説明

複数の小形液晶画面を使用したゲームシステム

【課題】主液晶画面と複数の副液晶画面を配置し、副液晶画面の前面に開閉可能で液晶画面の一部を可視できる窓を設けることにより、画像と窓を組み合わせた、より飽きのこないゲーム演出ができ、音声方向によるプレイヤの誘導が可能な複数の小形液晶画面を使用したゲームシステムを提供する。
【解決手段】円柱筐体に主液晶画面2が設置され、その周囲に多数の副液晶画面3−1〜3−nが配置されている。主液晶画面2には標的となるキャラクタ20が表示され、該キャラクタが副液晶画面3−1〜3−nのいずれかに現れる。プレイヤはキャラクタが現れる副液晶画面を探し、発見した場合、その副液晶画面の窓4−1〜4−nを開き、ボタン5−1〜5−nを押すことによりキャラクタを捕獲できる。プレイヤが円柱筐体の周囲を動きながら標的を捕獲するため、飽きのこないゲームを実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主液晶画面にゲーム画面を表示し、その周囲に設置された複数の副液晶画面を用いてゲーム操作を行うことにより、例えば、モグラ叩きに類似する操作のゲームを行える、複数の小形液晶画面を使用したゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
標的叩きゲーム機の代表的なものとして従来よりモグラ叩きゲームが存在する。
特許文献1は、モグラ叩きのゲームで、その構造は標的と標的を隠蔽する隠蔽手段を有し、隠蔽手段から露出した標的を叩く機械式の標的叩きゲームである。
また、タッチパネルを利用した標的叩きゲームも存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−21717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、このような機械式の標的叩きゲームは現れる標的が構造上、物理的な制約を受けてしまいゲームが単調になりがちとなる。すなわち、ゲーマーは隠蔽手段から出てくる標的を待ちかまえ、突出した標的をハンマーなどで叩いて得点を得、標的(善玉)によっては叩くことなく、より多くの得点を獲得できることを楽しむものであるが、その操作および動作自体は出てくる標的をいち早く叩くというものである。
【0005】
本発明の目的は、主液晶画面の他に、副液晶画面を複数個有し標的を画面上に表示し、物理的な制限を受けることなく様々な標的を表示することが可能で、副液晶画面の前面に開閉可能で液晶画面の一部を可視できる窓を設けることにより、画像と窓を組み合わせた、より飽きのこないゲーム演出ができることに加えて、主液晶画面を取り付けた壁面に副液晶画面を配置することにより音声方向によるプレイヤの誘導が可能な複数の小形液晶画面を使用したゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、筐体の壁面に設置され、ゲームの内容および状態情報を表示する主液晶画面と、前記主液晶画面の周囲に設けられ、その画面上に標的であるキャラクタやアイテムなどを表示したり、画面上から消したりする複数の副液晶画面と、前記複数の副液晶画面の前面にそれぞれ設けられ、開閉可能で、閉じた状態でも液晶画面の一部を視認できる窓と、前記複数の副液晶画面毎に設けられ、各副液晶画面の上に現れるキャラクタやアイテムなどを取得・捕獲するための操作手段と、ゲームが起動された後、前記複数の副液晶画面にそれぞれキャラクタやアイテムを出現させる制御を行い、前記操作手段による操作により現れたキャラクタやアイテムを取得・捕獲した場合、その成果を前記主液晶画面に表示するとともに現在のゲームの状態の情報を表示する制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の請求項2は、請求項1記載の発明において前記壁面を有する筐体は円柱体であり、該円柱体の一か所に前記主液晶画面を配置し、該主液晶画面より前記円柱体の円周面に沿って複数の前記副液晶画面を配置することにより、前記主液晶画面を中心に円柱体の一周する位置に前記副液晶画面が設けられたことを特徴とする。
