説明

複数の温度感知要素を使用して組織のアブレーションを制御するためのシステム及び方法

アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行なうシステム及びそれに関連する方法。当該システム及び方法は、電力パルスの順番でアブレーション・エネルギーを各エミッタに個別に送る。当該システム及び方法は、各エミッタ地点の温度を定期的に感知し、感知した温度を全てのエミッタに対して確立されている望ましい温度と比較し、比較結果に基づいて各エミッタに対して個別に信号を生成する。当該システム及び方法は、各エミッタに対する信号に基づいてエミッタへの電力パルスを個別に変化させ、組織のアブレーション中に全てのエミッタにおける温度を本質的に望ましい温度に維持する。

【発明の詳細な説明】
複数の温度感知要素を使用して組織のアブレーションを 制御するためのシステム及び方法発明の技術分野 本発明は、心臓病の治療のために心筋組織のアブレーションを行うためのシステム及び方法に関する。
発明の背景 医師は、今日の医療処置において、カテーテルを使用して体内の内部領城にアクセスし、目的の組織領域のアブレーションを行なっている。医師にとり、カテーテルを体内に正確に位置付けて、組織のアブレーション処置中に体内でのカテーテルからのエネルギーの放射を制御することは重要なことである。
例えば、電気生理学治療において、アブレーションは心臓のリズム障害の治療に用いられている。
この処置中、医師はカテーテルを主要な静脈又は動脈から治療する心臓の内部領域に誘導する。医師は次に、カテーテルが担持しているアブレーション要素をアブレーションを行う心臓組織の近くに配置する。医師は、アブレーション要素からのエネルギーを集中させ、組織のアブレーションを行なって損傷を形成する。
電気生理学治療では、異なる形状の損傷を心臓組織内に形成できるアブレーション要素に対するニーズが高まっている。
例えば、心房細動を治療するには、心臓組織内にそれぞれ異なる曲線形状の細長い損傷を形成する必要があると考えられている。このような細長い損傷パターンを形成するには、複数のアブレーション領域を持つ可撓性のアブレーション要素を心臓内に配置する必要がある。アブレーションでこれらの損傷を形成することにより、現在の、入り組んだ外科処置による複雑な縫合パターンの形成と同じ治療効果を、侵襲的な開心手術を行うことなく提供できる。
別の例を示すと、心房粗動及び心室頻拍の治療には、心臓組織内に比較的大きく深い損傷パターンを形成する必要があると考えられている。サイズの大きい電極を使用するだけではこのニーズは満たされない。大きな電極を担持するカテーテルは、心臓内への誘導が難しく、従って心臓組織と密接に接触するように配置することが難しい。しかし、これらの電極に要求されるより大きなアブレーション量を、可撓性の本体に沿って間隔を空けて複数の電極を配置して提供することにより、上記の間題は克服できる。
より大きい、及び/又は長い複数の電極要素を使用した場合、アブレーション処理をより正確に制御することが必要となる。アブレーション・エネルギーの放射は、組織傷害や凝塊の形成を防ぐために、制御する必要がある。アブレーション・エネルギーの放射はまた、注意深く制御して、アブレーションの行われた組織にホット・スポットやギャップを形成することなく、均一で連続した損傷を形成する必要がある。
発明の概要 本発明の主要目的は、複数のアブレーション要素を使用して組織のアブレーションを行う改善されたシステム及び方法を提供することである。
本発明の一態様は、アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行うシステム及びそれに関連する方法を提供している。このシステム及び方法は、連続する電気パルスごとに個別にアブレーション・エネルギーを各エミッタに送る。各電気パルスはデューティーサイクル(DUTYCYCLE)及び振幅(AMPLITUDE)を持ち、これらは電流又は電圧で表現できる。各エミッタに送られる組織のアブレーション用の電力(POWER)は、以下のように表現される。
POWER 〜 AMPLITUDE2×DUTYCYCLE このシステム及び方法は、定期的に各エミッタ地点の温度を感知する。システム及び方法は、感知した温度をすべてのエミッタに対して確立した望ましい温度と比較し、比較結果に基づいて各エミッタへの信号を個別に生成する。システム及び方法は、各エミッタに対して生成された信号に基づいて各エミッタへの電気パルスを個別に変化させる。このようにして、システム及び方法は、組織のアブレーションを実行する間、全てのエミッタにおける温度を本質的に望ましい温度に維持する。
1つの実施熊様では、このシステム及び方法は、各エミッタへの信号に基づいて電力パルスの振幅を個別に変化させることにより電力パルスを変化させ、その一方で全てのエミッタに対する電力パルスのデューティーサイクルを本質的に同じに維持する。この実施例の望ましい例では、システム及び方法は、電圧を変化させることにより振幅を変化させている。更に、この実施例の望ましい例では、デューティーサイクルを1/Nに設定(Nはエミッタの数)している。
別の実施例では、システム及び方法は、各エミッタに対する信号に基づいてエミッタのデューティーサイクルを個別に変化させることにより電力パルスを変化させ、その一方で全てのエミッタに対する電力パルスの振幅を本質的に同じに維持する。
別の実施例では、システム及び方法は、各エネルギーのエミッタに対する信号
に基づいてこのエミッタ用の電気パルスのデューティーサイクル及び振幅の両方を個別に変化させることにより電力パルスを変化させている。
本発明の別の態様によると、システム及び方法は、アブレーション・エネルギーを組織のアブレーションを行うための複数のエミッタに送り、その一方で定期的に各エミッタ地点の温度を感知する。本発明のこの態様は、あらかじめ設定した規準に基づいて感知した温度のうちから1つの温度を選択し、これを望ましい温度と比較して信号を生成する。このシステム及び方法は、この選択された信号
に基づいて全てのエミッタへのアブレーション・エネルギーの伝達を制御する。
本発明のこの態様の望ましい実施例では、システム及び方法は、感知した温度の中から最高温度を選択する。
本発明の更に別の態様によると、システム及び方法は、各エミッタ地点で計測した温度を選択した温度と比較し、比較結果に基づいて各エミッタに対する信号
を個別に生成する。システム及び方法は、各エミッタに対して生成した信号に基づいて各エミッタへのアブレーション・エネルギーの伝達を個別に制御する。
本発明のこの態様の望ましい実施例では、システム及び方法は、各エミッタに対する信号に基づいて個別にエネルギー・エミッタをオン又はオフに切り換えることにより、アブレーション・エネルギーの伝達を制御する。この実施例では、システム及び方法は、感知した温度の中から最低温度を選択して比較に使用する。
本発明の別の態様は、生体組織のアブレーションを行うためのシステム及び方法を提供し、これらは各エミッタ地点において少なくとも2つの温度を定期的に感知する。このシステム及び方法は、感知した温度の中から最高温度を選択し、これを望ましい温度と比較して信号を生成する。システム及び方法は、この信号
に基づいてエミッタへのエネルギーの伝達を制御する。
本発明のこの態様の1つのバリエーションでは、システム及び方法は、各エミッタ地点で感知した複数の温度に基づいてそのエミッタ地点における組織の最高温度を予測する。システム及び方法は、この予想最高組織温度を望ましい温度との比較のために用いて、信号を生成する。システム及び方法は、この信号に基づいてエミッタへのエネルギーの伝達を制御する。
望ましい実施例では、システム及び方法は、アブレーション・エネルギーをアブレーション・エネルギーの複数のエミッタに個別に送る。システム及び方法は、各エミッタ地点において少なくとも2つの温度を定期的に感知する。システム及び方法は、各エミッタに対して感知した温度の中から最高温度を選択するか、各エミッタに対して感知した温度に基づいて組織の最高温度を予測する。この実施例において、システム及び方法は、各エミッタ地点の最高温度又は予測最高組織温度を、全てのエミッタに対して確立した望ましい温度と比較し、比較結果に基づいて各エミッタに対する信号を個別に生成する。システム及び方法は、各エミッタに対する信号に基づいてエミッタへのエネルギーの伝達を個別に制御し、組織のアブレーション中にすべてのエミッタ地点の最高温度又は予測最高組織温度を本質的に望ましい温度に維持する。
本発明の様々な態様を、個別に、又は組み合わせて具体化したシステム及び方法は、カテーテルを使用する心臓のアブレーションにおける使用に非常に適している。
本発明のその他の特徴及び利点は、以下の説明及び図面、更に添付の請求の範囲で述べられている。
図面の簡単な説明 図1は、複数の温度感知要素を持つ可撓性のアブレーション要素を担持するプローブの図である。
図2は、図1で示されたプローブのハンドルの拡大図で、一部の外廓を破断し、断面を表示するために切断して、アブレーション要素を曲げるためのステアリング機構を示している。
図3及び図4は、異なる組織表面の輪郭に対して曲げられたアブレーション要素を示している。
図5は、1つの温度感知要素を担持するアブレーション電極要素の端部断面図である。
図6は、2つの温度感知要素を担持するアブレーション電極要素の端部断面図である。
図7は、3つの温度感知要素を担持するアブレーション電極要素の端部断面図である。
図8は、複数の非可撓性の電極要素から成る可撓性のアブレーション要素の側断面図で、少なくとも1つの温度感知要素を電極要素の下に取り付ける1つの方法を示している。
図9は、複数の非可撓性の電極要素から成る可撓性のアブレーション要素の側断面図で、少なくとも1つの温度感知要素が隣接する電極要素の間に取り付られているところを示している。
図10は、複数の非可撓性の電極要素から成る可撓性のアブレーション要素の側断面図で、少なくとも1つの温度感知要素が電極要素の上に取り付けられているところを示している。
図11は、図10に示された非可撓性の電極の上に温度感知要素が取り付けられたところの拡大平面図である。
図12A/B/Cは、複数の熱電対をアブレーション要素と関連させて使用するための接続の各代替方法を示す概略図である。
図13は、複数の電極及び複数の熱電対を持ち、更に血液プールにさらされている内蔵型基準熱電対を含む可撓性のアブレーション要素の側面図である。
図14Aは、図13に示された内蔵型基準熱電対の拡大側断面図である。
図14Bは、図13に示された内蔵型基準熱電対の代替実施例の拡大側断面図である。
図15Aは、複数の熱電対に対して星形回路網が基準接合点として取り付けられているところの側断面図である。
図15Bは、図15Aの基準接合点の星形回路網の概略図である。
図16Aは、複数の内蔵型基準熱電対が取り付けられているところの側断面図である。
図16Bは、図16Aが示す複数の内蔵型基準熱電対の概略図である。
図17は、可撓性のアブレーション要素と連係して使用できる可撓性の複合熱電対の斜視端図で、一部の外廓が破断され、断面を表示するために切断されている。
図18は、可撓性のアブレーション要素と連係して使用する可撓性の熱電対の側断面図である。
図19及び図20は、複数の温度感知入力を使用して、複数の電極へのアブレーション・エネルギーの伝達を制御するためのシステムの概略図である。
図21は、図19及び図20に示される温度フィードバック・コントローラの使用を示す概略的なフローチャートで、コントローラは総合的なデューティーサイクル制御と個別の振幅制御を行なっている。
図22は、図19及び図20に示される温度フィードバック・コントローラの使用を示す概略的なフローチャートで、コントローラは総合的な振幅制御と個別のデューティーサイクル制御を行なっている。
図23は、図19及び図20に示される温度フィードバック・コントローラの使用を示す概略的なフローチャートで、コントローラはヒステリシスと共に温度制御を行なっている。
図24は、図19及び図20に示される温度フィードバック・コントローラの使用を示す概略的なフローチャートで、コントローラは可変振幅を使用し、示差温度による無効化を行なっている。
図25は、図19及び図20に示される温度フィードバック・コントローラの使用を示す概略的なフローチャートで、コントローラは示差温度による無効化を行なっている。
図26は、ニューラル・ネットワーク予測器の概略図で、予測器は入力として任意の電極領城で複数感知要素が感知した温度を受け取り、最高温度を持つ組織領域の予測温度を出力する。
本発明は、その趣旨及び重要な特徴から逸脱することなく様々な形態で具体化できる。本発明の範囲は、添付の請求の範囲で定義されるもので、それ以前の特定の記述で定義されるものではない。請求と同等の意味及び範囲内に収まる全ての実施例は、従って請求の範囲に含まれるものとする。
