説明

複数の印刷ヘッドユニットを装着可能な印刷装置

【課題】 印刷装置において実際に使用する印刷ヘッドに関する融通性を高める。
【解決手段】 複数のノズルからインクを吐出する印刷ヘッドと、ヘッド側双方向インタフェースと、印刷ヘッドとヘッド側双方向インタフェースとに接続されたヘッド側制御部とを有する印刷ヘッドユニットを着脱可能に装着するための複数のヘッドユニット装着部を有するキャリッジと、印刷装置の本体内に設けられ、ヘッドユニット装着部に装着された印刷ヘッドユニットとの間で双方向通信を行うことが可能な本体側双方向インタフェースと、本体側双方向インタフェースに接続された本体側制御部とを有する本体側回路と、を備えた印刷装置を用いる。そして、本体側制御部は、キャリッジに装着されている1つ以上の印刷ヘッドユニットと個々に双方向通信を行いつつ印刷を実行する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の印刷ヘッドユニットを装着可能な印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの出力装置として、数色のインクを印刷ヘッドから吐出するタイプのカラープリンタが普及している。最近では、複数の印刷ヘッドを用いて高速に印刷する印刷装置も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来は、印刷ヘッドは印刷装置の決まった場所に決まった個数だけ固定されており、必要に応じて実際に使用する印刷ヘッドの個数や場所を選択できるような融通性を持つ印刷装置は存在しなかった。
【0004】本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、印刷装置において実際に使用する印刷ヘッドに関する融通性を高めることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、複数のノズルからインクを吐出する印刷ヘッドと、ヘッド側双方向インタフェースと、印刷ヘッドとヘッド側双方向インタフェースとに接続されたヘッド側制御部とを有する印刷ヘッドユニットを着脱可能に装着するための複数のヘッドユニット装着部を有するキャリッジと、印刷装置の本体内に設けられ、ヘッドユニット装着部に装着された印刷ヘッドユニットとの間で双方向通信を行うことが可能な本体側双方向インタフェースと、本体側双方向インタフェースに接続された本体側制御部とを有する本体側回路と、を備えた印刷装置を用いる。そして、本体側制御部は、キャリッジに装着されている1つ以上の印刷ヘッドユニットと双方向通信を行いつつ印刷を実行する。
【0006】こうすれば、印刷装置において実際に使用する印刷ヘッドに関する融通性を高めることができる。即ち、複数のヘッドユニット装着部のうちの全ての箇所に印刷ヘッドユニットが装着されていなくても、実際に装着されている印刷ヘッドユニットと印刷装置の本体とが双方向通信を行いつつ印刷を実行することができる。
【0007】なお、複数のヘッドユニット装着部のうちの任意の場所に任意の数の印刷ヘッドユニットを装着可能な構成にしてもよい。こうすれば、必要な数の印刷ヘッドユニットを好ましい場所に配置することが可能である。
【0008】あるいは、複数のヘッドユニット装着部に、所定の順序に従って任意の数の印刷ヘッドユニットを装着可能な構成にしてもよい。
【0009】上記印刷装置において、各印刷ヘッドユニットは、それぞれ副走査方向に沿って配列された複数のノズル列を有しているとともに、前記複数のノズル列を用いて複数の異なるインクを吐出可能としてもよい。
【0010】こうすれば、実際に装着されている印刷ヘッドユニットと印刷装置の本体とが双方向通信を行いつつカラー印刷を実行することができる。
【0011】複数のヘッドユニット装着部は、装着された複数の印刷ヘッドユニットに関して、同色インクを吐出可能なノズル列の主走査方向のノズル位置が互いに重ならないように配列されていることが好ましい。
【0012】こうすれば、副走査方向に沿って実効的なノズル数を増加させることができる。この結果、印刷速度を向上することができる。
【0013】なお、複数のヘッドユニット装着部に、装着された場所を示す装着場所識別情報を持たない印刷ヘッドユニットに対して、装着場所識別情報を与えるための装着場所識別情報部を備えるようにして、本体側制御部とヘッド側制御部は、装着場所識別情報部から取得した装着場所識別情報を用いて双方向通信を行うようにしてもよい。
【0014】こうすれば、印刷ヘッドユニットが装着されたヘッドユニット装着部の場所を自動的に識別して、印刷装置の本体と印刷ヘッドユニットとの間で双方向通信を行うことができる。
【0015】また、各印刷ヘッドユニットに、印刷ヘッドユニットがヘッドユニット装着部に装着される場所を手動で設定するための装着場所識別情報設定部を備えるようにして、本体側制御部とヘッド側制御部は、設定された装着場所識別情報を用いて双方向通信を行うようにしてもよい。
【0016】こうすれば、印刷装置の組み立て作業者やユーザが印刷ヘッドユニットをヘッドユニット装着部のどの場所に装着するかを予め手動で設定してから装着して、本体側制御部と印刷ヘッドユニットとの間で双方向通信を行うようにすることができる。
【0017】なお、上記印刷装置において、各印刷ヘッドユニットに、印刷ヘッドユニットに関する情報を記憶しておくためのメモリを備えるようにし、本体側制御部は、印刷ヘッドユニットのメモリから取得した印刷ヘッドユニットに関する情報の中から、印刷データの生成に影響する特定の情報を、印刷データを生成する印刷制御装置に供給する機能を有するようにしてもよい。
【0018】印刷ヘッドユニットに関する情報には、例えば印刷ヘッドのインク吐出特性や印刷ヘッドのID等が含まれる。従って、このような印刷装置によれば、印刷ヘッドユニットに関する情報を用いて印刷制御装置で印刷データの生成を行い、最適な印刷を実行するようにすることができる。
