説明

複合部品

複合部品(100)は、少なくとも局所的に周辺的に空間(201)を区切る外殻(200)を有し、外殻(200)を強化するための構造部品(300)を有する。構造部品(300)は、外殻(200)の、空間(201)を定めている壁(202,203,204)から少なくとも局所的に距離をおいて配置されている。外殻(200)の壁(202,203,204)と構造部品(300)との間に少なくとも局所的に構造材(101)が設けられている。外殻(200)は、少なくとも1つの自由エッジ(206,207)を含む。構造部品(300)が少なくとも局所的に外殻(200)の自由エッジ(206,207)を越えて延在している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、少なくとも局所的に周辺的に空間を区切る外殻から構成された複合部品に関し、また、外殻と構造部品の間に少なくとも局所的に設けられる構造材を有する構造部品に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の複合部品には、特に車両分野での出願がある。用いられている外殻は、例えばシル、A、BまたはCピラー、トランスバースリンク、ステアリングナックル、または、別の少なくとも局所的に槽状または外殻形の部品であって、特に、構造部品および構造材によって強化されたものに関する。
【0003】
上に述べられた種類の部品は、次のようにDE 69533457 T2に開示されている。
『複合部品であって、
外壁面および内壁面をもつC形のレールとして構成された外側の構造部分と、
外壁面および内壁面を有し、前記外側の構造部分と実質的に同じ形状を有する内側の補強部分とを備え、
前記内側の補強部分の前記内壁面が空洞を区切り、この空洞内に樹脂系材料の層が設けられ、
前記内側の補強部分の外壁面は、前記樹脂系材料によって前記構造部分の内壁面上に接着されているもの。』
【0004】
特にコストと重量を下げるために、そのような構造部分(それらは通常は金属材料で作られている)を、材料の可能な限りの最小の支出で製造する努力がなされている。しかしながら、この材料節約は複合部品の強度の減少に帰着する場合がある。
【0005】
そこで、この発明の目的は、少なくとも1つの外殻、外殻を強化する構造部品および構造材から構成された、改善された複合部品を供給することにある。
【発明の概要】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴によって達成される。
【0007】
この発明の有利な実施態様は、従属項として示されている。
【0008】
この発明の根本概念は、
少なくとも局所的に周辺的に空間を区切る外殻を有し、
上記外殻を強化するための構造部品を有し、
上記構造部品は、上記外殻の上記空間を定めている壁から少なくとも局所的に距離をおいて配置され、
上記外殻の壁と上記構造部品との間に少なくとも局所的に構造材が設けられ、
上記外殻は、少なくとも1つの自由エッジを含み、
上記構造部品が少なくとも局所的にこの自由エッジを越えて延在している、
複合部品の使用である。
【0009】
この関連において、例えば、上記外殻は、車両のいずれの部品でも、特にA、B若しくはCピラー、ステアリングナックル、風防フレーム、またはシルであり得る。この外殻は、少なくとも局所的に周辺的に空間を区切る。例えば、U状の断面をもつ槽状の部品として構成された外殻の関連において、「空間」は、上記部品のU形状によって区切られる、上記断面における領域と見なされる。しかしながら、例えば、上記外殻はまた、L状の輪郭を有し得るし、または、上下に空間を区切る壁としての表面をもつ平坦な部品を単に表すことができる。
【0010】
好ましくは、上記構造部品は、上記空間内で少なくとも局所的に配置され、上記構造部品による上記外殻の補強が可能にされる態様で、少なくとも壁または上記外殻の一部に接している。好ましくは、上記構造部品は、特に上記外殻と上記構造部品との間の接続および/またはエネルギ伝達能力を提供するために、2つの部品の間に構造材が設けられ得る態様で、上記外殻の空間を定める壁から少なくとも局所的に距離をおいて配置されている。
【0011】
一般に、そのような外殻は自由エッジを含む。「自由エッジ」は、本発明の目的のために、一方では、エッジによって定められる、外殻の壁の端部として理解されるが、他方では、平面の形態であり得るエッジ領域として、例えば局所的に上記空間を定める部分から突出する上記外殻の一部または領域としても、理解される。
【0012】
本発明の関連において、上記構造部品は、それが上記外殻の自由エッジを越えて少なくとも局所的に延在する態様で、構成される。上記自由エッジを越える上記構造部品のこの延在のせいで、例えば上記構造部品と上記外殻との間の接触面の高度のせいで、それは補強を、特に上記外殻のための上記構造部品の剛化性能を、向上させることが可能である。特に、上記自由エッジの上記領域における、上記構造部品と上記外殻との間の特定の領域は、構造材を装備され得る。これは、上記外殻上でこの領域において上記構造部品を固定化する。カバーは、全エッジ上に延在する必要がないが、その代りに、そのカバーは大きな力が上記外殻から上記構造部品へ伝達される領域内に設けられる態様で、設計され配置され得るか、または、さらに上記構造部品の強化された壁厚が与えられる。また、エネルギ伝達が全くまたは殆ど期待され得ない領域には、カバーはそれぞれ設けられず、上記構造部品のより少ない壁厚をもつカバーのみが設けられる。
【0013】
