複数のアップリンク搬送波を使用するワイヤレス送信のための方法および装置
【課題】複数のアップリンク搬送波を使用するワイヤレス送信のための方法および装置を提供する。
【解決手段】プライマリアップリンク搬送波およびセカンダリアップリンク搬送波を使用するWTRU(ワイヤレス送受信ユニット)は、プライマリアップリンク搬送波を介して、データチャネル、パイロットチャネル、および両方のアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、データチャネルおよびパイロットチャネルを送信する。また、WTRUは、プライマリアップリンク搬送波を介して、データチャネル、パイロットチャネル、およびプライマリアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、データチャネル、パイロットチャネル、およびセカンダリアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための制御チャネルを送信する。
【解決手段】プライマリアップリンク搬送波およびセカンダリアップリンク搬送波を使用するWTRU(ワイヤレス送受信ユニット)は、プライマリアップリンク搬送波を介して、データチャネル、パイロットチャネル、および両方のアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、データチャネルおよびパイロットチャネルを送信する。また、WTRUは、プライマリアップリンク搬送波を介して、データチャネル、パイロットチャネル、およびプライマリアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、データチャネル、パイロットチャネル、およびセカンダリアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための制御チャネルを送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ワイヤレス通信に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、本明細書で完全に説明されたかのように参照によって組み込まれる、2008年10月31日に出願された米国特許仮出願第61/109,978号明細書、2008年11月24日に出願された米国特許仮出願第61/117,494号明細書、2008年11月25日に出願された米国特許仮出願第61/117,851号明細書、2008年12月30日に出願された米国特許仮出願第61/141,638号明細書、および2009年1月30日に出願された米国特許仮出願第61/148,690号明細書の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
エンドユーザにとって利用可能なデータレートを高めるため、UMTS(ユニバーサル移動体通信システム(universal mobile telecommunication system))ワイヤレス通信システムに、多くの改良が導入された。3GPP(第3世代パートナシッププロジェクト)のリリース5における、ダウンリンクのためのHSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス(high speed downlink packet access))の導入に続いて、アップリンク性能を改善するために、3GPPのリリース6の一部として、HSUPA(高速アップリンクパケットアクセス(high speed uplink packet access))が導入された。HSUPAは、新しいE−DCH(拡張個別チャネル(enhanced dedicated channel))上でのアップリンクスループットおよびピークデータレートを改善するために、短いTTI(送信時間間隔(transmission time interval))および高速スケジューリングと組み合わせて、HARQ(ハイブリッド自動再送要求(hybrid automatic repeat request))を使用する。
【0004】
WCDMA(広帯域符号分割多重アクセス(wideband code division multiple access))は、干渉制限されたシステムであるので、すべてのWTRU(ワイヤレス送受信ユニット)のアップリンク送信電力の厳格な制御が重要である。これは、電力制御およびグラント(grant)メカニズムの組合せによって達成される。E−DCH送信のためのグラントは、E−DCH上で送信を行うためにWTRUが使用できる最大電力比である。グラントは、トランスポートブロックサイズに直接的に変換される。これに関連して、グラントは、アップリンク上で干渉を生み出す権利として解釈することができる。HSUPAでは、ネットワークは、各WTRUに個別にグラントを伝達する。ネットワークによって伝達されるグラントには、絶対グラント(absolute grant)および相対グラント(relative grant)という2つのタイプが存在する。絶対グラントは、サービングE−DCHセルによってE−AGCH(E−DCH絶対グラントチャネル(E−DCH absolute grant channel))を介して送信され、グラントテーブルに対するインデックスを伝える。相対グラントは、E−DCHアクティブセット内の任意のセルによって、E−RGCH(E−DCH相対グラントチャネル(E−DCH relative grant channel))を介して送信することができる。WTRUは、与えられたTTI中にどれだけのデータを送信できるかを決定するためにWTRUが使用する、サービンググラント(serving grant)を維持する。このサービンググラントは、E−AGCHまたはE−RGCHを介して新しいグラントコマンドが受信されるたびに更新される。
【0005】
グラントメカニズムに加えて、HSUPAは、送信されたデータが正しく復号された場合はいつでも、非サービングE−DCHセルが、E−HICH(E−DCH HARQインジケータチャネル(E−DCH HARQ indicator channel))を介して、HARQ ACK(肯定応答)をWTRUに送信できるようにすることによって、マクロダイバーシティ(macro−diversity)も利用する。サービングE−DCHセル(および同じRLS(無線リンクセット(radio link set))内の非サービングE−DCHセル)は、HARQ送信を受信するたびに、E−HICHを介して、ACKまたはNACK(否定応答)を送信する。
【0006】
HSUPAに特有のダウンリンク制御チャネルは、E−AGCH、E−RGCH、およびE−HICHを含む。システムの適切な動作のため、ダウンリンクにおいてF−DPCH(フラクショナル個別物理チャネル(fractional dedicated physical channel))を、アップリンクにおいてDPCCH(個別物理制御チャネル(dedicated physical control channel))を使用する、電力制御ループが確立される。
【0007】
データネットワークへ連続的でより高速なアクセスを提供することに対するますます大きくなる要望に応えるため、データの送信のために複数の搬送波を使用することが可能なマルチキャリアシステムが提案された。複数の搬送波の使用は、セルラおよび非セルラワイヤレスシステムの両方において拡大している。マルチキャリアシステムは、利用可能な搬送波の数を乗じただけ、ワイヤレス通信システムで利用可能な帯域幅を増加させることができる。例えば、技術の発展の一環として、DC−HSDPA(デュアルセルHSDPA(dual−cell HSDPA))と呼ばれる新機能が、3GPPのリリース8仕様書において導入された。DC−HSDPAを用いた場合、ノードBは、同時に2つの異なるダウンリンク搬送波を介して、WTRUと通信する。これは、WTRUにとって利用可能な帯域幅およびピークデータレートを2倍にするばかりでなく、2つの搬送波を介した高速スケジューリングおよび高速チャネルフィードバックを用いて、ネットワーク効率を高める可能性も有する。
【0008】
DC−HSDPAは、ワイヤレス通信システムにおいて、ダウンリンクのスループットおよび効率を著しく高める。DC−HSDPAの導入はさらに、スループットおよびピークデータレートに関して、アップリンクとダウンリンクとの間の非対称性を大きくする。しかし、アップリンクについては、何の提案もなされていない。したがって、アップリンク送信におけるピークデータレートおよび送信効率を高めるために複数のアップリンク搬送波を利用するための方法を提供するのが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
複数のアップリンク搬送波を使用するワイヤレス送信のための方法および装置が開示される。WTRUは、プライマリアップリンク搬送波を介して、データチャネル、パイロットチャネル、およびプライマリアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための制御チャネル、ならびに任意選択的に、ダウンリンク送信に関連するアップリンクフィードバック情報を提供するための制御チャネルを送信することができ、セカンダリアップリンク搬送波を介して、データチャネルおよびパイロットチャネルを送信することができる。あるいは、WTRUは、プライマリアップリンク搬送波を介して、データチャネル、パイロットチャネル、およびプライマリアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための制御チャネル、ならびに任意選択的に、ダウンリンク送信に関連するアップリンクフィードバック情報を提供するための制御チャネルを送信することができ、セカンダリアップリンク搬送波を介して、データチャネル、パイロットチャネル、およびセカンダリアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための制御チャネルを送信することができる。
【0010】
WTRUが、ダウンリンク搬送波上で受信した制御情報を、WTRUがその制御情報を受信したダウンリンク搬送波に関連付けられたアップリンク搬送波上でのアップリンク送信に適用するように、各アップリンク搬送波は、少なくとも1つの特定のダウンリンク搬送波に関連付けることができる。少なくとも1つのE−RNTI(無線ネットワーク一時識別情報(radio network temporary identity))を、アップリンク搬送波毎に設定することができ、WTRUは、受信した絶対グラントを、関連するアップリンク搬送波上でのアップリンクデータ送信(例えばE−DCH)に適用することができる。アップリンクグラント情報を運ぶ少なくとも1つのダウンリンク制御チャネル(例えばE−AGCH)を、各アップリンク搬送波に関連付けることができ、WTRUは、受信した絶対グラントを、絶対グラントが受信される、アップリンクグラント情報を搬送するダウンリンク制御チャネルに関連付けられた、アップリンク搬送波上でのアップリンク送信に適用することができる。相対アップリンクグラント情報を搬送するダウンリンク制御チャネル(例えばE−RGCH)とHARQフィードバック情報を搬送するダウンリンク制御チャネル(例えばE−HICH)の1組を、各アップリンク搬送波に関連付けることができ、WTRUは、受信した相対グラントおよびHARQフィードバックを、関連するアップリンク搬送波上でのアップリンク送信に適用することができる。
【0011】
WTRUは、複数のTPC(送信電力制御(transmit power control))コマンドを受信し、対応するTPCコマンドに基づいて、アップリンク搬送波における送信電力を調整することができる。アップリンク搬送波のためのTPCコマンドは、そのアップリンク搬送波に関連付けられたダウンリンク搬送波を介して、受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
より詳細な理解は、添付の図面と併せて、例として与えられる、以下の説明から得ることができる。
【図1】ワイヤレス通信システムの一例を示す図である。
【図2】図1のワイヤレス通信システムのWTRUおよびノードBの機能ブロック図である。
【図3】一実施形態による、WTRUが2つのアップリンク搬送波をUTRANに送信する一例を示す図である。
【図4】別の実施形態による、WTRUが2つのアップリンク搬送波をUTRANに送信する一例を示す図である。
【図5】2つのアップリンク搬送波が、2つのダウンリンク搬送波上でWTRUに送信されるTPC(送信電力制御(transmit power control))コマンドによって制御される機能ブロック図である。
【図6】2つのアップリンク搬送波が、単一のダウンリンク搬送波上でWTRUに送信されるTPC(送信電力制御)コマンドによって制御される機能ブロック図である。
【図7】2つのアップリンク搬送波が、単一のダウンリンク搬送波上でWTRUに送信されるTPC(送信電力制御)コマンドによって制御される機能ブロック図である。
【図8】一実施形態による、F−DPCHスロットフォーマットの一例を示す図である。
【図9】複数アップリンク搬送波環境においてTPC(送信電力制御)コマンドがアップリンクで送信される機能ブロック図である。
【図10】2つのアップリンク搬送波を利用する場合の、E−TFC選択およびMAC−eまたはMAC−i PDU生成のためのプロセスの一例のフロー図である。
【図11】一実施形態による、スケジューリング情報フォーマットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これ以降で言及される場合、「WTRU」という用語は、限定することなく、UE(ユーザ機器)、移動局、固定もしくは移動加入者ユニット、ページャ、セルラ電話、PDA(携帯情報端末)、コンピュータ、M2M(マシン対マシン(machine−to−machine))デバイス、センサ、またはワイヤレス環境で動作可能な他の任意のタイプのデバイスを含む。これ以降で言及される場合、「ノードB」という用語は、限定することなく、基地局、サイトコントローラ、AP(アクセスポイント)、またはワイヤレス環境で動作可能な他の任意のタイプのインタフェースデバイスを含む。
【0014】
ネットワークは、少なくとも1つのダウンリンク搬送波および/または少なくとも1つのアップリンク搬送波を、それぞれアンカーダウンリンク搬送波(anchor downlink carrier)およびアンカーアップリンク搬送波(anchor uplink carrier)として割り当てることができる。例えば、アンカー搬送波は、ダウンリンク/アップリンク送信のための特定の1組の制御情報を搬送するための搬送波として、定義することができる。アンカー搬送波は、動的に活動化および非活動化されなくてよい。アップリンクアンカー搬送波は、ダウンリンクアンカー搬送波に関連付けることができる。アンカー搬送波として割り当てられない搬送波はいずれも、補助搬送波(supplementary carrier)である。あるいは、ネットワークは、アンカー搬送波を割り当てなくてもよく、どのダウンリンク搬送波またはアップリンク搬送波にも、優先権、プリファレンス、またはデフォルトステータスを与えなくてよい。マルチキャリア動作の場合、2つ以上の補助搬送波またはセカンダリ搬送波が存在することがある。これ以降、「アンカーアップリンク/ダウンリンク搬送波」と「プライマリアップリンク/ダウンリンク搬送波」という用語は、交換可能に使用され、「セカンダリアップリンク/ダウンリンク搬送波」と「補助アップリンク/ダウンリンク搬送波」という用語は、交換可能に使用される。
【0015】
ユーザデータおよび制御情報を運ぶための、アップリンク搬送波についての様々なチャネル構造を含む、HSPAシステムにおけるデータおよび制御情報の送信において、複数のアップリンク搬送波を利用するための実施形態が開示される。実施形態はデュアルアップリンク搬送波に関して説明されるが、本明細書で説明される実施形態は、多数のアップリンク搬送波にも同様に適用可能であることを理解されたい。実施形態は、WCDMA(広帯域符号分割多重アクセス)に関連する制御チャネルおよびデータチャネルを参照して開示されるが、実施形態が、LTE(ロングタームエボリューション(long term evolution))およびLTEアドバンスト(LTE−Advanced)など、現在存在するまたは将来開発される任意のワイヤレス通信技術に適用可能であることに留意されたい。本明細書で説明される実施形態は、任意の順序または組合せで適用可能とし得ることにも留意されたい。
【0016】
図1は、複数のWTRU 110と、ノードB 120と、CRNC(制御無線ネットワークコントローラ(controlling radio network controller))130と、SRNC(サービング無線ネットワークコントローラ(serving radio network controller))140と、コアネットワーク150とを含む、ワイヤレス通信システム100の一例を示している。ノードB 120およびCRNC 130は、一括して、UTRANと呼ばれることもある。
【0017】
図1に示されるように、WTRU 110は、ノードB 120と通信し、ノードB 120は、CRNC 130およびSRNC 140と通信する。図1には、3つのWTRU 110、1つのノードB 120、1つのCRNC 130、および1つのSRNC 140が示されているが、無線および有線デバイスの任意の組合せがワイヤレス通信システム100に含まれ得ることに留意されたい。
【0018】
図2は、図1のワイヤレス通信システム100のWTRU 110およびノードB 120の機能ブロック図である。図1に示されるように、WTRU 110は、ノードB 120と通信し、どちらも、複数のアップリンク搬送波を用いてアップリンク送信を実行する方法を実行するように構成される。WTRU 110は、プロセッサ115と、受信機116と、送信117と、メモリ118と、アンテナ119と、典型的なWTRUに見出し得る他のコンポーネント(図示されず)とを含む。メモリ118は、オペレーティングシステム、アプリケーションなどを含む、ソフトウェアを保存するために提供される。プロセッサ115は、単独で、またはソフトウェアと連携して、複数のアップリンク搬送波を用いてアップリンク送信を実行する方法を実行するために提供される。受信機116および送信機117は、プロセッサ115と通信する。受信機116および/または送信機117は、複数の搬送波を介して受信および/または送信することが可能なことがある。あるいは、複数の受信機または複数の送信機が、WTRU 110に含まれてもよい。アンテナ119は、ワイヤレスデータの送信および受信を容易にするように、受信機116および送信機117の両方と通信する。
【0019】
ノードB 120は、プロセッサ125と、受信機126と、送信機127と、メモリ128と、アンテナ129と、典型的な基地局に見出し得る他のコンポーネント(図示されず)とを含む。プロセッサ125は、単独で、またはソフトウェアと連携して、複数のアップリンク搬送波を用いてアップリンク送信を実行する方法を実行するために提供される。受信機126および送信機127は、プロセッサ125と通信する。受信機126および/または送信機127は、複数の搬送波を介して受信および/または送信することが可能なことがある。あるいは、複数の受信機または複数の送信機が、ノードB 120に含まれてもよい。アンテナ129は、ワイヤレスデータの送信および受信を容易にするように、受信機126および送信機127の両方と通信する。
【0020】
一実施形態によれば、セカンダリアップリンク搬送波は、最低限の制御情報を有するまたは制御情報を有さないトラフィックデータを搬送する。図3は、WTRUが2つのアップリンク搬送波をUTRANに送信する一例を示している。WTRUは、アンカーアップリンク搬送波上で、データチャネル(例えばE−DPDCH(E−DCH個別物理データチャネル(E−DCH dedicated physical data channel)))、パイロットおよび他の制御チャネル(例えば、DPCCH、E−DPCCH(E−DCH個別物理制御チャネル(E−DCH dedicated physical control channel))、ならびに/またはHS−DPCCH(HS−DSCH個別物理制御チャネル(HS−DSCH dedicated physical control channel)))を送信することができ、補助アップリンク搬送波上で、データチャネル(例えばE−DPDCH)およびパイロットチャネルを送信することができる。
【0021】
アンカーアップリンク搬送波は、UTRANに送信されるアップリンク制御シグナリングのすべてまたはほとんどを搬送することができ、アップリンク制御シグナリングは、限定することなく、(1)CQI(チャネル品質情報(channel quality information))、PCI(プリコーディング制御指示(precoding control indication))、ACK/NACK HARQ情報を含む、(HS−DPDCHなどの)ダウンリンクチャネルのためのフィードバック、(2)アップリンクパイロットシンボル、FBI(フィードバック情報(feedback information))、およびTPC(送信電力制御)コマンドを含む、アップリンク無線リンク制御情報(例えばアップリンクDPCCH)、または(3)HARQ処理のために使用されるRSN(再送シーケンス番号(retransmission sequence number))、送信されるトランスポートブロックのサイズを示すE−TFCI(E−DCHトランスポートフォーマットコンビネーションインデックス(E−DCH transport format combination index))情報、およびハッピービット(happy bit)を含む、E−DCH制御情報(例えばE−DPCCH)のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
データチャネル(例えばE−DPDCH)は、図3に示されるように、アンカーアップリンク搬送波上でユーザトラフィックを運ぶことができる。
【0023】
補助アップリンク搬送波は、ユーザデータチャネル(例えばE−DPDCH)およびパイロットチャネルを搬送することができる。パイロットチャネルは、パイロットシンボルの他に、TPC(送信電力制御)コマンドも搬送する、従来のアップリンクDPCCHとすることができる。TPCコマンドは、セカンダリダウンリンク搬送波のためのダウンリンク電力を管理する、WTRUとUTRANの間のセカンダリ電力制御ループを制御するために使用することができる。あるいは、パイロットチャネルは、パイロットシンボルを含む、アップリンクDPCCHの新しいスロットフォーマットを有することができる。例えば、従来のアップリンクDPCCHのすべての10ビットは、パイロットシーケンスを搬送するために使用することができる。あるいは、パイロットチャネルは、セカンダリアップリンク搬送波上でのデータの受信を改善するためにUTRANによって使用されるパイロットシンボルを搬送する、新しいアップリンク制御チャネルとすることができる。
【0024】
アンカーアップリンク搬送波上で送信されるデータおよび補助アップリンク搬送波上で送信されるデータの両方のためのE−DCH制御情報は、アンカーアップリンク搬送波上で送信することができる。このE−DCH制御情報は、両方のアップリンク搬送波のための制御情報を含む、E−DPCCHのための新しいスロットフォーマットを定義することによって、またはアンカーアップリンク搬送波上で2つの独立したE−DPCCHチャネル(一方はアンカーアップリンク搬送波用、他方は補助アップリンク搬送波用)を送信することによって、運ぶことができる。
【0025】
代替実施形態によれば、図4に示されるように、セカンダリアップリンク搬送波も、セカンダリアップリンク搬送波の送信に関連するE−DCH制御情報を搬送することができる。アンカーアップリンク搬送波上で送信されるE−DCH制御情報は、アンカーアップリンク搬送波上でのデータ送信に関係する。E−DCH制御情報を送信するため、セカンダリアップリンク搬送波上では、(シングルキャリア動作と同様の方法で)データチャネルおよびパイロットチャネルに加えて、別個のE−DPCCHを送信することができる。あるいは、パイロットおよびE−DCH制御情報の両方を含む新しいアップリンク制御チャネルを定義することができる。新しいアップリンク制御チャネルは、アップリンクパイロットシンボル、FBI、TPC、HARQ処理のために使用されるRSN、送信されるトランスポートブロックのサイズを示すE−TFCI情報、および/またはハッピービットを含むことができる。あるいは、新しいアップリンク制御チャネルは、パイロットシンボル、RSN、および/またはE−TFCI情報を含むことができる。
【0026】
E−DPCCHがアンカーアップリンク搬送波および補助アップリンク搬送波の両方で送信される場合、両方のアップリンク搬送波において、ハッピービットを以下のように設定することができる。各アップリンク搬送波におけるハッピービットは、各アップリンク搬送波の、それぞれの電力ヘッドルーム状態および個々のグラントに従って、設定することができる。電力ヘッドルームは、アップリンクデータの送信のために利用可能な電力の量または比として定義することができる。あるいは、電力ヘッドルームは、他のアップリンクデータおよび制御チャネルの送信のために基準アップリンク搬送チャネル上で利用可能な電力の量または比とすることができる。これは、例えば、第2のアップリンク搬送波においてより高いデータレートで送信を行うのに十分な電力ヘッドルームが存在する場合、または第2のアップリンク搬送波におけるグラントがより低い場合、一方のアップリンク搬送波においてハッピービットが「ハッピー」に設定されることがあり、一方、第2のアップリンク搬送波においてハッピービットが「アンハッピー」に設定されることを意味する。
【0027】
あるいは、一方のアップリンク搬送波(例えばアンカーアップリンク搬送波)におけるハッピービットは、両方のアップリンク搬送波の組合せ状態(グラントおよび電力ヘッドルーム)に従って設定することができる。このケースでは、(1)WTRUが、両方のアップリンク搬送波に対するE−TFC選択の際に、両方のアップリンク搬送波上で、現在のサービンググラントによって許可された最大量のスケジュールされたデータ(scheduled data)を送信している場合、(2)WTRUが、アップリンク搬送波のいずれかまたはすべてにおいて、より高いデータレートで送信を行うのに利用可能な十分な電力を有する場合、または(3)ハッピービットと同じTTI中にデータを送信するために、(両方のアップリンク搬送波に対する)E−TFC選択において選択された電力オフセットと同じ電力オフセットに基づいて、TEBS(合計E−DCHバッファステータス(total E−DCH buffer status))が、各搬送波におけるアクティブプロセスとプロセスの総数の比を考慮して、現在のサービンググラントを用いて送信されるために、Happy_Bit_Delay_Condition msよりも多くを必要とする場合、ハッピービットを「アンハッピー」に設定することができる。
【0028】
一方のアップリンク搬送波におけるハッピービットが、両方のアップリンク搬送波の組合せ状態に従って設定される場合、第2のアップリンク搬送波におけるハッピービットは、以下の一方または組合せで解釈することができる。
【0029】
(1)ハッピービットは、第2のアップリンク搬送波における電力ヘッドルームが第1のアップリンク搬送波における電力ヘッドルームよりも大きい場合、「ハッピー」に設定することができ、それ以外の場合は、「アンハッピー」に設定することができる。この情報は、ネットワークが、どの搬送波上でグラントを増加させ得るかを決定するのに役立つ。または
(2)あるいは、第2のアップリンク搬送波におけるハッピービットは、もっぱら第2のアップリンク搬送波における(またはもっぱら第1のアップリンク搬送波における)グラントおよび電力ヘッドルームの状態を考慮して、ハッピービット決定のための従来の規則によって設定することができる。
【0030】
すべてのアップリンク搬送波は、データチャネル(例えばE−DPDCH)および制御チャネル(例えばDPCCH、E−DPCCH、またはHS−DPCCH)を含む、同じチャネル構造を有することができる。各アップリンク搬送波は、関連するダウンリンク搬送波とペアにすることができる。これは、搬送波が異なる周波数帯に配置され、無線状態が搬送波間で著しく異なることがある場合に有利なことがある。
【0031】
アップリンク搬送波の数およびダウンリンク搬送波の数は、同じとすることができる。このケースでは、各アップリンク搬送波は、ダウンリンク搬送波とペアをなすことができる。ダウンリンク搬送波が2つ、アップリンク搬送波が2つであるケースの一例では、ダウンリンク搬送波1は、アップリンクスケジューリング情報(例えばE−AGCH、E−RGCH)、HARQフィードバック(例えばE−HICH)、または(例えばF−DPCHを介する)電力制御コマンドなどを含む、アップリンク搬送波1に関連するすべての制御情報を搬送することができる。同様に、ダウンリンク搬送波2は、アップリンク搬送波2に関連するすべての制御情報を搬送することができる。
【0032】
アップリンク搬送波1は、ダウンリンクチャネル品質(例えばHS−DPCCHにおけるCQI)、HARQフィードバック(例えばHS−DPCCHにおけるACK/NACK)、または電力制御コマンド(例えばアップリンクDPCCH)などを含む、ダウンリンク搬送波1に関連するすべての制御情報を搬送することができる。同様に、アップリンク搬送波2は、ダウンリンク搬送波2に関連するすべての制御情報を搬送することができる。
【0033】
