説明

複層塗膜の形成方法

【課題】天然繊維で強化されたポリプロピレン系樹脂成形品に繊維目の隠蔽された表面平滑性と、付着性等の塗膜性能に優れる複層塗膜の形成方法を提供することである。
【解決手段】樹脂成形体表面に、プライマー塗膜、上塗り塗膜を順次形成する複層塗膜の形成方法であり、
該樹脂成形体が、天然繊維で強化されたポリオレフィン系樹脂を主成分とするものであり、且つ天然繊維の含有量が樹脂成形体に対して10〜40質量%であり、
該プライマー塗膜が、塩素含有率が5〜40質量%である塩素化ポリプロピレン、(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレン、又は酸無水物変性塩素化ポリプロピレンのいずれかを含むことを特徴とする複層塗膜の形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低コストで、軽量、剛性及び表面平滑性に優れた天然繊維で強化されたポリオレフィン成形体の塗装を容易にする複層塗膜の形成方法を提供するためのものである。
【背景技術】
【0002】
自動車、家電、建材等に使用される樹脂成形品に装飾性等の付加価値を付けたり、あるいは耐候性を高めて製品の長寿命化を図ることを目的として、成形品の表面に塗装を施すことは従来から広く行われている。これら樹脂成形品としては、近年の脱石油資源の流れの中で、低コストで、軽量、剛性に優れた繊維強化プラスチックスとして、従来のガラス繊維に代わるものとして、天然繊維である植物繊維による強化プラスチックスが提案されてきた。
【0003】
例えば、不飽和ポリエステル樹脂を基礎とする天然繊維含有成形材料及びそれから得られる成形体に関して、残留モノマー含有量が少なく、スチレン臭の無い成形体を製造する(特許文献1参照)。
【0004】
あるいは、熱可塑性材料のシースでコーティングされた天然繊維のコアを含む成形用ペレットに関して、得られたペレットは成形工程の間、高いレベルで繊維長を保持し、かつ高いレベルの機械的性能を付与する(特許文献2参照)。
【0005】
あるいは、植物繊維を強化材とする従来の繊維強化プラスチックより強度性能に優れた植物繊維強化プラスチックを提供する(特許文献3参照)。
【0006】
あるいは、生分解性樹脂複合材料の製造方法及び生分解性樹脂複合材料の成形方法に関し、特に植物繊維を含有し、強度、生産性に優れる生分解性樹脂複合材料の製造方法及び生分解性樹脂複合材料の成形方法に関する(特許文献4参照)。
【0007】
あるいは、植物繊維強化プラスチック成形品に関し、更に詳しくは、アミンオキシドを溶媒に使って木材パルプを紡糸した繊維と熱硬化性樹脂とを主成分とする繊維強化プラスチック成形材料及びそれを用いて得られる繊維強化プラスチック成形品に関する(特許文献5参照)。
【0008】
あるいは、植物繊維に樹脂を含浸した植物繊維含有樹脂組成物であって、植物繊維の導管に樹脂が充填されており、比重が植物繊維の真比重と樹脂の真比重との加重平均値の90%以上であるもの(特許文献6参照)。
【0009】
あるいは、高強度の植物繊維含有樹脂組成物の製造方法に関するものである。植物繊維含有樹脂組成物の製造において、水分を含む植物繊維と樹脂を混練しながら、植物繊維中の水分を除去し、混練物を成形して樹脂組成物を得る(特許文献7参照)。
【0010】
あるいは、天然繊維を強化用繊維とし、帯電した静電気を逃がす除電性能に優れた天然繊維強化熱可塑性樹脂射出成形体に関する(特許文献8参照)。
【0011】
特にポリプロピレン樹脂に代表されるポリオレフィン系樹脂に、亜麻(リネン)や苧麻(ラミー)と言った植物繊維を練り込んだ成形組成物は低コスト、軽量であることから、今後の用途拡大が期待されている。ポリオレフィン系樹脂は安価であり、しかも、機械的物性、耐熱性、耐薬品性及び耐水性等に優れていることから、広い分野で使用されている。
【0012】
しかしながら、こうしたポリオレフィン系樹脂は分子中に極性基を持たないため一般に低極性であり、塗装や接着が困難であるという欠点を有している。この欠点を改善するために、該ポリオレフィン系樹脂からなる成形体の表面を薬剤等で化学的に処理したり、コロナ放電処理、プラズマ処理又は火炎処理等の手法で成形体表面を酸化処理するといった種々の手法が試みられてきている。しかし、これらの方法では、特殊な装置が必要であるばかりでなく、また、塗装性や接着性の改良効果が十分であるとは言えない。そこで近年塗料との密着性を改善する目的でポリオレフィン系樹脂中にゴム成分や水酸基含有ポリオレフィン樹脂を改質材として含有させて塗料との密着性を確保しているのが現状である(特許文献9〜11参照)。
【0013】
