説明

複数の周波数帯域で通信する方法、装置、およびシステム

【課題】複数の無線通信周波数帯域で通信するデバイス、システム、および方法を提供する。
【解決手段】複数の周波数帯域の(マルチバンド)無線通信デバイスであって、第1の周波数帯域で動作する第1の無線機と、第2の周波数帯域で動作する第2の無線機と、第3の周波数帯域で動作する第3の無線機と、前記第1の無線機、前記第2の無線機、および、前記第3の無線機に動作可能に連結されたステーション管理エンティティ(SME)とを備え、前記SMEは、前記第1の無線機、前記第2の無線機、および、前記第3の無線機のうち少なくとも2つの並列および同時処理を管理するマルチバンド管理モジュールを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は、2011年2月2日提出の「複数の周波数帯域デバイスのための方法、装置、およびシステム:Method, Apparatus and System of multiple Frequency Bands Device」なる名称の米国仮特許出願第61/438,815号明細書の恩恵および優先権を主張しており、この開示全体をここに参照として組み込む。
【0002】
今日では幾多もの無線デバイスがマルチバンドを標榜している。この用語は通常、複数の周波数帯域(2.4GHz、5GHz、セルラー帯域等)における処理をサポートするデバイスのことを示すために利用されている。
【0003】
これらデバイスは、周波数帯域の観点からはマルチバンドであるが、無線実装およびシステムインテグレーションの観点からは、サポートされている周波数帯域にわたる処理は完全に独立している。
【0004】
記載を簡潔且つ明瞭に行うために、図面に示す部材は、必ずしも実際の縮尺に即して描かれない場合がある。例えば一部の部材の大きさは他の部材よりも強調して描くことで、記載を明瞭にしている場合がある。さらに、図面を超えて参照番号が繰り返されている場合には、互いに対応する、または類似した部材同士を表す。図面を以下で簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】一部の実施形態におけるシステムの概略図である。
【図2】一部の実施形態における、複数の無線機に連結されたステーション管理エンティティ(SME)を含むデバイスの概略図である。
【図3】一部の実施形態における、複数の無線通信周波数帯域における通信方法のフローチャートである。
【図4】一部の実施形態における製品の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な記載においては、数多くの詳細を述べて、本発明の完全な理解を促す。しかし、当業者であれば理解するように、本発明は、これら特定の詳細がなくても実施することができる。また、公知の方法、手順、部材、および回路については詳述を避けることで、本発明を不当に曖昧にしないようにしている箇所もある。
【0007】
特にそうではないと明記されていない限り、「処理(processing)」「コンピューティング(computing)」「計算(calculating)」「判断/決定(determining)」、「構築(establishing)」「分析(analyzing)」「チェック(checking)」といった用語を利用する説明は明細書の随所に見られるが、これらは、特にそうではないと明記していない限りにおいて、コンピュータ、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングシステム、またはその他の電子コンピューティングデバイスの行う、コンピューティングシステムのレジスタおよび/またはメモリ内の物理量(例えば電子)で表されるデータを、コンピュータのレジスタ、メモリ、もしくはその他の同様の情報格納、送信、または表示デバイス内の物理量で同様に表される他のデータへと操作および/または変換する処理および/または処理に係るものであってよい。
【0008】
複数という用語は、「多数」「2以上」を含む。例えば「複数のアイテム」といった場合、2以上のアイテムが含まれることになる。
【0009】
一部の実施形態は、様々なデバイスおよびシステム(例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、ハンドヘルドデバイス、携帯情報端末(PDA)デバイス、ハンドヘルドPDAデバイス、オンボードデバイス、オフボードデバイス、ハイブリッドデバイス、車両デバイス、非車両デバイス、モバイルまたはポータブルデバイス、消費者用デバイス、非モバイルまたは非ポータブルデバイス、無線通信局、無線通信デバイス、無線アクセスポイント(AP)、有線または無線ルータ、有線または無線モデム、ビデオデバイス、オーディオデバイス、オーディオ−ビデオ(A/V)デバイス、有線または無線ネットワーク、無線エリアネットワーク、無線ビデオエリアネットワーク(WVAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、無線PAN(WPAN)、既存のワイヤレスギガビットアライアンス(WGA)仕様(Wireless Gigabit Alliance, Inc., WiGig MACおよびPHY仕様バージョン1.1、2011年4月、最終仕様)、および/または、将来のバージョンおよび/または派生バージョン)に従って処理するデバイスおよび/またはネットワーク、既存のIEEE802.11規格(IEEE802.11−2007、情報技術用のIEEE規格−システム間の電話通信および情報交換−ローカルおよびメトロポリタンエリアネットワークー特定要件、パート11:無線LAN媒体アクセス制御(MAC)および物理層(PHY)仕様、IEEE802.11n−2009、情報技術用のIEEE規格−システム間の電話意通信および情報交換−ローカルおよびメトロポリタンエリアネットワークー特定要件、パート11:無線LAN媒体アクセス制御(MAC)および物理層(PHY)仕様、修正版第5版:より高いスループットを目指した向上、IEEE802.11タスクグループac(TGac)(「IEEE802.11−09/0308r12−TGacチャネルモデル付録書類」))、IEEE802.11タスクグループad(TGad)(IEEEP802.11ad/D1.0、情報技術のための草案段階の規格−システム間の電話通信および情報交換−ローカルおよびメトロポリタンエリアネットワークー特定要件、パート11:無線LAN媒体アクセス制御(MAC)および物理層(PHY)仕様、修正版第5版:60GHzにおける非常に高いスループットを目指した向上)、および/または、その将来のバージョンおよび/または派生バージョンに従って処理するデバイスおよび/またはネットワーク、既存のIEEE802.16規格(IEEE−規格802.16、2009年版、固定ブロードバンド無線アクセスシステム用のエアインタフェース、IEEE−規格802.16e、2