説明

複合電線の製造方法

【課題】 導電性線状体と複数の高強度連続長繊維のそれぞれの接着を十分に与え、高い機械的強度を有する複合電線の製造方法
【解決手段】 長手方向軸に沿って複数本の高強度連続長繊維を与えた複合電線の製造方法である。高強度連続長繊維の束を仮想平面上に送出するステップと、この仮想平面上で高強度連続長繊維を互いに平行になるように離間させつつその位置状態を保持させる開繊ステップと、高強度連続長繊維に導電性材料からなるメッキを施すメッキ施工ステップと、高強度連続長繊維を束ねて連続的に回収する回収ステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向軸に沿って連続長繊維を与えた複合電線の製造方法に関し、特に、長手方向軸に沿って複数本の高強度連続長繊維を与えた複合電線の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
主線となる導電性線状体の長手方向軸に沿って高強度連続長繊維を与えて機械的強度を高めた複合電線がある。かかる複合電線では、導電性線状体と高強度連続長繊維との接着が不十分であると、高強度連続長繊維の機械的性質を十分に複合電線に反映させることができない。
【0003】
ところで、このような複合電線の1つとして、正の線膨張係数を有する導電性材料に負の線膨張係数を有する高強度連続長繊維を与えて、熱膨張を抑えて機械的強度を高めた複合電線がある。かかる複合電線は、温度変化に伴う熱伸縮が問題となる場所で使用され、鉄道の電気施設用のトロリ線や吊架線などでも使用される。
【0004】
例えば、特許文献1では、導電性線状体の外周部にその長手方向に沿って伸びる溝を設け、該溝内に負の線膨張係数を有する高分子材料からなるロッド状体、ヤーンプリプレグやシートプリプレグを巻いた繊維などの高強度連続長繊維を配置して、接着剤で固定した複合電線を開示している。導電性線状体に形成された溝内に高強度連続長繊維を外から連続的に一様に押し込むことができて、溝内の繊維を接着時に押さえ続けることができて接着性を向上させ、また繊維密度を向上させ、高強度連続長繊維の機械的性質を十分に複合電線に与えることができると述べている。
【0005】
また、電線の長手方向軸に沿って複数の高強度連続長繊維を与えて機械的強度を高めた複合電線も知られている。
【0006】
例えば、特許文献2では、負の線膨張係数を有する高分子材料からなる高強度連続長繊維の束の周囲を正の線膨張係数を有する導電性材料で包囲しつつ互いを機械的に強固に密着させて複合化させた複合電線を開示している。導電性材料からなる円筒管内に負の線膨張係数を有する高分子材料からなる高強度連続長繊維を複数挿入してこれをスエージング加工することで複合電線を得ている。
【0007】
特許文献2では、スエージング加工に先だって、高強度連続長繊維を束ねてその外周にメッキを与え、このメッキと同種類の導電性材料からなる円筒管内に高強度連続長繊維の束を挿入し、スエージング加工することで複合電線を得ている。かかる方法により、導電性材料と高強度連続長繊維体との接着強度が向上し、複合電線に高強度連続長繊維の機械的性質をより反映できることを述べている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−172838号公報
【特許文献2】特開2008−235259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記したような熱膨張を抑えて機械的強度を高めた複合電線に限らず、複数の高強度連続長繊維を与えた複合電線では、複数の高強度連続長繊維のそれぞれと導電性線状体との接着が十分に得られなければ、高強度連続長繊維の高い機械的強度を効率よく複合電線に反映させることはできない。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、導電性線状体と複数の高強度連続長繊維のそれぞれの接着を十分に与え、高い機械的強度を有する複合電線の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による複合電線の製造方法は、長手方向軸に沿って複数本の高強度連続長繊維を与えた複合電線の製造方法であって、前記高強度連続長繊維の束を仮想平面上に送出するステップと、前記仮想平面上で前記高強度連続長繊維を互いに平行になるように離間させつつその位置状態を保持させる開繊ステップと、前記高強度連続長繊維に導電性材料からなるメッキを施すメッキ施工ステップと、前記高強度連続長繊維を束ねて連続的に回収する回収ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
