複層式布団およびその製造方法

【課題】立体キルトのマチの配置作業が簡単になり、かつ、キルトマス目の密封独立性が損なわれない複層式布団を提供する。
【解決手段】少なくとも3枚の第1〜第3布地を有し、第1布地と第2布地2の間に第1素材が、第2布地2と第3布地3の間に第2素材5が夫々配置され、第1布地と第2布地2は立体キルトにより、第2布地2と第3布地3は叩きキルト7により夫々結合され、且つ、立体キルトと叩きキルト7の配置は異なっている複層式布団において、第2布地2に形成された立体キルトのマチ8bは、叩きキルト7により第2布地2に縫着された後に切断されて第2布地2から起立している。
【解決手段】少なくとも3枚の第1〜第3布地を有し、第1布地と第2布地2の間に第1素材が、第2布地2と第3布地3の間に第2素材5が夫々配置され、第1布地と第2布地2は立体キルトにより、第2布地2と第3布地3は叩きキルト7により夫々結合され、且つ、立体キルトと叩きキルト7の配置は異なっている複層式布団において、第2布地2に形成された立体キルトのマチ8bは、叩きキルト7により第2布地2に縫着された後に切断されて第2布地2から起立している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複層式布団およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の複層式布団として、下記特許文献1〜4に記載のものがある。これら従来のものは、例えば、二層式羽毛掛け布団であれば、表地、中地、及び裏地の3枚の布地を有し、表地と中地の間に羽毛が、中地と裏地の間に綿材が配置され、表地と中地は立体キルトにより、中地と裏地はタタキキルトにより結合されたものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−190914号公報
【特許文献2】特開平7−275100号公報
【特許文献3】特開平10−155623号公報
【特許文献4】実用新案登録第3138780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1〜4記載のものにおいて、タタキキルトと立体キルトの位置をずらす場合、タタキキルトが立体キルトのマチを縫い付けて倒さないようにするために、マチとマチの間を広く空けるか、マチにあらかじめ広い切り込みを形成しなければならなかった。
【0005】
そのため、マチの配置作業に手間がかかり、かつ、あらかじめマチにかなり広い隙間を空けておくために、キルトマス目の密封独立性が損なわれる、という課題を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記従来技術の課題を解決することを目的とするものであり、その特徴とするところは、少なくとも3枚の第一〜第三布地を有し、前記第一布地と前記第二布地の間に第一素材が、前記第二布地と前記第三布地の間に第二素材が夫々配置され、前記第一布地と前記第二布地はマチを介した立体キルトにより、前記第二布地と前記第三布地はタタキキルトにより夫々結合され、且つ、前記立体キルトと前記タタキキルトの配置は異なっている複層式布団において、前記第二布地に形成された前記マチは、前記タタキキルトにより前記第二布地に縫着された後に切断されて前記第二布地から起立している点にある。
【0007】
前記第二素材は吹き込み充填材であり、前記第二素材はシート状の綿材であるのが好ましい。
【0008】
前記第一布地と第三布地の通気度を異ならすのが好ましい。
前記タタキキルトの縫い目は、コンフォーターミシンによるキルティングで前記第三布地の周縁まで形成されているのが好ましい。
【0009】
前記タタキキルトは、少なくともその一部を曲線に形成することができる。
前記タタキキルトの左右方向間隔は、左右両側では広く、中央部では狭く形成され、前記立体キルトの左右方向間隔は、中央部では広く、左右両側では狭く形成されているのが好ましい。
【0010】
前記吹き込み充填材は、羽毛、粒状綿、または、ポリエステル等の短繊維形状の素材であるのが好ましい。
【0011】
前記シート状の綿材は、短繊維綿をカーディング、ニードルパンチ等により綿が互いに拘絡した状態にさせたシート状の綿材、もしくはシルク綿、ポリエステル長繊維などの長
繊維をシート状に成形した綿材であるのが好ましい。
【0012】
前記第一布地の外側に第四布地が配置され、該第一布地と第四布地の間に前記第二素材が配置され、該第一布地と第四布地はタタキキルトにより結合することができる。
【0013】
前記第一素材と第二素材は吹き込み充填材とすることができる。
本発明の複層式布団の製造方法の特徴とするところは、少なくとも3枚の第一〜第三布地を有し、前記第一布地と前記第二布地の間に第一素材が、前記第二布地と前記第三布地の間に第二素材が夫々配置され、前記第一布地と前記第二布地はマチを介した立体キルトにより、前記第二布地と前記第三布地はタタキキルトにより夫々結合されている複層式布団の製造方法において、前記第二布地に形成された前記マチを前記タタキキルトにより前記第二布地に縫着し、その後、該縫着された前記マチを切断して、該マチを前記第二布地から起立させる点にある。
【0014】