本発明の請求項3は、請求項1または2記載の発明において前記壁面を有する筐体は角柱体か、横方向に幅を有する板であることを特徴とする。
本発明の請求項4は、請求項1,2または3記載の発明において前記副液晶画面毎に、その付近に対応の副液晶画面の表示が変化した場合に音を発する発音体を設けたことを特徴とする。
本発明の請求項5は、請求項1,2,3または4記載の発明において前記キャラクタはお化けであり、複数の副液晶画面にお化けが現れるように構成し、複数の副液晶画面のいずれかにお化けが現れた場合、該お化けを捕獲するようにプレイヤは操作するものであり、捕獲したお化けは主液晶画面に表示される牢屋に収容されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記構成によれば、本発明は主液晶画面の他に、副液晶画面を複数個有し標的を画面上に表示する為、物理的な制限を受けず様々な標的(キャラクタ,アイテム,移動物体など)を表示する事が可能である。また副液晶画面の前面に開閉可能で液晶画面の一部を可視出来る窓を設けることにより、画像と窓を組み合わせた、より飽きの来ないゲーム演出が可能となる。さらに柱体の壁面に副液晶画面を配置することにより映像だけでなく、音声方向によるプレイヤの誘導が可能となる。また、柱体筐体に小形液晶画面を複数配置することにより周囲を回るという新しいゲームプレイスタイルを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明による複数の小形液晶画面を使用したゲームシステムの概略図である。
【図2A】本発明に用いる副液晶画面の表示および操作例を説明するための図で、(a)は窓を閉じた状態を、(b)は窓を開けた状態をそれぞれ示している。
【図2B】窓構造および窓を開ける速度を検出する機構を説明するための図である。
【図2C】開閉式窓の回転軸のクリック機構を説明するための図である。
【図3】本発明による複数の小形液晶画面を使用したゲームシステムの回路の実施の形態を示すブロック図である。
【図4A】本発明による複数の小形液晶画面を使用したゲームシステムの流れを説明するためのフローチャートで、前半部分を示している。
【図4B】本発明による複数の小形液晶画面を使用したゲームシステムの流れを説明するためのフローチャートで、後半部分を示している。
【図5】副液晶画面に現れるお化けの捕らえ方を説明するための図である。
【図6】お化けが各副液晶画面に移動する状態を説明するための図である。
【図7】開閉式窓を開けるときの副液晶画面のお化けの状態を説明するための図である。
【図8】本発明による複数の小形液晶画面を使用したゲームシステムの外観の実施の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明による複数の小形液晶画面を使用したゲームシステムの概略図である。
ゲームシステム1本体は円筒形状であり、円筒形状の周面に主液晶画面2が配置されている。主液晶画面2の周囲には隣接する位置から裏面を回って反対側の隣接する位置まで、上下2列で副液晶画面3−1,3−2,3−3,3−4・・・3−nが配置されている。副液晶画面3−1,3−2,3−3,3−4・・・3−nには一部内部が見える開閉式窓4−1,4−2,4−3,4−4・・・4−nが設けられ、さらにこのゲームに登場する標的を捕獲するためのボタン5−1,5−2,5−3,5−4・・・5−nがそれぞれ設置されている。
【0010】
主液晶画面2の下側にはゲーム開始ボタン,キャンセルボタン,選択・撃退ボタンなどを有する操作部17が配置され、さらにその下にコイン投入部19が設けられている。
また、副液晶画面3−1,3−2,3−3,3−4・・・3−nには捕獲対象である標的20が発する音や音声などを出力するスピーカ(図示されていない)がそれぞれ配置されている。
このゲームシステムのゲームは、例えば標的であるお化けを捕獲するゲームであり、所定時間内に多くのお化けを捕らえて楽しむものである。
【0011】
図8にこのゲームシステムの外観の実施の形態を示す。