かかる発明によれば、導電性線状体の少なくとも一部を担うメッキからなる導電性材料を直接、高強度連続長繊維のそれぞれに付与するステップを有し、導電性線状体と複数の高強度連続長繊維のそれぞれとの間の接着を十分に与え、高い機械的強度を有する複合電線を与え得るのである。また、高強度連続長繊維の表面に均一に導電性材料をメッキすることができて、長手方向への電気抵抗の分布のバラツキを減じることができる。さらに、導電性のより優れた電気抵抗の低く、発熱量の小さい複合電線を得ることができる。
【0013】
上記した発明において、前記回収ステップに続いて、前記高強度連続長繊維を撚り合わせた撚り合わせ繊維束を形成するステップを含むことを特徴としてもよい。さらに、前記撚り合わせ繊維束の複数をさらに撚り合わせるステップを含むことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、複数本の高強度連続長繊維同士の相対的な位置変動を抑制できて、高い機械的強度を有する複合電線を与え得るのである。
【0014】
更に、上記した発明において、前記高強度連続長繊維を導電性材料からなる導電性線状体に埋入させるステップを含むことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、導電性線状体との主部と、高強度連続長繊維に与えられた導電性線状体の一部を担うメッキとを一体化させて、導電性線状体と複数の高強度連続長繊維のそれぞれとの間の接着を十分に与え、高い機械的強度を有する複合電線を与え得るのである。
【0015】
更に、上記した発明において、前記メッキ施工ステップは、前記高強度連続長繊維のそれぞれに無電解メッキを施す無電解メッキ施工ステップと、無電解メッキを施された前記高強度連続長繊維のそれぞれに電解メッキを施す電解メッキ施工ステップとを含むことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、導電性線状体の少なくとも一部を担うメッキからなる導電性材料を高強度連続長繊維のそれぞれに効率よく付与できるのである。
【0016】
更に、上記した発明において、前記無電解メッキ施工ステップと、前記電解メッキ施工ステップとの間に、前記高強度連続長繊維の束を仮想平面上に送出するステップと、前記仮想平面上で前記高強度連続長繊維を互いに平行になるように離間させつつその位置状態を保持させる第2の開繊ステップと、を含むことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、導電性線状体の少なくとも一部を担う電解メッキからなる導電性材料を直接、高強度連続長繊維のそれぞれに効率よく付与できるのである。
【0017】
更に、上記した発明において、前記導電性材料は実質的に銅合金からなり、前記電解メッキ施工ステップは、電解銅メッキを施すステップであることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、導電性特性に優れる複合電線を与え得るのである。
【0018】
更に、上記した発明において、前記高強度連続長繊維は低熱膨張高分子材料からなることを特徴としてもよい。また、前記低熱膨張高分子材料は負の線膨張係数を有することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、導電性線状体と複数の高強度連続長繊維のそれぞれとの間の接着が十分に与えられるから、低熱膨張高分子材料からなり、さらに負の線膨張係数を有するような場合であっても、機械的性質の異なる導電性線状体と高強度連続長繊維の間で互いに剥離などを生じさせることなく、高い機械的強度を有する複合電線を与え得るのである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による製造方法により製造される複合電線の斜視図である。
【図2】本発明による製造方法により製造される複合電線の断面図である。
【図3】本発明による製造方法を示す工程図である。