あるいは、ダウンリンク搬送波の数は、アップリンク搬送波の数よりも多くてよい。このケースでは、アップリンク送信のために使用されるよりも多くのダウンリンク搬送波を受信することが許可される。例えば、WTRUが同時に、4つのダウンリンク搬送波上で受信し、2つのアップリンク搬送波上で送信するように構成されたケースでは、アップリンク搬送波1は、ダウンリンク搬送波1(アンカー)およびダウンリンク搬送波2(補助)に合致させることができ、アップリンク搬送波1は、ダウンリンクチャネル品質(例えばHS−DPCCHにおけるCQI)、HARQフィードバック(例えばHS−DPCCHにおけるACK/NACK)、または電力制御コマンド(例えばアップリンクDPCCH)などを含む、ダウンリンク搬送波1およびダウンリンク搬送波2に関連する制御情報のいずれかまたはすべてを搬送することができる。アップリンク搬送波2は、ダウンリンク搬送波3(アンカー)およびダウンリンク搬送波4(補助)に合致させることができ、アップリンク搬送波2は、ダウンリンクチャネル品質(例えばHS−DPCCHにおけるCQI)、HARQフィードバック(例えばHS−DPCCHにおけるACK/NACK)、または電力制御コマンド(例えばアップリンクDPCCH)などを含む、ダウンリンク搬送波3およびダウンリンク搬送波4に関連する制御情報のいずれかまたはすべてを搬送することができる。
【0034】
アップリンク上で複数の搬送波を用いる場合、WTRUのアクティブセットを変更することができる。WTRUは、各アップリンク搬送波に対応する、2つのアクティブセットを独立に維持することができる。WTRUは、アンカーアップリンク搬送波におけるE−DCH無線リンクを含むアクティブセットと、補助アップリンク搬送波におけるE−DCH無線リンクを含む別のアクティブセットとを有することができる。これは、ネットワークが、同じE−DCHアクティブセットにおいて、いくつかのシングルセル(single cell)ノードBと、いくつかのデュアルセル(dual cell)ノードBとを構成することを可能にする。
【0035】
あるいは、WTRUは、1つのアクティブセットを維持することができ、アクティブセットの各エントリは、アンカーアップリンク搬送波および補助アップリンク搬送波の両方に関連する無線リンクを含む。この実施形態では、ネットワークは、いくつかのセクタではシングルE−DCH構成を用いて、またいくつかの他のセクタではデュアルE−DCHを用いて、WTRUを構成することはできない。
【0036】
あるいは、E−DCHアクティブセットの非サービングセルは、1つの搬送波無線リンクを含むことができ、サービングセルは、2つの無線リンク(1つはアンカー搬送波に対応し、1つは補助搬送波に対応する)を含むことができる。
【0037】
複数の搬送波を介してHSUPAを動作させるのに必要なシグナリングを提供するための実施形態が、これ以降で説明される。
【0038】
一実施形態によれば、各アップリンク搬送波は、制御シグナリングのための特定のダウンリンク搬送波に関連付けることができる。関連付けは、RRC(無線リソース制御(radio resource control))シグナリングを介して、ネットワークによって伝達することができ、または事前定義された1組の規則に基づいて、暗黙的に知ることができる。例えば、2つのアップリンク搬送波および2つのダウンリンク搬送波が利用され、アップリンク搬送波Aとダウンリンク搬送波A、およびアップリンク搬送波Bとダウンリンク搬送波Bとが関連付けられる場合、WTRUは、ダウンリンク搬送波A上で受信したE−AGCH、E−RGCH、およびE−HICHコマンドを、アップリンク搬送波Aに関連するサービンググラントおよびHARQプロセスに適用することができる。同様に、WTRUは、ダウンリンク搬送波B上で受信したE−AGCH、E−RGCH、およびE−HICHコマンドを、アップリンク搬送波Bに関連するサービンググラントおよびHARQプロセスに適用する。
【0039】
別の実施形態によれば、E−AGCH、E−RGCH、またはE−HICHコマンドが送信されるダウンリンク搬送波は、これらのコマンドが適用されるアップリンク搬送波に直接的にリンクされなくてよい。グラントは、アンカーダウンリンク搬送波上でのみ(または代替として、ダウンリンク搬送波のいずれかで)送信することができ、アップリンク搬送波のいずれにも適用することができる。
【0040】
複数のアップリンク搬送波のための絶対グラントを送信するための実施形態が、これ以降で説明される。
【0041】
一実施形態によれば、ネットワークは、WTRUにおいて、各アップリンク搬送波に対してE−RNTI(E−DCH無線ネットワーク一時識別情報)の1組を設定することができる。E−RNTIの各組(すなわちプライマリE−RNTIおよびセカンダリE−RNTI)は、与えられたアップリンク搬送波に関連付けられる。任意選択的に、各アップリンク搬送波に対して、プライマリE−RNTIのみを設定することもできる。WTRUは、設定されたすべてのE−RNTIについて、E−AGCHを監視し、設定されたE−RNTIの1つが検出された場合、WTRUは、E−AGCHを介して搬送されたコマンドを、復号されたE−RNTIに関連付けられたアップリンク搬送波に適用する。アップリンク搬送波へのE−RNTIの関連付けは、E−AGCHが送信されるダウンリンク搬送波に関わりなく、有効である。
【0042】
あるいは、ネットワークは、各アップリンク搬送波に関連付けられた少なくとも1つのE−AGCH(すなわちE−AGCHチャネライゼーションコード(channelization code))を設定することができる。WTRUは、すべてのE−AGCH(すなわち設定されたすべてのE−AGCHチャネライゼーションコード)を監視する。WTRUは、そのE−RNTI(プライマリまたはセカンダリ)を、設定されたE−AGCH上で検出した場合、対応するコマンドを、コマンドが送信された、E−AGCHチャネライゼーションコードに関連付けられたアップリンク搬送波に適用する。
【0043】
あるいは、WTRUは、受信したE−AGCHコマンドを、タイミングに基づいて、アップリンク搬送波の1つに適用することができる。例えば、コマンドが適用されるアップリンク搬送波インデックスは、受信したE−AGCHの、E−AGCHサブフレーム番号とCFN(接続フレーム番号(connection frame number))(またはSFN(システムフレーム番号(system frame number)))との関数とすることができる。加えて、与えられたサブフレームにおいて、E−AGCHコマンドが送信されたときのサブフレームと対応するE−DCH送信のサブフレームとの間の時間オフセットは、アップリンク搬送波に応じて異なっていてもよい。例えば、時間オフセットは、アップリンク搬送波#1については約5サブフレームとすることができるが、アップリンク搬送波#2については1サブフレームだけ短く(すなわち約4サブフレームと)することができる。時間オフセットは、絶対グラントコマンドが、両方の搬送波のためのいずれのHARQプロセスにも対処できるように、HARQサイクル毎に交換することができる(8つのTTIは2msのTTI、4つのTTIは10msのTTI)。
【0044】
あるいは、2つのアップリンク搬送波の特別なケースでは、付随する絶対グラントコマンドが適用されるアップリンク搬送波を示すために、E−AGCH上で搬送される絶対グラントスコープビット(absolute grant scope bit)を再解釈することができる。
【0045】
あるいは、2つ以上のアップリンク絶対グラントコマンドをサポートするために、E−AGCHの物理層フォーマットを変更することができる。これは、絶対グラント粒度を(5ビットからより低い値に)低下させることによって、他の情報を搬送するように絶対グラントスコープビットを再解釈することによって、より多くの情報をサポートするためにチャネル符号化方式を変更することによって、もしくはすべてのアップリンク搬送波の間で絶対グラントスコープビットを共有することによって、またはそれらの任意の組合せで達成することができる。
【0046】
あるいは、この絶対グラントコマンドが適用可能なアップリンク搬送波を明示的に示すために、絶対グラントメッセージに追加のフィールドが追加されるように、E−AGCHフォーマットを変更することができる。アップリンクにおける搬送波の数に応じて、このフィールドは、デュアルセル動作の場合は、1ビットとすることができ、または最大で4つの搬送波をサポートするには、2ビットとすることができる。
【0047】
あるいは、WTRUには、両方の搬送波上での組み合わされた送信に適用される、単一のグラント値を提供することができる。伝達されたグラント(電力比)は、ビットの数(またはデータレート)に変換することができ、WTRUに、両方の搬送波を介して、より多くの合計のビット数(またはより高い合計のデータレート)を送信することを許可することはできない。あるいは、両方の搬送波のE−DPDCH/DPCCH電力比の線形和が、伝達されたグラントを超過することを許可することはできない。
【0048】
この単一のグラントによって伝達される制約は、2つの搬送波の間での適切な共有を決定するために、他の制約と組み合わせることができる。例えば、ネットワークは、干渉制御の目的で、どちらかの(または両方の)アップリンク搬送波上で、最大グラントを準静的にまたは動的に伝達することができる。個々の搬送波におけるグラントを制御するための従来のメカニズムは、共有されるグラントと併せて使用することができる。このケースでは、共有されるグラントは、異なるE−RNTI値を用いて識別することができる。
【0049】
複数のアップリンク搬送波のための相対グラントおよびHARQ指示を送信するための実施形態が、これ以降で説明される。
【0050】
一実施形態では、各アップリンク搬送波に対してE−RGCHと(各無線リンクのための)E−HICHの1組を設定することができる。E−RGCHとE−HICHの異なる組は、シグネチャが異なる同じチャネライゼーションコードを共有することができ、またはまったく異なるチャネライゼーションコードを使用することができる。各組は、特定のアップリンク搬送波に関連付けられる。この関連付けは、明示的なシグナリングを介して通知することができ、または事前定義された規則によって暗黙的に知ることができる。その後、E−RGCHとE−HICHは、アップリンク搬送波との関連付けとは独立した、事前定義されたダウンリンク搬送波を介して送信される。例えば、E−RGCHとE−HICHのすべての組は、サービングHS−DSCHセル(アンカーダウンリンク搬送波)を介して送信することができる。あるE−RGCHは、両方のアップリンク搬送波に関連付けることができ、このケースでは、UP(またはDOWN)コマンドは、両方のアップリンク搬送波において同時に、グラントを引き上げる(または引き下げる)。
【0051】
あるいは、各アップリンク搬送波は、1つのダウンリンク搬送波に関連付けることができる。ネットワークは、アップリンク搬送波毎にE−RGCHと(各無線リンクのための)E−HICHの1組を設定し、その1組は、関連付けられたダウンリンク搬送波を介して送信される。WTRUは、各ダウンリンク搬送波上でE−RGCHおよびE−HICHを監視し、受信したコマンドを、関連付けられたアップリンク搬送波に適用する。例えば、アップリンク搬送波Aがダウンリンク搬送波Aに関連付けられる場合、ダウンリンク搬送波Aを介して受信したE−RGCHコマンドおよびE−HICHコマンドは、アップリンク搬送波Aに適用される。
【0052】
WTRUは、各アップリンク搬送波について、非サービングノードBから、E−RGCHおよびE−HICHを受信することができる。非サービングノードBは、デュアルアップリンク動作が可能でないことがあるので、各アップリンク搬送波について、別個のE−DCHアクティブセットを定義してよい。WTRUは、アップリンク搬送波の少なくとも1つについて、非サービングノードBから、非サービングE−RGCHまたはE−HICHを受信することができる。同じ理由で、電力制御を目的として、各アップリンク搬送波について、別個のアクティブセットを定義することができる。このケースでは、WTRUは、アップリンク搬送波の一方について、ノードBから、(DPDCHまたはF−DPCH上で)TPCコマンドを受信することができる。
【0053】
アップリンク搬送波に対する並列制御が許可されない場合、WTRUは、各搬送波のための別個のアクティブセットを維持する必要がないことがある。1つのアクティブセットを定義することができ、ダウンリンクアンカー搬送波のアクティブセットから、ダウンリンク制御シグナリングを監視することができる。
【0054】
補助アップリンク搬送波に関連するオーバヘッドのため、バースト期間中には、WTRUに対して、補助搬送波の使用、または一度に2つのアップリンク搬送波の使用を制約するのが望ましいことがある。これに関連して、アップリンクリソース(すなわち、補助アップリンク搬送波のみ、または代替として、補助アップリンク搬送波およびアンカーアップリンク搬送波の両方)を、一度に単一のWTRUに割り当てる(すなわち、与えられた時間において、1つのWTRUが両方の搬送波において、または補助搬送波上で送信することを許可され、他のすべてのWTRUはアンカー搬送波上でのみ送信することを許可される)のが効率的なことがある。
【0055】
一実施形態によれば、事前定義または設定された期間の間、補助アップリンク搬送波における、または両方のアップリンク搬送波における、そのグラントを使用するように、WTRUをスケジュールまたは構成することができる。WTRUは、一方のアップリンク搬送波(アンカーアップリンク搬送波または補助アップリンク搬送波)上でのみ送信していることができ、スケジューラは、両方のアップリンク搬送波において、WTRUをスケジュールする。これは、ネットワークが、WTRUの間でリソースを交換するときに、シグナリングを最低限に抑えることを可能にする。
【0056】
初期状態では、WTRUは、アンカーアップリンク搬送波上でのみ、または補助アップリンク搬送波上でのみ、E−DCHを送信している(一方のアップリンク搬送波のみを活動化することができ、他方のアップリンク搬送波は活動化してもよく、または活動化しなくてもよい)。WTRUが送信するデータを大量に有する場合、ネットワークは、現在使用されていないアップリンク搬送波におけるグラントを、一時的に提供することを決定することができる。両方のアップリンク搬送波上での送信を開始するように、WTRUに信号を送るため、またはWTRUをトリガするために、以下の条件、すなわち、(1)WTRUが、データ(すなわちE−DCH)を現在送信していないアップリンク搬送波に関連する非ゼログラントを受信すること、(2)WTRUが、非ゼログラントと、アンカーアップリンク搬送波もしくは補助アップリンク搬送波における少なくとも1つのアクティブHARQプロセスを有し、現在送信していないアップリンク搬送波についての非ゼログラントを受信すること、または(3)WTRUが、非ゼログラントと、アンカーアップリンク搬送波もしくは補助アップリンク搬送波において活動化されたすべてのHARQプロセスを有し、現在送信していないアップリンク搬送波についての非ゼログラントを受信することの1つまたは組合せを使用することができる。
【0057】
WTRUには、以下の方法の1つまたは組合せを使用して、他の搬送波上での送信を開始するために、信号を送ることができる。WTRUには、両方の搬送波上での送信を開始するようにWTRUに指示するために使用される、(これ以降「デュアルセルE−RNTI」と呼ばれる)E−RNTIを割り当てることができる。WTRUは、シングルセルE−RNTI、またはシングルセル用に使用される2つの別個のE−RNTI(1つはアンカー用、1つは補助用)も有することができる。E−AGCHがデュアルセルE−RNTIを用いてマスクされる場合、WTRUは、与えられたE−AGCHに対応するHARQプロセスにおいて、両方のアップリンク搬送波上での送信を開始する。E−AGCH上でデュアルセルE−RNTIとともに伝達されたグラントは、新たに使用されるアップリンク搬送波において使用することができ、WTRUは、WTRUがすでに送信していた搬送波上では、既存のサービンググラントを用いて続行することができる。あるいは、E−AGCH上でデュアルセルE−RNTIとともに伝達されたグラントは、両方のアップリンク搬送波のために使用することができる。あるいは、E−AGCH上でデュアルセルE−RNTIとともに伝達されたグラントは、両方のアップリンク搬送波の間で半分に分割することができる。
【0058】
あるいは、現在の絶対グラント値よりも高い値のシグナリングを可能にするために、絶対グラントテーブルを拡張することができる。絶対グラントが30を上回る値を示している場合、WTRUは、これを、他方のアップリンク搬送波上での送信を開始するための指示として解釈することができる。両方のアップリンク搬送波において使用するグラントは、アップリンク搬送波の間で分割されたAGに対応してもよい。あるいは、新しい搬送波におけるAGは、伝達されたAGから現在の搬送波のサービンググラントを減算したAGに対応してもよい。あるいは、新しい搬送波におけるAGインデックスは、伝達されたAGから30を減算したAGに対応してもよい。あるいは、現在の搬送波のために使用されるサービンググラントは、新しい搬送波のためにも使用することができる。
【0059】
本明細書で説明された方法のいずれも、他方の搬送波におけるグラントを伝達するために使用することができる(例えば、絶対グラントインデックスが、グラントが適用されるアップリンク搬送波を示す新しいビットとともに伝達することができるような、絶対グラントメッセージの変更)。
【0060】
あるいは、両方の搬送波上で送信を開始するようにWTRUに通知する指示ビットは、E−AGCH上で伝達することができる。E−AGCH上でメッセージを受信すると、WTRUは、現在のアップリンク搬送波と同じサービンググラントを使用して、または代替として、指示ビットと同じE−AGCH上で搬送された絶対グラントに対応するサービンググラントを使用して、他方のアップリンク搬送波上で送信を開始することができる。
【0061】
上記のトリガ条件において、絶対グラントスコープは、特定の値(「すべて」または「単一」)に設定することができる。
【0062】
WTRUが現在送信していない搬送波における非永続的グラントがトリガされた場合、WTRUは、まだ行われていないならば、新しいアップリンク搬送波を同期させる。新しい搬送波における同期は、新しい搬送波上でのE−DCH送信の開始に先立つ、DPCCHプリアンブルの送信を含むこともできる。
【0063】
WTRUは、非永続的タイマを開始することもできる。非永続的タイマは、時間値またはTTIの数に対応してもよい。この値は、WTRUによって事前に決定することができ、またはRRCシグナリングを介してWTRUに伝達/設定することができる。
【0064】
WTRUは、上で説明された方法のうちの1つを使用して、伝達された非永続的グラントを使用して、E−DCH送信を開始する。あるいは、WTRUは、グラントの値を無視し、最大グラントを使用することができる。あるいは、WTRUは、伝達されたグラントの値を無視し、ネットワークによって伝達された最大値を使用することができる。あるいは、WTRUは、RRCシグナリングを介してネットワークによって伝達された、またはWTRUによって事前に決定された、事前設定された非永続的グラントを使用することができる。
【0065】
非永続的タイマが満了すると、新しいアップリンク搬送波に関連するサービンググラントは、ゼロの値を取り、および/または新しいアップリンク搬送波に関連するすべてのHARQプロセスは、非活動化される。したがって、WTRUは、新しい搬送波上で新しいHARQ送信を開始することを停止する。任意選択的に、新しい搬送波上でのすべてのHARQ再送が完了すると、WTRUは、新しい搬送波を暗黙的に非活動化することができる。任意選択的に、WTRUは、タイマが満了した後、非永続的タイマによって許容された最後のHARQ送信の終了時にピギーバックして、または単独で、SIを送信することができる。非永続的タイマの値は、ネットワークによって設定することができ、WTRUまたはセル固有とすることができる。
【0066】
高速グループグラント切り換え(fast group grant switching)の場合、WTRUは、1つの専用E−RNTIおよび1つの共用E−RNTIを用いて、ネットワークによって構成することができる。ネットワークは、WTRUのグループに対するサービンググラントを、伝達もしくは設定された値(例えばゼロ)まで低減させるために、またはサービンググラントを、その以前の値まで回復させるために、任意選択的に共通オフセットとともに、共用E−RNTIを使用することができる。この機能を用いた場合、ネットワークは、共用E−RNTIを使用して、セル内のアップリンクリソースを解放し、それを単一のWTRUに割り当てることができ、後で、WTRUのグループに対するグラントを、以前の状態に戻すことができる。
【0067】
ここで図5を参照すると、両方のアップリンク搬送波520、540上で(すなわち、デュアル搬送波シナリオにおいて)電力制御を実行し、アップリンク搬送波に電力およびデータを割り当てるための実施形態が、これ以降で説明される。図5〜図7および図9には、アップリンク搬送波およびダウンリンク搬送波によって搬送される特定のチャネルが示されているが、任意のチャネルがそのような搬送波で搬送され得ることを指摘しておく。
【0068】
一実施形態によれば、アップリンク搬送波520、540上でのアップリンクDPCCH(個別物理制御チャネル(dedicated physical control channel))送信525、545の送信電力は、ノードBによって送信される2つの別個のTPC(送信電力制御)コマンドによって制御される。一方のTPCコマンドは、第1のアップリンク搬送波520の電力を制御し、他方のTPCコマンドは、第2のアップリンク搬送波540の電力を制御する。WTRUは、対応するTPCコマンドに基づいて、各アップリンク搬送波520、540上のDPCCH525、545の電力を変化させる。
【0069】
ノードBは、アップリンク搬送波のためのTPCコマンドを、そのアップリンク搬送波520、540にそれぞれ対応するダウンリンク搬送波570、590上のF−DPCH560、580を介して送信する。アップリンク搬送波とダウンリンク搬送波の間のマッピングは、事前に定義することができる。WTRUは一般に、2つの異なるダウンリンク搬送波上で送信される2つのチャネル(例えば、F−DPCH)を聴取することによって、TPCコマンドを獲得するが、もちろん、そのようなコマンドを送信するための異なるチャネルを使用することもできる。
【0070】
あるいは、ここで図6を参照すると、2つのアップリンク搬送波520、540のためのTPCコマンドは、同じダウンリンク搬送波570(ダウンリンク搬送波570または590の一方を使用できるが、この実施形態では、ダウンリンク搬送波570を使用するものとして示している)上の2つの異なるチャネル562、564を介して送信することができる。この実施形態では、ダウンリンク搬送波の少なくとも一方で他の活動が存在しない場合、WTRUは、両方のダウンリンク搬送波570、590を聴取する必要はない。
【0071】
図7に示されるさらなる一代替実施形態では、2つのアップリンク搬送波520、540のためのTPCコマンドは、単一のダウンリンク搬送波570(やはり、ダウンリンク搬送波570または590の一方を使用できるが、この実施形態では、ダウンリンク搬送波570を使用するものとして示している)における単一のチャネル562(例えば、F−DPCH)を介して搬送することができる。図8は、この代替実施形態による、F−DPCHスロットフォーマットの一例を示している。F−DPCHスロットフォーマットは、スロット当たり2つのTPCフィールドを含み、TPC1およびTPC2は各々、アップリンク搬送波1およびアップリンク搬送波2のための電力制御コマンド(UPまたはDOWN)をそれぞれ含む。
【0072】
図7を再び参照すると、両方のアップリンク搬送波のための電力制御コマンドが、F−DPCHチャネルなどの単一のチャネル562を介して送信される、別の代替実施形態では、電力制御コマンドは、時間多重化される。電力制御コマンドの時間多重化は、多くの異なる方法で達成することができる。電力制御コマンドは、アップリンク搬送波1 520とアップリンク搬送波2 520の間で均等に交代する。例えば、電力制御コマンドが対象とするアップリンク搬送波は、以下のようにして決定することができる。
【0073】
If (現在のCFN(接続フレーム番号(connection frame number))+スロット番号) modulo 2=0
then TPCはアップリンク搬送波1用
Else TPCはアップリンク搬送波2用
例えば、アップリンク搬送波1 520のための電力制御コマンドは、無線スロット#0、2、4、6、8、10、12、および14で搬送することができ、一方、アップリンク搬送波2 540のための電力制御コマンドは、無線スロット#1、3、5、7、9、11、および13で搬送することができ、またはこれの反対である。あるいは、アップリンク搬送波1 520には、アップリンク搬送波2 540よりも多くの電力制御コマンドを割り当てることができる。例えば、アップリンク搬送波1 520のための電力制御コマンドは、無線スロット#0、1、3、4、6、7、9、10、12、および13で搬送することができ、一方、アップリンク搬送波2 540のための電力制御コマンドは、無線スロット#2、5、8、11、および14で搬送することができる。この代替形態は、より多くの電力制御コマンドを提供することで、全体的な効率が向上する理由が存在する場合に、使用することができる。そのようなシナリオは、例えば、アップリンク搬送波1 520が、アップリンク搬送波2 540よりも多くの物理層チャネルを搬送している場合とすることができる。
【0074】
同期も、搬送波単位に定義することができる。WTRUは、両方の搬送波に対して別々に同期手順を適用することができる。WTRUには、搬送波上での同期ステータスに応じて、その搬送波上での送信を許可することができる。無線リンク障害は、両方の搬送波で同期が失われた場合に宣言することができる。
【0075】
図7を依然として参照すると、両方のアップリンク搬送波のための電力制御コマンドが、F−DPCHなどの単一のチャネル562を介して送信される、また別の代替シナリオでは、両方のアップリンク搬送波上でのDPCCH送信の送信電力は、このシナリオではF−DPCHを介してノードBによって送信される単一のTPCコマンドによって制御することができる。ノードBからのTPCコマンドが電力を増加させるよう指示する場合、両方のアップリンク搬送波上で電力が(例えば等しく)増加され、TPCコマンドが電力を低減させるよう指示する場合、両方のアップリンク搬送波上で電力が(例えば等しく)低減される。例えば、電力制御コマンドは、単一のTPCフィールド内にジョイント符号化(joint−coded)することができる。NTPC=2およびNTPC=4である場合の、TPCコマンドのジョイント符号化の例が、表1に示されており、ここで、NTPCはTPCコマンドのビット数である。
【0076】
【表1】
【0077】
ここで図9を参照すると、以下の実施形態は、ダウンリンク電力制御を目的とする、アップリンクDPCCHを介するWTRUからノードBへのTPC(送信電力制御)コマンドのアップリンク送信に関する。WTRUは、アップリンク搬送波の一方(この例では920)のみのアップリンクDPCCH 925を介して、TPCコマンドを送信することができる。別のアップリンク搬送波(この例では940)上では、WTRUは、TPCビットを送信する代わりにDTX(不連続送信(discontinuous transmission))を、またはTPCフィールドをもたない新しいスロットフォーマットを使用することができる。TPCコマンドは、例えばF−DPCH 975などのダウンリンクチャネルが送信されるダウンリンク搬送波970上で測定された品質から導出することができる。この手法は、WTRUからの干渉をいくらか低減するという利点を有する。WTRUは、ノードBによるチャネル推定のために使用されるパイロットビットのみを有するアップリンクDPCCH 925、945を送信することができる。
【0078】
あるいは、WTRUは、両方のアップリンク搬送波920、940のアップリンクDPCCH 925、945を介して、同じTPCコマンドを送信することもできる。TPCコマンドは、F−DPCH 975が送信されるダウンリンク搬送波970上で測定された品質から導出することができる。ノードBは、WTRUからのTPC信号の信頼性を向上させるために、2つのアップリンクDPCCH 925、945からのTPCコマンド信号を組み合わせることができる。
【0079】
あるいは、WTRUは、各アップリンク搬送波920、940のアップリンクDPCCH 925、945を介して、独立のTPCコマンドを送信することもできる。この場合、アップリンク搬送波920、940上で送信されるTPCコマンドは、F−DPCH 970が送信されるダウンリンク搬送波とは独立の、対応するダウンリンク搬送波(複数可)(図示されず)から測定された信号品質に基づいて導出することができる。この方式は、ダウンリンクチャネルに関するいくらかの追加の情報をネットワークに提供するという利点を有する。
【0080】