また、これらポリオレフィン系樹脂に良好な密着性を付与するための工夫として、いわゆる塩素化ポリプロピレンやエチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂を無水マレイン酸でグラフト変性した酸変性ポリオレフィン樹脂や、(メタ)アクリルモノマーでグラフト変性したアクリル変性ポリオレフィン樹脂がプライマー用塗料樹脂材料として開発されてきた(特許文献12〜25参照)。
【0014】
しかし、ポリオレフィン系樹脂に、強化材として亜麻(リネン)や苧麻(ラミー)と言った植物繊維を使用した場合には、繊維の太さの均一性が従来使われているガラス繊維に比較し不均一であるため、成形品表面に繊維目が顕著に現れ、上塗り塗装時に繊維目が消えず表面欠陥となり、メタリック塗装を施した場合には、メタリック顔料が繊維目に沿って配向し、商品価値を著しく損ねているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平6−16753号公報
【特許文献2】特表2003−531936号公報
【特許文献3】特開2005−67064号公報
【特許文献4】特開2005−307078号公報
【特許文献5】特開2006−316285号公報
【特許文献6】特開2007−197539号公報
【特許文献7】特開2007−224126号公報
【特許文献8】特開2009−132074号公報
【特許文献9】特開平5−239276号公報
【特許文献10】特開平8−109293号公報
【特許文献11】特開平10−147688号公報
【特許文献12】特開平5−97937号公報
【特許文献13】特開平5−132531号公報
【特許文献14】特開平10−158447号公報
【特許文献15】特開平11−181193号公報
【特許文献16】特開2001−114843号公報
【特許文献17】特開2000−143928号公報
【特許文献18】特開2001−11365号公報
【特許文献19】特開2001−114960号公報
【特許文献20】特開2001−152078号公報
【特許文献21】特開2002−188042号公報
【特許文献22】特開2002−212241号公報
【特許文献23】特開2005−126483号公報
【特許文献24】特開2008−19320号公報
【特許文献25】特開2008−56913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
以上のように、植物繊維で強化されたポリオレフィン系樹脂による成形品は、低コストで軽量かつ剛性には優れているものの、成形品表面に植物繊維による繊維目が浮き出し、表面平滑性に乏しく、上塗り塗装を施しても繊維目は消えず、逆に上塗り塗装による表面光沢の向上により繊維目がより強調され、商品価値を著しく損ねる結果となっていた。
【0017】
天然繊維である植物繊維を強化材とする当該発明においては、射出成形時に溶融可塑化シリンダー内で高温にさらされると、該植物繊維が熱劣化を起こして所望の性能が得られないことがあるので、可塑化温度は220℃以下の低いほうが好ましく、この点でポリオレフィン系樹脂は好ましい。
【0018】
また、より低コスト化を図るために、ポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレンホモポリマーを使用した場合には、ポリプロピレン樹脂成形体用プライマー塗料の付着性が必ずしも満足しうるものではないという課題もあった。
【0019】
本発明の目的は、かかる課題に鑑み、天然繊維で強化されたポリプロピレン系樹脂成形品に繊維目の隠蔽された表面平滑性と、付着性等の塗膜性能に優れる複層塗膜の形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、以下の構成により、上記課題を達成できることを見出し、本発明に到達したものである。
【0021】
本発明に従って、樹脂成形体表面に、プライマー塗膜、上塗り塗膜を順次形成する複層塗膜の形成方法であり、
該樹脂成形体が、天然繊維で強化されたポリオレフィン系樹脂を主成分とするものであり、且つ天然繊維の含有量が樹脂成形体に対して10〜40質量%であり、
該プライマー塗膜が、塩素含有率が5〜40質量%である塩素化ポリプロピレン、(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレン、又は酸無水物変性塩素化ポリプロピレンのいずれかを含むことを特徴とする複層塗膜の形成方法が提供される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、表面平滑性及び塗膜付着性に優れた天然繊維強化ポリオレフィン成形体に複層塗膜を形成する方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の天然繊維で強化されたポリオレフィン成形体への複層塗膜の形成方法を具体的に説明する。
【0024】