【図4】本発明による製造方法の一工程を表す図である。
【図5】本発明による製造方法の一工程を表す図である。
【図6】本発明による製造方法の一工程を表す図である。
【図7】本発明による製造方法の一工程を表す図である。
【図8】本発明による製造方法の一工程を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
まず、本発明による製造方法で得られる複合電線について図1及び2を用いてその詳細を説明する。
【0021】
図1及び2に示すように、複合電線1は、電力を導くための長尺の電線であり、略円形状の断面を有する。複合電線1は、導電主線としての導電性線状体2と、導電性線状体2の機械的強度を高めるために芯線として与えられる高強度連続長繊維3とからなる。
【0022】
導電性線状体2は、電力輸送用の導電性材料からなり、例えば、銅又は銅系合金などの導電性の高い材料からなる。
【0023】
高強度連続長繊維3は、少なくとも導電性状体2よりも高い引張強度を有し、例えば、炭素繊維やアラミド繊維などの高強度繊維である。ここでは、温度変化による複合電線1の長手方向の伸びを低減させることを目的に、低熱膨張の高分子材料であって、負の熱膨張係数を有する高分子材料からなる連続長繊維である。高強度連続長繊維3の1本の繊維径は約10ミクロンである。
【0024】
高強度連続長繊維3は、複合電線1の長手方向中心軸、すなわち、導電性線状体2の長手方向中心軸近傍に集合配置され、かかる領域を長繊維集合領域4とする。長繊維集合領域4のマトリクス2’は、導電性状体2と実質的に同材料からなる。
【0025】
ところで、長繊維集合領域4内において、高強度連続長繊維3同士は互いに接触しておらず、高強度連続長繊維3の全てを1カ所に束ねたときに比べて、マトリクス2’との接触面積を増加させることができる。これによりマトリクス2’との強固な接着が得られる。また、マトリクス2’は導電性線状体2と実質的に同材料であるため、マトリクス2’と導電性線状体2とも強固に接着できる。つまり、高強度連続長繊維3を導電性線状体2に対して強固に固定できる。
【0026】
ここで、複合電線1に与えられる熱履歴が大きくなっても、複数の高強度連続長繊維3のそれぞれがマトリクス2’で強固に固定されていることから、高強度連続長繊維3とマトリクス2’との間での線膨張係数の差による歪みをマトリクス2’で分散できる。故に、高強度連続長繊維3とマトリクス2’との間で剥離を生じないのである。つまり、負の線膨張係数を有するような高分子材料を適用しても、複数本の高強度連続長繊維3の1本1本と導電性線状体2との強固に接着でき、固定できる。
【0027】
次に上記したような複合電線1の製造方法について、図3に従って、図4乃至図8を適宜、用いてその詳細を説明する。
【0028】
図4を参照すると、高強度連続長繊維3を束ねた高強度連続長繊維集束体3aが仮想平面25上に送出されて(第1の送出工程:S1)、高強度連続長繊維3を1本ずつ仮想平面25上で平行になるように離間して配置した状態に開繊する(第1の開繊工程;S2)。詳細には、高強度連続長繊維集束体3aを巻回したボビン21から高強度連続長繊維集束体3aを仮想平面25上に向かって一方向に引き出し、開繊処理部22を通過する際に、その吸気管23の発生する下降気流によって下方向へ吸引して「撓み」を与える(図4(b)参照)。これにより、前記した引き出し方向と垂直の横方向にも拡がって高強度連続長繊維集束体3aが高強度連続長繊維3の1本ずつに開繊されるのである。
【0029】
開繊された高強度連続長繊維集束体3aを開繊処理部22の後段にある後部ロール24で横方向位置をチャックしながら引き取る(開繊繊維3b)。つまり、開繊繊維3bは後部ロール24で引き取られた際に、仮想平面25上に互いに離間して並べられたままの状態で引き取られる。
【0030】
次に、開繊繊維3bの高強度連続長繊維3にメッキを施す(メッキ施工工程;S11)。なお、メッキ施工工程(S11)は、無電解メッキ工程(S3)、第2の送出工程(S4)第2の開繊工程(S5)、及び電解メッキ工程(S6)に細分化される。
【0031】
