説明

複数のユニットを用いた実験・教育システム

【課題】 機構構成ユニット等の固定対象物を基材に対して容易かつ強力に固定する。
【解決手段】 基材36の所定の位置に対して基盤41を有する機構構成ユニットを固定するに当たり、内部に着脱機構を有する固定具40を用い、着脱機構の永久磁石の磁力線が固定具40内を透過する非吸着状態でこの固定具40を基盤41の切り欠き41aに配置し、この状態で回転ケーシング37を図示の状態から90°回転させてロック状態とし、内部の永久磁石の磁力が基材36側に透過するようにして固定ケーシング38を基材36に強固に吸着させ、これにより対象物である基盤41を固定ケーシング38の圧接部38Aと基材36とにより強力に挟持し、基盤41を基材36の所定の位置に強固に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は対象物を所定の基材に対して着脱自在に固定する固定具を用いたシステムに係り、特に各種メカニズム要素やセンサ等の装置構成要素(以下実施例も含めて「ユニット」と称する)を適宜組み合わせて、ユニット構成体を構成しかつこのユニット構成体の機能等の実験、研究及び教育等を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動化装置を例にとって考察すると、自動化装置は対象物に対して目的の動作を与える出力端部を成すメカニズム部、このメカニズム部を駆動するための作動(運動)変換メカニズム、この作動変換用メカニズムを駆動させるための駆動機構とを必要とする。さらにこの駆動源に対して動作指令を与える制御系、及び制御系に対して対象物の作動状態や位置等の情報を与えるセンサが必要となる。
【0003】
自動化装置の設計に当たっては高度の専門的知識を必要とすることは当然であるが、このような知識があっても実機を構成する前に各種ユニットを組み合わせて実際の作動状態の試験ができれば、机上の段階では予測できなかった問題点が見つかったり、ユニットの組み合わせを変更することによって、より効率の高い構成に設計変更する等、適正な設計が可能となる。またこのような柔軟性のあるユニットの組み合わせは、上記のような専門知識を有する者以外に、学生等が設計技術を磨くための教育装置としても好適である。
【0004】
発明者等は、上記の点に鑑み下記特許文献1に示す「自動化機構研究教育装置」を提案して各種研究機関や、大学、工業高校等の教育機関において幅広く利用され好評を博している。
【特許文献1】特公平06−8980
【0005】
上記特許文献1に記載の発明は自動化装置を構成する各種ユニットを多数用意し、設計者や学生等の装置利用者(以下単に「利用者」とする)は自己の設計に見合ったユニットを適宜選択し、選択したユニットを組み立てることにより全体として一つの機構を構成するようになっている。
【0006】
図12は上記文献1で提案している装置の構成例を示している。
図示の構成の装置は、Y方向に配置されたレール10Yに対し、このレール10Yに直交するX方向に配置された多数のレール10Xが配置され、このレール10Xが各ユニットの直接の取付対象となっている。つまり各ユニットは所定のレール10Xを選択してY方向における取付位置を決定し、かつ特定されたレール10Xにおいてこのレール10Xの長手方向における所定の位置を特定してX方向の位置決めを行う。これにより、各ユニットはX方向、Y方向の位置が決められかつそれぞれのユニットが結合されて全体として特定の装置(機構)が構成される。
【0007】
以下、本発明の有用性を説明するため、やや冗長になるが図9に示された機構の構成、作動状態等を説明する。
図12において構成されているシステムは、ベルトコンベアのタイミングをモータ駆動の送りねじに合わせる同期駆動システムの一種である。ベルトコンベヤ本体16aはユニットの基盤16bに固定されており、この基盤16bがボルト16cによりレール10Xの長手方向の任意の位置に固定される。なお以下、他のユニットを固定するボルトは全て符号Bで示す。つまり、前述のとおり各ユニットにより構成される機構全体の配置状態に対応して、それぞれのユニットを取り付けるべきレール10Xを選定し、かつこの選定されたレール10Xの長手方向の適切な位置にそれぞれのユニットをボルトBを用いて固定する。なお基材のボルト挿通部を長穴としてY方向に対する位置の微調整を行うよう構成する。
【0008】
このようにしてそれぞれレール10X上に固定された各ユニットについて説明すると、17はアクチュエータユニットの一つである減速機構付きのリバーシブルモータユニット、18は作動変換用のメカニズムユニットの一種である直交変換送りネジユニットであって、カップリング29を介して減速機構付きリバーシブルモータユニット17と接続している。
【0009】
19は出力端ユニット又は作動変換用メカニズムユニットの一種に分類される直進テーブル型ユニットであり、ロッド20を介して直交変換送りネジユニット18と接続している。21はセンサユニットの一種である反射型光電センサユニットであり、直進テーブル型ユニット19に近接して配置することによりこの直進テーブル型ユニットの直進テーブルの動きを検出し、その位置信号をコンピュータの表示画面(図示しない)に表示する。
【0010】
