説明

複数のノズルを備える差動液体送出ヘッド

複数のノズルを備える差動液体送出ヘッド30を開示する。液体送出ヘッドは、長手軸を有する液体チャンバ34を画定する本体32を含む。本体32は液体供給源に接続される注入口36を含み、注入口36は液体チャンバ34に流体連通されている。液体送出ヘッドは、本体32に接続され、本体から延びる複数の吹出口42を含む。各吹出口42は、液体チャンバ34と流体連通する内部空間を有する。液体送出ヘッド30は、各吹出口42の外端部に取り外し可能に接続されるノズル挿入部60を含む。少なくとも1つのノズル挿入部60が、対応する吹出口42の内部空間に流体連通して、対応する吹出口の内部空間から液体を送出するための液体送出孔を有する。1つ以上の吹出口が液体送出ヘッドの軸に垂直な面から傾けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器や、シャワーエンクロージャ、またはバスタブなどのエンクロージャの内面に洗剤を噴霧するための複数のノズルを備える差動液体送出ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
便器は、目障りな沈着物が堆積するのを防いだり、臭いを低減したり、バクテリアの成長を妨げたりするように手入れする必要がある。従来、便器は、液体や粉状の洗剤や消毒剤を用いて手で擦ることにより洗浄、消臭、消毒される。同様に、シャワーエンクロージャおよびバスタブも目障りな沈着物が堆積するのを防いだり、バクテリアが成長するのを防いだりするように手入れする必要がある。通常、シャワーエンクロージャやバスタブは、液体洗剤を用いて手で擦ることにより洗浄される。これらの清掃には、便器、シャワーエンクロージャ、およびバスタブを清潔に保つために手作業が要求されている。
【0003】
自動の便器洗浄システムが提案されている。自動便器ディスペンサには、便器の縁に取り付けられた導管を通じて便器内に供給されるエアゾール状の消臭および/または洗浄剤を使用しているものがある。たとえば、米国特許第3,178,070号には、縁に沿って延びる管を備え、トイレの縁にブラケットによって取り付けされたエアゾールコンテナが開示されている。また、米国特許第6,029,286号および第5,862,532号は、液体用の加圧タンク、液体の供給源に接続された導管、およびトイレの縁に設置されたスプレーノズルを備える便器用のディスペンサを開示している。これらの周知トイレの縁に設けられた供給装置の欠点の1つとして、これらの装置では、消臭および/または洗浄剤をトイレの水の一部あるいはトイレの水あるいは便器内面の限られた箇所にしか供給することができない点がある。結果として、便器の内面の洗浄が、装置近くの便器部分に限られることになる。
【0004】
また、複数のスプレーヘッドを使用した自動便器洗浄システムが提案されている。たとえば、米国特許第6,622,315号、第5,022,098号および第4183105号を参照されたい。しかしながら、これらのシステムでは、複雑な液体管の配置が必要であり、それにより多くの消費者がそのようなシステムの導入をためらっていると思われる。
【0005】
また、自動シャワー洗浄システムが開発されている。米国特許第7021494号には、液体クレンザーをシャワーエンクロージャの壁に噴霧する自動スプレーが開示されている。このスプレーは、ポンプと回転スプレーヘッドを用いてクレンザーを供給する。モータでポンプを動かし、スプレーヘッドを回転させる。それによって、クレンザーがシャワーエンクロージャの壁に噴霧される。
【0006】
また、多数ノズルを備える液体送出ヘッドが提案されている。たとえば、米国特許第6,669,120号、第6,123,272号、第6,435,427号、第5,484,002号、第5,253,807号および第3,139,100号を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3178070号
【特許文献2】米国特許第6029286号
【特許文献3】米国特許第5862532号
【特許文献4】米国特許第6622315号
【特許文献5】米国特許第5022098号
【特許文献6】米国特許第4183105号
【特許文献7】米国特許第7021494号
【特許文献8】米国特許第6669120号
【特許文献9】米国特許第6123272号
【特許文献10】米国特許第6435427号
【特許文献11】米国特許第5484002号
【特許文献12】米国特許第5253807号
【特許文献13】米国特許第3139100号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
便器、シャワーエンクロージャおよびバスタブなどを洗浄するための自動送出システムの設計は、通常、処理/洗浄される表面の様々な部分が液体送出システムの位置から様々な距離、方向に位置するため、複雑である。このような表面を処理する一方法として、システム内において液体送出部品を回転させたり、液体送出ヘッドの回転角度を含むスプレーの特性を変更したりする方法がある。このような設計により表面の全ての箇所を適切に処理することができるが、実際には厄介なことになる場合がある。自動洗浄システムに回転しない液体送出部品を有するほうが、複雑でなく、費用の削減や信頼性の向上につながるので望ましいともいえる。
【0009】