お化けの館という建物を模した略円筒形の周面に設けられている主液晶画面には、ゲーム開始時、タイムカウントダウンを刻む時計,お化けの種類を示すお化けの画像および捕らえたお化けを収容する牢屋が表示される。なお、プレイヤライフを示す表示を行うこともでき、お化けに襲われると、ライフの一定量を減少させる構成にもできる。ライフが「0」になれば、タイムオーバ以外でもゲーム終了となる。また、主液晶画面で表示された多数のお化けの内、どの種類のお化けを捕獲するかプレイヤが選択できるようにすることもできる。
プレイヤは周囲の副液晶画面に現れるお化けを捕らえるためにお化けの館の周囲を回り窓を開けてボタンを押すという操作を行う。
【0012】
図2Aは本発明に用いる副液晶画面の表示および操作例を説明するための図で、(a)は窓を閉じた状態を、(b)は窓を開けた状態をそれぞれ示している。
(a)に示すように、プレイヤは捕獲対象である標的20がその窓の部分に現れると開閉式窓4のすきまから標的20の存在を確認することができる。開閉式窓4aを(b)に示す開けた状態で、まだ、標的20が逃げることなく副液晶画面3aに表示されていれば、その時の標的20の姿勢(後ろ向き)によってはボタン5を押すことにより捕獲することができる。
標的に気づかれないようにするには、開閉式窓4をゆっくりと開ける。速く開けると、標的20に気付かれてしまう。かかる場合にはプレイヤは標的に襲われることもある。
【0013】
図2Bは、窓構造および窓を開ける速度を検出する機構を説明するための図である。
開閉式窓4の回転軸7の端部に回転円板6が取り付けられている。回転円板6の外周部に沿って回転量を検出するための位置検出孔6aが所定の間隔で多数穿たれている。
LED22aおよびホトダイオード22bからなるホトカプラ22が外周部を挟むように設置されている。LED22aから発せられる光は位置検出孔6aを通ってホトダイオード22bで受光されるようになっており、回転円板6の回転で、位置検出孔6aの数をカウントすることにより回転円板6の回転量(回転角度)を検出することができ、開閉式窓4の回転角度をCPU10(図3参照)は知ることができる。CPU10は、検出した回転角度と回転にかかった時間より開閉式窓4の回転速度を算出することができ、所定の速度より速く開けられたか、ゆっくり開けられたかを判断することができる。
【0014】
図2Cは、開閉式窓の回転軸のクリック機構を説明するための図である。
この機構は、プレイヤが開閉式窓を開けた場合、開閉式窓4が全開された位置をプレイヤに認識させるため、および一旦窓を全開したときにはその状態を維持するために必要なものである。
回転軸7の他方端に突起8aを有する金属支承板8が取り付けられている。金属支承板8に対向して嵌合孔9aを有する回転位置決定板9が配置されている。回転軸7は回転位置決定板9の方向に付勢力が加えられているため、窓が閉じている状態では突起8aは回転位置決定板9の面に押し当てられている状態となっている。プレイヤが窓を開け始めると、突起8aは回転位置決定板9の面に押し当てられながら矢印80に示すように移動する。やがて突起8aが嵌合孔9aに嵌合すると、その位置が窓の全開位置であり、窓はその状態が維持される。突起8aが嵌合孔9aに嵌合すると「カチッ」という音が発生するため、プレイヤは全開状態になったことを認識することができる。プレイヤが開閉式窓を「ゆっくり」開ける場合、その場合の「ゆっくり」の操作感を維持し全開位置に達したことを知らせることが、どの程度の操作速度が「ゆっくり」であって、標的に気づかれないかを学習させるために有効である。
全開状態ではプレイヤが手を離しても窓はその位置に維持されボタン5を確実に押すことができる。窓の全開状態が所定の時間継続すると、付勢力は解放されるようになっており、これにより窓は自重により閉じる。
【0015】
図3は本発明によるゲームシステムの回路の実施の形態を示すもので、「お化けはどこだ?」というタイトルのゲームを実行する回路例を示している。
コイン投入部19からコインが投入されるとコインが検出され、その情報はコイン関連装置18,入出力制御回路13を介してCPU10に伝達される。コイン投入の状態、すなわちコイン数・プレイ数などの設定値はバックアップメモリ24に格納される。
主液晶画面側操作部17は開始ボタン17a,キャンセルボタン17b,選択・撃退ボタン17cを有しており、各ボタンの操作情報は入出力制御回路13を介してCPU10に送られる。