22はアクチュエータの一種である油空変換シリンダユニット、23は作動変換用メカニズムであるワンウエイクラッチユニットであって、ロッド24を介して前記油空変換シリンダユニット22に接続している。前記のベルトコンベヤユニット16はこのワンウエイクラッチユニット23に接続する。このようにして各ユニットはそれぞれ他のユニットと機構的、信号的に接続して全体としてベルトコンベヤの同期駆動システムという一体的な機械システムを構成している。このような構成とした結果、当該システムは空油変換シリンダユニット22の空油変換シリンダが光電センサユニット21の光電センサの信号により駆動されると、ベルトコンベヤユニット16のベルトコンベヤはその片道分だけ毎回駆動される。
【0011】
次に各構成ユニットに対して所定の動作を行わせるようこれら各ユニットを制御盤11の所定の制御回路に接続する。例えば複数個配置したリレー端子の所定部分を結線することにより利用者が所望の制御系を構成したり、また組み立て済みリレー回路に接続することにより予め定めた制御順序に基づいて機構を制御するよう構成する。
【0012】
以上のように構成された制御系の作動信号により減速機付きリバーシブルモータユニット17は作動し、その駆動力は直交変換送りネジユニット18において直進運動になり、この場合減速機付きリバーシブルモータユニット17をタイマ25と接続することにより、予め設定しておいた時間でのモータユニット17のリバーシブルモータを反転させ、同ユニット18の送りネジを前進・後退させる。この送りネジの作動はロッド20を介して直進テーブル型ユニット19の直進テーブルに伝達され、このテーブルを前進・後退させる。このテーブルの作動状態は反射光電センサユニット21により検出され、その位置信号がコンピュータ等に出力され、ベルトコンベヤユニットを駆動するタイミング信号として用いられる。またタイマ25を前記リレー回路に追加組み込みしてこの回路のON・OFF制御を行う等の方法により制御を変更する等も可能である。
【0013】
一方、空油変換シリンダーユニット22の駆動力はロッド22を介してワンウェイクラッチユニット23に伝達されて間欠動作とし、この間欠動作によりベルトコンベヤユニット16のベルトコンベヤを間欠的に作動させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
以上に構成例とその作動状態を具体的に示したように、本発明者等が先に提案しているシステムでは複数の装置構成用のユニットを所望の位置にそれぞれ配置固定することにより所定の目的に応じたシステムを自由に構成することが可能である。
【0015】
以上の装置において所望の機構を適正に組み立てかつ作動させる上において、以下の要件を満足させれば装置の有用性はより向上する。
(1)各ユニットの配置が適正に行えるること。
各ユニットの配置が適正でないと、例えば駆動ユニットから他のユニットに対する駆動力の伝達にロスが生じたり、直線駆動であれば駆動方向にずれが生じる等の問題が生じてしまう。またセンサユニットの場合は、センシング位置が不適切であれば他のユニットの作動状態を正確に計測できず、信号のタイミングが不適切になる等である。
【0016】
(2)各機構構成ユニットの配置を強固に行えること。
駆動ユニット及びこの駆動ユニットからの駆動力を受けて所定の動作を行うユニットはその駆動力に対する反力によりユニット全体が駆動方向と反対の方向に移動しようとする応力が発生する。即ち、各ユニットが強固に固定されていないと各ユニットは駆動力の反力に応じて位置が変位したり、カム等回転軸が偏心している駆動体の繰り返し動作による振動等により機構全体が所謂ガタガタの状態となって作動不良を生じ、最終的には一体的な機構としての動作が不可能となってしまう。
【0017】
(3)各ユニットの配置位置の変更を容易に行えること。
例えば、所定のユニットの配置を前後逆にしたり、場合によっては別のユニットと交換したり、更にはユニットの配置位置を何回か微調整したりする場合にはレール10X等の取付対象に対するユニットの着脱が容易である必要がある。なお、ここで着脱が容易であるとは着脱の操作が簡単であること、操作に特別の器具を必要としないこと、大きな力を必要としないことなど、要するに操作において特別な技能や器具や、特別に大きな力を必要とせずに短時間でユニットの着脱・移動ができることを意味する。
この点は上記要請(2)とは相反する点があり、固定を強固に行えば着脱の容易性は低下し、着脱の容易性が増せば固定の強固さは犠牲になるという二律背反的な関係に通常なりがちであるが、両者が両立できれば装置としての利便性は飛躍的に向上する。
【0018】
以上の点を考慮して前記先行技術を考察すると、所望の機構をほぼ全て構成可能であるという点からは装置としてほぼ完璧であるが、図12に示されるとおり、各機構はボルトBにより所定のレール10Xに固定される構成となっているため、ボルトBをきつく締めることにより、前記要請(2)の各ユニットの強固な固定という点は容易にクリアできるが、ボルトの固定のためにドライバ、レンチ等の螺子回し用の工具を必要とし、かつ微妙な位置調整の度にボルトBを緩めかつ締めなおす動作を繰り返す必要があって、(3)のユニットの配置の微調整を容易に行えるという点では、その達成が困難である。また微調整には各ユニットのボルト挿通穴をY方向に延びた長穴とすることによりY方向への微調整を行う等の点も微調整の容易性からはやや遠いものがある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は発明者等が先に提案している上記先行技術の利点、効果を損なうことなく当該先行技術が未達成な技術目的を達成することを可能とする研究・教育システムを提供することにある。