したがって、便器や、シャワーエンクロージャ、バスタブ等を洗浄するための自動洗浄システムで使用する静止タイプの液体送出ヘッドが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の要求は、本発明による複数のノズルを備える差動液体送出ヘッドによって満たすことができる。液体送出ヘッドは便器、シャワーエンクロージャ、バスタブなどのエンクロージャを洗浄するための自動洗浄システムでの使用に適している。液体送出ヘッドは、多くの噴霧液を供給する。この噴霧液の噴霧円錐角(spray cone angle)は、噴霧液がエンクロージャの内面の適切な箇所に当たるまでの噴霧液が飛ぶ距離によって決まる。液体送出ヘッドは、そのヘッドにおいて異なる方向に方向付けされた適切な数のノズルを含み、それによってエンクロージャの表面に洗浄化学薬品が均一にかかるようにする。各ノズルは旋回ノズル構成に基づく。旋回ノズルは、円錐状に噴霧液を提供し、速度、液サイズ、円錐角、送出量等の噴霧液の特徴はノズルの内部の構造上の特徴に基づく。液体送出ヘッドにおける各旋回ノズルの幾何学(構造)パラメータ全てについての大きさは、単一の非回転液体送出ヘッドで便器表面(あるいは他のエンクロージャの表面)に完全に均一に吹き付けることができるように決めることができる。
【0011】
一形態として、複数のノズルを備える差動液体送出ヘッドは、2つの部品を含む。すなわち、(1)本体と(2)吹出口(圧力旋回噴霧器)である。液体送出ヘッドは、8つの吹出口を含んでもよく、各吹出口は液体送出ヘッドの長手軸に水平な方向に対して角度θ傾けられている。使用している吹出口は圧力旋回噴霧器である。各吹出口の設計パラメータについて、噴霧液の特徴(半円錐角、粒子サイズなど)に影響するものは複数ある。この噴霧液の半円錐角は軸と旋回(視線)速度に応じる。液体送出ヘッドの吹出口の端部に挿入される各ノズル挿入部について、半円錐角≦角度θとなる。これにより、噴霧液が便器の縁から出ることがなくなる。
【0012】
ノズル挿入部は、噴霧液の半円錐角が、便器表面に突き当たるまで噴霧液が飛ぶ距離によって変化するように設計される。便器表面(あるいは他のエンクロージャ表面)の最も近くに位置することになるノズルが最大円錐角となるように、また逆に、便器表面から最も遠くに配置されるノズルについても設計される。
【0013】
複数のノズルを備える差動液体送出ヘッドの利点は、便器表面に対してそれぞれ別に配置されるけれども、便器内面に液体(洗浄化学薬品)を均一に提供することにある。この設計は旋回ノズル用に作成されたものではあるが、異なるスプレー特性を備える複数のノズルに対する一般的な考えとして、他のノズル構成(たとえば、ファンノズル等)に対しても同様に適用することができる。
【0014】
したがって、本発明は、本体、吹出口、およびノズル挿入部を含む静止タイプの液体送出ヘッドを提供する。本体は、長手軸を有する液体チャンバを含む。液体チャンバは液体供給源に接続された注入口を有する。注入口は液体チャンバと流体連通されている。吹出口は本体の外面に接続さており、そこから延びている。各吹出口は、液体チャンバに流体連通する内部空間を有する。吹出口の1つ以上は、液体チャンバの軸に垂直な面から角度θ傾いている。ノズル挿入部は、各吹出口の外端部に取り外し可能に固定されている。ノズル挿入部の1つ以上は、その対応する吹出口の内部空間に流体連通し、対応する吹出口の内部空間から液体を送出するための液体送出孔を有する。
【0015】
好ましくは、各吹出口は液体チャンバの軸に垂直な面から角度θだけ傾いている。最も好ましくは、各吹出口は、注入口から傾けられている。液体送出ヘッドの一タイプにおいて、少なくとも2つの吹出口が、注入口から異なる角度で傾けられている。1つ以上の吹出口は外壁部と、中央の軸方向突部とを含んでもよく、それらは互いに距離をおいて、吹出口の内部空間が、外壁部の内面と軸方向突部の外面で画定されるようになっている。
【0016】
液体送出ヘッドの一形態において、本体は、環状の外壁部を含み、その外壁部は、液体チャンバを画定する管状の内壁部から離れている。この形態における液体送出ヘッドは、外壁部が本体の外面を含み、そこから吹出口が外方向に延びている。吹出口は、本体の外面から互いに同じ距離、あるいは異なる距離で延びていてもよい。
【0017】
各ノズル挿入部は、その対応する吹出口の内部空間と流体連通し、対応する吹出口の内部空間から液体を送出するための液体送出孔を含むことができる。各ノズル挿入部の先端には、液体送出孔に流体連通する内方向凹部を含むことができる。一形態において、各凹部は円錐状の内面を有し、それによりノズル挿入部から円錐状の噴霧液パターンが形成される。
【0018】
吹出口やノズル挿入部は様々に組み合わせることができる。たとえば、本体の外面からの距離など、吹出口の少なくとも2つを異なる寸法にし、各ノズル挿入部の寸法を同じくすることもできる。あるいは、各吹出口の寸法を同じくして、ノズル挿入部の液体送出孔あるいはノズル挿入部の先端の凹部の最大径や長さなど、少なくとも2つのノズル挿入部を異なる寸法にすることもできる。
【0019】
各ノズル挿入部は、対応する吹出口の所定位置に、対応する吹出口の外端部の内面に嵌る締まりばめを介して固定することができる。有利なことには、各ノズル挿入部の位置は、対応する吹出口に固定されたとき、対応する吹出口の外端部の内面に対して動かすことができ、各ノズル挿入部の噴霧液の噴霧円錐角を変化させることができる。
【0020】
他の態様において、本発明は、エンクロージャの内面に液体を噴霧するための装置を提供する。装置は、液体用のコンテナと、液体送出ヘッドと、液体送出ヘッドの液体チャンバの注入口とコンテナに流体連通する導管と、コンテナから導管を通して液体送出ヘッドに液体を送出する液体送出手段とを含む。液体送出ヘッドは、液体が液体送出ヘッドの周囲に噴霧されるように構成される。液体送出ヘッドは、液体チャンバに流体連通する複数の吹出口と、各吹出口の外端部に固定されたノズル挿入部を含む。少なくとも1つのノズル挿入部が、対応する吹出口の内部空間と流体連通し、対応する吹出口の内部空間から液体を送出するための液体送出孔を有する。一般に、ノズル挿入部はそれぞれが、対応する吹出口の内部空間と流体連通する1つの液体送出孔を有する。しかしながら、ノズル挿入部を使用して対応する吹出口からの液体の流出を防いだりする場合もあり、したがって、そのようなノズル挿入部に液体送出孔を設けないようにする場合もある。
