説明

複数のディンプル型及び/又は種々の硬度の複数層を含むゴルフボール。

【課題】 ボールの飛行、感触、及び性能に影響を及ぼす、ゴルフボール選択肢をさらに加えることによって、ゴルフボール従来技術を改良すること。
【解決手段】 ゴルフボールは、第1極、第2極、及び、第1極と第2極の間の配置されるシームを含んでもよい。ボールの表面に、ディンプルが、ボールの各極の周囲に、複数の、反復するセクターを含むパターンとして形成される。ボールの一方の半分のセクターは、ボールの他方の半分のセクターとは、シームを境にして回転方向にずらされる。さらに、各個別セクターは、それを境界にして、該セクターの一半分のディンプルパターンが、他方の半分と鏡像を形成する対称ラインを含む。さらに、種々の異なるディンプル型が、ゴルフボール表面に、例えば、上述のセクター内に配置されてもよい。本発明のさらに別の局面は、マルチピースゴルフボールの種々層の特色、及び、上述の特色の少なくともいくつかを有するゴルフボールの製造法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、複数の異なるタイプのディンプル、及び/又は、異なる材料及び/又は硬度から成る複数層を含むゴルフボールに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフは、広範なプレイヤー−男女のプレイヤー、驚くほど広い年齢層とスキルレベルのプレイヤーによって楽しまれている。ゴルフは、このように多種多様なプレイヤー集団が、ゴルフイベントにおいて、場合によっては互いに直接競い合って(例えば、ハンディキャップスコアや、異なるティーボックスを用いることによって、チーム方式でなど)一緒にプレイすることができ、しかも、ゴルフの野外活動又は競技を楽しむことができるという点で、スポーツ界にあってやや異色である。これらの要因は、少なくとも一部は、テレビにおけるゴルフ放映(例えば、ゴルフトーナメント、ゴルフニュース、ゴルフの歴史、及び/又は他のゴルフ番組放映)の機会の増加、及び、著明なゴルフスーパースターの人気上昇と相俟って、近年、米国においても世界のいたる所でも、ゴルフの人気度を高めている。
【0003】
ゴルフゲームでは、ゴルフボールは、色々なやり方で推進される(例えば、長距離又は最大距離の移動のため;比較的短い、調節距離の移動のため;チッピング又はピッチングのため;又はパッティングのためなど)が、ボールの、異なる様々な物理的特性又は特徴は、ボールの所望の機能の実行をより高めるように支援する。残念ながら、ボールの所望の機能の多くは、互いに相反する物理的特性又は特徴を要求する。例えば、ある種の硬度及びスピン特徴は、ゴルフボールが、例えば、ドライバーによって高いスウィングスピードで打たれると、長距離の飛行を可能とする点で有用である。しかしながら、この同じ硬度及びスピン特徴は、より繊細なショットのためにはそれほど望ましくない、例えば、より正確な距離コントロール、及び、接地時におけるボール反応の一貫性が望まれる、グリーンに比較的近い場所でのアイアンショット、ピッチショット、及びチップショットのためには好ましくない。
【0004】
別の例として、個人的な「感触」、又は、ボール使用時の相性は、プレイヤーとって重要である場合がある。種々の硬度及び/又は種々の材料から製造されるボールは、様々なクラブで打たれると、異なる反応を呈する場合がある(例えば、異なる硬さ「感触」を生じたり、異なる音を発したり、など)。ドライバーによって長距離又は最大距離の移動をするように形成されるボールは、少なくともあるプレイヤーの好みとしては、硬すぎる感触を与え、及び/又は、不快な音を発する場合がある。より多くのスピンを誘発する、より軟らかいボールも、あるプレイヤーの好みとしては不快な音を発する場合があり(例えば、それは、クラブによって打たれると、比較的「ぐしゃり」タイプの音を発する可能性がある)、比較的長いショットでは所望の距離移動しない場合がある。したがって、ボールの選択は、プレイヤーに対し、彼らの技能と、「感触」要求及び願望の間のバランスを取ることを要求する。ボール構築及び感触特徴は、明らかに、「一つのサイズで全てに間に合う」という標語に合致しない。
【0005】
ゴルフボールのディンプルパターンもまた「一つのサイズで全てに間に合う」という標語に一致しない。例えば、スウィングスピードが比較的低いプレイヤーでは、ディンプルパターンは、ボールがドライバーで打たれたとき、該ボールのより高い上昇を助ける必要がある場合がある。なぜなら、それによって、このプレイヤーは、より長いドライバー距離を実現できるようなるからである。しかしながら、この同じディンプルパターンが、高いスウィングスピードを持つプレイヤーによって使用されると、その初期飛行中、ボールの「舞い上がり(balloon)」を誘発し、結果としてドライバーからの距離の低下をもたらす場合がある。一方、ボールの飛行軌道の調節に有用であり、比較的速いスウィングスピードにおいて最適距離(例えば、ドライバーからの)を実現するディンプルパターンでは、ボールは、ドライバーによって比較的低いスウィングスピードで打たれると、その飛距離は比較的短くなる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、ゴルフボールに対し技術的改善がなされているけれども、ボールの飛行、ボールの感触、及びボールの性能に影響を及ぼす、ゴルフボール選択肢がさらに付け加えられることになれば、それは、当該技術分野において歓迎すべきことであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
下記は、本発明の基本的理解を与えるための、本発明の種々の局面に関する一般的概要である。この概要は、本発明の網羅的概観としては意図されていない。それは、本発明の重要要素又は決定要素の特定、又は、本発明の範囲の画定を意図するものでもない。下記の概要は、本発明のいくつかの概念を、一般的形状において、下記により精しく記載される説明に対する前置きとして提示するものであるにすぎない。
【0008】
一般に、本発明の局面はゴルフボールに関する。本発明の少なくともいくつかの実施例によるゴルフボールは、下記:(a)第1極、(b)第2極、及び(c)第1及び第2極の間に置かれるシーム又は赤道、の内の一つ以上を含んでもよい。複数のディンプルが、このボールの表面に形成されるが、ここで、該複数のディンプルは、下記を含むパターンとして配置される、すなわち:
(a)N個−Nは2から10の範囲の整数である−のセクターを含む第1ディンプルパターン半部において、第1ディンプルパターンセクターは、該第1ディンプルパターン半部のN個のセクターのそれぞれに配置され、その配置は、第1極からシームへ向かう方向に延びる対称線が、第1ディンプルパターン半部のN個のセクターのそれぞれの中に存在し、且つ、第1ディンプルパターンセクターは、第1極の周囲にN回繰り返されるように行われ、及び、
(b)N個のセクターを含む第2ディンプルパターン半部において、第1ディンプルパターンセクターは、該第2ディンプルパターン半部のN個のセクターのそれぞれに配置され、その配置は、第2極からシームへ向かう方向に延びる対称線が、第2ディンプルパターン半部のN個のセクターのそれぞれの中に存在するように行われ、ここで、第1ディンプルパターンセクターは、第2極の周囲にN回繰り返され、第1ディンプルパターン半部における対称線は、第2ディンプルパターン半部における対称線と整列しておらず、回転方向にずれ(転位し)、例えば、2°から90°の範囲内(及び、ある実施例では、5°から60°、又は場合によっては5°から45°の範囲内)の転位量だけ転位する。あるボールでは、回転方向転位量は、2°から(360/2N)°であり、ここで、Nは、各ディンプルパターン半部において対称線を有するセクターの数である(要すれば、ボールは、対称線を持たない一つ以上のセクターを含んでもよい)。
このゴルフボールは下記を含んでもよい、すなわち:(a)第1直径を有する第1ディンプル型;(b)第1直径よりも大きな第2直径を有する第2ディンプル型;(c)第2直径よりも大きな第3直径を有する第3ディンプル型;(d)第3直径よりも大きな第4直径を有する第4ディンプル型;(e)第4直径よりも大きな第5直径を有する第5ディンプル型;及び、必要に応じて(f)第5直径よりも大きな第6直径を有する、少なくとも第6ディンプル型、である。
【0009】
本発明のもう一つの例示局面によるゴルフボールは:(a)第1極、(b)第2極、及び、(c)第1極と第2極の間に配置されるシームを含んでもよい。このボールの表面には複数のディンプルが形成され、ここで、該ディンプルは:(i) 第1直径を有する第1ディンプル型;(ii) 第1直径を有する第2ディンプル型であって、第1ディンプル型よりも深く、該第2ディンプル型のディンプルの大部分は、第1ディンプル型のディンプルの大部分よりもシームから遠くに配置される第2ディンプル型;(iii) 第1直径よりも大きな第2直径を有する第3ディンプル型;(iv) 第2直径を有する第4ディンプル型であって、第3ディンプル型よりも深く、該第4ディンプル型のディンプルの大部分は、第3ディンプル型のディンプルの大部分よりもシームから遠くに配置される第4ディンプル型;(v) 第2直径よりも大きな第3直径を有する第5ディンプル型;(vi) 第3直径よりも大きな第4直径を有する第6ディンプル型;(vii) 第4直径よりも大きな第5直径を有する第7ディンプル型;(viii) 第5直径を有する第8ディンプル型であって、第7ディンプル型よりも深く、該第8ディンプル型のディンプルの大部分は、第7ディンプル型のディンプルの大部分よりもシームから遠くに配置される第8ディンプル型;(ix) 第5直径よりも大きな第6直径を有する第9ディンプル型;(x)第6直径を有する第10ディンプル型であって、第9ディンプル型よりも深く、該第10ディンプル型のディンプルの大部分は、第9ディンプル型のディンプルの大部分よりもシームから遠くに配置される第10ディンプル型、を含む。
【0010】
本例示ゴルフボール構造の、さらに別の可能な特色として、第1ディンプル型は、少なくとも0.175 mmの深さを有していてもよく、及び/又は、第2ディンプル型は、少なくとも0.185 mmの深さを有していてもよい。それに加えてさらに、又はそれとは別に、第1ディンプル型のディンプルは、15以下の直径/深度比を有していてもよく、及び/又は、第2ディンプル型のディンプルは、14以下の直径/深度比を有していてもよい。要すれば、代替え態様として、第1及び第2ディンプル型それぞれのディンプルは、14以下の直径/深度比を有していてもよく、一方、第3から第10ディンプル型それぞれのディンプルは、16以上の直径/深度比を有していてもよい(及び、要すれば、第3から第10ディンプル型の少なくともいくつかは、20以上の直径/深度比を有していてもよい)。さらに別の可能な例として、第1及び第2ディンプル型それぞれのディンプルは、5 mm以下のディンプル半径を有していてもよく、一方、第3から第10ディンプル型それぞれのディンプルは、8 mm以上のディンプル半径を有していてもよい(及び、要すれば、第3から第10ディンプル型の少なくともいくつかは、10 mm以上のディンプル半径を有していてもよい)。
【0011】
本発明のさらに別の例示局面は、その中に複数のディンプルを形成させる表面を有するゴルフボールにおいて、該ディンプルは、下記を含むパターンとして配置される、すなわち:(a)該表面における第1球面三角領域から成る第1セクターであって、ここで、該第1球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第1セクターに配置されるが、該配置は、第1セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第1セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第1セクター;(b) 該表面における第2球面三角領域から成る第2セクターであって、ここで、該第2球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第2セクターに配置されるが、該配置は、第2セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第2セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第2セクター;(c) 該表面における第3球面三角領域から成る第3セクターであって、ここで、該第3球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第3セクターに配置されるが、該配置は、第3セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第3セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第3セクター;及び、(d) 該表面における第4球面三角領域から成る第4セクターであって、ここで、該第4球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第4セクターに配置されるが、該配置は、第4セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第4セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第4セクター、である。これらのセクターの内のいくつかは、少なくとも一つの共通点を共有してもよく、及び/又は、これらのセクターの内の少なくともいくつかの内部のディンプルパターンは同じであってもよい。
【0012】
本発明のさらに別局面は、マルチピースゴルフボールの構造及び/又は層特色に関する。本発明の少なくともいくつかの例によれば、このようなマルチピースゴルフボールは下記を含んでもよい、すなわち:(a) 一つ以上のピースから製造されるコアであって、53から61のショアD範囲内の最外側表面硬度を有し、18から40 mmの範囲内の直径を有するコア;(b) コアの最外側表面を包囲し、それに直接隣接するマントル層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、64から72のショアD範囲内の表面硬度を有し、0.4から1.6 mmの範囲内の厚みを有するマントル層;及び(c) マントル層を包囲するカバー層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、50から58のショアD範囲内の表面硬度を有し、0.6から1.6 mmの範囲内の公称厚を有するマントル層、である。マントル層のショアD硬度は、コアの最外側表面のショアD硬度、及びカバー層表面のショアD硬度より高くともよい。この構造のボールは、任意の所望のディンプル特徴、例えば、ディンプルサイズ、パターン、及び上述の配置(及び、下記に詳述する配置)などを有していてもよい。
【0013】
他のボール構造も、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって可能である。いくつかの比較的特異な例として、本発明の少なくともいくつかの例によるマルチピースゴルフボールは下記を含んでもよい、すなわち:(a) 熱可塑性樹脂材料(例えば、アイオノマー材料)を含む固体内部コアであって、42から54のショアD範囲内の表面硬度を有し、18から36 mmの範囲内の直径を有する内部コア;(b) 該固体内部コアを包囲する外部コアであって、ポリブタジエンゴム含有材料、又は熱可塑性樹脂含有材料(例えば、アイオノマー材料)を含み、50から64のショアD範囲内の表面硬度を有し、4から10 mmの範囲内の厚みを有する外部コア;(c) 該外部コア層を包囲するマントル層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、60から72のショアD範囲内の表面硬度を有し、0.4から1.6 mmの範囲内の厚みを有するマントル層;及び、(d) 該マントル層を包囲するカバー層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、44から60のショアD範囲内の表面硬度を有し、0.6から1.6 mmの範囲内の公称厚を有するカバー層、である。このようなボールでは、マントル層のショアD硬度は、固体内部コア、外部コア層、及びカバー層のショアD表面硬度よりも高くてもよい。必要に応じて、本発明のある実施例によるボールは、さらに別の層、例えば、マントル層と外部コア層の間にさらにもう1層、及び/又は、マントル層とカバー層の間にさらにもう1層含んでもよい。この構造のボールは、任意の所望のディンプル特徴、例えば、ディンプルサイズ、パターン、及び上述の配置(及び、下記に詳述する配置)などを有していてもよい。
【0014】
本発明のさらに別の局面は、ゴルフボール、例えば、上述のディンプル特徴及び/又は構造又は層特徴(の外、下記に詳述する特徴)を有するゴルフボールの製造法に関する。このような方法は、下記にさらに詳細に説明する。
【0015】
本発明、及びそのいくつかの利点は、添付の図面を考慮しながら下記の詳細な説明を参照することによってさらに完全な理解を得ることが可能となろう。これらの図面において、同じ参照数字は、同じか、又は同様の特徴部品を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】図1Aは、本発明の少なくともいくつかの例示局面にしたがって使用されてもよい、各種例示マルチピースゴルフボール構築を示す。
【図1B】図1Bは、本発明の少なくともいくつかの例示局面にしたがって使用されてもよい、各種例示マルチピースゴルフボール構築を示す。
【図1C】図1Cは、本発明の少なくともいくつかの例示局面にしたがって使用されてもよい、各種例示マルチピースゴルフボール構築を示す。
【図1D】図1Dは、本発明の少なくともいくつかの例示局面にしたがって使用されてもよい、各種例示マルチピースゴルフボール構築を示す。
【図2A】図2Aは、本発明の少なくともいくつかの例によるゴルフボールの中に含ませてもよい各種ディンプル特色を示し、これらの図面はさらに、本明細書において使用される各種のディンプル用語の説明を補助する。
【図2B】図2Bは、本発明の少なくともいくつかの例によるゴルフボールの中に含ませてもよい各種ディンプル特色を示し、これらの図面はさらに、本明細書において使用される各種のディンプル用語の説明を補助する。