即ち、本発明は機械的要素、光学的要素、センサをはじめとする測定要素等である個々のユニットの複数個を組み合わせることにより全体として特定の機能を有する装置たるユニット構成体を形成し、かつこのユニット構成体の機能について実験・教育をするシステムであって、各ユニットは磁性体たる基材の任意の位置に適宜配置されるよう構成され、各ユニットは磁力を用いた固定具により当該任意の位置において基材に対して着脱可能に固定されることにより、当該各ユニットは相互に位置調整可能に基材に対して固定されて前記ユニット構成体を形成するようした複数のユニットを用いた実験・教育システムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るシステムは、特定の目的を達成する装置であるユニット構成体を形成するための各ユニットを、磁力を用いた固定具により基材に対して容易に着脱可能に固定可能であるため、これら各ユニットを基材の所望の位置に対して位置調整可能で然も容易かつ強固に固定することができ、ユニット構成体としての装置の構成の調整、実験、教育等を容易に行うことができる。
【0021】
また固定具に装着された強力な磁力を有する磁石の磁力線を例えばレバー操作、回動部の回転操作或いは電磁石の場合には電源のON・OFF操作によって制御し、或いは磁力線の制御に代えて梃子の原理、ネジの回動動作等により、固定具を基材から強制的に離間させることにより、特別の工具を用いること無く然も強い力も必要とせずに容易に固定具の着脱を行うことができ、固定対象の位置の微調整等も容易に行うことができる。
【0022】
更に、固定具の圧接部に対してゴム等の摩擦抵抗が高くかつ弾性変形する弾性素材を介在配置させることにより、固定具の圧接部と固定具本体が磁力により吸着している基材とにより固定対象物を強力に挟持し、これにより固定対象物を基材の所定の位置に対して強力に固定し、各ユニットは駆動力の反力や振動等に十分に対抗して所定の機構を所謂ガタツキ無く長時間維持することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
鉄系金属からなり磁性体である平板をユニット配置用の基材とし、この基材に対して所定の機能を有するユニットをそれぞれ配置し、全体として特定の目的を有する装置としてのユニット構成体を形成する。この場合各ユニットは、磁力により基材に対して着脱可能に吸着する固定具を用いて所定の位置で基材に対して固定され、これにより各ユニットを位置調整可能に固定して所望の装置であるユニット構成体を形成し、このユニット構成体の機能を試験、研究すると共に、例えば所定のユニットを他のユニットに変更することによりユニット構成体全体の機能、性能の変化等も研究する。
【実施例1】
【0024】
以下本発明の実施例を図面を用いて具体的に説明する。
図1乃至図4は本発明の第1の実施例たるユニットの固定具の構成を示す
このうち図1及び図2は第1の実施例たる固定具に収納される固定具の着脱機構の構成を原理的に示している図である。
【0025】
この着脱機構は永久磁石を用いた着脱機構であり、後述するようこの永久磁石の磁力線の透過状態を制御することにより吸着対象である基材に対する着脱を行うようになっている。着脱機構は図からも明らかなように二つのブロック30と31から構成されており、両ブロック30、31はその軸心を中心として相対的に回動可能に構成されている。なお、以下の説明ではブロック30が回動する場合を例に説明する。なお、図示の構成では各ブロック30、31共に円筒形に形成されている。
【0026】
最初にブロック30の構成から説明すると、符号32は板状に成形された永久磁石であり、固定具全体を基材に対して強力に吸着固定できる程度の強力な磁石として構成されている。この永久磁石32に対して、永久磁石32を挟持するように透磁性材料から成るブロック構成体33a、33bが配置固定され、全体として円筒状の第1ブロック30を構成する。なお、この円筒状の第1ブロック30の両端面にそれぞれの極が位置するよう永久磁石32はこのブロック30内に配置されている。
【0027】
次に第2ブロック31は上記第1ブロック30と同様の透磁性を有するブロック構成体34a、34bとこれらブロック構成体34a、34bにより挟持されたスペーサ35とから構成され、外形的には前記第1ブロック30とほぼ同様の構成の円筒状に構成されている。但しスペーサ35は前記永久磁石32とは相違して非磁性体である。従って以下当該スペーサは非磁性スペーサと称する。
【0028】