【0019】各印刷へッドユニットには、更に、複数のノズルからインク滴を吐出させるための複数の駆動素子と、駆動素子を駆動させるための駆動波形を生成する駆動波形生成回路と、駆動素子に駆動波形を選択的に供給することによって駆動素子を駆動させる駆動素子駆動部と、を備えるようにしてもよい。
【0020】こうすれば、印刷ヘッドユニットにおいて駆動波形を生成することができるので、印刷ヘッドの制御性を向上させることができる。
【0021】各印刷ヘッドユニットに、更に、各印刷ヘッドの温度を検出するための温度センサを備えるようにして、ヘッド側制御部は、双方向インタフェースを介して本体側制御部から与えられた温度要求信号に応じて温度センサで検出した温度を本体側制御部に伝送するようにしてもよい。
【0022】こうすれば、印刷装置の本体側制御部において、装着されている印刷ヘッドの温度に基づいて駆動波形を生成するために使用する温度補正された駆動波形データを装着されている印刷ヘッドユニットに供給するようにすることができる。
【0023】また、各印刷ヘッドユニットに、更に、インクカートリッジに関する情報を記憶するメモリを有するインクカートリッジを搭載するためのインクカートリッジ搭載部を備えるようにして、ヘッド側制御部は、双方向インタフェースを介して本体側制御部から与えられたカートリッジ情報要求信号に応じてインクカートリッジに関する情報を本体側制御部に伝送するようにしてもよい。
【0024】こうすれば、印刷装置の本体側制御部において、装着されている印刷ヘッドユニットに搭載されたインクカートリッジに関する各種情報を用いて所望の処理を行うようにすることができる。
【0025】また、各印刷ヘッドユニットに、更に、インクカートリッジのインク残量を検出するインク残量検出部を備えるようにして、ヘッド側制御部は、双方向インタフェースを介して本体側制御部から与えられたインク残量要求信号に応じてインク残量検出部で検出したインク残量を本体側制御部に伝送するようにしてもよい。
【0026】こうすれば、印刷装置の本体側制御部において、インク残量に基づいて所望の処理を行うようにすることができる。
【0027】なお、本発明は、印刷装置および方法、その装置または方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の種々の態様で実現することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき以下の順で説明する。
A.印刷装置の構成:B.第1実施例:C.第2実施例:D.第3実施例:E.変形例:
【0029】A.印刷装置の構成:図1は、インクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図である。このプリンタ20は、用紙スタッカ22と、図示しないステップモータで駆動される紙送りローラ24と、プラテン板26と、キャリッジ30と、ステップモータ23と、ステップモータ23によって駆動される牽引ベルト32と、キャリッジ30のためのガイドレール34とを備えている。キャリッジ30には、多数のノズルを備えた6つの印刷ヘッドユニット60a〜60fが搭載されている。また、6つの印刷ヘッドユニット60a〜60fには、それぞれブラックインクカートリッジと、シアン,ライトシアン,マゼンタ,ライトマゼンタ,イエロの5色のインクを収容したカラーインクカートリッジとを含むインクカートリッジ70a〜70fが搭載されている。
【0030】印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から紙送りローラ24によって巻き取られて、プラテン板26の表面上を副走査方向へ送られる。キャリッジ30は、ステップモータ23により駆動される牽引ベルト32に牽引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に移動する。主走査方向は、副走査方向に垂直である。印刷用紙Pには、プラテン26上で6つの印刷ヘッドユニット60a〜60fにより画像が記録される。
【0031】図2は、キャリッジ30に装着された6つの印刷ヘッドユニット60a〜60fにおけるノズルNzの配列を示す説明図である。各印刷ヘッドユニットにおけるノズルNzは、各色毎にインクを吐出する6組のノズルアレイから構成されている。6組のノズルアレイのノズルNzからは、それぞれブラック(K),シアン(C),ライトシアン(LC),マゼンタ(M),ライトマゼンタ(LM),イエロ(Y)のインクが吐出される。各ノズルアレイには、複数のノズルNzが一定のノズルピッチkで千鳥状に配列されている。この例では、各ノズルアレイの副走査方向の位置が互いに一致するように、複数の印刷ヘッドユニットが副走査方向に沿って配置されている。
【0032】図3は、キャリッジ30の構成を示す概略斜視図である。キャリッジ30は、プラテン26とほぼ平行に面する水平プレート30aと、水平プレート30aにほぼ垂直に設けられた垂直プレート30bとによって構成されている。また、キャリッジ30は、6つの印刷ヘッドユニット60a〜60fを着脱可能に装着するための6つのヘッドユニット装着部300a〜300fを有している。水平プレート30aには、6つの窓301a〜301fが設けられている。これらの窓301a〜301fは、印刷ヘッドユニットが装着されるときに、その底面に設けられた印刷ヘッドを貫通させるためのものである。垂直プレート30bには、6つのキャリッジ側接点101a〜101fが設けられている。これらの接点101a〜101fは、印刷ヘッドユニットが装着されたときに、装着された印刷ヘッドユニットに装着場所識別情報を与える装着場所識別情報部として機能する。