【図2C】図2Cは、本発明の少なくともいくつかの例によるゴルフボールの中に含ませてもよい各種ディンプル特色を示し、これらの図面はさらに、本明細書において使用される各種のディンプル用語の説明を補助する。
【図2D】図2Dは、本発明の少なくともいくつかの例によるゴルフボールの中に含ませてもよい各種ディンプル特色を示し、これらの図面はさらに、本明細書において使用される各種のディンプル用語の説明を補助する。
【図2E】図2Eは、本発明の少なくともいくつかの例によるゴルフボールの中に含ませてもよい各種ディンプル特色を示し、これらの図面はさらに、本明細書において使用される各種のディンプル用語の説明を補助する。
【図2F】図2Fは、本発明の少なくともいくつかの例によるゴルフボールの中に含ませてもよい各種ディンプル特色を示し、これらの図面はさらに、本明細書において使用される各種のディンプル用語の説明を補助する。
【図3A】図3Aは、本発明の少なくともいくつかの局面による、例示のゴルフボールディンプルパターンの、それぞれ、平面図及び立面図を示す。
【図3B】図3Bは、本発明の少なくともいくつかの局面による、例示のゴルフボールディンプルパターンの、それぞれ、平面図及び立面図を示す。
【図4A】図4Aは、本発明の少なくともいくつかの局面による、別の例示ゴルフボールディンプルパターンの、それぞれ、平面図及び立面図を示す。
【図4B】図4Bは、本発明の少なくともいくつかの局面による、別の例示ゴルフボールディンプルパターンの、それぞれ、平面図及び立面図を示す。
【図5A】図5Aは、本発明の少なくともいくつかの局面による、例示ゴルフボールのディンプルレイアウト配置の、それぞれ、平面図及び立面図を示す。
【図5B】図5Bは、本発明の少なくともいくつかの局面による、例示ゴルフボールのディンプルレイアウト配置の、それぞれ、平面図及び立面図を示す。
【図6A】図6Aは、本発明の少なくともいくつかの局面による、別の例示ゴルフボールディンプルパターンの、それぞれ、平面図及び立面図を示す。
【図6B】図6Bは、本発明の少なくともいくつかの局面による、別の例示ゴルフボールディンプルパターンの、それぞれ、平面図及び立面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
各種例示ゴルフボール及び本発明の他の局面に関する下記の説明では、添付の図面が参照される。この図面は、本説明の一部を形成し、種々の例示ゴルフボールの構造、及び、本発明の局面の実行が可能とされるゴルフボール形成工程の具体的説明のために提示される。本発明の範囲から逸脱することなく、部品、構造、及び工程の他の特異的配置も利用することが可能であり、構造的及び機能的修飾も実行することが可能であることを理解しなければならない。さらに、本明細書では、本発明の各種例示特徴及び要素を記述するために、「上面」、「底面」、「前面」、「背面」、「側面」、「後面」などの用語が記載されるが、これらの用語は、ここでは、例えば、図に示される例示の方向、及び/又は、典型的使用時の方向に基づいて表現上の都合のために使用される。本明細書の内のいかなるものも、本発明の範囲内に納まるために、構造体について特定の三次元構造を要求するものと思量してはならない。
【0018】
「シーム」という用語は、本明細書において使用される場合、ゴルフボールを形成するための金型の二つの半分が出会う、ボール上の位置に一致する。「シーム」は、ゴルフボールの赤道の周囲に延びる大円に一致してもよいし、一致しなくともよい。シームにおいて二つの金型半分を一緒に合わせることを含まないプロセスによってカバー又はディンプルが製造されるゴルフボールにおいても、シームは、二つの等価的ディンプルパターン半部(これらのディンプルパターン半部同士は、ボール上で、回転方向に互いにずれていてもよい)を分離する大円、例えば、ボールの赤道があれば、それがいずれのものであれ、その大円の位置に一致する。
【0019】
本発明の少なくともいくつかの例示局面は、ゴルフボールの外、該ボールの製造法に関する。下記では、本発明の局面の一般的説明に続けて、本発明の特異的実施例についてさらに詳細な説明を行う。
【0020】
A.本発明の局面によるゴルフボールの一般的説明
1.ディンプル局面
一般に、本発明の局面はゴルフボールに関する。本発明の少なくともいくつかの例によるゴルフボールは、下記の内の一つ以上を含む、すなわち:(a) 第1極、(b) 第2極、及び、(c) 第1及び第2極の間に布置されるシーム(シームは、ボールの赤道に一致する連続円、波形(例えば、ボールの赤道を中心とする)、ステップ状直線セグメントなどであってもよい)である。複数のディンプルがボールの表面に形成されるが、ここで、該複数のディンプルは、下記を含むパターンにおいて配置される、すなわち:
(a)N個−Nは2から10の範囲の整数である−のセクターを含む第1ディンプルパターン半部において、第1ディンプルパターンセクターは、該第1ディンプルパターン半部のN個のセクターのそれぞれに配置され、その配置は、第1極からシームへ向かう方向に延びる対称線が、第1ディンプルパターン半部のN個のセクターのそれぞれの中に存在し、且つ、第1ディンプルパターンセクターは、第1極の周囲にN回繰り返されるように行われ、及び、
(b)N個のセクターを含む第2ディンプルパターン半部において、第1ディンプルパターンセクターは、該第2ディンプルパターン半部のN個のセクターのそれぞれに配置され、その配置は、第2極からシームへ向かう方向に延びる対称線が、第2ディンプルパターン半部のN個のセクターのそれぞれの中に存在するように行われ、ここで、第1ディンプルパターンセクターは、第2極の周囲にN回繰り返され、第1ディンプルパターン半部の対称線は、第2ディンプルパターン半部の対称線とは整列することがなく、回転方向にずれ(転位し)、例えば、2°から90°の範囲内、ある実施例では、5°から60°、又は場合によっては5°から45°の範囲内の転位量だけ転位する。
本発明による、ある例示構造では、転位量は、10°から45°、10°から30°、又は場合によっては15°から30°の範囲内である。あるボールでは、回転方向転位量は、2°から(360/2N)°の範囲内あり、ここで、Nは、各ディンプルパターン半部において対称線を有するセクターの数である。さらに、本発明のある特定例では、対称線を有する各ディンプルパターン半部におけるセクターの数を表す整数「N」は、2から8、又は場合によっては3から6の範囲に亘る。要すれば、各ディンプルパターン半部は、対称線を含まない、一つ以上のセクターを含んでもよい(例えば、対称線を含むN個のセクターの間に挿入された状態で)。
【0021】
本発明の実施例によるゴルフボールは、所望の任意の数のディンプルを有していてもよく、例えば、合計320から432個のディンプル、ある例では、合計330から392個のディンプルを有していてもよい。上述のように、本発明の例によるゴルフボール構造におけるディンプルは、さらに、少なくとも4種の異なるディンプル型、ある例では、4から16種の異なるディンプル型、又は場合によっては、5から12種の異なるディンプル型を含む大きさを持っていてもよい。下記にさらに詳述するように、ディンプルは、他のディンプルに対し、それが、その、他のディンプルと何らかの著明なやり方で、例えば、ディンプル深度、ディンプル半径、ディンプル直径、ディンプル断面形状(例えば、単一半径、二重半径、多角形、多面的内部表面など)、ディンプル容積、ディンプル表面積などの内の少なくとも一つにおいて異なる場合、その、他のディンプルとは異なる「型」のものである。
【0022】
さらにいくつかの特異的例として、本発明の少なくともある例によるゴルフボールは、下記を含んでもよい、すなわち:(a) 第1直径(例えば、2から3 mmの範囲内)を有する第1ディンプル型;(b) 第1直径よりも大きい第2直径(例えば、3から3.6 mmの範囲内)を有する第2ディンプル型;(c) 第2直径よりも大きな第3直径(例えば、3.2から3.8 mmの範囲内)を有する第3ディンプル型;(d)第3直径よりも大きな第4直径(例えば、3.4から4 mmの範囲内)を有する第4ディンプル型;及び、(e)第4直径よりも大きな第5直径(例えば、3.6から4.4 mmの範囲内)を有する第5ディンプル型、である。さらに、ディンプルパターンの中に、より多くのディンプル型が設けられてもよく、例えば、第5直径よりも大きな第6直径(例えば、4から6 mmの範囲内)を有する、少なくとも第6ディンプル型が含まれてもよい。五つのディンプル型が存在する、本発明による、ある例示ボールでは、これらの例示ボールは下記を含んでもよい、すなわち:第1ディンプル型の、少なくとも36個のディンプル;第2ディンプル型の、少なくとも24個のディンプル;第3ディンプル型の、少なくとも54個のディンプル;第4ディンプル型の、少なくとも30個のディンプル;及び、第5ディンプル型の、少なくとも246個のディンプル、である。六つのディンプル型が存在する、本発明による、ある例示ボールでは、そのボールは下記を含んでもよい、すなわち:第1ディンプル型の、少なくとも18個のディンプル;第2ディンプル型の、少なくとも12個のディンプル;第3ディンプル型の、少なくとも6個のディンプル;第4ディンプル型の、少なくとも36個のディンプル;第5ディンプル型の、少なくとも270個のディンプル;及び、第6ディンプル型の、少なくとも18個のディンプル、である。
【0023】
本発明によるゴルフボール構造のある例では、ゴルフボール表面の複数のディンプルは下記を含む、すなわち:(a)第1深度、第1半径、及び第1直径を有する第1ディンプル型;(b)第2深度、第2半径、及び第1直径を有する第2ディンプル型;(c)第3深度、第3半径、及び第2直径を有する第3ディンプル型;(d)第4深度、第4半径、及び第2直径を有する第4ディンプル型;(e)第5深度、第5半径、及び第3直径を有する第5ディンプル型;(f)第5深度、第6半径、及び第4直径を有する第6ディンプル型;(g)第6深度、第7半径、及び第5直径を有する第7ディンプル型;(h)第7深度、第8半径、及び第5直径を有する第8ディンプル型;(i)第2深度、第9半径、及び第6直径を有する第9ディンプル型;及び、(j)第8深度、第10半径、及び第6直径を有する第10ディンプル型、である。
【0024】
本発明の別の例示局面によるゴルフボールは下記を含んでもよい、すなわち:(a) 第1極、(b) 第2極、及び、(c) 第1及び第2極の間に布置されるシーム(シームは、ボールの赤道における連続円、波形(例えば、ボールの赤道を中心とする)、ステップ状直線セグメント、又はその他の任意の所望の形状)である。ボールの表面には複数のディンプルが形成され、ここで、該ディンプルは下記を含んでもよい、すなわち:(i) 第1直径を有する第1ディンプル型;(ii) 第1直径を有する第2ディンプル型であって、第1ディンプル型よりも深く、かつ、この第2ディンプル型の過半数は、第1ディンプル型の過半数よりもシームからより遠くに布置される、第2ディンプル型;(iii) 第1直径よりも大きな第2直径を有する第3ディンプル型;(iv)第2直径を有する第4ディンプル型であって、第3ディンプル型よりも深く、かつ、この第4ディンプル型の過半数は、第3ディンプル型の過半数よりもシームからより遠くに布置される、第4ディンプル型;(v)第2直径よりも大きな第3直径を有する第5ディンプル型;(vi)第3直径よりも大きな第4直径を有する第6ディンプル型;(vii)第4直径よりも大きな第5直径を有する第7ディンプル型;(viii)第5直径を有する第8ディンプル型であって、第7ディンプル型よりも深く、かつ、この第8ディンプル型の過半数は、第7ディンプル型の過半数よりもシームからより遠くに布置される、第8ディンプル型;(ix)第5直径よりも大きな第6直径を有する第9ディンプル型;及び、(x)第6直径を有する第10ディンプル型であって、第9ディンプル型よりも深く、かつ、この第10ディンプル型の過半数は、第9ディンプル型の過半数よりもシームからより遠くに布置される、第10ディンプル型、である。要すれば、ある例示のボールでは、第2ディンプル型のディンプルは全て、第1ディンプル型の全ディンプルよりもシームからより遠くに布置され;第4ディンプル型のディンプルは全て、第3ディンプル型の全ディンプルよりもシームからより遠くに布置され;第8ディンプル型のディンプルは全て、第7ディンプル型の全ディンプルよりもシームからより遠くに布置され;及び、第10ディンプル型のディンプルは全て、第9ディンプル型の全ディンプルよりもシームからより遠くに布置される。
【0025】
これらのゴルフボール構造のある例では、第1直径は2から3 mmの範囲内にあり;第2直径は3から3.6 mmの範囲内にあり;第3直径は3.2から3.8 mmの範囲内にあり;第4直径は3.4から4 mmの範囲内にあり;第5直径は3.6から4.4 mmの範囲内にあり;第6直径は4から6 mmの範囲内にある。第1ディンプル型が少なくとも12個のディンプル;第2ディンプル型が少なくとも6個のディンプル;第3ディンプル型が少なくとも24個のディンプル;第4ディンプル型が少なくとも12個のディンプル;第5ディンプル型が少なくとも6個のディンプル;第6ディンプル型が少なくとも24個のディンプル;第7ディンプル型が少なくとも96個のディンプル;第8ディンプル型が少なくとも90個のディンプル;第9ディンプル型が少なくとも78個のディンプル;及び、第10ディンプル型が少なくとも12個のディンプルあってもよい。
【0026】
本例示ゴルフボール構造の、さらに別の可能な特色として、第1ディンプル型は、少なくとも0.175 mmの深さを有していてもよく、及び/又は、第2ディンプル型は、少なくとも0.185 mmの深さを有していてもよい。それに加えてさらに、又はそれとは別に、第1ディンプル型のディンプルは、15以下の直径/深度比を有していてもよく、及び/又は、第2ディンプル型のディンプルは、14以下の直径/深度比を有していてもよい。要すれば、代替え態様として、第1及び第2ディンプル型それぞれのディンプルは、14以下の直径/深度比を有していてもよく、一方、第3から第10ディンプル型それぞれのディンプルは、16以上の直径/深度比を有していてもよい(及び、要すれば、第3から第10ディンプル型の少なくともいくつかは、20以上の直径/深度比を有していてもよい)。さらに別の可能な例として、第1及び第2ディンプル型それぞれのディンプルは、5 mm以下のディンプル半径を有していてもよく、一方、第3から第10ディンプル型それぞれのディンプルは、8 mm以上のディンプル半径を有していてもよい(及び、要すれば、第3から第10ディンプル型の少なくともいくつかは、10 mm以上のディンプル半径を有していてもよい)。
【0027】
本発明のさらに別の例示局面によるゴルフボールは、その中に複数のディンプルを形成させる表面を含み、ここで、該ディンプルは、下記を含むパターンとして配置される、すなわち:(a)該表面における第1球面三角領域から成る第1セクターであって、ここで、該第1球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第1セクターに配置されるが、該配置は、第1セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第1セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第1セクター;(b) 該表面における第2球面三角領域から成る第2セクターであって、ここで、該第2球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第2セクターに配置されるが、該配置は、第2セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第2セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第2セクター;(c) 該表面における第3球面三角領域から成る第3セクターであって、ここで、該第3球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第3セクターに配置されるが、該配置は、第3セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第3セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第3セクター;及び、(d) 該表面における第4球面三角領域から成る第4セクターであって、ここで、該第4球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第4セクターに配置されるが、該配置は、第4セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第4セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第4セクター、である。本発明の少なくともいくつかの実施例によるあるボールでは、第1及び第2セクターは、少なくとも第1共通点を共有してもよく(例えば、ボールの1極において)、及び/又は、第3及び第4セクターは、少なくとも第2共通点を共有してもよく(例えば、ボールの反対極において)、ここで、第2共通点は、第1共通点とは異なる(例えば、ボール直径の両端点同士)。それに加えてさらに、又はそれとは別に、本発明の少なくともいくつかの実施例によるあるボールは、ボール上に存在する種々のセクターの内のいくつか又は全てにおいて、共通のディンプルパターン又は配置を有する。ゴルフボールはさらに、上述の各種特色のいずれを有してもよい(並びに、後述の各種特色も)。
【0028】
本発明の少なくともいくつかの実施例によるゴルフボールは、少なくとも320 mm3、ある例では、少なくとも360 mm3のディンプル総容積を示す。ある、より特異的例では、ディンプル総容積は、360 mm3から560 mm3、場合によっては360 mm3から480 mm3の範囲である。
【0029】
ディンプルは、ゴルフボール表面積において、好ましければ、いずれの比率をカバーしてもよく、例えば、少なくとも70%、ある例では、72%から78%の範囲内をカバーしてもよい。ある、より特異的例として、本発明の少なくともいくつかの実施例によるゴルフボールは、少なくとも70%のAd/Ab比を有する。ここで、Adは、数式(I)によって求められる、ディンプル表面積総量である、すなわち:
【数I】