【0021】
装置の液体送出ヘッドの一構成において、1つ以上の吹出口を液体チャンバの長手軸に垂直な面から傾ける。傾けられた吹出口の数は限定せず、すなわちどの吹出口も液体送出ヘッドの液体チャンバの長手軸に垂直な面から傾けることができ、各ノズル挿入部は、対応する吹出口の内部空間に流体連通し、対応する吹出口の内部空間から液体を送出するための液体送出孔を含むことができる。また各ノズル挿入部の外先端部は、液体送出孔と流体連通する内方向凹部を含むことができる。内方向凹部は、他と共に、液体送出ヘッドからの噴霧液のパターンを形成する。たとえば、各凹部が円錐状の内面を有する場合、液体送出ヘッドは複数の円錐状噴霧液パターンを形成することになる。
【0022】
各ノズル挿入部は、対応する吹出口の所定の位置に、対応する吹出口の外端部の内面に嵌る締まりばめを介して取り外し可能に固定されることができる。装置の液体送出ヘッドの一タイプとして、各吹出口の寸法を同じくし、少なくとも2つのノズル挿入部を異なる寸法にすることができる。このタイプにおいて、異なるノズル挿入部は主に液体送出ヘッドからの異なる噴霧液パターンを制御するのに用いられる。装置の他のタイプの液体送出ヘッドにおいて、各ノズル挿入部の寸法を同じくし、少なくとも2つの吹出口を異なる寸法にすることができる。この変更タイプでは、異なる吹出口が主に、液体送出ヘッドからの異なる噴霧液パターンを制御するのに使用される。
【0023】
装置の一実施形態において、コンテナは加圧されており、液体送出手段がコンテナに高圧ガスを含み、導管にバルブを含む。バルブは化学薬品をコンテナから導管を通して液体送出ヘッドに送出するための開位置を有する。装置の他の実施形態において、液体送出手段は、作動した時、コンテナから導管を通じて液体送出ヘッドに化学薬品を送出するためのポンプを含む。ポンプの例としては、血管ポンプ、インペラー(渦巻)ポンプ、蠕動ポンプ、ギア式ポンプ、ベローズポンプおよびピストンポンプが挙げられる。
【0024】
装置の一応用形態において、エンクロージャは便器であり、装置は液体送出ヘッドを便器の縁に取り付けるための手段を含む。1つの適切な取付手段としては、様々なサイズの便器の縁に収まるように膨張・収縮可能な軟質のプラスチックからなる取付クリップがある。装置の他の応用形態において、エンクロージャはシャワーエンクロージャであり、装置は、液体送出ヘッドをシャワーエンクロージャの一壁近くに取り付けるための手段を含む。1つの好適な取付手段として、液体送出ヘッドをシャワーパイプから吊り下げるハンガーがある。
【0025】
さらに他の態様として、本発明は、エンクロージャの内側表面に液体を噴霧するための方法を提供する。この方法において、液体チャンバと液体チャンバに流体連通する複数の吹出口を含む液体送出ヘッドを使用する。ノズル挿入部が備わっており、少なくとも数個のノズル挿入部が、内寸法の異なる液体送出路を有する。ノズル挿入部は、吹出口毎に選択される。選択された各ノズル挿入部が、対応する吹出口に挿入される。液体送出ヘッドはエンクロージャ内に配置され、液体が液体送出ヘッドの液体チャンバへ送出され、エンクロージャの内側表面全体にわたって横方向に噴霧される。
【0026】
好ましくは、内寸法の異なる液体送出路を有する少なくとも2つのノズル挿入部が吹出口に挿入される。ノズル挿入部は、噴霧液のパターンが、エンクロージャの表面に当たるまで飛ぶ距離に応じて変わるように選択され、挿入される。たとえば、エンクロージャの表面に最も近く配置されることになるノズル挿入部は、噴霧液のパターン角度が最大となるように、エンクロージャの表面から最も離れて配置されるノズル挿入部は噴霧液のパターン角度が最小となるように選択されてもよい。
【0027】
各液体送出路が、液体送出孔と液体送出孔に流体連通する内方向凹部を含むことができる。好ましくは、凹部は噴霧液がノズル挿入部から出るノズル挿入部の外端部に設けられる。一形態において、各凹部は円錐状の内面を有する。
【0028】
本発明の上記および他の特徴、態様および利点は、以下の詳細な説明、図面および添付の特許請求の範囲を考慮することでより理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1A】本発明による液体送出ヘッドを使用することのできる便器洗浄装置の例を示す斜視図である。
【図1B】本発明による液体送出ヘッドおよび取付クリップを示す、図1Aの1B−1Bから見た部分斜視図である。
【図2】本発明による液体送出ヘッドの底面および側面の斜視図である。
【図3】図2の液体送出ヘッドの底面の斜視図である。
【図4】図3の線4−4に沿った図3の液体送出ヘッドの断面図である。
【図5】図4の線5−5に沿った図4の液体送出ヘッドのノズル挿入部の詳細断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面を通して同じ構成要素には同じ参照符号を用いて参照し、以下に説明することにする。
【0031】
本発明による液体送出ヘッドは、便器、シャワーエンクロージャ、バスタブなど、エンクロージャの内面に液体を噴霧する様々な装置に使用することができる。本発明のいくつかの実施形態を説明のために例示するが、これにより本発明が限定されることはない。