【0033】図4は、印刷ヘッドユニット60を示す説明図である。図4(B)に示したように、印刷ヘッドユニット60は、ほぼ箱型の形状をしている。この印刷ヘッドユニット60にはネジ穴61が設けられており、これを用いてキャリッジ30にネジ止めされる。印刷ヘッドユニット60のキャリッジ30と面する側面には、後述する制御回路等を備えた回路基板65(図4(A))が設けられている。回路基板65には、印刷ヘッドユニット側接点102が設けられている。この印刷ヘッドユニット側接点102は、印刷ヘッドユニット60がキャリッジ30に装着されたときに、キャリッジ側接点101と接する。印刷ヘッドユニット60の内側には、インクカートリッジ70が搭載されたときにインクカートリッジ70を固定するための支持バネ601が設けられている。
【0034】また、印刷ヘッドユニット60は仕切壁63によって2つのインク搭載部に区分されており、各インク搭載部の内側には、接点69が設けられている。この接点69は、インクカートリッジに関する情報を示すデータを記憶したメモリ77を備えたインクカートリッジ70からインクカートリッジ情報を取得するためのものである。メモリ77には、カートリッジのインクタンク内のインク色,インク使用量,およびインク粘度,カートリッジの製造番号,および開封時期等のインクカートリッジに関する種々の情報を示すデータを記憶可能である。なお、このメモリ77としては、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリを用いることができる。
【0035】なお、印刷ヘッド28と回路基板65とインクカートリッジの搭載部とを含む構成全体を「印刷ヘッドユニット60」と呼ぶのは、この印刷ヘッドユニット60が1つの部品としてプリンタ20に着脱されるからである。即ち、印刷ヘッド28を交換しようとする際には、印刷ヘッドユニット60を交換することになる。
【0036】図5は、キャリッジ側接点101と印刷ヘッドユニット側接点102との関係を示す説明図である。印刷ヘッドユニット側接点102には、GND電極および電極1〜6の7つの電極が設けられている。図5(a)に示した印刷ヘッドユニット側接点102の黒塗りした電極は、それぞれ図5(b)に示したキャリッジ側接点101と接触したときに短絡する電極を示している。図5(b)に示したように、キャリッジ側接点101a〜101fには、それぞれキャリッジ30に印刷ヘッドユニット60が装着されているときに、GND電極と電極1〜6が短絡するように導電部が設けられている。また、それらは、キャリッジ30上に順番に設けられている。なお、破線で表した四角は、印刷ヘッドユニット側接点102の電極が接触する箇所を示している。
【0037】印刷ヘッドユニット60は、キャリッジ30に装着されているときに、キャリッジ側接点101と接触してGND電極と電極1〜6のいずれかを短絡させることにより、キャリッジ30上のいずれの場所に装着されているかを識別することができる。即ち、例えば、印刷ヘッドユニット60をキャリッジ30上の接点101cを有する3番目のヘッド装着部に装着したときには、GND電極と電極3が短絡して、印刷ヘッドユニット60は、キャリッジ30上の3番目の場所に装着された印刷ヘッドユニットであることを識別することができる。
【0038】上述した印刷ヘッドユニット側接点102とキャリッジ側接点101との関係は、図6のような変形例によっても実現可能である。図6の例では、印刷ヘッドユニット側接点102’には、GND電極および電極1,2,4,8の5つの電極が設けられており、いわゆるバイナリ方式を適用している。従って、例えば、図6R>6(a)の接点102’を有する印刷ヘッドユニット60’が、接点101e’を有する5番目のヘッド装着部に装着されると、キャリッジ側接点101’によってGND電極と電極1および電極4が短絡されて、キャリッジ30上の5番目の場所に装着されていることを識別する。
【0039】B.第1実施例:図7は、本発明の第1実施例としてのインクジェットプリンタ20の回路構成を示すブロック図である。インクジェットプリンタ20の回路は、プリンタ本体44の回路と、印刷ヘッドユニット60a〜60f内の回路とに分けられている。プリンタ本体44は、主制御回路40と、双方向インタフェース42とを備えている。印刷ヘッドユニット60a〜60fは、それぞれ双方向インタフェース62と、制御回路64と、駆動波形生成回路46と、ピエゾ素子駆動ドライバ用のIC50と、複数のピエゾ素子55と、温度センサ66と、インクカートリッジのインク残量を検出するインク残量検出部68と、装着場所識別情報を取得するための接点69と、を備えている。また、印刷ヘッドユニット60a〜60fは、双方向通信用の信号線43に並列に接続されている。
【0040】印刷ヘッドユニット60a〜60fには、それぞれインクカートリッジ70が搭載される。インクカートリッジ70は、インクカートリッジ70に関するデータを記憶したメモリ77を備えている。このメモリ77には、前述したように、カートリッジの各インクタンク内のインク色,インク使用量,およびインク粘度、カートリッジの製造番号,および開封時期等のインクカートリッジに関する各種の情報を示すデータを記憶可能である。
【0041】印刷ヘッドユニット60a〜60fの制御回路64は、それぞれ図示しないRAM,ROM,発振回路などを備えており、駆動波形生成回路46や、ピエゾ素子駆動ドライバ用のIC50に必要な各種信号を生成する。ROMには、印刷へドユニットのIDや、印刷ヘッド28の各ノズルから吐出されるインクの吐出量や吐出速度等の吐出特性データを含むデータ(以下、印刷ヘッドのID等という)が記憶されている。なお、制御回路64の機能の一部をプリンタ本体44の主制御回路40で行うようにしてもよい。あるいは、プリンタ本体44の主制御回路40の機能の一部を制御回路64で行うようにしてもよい。
