説明

複数の医療機器のネットワーク監視を行なうシステム及び方法

【課題】施設の患者に施される治療の状態に関する介護者による評価を容易にするシステム及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は、中央コンピュータまたはサーバに有線または無線ネットワークを使用して接続される複数の医療機器の状態を監視し、医療機器の状態を表わす情報をユーザに対して表示スクリーンに図及びテキストの両方を使用して表示するシステム及び方法を提供する。このシステムは、また、現在の状態を修正するように介護者に対して注意を向けさせる状態またはアラームを生じさせる時点を判断し、状態またはアラームを表わす警告図形またはアイコンを特定の医療機器または医療機器の一部分を表わすアイコンに関連付ける形で、状態またはアラームに関する情報をディスプレイに表示する機能を備える。システムは、ルールデータベース及び意思決定判断エンジンを含み、これらのデータベース及びエンジンを使用して介護者に対する通知を必要とする状態が発生していることを判断することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して複数の医療機器の監視に関し、特にユーザが選択する位置において接続することができる複数の医療機器の状態に関する情報を提供するシステム及び方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2003年12月5日出願の米国仮特許出願第60/527,152号の優先権を主張するものであり、上記仮特許出願は本明細書において参照されることによりこの出願の内容が本発明の開示に含まれる。
【背景技術】
【0003】
治療の実施、及びベッドサイド機器、臨床検査機器及び施設情報システムからの患者データの収集は、高性能かつ高信頼度のコンピュータネットワーク、高速かつ大規模記憶媒体の出現、及びコンピュータプロセッサ及びメモリの小型化によって更に統合されるようになっている。この技術によってコンピュータプロセッサまたはマイクロプロセッサ及びメモリが多種多様な医療機器に組み込まれるようになっている。通信機能を取り入れることによって、医療機器のプロセッサ及びメモリを病棟、部門、及び施設全体のネットワークに接続することができる。これらのネットワークによって、情報を種々の施設情報システムと個々の医療機器との間で交換することができる。これらの機器は、注入ポンプのような治療器具とすることができるか、またはベッドサイドモニター及び検査機器の両方を含む生体信号測定兼データ収集機器とすることができる。
【0004】
治療薬剤投与の複雑さが増すと、過誤が生じる機会が更に増えるという一つの問題が出てくる。薬物過誤の回数を減らすために多くの異なるシステムが提案されており、これらのシステムは、例えばエッガー(Egger)による「患者ケアを管理するシステム及び方法」と題する米国特許出願公開第2002/0169636号明細書に記載されるシステムを挙げることができ、この明細書の主題事項は前の仮特許出願の主題事項の一部分に組み込まれるものであり、かつ一部分に組み込まれ、更には一部分である。
【0005】
多くのクライアント医療機器を有するシステムに関して生じる一つの問題は、システムにおける種々の機器のメモリが、これらの機器が最新の患者情報、治療情報、ルールセット、及び患者固有の薬物治療ガイドラインにアクセスすることができるように、十分な頻度で確実に更新される必要があることである。最近まで、サーバがネットワークに接続される各機器を調査して機器がネットワークに接続されたかどうかを判断し、そして機器に全ての更新済み情報を送信することが必要であった。このような調査は非常に多くのリソース及び非常に長い時間を要し、かつネットワーク全体の効率及び速度を低下させる恐れがある。
【0006】
この問題は、医療機器が無線ネットワークのような有線ネットワーク以外の伝送媒体、またはインターネットを利用する場合に特に深刻になる。これらのシステムでは、個々の医療機器はサーバを、無線ネットワークのアクセスポイントを通してか、またはインターネットを経由して、ダイアルアップ、ケーブル、DSL、または無線接続を使用して呼び出すことができる。このようなシステムでは、ネットワークが、外部ソースから送信される通信リクエストに対して基本的に制限を課すことがないという点で、セキュリティ上の問題が生じ得る。システムは、通信リクエストが安全な医療機器であるのか、またはサーバとの通信の設定を防止する必要のある安全でない或るソースから送信されるものであるかどうかを判断する必要がある。
【0007】
多忙な医療施設に生じる別の問題は、新規システムが配置される場合に、これらのシステムは施設内の小さな空間への配置のために互いに競合しなければならないことである。しかしながら、最近まで、離れた位置から動作させることができる、そして/または移動しながら動作することができる医療機器であって、施設全体を移動し、そして施設のネットワークとの接続を有線アクセスポイントまたは無線アクセスポイントを使用して行なう機能を備える医療機器を実現する技術が存在するが、ネットワークに接続されるサーバはいずれも、半永久的に施設の一つのエリアに位置する必要があった。これらのサーバを移動させることができる場合でも、このような移動では通常、システムの電源を落とし、サーバをネットワークから遮断し、そして、サーバを新規の位置で再接続する必要がある。このような再配置には通常、有線配線または光ケーブル配線及びルータのような他のネットワークリソースを再配置して再構成する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
益々増加する臨床現場では、注入ポンプ及び生体信号モニターのような複数の医療機器をネットワーク接続して、これらの機器が臨床担当者が離れた位置から監視することができるようにすることが望ましくなってきている。例えば、薬剤師、看護師、医師、生物医学技師、及び他の関係者は、診療所の薬剤注入ポンプまたはモニター装置の状態を監視する技能を備える必要がある。各人が医療機器を監視するのは異なる理由を有するからであるが、このような状況においても全員がこれらの医療機器の状態をチェックする必要がある。患者の余計な負担を減らし、かつ種々の臨床担当者の効率を上げるために、全ての注入ポンプを、有線または無線のいずれかの或るタイプのネットワークを通して動作可能に接続することが望ましい。本発明はこれらの要求及び他の要求を満たすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は複数の医療機器の状態を監視し、そして当該監視の間に収集される情報の視覚表示を介護者に対して行なって施設の患者に施される治療の状態に関する介護者による評価を容易にするシステム及び方法を含む。監視される医療機器は、治療処置を患者に施すように構成される機器だけでなく、生体信号モニター、検査機器などのような臨床生理評価装置を含むことができる。視覚表示は、サーバと通信する全ての医療機器を見渡すことができるように行なわれ、かつこれらの医療機器のアイコン表示及びテキスト表示の両方を提供するように構成される。更に、視覚表示は、通告を介護者に与えて介護者が適切な処置を採って状態を修正する必要があるとして認識されている種々の状態に関連する高性能表示警告標識(displaywarningsymbol)、図またはテキストを含む。
【0010】
一つの態様では、本発明は複数の医療機器を監視するシステムを含み、このシステムは、複数の医療機器の通信先であるサーバと、サーバ上で動作するプログラムであって、各医療機器の状態を取得してプログラムのユーザによる前記状態の利用を可能にするように構成されたプログラムとを備え、プログラムは、識別される全ての医療機器のリストをサーバに提供し、プログラムは識別される医療機器の選択に応答し、プログラムは、選択された医療機器に関する状態及び情報を図形式及びテキスト形式で提供する。
【0011】
別の態様では、本発明は医療監視システムを含み、この監視システムは、少なくとも一つの医療機器と、医療機器と通信するサーバと、サーバと通信する表示スクリーンと、そしてサーバと通信するプロセッサの上で動作してプロセッサをプログラムして、少なくとも一つの医療機器が送信させ、かつ少なくとも一つの医療機器の状態を表わす情報を監視させるプログラムとを備え、プログラムは更に、プロセッサをプログラムして図形表示を生成させて情報をユーザに送信する。更に別の態様では、図形表示は複数の部分を含み、少なくとも一つの部分が医療機器を表わすアイコンを含む。別の態様では、図形表示は、医療機器の状態に関するテキスト記述を提供する少なくとも一つの部分を含み、更に別の態様では、図形表示は、全てのチャネルの医療機器の状態を表示する少なくとも一つの部分を含む。