【0032】
図1Aおよび図1Bには、本発明の液体送出ヘッド30を含む自動便器洗浄装置10の実施形態が示されている。便器洗浄/消臭装置10には、化学薬品用のコンテナ11、化学薬品を液体送出ヘッド30の周囲に横方向に噴霧することができる液体送出ヘッド30、コンテナ11および液体送出ヘッド30に流体連通する液体供給導管22、および液体送出ヘッド30を便器12の縁14近くへ取り付けるための取付クリップ24を含む。化学薬品は液体送出ヘッド30により直接、便器12の内面16および/またはトイレの水に噴霧され、以下の通り、連続して便器12を洗浄および消臭する。
【0033】
コンテナ11はケース13内に逆さまに収容される。ケース13内には、コンテナ11の流出口に嵌る器具が備わっている。ケース13の器具はまた、液体供給導管22にも接続されている。ケース13はまた、手動作動ボタン15も含む。本発明の一例において、コンテナ11は加圧されており、コンテナ11の高圧ガスと吹出バルブを含む。手動作動ボタン11によって、バルブを開位置に移動させて、化学薬品をコンテナ11から導管22を通じて液体送出ヘッド30に送出する。たとえば、作動ボタン15によってコンテナ11を下方へ押し、コンテナ11の底部のバルブを開ける。あるいは、ポンプによってコンテナ11から導管22に化学薬品を送出することもできる。また、コンテナ11から導管22への化学薬品の送出はプログラムされた様々なタイムスケジュールに従って液体を送出するコントローラにより制御することもできる。
【0034】
図1Bは、液体送出ヘッド30をトイレ10の便器12の縁14近くに取り付けるための取付クリップ24を示す。取付クリップ24は、本体壁部25と、第1側壁部26と、第1側壁部26から離れた第2側壁部27を備え、逆さ向きの略U字形状のクリップ24をなしている。クリップ24は軟質のプラスチックで形成され、便器の縁の様々なサイズに合うように膨張および収縮するようになっている。導管22は第1壁部の穴26を通って、本体壁部25上に延び、第2壁部27の穴29を通る。これにより、導管22の位置を取付クリップ24の隣に制御し、導管22の一部を隠す。液体送出ヘッド30は、図1Bに示すように導管22の一端と繋がり、導管22から化学薬品を受け取る。
【0035】
ユーザが手動作動ボタン15を押すと、加圧コンテナ11のバルブが開位置に動き、化学薬品がコンテナ11から導管22を通って液体送出ヘッド30に送出される。化学薬品は液体送出ヘッド30に入り、次いで以下のように液体送出ヘッド30の全周に横方向に噴霧される。結果として、化学薬品は便器の内面の全周に沿って均一に拡散されることになる。液体送出ヘッド30の構造は、化学薬品を直接トイレの水線の下、および/または水線部分、および/または水線の上に噴霧するように変更することができる。
【0036】
上述の装置10に関し、様々な方法で、コンテナから導管まで化学薬品を手動で送出するようにすることができる。たとえば、上述のように、手動作動ボタンや、フットペダルを用いて、加圧コンテナのバルブを動かしたり、化学薬品を導管22と液体送出ヘッド30に送出することができる。あるいは、手動作動タイプのスプレー、たとえば、米国特許第4,618,077号に示すようなものを使用して、化学薬品をコンテナから導管22と液体送出ヘッド30に導くこともできる。
【0037】
たとえば、米国特許出願公開第2005/0133540号に示すような電気モータスプレーを使用して、化学薬品をコンテナから導管22、液体送出ヘッド30に導くこともできる。このタイプの電気モータスプレーでは、バッテリーによりピストンポンプのモータに電気を送る。可撓性のピックアップ管が化学薬品を有するコンテナから伸びている。スプレーから後下方のコンテナに通気孔が設けられており、液体が引き出されるとコンテナを通気させる。スプレーヘッドハウジングのモータにより放射状の突部を有する循環部材を起動させる。突部はカムフォロアのスロットを乗り降りして、吹出ノズル近くのピストンシリンダにおいてピストンヘッドを往復させる。適切なチェックバルブにより、ピストンの動きに応じたコンテナから吹出口への流れが可能になり、さらにピストンチャンバからの逆流を阻止する。そのような電気モータスプレーのノズルは導管22に接続することができる。
【0038】
コンテナから導管と液体送出ヘッド内までの化学薬品の自動送出は様々な方法で実現することができる。チルトバルブを備える加圧コンテナを使用して、化学薬品をコンテナから導管と液体送出ヘッドまで制御回路とソレノイドを使用して放出することもできる。特に、制御回路によってソレノイドに電気を送り、作動したら、ソレノイドのコアをコンテナのチルトバルブに対して移動させ(押圧させ)、化学薬品を加圧されたコンテナから導管内へ放出する。
【0039】
制御回路は、調整可能な時間パターンにしたがってソレノイドに通電して化学薬品をコンテナから導管へ放出するように、バッテリーとプログラム可能な時刻タイマーを含めることができる。たとえば、化学薬品はコンテナから導管へ8時間ごとの放出されるようにすることができる。このようなプログラム可能な時刻タイマーによって化学薬品の導管とスプレーノズルまで放出の時間をいかに設定することも可能である。したがって、プログラム可能な時刻タイマーを備える制御回路により連続運転可能な便器洗浄システムを提供する。
【0040】
また、他の制御回路も適している。たとえば、制御回路にトイレ近くで人の存在を検知する近接センサと電気通信可能なプロセッサを含めることができる。プロセッサは、人がもはやトイレに近くで検知されなくなったらソレノイドに通電して、化学薬品をコンテナから導管に放出するようにするタイミング回路を含む。たとえば、近接センサがプロセッサに、人がトイレに近接しているという信号を送る。人が離れると、近接センサは誰もトイレ近くにいないことを示す別の信号をプロセッサに送る。プロセッサにおけるカウントダウンタイマは、そのとき化学薬品のコンテナから導管への放出を遅らせる。