2つのアップリンク搬送波上のアップリンクチャネル925、927、945、947は、同じに振る舞わないことがあるので、チャネル品質が、一方の搬送波920上では別の搬送波940上でとは異なって変化することがあり得る。一方の搬送波920上ではチャネル品質が変化し、別の搬送波940上ではチャネル品質が変化しないことも可能である。一例では、一方のアップリンク搬送波920上ではチャネル品質が悪化し、他方のアップリンク搬送波940上ではチャネル品質が向上する。この場合、ノードBは、F−DPCH 975上のTPCビットの値を設定するための異なる選択肢を有する。ノードBは、搬送波920、940の一方の品質が閾値を下回る場合は常に、TPCビットを「up」に設定することができ、それ以外の場合は、「down」に設定することができる。この選択肢は、搬送波920、940の一方でアップリンクDPCCHの電力が高くなるという結果をもたらすことができ、ノードBにとってチャネル推定をより容易にする。あるいは、ノードBは、搬送波920、940の一方の品質が閾値を上回る場合は常に、TPCビットを「down」に設定することができ、それ以外の場合は、「up」に設定することができる。この選択肢は、搬送波920、940の一方でアップリンクDPCCH925、945の電力が閾値よりも低くなるという結果をもたらすことができ、そのため、ノードBは、他方の搬送波からの情報を使用して、この搬送波上での許容可能なチャネル推定を導出することができる。
【0081】
平均アップリンク干渉(ノイズ発生(noise rise))レベルが、両方のアップリンク搬送波920、940で同じではない場合、長期的にはアップリンク搬送波間でチャネル品質の著しい不一致が生じることがある。WTRUは、一方のアップリンク搬送波(例えば920)の送信電力に、他方のアップリンク搬送波(例えば940)と比べて、オフセットを適用することができる。このオフセットは、より高位の層のシグナリング(例えば、RRCシグナリング)などを介して、ネットワークによって伝達することができる。ネットワークは、両方のアップリンク搬送波920、940の平均信号品質が同じか、またはほぼ同じになるように、オフセットを設定することができる。
【0082】
ネットワークは、(データビットを含む)E−DPDCH 927、947のSIR(信号対干渉比(signal−to−interference ratio))が、両方のアップリンク搬送波920、940でほぼ同じになるように、2つのアップリンク搬送波920、940に対して、基準E−TFCI(E−DCHトランスポートフォーマットコンビネーションインデックス(E−DCH transport format combination index))と対応する利得係数の異なる組を定義することができる。例えば、アップリンク搬送波1 920のDPCCH SIRが、平均で−22dBであり、一方、アップリンク搬送波2 940のDPCCH SIRが、平均で−19dBである場合、(基準E−TFCIが同じならば)アップリンク搬送波2に対して基準利得係数を3dBだけ低く設定することで、両方のアップリンク搬送波920、940および与えられたE−TFCに対して、ほぼ同じE−DPDCH SIRがもたらされる(アップリンク搬送波2 940の基準利得係数は実際には、アップリンク搬送波1 920を下回るように、3dBよりもわずかに低く設定することができ、アップリンク搬送波2 940を用いたより良いチャネル推定が与えられる)。
【0083】
同期は、搬送波単位で定義することができる。WTRUは、両方の搬送波に別々に同期手順を適用することができる。WTRUには、搬送波上での同期ステータスに応じて、その搬送波上での送信を許可することができる。無線リンク障害は、両方の搬送波で同期が失われた場合に宣言することができる。
【0084】
図9を依然として参照すると、E−TFC制約および選択のための実施形態が、これ以降で説明される。WTRU送信は、最大許容送信電力によって制約を受けることがある。WTRUの最大許容送信電力は、伝達された設定値とWTRU設計制約によって許容される最大電力との小さい方とすることができる。WTRUの最大許容送信電力は、与えられたTTI(送信時間間隔)における両方のアップリンク搬送波920、940についての合計の最大電力として設定することができ、または搬送波固有とすることができる。後者の場合、同じ最大電力値が、各アップリンク搬送波920、940に割り当てられることがあり、または異なる最大電力値が、各アップリンク搬送波920、940に割り当てられることがある。これは、デバイスの特定の構成(例えば、WTRUの電力増幅器およびアンテナの数)に依存することがあり、ならびに/またはネットワーク制御および構成に依存することもある。合計の最大送信電力および搬送波毎の最大送信電力は、同時に設定することができる。
【0085】
WTRU挙動および動作は、両方のケースで(すなわち、1つの合計の最大送信電力か、それとも独立の搬送波毎の最大送信電力かで)、まったく異なることがある。したがって、WTRUは、ネットワークが、WTRUが両方のアップリンク搬送波920、940についての合計の最大電力を有するか、それとも各アップリンク搬送波920、940についての搬送波固有の最大電力を有するかを知って、動作をスケジュールし、WTRUによって報告されたアップリンクの電力ヘッドルーム(power headroom)を正しく解釈できるように、WTRUの電力能力(1つの合計の最大電力か、それとも搬送波毎に定義された最大電力か)をネットワークに通知することができる。電力要件が規格で規定されている場合、WTRUは、これらの能力を伝達する必要はない。
【0086】
図10には、2つのアップリンク搬送波を利用する場合の、E−TFC選択およびMAC−i PDU生成のためのプロセス1000の一例のフロー図が示されている。上で言及したように、搬送波を指すための特定の用語は、本明細書では交換可能に使用されるが、HSPA+タイプのシステムでは、2つの搬送波は、アンカー(すなわちプライマリ)搬送波および補助(すなわちセカンダリ)搬送波と呼ばれることがあり、図10を説明する際には、これらの用語が便宜的に使用されることを指摘しておく。WTRUは、次回のTTI中に送信される2つの(一般にはN個、Nは2以上の整数)新しい送信が存在するかどうかを判定する(ステップ502)。次回のTTI中に1つの新しい送信が存在する(例えば、1つの新しい送信と、先に失敗した送信の1つの再送が存在する)場合、WTRUは、E−TFC選択のためにアップリンク搬送波(新しい送信のための搬送波を)を選択し、新しい送信のためのE−TFC選択手順を実行するが、新しい送信のためにサポートされるE−TFCIは、再送によって使用される電力を減算した後に決定される(ステップ516)。送信される2つの新しい送信が存在する場合、WTRUは、WTRUが電力制限されているかどうか(すなわち、グラント(スケジュールされた、スケジュールされない)および制御チャネルが与えられた場合に各搬送波においてWTRUによって使用される合計電力の和が、任意選択的にバックオフ(backoff)も含む、WTRUによって許可された最大電力を超えているか)を判定する(ステップ504)。電力制限されていない場合、プロセス1000は、ステップ508に進む。電力制限されている場合、WTRUは、アップリンク搬送波の間で電力割り当てを実行する(ステップ506)。あるいは、WTRUは、電力制限されているかどうかをチェックすることなく、搬送波の間での電力割り当てのために、ステップ506に進むこともできる。電力割り当てが実行されると、WTRUは、一方の搬送波の後に他方の搬送波というように順番に、トランスポートブロックを満たす。
【0087】
WTRUは、優先度が最も高い送信されるデータを有するMAC−dフローを決定し、選択されたMAC−dフローのHARQプロファイル(HARQ profile)に基づいて、使用する多重化リスト(multiplexing list)および電力オフセットを決定する(ステップ508)。優先度が最も高いMAC−dフローを決定するとき、WTRUは、すべての搬送波について、すべてのMAC−dフローのうちで、利用可能なデータを有するように構成された優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。一代替実施形態では、WTRUは、E−TFC選択または優先度が最も高いMAC−dフローの選択が実行されるすべての搬送波について、与えられた搬送波上での送信を許可されたすべてのMAC−dフローのうちで、優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。WTRUは、複数のアップリンク搬送波のうちで最初にデータで満たすアップリンク搬送波を選択するために、アップリンク搬送波選択手順を実行する(ステップ510)。搬送波選択、MAC−dフロー決定のステップは、必ずしも説明された順序で実行されなくてよく、任意の順序で実行できることに留意されたい。WTRUは、E−TFCIを選択し、またはサポートされる最大ペイロード(すなわち、1組のサポートされるE−TFCI)、残余のスケジュールされたグラントペイロード、残余のスケジュールされないグラントペイロード、データ可用性、および論理チャネル優先度に基づいて、選択された搬送波上で送信できるビットの数を決定する(ステップ511)。
【0088】
WTRUは、選択されたE−TFCに基づいて、選択された搬送波を介するE−DCH送信のためのMAC−eまたはMAC−i PDUを生成する(ステップ512)。選択された搬送波のためにSI(スケジューリング情報(scheduling information))を送信する必要がある場合、WTRUは、他の任意のデータを含める前に、この搬送波上に最初にSIを含めることができる。WTRUが選択された搬送波上の利用可能なスペースを使い尽くした場合、またはTTI中での送信を許可されたバッファからデータがあふれた場合、WTRUは、利用可能な別のアップリンク搬送波が存在するかどうか、またデータがまだ利用可能であるかどうかを判定する(ステップ514)。否定的な判定の場合、プロセス1000は終了する。肯定的な判定の場合、プロセス1000は、次の搬送波のE−TFCIを選択するために、ステップ510に(または代替としてステップ508に)戻る。
【0089】
この時点で(ステップ508において)、WTRUは、任意選択的に、送信されるデータを有する優先度が最も高いMAC−dフローを再決定することができる。再選択された優先度が最も高いMAC−dフローは、先に選択された搬送波を満たす前に最初に決定されたMAC−dフローと異なってよい。最も高いMAC−dフローが新たに選択された場合、WTRUは、新たに選択されたMAC−dフローのHARQプロファイルに基づいて、電力オフセットを決定し、その後、新しい電力オフセットに従って、サポートされる最大ペイロード(または1組のサポートされるE−TFC)および残余のスケジュールされたグラントペイロードを決定することができる。あるいは、WTRUは、手順(例えばステップ508)の開始時に一度だけ、MAC−dフロー優先度を決定し、選択されたHARQプロファイルおよび多重化リストを両方の搬送波に適用することができる。これは、WTRUが、両方の搬送波についてのサポートされる最大ペイロード(またはサポートされるE−TFCおよび残余のスケジュールされたペイロード)を、並列して同時に、またはE−TFC選択シーケンスに従ってこれらの値が必要とされるときにのみ決定することを暗に示唆する。この場合、2番目に選択された搬送波のために、WTRUは、ステップ510に戻ることができる。プロセス1000は、3つ以上のアップリンク搬送波が利用される場合にも適用可能であることに留意されたい。
【0090】
電力割り当て、搬送波選択、ならびにE−TFC制約および選択の詳細が、以下で説明される。
【0091】
サポートされる最大ペイロードとは、任意のアップリンク搬送波のために利用可能な電力に基づいて送信できるビットの最大許容数のことである。これは、一例として、サポートされる最大E−TFCIとも呼ばれることがある。例えば、HSPAシステムでは、サポートされる最大ペイロード、または1組のサポートもしくはブロックされるE−TFCIは、E−TFC制約手順の一部として決定され、選択されたHARQオフセットに依存し得る。加えて、1組のサポートされるE−TFCIは、最小セットのE−TFCIにも依存し得る。E−TFC制約およびサポート/ブロックされるE−TFCIの決定のための実施形態が、以下で説明される。
【0092】
これ以降で言及される場合、MAC−dフローとは、論理チャネル、論理チャネルのグループ、データフロー、データストリーム、もしくはデータサービス、または任意のMACフロー、アプリケーションフローなどのことでもあり得る。本明細書で説明されるすべての概念は、他のデータフローにも等しく適用可能である。例えば、E−DCHのためのHSPAシステムでは、各MAC−dフローは、論理チャネルに関連付けられ(例えば、1対1マッピングが存在し)、それに関連付けられた1から8までの優先度を有する。
【0093】
一般に、アップリンク送信およびデータ送信のために使用されるスケジューリングメカニズムが存在する。スケジューリングメカニズムは、QoS(サービス品質)要件および/または送信されるデータストリームの優先度によって定義することができる。QoSおよび/またはデータストリームの優先度に応じて、データストリームのいくつかは、多重化されて、1つのTTI中に一緒に送信される許可を得ることができ、または得ることができない。一般に、データフローおよびストリームは、ベストエフォートか、それとも非リアルタイムサービスかでグループ化することができ、いくつかの厳格な遅延要件を有するビットレートサービスを保証される。QoS要件を満たすため、異なるスケジューリングメカニズムが使用され、あるメカニズムは本質的に動的であり、あるメカニズムはあまり動的ではない。
【0094】
一般に、LTEおよびHSUPA(高速アップリンクパケットアクセス(high speed uplink packet access))などのワイヤレスシステムは、要求−許可ベースで動作し、WTRUは、アップリンクフィードバックを介して、データを送信する許可を要求し、ノードB(eNB)スケジューラおよび/またはRNCは、いつ、いくつのWTRUがデータを送信する許可を得るかを決定する。これ以降、これは、スケジュールされたモード送信(scheduled mode transmission)と呼ばれる。例えば、HSPAシステムでは、送信の要求は、WTRU内にバッファされたデータの量を示す指示、およびWTRUの利用可能な電力余裕(すなわち、UPH(UE電力ヘッドルーム(UE power headroom)))を含む。スケジュールされた送信のために使用できる電力は、ノードBによって、絶対グラントおよび相対グラントを通して動的に制御される。
【0095】
VoIP(ボイスオーバIP(voice over IP))もしくはシグナリング無線ベアラ、または厳格な遅延要件を満たす必要がある他の任意のサービスなど、厳格な遅延要件および保証されたビットレートを有するいくつかのデータストリームの場合、ネットワークは、本質的にあまり動的ではない特別なスケジューリングメカニズムを介して、そのような送信のタイムリな配送を保証することができ、事前スケジュールされた期間およびリソースにおいて、最大で設定されたデータレートまで、WTRUが特定のフローからのデータを送信することを可能にすることができる。例えば、HSPAなどの、いくつかのシステムにおけるこれらのフローは、スケジュールされないフロー(non−scheduled flow)と呼ばれる。LTEなどの他のシステムでは、それらは、準永続的スケジューリングおよび準永続的フローと呼ばれることがある。本明細書で説明される実施形態は、スケジュールされたおよびスケジュールされないデータに関して説明されるが、それらは、類似のスケジューリング手順およびデータフロー間の区別を使用する他のシステムにも等しく適用可能であることを理解されたい。
【0096】
ある送信および可能な再送にリソースを割り当てるために制御チャネルが使用される動的スケジューリングは、リソース割り当てを最適化するための完全な柔軟性を与える。しかし、それは、制御チャネル容量を必要とする。制御チャネル制限問題を回避するため、LTEなどのシステムでは、SPS(準永続的スケジューリング(semi−persistent scheduling))を使用することができ、UMTSなどのシステムでは、スケジュールされない送信を使用することができる。動的スケジューリングまたは(例えば、物理チャネル制御シグナリングを介する)動的グラントベースのメカニズムを使用するフローは、スケジュールされた送信と呼ばれる。リソースのより準静的で定期的な割り当てを使用するデータストリームは、スケジュールされない送信と呼ばれる。
【0097】
例えば、HSPAでは、各MAC−dフローは、スケジュールされたまたはスケジュールされないモードの送信を使用するように構成され、WTRUは、スケジュールされたフローまたはスケジュールされないフローのためのデータレートを独立に調整する。各スケジュールされないフローの最大データレートは、より高位の層によって設定され、一般に、頻繁には変更されない。
【0098】
E−TFC選択手順では、WTRUは、スケジュールされないグラントを有する各MAC−dフローについての残余のスケジュールされないグラントペイロードも決定することができ、それは、与えられたMAC−dフローについて設定されたスケジュールされないグラントに従って送信を許可されたビットの数のことであり、それに対応する。
【0099】
上の手順における残余のスケジュールされたグラントペイロードとは、他方のチャネルに対する電力割り当ての後で、ネットワークにより割り当てられたリソースに従って送信できる最も高いペイロードのことである。例えば、ネットワークにより割り当てられたリソースとは、HSPAシステムの場合、対応する搬送波の、サービンググラントおよび選択された電力オフセットのことである。アップリンク搬送波についての残余のスケジュールされたグラントペイロードを計算するために使用されるサービンググラントの値は、アップリンク搬送波に割り当てられた実際のサービンググラントの値に基づくことができる。あるいは、プライマリ搬送波および/またはセカンダリ搬送波についての残余のスケジュールされたグラントペイロードは、電力割り当てが実行された後のスケーリングされたグラントまたは架空(fictitious)もしくは仮想(virtual)グラントに基づくことができるので、WTRUは、残余のスケジュールされたグラントペイロードを決定するために、「仮想」もしくは「架空」サービンググラントまたはスケーリングされたサービンググラントを使用することができる。3つの用語は、交換可能に使用することができ、各搬送波についてのスケジュールされた送信のための電力割り当てまたは電力分割のことを指す。グラントのスケーリングは、以下で電力割り当て方式の一部として説明される。あるいは、WTRUが両方のアップリンク搬送波のために1つのサービンググラントを共用する(すなわち、両方のアップリンク搬送波のために1つのサービンググラントが与えられる)場合、WTRUは、サービンググラントの半分を各アップリンク搬送波に対して使用することができる。あるいは、WTRUは、この計算を実行するときに、すべてのサービンググラントが一方のアップリンク搬送波に割り当てられると仮定することができる。
【0100】
スケジュールされないグラントは、搬送波固有とすることができる(例えば、設定されたスケジュールされないグラントの値は、スケジュールされない送信が許可された、ただ1つの搬送波のために割り当てられ、設定される)。スケジュールされない送信が構成/許可される搬送波は、事前に決定することができる(例えば、スケジュールされない送信は、プライマリ搬送波上でのみ、または代替としてセカンダリ搬送波上で許可することができる)。あるいは、そのような搬送波は、ネットワークによって動的に構成することができる。スケジュールされないグラントの値は、搬送波独立とすることができ、その場合、両方の搬送波に対して、合計数が決定される。
【0101】
データフローは、搬送波固有となるように構成することができる(例えば、ネットワークが、フローおよびこのフローを送信できる関連する搬送波を構成する)。データフローが搬送波固有である場合、WTRUは、各搬送波に対して独立に、E−TFC選択手順を実行することができる。ネットワークは、搬送波に属するHARQプロセスに基づいて、スケジュールされないグラントを提供することができ、またはTTIに適用可能なスケジュールされないグラントを提供することができ、WTRUは、搬送波を選択する。
【0102】
初期E−TFC選択のためにアップリンク搬送波を選択するための実施形態が、これ以降で開示される。以下で説明される搬送波選択のための実施形態は、単独で、または本明細書で開示される他の任意の実施形態と組み合わせて実行することができる。各アップリンク搬送波で送信されるビットの数、および各アップリンク搬送波で使用する電力などの選択に影響する手順はすべて、WTRUがどのアップリンク搬送波を最初に選択し、処理するかに依存する。
【0103】
一実施形態によれば、WTRUは、アンカー搬送波に優先権を与え、それを最初に処理することができる。これは、スケジュールされない送信がアンカー搬送波において許可される場合に望ましいことがある。あるいは、セカンダリ搬送波に優先権を与え、それを最初に選択することができる。
【0104】
あるいは、WTRUは、セル間干渉を最小化し、WTRUのバッテリ寿命を最大化し、および/またはビット送信当たり最も効率的なエネルギーを提供するように、優先度が最も高い搬送波を決定することができる。より具体的には、WTRUは、最大の計算された搬送波電力ヘッドルームを有するアップリンク搬送波を選択することができる。WTRUは、各搬送波についての現在の電力ヘッドルーム(例えば、UPH(UE電力ヘッドルーム))の測定に基づいて(UPHは、最大WTRU送信電力と対応するDPCCH符号電力の比を表す)、または最低のDPCCH電力(PDPCCH)を有する搬送波に等価的に変換される、E−TFC制約手順の結果(例えば、各搬送波についてのNRPM(正規化残余電力余裕(normalized remaining power margin))計算もしくは残余電力)に基づいて、この決定を行うことができる。例えば、アップリンク搬送波選択は、ビットの数に関して行うことができる(例えば、アンカー搬送波と補助搬送波のうちでより大きな「サポートされる最大ペイロード」を提供する搬送波に優先権を与えることができる)。サポートされる最大ペイロードは、WTRUの残余電力(例えば、NRPMまたは以下で開示される他の値)に基づいて決定されるペイロードである。
【0105】
あるいは、WTRUは、最も大きい利用可能なグラントをWTRUに提供するアップリンク搬送波に優先権を与えることができ、このことは、WTRUが、最も大量のデータを送信し、おそらくは最も少数のPDUを生成することを可能にし、したがって、効率を向上させ、オーバヘッドを低下させることを可能にする。WTRUは、アンカー搬送波のためのサービンググラント(SGa)と補助搬送波のためのサービンググラント(SGs)との大きい方の値に基づいて、搬送波を選択することができる。
【0106】
あるいは、WTRUは、アンカー搬送波と補助搬送波とのうちでより大きな「残余スケジュールされたグラントペイロード」を提供する搬送波に優先権を提供することができる。残余のスケジュールされたグラントペイロードは、ネットワークからのスケジューリンググラントに基づいて決定され、DCHおよびHS−DPCCHの処理の後に残った利用可能なペイロードである。
【0107】
あるいは、WTRUは、最大電力と最大グラントとの間で最適化を行うことができる。より具体的には、WTRUは、最も多数のビットが送信されることを可能にする搬送波を選択することができる。WTRUは、電力およびグラントの両方によって制限される、アンカー搬送波および補助搬送波についての送信できるビットの数(すなわち、アンカー搬送波についての「利用可能なペイロード」および補助搬送波についての「利用可能なペイロード」)を決定し、最も高い利用可能なペイロードを提供する搬送波を選択することができる。利用可能なペイロードは、残余のスケジュールされたグラントペイロードとサポートされる最大ペイロードとの小さい方として決定することができる。
【0108】
任意選択的に、利用可能なペイロードを計算するときに、多重化できる各MAC−dフロー(または利用可能なデータを有することができるすべてのスケジュールされないMAC−dフロー)についての「残余のスケジュールされたグラントペイロード」の和を考慮することもできる。より具体的には、利用可能なペイロードは、(残余のスケジュールされたグラントペイロード+SUM(許容されるすべてのスケジュールされないフローについての残余のスケジュールされないペイロード))とサポートされる最大ペイロードとの小さい方として決定することができる。スケジュールされないフローが一方の搬送波のみで(例えば、アンカー搬送波のみで)許可される場合、アンカー搬送波について利用可能なペイロードが考慮される。
【0109】
スケジュールされないグラントが搬送波毎に提供される場合、またはスケジュールされない送信が一方の搬送波において許可される場合、WTRUは、そのTTI中に送信される中で優先度が最も高いスケジュールされないMAC−dフローを含む搬送波、またはスケジュールされないMAC−dフローを許可する搬送波に優先権を与えることができる。例えば、スケジュールされない送信がプライマリ搬送波においてのみ許可され、与えられたHARQプロセスについて、WTRUがスケジュールされないデータを有するように構成され、データが利用可能である場合、WTRUは、プライマリ搬送波に優先権を与える(すなわち、最初にプライマリ搬送波を満たす)ことができる。与えられたTTIにおいて、優先度が最も高いMAC−dフローが、スケジュールされないフローに対応しないが、スケジュールされないフローが、選択された優先度が最も高いMAC−dフローと多重化されることを許可される場合、WTRUは依然として、スケジュールされない送信を許可する搬送波に優先権を与えることができる。したがって、現在のTTIにおいて、何らかのスケジュールされないフローが送信されることを許可され、スケジュールされないデータが利用可能である場合、WTRUは、スケジュールされないフローの送信を許可する搬送波を最初に満たすことができる。WTRUは、設定された論理チャネル優先度に従って、利用可能な電力および/またはグラントまで、選択された搬送波をスケジュールされないまたはスケジュールされたデータで満たす。その後、残りの搬送波について、データ、電力、およびグラントが利用可能である場合、残りの搬送波(複数可)が満たされる。
【0110】
あるいは、WTRUは、各搬送波におけるCPICH測定およびHARQ誤り率などの1つまたは組合せに基づいて、搬送波を選択する決定を行うことができる。
【0111】
独立の最大電力制限のためのE−TFC選択についての実施形態の例が、これ以降で説明される。WTRUは、特定のデバイス構成または設計に依存し得る、搬送波毎に異なる送信電力および最大許容電力を有することができる。これは、実装設計に依存し(例えば、WTRUは、2つの異なる電力増幅器および2つの異なるアンテナを備えるように設計することができる)、ならびに/またはネットワーク制御および構成に依存する。以下で説明されるように、WTRUが、搬送波の間で事前に電力を割り当てる場合、または並列して電力を割り当てる場合にも、それは適用可能である。これらの状況では、各搬送波によって使用できる最大電力または利用可能な電力は、搬送波毎に割り当てられた電力に対応する。実施形態は、電力が搬送波の間で共有されるが、搬送波を満たす前に、電力が搬送波の間で割り当てられる、またはスケーリングされる場合にも適用可能である。
【0112】
電力が事前に割り当てられるか、または電力の最大量が各搬送波において独立である場合、より高位の層の適切な動作を可能にするにはRLC PDUの配送順序が維持されなければならないという事実のために、MAC PDUは、順番に満たされなければならないことがある。加えて、WTRUは、バッファ制限されることがあり、そのような場合、一方の搬送波を介して送信するのに十分なデータを利用可能にすることができる。
【0113】
この状況では、WTRUは、上で説明された実施形態のうちの1つに基づいて、優先度が最も高い搬送波P1を最初に選択することができる。例えば、WTRUは、より大きな電力ヘッドルームを有する搬送波を、等価的により小さなDPCCH電力を有する搬送波を選択して、最初にデータで満たすことができ、またはプライマリ搬送波もしくはセカンダリ搬送波を最初に満たすことができる。これは、バッファ制限されたWTRUであっても、そのデータの大部分または優先度が最も高いデータを、最良のチャネル品質を有する搬送波を介して、またはスケジュールされない送信など、優先度が最も高いデータの送信を可能にする搬送波を介して送信することを可能にする。
【0114】
優先度が最も高いMAC−dフロー、関連するHARQプロファイル、および多重化リストに従って、その後、WTRUは、「サポートされる最大ペイロードp1」、「残余のスケジュールされたグラントペイロードp1」、および選択された搬送波P1において許可され、設定される場合は、残余のスケジュールされないグラントペイロードに応じて、搬送波p1のトランスポートブロック上の利用可能なスペースを満たす(すなわち、搬送波p1上で送信されるMAC−eまたはMAC−iを生成する)。先に言及したように、これは、許容される電力、許容されるスケジュールされたグラント、および許容される非サービンググラントにそれぞれ従って送信できるビットの数に対応する。この状況では、許容される電力および許容されるグラントは、各搬送波の電力および/もしくはグラントの、または設定された電力もしくはグラントのスケーリングされた値に対応することができる。これは、電力またはグラントが2つの搬送波の間で潜在的に分割される、または並列に割り当てられる場合に行うことができる。SIが送信される必要がある場合、WTRUは、搬送波p1においてSIを送信することができ、またはその代わりに、SIを送信するように構成された搬送波においてSIを送信することができる。
【0115】