【0012】
更に別の態様では、プロセッサをプログラムして警告標識を生成させ、標識を医療機器を表わすアイコンに関連付けさせる。更に別の態様では、プロセッサは、少なくとも一つの医療機器の状態に関するパラメータの値をルール・データベースと比較して、パラメータの値がルール・データベースのルールによって規定される値の範囲に収まるかどうかについて判断し、パラメータの値が前記値の範囲に収まらない場合、警告標識を生成する。更に別の態様では、アイコンは液体源の液面の高さを表わす。
【0013】
更に別の態様では、本発明は医療機器監視システムを含み、この監視システムは、医療機器であって、情報を医療機器に送信し、情報を医療機器から受信する無線通信手段を含む医療機器と、中央コンピュータであって、情報を中央コンピュータに送信し、情報を中央コンピュータから受信する無線通信手段を含む中央コンピュータとを備え、中央コンピュータは、中央コンピュータ上で動作するプログラムを含み、このプログラムは、医療機器に医療機器の状態に関する問い合わせを行なうことを含んで医療機器と通信し、医療機器の状態を表わす情報を医療機器から受信し、更にユーザに対する受信情報の視覚表示を作成する。本発明の一つの態様では、中央コンピュータは、医療機器が配置される施設の中を移動する機能を備える移動サーバである。別の態様では、視覚表示は、医療機器を表わす情報をユーザに提供する複数の部分を含む。別の態様では、視覚表示は複数の部分を含み、少なくとも一つの部分は医療機器を表わすアイコンを含む。更に別の態様では、複数の部分のうちの少なくとも一つの他の部分は、医療機器の状態に関するテキスト記述を提供し、別の態様では、表示のうちの少なくとも一つの部分はアイコン、及び医療機器の状態に関するテキスト記述を含む。
【0014】
更に別の態様では、中央コンピュータは、ルール・データベースに保存されるルールにアクセスする手段を含み、ルールは医療機器の複数の動作パラメータに関する値の複数の範囲を含む。更に、中央コンピュータ上で動作するプログラムはまた、医療機器から受信する情報の値をルール・データベースに保存されるルールと比較することができ、そして受信情報に関して選択される動作パラメータの値が選択ルールに含まれる値の範囲に収まらない場合、警告図形を表示する。本発明の或る態様では、警告図形は、医療機器を表わすアイコンに関連付けることができる。
【0015】
更に別の態様では、本発明は、施設内で動作する医療機器の状態に関する情報を表示する方法を含み、この方法では、医療機器とサーバとの間の通信を設定し、医療機器の状態を表わす情報を受信し、サーバと通信する各医療機器を表わすアイコンを視覚表示の一つの部分に表示し、選択された医療機器を表わすアイコンを選択し、選択された医療機器を表わす拡大図形を視覚表示の別の部分に表示し、医療機器の状態を表わす選択情報を視覚表示の別の部分に表示する。一つの変形では、医療機器の状態を表わす選択情報を表示することは、少なくとも一つのアイコンを表示すること、更に、選択情報に関するテキスト記述を表示することを含む。
【0016】
更に別の態様では、本発明の方法では更に、医療機器から受信する情報が、アラームを発する必要がある状態を示す情報を含むかどうかについて判断し、アラームを表わすアイコンを視覚表示の少なくとも一つの部分に表示する。
【0017】
本発明のこれらの利点及び他の利点は、次の詳細な説明を、例示としての実施形態に関する添付の図と関連付けながら一読することにより明らかになると思われる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の種々の態様を利用する患者ケアシステムを表わす図である。
【図2】ネットワークを表わす図であり、本発明の原理を示している。
【図3】施設ネットワークと無線アクセスポイントを通して通信して、これもネットワークに無線アクセスポイントを通して接続される医療機器と通信する移動サーバを組み込んだ、本発明の一つの実施形態を表わす模式図である。
【図4】移動サーバを臨床現場に適用した例であり、遠隔操作移動サーバが手押し車上で搬送される様子を示している。
【図5】本発明の一つの実施形態の監視システムが表示する種々の情報を表わす図式表示である。
【図6】本発明の一つの実施形態の監視システムが表示する種々の情報を表わす図式表示である。
【図7】本発明の一つの実施形態の監視システムが表示する種々の情報を表わす図式表示である。
【図8】本発明の一つの実施形態の監視システムが表示する種々の情報を表わす図式表示である。
【図9】本発明の一つの実施形態の監視システムが表示する種々の情報を表わす図式表示である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明について、本発明の好適な実施形態が示される添付の図を参照しながら更に詳細な形で以下に記載することとする。しかしながら、本発明は多くの異なる形態で具体化することができ、かつ本明細書に示す実施形態に制限されるものとして捉えられるべきではなく、これらの実施形態は、本開示が全てを網羅し、かつ完全であり、更には本発明の技術範囲をこの技術分野の当業者に完全に伝えるように提示される。同様の参照番号は図全体を通じて同様の構成要素を指す。
【0020】
この技術分野の当業者であれば理解できることであるが、本発明は、方法、データ処理システム、またはコンピュータプログラム製品として具体化することができる。従って、本発明は全てがハードウェアで構成される実施形態、全てがソフトウェアで構成される実施形態、またはソフトウェア及びハードウェアを組み合わせて構成される実施形態の形を採ることができる。更に、本発明は、媒体内に具体化されるコンピュータ読み取り可能なプログラムコード手段を有するコンピュータ利用可能な記憶媒体に格納されるコンピュータプログラム製品の形態を採ることができる。いずれかの適切なコンピュータ読み取り可能な媒体を利用することができ、この媒体としては、これらには限定されないが、ハードディスク、CD−ROM、光記憶装置、及び磁気記憶装置などを挙げることができる。
【0021】
本発明を以下に、本発明の実施形態による方法のフローチャート図、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品を参照しながら記載する。フローチャート図の各ブロック、及びフローチャート図のブロック群の組み合わせはコンピュータプログラミング命令が実行することができることを理解されたい。これらのコンピュータプログラミング命令を汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、またはプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに供給してマシンを生成するので、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令によって、フローチャートブロックまたはブロック群の中に指定される機能を実行する手段が生成される。
【0022】
これらのコンピュータプログラミング命令はコンピュータ読み取り可能なメモリに保存することもでき、このメモリはコンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に命令して、コンピュータ読み取り可能なメモリに保存される命令によって、フローチャートブロックまたはブロック群の中に指定される機能を実行する命令手段を含む製品が生成されるように特定の方法で機能させることができる。
【0023】
コンピュータプログラミング命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に読み込むことができ、これにより、一連の動作ステップをコンピュータまたは他のプログラム可能な装置において実行してコンピュータ援用プロセスを生成するので、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置で実行される命令によって、フローチャートブロックまたはブロック群の中に指定される機能を実行するステップが生成される。
【0024】
本発明は、スタンドアローン型コンピューティング装置で動作するシステムとして実現することができる。好適には、本発明は、クライアント−サーバ環境におけるシステムとして用いられる。この技術分野の当業者には公知であるが、クライアントアプリケーションはクライアント−サーバ関係におけるリクエストプログラムである。サーバアプリケーションは、同じか、または他のコンピュータのクライアントプログラムからのリクエストを待ち、リクエストに応えるプログラムである。クライアント−サーバ環境は、インターネットのような公衆網、及び「イントラネット」と呼ばれることが多い専用ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、及びワイドエリアネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、フレームリレー接続または直接電話接続を含むことができる。ここで、コンピュータがホストするクライアント/サーバアプリケーションを含むクライアントアプリケーションまたはサーバアプリケーション、或いはコンピュータ使用可能な媒体に格納されるプログラムコードを実行するように構成される他の装置は、種々の機能を実行する手段として動作して本発明の種々の動作方法を実行することを理解されたい。