前記タタキキルトは、コンフォーターミシンで縫製することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、立体キルトのマチの配置作業が簡単になり、かつ、キルトマス目の密封独立性が損なわれない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態を示す二層式布団の斜視図。
【図2】図1の布団の横断面図。
【図3】図1の布団の縦断面図。
【図4】第二布地にマチテープを付ける工程の斜視図。
【図5】第二布地、第二素材及び第三布地を重ね合わせる工程を示す斜視図。
【図6】第二布地、第二素材及び第三布地の重ね合わせ品をコンフォータミシンでタタキキルトした後、その周縁を切断した半製品の斜視図。
【図7】マチテープの切断工程を示す斜視図及びその要部拡大図。
【図8】マチを起立させた状態を示す斜視図。
【図9】第一マチと第二マチを結合する工程を示す分解斜視図。
【図10】吹き込み用充填口の形成を示す要部斜視図。
【図11】第一布地と第二布地間のマスに第一素材を充填する工程を示す斜視図。
【図12】本発明の他の実施の形態を示す曲線状タタキキルトを有する第三布地の平面図。
【図13】本発明の他の実施の形態を示す二層式布団の断面図。
【図14】図13に示す布団の装着状態図。
【図15】本発明の他の実施の形態を示す三層式布団の断面図。
【図16】本発明の他の実施の形態を示す工程図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお図面は、模式的なものである。
【0018】
図1に示すものは、複層式布団の一例として示す二層式布団である。
図2及び図3に、前記二層式布団の断面が示されている。
【0019】
前記二層式布団は、3枚の第一〜第三布地1、2、3を有する。第一布地1は表生地であり、第二布地2は中地であり、第三布地3は裏生地として使用される。したがって、通常は、第三布地3が人体に接するが、季節によっては、第一布地1を人体に接するようにして使用することもできる。前記第一布地1と第二布地2の間に第一素材4が配置されている。第二布地2と第三布地3の間に第二素材5が配置されている。第一布地1と第二布
地2は立体キルト6により結合されている。第二布地2と第三布地3はタタキキルト7により結合されている。立体キルト6とタタキキルト7の配置は異なっている。
【0020】
前記「タタキキルト7」とは、布地と布地を直接縫着するものである。
前記「立体キルト6」とは、布地と布地をマチ8を介して結合するものであり、第一布地1と第二布地2間に大きな空間を形成することができる。第一布地1の裏面に縫着または接着された第一マチ8aと、第二布地2の上面に縫着または接着された第二マチ8bとを、互いに縫着または接着して、第一布地1と第二布地2が結合されている。第二布地2に形成された前記立体キルトの第二マチ8bは、前記タタキキルト7により前記第二布地2に縫着された後に切断されて前記第二布地2から起立している。
【0021】
なおマチの接着については、特開平7−136052号公報に記載の公知技術が使用可能である。
【0022】
前記第一素材4は吹き込み充填材である。前記第二素材5はシート状の綿材である。しかし、第二素材5は、第一素材と同様の吹き込み充填材とすることもできる。
【0023】
吹き込み充填材とは、羽毛、粒状綿、または、ポリエステル等の短繊維形状の素材である。シート状の綿材とは、より具体的には、短繊維綿をカーディング、ニードルパンチ等により綿が互いに拘絡した状態にさせたシート状の綿材、もしくはシルク綿、ポリエステル長繊維などの長繊維をシート状に成形した綿材である。
【0024】
この実施の形態では、第一素材4は羽毛とされている。例えばダウン85%、フェザー15%のものである。第二素材5は、例えば、ポリエステル50%、セルロース系繊維50% からなる吸湿発熱綿であり、カード綿に形成されている。
【0025】
そして、前記第一布地1と第三布地3の通気度が異なるものとされている。例えば、第一布地1の通気度は1.5cm3/cm2・sであり、第三布地3の通気度は3.5cm3/cm2・sである。
【0026】
このように第一布地1の通気度を1.5cm3/cm2・sとすることにより、第一素材4の羽毛の吹き出しが防止され、また布団上部から熱が逃げることを防ぐ役割がある。第三布地3の通気度を3.5cm3/cm2・sとすることにより、人体からの不汗蒸泄が第三布地3を透過しやすくなるため第二素材5の吸湿性や発熱性が向上し、寝床内の蒸れを軽減する効果が得られる。
【0027】
なお、前記通気度は一例であって、第一布地1と第三布地3で同じ通気度の生地を使用することもできる。また、第一布地1と第三布地3の通気度を変える場合には、第一布地1は0.5〜3.0cm3/cm2・s、第三布地3は2.0〜5.0cm3/cm2・s、第一布地1と第三布地3の通気度の差は1.0cm3/cm2・s以上とするのが好ましい。
【0028】
図4〜図11は、前記二層式布団の製造工程を示す図面である。
図4に示すごとく、第二布地2である中地の上面にマチテープ8bを付ける。例えば、5×6マスが形成されるように、マチテープ8bが縦横に縫着される。このマチテープ8bが前記第二マチ8bを構成する。これと同様に、第一布地1の裏面側にも、5×6マスが形成されるようにマチテープ8aが縫着される(図9参照)。