WTRUは、搬送波p1上の利用可能なスペースを使い尽くすと、その後、次の搬送波を満たす。この時点で、WTRUは、送信されるデータを有し、処理される搬送波において許可された中で、優先度が最も高いMAC−dフローを再決定することができる。この時点で、優先度が最も高いMAC−dフローは、搬送波p1が満たされる前に、最初に決定されたMAC−dフローと異なってよい。
【0116】
優先度が最も高いMAC−dフローを決定する場合、WTRUは、すべての搬送波について、すべてのMAC−dフローの中で、利用可能なデータを有するように構成された優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。一代替実施形態では、WTRUは、E−TFC選択または優先度が最も高いMAC−dフロー選択が実行されるすべての搬送波について、与えられた搬送波上での送信を許可されたすべてのMAC−dフローの中で、優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。
【0117】
優先度が最も高いMAC−dフローを決定するときに、E−TFC選択が実行される搬送波が、あるタイプのMAC−dフローを許容しない場合、WTRUは、与えられた搬送波上での送信を許可されないMAC−dフローについて検討することができない。例えば、WTRUが第2の搬送波についてE−TFC選択を実行する場合、WTRUは、優先度が最も高いMAC−dフローの選択においてスケジュールされないMAC−dフローを含めないことがある。そのため、スケジュールされないMAC−dフローが利用可能なデータを有し、設定された最も高いMAC−d優先度を有する場合、WTRUは、このMAC−dフローを優先度が最も高いMAC−dフローとして使用することができず、その搬送波のためのTTIの間、HARQプロファイル、電力オフセットおよびHARQ再送、ならびに多重化リストを使用することができない。具体的な例として、HSPAデュアルキャリアULの場合、第2の搬送波を処理する場合、WTRUは、すべてのスケジュールされたMAC−dフローの中で優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。
【0118】
最も高いMAC−dフローが決定されると、WTRUは、新しい搬送波のために使用される選択されたMAC−dフローのHARQプロファイルに基づいて、このTTIにおいて多重化できる新たに割り当てられたMAC−dフロー、および電力オフセットを決定する。その後、WTRUは、新しい電力オフセットに従って、サポートされる最大ペイロードおよび残余のスケジュールされたグラントペイロードを決定することができ、利用可能なデータがあれば、搬送波をしかるべく満たすことができる。
【0119】
あるいは、WTRUは、E−TFC選択手順の開始時に、または搬送波を満たす前に、両方の搬送波について、サポートされる最大ペイロードおよび残余のスケジュールされたペイロードを決定することができ、これは、WTRUが、その最初に選択された最も高いMAC−dフローからのデータが両方の搬送波上で送信されるかどうかに関係なく、両方の搬送波に対して同じ電力オフセットを使用できることを暗に示唆する。この場合、多重化リストは、両方の搬送波で同じままであり、それらの論理チャネルから十分なデータが利用可能でない場合に、制限ファクタとすることができるが、WTRUは、他の論理チャネルの送信のために利用可能なより多くの電力およびグラントを有する。
【0120】
(上述のように決定し、順番に満たすことができる)搬送波p1がデータで満たされると、WTRUは、直ちに他方の搬送波に移り、それをデータで満たし続ける。
【0121】
あるいは、搬送波は、並列して満たすことができ、これは、許容されるすべての論理チャネルからのデータが2つの搬送波の間で分割されることを暗に示唆する。順番が乱れた配送を回避するため、データまたはRLCバッファを分割しなければならない。例えば、SN0からSN9を有する10個のRLC PDUが利用可能である場合、RLC PDUの0から4は、搬送波1に送られ、5から9は、搬送波2に送られる。その後、スペースがまだ残っている場合、WTRUは、次の論理チャネルに移り、バッファが、再び同様に分割される。
【0122】
あるいは、E−TFCおよび搬送波フィリングは、並列に実行することができるが、各搬送波は、異なる論理チャネルからデータを取得する。これは、WTRUが、優先度が最も高い2つのMAC−dフローを選択し、各々についてのHARQプロファイルおよび各々についての多重化リストを決定し、それらを2つの個々の搬送波にマッピングすることを暗に示唆する。これは、順番が乱れたRLC配送を引き起こすおそれなしに、WTRUが、並列してフィリングを行い、E−TFCを実行することを可能にする。しかし、これは、最も高い論理チャネルからのデータがまだ利用可能であるのに、搬送波が満杯であるため、WTRUがそのようなデータをもはや送信できない状況を生じさせることがある。
【0123】
別の実施形態では、データフローは、搬送波固有とすることができる。この場合、WTRUは、各搬送波について独立にE−TFC選択手順を実行することができる。
【0124】
合計の結合された最大電力限界に関するE−TFC選択についての実施形態の例が、これ以降で説明される。この実施形態の態様のいくつかは、2つの搬送波の間で電力が並列に割り当てられるか、または何らかの形態の動的電力割り当てが実行される場合、上で説明されたように適用可能とすることもできる。
【0125】
順次的な手法では、WTRU最大電力が両方の搬送波の間で共有される場合、WTRUは、上で説明された実施形態のうちの1つを使用して、優先度が最も高い搬送波(P1)を最初に選択することができる。E−TFC制約および選択は、依然として順次的に実行することができ、利用可能な電力および使用されるグラントは、割り当てられたまたはスケーリングされた電力またはグラントに等しい。
【0126】
優先度が最も高い搬送波を選択すると、WTRUは、E−TFC選択および制約手順を実行し、優先度が最も高いMAC−dフローが選択され、電力オフセット、サポートされる最大ペイロードp1が決定され、搬送波P1のサービンググラントに従って、利用可能なスケジュールされたペイロードが選択され、利用可能なスケジュールされないペイロードが選択される。SIを送信する必要がある場合、SIは、最初に選択された搬送波とともに処理することができ、またはその代わりに、SIを送信することが許可された搬送波上で処理することができる。この場合、WTRUは、上で説明されたような順次的なE−TFC制約手順を実行することができ、WTRUは、すべての電力が搬送波P1によって使用するために利用可能であることを仮定し、セカンダリ搬送波上ではデータが送信されないことを仮定する。WTRUは、E−TFC選択に従って、この搬送波上で送信されるMAC−eまたはMAC−i PDUを生成する。あるいは、SIが一方の搬送波のみ(すなわち、アンカー搬送波のみ)において送信される場合、SIが送信される搬送波に対してE−TFCを実行するとき、E−TFC選択は、それを考慮する。
【0127】
選択された搬送波についてのサポートされる最大ペイロード(すなわち、E−TFC制約)は、例えば、NRPM計算に従って決定することができる。搬送波xにおいてWTRUが再送を有する場合、搬送波xに対して、E−TFC選択は実行されない。WTRUは、E−TFC選択を実行し、残りの搬送波である搬送波yについてのMAC−iまたはMAC−e PDUを生成する。
【0128】
その後、WTRUは、残りの搬送波についてMAC−eまたはMAC−i PDUを生成しなければならない。この時点で、WTRUは、選択されたMAC−dフローのHARQプロファイルおよびMAC−dフローの多重化リストに基づいて、送信されるデータを有する優先度が最も高いMAC−dフロー、および電力オフセットを再決定(または搬送波x上で再送が進行中である場合は初めて決定)することができる。あるいは、WTRUは、手順において最初に決定されたのと同じ電力オフセットを使用する。
【0129】
その後、WTRUは、この第2の搬送波に対してE−TFC制約手順を実行する。WTRUは、最初の搬送波で使用される電力を考慮することができ、サポートされる最大ペイロードを計算するとき、または1組のサポートされるE−TFCIを決定するとき、残余の利用可能な電力が使用される。あるいは、WTRUは、2つの新しい送信が行われるとき、または他方の搬送波におけるHARQ再送のために1つの新しい送信が行われるとき、第2の搬送波(すなわち、2番目に選択された搬送波)に対してE−TFC制約を実行する前に、「バックオフ電力」(すなわち、WTRUが同じTTIにおいて2つの搬送波上で送信を行うときに経験される特定の電力損失)を減算することができる
本明細書で説明されるこれらの実施形態では、WTRUは、データを送信する必要がないと決定された場合、DPCCHを送信しないように構成することができる。WTRUは、最大電力が搬送波毎に割り当てられるときに、十分な電力を有さない場合、第2の搬送波上でいかなるデータも送信しないように構成することもできる。例えば、搬送波の一方が十分な電力を有さない場合、WTRUは、最小セットのE−TFCIを使用する代わりに、一方の搬送波(最も大きなUPHまたは最も大きなNRPMを有する搬送波)を使用して、送信を行うことができ、またはその代わりに、WTRUは、両方が十分な電力を有さない場合、搬送波の一方において送信を行うことができない。WTRUは、搬送波の一方において最小セットを使用することができ、第2の搬送波上では送信を行うことができない。
【0130】
その後、決定されたサポートされる最大ペイロード、(この搬送波のサービンググラントに従う)利用可能なスケジュールされたペイロード、および妥当な場合は、利用可能なスケジュールされないペイロードに従って、MAC−iまたはMAC−e PDUが満たされる。
【0131】
別の実施形態では、WTRUは、各搬送波における(すべてのULチャネル、すなわち、DPCCH、E−DPCCH、HS−DPCCH、E−DPDCH上での)送信電力が同じになるか、または2つの間の差が事前設定された最大値よりも小さくなるような方法で、各搬送波においてE−TFCを選択することができる。これは、例えば、各搬送波におけるDPCCHおよび他のチャネルの送信電力が与えられた場合に、与えられた送信電力レベルに対して、どのE−TFCが各搬送波上で送信できるかを計算することによって、達成することができる。例えば、DPCCH電力レベルが、例えば、搬送波1および2においてそれぞれ7dBmおよび10dBmであり、HS−DPCCHおよびE−DPCCHの電力レベルが各々、DPCCHの電力レベルよりも−3dB下回ると仮定すると、各搬送波における送信電力レベルが18dBmである場合、各搬送波における電力ヘッドルームは、それぞれ8dBおよび5dBであり、対応するE−TFCサイズは、600ビットおよび300ビットとすることができる。したがって、WTRUは、搬送波1では600ビットのE−TFCを、搬送波2では300ビットのE−TFCを選択することによって、両方の搬送波上で(18dBmの)等しい電力を用いて送信を行うことができる。
【0132】
この原理は、異なるケースにも適用することができる。WTRU送信が最大UL電力によって制限される場合、WTRUは、最大UL電力を2つの搬送波の間で等しく分割し(したがって、各搬送波で利用可能なUL電力は最大を3dB下回る)、上で開示された方法を使用して、各搬送波においてサポートされる最大E−TFCを決定することによって、各搬送波においてE−TFCを選択することができる。WTRU送信がWTRUバッファ内のデータ量によって制限される場合、WTRUは、各搬送波上で結果のE−TFCを用いて送信できるデータの量がバッファ内のデータの量と一致するように、両方の搬送波の送信電力レベルを求めることができる。
【0133】
別の実施形態では、WTRUは、各搬送波上で被る干渉負荷が同じか、ほぼ同じになるような方法で、各搬送波におけるE−TFCを選択することができる。搬送波上で被る干渉負荷は、例えば、スケジューリングのために使用される電力比に対応する、E−DPDCH電力とDPCCH電力の電力比として推定することができる。したがって、両方の搬送波においてスケジューリンググラントおよび電力ヘッドルームが十分である場合、WTRUは、グラントに基づいてWTRUバッファから何バイトを送信できるかを決定することによって、またこのバイト数を2で除算し、適切なMACヘッダを適用することで、各搬送波において必要とされるE−TFCサイズを決定することによって、各搬送波においてE−TFCを選択する。
【0134】
この方法は、基準電力比と基準E−TFCの間のマッピングが搬送波の間で同じであるならば、またすべてのデータが同じHARQオフセットを有する論理チャネルに属するならば、各搬送波において等しい電力比をもたらす。データが、必ずしもすべてが同じHARQオフセットを有さない論理チャネルに属する場合、WTRUは、バイトのどの共有が、両方のE−TFCについて同じ電力比をもたらすかを見出さなければならない。
【0135】
デュアルキャリア電力バックオフ、およびマルチキャリア動作のための最大電力制約についての実施形態が、これ以降で開示される。WTRU電力増幅器設計および電力消費を軽減するため、WTRUは一般に、一定のMPR(最大電力低減)を許容される。この電力低減余裕は、電力増幅器の非線形性によって意図しない隣接搬送波干渉を引き起こすことを回避するため、WTRU実施が、最大送信電力を低減すること(これは電力バックオフとも呼ばれる)を可能にする。
【0136】
一実施形態によれば、電力バックオフは、1つではなく2つのアップリンク搬送波上で送信を行う場合に、適用することができる。WTRUは、本明細書で説明される実施形態のいずれかに従って、両方の搬送波上で送信されるデータの量を決定し、データが2つの搬送波上で送信される場合、電力バックオフ(すなわち、合計の送信電力または搬送波毎の送信電力の低減)を適用することができる。その場合、電力バックオフの適用は、各搬送波におけるより小さなE−TFCIの使用をもたらす。WTRUは、より多くのデータを送信できるようにするのに、電力バックオフを用いずに単一の搬送波を使用するか、それとも電力バックオフを用いて2つの搬送波を使用するかを決定することができ、最も多い合計ビット数の送信を可能にする選択肢を選択することができる。
【0137】
SI(スケジューリング情報)は、それが各搬送波についてのUL電力ヘッドルーム測定を個別に提供するように、変更することができる。より具体的には、SIのフォーマットは、図11に示されるように、補助搬送波のためのUPHを含むように拡張することができ、UPH1およびUPH2は、最大WTRU送信電力と対応するアンカーDPCCH符号電力の比、および最大WTRU送信電力と対応する補助DPCCH符号電力の比にそれぞれ対応する。
【0138】
あるいは、WTRUは、1つのUPH測定を報告することができ、ノードBは、搬送波間のノイズ発生差に基づいて、他方の搬送波のUPHを推測することができる。
【0139】
あるいは、単一のUPHを以下のように計算し、報告することができ、
【0140】
【数1】
【0141】
ここで、Pmax,txは、WTRUによって送信できる合計の最大出力電力であり、PDPCCH1およびPDPCCH2は、それぞれ搬送波1および搬送波2のDPCCH上での送信符号電力を表す。搬送波毎の最大送信電力が設定される場合、Pmax,txは、搬送波毎の最大送信電力の和を表す。
【0142】
あるいは、スケジューリング情報フォーマットは、変更されないままであるが、WTRUは、各搬送波において個別にSIを報告することができる。例えば、SIがアンカー搬送波上で送信される場合、SIは、アンカー搬送波のUPHを報告し、SIが補助搬送波上で送信される場合、SIは、補助搬送波のUPHを報告する。
【0143】
(実施形態)
1.複数のアップリンク搬送波および複数のダウンリンク搬送波を使用するワイヤレス通信のための方法。
【0144】
2.WTRUが、ダウンリンク搬送波のうちの少なくとも1つを介して、制御情報を受信するステップを含む実施形態1に記載の方法。
【0145】
3.WTRUが、複数のアップリンク搬送波を介して、データまたは制御情報のうちの少なくとも一方を送信するステップを含む実施形態2に記載の方法。
【0146】
4.WTRUは、プライマリアップリンク搬送波を介して、第1のデータチャネル、第1のパイロットチャネル、および両方のアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第1の制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、第2のデータチャネルおよび第2のパイロットチャネルを送信する、実施形態2〜3のいずれかに記載の方法。
【0147】
5.WTRUは、プライマリアップリンク搬送波を介して、第1のデータチャネル、第1のパイロットチャネル、およびプライマリアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第1の制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、第2のデータチャネル、第2のパイロットチャネル、およびセカンダリアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第2の制御チャネルを送信する、実施形態2〜3のいずれかに記載の方法。
【0148】
6.WTRUは、プライマリ搬送波を介して、ダウンリンク送信に関連するアップリンクフィードバック情報を提供するための第3の制御チャネルを送信する、実施形態5に記載の方法。
【0149】
7.第3の制御チャネルは、複数のダウンリンク搬送波に関するフィードバックを搬送する、実施形態6に記載の方法。
【0150】
8.第1のデータチャネルおよび第2のデータチャネルは、E−DPDCHを含み、第1のパイロットチャネルおよび第2のパイロットチャネルは、DPCCHを含み、第1の制御チャネルおよび第2の制御チャネルは、E−DPCCHを含む、実施形態4〜7のいずれかに記載の方法。
【0151】
9.第3の制御チャネルは、HS−DPCCHを含む、実施形態6〜8のいずれかに記載の方法。
【0152】
10.WTRUは、アップリンク搬送波毎に独立のアクティブセットを維持し、アクティブセットは、アップリンクにおいてWTRUがそれを介して通信を行う1組の無線リンクを含む、実施形態2〜9のいずれかに記載の方法。
【0153】
11.WTRUが、ダウンリンク搬送波上で受信した制御情報を、WTRUがその制御情報を受信したダウンリンク搬送波に関連付けられたアップリンク搬送波上でのアップリンク送信に適用するように、各アップリンク搬送波は、少なくとも1つの特定のダウンリンク搬送波に関連付けられる、実施形態3〜10のいずれかに記載の方法。
【0154】
12.少なくとも1つのE−RNTIは、アップリンク搬送波毎に設定され、WTRUは、受信した絶対グラントを、関連するアップリンク搬送波上でのE−DCH送信に適用する、実施形態3〜11のいずれかに記載の方法。
【0155】
13.少なくとも1つのE−AGCHは、各アップリンク搬送波に関連付けられ、WTRUは、受信した絶対グラントを、絶対グラントが受信されたE−AGCHと関連付けられたアップリンク搬送波上でのE−DCH送信に適用する、実施形態3〜12のいずれかに記載の方法。
【0156】
14.E−RGCHとE−HICHの1組は、各アップリンク搬送波に関連付けられ、WTRUは、受信した相対グラントおよびHARQフィードバックを、関連付けられたアップリンク搬送波上でのE−DCH送信に適用する、実施形態3〜13のいずれかに記載の方法。
【0157】
15.WTRUが、各TPCコマンドが特定のアップリンク搬送波に対する送信電力制御用であることが意図された、複数のTPCコマンドを受信するステップをさらに含む実施形態3〜14のいずれかに記載の方法。
【0158】
16.WTRUが、対応するTPCコマンドに基づいて、アップリンク搬送波における送信電力を調整するステップを含む実施形態15に記載の方法。
【0159】
17.アップリンク搬送波のためのTPCコマンドは、そのアップリンク搬送波に関連付けられたダウンリンク搬送波を介して受信される、実施形態15〜16のいずれかに記載の方法。
【0160】
18.WTRUが、独立のTPCコマンドを、アップリンク搬送波の各々のアップリンクDPCCH上で送信するステップであって、TPCコマンドは、対応するダウンリンク搬送波から独立に測定された信号品質に基づいて導出される、ステップをさらに含む実施形態15〜17のいずれかに記載の方法。
【0161】
19.複数のアップリンク搬送波および複数のダウンリンク搬送波を使用するワイヤレス送信のためのWTRU。
【0162】
20.複数のアップリンク搬送波を介して送信するように構成された送信機を備える実施形態19に記載のWTRU。
【0163】
21.複数のダウンリンク搬送波を介して受信するように構成された受信機を備える実施形態19〜20のいずれかに記載のWTRU。
【0164】
22.ダウンリンク搬送波のうちの少なくとも1つを介して制御情報を受信し、複数のアップリンク搬送波を介してデータまたは制御情報のうちの少なくとも一方を送信するように構成されたプロセッサを備える実施形態21に記載のWTRU。
【0165】
23.プロセッサは、プライマリアップリンク搬送波を介して、第1のデータチャネル、第1のパイロットチャネル、および両方のアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための第1の制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、第2のデータチャネルおよび第2のパイロットチャネルを送信するように構成される、実施形態22に記載のWTRU。
【0166】
24.プロセッサは、プライマリアップリンク搬送波を介して、第1のデータチャネル、第1のパイロットチャネル、およびプライマリアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第1の制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、第2のデータチャネル、第2のパイロットチャネル、およびセカンダリアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第2の制御チャネルを送信するように構成される、実施形態22〜23のいずれかに記載のWTRU。
【0167】
25.プロセッサは、プライマリ搬送波を介して、ダウンリンク送信に関連するアップリンクフィードバック情報を提供するための第3の制御チャネルを送信するように構成される、実施形態23〜24のいずれかに記載のWTRU。
【0168】
26.第3の制御チャネルは、複数のダウンリンク搬送波に関するフィードバックを搬送する、実施形態25に記載のWTRU。
【0169】
27.第1のデータチャネルおよび第2のデータチャネルは、E−DPDCHを含み、第1のパイロットチャネルおよび第2のパイロットチャネルは、DPCCHを含み、第1の制御チャネルおよび第2の制御チャネルは、E−DPCCHを含む、実施形態23〜26のいずれかに記載のWTRU。
【0170】
28.第3の制御チャネルは、HS−DPCCHを含む、実施形態25に記載のWTRU。
【0171】
29.プロセッサは、アップリンク搬送波毎に独立のアクティブセットを維持するように構成され、アクティブセットは、アップリンクにおいてWTRUがそれを介して通信を行う1組の無線リンクを含む、実施形態20〜28のいずれかに記載のWTRU。
【0172】
30.各アップリンク搬送波は、少なくとも1つの特定のダウンリンク搬送波に関連付けられ、プロセッサは、ダウンリンク搬送波上で受信した制御情報を、プロセッサがその制御情報を受信したダウンリンク搬送波に関連付けられたアップリンク搬送波上でのアップリンク送信に適用するように構成される、実施形態22〜29のいずれかに記載のWTRU。
【0173】
31.少なくとも1つのE−RNTIは、アップリンク搬送波毎に設定され、プロセッサは、受信した絶対グラントを、関連するアップリンク搬送波上でのE−DCH送信に適用するように構成される、実施形態22〜30のいずれかに記載のWTRU。
【0174】
32.少なくとも1つのE−AGCHは、各アップリンク搬送波に関連付けられ、プロセッサは、受信した絶対グラントを、絶対グラントが受信されたE−AGCHと関連付けられたアップリンク搬送波上でのE−DCH送信に適用するように構成される、実施形態22〜31のいずれかに記載のWTRU。
【0175】
33.E−RGCHとE−HICHの1組は、各アップリンク搬送波に関連付けられ、プロセッサは、受信した相対グラントおよびHARQフィードバックを、関連付けられたアップリンク搬送波上でのE−DCH送信に適用するように構成される、実施形態22〜32のいずれかに記載のWTRU。
【0176】
34.プロセッサは、各TPCコマンドが特定のアップリンク搬送波に対する送信電力制御用であることが意図された、複数のTPCコマンドを受信し、対応するTPCコマンドに基づいて、アップリンク搬送波における送信電力を調整するように構成される、実施形態22〜33のいずれかに記載のWTRU。
【0177】
35.アップリンク搬送波のためのTPCコマンドは、そのアップリンク搬送波に関連付けられたダウンリンク搬送波を介して受信される、実施形態34に記載のWTRU。
【0178】
36.プロセッサは、対応するダウンリンク搬送波から独立に測定された信号品質に基づいて導出される独立のTPCコマンドを、アップリンク搬送波の各々のアップリンクDPCCH上で送信するように構成される、実施形態22〜35のいずれかに記載のWTRU。
【0179】
上では機能および要素が特定の組合せで説明されたが、各機能または要素は、他の機能および要素を伴わずに単独で、または他の機能および要素を伴ってもしくは伴わずに様々な組合せで使用することができる。本明細書で提供された方法およびフローチャートは、汎用コンピュータまたはプロセッサによって実行するための、コンピュータ可読記憶媒体内に含まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアで実施することができる。コンピュータ可読記憶媒体の例は、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよび着脱可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびDVD(デジタル多用途ディスク)などの光媒体を含む。
【0180】
適切なプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、DSP(デジタル信号プロセッサ)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)回路、他の任意のタイプのIC(集積回路)、および/または状態機械を含む。
【0181】
ソフトウェアと連携するプロセッサは、WTRU(ワイヤレス送受信ユニット)、UE(ユーザ機器)、端末、基地局、RNC(無線ネットワークコントローラ)、または任意のホストコンピュータで使用するための、無線周波数トランシーバを実施するために使用することができる。WTRUは、カメラ、ビデオカメラモジュール、テレビ電話、スピーカフォン、バイブレーションデバイス、スピーカ、マイクロフォン、テレビトランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、FM(周波数変調)ラジオユニット、LCD(液晶表示)ディスプレイユニット、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレイユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意のWLAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク)もしくはUWB(超広帯域)モジュールなど、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施されるモジュールと併せて使用することができる。
【技術分野】
【0001】
本出願は、ワイヤレス通信に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、本明細書で完全に説明されたかのように参照によって組み込まれる、2008年10月31日に出願された米国特許仮出願第61/109,978号明細書、2008年11月24日に出願された米国特許仮出願第61/117,494号明細書、2008年11月25日に出願された米国特許仮出願第61/117,851号明細書、2008年12月30日に出願された米国特許仮出願第61/141,638号明細書、および2009年1月30日に出願された米国特許仮出願第61/148,690号明細書の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
エンドユーザにとって利用可能なデータレートを高めるため、UMTS(ユニバーサル移動体通信システム(universal mobile telecommunication system))ワイヤレス通信システムに、多くの改良が導入された。3GPP(第3世代パートナシッププロジェクト)のリリース5における、ダウンリンクのためのHSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス(high speed downlink packet access))の導入に続いて、アップリンク性能を改善するために、3GPPのリリース6の一部として、HSUPA(高速アップリンクパケットアクセス(high speed uplink packet access))が導入された。HSUPAは、新しいE−DCH(拡張個別チャネル(enhanced dedicated channel))上でのアップリンクスループットおよびピークデータレートを改善するために、短いTTI(送信時間間隔(transmission time interval))および高速スケジューリングと組み合わせて、HARQ(ハイブリッド自動再送要求(hybrid automatic repeat request))を使用する。