【0025】
次の用語及び定義は、本発明の種々の態様及び実施形態を完全に理解するために有用である。従って、これらの用語は、本発明について記載するために次に示す意味を有するものとする。
【0026】
AESは高度暗号規格(AdvancedEncryptionStandard)を意味する。AESは暗号規格(DefenseEncryptionStandard:DES)に代わる次世代暗号標準であり、連邦情報処理規格(FederalInformationProcessingStandard)及び米国標準技術院(NationalInstituteof Standards and Technology)が認可する高度に安全な対称ブロック暗号化アルゴリズムである。
【0027】
CBCは暗号ブロック連鎖(CipherBlock Chaining)を意味する。CBCはブロック暗号の動作モードであり、このモードでは、プレーンテキストの各ブロックに対して、このブロックを符号化する前に、暗号テキストの既に符号化されているブロックとの排他的論理和をとる。
【0028】
DHCPは動的ホスト構成プロトコル(DynamicHost Configuration Protocol)を意味する。DHCPはIPアドレスをIPネットワーク上のクライアントに動的に割り当てることができるようにする。
【0029】
ECBは電子クックブック(ElectronicCook Book)を意味する。ECBはブロック暗号の動作モードであり、このモードでは、プレーンテキストの各ブロックが他の全てのブロックとは別に符号化される。
【0030】
IPはインターネットプロトコル(InternetProtocol)を意味する。IPは、ネットワークメッセージを配信するために使用される簡単なアドレス指定プロトコルである。多くのバージョンのIPが存在し、そして本発明の種々の実施形態は,いずれかのバージョン、好適にはバージョン4(IPv4)のIPを使用して動作するようにしている。
【0031】
LANはローカルアクセスネットワーク(LocalAccess Network)を意味する。LANは、専用の同種ネットワークを通して接続されるシステムグループである。
【0032】
MD5はMD5メッセージダイジェストアルゴリズム(MD5MessageDigest Algorithm)を表わす。MD5は、所定のデータセットの安全な固有の「指紋」を生成するように構成される複雑なハッシュアルゴリズムである。
【0033】
NIMはネットワークインターフェースモジュール(networkinterfacemodule)を意味し、そして医療機器によるIPネットワークとの接続、及びIPネットワークへの参加を可能にするデバイスである。
【0034】
RDSはリモートデータサーバ(RemoteData Server)を表わし、通常、ネットワーク化された医療機器と通信する全てのサードパーティのプロキシとして機能する中央サーバを表わす。
【0035】
TCPは伝送制御プロトコル(TransmissionControlProtocol)を意味する。TCPは、ネットワーク上の2つのクライアントの間の、強固で信頼度の高いストリームベースのデータ接続を実現する高位プロトコルである。
【0036】
UDPはユーザデータグラムプロトコル(UserDatagramProtocol)を表わす。UDPは、ネットワーク上のクライアントの間の、比較的信頼度の低いメッセージ通信を実現する低位プロトコルである。
【0037】
図1は本発明の態様を利用する患者ケアシステムの概要図である。図1では、患者ケア用器具12は、薬局管理システム34及び院内情報システムサーバ30を含む院内ネットワーク10に接続される。各構成要素12,30,及び34はネットワーク10に伝送チャネル32によって接続される。伝送チャネル32は、いずれかの有線または無線伝送チャネル、例えば802.11無線ローカルエリアネットワーク(LAN)である。本発明の一つの実施形態では、ネットワーク10は病院全体の種々の部門に配置されるコンピュータシステムも含む。例えば、図1のネットワーク10は複数のコンピュータシステムを任意に含み、これらのコンピュータシステムは、入院部門36、請求部門38、生物医学部門40、臨床検査部門42、中央材料部門44、一つ以上の病床ステーションコンピュータ、及び/又は医学的意思決定支援システム48に接続される。更に、システムは個別のリモートデータサーバ49を取り入れることができ、このサーバの機能について以下に詳細に記載する。更に、リモートデータサーバ49は個別サーバとして示されるが、リモートデータサーバ49の機能及びプログラムは、例えば院内情報システムサーバ30のような別のコンピュータに、施設情報システムを設計するエンジニアがこのような構成を望む場合には、一体化することができる。
【0038】
患者ケア用器具12は、エッガー(Egger)らによる米国特許第5,713,856号明細書に記載されるものと同様のシステムを備えることが好ましく、この明細書はここにおいて参照することによりこの文献の内容が本発明の開示に含まれる。別の構成として、ポンプ、生理学的モニター(例えば、心拍数モニター装置、血圧モニター装置、ECGモニター、EEGモニター、パルスオキシメータ、及び他の患者モニター機器)、治療器具、及び他の薬剤投与器具のような他の患者ケア用器具をここに示す教示に従って利用することができる。患者ケア用器具12は、インターフェースユニット14とも呼ぶ制御モジュール14を備えることが好ましく、制御モジュールは一つ以上の機能モジュール16,18,20,22に接続される。インターフェースユニット14は中央処理ユニット(CPU)50を含み、中央処理ユニットはメモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)58、及びユーザインターフェース機器54のような一つ以上のインターフェース機器、符号化データ入力機器60、ネットワーク接続52、及び追加モジュールまたは機器と通信する付属インターフェース62に接続される。インターフェースユニット14はまた、必ずではないが、ソフトウェア及びデータを保存する不揮発性メインストレージユニット56、好適にはハードディスクドライブ、及び前述の構成要素を相互接続する一つ以上の内部バス64を含むことが好ましい。
【0039】
通常の実施形態では、ユーザインターフェース機器54はタッチスクリーンであり、このタッチスクリーンは情報をユーザに対して表示し、このタッチスクリーンによってユーザは、タッチすることによって決定されるスクリーンの領域を通して情報を入力することができる。別の構成として、ユーザインターフェース機器54は、モニター、プリンタ、キーボード、ソフトキー、マウス、トラックボール、及び/又はライトペンのような、情報を表示し、そして入力するいずれかの手段を含むことができる。符号化データ入力機器60はバーコードリーダであることが好ましく、バーコードリーダは、バーコードフォーマットで印刷されたデータをスキャンして解読する機能を備える。別の構成として、データ入力機器60は、符号化データをコンピュータに入力するいずれかの機器とすることができ、この機器としては、例えば磁気ストライプ、PCMCIAスマートカード、無線周波カード、メモリスティック、CD、DVD、または他のいずれかのアナログまたはデジタル記憶媒体を読み取る機器を挙げることができる。データ入力機器60の他の例は、音声起動装置または音声認識装置、または携帯端末(PDA)を含む。使用するインターフェース機器のタイプによって変わるが、ユーザインターフェース機器54及び符号化データ入力機器60は同じ機器とすることができる。別の構成として、データ入力機器60は、インターフェースユニット14内部に配置されるものとして図1に示されるが、この技術分野の当業者であれば、データ入力機器60は薬局システム34内に一体化することができるか、または外部に配置して、薬局システム34とRS−232シリアルインターフェースまたは他のいずれかの適切な通信手段を通して通信するようにすることができることが分かるであろう。付属インターフェース62はRS−232通信インターフェースであることが好ましいが、プリンタ、患者モニター機器、注入ポンプ、または他の医療機器のような周辺機器と通信する他のいずれかの手段を、本発明の技術範囲から逸脱しない範囲において使用することができる。更に、データ入力機器60は、モジュール16,18,20,及び22のような個別機能モジュールとすることができ、そしてコントローラ14またはネットワーク上の他のいずれかのシステムと、適切なプログラミングプロトコル及び通信プロトコルを使用して通信するように構成することができる。