上述の第1ブロック30の一方の端面と第2ブロック31の一方の端面とは第1ブロック30がその軸心を中心として回動可能な状態で密着配置されている。これにより図1(A)に示すように第1ブロックの各ブロック構成体33a、33bの端面と第2ブロックの各ブロック構成体34a、34bの端面とが一体的密着する状態のときは、これら各ブロック構成体は一体となって一つの透磁経路を構成し、図2に示すように永久磁石32の磁力線は矢印で示すとおり固着対象である基材36を透過することになる。つまり各ブロック30、31が図1(A)の状態にある時は各ブロック30、31から成る着脱機構は基材36に対して強力に吸着することになる。
【0029】
一方、図1(B)に示すように、図1(A)の状態の第1ブロック30を90°回転させると、各ブロック30、31におけるそれぞれのブロック構成体の一体化は無くなる。この結果永久磁石32の磁力線は第1ブロックのブロック構成体33a、33b及び第2ブロックの構成体34a、34b内でのみ透過し、吸着面である第2ブロック31の下端には到達しない。この結果第2ブロックの端面である着脱機構の吸着面(図1の構成では図示された側の第2ブロックの端面)には基材36に対する吸着力が発生しない。つまり第1ブロック30と第2ブロック31とをその軸心を中心として90°回転変位させるだけで、永久磁石32の磁力線の透過を制御でき、その結果として着脱機構を内蔵した固定具本体の基材に対する着脱を極めて容易に行うことができる。 因みに、第1ブロック30と第2ブロック31とを相対的に90°回転変位させれば永久磁石32の磁力線を制御できるが、基材36に対して強力に吸着している第2ブロック31を回転させることは実現性に乏しく、従って第1ブロック30を回転させて第2ブロックの吸着面における磁力線を制御することが現実的である。
【0030】
図3及び図4は上記図1及び図2に示す吸着機構を内蔵して構成された固定具を示す。 符号40はこの固定具を示し、符号37は回転ケーシング、38は固定ケーシングであり回転ケーシング37はこの固定ケーシング38に対して回動可能に構成されている。固定ケーシング38の上部外周はフランジ状に突出した圧接部38Aが形成されている。圧接部38Aには後述する固定対象に向かって、ゴム等の可撓性材料からなる滑り止め用の部材(以下「防滑部材」と称する)39が圧接部38Aの下面の円周方向に複数植設されている。
【0031】
回転ケーシング37の内部には図1および図2に示すものと同様の板状の永久磁石32とこの永久磁石32を挟持するように配置されているブロック構成体33a及び33bが配置固定されている。つまり回転ケーシング37内に図1及び図2で示す第1ブロック30が固定されており、この第1ブロック30が回転ケーシング37と共に回動するように構成されている。
【0032】
一方固定ケーシング38内には図1及び図2で示すブロック構成体34a、34b及びこれらブロック構成体34a、34bに挟持された非磁性スペーサ35から成る第2ブロック31が形成されこの当該ケーシング内に配置固定されている。なお、図3においては回転ケーシング37の頂部に当該回転ケーシング回動用の摘まみとしてピン42が突設されているが、図4ではこのピン42は省略されている。
【0033】
以上の構成において、図4の(A)では第1ブロック30の永久磁石32と第2ブロック31の非磁性スペーサ35とは直交する状態となっており、図示の如く第1ブロックのブロック構成体33a及び33bと、固定ケーシング38内の第2ブロックのブロック構成体34a及び34bとは一体化されておらず、従って永久磁石32の磁力線は固定ブロック31側の下端に至らず、この結果固定具は基材36には吸着しておらず自由に移動可能な状態となっている。
【0034】
図3において符号41は機構構成ユニットの基盤であり、この基盤41に対してそれぞれの機構が固設されている。各ユニットの基盤41にはそれぞれ固定具40を装着するための切り欠き41aが形成され、当該機構構成ユニットの基盤41を基材36の所定の位置に配置したならば、固定具40の固定ケーシング38をこの切り欠きに位置させる。この状態で固定ケーシング38の外周に突設された圧接部38Aに設けた防滑部材39が基盤41の表面に当接した状態となる。
【0035】
基盤41が基材36において正しい位置に配置されているならば、切り欠き41aに配置されている固定具40の回転ケーシング37をロック方向に90°回転させる。これにより固定具40は図4(B)に示されるように第1ブロック30のブロック構成部材33a、33bと第2ブロック31のブロック構成部材34a、34bとが一体化し、永久磁石32の磁力は基材36を透過し、固定具40は基材36に対して強力に吸着する。この場合固定具40の防滑部材39の下端部と基材36との間のクリアランスW1は基盤40の厚みW2よりも小さく設定してあるため、固定具40が基材36に強力に吸着することにより図4(B)の如く防滑部材39はこの差を解消するよう変形して基盤41に圧接する。つまり、固定具40自体は基材36に対して強力に固着し、かつ基盤41は前記防滑部材39を介して固定具40により所定の位置に強力に固定される。なお、基盤41の位置を微調整する場合には、一旦回転ケーシング37をアンロック側に90°回転させれば、固定状態は完全に解除されるので、この状態で基盤41の配置位置を微調整し、調整終了後再度ロック側に回転ケーシング37を回動させて基盤を強力に固定する。
【0036】