更なる利点は、上記外殻の上記エッジの保護が、上記カバーのおかげで上記構造部品によって提供されるということである。特に車両構造の中で用いられる外殻は、通常は金属材料から作り上げられる。用いられる材料は、しばしば腐食保護処理を受けるかもしれないが、加工ステップの結果として、エッジは保護されないことが多く、外部の影響に対して晒される。上記構造部品によって上記エッジを覆うための能力を提供することによって、特に、上記外殻の腐食を防ぎ、したがって、上記外殻のための保護能力を提供することが可能である。ここでまた、上述のように、作用する影響および応力に従って、上記構造部品によるカバーは設計され得る。例えば、完全なカバーは、水しぶきまたは凝縮によって直接影響を受けるエッジ上で適切である。隠された態様で配置されたエッジにおいては、カバーを少なくすること又はカバーを無くすことが多分必要かもしれない。2つの部品間の開いた空間を好ましく完全に満たす構造材が、上記構造部品と上記外殻との間の上記カバーの上記領域内に設けられる。その結果、上記エッジのための保護能力をさらに改善するために、密封されたカバーが提供され得る。
【0014】
特に、車両における荷重支持部品は、しばしば大きな力を扱わなければならず、さらに種々様々な風化の影響に晒されるので、上述の利点の組み合わせは好ましく選択される。従って、一方では、強化された複合部品を得るために、上記外殻のための上記構造部品の上述の剛化性能および/または強化性能が提供され得る態様で、上記構造部品によって、上記エッジがカバーされる態様で、上記構造部品は好ましく設計されている。他方では、例えば、より耐腐食性のある複合部品を得るために、外部影響によってストレスを受けるエッジのための保護能力が提供され得る態様で、上記カバーは設けられている。したがって、例えば車両構造における、サブフレーム、トランスバースリンク、または他の付属部品のような、外部の用途との関連で、環境条件の結果としての経年劣化の影響を低減することが可能である。
【0015】
上記構造部品は、好ましくはプラスチック材料から製造される。PE若しくはPPのような既知のポリオレフィン、PVC(軟または硬)、ABS、PC(特に透明)、ポリアミド(特にPA6、PA6.6、PA4.6)、フィラー(特にガラス繊維、ガラスビーズ、V0、鉱物)を有するプラスチック、TPE、TPU、またはPSは、特に材料として、利用され得る。ポリアミド(特にPA6.6)の使用は、上記構造材のための物質として特に有利であると分かった。上記構造部品は、同様に複合部品であり得、繊維強化方式で特に設計され得る。この関連において、60%までの比率のガラス繊維を有するポリアミドの使用は、有利であると分かった。特に、ガラス繊維の比率は15%と35%の間の範囲内にあるのが好ましい。
【0016】
高い弾性率をもつ構造部品は、好ましく用いられる。上記構造部品は、異なる強度の領域をもつのが好ましい。特に高負荷が予想される外殻の領域は、大きな厚さをもつ上記構造部品によって強化され得る。上記外殻のそれほど高く負荷がかからない領域では、材料を節約するために、上記構造部品の厚さは、特により少なくされ得る。
【0017】
更なる利点は、繊維強化プラスチックで作られていた構造部品の使用である。上記構造部品の材料としての繊維−プラスチック複合材の使用は、高い特定の剛性および強度が達成されることを可能にする。その結果、特に、軽量の構造の用途に適している構造部品が提供され得る。用いられる強化繊維は、特に、例えば玄武岩繊維、ボロン繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、または珪酸繊維のような、無機強化繊維である。また、考えられるのは、金属の強化繊維、例えば鋼繊維である。例えばアラミド繊維、炭素繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、またはポリエチレン繊維のような、有機強化繊維の使用は、また有用であると分かるかもしれない。また、考えられるのは、例えば亜麻繊維、麻繊維、またはサイザル繊維のような、天然繊維の、再生可能な強化繊維の使用である。
【0018】
更なる利点は、例えば鋼、アルミニウム、マグネシウム、または鋼編組のような、金属で作られたた構造部品の使用である。そのような構造部品の使用は、剛性と強度の点で厳しい要求が存在する強化された複合部品のために、特に適切である。被覆および/または塗布された金属の使用は、外部の影響から上記構造部品を保護するために、有利であるかもしれない。
【0019】
上記外殻への上記構造部品の取り付けは、上記構造材を介して接着することによって、更に達成され得る。クリップまたはスリップオン式のファスナは、対応するレセプタクルまたは対応する部品とともに、更に上記構造部品および/または上記外殻上に、追加で又は交替で設けられ得る。また、例えば金属タブのような、金属材料で作られた接続手段も考えられる。その結果、上記構造部品は、溶接法によって上記外殻に接続され得る。
上記構造部品および上記外殻に対するさらに考えられる接続能力は、付属されたクランプ用リブ(rib)またはクランプ用突起(nub)による。
【0020】
用いられる構造材は、5MPaから40MPaまでの範囲内にある圧縮強度を持つのが好ましい。10MPaから25のMPaまでの範囲内にある構造材は、特に好ましい。更に、上記構造材は、300MPaから25,000MPaまでの範囲内にある弾性率をもつのが好ましく、500MPaから1500MPaまでの範囲内にある弾性率をもつのが特に非常に好ましい。更に、上記構造材として熱的に膨張可能な構造フォーム(structural foam)を用いるのが、特に有利なこと分かった。中膨張から低膨張のフォーム(泡状物)は、必要な高い強度および粘着を示す上記構造材として、好ましく用いられる。膨張するフォームは、上記壁および上記構造部品における製造ばらつきを補うために、隙間が閉じられ得る、という利点を有する。したがって、最大のエネルギ伝達は、製造ばらつきの関連でさえ保証され得る。さらに、隙間を閉じることは、部品の腐食防止のために働く。そのようなフォームの使用での更なる利点は、本発明による部品の利用潜在力を向上させながら、強度物性が80℃を超えて延びる広い温度領域にわたって得られる、ということである。
【0021】
上記構造材として熱的に架橋するフォームの使用は、有利であると分かった。膨張可能な化合物は、好ましくは少なくとも下記成分を含む:
a) 樹脂(以下「結合剤(binding agent)」とも言う。)であって、120℃から220℃までの範囲内の温度で、それ自体と又は上記化合物の他の成分と架橋するもの
b) 発泡剤であって、120℃から220℃までの範囲内の温度で反応して、体積の増大とガスの発生とをもたらし、それによって、少なくとも20%だけ上記化合物の体積を増加させるもの
【0022】
上記熱的に膨張可能な構造材に適している重合の基礎的な結合剤(「樹脂(resin)」)は、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体、(メタ)アクリレートエステルを有するエチレンの共重合体(それはまた、付加的に、中へ重合した(メタ)アクリル酸の部分を含む。)、ブタジエンまたはイソプレンまたはそれらの水素添加生成物を有するスチレンの統計共重合体またはブロック共重合体である。また、後者は、SBS、SISタイプまたはそれらの水素添加生成物SEBS若しくはSEPSの三ブロック共重合体SEPSになり得る。さらに、上記結合剤はまた、架橋剤、接着促進剤、粘着性を強める樹脂(「粘着付与剤(tackifier)」)、可塑剤、および、例えば低分子量オリゴマのような更なるアジュバントおよび添加剤を含むことができる。十分な発泡能力および膨張性を達成するために、これらの重合の結合剤は、さらに下記の発泡剤を含んでいる。
【0023】
特に、WO2004/065485と同様に、例えばWO00/52086またはWO2003/054069に開示されているように、エポキシ樹脂と硬化剤をベースとして、上記反応性の膨張可能な構造材のための別の結合剤系(「樹脂(resin)」)を用いることは、可能である。材料に関連するそれらの態様に関して、前述の文献が参照され得る。その点に関して、それらの開示は、本特許出願の開示を補足する。
【0024】
更に、上記反応性の構造材は、例えば、可塑剤、レオロジーアジュバント、架橋剤、接着促進剤、経年劣化保護材、安定剤、および/または着色顔料のような、通常のアジュバントおよび添加剤を含むことができる。
【0025】
それに代えて、高強度の上記構造材として化学的に架橋するフォームの使用は、また考えられる。化学反応の結果として自己膨張するフォーム、発熱剤及びおそらく適当な起泡剤によって膨張するフォーム、または、既知の発泡技術による空気または他のガスの供出の結果として、泡立ちの程度に関して可変的に膨張するフォームが、特に用いられる。
【0026】
また、既存の構造材、例えば既存の技術に従う強化用化合物の関連において通常であるように、上記構造材がわずかに泡立ち、そして、それによって、硬化する温度へ加熱すると、体積において増加することは望ましい。上記接続要素と上記構造部品との間で、それぞれ、全ての側に有効な、非ポジティブエンゲージメント、それによって、上記壁は得られる。それゆえ、そのことは、100℃から200℃まで加熱すると、上記構造材が泡立ち、その関連で、約30%から約250%まで体積が増大する、本発明による半組立品の場合には、好ましい。この効果を生成ずる発泡剤は、既存の技術から当業者に知られている。その例は下に示される。
【0027】
特に壁の間の空洞の剛化および/または吸収および/または減衰の目的が、キュアの後に達成されるのを許容するために、用いられる上記構造材は、少なくとも180MPaの弾性率を有しているのが有益である。当業者が知っているように、このことは、硬化剤と促進剤の性質および量によって確立され得る。その例は下に示される。
【0028】
車体における空洞の剛化のための、既存の技術から当業者に知られている、それらの合成物は、熱的な構造材として適切である。好ましくは、上記構造材は少なくとも次の成分、すなわち、少なくとも1つの反応性樹脂、また少なくとも1つの硬化剤および/または促進剤を含んでいなければならない。所望の膨張性質を確立するために、上記構造材がさらに少なくとも1つの発泡剤を含むことは好ましい。
【0029】
硬化可能な樹脂は、例えば、次から選択され得る:フリー又はブロックイソシアネート基をもつポリウレタン、不飽和ポリエステル/スチレン系、ポリエステル/多価アルコール混合物、ポリメルカプタン、シロキサン機能の反応性樹脂またはゴム、ベンゾアジン系樹脂、および反応性エポキシ基系樹脂。
【0030】
減量については、上記構造材は、前述の「正常な(normal)」フィラーに加えて、中空の金属球の群から選択される、いわゆる軽量のフィラーを含むのが好ましい。軽量のフィラーは、例えば、中空の鋼球、中空のガラス球、フライアッシュ(フィライト(fillite))、フェノール樹脂、エポキシ樹脂若しくはポリエステル系の中空プラスチック球、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、スチレン/(メタ)アクリレート共重合体、そして特に、アクリロニトリルおよび/または(メタ)アクリル酸エステルを有する塩化ビニリデンの共重合体とともに、ポリ塩化ビニリデンで作られた壁材をもつ、膨張された中空のミクロ球、中空のセラミック球、または、例えばコルク粉若しくはコークス粉とともに、カシューナッツ、ココナッツ若しくはピーナッツの殻などの、挽いたナッツ殻のような自然源の軽量の有機フィラーである。この関連において、特に好ましいのは、キュアされた形作られた要素の母材において、形づくられた要素で高い圧縮強度を保証する、それらの中空のミクロ球系の軽量フィラーである。
【0031】
特に好ましい実施態様では、熱的に硬化可能な上記構造材のための構成は、付加的に、アラミド繊維、炭素繊維、金属繊維(例えばアルミニウムからなる)、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維若しくはポリエステル繊維系の繊維を含む。これらの繊維は、好ましくは、0.5mmと6mmとの間の繊維長および5μmから20μmまでの直径をもつパルプ繊維若しくはスフ繊維である。アラミド繊維タイプのポリアミド繊維またはポリエステル繊維は、この関連で特に好ましい。