好ましい実施態様の説明 この明細書は、本発明の態様を具体化する複数電極の構造を示すものである。
この明細書はまた、本発明のその他の態様を具体化する、複数の温度感知要素を使用した組織のアブレーション・システム及び技術を示すものである。図示されている望ましい実施例は、カテーテルを使用した心臓のアブレーションに関連させてこれらの構造、システム、及び技術を説明している。これは、これらの構造、システム、及び技術が心臓のアブレーションの分野における使用に非常に適しているためである。
しかし、本発明はその他の組織のアブレーションにも適用できることが認識されなければならない。例えば、本発明の様々な態様は、必ずしもカテーテルを使用しないシステムを使用して、前立腺、脳、胆嚢、子宮、及びその他の生体領域の組織のアブレーションを行う処置に適用される。
I.可撓性のアブレーション要素 図1は、心臓内に損傷を形成するための可撓性のアブレーション要素10を示している。
要素10は、アブレーション・プローブ14のカテーテル本体12の遠位端に担持されている。アブレーション・プローブ14は、カテーテル本体12の近位端にハンドル16を具備している。ハンドル16及びカテーテル本体12は、ステアリング機構18を担持しており、図1の矢印が示すように、アブレーション要素10を2つの相反する方向に選択的に曲げる又は撓ませることができる。
ステアリング機構18は、様々な方法で具体化できる。図示されている実施例(図2参照)では、ステアリング機構18は外付けステアリング・レバー22(図1参照)の付いた回転カムホイール20を具備している。図2が示すように、カムホイール20はステアリング・ワイヤ24の左右の近位端を保持している。
ワイヤ24は、カテーテル本体12を通じて、アブレーション要素10内のチューブ28に覆われている弾性の可曲性ワイヤすなわちバネ26の左右両側に接続している(図5、6、及び7参照)。
この詳細及びアブレーション要素10用のその他の種類のステアリング機構は、Lumdquist及びThompsonによる米国特許第5,254,088号に示されており、これはこの明細書に参考として取り入れられている。
図1が示すように、ステアリング・レバー22を前方に移動すると、アブレーション要素10が下方に撓む、あるいは曲がる。ステアリング・レバー22を後方に移動すると、アブレーション要素10が上方に撓む、あるいは曲がる。
様々なアクセス技術を使用してプローブ14を所望の心臓領域に誘導することができる。例えば、右心房に到達するには、医師は従来の血管イントロデューサを使用して大腿部の血管からプローブ14を誘導できる。左心房に到達するには、医師は従来の血管イントロデューサを使用して逆に大動脈弁及び僧帽弁からプローブ14を誘導できる。
このようにする代わりに、医師は、1993年3月16日出願の係属中の米国特許出願、第08/033,641号に示される誘導システム、”Systems and Methods Using Guide Sheaths for Introducing,Deploying,and Stabilizing Cardiac Mapping and Ablation Probes(ガイド・シースを使用して心臓のマッピング及びアブレーション用プローブを誘導、展開、及び固定するためのシステム及び方法)”を使用することができる。
医師は、従来のペーシング技術及び感知技術を使用して、要素10と心臓組織が密接に接触しているかどうかを確認することができる。医師は、いったん所望の心臓領域の組織との密接な接触を確立すると、アブレーション・エネルギーを要素10に送る。要素10に送るアブレーション・エネルギーは、様々なものを使用できる。図示されている望ましい実施例では、要素10は電磁無線周波エネルギーを放射する。
可撓性のアブレーション要素10は、様々な方法で設計できる。図3及び図4は、1つの望ましい実施例を示している。この実施例では、要素10は、可撓性の本体32上に間隔を置いて分割して配置された複数の、通常非可撓性の電極要素30を具備している。
可撓性の本体32は、ポリエチレンやポリウレタンのような、重合体の、非導電性の材料でできている。分割されている電極30は、白金のような伝導性の材料でできた、切れ目のないリングから成っている。電極リング30は、本体32の回りに圧力を利用して取り付けられる。本体32の各リング30の間の可撓性の部分は、非電導性の領域となっている。分割されている電極30は、電気的にワイヤ(図示省略)に結合しており、ワイヤにアブレーション・エネルギーを伝える。
本体32は、間隔の空いている各電極30の間で曲げられ、電極30を心臓壁の湾曲した表面に沿って、心臓の表面が外側に湾曲(図3参照)していても、内側に湾曲(図4参照)していても、密接に接触させることができる。電極セグメント30の数及び間隔は、アブレーション処置の各目的に応じて様々に変化できる。同様に、各電極セグメント30及び基になっている本体32の寸法も、目的に応じて変化できる。
一般的に、要素10の分割されている電極構造は、各電極セグメント30が互いに近い間隔で配置され、アブレーション・エネルギーが隣接する電極セグメント30に同時に送られる場合には、連続した細長い損傷パターンを形成するのに非常に適している。隣接する電極セグメントが電極セグメントの直径の約2.5倍以下の間隔で配置されている場合には、連続した損傷パターンが形成される。しかし、アブレーション・エネルギーは、所望する場合には、1つのみ、又は選択した電極セグメントのグループに選択的に個別に送り、損傷バターンの大きさ及び特徴を更に変化させることができる。
要素10の分割された電極構造では、電極セグメント30及び基になっている可撓性の本体32の直径は、約4フレンチから約10フレンチの間に設定できる。
非可撓性の電極セグメント30を使用すると、最小直径は約 1.35 mmとなる。
約 2 mmより小さい長さを持つ隣接する電極セグメントは、所望の連続した損傷パターンを必ずしも形成しないことが確認されている。非可撓性の電極セグメント30を使用すると、各電極セグメントの長さは約 2 mmから約 10 mmの間に設定できる。約10 mmより長い複数の非可撓性の電極セグメントを使用すると、各セグメントは要素10(1)の全体の柔軟性に悪影響を及ぼす。
代表的な分割された電極構造では、可撓性の本体32の直径は、約1.35 mmである。本体は、それぞれの長さが3 mmの電極セグメント30を担持している。8つの電極セグメント30を使用し、これらが同時に約60秒間100ワットの無線周波エネルギーで作動すると、長さが約5 cmで幅が約5 mmの細長い損傷パターンが形成される。この損傷パターンの深さは約3 mmであり、これは要求される経壁損傷(心房壁の厚さは通常3 mmより薄い)を形成するのに十分な深さである。
可撓性のアブレーション要素10が形成する損傷パターンの形状は、本体を直線状から曲線状に曲げることにより制御できる。既に説明されたように、本体は遠隔操作により所望の形状に曲げるか、固定メモリを取り付けて、同様に直線状から曲線状へと、あらかじめ所望の形状を形成することができる。
可撓性のアブレーション要素10を使用して、支持本体32を円状又は螺旋状に曲げて任意の組織領域における電極の密度を増加させることにより、より大きく深い損傷を形成することもできる。このような構造体において各電極セグメントが対角で互いに近い間隔で位置する、及び/又は直径上で近い間隔で向かい合うような配置は、電極セグメント30によるアブレーション・エネルギーの同時放射と合わさって、アブレーション・エネルギーの放射を著しく集中させることができる。電極セグメント30は、付加加熱効果を提供し、これにより損傷は、対角線上で互いに近い間隔で位置する、及び/又は直径上で近い間隔で向かい合う電極セグメント間に広がるようになる。広がった損傷は、要素10が接触している組織領域に大きく深い損傷パターンを形成する。
図示されている望ましい実施例では、可撓性のアブレーション要素10は、少なくとも2つの温度感知要素80を担持している。複数の温度感知要素80は、要素10の全体に沿った領域の温度を計測する。
この構成において、感知要素80は、図3及び図4が示すように、それぞれの分割された電極30の片側に沿って整列していることが望ましい。
本体32は、向きを確認するために蛍光透視マーカ(図3及び図4が示すストライプ82のような)を担持することが望ましい。ストライプ82は、タングステンや硫化バリウムのような材料でできていることが望ましく、これはチューブ12と一体になるよう成形される。成形されたストライプは、チューブ内に完全に収めるか、又はチューブの外径上に成形して目で確認できるようにすることもできる。図5は、チューブ12の壁に成形されたマーカを示している。このようにする代わりに、チューブの壁に成形できる白金又は金のような蛍光不透明のワイヤを使用することができる。更に別の実施例では、マーカは製造中にチューブの内径に取り付けられる。
感知要素80は、蛍光透視マーカ82と同じ側に取り付ける(図3及び図4参照)か、反対側に取り付けることができるが、医師がこれらの相対位置を理解している必要がある。マーカ82を利用して、医師は要素10(1)の向きを決定し、温度感知要素80が目的の組織に接触するようにする。
このようにする代わりに、又は蛍光透視マーカ82と併用して、感知要素10(1)が上下の任意の方向に曲がる際、感知要素80を要素10(1)の内側又は外側の表面のどちらかに位置付けることができる。例えば、図3が示すように、要素10(1)が下方に曲げられると、感知要素80は要素10(1)の内側表面に位置する。図4が示すように、要素10(1)が上方に曲げられると、感知要素80は要素10(1)の外側表面に位置する。
各電極セグメント30は、2つ以上の温度感知要素80を担持できる。図5から図7が示すように、各電極セグメント30は、1、2、3、又はそれ以上の数の、円周上で間隔を空けて位置する温度感知要素80を担持できる。1つの電極セグメント30に複数の温度感知要素80を使用することにより、医師はアブレーション要素10の位置付けをより自由に行うことができ、一方で温度を監視できる。
図5が示すように、熱及び電気を絶縁する薄いコーティング56を、温度感知要素80と反対側の単一の感知器セグメント電極30に取り付けることができ、これは、使用中血液プールにさらされる。コーティング56は、例えば、UVタイプの接着剤にブラシで被覆するか、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)材料に浸すことにより被覆できる。
図6が示すように、マスク・コーティング56は、デュアル感知器セグメント電極30上の2つの感知器80の間に位置している。マスク・コーティング56は、血液プールにさらされる電極セグメント80の領域に対する血液プールの対流冷却の影響を最小限にとどめる。組織と向かい合う要素80が感知した温度状態は、従ってより正確なものになる。3つ以上の温度感知器80を任意の電極セグメント30で使用する塀合、マスクの使用はあまり勧められない。これは、組織と接触し、アブレーションを行うための電極セグメント30の効果表面が減少してしまうためである。
温度感知要素80には、サーミスタ又は熱電対を使用できる。
感知要素すなわち要素80は、様々な方法で分割された電極30上又は電極30の近くに取り付けできる。
例えば、図8が示すように、各感知要素80は、可撓性の本体32の外側と、連係する非可撓性の電極セグメント30の下側の間に取り付けできる。図示されている実施例では、感知要素80はサーミスタから成っている。本体32は、感知要素80を電極セグメント30の下に収めるだけの柔軟性を持っている。本体32のプラスチック・メモリが、温度感知要素80に十分な圧力を加え続け、温度感知要素80と電極セグメント30の間に良好な熱伝導接触がなされるようにしている。
別の実施例(図9参照)では、温度感知要素80は隣接する電極セグメント30の間に位置している。この配置では、各感知要素80は可撓性の本体32全体に渡って隣接する電極セグメント30の間に織り込まれている。図示されている実施例では、温度感知要素80は熱電対から成っている。感知要素80が熱電対である場合、マスター・ボンド・ポリマー・システムEP32HT(ニュージャージー州ハケンサック市マスター・ボンド株式会社製造)などのエポキシ材料46が熱電対の接合部84を覆い、可撓性の本体32に熱電対をしっかりと取り付けるようにする。このようにする代わりに、熱電対の接合部84は、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)材料でできた薄い層でコーティングできる。約0.002インチ(約0.05 mm)より薄い厚さのものを使用すると、これらの材料は、電気的に熱電対の接合部84を連係する電極セグメント30から電気的に絶縁し、一方で十分な熱伝導特性を提供して電極セグメント30との熱伝導接触を行うために十分な絶縁特性を持つ。従来のサーミスタは、すでに電気を絶縁し、熱を伝導する材料で覆われているため、サーミスタを用いるならば、このような材料は通常は必要ではない。