本発明に係わる複層塗膜の形成方法は、天然繊維で強化されたポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂成形体と、その表面に形成されたプライマー塗膜、上塗り塗膜を順次形成する複層塗膜からなっている。
【0025】
前記天然繊維で強化されたポリオレフィン系樹脂としては、従来から公知の各種成形材料を使用することができ、ポリプロピレン系樹脂であれば、プロピレン単独重合体でもよく、またプロピレンから誘導される構成単位とプロピレンを除く炭素数2〜12のα−オレフィンから誘導される構成単位とを含むブロックコポリマーであっても良い。
【0026】
プロピレンを除く炭素数2〜12のα−オレフィンとしては、公知のものを用いることができ、例えば、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、4−メチルペンテン−1、及び4−メチルヘキセン−1等の鎖状α−オレフィン、シクロペンテン及びシクロヘキセン等の環状α−オレフィン等を挙げることができる。これらのα−オレフィンは、1種類又は2種類以上を適宜組合せて用いることができる。
【0027】
プロピレンランダムコポリマーにおけるコモノマー含有量は、0.5〜20モル%が好ましく、より好ましくは1〜15モル%である。またプロピレンブロックコポリマーにおけるコモノマー含有量は、0.5〜50モル%が好ましく、より好ましくは1〜40モル%である。
【0028】
更にこのような成形材料は、耐衝撃性や剛性を上げたりプライマーとの付着性を上げる目的で、天然繊維、例えば、麻繊維(亜麻、苧麻、大麻、マニラ麻、黄麻、サイザル麻及びケナフ等)、竹繊維(真竹及び孟宗竹等)、綿、椰子繊維及びパイナップル繊維等の植物繊維の1種類又は2種類以上を樹脂成形体に対して10〜40質量%含有することが必須である。好ましくは12〜30質量%、より好ましくは15〜25質量%である。植物繊維中、セルロース成分がプライマーとの付着性を向上させるものと考えられ、植物繊維が10質量%未満ではプライマーの付着性に著しく劣り、また耐衝撃性や剛性にも劣る。一方、40質量%を超えると金型内での流動性に劣り、満足な成形体が得られない。植物繊維の平均繊維長や平均繊維径は、植物繊維の種類やその繊維化の方法で異なるが、植物繊維の平均繊維長は、1〜40mmが好ましく、より好ましくは1.5〜5mmである。また、平均繊維径は、5〜300μmが好ましく、より好ましくは10〜150μmである。植物繊維の平均繊維長が1mm未満であると、繊維本来の強度、剛性を十分反映することが困難となり、40mmを超えると植物繊維とポリオレフィン系樹脂の溶融混練による複合材料の作製中に、植物繊維同士が絡み合い分散不良となり、強度のばらつきや成形体表面の凹凸による外観不良が生ずるため好ましくない。また、平均繊維径が5μm未満の場合は、植物繊維本来の繊維形状を保っておらず、成形体の強度が低下し易く、300μmを超えると繊維目により成形体の表面平滑性に劣り、外観不良となり易く好ましくない。
【0029】
これら天然繊維で強化されたポリオレフィン系樹脂には必要に応じ、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、シランカップリング剤、難燃剤、又は着色顔料等を含有することができる。
【0030】
次に、本発明にかかる天然繊維で強化されたポリオレフィン系樹脂ペレットを製造する方法については公知の方法が使用できる。即ち、天然繊維で強化されたポリオレフィン系樹脂ペレットを製造する方法としては、長繊維強化ペレットが得られる引抜法が生産性や生産コストの面で特に好ましい。または、所定の長さに切断した植物繊維と、ポリオレフィン系樹脂ペレットとを二軸混練押出し機に投入し、ポリオレフィン系樹脂を溶融させて植物繊維と混練し、これを押出して冷却固化したものを所定の長さに切断すると言った方法が挙げられる。
【0031】
次に、本発明で用いられるプライマー組成物について説明する。
【0032】
本発明で用いられるプライマー組成物は、塩素含有率が5〜40質量%である塩素化ポリプロピレン、(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレン、又は酸無水物変性塩素化ポリプロピレンのいずれかを主成分として含有し、更に必要に応じて炭酸カルシウムやタルク、クレー等の無機粒子や着色顔料、カーボンブラック等の導電性顔料、(メタ)アクリル変性ポリプロピレン樹脂や酸無水物変性ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート樹脂等の各種樹脂、トルエンやキシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、又は帯電防止剤等の任意成分を含むものである。更には前記天然繊維で強化されたポリオレフィン系樹脂を主成分とする成形体との密着性を向上させる目的で、ニトロセルロースや、セルロースプロピオネート、エチルセルロース、アセチルセルロース又はセルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体である繊維素系樹脂を使用することができる。