【0042】温度センサ66は、印刷ヘッド28(図4参照)の内部、あるいは、その近傍に設けられており、印刷ヘッド28の温度を測定するためのものである。印刷ヘッド28の温度は、種々の目的のために利用可能である。例えば、印刷へッド28の温度に応じて、駆動波形COMを補正することによって、インク滴の吐出量を適正に保つことができる。この理由は、インクの粘度は温度によって異なるからである。即ち、インクの温度が高いときにはその粘度は低く、一方、インクの温度が低いときにはその粘度は高い。従って、印刷ヘッド28から吐出されるインク滴の吐出量を適正に保つためには、温度に応じて駆動波形COMを補正することが有効である。
【0043】インク残量検出部68は、印刷ヘッドユニット60に搭載されたインクカートリッジ70のインク残量を物理的に検出する。この手段としては、電気的に検出する手段や、光学的に検出する手段などの種々の公知技術を用いることが可能である。例えば、インクカートリッジ70のインクタンク内に電極を設けておき、インクの抵抗を測定することによってインク残量を検出する方法や、インクタンク内のインク吸収体の光反射率を測定することによってインク残量を検出する方法を利用することが可能である。
【0044】印刷装置本体44と印刷ヘッドユニット60a〜60fに設けられた双方向インタフェース42,62は、プリンタ本体44の主制御回路40と印刷ヘッドユニット60a〜60fとの間での双方向通信を行うためのインタフェースである。プリンタ本体44から印刷ヘッドユニット60a〜60fへは、それぞれの印刷ヘッドユニットに対応した印刷データや、駆動波形データや、データリクエスト信号などが送られる。データリクエスト信号は、印刷ヘッドユニット60のID等や、各温度センサ66が検出した温度データや、インク残量検出部68が検出したインク残量データや、インクカートリッジ70に備えたメモリ77に記憶したデータを要求する信号である。一方、印刷ヘッドユニット60a〜60fからプリンタ本体44へは、制御回路64内のROMに記憶された印刷ヘッドユニットのID等や、温度センサ66が検出した温度データや、インク残量検出部68が検出したインク残量データや、メモリ77に記憶されたデータや、駆動波形データが送られる。なお、駆動波形データが印刷ヘッドユニット60a〜60fからプリンタ本体44に送られるのは、実際にに駆動波形生成回路46に送られた駆動波形データが正しいか否か、即ち、正しい駆動波形COMが生成されたか否かをチェックするためである。
【0045】プリンタ本体44に電源が投入されると、主制御回路40は、装着されている印刷ヘッドユニット60やインクカートリッジ70を認識し、これらが以前のものと交換されていないかをチェックする。これらのチェックは、主制御回路40内の図示しないROMに記憶されているデータと、電源投入後に制御回路64内のROMやインクカートリッジ70のメモリ77から新たに読み出したデータとを比較することによって行う。両者が異なっていれば交換されたことになる。もし印刷ヘッドユニット60やインクカートリッジ70が以前のものと交換されていれば、ノズルの目づまりのチェックやクリーニングやインクの空吐出等のメインテナンス動作を行う。
【0046】また、制御回路64は、印刷制御装置としてのホストコンピュータ(図示せず)内のプリンタドライバが印刷データを生成する際に影響を与えるデータを、ホストコンピュータに供給する。このようなデータには、制御回路64内のROMから読み出したデータのうちの印刷ヘッド28のインク吐出特性を表すデータや、インクカートリッジ70のメモリ77から読み出したデータなどが含まれる。プリンタドライバは、これらのデータを考慮した印刷データの生成を行う。なお、印刷データを生成する印刷制御装置の機能は、主制御回路40によって実現することも可能である。
【0047】プリンタ本体44の主制御回路40が印刷ヘッド28の温度を必要とするときには、温度データを要求するデータリクエスト信号を双方向インタフェース42,62を介して印刷ヘッド60a〜60fの各制御回路64に送る。各制御回路64は、主制御回路40から与えられた温度データを要求するデータリクエスト信号に応じて、温度センサ66が検出した印刷ヘッド28の温度を取得し、双方向インタフェース42,62を介して主制御回路40に温度データを送る。主制御回路40は、検出された温度データに基づいて温度補正された駆動波形データをそれぞれの駆動波形生成回路46に送る。なお、駆動波形COMを生成するために使用する温度補正された駆動波形データは、予め図示しないROMに記憶しておくことができる。あるいは、基準となる駆動波形データを検出した温度に応じて補正するようにしてもよい。また、主制御回路40は、温度センサ66が異常温度を検出した場合には、印刷を中止して警告を発する処理を行うこともできる。このとき、どの印刷ヘッドユニットに異常が発生しているかを警告することもできる。
【0048】主制御回路40が、インク残量データを要求するデータリクエスト信号を発信すると、各制御回路64は、このデータリクエスト信号に応じて、インクカートリッジ70のインク残量を返信する。そして、主制御回路40は、検出されたインク残量に基づいて所望の処理を行う。例えば、インクがなくなったときや、なくなりそうなときに、どのインクカートリッジのインク残量が少ないかを警告して、ユーザにインクカートリッジの交換を促すメッセージを出す処理を行うことができる。
【0049】また、主制御回路40が、インクカートリッジに関する情報を要求するデータリクエスト信号を発信すると、各制御回路64は、このデータリクエスト信号に応じて、各インクカートリッジ70に設けられたメモリ77から上述した各種データを取得して返信する。そして、主制御回路40は、このデータに応じて、例えば、インクの濃度に応じてプリンタドライバの色変換処理を変更する処理をしたり、インク粘度に応じて駆動波形データを変更したりする処理を実行する。また、インク使用量データの書き換え等を行うことができる。