別の代替的な実施例では(図10及び図11参照)、温度感知要素80は各電極セグメント30の開き86から物理的に突き出ている。図24が示す実施例のように、感知要素80は熱電対から成り、熱を伝導し電気を絶緑するエボキシ材料が熱電対の接合部84を包み込んで、接合部84を開き86内に固定している。
感知要素80には電極セグメント30に取り付けられるものと、各要素セグメント30の間に取り付けられるものがあることが認識されなければならない。感知要素の位置は、それぞれのアブレーション処置の要求事項に応じて、多くの組み合わせが可能である。
II.心臓アブレーションのための温度感知熱電対 A.内蔵型基準熱電対 各温度感知要素80は、サーミスタ又は熱電対から成ることができる。両方を比較すると、熱電対の方が望ましい。これは、現在使用されているサーミスタに比べると、熱電対の方が安価で、より小さくまとまった形状になっているためである。しかし、技術の進歩により、より小型のサーミスタ又はその他の種類の小型の温度感知要素も、この明細書で記載されている使用に適するものが登場する可能性がある。
複数の熱電対を電気的に結合し、様々な方法でアブレーション要素10全体に沿った場所の温度状態を感知することができる。図12A、12B、及び12Cは、3種類の代表的な実施例を概略的に示している。
図12Aに示される望ましい実施例では、複数の熱電対(そのうちの3つがT123として示されている)が、それぞれE1,E2、及びE3として示されているアブレーション電極上又はこれらの電極の近くに位置している。従来の方法では、各熱電対T123は、それぞれ異なる金属でできている2つの電気絶縁ワイヤ34及び36を具備している。
様々な種類の異なる金属を選択して熱電対T123を形成することができる。例えば、ニッケル10%含有のクロムは、コンスタンタン(従来のE型熱電対を形成)又はニッケル5%含有金属(アルミニウムケイ素)(従来のK型熱電対を形成)と電気的に結合できる。鉄は、コンスタンタン(従来のJ型熱電対を形成)
と電気的に結合できる。白金13%含有のロジウムは、白金(従来のR型熱電対を形成)と電気的に結合できる。白金10%含有のロジウムは、白金(従来のS型熱電対を形成)と電気的に結合できる。又は、銅はコンスタンタン(従来のT型熱電対を形成)と電気的に結合できる。
図12Aでは、ワイヤ34は銅で、ワイヤ36はコンスタンタンでできており、従ってT型熱電対を形成している。ワイヤ34及び36は、電気的に絶縁されているが、絶縁材料がはがされて融合している領域84だけは例外である。この領域84は、連係する電極E1/E2/E3上又はこれらの電極の近くに位置する。この領域84は、以前に述べられたように、エポキシ又はPTFE材料で覆われており、領域84をアブレーション電極から電気的に絶縁している。
各熱電対T123の銅製のワイヤ34及びコンスタンタン製ワイヤ36の間の計測電圧の差は、接合領域84の温度によって変化する。電圧は、領域84の温度が上昇すると増加し、下降すると減少する。
図12Aが更に示すように、単一の基準熱電対TREFが3つの全ての熱電対T123に共通して電気的に結合している。基準熱電対TREFは、既知の温度状態が存在する領域に位置する。これに関しては、後で詳細に渡って記述される。
図12Aでは、基準熱電対TREFは、電気的に絶縁された1本のコンスタンタン製ワイヤ38から成り、部分的に絶縁材料がはがされ、3つの熱電対T123のコンスタンタン製ワイヤ36に並列で電気的に結合している。基準熱電対TREFはまた、絶縁された1本の銅製ワイヤ40を含み、このワイヤ40は部分的に絶縁材料がはがされ、コンスタンタン製ワイヤ38に電気的に結合している。
コンスタンタン製ワイヤ38及び銅製ワイヤ40の接合領域は、基準熱電対TREFの熱電対接合部42である。この接合部42は、既知の温度状態にさらされている。その他の熱電対T123の銅製ワイヤ34及びコンスタンタン製ワイヤ36の間の接合領域84(すなわち、領域84)のように、基準熱電対のこの接合領域42もエポキシ又はPTFE材料で覆われており、接合領域84をアブレーション電極から電気的に絶縁している。
外付けの処理要素92は、熱電対T123及びTREFに電気的に結合している。この接続に関する詳細構造は、様々に変化でき、これは後に詳細に渡って記述される。
処理要素92は、TREFの銅製ワイヤ40及び各熱電対T123、の銅製ワイヤ34の間の電圧差ΔV123(図12A参照)の度合いを記録する。処理要素92は、以下の等式を使用して電圧差ΔV123から各熱電対T123における温度状態を算出する。


ここで、TEMPNは、選択された熱電対TN(Nは図12Aの1、2、又は3)が感知した温度状態であり、その温度は未知である。
TEMPREFは、規準熱電対TREFが感知した温度状態であり、その温度は未知である。
ΔVNは、TREFの銅製ワイヤ40及び選択された熱電対TNの銅製ワイヤ34の電圧差で、これは計測された既知の値となっている。
αは、既知の関数(ゼーベック係数と呼ばれる)で、熱電対に使用する異なる種類の金属の電圧と温度の関係を表現するものである。
この算出方法の詳細は、オメガ社が出版している、『Temperature(温度)』
のページT-7からT-18に述べられている。
処理要素92は、参照テーブルを含むメモリ・チップを具備することが望ましい。メモリ・チップは、ΔVNを入力し、使用されている特定の熱電対の種類に対して数式ΔVN/αをTEMPNの算出式に代入する。このようにして、処理要素92は計測された電圧差ΔVNを温度TEMPNに直接変換する。
図12Bは、3つの熱電対T123を電気的に結合してアブレーション要素で使用できるようにするための代替的な配置を概略的に示している。図12Bでは、各銅製ワイヤ40は、以前と同じ方法で各熱電対T123のコンスタンタン製ワイヤ36に直列で電気的に結合している。個別の接合領域42は、各熱電対T123に対して3つの個別の基準熱電対TREF 123を形成する。これら按合領域42は、既に説明されたように、個別にエポキシ又はPTFE材料で覆われている。3つの個別の基準熱電対TREF 123は、共通して同じ既知の温度状態にさらされている。
図12Bが示すように、温度に関係する電圧差ΔV123は、選択された熱電対T123の銅製ワイヤ34及びそれに連係する基準熱電対TREF123の銅製ワイヤ40の間で計測される。
図12Cは、3つの熱電対T123を電気的に結合してアブレーション要素で使用できるようにするための更に別の代替的な配置を概略的に示している。図12Cでは、各銅製ワイヤ40は、各熱電対T123のコンスタンタン製ワイヤ36に並列で電気的に結合している。個別の電気接合領域42は、各熱電対T123に対して3つの個別の基準熱電対TREF 123を形成する。以前に説明されたように、各接合領域42は全て個別にエポキシ又はPTFE材料で覆われている。図12Bに示される実施例のように、3つの個別の基準熱電対TREF 123は、共通して同じ既知の温度状態にさらされている。
図12Cが示すように、温度に関係する電圧差ΔV123は、選択された熱電対T123の銅製ワイヤ34及びそれに連係する基準熱電対TREF123の銅製ワイヤ40の間で計測される。
従来の方法では、図12Aの実施例が示す共通の基準熱電対TREF並びに図12B及び図12Cの実施例に示される3つの個別の基準熱電対TREF123は、温度処理要素92そのものに外付けされる。これらの配置(所望する場合には採用可能な)では、既知の温度状態TEMPREFは、基準熱電対の接合領域がさらされている温度になる。この周囲の温度状態は、処理要素92内のサーミスタで計測できる。このようにする代わりに、従来の補償回路を使用することもできる。
図12Aの実施例が示す共通の基準熱電対TREF並びに図12B及び図12Cが示す3つの個別の基準熱電対TREF123は、カテーテル・プローブ14のハンドル16内に収めることができる。この配置では、既知の温度状態TEMPREFは、基準熱電対の接合領域42がハンドル16内でさらされている温度になる。この温度状態は、ハンドル16内のサーミスタ(図示省略)又は従来の補償回路を使用して計測できる。しかし、図示されている望ましい実施例では、図12Aの実施例が示す共通の基準熱電対TREF並びに図12B及び図12Cの実施例が示す3つの基準熱電対TREF123は、カテーテル本体12上に内蔵され、体内の血液プールにさらされる。この望ましい配置では、全ての基準熱電対は、心室内に位置付けるか、カテーテル本体が挿入される、患者の脈管系の他の場所に位置付けることにより、血液の温度にさらされる。従って、TEMPREF又はTEMPREF(123)は、37°C付近になる。
図13及び図14Aは、図12Aで概略的に示す配置の内蔵型基準熱電対の1つの望ましい構造例を示している。
図13が示すように、カテーテル本体12が担持するカプラー・メンバ94は、共通の基準熱電対TREFから成っている。カプラー・メンバ94は、ステンレス鋼又は白金のような、生体適合性のある熱を伝導する材料でできている。
図13が示すように、カプラー・メンバ94は、アブレーション電極E1、E2,及びE3から離れたカテーテル本体12の領域内に平行に固定されている。
以前に説明されたように、カプラー・メンバ94は、心室内(図13参照)又はカテーテル本体12が挿入される、患者の脈管系内の、アブレーション要素10から離れた場所に位置付けできる。
心室内に位置付ける(図13参照)場合には、カプラー・メンバ94は電極要素E1/E2/E3から十分離れた場所に位置付け、カプラー・メンバ94と接触している血液プールがアブレーション処置において局所的な血液加熱効果の影響を受けないようにする必要がある。この状況では、カプラー・メンバ94が心室の外の更に離れた場所に位置すれば、カプラー・メンバ94に接触している血液プールの温度はアブレーション処置中本質的に37℃前後に保たれる。
図14Aが詳しく示すように、カプラー・メンバ94は内部穴96を具備し、これは電気を絶縁する材料95で被覆されている。リング98は、穴96内の溝100に配置されている。
カプラー94及びリング98は、図14Aが示すよラに一体型として組み立てることができる。この配置では、リング98は直径を小さくするためのスプリット102を具備しており、これにより溝100内に圧縮して収めることができる。このようにする代わりに、カプラー・メンバ94は、溝100に沿って分割できる2つの部分から成る構造を形成してリング98を収めることができる。これらの配置により、メンバ94内に配置する前に、リング98への電気接続をメンバ94の外で行うことができる。
図14Aに示される実施例では、リング98はコンスタンタン金属でできている。リング98は、従って図12Aが示すコンスタンタン製ワイヤ38と構造的に対応している。そしてワイヤ38には、図14Aが示すように、3つの熱電対T123のコンスタンタン製ワイヤ36が並列で電気的に結合している。銅製ワイヤ40(図12A参照)は、リング98に電気的に結合している(図14A参照)。
この銅製ワイヤ40及び各熱電対T123からの銅製ワイヤ34は、カテーテル本体12の穴を通り、図1が示すようにハンドル16が担持する外付けコネクタ104を介して外付けの温度処理要素92に接続している。カプラー・メンバ94及びリング98は、従って熱電対T123間に共通する直列の基準熱電対TREFとしての役割を果たす。
図14Bは、内部リング98を持たないカプラー・メンバ94の代替的な実施例を示している。図14Bでは、カプラー・メンバ94の外側の表面は、以前に述べられたようにエポキシ又はPTFE材料106で被覆されている。材料106は、カテーテル本体12をカプラー・メンバ94の両端に接着する。材料106はまた、カプラー・メンバ94をアブレーション電極30から電気的に絶縁する。
図14Bが示すカブラー・メンバはまた、内部穴96を具備している。穴96は、コンスタンタン材料の層108が貼り付けられる内部の表面領域を持っている。この層108は、図12Aが示すコンスタンタン製ワイヤ40に対応しており、ワイヤ40には3つの熱電対T123のコンスタンタン製ワイヤ36が並列で電気的に結合している。基準熱電対TREF用の銅製ワイヤ40はまた、コンスタンタン層108に溶合される。
図14Aのコンスタンタン製リング98及び図14Bのコンスタンタン製層108は、各電極熱電対T123のコンスタンタン製ワイヤ34を基準熱電対TREFの銅製ワイヤ40にまとめて結合する。これにより、カテーテル本体12内にある小さな直径の狭い内部領域内の電気接続を簡素化している。コンスタンタン製のリング98及び層108はまた、各電極熱電対T123のコンスタンタン製ワイヤ36をカテーテル12全体に通す必要性を取り除いている。