【0004】
WCDMA(広帯域符号分割多重アクセス(wideband code division multiple access))は、干渉制限されたシステムであるので、すべてのWTRU(ワイヤレス送受信ユニット)のアップリンク送信電力の厳格な制御が重要である。これは、電力制御およびグラント(grant)メカニズムの組合せによって達成される。E−DCH送信のためのグラントは、E−DCH上で送信を行うためにWTRUが使用できる最大電力比である。グラントは、トランスポートブロックサイズに直接的に変換される。これに関連して、グラントは、アップリンク上で干渉を生み出す権利として解釈することができる。HSUPAでは、ネットワークは、各WTRUに個別にグラントを伝達する。ネットワークによって伝達されるグラントには、絶対グラント(absolute grant)および相対グラント(relative grant)という2つのタイプが存在する。絶対グラントは、サービングE−DCHセルによってE−AGCH(E−DCH絶対グラントチャネル(E−DCH absolute grant channel))を介して送信され、グラントテーブルに対するインデックスを伝える。相対グラントは、E−DCHアクティブセット内の任意のセルによって、E−RGCH(E−DCH相対グラントチャネル(E−DCH relative grant channel))を介して送信することができる。WTRUは、与えられたTTI中にどれだけのデータを送信できるかを決定するためにWTRUが使用する、サービンググラント(serving grant)を維持する。このサービンググラントは、E−AGCHまたはE−RGCHを介して新しいグラントコマンドが受信されるたびに更新される。
【0005】
グラントメカニズムに加えて、HSUPAは、送信されたデータが正しく復号された場合はいつでも、非サービングE−DCHセルが、E−HICH(E−DCH HARQインジケータチャネル(E−DCH HARQ indicator channel))を介して、HARQ ACK(肯定応答)をWTRUに送信できるようにすることによって、マクロダイバーシティ(macro−diversity)も利用する。サービングE−DCHセル(および同じRLS(無線リンクセット(radio link set))内の非サービングE−DCHセル)は、HARQ送信を受信するたびに、E−HICHを介して、ACKまたはNACK(否定応答)を送信する。
【0006】
HSUPAに特有のダウンリンク制御チャネルは、E−AGCH、E−RGCH、およびE−HICHを含む。システムの適切な動作のため、ダウンリンクにおいてF−DPCH(フラクショナル個別物理チャネル(fractional dedicated physical channel))を、アップリンクにおいてDPCCH(個別物理制御チャネル(dedicated physical control channel))を使用する、電力制御ループが確立される。
【0007】
データネットワークへ連続的でより高速なアクセスを提供することに対するますます大きくなる要望に応えるため、データの送信のために複数の搬送波を使用することが可能なマルチキャリアシステムが提案された。複数の搬送波の使用は、セルラおよび非セルラワイヤレスシステムの両方において拡大している。マルチキャリアシステムは、利用可能な搬送波の数を乗じただけ、ワイヤレス通信システムで利用可能な帯域幅を増加させることができる。例えば、技術の発展の一環として、DC−HSDPA(デュアルセルHSDPA(dual−cell HSDPA))と呼ばれる新機能が、3GPPのリリース8仕様書において導入された。DC−HSDPAを用いた場合、ノードBは、同時に2つの異なるダウンリンク搬送波を介して、WTRUと通信する。これは、WTRUにとって利用可能な帯域幅およびピークデータレートを2倍にするばかりでなく、2つの搬送波を介した高速スケジューリングおよび高速チャネルフィードバックを用いて、ネットワーク効率を高める可能性も有する。
【0008】
DC−HSDPAは、ワイヤレス通信システムにおいて、ダウンリンクのスループットおよび効率を著しく高める。DC−HSDPAの導入はさらに、スループットおよびピークデータレートに関して、アップリンクとダウンリンクとの間の非対称性を大きくする。しかし、アップリンクについては、何の提案もなされていない。したがって、アップリンク送信におけるピークデータレートおよび送信効率を高めるために複数のアップリンク搬送波を利用するための方法を提供するのが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
複数のアップリンク搬送波を使用するワイヤレス送信のための方法および装置が開示される。WTRUは、プライマリアップリンク搬送波を介して、データチャネル、パイロットチャネル、およびプライマリアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための制御チャネル、ならびに任意選択的に、ダウンリンク送信に関連するアップリンクフィードバック情報を提供するための制御チャネルを送信することができ、セカンダリアップリンク搬送波を介して、データチャネルおよびパイロットチャネルを送信することができる。あるいは、WTRUは、プライマリアップリンク搬送波を介して、データチャネル、パイロットチャネル、およびプライマリアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための制御チャネル、ならびに任意選択的に、ダウンリンク送信に関連するアップリンクフィードバック情報を提供するための制御チャネルを送信することができ、セカンダリアップリンク搬送波を介して、データチャネル、パイロットチャネル、およびセカンダリアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための制御チャネルを送信することができる。
【0010】
WTRUが、ダウンリンク搬送波上で受信した制御情報を、WTRUがその制御情報を受信したダウンリンク搬送波に関連付けられたアップリンク搬送波上でのアップリンク送信に適用するように、各アップリンク搬送波は、少なくとも1つの特定のダウンリンク搬送波に関連付けることができる。少なくとも1つのE−RNTI(無線ネットワーク一時識別情報(radio network temporary identity))を、アップリンク搬送波毎に設定することができ、WTRUは、受信した絶対グラントを、関連するアップリンク搬送波上でのアップリンクデータ送信(例えばE−DCH)に適用することができる。アップリンクグラント情報を運ぶ少なくとも1つのダウンリンク制御チャネル(例えばE−AGCH)を、各アップリンク搬送波に関連付けることができ、WTRUは、受信した絶対グラントを、絶対グラントが受信される、アップリンクグラント情報を搬送するダウンリンク制御チャネルに関連付けられた、アップリンク搬送波上でのアップリンク送信に適用することができる。相対アップリンクグラント情報を搬送するダウンリンク制御チャネル(例えばE−RGCH)とHARQフィードバック情報を搬送するダウンリンク制御チャネル(例えばE−HICH)の1組を、各アップリンク搬送波に関連付けることができ、WTRUは、受信した相対グラントおよびHARQフィードバックを、関連するアップリンク搬送波上でのアップリンク送信に適用することができる。
【0011】
WTRUは、複数のTPC(送信電力制御(transmit power control))コマンドを受信し、対応するTPCコマンドに基づいて、アップリンク搬送波における送信電力を調整することができる。アップリンク搬送波のためのTPCコマンドは、そのアップリンク搬送波に関連付けられたダウンリンク搬送波を介して、受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
より詳細な理解は、添付の図面と併せて、例として与えられる、以下の説明から得ることができる。
【図1】ワイヤレス通信システムの一例を示す図である。
【図2】図1のワイヤレス通信システムのWTRUおよびノードBの機能ブロック図である。
【図3】一実施形態による、WTRUが2つのアップリンク搬送波をUTRANに送信する一例を示す図である。
【図4】別の実施形態による、WTRUが2つのアップリンク搬送波をUTRANに送信する一例を示す図である。
【図5】2つのアップリンク搬送波が、2つのダウンリンク搬送波上でWTRUに送信されるTPC(送信電力制御(transmit power control))コマンドによって制御される機能ブロック図である。
【図6】2つのアップリンク搬送波が、単一のダウンリンク搬送波上でWTRUに送信されるTPC(送信電力制御)コマンドによって制御される機能ブロック図である。
【図7】2つのアップリンク搬送波が、単一のダウンリンク搬送波上でWTRUに送信されるTPC(送信電力制御)コマンドによって制御される機能ブロック図である。
【図8】一実施形態による、F−DPCHスロットフォーマットの一例を示す図である。
【図9】複数アップリンク搬送波環境においてTPC(送信電力制御)コマンドがアップリンクで送信される機能ブロック図である。
【図10】2つのアップリンク搬送波を利用する場合の、E−TFC選択およびMAC−eまたはMAC−i PDU生成のためのプロセスの一例のフロー図である。
【図11】一実施形態による、スケジューリング情報フォーマットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これ以降で言及される場合、「WTRU」という用語は、限定することなく、UE(ユーザ機器)、移動局、固定もしくは移動加入者ユニット、ページャ、セルラ電話、PDA(携帯情報端末)、コンピュータ、M2M(マシン対マシン(machine−to−machine))デバイス、センサ、またはワイヤレス環境で動作可能な他の任意のタイプのデバイスを含む。これ以降で言及される場合、「ノードB」という用語は、限定することなく、基地局、サイトコントローラ、AP(アクセスポイント)、またはワイヤレス環境で動作可能な他の任意のタイプのインタフェースデバイスを含む。
【0014】
ネットワークは、少なくとも1つのダウンリンク搬送波および/または少なくとも1つのアップリンク搬送波を、それぞれアンカーダウンリンク搬送波(anchor downlink carrier)およびアンカーアップリンク搬送波(anchor uplink carrier)として割り当てることができる。例えば、アンカー搬送波は、ダウンリンク/アップリンク送信のための特定の1組の制御情報を搬送するための搬送波として、定義することができる。アンカー搬送波は、動的に活動化および非活動化されなくてよい。アップリンクアンカー搬送波は、ダウンリンクアンカー搬送波に関連付けることができる。アンカー搬送波として割り当てられない搬送波はいずれも、補助搬送波(supplementary carrier)である。あるいは、ネットワークは、アンカー搬送波を割り当てなくてもよく、どのダウンリンク搬送波またはアップリンク搬送波にも、優先権、プリファレンス、またはデフォルトステータスを与えなくてよい。マルチキャリア動作の場合、2つ以上の補助搬送波またはセカンダリ搬送波が存在することがある。これ以降、「アンカーアップリンク/ダウンリンク搬送波」と「プライマリアップリンク/ダウンリンク搬送波」という用語は、交換可能に使用され、「セカンダリアップリンク/ダウンリンク搬送波」と「補助アップリンク/ダウンリンク搬送波」という用語は、交換可能に使用される。
【0015】
ユーザデータおよび制御情報を運ぶための、アップリンク搬送波についての様々なチャネル構造を含む、HSPAシステムにおけるデータおよび制御情報の送信において、複数のアップリンク搬送波を利用するための実施形態が開示される。実施形態はデュアルアップリンク搬送波に関して説明されるが、本明細書で説明される実施形態は、多数のアップリンク搬送波にも同様に適用可能であることを理解されたい。実施形態は、WCDMA(広帯域符号分割多重アクセス)に関連する制御チャネルおよびデータチャネルを参照して開示されるが、実施形態が、LTE(ロングタームエボリューション(long term evolution))およびLTEアドバンスト(LTE−Advanced)など、現在存在するまたは将来開発される任意のワイヤレス通信技術に適用可能であることに留意されたい。本明細書で説明される実施形態は、任意の順序または組合せで適用可能とし得ることにも留意されたい。
【0016】
図1は、複数のWTRU 110と、ノードB 120と、CRNC(制御無線ネットワークコントローラ(controlling radio network controller))130と、SRNC(サービング無線ネットワークコントローラ(serving radio network controller))140と、コアネットワーク150とを含む、ワイヤレス通信システム100の一例を示している。ノードB 120およびCRNC 130は、一括して、UTRANと呼ばれることもある。
【0017】
図1に示されるように、WTRU 110は、ノードB 120と通信し、ノードB 120は、CRNC 130およびSRNC 140と通信する。図1には、3つのWTRU 110、1つのノードB 120、1つのCRNC 130、および1つのSRNC 140が示されているが、無線および有線デバイスの任意の組合せがワイヤレス通信システム100に含まれ得ることに留意されたい。
【0018】
図2は、図1のワイヤレス通信システム100のWTRU 110およびノードB 120の機能ブロック図である。図1に示されるように、WTRU 110は、ノードB 120と通信し、どちらも、複数のアップリンク搬送波を用いてアップリンク送信を実行する方法を実行するように構成される。WTRU 110は、プロセッサ115と、受信機116と、送信117と、メモリ118と、アンテナ119と、典型的なWTRUに見出し得る他のコンポーネント(図示されず)とを含む。メモリ118は、オペレーティングシステム、アプリケーションなどを含む、ソフトウェアを保存するために提供される。プロセッサ115は、単独で、またはソフトウェアと連携して、複数のアップリンク搬送波を用いてアップリンク送信を実行する方法を実行するために提供される。受信機116および送信機117は、プロセッサ115と通信する。受信機116および/または送信機117は、複数の搬送波を介して受信および/または送信することが可能なことがある。あるいは、複数の受信機または複数の送信機が、WTRU 110に含まれてもよい。アンテナ119は、ワイヤレスデータの送信および受信を容易にするように、受信機116および送信機117の両方と通信する。
【0019】
ノードB 120は、プロセッサ125と、受信機126と、送信機127と、メモリ128と、アンテナ129と、典型的な基地局に見出し得る他のコンポーネント(図示されず)とを含む。プロセッサ125は、単独で、またはソフトウェアと連携して、複数のアップリンク搬送波を用いてアップリンク送信を実行する方法を実行するために提供される。受信機126および送信機127は、プロセッサ125と通信する。受信機126および/または送信機127は、複数の搬送波を介して受信および/または送信することが可能なことがある。あるいは、複数の受信機または複数の送信機が、ノードB 120に含まれてもよい。アンテナ129は、ワイヤレスデータの送信および受信を容易にするように、受信機126および送信機127の両方と通信する。
【0020】
一実施形態によれば、セカンダリアップリンク搬送波は、最低限の制御情報を有するまたは制御情報を有さないトラフィックデータを搬送する。図3は、WTRUが2つのアップリンク搬送波をUTRANに送信する一例を示している。WTRUは、アンカーアップリンク搬送波上で、データチャネル(例えばE−DPDCH(E−DCH個別物理データチャネル(E−DCH dedicated physical data channel)))、パイロットおよび他の制御チャネル(例えば、DPCCH、E−DPCCH(E−DCH個別物理制御チャネル(E−DCH dedicated physical control channel))、ならびに/またはHS−DPCCH(HS−DSCH個別物理制御チャネル(HS−DSCH dedicated physical control channel)))を送信することができ、補助アップリンク搬送波上で、データチャネル(例えばE−DPDCH)およびパイロットチャネルを送信することができる。
【0021】
アンカーアップリンク搬送波は、UTRANに送信されるアップリンク制御シグナリングのすべてまたはほとんどを搬送することができ、アップリンク制御シグナリングは、限定することなく、(1)CQI(チャネル品質情報(channel quality information))、PCI(プリコーディング制御指示(precoding control indication))、ACK/NACK HARQ情報を含む、(HS−DPDCHなどの)ダウンリンクチャネルのためのフィードバック、(2)アップリンクパイロットシンボル、FBI(フィードバック情報(feedback information))、およびTPC(送信電力制御)コマンドを含む、アップリンク無線リンク制御情報(例えばアップリンクDPCCH)、または(3)HARQ処理のために使用されるRSN(再送シーケンス番号(retransmission sequence number))、送信されるトランスポートブロックのサイズを示すE−TFCI(E−DCHトランスポートフォーマットコンビネーションインデックス(E−DCH transport format combination index))情報、およびハッピービット(happy bit)を含む、E−DCH制御情報(例えばE−DPCCH)のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
データチャネル(例えばE−DPDCH)は、図3に示されるように、アンカーアップリンク搬送波上でユーザトラフィックを運ぶことができる。
【0023】
補助アップリンク搬送波は、ユーザデータチャネル(例えばE−DPDCH)およびパイロットチャネルを搬送することができる。パイロットチャネルは、パイロットシンボルの他に、TPC(送信電力制御)コマンドも搬送する、従来のアップリンクDPCCHとすることができる。TPCコマンドは、セカンダリダウンリンク搬送波のためのダウンリンク電力を管理する、WTRUとUTRANの間のセカンダリ電力制御ループを制御するために使用することができる。あるいは、パイロットチャネルは、パイロットシンボルを含む、アップリンクDPCCHの新しいスロットフォーマットを有することができる。例えば、従来のアップリンクDPCCHのすべての10ビットは、パイロットシーケンスを搬送するために使用することができる。あるいは、パイロットチャネルは、セカンダリアップリンク搬送波上でのデータの受信を改善するためにUTRANによって使用されるパイロットシンボルを搬送する、新しいアップリンク制御チャネルとすることができる。
【0024】
アンカーアップリンク搬送波上で送信されるデータおよび補助アップリンク搬送波上で送信されるデータの両方のためのE−DCH制御情報は、アンカーアップリンク搬送波上で送信することができる。このE−DCH制御情報は、両方のアップリンク搬送波のための制御情報を含む、E−DPCCHのための新しいスロットフォーマットを定義することによって、またはアンカーアップリンク搬送波上で2つの独立したE−DPCCHチャネル(一方はアンカーアップリンク搬送波用、他方は補助アップリンク搬送波用)を送信することによって、運ぶことができる。
【0025】
代替実施形態によれば、図4に示されるように、セカンダリアップリンク搬送波も、セカンダリアップリンク搬送波の送信に関連するE−DCH制御情報を搬送することができる。アンカーアップリンク搬送波上で送信されるE−DCH制御情報は、アンカーアップリンク搬送波上でのデータ送信に関係する。E−DCH制御情報を送信するため、セカンダリアップリンク搬送波上では、(シングルキャリア動作と同様の方法で)データチャネルおよびパイロットチャネルに加えて、別個のE−DPCCHを送信することができる。あるいは、パイロットおよびE−DCH制御情報の両方を含む新しいアップリンク制御チャネルを定義することができる。新しいアップリンク制御チャネルは、アップリンクパイロットシンボル、FBI、TPC、HARQ処理のために使用されるRSN、送信されるトランスポートブロックのサイズを示すE−TFCI情報、および/またはハッピービットを含むことができる。あるいは、新しいアップリンク制御チャネルは、パイロットシンボル、RSN、および/またはE−TFCI情報を含むことができる。
【0026】
E−DPCCHがアンカーアップリンク搬送波および補助アップリンク搬送波の両方で送信される場合、両方のアップリンク搬送波において、ハッピービットを以下のように設定することができる。各アップリンク搬送波におけるハッピービットは、各アップリンク搬送波の、それぞれの電力ヘッドルーム状態および個々のグラントに従って、設定することができる。電力ヘッドルームは、アップリンクデータの送信のために利用可能な電力の量または比として定義することができる。あるいは、電力ヘッドルームは、他のアップリンクデータおよび制御チャネルの送信のために基準アップリンク搬送チャネル上で利用可能な電力の量または比とすることができる。これは、例えば、第2のアップリンク搬送波においてより高いデータレートで送信を行うのに十分な電力ヘッドルームが存在する場合、または第2のアップリンク搬送波におけるグラントがより低い場合、一方のアップリンク搬送波においてハッピービットが「ハッピー」に設定されることがあり、一方、第2のアップリンク搬送波においてハッピービットが「アンハッピー」に設定されることを意味する。
【0027】
あるいは、一方のアップリンク搬送波(例えばアンカーアップリンク搬送波)におけるハッピービットは、両方のアップリンク搬送波の組合せ状態(グラントおよび電力ヘッドルーム)に従って設定することができる。このケースでは、(1)WTRUが、両方のアップリンク搬送波に対するE−TFC選択の際に、両方のアップリンク搬送波上で、現在のサービンググラントによって許可された最大量のスケジュールされたデータ(scheduled data)を送信している場合、(2)WTRUが、アップリンク搬送波のいずれかまたはすべてにおいて、より高いデータレートで送信を行うのに利用可能な十分な電力を有する場合、または(3)ハッピービットと同じTTI中にデータを送信するために、(両方のアップリンク搬送波に対する)E−TFC選択において選択された電力オフセットと同じ電力オフセットに基づいて、TEBS(合計E−DCHバッファステータス(total E−DCH buffer status))が、各搬送波におけるアクティブプロセスとプロセスの総数の比を考慮して、現在のサービンググラントを用いて送信されるために、Happy_Bit_Delay_Condition msよりも多くを必要とする場合、ハッピービットを「アンハッピー」に設定することができる。
【0028】
一方のアップリンク搬送波におけるハッピービットが、両方のアップリンク搬送波の組合せ状態に従って設定される場合、第2のアップリンク搬送波におけるハッピービットは、以下の一方または組合せで解釈することができる。
【0029】
(1)ハッピービットは、第2のアップリンク搬送波における電力ヘッドルームが第1のアップリンク搬送波における電力ヘッドルームよりも大きい場合、「ハッピー」に設定することができ、それ以外の場合は、「アンハッピー」に設定することができる。この情報は、ネットワークが、どの搬送波上でグラントを増加させ得るかを決定するのに役立つ。または
(2)あるいは、第2のアップリンク搬送波におけるハッピービットは、もっぱら第2のアップリンク搬送波における(またはもっぱら第1のアップリンク搬送波における)グラントおよび電力ヘッドルームの状態を考慮して、ハッピービット決定のための従来の規則によって設定することができる。
【0030】
すべてのアップリンク搬送波は、データチャネル(例えばE−DPDCH)および制御チャネル(例えばDPCCH、E−DPCCH、またはHS−DPCCH)を含む、同じチャネル構造を有することができる。各アップリンク搬送波は、関連するダウンリンク搬送波とペアにすることができる。これは、搬送波が異なる周波数帯に配置され、無線状態が搬送波間で著しく異なることがある場合に有利なことがある。
【0031】
アップリンク搬送波の数およびダウンリンク搬送波の数は、同じとすることができる。このケースでは、各アップリンク搬送波は、ダウンリンク搬送波とペアをなすことができる。ダウンリンク搬送波が2つ、アップリンク搬送波が2つであるケースの一例では、ダウンリンク搬送波1は、アップリンクスケジューリング情報(例えばE−AGCH、E−RGCH)、HARQフィードバック(例えばE−HICH)、または(例えばF−DPCHを介する)電力制御コマンドなどを含む、アップリンク搬送波1に関連するすべての制御情報を搬送することができる。同様に、ダウンリンク搬送波2は、アップリンク搬送波2に関連するすべての制御情報を搬送することができる。
【0032】
アップリンク搬送波1は、ダウンリンクチャネル品質(例えばHS−DPCCHにおけるCQI)、HARQフィードバック(例えばHS−DPCCHにおけるACK/NACK)、または電力制御コマンド(例えばアップリンクDPCCH)などを含む、ダウンリンク搬送波1に関連するすべての制御情報を搬送することができる。同様に、アップリンク搬送波2は、ダウンリンク搬送波2に関連するすべての制御情報を搬送することができる。
【0033】
あるいは、ダウンリンク搬送波の数は、アップリンク搬送波の数よりも多くてよい。このケースでは、アップリンク送信のために使用されるよりも多くのダウンリンク搬送波を受信することが許可される。例えば、WTRUが同時に、4つのダウンリンク搬送波上で受信し、2つのアップリンク搬送波上で送信するように構成されたケースでは、アップリンク搬送波1は、ダウンリンク搬送波1(アンカー)およびダウンリンク搬送波2(補助)に合致させることができ、アップリンク搬送波1は、ダウンリンクチャネル品質(例えばHS−DPCCHにおけるCQI)、HARQフィードバック(例えばHS−DPCCHにおけるACK/NACK)、または電力制御コマンド(例えばアップリンクDPCCH)などを含む、ダウンリンク搬送波1およびダウンリンク搬送波2に関連する制御情報のいずれかまたはすべてを搬送することができる。アップリンク搬送波2は、ダウンリンク搬送波3(アンカー)およびダウンリンク搬送波4(補助)に合致させることができ、アップリンク搬送波2は、ダウンリンクチャネル品質(例えばHS−DPCCHにおけるCQI)、HARQフィードバック(例えばHS−DPCCHにおけるACK/NACK)、または電力制御コマンド(例えばアップリンクDPCCH)などを含む、ダウンリンク搬送波3およびダウンリンク搬送波4に関連する制御情報のいずれかまたはすべてを搬送することができる。
【0034】
アップリンク上で複数の搬送波を用いる場合、WTRUのアクティブセットを変更することができる。WTRUは、各アップリンク搬送波に対応する、2つのアクティブセットを独立に維持することができる。WTRUは、アンカーアップリンク搬送波におけるE−DCH無線リンクを含むアクティブセットと、補助アップリンク搬送波におけるE−DCH無線リンクを含む別のアクティブセットとを有することができる。これは、ネットワークが、同じE−DCHアクティブセットにおいて、いくつかのシングルセル(single cell)ノードBと、いくつかのデュアルセル(dual cell)ノードBとを構成することを可能にする。
【0035】
あるいは、WTRUは、1つのアクティブセットを維持することができ、アクティブセットの各エントリは、アンカーアップリンク搬送波および補助アップリンク搬送波の両方に関連する無線リンクを含む。この実施形態では、ネットワークは、いくつかのセクタではシングルE−DCH構成を用いて、またいくつかの他のセクタではデュアルE−DCHを用いて、WTRUを構成することはできない。
【0036】
あるいは、E−DCHアクティブセットの非サービングセルは、1つの搬送波無線リンクを含むことができ、サービングセルは、2つの無線リンク(1つはアンカー搬送波に対応し、1つは補助搬送波に対応する)を含むことができる。
【0037】
複数の搬送波を介してHSUPAを動作させるのに必要なシグナリングを提供するための実施形態が、これ以降で説明される。
【0038】
一実施形態によれば、各アップリンク搬送波は、制御シグナリングのための特定のダウンリンク搬送波に関連付けることができる。関連付けは、RRC(無線リソース制御(radio resource control))シグナリングを介して、ネットワークによって伝達することができ、または事前定義された1組の規則に基づいて、暗黙的に知ることができる。例えば、2つのアップリンク搬送波および2つのダウンリンク搬送波が利用され、アップリンク搬送波Aとダウンリンク搬送波A、およびアップリンク搬送波Bとダウンリンク搬送波Bとが関連付けられる場合、WTRUは、ダウンリンク搬送波A上で受信したE−AGCH、E−RGCH、およびE−HICHコマンドを、アップリンク搬送波Aに関連するサービンググラントおよびHARQプロセスに適用することができる。同様に、WTRUは、ダウンリンク搬送波B上で受信したE−AGCH、E−RGCH、およびE−HICHコマンドを、アップリンク搬送波Bに関連するサービンググラントおよびHARQプロセスに適用する。
