説明

複数の磁気層および中間層を有するパターン化垂直磁気記録媒体

【課題】 複数の磁気層および中間層を有するパターン化垂直磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】 パターン化垂直磁気記録媒体は、第1および第2の強磁性層(MAG1およびMAG2)を、MAG1とMAG2との間に第1および第2の非磁性中間層(IL1およびIL2)を備えた状態で有するディスクリートデータアイランドを有する。MAG1およびMAG2は、類似の厚さを有した類似のCoPtCr合金でもよく、IL1およびIL2の厚さは、MAG1およびMAG2が強固に交換結合されることを保証する。あるいは、MAG2は、「書き込み補助」層、例えば、交換スプリング構造における高飽和磁化の軟磁性材料でもよく、IL1は非常に薄く、それによってIL2が、MAG1と書き込み補助MAG2層間とのカップリング層として機能できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、磁気記録ハードディスクドライブにおいて使用するためのディスク等のパターン化垂直磁気記録媒体に関し、より具体的には、向上した磁気記録特性を有する均一なデータアイランド(data island)を備えたパターン化ディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
データ密度を増加させるために、パターン化磁気記録媒体を用いる磁気記録ハードディスクドライブが提案されてきた。従来の連続磁気記録媒体においては、磁気記録層は、ディスクの表面全体に亘って連続した層である。ビットパターン化媒体(BPM)とも呼ばれるパターン化媒体においては、ディスク上の磁気記録層は、同心状のデータトラックに配置された、小さな分離したデータアイランドへとパターン化される。BPMディスクは、磁化方向が記録層の面に平行である、または記録層の面内にある水平磁気記録ディスク(longitudinal magnetic recording disk)である場合もあるが、垂直媒体のデータ密度が増加する可能性があるために、磁化方向が記録層に垂直であるか、または記録層の面外にある垂直磁気記録ディスクが、BPMの選択肢となる可能性が高い。パターン化データアイランドの磁気分離を生じさせるためには、アイランド間のスペースの磁気モーメントが、破壊されるかこれらのスペースが本質的に非磁性状態となるまで大幅に低減されることになる。代替としては、アイランド間のスペースに磁性材料が存在しないように、媒体が製造されてもよい。
【0003】
ナノインプリントリソグラフィー(NIL)は、BPMディスク上に所望のアイランドパターンを形成するために提案されてきた。NILは、所望のナノスケールパターンを有するマスターテンプレートまたはモールドによってインプリントレジスト層を変形させることに基づいている。マスターテンプレートは、電子ビームツール等の高解像度のリソグラフィーツールによって作成される。パターン化される基板は、その上に連続層として形成される磁気記録層および任意の必要な下地層が空のディスクであり得る。次に、基板は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のような熱可塑性ポリマー等のインプリントレジストでスピンコート(spin-coated)される。その後、ポリマーが、ガラス転移温度より高く加熱される。この温度では、熱可塑性レジストは、粘性を持ち、比較的高圧でテンプレートからインプリントを行うことによって、ナノスケールパターンがインプリントレジスト上に複製される。一旦ポリマーが冷えると、テンプレートがインプリントレジストから除去され、逆のナノスケールパターンの凹部およびスペースがインプリントレジスト上に残される。熱可塑性ポリマーの熱硬化の代替案として、Molecular Imprints,Inc.から入手可能なMonoMat等の紫外線(UV)光によって硬化するポリマーを、インプリントレジストとして使用できる。次に、パターン化インプリントレジスト層をエッチマスクとして使用することによって、下層の磁気記録層において所望のアイランドパターンが形成される。
【0004】
BPMにおいては、データアイランド間で、サイズおよび磁気特性の均一性が存在することが重要である。スイッチング磁界分散(SFD)、すなわち、保磁場のアイランド毎の変動は、隣接するアイランドに上書きすることのない、個々のアイランドの正確なアドレス指定能力を十分に保証できるほど小さい必要がある。理想的には、SFD幅はゼロであり、これは、全てのビットが同じ書き込み磁界強度でスイッチングすることを意味する。アイランドのサイズ、形状および間隔の変動、並びに、磁性材料の組成および結晶方位の変動は、SFDを増加させる。