【0040】
ネットワーク接続52は、T1接続、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)接続、デジタル加入者線(DSL)モデム、またはケーブルモデムのような直接ネットワーク接続であることが好ましい。別の構成として、いずれかの直接ネットワーク接続または間接ネットワーク接続を使用することができ、これらのネットワーク接続としては、これらには限定されないが、電話モデム、MIBシステム、RS232インターフェース、付属インターフェース、光リンク、赤外線リンク、無線周波リンク、マイクロ波リンク、またはWLANS接続、或いは他の無線接続を挙げることができる。
【0041】
機能モジュール16,18,20,22はケアを患者に提供するか、または患者の状態を監視するいずれかの機器である。図1に示すように、機能モジュール16,18,20,22のうちの少なくとも一つは、薬剤または他の薬液を患者に注入する皮下注入ポンプのような注入ポンプモジュールとすることができる。説明を行なうために、機能モジュール16が注入ポンプモジュールであるものとする。機能モジュール18,20,22の各々はいずれかの患者治療器具または患者モニター機器とすることができ、これらの機器としては、これらには限定されないが、注入ポンプ、シリンジポンプ、PCAポンプ、硬膜外持続注入ポンプ、経腸注入ポンプ、血圧モニター装置、パルスオキシメータ、EKGモニター、EEGモニター、心拍数モニター装置、または頭蓋内圧モニターなどを挙げることができる。別の構成として、機能モジュール18,20,及び/又は22はプリンタ、スキャナ、バーコードリーダ、または他のいずれかの周辺入力機器、周辺出力機器、または周辺入力/出力機器とすることができる。
【0042】
機能モジュール16,18,20,22はインターフェースユニット14と直接または間接的に通信し、インターフェースユニット14は器具12全体を監視し、そして制御する。機能モジュール16,18,20,22は、図1に示すように、かつエッガー(Egger)らによる特許明細書に詳述されているように、インターフェースユニット14の一端または両端に直列に物理的に、かつ電気的に接続される。しかしながら、この技術分野の当業者であれば、これらの機能モジュールを、本発明の技術範囲から逸脱しない範囲において利用することができるインターフェースユニットに接続する他の手段を設けることができることが分かるであろう。また、十分にプログラム可能であり、かつ接続性が高いポンプまたは患者モニター機器のような機器は、スタンドアローン型機器として動作することができ、かつ個別のインターフェースユニットまたは制御ユニット14を通して接続されることなくネットワークと直接通信することができることが分かるであろう。上に記載したように、追加の医療機器または周辺機器は患者ケア用器具12に、一つ以上の付属インターフェース62を通して接続することができる。
【0043】
各機能モジュール16,18,20,22は通常、モジュール固有の構成部品76、マイクロプロセッサ70、揮発性メモリ72、及び情報を保存する不揮発性メモリ74を含む。ここで、4つの機能モジュールを図1に示すが、どのような数の機器でも中央コントローラ14に直接または間接的に接続することができることに留意されたい。ここに記載する機能モジュールの数及びタイプは例示であり、決して本発明の技術範囲を制限するものではない。モジュール固有の構成部品76は、注入ポンプモジュール16のようなポンプ動作機構のような特定モジュールの動作に必要ないずれかの部品を含む。
【0044】
各機能モジュールは通常、少なくとも或るレベルの個別動作を行なう機能を備えるが、インターフェースユニット14は器具12の全体動作を監視し、そして制御する。例えば、以下に更に詳細に記載するように、インターフェースユニット14はプログラミング命令を機能モジュール16,18,20,22に供給し、そして各モジュールの状態を監視する。
【0045】
患者ケア用器具12は、幾つかの異なるモードで動作する機能を備えるか、または幾つかの異なる固有の方式で動作する機能を備え、各方式は構成データベースによって定義される。特定の構成データベースは、患者位置、年齢、身体的特徴、または既往状況のような患者固有情報に少なくとも一部基づいて選択される。既往状況は、これらには限定されないが、患者診断、治療処方、既往歴、既往記録、患者ケア提供者識別情報、生理学的特性、または心理学的特性を含む。本明細書において使用するように、患者固有情報はまた、ケア提供者に関する情報(例えば、医師識別情報)、または院内での、または院内コンピュータネットワークにおける患者ケア用器具10の位置を含む。患者ケア情報は、インターフェース機器52,54,60,及び62を通して入力することができ、かつ例えば、薬局34、入院部門36、臨床検査部門42などのような、ネットワーク10のいずれかの位置から送信することができる。
【0046】
種々のデータソースへの、そしてデータソースからのデータは、ネットワーク利用データに既存の技術を用いて変換することができ、そして医療機器とネットワークとの間の情報の移動は種々の手段によって行なうことができる。例えば、患者ケア用器具12及びネットワーク10は自動的な相互作用、手動の相互作用、または自動的な相互作用及び手動の相互作用の両方の組み合わせによって通信することができる。自動的な相互作用は、継続的な、または断続的な相互作用とすることができ、かつ直接ネットワーク接続54(図1に示すような)、またはRS232、MIBシステム、BLUETOOTH(カリフォルニア州、サンノゼ市に本拠を置くAmtelCorp.)のようなRFリンク、IRリンク、WLANS、デジタルケーブルシステム、電話モデム、または他の有線または無線通信手段を通して行なうことができる。患者ケア用器具12とネットワーク10との間の手動の相互作用では、データを複数のシステムの間で物理的に、かつ断続的に、または周期的に、例えばユーザインターフェース機器54、符号化データ入力機器60、バーコード、コンピュータディスク、携帯端末、メモリカード、またはデータを保存する他のいずれかの媒体を使用して転送する。好適には、通信手段は双方向通信手段であり、データには分散データソースの出来る限り多くのポイントからアクセスする。医学的意思決定は、ネットワーク10内の種々の場所で行なうことができる。例えば、これらに制限されるものではないが、意思決定はHISサーバ30、医学的意思決定支援システム48、リモートデータサーバ49、院内部門または病床ステーション46において、或いは患者ケア用器具12自体の内部で行なうことができる。
【0047】
図2は、本発明の態様に従って構成される施設患者ケアシステム100の種々の構成要素の間の情報フローを表わすブロック図である。図示のように、サーバ105は注入ポンプ110、ポイントオブケアユニット(pointof care unit)115、シリンジポンプ120、生体信号モニター125、または他の医療機器130のような種々の患者関連資産(patientrelatedassets)と通信する。これらの患者関連資産の各々は治療を患者に提供する、または患者の生体信号または状態を監視し、そして患者の状態及び患者の治療に関する情報をサーバに提供する。ネットワーク監視アプリケーションプログラム135はサーバとの接続を行なうインターフェースとなるので、サーバと通信する資産の全てのインターフェースとなる。ネットワークアプリケーションプログラム135を使用して、薬剤師140、看護師145、医師150、及び生物医学技師155のようなユーザは、サーバ105に提供される情報を種々の患者資産によって閲覧することができる、患者に施されている治療を調整することができるか、または患者資産の動作を監視することができる。このようなシステムは、システムが患者資産のソフトウェア構成を専門生物医学技師155が変更するか、または更新するための手段となるという意味において特に有用である。このようなシステムに使用することができるポイントオブケアユニット及び動作モジュール、生体信号モニター、及び他の臨床機器の例は、Bollishらによる米国特許第5,957,885号、Vanderveenによる米国特許公開公報2003/0106553A1、Fordらによる米国特許第5,681,285号、そしてエッガー(Eggers)らによる米国特許第5,713,856号に記載されており、これらの文献をここで参照することにより、これらの文献の内容全体が本発明の開示に含まれる。