図3の構成においては、固定具40にはピン43が突設され、かつ基盤41にはこのピン43が挿通位置するピン挿通孔41bが形成されている。固定具40の配置時にピン43をこのピン挿通孔41bに挿通することにより固定具40の操作を容易にしている。
基盤41を固定具40が固定している状態では固定ケーシング38側が基材36に対して強力に固着しているため上部の回転ケーシング37は容易に回転できアンロックの状態にすることができる。しかし、固定具40を切り欠きに配置しかつアンロック状態からロックの状態に回転ケーシング37を回転させる場合には回転ケーシング37の回転開始時には固定ケーシング38は基材36に吸着していないため、回転ケーシング37に同調して固定ケーシング38が回動したり或いは固定具40全体の位置が変化してしまう可能性がある。このため利用者は一方の手で固定ケーシング38をしっかり固定し、かつこの状態で回転ケーシング37を慎重に回動させる等の配慮が必要となる。この場合前記ピン43がピン挿通孔41bに係合していればロック状態、アンロック状態を問わず片手で回転ケーシング37を回動することにより固定具40を容易に着脱することができる。
【実施例2】
【0037】
図5および図6は本発明の第2の実施例たる固定具43を示す。
図5はこの固定具43に収納される着脱機構の構成状態を示し、符号44a、44bは透磁性材料から成るブロック構成体であり、45a、45bはこれらブロック構成体44a、44bにより挟持された非磁性スペーサである。46は永久磁石であって、図の奥行き方向に軸心を有する円筒形に形成され、かつこの円筒形の直径方向に対してそれぞの極が形成された構成となっており、かつこのブロック内で軸心を中心として回動可能に構成されている。
【0038】
図5の状態では永久磁石46の極はそれぞれのブロック構成体44a、44bと向き合った状態に位置し、この結果永久磁石46の磁力線は基材36を介してブロック構成体44aと44bとを透過する。つまり各永久磁石46の極が図示の如く水平に位置する時は着脱機構は基材36に強力に吸着固定する。また永久磁石46をこの状態から90°回転させて各極が非磁性スペーサ側に位置するときは磁力線はブロック構成体44a、44bから出ず、従って着脱機構の吸着力は失われる。
【0039】
図6の(A)、(B)の固定具43は上記の構成に基づいて構成された固定具を示す。符号47はこの固定具43の一部を成す永久磁石46を回動させるためのレバーであり、このレバー47を操作することにより、永久磁石46の極を90°変位させ、図5に示すように基材36に対する固定具43の着脱を行う。
【0040】
符号43Aは略方形に形成された固定具本体43の側壁部に突設された圧接部である。この圧接部43Aは、ネジ43Aaにより鉛直方向に対する位置調整が可能なようにして固定具本体43に対して固設されている。この圧接部43Aaに対しては前記固定具40と同様固定対象に向かって防滑部材39が突設されている。
【0041】
ここで防滑部材39の機能(性能)を図7を用いてより詳細に説明すれば次のとおりである。なお、図7は固定具の構成を概念的に示している。
即ち、固定具43の磁力による吸着力F1を15kgとする。非吸着時の防滑部材39と基材36との間隔W1を9mmとし、ユニットの基盤41の厚さW2を10mmとした場合、理想的な条件では加圧反力F2=7.5kgで、固定対象物である基盤41に対する圧着力F3=7.5kgと設定するのが正しい。
【0042】
即ち、上記の場合防滑部材39のばね定数はK=7.5kg/1mmとなる。この状態で、もし固定対象物たる基盤41の厚さW2に±0.1mmの偏差があったとすると、前記加圧反力F2=7.5kg±0.75kgとなり、同じく圧着力F3も7.5kg±0.75kgとなる。〔同図(B)参照〕
従って、何れの場合も6.75kgで固定具43か、固定対象である基盤41かが浮く可能性があるが、一般の実験におけるユニットの固定はこれで十分な場合が多い。以上は一つの固定具の吸着力の説明であるが、ユニット構成体を形成する際には個々のユニットに対して1個又は複数個の固定具を用いることにより所望の固定強度を容易に得ることができる。
【実施例3】
【0043】
図8は、第3の実施例たる固定具を示す。
前記各実施例は何れも、磁石の磁力線を制御することにより基材36に対する固定具の着脱を行うよう構成しているが、この実施例及び後述の第4の実施例は何れも磁石の吸着力に抗して物理的力により強制的に固定具を基材36から引き離すよう構成してある。
【0044】
固定具43内には永久磁石(図示の場合は馬蹄形磁石)60が収納され、この永久磁石60により固定具43が基材36に吸着するよう構成されている。符号61はレバーであって、このレバー61の回動軸心Lを中心として回動するよう構成され、かつレバー61の下端61aから回動軸心Lまでの距離は、当該回動軸心Lから基材36までの距離よりも長く設定されている。この結果、固定具43が永久磁石60の磁力により基材36に吸着している時は同図(A)の如くレバー61は斜めに位置している。
【0045】