005年版、ライセンスされた帯域で組み合わせられた固定およびモバイル処理のための物理および媒体アクセス制御層、タスクグループmが開発したIEEE規格802.16−2009への修正版)および/または、その将来のバージョンおよび派生バージョンに従って動作するデバイスおよび/またはネットワーク、既存のワイヤレス−WirelessHD(登録商標)および/または将来のバージョンおよび/または派生バージョンに従って動作するデバイスおよび/またはネットワーク、上述したネットワークの一部となるユニットおよび/またはデバイス、一方向および/または双方向無線通信システム、セルラー式ラジオ電話通信システム、セルラー式電話機、無線電話機、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、無線通信デバイスを含むPDAデバイス、モバイルまたはポータブルグローバルポジショニングシステム(GPS)デバイス、GPSレシーバまたはトランシーバまたはチップを含むデバイス、RFID素子またはチップを含むデバイス、多入力多出力(MIMO)トランシーバまたはデバイス、単一入力多出力(SIMO)トランシーバまたはデバイス、多入力単一出力(MISO)トランシーバまたはデバイス、1以上の内部アンテナおよび/または外部アンテナを有するデバイス、デジタルビデオブロードキャスト(DVB)デバイスまたはシステム、多重標準の無線デバイスまたはシステム、有線または無線ハンドヘルドデバイス(例えばBlackBerry,Palm Treo等)、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)デバイス等との関連で利用されてよい。
【0010】
一部の実施形態は、1以上の種類の無線通信信号および/またはシステム(例えば無線周波数(RF)、赤外線(IR)、周波数分割多重(FDM)、直交FDM(OFDM)、時分割多重(TDM)、時分割多重接続(TDMA)、拡張TDMA(E−TDMA)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、拡張GPRS、符号分割多重接続(CDMA)、ワイドバンドCDMA(WCDMA)、CDMA2000、シングルキャリアCDMA、マルチキャリアCDMA、マルチキャリア変調(MDM)、離散マルチトーン(DMT)、Bluetooth(登録商標)、グローバルポジショニングシステム(GPS)、Wi−Fi、Wi−Max、ZigBee(登録商標)、Ultra−Wideband(UWB)、モバイル通信用のグローバルシステム(GSM(登録商標))、2G、2.5G,3G、3.5G、EDGE(Enhanced Data rates for GSM(登録商標) Evolution:GSM(登録商標):進化に関する向上データレート)等とともに利用することができる。他の実施形態は、様々な他のデバイス、システム、および/または、ネットワークで利用することができる。
【0011】
ここで利用する「無線デバイス」という用語は、例えば、無線通信のできるデバイス、無線通信のできる通信デバイス、無線通信のできる通信局、無線通信のできるポータブルまたは非ポータブルデバイス等であってよい。一部の実施形態では、無線デバイスとは、コンピュータに統合された周辺デバイスであったり、これを含んだりするものであってよく、または、コンピュータに取り付けられた周辺デバイスであったり、これを含んだりするものであってよい。一部の実施形態では、「無線デバイス」という用語は、無線サービスをオプションとして含む概念であってよい。
【0012】
一部の実施形態は、適切な限られた範囲または短距離の無線通信ネットワーク(例えばワイヤレスエリアネットワーク、「ピコネット」、WPAN、WVAN等)とともに利用することもできる。他の実施形態は、任意の他の適切な無線通信ネットワークとの関連で利用することができる。
【0013】
一部の実施形態は、60ギガヘルツ(GHz)の周波数帯域、2.4GHzの周波数帯域、および/または、5GHzの周波数帯域で通信する無線通信ネットワークとの関連で利用されてもよい。しかし、他の実施形態では、例えば非常に高い周波数(EHF)帯域(ミリ波(mm波)周波数帯域(例えば、30GHzと300GHzとの間の周波数帯域にある1周波数帯域)、IEEE802.11仕様に則った周波数帯域、WPAN周波数帯域、WGA仕様に則った周波数帯域)等の任意の他の適切な無線通信周波数帯域を利用して実装することもできる。
【0014】
ここで利用される「アンテナ」という用語は、1以上のアンテナエレメント、コンポーネント、ユニット、アセンブリ、および/または、アレイの任意の適切な構成、構造、および/または、配置を含んでよい。一部の実施形態では、アンテナは、それぞれ別の送受信アンテナエレメントを利用して送受信機能を実装することができる。一部の実施形態では、アンテナは、共通および/または統合された送受信エレメントを利用して機能の送受信を実装してもよい。アンテナは、擬似全方向性(quasi-omni)アンテナパターンがカバーするアンテナを含んでよい。例えば、アンテナは、フェーズドアレイアンテナ、シングルエレメントアンテナ、スイッチビームアンテナのセット等のうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0015】
ここで利用される、「擬似全方向性(quasi-omni)アンテナパターン」という用語は、特定のアンテナについて取得可能な現実的に最も広いビーム幅を有する処理モードを含む概念であってよい。
【0016】
ここで利用される「局」(STA)という用語は、媒体アクセス制御(MAC)および物理層(PHY)インタフェースの無線媒体(WM)に対する単一でアドレス可能なインスタンスである任意の論理実体を含んでよい。
【0017】
ここで利用される「アクセスポイント」(AP)という用語は、1つの局(STA)を含み、関連するSTAについてWMを介して配信サービスにアクセスを提供する実体を含んでよい。
【0018】
ここで利用される「アソシエーション/関連付け(association)」という用語は、アクセスポイント/局(AP/STA)マッピングを構築して、配信システムサービス(DSS)のSTA呼び出しをイネーブルするために利用されるサービスに関したものであってよい。
【0019】
ここで利用される「認証」という用語は、別のSTAと関連付けることを承認されたSTAセットのメンバーとして、1つの局(STA)のIDを構築するために利用されるサービスに関するものであってよい。
【0020】
ここで利用される「ビームフォーミング」という用語は、トランスミッタ側で受信信号電力を向上させたり、意図するレシーバ側で信号対雑音比(SNR)を向上させたりするために利用することができる空間フィルタリングメカニズムに関するものであってよい。
【0021】
ここで利用される「非アクセスポイント(非AP)局(STA)」という用語は、APに含まれないSTAに関するものであってよい。