【0033】
本発明で用いられる塩素化ポリプロピレンの塩素含有率は、5〜40質量%であることが必須で、好ましくは10〜30質量%である。この塩素含有率が5質量%以上であれば、ビヒクル成分との相溶性が低下することなく、良好な貯蔵安定性を有する。一方、塩素含有率が40質量%以下であれば、ポリオレフィン基材に対する良好な付着性が得られる。
【0034】
本発明で用いられる塩素化ポリプロピレンの重量平均分子量は30,000〜200,000であることが好ましい。重量平均分子量が30,000未満であると、プライマー組成物から得られる塗膜の強度が低く、高圧水洗等を行うと高い水圧で塗膜がポリプロピレン基材表面から剥離し易くなる。一方、重量平均分子量が200,000を超えると、ポリプロピレン基材に対する濡れ性が低下し、付着性が低下するとともに、粘度が高くなり塗装作業性が低下する傾向があるので好ましくない。
【0035】
本発明に用いる塩素化ポリプロピレンは、ポリプロピレンを公知の方法で塩素化反応することにより容易に得ることができる。例えば、原料のポリプロピレンを水又は四塩化炭素、クロロフォルム等の媒体に分散又は溶解し、触媒の存在下あるいは紫外線の照射下において加圧又は常圧下に60〜120℃の温度範囲で塩素ガスを吹き込むことにより行われる。
【0036】
原料のポリプロピレンとしては、結晶性ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合物、不飽和カルボン酸モノマーと不飽和ビニルエステルモノマーとエチレンからなる三元共重合物、及びエチレン−酢酸ビニル共重合物等が挙げられる。
【0037】
結晶性ポリプロピレンとは、アイソタクチックポリプロピレンであり重量平均分子量が10,000〜300,000のものが使用できる。
【0038】
プロピレン−α−オレフィン共重合物とは、プロピレンを主体としてこれにα−オレフィンを共重合したものであり、ブロック共重合物でもランダム共重合物の何れでも使用できる。α−オレフィン成分としては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、又は4−メチル−1−ペンテン等を例示することができる。プロピレン成分の含有量は55〜98モル%が適当で、55モル%未満だとポリプロピレンに対する付着性が低下する。また、98モル%を超えると塗膜の柔軟性が損なわれる。
【0039】
三元共重合物とは、不飽和カルボン酸モノマーと不飽和ビニルエステルモノマー及びエチレンを高圧ラジカル重合法、溶液重合法、又は乳化重合法等の公知の方法で共重合したものである。
【0040】
本発明で用いられる酸無水物変性塩素化ポリプロピレンは、塩素化ポリプロピレン部分と、この塩素化ポリプロピレン部分に結合した酸無水物部分とを含むポリプロピレン誘導体である。その塩素含有率は5〜40質量%であることが必須である。酸無水物部分含有量は0.8〜5質量%、重量平均分子量は10,000〜100,000であることが好ましい。酸無水物部分は、例えば、無水マレイン酸又は無水イタコン酸等の酸に由来する基からなり、グラフトして得られる変性された部分である。ここで重量平均分子量を10,000〜100,000と低く設定している理由として、塩素含有率が少ないと結晶性が高くなり、プライマー組成物中での貯蔵安定性の低下を防止するためである。
【0041】
酸無水物変性塩素化ポリプロピレンは、ポリプロピレンを酸無水物及び塩素と反応させて変性したものであり、例えば塩素との反応は、ポリプロピレンを含む溶液に塩素ガスを導入することによって行われる。また、酸無水物との反応は、例えば過酸化物の存在下、ポリプロピレン(又は塩素化ポリプロピレン)に酸無水物を反応させることによって行われる。
【0042】
酸無水物変性塩素化ポリプロピレンは、その塩素含有率が5〜40質量%の範囲にあれば特に限定はない。塩素含有率が5質量%未満であると、酸無水物変性塩素化ポリプロピレンが結晶化して、プライマー組成物の貯蔵安定性が低下し易い。他方、塩素含有率が40質量%を超えると、酸無水物変性塩素化ポリプロピレンの極性が高くなり、耐溶剤性が低下し易い。
【0043】
酸無水物変性塩素化ポリプロピレンの酸無水物部分含有量は、0.8〜5質量%の範囲にあれば特に限定はない。酸無水物部分含有量が0.8質量%未満であると、耐溶剤性が低下する。他方、酸無水物部分含有量が5質量%を超えると、酸無水物基が多くなり、耐水性が低下する。
【0044】