【0029】
なお、マス目は、5×6マスだけでなく、3×5マス、など、無限にパターンが可能である。
【0030】
図5に示すように、第二布地2と第三布地3の間に第二素材5である吸湿発熱性のカード綿を配置し、三者を重ね合わす。
【0031】
図示省略するが、第二布地2、第二素材5及び第三布地3を重ね合わせた状態で、コンフォーターミシンの縫着台に張り付ける。この張り付けは、縫着台の周囲に設けられたクリップで布地周縁を掴むことにより行う。このクリップの掴み代として、第二布地2及び第三布地3は、布団製品の寸法よりもひと回り大きく裁断されている。例えば、製品寸法が150×210cmの場合、前記布地2、3は160×221cmに裁断される。
【0032】
次に、コンフォータミシンでタタキキルト7を形成する。すなわち、6×7マスのキルティングをする。このタタキキルト7は、マチテープ8bの配置とずれた位置で行われる。したがって、タタキキルト7の縫い目がマチテープ8bを縫い付けることになる。
【0033】
なお、タタキキルトのマス目のパターンも、前記6×7に限らず、無限に可能である。
次に、布地を縫着台から取り外し、布地の周囲の掴み代部分を切断する。
【0034】
図6に示すものは、周囲を切断された状態の半製品である。この状態では、マチテープ8bはタタキキルト7で縫い付けられているので、マチテープ8bは第二布地2の上面に寝たままである。また、掴み代が切断されているので、タタキキルト7の縫い目は、布地2、3の周縁まで形成されている。
【0035】
図7に示すように、マチテープ8bとマチテープ8bの重なり部分、及び、タタキキルト7で縫製された部分を鋏みやカッターナイフ等で切断し、切開部9を形成する。この切開部9により当該マチ8bは第二布地2表面より起立させることができる。
【0036】
前記切開部9はタタキキルト7の縫製後に形成されるので、切開部9の隙間を可及的に狭くすることができ、キルトマス目の密封独立性が確保される。また、タタキキルト7を形成した後に、マチテープ8bを切断してマチを起立させるようにしているので、マチテープ8bの配置縫製は、タタキキルト7に制約されることなく自由に行えるので、立体キルトのマチの配置作業が簡単になる。
【0037】
図8は、第二マチ8bを起立させた状態を示す。第二布地2に形成された立体キルト6のマチ8bは、タタキキルト7により第二布地2に縫着されて後に切断されて第二布地2から起立したものとなっている。
【0038】
図9に示すように、第一布地1の下面に形成した第一マチ8aと、前記第二マチ8bとを合わせて縫い合わせる。
【0039】
図10に示すように、第一布地1、第二布地2及び第三布地3の外周を縫製する。このとき、その一部を未縫製とすることで、第一素材の吹き込み用充填口10を形成する。
【0040】
図11に示すように、前記充填口10に吹き込みノズル11を挿入して、第一布地1と第二布地2間に形成されたマス目に第一素材4である羽毛を定量ずつ吹き込み充填する。最後に、充填口10を縫い合わせることにより、図1に示す二層式羽毛掛け布団が完成する。
【0041】
なお、上記実施の形態では、タタキキルトはコンフォータミシンで形成したが、これに限らず、本縫いミシンで形成してもよい。縦方向のタタキのみをコンフォーターミシンで形成し、横方向のタタキを本縫いミシンで形成することも可能である。
【0042】
図12に示すものは、本発明の他の実施の形態であり、第三布地3に形成されたタタキキルト7の形状が、前記実施の形態の直線状のものとは異なり、曲線状に形成されている。このタタキキルト7は、布団の周辺から中心に向かって中心に達しないように内方に入り込む曲線状または折れ線状に形成されている。このタタキキルト7の形状としては、特開2003−339501号公報に記載のものを採用することができる。その他の構成は、前記実施の形態と同じである。
【0043】
タタキキルト7を、少なくともその一部に曲線を含む形状とすることにより、身体へのフィット性が向上する。
【0044】
この実施の形態においても、第二布地に形成された立体キルトのマチは、タタキキルト7により第二布地に縫着されて後に切断されて第二布地から起立したものとなっている。したがって、自由な形状のタタキキルト7を採用しても、マチの配置作業が困難になることはない。すなわち、タタキキルト7の形状に関係なく、立体キルトのマチを簡単に配置することができる。
【0045】
図13に示すものは、本発明の他の実施の形態であり、第三布地3に形成されたタタキキルト7の左右方向間隔は、左右両側では広く、中央部では左右両側よりも狭く形成され、前記立体キルト6の左右方向間隔は、中央部では広く、左右両側では中央部よりも狭く形成されている。より具体的には、タタキキルト7は5×7マスであり、立体キルト6は5×6マスに形成されている。
【0046】
このように、人体に接する下層部の両サイドは幅広のキルトとし、中央部にいくに従って幅狭のキルトとなるように配置し、上層部はその逆に、両サイドは幅狭のキルトとし、中央部にいくに従って、幅広のキルトとなっていくようにキルトを配置することにより、図14に示すように、布団装着時に、下層部中央のキルトが幅狭なため、人の形に沿って布団がフィットしやすくなりながらも、上層部中央部のキルトが幅広で比較的多量の綿が充てんされているため、身体直上部分の保温性を損なわないという効果を得ることができる。