【0022】
ここで利用される「サービス期間」(SP)という用語は、1以上のダウンリンクで個々にアドレス指定されるフレームがあるサービス品質(QoS)の局(STA)に送信されたり、および/または、1以上の送信機会(TXOP)が同じSTAに許可されたりするような、ある近接した期間に関するものであってよい。
【0023】
ここで利用される「指向性帯域」(DBand)という用語は、チャネル開始周波数が45GHzを越える周波数帯域に関するものであってよい。
【0024】
ここで利用される「DBand STA」という用語は、無線トランスミッタがDBand内にあるチャネル上で動作しているようなSTAに関するものであってよい。
【0025】
ここで利用される「全方向性帯域」(OBand)という用語は、チャネル開始周波数が6GHzを下回る周波数帯域に関するものであってよい。例えば、OBandには、2.4GHz帯域、5GHz帯域等が含まれてよい。
【0026】
ここで利用される「OBand STA」という用語は、無線トランスミッタがOBand内にあるチャネル上で動作しているようなSTAに関するものであってよい。
【0027】
ここで利用される「個人基本サービスセット」(PBSS)という用語は、内蔵型のネットワークを形成する基本サービスセット(BSS)に関するものであってよい。例えばPBSSは、DBandで動作してよく、1つのPBSS制御ポイント(PCP)を含んでよい。
【0028】
ここで利用される「PBSS制御ポイント」(PCP)という用語は、1つの局(STA)を含み、PBSSのメンバーである様々なSTAによるWMへのアクセスを調整する実体を含んでよい。
【0029】
ここで利用される「非PCP局(STA)」という用語は、PCPではないSTAに関するものであってよい。
【0030】
ここで利用される「非PCP/非AP局(STA)」という用語は、PCPでもAPでもないSTAに関するものであってよい。
【0031】
ここで利用される「PCP/AP」および「無線ネットワークコントローラ」という用語は、PCPまたはAPであるSTAに関するものであってよい。
【0032】
ここで利用される「トラフィック」および/または「トラフィックストリーム」という用語は、STA等の無線デバイス間のデータフローおよび/またはストリームに関するものであってよい。
【0033】
図1を参照すると、一部の実施形態におけるシステム100のブロック図が概略されている。
【0034】
図1に示すように、一部の実施形態では、システム100は、1以上の適切な無線通信リンク(例えば、無線チャネル、IRチャネル、RFチャネル、無線フィデリティ(WiFi)チャネル、OBandチャネル、DBandチャネル等)を介して、コンテンツ、データ、情報、および/または、信号を通信可能な、1以上の無線通信デバイス(例えば無線通信デバイス102および/または130)を含む無線通信ネットワークを含んでよい。システム100の1以上のエレメントは、オプションとして、任意の適切な有線通信リンクを介して通信可能であってもよい。例えば、システム100は、IEEE802.11タスクグループad(TGad)が開発した規格に則って、WGA仕様に則って、IEEE802.15.3c仕様に則って、WirelessHD(登録商標)仕様に則って、ECMA−387規格に則って、および/または、別の適切な無線規格に則って動作することができる。
【0035】
一部の実施形態では、無線通信デバイス102および/または130は、例えばPC、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、ハンドヘルドデバイス、携帯情報端末(PDA)デバイス、ハンドヘルドPDAデバイス、オンボードデバイス、オフボードデバイス、ハイブリッドデバイス(例えばPDAデバイス機能のついた統合セルラーフォン機能)、消費者用デバイス、車両デバイス、非車両デバイス、モバイルまたはポータブルデバイス、非モバイルまたは非ポータブルデバイス、セルラー式電話機、PCSデバイス、無線通信デバイスを含むPDAデバイス、モバイルまたはポータブルGPSデバイス、DVBデバイス、比較的小型のコンピューティングデバイス、非デスクトップコンピュータ、「キャリー・スモール・リブ・ラージ」(CSLL)デバイス、ウルトラモバイルデバイス(UMD)、ウルトラ・モバイルPC(UMPC)、モバイルインターネットデバイス(MID)、「Origami」デバイスまたはコンピューティングデバイス、動的構成可能(DCC:Dynamically Composable Computing)機能をサポートしているデバイス、コンテキスト認識デバイス、ビデオデバイス、オーディオデバイス、A/Vデバイス、セットトップボックス(STB)、ブルーレイディスク(BD)プレーヤ、BDレコーダ、DVDレコーダ、高精細(HD)DVDレコーダ、パーソナルビデオレコーダ(PVR)、ブロードキャストHDレシーバ、ビデオソース、オーディオソース、ビデオシンク、オーディオシンク、ステレオチューナ、ブロードキャストラジオレシーバ、フラットパネルディスプレイ、パーソナルメディアプレーヤ(PMP)、デジタルビデオカメラ(DVC)、デジタルオーディオプレーヤ、スピーカ、オーディオレシーバ、オーディオ増幅器、ゲームデバイス、データソース、データシンク、デジタルスチルカメラ(DSC)、メディアプレーヤ、スマートフォン、テレビ受像機、音楽プレーヤ等を含んでよい。
【0036】
一部の実施形態では、無線通信デバイス102および/または130は、それぞれ無線通信ユニット104および/または132を含み、後述するように、それぞれ無線通信デバイス102および/または130と、および/または、1以上の他の無線通信デバイスと無線通信することができる。
【0037】
一部の実施形態では、デバイス102および/または130は、後で詳述するように、複数の無線通信周波数帯域で通信可能な複数の周波数帯域の(マルチバンドの)デバイスの機能を含んだり、および/または、実行したりすることができる。
【0038】
無線通信デバイス102および/または130は、例えば、プロセッサ114、入力ユニット106、出力ユニット108、メモリユニット110、および格納ユニット112のうち、1以上を含んでもよい。無線通信デバイス102および/または130は、任意で、他の適切なハードウェアコンポーネントおよび/またはソフトウェアコンポーネントを含んでもよい。一部の実施形態では、無線通信デバイス102および/または130のうち1以上に含まれるコンポーネントの一部または全てが、共通の筐体またはパッケージに含められていてもよいし、1以上の有線または無線リンクを利用して相互接続されていたり、動作可能に関連付けられていたりしてもよい。他の実施形態では、無線通信デバイス102および/または130のうち1以上に含まれるコンポーネントが、複数のまたは別個のデバイス間に分配されていてもよい。
【0039】