【0032】
構造材としての構造用接着剤の使用は、代わりに有利であると分かる場合がある。1成分および2成分の構造用接着剤の両方が、ここで考えられる。また、しかしながら、用いられる上記構造材は、エポキシ樹脂と活性化可能な又は潜在している硬化剤を含む1成分系であり得る。
【0033】
更に、これらの構造材は、単一成分の予備ゲル化可能(pre-gellable)な接着剤として考案され得る。後者の場合において、合成物は、ポリメタクリレート、ポリビニルブチラール、若しくは他の熱可塑性(共)重合体のような、例えば細かい粒子の熱可塑性粉末を含んでも良い。または、2段階の硬化プロセスが起こるように、硬化系が調節されても良い。その結果、ゲル化する工程は接着剤の部分的なキュアにのみ影響を及ぼし、最終的なキュアは車両構築の間、例えば塗装オーブンのうちの1つ、好ましくはカソード浸漬オーブンの中で起こる。
【0034】
更に、上記構造材の合成物は、例えば、可塑剤、反応性希釈剤、レオロジーアジュバント、架橋剤、経年劣化保護材、安定剤、および/または着色顔料のような、通常の更なるアジュバントおよび添加剤を含むことができる。
【0035】
特に、次のものは、構造材の母材として用いることができる:
【0036】
WO00/37554に従って、次のものを含む合成物:
A) 少なくとも−30℃以下のガラス転移温度およびエポキシに関して反応する基を有する共重合体、または、前記共重合体の、ポリエポキシドとの反応生成物、
B) ポリウレタンプレポリマとポリフェノールまたはアミノフェノールとの反応生成物、および
C) 少なくとも1つのエポキシ樹脂。
それに関するより詳細な情報が、前述のWO00/37554から集められるかも知れない。
【0037】
WO01/94492に従って、次のものを含む合成物:
A) 1分子当たり平均1つを超えるエポキシ基を有する少なくとも1つのエポキシ樹脂、
B) 少なくとも−30℃以下のガラス転移温度およびエポキシに関して反応する基を有する共重合体、または、A)に従う、前記共重合体の、エポキシ樹脂の化学量論的過剰との反応生成物、
C) 成分Aのための上昇された温度で活性化され得る、潜在している硬化剤、
および、
D) 二官能性のアミノ終端の重合体およびトリまたはテトラカルボン酸無水物から製造され得る反応生成物であって、1分子当たり平均で1つを超えるイミド基およびカルボキシル基で特徴づけられたものと、
E) 三官能性または多官能性の多価アルコールまたは三官能性または多官能性のアミノ終端の重合体および周期的なカルボン酸無水物から製造され得る反応生成物であって、上記反応生成物が、1分子当たり平均で1つを超えるカルボキシル基を含むものとのいかずれか、または
F) D)とE)に従う反応生成物の混合物。
それに関するより詳細な情報が、前述のWO01/94492から集められるかも知れない。
【0038】
WO00/20483に従って、次のものを含む合成物:
A) 少なくとも−30℃以下のガラス転移温度およびエポキシに関して反応する基を有する共重合体、
B) カルボン酸無水物または二無水物を、ジポリアミンおよびポリフェノールまたはアミノフェノールと反応させることにより、製造され得る反応生成物、
C) 少なくとも1つのエポキシ樹脂。
それに関するより詳細な情報が、前述のWO00/20483から集められるかも知れない。
【0039】
構造材としての本発明による使用の関連において、用いられる接着剤は、半組立品の部品の接続の後に、例えば120℃から200℃の範囲内の温度で、30分から120分までの範囲内の時間で、熱的に硬化される。硬化は、特に、50分から70分までの範囲内の時間で、110℃から130℃までの範囲内の温度で、特に実行され得る。
【0040】
国際特許出願PCT/EP2007/008141に記載されているような材料の使用は、また有用であると分かるかもしれない。材料に関するそれらの局面のために、前記文献に参照がなされ、その点に関して、その開示は、本特許出願の開示を補足する。
【0041】
膨張可能な構造材の活性化および膨張は、好ましくは、例えば自動車の車体のカソード浸漬塗装をキュアするためのカソード浸漬オーブンのプロセス熱を利用することによって、起こり得る。膨張可能な材料を膨張させるために、熱を別個に加えることは、もちろん考えられる。
【0042】
更なる利点は、射出成形法によって、上記構造部品上へ上記構造材を付けることである。その関連において、好ましく膨張可能な上記構造材は、射出成形動作の間に、金属材料またはプラスチック材料で作られた接続要素上に射出成形される。好ましくは、用いられている全ての構造材は、時間とコストを節約するために、1つの射出成形動作で付けられる。上記構造材を付けるための射出成形法の使用は、それらが上記構造部品上で意図された位置に正確に付けられることを可能にする。さらに、構造材の量の測定は単純である。その結果、あまり多すぎない材料(多すぎる材料はコストを増加させるだろう)または少なすぎない材料が付けられる。それに代えて、上記構造材は、上記構造部品上に、例えばロボットを用いて自動的に、ポンプ方法によって付けられ得る。
【0043】
部分を結合する射出成形法(part-joining injection molding)および/または二重射出成形法(bi-injection molding method)によって、上記構造部品を製造すること、および、上記構造材を上記構造部品に装備することは、プラスチック材料から運搬装置を製造する関連において、特に有利であると分かっている。第1ステップで、上記構造部品それ自身は、上記構造材のための有り得るレセプタクルおよび/または位置の保持のための接続手段および/または任意の更なる構成の特徴とともに、熱可塑性物質(特にポリアミド)を射出型に注入することによって、製造され得る。その後、射出型の二つの半型は、型から外すことのために引き離される。その後、第2の作動ステップで、特に熱的に膨張可能な材料で作られた複数の構造材は、第2の適切な射出型に付けられる。本発明による上記構造材を有する上記構造部品のためのこの種の(好ましくは完全に自動化した)製造方法で、強化されるべき上記外殻のための、正確に設計された上記構造材を有する上記構造部品は、小さい生産ばらつきで利用可能にされ得る。