内蔵型基準熱電対TREFが感知する温度状態は、本質的には血液プールの一定の温度になり、これは、血液プールにさらされているカプラー・メンバ94が伝導するものである。基準温度TEMPREFは、従って、外の環境の空気の温度が突然変化しても、このような変化又は変動には影響を受けず、より正確な温度が結果として得られる。
図15A及び図15Bは、単一の基準熱電対を使用するための代替的な実施例を示している。熱電対T123からのコンスタンタン製ワイヤ36は、溶接又ははんだ付けにより、星形構造(図15A/B参照)内のコンスタン製ワイヤ38にまとめて接続されているが、その他の構造(はしご状構造など)を使用することもできる。基準熱電対TREFは次に、温度の感知に使用した熱電対と同じようにリングの下に配置することができる。全ての熱電対のワイヤは、次にチューブ114内でまとめられ、無線周波ワイヤ(図示省略)からの熱及び電気の伝導を絶縁している。図15Bは、図15Aの星形接続を概略的に示している。
図16A及び図16Bは、図12Bが概略的に示す配置において電気的に結合されている複数の内蔵型基準熱電対TREF 123の望ましい構成例を示している。図16Aが示すように、3つの基準熱電対TREF 123は、カテーテル本体12に個別に織り込まれ、電気を絶縁し、熱を伝導するエポキシ・バブル110で覆われている。熱電対TREF 123は、それぞれ短い間隔で位置することが望ましい。
図16Bが示すように、処理要素92内のワイヤの数は、プローブのハンドル16の基準熱電対TREF 123に連係する3本の銅製ワイヤ40を電気結合することにより、6本から4本に削減できる。これにより、全ての基準熱電対に共通の1本の銅製ワイヤ112が形成される。共通の銅製基準ワイヤ112及び熱電対T123の3本のその他の銅製ワイヤ34は、処理要素92に接続される(図16B参照)。この配置(図16B参照)では、ΔV123は、各熱電対T123用の個別の銅製ワイヤ34及び基準熱電対TREF 123の共通の銅製基準ワイヤ112の間で計測される。
図12Cが概略的に示す配置における複数の内蔵型基準熱電対TREF 123の配置は、図14が示すものと同様のカプラー・メンバ94及びリング98のアセンブリを使用して構成できるが、この場合、リング98は、図12Cが示す共通の銅製ワイヤ40と対応するように、銅を使用しなければならない。このようにする代わりに、図12Cが概略的に示す複数の内蔵型基準熱電対TREF 123は、図15が示す、リングを使用しないカプラー・メンバ94を使用して構成できるが、この場合、カプラー穴96内の層108は、図12Cが示す共通の銅製ワイヤ40と対応するように、銅を使用しなければならない。
図12A,B、及びCが示す全ての熱電対アセンブリは、アブレーション処置を行う前に初期化する必要がある。温度処理要素92がこの初期化段階を行い、血液の温度における電圧差ΔV123のオフセットを補う。
アブレーション処置中、温度処理要素92は、電圧のそれぞれの変化ΔV123を記録する。温度処理要素92は、関連するオフセットを適用し、次に結果として得られる電圧の変化ΔV123を、前述のあらかじめ設定されている参照テーブルを使用して温度の値に変換する。
温度処理要素92は、出力としてアブレーション要素10に沿った位置で感知された温度状態を表示することが望ましい。複数の感知された温度状態はまた、フィードバック制御ループで使用してアブレーション処理そのものを制御することもできる。本発明のこの点に関しては、後に詳細に渡って記述される。
望ましい実施例では、使用する熱電対の種類及びそれがカテーテル本体12内で電気的に配線される方法に関わらず、熱電対に接続されるワイヤ34/36及び38/40は、ポリイミドのような断熱材のチューブ114(図16A参照)
で覆われている。チューブ114は、熱電対のワイヤを、アブレーション・エネルギーを送るための本体のその他のワイヤから断熱している。従って、熱電対のワイヤは、カテーテル本体12の遠位端のエネルギー放射領域へアブレーション・エネルギーが送られることによりカテーテル本体12内に生成される可能性のある熱から断熱されることになる。熱電対が生成する、温度を示す電圧は、従って、カテーテル本体内で熱電対のワイヤがこの熱源にさらされても変化しないようになっている。
B.小型複合熱電対 図17は、全ての種類の可撓性のアブレーション要素10と連係して使用できる小型の複合熱電対116を示している。熱電対116は、ポリイミドのような電気を絶縁する材料でできた薄い、半可撓性の基質118でできている。図示されている実施例では、基質118は、チューブ状になっている。もちろん、その他の形状を使用することもできる。
2つの導電性経路120及び122が、基質118の表面に沿って延長している。経路120及び122は、従来のスパッタ・コーティング技術又はIBAD(イオン・ビーム補助蒸着)処理により形成できる。このようにする代わりに、異なる金属材料でできた小さいゲージ・ワイヤを、チューブ状の基質を押し出し成形又は鋳造する際に、チューブ上の基質に埋め込むことができる。
各経路120及び122は、それぞれ異なる導電性の金属材料でできている。
1つの経路120は銅で、もう一方の経路122はコンスタンタンで形成することが望ましい。
2つの経路120及び122の端は、まとめて基質118上に電気的に溶合される。図示されている望ましい実施例では、経路120及び122のどちらかの金属材料でできている帯124が経路120及び122の端に広がっており、両方の経路をまとめて電気的に溶合している。この帯124は、基質118の表面に熱電対の接合部を形成している。同じ金属材料でできている小さいゲージ・ワイヤ126及び128は、経路120及び122の反対側の端に電気的に結合している。
薄い、電気を絶縁する外側の層130が経路120及び122並びに熱電対帯124上に重ねられ、小型の熱電対116のアセンブリを完成させている。
追加の経路120/122、帯124及びワイヤ126/128を単一の基質118に取り付けて基質118上に複数の熱電対接合部を形成することもできる。
図18が示すように、半可撓性の熱電対116を小さい直径で製造し、アブレーション要素30の下側又はその近くの構造体10に収まるようにすることができる。このようにする代わりに、熱電対116は、同じく図18が示すように、大きな直径で製造して可撓性の本体32の上側に付けることもできる。
III.複数温度フィードバック制御を使用した心臓アブレーションの制御 図19は、複数エミッタによりアブレーション・エネルギーを放射するためのシステム200を概略的に示している。システム200は、少なくとも部分的に、複数感知要素80が感知する局所的温度状態に基づいている。
図19では、複数感知要素80は熱電対208、209、及び210から成り、これらは個別に電極領域201、202、及び203から成る複数のアブレーション・エネルギー放射エミッタと連係している。システム200はまた、カプラー要素211内に担持され、前述のように血液プールにさらされる共通の基準熱電対211を具備している。このようにする代わりに、その他の種類の温度感知要素、例えば、サーミスタ、フッ素光学感知器、及び抵抗温度感知器なども使用でき、この場合には、基準感知器211は通常必要とされない。
システム200は、更に単極モードで動作する中性電極219を具備している。
アブレーション・エネルギー・エミッタ201、202、203に、前述の非可撓性の電極セグメント30を使用することができる。このようにする代わりに、電極領域201、202、203は、ワイヤ又はリボンで巻かれた連続的な、又は分割された可撓性の電極を形成することができる。システム200は、複数の、個別に動作する様々なアブレーション要素と連係して使用できることが認識されなければならない。
システム200は、アブレーション・エネルギー源217を具備している。図19では、エネルギー源217は無線周波(RF)エネルギーを生成する。エネルギー源217は、(従来の絶縁された出力ステージ216を通じて)電源スイッチ214のアレイに接続しており、各電源スイッチ214は、各電極領域201、202、及び203に対応している。コネクタ212(プローブ・ハンドルが担持する)は、各電極領域201、202、203を対応する電源スイッチ214及びシステム200のその他の部分に電気的に結合する。
システム200はまた、インターフェイス230を介して各電源スイッチ214に結合しているマイクロコントローラ231を具備している。マイクロコントローラ231は、任意の電源スイッチ214をオン又はオフにしてエネルギー源217からのRF電力を個別に電極領域201、202、及び203に送る。送られたRFエネルギーは、それぞれの電極領域201,202、及び203から組織を通じ、絶縁出力ステージ216の戻り経路に接続している中性電極219に流れる。
電源スイッチ214及びインターフェイス230の構成は、使用しているアブレーション・エネルギーの種類に応じて様々に変化できる。図20は、RFアブレーション・エネルギーを送るための代表的な具体例を示している。
この例では、各電源スイッチ214は、負MOS電力用トランジスタ235及び正MOS電力用トランジスタ236を具備しており、これらはそれぞれの電極領域201、202、及び203並びに電力源217の絶縁出力ステージ216の間に結合される。
ダイオード233は、RFアブレーション・エネルギーの正の位相を電極領域に伝える。ダイオード234は、RFアブレーション・エネルギーの負の位相を電極領域に伝える。抵抗器237及び238は、負MOS及び正MOS電力用トランジスタ235及び236に従来の方法でバイアスをかける。
各電源スイッチ214用のインターフェイス230は、2つのNPNトランジスタ239及び240を具備している。NPNトランジスタ239のエミッタは、負MOS電力用トランジスタ235のゲートに結合する。NPNトランジスタ240のコレクタは、正MOS電力用トランジスタ236のゲートに結合する。
各電源スイッチ214用のインターフェイス230はまた、マイクロコントローラ231に結合する制御バス243を具備している。制御バス243は、各電源スイッチ214をマイクロコントローラ231のデジタル・アース(DGND)に接続する。制御バス243はまた、NPNトランジスタ239のコレクタに接続している(+)の電力線(+5V)及びNPNインターフェイス・トランジスタ240のエミッタに接続しでいる(−)の電力線(-5V)を具備している。
各電力スイッチ214の制御バス243は更に、ESEL線を具備している。NPNトランジスタ239のベースは、制御バス243のESEL線に結合している。NPNトランジスタ240のベースはまた、ツェナー・ダイオード241及び抵抗器232を介して制御バス243のESEL線に結合している。ESEL線は、抵抗器232を通じてツェナー・ダイオード241のカソードに接続している。ツェナー・ダイオード241は、ESELが約3ボルトを超えた場合にNPNトランジスタ240が作動するように選択される(これは、図示されている実施例では論理1になる)。
インターフェイス230は、その他の標準論理レベルを取り扱うように設計できることが認識されなければならない。この実施例では、従来のTTL(トランジスタ・トランジスタ論理)レベルを取り扱うように設計されている。
マイクロコントローラ231は、制御バス243のESELを論理1又は論理0に設定する。論理0では、負MOSトランジスタ235のゲートは、NPNトランジスタ239を通じて(+)の5ボルト線に接続している。同様に、正MOSトランジスタ236のゲートは、NPNトランジスタ240を通じて(―)の5ボルト線に接続していう。これにより、電力トランジスタ235及び236がエネルギー源217からのRF電圧を連係する電極領域に伝えるようになる。この時の電力スイッチ214は、"オン"になっている。
マイクロコントローラ231がESELを論理0に設定すると、NPNトランジスタ239及び240には電流は流れない。これにより、電力トランジスタ235及び236は、連係する電極領域へのRF電圧の伝達を遮断する。この時の電源スイッチ214は、"オフ"になっている。
システム200(図19参照)は、更に2つのアナログ・マルチプレクサ(MUX)224及び225を具備している。マルチプレクサ224及び225は、各熱電対208、209、210、及び211から電圧入力を受け取る。マイクロコントローラ231は、2つのマルチプレクサ224及び225を制御して複数の温度感知熱電対208、209、210、及び211からの電圧入力を選択する。