一例として、プロセッサ114は、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、1以上のプロセッサコア、シングルコアプロセッサ、デュアルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、ホストプロセッサ、コントローラ、複数のプロセッサまたはコントローラ、チップ、マイクロチップ、1以上の回路、回路系(circuitry)、論理ユニット、集積回路(IC)、特定用途向けIC(ASIC)、または任意の他の適切な多目的の、または特定目的のプロセッサまたはコントローラを含む。プロセッサ114は、例えば、1以上の適切なアプリケーションの無線通信デバイス102および/または130のオペレーティングシステム(OS)の命令を実行する。
【0040】
一例として、入力ユニット106は、キーボード、キーパッド、マウス、タッチパッド、トラックボール、スタイラス、マイクロフォン、その他の適切なポインティングデバイスまたは入力デバイスを含む。一例として、出力ユニット108は、モニタ、スクリーン、フラットパネルディスプレイ、陰極線管(CRT)ディスプレイユニット、液晶ディスプレイ(LCD)ユニット、プラズマディスプレイユニット、1以上のオーディオスピーカまたはイヤフォン、その他の適切な出力デバイスを含む。
【0041】
一例として、メモリユニット110は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SD−RAM)、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期メモリユニット、長期メモリユニット、その他の適切なメモリユニットを含む。一例として、格納ユニット112は、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)ドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、その他の適切な取り外し可能または不可能な格納ユニットを含む。一例として、メモリユニット110および/または格納ユニット112は、無線通信デバイス102および/または130が処理するデータを格納してもよい。
【0042】
一部の実施形態では、無線通信ユニット104および132は、それぞれ1以上のアンテナ105および133を含んだり、1以上のアンテナ105および133に関連付けられたりしていてよい。アンテナ105および/または133は、無線通信信号、ブロック、フレーム、送信ストリーム、パケット、メッセージ、および/または、データを送信および/または受信するのに適した任意の種類のアンテナを含んでよい。例えばアンテナ105および/または133は、1以上のアンテナエレメント、コンポーネント、ユニット、アセンブリ、および/または、アレイの任意の適切な構成、構造、および/または、配置を含んでよい。アンテナ105および/または133は、擬似全方向性アンテナパターンがカバーするアンテナを含んでよい。例えば、アンテナ105および/または133は、フェーズドアレイアンテナ、シングルエレメントアンテナ、スイッチビームアンテナのセット等のうちの少なくとも1つを含んでよい。一部の実施形態では、アンテナ105および/または133は、別個の送受信アンテナエレメントを利用して、送受信機能を実装してもよい。また一部の実施形態では、アンテナ105および/または133は、共通の、および/または、統合された送信/受信エレメントを利用して送受信機能を実装することもできる。
【0043】
一部の実施形態では、無線通信ユニット104および/または132は、例えば、無線通信信号、RF信号、フレーム、ブロック、送信ストリーム、パケット、メッセージ、データアイテム、および/または、データを送信および/または受信することのできる1以上の無線トランスミッタ、レシーバ、および/またはトランシーバを含む。例えば、無線送信ユニット104および/または132は、無線ネットワークインタフェースカード(NIC)等を含んだり、その一部として実装したりすることができる。
【0044】
一部の実施形態では、無線通信デバイス102および130は、少なくとも1つの無線通信リンクを構築してよい。リンクは、アップリンクおよび/またはダウンリンクを含んでよい。一例としてダウンリンクは、APから1以上の非AP局(STA)への一方向リンク、または、非AP発信先STAから非AP発信元STAへの一方向リンクを含んでよい。一例としてアップリンクは、非AP STAからAPへの一方向リンク、または、非AP発信元STAから非AP発信先STAへの一方向リンクを含んでよい。
【0045】
一部の実施形態では、無線通信デバイス102および/または130は、後述するように、DBandSTAおよび/またはOBandSTAの機能を実行することができる。
【0046】
一部の実施形態では、デバイス102は、後で詳述するように、例えばデバイス130および/または1以上の他のデバイスと、複数の無線通信周波数帯域を介して通信することのできるマルチバンドデバイスの機能を実行することができる。
【0047】
一部の実施形態では、デバイス102および/または104は、異なる周波数帯域および/またはチャネルを介して統合および/または途切れのない処理を可能とするよう構成されたマルチバンド処理メカニズムを利用することができる。このマルチバンドメカニズム(「高速セッション転送」(FST)との称される場合がある)は、例えばWGAベースおよびIEEE802.11ベースの技術等の様々な異なる技術の無線機間を、データリンクレベルでリアルタイム統合することで、ユーザ体験を格段に高めることができる。
【0048】
一部の実施形態では、デバイス102および/または104は、異なるデータリンク層技術間での情報の効果的な共有および/または交換を可能としたり、および/または、より高次の層(例えばネットワーク)プロトコル(インターネットプロトコル(IP)等)に対して完全に透明に動作するメカニズムを提供したりすることができるよう構成することもできる。
【0049】
一部の実施形態では、無線通信ユニット104は、少なくとも2つの異なる周波数帯域で通信する少なくとも2つの無線機(無線機142および144を含む)を含んでよい。
【0050】
一実施形態では、無線機142はDBandを介して通信してよく、および/または、無線機144はOBandを介して通信してよい。例えば、無線機142は、60GHz周波数帯域で通信することで、少なくとも1つのDBand STAの機能を果たしてよく、および/または、無線機144が、2.4GHzまたは5GHz周波数帯域で通信することで、少なくとも1つのOBand STAの機能を果たしてよい。
【0051】