【0050】前述したように、キャリッジ30に装着されている印刷ヘッドユニット60a〜60fは、キャリッジ30の接点101a〜101fと接触することによって、装着されているキャリッジ30上の場所を個々に識別している。従って、上述した双方向通信は、装着場所識別情報を用いて行われる。
【0051】図8は、印刷ヘッドユニットの実装方法を示す説明図である。図8(a)の例では、4つの印刷ヘッドユニット60a〜60dがキャリッジ30の第1ないし第4のヘッドユニット装着部300a〜300dに連続的に並べて装着されており、他の2つのヘッドユニット装着部300e,300fには印刷ヘッドユニットは装着されていない。図8(b)の例では、4つの印刷ヘッドユニット60a〜60dがキャリッジ30の第2および第4ないし第6のヘッドユニット装着部300b,300d〜300fに装着されており、他の2つのヘッドユニット装着部300a,300cには印刷ヘッドユニットは装着されていない。これらの例から理解できるように、第1実施例では、複数のへッドユニット装着部300a〜300fのうちの任意の場所に印刷ヘッドユニットを装着可能である。また、装着する印刷ヘッドユニットの数は1つ以上の任意の数とすることができる。このようにしても、それぞれの印刷ヘッドユニット60a〜60dは、それぞれの装着場所識別情報を用いてプリンタ本体40と個々に双方向通信が可能である。
【0052】図9は、駆動波形生成回路46の内部構成を示すブロック図である。駆動波形生成回路46は、制御部回路64から与えられる駆動波形データを記憶するメモリ80と、メモリ80から読み出された駆動波形データを一時的に保持する第1ラッチ81と、第1ラッチ81の出力と後述する第2ラッチ83の出力とを加算する加算器82と、第2ラッチ83と、第2ラッチ83の出力をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換器85と、を備えている。また変換されたアナログ信号をピエゾ素子が動作する電圧まで増幅する電圧増幅部86と、増幅された電圧信号に対応した電流供給を行うための電流増幅部87も備えている。加算器82と第2ラッチ83とは、駆動波形データを累算する累算部84を構成する。駆動波形生成回路46には、制御回路64から種々の信号が供給される。即ち、メモリ80には、第1のクロック信号CLK1と、駆動波形データを表すデータ信号と、アドレス信号A0〜A4と、イネーブル信号と、が供給されている。また、第1ラッチ81には、第2のクロック信号CLK2と、リセット信号RESETとが供給されている。第2ラッチ83には、第3のクロック信号CLK3と、リセット信号RESETとが供給されている。第1と第2のラッチ81,83に供給されるリセット信号RESETは、同じものである。
【0053】図10は、メモリ80内に駆動波形データを書きこむタイミングを示すタイミングチャートである。駆動波形COMの生成に先立って、駆動波形データを示すデータ信号と、そのデータ信号のアドレスとが、第1のクロック信号CLK1に同期して、制御回路64からメモリ80に供給される。データ信号は1ビットであるが、図10に示したように、第1のクロック信号CLK1を同期信号とするシリアル転送によって、駆動波形データが1ビットずつ転送される。即ち、制御回路64からメモリ80へ駆動波形データを転送する場合には、まず、第1のクロック信号CLK1に同期してデータ信号を複数ビット分供給する。その後、このデータを格納するための書きこみアドレスを表すアドレス信号A0〜A4と、イネーブル信号とを供給する。メモリ80は、このイネーブル信号が供給されたタイミングでアドレス信号を読み取り、受け取った駆動波形データをそのアドレスに書きこむ。アドレス信号A0〜A4は5ビットなので、最大32種類の駆動波形データをメモリ80に記憶しておくことができる。
【0054】図11は、駆動波形生成回路46において駆動波形を生成していく過程を示す説明図である。メモリ80内への駆動波形データの書き込みが終了した後、読出しアドレスBがアドレス信号A0〜A4として出力されると、メモリ80から最初の駆動波形データΔV1が出力される。その後、第2のクロック信号CLK2のパルスが発生すると、この駆動波形データΔV1が第1ラッチ81に保持される。この状態で、次に第3のクロック信号CLK3のパルスが発生すると、第2ラッチ83の18ビットの出力と、第1ラッチ81の16ビットの出力とが加算器82により加算され、その加算結果が第2ラッチ83に保持される。即ち、図11に示したように、一旦、アドレス信号に対応した駆動波形データが選択されると、その後、第3のクロック信号CLK3のパルスを受けるたびに、第2ラッチ83の出力には、その駆動波形データの値が累算されていく。なお、第3のクロック信号CLK3のパルスの発生周期は一定である必要はなく、所望の累算タイミングが得られるように変化させてもよい。
【0055】図11に示した例では、アドレスBには、第3のクロック信号CLK3の1周期t当たりの電圧をΔV1だけ上昇させることを示す駆動波形データが格納されている。従って、第2のクロック信号CLK2によりアドレスBが有効になると、ΔV1ずつ電圧が上昇していくことになる。また、アドレスAには、駆動波形データとしてΔV2=0、即ち、電圧を保持することを示す値が格納されている。従って、第2のクロック信号CLK2によりアドレスAが有効になると、駆動信号の波形は、増減のないフラットな状態に保たれる。また、アドレスCには、第3のクロック信号CLK3の1周期t当たりの電圧をΔV3だけ低下させることを示す駆動波形データが格納されている。従って、第2のクロック信号CLK2によりアドレスCが有効になった後は、ΔV3ずつ電圧が低下していくことになる。なお、増加か減少かは、各アドレスに格納されたデータの符号により決定される。