【0044】
更なる利点は、上記外殻の、空間を決定する少なくとも1つの壁が自由エッジを含むような、強化された複合部品の使用である。特に、少なくとも局所的に上記空間内にある上記構造部品の配置の関連で、上記構造部品による1つのエッジの少なくとも局所的なカバーによって、上記構造部品の剛化性能は向上され得る。
【0045】
更なる利点は、上記構造部品が少なくとも局所的に上記外殻の自由エッジを完全に覆うために、上記外殻の自由エッジを越えて巻き付く態様(ラップアラウンド方式)で延在するような、強化された複合部品の使用である。一方では、ラップアラウンドは、上記構造部品によるエッジの保護のための特に良好な能力が提供されることを可能にする。他方では、上記構造部品の剛化性能は、ラップアラウンドによってさらに向上され得る。好ましくは、上記構造部品は、この関連で、上記外殻の側壁のエッジが上記構造部品のラップアラウンドによってカバーされるような態様で、構成される。この関連で、上記構造部品のラップアラウンド領域が、壁の全高さ、つまり上記外殻の側面を、内部と外部の両方で、実質的に完全に覆うことができる、ということが有用であると分かるかも知れない。
【0046】
更なる利点は、上記構造部品のラップアラウンド領域が上記自由エッジから少なくとも局所的に距離をおいて配置され、上記構造材が上記構造部品と上記自由エッジとの間に少なくとも局所的に設けられている、強化された複合部品の使用である。特に、このことは、完全な封止および/または音響的分離および/または上記外殻および上記構造部品の高強度の接続を可能にする。用いられる上記構造材は、ブチルゴム系で作られ得る。それは永久に可塑性であるか、または入熱によって架橋可能であっても良く、または、入熱の結果として膨張するEVA系のフォーム、または、熱的に反応する構造性接着剤若しくはフォームであっても良い。特に、上に網羅的に述べられた種類の上記構造材は、考えられる。
【0047】
更なる利点は、少なくとも局所的に槽状の外殻の使用である。特に安定した外殻が材料を比較的殆ど用いずに供給され得ることから、この種の外殻は、車両構築および電化製品製造に特に適している。この関連で、U状またはV状の断面をもつ外殻は、特に用いられ得る。また、適当なのは、I状の輪郭、または2重T状の輪郭、T状の輪郭、Z状の輪郭、またはL状の輪郭の形態にある、槽状の外殻である。そこでは、輪郭形状によって決定される通りに、槽として形成された空間が少なくとも部分的に区切られている。
【0048】
この関連において、上記構造部品が、上記外殻の槽状の部分へ向いて面している側で、上記外殻の槽状の部分と実質的に同じ槽状の部分を有する態様で、上記構造部品を構成することが、特に有利であると分かっている。従って、U状の輪郭を有する槽状の外殻を用いるとき、同様にU状の輪郭を有し、かつ、好ましくは、上記外殻によって区切られた空間に配置され得る態様で寸法設定された構造部品を用いることが可能だろう。
【0049】
この関連において、上記構造部品自体が第2の槽状の形状を区切り、上記外殻を強化するために、上記構造部品の上記第2の槽状の空間に剛化手段が設けられている態様で、上記構造部品を構成することは、特に有利である。この関連において、特に、第2の槽状の空間を区切る上記構造部品の一方の壁部の側から反対側に位置する壁部まで延在する剛化用リブを用いることが、可能である。好ましくは、上記構造部品によって上記外殻の最適の補強および/または剛化を提供するために、上記リブは、それらのリブが上記外殻および上記構造部品に作用すると予想される力に従って延在する態様で、配置され得る。さらに、剛化手段は、上記複合部品のそれぞれの応力ゾーンに関して設計されている様々な壁厚の強化用ウェブおよび/または強化用カラムとして、構成され得る。この点に関して、より高い予期された応力をもつゾーンには、より低い予期された応力をもつゾーンに比して、より厚いリブ、カラムまたはウェブが装備されるだろう。
【0050】
更なる有利な複合部品は、上記外殻に環境の影響からの保護を与えるために、空間を区切る上記外殻のその部分の全体を構造部品が実質的に覆う態様にある、上記構造部品の構成である。従って、上記構造部品は、例えばU状の輪郭をもつ外殻の場合には、例えば、上記外殻の底部領域と空間を区切る2つの側壁領域との両方を覆う。したがって、水分(それは、例えば車両カラムの場合、上記空間に特に集まる。)が上記外殻自体と接触するのを防ぐことが可能である。その結果、腐食は回避され得る。
【0051】
更なる利点は、上記構造部品に、取り付けられた部分を固定化するための手段を装備することである。このことは、上記構造部品による上記外殻の補強および/または剛化に加えて、上記構造部品によって、上記外殻上への更なる取り付けられた部分のための接続または設置能力が提供され得るという、特別の利点を有する。上記手段は、特に、当業者に知られた、ホルダ、フック、ねじ接続のためのオリフィス、または同様の接続要素のような、機能的な部品として構成され得る。そのような部品は、例えば車両構築に用いられる外殻の関連で、外部の影響について敏感な領域をしばしば代表する。これらの手段が上記構造部品上に提供されるという事実は、上記外殻のための更なる保護能力が、上記構造部品によって提供されることを可能にすることができる。
【0052】
少なくとも局所的に槽状の構造の外殻を使用することの関連における更なる利点は、空洞が上記構造部品と上記外殻との間に形成される態様で、その構造部品が少なくとも局所的に上記槽を覆う態様にある、上記構造部品の構成、および、少なくとも1つの補強手段(それらは上記外殻の方向に空洞内へ突出する)が上記構造部品上に設けられていることである。