一部の実施形態では、これら少なくとも2つの無線機は、図2を参照して後述するように、3つ以上の無線機を含むこともでき、例えば、第1のOBandを介して通信する第1のOBand無線機と、第2の、異なるOBandを介して通信する第2のOBand無線機と、DBandを介して通信する第3の無線機とが少なくとも含まれていてよい。他の実施形態では、この少なくとも2つの無線機には、2以上の周波数帯域で動作する2以上の無線機の任意の他の組み合わせが含まれていてもよい。
【0052】
一部の実施形態では、無線通信ユニット104は、無線機142および144に動作可能に連結されている共通のステーション管理エンティティ(SME)140を含んでよい。SME140は、例えば後述するように無線機142および144の並列および同期処理を管理してよい。
【0053】
一部の実施形態の無線通信ユニット104は、無線機142および144を共通管理する単一のSME(例えばSME140)を含むことができ、これは、「マルチバンド」であると標榜してはいるが、複数のSMEを利用して各周波数帯域でそれぞれ別のSMEを利用するような既存の実装形態とは対照的である。
【0054】
または、SME140の機能を、各MAC/PHYスタックで独立動作させるために複製することもできる。しかし、全てのMAC/PHYスタックを網羅してマルチバンド処理を制御する単一のマルチバンド管理実体が存在していてもよい。
【0055】
一部の実施形態では、SME140は、例えばデバイス102内で利用可能な各個々のMAC/PHYスタックについて、アソシエーション、デアソシエーション、接続管理、トラフィックストリーム構築、セキュリティ鍵管理等を管理することができる。例えば、SME140は、少なくとも2つの無線機142よび144のそれぞれについて、少なくともアソシエーション、デアソシエーション、およびトラフィックストリーム構築を管理するよう構成されていてよい。これらの処理を共通管理することで、例えばデバイス102がサポートする全ての帯域にわたる、途切れのない、および/または、統合された処理が可能となる。
【0056】
本発明の範囲は、本発明のこの特定の実施形態に限定はされないが、SME140は、1を超える周波数帯域/チャネルにおいて動作を管理することができる。例えばSME140は、デバイス102がサポートする様々な異なる周波数帯域間のトラフィックセッションのリアルタイム転送のセットアップ、設定、およびティアダウン(tear down)を管理することができる。一例では、SME140は、ある周波数帯域(無線機142がサポートする周波数帯域)から、別の周波数帯域(無線機144がサポートする周波数帯域)へのセットアップ、ティアダウン(tear down)、および/または、高速セッション転送を連係させることができる。
【0057】
本発明の一部の実施形態では、デバイス102がサポートする様々な異なる周波数帯域における処理は同時に行われてもよい。他の実施形態では、デバイス102がサポートする様々な異なる周波数帯域における処理が同時に行われなくてもよい。
【0058】
例えばSME140は、無線機142および144について1以上のエキュリティ管理鍵の実体(N≧1の管理鍵等)を含むことができる。
【0059】
1以上のセキュリティ管理鍵の実体のそれぞれは、ロバストセキュリティネットワークアソシエーション(RSNA)鍵を含んでよい。例えばSME140は、無線機142について少なくとも1つの第1のRSNA鍵を含み、無線機144について少なくとも1つの第2のRSNA鍵を含んでよい。
【0060】
一部の実施形態では、1以上のセキュリティ管理鍵の実体は、少なくとも2つの無線機のうち2以上の間で共有される少なくとも1つの共通のセキュリティ管理鍵の実体を含んでよい。例えば透明なFSTを利用する場合、SME140は、無線機142および144の間で共有される鍵管理の実体を1つ含んでよい。
【0061】
一部の実施形態では、無線機142および144は、図2を参照して後述するように、媒体アクセス制御(MAC)アドレスがそれぞれ特定する少なくとも第1および第2のMACサービスアクセスポイント(SAP)を含んでよい。例えば、無線機142および144の各MAC SAPは、固有のMACアドレスにより特定されてよい。
【0062】
他の実施形態では、無線機142および144の一対のMAC SAPは、非固有により特定されてもよい(identified by non-unique)。例えば透明なFSTを利用する場合、無線機142および144の一対のMAC SAPは、共通のMACアドレスを共有することができる。
【0063】
図2を参照すると、一部の実施形態において、複数の無線機(例えば3つの無線機204、206、208を含む)に連結されたSME202を含むデバイス200が概略されている。
【0064】
本発明の範囲はこの点に限定はされないが、無線機204が第1の周波数帯域で動作して、無線機206が第2の周波数帯域で動作して、無線機208が第3の周波数帯域で動作する、といったことができる。
【0065】
例えば、第1、第2、第3の周波数帯域が複数の異なる周波数帯域を含み、無線機204が第1のOBand周波数で動作して、無線機206が第2のOBand周波数で動作して、および/または、無線機208がDBand周波数で動作する、といったことができる。例えば無線機204は、2.4GHz周波数帯域で、無線機206が5GHz周波数帯域で、および/または、無線機208が60GHz周波数帯域で動作する、といったことができる。
【0066】
一部の実施形態では、SME202は、無線機204、206、および208それぞれについて、アソシエーション、デアソシエーション、接続管理、トラフィックストリーム構築、セキュリティ鍵管理等の管理を行うことができる。これらの処理の共通管理を行うことで、第1、第2、および第3周波数帯域間で、途切れのない、および/または統合された処理を行うことができるようになる。
【0067】
例えばSME202は、第1、第2、および第3周波数帯域間のトラフィックセッションのリアルタイム転送のセットアップ、設定、およびティアダウン(tear down)を管理することができる。
【0068】
一部の実施形態では、SME202は、無線機204、206、および208のうち、少なくとも2つの無線機の並列および同期処理を管理するよう構成されるマルチバンド管理モジュール(「マルチバンド管理実体」と称される場合もある)260を含んでよい。例えばモジュール260は、無線機204、206、および208がサポートする第1の帯域/チャネルから第2の帯域/チャネルへの、FSTセッションのセットアップ、設定、ティアダウン、および/または転送を調整するよう構成されていてよい。
【0069】
一部の実施形態では、デバイス200は、複数のMAC実体を含んでよい。一部の実施形態(図2参照)では、無線機204、206、および208はそれぞれ、単一のMAC実体を含んでよい。他の実施形態では、無線機204、206、および208の1以上が、1を超える数のMAC実体を含むこともできる。
【0070】