【0041】
コンテナから導管までの化学薬品の自動送出はまた、電動ポンプと制御回路を使用して実現することができる。たとえば、上述の米国特許出願公開第2005/0133540号の電動ポンプスプレーは、プログラム可能な時刻タイマーを備える制御回路を含めることができ、調整可能な時間パターンに基づいてポンプを作動させて、コンテナから導管へ、それから液体送出ヘッドへ化学薬品を送出する。
【0042】
本発明による液体送出ヘッド30を含む自動便器洗浄装置10の一例を説明してきたが、本発明による静止タイプの液体送出ヘッド30の一実施形態を説明することもできる。液体送出ヘッド30のすべての要素は、ポリエチレンやポリプロピレンなど熱可塑性材料から当該技術分野で周知のプラスチック成形技術を使用して製造することができる。液体送出ヘッド30は様々な液体送出圧力で使用することができる。液体送出ヘッドの一例として、たとえば、8〜35psi(55〜241キロパスカル)の液体圧力が好ましい。
【0043】
図3〜図5を参照すると、液体送出ヘッド30は管状内壁部33によって画定される中央管状体32を有する。中央管状体32は、一端に注入開口部36を有し、他端に端壁部38を有する円筒状の液体チャンバ34を画定している。液体チャンバ34は長手軸Aを有する。液体送出ヘッド30はまた、管状内壁部33から距離をおいて環状外壁部40を含む。
【0044】
図3を参照すると、液体送出ヘッド30は8つの吹出口42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42hを有し、それらは、環状外壁部40に接続されるとともに、そこから延びている。図示した実施形態において、8つの吹出口42a〜42hは、環状外壁部40の円周方向に等間隔を開けて配置されている。しかしながら、8つの吹出口42a〜42hの間隔は別々に設定することもできる。吹出口42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42hは、管状外壁部44a、44b、44c、44d、44e、44f、44g、44hをそれぞれ有する。管状外壁部44a、44b、44c、44d、44e、44f、44g、44hは、その外端部に内面取部45a、45b、45c、45d、45e、45f、45g、45hをそれぞれ備え、ノズル挿入部が簡単に挿入できるようになっている。
【0045】
各吹出口42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42hはまた、内部に軸方向に延びる円筒状の突部47a、47b、47c、47d、47e、47f、47g、47hをそれぞれ有する。突部47a、47b、47c、47d、47e、47f、47g、47hは、その対応する管状外壁部44a、44b、44c、44d、44e、44f、44g、44hから間隔をあけて設けられており、それによって、各吹出口42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42hにそれぞれ環状内部空間49a、49b、49c、49d、49e、49f、49g、49hが形成される。
【0046】
環状内部空間49a、49b、49c、49d、49e、49f、49g、49hはそれぞれ、液体導管50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50hによって液体チャンバ34に流体連通されている。液体導管50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50hは、それぞれ対応する流路51a、51b、51c、51d、51e、51f、51g、51hを有し、それらによって環状内部空間49a、49b、49c、49d、49e、49f、49g、49hが、液体管50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50hの端部の開口部54a、54b、54c、54d、54e、54f(図示せず)、54g(図示せず)、54h(図示せず)を介して液体チャンバ34に流体連通される。開口部54a、54b、54c、54d、54e、54f、54g、54hの液体チャンバ34の端部からの距離は、(図示したように)同じまたは異なってもよい。
【0047】
少なくとも1つの吹出口42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42hは液体送出ヘッドの液体チャンバの長手軸Aに対して垂直な水平面Hに対して角度θだけ傾いている(図4参照)。好ましくは、各吹出口42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42hが液体チャンバ34の注入口36から傾いている。最も好ましくは、各吹出口42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42hが液体送出ヘッド30の長手軸Aから傾いている。言い換えると、好ましい実施形態では、各吹出口42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42hが、注入口36から離れる方向に水平面Hより角度θだけ傾いている。水平面Hと各吹出口42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42hのなす角度θは互いに同じ角度でも、異なる角度でもよい。したがって、図示した実施形態では、吹出口42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42hのそれぞれに対し、1から8のいずれかの数の角度θが存在することになる。