【0005】
個々のデータアイランドの書き込み性能を向上させることも重要である。アイランド中の記録層が、記録層の厚さに亘って段階的異方性を提供するように、異なる異方性を有する少なくとも2つの強磁性交換結合磁気層で形成されることが望ましい場合がある。このタイプの段階的異方性記録層は、記録層の厚さに亘る書き込み磁界の変動および書き込み磁界勾配の非均一性を補償する。
【0006】
エッチングプロセスは、アイランド間のサイズおよび磁気特性の均一性と、個々のアイランドの書き込み性能とに悪影響を及ぼす可能性がある。従って、エッチングプロセス中に、アイランドの個々の磁気層を保護できることも重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第13/049,124号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、向上した書き込み性能を有する均一なデータアイランドを備えたパターン化垂直磁気記録媒体が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1および第2の強磁性層(MAG1およびMAG2)を有し、MAG1およびMAG2の間に第1および第2の非磁性中間層(IL1およびIL2)を有したデータアイランドを備えたパターン化垂直磁気記録媒体に関する。ある実施形態においては、MAG1およびMAG2は、類似の厚さを有する類似のCoPtCr合金でもよい。IL1は、約0.1〜1.5nmの厚さを有する、Ru、またはRuCrまたはRuCo等のRu基合金のような金属膜であり、IL2は、約0.2〜1.0nmの厚さを有する、Ta、Ti、Nb、Si、MnまたはHfの酸化物等の酸化金属膜である。IL1およびIL2の厚さにより、MAG1およびMAG2が強固に交換結合され、単一のスイッチング挙動を示すことが確実となる。段階的異方性のRLを得ることが望ましい場合には、MAG1およびMAG2は、異なる量のPtおよびCrを有し得る。別の実施形態では、MAG2は、「書き込み補助」層、例えば、Co、CoPtCrB、CoPtCr合金、NiFe合金およびCoFe合金等の、交換スプリング構造における高飽和磁化の軟磁性材料である。IL1の厚さを非常に薄くすることによって、IL2が、MAG1および書き込み補助MAG2層間のカップリング層として機能し得る。熱アシスト記録(TAR)の応用に関するさらに別の実施形態では、MAG2は、高磁気結晶異方性(K)を有する、L1相に基づいた化学的配列秩序がある等原子二元合金FePtまたはCoPt、または例えば(Fe(y)Pt(100−y))−Xである、FePtのL1相に基づく疑似二元合金である。このTARの実施形態においては、IL1は、MgO、RuAl、またはTiNであり、IL2は、Ta、Ru、RuCoまたはRu−Taである。
【0010】
全ての実施形態において、任意のバリア層(BL)をMAG2上に形成することによって、ディスクリートアイランドを形成するための後続のエッチング中に、下部の層を保護し得る。BLは、約0.5〜5nmの厚さを有する、Ru、WまたはMo等の金属、あるいはHf、WまたはMoの酸化物等の金属酸化物から形成され得る。
【発明の効果】
【0011】
IL1およびIL2の材料および厚さの適切な選択により、MAG1からのMAG2の微細構造の独立制御およびMAG1とMAG2との間の磁気交換結合の最適な調節、並びに、MAG1の粒間交換結合の制御が可能となる。これにより、向上したスイッチング性能および膜成長の均一性の結果、向上したアイランド磁気特性が得られる。従って、本発明によるデータアイランドを有するBPMは、SFDの大幅な減少、書き込み性能の向上、およびデータゾーンを含むアイランドの高度な磁気均一性を可能にする。
【0012】
本発明の性質および利点をより完全に理解するためには、添付図面と合わせて以下の詳細な説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ビットパターン化媒体(BPM)を有した垂直磁気記録ディスクドライブの上面図であり、先行技術による、同心円状のデータトラックに配置されたパターン化データアイランドを示す。
【図2】データアイランドの詳細な配置を示す、先行技術のBPMディスクの拡大された一部の上面図である。
【図3A】先行技術による、ディスクのエッチングおよび平坦化の様々な段階におけるBPMディスクの断面図である。
【図3B】先行技術による、ディスクのエッチングおよび平坦化の様々な段階におけるBPMディスクの断面図である。