一部の実施形態では(図2参照)、無線機204は、物理(PHY)層(例えば物理層収束プロトコル(PLCP)サブレイヤ230および物理媒体依存(PMD)サブレイヤ240を含む)と関連付けられたMACサブレイヤ220を含んでよい。また例えば、無線機206は、PHY層(例えばPLCPサブレイヤ232およびPMDサブレイヤ242を含む)と関連付けられたMACサブレイヤ222を含んでよい。また例えば、無線機208は、PHY層(例えばPLCPサブレイヤ234およびPMDサブレイヤ244を含む)と関連付けられたMACサブレイヤ224を含んでよい。無線機204、206、および/または、208は、さらに、MACサブレイヤ管理実体(MLME)および/またはPHYサブレイヤ管理実体(PLME)を含むことができる。
【0071】
一部の実施形態では(図2参照)、無線機204、206、および208のMAC実体は、それぞれが、別個のPLCPサブレイヤおよび/または別個のPMDサブレイヤを含むことができる。
【0072】
他の実施形態では、MAC実体の1以上が、共通のPLCPサブレイヤおよび/または共通のPMDサブレイヤを共有してもよい。例えば、図2は各PHYとMAC層とを1対1でマッピングする例であるが、一部の実施形態では、複数のMACアドレスをサポートして、例えば各MAC層に固有MACアドレスを与えて、同じPHY層を複数のMAC層間で共有させることもできる。
【0073】
本発明の一部の実施形態では、MACサブレイヤ220を第1のMACアドレスで特定して、MACサブレイヤ222を第2のMACアドレスで特定して、MACサブレイヤ224を第3のMACアドレスで特定することができる。
【0074】
一部の実施形態では、SME202は、複数のMACサブレイヤ(例えばMACサブレイヤ220、222、および224)を有する複数のMAC実体の管理を連係させることができる。例えば、MACサブレイヤ220、222、および224の各々が、別個のMACサービスアクセスポイント(SAP)およびMLME−PLME SAPを有してよい。
【0075】
本発明の一部の実施形態では、デバイス200の各MAC実体が、別個の(例えば固有の)MACアドレスで特定されてもよい。例えば、無線機204、206、および208の各MAC実体が、(例えばデバイス200内の他のMAC実体との関係において)固有のMACアドレスを有してよい。
【0076】
本発明の他の実施形態では、少なくとも1つのMAC実体を、デバイス200内で固有ではないMACアドレスで特定することもできる。例えば透明なFSTを利用する場合、無線機204、206、および208の少なくとも一対のMAC SAPが、共通のMACアドレスを共有することができる。
【0077】
一部の実施形態では、SME202は、1以上のセキュリティ鍵を利用して無線機204、206、および208を管理することができる。例えば、SME202は、1以上のRSNA鍵管理実体を利用して、無線機204、206、および208のMAC SAPを制御することができる。
【0078】
一部の実施形態では、SME202は、無線機204、206、および208の各MAC SAPを制御するために、別個の独立した鍵管理実体を含んでよい。例えば図2に示すように、SME202は、それぞれ複数の別個の、および/または、独立したRSNA鍵管理実体250、252、および254を利用して、無線機204、206、および208を管理することができる。
【0079】
一部の実施形態では、SME202は、無線機204、206、および208の2以上のMAC SAPの間で共有される少なくとも1つの共通のセキュリティ管理鍵の実体を含んでよい。例えば透明なFSTを利用する場合には、SME202は、無線機204、206、および208の2以上のMAC SAPの間で、RSNA鍵管理実体250、252、および254の少なくとも1つを共有することができる。
【0080】
一部の実施形態では、SME202は、デバイス200がサポートするMACアドレスの任意のもの(例えば、無線機204、206、および208のMAC実体がサポートするMACアドレス)により特定されてよい。このようにして、SME202は、無線機204、206、および208のいずれかのMLMEが受信するMLMEフレームによって通知を受信することができる。
【0081】
一部の実施形態では、マルチバンド管理モジュール260は、デバイス200がサポートする第1の帯域/チャネルから、無線デバイス200がサポートする第2の帯域/チャネルへと、FSTセッションのセットアップ、設定、ティアダウン、および転送を連係させることができる。
【0082】
例えば不透明なFSTを利用する場合、マルチバンド管理実体260は、第1および第2の帯域/チャネル両方の発信元および発信先MACアドレスの組み合わせを利用して、デバイス200内の(例えば、無線機204、206、および/または208の間の)MSDUおよび/またはMLMEプリミティブのルーティングを設定することができる。
【0083】
別の例として透明なFSTを利用する場合には、マルチバンド管理実体260は、FSTセッションのトラフィック識別子(TID)を利用して(発信元および発信先MACアドレスの組み合わせに加えて)、デバイス200内のMSDUおよび/またはMLMEプリミティブのルーティングを設定することができる。
【0084】
図3は、一部の実施形態における、複数の無線通信周波数帯域を利用する通信方法を概略している。本発明の範囲はこの点に限定はされないが、図3の方法の1以上の処理は、任意の適切な無線通信システム(例えばシステム100(図1)、無線通信デバイス(例えばデバイス102、130(図1)および/または200(図2))、および/または、無線通信ユニット(例えば無線通信ユニット104および/または132(図1))により実行されてよい。
【0085】
方法は、ブロック300で、少なくとも2つの異なる周波数帯域にわたり、同時に行われるマルチバンドデバイスの処理を管理することを含む。
【0086】
一部の実施形態では、ブロック301に示すように、管理には、全てのMAC/PHYスタックについて、単一のSMEまたは単一のマルチバンド管理実体を利用して、少なくとも2つの無線機を管理することが含まれてよい。
【0087】
例えば、SME202(図2)は、上述したように、2.4GHz、5GHz、および/または、60GHzの周波数帯域におけるデバイス200の同時処理を管理することができる。
【0088】
方法は、ブロック302で、マルチバンドステーションのある周波数帯域から別の周波数帯域への、セットアップ、ティアダウン、および高速セッション転送セッションを連係させることを含んでよい。例えば、SME202(図2)は、既に上述したように、周波数帯域が2.4GHz、5GHz、および、60GHzである第1の周波数帯域から、周波数帯域が2.4GHz、5GHz、および/または、60GHzである第2の周波数帯域への、セットアップ、ティアダウン、および高速セッション転送セッションを連係させることを含んでよい。
【0089】