【0048】
壁部40から各管状外壁部44a、44b、44c、44d、44e、44f、44g、44hの端部までの各管状外壁部44a、44b、44c、44d、44e、44f、44g、44hの長さは、互いに同じ長さでも異なる長さにしてもよい。したがって、図示した実施形態では、吹出口42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42hに対して、1から8のいずれかの数の長さが存在することになる。
【0049】
各吹出口42a、42b、42c、42d、42e、42f、42g、42hはその外端部にノズル挿入部を有する。説明を簡単にするため、図3および図4は、吹出口42aの外端部に挿入されるノズル挿入部60aのみを示している。各吹出口42b、42c、42d、42e、42f、42g、42hもまたその外端部にノズル挿入部を含むことは理解されるべきである。各ノズル挿入部の寸法は、互いに同じ寸法にすることもでき、あるいは異なる寸法にすることもできる。したがって、図示した実施形態では、各ノズル挿入部に対し、1から8のいずれかの数の寸法が存在することになる。
【0050】
図4および図5を参照すると、ノズル挿入部60aは、(図示していない他の7つのノズル挿入部も同じく)環状側壁部62aを有する。環状側壁部62aはノズル先端部64aの一端部まで延び、ノズル先端部64aには内方向凹部73aが設けられている。ノズル挿入部60aはまた、液体送出孔70aによってノズル先端部64aの内方向凹部73aと流体連通する円筒状旋回チャンバ68aを有する。
【0051】
旋回チャンバ68a内に配置されるのが、旋回挿入部69aである。旋回挿入部69aは、旋回挿入部69aの中央の周りに複数の傾斜貫通孔71a、71b、71cを有する。旋回挿入部69aは、円筒状の旋回チャンバ68aに圧入することもできる。あるいは、旋回挿入部69aはノズル挿入部60aと一体にすることもできる。したがって、ノズル挿入部60aにおける流路は、傾斜貫通孔71a、71b、71c、旋回チャンバ68a、液体送出孔70aおよびノズル先端部64aに円錐状凹部73aを有する。一般に、ノズル挿入部はそれぞれ、対応する吹出口の内部空間に流体連通する流路を有する。しかしながら、ノズル挿入部を用いて対応する吹出口からの液体流出を防ぐ場合もあり、その場合には、流路のないノズル挿入部を使用する。各ノズル挿入部は、対応する吹出口の外端部の内面とノズル挿入部の外面との間の締まりばめを介して、対応する吹出口の定位置に固定される。ノズル挿入部を各吹出口に固定する他の方法としては、接着剤やねじ留めも適している。
【0052】
各ノズル挿入部は、様々な圧力旋回噴霧器の設計パラメータを変更することにより、異なる、しかしながら一般に円錐状の噴霧液パターンを作り出すことができる。たとえば、噴霧液パターンは、貫通孔の数、貫通孔の内径、貫通孔の角度、貫通孔の長さ、旋回チャンバの内径、旋回チャンバの長さ、円錐凹部の深さおよび円錐凹部の開き角度を変えることにより変化させることができる。また、締まりばめを使用した場合、各ノズル挿入部の位置は、対応する吹出口に固定したとき、対応する吹出口の外端部の内面に対して移動することができ、各ノズル挿入部の噴霧液の円錐角が変わるようになっている。
【0053】
図5に示すタイプのノズル挿入部60aでは、液体の流れが次のようになる。液体は環状内部空間49aからノズル挿入部60aの環状空間72aに入る。液体は次に、旋回挿入部69aの傾斜貫通孔71a、71b、71cに入る。旋回挿入部69aの傾斜貫通孔71a、71b、71cにおける液体の通過により液体が旋回する。傾斜貫通孔71a、71b、71cの端部における旋回した液体は、次に、旋回チャンバ68aの内面に衝突して、それによりさらに液体が旋回する。液体は、次にノズル先端部64aにおける円錐状の内方向凹部73aを離れた後、円錐状の噴霧液として拡散していく。
【0054】
円錐状の噴霧液を形成するノズル挿入部の一タイプを示したが、当業者なら、中空円錐シンプレックスノズル、ソリッドコーンシンプレックスアトマイザ、シンプレックス旋回アトマイザなどの他の旋回ノズルをノズル挿入部として使用できることは理解できる。たとえば、「Atomization and Sprays」(A.H.Lefebvre,Hemisphere Publishing Corp.,New York,1989)に示されているノズルを参照されたい。
【0055】
このように、様々なノズル挿入部を液体送出ヘッド30に使用することができる。便器、シャワーエンクロージャ、バスタブなどのエンクロージャは、通常選択した型により内部構成が様々である。複数のノズル挿入部を提供することにより、ノズル挿入部を選択することによって吹出口からの噴霧液パターンを調整することができる。エンクロージャの表面に最も近い位置に配置する予定のノズル挿入部は、噴霧液パターンの角度がより大きくなるように選択することができ、また、エンクロージャの表面から最も離れた位置に配置する予定のノズル挿入部は噴霧液パターンの角度がより小さくなるように選択することができる。
【0056】