上式において、「M」は、ゴルフボールにおけるディンプルの総数であり、「d」は、個々のディンプルの直径であり、且つ、
ここで、Abは、該ボール上にディンプルが全く存在しないと仮定した場合のゴルフボールの全体表面積であり、数式(II)によって求められる、すなわち:
【数II】


上式において、「D」は、該ゴルフボールの最外側直径(ディンプルの外側で測定した)である。
【0030】
2.マルチピースゴルフボール構築局面
本発明の、さらに別の例示局面は、マルチピースゴルフボールの構築及び/又は層特徴に関する。本発明の少なくともいくつかの例による、このマルチピースゴルフボールは、下記を含んでもよい、すなわち:(a) 一つ以上のピースから構成されるコアであって、53から61のショアD範囲内の最外側表面硬度を有し、18から40 mmの範囲内の直径を有するコア;(b) 該コアを包囲し、且つ、コアの最外側表面に直接隣接するマントル層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、64から72のショアD範囲内の表面硬度を有し、0.4から1.6 mmの範囲内の厚みを有するマントル層;(c) 該マントル層を包囲するカバー層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、50から58のショアD範囲内の表面硬度を有し、0.6から1.6 mmの範囲内の公称厚を有するカバー層、である。マントル層のショアD硬度は、コアの最外側面のショアD硬度、及び、カバー層表面のショアD硬度より高くともよい。
【0031】
他のボール構造も、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって可能である。いくつかの比較的特異な例として、本発明の少なくともいくつかの例によるマルチピースゴルフボールは下記を含んでもよい、すなわち:(a) 熱可塑性樹脂材料(例えば、アイオノマー材料)を含む固体内部コアであって、42から54のショアD(及び、ある例では、45から51ショアD、又は場合によっては46から50ショアD)範囲内の表面硬度を有し、18から36 mmの範囲内の直径を有する内部コア;(b) 該固体内部コアを包囲する外部コアであって、ポリブタジエンゴム含有材料、又は熱可塑性樹脂含有材料(例えば、アイオノマー材料)を含み、50から64のショアD(及び、ある例では、54から60ショアD、又は場合によっては55から59ショアD)範囲内の表面硬度を有し、4から10 mmの範囲内の厚みを有する外部コア;(c) 該外部コア層を包囲するマントル層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、60から72のショアD(及び、ある例では、64から70ショアD、又は場合によっては65から69ショアD)範囲内の表面硬度を有し、0.4から1.6 mmの範囲内の厚みを有するマントル層;及び、(d) 該マントル層を包囲するカバー層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、44から60のショアD(及び、ある例では、50から56ショアD、又は場合によっては50から54ショアD)範囲内の表面硬度を有し、0.6から1.6 mmの範囲内の公称厚を有するカバー層、である。このようなボールでは、マントル層のショアD表面硬度は、固体内部コア、外部コア層、及びカバー層のショアD表面硬度よりも高くてもよい。必要に応じて、本発明のある実施例によるボールは、さらに別の層、例えば、マントル層と外部コア層の間にさらにもう1層、及び/又は、マントル層とカバー層の間にさらにもう1層含んでもよい。
【0032】
ある、より特異的例として、要すれば、マントル層の表面硬度は、外部コア層の表面硬度よりも少なくとも8ショアDポイント高くともよく、固体内部コアの表面硬度よりも少なくとも16ショアDポイント高くともよく、及び/又は、カバー層の表面硬度よりも少なくとも10ショアDポイント高くともよい。必要に応じて、マントル層のショアD表面硬度は、ボール中の、他のどの層よりも高くともよい。
【0033】
本発明の例による、このようなゴルフボール構築の、他の、より特異的例としては下記が挙げられる、すなわち、固体内部コアの表面硬度が46から50ショアDの範囲内にあり、該固体内部コアの直径が、23から26 mmの範囲内にあり;外部コア層の表面硬度が、55から59ショアDの範囲内にあり、該外部コア層の厚みが、6から8 mmの範囲内にあり;マントル層の表面硬度が、65から69ショアDの範囲内にあり、該マントル層の厚みが、0.8から1.2 mmの範囲内にあり;且つ、カバー層の表面硬度が、52から56ショアDの範囲内にあり、該カバー層の公称厚みが、0.9から1.3 mmの範囲内にある、ボールである。
【0034】
必要に応じて、本発明の上述の例の内のいずれかによるマルチピースゴルフボール構築は、上記サブセクションに記載される、各種ディンプル配置、ディンプル特徴、及び/又はディンプル特色の内のいずれを有していてもよい。
【0035】
3.方法局面
本発明のさらに別局面は、ゴルフボールの製造法に関する。上述の、各種ディンプル配置、ディンプル特徴、及び/又はその他のディンプル特色に関しては、ディンプルは、ボールのカバー層に、本発明から逸脱することなく任意の所望の方法によって、例えば、当該技術分野で知られ、使用される従来技術によって形成することが可能である。ある、比較的特異的例として、各種ディンプル配置、ディンプル特徴、及び/又はその他のディンプル特色は、圧縮成形又は射出成形などの成形技術;鋳造技術;レーザー形成技術などによってゴルフボールのカバー層の中に形成することが可能である。成形及び鋳造技術では、ディンプルは、ボールの直接隣接する内層と、その中に所望のディンプルパターンの陰刻を形成させた金型との間に、液体又は半固体カバー材料を負荷し、該カバー材料を所望の形状に成形し(及び、カバー層中に所望のディンプルパターン及び寸法を含め)、次いで、該カバー材料を、最終的な所望サイズ及び形状に硬化させること(例えば、養生、加熱、加圧など)によって形成することが可能である。
【0036】
本発明の、もう一つの局面は、マルチピースゴルフボール(例えば、スリーピース以上のボール)の形成法に関する。このような方法は、下記の工程の一つ以上を含んでもよい、すなわち:(a)一つ以上のピースから構成されるコアであって、18から40 mmの範囲内の直径を有するコアを準備すること(これは、圧縮成形、射出成形、鋳造などの形成工程を含んでもよい);(b)該コアの最外側面に直接隣接し、且つそれを包囲するマントル層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、0.4から1.6 mmの範囲内の厚みを有するマントル層を形成すること(例えば、射出成形、圧縮成形、鋳造などによる);(c)該マントル層を包囲するカバー層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、0.6から1.6 mmの範囲内の公称厚みを有するカバー層を形成すること(例えば、射出成形、圧縮成形、鋳造などによる);及び、(d)該カバー層の上に、少なくとも一つの仕上げ材料を印加し、それによって「完成」ゴルフボールを生成すること(すなわち、ゴルフボールは、外部カバーに、少なくとも一つの仕上げ材料(例えば、ペイント、クリアコートなど)を印加させる)、である。方法はさらに、種々のボール層が生成されるにつれて、一つ以上のバフ仕上げ又は研磨工程を含んでもよい。完成ゴルフボールのコアは、53から61ショアDの範囲内の最外側面硬度を有していてもよく、完成ゴルフボールのマントル層は、64から72ショアDの範囲内の表面硬度を有していてもよく、且つ、完成ゴルフボールのカバー層は、50から58ショアDの範囲内の表面硬度を有していてもよい。必要に応じて、マントル層のショアD硬度は、コアの最外側面ショアD硬度、及び/又は、カバー層の表面ショアD硬度よりも高い。本発明による少なくとも、ある例示のボール構築では、完成ゴルフボールにおいて、マントル層の表面硬度は、コアの最外側表面硬度よりも少なくとも8ショアDポイント高く、及び/又は、カバー層の表面硬度よりも少なくとも10ショアDポイント高い。
【0037】
本発明のさらに別の例示局面は、マルチピースゴルフボール(例えば、フォーピース、ファイブピース、又はシックスピースボール)を形成する方法に関し、該方法は、下記の工程の一つ以上を含む、すなわち:(a)熱可塑性樹脂材料を含む固体内部コアであって、20から29 mmの範囲内の直径を有する内部コアを準備すること(これは、圧縮成形、射出成形、鋳造などの形成工程を含んでもよい);(b)該固体内部コアを包囲する外部コア層であって、ポリブタジエンゴム含有材料か、又は熱可塑性樹脂含有材料を含み、4から10 mmの範囲内の厚みを有する外部コア層を形成すること(例えば、射出成形、圧縮成形、鋳造などによる);(c)該外部コアを包囲するマントル層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、0.5から1.5 mmの範囲内の厚みを有するマントル層を形成すること(例えば、射出成形、圧縮成形、鋳造などによる);(d)該マントル層を包囲するカバー層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、0.7から1.5 mmの範囲内の公称厚みを有するカバー層を形成すること(例えば、射出成形、圧縮成形、鋳造などによる);(e)必要に応じて、マントル層と外部コア層の間に一層を形成すること;(f)必要に応じて、マントル層とカバー層の間に一層を形成すること;及び/又は、(g)該カバー層の上に、仕上げ材料を印加し(例えば、ペイント塗布、コーティング、静電コーティングなどによる)、それによって「完成」ゴルフボールを生成すること(すなわち、ゴルフボールは、外部カバーに対し、少なくとも一つの仕上げ材料(例えば、ペイント、クリアコートなど)を印加させる)、である。方法はさらに、ボール層が生成されるにつれて、一つ以上のバフ仕上げ又は研磨工程を含んでもよい。この完成ゴルフボールの固体内部コアは、45から51ショアDの範囲内の表面硬度を有していてもよく、完成ゴルフボールの外部コア層は、54から60ショアDの範囲内の表面硬度を有していてもよく、完成ゴルフボールのマントル層は、64から70ショアDの範囲内の表面硬度を有していてもよく、且つ、完成ゴルフボールのカバー層は、51から57ショアDの範囲内の表面硬度を有していてもよい。必要に応じて、完成ゴルフボールにおいて、マントル層のショアD硬度は、固体内部コア、外部コア層、及び/又は、カバー層の表面ショアD硬度よりも高い。ある、比較的特異な例では、完成ゴルフボールにおいて、マントル層の表面硬度は、外部コア層の表面硬度よりも少なくとも8ショアDポイント高く、固体内部コアの表面硬度よりも少なくとも16ショアDポイント高く、及び/又は、カバー層の表面硬度よりも少なくとも10ショアDポイント高くともよい。