【0047】
図15に示すものは、三層式羽毛布団であり、図1に示す二層式布団の第一布地1の外側に第四布地12が配置され、該第一布地1と第四布地12の間に前記第二素材5が配置され、該第一布地1と第四布地12は前記タタキキルト7により結合されている。その他の構成は、前記実施の形態に示すものと同じである。
【0048】
図16に示すものは、第二素材に吹き込み充填材を用いる場合の工程図である。
同図(a)に示すように、第二布地2と第三布地3を合わせる。同図(b)に示すように、コンフォーターミシンまたは、本縫いミシンにて縦ラインのタタキキルト7を形成する。横ラインには中央部に近い部分に1本のみタタキキルト7を形成する。上下からそれぞれ中央に向けて充填材を吹き込むため、上下は充填口10を開けておく。充填をしない横サイドを合わせ縫製する。吹込みノズル11にて上下の両側から充填材を吹き込みする。同図(c)に示すように、充填した後、充填口10を閉じる。充填材を均等にならした後、横ラインにタタキキルト7を形成する。
【0049】
その後は、図7からに示す工程と同様の工程がとられる。
この実施の形態においては、第一素材と第二素材は同じ吹き込み充填材とされているが、その充填材の具体例は、異なるものとすることができる。例えば、第一素材は羽毛とし、第二素材はポリエステル等の短繊維形状の素材とすることができる。
【0050】
以上の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内ですべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1 第一布地、2 第二布地、3 第三布地、4 第一素材、5 第二素材、6 立体キルト、7 タタキキルト、8 マチ(マチテープ)、8a 第一マチ、8b 第二マチ、12 第四布地。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複層式布団およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の複層式布団として、下記特許文献1〜4に記載のものがある。これら従来のものは、例えば、二層式羽毛掛け布団であれば、表地、中地、及び裏地の3枚の布地を有し、表地と中地の間に羽毛が、中地と裏地の間に綿材が配置され、表地と中地は立体キルトにより、中地と裏地はタタキキルトにより結合されたものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−190914号公報
【特許文献2】特開平7−275100号公報
【特許文献3】特開平10−155623号公報
【特許文献4】実用新案登録第3138780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1〜4記載のものにおいて、タタキキルトと立体キルトの位置をずらす場合、タタキキルトが立体キルトのマチを縫い付けて倒さないようにするために、マチとマチの間を広く空けるか、マチにあらかじめ広い切り込みを形成しなければならなかった。
【0005】
そのため、マチの配置作業に手間がかかり、かつ、あらかじめマチにかなり広い隙間を空けておくために、キルトマス目の密封独立性が損なわれる、という課題を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記従来技術の課題を解決することを目的とするものであり、その特徴とするところは、少なくとも3枚の第一〜第三布地を有し、前記第一布地と前記第二布地の間に第一素材が、前記第二布地と前記第三布地の間に第二素材が夫々配置され、前記第一布地と前記第二布地はマチを介した立体キルトにより、前記第二布地と前記第三布地はタタキキルトにより夫々結合され、且つ、前記立体キルトと前記タタキキルトの配置は異なっている複層式布団において、前記第二布地に形成された前記マチは、前記タタキキルトにより前記第二布地に縫着された後に切断されて前記第二布地から起立している点にある。
【0007】
前記第二素材は吹き込み充填材であり、前記第二素材はシート状の綿材であるのが好ましい。
【0008】
前記第一布地と第三布地の通気度を異ならすのが好ましい。
前記タタキキルトの縫い目は、コンフォーターミシンによるキルティングで前記第三布地の周縁まで形成されているのが好ましい。
【0009】
前記タタキキルトは、少なくともその一部を曲線に形成することができる。
前記タタキキルトの左右方向間隔は、左右両側では広く、中央部では狭く形成され、前記立体キルトの左右方向間隔は、中央部では広く、左右両側では狭く形成されているのが好ましい。
【0010】
前記吹き込み充填材は、羽毛、粒状綿、または、ポリエステル等の短繊維形状の素材であるのが好ましい。
【0011】
前記シート状の綿材は、短繊維綿をカーディング、ニードルパンチ等により綿が互いに拘絡した状態にさせたシート状の綿材、もしくはシルク綿、ポリエステル長繊維などの長
繊維をシート状に成形した綿材であるのが好ましい。
【0012】
前記第一布地の外側に第四布地が配置され、該第一布地と第四布地の間に前記第二素材が配置され、該第一布地と第四布地はタタキキルトにより結合することができる。