たとえば、上述の液体送出ヘッド30は8つの吹出口を有する。便器の縁に取り付けたとき、それぞれの吹出口の便器の内面からの距離を変えて吹出口を配置することができる。したがって、8つのノズル挿入部はそれぞれ、対応する吹出口の便器の内面からの距離に応じて選択することができる。便器の表面に最も近く配置される吹出口は通常、噴霧液パターンの角度が最も大きいノズル挿入部を備え、一方、便器の表面から最も離れて配置される吹出口は通常、噴霧液パターンの角度が最も小さいノズル挿入部を備えるようにし、便器の表面の遠い位置にも噴霧液が届くようにすることができる。当業者なら、選択する噴霧液パターンの角度の大きさを通常、便器表面までの距離と反比例するように選択することが理解できる。したがって、噴霧液パターン角度の最大値と最小値との間で噴霧液パターン角度を作り出すノズル挿入部が、便器の表面からの異なる角度にある吹出口に応じて選択することが可能である。
【0057】
ノズル挿入部を容易に選択するために、各ノズル挿入部に、ノズル挿入部の予想スプレー距離の数字表示を含めることができる。スプレー距離の大きいものが必要な場合には、ユーザは高い数字を示すノズル挿入部を選択することができる。これは、便器(あるいはシャワーエンクロージャ等)の特定の型番に基づいてノズル挿入部の選択のカタログを作成する際に有利である。たとえば、液体送出ヘッドを特定の型番の便器のサイドに取り付けて、便器の内面から各吹出口までの距離を測定することができる。液体送出ヘッドには、取付矢印や吹出口の番号を含めることで、液体送出ヘッドの便器の正面(あるいは、他の基準点)への配置を容易にすることができる。次いで、測定した距離を使用してノズル挿入部を選択することができる。便器の複数の型番について、液体送出ヘッドの番号付けされた各吹出口のノズル挿入部のカタログを作成することもできる。
【0058】
このように、本発明は、便器やシャワーエンクロージャなどのエンクロージャの内側表面に洗剤を噴霧するための複数のノズルを備える差動液体送出ヘッドを提供する。これにより、エンクロージャの内面全体にわたって洗剤を十分に吹き付けることが可能である。
【0059】
本発明をいくつかの実施形態を参照して詳細に説明してきたが、当業者なら本発明が上述の実施形態以外の形態によって実現可能であることが分かる。また、上述の実施形態は、一例として提示したのであって、本発明を限定するためのものではない。したがって、本発明の範囲を、本明細書に含まれる実施形態の内容に制限すべきではない。
産業上の利用可能性
【0060】
本発明は、便器やシャワーエンクロージャなのどのエンクロージャの内側表面に洗剤を噴霧するための複数のノズルを備える差動液体送出ヘッドを提供する。手動の洗浄システムや自動洗浄システムで使用すると、液体送出ヘッドがエンクロージャの内面全体に化学薬品を吹き付けることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手軸を有し、液体供給源に接続される注入口を有する液体チャンバを含む本体と、
前記本体に接続され、前記本体から延びる複数の吹出口であって、それぞれが前記液体チャンバと流体連通する内部空間を有し、1つ以上が前記液体チャンバの軸に垂直な面から傾けられている複数の吹出口と、
各吹出口の外端部に取り外し可能に固定されているノズル挿入部であって、少なくとも1つのノズル挿入部が、対応する吹出口の内部空間に流体連通して、対応する吹出口の内部空間から液体を送出するための液体送出孔を有するノズル挿入部とを備える、液体送出ヘッド。
【請求項2】
前記吹出口はそれぞれが液体チャンバの軸に垂直な面から傾けられている、請求項1に記載の液体送出ヘッド。
【請求項3】
前記吹出口はそれぞれが注入口から傾けられている、請求項1に記載の液体送出ヘッド。
【請求項4】
少なくとも2つの吹出口が注入口から異なる角度で傾けられている、請求項1に記載の液体送出ヘッド。
【請求項5】
前記本体が、前記液体チャンバを画定する管状内壁部から間隔をあけて外壁部を含み、前記外壁部の外面から各吹出口が延びている、請求項1に記載の液体送出ヘッド。
【請求項6】
少なくとも2つの吹出口の本体からの距離が異なる、請求項1に記載の液体送出ヘッド。
【請求項7】
少なくとも1つの吹出口が、間隔をあけて外壁部と軸方向突部を含み、前記少なくとも1つの吹出口の内部空間が外壁部の内面と軸方向突部の外面により画定される、請求項1に記載の液体送出ヘッド。
【請求項8】
前記ノズル挿入部はそれぞれ、対応する吹出口の内部空間に流体連通して、液体を対応する吹出口の内部空間から送出するための液体送出孔を含み、
各ノズル挿入部の先端には、前記液体送出孔に流体連通する内方向凹部が設けられている、請求項1に記載の液体送出ヘッド。
【請求項9】
各凹部が円錐状の内面を有する、請求項8に記載の液体送出ヘッド。
【請求項10】
各ノズル挿入部の寸法が同じであり、
少なくとも2つの吹出口の寸法が異なる、請求項1に記載の液体送出ヘッド。
【請求項11】
各吹出口の寸法が同じであり、
少なくとも2つのノズル挿入部の寸法が異なる、請求項1に記載の液体送出ヘッド。
【請求項12】
前記ノズル挿入部が、対応する吹出口の外端部の内面への締まりばめにより定位置に固定されている、請求項1に記載の液体送出ヘッド。
【請求項13】
各ノズル挿入部の位置は、対応する吹出口に固定されたとき、対応する吹出口の外端部の内面に対して移動可能であり、各ノズル挿入部からの噴霧液の円錐角が変化するようになっている、請求項12に記載の液体送出ヘッド。
【請求項14】
静止タイプである、請求項1に記載の液体送出ヘッド。
【請求項15】
液体をエンクロージャの内面に噴霧するための装置であって、
前記液体用のコンテナと、
液体を周囲に噴霧することができる液体送出ヘッドであって、液チャンバ、前記液体チャンバと流体連通された複数の吹出口、および各吹出口の外端部に固定されたノズル挿入部を含み、少なくとも1つのノズル挿入部が、対応する吹出口の内部空間に流体連通して、対応する吹出口の内部空間から液体を送出するための液体送出孔を有する液体送出ヘッドと、