【0039】
別の実施形態によれば、E−AGCH、E−RGCH、またはE−HICHコマンドが送信されるダウンリンク搬送波は、これらのコマンドが適用されるアップリンク搬送波に直接的にリンクされなくてよい。グラントは、アンカーダウンリンク搬送波上でのみ(または代替として、ダウンリンク搬送波のいずれかで)送信することができ、アップリンク搬送波のいずれにも適用することができる。
【0040】
複数のアップリンク搬送波のための絶対グラントを送信するための実施形態が、これ以降で説明される。
【0041】
一実施形態によれば、ネットワークは、WTRUにおいて、各アップリンク搬送波に対してE−RNTI(E−DCH無線ネットワーク一時識別情報)の1組を設定することができる。E−RNTIの各組(すなわちプライマリE−RNTIおよびセカンダリE−RNTI)は、与えられたアップリンク搬送波に関連付けられる。任意選択的に、各アップリンク搬送波に対して、プライマリE−RNTIのみを設定することもできる。WTRUは、設定されたすべてのE−RNTIについて、E−AGCHを監視し、設定されたE−RNTIの1つが検出された場合、WTRUは、E−AGCHを介して搬送されたコマンドを、復号されたE−RNTIに関連付けられたアップリンク搬送波に適用する。アップリンク搬送波へのE−RNTIの関連付けは、E−AGCHが送信されるダウンリンク搬送波に関わりなく、有効である。
【0042】
あるいは、ネットワークは、各アップリンク搬送波に関連付けられた少なくとも1つのE−AGCH(すなわちE−AGCHチャネライゼーションコード(channelization code))を設定することができる。WTRUは、すべてのE−AGCH(すなわち設定されたすべてのE−AGCHチャネライゼーションコード)を監視する。WTRUは、そのE−RNTI(プライマリまたはセカンダリ)を、設定されたE−AGCH上で検出した場合、対応するコマンドを、コマンドが送信された、E−AGCHチャネライゼーションコードに関連付けられたアップリンク搬送波に適用する。
【0043】
あるいは、WTRUは、受信したE−AGCHコマンドを、タイミングに基づいて、アップリンク搬送波の1つに適用することができる。例えば、コマンドが適用されるアップリンク搬送波インデックスは、受信したE−AGCHの、E−AGCHサブフレーム番号とCFN(接続フレーム番号(connection frame number))(またはSFN(システムフレーム番号(system frame number)))との関数とすることができる。加えて、与えられたサブフレームにおいて、E−AGCHコマンドが送信されたときのサブフレームと対応するE−DCH送信のサブフレームとの間の時間オフセットは、アップリンク搬送波に応じて異なっていてもよい。例えば、時間オフセットは、アップリンク搬送波#1については約5サブフレームとすることができるが、アップリンク搬送波#2については1サブフレームだけ短く(すなわち約4サブフレームと)することができる。時間オフセットは、絶対グラントコマンドが、両方の搬送波のためのいずれのHARQプロセスにも対処できるように、HARQサイクル毎に交換することができる(8つのTTIは2msのTTI、4つのTTIは10msのTTI)。
【0044】
あるいは、2つのアップリンク搬送波の特別なケースでは、付随する絶対グラントコマンドが適用されるアップリンク搬送波を示すために、E−AGCH上で搬送される絶対グラントスコープビット(absolute grant scope bit)を再解釈することができる。
【0045】
あるいは、2つ以上のアップリンク絶対グラントコマンドをサポートするために、E−AGCHの物理層フォーマットを変更することができる。これは、絶対グラント粒度を(5ビットからより低い値に)低下させることによって、他の情報を搬送するように絶対グラントスコープビットを再解釈することによって、より多くの情報をサポートするためにチャネル符号化方式を変更することによって、もしくはすべてのアップリンク搬送波の間で絶対グラントスコープビットを共有することによって、またはそれらの任意の組合せで達成することができる。
【0046】
あるいは、この絶対グラントコマンドが適用可能なアップリンク搬送波を明示的に示すために、絶対グラントメッセージに追加のフィールドが追加されるように、E−AGCHフォーマットを変更することができる。アップリンクにおける搬送波の数に応じて、このフィールドは、デュアルセル動作の場合は、1ビットとすることができ、または最大で4つの搬送波をサポートするには、2ビットとすることができる。
【0047】
あるいは、WTRUには、両方の搬送波上での組み合わされた送信に適用される、単一のグラント値を提供することができる。伝達されたグラント(電力比)は、ビットの数(またはデータレート)に変換することができ、WTRUに、両方の搬送波を介して、より多くの合計のビット数(またはより高い合計のデータレート)を送信することを許可することはできない。あるいは、両方の搬送波のE−DPDCH/DPCCH電力比の線形和が、伝達されたグラントを超過することを許可することはできない。
【0048】
この単一のグラントによって伝達される制約は、2つの搬送波の間での適切な共有を決定するために、他の制約と組み合わせることができる。例えば、ネットワークは、干渉制御の目的で、どちらかの(または両方の)アップリンク搬送波上で、最大グラントを準静的にまたは動的に伝達することができる。個々の搬送波におけるグラントを制御するための従来のメカニズムは、共有されるグラントと併せて使用することができる。このケースでは、共有されるグラントは、異なるE−RNTI値を用いて識別することができる。
【0049】
複数のアップリンク搬送波のための相対グラントおよびHARQ指示を送信するための実施形態が、これ以降で説明される。
【0050】
一実施形態では、各アップリンク搬送波に対してE−RGCHと(各無線リンクのための)E−HICHの1組を設定することができる。E−RGCHとE−HICHの異なる組は、シグネチャが異なる同じチャネライゼーションコードを共有することができ、またはまったく異なるチャネライゼーションコードを使用することができる。各組は、特定のアップリンク搬送波に関連付けられる。この関連付けは、明示的なシグナリングを介して通知することができ、または事前定義された規則によって暗黙的に知ることができる。その後、E−RGCHとE−HICHは、アップリンク搬送波との関連付けとは独立した、事前定義されたダウンリンク搬送波を介して送信される。例えば、E−RGCHとE−HICHのすべての組は、サービングHS−DSCHセル(アンカーダウンリンク搬送波)を介して送信することができる。あるE−RGCHは、両方のアップリンク搬送波に関連付けることができ、このケースでは、UP(またはDOWN)コマンドは、両方のアップリンク搬送波において同時に、グラントを引き上げる(または引き下げる)。
【0051】
あるいは、各アップリンク搬送波は、1つのダウンリンク搬送波に関連付けることができる。ネットワークは、アップリンク搬送波毎にE−RGCHと(各無線リンクのための)E−HICHの1組を設定し、その1組は、関連付けられたダウンリンク搬送波を介して送信される。WTRUは、各ダウンリンク搬送波上でE−RGCHおよびE−HICHを監視し、受信したコマンドを、関連付けられたアップリンク搬送波に適用する。例えば、アップリンク搬送波Aがダウンリンク搬送波Aに関連付けられる場合、ダウンリンク搬送波Aを介して受信したE−RGCHコマンドおよびE−HICHコマンドは、アップリンク搬送波Aに適用される。
【0052】
WTRUは、各アップリンク搬送波について、非サービングノードBから、E−RGCHおよびE−HICHを受信することができる。非サービングノードBは、デュアルアップリンク動作が可能でないことがあるので、各アップリンク搬送波について、別個のE−DCHアクティブセットを定義してよい。WTRUは、アップリンク搬送波の少なくとも1つについて、非サービングノードBから、非サービングE−RGCHまたはE−HICHを受信することができる。同じ理由で、電力制御を目的として、各アップリンク搬送波について、別個のアクティブセットを定義することができる。このケースでは、WTRUは、アップリンク搬送波の一方について、ノードBから、(DPDCHまたはF−DPCH上で)TPCコマンドを受信することができる。
【0053】
アップリンク搬送波に対する並列制御が許可されない場合、WTRUは、各搬送波のための別個のアクティブセットを維持する必要がないことがある。1つのアクティブセットを定義することができ、ダウンリンクアンカー搬送波のアクティブセットから、ダウンリンク制御シグナリングを監視することができる。
【0054】
補助アップリンク搬送波に関連するオーバヘッドのため、バースト期間中には、WTRUに対して、補助搬送波の使用、または一度に2つのアップリンク搬送波の使用を制約するのが望ましいことがある。これに関連して、アップリンクリソース(すなわち、補助アップリンク搬送波のみ、または代替として、補助アップリンク搬送波およびアンカーアップリンク搬送波の両方)を、一度に単一のWTRUに割り当てる(すなわち、与えられた時間において、1つのWTRUが両方の搬送波において、または補助搬送波上で送信することを許可され、他のすべてのWTRUはアンカー搬送波上でのみ送信することを許可される)のが効率的なことがある。
【0055】
一実施形態によれば、事前定義または設定された期間の間、補助アップリンク搬送波における、または両方のアップリンク搬送波における、そのグラントを使用するように、WTRUをスケジュールまたは構成することができる。WTRUは、一方のアップリンク搬送波(アンカーアップリンク搬送波または補助アップリンク搬送波)上でのみ送信していることができ、スケジューラは、両方のアップリンク搬送波において、WTRUをスケジュールする。これは、ネットワークが、WTRUの間でリソースを交換するときに、シグナリングを最低限に抑えることを可能にする。
【0056】
初期状態では、WTRUは、アンカーアップリンク搬送波上でのみ、または補助アップリンク搬送波上でのみ、E−DCHを送信している(一方のアップリンク搬送波のみを活動化することができ、他方のアップリンク搬送波は活動化してもよく、または活動化しなくてもよい)。WTRUが送信するデータを大量に有する場合、ネットワークは、現在使用されていないアップリンク搬送波におけるグラントを、一時的に提供することを決定することができる。両方のアップリンク搬送波上での送信を開始するように、WTRUに信号を送るため、またはWTRUをトリガするために、以下の条件、すなわち、(1)WTRUが、データ(すなわちE−DCH)を現在送信していないアップリンク搬送波に関連する非ゼログラントを受信すること、(2)WTRUが、非ゼログラントと、アンカーアップリンク搬送波もしくは補助アップリンク搬送波における少なくとも1つのアクティブHARQプロセスを有し、現在送信していないアップリンク搬送波についての非ゼログラントを受信すること、または(3)WTRUが、非ゼログラントと、アンカーアップリンク搬送波もしくは補助アップリンク搬送波において活動化されたすべてのHARQプロセスを有し、現在送信していないアップリンク搬送波についての非ゼログラントを受信することの1つまたは組合せを使用することができる。
【0057】
WTRUには、以下の方法の1つまたは組合せを使用して、他の搬送波上での送信を開始するために、信号を送ることができる。WTRUには、両方の搬送波上での送信を開始するようにWTRUに指示するために使用される、(これ以降「デュアルセルE−RNTI」と呼ばれる)E−RNTIを割り当てることができる。WTRUは、シングルセルE−RNTI、またはシングルセル用に使用される2つの別個のE−RNTI(1つはアンカー用、1つは補助用)も有することができる。E−AGCHがデュアルセルE−RNTIを用いてマスクされる場合、WTRUは、与えられたE−AGCHに対応するHARQプロセスにおいて、両方のアップリンク搬送波上での送信を開始する。E−AGCH上でデュアルセルE−RNTIとともに伝達されたグラントは、新たに使用されるアップリンク搬送波において使用することができ、WTRUは、WTRUがすでに送信していた搬送波上では、既存のサービンググラントを用いて続行することができる。あるいは、E−AGCH上でデュアルセルE−RNTIとともに伝達されたグラントは、両方のアップリンク搬送波のために使用することができる。あるいは、E−AGCH上でデュアルセルE−RNTIとともに伝達されたグラントは、両方のアップリンク搬送波の間で半分に分割することができる。
【0058】
あるいは、現在の絶対グラント値よりも高い値のシグナリングを可能にするために、絶対グラントテーブルを拡張することができる。絶対グラントが30を上回る値を示している場合、WTRUは、これを、他方のアップリンク搬送波上での送信を開始するための指示として解釈することができる。両方のアップリンク搬送波において使用するグラントは、アップリンク搬送波の間で分割されたAGに対応してもよい。あるいは、新しい搬送波におけるAGは、伝達されたAGから現在の搬送波のサービンググラントを減算したAGに対応してもよい。あるいは、新しい搬送波におけるAGインデックスは、伝達されたAGから30を減算したAGに対応してもよい。あるいは、現在の搬送波のために使用されるサービンググラントは、新しい搬送波のためにも使用することができる。
【0059】
本明細書で説明された方法のいずれも、他方の搬送波におけるグラントを伝達するために使用することができる(例えば、絶対グラントインデックスが、グラントが適用されるアップリンク搬送波を示す新しいビットとともに伝達することができるような、絶対グラントメッセージの変更)。
【0060】
あるいは、両方の搬送波上で送信を開始するようにWTRUに通知する指示ビットは、E−AGCH上で伝達することができる。E−AGCH上でメッセージを受信すると、WTRUは、現在のアップリンク搬送波と同じサービンググラントを使用して、または代替として、指示ビットと同じE−AGCH上で搬送された絶対グラントに対応するサービンググラントを使用して、他方のアップリンク搬送波上で送信を開始することができる。
【0061】
上記のトリガ条件において、絶対グラントスコープは、特定の値(「すべて」または「単一」)に設定することができる。
【0062】
WTRUが現在送信していない搬送波における非永続的グラントがトリガされた場合、WTRUは、まだ行われていないならば、新しいアップリンク搬送波を同期させる。新しい搬送波における同期は、新しい搬送波上でのE−DCH送信の開始に先立つ、DPCCHプリアンブルの送信を含むこともできる。
【0063】
WTRUは、非永続的タイマを開始することもできる。非永続的タイマは、時間値またはTTIの数に対応してもよい。この値は、WTRUによって事前に決定することができ、またはRRCシグナリングを介してWTRUに伝達/設定することができる。
【0064】
WTRUは、上で説明された方法のうちの1つを使用して、伝達された非永続的グラントを使用して、E−DCH送信を開始する。あるいは、WTRUは、グラントの値を無視し、最大グラントを使用することができる。あるいは、WTRUは、伝達されたグラントの値を無視し、ネットワークによって伝達された最大値を使用することができる。あるいは、WTRUは、RRCシグナリングを介してネットワークによって伝達された、またはWTRUによって事前に決定された、事前設定された非永続的グラントを使用することができる。
【0065】
非永続的タイマが満了すると、新しいアップリンク搬送波に関連するサービンググラントは、ゼロの値を取り、および/または新しいアップリンク搬送波に関連するすべてのHARQプロセスは、非活動化される。したがって、WTRUは、新しい搬送波上で新しいHARQ送信を開始することを停止する。任意選択的に、新しい搬送波上でのすべてのHARQ再送が完了すると、WTRUは、新しい搬送波を暗黙的に非活動化することができる。任意選択的に、WTRUは、タイマが満了した後、非永続的タイマによって許容された最後のHARQ送信の終了時にピギーバックして、または単独で、SIを送信することができる。非永続的タイマの値は、ネットワークによって設定することができ、WTRUまたはセル固有とすることができる。
【0066】
高速グループグラント切り換え(fast group grant switching)の場合、WTRUは、1つの専用E−RNTIおよび1つの共用E−RNTIを用いて、ネットワークによって構成することができる。ネットワークは、WTRUのグループに対するサービンググラントを、伝達もしくは設定された値(例えばゼロ)まで低減させるために、またはサービンググラントを、その以前の値まで回復させるために、任意選択的に共通オフセットとともに、共用E−RNTIを使用することができる。この機能を用いた場合、ネットワークは、共用E−RNTIを使用して、セル内のアップリンクリソースを解放し、それを単一のWTRUに割り当てることができ、後で、WTRUのグループに対するグラントを、以前の状態に戻すことができる。
【0067】
ここで図5を参照すると、両方のアップリンク搬送波520、540上で(すなわち、デュアル搬送波シナリオにおいて)電力制御を実行し、アップリンク搬送波に電力およびデータを割り当てるための実施形態が、これ以降で説明される。図5〜図7および図9には、アップリンク搬送波およびダウンリンク搬送波によって搬送される特定のチャネルが示されているが、任意のチャネルがそのような搬送波で搬送され得ることを指摘しておく。
【0068】
一実施形態によれば、アップリンク搬送波520、540上でのアップリンクDPCCH(個別物理制御チャネル(dedicated physical control channel))送信525、545の送信電力は、ノードBによって送信される2つの別個のTPC(送信電力制御)コマンドによって制御される。一方のTPCコマンドは、第1のアップリンク搬送波520の電力を制御し、他方のTPCコマンドは、第2のアップリンク搬送波540の電力を制御する。WTRUは、対応するTPCコマンドに基づいて、各アップリンク搬送波520、540上のDPCCH525、545の電力を変化させる。
【0069】
ノードBは、アップリンク搬送波のためのTPCコマンドを、そのアップリンク搬送波520、540にそれぞれ対応するダウンリンク搬送波570、590上のF−DPCH560、580を介して送信する。アップリンク搬送波とダウンリンク搬送波の間のマッピングは、事前に定義することができる。WTRUは一般に、2つの異なるダウンリンク搬送波上で送信される2つのチャネル(例えば、F−DPCH)を聴取することによって、TPCコマンドを獲得するが、もちろん、そのようなコマンドを送信するための異なるチャネルを使用することもできる。
【0070】
あるいは、ここで図6を参照すると、2つのアップリンク搬送波520、540のためのTPCコマンドは、同じダウンリンク搬送波570(ダウンリンク搬送波570または590の一方を使用できるが、この実施形態では、ダウンリンク搬送波570を使用するものとして示している)上の2つの異なるチャネル562、564を介して送信することができる。この実施形態では、ダウンリンク搬送波の少なくとも一方で他の活動が存在しない場合、WTRUは、両方のダウンリンク搬送波570、590を聴取する必要はない。
【0071】
図7に示されるさらなる一代替実施形態では、2つのアップリンク搬送波520、540のためのTPCコマンドは、単一のダウンリンク搬送波570(やはり、ダウンリンク搬送波570または590の一方を使用できるが、この実施形態では、ダウンリンク搬送波570を使用するものとして示している)における単一のチャネル562(例えば、F−DPCH)を介して搬送することができる。図8は、この代替実施形態による、F−DPCHスロットフォーマットの一例を示している。F−DPCHスロットフォーマットは、スロット当たり2つのTPCフィールドを含み、TPC1およびTPC2は各々、アップリンク搬送波1およびアップリンク搬送波2のための電力制御コマンド(UPまたはDOWN)をそれぞれ含む。
【0072】
図7を再び参照すると、両方のアップリンク搬送波のための電力制御コマンドが、F−DPCHチャネルなどの単一のチャネル562を介して送信される、別の代替実施形態では、電力制御コマンドは、時間多重化される。電力制御コマンドの時間多重化は、多くの異なる方法で達成することができる。電力制御コマンドは、アップリンク搬送波1 520とアップリンク搬送波2 520の間で均等に交代する。例えば、電力制御コマンドが対象とするアップリンク搬送波は、以下のようにして決定することができる。
【0073】
If (現在のCFN(接続フレーム番号(connection frame number))+スロット番号) modulo 2=0
then TPCはアップリンク搬送波1用
Else TPCはアップリンク搬送波2用
例えば、アップリンク搬送波1 520のための電力制御コマンドは、無線スロット#0、2、4、6、8、10、12、および14で搬送することができ、一方、アップリンク搬送波2 540のための電力制御コマンドは、無線スロット#1、3、5、7、9、11、および13で搬送することができ、またはこれの反対である。あるいは、アップリンク搬送波1 520には、アップリンク搬送波2 540よりも多くの電力制御コマンドを割り当てることができる。例えば、アップリンク搬送波1 520のための電力制御コマンドは、無線スロット#0、1、3、4、6、7、9、10、12、および13で搬送することができ、一方、アップリンク搬送波2 540のための電力制御コマンドは、無線スロット#2、5、8、11、および14で搬送することができる。この代替形態は、より多くの電力制御コマンドを提供することで、全体的な効率が向上する理由が存在する場合に、使用することができる。そのようなシナリオは、例えば、アップリンク搬送波1 520が、アップリンク搬送波2 540よりも多くの物理層チャネルを搬送している場合とすることができる。
【0074】
同期も、搬送波単位に定義することができる。WTRUは、両方の搬送波に対して別々に同期手順を適用することができる。WTRUには、搬送波上での同期ステータスに応じて、その搬送波上での送信を許可することができる。無線リンク障害は、両方の搬送波で同期が失われた場合に宣言することができる。
【0075】
図7を依然として参照すると、両方のアップリンク搬送波のための電力制御コマンドが、F−DPCHなどの単一のチャネル562を介して送信される、また別の代替シナリオでは、両方のアップリンク搬送波上でのDPCCH送信の送信電力は、このシナリオではF−DPCHを介してノードBによって送信される単一のTPCコマンドによって制御することができる。ノードBからのTPCコマンドが電力を増加させるよう指示する場合、両方のアップリンク搬送波上で電力が(例えば等しく)増加され、TPCコマンドが電力を低減させるよう指示する場合、両方のアップリンク搬送波上で電力が(例えば等しく)低減される。例えば、電力制御コマンドは、単一のTPCフィールド内にジョイント符号化(joint−coded)することができる。NTPC=2およびNTPC=4である場合の、TPCコマンドのジョイント符号化の例が、表1に示されており、ここで、NTPCはTPCコマンドのビット数である。
【0076】
【表1】
【0077】
ここで図9を参照すると、以下の実施形態は、ダウンリンク電力制御を目的とする、アップリンクDPCCHを介するWTRUからノードBへのTPC(送信電力制御)コマンドのアップリンク送信に関する。WTRUは、アップリンク搬送波の一方(この例では920)のみのアップリンクDPCCH 925を介して、TPCコマンドを送信することができる。別のアップリンク搬送波(この例では940)上では、WTRUは、TPCビットを送信する代わりにDTX(不連続送信(discontinuous transmission))を、またはTPCフィールドをもたない新しいスロットフォーマットを使用することができる。TPCコマンドは、例えばF−DPCH 975などのダウンリンクチャネルが送信されるダウンリンク搬送波970上で測定された品質から導出することができる。この手法は、WTRUからの干渉をいくらか低減するという利点を有する。WTRUは、ノードBによるチャネル推定のために使用されるパイロットビットのみを有するアップリンクDPCCH 925、945を送信することができる。
【0078】
あるいは、WTRUは、両方のアップリンク搬送波920、940のアップリンクDPCCH 925、945を介して、同じTPCコマンドを送信することもできる。TPCコマンドは、F−DPCH 975が送信されるダウンリンク搬送波970上で測定された品質から導出することができる。ノードBは、WTRUからのTPC信号の信頼性を向上させるために、2つのアップリンクDPCCH 925、945からのTPCコマンド信号を組み合わせることができる。
【0079】
あるいは、WTRUは、各アップリンク搬送波920、940のアップリンクDPCCH 925、945を介して、独立のTPCコマンドを送信することもできる。この場合、アップリンク搬送波920、940上で送信されるTPCコマンドは、F−DPCH 970が送信されるダウンリンク搬送波とは独立の、対応するダウンリンク搬送波(複数可)(図示されず)から測定された信号品質に基づいて導出することができる。この方式は、ダウンリンクチャネルに関するいくらかの追加の情報をネットワークに提供するという利点を有する。
【0080】
2つのアップリンク搬送波上のアップリンクチャネル925、927、945、947は、同じに振る舞わないことがあるので、チャネル品質が、一方の搬送波920上では別の搬送波940上でとは異なって変化することがあり得る。一方の搬送波920上ではチャネル品質が変化し、別の搬送波940上ではチャネル品質が変化しないことも可能である。一例では、一方のアップリンク搬送波920上ではチャネル品質が悪化し、他方のアップリンク搬送波940上ではチャネル品質が向上する。この場合、ノードBは、F−DPCH 975上のTPCビットの値を設定するための異なる選択肢を有する。ノードBは、搬送波920、940の一方の品質が閾値を下回る場合は常に、TPCビットを「up」に設定することができ、それ以外の場合は、「down」に設定することができる。この選択肢は、搬送波920、940の一方でアップリンクDPCCHの電力が高くなるという結果をもたらすことができ、ノードBにとってチャネル推定をより容易にする。あるいは、ノードBは、搬送波920、940の一方の品質が閾値を上回る場合は常に、TPCビットを「down」に設定することができ、それ以外の場合は、「up」に設定することができる。この選択肢は、搬送波920、940の一方でアップリンクDPCCH925、945の電力が閾値よりも低くなるという結果をもたらすことができ、そのため、ノードBは、他方の搬送波からの情報を使用して、この搬送波上での許容可能なチャネル推定を導出することができる。
【0081】
平均アップリンク干渉(ノイズ発生(noise rise))レベルが、両方のアップリンク搬送波920、940で同じではない場合、長期的にはアップリンク搬送波間でチャネル品質の著しい不一致が生じることがある。WTRUは、一方のアップリンク搬送波(例えば920)の送信電力に、他方のアップリンク搬送波(例えば940)と比べて、オフセットを適用することができる。このオフセットは、より高位の層のシグナリング(例えば、RRCシグナリング)などを介して、ネットワークによって伝達することができる。ネットワークは、両方のアップリンク搬送波920、940の平均信号品質が同じか、またはほぼ同じになるように、オフセットを設定することができる。
【0082】
ネットワークは、(データビットを含む)E−DPDCH 927、947のSIR(信号対干渉比(signal−to−interference ratio))が、両方のアップリンク搬送波920、940でほぼ同じになるように、2つのアップリンク搬送波920、940に対して、基準E−TFCI(E−DCHトランスポートフォーマットコンビネーションインデックス(E−DCH transport format combination index))と対応する利得係数の異なる組を定義することができる。例えば、アップリンク搬送波1 920のDPCCH SIRが、平均で−22dBであり、一方、アップリンク搬送波2 940のDPCCH SIRが、平均で−19dBである場合、(基準E−TFCIが同じならば)アップリンク搬送波2に対して基準利得係数を3dBだけ低く設定することで、両方のアップリンク搬送波920、940および与えられたE−TFCに対して、ほぼ同じE−DPDCH SIRがもたらされる(アップリンク搬送波2 940の基準利得係数は実際には、アップリンク搬送波1 920を下回るように、3dBよりもわずかに低く設定することができ、アップリンク搬送波2 940を用いたより良いチャネル推定が与えられる)。
【0083】
同期は、搬送波単位で定義することができる。WTRUは、両方の搬送波に別々に同期手順を適用することができる。WTRUには、搬送波上での同期ステータスに応じて、その搬送波上での送信を許可することができる。無線リンク障害は、両方の搬送波で同期が失われた場合に宣言することができる。
【0084】