【図3C】先行技術による、ディスクのエッチングおよび平坦化の様々な段階におけるBPMディスクの断面図である。
【図4】本発明によるディスク構造の一部の断面図であり、ディスクリートデータアイランドを形成するためのパターニング前の様々な層を示す断面図である。
【図5】熱アシスト記録(TAR)システムで使用する空気軸受スライダーと、本発明によるデータアイランドを有するTARディスクの一部との断面図である。
【図6】本発明によるディスク構造の一部の断面図であり、ディスクリートデータアイランドを形成するためのパターニング前の、任意のバリア層を含む様々な層を示す断面図である。
【図7】パターニング後の本発明によるディスク構造の一部の断面図であり、1つのデータアイランドを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、パターン化媒体磁気記録ディスク200を有するパターン化媒体磁気記録ディスクドライブ100の上面図である。ドライブ100は、磁気記録ディスク200を回転させるためのアクチュエータ130および駆動モータを支持するハウジングまたは基部112を有する。アクチュエータ130は、剛性アーム131を有するボイスコイルモータ(VCM)回転型アクチュエータでもよく、矢印133で示すように、ピボット132周りで回転する。ヘッドサスペンションアセンブリは、一方の端部をアクチュエータアーム131の端部に取り付けたサスペンション135と、サスペンション135の他方の端部に取り付けた空気軸受スライダー120等のヘッドキャリアとを含む。サスペンション135により、スライダー120をディスク200の表面の非常に近い位置で保持することが可能となり、ディスク200が矢印20の方向に回転する際にそれによって生じる空気軸受上で、スライダー120が「ピッチ(pitch:前後方向での傾斜)」および「ロール(roll:左右方向での傾斜)」することが可能となる。磁気抵抗読み取りヘッド(図示せず)および誘導型書き込みヘッド(図示せず)は、通常、当該分野において周知のように、スライダー120の後端において、一連の薄い膜および構造体としてパターン化された一体型読み書きヘッドとして形成される。スライダー120は、通常、アルミナ/チタンカーバイド(Al/TiC)の複合物等の複合材料から形成される。図1には、ただ1つのディスク面が、関連するスライダーおよび読み書きヘッドと共に示されているが、通常は、スピンドルモータによって回転するハブ上に積層された複数のディスクが、各ディスクの各面に関連した別個のスライダーおよび読み書きヘッドと共に存在する。
【0015】
パターン化媒体磁気記録ディスク200は、硬質または剛性ディスク基板と、基板上の磁化可能材料のディスクリートデータアイランド(discrete data island)30とを含む。データアイランド30は、半径方向に間隔を空けた円形トラック118に配置されており、図1には、ディスク200の内径および外径付近の数個のアイランドおよび代表的なトラック118のみが示されている。アイランド30は、円形で描かれているが、アイランドは、例えば略長方形、長円形または楕円形の他の形状を有していてもよい。ディスク200が矢印20の方向に回転する際に、アクチュエータ130の動きによって、スライダー120の後端の読み書きヘッドが、ディスク200上の異なるデータトラック118にアクセスすることが可能となる。
【0016】
図2は、先行技術による、あるタイプのパターンでのディスク基板表面上のデータアイランド30の詳細な配置を示す、ディスク200の拡大された一部の上面図である。アイランド30は、磁化可能記録材料を含み、トラック118a〜118eによって示されるように、半径方向またはクロストラック方向に間隔を空けた円形トラックに配置されている。トラックは、通常、固定のトラック間隔TSによって均等に間隔を空けられている。1つのトラックにおけるデータアイランド間の間隔は、トラック118aにおけるデータアイランド30aおよび30b間の距離ISによって示されており、隣接トラック同士は、トラック118aおよび118bによって示されるように、距離IS/2だけ互いにずれている。各アイランドは、ディスク200の面に平行な横寸法Wを有し、Wは、アイランドが円形形状である場合は、直径である。アイランドは、例えば、略長方形、長円形または楕円形の他の形状を有していてもよく、その場合、寸法Wは、長方形アイランドの短辺等の非円形アイランドの最小寸法であると見なされ得る。隣接するアイランド同士は、非磁性領域またはスペースによって分離され、これらのスペースは、横寸法Dを有する。Dの値は、Wの値よりも大きくてもよい。
【0017】