【0013】
前記第一素材と第二素材は吹き込み充填材とすることができる。
本発明の複層式布団の製造方法の特徴とするところは、少なくとも3枚の第一〜第三布地を有し、前記第一布地と前記第二布地の間に第一素材が、前記第二布地と前記第三布地の間に第二素材が夫々配置され、前記第一布地と前記第二布地はマチを介した立体キルトにより、前記第二布地と前記第三布地はタタキキルトにより夫々結合されている複層式布団の製造方法において、前記第二布地に形成された前記マチを前記タタキキルトにより前記第二布地に縫着し、その後、該縫着された前記マチを切断して、該マチを前記第二布地から起立させる点にある。
【0014】
前記タタキキルトは、コンフォーターミシンで縫製することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、立体キルトのマチの配置作業が簡単になり、かつ、キルトマス目の密封独立性が損なわれない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態を示す二層式布団の斜視図。
【図2】図1の布団の横断面図。
【図3】図1の布団の縦断面図。
【図4】第二布地にマチテープを付ける工程の斜視図。
【図5】第二布地、第二素材及び第三布地を重ね合わせる工程を示す斜視図。
【図6】第二布地、第二素材及び第三布地の重ね合わせ品をコンフォータミシンでタタキキルトした後、その周縁を切断した半製品の斜視図。
【図7】マチテープの切断工程を示す斜視図及びその要部拡大図。
【図8】マチを起立させた状態を示す斜視図。
【図9】第一マチと第二マチを結合する工程を示す分解斜視図。
【図10】吹き込み用充填口の形成を示す要部斜視図。
【図11】第一布地と第二布地間のマスに第一素材を充填する工程を示す斜視図。
【図12】本発明の他の実施の形態を示す曲線状タタキキルトを有する第三布地の平面図。
【図13】本発明の他の実施の形態を示す二層式布団の断面図。
【図14】図13に示す布団の装着状態図。
【図15】本発明の他の実施の形態を示す三層式布団の断面図。
【図16】本発明の他の実施の形態を示す工程図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお図面は、模式的なものである。
【0018】
図1に示すものは、複層式布団の一例として示す二層式布団である。
図2及び図3に、前記二層式布団の断面が示されている。
【0019】
前記二層式布団は、3枚の第一〜第三布地1、2、3を有する。第一布地1は表生地であり、第二布地2は中地であり、第三布地3は裏生地として使用される。したがって、通常は、第三布地3が人体に接するが、季節によっては、第一布地1を人体に接するようにして使用することもできる。前記第一布地1と第二布地2の間に第一素材4が配置されている。第二布地2と第三布地3の間に第二素材5が配置されている。第一布地1と第二布
地2は立体キルト6により結合されている。第二布地2と第三布地3はタタキキルト7により結合されている。立体キルト6とタタキキルト7の配置は異なっている。
【0020】
前記「タタキキルト7」とは、布地と布地を直接縫着するものである。
前記「立体キルト6」とは、布地と布地をマチ8を介して結合するものであり、第一布地1と第二布地2間に大きな空間を形成することができる。第一布地1の裏面に縫着または接着された第一マチ8aと、第二布地2の上面に縫着または接着された第二マチ8bとを、互いに縫着または接着して、第一布地1と第二布地2が結合されている。第二布地2に形成された前記立体キルトの第二マチ8bは、前記タタキキルト7により前記第二布地2に縫着された後に切断されて前記第二布地2から起立している。
【0021】
なおマチの接着については、特開平7−136052号公報に記載の公知技術が使用可能である。
【0022】
前記第一素材4は吹き込み充填材である。前記第二素材5はシート状の綿材である。しかし、第二素材5は、第一素材と同様の吹き込み充填材とすることもできる。
【0023】
吹き込み充填材とは、羽毛、粒状綿、または、ポリエステル等の短繊維形状の素材である。シート状の綿材とは、より具体的には、短繊維綿をカーディング、ニードルパンチ等により綿が互いに拘絡した状態にさせたシート状の綿材、もしくはシルク綿、ポリエステル長繊維などの長繊維をシート状に成形した綿材である。
【0024】
この実施の形態では、第一素材4は羽毛とされている。例えばダウン85%、フェザー15%のものである。第二素材5は、例えば、ポリエステル50%、セルロース系繊維50% からなる吸湿発熱綿であり、カード綿に形成されている。
【0025】
そして、前記第一布地1と第三布地3の通気度が異なるものとされている。例えば、第一布地1の通気度は1.5cm3/cm2・sであり、第三布地3の通気度は3.5cm3/cm2・sである。
【0026】
このように第一布地1の通気度を1.5cm3/cm2・sとすることにより、第一素材4の羽毛の吹き出しが防止され、また布団上部から熱が逃げることを防ぐ役割がある。第三布地3の通気度を3.5cm3/cm2・sとすることにより、人体からの不汗蒸泄が第三布地3を透過しやすくなるため第二素材5の吸湿性や発熱性が向上し、寝床内の蒸れを軽減する効果が得られる。