図9を依然として参照すると、E−TFC制約および選択のための実施形態が、これ以降で説明される。WTRU送信は、最大許容送信電力によって制約を受けることがある。WTRUの最大許容送信電力は、伝達された設定値とWTRU設計制約によって許容される最大電力との小さい方とすることができる。WTRUの最大許容送信電力は、与えられたTTI(送信時間間隔)における両方のアップリンク搬送波920、940についての合計の最大電力として設定することができ、または搬送波固有とすることができる。後者の場合、同じ最大電力値が、各アップリンク搬送波920、940に割り当てられることがあり、または異なる最大電力値が、各アップリンク搬送波920、940に割り当てられることがある。これは、デバイスの特定の構成(例えば、WTRUの電力増幅器およびアンテナの数)に依存することがあり、ならびに/またはネットワーク制御および構成に依存することもある。合計の最大送信電力および搬送波毎の最大送信電力は、同時に設定することができる。
【0085】
WTRU挙動および動作は、両方のケースで(すなわち、1つの合計の最大送信電力か、それとも独立の搬送波毎の最大送信電力かで)、まったく異なることがある。したがって、WTRUは、ネットワークが、WTRUが両方のアップリンク搬送波920、940についての合計の最大電力を有するか、それとも各アップリンク搬送波920、940についての搬送波固有の最大電力を有するかを知って、動作をスケジュールし、WTRUによって報告されたアップリンクの電力ヘッドルーム(power headroom)を正しく解釈できるように、WTRUの電力能力(1つの合計の最大電力か、それとも搬送波毎に定義された最大電力か)をネットワークに通知することができる。電力要件が規格で規定されている場合、WTRUは、これらの能力を伝達する必要はない。
【0086】
図10には、2つのアップリンク搬送波を利用する場合の、E−TFC選択およびMAC−i PDU生成のためのプロセス1000の一例のフロー図が示されている。上で言及したように、搬送波を指すための特定の用語は、本明細書では交換可能に使用されるが、HSPA+タイプのシステムでは、2つの搬送波は、アンカー(すなわちプライマリ)搬送波および補助(すなわちセカンダリ)搬送波と呼ばれることがあり、図10を説明する際には、これらの用語が便宜的に使用されることを指摘しておく。WTRUは、次回のTTI中に送信される2つの(一般にはN個、Nは2以上の整数)新しい送信が存在するかどうかを判定する(ステップ502)。次回のTTI中に1つの新しい送信が存在する(例えば、1つの新しい送信と、先に失敗した送信の1つの再送が存在する)場合、WTRUは、E−TFC選択のためにアップリンク搬送波(新しい送信のための搬送波を)を選択し、新しい送信のためのE−TFC選択手順を実行するが、新しい送信のためにサポートされるE−TFCIは、再送によって使用される電力を減算した後に決定される(ステップ516)。送信される2つの新しい送信が存在する場合、WTRUは、WTRUが電力制限されているかどうか(すなわち、グラント(スケジュールされた、スケジュールされない)および制御チャネルが与えられた場合に各搬送波においてWTRUによって使用される合計電力の和が、任意選択的にバックオフ(backoff)も含む、WTRUによって許可された最大電力を超えているか)を判定する(ステップ504)。電力制限されていない場合、プロセス1000は、ステップ508に進む。電力制限されている場合、WTRUは、アップリンク搬送波の間で電力割り当てを実行する(ステップ506)。あるいは、WTRUは、電力制限されているかどうかをチェックすることなく、搬送波の間での電力割り当てのために、ステップ506に進むこともできる。電力割り当てが実行されると、WTRUは、一方の搬送波の後に他方の搬送波というように順番に、トランスポートブロックを満たす。
【0087】
WTRUは、優先度が最も高い送信されるデータを有するMAC−dフローを決定し、選択されたMAC−dフローのHARQプロファイル(HARQ profile)に基づいて、使用する多重化リスト(multiplexing list)および電力オフセットを決定する(ステップ508)。優先度が最も高いMAC−dフローを決定するとき、WTRUは、すべての搬送波について、すべてのMAC−dフローのうちで、利用可能なデータを有するように構成された優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。一代替実施形態では、WTRUは、E−TFC選択または優先度が最も高いMAC−dフローの選択が実行されるすべての搬送波について、与えられた搬送波上での送信を許可されたすべてのMAC−dフローのうちで、優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。WTRUは、複数のアップリンク搬送波のうちで最初にデータで満たすアップリンク搬送波を選択するために、アップリンク搬送波選択手順を実行する(ステップ510)。搬送波選択、MAC−dフロー決定のステップは、必ずしも説明された順序で実行されなくてよく、任意の順序で実行できることに留意されたい。WTRUは、E−TFCIを選択し、またはサポートされる最大ペイロード(すなわち、1組のサポートされるE−TFCI)、残余のスケジュールされたグラントペイロード、残余のスケジュールされないグラントペイロード、データ可用性、および論理チャネル優先度に基づいて、選択された搬送波上で送信できるビットの数を決定する(ステップ511)。
【0088】
WTRUは、選択されたE−TFCに基づいて、選択された搬送波を介するE−DCH送信のためのMAC−eまたはMAC−i PDUを生成する(ステップ512)。選択された搬送波のためにSI(スケジューリング情報(scheduling information))を送信する必要がある場合、WTRUは、他の任意のデータを含める前に、この搬送波上に最初にSIを含めることができる。WTRUが選択された搬送波上の利用可能なスペースを使い尽くした場合、またはTTI中での送信を許可されたバッファからデータがあふれた場合、WTRUは、利用可能な別のアップリンク搬送波が存在するかどうか、またデータがまだ利用可能であるかどうかを判定する(ステップ514)。否定的な判定の場合、プロセス1000は終了する。肯定的な判定の場合、プロセス1000は、次の搬送波のE−TFCIを選択するために、ステップ510に(または代替としてステップ508に)戻る。
【0089】
この時点で(ステップ508において)、WTRUは、任意選択的に、送信されるデータを有する優先度が最も高いMAC−dフローを再決定することができる。再選択された優先度が最も高いMAC−dフローは、先に選択された搬送波を満たす前に最初に決定されたMAC−dフローと異なってよい。最も高いMAC−dフローが新たに選択された場合、WTRUは、新たに選択されたMAC−dフローのHARQプロファイルに基づいて、電力オフセットを決定し、その後、新しい電力オフセットに従って、サポートされる最大ペイロード(または1組のサポートされるE−TFC)および残余のスケジュールされたグラントペイロードを決定することができる。あるいは、WTRUは、手順(例えばステップ508)の開始時に一度だけ、MAC−dフロー優先度を決定し、選択されたHARQプロファイルおよび多重化リストを両方の搬送波に適用することができる。これは、WTRUが、両方の搬送波についてのサポートされる最大ペイロード(またはサポートされるE−TFCおよび残余のスケジュールされたペイロード)を、並列して同時に、またはE−TFC選択シーケンスに従ってこれらの値が必要とされるときにのみ決定することを暗に示唆する。この場合、2番目に選択された搬送波のために、WTRUは、ステップ510に戻ることができる。プロセス1000は、3つ以上のアップリンク搬送波が利用される場合にも適用可能であることに留意されたい。
【0090】
電力割り当て、搬送波選択、ならびにE−TFC制約および選択の詳細が、以下で説明される。
【0091】
サポートされる最大ペイロードとは、任意のアップリンク搬送波のために利用可能な電力に基づいて送信できるビットの最大許容数のことである。これは、一例として、サポートされる最大E−TFCIとも呼ばれることがある。例えば、HSPAシステムでは、サポートされる最大ペイロード、または1組のサポートもしくはブロックされるE−TFCIは、E−TFC制約手順の一部として決定され、選択されたHARQオフセットに依存し得る。加えて、1組のサポートされるE−TFCIは、最小セットのE−TFCIにも依存し得る。E−TFC制約およびサポート/ブロックされるE−TFCIの決定のための実施形態が、以下で説明される。
【0092】
これ以降で言及される場合、MAC−dフローとは、論理チャネル、論理チャネルのグループ、データフロー、データストリーム、もしくはデータサービス、または任意のMACフロー、アプリケーションフローなどのことでもあり得る。本明細書で説明されるすべての概念は、他のデータフローにも等しく適用可能である。例えば、E−DCHのためのHSPAシステムでは、各MAC−dフローは、論理チャネルに関連付けられ(例えば、1対1マッピングが存在し)、それに関連付けられた1から8までの優先度を有する。
【0093】
一般に、アップリンク送信およびデータ送信のために使用されるスケジューリングメカニズムが存在する。スケジューリングメカニズムは、QoS(サービス品質)要件および/または送信されるデータストリームの優先度によって定義することができる。QoSおよび/またはデータストリームの優先度に応じて、データストリームのいくつかは、多重化されて、1つのTTI中に一緒に送信される許可を得ることができ、または得ることができない。一般に、データフローおよびストリームは、ベストエフォートか、それとも非リアルタイムサービスかでグループ化することができ、いくつかの厳格な遅延要件を有するビットレートサービスを保証される。QoS要件を満たすため、異なるスケジューリングメカニズムが使用され、あるメカニズムは本質的に動的であり、あるメカニズムはあまり動的ではない。
【0094】
一般に、LTEおよびHSUPA(高速アップリンクパケットアクセス(high speed uplink packet access))などのワイヤレスシステムは、要求−許可ベースで動作し、WTRUは、アップリンクフィードバックを介して、データを送信する許可を要求し、ノードB(eNB)スケジューラおよび/またはRNCは、いつ、いくつのWTRUがデータを送信する許可を得るかを決定する。これ以降、これは、スケジュールされたモード送信(scheduled mode transmission)と呼ばれる。例えば、HSPAシステムでは、送信の要求は、WTRU内にバッファされたデータの量を示す指示、およびWTRUの利用可能な電力余裕(すなわち、UPH(UE電力ヘッドルーム(UE power headroom)))を含む。スケジュールされた送信のために使用できる電力は、ノードBによって、絶対グラントおよび相対グラントを通して動的に制御される。
【0095】
VoIP(ボイスオーバIP(voice over IP))もしくはシグナリング無線ベアラ、または厳格な遅延要件を満たす必要がある他の任意のサービスなど、厳格な遅延要件および保証されたビットレートを有するいくつかのデータストリームの場合、ネットワークは、本質的にあまり動的ではない特別なスケジューリングメカニズムを介して、そのような送信のタイムリな配送を保証することができ、事前スケジュールされた期間およびリソースにおいて、最大で設定されたデータレートまで、WTRUが特定のフローからのデータを送信することを可能にすることができる。例えば、HSPAなどの、いくつかのシステムにおけるこれらのフローは、スケジュールされないフロー(non−scheduled flow)と呼ばれる。LTEなどの他のシステムでは、それらは、準永続的スケジューリングおよび準永続的フローと呼ばれることがある。本明細書で説明される実施形態は、スケジュールされたおよびスケジュールされないデータに関して説明されるが、それらは、類似のスケジューリング手順およびデータフロー間の区別を使用する他のシステムにも等しく適用可能であることを理解されたい。
【0096】
ある送信および可能な再送にリソースを割り当てるために制御チャネルが使用される動的スケジューリングは、リソース割り当てを最適化するための完全な柔軟性を与える。しかし、それは、制御チャネル容量を必要とする。制御チャネル制限問題を回避するため、LTEなどのシステムでは、SPS(準永続的スケジューリング(semi−persistent scheduling))を使用することができ、UMTSなどのシステムでは、スケジュールされない送信を使用することができる。動的スケジューリングまたは(例えば、物理チャネル制御シグナリングを介する)動的グラントベースのメカニズムを使用するフローは、スケジュールされた送信と呼ばれる。リソースのより準静的で定期的な割り当てを使用するデータストリームは、スケジュールされない送信と呼ばれる。
【0097】
例えば、HSPAでは、各MAC−dフローは、スケジュールされたまたはスケジュールされないモードの送信を使用するように構成され、WTRUは、スケジュールされたフローまたはスケジュールされないフローのためのデータレートを独立に調整する。各スケジュールされないフローの最大データレートは、より高位の層によって設定され、一般に、頻繁には変更されない。
【0098】
E−TFC選択手順では、WTRUは、スケジュールされないグラントを有する各MAC−dフローについての残余のスケジュールされないグラントペイロードも決定することができ、それは、与えられたMAC−dフローについて設定されたスケジュールされないグラントに従って送信を許可されたビットの数のことであり、それに対応する。
【0099】
上の手順における残余のスケジュールされたグラントペイロードとは、他方のチャネルに対する電力割り当ての後で、ネットワークにより割り当てられたリソースに従って送信できる最も高いペイロードのことである。例えば、ネットワークにより割り当てられたリソースとは、HSPAシステムの場合、対応する搬送波の、サービンググラントおよび選択された電力オフセットのことである。アップリンク搬送波についての残余のスケジュールされたグラントペイロードを計算するために使用されるサービンググラントの値は、アップリンク搬送波に割り当てられた実際のサービンググラントの値に基づくことができる。あるいは、プライマリ搬送波および/またはセカンダリ搬送波についての残余のスケジュールされたグラントペイロードは、電力割り当てが実行された後のスケーリングされたグラントまたは架空(fictitious)もしくは仮想(virtual)グラントに基づくことができるので、WTRUは、残余のスケジュールされたグラントペイロードを決定するために、「仮想」もしくは「架空」サービンググラントまたはスケーリングされたサービンググラントを使用することができる。3つの用語は、交換可能に使用することができ、各搬送波についてのスケジュールされた送信のための電力割り当てまたは電力分割のことを指す。グラントのスケーリングは、以下で電力割り当て方式の一部として説明される。あるいは、WTRUが両方のアップリンク搬送波のために1つのサービンググラントを共用する(すなわち、両方のアップリンク搬送波のために1つのサービンググラントが与えられる)場合、WTRUは、サービンググラントの半分を各アップリンク搬送波に対して使用することができる。あるいは、WTRUは、この計算を実行するときに、すべてのサービンググラントが一方のアップリンク搬送波に割り当てられると仮定することができる。
【0100】
スケジュールされないグラントは、搬送波固有とすることができる(例えば、設定されたスケジュールされないグラントの値は、スケジュールされない送信が許可された、ただ1つの搬送波のために割り当てられ、設定される)。スケジュールされない送信が構成/許可される搬送波は、事前に決定することができる(例えば、スケジュールされない送信は、プライマリ搬送波上でのみ、または代替としてセカンダリ搬送波上で許可することができる)。あるいは、そのような搬送波は、ネットワークによって動的に構成することができる。スケジュールされないグラントの値は、搬送波独立とすることができ、その場合、両方の搬送波に対して、合計数が決定される。
【0101】
データフローは、搬送波固有となるように構成することができる(例えば、ネットワークが、フローおよびこのフローを送信できる関連する搬送波を構成する)。データフローが搬送波固有である場合、WTRUは、各搬送波に対して独立に、E−TFC選択手順を実行することができる。ネットワークは、搬送波に属するHARQプロセスに基づいて、スケジュールされないグラントを提供することができ、またはTTIに適用可能なスケジュールされないグラントを提供することができ、WTRUは、搬送波を選択する。
【0102】
初期E−TFC選択のためにアップリンク搬送波を選択するための実施形態が、これ以降で開示される。以下で説明される搬送波選択のための実施形態は、単独で、または本明細書で開示される他の任意の実施形態と組み合わせて実行することができる。各アップリンク搬送波で送信されるビットの数、および各アップリンク搬送波で使用する電力などの選択に影響する手順はすべて、WTRUがどのアップリンク搬送波を最初に選択し、処理するかに依存する。
【0103】
一実施形態によれば、WTRUは、アンカー搬送波に優先権を与え、それを最初に処理することができる。これは、スケジュールされない送信がアンカー搬送波において許可される場合に望ましいことがある。あるいは、セカンダリ搬送波に優先権を与え、それを最初に選択することができる。
【0104】
あるいは、WTRUは、セル間干渉を最小化し、WTRUのバッテリ寿命を最大化し、および/またはビット送信当たり最も効率的なエネルギーを提供するように、優先度が最も高い搬送波を決定することができる。より具体的には、WTRUは、最大の計算された搬送波電力ヘッドルームを有するアップリンク搬送波を選択することができる。WTRUは、各搬送波についての現在の電力ヘッドルーム(例えば、UPH(UE電力ヘッドルーム))の測定に基づいて(UPHは、最大WTRU送信電力と対応するDPCCH符号電力の比を表す)、または最低のDPCCH電力(PDPCCH)を有する搬送波に等価的に変換される、E−TFC制約手順の結果(例えば、各搬送波についてのNRPM(正規化残余電力余裕(normalized remaining power margin))計算もしくは残余電力)に基づいて、この決定を行うことができる。例えば、アップリンク搬送波選択は、ビットの数に関して行うことができる(例えば、アンカー搬送波と補助搬送波のうちでより大きな「サポートされる最大ペイロード」を提供する搬送波に優先権を与えることができる)。サポートされる最大ペイロードは、WTRUの残余電力(例えば、NRPMまたは以下で開示される他の値)に基づいて決定されるペイロードである。
【0105】
あるいは、WTRUは、最も大きい利用可能なグラントをWTRUに提供するアップリンク搬送波に優先権を与えることができ、このことは、WTRUが、最も大量のデータを送信し、おそらくは最も少数のPDUを生成することを可能にし、したがって、効率を向上させ、オーバヘッドを低下させることを可能にする。WTRUは、アンカー搬送波のためのサービンググラント(SGa)と補助搬送波のためのサービンググラント(SGs)との大きい方の値に基づいて、搬送波を選択することができる。
【0106】
あるいは、WTRUは、アンカー搬送波と補助搬送波とのうちでより大きな「残余スケジュールされたグラントペイロード」を提供する搬送波に優先権を提供することができる。残余のスケジュールされたグラントペイロードは、ネットワークからのスケジューリンググラントに基づいて決定され、DCHおよびHS−DPCCHの処理の後に残った利用可能なペイロードである。
【0107】
あるいは、WTRUは、最大電力と最大グラントとの間で最適化を行うことができる。より具体的には、WTRUは、最も多数のビットが送信されることを可能にする搬送波を選択することができる。WTRUは、電力およびグラントの両方によって制限される、アンカー搬送波および補助搬送波についての送信できるビットの数(すなわち、アンカー搬送波についての「利用可能なペイロード」および補助搬送波についての「利用可能なペイロード」)を決定し、最も高い利用可能なペイロードを提供する搬送波を選択することができる。利用可能なペイロードは、残余のスケジュールされたグラントペイロードとサポートされる最大ペイロードとの小さい方として決定することができる。
【0108】
任意選択的に、利用可能なペイロードを計算するときに、多重化できる各MAC−dフロー(または利用可能なデータを有することができるすべてのスケジュールされないMAC−dフロー)についての「残余のスケジュールされたグラントペイロード」の和を考慮することもできる。より具体的には、利用可能なペイロードは、(残余のスケジュールされたグラントペイロード+SUM(許容されるすべてのスケジュールされないフローについての残余のスケジュールされないペイロード))とサポートされる最大ペイロードとの小さい方として決定することができる。スケジュールされないフローが一方の搬送波のみで(例えば、アンカー搬送波のみで)許可される場合、アンカー搬送波について利用可能なペイロードが考慮される。
【0109】
スケジュールされないグラントが搬送波毎に提供される場合、またはスケジュールされない送信が一方の搬送波において許可される場合、WTRUは、そのTTI中に送信される中で優先度が最も高いスケジュールされないMAC−dフローを含む搬送波、またはスケジュールされないMAC−dフローを許可する搬送波に優先権を与えることができる。例えば、スケジュールされない送信がプライマリ搬送波においてのみ許可され、与えられたHARQプロセスについて、WTRUがスケジュールされないデータを有するように構成され、データが利用可能である場合、WTRUは、プライマリ搬送波に優先権を与える(すなわち、最初にプライマリ搬送波を満たす)ことができる。与えられたTTIにおいて、優先度が最も高いMAC−dフローが、スケジュールされないフローに対応しないが、スケジュールされないフローが、選択された優先度が最も高いMAC−dフローと多重化されることを許可される場合、WTRUは依然として、スケジュールされない送信を許可する搬送波に優先権を与えることができる。したがって、現在のTTIにおいて、何らかのスケジュールされないフローが送信されることを許可され、スケジュールされないデータが利用可能である場合、WTRUは、スケジュールされないフローの送信を許可する搬送波を最初に満たすことができる。WTRUは、設定された論理チャネル優先度に従って、利用可能な電力および/またはグラントまで、選択された搬送波をスケジュールされないまたはスケジュールされたデータで満たす。その後、残りの搬送波について、データ、電力、およびグラントが利用可能である場合、残りの搬送波(複数可)が満たされる。
【0110】
あるいは、WTRUは、各搬送波におけるCPICH測定およびHARQ誤り率などの1つまたは組合せに基づいて、搬送波を選択する決定を行うことができる。
【0111】
独立の最大電力制限のためのE−TFC選択についての実施形態の例が、これ以降で説明される。WTRUは、特定のデバイス構成または設計に依存し得る、搬送波毎に異なる送信電力および最大許容電力を有することができる。これは、実装設計に依存し(例えば、WTRUは、2つの異なる電力増幅器および2つの異なるアンテナを備えるように設計することができる)、ならびに/またはネットワーク制御および構成に依存する。以下で説明されるように、WTRUが、搬送波の間で事前に電力を割り当てる場合、または並列して電力を割り当てる場合にも、それは適用可能である。これらの状況では、各搬送波によって使用できる最大電力または利用可能な電力は、搬送波毎に割り当てられた電力に対応する。実施形態は、電力が搬送波の間で共有されるが、搬送波を満たす前に、電力が搬送波の間で割り当てられる、またはスケーリングされる場合にも適用可能である。
【0112】
電力が事前に割り当てられるか、または電力の最大量が各搬送波において独立である場合、より高位の層の適切な動作を可能にするにはRLC PDUの配送順序が維持されなければならないという事実のために、MAC PDUは、順番に満たされなければならないことがある。加えて、WTRUは、バッファ制限されることがあり、そのような場合、一方の搬送波を介して送信するのに十分なデータを利用可能にすることができる。
【0113】
この状況では、WTRUは、上で説明された実施形態のうちの1つに基づいて、優先度が最も高い搬送波P1を最初に選択することができる。例えば、WTRUは、より大きな電力ヘッドルームを有する搬送波を、等価的により小さなDPCCH電力を有する搬送波を選択して、最初にデータで満たすことができ、またはプライマリ搬送波もしくはセカンダリ搬送波を最初に満たすことができる。これは、バッファ制限されたWTRUであっても、そのデータの大部分または優先度が最も高いデータを、最良のチャネル品質を有する搬送波を介して、またはスケジュールされない送信など、優先度が最も高いデータの送信を可能にする搬送波を介して送信することを可能にする。
【0114】
優先度が最も高いMAC−dフロー、関連するHARQプロファイル、および多重化リストに従って、その後、WTRUは、「サポートされる最大ペイロードp1」、「残余のスケジュールされたグラントペイロードp1」、および選択された搬送波P1において許可され、設定される場合は、残余のスケジュールされないグラントペイロードに応じて、搬送波p1のトランスポートブロック上の利用可能なスペースを満たす(すなわち、搬送波p1上で送信されるMAC−eまたはMAC−iを生成する)。先に言及したように、これは、許容される電力、許容されるスケジュールされたグラント、および許容される非サービンググラントにそれぞれ従って送信できるビットの数に対応する。この状況では、許容される電力および許容されるグラントは、各搬送波の電力および/もしくはグラントの、または設定された電力もしくはグラントのスケーリングされた値に対応することができる。これは、電力またはグラントが2つの搬送波の間で潜在的に分割される、または並列に割り当てられる場合に行うことができる。SIが送信される必要がある場合、WTRUは、搬送波p1においてSIを送信することができ、またはその代わりに、SIを送信するように構成された搬送波においてSIを送信することができる。
【0115】
WTRUは、搬送波p1上の利用可能なスペースを使い尽くすと、その後、次の搬送波を満たす。この時点で、WTRUは、送信されるデータを有し、処理される搬送波において許可された中で、優先度が最も高いMAC−dフローを再決定することができる。この時点で、優先度が最も高いMAC−dフローは、搬送波p1が満たされる前に、最初に決定されたMAC−dフローと異なってよい。
【0116】
優先度が最も高いMAC−dフローを決定する場合、WTRUは、すべての搬送波について、すべてのMAC−dフローの中で、利用可能なデータを有するように構成された優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。一代替実施形態では、WTRUは、E−TFC選択または優先度が最も高いMAC−dフロー選択が実行されるすべての搬送波について、与えられた搬送波上での送信を許可されたすべてのMAC−dフローの中で、優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。
【0117】
優先度が最も高いMAC−dフローを決定するときに、E−TFC選択が実行される搬送波が、あるタイプのMAC−dフローを許容しない場合、WTRUは、与えられた搬送波上での送信を許可されないMAC−dフローについて検討することができない。例えば、WTRUが第2の搬送波についてE−TFC選択を実行する場合、WTRUは、優先度が最も高いMAC−dフローの選択においてスケジュールされないMAC−dフローを含めないことがある。そのため、スケジュールされないMAC−dフローが利用可能なデータを有し、設定された最も高いMAC−d優先度を有する場合、WTRUは、このMAC−dフローを優先度が最も高いMAC−dフローとして使用することができず、その搬送波のためのTTIの間、HARQプロファイル、電力オフセットおよびHARQ再送、ならびに多重化リストを使用することができない。具体的な例として、HSPAデュアルキャリアULの場合、第2の搬送波を処理する場合、WTRUは、すべてのスケジュールされたMAC−dフローの中で優先度が最も高いMAC−dフローを決定することができる。
【0118】
最も高いMAC−dフローが決定されると、WTRUは、新しい搬送波のために使用される選択されたMAC−dフローのHARQプロファイルに基づいて、このTTIにおいて多重化できる新たに割り当てられたMAC−dフロー、および電力オフセットを決定する。その後、WTRUは、新しい電力オフセットに従って、サポートされる最大ペイロードおよび残余のスケジュールされたグラントペイロードを決定することができ、利用可能なデータがあれば、搬送波をしかるべく満たすことができる。
【0119】
あるいは、WTRUは、E−TFC選択手順の開始時に、または搬送波を満たす前に、両方の搬送波について、サポートされる最大ペイロードおよび残余のスケジュールされたペイロードを決定することができ、これは、WTRUが、その最初に選択された最も高いMAC−dフローからのデータが両方の搬送波上で送信されるかどうかに関係なく、両方の搬送波に対して同じ電力オフセットを使用できることを暗に示唆する。この場合、多重化リストは、両方の搬送波で同じままであり、それらの論理チャネルから十分なデータが利用可能でない場合に、制限ファクタとすることができるが、WTRUは、他の論理チャネルの送信のために利用可能なより多くの電力およびグラントを有する。
【0120】
(上述のように決定し、順番に満たすことができる)搬送波p1がデータで満たされると、WTRUは、直ちに他方の搬送波に移り、それをデータで満たし続ける。