熱電対208、209、210、及び211からの電圧入力は、フロントエンド信号調整器に送られる。この入力は、差動増幅器226で増幅される。差動増幅器226は、熱電対208/209/210の銅製ワイヤ及び基準熱電対211との間の電圧差を読み取る。電圧差は、要素227で調整され、アナログ・デジタル変換器228によりデジタル・コードに変換される。参照テーブル229は、デジタル・コードを温度コードに変換する。温度コードは、マイクロコントローラ231により読み取られる。
マイクロコントローラ231は、各熱電対208、209、及び210の温度コードをあらかじめ選択されている規準と比較してフィードバック信号を生成する。あらかじめ選択されている規準は、ユーザー・インターフェイス232から入力される。これらのフィードバック信号は、インターフェイス230を介してインターフェイス電源スイッチ214を制御し、電極201、202、及び203をオン、又はオフに切り換える。
別のマルチプレクサ225が、マイクロコントローラ231の選択した熱電対208、209、210、及び211を温度コントローラ215に接続する。温度コントローラ215はまた、既に記述したように、要素226、227、228、及び229と関連したフロントエンド信号調整器を具備する。これらの調整器は、熱電対208/209/210及び基準熱電対211の間の銅製ワイヤの電圧差を温度コードに変換する。温度コードは、コントローラにより読み取られ、あらかじめ選択された規準との比較によりフィードバック信号が生成される。これらのフィードバック信号は、エネルギー源217が電極201、202、及び203に送るために生成した電圧(電流)の振幅を制御する。
マイクロコントローラ231及び温度コントローラ215のフィードバック信号に基づいて、システム200は電力を複数の電極領域201、202、及び203に送り、アブレーション要素全体の温度を一定の温度に設定し、維持する。
このようにして、システム200はアブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して安全で効果のある損傷を形成する。
システム200は、アブレーション・エネルギーの伝達を様々な方法で制御することができる。以下は、複数の代表的なモードを説明している。
個別振幅/総合的デューティーサイクル 電極領域201、202、及び203にはE(J)という記号が指定されている。ここでJは、任意の電極領域(J=1からN)を表す。
既に記述されたように、各電極領域E(J)は、少なくとも1つの温度感知要素208、209、及び210を持つ。これらの温度感知要素はS(J,K)と指定され、Jは電極領域を、Kは各電極領域上の温度感知要素の数(K=1からM)を表す。
このモード(図21参照)で、マイクロコントローラは電源スイッチ・インターフェイス230を操作してエネルギー源217からのRF電力を1/Nデューティーサイクルの複数のパルスで伝達する。
パルス化された電力の伝達により、各個別の電極領域E(J)に送られる電力量(PE(J))は、以下のように表される。
E(J)〜AMPE(J)2×DUTYCYCLEE(J) ここで、AMPE(J)は、電極領域E(J)に送られるRF電圧の振幅で、 DUTYCYCLEE(J)は、パルスのデューティーサイクルであり、これは以下のように表される。


ここで、TONE(J)は、電極領域E(J)が各パルス期間中にエネルギーを放射する時間で、 TOFFE(J)は、電極領域E(J)が各パルス期間中にエネルギーを放射しない時間である。
数式,TONE(J)+TOFFE(J)は、各電極領域E(J)のパルス期間を表す。
このモードでは、マイクロコントローラ231は各電極領域に対して1/N(Nは電極領域の数)のデューティーサイクル(DUTYCYCLEE(J))を総合的に確立する。
マイクロコントローラ231は、隣接する電極領域に連続する電力パルスを順番に送り、前のパルスのデューティーサイクルの終わりが次のパルスのデューティサイクルの始まりに若干重なるようにすることができる。このようにパルスのデューティサイクルが重なることにより、連続する電極領域間におけるパルスの切り換え中の開いた回路による断絶期間がなくなり、エネルギー源217は電力を連続して送ることができる。
このモードでは、温度コントローラ215は、各電極領域に対するRF電圧の振幅(AMPE(J))を個別に調整し、それによって、デューティーサイクル中にマイクロコントローラ231によって制御され、各電極領域に送られるアブレーション・エネルギーの電力PE(J)を個別に変化させる。
このモードでは、マイクロコントローラ231は、連続するデータ取得サンプル期間を繰り返す。各サンプル期間中、マイクロコントローラ231は各感知器S(J,K)を選択し、電圧差はコントローラ215により(MUX225を通じて)読み取られ、温度コード、TEMP(J)に変換される。
任意の電極領域に連係する感知要素が複数存在する場合には、コントローラ215は任意の電極領域の全ての感知温度を記録し、これらの中から最も高い感知温度を選択する。この温度はTEMP(J)となる。任意の電極領域に対して最高の感知温度を提供している温度感知要素が心臓組織と最も密接に接触している要素である。任意の電極領域における、その他の感知要素のより低い感知温度は、これらの感知要素が密接な接触を行っておらず、その代わりに血液プールの対流冷却にさらされていることを示している。
このモードでは、コントローラ215は各データ取得期間中に各電極E(J)
で局所的に感知した温度、TEMP(J)を、医師が確立した設定温度、TEMPSETと比較する。この比較に基づいて、コントローラ215は電極領域E(J)に送られるRF電圧の振幅AMPE(J)を変化させ、一方でマイクロコントローラ231は、その電極領域およびその他全ての電極領域のDUTYCYCLEE(J)を維持してTEMP(J)を設定温度TEMPSETに設定し、維持する。
設定温度TEMPSETは、医師の判断及び経験から得られたデータに応じて変えることがきる。心臓のアブレーションに対する代表的な設定温度は、40°Cから95°Cの範囲内で、70°Cが望ましい代表値であると考えられている。
コントローラ215がAMPE(J)を統制する方法は、比例制御方法、比例積分偏差(PID)制御方法、又はファジー論理制御方法を採用することができる。
例えば、比例制御方法を使用すると、第1の感知要素が感知した温度がTEMP(1)>TEMPSETの場合、コントローラ215が生成した制御信号は、第1の電極領域E(1)に送られるRF電圧の振幅AMPE(1)を個別に減少させ、一方でマイクロコントローラ231は、第1の電極領域E(1)の総合的なデューティーサイクルDUTYCYCLEE(J)を同じに保つ。第2の感知要素が感知した温度がTEMP(2)<TEMPSETの場合、コントローラ215が生成した制御信号は、第2の電極領域E(2)に送られるパルスの振幅AMPE(2)を増加し、一方でマイクロコントローラ231は、第2の電極領域E(2)の総合的なデューティーサイクルDUTYCYCLEE(2)をDUTYCYCLEE(1)と同じに保つといった具合になる。任意の感知要素が感知した温度が設定温度TEMPSETである場合には、連係する電極領域に対するRF電圧振幅は変化しない。
コントローラ215は、連続するデータ取得期間中に電圧差の入力を処理し続けて各電極領域E(J)のAMPE(J)を個別に調整し、一方でマイクロコントローラ231は、総合的なデューティーサイクルを全ての電極領域E(J)に対して同じに保つ。このようにして、モードはアブレーション要素全体の温度を望ましい一定の温度に維持する。
比例積分偏差(PID)制御方法を使用すると、コントローラ115は任意のサンプル期間で発生する即時変化に加えて、以前のサンプル期間で発生した変化及びこれらの変化の経時変動率を考慮する。従って、PID制御方法を使用すると、コントローラ215は、TEMP(J)及びTEMPSET間の相対的に大きな任意の即時差に対して、異なる応答を示す。この応答の仕方は、差が以前の即時差と比較して増加又は減少しているか、そして前のサンプル期間からの差の変動率が増加又は減少しているかに応じて変化する。
総合的振幅/個別デューティーサイクル このフィードバック・モード(図22参照)では、コントローラ215は、エネルギー源217を統制し、局所的に感知された最低温度TEMPSMINに基づいて全ての電極領域に対して総合的にRF電圧振幅AMPE(J)を制御する。同時に、このフィードバック・モードでは、マイクロコントローラ231は、TEMPSMINより高い温度が感知されたところの各電極領域に送られる電力を、これらの電極領域のデューティーサイクルDUTYCYCLEE(J)を調整することにより個別に変更する。
このモードでは、前のモードと同じように、マイクロコントローラ231は電力を複数のパルスに分割する。最初は、各パルスは同じ1/Nのデューティーサイクル(DUTYCYCLEE(J))を持っている。前のモードと同じように、隣接する電極領域への連続するRFパルスの伝達がそれぞれ重なるように時間を調節し、エネルギー源318が電極領域E(J)に連続して電力を送るようにできる。
コントローラ215は、連続するデータ取得期間を繰り返し、各感知要素が感知した温度TEMP(J)を連続して読み取る。各電極領域に複数の感知要素が連係している場合には、コントローラ215は特定の電極に対する全ての感知温度を記録し、これらの中から最も高い感知温度を選択してTEMP(J)とする。
このモードでは、コントローラ215は、各データ取得期間中、感知された個別の温度TEMP(J)を設定温度TEMPSETと比較する。コントローラ215はまた、最も低い感知温度TEMPSMINを選択する。コントローラ215は、比例PID制御方法又はファジー論理制御方法を使用して、AMPE(J)を調整し、TEMPSMIN=TEMPSETを維持する。同時に、マイクロコントローラ231は、TEMP(J)>TEMPSMINが成り立つ電極領域のDUTYCYCLEE(J)を調整し、TEMP(J)=TEMPSETを維持する。
例えば、比例制御方法のみを使用すると、TEMPSMIN<TEMPSETの場合、コントローラ215は、TEMPSMIN及びTEMPSET間の差(ΔTEMPSMIN/SET)に基づいて、TEMPSMIN>TEMPSETとなるまで全ての電極領域のRF電圧の振幅を総合的に増加させる。
この間(TEMPSMINがTEMPSETより低い間)、マイクロコントローラ231はまた、局所的に感知された温度TEMP(J)がTEMPSMINより高いその他の電極領域E(J)への電力の伝達を以下のように制御する。
(i)TEMP(J)<TEMPSETの場合、マイクロコントローラ231は、ΔTEMPSMIN/SETが確立したRF電圧振幅で、電極領域E(J)に送られる電力のデューティーサイクルを増加させる。
(ii)TEMP(J)>TEMPSETの場合、マイクロコントローラ231は、ΔTEMPSMIN/SETが確立したRF電圧振幅で、電極領域E(J)に送られる電力のデューティーサイクルを減少させる。
(iii)TEMPS(N)=TEMPSETの場合、マイクロコントローラ231は、ΔTEMPSMIN/SETが確立したRF電圧振幅で、任意の電極領域E(N)に対するデューティーサイクルを現状維持する。
TEMPSMIN>TEMPSETの場合、コントローラ215は全ての電極領域に送られるRF電圧振幅を総合的に削減する。TEMPSMIN=TEMPSETの場合、コントローラ215は、全ての電極領域に送られる、その時確立されているRF電圧振幅を総合的に維持する。
ヒステリシスによる温度制御 このモード(図23参照)では、前のモードと同じように、システム200は連続するデータ取得期間を繰り返し、感知要素が感知した電極領域E(J)の温度TEMP(J)を連続的に記録する。上述のように、各電極領域に複数の感知要素が連係している場合には、システム200は特定の電極領域のすべての感知温度を記録し、これらの中から最高感知温度を選択してTEMP(J)とする。
このモードでは、マイクロコントローラ231は各データ取得期間中に各電極領域で局所的に感知された温度TEMP(J)を以下に示される高しきい値温度TEMPHITHRESH及び低しきい値温度TEMPLOWTHRESHと比較する。
TEMPHITHRESH=TEMPSET+INCR TEMPLOWTHRESH=TEMPSET―INCR ここで、TEMPSETは設定温度であり、 INCRはあらかじめ設定された増分である。
このモードで操作する場合、マイクロコントローラ231は、電源スイッチ・インターフェイス230を操作して、任意の電極領域で感知された局所的温度TEMP(J)がTEMPHITHRESHより高い場合にこの電極領域をオフにする。マイクロコントローラ231は、局所的に感知された温度TEMP(J)がTEMPLOWTHRESHより低くなるまでこの電極領域をオフのままにする。マイクロコントローラ231は、任意の電極領域で感知された局所温度TEMP(J)がTEMPLOWTHRESHより低い場合にこの電極領域をオンにし、選択されている電圧振幅で電力を供給する。