【0053】
上記補強手段に接している上記構造材の使用は、更に有利であると分かっている。
【0054】
上記発明は、図面中に示された実施態様の例示に関して、更に詳細に以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、外殻、構造部品および膨張可能な構造材を有する本発明による複合部品の斜視断面図である。
【0056】
【図2】図2は、自動車のトランスバースリンクの形態にある本発明による複合部品の斜視図である。
【0057】
【図3】図3は、本発明による別の複合部品についての断面図である。
【0058】
【図4】図4は、本発明による更に別の複合部品の断面図である。
【0059】
【図5】図5は、本発明による更に別の複合部品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1は、槽状の外殻200と、この槽状の外殻200に入れられた、同様に槽状の構造部品300とを有する複合部品100を示している。示された断面において、外殻200はU状の輪郭を有しており、局所的に空間201を囲む底部204、第1の壁202および第2の壁203を含んでいる。空間201に設けられた構造部品300は、底部204および壁202,203から離れて配置されている。構造材101で満たされた隙間が構造部品300と外殻200の間に設けられている。この例では、これは熱的に膨張可能な構造材101であり、図示の例示する実施態様では膨張された状態にある。この構造材は、一方では、外殻200上で構造部品300の固定化を提供し、他方では、特に、汚れと水分が隙間に入ることができないように、構造部品300と外殻200との間の隙間を満たす。構造材101の粘着を改善するために、構造部品300の特に表面は、高度の粗さに仕上げられ得る。外殻200の表面は、同様に構成または処理され得る。
【0061】
2つの壁202および203は、底部204から反対向きの端で、つまり、第1の自由エッジ206、第2の自由エッジ207で、それぞれ終端している。構造部品300は、それが槽状の空間201内で底部204の上方および壁202、203の上方に延在する態様で構成されている。また、構造部品300は、第1のラップアラウンド304によって、第1の自由エッジ206を巻き付く態様(ラップアラウンド方式)で覆っており、第1の壁202の外側表面を実際に部分的にオーバーラップしている。さらに構造部品300は、第2のラップアラウンド305を含んでいる。この第2のラップアラウンドによって、それは、第2の自由エッジ207をこの側で同様に巻き付く態様で覆っており、第2の壁203の外側表面を局所的にオーバーラップしている。ラップアラウンド304および305の領域内でも同様に、構造部品300は、外殻200から離れて配置されている。隙間の中に設けられている構造材101は、特に2つの自由エッジ206および207が外部影響から、特に腐食から保護されるように、供給されている。
【0062】
ラップアラウンド304および305は、構造部品300の補強用内部要素の剛化性能を向上させることができるという利点を有する。その一方で同時に、外殻200の側壁202および203のエッジ206および207は、さらに腐食から保護され得る。同時に、特に車両構造における、例えば、サブフレームとしての外殻202の使用、トランスバースリンク、あるいは他の取り付け部品のような、外部の用途との関連で、環境条件の結果としての経年劣化の影響も低減され得る。
【0063】
現在の例示する実施態様は、金属材料で作られた外殻200、およびポリアミドで作られた構造部品300に言及する。その構造部品は、外殻200との組み立てに先立って、非膨張状態にある構造材101が配備された。構造部品300および外殻200の組み立ての後、構造材101は2つの部品200と300の間の固定化を達成するために膨張された。そのような配置の結果は、特に強い複合部品100を提供することであり、構造部品300が外殻200を補強する。構造部品300による補強の結果として、より少ない材料を用いて、同じか又は高められた強度をもつように製造され得る外殻200を利用することが可能である。さらに、構造部品300で壁202、203及び底部204を平面的に覆うことによって、また、特に構造部品300の、自由エッジ206、207の上方のラップアラウンド304、305を介した局所的な延在によって、外殻200に対する、特に自由エッジ206および207に対する保護能力を提供することが可能である。
【0064】
図2は、トランスバースリンクとして自動車に用いられる本発明による強化された複合部品100の斜視図である。ここで、同様に、複合部品100は、3つの脚208、209、210を含む外殻要素として用いられる外殻200から構成される。2つのアイレット212が、玉継手(図示せず)を受けるため、脚208および209上に設けられている。一方、脚210は、例えばゴム軸受(図示せず)のためのスリーブ211を含む。ここで、同様に、外殻200は、底部204を有する槽状の空間201を局所的に囲む。その空間は、2つの自由エッジ206および207を含む2つの壁によってさらに区切られている。構造部品300は、それが槽状の空間201に配置され、かつ構造材101によって外殻200に接続され得る態様で構成され、トランスバースリンクを強化するためにここで用いられている。構造部品300は、その構造部品の部分については同様に槽状であり、空間303を少なくとも局所的に形成している。構造部品300のベース形状は、外殻200のベース形状に実質的に対応している。構造部品300は、それが外殻200の自由エッジ206および207を巻き付く態様で覆う2つのラップアラウンド304および305を含む方式で、構成されている。外殻200を強化し、自由エッジ206、207を保護するために、ラップアラウンド304,305と自由エッジ206、207との間の隙間は、構造材101で満たされている。
【0065】