酸無水物変性塩素化ポリプロピレンは、その重量平均分子量が10,000〜100,000の範囲にあれば特に限定はない。重量平均分子量が10,000未満であると、プライマー塗膜の強度が低下し、容易に塗膜表面に傷が付く。他方、重量平均分子量が100,000を超えると、ポリオレフィン基材に対する濡れ性が低下し、基材に対する付着性が低下する。
【0045】
本発明で用いられる(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレンは、塩素化ポリプロピレン部分と、この塩素化ポリプロピレン部分にグラフトした(メタ)アクリル系重合鎖部分とを含むポリプロピレンである。
【0046】
本発明で用いられる(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレンは、例えば(メタ)アクリルモノマーを、過酸化物の存在下で、塩素化ポリプロピレンにグラフト重合させて得られる。(メタ)アクリルモノマーとしては、具体的には(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
【0047】
また、(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレンは、水酸基含有(メタ)アクリルモノマーを、過酸化物存在下で、塩素化ポリプロピレンにグラフト重合させて得られる、水酸基含有(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレンであってもよい。ここで使用される水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0048】
このような(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレンは、1種単独で使用することができるし、また2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0049】
本発明で用いられる(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレンの塩素含有率は、5〜40質量%であることが必須であり、好ましくは10〜30質量%である。この塩素含有率が5質量%以上であれば、ビヒクル成分との相溶性が低下することなく、良好な貯蔵安定性を有する。一方、塩素含有率が40質量%以下であれば、ポリオレフィン基材に対する良好な付着性が得られる。
【0050】
本発明で用いられる(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレンの重量平均分子量は30,000〜200,000であることが好ましい。重量平均分子量が30,000未満であると、プライマー組成物から得られる塗膜の強度が低く、高圧水洗等を行うと高い水圧で塗膜がポリプロピレン基材表面から剥離する。一方、重量平均分子量が200,000を超えると、ポリプロピレン基材に対する濡れ性が低下し、付着性が低下すると共に、粘度が高くなり塗装作業性が低下するので好ましくない。
【0051】
本発明にかかるプライマー組成物は、適宜、(メタ)アクリル変性ポリプロピレン樹脂や酸無水物変性ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、及びブロックイソシアネート樹脂等の樹脂、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン等の有機溶剤等を配合してもよい。樹脂を配合する場合は、塩素化ポリプロピレン、(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレン、又は酸無水物変性塩素化ポリプロピレンの合計100質量部に対して、樹脂0〜100質量部となるように配合される。
【0052】
また、本発明にかかるプライマー組成物は、二酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料、炭酸カルシウム、タルク、又は沈降性硫酸バリウム等の体質顔料を配合したものでも良い。
【0053】
プライマー組成物をポリプロピレン基材に塗布する方法については特に限定はないが、スプレー塗装が好ましい。
【0054】
本発明の複層塗膜の形成方法は、各工程の後、必要に応じてプレヒート工程を行ってもよい。なお、プレヒートとは形成された塗膜を硬化させない程度に加熱乾燥させることを意味し、通常形成された塗膜を40〜60℃で3〜10分間加熱する。
【0055】
また、各工程後、例えば80〜120℃で5〜30分間、それぞれ焼き付け乾燥工程によって塗膜を乾燥させてもよい。
【0056】
硬化後の膜厚は、例えばプライマー塗膜において5〜50μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは25〜45μmである。5μm未満であると薄過ぎて連続した塗膜が得られないことがある。一方、50μmを超えると、均一な塗膜が得られ難くなる。