ROM11にはこのゲームシステムの全体を制御する制御プログラム11a,「お化けはどこだ?」のゲームを実行するゲームソフト11b,このゲームに必要なデータ11cが格納されている。RAM12は制御部10aなどで行う演算,処理の作業エリアとして用いられるとともに処理によって発生する情報を一時的に記憶する。
【0016】
CPU10はROM11から制御プログラム,ゲームソフトを読み込むことにより、制御部10a,ゲーム実行部10b,回転位置・速度検出制御部10cの各機能を実現する。CPU10の制御部10aは装置全体の制御を行い、例えばコイン投入の情報を受けた場合、適正なコイン投入を確認すると、ゲーム起動のため制御をゲーム実行部10bに渡す。
ゲーム実行部10bはゲームプログラムに従ってゲームを進行させ、操作情報に対応した処理を行う。ゲームプログラムは、主液晶画面2にお化け,タイムカウントダウンの時計,牢屋などを表示し、捕獲すべきお化けを副液晶画面3−1〜3−nにランダムに現れるように処理し、プレイヤがこれを発見し、開閉式窓4−1〜4−nを開けてボタン5−1〜5−nを押すと、お化けが捕獲され主液晶画面2の牢屋に収容するようにゲームを処理する。
【0017】
回転位置・速度検出制御部10cはLED発光・光検出制御部21を制御しプレイヤの開閉式窓4−1〜4−nの開放操作に伴い、回転位置を検出し速度を算出するため回転位置・速度検出機構23のホトカプラ22−1〜22−nを駆動する。LEDから発する光をホトダイオードが受光して回転円板6の位置検出孔6aをカウントすることにより、窓の回転角度および時間を得ることができる。ゲーム実行部10bはこの情報を受け、回転速度を算出し、プレイヤが窓を開ける速度が所定の速度より遅いか、速いかを判断し、遅い場合は、例えば後ろ向きに現れているお化けに気づかれないような処理をし、お化けの後ろ向きの表示を維持する。また、所定速度より速い場合、お化けに気づかれるような処理(お化けが後ろ向きであったのが前向きの表示に変わる)を行う。かかる場合、お化けはそのまま逃走するか、またはプレイヤに襲いかかることとなる。
【0018】
また、ゲーム実行部10bはお化けが捕獲されて牢屋に収容され、一定時間経過した場合、仲間のお化けが牢屋に収容されたお化けを助けるための処理を行うことがあるが、牢屋からお化けが助け出される前にプレイヤがその状態に気づいたとき、選択・撃退ボタン17cを押せば、救出を阻止するような処理を行う。
主液晶画面2はCPU10の制御に基づき駆動回路15により、また、副液晶画面3−1〜3−nは駆動回路16により、それぞれ駆動させられる。
各副液晶画面側に設けられているスピーカ25−1〜25−nはCPU10の指示に基づき制御され、音声制御回路14の駆動制御により音声や音などを出力する。例えば、ゲーム実行部10bがお化けの叫ぶ声を発する処理をおこなえば、対応の副液晶画面に設けられているスピーカからその叫び声が出力され、プレイヤはどの副液晶画面に現れるのか見当をつけることができる。
【0019】
図4A,図4Bは本発明による複数の小形液晶画面を使用したゲームシステムの流れを説明するためのフローチャートである。
コインを投入する操作が行えるようになっている(ステップ(以下「S」という)001)。CPU10は適正なコインが投入されたか否かを監視している(S002)。
適正なコインが投入されると、CPU10はその検知情報を受けてゲームソフトを駆動する(S003)。そして、主液晶画面2に捕獲すべきお化けを選択するための各種のお化け、およびその捕獲数が表示される。また、お化けを収容するための牢屋,ゲーム時間を制限するタイマが表示される。さらに、プレイヤライフなどが表示される(S004)。プレイヤがお化けに攻撃されると、プレイヤのライフが減少する。
【0020】
プレイヤは主液晶画面2を見て、どの種類のお化けを捕獲するかを選択することができる(S005)。選択・撃退ボタン17cによりお化けを選択すると、ゲーム開始操作がなされたか否かを判断する(S006)。ゲーム開始ボタン17aが押されるとゲームが開始する。ゲーム実行部10bは不特定の副液晶画面にランダムにお化けを出現させる。また、その際にお化けが発する声なども出力する(S007)。プレイヤはゲームシステムの円柱に設置されている各副液晶画面を回り、お化けが発する声などもたよりにお化けを探すこととなる(S008)。お化けが現れていれば、開閉式窓4−1〜4─nの隙間から確認することができる。お化けが現れ(S009)、それをプレイヤが発見したか否かを開閉式窓が開けられたか否かによって判断する(S010)。開閉式窓が開けられた場合、その速度は所定の速度より遅いか速いかを判断する(S011)。