【0027】
なお、前記通気度は一例であって、第一布地1と第三布地3で同じ通気度の生地を使用することもできる。また、第一布地1と第三布地3の通気度を変える場合には、第一布地1は0.5〜3.0cm3/cm2・s、第三布地3は2.0〜5.0cm3/cm2・s、第一布地1と第三布地3の通気度の差は1.0cm3/cm2・s以上とするのが好ましい。
【0028】
図4〜図11は、前記二層式布団の製造工程を示す図面である。
図4に示すごとく、第二布地2である中地の上面にマチテープ8bを付ける。例えば、5×6マスが形成されるように、マチテープ8bが縦横に縫着される。このマチテープ8bが前記第二マチ8bを構成する。これと同様に、第一布地1の裏面側にも、5×6マスが形成されるようにマチテープ8aが縫着される(図9参照)。
【0029】
なお、マス目は、5×6マスだけでなく、3×5マス、など、無限にパターンが可能である。
【0030】
図5に示すように、第二布地2と第三布地3の間に第二素材5である吸湿発熱性のカード綿を配置し、三者を重ね合わす。
【0031】
図示省略するが、第二布地2、第二素材5及び第三布地3を重ね合わせた状態で、コンフォーターミシンの縫着台に張り付ける。この張り付けは、縫着台の周囲に設けられたクリップで布地周縁を掴むことにより行う。このクリップの掴み代として、第二布地2及び第三布地3は、布団製品の寸法よりもひと回り大きく裁断されている。例えば、製品寸法が150×210cmの場合、前記布地2、3は160×221cmに裁断される。
【0032】
次に、コンフォータミシンでタタキキルト7を形成する。すなわち、6×7マスのキルティングをする。このタタキキルト7は、マチテープ8bの配置とずれた位置で行われる。したがって、タタキキルト7の縫い目がマチテープ8bを縫い付けることになる。
【0033】
なお、タタキキルトのマス目のパターンも、前記6×7に限らず、無限に可能である。
次に、布地を縫着台から取り外し、布地の周囲の掴み代部分を切断する。
【0034】
図6に示すものは、周囲を切断された状態の半製品である。この状態では、マチテープ8bはタタキキルト7で縫い付けられているので、マチテープ8bは第二布地2の上面に寝たままである。また、掴み代が切断されているので、タタキキルト7の縫い目は、布地2、3の周縁まで形成されている。
【0035】
図7に示すように、マチテープ8bとマチテープ8bの重なり部分、及び、タタキキルト7で縫製された部分を鋏みやカッターナイフ等で切断し、切開部9を形成する。この切開部9により当該マチ8bは第二布地2表面より起立させることができる。
【0036】
前記切開部9はタタキキルト7の縫製後に形成されるので、切開部9の隙間を可及的に狭くすることができ、キルトマス目の密封独立性が確保される。また、タタキキルト7を形成した後に、マチテープ8bを切断してマチを起立させるようにしているので、マチテープ8bの配置縫製は、タタキキルト7に制約されることなく自由に行えるので、立体キルトのマチの配置作業が簡単になる。
【0037】
図8は、第二マチ8bを起立させた状態を示す。第二布地2に形成された立体キルト6のマチ8bは、タタキキルト7により第二布地2に縫着されて後に切断されて第二布地2から起立したものとなっている。
【0038】
図9に示すように、第一布地1の下面に形成した第一マチ8aと、前記第二マチ8bとを合わせて縫い合わせる。
【0039】
図10に示すように、第一布地1、第二布地2及び第三布地3の外周を縫製する。このとき、その一部を未縫製とすることで、第一素材の吹き込み用充填口10を形成する。
【0040】
図11に示すように、前記充填口10に吹き込みノズル11を挿入して、第一布地1と第二布地2間に形成されたマス目に第一素材4である羽毛を定量ずつ吹き込み充填する。最後に、充填口10を縫い合わせることにより、図1に示す二層式羽毛掛け布団が完成する。
【0041】
なお、上記実施の形態では、タタキキルトはコンフォータミシンで形成したが、これに限らず、本縫いミシンで形成してもよい。縦方向のタタキのみをコンフォーターミシンで形成し、横方向のタタキを本縫いミシンで形成することも可能である。
【0042】
図12に示すものは、本発明の他の実施の形態であり、第三布地3に形成されたタタキキルト7の形状が、前記実施の形態の直線状のものとは異なり、曲線状に形成されている。このタタキキルト7は、布団の周辺から中心に向かって中心に達しないように内方に入り込む曲線状または折れ線状に形成されている。このタタキキルト7の形状としては、特開2003−339501号公報に記載のものを採用することができる。その他の構成は、前記実施の形態と同じである。
【0043】
タタキキルト7を、少なくともその一部に曲線を含む形状とすることにより、身体へのフィット性が向上する。
【0044】
この実施の形態においても、第二布地に形成された立体キルトのマチは、タタキキルト7により第二布地に縫着されて後に切断されて第二布地から起立したものとなっている。したがって、自由な形状のタタキキルト7を採用しても、マチの配置作業が困難になることはない。すなわち、タタキキルト7の形状に関係なく、立体キルトのマチを簡単に配置することができる。
【0045】