【0048】
本発明の態様を取り入れたクライアントサーバ環境は通常、少なくとも一つのクライアントがコンピュータネットワークを通してアクセスすることができる中央サーバを含む。更に複雑なシステムでは、中央サーバには少なくとも一つのローカルサーバが、例えばイーサネット、無線ネットワーク、またはインターネットのようなコンピュータネットワークを通して接続することができ、今度はこのローカルサーバにクライアントがアクセスすることができる。これに限定されないが、TCP/IPを含む種々のコンピュータネットワーク伝送プロトコルを使用して中央サーバ、いずれかのローカルサーバと、ネットワークで使用する通信プロトコルに対応した通信機能を有するように構成されるクライアント機器との間の通信を行なうことができる。
【0049】
中央サーバは通常、Microsoft(登録商標)のSQLサーバアプリケーションプログラム、または当該アプリケーションプログラムで動作させることができるバージョン6.5(ワシントン州リッチモンド市に本拠を置くマイクロソフト社が供給)のような中央データベースを含む。中央サーバによって、ローカルサーバは知識ベースの最新バージョンを確実に動作させることができる。更に、中央サーバは、全ての患者データを保存し、かつローカルサーバ及びユーザをシステムに追加し、そしてシステムから消去するような種々の管理機能を実行することができる。中央サーバはまた、ローカルサーバまたはクライアント医療機器をユーザが利用することができるようになる前に認証を行なうことができる。前に述べたように、通常の総合システムでは、患者データは中央サーバに保存して、患者データの中央保管所を提供することが好ましい。しかしながら、患者データはローカルサーバに、またはローカル記憶媒体に、或いは別の院内サーバまたは施設サーバ、または情報システムに保存することができる。この場合、保存先には、システムの種々の構成要素を通して、すなわち必要に応じて、ローカルサーバまたはローカルクライアントが接続することができる。
【0050】
各ローカルサーバは通常、複数ユーザに対して或る地理的位置において機能を提供する。このようなローカルサーバの例として、院内病棟、ナースステーション、または病院の外の位置、または離れた位置に位置して、1次情報またはバックアップ情報の収集、配信、解析、及び/又は保存を行なうシステムとして動作するサーバを挙げることができる。各ローカルサーバは通常、サーバアプリケーション、一つ以上の知識ベース、及びローカルデータベースを含む。各ローカルサーバはまた、複数のルールセットまたは治療基準と相互作用して正しい薬物治療及び薬剤投与、及び処方治療が確実に行なわれるようにする機能を備える推論システムを含むことができる。各ローカルサーバはまた、人工知能処理を行なって本発明の動作を実行することができる。ユーザがローカルサーバにクライアントを通してログオンすると、ユーザは、この技術分野の当業者が理解する方法に従って、識別情報及びパスワードを使用して認証を受けることが好ましい。一旦、認証されると、ユーザはシステムへのアクセスを許可され、そして所定の管理上の特権がユーザに付与される。別の構成として、システムをプログラムして、種々の患者、介護者、及びバーコードラベル、RF識別タグまたは器具、或いは他のスマートタイプの受動型または能動型識別器具のような薬物識別装置を使用してシステムのユーザを識別し、そしてシステムへのアクセスを可能にして患者を診断し、そして治療するように動作させることができる。
【0051】
各ローカルサーバはまた、中央サーバと通信して知識ベース(群)及びアプリケーション(群)の最新バージョンがリクエスト側であるローカルサーバで動作していることを確認することができる。最新バージョンが動作していない場合、リクエスト側であるローカルサーバは中央サーバから最新の妥当性検証済み知識ベース(群)及び/又はアプリケーション(群)を、ユーザセッションが確立される前にダウンロードする。本発明の或る実施形態では、データ処理及び人工知能処理のような膨大な計算を必要とする作業のほとんどをローカルサーバで行なって、「シン(thin)」クライアント(すなわち、最小のハードウェアを有するコンピューティングデバイス)を実現し、かつシステム速度を最適化するが、本発明はまた、データ処理及びルール処理をクライアントで行なって中央システムまたはローカルサーバをこのような作業に関与させないようにするシステムを含むように構成される。
【0052】
各ローカルクライアントまたは医療機器はまた、このような構成は多くの医療機器には必要ではないが、通常、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)から成るクライアントアプリケーションプログラムを含み、更に中央サーバまたはローカルサーバと通信する中間層プログラムを含む。クライアントアプリケーションプログラムのプログラムコードは全て、ローカルクライアントで実行することができるか、またはプログラムコードをローカルクライアントで一部実行し、かつ中央サーバまたはローカルサーバで一部実行することができる。
【0053】
本発明の動作を実行するコンピュータプログラムコードは、例えばJAVA(登録商標),Smalltalk,またはC++のようなオブジェクト指向プログラミング言語で記述されることが好ましい。しかしながら、本発明の動作を実行するコンピュータプログラムコードは、「C」プログラミング言語のような従来の手続き的プログラム言語、Perlのような逐次実行形式のスクリプト言語、またはLisp,SML,Forthなどのような機能(または第4世代)プログラミング言語で記述することもできる。ソフトウェアはHLA−7の要件を満たすように記述することもできる。
【0054】
次に、本発明の例示としての実施形態について説明する。通常、本発明の態様を取り入れた医療機器には、ネットワークインターフェースモジュール(NIM)が装備され、これによって医療機器はノードとしてネットワークに参加することができる。本発明を明瞭にするために、本発明はインターネットプロトコル(IP)を使用するイーサネットネットワーク環境で動作するものとして記載されるが、この技術分野の当業者であれば、本発明のコンセプトは他のネットワーク環境においても同様に適用することができ、かつ、このような環境は本発明の技術範囲に含まれるものであることが理解できるであろう。
【0055】
本発明に従ってネットワークで動作する医療機器との全ての直接通信は、リモートデータサーバ(remotedata server:RDS)として知られる中央サーバを通して行なわれる。本発明の態様によれば、例えば注入ポンプまたは生体信号測定機器のような医療機器に組み込まれるネットワークインターフェースモジュールは、認証済みRDSから送出されない全てのネットワークトラフィックを無視する。本発明のRDSの主要な役割は、全てのネットワーク医療機器の位置及び状態を追跡することであり、これらの医療機器はNIM(ネットワークインターフェースモジュール)を有し、かつ空き通信チャネルを機器内に維持する。
【0056】
別の実施形態では、本発明によるシステムは複数の移動サーバから成り、これらのサーバは、移動機器と無線アクセスポイントを使用して通信するように構成される。図3に示すように、本実施形態の移動サーバ205,210はRDSサーバか、またはデータベースまたは他の施設情報システムの制御のような別の機能を有するサーバとすることができる。このようなサーバは通常、同じか、または等価なソフトウェア(カーネル)を固定サーバとして有し、かつ移動システムマネージャと考えることができる。一つの実施形態では、移動サーバは、図3に示し、かつ参照番号205及び210で示すラップトップコンピュータ、適切に装備されたPDA、または他のモバイルコンピューティングシステムに構築することができる。
【0057】
無線ネットワークとの通信は、無線アクセスポイント215またはモジュール242を通して行なわれ、無線アクセスポイントまたはモジュールは、移動サーバに一体化するか、或いは移動サーバまたはローバ(rover)と、アンテナのような適切な通信ハードウェアを使用して動作可能に通信することができる。このような無線通信ネットワークを利用して、移動サーバ205,210はCQIデータベース220、ルールデータベース(図示せず)、または総合情報または患者固有情報を取り込んだ他のデータベース(図1参照)にアクセスすることができる。別の構成として、移動サーバ205,210は個別の無線アクセスモジュール242に接続することができる。このような接続はUSBまたは他の適切な接続のようなサーバのポートを通して行なわれる。
【0058】