図2に示したようなBPMディスクは、磁化方向がアイランドにおける記録層に垂直である、または記録層の面外にある垂直磁気記録ディスクであり得る。パターン化データアイランド30の必要とされる磁気分離を生じさせるためには、アイランド30間の領域またはスペースの磁気モーメントが、破壊されなければならない、あるいは、これらのスペースが本質的に非磁性状態となるまで大幅に低減されなければならない。「非磁性」という用語は、アイランド30間のスペースが、誘電材料等の非強磁性材料、または印加磁場がなければ、実質的な残留モーメントを持たない材料、または読み取りあるいは書き込みに悪影響を与えないようにアイランド30から十分に離れるように下方に窪んだトレンチ(trench)の磁性材料から形成されることを意味する。非磁性スペースは、磁気記録層またはディスク基板におけるトレンチまたは凹部等の、磁性材料がない部分でもあり得る。
【0018】
図3Aは、BPMディスクを形成するためのリソグラフィーパターニングおよびエッチング前の、先行技術によるディスク200を示す断面図である。ディスク200は、通常スパッタリングによって、代表的な層が上に堆積される略平面202を有する基板201である。ディスク200は、垂直(すなわち、基板表面202に対して略垂直)な磁気異方性を有する記録層(RL)と、RLの下に任意の軟磁性下地層(SUL)とを有する垂直磁気記録ディスクとして描かれている。任意のSULは、ディスクドライブ書き込みヘッドからの書き込み磁界の磁束リターンパスとして機能する。
【0019】
ハードディスク基板201は、市販のどのようなガラス基板でもよいが、NiP表面コーティングを有する従来のアルミ合金、または、シリコン、カナサイトあるいは炭化ケイ素等の代替の基板でもよい。SULの成長のための接着層またはオンセット層(OL)は、基板表面202上に堆積される約2〜10nmの厚さを有するAlTi合金または類似の材料でもよい。
【0020】
SULは、CoNiFe、FeCoB、CoCuFe、NiFe、FeAlSi、FeTaN、FeN、FeTaC、CoTaZr、CoFeTaZr、CoFeB、およびCoZrNbの合金等の磁気透過材料で形成され得る。SULは、AlまたはCoCrの導電性膜等の非磁性膜によって分離された複数の軟磁性膜で形成された積層または多層SULでもよい。SULは、Ru、IrあるいはCr、またはそれらの合金等の反強磁性結合の間に介在する中間層膜によって分離された複数の軟磁性膜で形成された積層または多層SULでもよい。SULは、約5〜50nmの範囲の厚さを有していてもよい。
【0021】
ディスクリート磁気アイランドにおけるRLは、コバルト−プラチナ(CoPt)またはコバルト−プラチナ−クロム(CoPtCr)合金のようなコバルト(Co)合金でもよい。Co合金のRLは、Co合金の結晶C軸がRLの面に垂直となるようにする成長促進下地層(UL)上に成長され、それによって、RLは、強い垂直磁気結晶異方性を有する。ULは、RuまたはRu合金層でもよい。NiWまたはNiWCr合金層等のシード層(SL)は、SUL上に堆積され、それによって、Ru含有ULの成長が促進され得る。任意のSULが存在する場合、ULおよびSLは、SULおよびRLの磁気透過膜間の磁気交換結合を壊す交換ブレーク層(EBL:exchange-break layer)としても機能する。
【0022】
保護膜(OC)は、RL上に堆積される。OCは、水素化および/または窒素化され得ることもある、DLCの様な、スパッタ堆積された非晶質炭素でもよい。OCに使用され得る他の材料には、
炭化ケイ素および炭化ホウ素等のカーバイドと、
窒化ケイ素(SiN)、窒化チタン、および窒化ホウ素等の窒化物と、
TiO、ZrO、Al、Cr、TaおよびZrO−Y等の金属酸化物と、
これらの材料の混合物と、
が含まれる。
【0023】
図3Aのディスクは、例えば、ナノインプリンティングプロセスによって、リソグラフィーを用いてパターン化される。ナノインプリンティングにおいては、マスターテンプレートが、データアイランドおよび非磁性領域の所望のパターンを有するように、例えば、直接的なe−ビーム書き込みによって作製される。インプリントレジスト(すなわち熱可塑性ポリマー)の薄膜が、ディスク上にスピンコートされる。次に、所定のパターンを有するマスターテンプレートを、インプリントレジスト膜に接触させ、テンプレートおよびディスクが互いに押し付けられ、熱が付与される。インプリントレジストポリマーが、ガラス転移温度より高く加熱されると、テンプレート上のパターンが、レジスト膜に押し付けられる。冷却後、マスターテンプレートがディスクから分離され、パターン化レジストが、RL上に残される。パターン化インプリントレジストは、次に、エッチマスクとして使用される。反応性イオンエッチング(RIE)またはイオンミリングを用いて、インプリントレジストのパターンを下層のディスクに転写し、それによって、データアイランドおよび非磁性領域を形成することができる。