図13に示すものは、本発明の他の実施の形態であり、第三布地3に形成されたタタキキルト7の左右方向間隔は、左右両側では広く、中央部では左右両側よりも狭く形成され、前記立体キルト6の左右方向間隔は、中央部では広く、左右両側では中央部よりも狭く形成されている。より具体的には、タタキキルト7は5×7マスであり、立体キルト6は5×6マスに形成されている。
【0046】
このように、人体に接する下層部の両サイドは幅広のキルトとし、中央部にいくに従って幅狭のキルトとなるように配置し、上層部はその逆に、両サイドは幅狭のキルトとし、中央部にいくに従って、幅広のキルトとなっていくようにキルトを配置することにより、図14に示すように、布団装着時に、下層部中央のキルトが幅狭なため、人の形に沿って布団がフィットしやすくなりながらも、上層部中央部のキルトが幅広で比較的多量の綿が充てんされているため、身体直上部分の保温性を損なわないという効果を得ることができる。
【0047】
図15に示すものは、三層式羽毛布団であり、図1に示す二層式布団の第一布地1の外側に第四布地12が配置され、該第一布地1と第四布地12の間に前記第二素材5が配置され、該第一布地1と第四布地12は前記タタキキルト7により結合されている。その他の構成は、前記実施の形態に示すものと同じである。
【0048】
図16に示すものは、第二素材に吹き込み充填材を用いる場合の工程図である。
同図(a)に示すように、第二布地2と第三布地3を合わせる。同図(b)に示すように、コンフォーターミシンまたは、本縫いミシンにて縦ラインのタタキキルト7を形成する。横ラインには中央部に近い部分に1本のみタタキキルト7を形成する。上下からそれぞれ中央に向けて充填材を吹き込むため、上下は充填口10を開けておく。充填をしない横サイドを合わせ縫製する。吹込みノズル11にて上下の両側から充填材を吹き込みする。同図(c)に示すように、充填した後、充填口10を閉じる。充填材を均等にならした後、横ラインにタタキキルト7を形成する。
【0049】
その後は、図7からに示す工程と同様の工程がとられる。
この実施の形態においては、第一素材と第二素材は同じ吹き込み充填材とされているが、その充填材の具体例は、異なるものとすることができる。例えば、第一素材は羽毛とし、第二素材はポリエステル等の短繊維形状の素材とすることができる。
【0050】
以上の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内ですべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1 第一布地、2 第二布地、3 第三布地、4 第一素材、5 第二素材、6 立体キルト、7 タタキキルト、8 マチ(マチテープ)、8a 第一マチ、8b 第二マチ、12 第四布地。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3枚の第一〜第三布地を有し、前記第一布地と前記第二布地の間に第一素材が、前記第二布地と前記第三布地の間に第二素材が夫々配置され、前記第一布地と前記第二布地はマチを介した立体キルトにより、前記第二布地と前記第三布地はタタキキルトにより夫々結合され、且つ、前記立体キルトと前記タタキキルトの配置は異なっている複層式布団において、
前記第二布地に形成された前記マチは、前記タタキキルトにより前記第二布地に縫着された後に切断されて前記第二布地から起立していることを特徴とする複層式布団。
【請求項2】
前記第一素材は吹き込み充填材であり、前記第二素材はシート状の綿材であることを特徴とする請求項1記載の複層式布団。
【請求項3】
前記第一布地と第三布地の通気度が異なることを特徴とする請求項1または2記載の複層式布団。
【請求項4】
前記タタキキルトの縫い目は、コンフォーターミシンによるキルティングで前記第三布地の周縁まで形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の複層式布団。
【請求項5】
前記タタキキルトは、少なくともその一部が曲線に形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の複層式布団。
【請求項6】
前記タタキキルトの左右方向間隔は、左右両側では広く、中央部では狭く形成され、前記立体キルトの左右方向間隔は、中央部では広く、左右両側では狭く形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の複層式布団。
【請求項7】
前記吹き込み充填材は、羽毛、粒状綿、または、ポリエステル等の短繊維形状の素材であることを特徴とする請求項2〜6の何れか一つに記載の複層式布団。
【請求項8】
前記シート状の綿材は、短繊維綿をカーディング、ニードルパンチ等により綿が互いに拘絡した状態にさせたシート状の綿材、もしくはシルク綿、ポリエステル長繊維などの長繊維をシート状に成形した綿材であることを特徴とする請求項2〜7の何れか一つに記載の複層式布団。
【請求項9】
前記第一布地の外側に第四布地が配置され、該第一布地と第四布地の間に前記第二素材が配置され、該第一布地と第四布地はタタキキルトにより結合されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一つに記載の複層式布団。
【請求項10】