TEMPSET及びINCRの値は、医師の判断及び経験で得られたデータに応じて変化できる。前述のように、TEMPSETの代表的な値は、40°Cから95°Cの範囲内で、70°Cが望ましい代表値であると考えられている。INCRの代表的な値は、2°Cから8°Cの範囲内で、5°Cが望ましい代表値であると考えられている。
この実施例では、コントローラ215はヒステリシス中所望の温度状態を維持するのに十分な、一定のRF電圧振幅を確立する。このようにする代わりに、コントローラ215は、最低感知温度TEMPSMINが選択されているTEMPLOWTHRESHの下限値より低くなった場合、又は最長デューティーサイクルが規定値を超えた場合に電圧を調整する機能を持つことができる。ヒステリシス制御方法を採用している場合に振幅を調整及び維持するするには、他の方法も使用できることが認識されなければならない。
示差温度による無効化 このモード(図24参照)では、温度コントローラ215は、各データ取得期間の終わりに期間中の最高感知温度(TEMPSMAX)を選択する。温度コントローラ215はまた、この期間中の最低感知温度(TEMPSMIN)を選択する。
コントローラ215は、選択した最高感知温度TEMPSMAXを選択した最高設定温度TEMPHISETと比較し、全ての電極に対するRF電圧の振幅を、比例、PID、又はファジー論理の各制御方法を使用して総合的に調整する制御信号を生成する。
比例制御方法を使用した場合 (i)TEMPSMAX>TEMPHISETの場合、制御信号は、全ての電極領域に送られるRF電圧の振幅を総合的に減少させる。
(ii)TEMPSMAX<TEMPHISETの場合、制御信号は、全ての電極領域に送られるRF電圧の振幅を総合的に増加させる。
(iii)TEMPSMAX=TEMPHISETの場合、全ての電極領域に送られるRF電圧の振幅は変化しない。
温度コントローラ215は、振幅を制御する目的で、感知された温度TEMPSMAX,TEMPSMIN、又は、これらの中間の温度のいずれかを選択し、あらかじめ選択されている温度状態と比較できることが認識されなければならない。
温度コントローラ215の振幅制御機能を並行使用することで、マイクロコントローラ231は、任意の局所温度TEMP(J)とTEMPSMINの温度差に基づいて電極領域に供給する電力を制御する。この具体例では、局所感知温度TEMP(J)とTEMPSMINの温度差を算出し、この差を選択された設定温度差ΔTEMPSETと比較している。この比較により、電極領域への電力の供給を制御する制御信号が生成される。
任意の電極領域E(J)の局所感知温度TEMP(J)が、ΔTEMPSETの値以上最低感知温度TEMPSMINを超えた場合(つまり、TEMP(J)―TEMPSMINΔTEMPSETの場合)、マイクロコントローラ231はこの電極領域E(J)をオフにする。マイクロコントローラ231は、TEMP(J)―TEMPSMIN<ΔTEMPSETとなったときにこの電極E(J)をオンに戻す。
このようにする代わりに(図25参照)、マイクロコントローラ231は、TEMP(J)及びTEMPSMINを比較するのではなく、TEMPSMAX及びTEMPSMINを比較することができる。TEMPSMAX及びTEMPSMINの差があらかじめ設定されている値であるΔTEMPSET以上になったとき、コントローラ231は、TEMPSMINの存在する電極領域以外の全ての電極領域をオフにする。コントローラ231は、TEMPSMAX及びTEMPSMINの温度差がΔTEMPSETより小さくなったときにこれらの電極領域をオンに戻す。
上記の、温度を基にした制御方法の中には、RF電圧の振幅を調整することにより電力を変化させるものがある。このようにする代わりに、RF電流の振幅を調整することによっても電力を変化させることができることが認識されなければならない。従って、この明細書で使用される量、AMPE(J)は、RF電圧振幅又はRF電流振幅のどちらも意味することができる。
III.複数の温度感知要素からの選択 前述のように、任意の電極領域は、連係する温度感知要素を複数持つことができる。前述のアブレーション制御モードでは、コントローラ215は任意の電極領域の全ての感知温度を記録し、これらの中から最高の温度を選択してTEMP(J)とする。この選択を行うには、その他の方法も使用できる。
予測最高温度の取得 組織及び電極領域は、熱を交換するため、温度感知要素はその領域の最高温度を正確に計測しない可能性がある。これは、最高温度を持つ領域が、エネルギー放射電極領域(及び連係する感知要素)が組織に接触する場所から約0.5 mmから2.0 mmの深さの組織の表面下に存在するためである。送られる電力による組織の加熱が速く行われすぎると、この表面下の領域の実際の最高組織温度は100℃を超え、組織が乾燥してしまう可能性がある。
図26は、ニューラル・ネットワーク予測器300の具体例を示している。ニューラル・ネットワーク予測器300は、各電極領域で複数の感知要素S(J、K)が感知した温度を入力として受け取る。ここで、Jは任意の電極領域(J=1からN)を表し、Kは各電極領域上の温度感知要素の数(K=1からM)を表す。予測器300は、最高温度を持つ組織領域の予測温度TMAXPRED(t)を出力する。コントローラ215及びマイクロコントローラ231は、TEMP(J)を使用して既に記述された方法で、TMAXPRED(t)に基づいて振幅及びデューティーサイクルの制御信号を取得する。
予測器300は、2層からなるニューラル・ネットワークを使用しているが、より多くの隠れた層を使用することもできる。図26が示すように、予測器300は第1及び第2の隠れた層、及び4つのニューロンを具備しており、これらはN(L,X)で示される。ここで、Lは層1又は層2を識別し、Xはその層のニューロンを識別する。第1層(L=1)は、3つのニューロン(X=1から3)を持ち、N(11)、N(12)、及びN(13)としてそれぞれ示される。第2層(L=2)は、1つの出力ニューロン(X=1)から成り、N(21)として示される。
複数の感知要素からの温度測定値は、図中ではTS1(n)及びTS2(n)
の2つのみが省略されて示されているが、これらは重みが掛けられ、第1層の各ニューロンN(1,1),N(1,2),及びN(1,3)に入力される。図26は、これらの重みをWL(k,N)と表している。ここで、L=1であり、kは入力検出器の順番、そしてNは第1層の入力ニューロン番号1、2、又は3である。
第2層の出力ニューロン(2,1)は、ニューロンN(1,1),N(1,2),及びN(1,3)の重み付き出力を入力として受け取る。図26は、出力重みをWL(O,X)と表している。ここで、L=2であり、Oは第1層の出力ニューロン1、2、又は3で、Xは第2層の入力ニューロン番号である。これらの重み付き入力に基づいて、出力ニューロンN(2,1)はTMAXPRED(t)を予測する。
予測器300は、過去の実験により取得した、感知要素TSI及びTS2の温度及び最高温度の領域の温度を含む既知のデータの集まりを使用して調整する必要がある。例えば、逆伝播モデルを使用した場合、予測器300は、データの集まりにある既知の最高温度を最小平均二乗誤差で予測するよう調整できる。調整段階が完了したら、予測器300はTMAXPRED(t)の予測に使用できる。
その他の種類のデータ処理技術を使用してTMAXPRED(t)を求めることもできる。例えば、1994年6月27日に出願された同時継続出願、第 号の、”Tissue Heating and Ablation Systems and Methods Using Predicted Temperature for Monitoring and Control(監視及び制御のための予測温度を使用した組織の加熱及びアブレーションのシステムと方法)”を参照できる。
図示されている望ましい実施例は、コンピュータ制御のディジタル処理を使用して情報を分析し、フィードバック信号を生成する。
マイクロスイッチ、アンド-オア・ゲート、インバータ、アナログ回路などを使用するその他の論理制御回路は、望ましい実施例で示されているマイクロプロセッサ制御の技術と同等のものであることが認識されなければならない。
本発明の様々な特徴は、以下の請求の範囲で記述される。

【特許請求の範囲】
1.アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行うシステムにおいて、 各エネルギー・エミッタ地点の温度を計測するための、エミッタにある少なくとも1つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源を各エネルギー・エミッタに結合してアブレーション・エネルギーを電力パルスの順番で個別に各エミッタに送る電力コントローラであり、各電力パルスがデューティーサイクル及び振幅を持ち、組織のアブレーションを行なうために各エミッタに送られる電力が下記で表される電力コントローラと、 POWER = AMFLITUDE2×DUTYCYCLE 各温度感知器が計測した温度を定期的に読み取り、読み取った温度を全てのエミッタに対して確立された所望の温度と比較し、比較結果に基づいて各エミッタに対して個別に信号を生成する処理要素と、 各エミッタ用の信号に基づいて個別にエミッタへの電力パルスを変化させるための電力コントローラに結合し、全てのエミッタにおける温度が組織のアブレーション中本質的に所望の温度に保たれるようにするための温度コントローラ から成ることを特徴とするシステム。
2.請求項1記載のシステムにおいて、 温度コントローラが、エミッタ用の信号に基づいて電力パルスの振幅を個別に変化させ、一方で電力パルスのデューティーサイクルを全てのエミッタに対して本質的に同じに保つことを特徴とするシステム。
3.請求項2記載のシステムにおいて、 デューディーサイクルが1/Nで、Nはエネルギー・エミッタの数であることを特徴とするシステム。
4.請求項2記載のシステムにおいて、 温度コントローラが電圧又は電流を変化させることにより振幅を変化させることを特徴とするシステム。
5.請求項2記載のシステムにおいて、 温度コントローラが、エネルギー・エミッタ地点で計測された温度が所望する温度と等しいか、規定の量だけ所望する温度より高くなった場合にエミッタを個別にオフにし、エミッタ地点で計測された温度が規定の量だけ所望する温度より低くなった場合にエミッタを個別にオンにすることを特徴とするシステム。
6,請求項1記載のシステムにおいて、 温度コントローラがエミッタ用の信号に基づいてこのエミッタのデューティーサイクルを個別に変化させることにより電力パルスを変化させ、一方で電力パルスの振幅を全てのエミッタに対して本質的に同じに保つことを特徴とするシステム。
7.請求項6記載のシステムにおいて、 温度コントローラが、エネルギー・エミッタ地点で計測された温度が所望する温度と等しいか、規定の量だけ所望する温度より高くなった場合にエミッタを個別にオフにし、エミッタ地点で計測された温度が規定の量だけ所望する温度より低くなった場合にエミッタを個別にオンにすることを特徴とするシステム。
8.請求項1記載のシステムにおいて、 温度コントローラが各エネルギー・エミッタ用の信号に基づいてこのエミッタの電力パルスのデューティーサイクル及び振幅を個別に変化させることにより電力パルスを変化させることを特徴とするシステム。
9.請求項8記載のシステムにおいて、 温度コントローラが、エネルギー・エミッタ地点で計測された温度が所望する温度と等しいか、規定の量だけ所望する温度より高くなった場合にエミッタを個別にオフにし、エミッタ地点で計測された温度が規定の量だけ所望する温度より低くなった場合にエミッタを個別にオンにすることを特徴とするシステム。
10.請求項8記載のシステムにおいて、 温度コントローラが電圧又は電流を変化させることにより振幅を変化させることを特徴とするシステム。
11.組織のアブレーション・システムにおいて、 アブレーション・エネルギーを放射するための少なくとも2つの地帯E(J)
(J=2からNで、Nは地帯の合計数)から成るアブレーション要素と、 各地帯E(J)と連係し、地帯E(J)と関連した局部の温度状態TEMP(J)を計測するための少なくとも1つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源をスイッチ要素を含む地帯E(J)に結合してアブレーション・エネルギーをデューティーサイクルDUTYCYCLEE(J)及び振幅AMPE(J)を持つ各電力パルスごとに各地帯E(J)に個別に送る電力コントローラであり、DUTYCYCLEE(J)が全てのE(J)に対して本質的に同じになるように設定され、各地帯E(J)に送られる電力PE(J)が以下のように表される電力コントローラと、 PE(J)=AMPE(J)2×DUTYCYCLEE(J) 各温度感知器が計測した温度状態TEMP(J)を定期的に読み取る手段と、読み取った温度状態TEMP(J)を望ましい温度状態TEMPSETと比較し、比較結果に基づいて信号SIGNAL(J)を生成する手段を含む処理要素と、 SIGNAL(J)に基づいてAMPE(J)を変化させることにより各地帯E(J)への電力パルスを変化させ、一方で全てのE(J)に対してDUTYCYCLEE(J)を本質的に同じに保って全てのE(J)に対してTEMP(J)=TEMPSETを維持する電力コントローラに結合されている温度コントローラ から成ることを特徴とするシステム。
