】
また、この粉末をパーキンエルマー製フーリエ変換赤外分光分析装置Spectrum 100 FT−IRを用いて、ATR法にて測定したところ、図2のように、[Zn(2MeIM)]で示される多孔性金属錯体と複合化した触媒[(CoMeCp)](BFのピークが観測された。
【0044】
次に、この粉末を日本ベル製自動比表面積/細孔分布測定器BELSORP−miniIIを用いて、測定温度195KでCOの吸着測定を行った結果、図3に示されるように、吸着能を有することが確認できた。
【0045】
〔実施例2〕
分子性触媒[(CoMeCp)](BFを除く原料を用いて懸濁液を得た後、分子性触媒[(CoMeCp)](BFを添加して原料溶液を調製した以外は、実施例1と同様にして粉末を得た。この粉末について実施例1と同様、XRD測定、FT−IR測定、COの吸着測定を行った結果、粉末は[Zn(2MeIM)]で示される多孔性金属錯体と[(CoMeCp)](BFとの複合触媒であり、COに対する吸着能を有するものであった。
【0046】
〔実施例3〕
機能性材料を[(CoMeCp)](BFからPd粉末に変更し、混合攪拌する時間を30分間にした以外は実施例1と同様にして粉末を得た。この粉末について実施例1と同様、XRD測定、COの吸着測定を行った結果、粉末は[Zn(2MeIM)]で示される多孔性金属錯体とPd粉末との複合触媒であり、COに対する吸着能を有するものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心金属及び該中心金属に配位する有機配位子を含む有機金属錯体が集積して形成される、多孔性構造を有する多孔性金属錯体、及び、触媒作用を有する機能性材料を含む複合触媒の製造方法であって、
前記中心金属を含む化合物、前記有機配位子となる化合物、及び、前記機能性材料又はその前駆体となる化合物を含み、且つ、前記多孔性金属錯体のシードが均一に分散している原料溶液を調製する調製工程と、
前記原料溶液を気相中に噴霧して液滴を生成する噴霧工程と、
前記液滴を加熱して前記シードを前記複合触媒に成長させる加熱工程
を備えることを特徴とする製造方法。
【請求項2】
中心金属及び該中心金属に配位する有機配位子を含む有機金属錯体が集積して形成される、多孔性構造を有する多孔性金属錯体、及び、触媒作用を有する機能性材料を含む複合触媒の製造方法であって、
前記中心金属を含む化合物、前記有機配位子となる化合物、及び、前記機能性材料又は又はその前駆体を含み、且つ、前記複合触媒のシードが均一に分散している原料溶液を調製する調製工程と、
前記原料溶液を気相中に噴霧して液滴を生成する噴霧工程と、
前記液滴を加熱して前記シードを前記複合触媒に成長させる加熱工程
を備えることを特徴とする製造方法。
【請求項3】
前記加熱工程での加熱温度が100〜350℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−254398(P2012−254398A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127922(P2011−127922)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成23年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構『グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発』「副生ガス高効率分離・精製プロセス基盤技術開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000186762)昭栄化学工業株式会社 (55)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【出願人】(000003160)東洋紡株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】