前記第一素材と第二素材は吹き込み充填材であることを特徴とする請求項1記載の複層式布団。
【請求項11】
少なくとも3枚の第一〜第三布地を有し、前記第一布地と前記第二布地の間に第一素材が、前記第二布地と前記第三布地の間に第二素材が夫々配置され、前記第一布地と前記第二布地はマチを介した立体キルトにより、前記第二布地と前記第三布地はタタキキルトにより夫々結合されている複層式布団の製造方法において、
前記第二布地に形成された前記マチを前記タタキキルトにより前記第二布地に縫着し、その後、該縫着された前記マチを切断して、該マチを前記第二布地から起立させることを特徴とする複層式布団の製造方法。
【請求項12】
前記タタキキルトは、コンフォーターミシンで縫製することを特徴とする請求項11記載の複層式布団の製造方法。
【請求項1】
少なくとも3枚の第一〜第三布地を有し、前記第一布地と前記第二布地の間に第一素材が、前記第二布地と前記第三布地の間に第二素材が夫々配置され、前記第一布地と前記第二布地はマチを介した立体キルトにより、前記第二布地と前記第三布地はタタキキルトにより夫々結合され、且つ、前記立体キルトと前記タタキキルトの配置は異なっている複層式布団において、
前記第二布地に形成された前記マチは、前記タタキキルトにより前記第二布地に縫着された後に切断されて前記第二布地から起立していることを特徴とする複層式布団。
【請求項2】
前記第一素材は吹き込み充填材であり、前記第二素材はシート状の綿材であることを特徴とする請求項1記載の複層式布団。
【請求項3】
前記第一布地と第三布地の通気度が異なることを特徴とする請求項1または2記載の複層式布団。
【請求項4】
前記タタキキルトの縫い目は、コンフォーターミシンによるキルティングで前記第三布地の周縁まで形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の複層式布団。
【請求項5】
前記タタキキルトは、少なくともその一部が曲線に形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の複層式布団。
【請求項6】
前記タタキキルトの左右方向間隔は、左右両側では広く、中央部では狭く形成され、前記立体キルトの左右方向間隔は、中央部では広く、左右両側では狭く形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の複層式布団。
【請求項7】
前記吹き込み充填材は、羽毛、粒状綿、または、ポリエステル等の短繊維形状の素材であることを特徴とする請求項2〜6の何れか一つに記載の複層式布団。
【請求項8】
前記シート状の綿材は、短繊維綿をカーディング、ニードルパンチ等により綿が互いに拘絡した状態にさせたシート状の綿材、もしくはシルク綿、ポリエステル長繊維などの長繊維をシート状に成形した綿材であることを特徴とする請求項2〜7の何れか一つに記載の複層式布団。
【請求項9】
前記第一布地の外側に第四布地が配置され、該第一布地と第四布地の間に前記第二素材が配置され、該第一布地と第四布地はタタキキルトにより結合されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一つに記載の複層式布団。
【請求項10】
前記第一素材と第二素材は吹き込み充填材であることを特徴とする請求項1記載の複層式布団。
【請求項11】
少なくとも3枚の第一〜第三布地を有し、前記第一布地と前記第二布地の間に第一素材が、前記第二布地と前記第三布地の間に第二素材が夫々配置され、前記第一布地と前記第二布地はマチを介した立体キルトにより、前記第二布地と前記第三布地はタタキキルトにより夫々結合されている複層式布団の製造方法において、
前記第二布地に形成された前記マチを前記タタキキルトにより前記第二布地に縫着し、その後、該縫着された前記マチを切断して、該マチを前記第二布地から起立させることを特徴とする複層式布団の製造方法。
【請求項12】
前記タタキキルトは、コンフォーターミシンで縫製することを特徴とする請求項11記載の複層式布団の製造方法。
【図1】


【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【図13】


【図14】


【図15】


【図16】




【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【図13】


【図14】


【図15】


【図16】


【公開番号】特開2012−213622(P2012−213622A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−73557(P2012−73557)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【出願人】(000000147)伊藤忠商事株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【出願人】(000000147)伊藤忠商事株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
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