【0021】
所定の速度より遅い場合、お化けは気づかない。一方、所定の速度より速い場合、お化けはプレイヤの存在に気づく。プレイヤが窓を所定の速度より遅く開けた場合、お化けは後ろ向きか、前向きかを判定する(S014)。後ろ向きであれば、お化けはそのまま後ろ向きの表示となる。そしてお化けが逃げる行動をとる前にボタン5を押したか否かを判断する(S015)。逃げる行動をとる前にボタンを押した場合、お化けは牢屋に収容される(S017)。お化けが逃げる行動を取った後にボタンを押した場合は、お化けは逃走する(S016)。
S011の判定において、窓を開く速度が所定速度より速い場合、お化けに襲われたか否かを判断する(S012)。窓を開く速度が所定速度より速い場合、お化けにプレイヤが襲われる場合と,お化けが逃げる場合がある。プレイヤがお化けに襲われた場合、プレイヤのライフは減少する(S013)。したがって主液晶画面に表示されているライフの表示の数値が小さくなる。
【0022】
S012においてプレイヤを襲わない場合、お化けは逃げ出すこととなる(S016)。また、S014で前向きの場合は、S012の判断に移行する。
お化けが牢屋に収容された場合、ゲーム実行部10bは次のお化け捕獲に一定時間経過したか否かを判断する(S018)。プレイヤはお化けを捕獲すると、お化けの声などを頼りにつぎのお化け捕獲に動き回ることになる。このような状態で一定時間経過した場合、他のお化けが仲間のお化けを助けにいく行動をとる(S019)。ゲーム実行部10bは仲間のお化けを助けにきたことを阻止するためにプレイヤが選択・撃退ボタン17cを押したか否かを判断する(S020)。選択・撃退ボタン17cを押した場合は、仲間のお化けを助けることはできない。選択・撃退ボタン17cが押されなかった場合には牢屋からお化けが逃げ出し、捕獲お化けが減少する(S021)。
【0023】
つぎにタイムアウトになったか、またはプレイヤライフが無くなったか否かを判断する(S022)。タイムアウト,またはプレイヤライフ無しとなれば、その時点でゲームは終了する。一方、制限時間およびプレイヤのライフが残っている場合、S007に戻り、お化け捕獲のゲームが続行する。
【0024】
図5は副液晶画面に現れるお化けの捕らえ方を説明するための図である。
(a)に示すように副液晶画面33にお化け31が現れると開閉式窓32からお化けがいることをプレイヤは確認することができる。
お化けは前向きの状態である。この状態で開閉式窓32を開けた状態が(b)である。
図4A,図4Bの流れの例では、前向きの場合で開いた場合、襲ってくるか、または逃げるかの何れかであるので、たとえ捕獲ボタン34を押しても捕らえることはできない。
【0025】
図6はお化けが各小形液晶画面に移動する状態を説明するための図である。
お化け31は主液晶画面35で表示され、お化けは自由に壁を抜けることができ、各副液晶画面33−1〜33−5のいずれにも自由に姿を現すことができる。
【0026】
図7は開閉式窓を開けるときの副液晶画面のお化けの状態を説明するための図である。
(a)はいきなり、すなわち速い速度で開閉式窓32を開けた場合であり、かかる場合にはお化け31aは驚いて逃げたり、襲ってきたりする。
(b)はお化けに気づかれないように開閉式窓32をゆっくり開けた場合であり、このような開け方をすると、お化け31bは気づくことはない。
【0027】
以上の実施の形態は標的であるキャラクタをお化けとし、副液晶画面でお化けを捕まえ、主液晶画面の牢屋に収容するゲームの例を説明したが、標的としてのキャラクタはお化けではなく、他の移動物体でもよい。また、標的としてアイテムを対象にし、副液晶画面に出現するアイテムを取得するゲームも同様に適用できる。
主液晶画面部や副液晶画面部に操作ボタンを配置した例を説明したが、この代わりにタッチパネルやメダルを使用してもよい。