図5を参照すると、無電解メッキ工程(S3)では、前処理として、イオン交換樹脂を原料とした前処理剤がスプレー31により開繊繊維3bの高強度連続長繊維3の各々の表面に塗布される。この開繊繊維3bは仮想平面26上に射影したときに互いに離間して並べられた状態のまま、メッキ槽32の中を通過せしめられる。前処理によるイオン交換により、金属イオンが開繊繊維3bの表面に付着し、マトリクス2’と同材料からなる析出物が生じる。これにより、開繊繊維3bの表面にはマトリクス2’と同材料からなる皮膜が形成される。なお、前処理に先立って、開繊繊維3bの高強度連続長繊維3の洗浄が行われ得る。
【0032】
無電解メッキ工程(S3)において、開繊繊維3bは互いに離間して配置されているので開繊繊維3bの高強度連続長繊維3の1本1本に対して確実にメッキが与えられる。高分子材料からなる高強度連続長繊維3は、きわめて低い導電性であるが、無電解メッキ工程(S3)により、銅又は銅系合金などの導電性の高いマトリクス2’と同材料の皮膜を与えられることで、導電被膜繊維3cとなる。これにより、後述する電解メッキ工程(S6)で更に高速で導電性の高いマトリクス2’と同材料の皮膜を容易に与えることができるのである。
【0033】
なお、無電解メッキ工程(S3)の後、導電被膜繊維3cに残存するメッキ液の液切りや、工場内の引き回し等を行うため、適宜、導電被膜繊維3cを束ねて図示しないローラなどに巻き取られる。そこで、後述する電解メッキ工程(S6)に先だって、巻き取られた導電被膜繊維3cを送出し(第2の送出工程;S4)、再び開繊する(第2の開繊工程;S5)。なお、第2の送出工程(S4)と第2の開繊工程(S5)はそれぞれ前述した第1の送出工程(S1)と第1の開繊工程(S2)と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0034】
図6を参照すると、導電被膜繊維3cに電解メッキが施される(電解メッキ工程;S6)。詳細には、仮想平面27上に開繊された導電被膜繊維3cはメッキ槽42内において電解液を通過する。メッキ槽42内でその表面にマトリクス2’と同材料がメッキされる。導電被膜繊維3cにおいては、高い導電性を得ているため、マトリクス2’と同材料の皮膜を速やかに得ることができて、厚い被膜を短時間で得られる。また、第2の開繊工程(S5)により、導電被膜繊維3cの高強度連続長繊維3は仮想平面上に並べられた状態にあって、図示しない対向電極との電極間距離を一定にできる。故に、安定して厚いマトリクス2’と同材料の皮膜を与え得る。
【0035】
導電被膜繊維3cは、マトリクス2’と同材料の電解メッキ皮膜を得てメッキ高強度連続長繊維3dとなる。なお、電解メッキ工程(S6)は、電解銅メッキからなるマトリクス2’を施す工程である。かかる場合、導電性線状体2も銅又は銅系合金であるから、導電性線状体2、及び、高強度連続長繊維3との接着がより強固になる。
【0036】
図7を参照すると、メッキ高強度連続長繊維3dは、集束されて高強度連続長繊維束3eとされる(回収工程;S7)。詳細には、開繊したままのメッキ高強度連続長繊維3dは、これを束ねるガイド43に従って束ねられ、高強度連続長繊維束3eとなってボビン44に巻き取られる。
【0037】
続いて、高強度連続長繊維束3eを開いて、撚り合わせて、1次撚り合わせ繊維束を作製する(1次撚り合わせ工程;S8)。さらにかかる撚り合わせ繊維束の複数をさらに撚り合わせた2次撚り合わせ繊維束3fを形成する(2次撚り合わせ工程;S9)。なお、例えば、2次撚り合わせ工程(S9)を省略してもよい。また、1次撚り合わせ工程(S8)だけあってもよい。
【0038】
次に、2次撚り合わせ繊維束3fは導電性のマトリクス2’に埋入される(埋入工程;S10)。すなわち、導電性のマトリクス2’で2次撚り合わせ繊維束3fを被覆した複合電線1を得る。かかる埋入工程(S10)では、例えば、図8(a)及び(b)に示すように、筒状体である導電性のマトリクス2’の中空部に2次撚り合わせ繊維束3fを差し込み、これを4つのダイス45の中心45aに回転させながら送り込み、ダイス45により加圧鍛造するのである。かかるスエージング加工によれば、連続的に長尺の複合電線1を得ることができて好適であるが、他の公知の複合化手法も採用され得る。なお、埋入工程(S10)を省略してもよい。
【0039】
以上のS1乃至S11のステップにより、導電性線状体2と複数の高強度連続長繊維3のそれぞれの接着を十分に与え、高い機械的強度を有する複合電線1を得ることができる。また、高強度連続長繊維3の表面に均一にマトリクス2’と同材料の皮膜をメッキにより与えることで、長手方向への電気抵抗の分布のバラツキを減じることができる。さらに、銅又は銅系合金などの導電性の高いマトリクス2’と同材料のメッキとすることで導電性のより優れた電気抵抗の低く、発熱量の小さい複合電線1を得ることができる。