構造部品300は、更に開口302を装備している。その開口を通して、底部204の一部が露出され、また、現在の例示する実施態様において、カラー213が突出している。そのカラーにおいて、更なる部品がトランスバースリンクに接続され得る。ここで、同様に、補強部品300の空間303を通って延在する、複数の剛化用リブ307が、更なる補強のために設けられている。トランスバースリンクとして利用された外殻200が図示の構造部品300を装備しているので、強化された複合部品100が提供され得る。外殻200に作用する力は、構造材101を介して外殻200上で構造部品300が固定化されているおかげで、構造部品300によって吸収され得る。剛化用リブ307は、特に非常に負荷が高い領域で、補強のために設けられている。さらに、外殻200は、壁、および底部204の広面積が構造部品300によって覆われているという事実によって、外部の影響から、特に腐食から保護され得る。さらに、構造部品300は、ラップアラウンド304および305によって、外殻のうち自由エッジ206,207に対する更なる保護能力を提供する。
【0066】
図3は、本発明による更なる複合部品100の断面図である。その複合部品は、槽状の空間を少なくとも局所的に囲むU状の外殻200と、その上に設けられた構造部品300とを有している。構造部品300は、それが空間201、自由エッジ206,207、および壁202,203の外側領域を覆うように、蓋構造として構成されている。構造部品300は、外殻200から離れて配置されており、その隙間に構造材101が設けられている。外殻200上での構造部品300の固定化と、構造部品300と外殻200の間の隙間の封止が、その結果として提供され得る。さらに、この種の構造は、構造部品300と外殻200との間の電気的絶縁をも保証し得る。このことは、自動車の構造で、例えば特に構造部品300と外殻200が金属の導電材料からなるときに、必要であるかも知れない。
【0067】
外殻200の更なる補強のために、構造部品300は、空間201内へ突出する補強手段309を有している。その補強手段は、図示の実施態様では、円筒状の構造である。その構造部品300は、互いの隣りに、かつ互いから離れて配置されている複数の補強手段309を有することが、断面図から明白である。また同様に、構造材101が、隙間の中に、特に補強手段309の間に設けられている。
【0068】
図4は、本発明による強化された複合部品100の更なる実施形態の断面図である。ここで、同様に、U状の輪郭をもつ外殻200が用いられている。また、構造部品300は、空間201、自由エッジ206、207、および壁202および203の外側表面を覆っている。ここで、同様に、構造材101は、構造部品300と外殻200との間の隙間に、固定化および封止のために設けられている。
【0069】
図3に示される複合部品100のように、ここで用いられる構造部品300も、空間へ突出する複数の補強手段309を有している。その補強手段は、図示の実施態様では、異なった面積および直径を有している。ここで、同様に、補強手段309は、互いから離れて配置されている。しかしながら、補強手段309のうちの幾つかは、補強手段307を介して互いに接続されている。一方、他の補強手段309は、単に互いから距離をおいて配置されている。前記補強手段309間の隙間に、構造材101が配置されている。この方式において、特に強い複合部品100を提供する可能である。この複合部品は、構造部品300の特定の形状のおかげで、さらに外部の影響および腐食から保護される。
【0070】
図5は、本発明による構造部品100の更なる実施態様の断面図である。ここで、同様に、用いられている外殻200は、その基本形状としてU状の輪郭を有している。壁202は、底部204に関して反対に向いている側で、直角に曲がっている。壁202は、底部204と平行に延在する平坦な端領域205を有しており、自由エッジ206で終端している。反対側の壁203は、平坦な形状を有している。それは自由エッジ207で終端している。図示の例では、用いられている構造部品300は、それが壁202,203および底部204の内側を覆う態様で、構成されている。ここで、同様に、隙間が設けられており、その隙間は構造材で満たされている。自由エッジ207の領域において、構造部品300は、カバー306を有している。このカバーは、壁203、つまり自由エッジ207の端面を覆っているが、巻き付く態様では具体化されていない、つまり壁203の外部側を覆っていない。さらに、カバー306と自由エッジ207との間に隙間が設けられていない。その代りに、構造部品300は、カバー306によって自由エッジ207上に直接置かれている。
【0071】
反対側では、構造部品が壁202の形状に適合して、端領域205のためのカバーおよび自由エッジ206のためのラップアラウンド304を含んでいる。ここで、構造部品300は、外殻200から距離をおいて配置されている。隙間の中に、もう一度構造材101が設けられている。構造部品300は、壁202,203の内側のカバーおよび底部204の領域において、槽状の構造のものである。構造部品300の補強手段307が設けられている。この補強手段は、一方の側から、槽の上方で傾斜し、槽を区切りながら、反対側へ延在する。
【0072】
一般的に、図示されたすべての実施態様で、構造部品300の剛化し強化する性能は、剛化手段307および補強手段309の適切な選択および設計によって調節され得る。この関連において、特に異なった壁厚の、強化または剛化ウェブ、リブ、カラムとして、これらの手段307,309を用いることが考えられる。全体としての部品100のそれぞれの応力ゾーンに基づいて、より高い応力ゾーンにより厚いリブ、カラム、ウェブが装備される。
【0073】