12.請求項11記載のシステムにおいて、 DUTYCYCLEE(J)が全てのE(J)に対して1/Nに設定されていることを特徴とするシステム。
13.請求項11記載のシステムにおいて、 温度コントローラが電圧又は電流を変化させることによりAMPE(J)を変化させることを特徴とするシステム。
14.組織のアブレーション・システムにおいて、 アブレーション・エネルギーを放射するための少なくとも2つの地帯E(J)
(J=2からNで、Nは地帯の合計数)から成るアブレーション要索と、 各地帯E(J)と連係し、地帯E(J)と関連した局部の温度状態TEMP(J)を計測するための少なくとも1つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源をスイッチ要素を含む地帯E(J)に結合してアブレーション・エネルギーをデューティーサイクルDUTYCYCLEE(J)及び振幅AMPE(J)を持つ各電力パルスごとに各地帯E(J)に個別に送る電力コントローラであり、AMPE(J)が全てのE(J)に対して本質的に同じになるように設定され、各地帯E(J)に送られる電力PE(J)が以下のように表される電力コントローラと、 PE(J)=AMPE(J)2×DUTYCYCLEE(J) 各温度感知器が計測した温度状態TEMP(J)を定期的に読み取る手段と、読み取った温度状態TEMP(J)を望ましい温度状態TEMPSETと比較し、比較結果に基づいて信号SIGNAL(J)を生成する手段を含む処理要素と、 SIGNAL(J)に基づいてDUTYCYCLEE(J)を変化させることにより各地帯E(J)への電力パルスを変化させ、一方で全てのE(J)に対してAMPE(J)を本質的に同じに保って全てのE(J)に対してTEMP(J)=TEMPSETを維持する電力コントローラに結合されている温度コントローラ から成ることを特徴とするシステム。
15.組織のアブレーション・システムにおいて、 アブレーション・エネルギーを放射するための少なくとも2つの地帯E(J)
(J=2からNで、Nは地帯の合計数)から成るアブレーション要素と、 各地帯E(J)と連係し、地帯E(J)と関連した局前の温度状態TEMP(J)を計測するための少なくとも1つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源をスイッチ要素を含む地帯E(J)に結合してアブレーション・エネルギーをデューティーサイクルDUTYCYCLEE(J)及び振幅AMPE(J)を持つ各電力パルスごとに各地帯E(J)に個別に送る電力コントローラであり、AMPE(J)が全てのE(J)に対して本質的に同じになるように設定され、各地帯E(J)に送られる電力PE(J)が以下のように表される電力コントローラと、 PE(J)=AMPE(J)2x DUTYCYCLEE(J) 各温度感知器が計測した温度状態TEMP(J)を定期的に読み取る手段と、読み取った全ての温度状態TEMP(J)から最低の温度状態TEMPSMINを識別する手段と、読み取った最低温度状熊TEMPSMINを望ましい温度状態TEMPSETと比較し、比較結果に基づいて信号を生成する手段を含む処理要素と、 信号に基づいて全てのE(J)に対してAMPE(J)を変化させることにより各地帯E(J)への電力パルスを変化させ、TEMPSMIN=TEMPSETを維持する電力コントローラに結合されている温度コントローラ から成ることを特徴とするシステム。
16.組織のアブレーション・システムにおいて、 アブレーション・エネルギーを放射するための少なくとも2つの地帯E(J)
(J=2からNで、Nは地帯の合計数)から成るアブレーション要素と、 各地帯E(J)と連係し、地帯E(J)と関連した局部の温度状態TEMP(J)を計測するための少なくとも1つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源をスイッチ要素を含む地帯E(J)に結合してアブレーション・エネルギーをデューティーサイクルDUTYCYCLEE(J)及び振幅AMPE(J)を持つ各電力パルスごとに各地帯E(J)に個別に送る電力コントローラであり、AMPE(J)が全てのE(J)に対して本質的に同じになるように設定され、各地帯E(J)に送られる電力PE(J)が以下のように表される電力コントローラと、 PE(J)=AMPE(J)2×DUTYCYCLEE(J) 各温度感知器が計測した温度状態TEMP(J)を定期的に読み取る手段と、読み取った全ての温度状態TEMP(J)から最低の温度状態TEMPSMINを識別する手段と、読み取った最低温度状態TEMPSMINを望ましい温度状態TEMPSETと比較し、比較結果に基づいて信号を生成する手段を含む処理要素と、 信号に基づいて全てのE(J)に対してAMPE(J)を変化させることにより各地帯E(J)への電力パルスを変化させてTEMPSMIN=TEMPSETを維持する一方で、TEMP(J)>TEMPSMINが成り立っている各地帯E(J)のDUTYCYCLEE(J)を変化させてこのような各地帯に対してTEMP(J)=TEMPSETを維持する電力コントローラに結合されている温度コントローラから成ることを特徴とするシステム。
17.請求項14スは15又は16記載のシステムにおいて、 温度コントローラが電圧又は電流を変化させることによりAMPE(J)を変化させることを特徴とするシステム。
18.アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行うシステムにおいて、 各エネルギー・エミッタ地点の温度を計測するための、エミッタにある少なくとも1つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源を各エネルギー・エミッタに結合してアブレーション・エネルギーをエミッタに送る電力コントローラと、 各温度感知器が計測した温度を定期的に読み取り、あらかじめ設定されている規準に基づいて計測した温度の中から1つを選択し、この温度を望ましい温度と比較して信号を生成する処理要素と、 信号に基づいてエミッタへのアブレーション・エネルギーの伝達を制御する電力コントローラに結合した温度コントローラ から成ることを特徴とするシステム。
19,請求項18記載のシステムにおいて、 計測した温度の中から選択した1つの温度が計測温度のうち最も高いものであることを特徴とするシステム。
20.アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行うシステムにおいて、 各エネルギー・エミッタ地点の温度を計測するための、エミッタにある少なくとも1つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源を各エネルギー・エミッタに結合してアブレーション・エネルギーを電力パルスの順番で個別に各エミッタに送る電力コントローラであり、各電力パルスがデューティーサイクル及び振幅を持ち、各エミッタに送られる電力が下記で表される電力コントローラと、 POWER=AMFLITUDE2×DUTYCYCLE 各温度感知器が計測した温度を定期的に読み取り、あらかじめ設定されている規準に基づいて計測した温度の中から1つを選択し、この温度を望ましい温度と比較して信号を生成する処理要素と、 信号に基づいてエミッタへの電力パルスを変化させるための電力コントローラに結合している温度コントローラ から成ることを特徴とするシステム。
21.請求項20記載のシステムにおいて、 計測した温度の中から選択した1つの温度が計測温度のうち最も高いものであることを特徴とするシステム。
22.請求項20記載のシステムにおいて、 温度コントローラが信号に基づいて全てのエミッタに対する電力パルスの振幅を変化させることにより電力パルスを変化させ、電力パルスの振幅を全てのエミッタに対して本質的に同じに保つことを特徴とするシステム。
23.請求項20記載のシステムにおいて、 温度コントローラが電圧又は電流を変化させることにより振幅を変化させることを特徴とするシステム。
24.アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行うシステムにおいて、 各エネルギー・エミッタ地点の温度を計測するための、エミッタにある少なくとも1つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源を各エネルギー・エミッタに結合してアブレーション・エネルギーを各エミッタに個別に送る電力コントローラと、 各温度感知器が計測した温度を定期的に読み取り、あらかじめ設定されている規準に基づいて計測した温度の中から1つを選択し、各温度感知器が計測した温度を、計測した温度の中から選択した1つの温度と比較して、比較結果に基づいて各エミッタに対する信号を個別に生成する処理要素と、 各エミッタに対する信号に基づいてこのエミッタへのアブレーション・エネルギーの伝達を個別に制御する電力コントローラに結合した温度コントローラ から成ることを特徴とするシステム。
25.請求項24記載のシステムにおいて、 温度コントローラが各エネルギー・エミッタに対する信号に基づいてエミッタを個別にオン又はオフに切り換えることを特徴とするシステム。
26.請求項24記載のシステムにおいて、 計測された温度の中から選択した1つの温度が計測された温度のうち最ち低いものであることを特徴とするシステム。
27.請求項24記載のシステムにおいて、 温度コントローラが、各温度感知器が計測した温度と、計測した温度の中から選択した1つの温度との差を算出し、この差をあらかじめ決定されている値と比較して信号を生成することを特徴とするシステム。
28.請求項24記載のシステムにおいて、 温度コントローラが、エネルギー・エミッタに対する差があらかじめ決められた値以上になった場合にこのエミッタを個別にオフにし、このエミッタに対する差があらかじめ決められた値より低くなった場合にエミッタを個別にオンにすることを特徴とするシステム。
29.組織のアブレーション・システムにおいて、 アブレーション・エネルギーを放射するための少なくとも2つの地帯E(J)
(J=2からNで、Nは地帯の合計数)から成るアブレーション要素と、 各地帯E(J)と連係し、地帯E(J)と関連した局部の温度状態TEMP(J)を計測するための少なくとも1つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源をスイッチ要素を含む地帯E(J)に結合してアブレーション・エネルギーをデューティーサイクルDUTYCYCLEE(J)及び振幅AMPE(J)を持つ各電力パルスごとに各地帯E(J)に個別に送る電力コントローラであり、各地帯E(J)に送られる電力PE(J)が以下のように表される電力コントローラと、 PE(J)=AMPE(J)2×DUTYCYCLEE(J) 各温度感知器が計測した温度状態TEMP(J)を定期的に読み取る手段と、読み取った各温度状態TEMP(J)を規定の低しきい値温度状態TEMPLOWTHRESH及ぴ規定の高しきい値温度状態TEMPHITHRESHと比較する手段を含む処理要素と、 任意の地帯E(J)のTEMP(J)がTEMPHITHRESH以上のときにこの地帯E(J)をオフにし、この任意の地城E(J)のTEMP(J)がTEMPLOWTHRESHより低くなったときにこの地帯E(J)をオンにするための電力コントローラに結合されている温度コントローラ から成ることを特徴とするシステム。
30.請求項29記載のシステムにおいて、 電力コントローラが温度コントローラの操作中、全てのE(J)に対して本質的に同じAMPE(J)を確立し、維持することを特徴とするシステム。
31.請求項29記載のシステムにおいて、 温度コントローラが規定の規準に応じて少なくとも1つの地帯E(J)のAMPE(J)を調整することを特徴とするシステム。
32.請求項29記載のシステムにおいて、 処理要素が更に、 全ての読み込まれたTEMP(J)から最低の温度状態TEMPSMINを識別する手段と、 読み込まれた最低温度状態TEMPSMINを規定の低温度状態TEMPLOWと比較し、比較結果に基づいて信号を生成する手段を含み、 温度コントローラがこの信号に基づいてAMPE(J)を調整し、TEMPSMINがTEMPLOWより高くなるように維持する ことを特徴とするシステム。