【0038】
要すれば、上記の方法は、前述の各種ボール構築、ボール硬度、層厚、ディンプル配置、ディンプル特徴、及び/又はその他のディンプル特色の内のいずれかを有するゴルフボールの生産のために使用してよい。
【0039】
本発明の特異的実施例を下記にさらに精しく述べる。読者は、これらの特異的実施例が、単に、本発明の例を具体的に説明するために記載されるものであること、それらを、本発明を限定するものと見なしてはならないことを理解しなければならない。
【0040】
B.本発明の特異的実施例
本出願中の各種図面は、本発明の実施例によるゴルフボール及び方法の特色の例を具体的に示す。同じ参照番号が一つを超える図面に現れる場合、その参照番号は、本明細書と図面を通じて一貫して同じ又は類似部品を指すために使用される。
【0041】
1.ゴルフボール構築局面及び特色
本発明の少なくともある局面、例えば、ディンプル局面は、任意の好ましい型のゴルフボール構築について、例えば、液体充填中心コア、固体中心コア、ワンピース固体ボール、及びマルチピース固体ボール(例えば、ツーピースボール、スリーピースボール、フォーピースボール、ファイブピースボールなど)を含むゴルフボール構築について実行してよい。
【0042】
図1Aは、本発明の例示特色を含む可能性のある、例示のスリーピース固体ゴルフボール構築100を示す。この例示構造では、ボール100は、固体中心すなわち内部コア102、内部コア102の最外側面102aを包囲し、それに直接隣接するマントル層104、及び、マントル層104を包囲するカバー層106を含む。カバー層106は、その外部表面106aに形成される複数のディンプル108を含む。
【0043】
固体内部コア102は、本発明から逸脱することなく、所望の任意の材料から製造されてもよく、例えば、ゴム(例えば、天然ゴム、ポリブタジエンゴムなど);エラストマー樹脂材料(例えば、熱可塑性樹脂材料、例えば、HPF 2000熱可塑性樹脂材料(高度に中和されるアイオノマー)で、E.I.DuPont Company, Wilmington, DEから市販されるもの);他のエラストマー材料など、例えば、当該技術分野で公知で、使用されている通例のゴルフボールコア材料であってもよい。コア材料は、当該技術分野で公知のように、所望の最終特性を実現するよう、他の添加物と混ぜ合わせてもよい。本発明のある例によるゴルフボール製品では、固体内部コア102は、42から54ショアDの範囲内の表面硬度、及び、18から36 mmの範囲内の直径を有していてもよい。この硬度値は、標準的試験法ASTM D-2240を用いて、「ボール上」(ボールの固体内部コア102の露出外表面102aにおいて)測定される。完成ボールでは、硬度試験のために、コアは、カバー106及びボールの他の層を研磨又は剥離して、コア表面102aを露出させてもよい。ボールの生産時に、コア102の硬度を、完成コア102において、その上に上部層が全く印加されない前に、測定してもよい。ボールのコア102は、その断面全体に亘って一定の、又は事実上一定の(±10%)硬度を持っていてもよいが、或いは、その断面に亘ってまちまちな硬度を持っていてもよい(例えば、ポリブタジデンゴムコアでは、コア表面102aは中心よりも硬い)
【0044】
マントル層104もまた、本発明から逸脱することなく、所望の任意の材料から製造することが可能であり、例えば、アイオノマー材料(例えば、SURLYN(登録商標)、E.I. DuPont Company, Wilmington, DEから市販される)、熱可塑性ポリウレタン含有材料など、例えば、当該技術分野で知られ、使用される、通例のゴルフボール内層材料などから製造することが可能である。ゴルフボール製品では、このマントル層104は、60から72ショアDの範囲内の表面硬度、及び、0.4から1.6 mmの範囲内の厚みを有していてもよい。この硬度値は、標準的試験法ASTM D-2240を用いて、「ボール上」(ボールのマントル層104の露出外表面104aにおいて)測定される。完成ボールでは、硬度試験のために、マントル層104の外表面104aは、その上部層を研磨又は剥離することによって露出させてもよい。ボールの生産時、マントル層104の硬度を、上層をその上に印加する前に、完成マントル104の上で測定してもよい。本明細書で使用する場合、「マントル層」という用語は、ゴルフボールの複数の層におけるその位置とは無関係に、専ら、ゴルフボール構築体の内もっとも硬い内部層のために使用される。
【0045】
カバー層106もまた、本発明から逸脱することなく、所望の任意の材料から製造することが可能であり、例えば、アイオノマー材料(例えば、SURLYN、E.I. DuPont Company, Wilmington, DEから市販される)、熱可塑性ポリウレタン含有材料など、例えば、当該技術分野で知られ、使用される、通例のゴルフボールカバー層材料などから製造することが可能である。ゴルフボール製品では、このカバー層106(本明細書では、「外方カバー層」と呼ぶ場合もある)は、44から60ショアDの範囲内の表面硬度、及び、0.6から1.6 mmの範囲内の公称厚み(すなわち、ディンプル108を含まない場所における厚み)を有していてもよい。この硬度値は、標準的試験法ASTM D-2240を用いて、「ボール上」(ボールのカバー層106の露出外表面106aにおいて)の、ディンプル108を含まない区域において測定される。この硬度測定は、カバー層106の外表面106aに対して仕上げ材料を印加する前と後で(もし何らかの仕上げ材料を印加するのであれば)実行してもよい。
【0046】
図1Bは、本発明の例示特色を含む可能性のある、例示フォーピース固体ゴルフボール構築120を示す。この例示ゴルフボール構築120は、上述のものと同じ可能な材料、硬度、及び/又は厚みの外、そのカバー外面106aに形成される複数のディンプル108を含め、上述のスリーピースボール100の層と同じであるか、近似していてもよい(例えば、固体中心又は内部コア102、マントル層104、及びカバー層106)。しかしながら、この例示ゴルフボール構造120は、マントル層104と固体内部コア102の間にさらにもう一層122を含む。ゴルフボール製品では、この付加層122(本明細書では、「外部コア層」とも呼ばれることがある)は50から64ショアDの範囲内の表面硬度、及び4から10 mmの範囲内の厚みを有していてもよい。この硬度値は、標準的試験法ASTM D-2240を用いて、「ボール上」(ボールの層122の露出外表面122aにおいて)測定される。完成ボールでは、硬度試験のために、外部コア層122の外表面122aは、その上部層を研磨又は剥離することによって表面122aを露出させてもよい。ボールの生産時、この層122の硬度を、完成外部コア層122について、その上に上部層が全く印加されない前に、測定してもよい。本明細書で使用する場合、別様に指示しない限り、「コア」という用語は、一般に、単一固体コア部材(例えば、図1Aに示す要素102)、又は、複数層コア(例えば、図1Bに示す組み合わせ要素102及び122)を含むように用いられる。この外部コア層122は、固体内部コア102について上述したものと同じ材料(例えば、ゴム、エラストマー樹脂材料など)のいずれかから製造されてもよい。
【0047】
図1C及び1Dは、本発明のさらなる例示特色を含む可能性のある、それぞれ、例示ファイブピース固体ゴルフボール構築140及び160を示す。これらの例示ゴルフボール構築140及び160は、上述のフォーピースボール120の層と同じか、又は近似の、種々層を含み(例えば、固体中心又は内部コア102、マントル層104、外部コア層122、及びカバー層106)、これらは、上述のものと同じ可能な材料、硬度、及び/又は厚みばかりでなく、そのカバー外面106aに形成される複数のディンプル108も含む。しかしながら、図1Cの例示ゴルフボール構造140は、マントル層104と外部コア層122の間にもう一つの層142を含む。この付加層142は、このボールの全体「コア」の一部と見なしてもよい。一方、図1Dの例示ゴルフボール構造160は、マントル層104とカバー外部層106の間にもう一つの層162を含む(この位置では、この付加層162は、本明細書では別に「内部カバー層」と呼ぶ場合がある)。ゴルフボール製品では、これらの付加層142及び162は、30から64ショアDの範囲内の表面硬度、及び、0.1から4 mmの範囲内の厚みを有していてもよい。これらの硬度値は、標準的試験法ASTM D-2240を用いて、「ボール上」(例えば、ボール製品の層142及び162の露出外表面142a及び162aにおいて−露出は、研磨又は剥離によって行う−、又は、その上に上部層が重ねられる前に)測定される。これらの付加層142及び162は、任意の所望の材料から製造されてもよく、例えば、上に特定した特異的材料の内のいずれか、及び/又は、従来技術で公知であり、ゴルフボール構築に使用されるいずれかの材料から製造されてもよい。
【0048】
ボールの各種内部層の表面(例えば、表面102a、104a、122a、142a、及び/又は162a)は、種々の図面において滑らかな球面として示されるが、これは、必要条件ではない。むしろ、要すれば、構造は、これらの内部層のいずれか及び/又は全てにおいて、ディンプル、空洞、スロット、溝、凹部などの包含物として組み込まれてもよい。これらのディンプル、空洞、スロット、溝、凹部などは、その直近層の表面によって埋められてもよいし、若しくは、それらは埋められないまま残されてもよい。さらに、ボール中のいずれの層又は要素においても、要すれば、その内部に空洞を含んでもよい。要すれば、いくつかの層のために、球形以外の形状を使用してもよい(例えば、卵形、楕円形など)。
【0049】
さらに、要すれば、ボールの任意の隣接層の間の界面(例えば、一層の外面と隣接層の内面の間)に接着層を設けてもよい。もう一つの特異的例として、フォーピースボール(例えば、図1Bに示すような)の場合、接着層が、表面102aの上で、中心コア102(上述し、下記にさらに詳述するように、必要に応じて樹脂材料から製造される)と、外部コア層122(上述し、下記にさらに詳述するように、必要に応じて樹脂材料から製造される)の間に設けられてもよい。本発明の範囲から逸脱することなく、所望のいずれのタイプの接着剤でも使用が可能であるが、接着剤は、中心コア102の外面102aに設けられるエチルビニールアセテート(「EVA」)であってもよい。
【0050】
下記の表は、本発明の実施例による、比較的特異的なゴルフボール構築のさらに別の例を提示する。
【0051】
本発明の少なくともいくつかの局面による第1実施例ボールは、図1Bに示すものと同様のフォーピース構築、及び、下記の範囲の特性及び/又は特色を有する。
【表1】

【0052】
本発明の少なくともいくつかの局面によるもう一つの例示ボールは、図1Bに示すものと同様のフォーピース構築、及び、下記の範囲の特性及び/又は特色を有する、すなわち:
【表2】