この状態でレバー60をX方向に回動させると、当該回動軸心Lに対して基材36までの距離よりも回動アーム長さが長く設定されているレバー61の下端の回動により、固定具43全体が永久磁石60の吸着力に抗して浮き上がり基盤41の固定状態は解除される。因みに磁力による吸着力は距離の二乗に反比例するため、固定具43を基盤36から僅かに離すだけで固定具43全体の吸着力は急激に減少する。例えば永久磁石60の吸着力F1を前記例と同じ15kgとすると、固定具43全体を基材36から1〜2mm程度離間させれば固定具43を基材36から容易に取り外すことができる。
【実施例4】
【0046】
この実施例は前記第3の実施例の変形例とも言える実施例である。
即ち、第4の実施例では基材36に対する固定具43の離間手段がレバー61に代えて圧接部43Aに対して直接に形成し、或いはこの圧接部43Aに突設した雌ねじ部62(図示の構成)に螺合したねじ(雄ねじ)を回動させることにより固定具36を固着〔同図(A)の状態〕或いは離間〔同図(B)の状態〕させ得るものである。
【0047】
図10(A)、(B)は実施例2の固定具43を用いて複数の機構構成ユニットを接続する状態を示している。
このうち符号U1で示すものは他のユニットに対して駆動力を供給するアクチュエータユニットであり、基盤41A上には駆動力を発生するギヤードモータMが固定されかつこのギヤードモータMにはカップリング機構50の一部を成すカップリング部材50Aが設けられている。
【0048】
符号U2はメカニズムユニットを示し、アクチュエータユニットU1から供給される駆動力を用いて所定の動作を行うよう構成されている。図示の構成ではカップリング部材50B、このカップリング部材50Bに接続するネジ棒48、このネジ棒48に螺合するスライダ49を有した構成となっている。
【0049】
次にこれらユニットの設定について説明する。先ずアクチュエータユニットU1を基材36の所定の位置に配置する。配置した位置が適正であれば第1の固定具43(以下符号43−1で示す)をアンロックの状態〔図6(A)においてレバー47がY側に位置している状態〕で、圧接部43bをアクチュエータユニットU1の基盤41Aの端縁部に位置させ、この状態でレバー47をX方向に回動させる。これにより固定具43−1を基材36側に強力に吸着固定することによりアクチュエータユニットU1の基盤41Aを基材36に固定する。この場合、固定具43−1のみではギヤードモータNの回転力の反力によりアクチュエータユニットU1自体が変位する可能性があれば、次の固定具43−2を基盤41Aの別の位置に配置して当該基盤41Aをより強固に固定する。この間、アクチュエータユニットU1の位置を微調整する必要が生じたならば各固定具のレバー操作により固定具のロック・アンロックを操作して極めて容易に微調整が可能であることは前記実施例の場合と同様である。
【0050】
アクチュエータユニットU1の設定が完了したならば、メカニズムユニットU2のカップリング部材50Bが、アクチュエータユニットU1のカップリング部材50Aと正確に接続するようメカニズムユニットU2を適正な位置に配置し、この状態で前記アクチュエータユニットU1の固定の場合と同様の操作で、固定具43−3によりメカニズムユニットU2の基盤41Bを基材36に固定する。また前記アクチュエータユニットU2と同様、より一層強固な固定が必要な場合にはその必要に応じて次の固定具43−4等を用いて固定を行う。
【0051】
アクチュエータユニットU1とメカニズムユニットU2の接続構成が完了したならば、メカニズムユニットU2のスライダ49にコネクティングロッド51を接続する。この構成においてアクチュエータユニットU1からの回転駆動力はカップリンング機構50を介してメカニズムユニットU2のネジ棒48に伝達され、このネジ棒48の回転により、ネジ棒48に螺合するスライダ49はネジ棒48の軸心方向に変位する。この変位はコネクティングロッド51を介して例えば他のメカニズムユニットに対して直線運動として伝達される。この場合、アクチュエータユニットU1のギヤードモータMの回転トルクに対する反力(カウンタートルク)、コネクティングロッド15を介して他のユニットに対する直線運動の反力等が、各ユニットU1、U2に加わり、これらユニットはこの反力と逆方向に変位しようとする。特に、ネジ棒48のピッチを小さくしてネジ棒48の回転数に対してスライダ49の移動量を小さく設定すると、コネクティングロッド51を介してメカニズムユニットU2側に強力な押す力或いは引く力が作用することになる。この様な場合においても、前述のとおり各固定具43は各ユニットの基盤41を基材36に対して強力に固定するため、構成された機構は長時間にわたって正確に作動する。
【0052】
図11は他の機構構成ユニットの例を示している。
同図(A)の矢印U3でで示すユニットはメカニズムユニットの一種であって、往復運動を行うアクチュエータユニットからのX1−Y1方向の直線運動がジョイント51aを介してラック51bに伝達され、この直線運動はラック51bに係合するピニオン51cに対して回転運動として伝達され、ピニオン51cと接続する出力ギヤ51dを経て他のユニットに対して回転運動として伝達される。この場合、X1−Y1方向の直線運動の反力、出力ギヤ51dの回転トルクに対するカウンタートルク等が基盤41を変位させる力として作用することになる。
【0053】