特に、用いられるカラムは、一般的に、外殻200の縦軸に関して傾斜して又は垂直に配置され得る中空のものであり得る。カラムは、閉じた又は開いた円形、楕円体、または他の角の無い輪郭から構築され得る。さらに、カラムは、外殻200の縦軸と平行に配置され得るし、それから、軸の方向の補強のために、外部に半分面して、チューブとして取り付けられ得る。縦軸に沿った又は垂直なカラムは、完全に又は部分的に、構造的な粘着物か構造的な泡で充満され得る。カラムは、異なる直径を有することができ、各4つの丸いカラムの外壁202,203の接触点が1つの長方形または2つの三角形を形成するように配置され得る。また、カラムは、図3に示されるように、接触無しに配置、つまり自立され得る。または、カラムは、図4に示されるように、ウェブを介して接続され得る。
【0074】
さらに、外殻200の縦軸の方向において、構造材101で覆われている構造部品300の表面上で外殻200の縦軸と平行に、構造材101中に埋め込まれるリブを設ける、という考察もされ得る。複合部品100中へのエネルギ伝達の垂直な主方向の関連において、これらのリブは垂直に方向付けられ得るか、縦軸に関して、前記角度に一致した別の角度に方向付けられ得る。特に、リブまたはウェブは、波形の態様で具体化され得る。特に、ウェブ、カラム、リブの壁厚は、1mmから20mmまでの範囲内であるのが好ましい。
【符号の説明】
【0075】
100 複合部品
101 構造材
200 外殻
201 空間
202 第1の壁
203の第2の壁
204 底部
205 端領域
206 第1の自由エッジ
207の第2の自由エッジ
208 第1の脚
209の第2の脚
210 第3の脚
211 スリーブ
212 アイレット
213 カラー
300 構造部品
301 壁
302 開口
303 空間
304 第1のラップアラウンド
305 第2のラップアラウンド
306 カバー
307 剛化用リブ
308 部分
309 補強手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合部品(100)であって、
少なくとも局所的に周辺的に空間(201)を区切る外殻(200)を有し、
上記外殻(200)を強化するための構造部品(300)を有し、
上記構造部品(300)は、上記外殻(200)の上記空間(201)を定めている壁(202,203,204)から少なくとも局所的に距離をおいて配置され、
上記外殻(200)の壁(202,203,204)と上記構造部品(300)との間に少なくとも局所的に構造材(101)が設けられ、
上記外殻(200)は、少なくとも1つの自由エッジ(206,207)を含み、
上記構造部品(300)が少なくとも局所的に上記外殻(200)の上記自由エッジ(206,207)を越えて延在している、複合部品。
【請求項2】
請求項1に記載の複合部品(100)において、
上記外殻(200)の上記空間(201)を定めている少なくとも1つの壁(202,203)が、上記自由エッジ(206,207)を含む、複合部品。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一つに記載の複合部品(100)において、
少なくとも局所的に上記自由エッジを完全に覆うために、上記構造部品(300)は、上記外殻(200)の上記自由エッジ(206,207)を越えて巻き付く態様で延在している、複合部品。
【請求項4】
請求項3に記載の複合部品(100)において、
上記構造部品の(300)の巻き付く領域は、上記自由エッジ(206,207)から少なくとも局所的に距離をおいて配置され、
上記構造部品(300)と上記自由エッジ(206,207)との間に、少なくとも局所的に構造材(101)が設けられている、複合部品。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一つに記載の複合部品(100)において、
少なくとも局所的に槽状の外殻(200)が用いられている、複合部品。
【請求項6】
請求項5に記載の複合部品(100)において、
上記構造部品(300)は、この構造部品の、上記外殻(200)の槽状の部分に向いている側面に、実質的に上記外殻(200)の槽状の部分と同じ槽状の形状を有している、複合部品。
【請求項7】
請求項6に記載の複合部品(100)において、
上記構造部品(300)は、この構造部品自ら周辺的に第2の槽状の空間(303)を区切り、
上記外殻(200)を強化するために剛化手段(307)が設けられ、この剛化手段(307)は上記槽状の空間(303)内に設けられている、複合部品。
【請求項8】
請求項5に記載の複合部品(100)において、
上記構造部品の(300)と上記外殻(200)との間に空洞が生成される態様で、上記構造部品(300)は、上記外殻(200)の上記空間(201)を少なくとも局所的に覆い、
上記外殻(200)の方向で上記空洞の中へ突出する少なくとも一つの補強手段(309)が、上記構造部品の(300)上に設けられている、複合部品。
【請求項9】
請求項8に記載の複合部品(100)において、
上記補強手段(309)に接している少なくとも1つの構造材(101)が設けられている、複合部品。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一つに記載の複合部品(100)において、
上記外殻(200)に環境の影響からの保護を与えるために、上記構造部品(300)は、上記空間(201)を区切る上記外殻(200)の全部分を実質的に覆っている、複合部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−514217(P2013−514217A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543538(P2012−543538)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061083
【国際公開番号】WO2011/072889
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】