【0053】
本発明の少なくともいくつかの局面によるもう一つの例示ボールは、表2に上述されるものと同様の一般的および中間的特性、及び、下記の、より具体的特性及び特色、又は、特性及び/又は特色の範囲を有する、すなわち:
(a)中心コア材料:HPF 2000+BaSO4(例えば、HPF/BaSO4の重量比は86/14、(HPF 2000は、E.I.DuPont Company, Wilmington, DEから市販される、高度に中和されるアイオノマーである))
(b)中心コア比重:1.006
(c)中心コア硬度:53ショアD
(d)中心コア直径:28 mm
(e)外部コア材料:ポリブタジエンゴム(Kumho NdBR-40ゴム、Korea Kumho Petrochemical Co.から販売、この材料は下記を含む、すなわち:100重量部のNdBR(ネオジミウム系ポリブタジエンゴム);9重量物の酸化亜鉛(ZnO);5重量部の硫酸バリウム(BaSO4);0.6重量部の過酸化物架橋結合剤(例えば、3M/231、Degussa Initiators GmbH & Co.ドイツから販売);1重量部のDCP(ジクミルペルオキシド架橋結合剤);31重量部のジアクリル酸亜鉛(ZDA、硬化剤);0.46重量部の液体フェノール樹脂可塑化剤(例えば、LPR、Holy Hill Trading Co.、台湾から販売);0.6重量部のペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩;及び、0.1重量部の抗劣化剤、である)(要すれば、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩は、米国特許第7,566,280号に記載される種類のものであってよい、なお、この特許の全体を引用により本明細書に含める)。
(f)外部コア比重:1.07
(g)外部コア硬度:54から56ショアD
(h)外部コア圧縮度(10から130 kg負荷):2.2から2.6 mm
(i)外部コアPGA圧縮度:94
(j)マントル層材料:TPU(例えば、ネオタン6303、Dongsung
Highchem Co.,Ltd.から販売)
(k)マントル層比重:1.2
(l)マントル層硬度:64から66ショアD
(m)マントル層厚み:0.6 mm
(n)マントル層圧縮度(10から130 kg負荷):2.3から2.6 mm
(o)マントル層PGA圧縮度:96
(p)外部カバー材料:TPU(例えば、ネオタン4515、Dongsung
Highchem Co.,Ltd.から販売)
(q)外部カバー比重:1.2
(r)外部カバー硬度:52ショアD
(s)外部カバー厚み:1.2 mm
(t)全体ボール圧縮度(10から130 kg負荷):2.2から2.6 mm
(u)全体ボールPGA圧縮度:96
【0054】
本発明の少なくともいくつかの局面によるもう一つの例示ボールは、表2に上述されるものと同様の一般的および中間的特性、及び、下記の、より具体的特性及び特色、又は、特性及び/又は特色の範囲を有する、すなわち:
(a)中心コア材料:HPF 2000/AD 1035混合物(重量比85/15)+BaSO4(HPF+AD混合物/BaSO4の重量比は86/14)(AD 1035は、E.I.DuPont Company, Wilmington, DEから市販される、高度に中和されるアイオノマーである)
(b)中心コア比重:1.006
(c)中心コア硬度:50ショアD
(d)中心コア直径:24 mm
(e)外部コア材料:ポリブタジエンゴム(例えば、上に特定したKumho NdBR-40材料)
(f)外部コア比重:1.07
(g)外部コア硬度:54から60ショアD
(h)外部コア圧縮度(10から130 kg負荷):2.2から2.6 mm
(i)外部コアPGA圧縮度:94
(j)マントル層材料:TPU(例えば、上に特定したDongsung Highchemネオタン6303D)
(k)マントル層比重:1.2
(l)マントル層硬度:64から66ショアD
(m)マントル層厚み:0.6 mm
(n)マントル層圧縮度(10から130 kg負荷):2.3から2.6 mm
(o)マントル層PGA圧縮度:96
(p)外部カバー材料:TPU(例えば、上に特定したDongsung Highchemネオタン4515D)
(q)外部カバー比重:1.2
(r)外部カバー硬度:52ショアD
(s)外部カバー厚み:1.2 mm
(t)全体ボール圧縮度(10から130 kg負荷):2.2から2.6 mm
(u)全体ボールPGA圧縮度:96
【0055】
本発明の少なくともいくつかの局面によるもう一つの例示ボールは、表2に上述されるものと同様の一般的および中間的特性、及び、下記の、より具体的特性及び特色、又は、特性及び/又は特色の範囲を有する、すなわち:
(a)中心コア材料:HPF 2000/AD 1035混合物(重量比65/35)+BaSO4(HPF+AD混合物/BaSO4の重量比は86/14)
(b)中心コア比重:1.006
(c)中心コア硬度:48ショアD
(d)中心コア直径:24.5 mm
(e)外部コア材料:ポリブタジエンゴム(例えば、上に特定したKumho NdBR-40材料)
(f)外部コア比重:1.07
(g)外部コア硬度:57ショアD
(h)外部コア圧縮度(10から130 kg負荷):2.2から2.6 mm
(i)外部コアPGA圧縮度:94
(j)マントル層材料:TPU(例えば、上に特定したDongsung Highchemネオタン6303D)
(k)マントル層比重:1.2
(l)マントル層硬度:67ショアD
(m)マントル層厚み:1 mm
(n)マントル層圧縮度(10から130 kg負荷):2.3から2.6 mm
(o)マントル層PGA圧縮度:96
(p)外部カバー材料:TPU(例えば、上に特定したDongsung Highchemネオタン4515D)
(q)外部カバー比重:1.2
(r)外部カバー硬度:52ショアD
(s)外部カバー厚み:1.1 mm
(t)全体ボール圧縮度(10から130 kg負荷):2.5 mm
(u)全体ボールPGA圧縮度:96
【0056】
これらのボール構築には、スピン、全体硬度、衝撃音、打ち上げ、ドラッグなどの所望の最終特徴を有する最終ボールに到達するために、本発明から逸脱することなく、様々な変更及び修飾を実行すること、例えば、個々の層の追加又は除去;各種の層の硬度、比重、厚み、及び/又は圧縮度の修飾;各種層の材料の修飾などを実行することが可能である。
【0057】
2.ディンプル寸法及び形状局面及び特色
前述のように、本発明の少なくともいくつかの局面は、ゴルフボールの外部カバー層におけるディンプル特色に関する。ゴルフボールのディンプルは、本発明から逸脱することなく、広く様々な特色及び特徴を有することが可能であるが、図2Aから2Fは、本明細書で使用される各種用語の意味を具体的に示し、説明するのに役立つ。
【0058】
図2Aは、ゴルフボールカバー層106において、その外表面106aにディンプル108を形成させるカバー層の一部の断面図を示す。図2Aの部分的断面図は、ボール表面106a上のディンプル108を真っ直ぐに見下ろしたとき、円形辺縁形状108E(図2D参照)を有するディンプル108の中心において得られる。図2Aに示すように、この例示ディンプル108は、円弧断面形(ボールのカバー層106の中に形成される円弧)を有し、ここで、ディンプル108の内側面108aの断面長(図2Aにおいて点L1とL2の間)の、少なくとも中央の約75%は、単一半径Rdを有する。言い換えると、本実施例では、ディンプル表面108aの少なくとも中央75%は、半径Rdを有する球面のセクター又は一部を構成する。本発明の実施例によるゴルフボールにおけるディンプルが円弧断面形を有する場合、ディンプル半径Rdは、より詳細に後述する、本発明によるディンプル構築におけるディンプル値の範囲を有していてもよい。
【0059】
要すれば、本発明の少なくともいくつかの例によるディンプルは、カバー層106の表面106aとディンプル108の内側面108aとの接合部に、急峻又は突出コーナーを有していてもよい。しかしながら、多くの場合、図2Aに示すように、ディンプル辺縁は、比較的丸みを帯びており、例えば、辺縁半径Reを有する。本発明の実施例によるディンプル構築には、所望の任意の辺縁半径を設けることが可能であるが、辺縁半径Reは、0.1から5 mmの範囲であり、ある実施例では、0.25から3 mmの範囲、場合によっては0.25から1.5 mmの範囲である。本発明によるある例示ボールは、約0.5 mmの辺縁半径Reを有する。辺縁半径Reは、与えられた一つのゴルフボール構築上の各種ディンプルにおいて同じであってもよいし、異なっていてもよい。ディンプル108は、内側ディンプル面108aとカバー層の最外側面106aの間の移行を滑らかにするために、該ディンプル108の最外側辺縁が異なる形状(面取りコーナー又は辺縁など)を持つ場合でも、球形セクター形及び円弧断面形を有すると見なしてよい。本明細書で用いる場合、ディンプルは、ディンプルの断面表面108aの中央の75%が円弧を構成しているのであれば、円弧断面形を有するものと見なされ、ディンプルは、ディンプル表面積の中央の75%が、球面の一部を構成しているのであれば、球面セクター表面形を有すると見なされる。
【0060】
図2Bは、本発明の少なくともいくつかの実施例によるディンプル構築に含めてもよいさらなる特色を示す。図2Bに示すように、仮想線(破線PL)は、ディンプル108がボール上に存在していなかった場合、ゴルフボールカバーの最外側層106が配置されていたであろうと想定される場所を示す。ディンプル108の辺縁(又は外周)は、ディンプル108の正確に反対側の接線同士が平行になる点Eの位置を決め(それによって、図2Bに示すように一点鎖線TLを提示することによって)求めることが可能である。これらの接点Eは、ディンプル108の末端を定め、円形外周を有するディンプルの場合、対向接点Eの間の距離は、本明細書でその用語を用いる場合の、ディンプルの「直径」dと定義される。他の外周形を持つディンプルの場合(例えば、多角形、楕円形、卵形など)、同様のディンプル寸法、例えば、長さ、幅、長軸、短軸、大半径、小半径、弦長、対角線長などを定義することが可能である。
【0061】
本明細書で用いるディンプルの「深さ(深度)」とは、図2Bに示すように、その最深点から接線TLまでのディンプル長を意味する。円弧状断面形を有する球形セクターディンプルの場合、このディンプル「深度」は、ディンプル108の幾何学的中心において測定され、接線TLからディンプル108の中心におけるディンプルの内側面108aまでの距離である。もう一つのディンプル「深度」値は、ゴルフボールの仮想表面から、ディンプルの最深点までの大きさとして得られる(球形セクターディンプルの場合、ディンプル108の中心において、仮想線PLから、ディンプル108の中心におけるディンプルの内側面108aまで)。本明細書において、ディンプル「深度」が、それ以上の説明無しに、又は修飾語無しに使用される場合、接線TLからディンプルの最深点までのディンプル深度(これは別に、本明細書では「キャップ型ディンプル深度」とも呼ばれる、なぜなら、ディンプル辺縁Eの間に延び、且つ、Eを定義する一組の接線TLによって定義される平面すなわち「キャップ」から測定されるから)を意味することが意図される。本明細書では、仮想線PLからディンプルの最深点までの深さが意図される場合は、特に、「完全ディンプル深度」という用語が使用される(図2Bでは、完全ディンプル深度用の線は、平坦面で閉じた時のディンプル深度用の線と紛れることがないよう、ディンプル108の中心からずらして示される)。
【0062】
ある特定ディンプルについて、少なくとも二つの異なるディンプル容積を定義することが可能である。一つのディンプル容積は、ディンプル辺縁Eの間に延び、Eを定義する接線TLと、ディンプル表面(例えば、図2Bに示す表面108a)との間に定められる容積として定義される。本明細書では、この容積は、別に「平坦面で閉じた時のディンプル容積」とも呼ばれる。なぜなら、それは、ディンプル辺縁Eの間に延び、Eを定義する、一組の接線TLによって定められる平面すなわち「キャップ」から測定されるからである。第2のディンプル容積は、ボールの仮想球面(すなわち、ディンプルが無かったなら、ボール表面が存在したであろう場所)と、ディンプル表面(例えば、図2Bに示す表面108a)の間の容積と定義することが可能である。本明細書では、ディンプル「容積」という用語が、それ以上の説明無しに又は修飾語無しに使用される場合、それは、ディンプル辺縁を定義する、一連の接線TLから、ディンプル表面まで測定したディンプル容積(平坦面で閉じた時のディンプル容積)を意味することが意図される。本明細書では、「完全ディンプル容積」という用語は、特に、仮想のボール表面とディンプル表面との間で測定した容積が意図される場合に使用される。
【0063】
図2Cは、本明細書において論ずることが可能であり、及び/又は、本発明の少なくともいくつかの局面の定義に使用することが可能な、さらに別のディンプル特色を示す。図2Cは、カバー層106の厚みの各種特色を示す。図2Cに示すように、そのディンプル108のために、ゴルフボールのカバー層106は、一定の厚みを持たない。したがって、本明細書で用いる「カバー層厚」及び「公称厚」という用語は、いかなるディンプル108からも離れた場所において(すなわち、ディンプル108の間のフレット又は平地区域であって、ディンプル表面108aに対応する区域ではない)ボールの球体の半径にそって測定された厚みを指す。この「カバー層厚」及び「公称厚」寸法の一実施例を、図2Cに、厚さ「T」として示す。
【0064】
図2Cは、もう一つのカバー層寸法、厚さBであり、これは、ディンプル108の最深点においてボール球体の半径にそって得られるカバー層の厚さである。本発明の少なくともいくつかの実施例によるゴルフボールにおけるディンプルは、広範囲のB/T値を有していてもよく、例えば、0.4から0.95の範囲から、ある実施例では、0.5から0.9の範囲内、又は場合によっては0.6から0.85の範囲内にあってもよい。このB/T比は、ある一つのボール表面において種々の異なるディンプル型について異なっていてもよい。
【0065】
本発明のいくつかの局面はさらに、ボールにおける、ディンプルの表面積占拠率に関する。個別ディンプルについて、ディンプルの表面積は、上述のディンプル辺縁Eによって定められる面積によって定義することが可能である。図2Dに示すように、円形外周形を有するディンプルの場合、この面積は、π×(d/2)2と定義することが可能であり(ここで、「d」は個別ディンプルの直径である)、正方形外周形を有するディンプルでは、この面積はs2と定義することが可能であり(ここで、「s」は、ディンプル辺縁の長さである)、長方形外周形を有するディンプルでは、この面積は、l×wと定義することが可能である(ここで、「l」は、ディンプルの一辺縁の長さであり、「w」は、ディンプルの隣接辺縁の長さである)。他の個別ディンプル面積についても、平坦面で閉じた時のディンプル辺縁形の面積を求めるための、この同じ一般的方法において求めることが可能である。ディンプル総面積(パラメータAd、個別ディンプル表面積の合計)の、ボールの仮想表面の表面積(パラメータAb、ボールが全くディンプルを含まないと仮定した場合の、その最外側表面から得られるボール表面積)に対する比率Ad/Abは、少なくとも70%であってもよいが、ある実施例では、少なくとも72%、又は、72%から85%の範囲内、場合によっては、72%から78%の範囲内にあってもよい。全ディンプルが円形外周を有する、本発明の少なくともいくつかの実施例では、Ad/Ab比は、上述の範囲のいずれかの中にあり、ここで、Adは、数式(I)によって求められる、全体ディンプルの表面カバー面積であり、すなわち:
【数I】