(B)において符号U4で示すユニットはメカニズムユニットの一種であって他のユニットから出力された駆動力を入力ギヤ52aで受け、かつこの入力ギヤ52aの回転力を例えば傘歯歯車等の回転軸変更機構でターンテーブル52bに伝達される。この場合ターンテーブル52bの偏心位置に対象物が載置されている場合には当該ターンテーブル52bがX2又はY2方向に回転するときにこのターンテーブル52bの軸心を揺らす振動がユニットU4 に発生し、当該ユニットU4の基盤41を変位させる力として作用する。
【0054】
(C)において符号U5で示すユニットはアクチュエータユニットの一種であって、53aはエアシリンダであり、ヒンジ53bを中心としてX4−Y4方向に回動可能に構成されている。エアシリンダ53a自体はロッド53cがX3−Y3方向に伸縮するため、エアシリンダ53aを作動させるとX4−Y4方向の間のいずれかの方向において、X3−Y3方向のシリンダロッド53cの伸縮動作の反力が基盤41を変位させる力として作用することになる。特にこのユニットU5の場合にはエアシリンダ53aの作動方向をX4−Y4の間で自由に変更できるため、機構動作時の反力の方向も不特定となる。このためユニットの固定は特定方向に対する固定ではなくあらゆる方向において反力に対抗できるだけの強固さをもって固定することが必要となる。
【0055】
上記図11に示したユニットの作動状態からも明らかなとおり、各ユニットはその動作特性に対応した独特の反力がユニット全体に発生し、この反力がユニットを構成する基盤を基材上の特定の位置から変位させる力として作用することになるが、前記説明から明らかなとおり、本発明に係る固定具ではあらゆる方向に対して等しく強固にユニットの基盤を固定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係る固定具を自動化機構研究教育装置における機構構成ユニットの配置固定を例に説明したが、基材36に対応する透磁性を有する配置面に対して所望の部材や装置を所定の位置に強固に配置する必要性があるもの全てにおいて利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】着脱機構の斜視図であって(A)は対象物に対する吸着可能状態を示し、(B)は対象物から離脱可能な状態を示す図である。
【図2】図1に示す着脱機構が基材に対して吸着している状態の磁力線の透過状態を示す着脱機構の断面図である。
【図3】第1の実施例の固定具を基材に対して固定する状態を示す固定具の斜視図てある。
【図4】図3に示す固定具の断面を示し、(A)は図3のA−A線による断面図、(B)は同B−B線による断面図である。
【図5】第2の実施例を示す着脱機構の断面図である。
【図6】図5に示す着脱機構を収納した固定具であって、(A)は同固定具の側面図、(B)は同正面図である。
【図7】(A)、(B)は固定具によるユニットの基盤を固定する状態を概念的に示す図である。
【図8】第3の実施例を示す固定具の斜視図であり(A)は基材に対して吸着した状態を示し、(B)はレバーを用いて基材から離間した状態を示す。
【図9】第4の実施例を示す固定具の斜視図であり(A)は基材に対して吸着した状態を示し、(B)はねじ用いて基材から離間した状態を示す。
【図10】図6に示す固定具を用いて機構構成ユニットを固定する状態を示し、(A)はユニットの固定を行っている段階のユニット側面図、(B)は各ユニットの固定が完了した状態のユニット側面図である。
【図11】(A)、(B)、(C)は固定対象の一例を示す各ユニットの斜視図である。
【図12】本発明者等が先に提案している自動化機構研究教育装置の構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
30 第1ブロック 31 第2ブロック
32 永久磁石
33a、33b ブロック構成体
34a、34b ブロック構成体
35 非磁性スペーサ
36 基材
37 回転ケーシング
38 固定ケーシング
38A 圧接部
39 防滑部材
40 固定具
41 基盤
41a (基盤の)切り欠き
41b (基盤の)ピン挿通孔
42 (回転ケーシング回動用)ピン
43 固定具
43A 圧接部
43Aa (圧接部の)位置調整用ねじ
44a、44b ブロック構成体
45a、45b 非磁性スペーサ
46 (円筒形)永久磁石
47 (磁石回動用)レバー
60 永久磁石(馬蹄形磁石)
61 (固定具離間用)レバー
61a レバー61の下端部(基材当接部)
62 雌ねじ部
63 ねじ(雄ねじ)
L レバー61の回動軸心
U1、U2、U3、U4、U5 機構構成ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的機能要素、光学的機能要素、検出・測定機能要素或いは駆動機能要素等の機能要素を有する個々のユニットの複数個を接続、連動又は相互連結することにより全体として特定の機能を有する装置たるユニット構成体を形成し、かつこのユニット構成体の機能等について実験・教育をするシステムにおいて、少なくとも2個以上のユニットは磁性体たる基材の任意の位置に適宜配置されるよう構成され、各ユニットは磁力を用いた固定具により当該任意の位置において基材に対して着脱可能に固定されることにより、当該各ユニットは相互に位置調整可能に基材に対して固定されて前記ユニット構成体を形成するようにしたことを特徴とする複数のユニットを用いた実験・教育システム。