【0121】
あるいは、搬送波は、並列して満たすことができ、これは、許容されるすべての論理チャネルからのデータが2つの搬送波の間で分割されることを暗に示唆する。順番が乱れた配送を回避するため、データまたはRLCバッファを分割しなければならない。例えば、SN0からSN9を有する10個のRLC PDUが利用可能である場合、RLC PDUの0から4は、搬送波1に送られ、5から9は、搬送波2に送られる。その後、スペースがまだ残っている場合、WTRUは、次の論理チャネルに移り、バッファが、再び同様に分割される。
【0122】
あるいは、E−TFCおよび搬送波フィリングは、並列に実行することができるが、各搬送波は、異なる論理チャネルからデータを取得する。これは、WTRUが、優先度が最も高い2つのMAC−dフローを選択し、各々についてのHARQプロファイルおよび各々についての多重化リストを決定し、それらを2つの個々の搬送波にマッピングすることを暗に示唆する。これは、順番が乱れたRLC配送を引き起こすおそれなしに、WTRUが、並列してフィリングを行い、E−TFCを実行することを可能にする。しかし、これは、最も高い論理チャネルからのデータがまだ利用可能であるのに、搬送波が満杯であるため、WTRUがそのようなデータをもはや送信できない状況を生じさせることがある。
【0123】
別の実施形態では、データフローは、搬送波固有とすることができる。この場合、WTRUは、各搬送波について独立にE−TFC選択手順を実行することができる。
【0124】
合計の結合された最大電力限界に関するE−TFC選択についての実施形態の例が、これ以降で説明される。この実施形態の態様のいくつかは、2つの搬送波の間で電力が並列に割り当てられるか、または何らかの形態の動的電力割り当てが実行される場合、上で説明されたように適用可能とすることもできる。
【0125】
順次的な手法では、WTRU最大電力が両方の搬送波の間で共有される場合、WTRUは、上で説明された実施形態のうちの1つを使用して、優先度が最も高い搬送波(P1)を最初に選択することができる。E−TFC制約および選択は、依然として順次的に実行することができ、利用可能な電力および使用されるグラントは、割り当てられたまたはスケーリングされた電力またはグラントに等しい。
【0126】
優先度が最も高い搬送波を選択すると、WTRUは、E−TFC選択および制約手順を実行し、優先度が最も高いMAC−dフローが選択され、電力オフセット、サポートされる最大ペイロードp1が決定され、搬送波P1のサービンググラントに従って、利用可能なスケジュールされたペイロードが選択され、利用可能なスケジュールされないペイロードが選択される。SIを送信する必要がある場合、SIは、最初に選択された搬送波とともに処理することができ、またはその代わりに、SIを送信することが許可された搬送波上で処理することができる。この場合、WTRUは、上で説明されたような順次的なE−TFC制約手順を実行することができ、WTRUは、すべての電力が搬送波P1によって使用するために利用可能であることを仮定し、セカンダリ搬送波上ではデータが送信されないことを仮定する。WTRUは、E−TFC選択に従って、この搬送波上で送信されるMAC−eまたはMAC−i PDUを生成する。あるいは、SIが一方の搬送波のみ(すなわち、アンカー搬送波のみ)において送信される場合、SIが送信される搬送波に対してE−TFCを実行するとき、E−TFC選択は、それを考慮する。
【0127】
選択された搬送波についてのサポートされる最大ペイロード(すなわち、E−TFC制約)は、例えば、NRPM計算に従って決定することができる。搬送波xにおいてWTRUが再送を有する場合、搬送波xに対して、E−TFC選択は実行されない。WTRUは、E−TFC選択を実行し、残りの搬送波である搬送波yについてのMAC−iまたはMAC−e PDUを生成する。
【0128】
その後、WTRUは、残りの搬送波についてMAC−eまたはMAC−i PDUを生成しなければならない。この時点で、WTRUは、選択されたMAC−dフローのHARQプロファイルおよびMAC−dフローの多重化リストに基づいて、送信されるデータを有する優先度が最も高いMAC−dフロー、および電力オフセットを再決定(または搬送波x上で再送が進行中である場合は初めて決定)することができる。あるいは、WTRUは、手順において最初に決定されたのと同じ電力オフセットを使用する。
【0129】
その後、WTRUは、この第2の搬送波に対してE−TFC制約手順を実行する。WTRUは、最初の搬送波で使用される電力を考慮することができ、サポートされる最大ペイロードを計算するとき、または1組のサポートされるE−TFCIを決定するとき、残余の利用可能な電力が使用される。あるいは、WTRUは、2つの新しい送信が行われるとき、または他方の搬送波におけるHARQ再送のために1つの新しい送信が行われるとき、第2の搬送波(すなわち、2番目に選択された搬送波)に対してE−TFC制約を実行する前に、「バックオフ電力」(すなわち、WTRUが同じTTIにおいて2つの搬送波上で送信を行うときに経験される特定の電力損失)を減算することができる
本明細書で説明されるこれらの実施形態では、WTRUは、データを送信する必要がないと決定された場合、DPCCHを送信しないように構成することができる。WTRUは、最大電力が搬送波毎に割り当てられるときに、十分な電力を有さない場合、第2の搬送波上でいかなるデータも送信しないように構成することもできる。例えば、搬送波の一方が十分な電力を有さない場合、WTRUは、最小セットのE−TFCIを使用する代わりに、一方の搬送波(最も大きなUPHまたは最も大きなNRPMを有する搬送波)を使用して、送信を行うことができ、またはその代わりに、WTRUは、両方が十分な電力を有さない場合、搬送波の一方において送信を行うことができない。WTRUは、搬送波の一方において最小セットを使用することができ、第2の搬送波上では送信を行うことができない。
【0130】
その後、決定されたサポートされる最大ペイロード、(この搬送波のサービンググラントに従う)利用可能なスケジュールされたペイロード、および妥当な場合は、利用可能なスケジュールされないペイロードに従って、MAC−iまたはMAC−e PDUが満たされる。
【0131】
別の実施形態では、WTRUは、各搬送波における(すべてのULチャネル、すなわち、DPCCH、E−DPCCH、HS−DPCCH、E−DPDCH上での)送信電力が同じになるか、または2つの間の差が事前設定された最大値よりも小さくなるような方法で、各搬送波においてE−TFCを選択することができる。これは、例えば、各搬送波におけるDPCCHおよび他のチャネルの送信電力が与えられた場合に、与えられた送信電力レベルに対して、どのE−TFCが各搬送波上で送信できるかを計算することによって、達成することができる。例えば、DPCCH電力レベルが、例えば、搬送波1および2においてそれぞれ7dBmおよび10dBmであり、HS−DPCCHおよびE−DPCCHの電力レベルが各々、DPCCHの電力レベルよりも−3dB下回ると仮定すると、各搬送波における送信電力レベルが18dBmである場合、各搬送波における電力ヘッドルームは、それぞれ8dBおよび5dBであり、対応するE−TFCサイズは、600ビットおよび300ビットとすることができる。したがって、WTRUは、搬送波1では600ビットのE−TFCを、搬送波2では300ビットのE−TFCを選択することによって、両方の搬送波上で(18dBmの)等しい電力を用いて送信を行うことができる。
【0132】
この原理は、異なるケースにも適用することができる。WTRU送信が最大UL電力によって制限される場合、WTRUは、最大UL電力を2つの搬送波の間で等しく分割し(したがって、各搬送波で利用可能なUL電力は最大を3dB下回る)、上で開示された方法を使用して、各搬送波においてサポートされる最大E−TFCを決定することによって、各搬送波においてE−TFCを選択することができる。WTRU送信がWTRUバッファ内のデータ量によって制限される場合、WTRUは、各搬送波上で結果のE−TFCを用いて送信できるデータの量がバッファ内のデータの量と一致するように、両方の搬送波の送信電力レベルを求めることができる。
【0133】
別の実施形態では、WTRUは、各搬送波上で被る干渉負荷が同じか、ほぼ同じになるような方法で、各搬送波におけるE−TFCを選択することができる。搬送波上で被る干渉負荷は、例えば、スケジューリングのために使用される電力比に対応する、E−DPDCH電力とDPCCH電力の電力比として推定することができる。したがって、両方の搬送波においてスケジューリンググラントおよび電力ヘッドルームが十分である場合、WTRUは、グラントに基づいてWTRUバッファから何バイトを送信できるかを決定することによって、またこのバイト数を2で除算し、適切なMACヘッダを適用することで、各搬送波において必要とされるE−TFCサイズを決定することによって、各搬送波においてE−TFCを選択する。
【0134】
この方法は、基準電力比と基準E−TFCの間のマッピングが搬送波の間で同じであるならば、またすべてのデータが同じHARQオフセットを有する論理チャネルに属するならば、各搬送波において等しい電力比をもたらす。データが、必ずしもすべてが同じHARQオフセットを有さない論理チャネルに属する場合、WTRUは、バイトのどの共有が、両方のE−TFCについて同じ電力比をもたらすかを見出さなければならない。
【0135】
デュアルキャリア電力バックオフ、およびマルチキャリア動作のための最大電力制約についての実施形態が、これ以降で開示される。WTRU電力増幅器設計および電力消費を軽減するため、WTRUは一般に、一定のMPR(最大電力低減)を許容される。この電力低減余裕は、電力増幅器の非線形性によって意図しない隣接搬送波干渉を引き起こすことを回避するため、WTRU実施が、最大送信電力を低減すること(これは電力バックオフとも呼ばれる)を可能にする。
【0136】
一実施形態によれば、電力バックオフは、1つではなく2つのアップリンク搬送波上で送信を行う場合に、適用することができる。WTRUは、本明細書で説明される実施形態のいずれかに従って、両方の搬送波上で送信されるデータの量を決定し、データが2つの搬送波上で送信される場合、電力バックオフ(すなわち、合計の送信電力または搬送波毎の送信電力の低減)を適用することができる。その場合、電力バックオフの適用は、各搬送波におけるより小さなE−TFCIの使用をもたらす。WTRUは、より多くのデータを送信できるようにするのに、電力バックオフを用いずに単一の搬送波を使用するか、それとも電力バックオフを用いて2つの搬送波を使用するかを決定することができ、最も多い合計ビット数の送信を可能にする選択肢を選択することができる。
【0137】
SI(スケジューリング情報)は、それが各搬送波についてのUL電力ヘッドルーム測定を個別に提供するように、変更することができる。より具体的には、SIのフォーマットは、図11に示されるように、補助搬送波のためのUPHを含むように拡張することができ、UPH1およびUPH2は、最大WTRU送信電力と対応するアンカーDPCCH符号電力の比、および最大WTRU送信電力と対応する補助DPCCH符号電力の比にそれぞれ対応する。
【0138】
あるいは、WTRUは、1つのUPH測定を報告することができ、ノードBは、搬送波間のノイズ発生差に基づいて、他方の搬送波のUPHを推測することができる。
【0139】
あるいは、単一のUPHを以下のように計算し、報告することができ、
【0140】
【数1】
【0141】
ここで、Pmax,txは、WTRUによって送信できる合計の最大出力電力であり、PDPCCH1およびPDPCCH2は、それぞれ搬送波1および搬送波2のDPCCH上での送信符号電力を表す。搬送波毎の最大送信電力が設定される場合、Pmax,txは、搬送波毎の最大送信電力の和を表す。
【0142】
あるいは、スケジューリング情報フォーマットは、変更されないままであるが、WTRUは、各搬送波において個別にSIを報告することができる。例えば、SIがアンカー搬送波上で送信される場合、SIは、アンカー搬送波のUPHを報告し、SIが補助搬送波上で送信される場合、SIは、補助搬送波のUPHを報告する。
【0143】
(実施形態)
1.複数のアップリンク搬送波および複数のダウンリンク搬送波を使用するワイヤレス通信のための方法。
【0144】
2.WTRUが、ダウンリンク搬送波のうちの少なくとも1つを介して、制御情報を受信するステップを含む実施形態1に記載の方法。
【0145】
3.WTRUが、複数のアップリンク搬送波を介して、データまたは制御情報のうちの少なくとも一方を送信するステップを含む実施形態2に記載の方法。
【0146】
4.WTRUは、プライマリアップリンク搬送波を介して、第1のデータチャネル、第1のパイロットチャネル、および両方のアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第1の制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、第2のデータチャネルおよび第2のパイロットチャネルを送信する、実施形態2〜3のいずれかに記載の方法。
【0147】
5.WTRUは、プライマリアップリンク搬送波を介して、第1のデータチャネル、第1のパイロットチャネル、およびプライマリアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第1の制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、第2のデータチャネル、第2のパイロットチャネル、およびセカンダリアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第2の制御チャネルを送信する、実施形態2〜3のいずれかに記載の方法。
【0148】
6.WTRUは、プライマリ搬送波を介して、ダウンリンク送信に関連するアップリンクフィードバック情報を提供するための第3の制御チャネルを送信する、実施形態5に記載の方法。
【0149】
7.第3の制御チャネルは、複数のダウンリンク搬送波に関するフィードバックを搬送する、実施形態6に記載の方法。
【0150】
8.第1のデータチャネルおよび第2のデータチャネルは、E−DPDCHを含み、第1のパイロットチャネルおよび第2のパイロットチャネルは、DPCCHを含み、第1の制御チャネルおよび第2の制御チャネルは、E−DPCCHを含む、実施形態4〜7のいずれかに記載の方法。
【0151】
9.第3の制御チャネルは、HS−DPCCHを含む、実施形態6〜8のいずれかに記載の方法。
【0152】
10.WTRUは、アップリンク搬送波毎に独立のアクティブセットを維持し、アクティブセットは、アップリンクにおいてWTRUがそれを介して通信を行う1組の無線リンクを含む、実施形態2〜9のいずれかに記載の方法。
【0153】
11.WTRUが、ダウンリンク搬送波上で受信した制御情報を、WTRUがその制御情報を受信したダウンリンク搬送波に関連付けられたアップリンク搬送波上でのアップリンク送信に適用するように、各アップリンク搬送波は、少なくとも1つの特定のダウンリンク搬送波に関連付けられる、実施形態3〜10のいずれかに記載の方法。
【0154】
12.少なくとも1つのE−RNTIは、アップリンク搬送波毎に設定され、WTRUは、受信した絶対グラントを、関連するアップリンク搬送波上でのE−DCH送信に適用する、実施形態3〜11のいずれかに記載の方法。
【0155】
13.少なくとも1つのE−AGCHは、各アップリンク搬送波に関連付けられ、WTRUは、受信した絶対グラントを、絶対グラントが受信されたE−AGCHと関連付けられたアップリンク搬送波上でのE−DCH送信に適用する、実施形態3〜12のいずれかに記載の方法。
【0156】
14.E−RGCHとE−HICHの1組は、各アップリンク搬送波に関連付けられ、WTRUは、受信した相対グラントおよびHARQフィードバックを、関連付けられたアップリンク搬送波上でのE−DCH送信に適用する、実施形態3〜13のいずれかに記載の方法。
【0157】
15.WTRUが、各TPCコマンドが特定のアップリンク搬送波に対する送信電力制御用であることが意図された、複数のTPCコマンドを受信するステップをさらに含む実施形態3〜14のいずれかに記載の方法。
【0158】
16.WTRUが、対応するTPCコマンドに基づいて、アップリンク搬送波における送信電力を調整するステップを含む実施形態15に記載の方法。
【0159】
17.アップリンク搬送波のためのTPCコマンドは、そのアップリンク搬送波に関連付けられたダウンリンク搬送波を介して受信される、実施形態15〜16のいずれかに記載の方法。
【0160】
18.WTRUが、独立のTPCコマンドを、アップリンク搬送波の各々のアップリンクDPCCH上で送信するステップであって、TPCコマンドは、対応するダウンリンク搬送波から独立に測定された信号品質に基づいて導出される、ステップをさらに含む実施形態15〜17のいずれかに記載の方法。
【0161】
19.複数のアップリンク搬送波および複数のダウンリンク搬送波を使用するワイヤレス送信のためのWTRU。
【0162】
20.複数のアップリンク搬送波を介して送信するように構成された送信機を備える実施形態19に記載のWTRU。
【0163】
21.複数のダウンリンク搬送波を介して受信するように構成された受信機を備える実施形態19〜20のいずれかに記載のWTRU。
【0164】
22.ダウンリンク搬送波のうちの少なくとも1つを介して制御情報を受信し、複数のアップリンク搬送波を介してデータまたは制御情報のうちの少なくとも一方を送信するように構成されたプロセッサを備える実施形態21に記載のWTRU。
【0165】
23.プロセッサは、プライマリアップリンク搬送波を介して、第1のデータチャネル、第1のパイロットチャネル、および両方のアップリンク搬送波上でのアップリンク送信のための第1の制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、第2のデータチャネルおよび第2のパイロットチャネルを送信するように構成される、実施形態22に記載のWTRU。
【0166】
24.プロセッサは、プライマリアップリンク搬送波を介して、第1のデータチャネル、第1のパイロットチャネル、およびプライマリアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第1の制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、第2のデータチャネル、第2のパイロットチャネル、およびセカンダリアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第2の制御チャネルを送信するように構成される、実施形態22〜23のいずれかに記載のWTRU。
【0167】
25.プロセッサは、プライマリ搬送波を介して、ダウンリンク送信に関連するアップリンクフィードバック情報を提供するための第3の制御チャネルを送信するように構成される、実施形態23〜24のいずれかに記載のWTRU。
【0168】
26.第3の制御チャネルは、複数のダウンリンク搬送波に関するフィードバックを搬送する、実施形態25に記載のWTRU。
【0169】
27.第1のデータチャネルおよび第2のデータチャネルは、E−DPDCHを含み、第1のパイロットチャネルおよび第2のパイロットチャネルは、DPCCHを含み、第1の制御チャネルおよび第2の制御チャネルは、E−DPCCHを含む、実施形態23〜26のいずれかに記載のWTRU。
【0170】
28.第3の制御チャネルは、HS−DPCCHを含む、実施形態25に記載のWTRU。
【0171】
29.プロセッサは、アップリンク搬送波毎に独立のアクティブセットを維持するように構成され、アクティブセットは、アップリンクにおいてWTRUがそれを介して通信を行う1組の無線リンクを含む、実施形態20〜28のいずれかに記載のWTRU。
【0172】
30.各アップリンク搬送波は、少なくとも1つの特定のダウンリンク搬送波に関連付けられ、プロセッサは、ダウンリンク搬送波上で受信した制御情報を、プロセッサがその制御情報を受信したダウンリンク搬送波に関連付けられたアップリンク搬送波上でのアップリンク送信に適用するように構成される、実施形態22〜29のいずれかに記載のWTRU。
【0173】
31.少なくとも1つのE−RNTIは、アップリンク搬送波毎に設定され、プロセッサは、受信した絶対グラントを、関連するアップリンク搬送波上でのE−DCH送信に適用するように構成される、実施形態22〜30のいずれかに記載のWTRU。
【0174】
32.少なくとも1つのE−AGCHは、各アップリンク搬送波に関連付けられ、プロセッサは、受信した絶対グラントを、絶対グラントが受信されたE−AGCHと関連付けられたアップリンク搬送波上でのE−DCH送信に適用するように構成される、実施形態22〜31のいずれかに記載のWTRU。
【0175】
33.E−RGCHとE−HICHの1組は、各アップリンク搬送波に関連付けられ、プロセッサは、受信した相対グラントおよびHARQフィードバックを、関連付けられたアップリンク搬送波上でのE−DCH送信に適用するように構成される、実施形態22〜32のいずれかに記載のWTRU。
【0176】
34.プロセッサは、各TPCコマンドが特定のアップリンク搬送波に対する送信電力制御用であることが意図された、複数のTPCコマンドを受信し、対応するTPCコマンドに基づいて、アップリンク搬送波における送信電力を調整するように構成される、実施形態22〜33のいずれかに記載のWTRU。
【0177】
35.アップリンク搬送波のためのTPCコマンドは、そのアップリンク搬送波に関連付けられたダウンリンク搬送波を介して受信される、実施形態34に記載のWTRU。
【0178】
36.プロセッサは、対応するダウンリンク搬送波から独立に測定された信号品質に基づいて導出される独立のTPCコマンドを、アップリンク搬送波の各々のアップリンクDPCCH上で送信するように構成される、実施形態22〜35のいずれかに記載のWTRU。
【0179】
上では機能および要素が特定の組合せで説明されたが、各機能または要素は、他の機能および要素を伴わずに単独で、または他の機能および要素を伴ってもしくは伴わずに様々な組合せで使用することができる。本明細書で提供された方法およびフローチャートは、汎用コンピュータまたはプロセッサによって実行するための、コンピュータ可読記憶媒体内に含まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアで実施することができる。コンピュータ可読記憶媒体の例は、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよび着脱可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびDVD(デジタル多用途ディスク)などの光媒体を含む。
【0180】
適切なプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、DSP(デジタル信号プロセッサ)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)回路、他の任意のタイプのIC(集積回路)、および/または状態機械を含む。
【0181】
ソフトウェアと連携するプロセッサは、WTRU(ワイヤレス送受信ユニット)、UE(ユーザ機器)、端末、基地局、RNC(無線ネットワークコントローラ)、または任意のホストコンピュータで使用するための、無線周波数トランシーバを実施するために使用することができる。WTRUは、カメラ、ビデオカメラモジュール、テレビ電話、スピーカフォン、バイブレーションデバイス、スピーカ、マイクロフォン、テレビトランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、FM(周波数変調)ラジオユニット、LCD(液晶表示)ディスプレイユニット、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレイユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意のWLAN(ワイヤレスローカルエリアネットワーク)もしくはUWB(超広帯域)モジュールなど、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施されるモジュールと併せて使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアップリンク搬送波および複数のダウンリンク搬送波を使用するワイヤレス通信のための方法であって、
WTRU(ワイヤレス送受信ユニット)が、前記ダウンリンク搬送波のうちの少なくとも1つを介して、制御情報を受信するステップと、
前記WTRUが、複数のアップリンク搬送波を介してデータおよび制御情報を送信するステップであって、前記WTRUは、プライマリアップリンク搬送波のみを介して、HS−DPCCH(高速個別物理制御チャネル)を送信する、ステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記WTRUは、さらに前記プライマリアップリンク搬送波を介して、第1のデータチャネル、第1のパイロットチャネル、および第1の制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、第2のデータチャネルおよび第2のパイロットチャネルを送信し、前記第1の制御チャネルは、前記プライマリアップリンク搬送波および前記セカンダリアップリンク搬送波の両方上で送信されるアップリンク送信のための制御チャネルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記WTRUは、さらに前記プライマリアップリンク搬送波を介して、第1のデータチャネル、第1のパイロットチャネル、および前記プライマリアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第1の制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、第2のデータチャネル、第2のパイロットチャネル、および前記セカンダリアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第2の制御チャネルを送信することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項1】
複数のアップリンク搬送波および複数のダウンリンク搬送波を使用するワイヤレス通信のための方法であって、
WTRU(ワイヤレス送受信ユニット)が、前記ダウンリンク搬送波のうちの少なくとも1つを介して、制御情報を受信するステップと、
前記WTRUが、複数のアップリンク搬送波を介してデータおよび制御情報を送信するステップであって、前記WTRUは、プライマリアップリンク搬送波のみを介して、HS−DPCCH(高速個別物理制御チャネル)を送信する、ステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記WTRUは、さらに前記プライマリアップリンク搬送波を介して、第1のデータチャネル、第1のパイロットチャネル、および第1の制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、第2のデータチャネルおよび第2のパイロットチャネルを送信し、前記第1の制御チャネルは、前記プライマリアップリンク搬送波および前記セカンダリアップリンク搬送波の両方上で送信されるアップリンク送信のための制御チャネルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記WTRUは、さらに前記プライマリアップリンク搬送波を介して、第1のデータチャネル、第1のパイロットチャネル、および前記プライマリアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第1の制御チャネルを送信し、セカンダリアップリンク搬送波を介して、第2のデータチャネル、第2のパイロットチャネル、および前記セカンダリアップリンク搬送波上で送信されるアップリンク送信のための第2の制御チャネルを送信することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−81239(P2013−81239A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−273566(P2012−273566)
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2011−534835(P2011−534835)の分割
【原出願日】平成21年10月31日(2009.10.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.LTE
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2011−534835(P2011−534835)の分割
【原出願日】平成21年10月31日(2009.10.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.LTE
【出願人】(510030995)インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド (229)
【Fターム(参考)】
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