方法は、ブロック304で、少なくとも2つの周波数帯域において、少なくともアソシエーション、デアソシエーション、およびトラフィックストリーム構築を共通管理することを含んでよい。例えばモジュール260(図2)は、上述したように、2.4GHz、5GHz、および/または、60GHzの周波数帯域において、少なくともアソシエーション、デアソシエーション、およびトラフィックストリーム構築を管理することができる。
【0090】
方法は、ブロック306で、少なくとも2つの周波数帯域に対応する1以上のセキュリティ管理鍵の実体を共通管理することを含んでよい。
【0091】
一部の実施形態では、1以上のセキュリティ管理鍵の実体のそれぞれが、RSNA鍵を含む。例えばSME202(図2)は、上述したような、RSNA鍵管理実体250、252、および254(図2)を含んでよい。
【0092】
一部の実施形態では、この1以上のセキュリティ管理鍵の実体が、少なくとも2つの周波数帯域のうちの2以上に対応する、少なくとも1つの共通のセキュリティ管理鍵の実体を含む。
【0093】
図4を参照すると、一部の実施形態における製品400が概略されている。製品400は、無線通信ユニット104(図1)、無線通信デバイス102(図1)、無線通信ユニット132(図1)、無線通信デバイス130(図1)、デバイス200(図2)、SME140(図1)、SME202(図2)の機能の少なくとも一部を実行したり、および/または、図3の方法の1以上の処理を実行したりするために利用されうる論理404を格納する機械可読格納媒体402を含んでよい。
【0094】
本発明の実施形態はこの例に限定はされないが、製品400および/または機械可読格納媒体402は、データ格納可能な1以上の種類のコンピュータ可読格納媒体を含んでよい(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、取り外し可能または不可能なメモリ、消去可能または不可能なメモリ、書き込み可能または書き換え可能メモリ等を含む)。例えば、機械可読格納媒体402は、RAM、DRAM、ダブルデータレートDRAM(DDR−DRAM)、SDRAM、スタティックRAM(SRAM)、ROM、プログラム可能ROM(PROM)、EPROM、EEPROM、CD−ROM、CD−R、CD−RW、フラッシュメモリ(たとえばNORまたはNANDフラッシュメモリ)、コンテンツアドレス可能メモリ(CAM)、ポリマーメモリ、相変化メモリ、強誘電体メモリ、シリコン酸化物窒化物酸化物シリコン(SONOS)メモリ、ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、光ディスク、磁気ディスク、カード、磁気カード、光カード、テープ、カセット等を含むことができる。コンピュータ可読格納媒体は、遠隔のコンピュータから要求を発するコンピュータへの、搬送波その他の伝播媒体が通信リンク(例えばモデム、無線またはネットワーク接続)を介して具現化するデータ信号が搬送するコンピュータプログラムのダウンロードまたは転送に関与する任意の適切な媒体を含んでよい。
【0095】
一部の実施形態では、論理404は、機械により実行されると、機械に、ここに記載する方法、プロセス、および/または、処理を実行させる命令、データ、および/または、コードを含んでよい。機械は、例えば、任意の適切な処理プラットフォーム、コンピューティングプラットフォーム、コンピューティングデバイス、処理デバイス、コンピューティングシステム、処理システム、コンピュータ、プロセッサ等を含んでよく、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア等の任意の適切な組み合わせを利用して実装することができてよい。
【0096】
一部の実施形態では、論理404は、ソフトウェア、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、プログラム、サブルーチン、命令、命令セット、コンピューティングコード、ワード、値、シンボル等を含んだり、あるいはこれらで実装したりすることができてよい。命令には、任意の適切な種類のコード(例えばソースコード、コンパイラ型のコード、インタプリタ型のコード、実行可能なコード、静的コード、動的コード等)が含まれてよい。命令は、プロセッサに一定の機能の実行を命令するために、予め定義されているコンピュータ言語、方法またはシンタックスに則って実装されてよい。このような命令は、適切な高レベル、低レベル、オブジェクト指向、ビジュアル、コンパイラ型および/またはインタプリタ型のプログラミング言語を用いた実装が可能である。このようなプログラミング言語の例として、C、C++、Java(登録商標)、BASIC、Matlab、Pascal、Visual BASIC、アセンブリ言語、マシンコードなどが挙げられる。
【0097】
1以上の実施形態に関してここに記載する機能、処理、コンポーネント、および/または、特徴は、1以上の他の実施形態に関してここに記載する1以上の他の機能、処理、コンポーネント、および/または、特徴と組み合わせて利用することができてよく、この逆もまた然りである。
【0098】
本発明の一定の特徴を例示、記載してきたが、当業者であれば数多くの変形例、代替例、変更例、および均等物を想到するであろう。従って、添付請求項は、これら全ての変形例および変更例を本発明の真の精神に含めることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周波数帯域の(マルチバンド)無線通信デバイスであって、
第1の周波数帯域で動作する第1の無線機と、
第2の周波数帯域で動作する第2の無線機と、
第3の周波数帯域で動作する第3の無線機と、
前記第1の無線機、前記第2の無線機、および、前記第3の無線機に動作可能に連結されたステーション管理エンティティ(SME)と
を備え、
前記SMEは、前記第1の無線機、前記第2の無線機、および、前記第3の無線機のうち少なくとも2つの並列および同時処理を管理するマルチバンド管理モジュールを含むマルチバンド無線通信デバイス。
【請求項2】
前記SMEは、前記第1の無線機、前記第2の無線機、および、前記第3の無線機の1以上のセキュリティ管理鍵の実体を含む請求項1に記載のマルチバンド無線通信デバイス。
【請求項3】
前記1以上のセキュリティ管理鍵の実体は、前記第1の無線機、前記第2の無線機、および、前記第3の無線機の第1のセキュリティ管理鍵の実体、第2のセキュリティ管理鍵の実体、および、第3のセキュリティ管理鍵の実体を少なくとも含む請求項2に記載のマルチバンド無線通信デバイス。
【請求項4】
前記第1のセキュリティ管理鍵の実体、前記第2のセキュリティ管理鍵の実体、および、前記第3のセキュリティ管理鍵の実体はそれぞれが、ロバストセキュリティネットワークアソシエーション(RSNA)鍵を含む請求項3に記載のマルチバンド無線通信デバイス。
【請求項5】