【0057】
サーフェーサー塗膜においては、硬化後の膜厚が20〜50μmが好ましく、メタリックベース塗膜において10〜20μmが好ましく、クリヤー塗膜においては20〜60μmが好ましい。
【0058】
サーフェーサー塗料、上塗り塗料、メタリックベース塗料及びクリヤー塗料については、特に限定はないが、例えば、2液ウレタン塗料、1液メラミン焼付け塗料、1液アクリル焼付け塗料、及び1液ラッカー塗料等が挙げられる。
【実施例】
【0059】
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明について更に詳細に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例及び比較例により何ら限定されるものではない。
【0060】
<調製例>
「天然繊維で強化されたポリプロピレン樹脂成形板の作製」
表1に示す配合にて、天然繊維で強化されたポリプロピレン樹脂成形板を下記方法により作製した。単位は質量部である。
【0061】
天然繊維で強化された樹脂ペレットの製造方法としては公知の方法が使用でき、例えば引抜き法によってペレット径3mm、ペレット長8mmのペレットを製造した。天然繊維強化樹脂射出成形板を、表1に示す各ペレットをそれぞれ成形原料として、型締め力100トンの射出成形機により、長さ150mm×幅150mm×厚さ2.5mmの平板を作製した。
【0062】
【表1】

【0063】
ポリプロピレン系樹脂として、(A)プライムポリプロJ707G(ブロックポリマー、プライムポリマー社製)及び(B)プライムポリプロJ106MG(ホモポリマー、プライムポリマー社製)の2種類を使用した。調製例3では(C)ポリプロピレン樹脂と植物繊維との界面接着性と含浸性を向上させるために、マレイン酸変性ポリプロピレン(ユーメックス1001、三洋化成工業社製)を用いた。
【0064】
強化用植物繊維として、(D)黄麻(ジュート)、(E)苧麻(ラミー)、(F)竹(孟宗竹)を使用した。(D)の平均繊維長5mm、平均繊維径20μmであり、(E)の平均繊維長30mm、平均繊維径25μmであり、(F)の平均繊維長5mm、平均繊維径90μmである。
【0065】
「プライマー塗料の作製」
表2に示す配合にてプライマー塗料を調製した。単位は質量部である。塗料の作製は公知の方法が使用でき、例えば表2の成分を配合しサンドミルにて顔料を分散して作製した。
【0066】
【表2】

【0067】
(A)塩素化ポリプロピレン:塩素含有率9質量%、重量平均分子量80,000、トルエン80質量%含有塩素化ポリプロピレン溶液
(B)塩素化ポリプロピレン:塩素含有率15質量%、重量平均分子量100,000、トルエン65質量%含有塩素化ポリプロピレン溶液
(C)塩素化ポリプロピレン:塩素含有率35質量%、重量平均分子量150,000、トルエン45質量%含有塩素化ポリプロピレン溶液
(D)酸無水物変性塩素化ポリプロピレン:塩素含有率12.5質量%、重量平均分子量30,000の塩素化ポリプロピレン樹脂に無水マレイン酸を3.5質量%グラフトさせて得られたトルエン70質量%含有無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン
(E)酸無水物変性塩素化ポリプロピレン:塩素含有率20質量%、重量平均分子量33,000の塩素化ポリプロピレン樹脂に無水マレイン酸を1質量%グラフトさせて得られたトルエン65質量%含有無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン
(F)(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレン:塩素含有率12.5質量%、重量平均分子量55,000の塩素化ポリプロピレン樹脂にメタクリル酸をグラフトさせて得られたトルエン65質量%含有メタクリル酸変性塩素化ポリプロピレン
(G)(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレン:塩素含有率20質量%、重量平均分子量80,000の塩素化ポリプロピレン樹脂にメタクリル酸をグラフトさせて得られたトルエン65質量%含有メタクリル酸変性塩素化ポリプロピレン
(H)塩素化ポリプロピレン:塩素含有率3質量%、重量平均分子量50,000、トルエン80質量%含有塩素化ポリプロピレン溶液
(I)塩素化ポリプロピレン:塩素含有率45質量%、重量平均分子量100,000、トルエン65質量%含有塩素化ポリプロピレン溶液
(J)酸無水物変性塩素化ポリプロピレン:塩素含有率3質量%、重量平均分子量50,000の塩素化ポリプロピレン樹脂に無水マレイン酸を1質量%グラフトさせて得られたトルエン80質量%含有無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン
(K)酸無水物変性塩素化ポリプロピレン:塩素含有率50質量%、重量平均分子量33,000の塩素化ポリプロピレン樹脂に無水マレイン酸を3質量%グラフトさせて得られたトルエン60質量%含有無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン
(L)アクリル変性塩素化ポリプロピレン:塩素含有率4.5質量%、重量平均分子量55,000の塩素化ポリプロピレン樹脂にメタクリル酸をグラフトさせて得られたトルエン75質量%含有メタクリル酸変性塩素化ポリプロピレン
(M)アクリル変性塩素化ポリプロピレン:塩素含有率45質量%、重量平均分子量80,000の塩素化ポリプロピレン樹脂にメタクリル酸をグラフトさせて得られたトルエン65質量%含有メタクリル酸変性塩素化ポリプロピレン
CAB381−2:セルロースアセテートブチレート(イーストマンコダック社製)
エトセル100:エチルセルロース(日進化成社製)
【0068】
「複層塗膜の形成」
(実施例1〜15及び比較例1〜9)
前記調製例にて作製した天然繊維強化ポリプロピレン樹脂成形板を、まず水系パワーウォッシュ洗浄を行い、風乾した後、前記調製例にて作製したプライマー組成物を、乾燥膜厚15μmになるようにスプレー塗装し、80℃で10分間乾燥した。冷却後、該塗膜上に更に、溶剤系2液ウレタンシルバーメタリックベース塗料(プラニット#732:大日本塗料社製)を乾燥膜厚15μmになるようにスプレー塗装し、続いて、溶剤系2液ウレタンクリヤー塗料(プラニット#750:大日本塗料社製)を乾燥膜厚35μmになるようにスプレー塗装し、100℃で30分間乾燥させ、23℃、50%RH雰囲気の室内に24時間放置後、塗膜外観、被覆膜付着性(初期付着性)、耐液体性(耐温水浸漬)を下記の試験方法により評価した。結果を表3に示す。
【0069】
〔塗膜外観〕
得られた塗装試験片の塗膜外観を目視にて観察した。評価は下記の基準で行った。
◎:色のムラやワキ、ブツが認められず、繊維目がほとんど認められない。
○:色のムラやワキ、ブツは認められないが、僅かに繊維目が認められる。
△:色のムラやワキ、ブツ、繊維目が僅かに認められる。
×:色のムラやワキ、ブツ、繊維目が認められる。
【0070】
〔基材と被覆膜との付着性〕
JIS K 5600−5−6:付着性(クロスカット法)に従って初期の塗膜付着性試験を実施した。塗膜の付着性はJIS K 5600−5−6に記載の試験結果の分類に基づき下記の0〜5の6段階で評価した。
<6段階評価>
0…カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがない。
1…カットの交差点における塗膜の小さな剥がれ。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を上回ることはない。
2…塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点において剥がれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に5%を超えるが15%を上回ることはない。
3…塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大剥がれを生じており、及び又は目のいろいろな部分が、部分的又は全面的に剥がれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に15%を超えるが35%を上回ることはない。
4…塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大剥がれを生じており、及び又は数カ所の目が部分的又は全面的に剥がれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に35%を超えるが65%を上回ることはない。
5…剥がれの程度が分類4を超える場合。
【0071】
〔耐液体性〕
JIS K 5600−6−2:耐液体性(水浸せき法)に従って浸せきによる水の作用に対する耐久性を測定した。この場合、水温を40±1℃に調整し、30時間浸せき後試験片を取り出し、吸水紙で水分を除き、直ちにJIS K 5600−8−2に従って、全表面の膨れ、又はその他の損傷の状態を検査した。その後室温で24時間置き、試験片の付着性の低下をJIS K 5600−5−6:付着性(クロスカット法)に従って検査した。
【0072】
【表3】

【0073】
(実施例16〜20及び比較例10)