【0056】こうして、加算器82により加算された18ビットの加算結果のうち、上位10ビットの電圧レベルデータD0は、デジタル/アナログ変換器85に入力される。また、18ビットの加算結果全体は、加算器82に再入力される。この結果、第2ラッチ83から出力される電圧レベルデータD0は、図11(a)に示したように段階的に変化する。この電圧レベルデータD0は、デジタル/アナログ変換器85により変換され、図11(b)に示した駆動波形が形成される。
【0057】図12は、ピエゾ素子駆動ドライバ用のIC50の電気的な構成を示すブロック図である。ピエゾ素子駆動ドライバ用のIC50は、ノズルの数に対応した複数のシフトレジスタ51A〜51Nと、複数のラッチ回路52A〜52Nと、複数のレベルシフタ53A〜53Nと、複数のスイッチ回路54A〜54Nと、複数のピエゾ素子55A〜55Nと、を備えている。印刷信号SIは、制御回路64内の発振回路からのクロック信号CLKに同期してシフトレジスタ51A〜51Nに入力される。そして、ラッチ信号LATに同期してラッチ回路52A〜52Nにラッチされる。ラッチされた印刷信号SIは、レベルシフタ53A〜53Nによりスイッチ回路54A〜54Nを駆動できる電圧まで増幅され、スイッチ回路54A〜54Nに供給される。スイッチ回路54A〜54Nの入力側には、駆動波形生成回路46からの駆動信号COMが入力され、出力側にはピエゾ素子55A〜55Nが接続されている。
【0058】スイッチ回路54A〜54Nは、例えば、印刷信号SIが「1」の場合は駆動信号COMをピエゾ素子55A〜55Nに供給して動作させ、「0」の場合は遮断して動作させない。ピエゾ素子は、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、電気−機械エネルギの変換を極めて高速に行う素子である。図示しないが、駆動信号COMがピエゾ素子55A〜55Nに供給されると、それに応じてピエゾ素子55A〜55Nは変形し、インク室の壁も変形する。これによりノズルからのインク滴の吐出を制御する。吐出されたインク滴が印刷媒体に付着することにより印刷が行われる。
【0059】上記実施例によれば、キャリッジ30に装着された1つ以上の印刷ヘッドユニットのそれぞれが双方向インタフェースを介して各種データの通信を行う。このため、印刷装置において、実際に使用する印刷ヘッドに関する融通性を高めることができる。即ち、複数のヘッドユニット装着部のうちの全てに印刷ヘッドユニットが装着されていなくても、実際に装着されている印刷ヘッドユニットと印刷装置の本体側制御部とが双方向通信を行いつつ印刷を実行することができる。
【0060】また、それぞれの印刷ヘッドユニットがキャリッジ30上の装着されたヘッドユニット装着部の場所を自動的に識別して、本体側制御部と印刷ヘッドユニットとの間で個々に双方向通信を行うことができる。なお、上記実施例から理解できるように、印刷ヘッドユニットは、装着場所識別情報を持っていない。即ち、印刷ヘッドユニットは、キャリッジ30上の装着場所が予め定められておらず、任意の場所に装着することができる。従って、装着可能な印刷ヘッドユニットを共通部品化することができる。
【0061】また、印刷ヘッドユニット60とプリンタ本体44との通信のための信号線の数を従来よりも減らすことができる。この結果、信号線の引き廻しが容易になり、プリンタ20の製造やメインテナンスがしやすくなるという効果もある。
【0062】また、印刷ヘッドユニット60に駆動波形生成回路46を設置しているため、信号電圧の振幅の大きな駆動波形信号COMをプリンタ本体44から印刷ヘッドユニット60へ送る必要はない。この結果、信号線のノイズを抑制することもできる。
【0063】また、印刷ヘッドユニット60は、駆動波形生成回路46や、制御回路64や、ピエゾ素子駆動ドライバ用のIC50等を一体的に備えているため、各回路等の特性を合わせやすいという利点もある。
【0064】また、プリンタ本体44と印刷ヘッドユニット60との間で双方向通信を行うデータの規格を統一しておけば、印刷ヘッドユニット60のみのバージョンアップをすることが可能になる。
【0065】C.第2実施例:図13は、本発明の第2実施例としてのインクジェットプリンタ20の回路構成を示すブロック図である。第2実施例の回路構成は、印刷ヘッドユニット60a〜60fの双方向インタフェース62が順次直列に接続されていること以外は第1実施例と同じである。
【0066】図14は、第2実施例における印刷ヘッドユニットの実装方法を示す説明図である。図14(a)の例では、4つの印刷ヘッドユニット60a〜60dがキャリッジ30の第1ないし第4のヘッドユニット装着部300a〜300dに連続的に並べて装着されており、他の2つのヘッドユニット装着部300e,300fには印刷ヘッドユニットは装着されていない。図8(b)の例では、5つの印刷ヘッドユニット60a〜60eがキャリッジ30の第1ないし第5のヘッドユニット装着部300a〜300eに連続的に並べて装着されている。この例から理解できるように、第2実施例では、印刷ヘッドユニットは、複数のヘッドユニット装着部300a〜300fの第1のヘッドユニット装着部300aから順に順次直列に装着可能である。また、装着する印刷ヘッドユニットの数は1つ以上の任意の数とすることができる。但し、第1実施例の実装方法(図8(b)参照)に示したような間隔を開けて装着することはできない。このようにしても、それぞれの印刷ヘッドユニットがキャリッジ30上の装着されたヘッドユニット装着部の場所を自動的に識別して、本体側制御部と印刷ヘッドユニットとの間で個々に双方向通信を行いつつ印刷を実行することができる。