例えば2.2GHzまたは他の適切な周波数で動作する無線アクセスポイント215,242、及び適切なインターフェース機器を使用するので、移動サーバ205,210は、適切に装備され、かつプログラムされた注入ポンプ245のような移動クライアント225,230,235,及び240、または生体信号監視装置または検査機器250のような他の医療機器と双方向で通信し、必要に応じてこれらの機器を制御することができる。従って、本発明の移動サーバ205,210によって、専用ルームを設けるか、または固定されて容易に異なる位置に移動させることができないサーバを有する必要が無くなる。
【0059】
このような移動サーバの適用形態の例を図4に示すが、この例では、このようなシステムは手押し車に搭載される。この例では、本発明の原理に従って移動サーバ302と通信する機能を備える種々の医療機器305は通常の診療施設の全体に配置される。図示のように、これらのユニットの幾つかは、患者ベッドサイド315、ナースステーション320、倉庫エリア322に配置することができるか、または患者が施設内を移動する際に患者325と共に移動することができる携行機器として構成することができる、或いは患者が施設内を担架で運ばれる際に患者330と共に移動することができる。手押し車300に搭載される移動サーバ302が手押し車を押すことにより施設内を移動すると、サーバはメッセージビーコンを、注入ポンプ、複数機器を制御する機器コントローラ、または適切な無線アクセス機器及びネットワークインターフェースモジュール(NIM)を装備する生体信号監視装置のいずれであるかに拘らず、全ての臨床機器にブロードキャストする。図示のように、移動サーバ302には、一つよりも多くの種類の無線通信手段310を装備することができる。例えば、移動サーバは802.11WIFIプロトコルを使用して通信するか、またはRFまたはIR送信機または受信機を使用することができる。この技術分野の当業者であれば、上に詳述したようにいずれの無線手段を使用することもできることが理解できるであろう。
【0060】
図4は、一つのタイプの院内病棟のレイアウト図を示し、患者室、ナースステーション、倉庫施設、廊下、注入ポンプ及び生体信号モニターを含む患者ベッドサイドの医療機器、及び移動サーバ(移動システムマネージャ)302を示している。このようなシステムを採用することができる臨床現場は、ICU(intensivecare unit:集中治療室)、出産分娩室、及び内科/外科室のような種々のタイプの患者病棟により構成することができる。図4の場合、医療機器は特定の臨床現場に従って構成される、すなわち医療機器は特定病棟または病床タイプに適するように構成され、アラームレベル、最大注入速度、投与量上下限などのような特定病棟関連処理パラメータ(specificward−relatedoperatingparameters)によってプログラムされる。これらの病棟関連処理パラメータはここでは「プロファイル(profiles)」と呼ぶ。プロファイルには、ICU(集中治療室)、出産分娩室などのような関連患者病棟名と同様の、または同じ名前を付与することができる。「PCU」という用語は、「患者ケアユニット(patientcare unit)」を意味し、かつ注入ポンプ、生体信号モニター、または他の機器のような種々の医療機器を含むことができる。
【0061】
手押し車及び移動サーバ302が施設内を移動するとき、移動サーバはビーコン信号を送信し、このビーコン信号は、移動サーバの無線送信機/受信機の通信範囲内に位置する適切なNIM(ネットワークインターフェースモジュール)を装備するいずれかの機器が受信し、ビーコン信号にいずれかの機器が応答することができる。WIFIプロトコルを使用する一つの実施形態では、通信範囲はほぼ30フィートである。すなわち、移動サーバ302の30フィートの半径内の全ての機器がビーコン信号を受信し、ビーコン信号に応答して移動サーバとの安全な通信セッションを構築することができる。このような技術を熟知している当業者には理解できることであるが、通信範囲はプロトコルだけでなく、使用する特定のハードウェアによって変わり、そして必要に応じて30フィートよりも長く、または短くすることができる。
【0062】
上記したように、移動サーバの通信範囲内に位置し、かつ現時点で「アウェイク状態」になっていて動作している機器はビーコン信号に応答することができる。別の構成として、上記したように、種々の機器のNIMをプログラムしてビーコン信号を受信し、次に機器をアウェイク状態にして、データを機器と移動サーバとの間で交換することができるようにすることができる。更に別の実施形態では、NIMをプログラムして移動サーバとの間で通信を行ない、そして情報をサーバとの間で臨床機器をアウェイク状態にすることなく交換して、機器のバッテリ寿命を長くすることができる。
【0063】
本発明の一つの実施形態はネットワーク監視アプリケーションプログラムを含み、このプログラムはサーバ(図1)、またはネットワークを通して接続可能な他のコンピュータで動作する適切なソフトウェアプログラムを含む。ネットワーク監視アプリケーションプログラムは、医療臨床機器の状態を監視し、そして解析及びレポート生成のための情報をこれらの機器から収集するモジュールを含む。ネットワーク監視アプリケーションプログラムはインターフェースモジュールも含み、このモジュールによってユーザはシステムとのインターフェース接続を行なって、データを閲覧し、ネットワークとの通信を行なう医療臨床機器の動作パラメータを変更し、そして医療臨床機器に関する情報をユーザに対して種々のグラフィカルディスプレイを使用して表示させることができる。
【0064】
図5は、ネットワーク監視アプリケーションプログラムが生成して、ユーザによる閲覧及び相互作用を可能にする多数のスクリーン表示のうちの一つを示している。表示は2つの部分から成り、第1部分は、医療臨床機器の識別情報を提供するテキスト情報と共にサーバに登録されている医療臨床機器を表わす標準アイコン405,410,415,及び420を含む左側スクリーン部分400である。識別情報は、例えば機器の位置、患者名、ポンプ名、警告または他の情報を含むことができる。
【0065】
表示の第2部分は右側スクリーン部分425である。部分425は、選択によって表示される実際の物理的な医療機器を表わす拡大図を表示する部分430を含む。テキスト表示部分435は部分430の下に位置し、かつ医療機器の状態及び構成、及び関連プログラミングパラメータに関連するテキスト情報を含む。例えば、機器405は、タッチスクリーン、マウス、または他の選択デバイスのような適切な選択手段を使用して選択されている。部分430は、選択された機器、本例では臨床機器モジュール「A」、「B」、「C」、及び「D」を含む患者ケアユニット440の拡大図を表示する。臨床機器モジュール「A」、「B」、「C」、及び「D」は、例えば注入ポンプ、生体信号モニター、バーコードリーダ、または他の機器とすることができる。しかしながら、表示の例では、モジュールは患者ケアユニット440には取り付けられていない。このような場合においては、モジュール「A」、「B」、「C」、及び「D」の図式表示を淡色表示して、これらのモジュールが取り付けられていないことを示すことができる。「取り付けられていない(notattached)」という表現は、これらの機器のいずれもが物理的に患者ケアユニット440に取り付けられていないか、または機器全体が電源オフになっているか、またはオフラインになっている、或いは一つ以上の個々のモジュールが電源オフになっているので、ネットワークに「取り付けられている(attached)」とは見なされないことを意味する。モジュール「A」、「B」、「C」、及び「D」の状態は部分435にも示される。
【0066】
ネットワークアプリケーションプログラムが使用する選択インジケータも示すが、このインジケータはこの場合においては、標準アイコンを左側スクリーンで、角が丸い正方形によって取り囲む。一旦、ユーザがスクリーンの左側部分400の複数の標準医療機器アイコンのうちの一つを選択すると、選択インジケータが当該選択アイコンの周りに現われる。選択の結果、大きい方の選択インジケータボックスが右側に現われて選択された医療機器の状態を示す。2つのボックスは指示線445によって相互接続され、この指示線はこれらのボックスの隣接辺のほぼ中心の間を延びる2つの平行直線を含む。
【0067】
図6は、ネットワーク監視アプリケーションプログラムが生成する別のスクリーン表示を示している。この表示は、ユーザが、ここでは「MedleySystem 3」として示される医療機器のスクリーンの左側部分400に位置する標準医療機器アイコン405を選択した様子を示している。
【0068】