上式において、「M」は、ゴルフボールにおけるディンプルの総数であり、「d」は、個々のディンプルの直径であり、且つ、
ここで、Abは、該ボール上にディンプルが全く存在しないと仮定した場合のゴルフボールの全体表面積であり、数式(II)によって求められる、すなわち:
【数II】


上式において、「D」は、該ゴルフボールの最外側直径(ディンプルの外側で測定した)である。
【0066】
上の記述の多くは、円弧断面形と円形外周形を有するディンプルに関する。これらは、本発明の、必ずしも全ての局面において必須ではない。むしろ、本発明の少なくともいくつかの実施例によるゴルフボールに含まれるディンプルは、異なる様々の断面形及び外周形などを有していてもよい。図2Eは、断面形が「二重半径」構成を有する、もう一つの例示ディンプル構造208を示す。より具体的には、図2Eに示すように、このディンプル208の中央部分は、第1曲率半径(Rd1)を有する上方(又は外周)部分(すなわち、ディンプル辺縁に近い部分)、及び、第2曲率半径(Rd2)を有する下方(又は中央)部分(すなわち、ディンプルの中心に近い部分)を含み、ここで、各曲率半径の中心は、ボールの外側に配置される。Rd1は、Rd2よりも大きくとも、小さくともよいが、本発明のいくつかの実施例では、Rd1は、0.2Rd2から5Rd2の範囲内、ある実施例では、0.25Rd2から4Rd2、場合によっては、0.5Rd2から2Rd2の範囲内にあってもよい。本発明の少なくともいくつかの実施例によるボールは、三重(又は、それ以上)半径構成を有していてもよい。
【0067】
図2Fは、別の例示ディンプル断面形を示す。この例では、ディンプル218の上方(又は外周)部分(すなわち、ディンプル辺縁に近い部分)は、第1曲率半径(Rd1)を有し、下方(又は中央)部分(すなわち、ディンプルの中心に近い部分)は、平坦であるか、又は事実上平坦な底面を有する。要すれば、ディンプルの中央底部部分は、凸型を有していてもよい(すなわち、ボールの外部表面に向かって外方に突出する)。本発明の少なくともいくつかの実施例にしたがって、その他のディンプル断面形を設けてもよく、例えば、(ディンプル内部面から隆起するか、又は、ディンプル内部面に切り込まれる)環状リングを有するディンプル、任意の所望の形の溝を有するディンプル、ディンプルの内部面から隆起する、任意の所望の形を取る隆起結節を有するディンプル、切り子面を有するディンプル内部面、円筒形ディンプル面などを設けてもよい。
【0068】
ゴルフボール上のディンプルはさらに、本発明から逸脱することなく、様々の外周形を有することが可能であり、例えば、多角形(例えば、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、八角形など)、楕円形、卵形、水滴形、フットボール形、星形、不規則形などを取ることが可能である。
【0069】
二つのディンプルは、もしもそれらのディンプルがカバー層に形成され(例えば、成形、鋳造などの際に)、一方のディンプルが、何らかの著明なやり方で、例えば、直径、深度、半径、容積、表面積、断面形などにおいて、他方のディンプルと異なる場合、それらは異なる「型」−本明細書における本用語の使用法にしたがって−を持つとされる。ディンプル同士は、上述の寸法又は特性のいずれかにおいて4%を超える差がある場合、「有意差」がある。二つのディンプルは、もしも、それらのディンプルが成形、鋳造、又は、その他のやり方で初期生産されたとき、その二つのディンプルが同じ寸法及び形状を有するのであれば(例えば、同じ直径、深度、半径、容積、表面積、断面形など)、すなわち、これらのディンプルが、「有意差」がない(上述の寸法又は特性のいずれにおいても4%を超えない)のであれば、同じ「型」を有する。本明細書で使用する場合、ボール表面に対する後続処理、例えば、塗装、クリアコーティングなどは、一つの型のディンプルを別の型のディンプルに変えることはないものとする。もっとも、そのために、ある任意の型の内部において、ディンプル毎に若干の変動が生じる可能性はある(例えば、コーティング材料の積層、コーティング材料の拡散などによって)。さらに、ボールのバフ仕上げ又は研磨(例えば、もしもそのような処理が必要であるとすれば、シームラインの周囲である)は、一般に、該バフ仕上げ又は研磨が、上述の寸法又は特性の一つ以上を「有意に」変えることがない限り(例えば、寸法を4%を超えて変えることがない限り)、及び/又は、バフ仕上げ又は研磨が、個別のディンプル寸法の一つ以上を、別のディンプル型の寸法に合うように意図的に変えることがない限り、一ディンプル型から別ディンプル型へ変えることはない。
【0070】
3.ディンプルレイアウト局面及び特色
本発明の各種局面は、ゴルフボール面上の、ディンプルレイアウト及び配置の局面及び特色に関する。図3A及び3Bは、本発明の局面によるディンプルレイアウト及び配置特色のいくつかを具体的に示すのに役立つ。先ず、これらの図に示すように、ゴルフボール300は、それぞれ、事実上半球形の、二つの半分300a及び300bを含む。ただし、図3Bの立面図に示すように、各ボール半分300a及び300bの底部は、ボール上に、ボール周囲の「大円」又は赤道には一致しないシームラインSLの供給を支援するよう、曲線状又は階段状になっていてもよい。このようにして、ボール300は、ボールの赤道(二つの極Pの間の半分道)の大円を含む、ボール300上の全ての大円が、少なくとも一つのディンプルと交差する(このボールの生産時に、金型の半分同士が接合する、見かけのシームラインが存在しない)という点で「シームレス」外観を呈してもよい。
【0071】
ゴルフボール300のディンプルたち(この例示構造ではA型からE型まで)は、各半分300a及び300bにおいて、N個の反復セクター302の中に配置され、ここで、Nは、2から10の範囲内の整数であり、ある実施例では、2から8、場合によっては、3から6である。図3A及び3Bの特定例示ボール300では、各ボール半分300a及び300bは、極Pの周囲に繰り返される、3個のセクター302を含み(各セクター302は、ボール外周の120°をカバーする)、ボール300の全表面では合計6個のセクターとなる。この例示のディンプル配置における各個別セクター302は、対称線LS(図3Aでは破線として示される)を含み、対称線LSの一方側のセクター内の個別ディンプル(及びディンプル部分)は、同じセクター302内の対称線LSの他側の個別ディンプル(及びディンプル部分)の鏡像として配置される。要すれば、ディンプルパターン半部の中に、対称線を含まない一つ以上のセクターを設けてもよく、例えば、そのようなセクターを、対称線を含むセクターの間に等間隔で配布してもよい。言い換えると、本発明は、ボール上のディンプルの各特定可能セクターが対称線を含むことを要求しない。
【0072】
図3Aに示すように、各セクター302は、球面三角領域である。望むのであれば(要求はされないけれども)、これらのセクター302の少なくともいくつかは、共通点、又は場合によって共通辺を共有してもよい。図3Aに示す例示構造では、各半球300a及び300bのセクター302は、その半球の極点Pを共有する。それとは別に、要すれば、セクター302は、共通点を共有する必要はないし(例えば、球面三角は、極点Pから下方に遠ざけられてもよい)、及び/又は、それらは、共通辺を共有する必要もない(同じディンプルパターンを持つセクター302の間に、多くの異なるセクターが配置されてもよい)。
【0073】
一方のボール半分300aにおけるディンプルパターン半部(すなわち、ディンプルレイアウト及び配置)は、他方のボール半分300bのディンプルパターン半部(すなわち、ディンプルレイアウト及び配置)と同じであるが、これらのディンプルは、シームラインSLを境界線として鏡像配置されない。むしろ、図3Bから明白なように、ディンプルパターン半部300a及び300bは、シームラインSL位置を境界として回転方向に互いに転位しており、例えば、2°から90°、5°から60°、5°から45°、10°から45°、10°から30°、場合によっては15°から30°の範囲内の転位量だけずれる。図3A及び3Bに示す実施例ではこの回転方向転位量は約60°である。
【0074】
ボール上には、本発明から逸脱することなく、所望の任意の数の総計ディンプルを含めてよく、例えば、320個から432個の総計ディンプル、又は場合によっては330個から392個の総計ディンプルを含めてもよい。本発明の実施例による、いくつかの特定ゴルフボールディンプル配置は、360個と390個の合計ディンプルを含む。図3A及び3Bの特定ディンプル配置は、390個の合計ディンプルを含み(セクター当たり65ディンプル、セクター半分当たり32.5個のディンプル)、5種の異なるディンプル型(A型からE型まで)がボール300上に配置される。図3A及び3Bに示すように、二つの隣接セクター302は個別ディンプルを共有するので、各セクターは、そのディンプルの半分ずつを含む。
【0075】
図4A及び4Bは、一般的に、図3A及び3Bに関して上述したものと同様に布置されるディンプルパターンを有する、別の例示ゴルフボール400の、それぞれ、平面図及び立面図を示す。上記ディンプルパターンは、合計6個のディンプルセクター(各ディンプルパターン半部に3セクター)を有し、各セクターは、中央の対称線LSによって分離され、該対称線を境界にして半分セクター内のディンプルは、その隣接半分セクター内のディンプルの鏡像を形成する。この図示例のボール400では、ディンプルパターン半部同士は、互いに回転方向に約60°転位する。図4A及び4Bの、この特定ディンプル配置は、360個の合計ディンプルを含み、セクター当たり30個のディンプル、半セクター当たり15個のディンプルである。このボール400は、ボール400の周囲に配置される、6種の異なるディンプル型(A型からF型まで)を含む。
【0076】
図5A及び5Bは、ディンプルパターン半部を有するゴルフボール500の、それぞれ、平面図及び立面図を示す。このディンプルパターン半部は、それぞれが、8個のセクター(実線で示す)に分断され、さらに、対称線LS(図5B及び5Bでは破線として示す)が、各セクターを、該対称線LSを境界にして互いに鏡像を為す半分セクターに分断する。見易くするために、図5A及び5Bでは実際のディンプルは示していないが、セクター及び半分セクターには、本発明から逸脱することなく、任意の所望のディンプルパターン、ディンプル型、及びディンプル数を設けてもよい。さらに、図5Bに示すように、上面ディンプルパターン半部は、同じ底面ディンプルパターン半部に対し、任意の所望の回転量だけ、回転方向に転位されてもよい(図5Bの特定実施例では、約11.25°の、回転方向転位ROが示される)。
【0077】
図6A及び6Bは、一般的に、図3A及び3Bに関して上述したものと同様に布置されるディンプルパターンを有する、別の例示ゴルフボール600の、それぞれ、平面図及び立面図を示す。上記ディンプルパターンは、合計6個のディンプルセクター(各ディンプルパターン半部に3セクター)を有し、各セクターは、中央の対称線LSによって分離され、該対称線を境界にして半分セクター内のディンプルは、その隣接半分セクター内のディンプルの鏡像を形成する。この図示例のボール600では、ディンプルパターン半部同士は、互いに回転方向に約10°転位する。図6A及び6Bの、この特定ディンプル配置は、360個の合計ディンプルを含み、セクター当たり30個のディンプル、半セクター当たり15個のディンプルである。このボール600は、ボール600の周囲に配置される、10種の異なるディンプル型(A型からJ型まで)を含む。
【0078】
4.ディンプル寸法及び他の特色
本発明のさらなる局面は、単一ゴルフボールの表面における各種ディンプル「型」の包含に関する。本発明の少なくともいくつかの実施例によるゴルフボールは、少なくとも4種の異なるディンプル「型」を含んでもよく、いくつかの実施例では、4から20ディンプル「型」、4から16ディンプル「型」、場合によっては5から12ディンプル「型」を含んでもよい。
【0079】
本発明の実施例によるディンプルは、広範な寸法特色、断面形、表面特色などを有していてもよい。本発明の少なくともいくつかの実施例によれば、本発明の少なくともいくつかの実施例にしたがってゴルフボール表面に設けられるディンプルは下記を含んでもよい、すなわち:
(A)ディンプル半径が、2から20 mmの範囲内、
(B)ディンプル直径が、1.5から8 mmの範囲内、
(C)ディンプル深度が、0.08から0.5 mmの範囲内、
(D)各ディンプル型におけるディンプルの直径/深度比が、8から40の範囲内、
(E)ディンプル総面積(Ad)の、仮想的ボール表面積(Ab)に対する占拠率が、少なくとも65%、及び、
(F)ディンプル総容積(平坦面で閉じた時)が、少なくとも300 cc、である。
【0080】
本発明の少なくともいくつかの実施例によるゴルフボール表面に設けられるディンプルの特徴及び特色の、いくつかの、より特異的例は下記を含んでもよい、すなわち:
(A)ディンプル半径が、2.5から18 mmの範囲内、
(B)ディンプル直径が、2から6 mmの範囲内、
(C)ディンプル深度が、0.1から0.3 mmの範囲内、
(D)各ディンプル型におけるディンプルの直径/深度比が、10から30の範囲内、
(E)ディンプル総面積(Ad)の、仮想的ボール表面積(Ab)に対する占拠率が、少なくとも70%、及び、
(F)ディンプル総容積(平坦面で閉じた時)が、少なくとも320 cc、である。
【0081】
本発明の少なくともいくつかの実施例によるゴルフボール表面に設けられるディンプルの特徴及び特色の、いくつかの、さらに特異的例は下記を含んでもよい、すなわち:
(A)ディンプル半径が、3から16 mmの範囲内、
(B)ディンプル直径が、2.2から5 mmの範囲内、
(C)ディンプル深度が、0.1から0.25 mmの範囲内、
(D)各ディンプル型におけるディンプルの直径/深度比が、10から28の範囲内、
(E)ディンプル総面積(Ad)の、仮想的ボール表面積(Ab)に対する占拠率が、少なくとも72%から78%、及び、
(F)ディンプル総容積(平坦面で閉じた時)が、少なくとも360から560 ccであり、ある実施例では360から480 ccの範囲内、である。
【0082】
本発明の少なくともいくつかの局面による、一つの特定ディンプルパターンは、図3A及び3Bに示す一般的ディンプル配置を含み、合計6個のセクターに配置される合計390ディンプル、及び、5種の異なるディンプル型(A型からE型まで)を有する。ディンプルの形成後(且つ、いかなるものであれ、仕上げ工程を全く実行しない前)、この特定ボールディンプルは、下記の表に記載される特色及び特徴を有していてもよい。
【表3】