前記1以上のセキュリティ管理鍵の実体は、前記第1の無線機、前記第2の無線機、および、前記第3の無線機のうちの2以上の間で共有される少なくとも1つの共通のセキュリティ管理鍵の実体を含む請求項2に記載のマルチバンド無線通信デバイス。
【請求項6】
前記マルチバンド管理モジュールは、前記第1の周波数帯域、前記第2の周波数帯域、および、前記第3の周波数帯域のうちのある周波数帯域から別の周波数帯域への、セットアップ、ティアダウン、および、高速セッション転送を連係させる請求項1に記載のマルチバンド無線通信デバイス。
【請求項7】
前記SMEは、前記第1の無線機、前記第2の無線機、および、前記第3の無線機のそれぞれについての、アソシエーション、デアソシエーション、およびトラフィックストリーム構築を少なくとも管理する請求項1に記載のマルチバンド無線通信デバイス。
【請求項8】
前記第1の無線機、前記第2の無線機、および、前記第3の無線機は、それぞれのMACアドレスで特定される第1、第2、および第3の媒体アクセス制御(MAC)サービスアクセスポイント(SAP)を少なくとも含む請求項1に記載のマルチバンド無線通信デバイス。
【請求項9】
前記少なくとも第1、第2、および第3のMACSAPを特定するそれぞれのMACアドレスは、同一のMACアドレスからなる対を少なくとも一対含む請求項8に記載のマルチバンド無線通信デバイス。
【請求項10】
前記第1の無線機は2.4ギガヘルツ(GHz)周波数帯域で動作し、前記第2の無線機は5GHz周波数帯域で動作し、前記第3の無線機は60GHz周波数帯域で動作する請求項1に記載のマルチバンド無線通信デバイス。
【請求項11】
少なくとも2つの異なる周波数帯域におけるマルチバンドデバイスの処理を管理する段階を備え、
前記少なくとも2つの異なる周波数帯域における処理は同時に行われる方法。
【請求項12】
前記マルチバンドデバイスのある周波数から別の周波数への、セットアップ、ティアダウン、および、高速セッション転送セッションを連係させる段階を備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも2つの周波数帯域における、アソシエーション、デアソシエーション、およびトラフィックストリーム構築を少なくとも共通管理する段階を備える請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも2つの周波数帯域に対応する1以上のセキュリティ管理鍵の実体を共通管理する段階を備える請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記1以上のセキュリティ管理鍵の実体はそれぞれが、ロバストセキュリティネットワークアソシエーション(RSNA)鍵を含む請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記1以上のセキュリティ管理鍵の実体は、前記少なくとも2つの周波数帯域のうちの2以上に対応する少なくとも1つの共通のセキュリティ管理鍵の実体を含む請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも2つの周波数帯域は、少なくとも第1の周波数帯域、第2の周波数帯域、および、第3の周波数帯域を含む請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の周波数帯域、第2の周波数帯域、および、第3の周波数帯域は、2.4ギガヘルツ(GHz)周波数帯域、5GHz周波数帯域、および、60GHz周波数帯域を含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記管理する段階は、単一のステーション管理エンティティ(SME)を利用して少なくとも2つの無線機を管理する段階を含む請求項11に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの複数の周波数帯域の(マルチバンド)無線通信デバイスを備えるシステムであって、
前記少なくとも1つの複数の周波数帯域の(マルチバンド)無線通信デバイスは、
少なくとも2つの異なる周波数帯域において通信する少なくとも2つの無線機と、
前記少なくとも2つの無線機に動作可能に連結され、前記少なくとも2つの無線機の並列および同時処理を管理する共通のステーション管理エンティティ(SME)と
を含むシステム。
【請求項21】
前記SMEは、前記少なくとも2つの無線機の1以上のセキュリティ管理鍵の実体を含む請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記1以上のセキュリティ管理鍵の実体は、前記少なくとも2つの無線機の少なくとも2つのセキュリティ管理鍵の実体を含む請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも2つのセキュリティ管理鍵の実体は、ロバストセキュリティネットワークアソシエーション(RSNA)鍵を含む請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記1以上のセキュリティ管理鍵の実体は、前記少なくとも2つの無線機のうちの2以上の間で共有される少なくとも1つの共通のセキュリティ管理鍵の実体を含む請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記SMEは、前記少なくとも2つの周波数帯域のうちのある周波数帯域から別の周波数帯域への、セットアップ、ティアダウン、および、高速セッション転送を連係させる請求項20に記載のシステム。
【請求項26】
前記SMEは、前記少なくとも2つの無線機のそれぞれについての、アソシエーション、デアソシエーション、およびトラフィックストリーム構築を少なくとも管理する請求項20に記載のシステム。
【請求項27】
前記少なくとも2つの無線機は、それぞれのMACアドレスで特定される第1および第2の媒体アクセス制御(MAC)サービスアクセスポイント(SAP)を少なくとも含む請求項20に記載のシステム。
【請求項28】
前記少なくとも第1および第2のMACSAPを特定するそれぞれのMACアドレスは、同一のMACアドレスからなる対を少なくとも一対含む請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも2つの無線機は、2.4ギガヘルツ(GHz)周波数帯域で動作する第1の無線機、5GHz周波数帯域で動作する第2の無線機、および60GHz周波数帯域で動作する第3の無線機を含む請求項20に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−161072(P2012−161072A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−2109(P2012−2109)
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】