【0067】D.第3実施例:図15は、本発明の第3実施例としてのインクジェットプリンタ20の回路構成を示すブロック図である。第3実施例では、図3に示したキャリッジ30の接点101a〜101fが設けられておらず、その代わりに、各印刷ヘッドユニット60a’〜60f’に、装着場所識別情報を手動で設定するためのスイッチ69’が設けられている。このスイッチ69’としては、ジャンパースイッチやディップスイッチ等を用いることができる。プリンタの組み立て作業者やユーザは、印刷ヘッドユニットをキャリッジ30に装着する際に、その装着場所を示す値にスイッチ69’を設定する。従って、制御回路64は、このスイッチ69’の設定から装着場所を認識することが可能である。また、この装着場所の情報を用いてプリンタ本体44と印刷ヘッドユニット60a’〜60f’との間で双方向通信を行いつつ印刷を実行することができる。
【0068】E.変形例:以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形例も可能である。
【0069】E1.変形例1:上記実施例では、ピエゾ素子を用いたインクジェットプリンタを用いているが、他の方法によりインク滴を吐出するプリンタを用いるものとしても良い。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する気泡(バブル)によりインク滴を吐出するタイプのプリンタである。
【0070】E2.変形例2:上記実施例では、温度補正された駆動波形データの供給をプリンタ本体44内の主制御回路40が行っているが、この代わりに、印刷ヘッドユニット60の制御回路64内にCPUを備えるようにして、制御回路64が行うようにしてもよい。
【0071】E3.変形例3:上記実施例では、6つの印刷ヘッドユニットを装着可能なキャリッジを用いているが、本発明は、一般に、複数の印刷ヘッドユニットを装着可能なキャリッジを用いる印刷装置に適用可能である。
【0072】E4.変形例4:上記実施例では、印刷ヘッドユニットを副走査方向に沿って配列しているが、これに限定されるものではない。従って、主走査方向に沿って配列してもよいし、また、千鳥状に配列してもよい。なお、複数のヘッドユニット装着部は、装着された複数の印刷ヘッドユニットに関して、印刷ヘッドの同色インクを吐出可能なノズル列の主走査方向のノズル位置が互いに重ならないように配列することが好ましい。
【0073】以上で説明した本実施例の印刷装置は、コンピュータによる処理を含んでいることから、この処理を実現するためのプログラムを記録した記録媒体としての実施の態様を採ることもできる。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図である。
【図2】キャリッジ30に装着された6つの印刷ヘッドユニット60a〜60fにおけるノズルの配列を示す説明図である。
【図3】キャリッジ30の構成を示す概略斜視図である。
【図4】印刷ヘッドユニット60を示す説明図である。
【図5】キャリッジ側接点101と印刷ヘッドユニット側接点102との関係を示す説明図である。
【図6】キャリッジ側接点101’と印刷ヘッドユニット側接点102’との関係を示す説明図である。
【図7】本発明の第1実施例としてのインクジェットプリンタ20の回路構成を示すブロック図である。
【図8】印刷ヘッドユニットの実装方法を示す説明図である。
【図9】駆動波形生成回路46の内部構成を示すブロック図である。
【図10】メモリ80内に駆動波形データを書きこむタイミングを示すタイミングチャートである。
【図11】駆動波形生成回路46において駆動波形を生成していく過程を示す説明図である。
【図12】ピエゾ素子駆動ドライバ用のIC50の電気的な構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2実施例としてのインクジェットプリンタ20の回路構成を示すブロック図である。
【図14】第2実施例における印刷ヘッドユニットの実装方法を示す説明図である。
【図15】本発明の第3実施例としてのインクジェットプリンタ20の回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
20…インクジェットプリンタ
22…用紙スタッカ
23…キャリッジモータ
24…紙送りローラ
26…プラテン板
28…印刷ヘッド
30…キャリッジ
31…仕切り板
32…牽引ベルト
34…ガイドレール
40…主制御回路
42…双方向インタフェース
43…信号線
44…プリンタ本体
46…駆動波形生成回路
50…ピエゾ素子駆動ドライバ用のIC
51A〜51N…シフトレジスタ
52A〜52N…ラッチ回路
53A〜53N…レベルシフタ
54A〜54N…スイッチ回路
55,55A〜55N…ピエゾ素子
60,60a〜60f…印刷ヘッドユニット
61…ネジ穴
62…双方向インタフェース
63…仕切壁
64…制御回路
65…回路基板
66…温度センサ
68…インク残量検出部
69…接点
70,70a〜70f…インクカートリッジ
77…メモリ
80…メモリ
81…第1ラッチ
82…加算器
83…第2ラッチ
84…累算部
85…D/A変換器
86…電圧増幅部
87…電流増幅部
101,101a〜101f…キャリッジ側接点
102…印刷ヘッドユニット側接点
300a〜300f…ヘッドユニット装着部
301,301a〜301f…窓