*本明細書に記載されるディンプル寸法は全て、ディンプル、及び/又は、ディンプル製造に使用される金型のCAD寸法に基づくもので、一般に、ディンプルが形成、硬化され、金型(又は、他の成形装置)から取り出された後であって、塗料、クリアコート、又はその他の仕上げ材料がボールに印加される前のボールにおいて測定することが可能なディンプル寸法に一致する。バフ仕上げ、艶出し、塗装、クリアコーティング等の工程が終了した形成の位置はディンプル寸法よりも若干変化してもよい。

このボールのディンプル(「平坦面で閉じた時」)総容積は、356.4 mm3であり、Ad/Ab比は約75%である。
【0083】
本発明の少なくともいくつかの局面による、別の特定ディンプルパターンは、図4A及び4Bに示す一般的なディンプル配置を含み、合計6個のセクターに配置される合計360個のディンプル、及び、6種の異なるディンプル型(A型からF型まで)を有する。ディンプルの形成後(且つ、いかなるものであれ、仕上げ工程を全く実行しない前)、この特定ボールディンプルは、下記の表に記載される特色及び特徴を有していてもよい。

【表4】


このボールのディンプル(「平坦面で閉じた時」)総容積は、371.4 mm3であり、Ad/Ab比は約76%である。
【0084】
上の表に記載される特定ディンプルパターンの、他の実施例(図4A及び4Bに示す一般的なディンプル配置を含み、合計6個のセクターに配置される合計360個のディンプル、及び、6種の異なるディンプル型を有する)は、下記の表に記載される特色及び特徴(ディンプルの形成後で、且つ、いかなるものであれ、仕上げ工程を全く実行しない前)を有する、すなわち:

【表5】


このボールのディンプル(「平坦面で閉じた時」)総容積は、374.4 mm3であり、Ad/Ab比は約76%である。注目すべきことに、このボールは、4 mm直径を有する2種類の異なる「型」を含む(すなわち、一方のディンプル型は、0.175 mmの深度を有し、他方のディンプル型は、0.165の深度を有する)。より深い深度(0.175 mm)を有する4 mmディンプルの大部分の中心は、より浅い深度(0.165 mm)を有する4 mmディンプルの大部分の中心よりも、ボールのシーム又は赤道からより遠くに位置する。要すれば、より深い深度を有する4 mmディンプルは全て、その中心を、より浅い深度を有する4 mmディンプルの中心よりも、シーム又は赤道から遠ざける。
【0085】
本発明の少なくともいくつかの局面による、別の特定ディンプルパターンは、図6A及び6Bに示す一般的ディンプル配置を含み、合計6個のセクターに配置される合計360ディンプル、及び、10種の異なるディンプル型(A型からJ型まで)を有する。ディンプルの形成後(且つ、いかなるものであれ、仕上げ工程を全く実行しない前)、この特定ボールディンプルは、下記の表に記載される特色及び特徴を有していてもよい。

【表6】


このボールのディンプル(「平坦面で閉じた時」)総容積は、381.25 mm3であり、Ad/Ab比は約76.6%である。
【0086】
注目すべきことに、本例示ボールは、下記を含む複数のディンプルを含む、すなわち:
(a)第1ディンプル型、第1直径(2.4 mm)を有する;
(b)第2ディンプル型、第1直径(2.4 mm)、及び、第1ディンプル型よりも深い深度(0.205 mm対0.195 mm)を有する、ここで、第2ディンプル型のディンプルの大部分(この実施例では、ディンプルの全て)は、第1ディンプル型のディンプルの大部分よりも、シームから遠くに配置される(シームからの距離は、シームラインから、ディンプル中心までボール表面に沿う、もっとも直接的経路として測定される);
(c)第3ディンプル型、第1直径よりも大きな第2直径(3.3 mm)を有する;
(d)第4ディンプル型、第2直径(3.3 mm)、及び、第3ディンプル型よりも深い深度(0.145 mm対0.135 mm)を有する、ここで、第4ディンプル型のディンプルの大部分(この実施例では、ディンプルの全て)は、第3ディンプル型のディンプルの大部分よりも、シームから遠くに配置される;
(e)第5ディンプル型、第2直径よりも大きな第3直径(3.5 mm)を有する;
(f)第6ディンプル型、第3直径よりも大きな第4直径(3.7 mm)を有する;
(g)第7ディンプル型、第4直径よりも大きな第5直径(4.0 mm)を有する;
(h)第8ディンプル型、第5直径(4.0 mm)、及び、第7ディンプル型よりも深い深度(0.165 mm対0.155 mm)を有する、ここで、第8ディンプル型のディンプルの大部分(この実施例では、ディンプルの全て)は、第7ディンプル型のディンプルの大部分よりも、シームから遠くに配置される;
(i)第9ディンプル型、第5直径よりも大きな第6直径(4.3 mm)を有する;
(j)第10ディンプル型、第6直径(4.3 mm)、及び、第9ディンプル型よりも深い深度(0.215 mm対0.205 mm)を有する、ここで、第10ディンプル型のディンプルの大部分(この実施例では、ディンプルの全て)は、第9ディンプル型のディンプルの大部分よりも、シームから遠くに配置される;
前述のように、いくつかのディンプル型は、共通のディンプル直径を共有するが、異なるディンプル深度(別のディンプル型と比べて)を有する。本発明の少なくともいくつかの例によれば、別のディンプル型と同じ直径を有するが、より深いディンプル型は、同じ直径のより浅いディンプル型の中心よりも、シームから遠い場所にその中心を布置させる。少なくともいくつかの実施例では、別のディンプル型と同じ直径を持つが、より深い、一組のディンプル型は、同じ直径のより浅いディンプル型の中心よりも、シームから遠い場所にその中心を布置させる。
【0087】
いくつかの特定のディンプル直径が、表6及び上記の説明に言及されるが、本発明から逸脱することなく、これら特定寸法における変動は可能である。例えば、上述の「第1直径」は、2から3 mmの範囲内にあってもよいし;上述の「第2直径」は、3から3.6 mmの範囲内にあってもよいし;上述の「第3直径」は、3.2から3.8 mmの範囲内にあってもよいし;上述の「第4直径」は、3.4から4 mmの範囲内にあってもよいし;上述の「第5直径」は、3.6から4.4 mmの範囲内にあってもよいし;且つ、上述の「第6直径」は、4から6 mmの範囲内にあってもよい。ディンプル(平坦面で閉じた時)総容積は、少なくとも320 mm3であってもよく、ある実施例では、少なくとも360 mm3であり、ある実施例では、360 mm3から560 mm3の範囲内、又は場合によっては、360 mm3から480 mm3の範囲内であってもよい。Ad/Ab比は、少なくとも65%、少なくとも70%にあってもよく、いくつかの実施例では、72%から78%の範囲内にあってもよい。
【0088】
図6A及び6Bを参照しながら上述した特定ディンプルパターン及び配置はさらに、ディンプルサイズの種々の組み合わせを含むが、特定寸法も、本発明から逸脱することなく変動させることが可能である。例えば、上述の「第1ディンプル型」は、少なくとも0.175 mmの深さを有していてもよく、「第2ディンプル型」は、少なくとも0.185 mmの深さを有していてもよい。もう一つの例示特色として、「第1ディンプル型」は、15以下の直径/深度比を有していてもよく、「第2ディンプル型」は、14以下の直径/深度比を有していてもよい。本発明による少なくともいくつかの例示ディンプル配置におけるもう一つの可能な特色として、第1及び第2ディンプル型は、それぞれ、14以下の直径/深度比を有し、一方、第3から第10ディンプル型は、それぞれ、16以上の直径/深度比を有していてもよい(及び、ある例では、第3から第10ディンプル型の内の少なくともいくつかは、20以上の直径/深度比を有する)。さらに別の可能な特色として、上述の第1及び第2ディンプル型は、それぞれ、5 mm以下のディンプル半径を有してもよく、必要に応じて、第3から第10ディンプル型は、それぞれ、8 mm以上のディンプル半径を有してもよい(及び、ある例では、第3から第10ディンプル型の内の少なくともいくつかは、10 mm以上のディンプル半径を有する)。その他の、寸法変動、及び特性の組み合わせも、本発明から逸脱することなく可能である。
【0089】
上述の各種ディンプル配置は、本発明から逸脱することなく、任意の所望の型のボール構築において、例えば、上述の各種の特異的ボール構築(例えば、マルチピースボール構築)の内のいずれかにおいて使用することが可能である。
【0090】
5.ボール生産特色
本発明によるゴルフボールは、任意の所望の方式で、例えば、当該技術分野で知られ、使用される通りの通例方式で製造してよい。これは、ボール(例えば、マルチピースボール)の各種部品の実際の生産と組み立て、及び、ボールカバー層におけるディンプルの包含を含む。各種プロセスに関する、いくつかのより詳細な実施例を下記に述べる。
【0091】
マルチピースゴルフボール(例えば、フォーピースボール)の生産法における第1工程として、上述の各種材料の内のいずれかで製造される、固体内部コア部材が準備される。これは、例えば、前もって押し出されたコア材料生地を、球(又は、他の所望の)形に圧縮成形することによって、若しくは、射出成形プロセスによって達成され、それによって、固体内部コアは、18から36 mm(及び、ある実施例では、20から29 mm)の範囲内の直径を有するようになる。一旦成形されたならば、コアは硬化させ(必要ならば)、滑らかにし、バフ仕上げするか、又はその他のやり方で処理する。
【0092】
次に、このコアは、成形機(例えば、ピンに支持される)に移され、この固体内部コアを包囲するように、外部コア層が、射出成形プロセスによって形成される(射出成形プロセスが十分に進行したならば、支持ピンは取り除かれるか、又は引っ込められる)。成形又は他のやり方で形成されたならば、この2層コアを使用して、固体コアの周囲に一層を形成することが可能である。成形又は他のやり方で形成されたならば、この2層コアは、硬化させ(要すれば)、滑らかにし、バフ仕上げするか、又はその他のやり方で処理する。外部コア層は、4から10 mmの範囲の厚みを有していてもよい。必要であるか、又は所望ならば、内部コアの外面は、成形プロセス前に、外部コア材料が、それと安定的関係を維持するように処理してもよい。それとは別に、成形条件及び/又は材料は、これらの材料の間に、所望の接着性又はその他の関係性が、内部コアに対するさらなる添加物又はさらなる処理を要することなく実現されるように選ばれてもよい。
【0093】
次に、この2層コアは、外部コアの周囲にマントル層が形成されるのを可能とするよう、さらに別の金型の中に納めてもよい。これもまた、例えば、射出成形によって(例えば、この2層コアは、ピンによって支持される金型の中に納められ、射出成形プロセスが十分に進行したならば、ピンは取り去るか、又は引っ込める)実現することが可能である。他の形成法も可能である(望むなら、マントル層は、ボール構築体に対し外部コア層と共に単一工程で付加することが可能であり、例えば、両層を2層重層体として内部コアの周囲に印加し、次いで成形することによって付加することが可能である)。一旦成形又は他のやり方で形成されたならば、この3層構造体は硬化させ(必要ならば)、滑らかにし、バフ仕上げするか、又はその他のやり方で処理してもよい。マントル層は、ある厚み、例えば、0.4から1.6 mmの範囲内の厚みを持つように形成されてもよい。必要であるか、又は所望ならば、外部コアの外面は、成形プロセス前に、マントル層材料が、それと安定的関係を維持するように処理してもよい。それとは別に、成形条件及び/又は材料は、これらの材料の間に、所望の関係性が、内部コアに対するさらなる添加物又はさらなる表面処理を要することなく実現されるように選ばれてもよい。
【0094】
次に、カバー層が、マントル層を包囲するように形成される。この工程もまた、射出成形によって、例えば、前述の一般的方式によるやり方によって、鋳造プロセスなどによって実現することが可能である。カバー層金型の内面は、所望のディンプルパターン、例えば、上述のディンプル配置及びパターンを生成するよう、その上に、突起を適切な配置及びサイズにおいて含んでもよい。一旦成形されたならば、このディンプル印刻ボール構造体は、硬化させ(必要ならば)、滑らかにし、バフ仕上げするか、又はその他のやり方で処理してもよい。カバー層は、公称の厚み、例えば、0.6から1.6 mmの範囲内の厚みを持つように形成されてもよい。必要であるか、又は所望ならば、マントル層の外面は、成形プロセス前に、カバー層材料が、それと安定的関係を維持するように処理してもよい。それとは別に、成形条件及び/又は材料は、これらの材料の間に、所望の関係性が、マントル層に対するさらなる添加物又は表面処理を要することなく実現されるように選ばれてもよい。
【0095】
上述の層は、いずれも、該層の各種特性、例えば、硬度、比重、圧縮度、慣性モーメント、重量、重量分布などの調節を可能とするよう、添加物又はその他の材料を含んでもよい。さらに、本発明から逸脱することなく、ボール構築体に対し付加層を加えてもよく、若しくは、層を排除してもよい(例えば、外部コア層)。
【0096】
最後に、カバー層に対し一つ以上の仕上げ材料を、それによって「完成」ゴルフボールを生成するように印加してもよい。このような仕上げ材料としては、例えば、塗料、クリアコート(例えば、掻き傷及び擦り傷耐性用の保護コーティング)、光学的光沢剤、抗黄変剤、疎水剤、着色剤、色素などが挙げられる。
【0097】
本発明の少なくともいくつかの実施例による完成ボールは、上述の硬度特性など各種特性を含んでもよい。フォーピースボールの、いくつかのさらに特異的実施例として下記がある、すなわち:(a)完成ゴルフボールの固体内部コアは、42から54ショアDの範囲内の表面硬度を有していてもよい(及び、ある実施例では、45から51ショアD)、(b)完成ゴルフボールの外部コア層は、50から64ショアDの範囲内の表面硬度を有していてもよい(及び、ある実施例では、54から60ショアD)、(c)完成ゴルフボールのマントル層は、60から72ショアDの範囲内の表面硬度を有していてもよい(及び、ある実施例では、64から70ショアD)、(d)完成ゴルフボールのカバー層は、44から60ショアDの範囲内の表面硬度を有していてもよい(及び、ある実施例では、51から57ショアD)、及び(e)マントル層のショアD硬度は、固体内部コア、外部コア層、及びカバー層のショアD表面硬度より高くてもよい。本発明によるある例示構築では、完成ゴルフボールにおいて、マントル層の表面硬度は、外部コア層の表面硬度よりも少なくとも8ショアDポイント高く、固体内部コアの表面硬度よりも少なくとも16ショアDポイント高く、且つ、カバー層の表面硬度よりも少なくとも10ショアDポイント高い。
【0098】
本発明による、さらに特異的ボール構造では、完成ゴルフボール製品において:(a)固体内部コアの表面硬度は、46から50ショアDの範囲内にあり、固体内部コアの直径は、23から26 mmの範囲内にあり;(b)外部コア層の表面硬度は、55から59ショアDの範囲内にあり、外部コア層の厚みは、6から8 mmの範囲内にあり;(c)マントル層の表面硬度は、65から69ショアDの範囲内にあり、マントル層の厚みは、0.8から1.2 mmの範囲内にあり;及び、(d)カバー層の表面硬度は、52から56ショアDの範囲内にあり、カバー層の厚みは、0.9から1.3 mmの範囲内にある。
【0099】
本発明によるゴルフボールの別の例示方法及び構築は、下記を含んでもよい、すなわち:一つ以上のピースから製造されるコアであって、18から40 mmの範囲内の直径を有するコアを準備すること;(b) コアの最外側表面に直接隣接し、それを包囲するマントル層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、0.4から1.6 mmの範囲内の厚みを有するマントル層を形成すること;(c) マントル層を包囲するカバー層であって、熱可塑性ポリウレタン含有材料を含み、0.6から1.6 mmの範囲内の公称の厚さを有するカバー層を形成すること、ここで、カバー層は、その中に複数のディンプル(例えば、上述のパターン及び配置を含む、任意の所望のパターン又は配置において)を含むように形成される;及び、(d)カバー層の上に仕上げ材料を印加し、「完成」ゴルフボールを生産すること、である。これらの工程は、上述のものと同じか、又は同様であってもよく、当該技術分野で知られ、使用される通例の方法工程を含んでもよい。この完成ゴルフボールのコアは、53から61ショアD範囲内の最外側面硬度を有していてもよく、この完成ゴルフボールのマントル層は、64から72ショアD範囲内の表面硬度を有していてもよく、この完成ゴルフボールのカバー層は、50から58ショアD範囲内の表面硬度を有していてもよく、且つ、マントル層のショアD硬度は、コアの最外側面のショアD硬度、及び、カバー層表面のショアD硬度よりも高く造られてもよい。完成ゴルフボールにおける、ある、より特異的実施例として、マントル層の表面硬度は、コアの最外側表面硬度よりも少なくとも8ショアDポイント高く、カバー層の表面硬度よりも少なくとも10ショアDポイント高くともよい。
【0100】
結論
勿論、本発明から逸脱することなく、ゴルフボール及び/又はこれらのボールの製造法に対し多くの修飾を用いることが可能である。例えば、ディンプルのサイズ、形、及びその他の特色、及びその配置は、少なくとも本発明のいくつかの局面においては広く変動することが可能である。さらに、ボール構築の材料特性、例えば、構築タイプ(例えば、コアタイプ)、層材料、層硬度、層圧縮度、層厚などは、本発明の少なくともいくつかの局面においては広く変動することが可能である。方法に関しては、本発明から逸脱することなく、追加の生産工程を付加してもよく、様々の上述工程は省略してもよく、これらの工程は変更してもよく、及び/又は、順序を変えるなどをしてもよい。したがって、本発明は、本発明を実行するのに現時点で好ましい方式を含む特異的実施例に関連してこれまで説明されてきたわけであるが、当業者ならば、上述の構造及び方法について数多くの変種及び組み合わせがあることを了解するであろう。したがって、本発明の精神及び範囲は、添付の特許請求項に記載される通り広く考えなければならない。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中に複数のディンプルを形成させる表面を含むゴルフボールにおいて、該ディンプルが:
該表面における第1球面三角領域から成る第1セクターであって、ここで、該第1球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第1セクターに配置され、該配置は、第1セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第1セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第1セクター;
該表面における第2球面三角領域から成る第2セクターであって、ここで、該第2球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第2セクターに配置され、該配置は、第2セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第2セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第2セクター、
ここで、第1セクター及び第2セクターは、少なくとも第1共通点を共有する;
該表面における第3球面三角領域から成る第3セクターであって、ここで、該第3球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第3セクターに配置され、該配置は、第3セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第3セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第3セクター;及び、
該表面における第4球面三角領域から成る第4セクターであって、ここで、該第4球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第4セクターに配置され、該配置は、第4セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第4セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第4セクター、
ここで、第3セクター及び第4セクターは、少なくとも第2共通点を共有する;
を含むパターンとして配置されており、前記第1および第2共通点は、互いに異なることを特徴とする、ゴルフボール。