【請求項2】
固定具には圧接部が設けられ、基材に対する自己の吸着力によりユニットを基材と圧接部とにより挟持固定するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の複数のユニットを用いた実験・教育システム。
【請求項3】
圧接部には弾性体から成る防滑部材が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の複数のユニットを用いた実験・教育システム。
【請求項4】
前記圧接部は、ユニットの固定用部材の圧接対象部寸法の変動に対して圧接方向に移動調節可能に構成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の複数のユニットを用いた実験・教育システム。
【請求項5】
少なくとも2個以上のユニットには固定具に対応する固定用部材が設けられ、当該固定用部材は固定具の圧接部に対応するよう板厚等の圧接対象寸法を一定に形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の複数のユニットを用いた実験・教育システム。
【請求項6】
少なくとも1個以上のユニットの固定用部材は当該ユニットの基盤を兼ねるもとし、当該基盤上にユニットの機能要素である機構構成部品が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の複数のユニットを用いた実験・教育システム。
【請求項7】
少なくとも1個以上のユニットの固定用部材には孔、切り欠き等からなる固定具配置用の部分を形成し、固定具は固定具配置用の部分に少なくとも一部が収納配置されることにより当該固定具が他のユニットの固定の邪魔にならないよう構成したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の複数のユニットを用いた実験・教育システム。
【請求項8】
少なくとも1個以上のユニットの固定用部材には、固定具に形成された突起、凹部等の係合手段と係合する係合部が設けられ、ユニットの固定作業の際に固定具の移動、回転等の位置ズレを防止するよう構成したことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の複数のユニットを用いた実験・教育システム。
【請求項9】
前記防滑部材は固定具を基材に対して吸着固定し、かつユニットの固定用部材を防滑部材を介して圧接固定した際、ユニットの固定用部材から受ける防滑部材の弾性変形の反力による固定具自体の基材に対する吸着力の減殺効果と、当該弾性変形圧力によるユニットの固定具用部材に対する圧接力の、何れも弱すぎないよう力配分を設定したことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の複数のユニットを用いた実験・教育システム。
【請求項10】
前記防滑部材の弾性係数は、ユニットの固定用部材の圧接対象寸法のバラツキに対しても固定具自体の基材に対する吸着力の減殺効果と、固定具用部材に対する圧接力との何れも弱すぎることの無いよう条件設定されていることを特徴とする請求項9記載の複数のユニットを用いた実験・教育システム。
【請求項11】
固定具には永久磁石の操作による着脱機構が設けられ、この着脱機構を介して永久磁石の磁力線の経路を制御することにより基材に対する固定具の着脱を行うよう構成したことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の複数のユニットを用いた実験・教育システム。
【請求項12】
永久磁石の両磁極にはそれぞれ磁気伝達部材が取り付けられて1組のブロックを形成し、この磁気伝達部材は同様の構成の他の1組のブロックに対して接触摺動可能に構成することにより、ブロックの駆動によって永久磁石の磁力線の経路を制御可能に設定されていることを特徴とする請求項11記載の複数のユニットを用いた実験・教育システム。
【請求項13】
固定具には固定具を基材に対して吸着する永久磁石と、この永久磁石の吸着力に抗して当該固定具を基材から離間する離間手段とが設けられ、離間手段により基材に対する固定具の吸着又は取り外しを行うよう構成したことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の複数のユニットを用いた実験・教育システム。
【請求項14】
離間手段として、梃子、ネジ等の離間力の増力機能を有する機構が設けられていることを特徴とする請求項13記載の複数のユニットを用いた実験・教育システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−279494(P2007−279494A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107468(P2006−107468)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(000146641)株式会社新興技術研究所 (2)
【Fターム(参考)】