大きい方の選択インジケータボックスは、アイコン405を使用して選択される実際の医療機器のスクリーン部分430における詳細図を示す。本例では、図示の機器は、2つのモジュールが取り付けられたMedleyポイント・オブ・ケア・ユニットであり、一方のモジュールはシリンジポンプモジュールAであり、他方は大容量ポンプ(LVP)モジュール「B」である。ここで、これらのモジュールの並び方、すなわちユニット440に対するモジュール「A」、「B」、「C」、及び「D」の位置は固定されないことに留意されたい。別の表現をすると、これらのモジュールは機器のユーザが必要に応じて配置し、そしてラベルを付けることができ、更にユニット440に適切な入力を行なうことによりユニット440に適切に登録することができる。
【0069】
テキストボックス450はMedleySystem 3(ユニット440)の特徴または構成を示す。本例では、ユニット440は施設の出産分娩ユニットに使用することができるように構成される。これは、適切な患者ケアを提供するためのガイドラインであって、投与限界値などのような特定ガイドラインから成る薬物ライブラリまたはライブラリ群を含むこともでき、かつ出産分娩ユニットにおける使用に適する種々の動作パラメータが医療機器に読み込まれていることを意味する。
【0070】
選択機器の図式表示を含む部分430の直下には、選択インジケータボックス内部に示される機器の特徴を示すテキストを含む部分435が配置される。選択インジケータボックス外部には更に、機器及び/又はモジュールの状態に関する特定のテキスト情報が配置される。この場合においては、2つのモジュール「A」及び「B」が設けられ、更には各モジュールに関する特定の情報が与えられる。この場合においては、両方のモジュールが「注入を行なわない」として表示される。同様に、モジュール「C」及び「D」は「モジュールが取り付けられていない」として表示される。
【0071】
図7は、スクリーンの左側部分400の標準アイコンから選択される「MedleySystem 4」を示す表示スクリーンを図式的に示している。スクリーンの部分430における図式的表示が示すように、この機器は4つのモジュール、モジュール「A」、「B」、「C」、及び「D」を有し、モジュール「A」及び「B」はMedleyポンプ・オブ・ケア・ユニット440の左側に位置するLVP(大容量ポンプ)であり、モジュール「C」はユニット440の直ぐ右側に位置するシリンジポンプであり、モジュール「D」は、ユニット440の右側に離れて位置するパルス・オキシメータ・モジュールである。ボックス450内のテキストは「MedleySystem 4」が施設の「内科/外科」病棟において使用されるように構成されることを示す。
【0072】
表示の部分435は更に、各モジュールまたは「チャネル」に関する情報を含む。この技術分野の当業者には容易に理解できることであるが、「モジュール」及び「チャネル」という用語は、これらの用語が本明細書において使用されるように、これらの用語の意味または機能を変えず、同じ意味とすることができる。スクリーンの部分435に示すように、チャネル(モジュール)「A」に関して表示される情報はアイコン500を含み、このアイコンはチャネル「A」のLVP(大容量ポンプ)によって注入される溶液の薬剤容器またはバッグを表わす。モニタリングプログラムのソフトウェアはまた、アイコンに示される液体のレベルが容器に残留する薬剤のレベルを表わすようにアイコン500を表示するプログラムを含むことができる。アイコン500の右側にはテキストが配置され、注入される薬剤のタイプ、この場合は基本注入パラメータ及び投与パラメータである「8ml/時間」を示す。テキストは更に、投与される薬剤の割合(「50%の注入完了」)及び残量(「25.0mlが残留」)を明示する。他の情報は必要に応じて表示することができる。
【0073】
次にモジュール「B」に関しては、同じタイプの情報が提示される。このチャネルでは、薬剤ドーパミンが注入されているものとして表示テキストによって示される。しかしながら、このチャネルでは、テキスト「限界値を超えている(abovelimit)」が添付されたアイコンに注意を引きつけるように設計される文字「G」のアイコンが表示される。この「G」アイコンは、ユニットがポンプにプログラムされたポンプに関するパラメータの値をモニタリングするプログラムによって構成されていることを示し、このプログラムが視覚警告、聴覚警告、または視覚警告及び聴覚警告の両方とすることができる警告を出して、機器の動作をプログラムするために機器に入力した一つ以上のパラメータが、施設が設定する所定の範囲から外れていることを通知する。「G」アイコンの印象を、太字、明滅、またはカラーのような種々の属性を使用して強くして、介護者の注意をアイコンに惹き付けるアイコン機能を強化することもできる。
【0074】
この機能を備えるこのような一つのプログラムは、カリフォルニア州サンディエゴ(SanDiego)市に本拠を置くアラリス・メディカル・システムズ・インコーポレイテッド(ALARISMedicalSystems,Inc.)が供給するGUARDRAILS(登録商標)プログラムとして知られる。特に、GUARDRAILSプログラムは、ポンプ、ポイント・オブ・ケア・ユニット、サーバ、または特定薬剤または治療、この場合はドーパミンに関連するデータセット(群)を有する他の場所に配置される薬物ライブラリを参照する。図7に示すこの例では、テキスト「abovelimit」が後に続く「G」アイコンは、GUARDRAILSプログラムによって、ポンプに関するパラメータがドーパミンの許容範囲を外れている、すなわち「限界値を超えている(abovelimit)」ことが検出されたことを警告する。
【0075】
図7に更に示すのはシリンジ・アイコン(syringeicon)505であり、このアイコンは、モジュール「C」のシリンジポンプに装着された薬液容器を表わす。同様に、肺アイコン(lungicon)510は、チャネル「D」の機器がパルス・オキシメータ・モジュールであることを示すために表示される。他のアイコンまたは方法、或いは識別情報を使用することができる。ここに示すこれらの図は単なる例示である。
【0076】
次に、図8を参照すると、「MedleySystem 5」のラベルが付されたアイコンを取り囲むボックスは、当該システムが選択されていることを示している。ボックス450の中身は、本システムの特徴が「NICU」、すなわち新生児集中治療室(neo−natalintensivecare unit)として使用されるように構成されることを示している。スクリーンの部分400において選択されるアイコンは、感嘆符が付された円の形を採る警告インジケータを含み、このインジケータは、選択されたシステムに関連し、かつ介護者による注意が必要な状態が生じていることを通知する。感嘆符が付された円を本例において使用するが、他の警告インジケータを使用することができる。更に、異なる警告インジケータを使用して、選択されたシステムに関連する、異なるタイプの状態を示すことができる。この警告インジケータは、このインジケータによって介護者またはシステムの他のユーザが一見するだけで、ネットワーク管理プログラムと通信しているどのシステムに注意を向ける必要があるのかについて理解することができるという点で有利である。
【0077】
表示の部分430及び435に提示される情報は他の図に提示される情報と同様である。しかしながら、この場合は、警告インジケータを表示の部分400のアイコンに関連付ける理由が分かる。本例では、チャネル「C」は、「アラーム、すなわち患者側の閉塞を検出するアラーム」が検出されることによりアラームを発している。この様子は、長方形が表示の部分435のテキストに重なることによって示される。この長方形は、注意をアラームに引き付けるように構成される他の属性を含むことができる。例えば、重なり長方形を明滅させることができるか、または長方形に陰影を付けるか、または赤のような色を付けて介護者の注意を警告に惹き付ける長方形の機能を高めることができる。長方形のエッジに陰影を付けてチャネルの状態及びチャネルのポンプに関するパラメータについての下のテキストの大部分を読み取ることができるようにすることもできる。勿論、長方形の他に他の形状を使用して特定の警告を通知することができるか、または特定の形状またはカラー、或いは他の属性を使用して特定の警告タイプまたは警告の深刻度を本発明の技術範囲から逸脱しない範囲において表示することができる。
【0078】