【請求項2】
前記第1共通点と前記第2共通点が、前記ゴルフボールの直径の両端点に位置する、ことを特徴とする、請求項1に記載のゴルフボール。

【請求項3】
前記第1セクターにおける前記複数ディンプルが、前記第2セクターの前記複数ディンプルと共通パターンとして配置され、前記第3セクターにおける前記複数ディンプルが、前記第4セクターの前記複数ディンプルと共通パターンとして配置されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のゴルフボール。

【請求項4】
前記第1、第2、第3、及び第4セクターにおける前記複数ディンプルが、共通パターンとして配置されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のゴルフボール。

【請求項5】
前記第1共通点から延びる、前記第1及び第2セクターの辺縁が、前記第2共通点から延びる、前記第3及び第4セクターの辺縁と整列しないことを特徴とする、請求項2又は請求項4に記載のゴルフボール。

【請求項6】
前記表面における第5球面三角領域から成る第5セクターであって、ここで、該第5球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第5セクターに配置され、該配置は、第5セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第5セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第5セクター、ここで、第5セクターは、第1及び第2セクターと第1共通点を共有する;
前記表面における第6球面三角領域から成る第6セクターであって、ここで、該第6球面三角領域が、第1半分と第2半分に分割され、複数のディンプルが、第6セクターに配置され、該配置は、第6セクターの第1半分におけるディンプル位置が、第6セクターの第2半分におけるディンプル位置と鏡像関係となるように行われる第6セクター、ここで、第6セクターは、第3及び第4セクターと第2共通点を共有する;
をさらに含むことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のゴルフボール。

【請求項7】
前記第1共通点から延びる、前記第1、第2、及び第5セクターの辺縁が、前記第2共通点から延びる、前記第3、第4、及び第6セクターの辺縁と整列しないことを特徴とする、請求項6に記載のゴルフボール。

【請求項8】
前記第1、第2、第3、第4、第5、及び第6セクター中の前記複数のディンプルが共通パターンとして配置されることを特徴とする、請求項6に記載のゴルフボール。

【請求項9】
前記表面上の前記ディンプルが:
第1深度、第1半径、及び第1直径を有する第1ディンプル型;
第2深度、第2半径、及び第1直径を有する第2ディンプル型;
第3深度、第3半径、及び第2直径を有する第3ディンプル型;
第4深度、第4半径、及び第2直径を有する第4ディンプル型;
第5深度、第5半径、及び第3直径を有する第5ディンプル型;
第5深度、第6半径、及び第4直径を有する第6ディンプル型;
第6深度、第7半径、及び第5直径を有する第7ディンプル型;
第7深度、第8半径、及び第5直径を有する第8ディンプル型;
第2深度、第9半径、及び第6直径を有する第9ディンプル型;及び、
第8深度、第10半径、及び第6直径を有する第10ディンプル型
を含むことを特徴とする、請求項1又は請求項6に記載のゴルフボール。

【請求項10】
前記表面上の前記ディンプルが:
第1直径を有する第1ディンプル型の、少なくとも18個のディンプル;
第1直径よりも大きな第2直径を有する第2ディンプル型の、少なくとも12個のディンプル;
第2直径よりも大きな第3直径を有する第3ディンプル型の、少なくとも6個のディンプル;
第3直径よりも大きな第4直径を有する第4ディンプル型の、少なくとも36個のディンプル;
第4直径よりも大きな第5直径を有する第5ディンプル型の、少なくとも270個のディンプル;及び、
第5直径よりも大きな第6直径を有する第6ディンプル型の、少なくとも18個のディンプル
を含むことを特徴とする、請求項1又は請求項6に記載のゴルフボール。

【請求項11】
前記表面上の前記ディンプルが:
第1直径を有する第1ディンプル型の、少なくとも36個のディンプル;
第1直径よりも大きな第2直径を有する第2ディンプル型の、少なくとも24個のディンプル;
第2直径よりも大きな第3直径を有する第3ディンプル型の、少なくとも54個のディンプル;
第3直径よりも大きな第4直径を有する第4ディンプル型の、少なくとも30個のディンプル;及び、
第4直径よりも大きな第5直径を有する第5ディンプル型の、少なくとも246個のディンプル
を含むことを特徴とする、請求項1又は請求項6に記載のゴルフボール。

【請求項12】
前記表面上の前記ディンプルが:
第1直径を有する第1ディンプル型;
第1直径を有する第2ディンプル型において、第1ディンプル型よりも深い第2ディンプル型;
第1直径よりも大きい第2直径を有する第3ディンプル型;
第2直径を有する第4ディンプル型において、第3ディンプル型よりも深い第4ディンプル型;
第2直径よりも大きい第3直径を有する第5ディンプル型;
第3直径よりも大きい第4直径を有する第6ディンプル型;
第4直径よりも大きい第5直径を有する第7ディンプル型;
第5直径を有する第8ディンプル型において、第7ディンプル型よりも深い第8ディンプル型;
第5直径よりも大きい第6直径を有する第9ディンプル型;及び、
第6直径を有する第10ディンプル型において、第9ディンプル型よりも深い第10ディンプル型、
を含むことを特徴とする、請求項1又は請求項6に記載のゴルフボール。

【請求項13】
各セクターにおいて:
該セクターにおける第2ディンプル型の全ディンプルが、そのセクターにおける第1ディンプル型の全ディンプルよりも、そのセクターの共通点近くに配置され;
該セクターにおける第4ディンプル型の全ディンプルが、そのセクターにおける第3ディンプル型の全ディンプルよりも、そのセクターの共通点近くに配置され;
該セクターにおける第8ディンプル型の全ディンプルが、そのセクターにおける第7ディンプル型の全ディンプルよりも、そのセクターの共通点近くに配置され;且つ、
該セクターにおける第10ディンプル型の全ディンプルが、そのセクターにおける第9ディンプル型の全ディンプルよりも、そのセクターの共通点近くに配置される、
ことを特徴とする、請求項12に記載のゴルフボール。

【請求項14】
ゴルフボールを形成する方法であって:
請求項1から13のいずれか1項にしたがって、その中に複数のディンプルを含むようにゴルフボールの表面を形成することを含む、方法。

【請求項15】
前記形成が:(a)成形し、それによって、その中に複数のディンプルを形成させる前記表面を形成すること、(b)金型にゴルフボールコアを納め、該コアを包囲するようにカバー材料を射出成形し、それによって、その中に複数のディンプルを形成させる該表面を形成すること、又は(c)ゴルフボールコアの周囲にカバー材料を鋳造して該コアを包囲し、それによって、その中に複数のディンプルを形成させる該表面を形成すること、
を含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【公開番号】特開2012−40375(P2012−40375A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−172663(P2011−172663)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)