また、ゲームの流れとして捕獲ボタンを押すことによりお化けを牢屋に入れる例について説明したが、捕獲後に一定時間内に主液晶画面用の操作部に入力することにより牢屋に入れることも可能である。かかる場合、一定時間経過した後に入力を行った場合、お化けが逃げる演出表示がなされる。
ゲーム開始画面ではお化けの種類が表示され、その中から捕獲する種類のお化けを選択する例について説明したが、当初よりお化けの捕獲対象を指示するように構成することもできる。このような場合にはお化け捕獲の後に該当お化けか否かを判断するステップをとる必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0028】
主液晶画面にゲームの画面を表示し、その周囲に設置された複数の副液晶画面を用いてゲームを行う複数の小形液晶画面を使用したゲームシステムである。
【符号の説明】
【0029】
1 ゲームシステム
2,35 主液晶画面
3,3a,3−1〜3−n,33 副液晶画面
4,4a,4−1〜4−n,32 開閉式窓
5,5−1〜5−n,34 ボタン
6 回転円板
7 回転軸
8 金属支承板
9 回転位置決定板
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 入出力制御回路
14 音声制御回路
15,16 駆動回路
18 コイン関連装置
19 コイン投入部
20 標的
21 LED発光・光検出制御部
23 回転位置・速度検出機構
24 バックアップメモリ
31 お化け

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の壁面に設置され、ゲームの内容および状態情報を表示する主液晶画面と、
前記主液晶画面の周囲に設けられ、その画面上に標的であるキャラクタやアイテムなどを表示したり、画面上から消したりする複数の副液晶画面と、
前記複数の副液晶画面の前面にそれぞれ設けられ、開閉可能で、閉じた状態でも液晶画面の一部を視認できる窓と、
前記複数の副液晶画面毎に設けられ、各副液晶画面の上に現れるキャラクタやアイテムなどを取得・捕獲するための操作手段と、
ゲームが起動された後、前記複数の副液晶画面にそれぞれキャラクタやアイテムを出現させる制御を行い、前記操作手段による操作により現れたキャラクタやアイテムを取得・捕獲した場合、その成果を前記主液晶画面に表示するとともに現在のゲームの状態の情報を表示する制御を行う制御手段と、
を備えたことを特徴とする複数の小形液晶画面を使用したゲームシステム。
【請求項2】
前記壁面を有する筐体は円柱体であり、
該円柱体の一か所に前記主液晶画面を配置し、該主液晶画面より前記円柱体の円周面に沿って複数の前記副液晶画面を配置することにより、
前記主液晶画面を中心に円柱体の一周する位置に前記副液晶画面が設けられたことを特徴とする請求項1記載の複数の小形液晶画面を使用したゲームシステム。
【請求項3】
前記壁面を有する筐体は角柱体か、横方向に幅を有する板であることを特徴とする請求項1または2記載の複数の小形液晶画面を使用したゲームシステム。
【請求項4】
前記副液晶画面毎に、その付近に対応の副液晶画面の表示が変化した場合に音を発する発音体を設けたことを特徴とする請求項1,2または3記載の複数の小形液晶画面を使用したゲームシステム。
【請求項5】
前記キャラクタはお化けであり、複数の副液晶画面にお化けが現れるように構成し、複数の副液晶画面のいずれかにお化けが現れた場合、該お化けを捕獲するようにプレイヤは操作するものであり、捕獲したお化けは主液晶画面に表示される牢屋に収容されることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の複数の小形液晶画面を使用したゲームシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−457(P2013−457A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136475(P2011−136475)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】