【0040】
なお、本実施例において、メッキ施工工程(S11)は、無電解メッキ工程(S3)、第2の送出工程(S4)、第2の開繊工程(S5)、及び電解メッキ工程(S6)としたが、例えば無電解メッキ工程(S3)だけであってもよい。また、第2の送出工程(S4)と第2の開繊工程(S5)とを省略してもよい。
【0041】
以上、本発明による代表的実施例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した請求項の範囲を逸脱することなく種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるだろう。
【符号の説明】
【0042】
1 複合電線
2 導電性線状体
2’ マトリクス
3 高強度連続長繊維
4 長繊維集合領域
22 開繊処理部
32 無電解メッキ槽
42 電解メッキ槽
43 ガイド
44 ボビン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸に沿って複数本の高強度連続長繊維を与えた複合電線の製造方法であって、
前記高強度連続長繊維の束を仮想平面上に送出するステップと、
前記仮想平面上で前記高強度連続長繊維を互いに平行になるように離間させつつその位置状態を保持させる開繊ステップと、
前記高強度連続長繊維に導電性材料からなるメッキを施すメッキ施工ステップと、
前記高強度連続長繊維を束ねて連続的に回収する回収ステップと、
を含むことを特徴とする複合電線の製造方法。
【請求項2】
前記回収ステップに続いて、前記高強度連続長繊維を撚り合わせた撚り合わせ繊維束を形成するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の複合電線の製造方法。
【請求項3】
前記撚り合わせ繊維束の複数をさらに撚り合わせるステップを含むことを特徴とする請求項2記載の複合電線の製造方法。
【請求項4】
前記高強度連続長繊維を導電性材料からなる導電性線状体に埋入させるステップを含むことを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の複合電線の製造方法。
【請求項5】
前記メッキ施工ステップは、前記高強度連続長繊維のそれぞれに無電解メッキを施す無電解メッキ施工ステップと、無電解メッキを施された前記高強度連続長繊維のそれぞれに電解メッキを施す電解メッキ施工ステップとを含むことを特徴とする請求項1乃至4のうちの1つに記載の複合電線の製造方法。
【請求項6】
前記無電解メッキ施工ステップと、前記電解メッキ施工ステップとの間に、
前記高強度連続長繊維の束を仮想平面上に送出するステップと、
前記仮想平面上で前記高強度連続長繊維を互いに平行になるように離間させつつその位置状態を保持させる第2の開繊ステップと、を含むことを特徴とする請求項1乃至5のうちの1つに記載の複合電線の製造方法。
【請求項7】
前記導電性材料は実質的に銅合金からなり、前記電解メッキ施工ステップは、電解銅メッキを施すステップであることを特徴とする請求項5又は6に記載の複合電線の製造方法。
【請求項8】
前記高強度連続長繊維は低熱膨張高分子材料からなることを特徴とする請求項1乃至7のうちの1つに記載の複合電線の製造方法。
【請求項9】
前記低熱膨張高分子材料は負の線膨張係数を有することを特徴とする請求項8記載の複合電線の製造方法。

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−129092(P2012−129092A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280368(P2010−280368)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000173784)公益財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【出願人】(504349146)共栄電資株式会社 (9)
【出願人】(500152267)丸八株式会社 (12)
【Fターム(参考)】