【0024】
図3Bは、リソグラフィーパターニングおよびエッチング後のディスク200の断面図である。エッチング後、RL材料を有する隆起したランド(land)30および溝または凹部32が、基板表面202の上方に形成される。基本的にランド30の高さでもある、一般的な凹部32の深さは、約4〜50nmの範囲にあり、凹部の典型的な幅は、約4〜50nmの範囲にある。図3Bに示されるように、好ましくは、RL材料の全てを除去し、それによって、凹部32にRL材料が存在しないような深さにまでエッチングが行われる。エッチングは、少量のEBL材料を除去してもよい。通常、凹部32の下面の下には、EBL材料の層が存在する。
【0025】
図3Cは、任意の第2の保護膜34を凹部32内およびランド30の最上部の上に堆積し、その後、凹部32における充填材36の堆積および化学機械研磨(CMP)を行った後の、図3Bのエッチングされたディスク200の断面図である。任意の第2の保護膜34は、RLの最上部の上に直接存在するOCに使用されたような材料の1つから形成されてもよい。充填材36は、SiOまたはポリマー材料、またはCuのような非磁性金属でもよい。CMPにより、基本的に、平坦化されたディスク面が生じる。ディスク200の表面上に、例えばスピンコーティングによって、従来の液体潤滑剤(図示せず)の層が堆積されてもよい。
【0026】
図4は、ディスクリートアイランドへのパターニング前の、本発明によるディスクの一部の断面図である。ディスク基板(図示せず)、任意のSUL、およびEBLは、先行技術に記載されたようなものでもよい。EBLは、RuまたはRu合金層でもよい。EBLは、RLの下の非磁性下地層である。ディスクがSULの存在しないタイプのものである場合には、RLの下の基板上に、RuまたはRu合金のような非磁性下地層が存在する。
【0027】
第1の極薄または「ナノ」酸化膜(N−OX)が、EBL(または非磁性下地層)上に堆積される。EBLは、RuまたはRu合金層でもよい。N−OXは、好ましくは、TaのようなTa酸化物であるが、約0.1〜1.5nmの範囲の厚さを有する、Ti酸化物またはCo酸化物でもよい。N−OXは、1.5nm以下、好ましくは、0.7nm以下の極薄である。この厚さレジームでは、厚さは、不連続膜の「平均」厚さとして考えられ得る。Ta酸化膜は、Taターゲットからのスパッタ堆積によって堆積され得る。ターゲットが導電性である場合には、DCスパッタリングを容易に用いることが可能である。一方、ターゲットが絶縁体または高抵抗ターゲットである場合には、RFスパッタリングが好ましいモードである。あるいは、適量の酸素を含有するスパッタガス混合物を用いたTaの反応性スパッタリングによって、Taをその場で成長させることも可能である。
【0028】
第1の強磁性層(MAG1)は、N−OX上に堆積される。MAG1は、N−OX上に堆積される。MAG1は、約4〜15nmの範囲の厚さを有する、垂直磁気異方性を有するCo合金、好ましくは、Co、PtおよびCrを含む合金である。CoPtCr合金は、垂直磁気異方性を有し、下付き文字が、原子百分率で、50≦x≦85、7≦y≦30、および0≦z≦25であるCoPtCrの組成を有し得る。CoPtCr合金は、通常、より少ない量で、Taのような他の元素を含んでいてもよい。N−OXは、不連続膜であり得るので、Co合金のMAG1が上に堆積される表面は、N−OXのRuまたはRu合金材料と、N−OXのクラスターまたは領域との両方となり得る。従来の連続磁気記録ディスクの顆粒Co合金磁気層(granular Co-alloy magnetic layer)は、通常、粒径を小さくするために、SiO等の酸化物を含むが、本発明においては、Co合金が、酸化物を含まず、可能な限り大きな粒径を有することが好ましい。N−OX上に形成された酸化物非含有CoPtCr合金層を有するディスクリートアイランドを備えたBPMディスクは、2011年3月23日に出願された関連する係属中の出願(特許文献1)に記載されている。
【0029】