前記液体チャンバの注入口と前記コンテナに流体連通された導管と、
コンテナから導管を介して液体送出ヘッドに液体を送出するための液体送出手段とを備える、装置。
【請求項16】
前記吹出口の1つ以上が、液体チャンバの軸に垂直な面から傾けられている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ノズル挿入部はそれぞれ、対応する吹出口の内部空間に流体連通して、液体を対応する吹出口の内部空間から送出するための液体送出孔を含み、
各ノズル挿入部の先端には、前記液体送出孔に流体連通する内方向凹部が設けられている、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
各凹部が円錐状の内面を有する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
各ノズル挿入部が、対応する吹出口の外端部の内面への締まりばめにより、対応する吹出口の定位置に取り外し可能に固定されている、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
各吹出口の寸法が同じであり、
少なくとも2つのノズル挿入部の寸法が異なる、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
前記コンテナが加圧されており、
液体送出手段が、コンテナにおける高圧ガスと、導管におけるバルブを備え、バルブが、コンテナから導管を通じて液体送出ヘッドに化学薬品を送出するための開位置を有する、請求項15に記載の装置。
【請求項22】
前記液体送出手段が、作動すると、コンテナから導管を通じて液体送出ヘッドに化学薬品を送出するためのポンプを備える、請求項15に記載の装置。
【請求項23】
前記ポンプが血管ポンプ、インペラーポンプ、蠕動ポンプ、ギア式ポンプ、ベローズポンプおよびピストンポンプからなる群から選択される、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
エンクロージャが便器であり、
前記装置がさらに液体送出ヘッドを便器の縁に取り付けるための手段を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項25】
前記エンクロージャがシャワーエンクロージャであり、
前記装置がさらに液体送出ヘッドをシャワーエンクロージャの壁近くに取り付けるための手段を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項26】
エンクロージャの内側表面に液体を噴霧するための方法であって、
(a)液体チャンバと前記液体チャンバに流体連通される複数の吹出口を含む液体送出ヘッドを設けるステップと、
(b)複数のノズル挿入部を設けるステップであって、ノズル挿入部の少なくともいくつかは内部寸法の異なる液体送出路を有するステップと、
(c)各吹出口に対してノズル挿入部を選択し、選択したノズル挿入部を対応する吹出口に挿入するステップと、
(d)液体送出ヘッドをエンクロージャに位置付けするステップと、
(e)液体送出ヘッドの液体チャンバに液体を送出して、液体をエンクロージャの内側表面に横方向に噴霧するステップとを備える、方法。
【請求項27】
前記ステップ(c)が、内部寸法の異なる流体送出路を有する少なくとも2つのノズル挿入部を選択して挿入するステップをさらに備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
各流体送出路が液体送出孔と液体送出孔に流体連通する内方向凹部を含み、前記凹部がノズル挿入部の外端部に設けられている、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
各凹部が円錐状の内面を有する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ステップ(c)が、内部寸法の異なる内方向凹部を有する少なくとも2つのノズル挿入部を選択して挿入するステップをさらに備える、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記エンクロージャが便器であり、
前記ステップ(d)が液体送出ヘッドを便器の縁に取り付けるステップをさらに備える、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記エンクロージャがシャワーエンクロージャであり、
前記ステップ(d)が、液体送出ヘッドをシャワーエンクロージャの壁部近くに取り付けるステップをさらに備える、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記ステップ(e)が、液体送出ヘッドの液体チャンバへ液体をポンプで送出させるステップをさらに備える、請求項26に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−526230(P2010−526230A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507417(P2010−507417)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/005715
【国際公開番号】WO2008/137099
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】