33.請求項29記載のシステムにおいて、 温度コントローラが規定の規準に基づいて少なくとも1つの地帯E(J)に対するDUTYCYCLEE(J)を調整することを特徴とするシステム。
34.生体組織のアブレーションを行うシステムにおいて、 アブレーション・エネルギーのエミッタと、 各エネルギー・エミッタ地点の温度を計測するための、エミッタにある少なくとも2つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源をエネルギー・エミッタに結合してアブレーション・エネルギーをエミッタに送る電力コントローラと、 各温度感知器が計測した温度を定期的に読み取り、計測した温度の中から最高温度を選択し、選択した最高温度を望ましい温度と比較して、比較結果に基づいて信号を生成する処理要素と、 信号に基づいてこのエミッタへのエネルギーの伝達を制御する電力コントローラに結合した温度コントローラ から成ることを特徴とするシステム。
35.生体組織のアブレーションを行うシステムにおいて、 アブレーション・エネルギーのエミッタと、 各エネルギー・エミッタ地点の温度を計測するための、エミッタにある少なくとも2つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源をエネルギー・エミッタに結合してアブレーション・エネルギーをエミッタに送る電力コントローラと、 各温度感知器が計測した温度を定期的に読み取り、これらの温度からエミッタにおける最高組織温度を予測し、予測した最高温度を望ましい温度と比較して、比較結果に基づいて信号を生成する処理要素と、 信号に基づいてこのエミッタへのエネルギーの伝達を制御する電力コントローラに結合した温度コントローラ から成ることを特徴とするシステム。
36.アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行うシステムにおいて、 各エネルギー・エミッタ地点の温度を計測するための、エミッタにある少なくとも2つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源を各エネルギー・エミッタに結合してアブレーション・エネルギーを個別に各エミッタに送る電力コントローラと、 温度感知器が計測した温度を定期的に読み取り、計測した温度の中から各エミッタに対する最高温度を選択し、各エミッタに対して選択した最高温度を全てのエミッタに対して確立されている望ましい温度と比較して、比較結果に基づいて各エミッタに対する信号を個別に生成する処理要素と、 各エミッタに対する信号に基づいてそのエミッタへのエネルギーの伝達を個別に制御し、組織のアブレーション中に全てのエミッタにおける最高温度が本質的に望ましい温度に保たれるようにする電力コントローラに結合している温度コントローラ から成ることを特徴とするシステム。
37.アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行うシステムにおいて、 各エネルギー・エミッタ地点の温度を計測するための、エミッタにある少なくとも2つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源を各エネルギー・エミッタに結合してアブレーション・エネルギーを電力パルスの順番で個別に各エミッタに送る電力コントローラであり、各電力パルスがデューティーサイクル及び振幅を持ち、組織のアブレーションを行なうために各エミッタに送られる電力が下記で表される電力コントローラと、 POWER=AMFLITUDE2×DUTYCYCLE 各エミッタに対する温度感知器が計測した温度を定期的に読み取り、計測した温度の中から各エミッタに対して最高温度のものを選択し、各エミッタに対する最高計測温度を全てのエミッタに対して確立した望ましい温度と比較して、比較結果に基づいて各エミッタに対する信号を個別に生成する処理要素と、 各エミッタに対する信号に基づいてそのエミッタへの電力パルスを個別に変化させ、組織のアブレーション中に全てのエミッタにおける最高温度を望ましい温度に本質的に保つための電力コントローラに結合している温度コントローラ から成ることを特徴とするシステム。
38.アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行うシステムにおいて、 各エネルギー・エミッタ地点の温度を計測するための、エミッタにある少なくとも2つの温度感知要素と、 アブレーション・エネルギー源を各エネルギー・エミッタに結合してアブレーション・エネルギーを電力パルスの順番で個別に各エミッタに送る電力コントローラであり、各電力パルスがデューティーサイクル及び振幅を持ち、組織のアブレーションを行なうために各エミッタに送られる電力が下記で表される電力コントローラと、 POWER=AMFLITUDE2×DUTYCYCLE 各エミッタに対して温度感知器が計測した温度を定期的に読み取り、各エミッタに対する最高組織温度を予測し、各エミッタに対する最高予測温度を全てのエミッタに対して確立した望ましい温度と比較して、比較結果に基づいて各エミッタに対する信号を個別に生成する処理要素と、 各エミッタに対する信号に基づいてそのエミッタへの電力パルスを個別に変化させ、組織のアブレーション中に全てのエミッタにおける予測最高温度を望ましい温度に本質的に保つための電力コントローラに結合している温度コントローラ から成ることを特徴とするシステム。
39.アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行うシステムにおいて、 アブレーション・エネルギーを電力パルスの順番で個別に各エミッタに送るステップであり、各電力パルスがデューティーサイクル及び振幅を持ち、組織のアブレーションを行なうために各エミッタに送られる電力が下記で表されるステップと、 POWER=AMFLITUDE2×DUTYCYCLE 各エミッタでの温度を定期的に感知するステップと、 感知した温度を全てのエミッタに対して確立した望ましい温度と比較して、比較結果に基づいて各エミッタに対する信号を個別に生成するステップと、 各エミッタに対する信号に基づいてそのエミッタへの電力パルスを個別に変化させ、組織のアブレーション中に全てのエミッタにおける温度を望ましい温度に本質的に保つためのステップ から成ることを特徴とするシステム。
40.請求項39記載の方法において、 パルス電極を変化させるステップが、エミッタに対する信号に基づいて電力パルスの振幅を個別に変化させ、一方で電力パルスのデューティーサイクルを全てのエミッタに対して本質的に同じに保つことを特徴とする方法。
41.請求項39記載の方法において、 パルス電極を変化させるステップが、エミッタに対する信号に基づいてエミッタのデューティーサイクルを個別に変化させ、一方で電力パルスの振幅を全てのエミッタに対して本質的に同じに保つことを特徴とする方法。
42.請求項39記載のシステムにおいて、 パルス電極を変化させるステップが、各エネルギー・エミッタに対する信号に基づいてこのエミッタに対する電力パルスのデューティーサイクル及び振幅を個別に変化させることを特徴とする方法。
43.請求項39記載のシステムにおいて、 エネルギー・エミッタ地点で計測された温度があらかじめ決定された値以上である場合にそのエミッタを個別にオフにし、このエミッタ地点で計測された温度があらかじめ決定された値より低い場合にエミッタを個別にオンにするステップを更に含むことを特徴とするシステム。
44.アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行うための方法において、 アブレーション・エネルギーをエミッタに送るステップと、 各エミッタでの温度を定期的に感知するステップと、 感知した温度の中からあらかじめ確立されている規準に基づいて1つの温度を選択し、この温度を望ましい温度と比較して信号を生成するステップと、 信号に基づいて全てのエミッタへのアブレーション・エネルギーの伝達を制御するステップ から成ることを特徴とするシステム。
45.請求項44記載の方法において、 選択を行なうステップが、感知した温度の中から最高温度のものを選択することを特徴とする方法。
46.請求項44記載の方法において、 選択を行なうステップが、各エミッタにおける感知温度に基づいてそのエミッタにおける最高組織温度を予測することを特徴とする方法。
47.アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行うための方法において、 アブレーション・エネルギーを個別に各エミッタに送るステップと、 各エミッタ地点の温度を定期的に感知するステップと、 感知した温度の中からあらかじめ確立されている規準に基づいて1つの温度を選択するステップと、 各エミッタ地点における感知温度を感知した温度の中から選択した1つの温度と比較し、比較結果に基づいて各エミッタに対して個別に信号を生成するステップと、 各エミッタに対する信号に基づいてそのエミッタへのアブレーション・エネルギーの伝達を個別に制御するステップ から成ることを特徴とするシステム。
48.請求項47記載の方法において、 制御を行なうステップが各エネルギー・エミッタに対する信号に基づいてそのエミッタをオン又はオフに個別に切り換えるステップを含むことを特徴とする方法。
49.請求項47記載の方法において、 選択を行なうステップが感知した温度の中から最低の温度を選択することを特徴とする方法。
50.生体組織のアブレーションを行うための方法において、 アブレーション・エネルギーをエミッタに送るステップと、 各エミッタ地点で少なくとも2つの温度を定期的に感知するステップと、 感知した温度の中から最高温度を選択するステップと、 選択した最高温度を望ましい温度と比較し、比較結果に基づいて信号を生成するステップと、 この信号に基づいてエミッタへのエネルギーの伝達を制御するステップ から成ることを特徴とする方法。
51.生体組織のアブレーションを行うための方法において、 アブレーション・エネルギーをエミッタに送るステップと、 各エミッタ地点で少なくとも2つの温度を定期的に感知するステップと、 感知した温度に基づいてエミッタ地点の最高組織温度を予測するステップと、 予測した最高組織温度を望ましい温度と比較し、比較結果に基づいて信号を生成するステップと、 この信号に基づいてエミッタへのエネルギーの伝達を制御するステップ から成ることを特徴とする方法。
52.アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行うための方法において、 アブレーション・エネルギーを個別に各エミッタに送るステップと、 各エミッタ地点で少なくとも2つの温度を定期的に感知するステップと、 感知した温度の中から最高温度を各エミッタに対して選択するステップと、 各エミッタに対して選択した最高温度を全てのエミッタに対して確立された望ましい温度と比較し、比較結果に基づいて各エミッタに対する信号を個別に生成するステップと、 各エミッタに対する信号に基づいてこのエミッタへのエネルギーの伝達を個別に制御し、組織のアブレーション中に全てのエミッタにおける最高温度を本質的に望ましい温度に維持するステップ から成ることを特徴とする方法。
53.アブレーション・エネルギーの複数のエミッタを使用して生体組織のアブレーションを行うための方法において、 アブレーション・エネルギーを個別に各エミッタに送るステップと、 各エミッタ地点で少なくとも2つの温度を定期的に感知するステップと、 各エミッタ地点で感知した温度に基づいて各エミッタ地点の最高組織温度を予測するステップと、 各エミッタに対して予測した最高組織温度を全てのエミッタに対して確立された望ましい温度と比較し、比較結果に基づいて各エミッタに対する信号を個別に生成するステップと、 各エミッタに対する信号に基づいてこのエミッタへのエネルギーの伝達を個別に制御し、組織のアブレーション中に全てのエミッタにおける予測最高組織温度を本質的に望ましい温度で維持するステップ から成ることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表平10−505252
【公表日】平成10年(1998)5月26日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−503099
【出願日】平成6年(1994)10月14日
【国際出願番号】PCT/US94/11748
【国際公開番号】WO96/00036
【国際公開日】平成8年(1996)1月4日
【出願人】
【氏名又は名称】イーピー テクノロジーズ, インコーポレイテッド