601…支持バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 印刷すべき画像の印刷データに基づいて、印刷媒体上に画像を記録する印刷装置であって、複数のノズルからインクを吐出する印刷ヘッドと、ヘッド側双方向インタフェースと、前記印刷ヘッドと前記ヘッド側双方向インタフェースとに接続されたヘッド側制御部とを有する印刷ヘッドユニットを着脱可能に装着するための複数のヘッドユニット装着部を有するキャリッジと、前記印刷装置の本体内に設けられ、前記ヘッドユニット装着部に装着された印刷ヘッドユニットとの間で双方向通信を行うことが可能な本体側双方向インタフェースと、前記本体側双方向インタフェースに接続された本体側制御部とを有する本体側回路と、を備え、前記本体側制御部は、前記キャリッジに装着されている1つ以上の印刷ヘッドユニットと双方向通信を行いつつ印刷を実行することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、前記複数のヘッドユニット装着部のうちの任意の場所に任意の数の前記印刷ヘッドユニットを装着可能である印刷装置。
【請求項3】 請求項1記載の印刷装置であって、前記複数のヘッドユニット装着部に、所定の順序に従って任意の数の前記印刷ヘッドユニットを装着可能である印刷装置。
【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷装置であって、各印刷ヘッドユニットは、それぞれ副走査方向に沿って配列された複数のノズル列を有しているとともに、前記複数のノズル列を用いて複数の異なるインクを吐出可能である、印刷装置。
【請求項5】 請求項4記載の印刷装置であって、前記複数のヘッドユニット装着部は、装着された複数の印刷ヘッドユニットに関して、同色インクを吐出可能なノズル列の主走査方向のノズル位置が互いに重ならないように配列されている、印刷装置。
【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の印刷装置であって、前記複数のヘッドユニット装着部は、装着された場所を示す装着場所識別情報を持たない印刷ヘッドユニットに対して、前記装着場所識別情報を与えるための装着場所識別情報部を備えており、前記本体側制御部と前記ヘッド側制御部は、前記装着場所識別情報部から取得した前記装着場所識別情報を用いて双方向通信を行う、印刷装置。
【請求項7】 請求項1ないし5のいずれかに記載の印刷装置であって、各印刷ヘッドユニットは、前記印刷ヘッドユニットが前記ヘッドユニット装着部に装着される場所を手動で設定するための装着場所識別情報設定部を備えており、前記本体側制御部と前記ヘッド側制御部は、前記設定された装着場所識別情報を用いて双方向通信を行う、印刷装置。
【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の印刷装置であって、各印刷ヘッドユニットは、前記印刷ヘッドユニットに関する情報を記憶しておくためのメモリを備えており、前記本体側制御部は、前記印刷ヘッドユニットのメモリから取得した前記印刷ヘッドユニットに関する情報の中から、前記印刷データの生成に影響する特定の情報を、前記印刷データを生成する印刷制御装置に供給する機能を有する、印刷装置。
【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の印刷装置であって、各印刷へッドユニットは、更に、前記複数のノズルからインク滴を吐出させるための複数の駆動素子と、前記駆動素子を駆動させるための駆動波形を生成する駆動波形生成回路と、前記駆動素子に前記駆動波形を選択的に供給することによって前記駆動素子を駆動させる駆動素子駆動部と、を備える、印刷装置。
【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の印刷装置であって、各印刷ヘッドユニットは、更に、前記印刷ヘッドの温度を検出するための温度センサを備えており、前記ヘッド側制御部は、前記双方向インタフェースを介して前記本体側制御部から与えられた温度要求信号に応じて前記温度センサで検出した温度を前記本体側制御部に伝送する、印刷装置。
【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載の印刷装置であって、各印刷ヘッドユニットは、更に、インクカートリッジに関する情報を記憶するメモリを有するインクカートリッジを搭載するためのインクカートリッジ搭載部を備えており、前記ヘッド側制御部は、前記双方向インタフェースを介して前記本体側制御部から与えられたカートリッジ情報要求信号に応じて前記インクカートリッジに関する情報を前記本体側制御部に伝送する、印刷装置。
【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載の印刷装置であって、各印刷ヘッドユニットは、更に、インクカートリッジのインク残量を検出するインク残量検出部を備えており、前記ヘッド側制御部は、前記双方向インタフェースを介して前記本体側制御部から与えられたインク残量要求信号に応じて前記インク残量検出部で検出したインク残量を前記本体側制御部に伝送する、印刷装置。
【請求項13】 請求項1ないし12のいずれかに記載の印刷装置を制御するためのコンピュータプログラムをコンピュータに読み取り可能に記録した記録媒体であって、前記1つ以上の印刷へッドユニットと前記本体側制御部との間で双方向通信を行う機能を前記コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図10】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2001−277658(P2001−277658A)
【公開日】平成13年10月9日(2001.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−90306(P2000−90306)
【出願日】平成12年3月29日(2000.3.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】