前記調製例にて作製した植物繊維強化ポリプロピレン樹脂成形板を、まず水系パワーウォッシュ洗浄を行い、風乾した後、前記調製例にて作製したプライマー組成物を、乾燥膜厚30μm及び45μmになるようにスプレー塗装し、80℃で20分間乾燥した。冷却後、該塗膜上に更に、溶剤系2液ウレタンシルバーメタリックベース塗料(プラニット#732:大日本塗料社製)を乾燥膜厚15μmになるようにスプレー塗装し、続いて、溶剤系2液ウレタンクリヤー塗料(プラニット#750:大日本塗料社製)を乾燥膜厚35μmになるようにスプレー塗装し、100℃で30分間乾燥させ、23℃、50%RH雰囲気の室内に24時間放置後、塗膜外観、被覆膜付着性(初期付着性)、耐液体性(耐温水浸漬)を前記の試験方法と同様に評価した。結果を表4に示す。
【0074】
【表4】

【0075】
(実施例21〜23)
前記調製例にて作製した植物繊維強化ポリプロピレン樹脂成形板を、まず水系パワーウォッシュ洗浄を行い、風乾した後、前記調製例にて作製したプライマー組成物を、乾燥膜厚15μm、30μm及び45μmになるようにスプレー塗装し、80℃で20分間乾燥した。冷却後、該塗膜上に更に、溶剤系2液ウレタン上塗り塗料(プラニット#800ホワイト:大日本塗料社製)を乾燥膜厚35μmになるようにスプレー塗装し、100℃で30分間乾燥させ、23℃、50%RH雰囲気の室内に24時間放置後、塗膜外観、被覆膜付着性(初期付着性)、耐液体性(耐温水浸漬)を前記と同様に評価した。結果を表5に示す。
【0076】
【表5】

【0077】
(実施例24〜25)
前記調製例にて作製した植物繊維強化ポリプロピレン樹脂成形板を、まず水系パワーウォッシュ洗浄を行い、風乾した後、前記調製例にて作製したプライマー組成物を、乾燥膜厚10μmになるようにスプレー塗装し、続いて、溶剤系2液ウレタンサーフェーサー塗料(オートプラサフマルチHBECO:大日本塗料社製)を乾燥膜厚20μm及び35μmになるようにスプレー塗装し、80℃で30分間乾燥した。冷却後、該塗膜上に更に、溶剤系2液ウレタンシルバーメタリックベース塗料(プラニット#732:大日本塗料社製)を乾燥膜厚15μmになるようにスプレー塗装し、続いて、溶剤系2液ウレタンクリヤー塗料(プラニット#750:大日本塗料社製)を乾燥膜厚35μmになるようにスプレー塗装し、100℃で30分間乾燥させ、23℃、50%RH雰囲気の室内に24時間放置後、塗膜外観、被覆膜付着性(初期付着性)、耐液体性(耐温水浸漬)を前記と同様に評価した。結果を表6に示す。
【0078】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成形体表面に、プライマー塗膜、上塗り塗膜を順次形成する複層塗膜の形成方法であり、
該樹脂成形体が、天然繊維で強化されたポリオレフィン系樹脂を主成分とするものであり、
且つ天然繊維の含有量が樹脂成形体に対して10〜40質量%であり、
該プライマー塗膜が、塩素含有率が5〜40質量%である塩素化ポリプロピレン、(メタ)アクリル変性塩素化ポリプロピレン、又は酸無水物変性塩素化ポリプロピレンのいずれかを含むことを特徴とする複層塗膜の形成方法。
【請求項2】
前記天然繊維が、亜麻、苧麻、大麻、マニラ麻、黄麻、サイザル麻及びケナフの麻繊維、真竹及び孟宗竹の竹繊維、綿、椰子繊維、又はパイナップル繊維の植物繊維のいずれか単独あるいはその複数を組合せたものである請求項1に記載の複層塗膜の形成方法。
【請求項3】
前記植物繊維の平均繊維長さが1〜40mmであり、植物繊維の平均繊維径が5〜300μmである請求項1又は2に記載の複層塗膜の形成方法。
【請求項4】
前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の複層塗膜の形成方法。
【請求項5】
前記プライマー塗膜が、更に繊維素系樹脂を含む請求項1〜4のいずれかに記載の複層塗膜の形成方法。
【請求項6】
前記繊維素系樹脂が、ニトロセルロース、セルロースプロピオネート、エチルセルロース、アセチルセルロース、又はセルロースアセテートブチレートのセルロース誘導体のうちの少なくとも1種類からなる請求項5に記載の複層塗膜の形成方法。
【請求項7】
前記プライマー塗膜の膜厚が、25〜45μmである請求項1〜6のいずれかに記載の複層塗膜の形成方法。
【請求項8】
前記上塗り塗膜が、メタリックベース塗膜及びクリヤー塗膜からなる請求項1〜7のいずれかに記載の複層塗膜の形成方法。
【請求項9】
前記樹脂成形体表面に、プライマー塗膜、サーフェーサー塗膜、上塗り塗膜を順次形成する請求項1〜8のいずれかに記載の複層塗膜の形成方法。

【公開番号】特開2011−147910(P2011−147910A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13028(P2010−13028)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000003322)大日本塗料株式会社 (275)
【Fターム(参考)】