図8の部分435を再度参照すると、チャネル「D」に関連するテキストは「G」アイコンも有することが示され、このアイコンは、GUARDRAILSプログラムがドーパミン剤に関連するパラメータをモニタリングしていることを示す。しかしながら、この場合においては、「G」アイコンの後に続くテキストはポンプに関するパラメータが「限界値内」に収まることを示している。ここで、図7では、同じ薬剤が、ポンプに関する同じパラメータで注入されていたが、GUARDRAILSプログラムは、注入パラメータのうちの少なくとも一つのパラメータが「限界値外」であったことを示していたことに注目されたい。図7及び8のチャネルを比較することによって、ドーパミンの投与に関連する投与パラメータが同じであることが分かるが、図8において投与が限界値内であることを「G」が示すのは、NICUにおいて使用されるシステムが、「内科/外科」室において使用されるように構成される図7のシステムの特徴とは異なるように構成されるからである。従って、所定の薬剤に関する、異なる限界値をGUARDRAILSプログラムによって適用することができ、いずれの限界値を適用するかはシステムの構成によって変わる。
【0079】
次に図9を参照すると、異なるアラームが示される。この場合においては、「ドア・オープン・アラーム(dooropen alarm)」がチャネル「A」に接続されるポンプに関して表示されている。スクリーンの部分430に示されるチャネル「A」に接続されるポンプの拡大図は、チャネル「A」に接続されるポンプのドアが開いていることも示している。他のグラフィカル・デバイスを表示に使用してシステムの種々の構成要素の状態の視覚表示を可能にし、これによって介護者はシステムが正しく動作していることを確認し易くなる。
【0080】
本発明の幾つかの形態について示し、そして記載してきたが、種々の変更を本発明の技術思想及び技術範囲から逸脱しない範囲において加え得ることも明らかであろう。従って、本発明は添付の特許請求範囲に規定されるものを除き、制限されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の医療機器を監視するシステムであって、
複数の医療機器の通信先であるサーバと、
前記サーバ上で動作するプログラムであって、各医療機器の状態を取得し、プログラムのユーザによる前記状態の利用を可能にするように構成された前記プログラムとを備え、前記プログラムは、識別された全ての医療機器のリストをサーバに提供し、前記プログラムは識別された医療機器の選択に応答し、前記プログラムは、選択された医療機器に関する状態及び他の情報を図形式及びテキスト形式で提供する、システム。
【請求項2】
医療監視システムであって、
少なくとも一つの医療機器と、
前記医療機器と通信するサーバと、
前記サーバと通信する表示スクリーンと、
前記サーバと通信するプロセッサの上で動作して前記プロセッサを制御して、前記少なくとも一つの医療機器によって送信され、かつ前記少なくとも一つの医療機器の状態を表わす情報を監視させるプログラムとを備え、前記プログラムは更に、前記プロセッサを制御して図形表示を生成させて情報をユーザに送信する、医療監視システム。
【請求項3】
前記図形表示は複数の部分を含み、少なくとも一つの部分が前記医療機器を表わすアイコンを含む、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記図形表示は、前記医療機器の状態に関するテキスト記述を表示する少なくとも一つの部分を含む、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記図形表示は、全てのチャネルの前記医療機器の状態を表示する少なくとも一つの部分を含む、請求項2記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、警告標識を生成し、前記標識を前記医療機器を表わす前記アイコンに関連付けするように制御される、請求項3記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記少なくとも一つの医療機器の状態に関するパラメータの値をルール・データベースと比較して、前記パラメータの値が前記ルール・データベースのルールによって規定される値の範囲に収まるかどうかについて判断し、前記パラメータの値が前記値の範囲に収まらない場合に、警告標識を生成する、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記アイコンは液体源の液面の高さを表わす、請求項3記載のシステム。
【請求項9】
医療機器監視システムであって、
医療機器であって、情報を医療機器に送信し、情報を医療機器から受信する無線通信手段を含む前記医療機器と、
中央コンピュータであって、情報を中央コンピュータに送信し、情報を中央コンピュータから受信する無線通信手段を含む前記中央コンピュータとを備え、前記中央コンピュータは、該中央コンピュータ上で動作するプログラムを含み、該プログラムは、前記医療機器に該医療機器の状態に関する問い合わせを行なうことを含んで医療機器と通信し、前記医療機器の状態を表わす情報を前記医療機器から受信し、ユーザに対する受信情報の視覚表示を作成する、医療機器監視システム。
【請求項10】
前記中央コンピュータは、前記医療機器が配置される施設の中を移動可能な移動サーバである、請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記視覚表示は、前記医療機器を表わす情報をユーザに提供する複数の部分を含む、請求項9記載のシステム。
【請求項12】
前記中央コンピュータは更に、前記ルール・データベースに保存されるルールにアクセスする手段を含み、前記ルールは前記医療機器の複数の動作パラメータに関する値の複数の範囲を含む、請求項9記載のシステム。
【請求項13】
前記中央コンピュータ上で動作するプログラムは、前記医療機器から受信する情報の値をルール・データベースに保存されるルールと比較し、受信情報に関して選択される動作パラメータの値が選択ルールに含まれる値の範囲に収まらない場合に警告図形を生成する、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記視覚表示は複数の部分を含み、少なくとも一つの部分が前記医療機器を表わすアイコンを含む、請求項11記載のシステム。
【請求項15】
前記中央コンピュータは更に、ルール・データベースに保存されるルールにアクセスする手段を含み、前記ルールは前記医療機器の動作パラメータの値の複数の範囲を含み、前記中央コンピュータ上で動作するプログラムは、前記医療機器から受信する情報の値を前記ルール・データベースに保存されるルールと比較して警告図形を生成し、更に、受信情報に関して選択される動作パラメータの値が選択ルールに含まれる値の範囲に収まらない場合、前記警告図形を前記医療機器を表わすアイコンに関連付ける、請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の部分のうちの少なくとも一つの他の部分は、前記医療機器の状態に関するテキスト記述を提供する、請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記アイコンを含む少なくとも一つの部分は、前記医療機器の状態に関するテキスト記述を含む、請求項14記載のシステム。
【請求項18】
施設内で動作する医療機器の状態に関する情報を表示する方法であって、
前記医療機器とサーバとの間の通信を確立すること、
前記医療機器の状態を表わす情報を受信すること、
前記サーバと通信する各医療機器を表わすアイコンを視覚表示の一つの部分に表示すること、
選択された医療機器を表わすアイコンを選択すること、
前記選択された医療機器を表わす拡大図形を前記視覚表示の別の部分に表示すること、
前記医療機器の状態を表わす選択情報を前記視覚表示の別の部分に表示することを備える方法。
【請求項19】
前記医療機器の状態を表わす選択情報を表示することは、少なくとも一つのアイコンを表示すること、前記選択情報に関するテキスト記述を表示することを含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記医療機器から受信する情報が、アラームを発する必要がある状態を示す情報を含むかどうかについて判断すること、
前記アラームを表わすアイコンを前記視覚表示の少なくとも一つの部分に表示することを更に備える、請求項18記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−50846(P2012−50846A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235265(P2011−235265)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【分割の表示】特願2006−542884(P2006−542884)の分割
【原出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(505403186)ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド (69)
【Fターム(参考)】