本発明によるディスクのある実施形態は、MAG1のような第2の強磁性層(MAG2)を備え、MAG2は、MAG1と類似の厚さを有する。第2の強磁性層(MAG2)が、MAG1とMAG2との間に第1および第2の非磁性中間層(IL1およびIL2)を有して、MAG1の上方に位置している。IL1およびIL2は、MAG1とMAG2との間の二重核形成膜として機能する。IL1は、金属膜、好ましくは、約0.1〜1.5nmの厚さを有するRu、またはRuCrまたはRuCo等のRu基合金である。IL1は、xが30〜70at%であるRuCo(100−x)合金でもよい。IL1は、低圧(約10mTorr未満)でMAG1上にスパッタ堆積される。IL2は、約0.2〜1.0nmの厚さを有する、酸化金属膜、好ましくはTa酸化物であるが、Ti、Nb、Si、MnまたはHfの酸化物でもよい。IL2は、高圧(約20mTorrを上回る)で、IL1上にスパッタ堆積される。MAG2は、IL2上に直接スパッタ堆積される。IL1は、概ね共形(conformal)な膜としてMAG1上で形を成すのに十分な厚さがあればよい。しかしながら、極薄の厚さのレジームでは、IL1およびIL2の各々の厚さは、不連続膜の「平均」厚さであり、IL1およびIL2材料は、不連続クラスターとして形成されている。従って、IL1が概ね共形であり、IL2が不連続である場合には、MAG2は、IL2クラスター上、並びに、下層のIL1の一部の上に成長される。IL1は、比較的低いスパッタリング圧(約10mTorr未満)で堆積されることによって、MAG1上での共形Ru膜(conformal Ru film)またはRu基合金クラスターの形成が促進される。IL2は、高いスパッタリング圧で堆積されることによって、金属酸化物クラスターの形成が促進される。従って、MAG2の材料は、MAG2の微細構造を合同で制御するIL2材料およびIL1材料のクラスターと接触している。MAG2およびMAG1は、共にRLとして機能する。IL1およびIL2の厚さにより、MAG1およびMAG2が強固に交換結合され、単一のスイッチング挙動を示すことが確実となる。段階的異方性のRLを得ることが望ましい場合には、MAG1およびMAG2は、通常、異なる量のPtおよびCrを有する。例えば、MAG2は、Ptがより多く、かつCrがより少なく、その結果、MAG1よりも高い異方性を有していてもよい。段階的異方性のRLは、RLの厚さに亘る書き込み磁界の変動と、書き込み磁界勾配における非均一性とを補償する。MAG1およびMAG2の厚さの合計は、MAG1によるMAG2の微細構造制御の達成、MAG1+MAG2の所望の磁気モーメントおよび異方性の選択、および書き込みヘッドの書き込み特性の一致を目的として調整され得る。
【0030】
本発明の別の実施形態においては、MAG2は、「書き込み補助(write assist)」層であり、IL1およびIL2は、上記の通り、すなわち、それぞれ、好ましくはRuまたはRu基合金である金属膜と、Taのような酸化金属膜とである。MAG2は、約0.5〜10nmの厚さを有する、Co、CoPtCr合金またはCoPtCr酸化物でもよい。MAG2は、例えば、スプリングスイッチング機構によってMAG1の書き込み性能を向上させる、高飽和磁化(約600emu/cmを超えるMs)の軟磁性材料(約2,000Oe未満の保磁力)である。このような層の例には、Co、Fe、CoPtCr合金、CoPtCrB、NiFe、およびCoFe合金が含まれる。このような書き込み補助構造の別の実施では、IL1の厚さを減少させる(約0.1〜3nmの厚さにまで)ことにより、IL2は、交換スプリングタイプの記録構造のカップリング層として機能する。この場合のIL2は、好ましくは、Ru、RuCo(Co=30〜60アトミックパーセント)またはRu−Ta(Ta酸化物=1〜25アトミックパーセント)である。
【0031】
IL1およびIL2の材料および厚さの適切な選択により、MAG1からのMAG2の微細構造の独立制御およびMAG1とMAG2との間の磁気交換結合の最適な調節、並びに、記録層(MAG1)の粒間交換結合の制御が可能となる。これにより、向上したスイッチング性能および膜成長の均一性の結果、向上したアイランド磁気特性が得られる。従って、本発明によるデータアイランドを有するBPMは、SFDの大幅な減少、書き込み性能の向上、およびデータゾーンを含むアイランドの高度な磁気均一性を可能にする。
【0032】
BPMを有する垂直磁気記録ディスクは、主に、誘導型書き込みヘッドのみがアイランドへのデータの書き込みを行う従来の磁気記録での使用を目的として提案されてきた。しかしながら、垂直BPMディスクは、熱アシスト記録(TAR)とも呼ばれる熱アシスト記録での使用も提案されている。TARシステムにおいては、近接場変換器(NFT)を備えた光導波路が、レーザー等の放射線源からの熱を指向させて、ディスク上の磁気記録層の局所領域を加熱する。TARシステムにより、記録層の熱安定性を向上させるための高磁気結晶異方性(K)を有する磁性材料の使用が可能となる。しかしながら、Kが高くなると、磁化方向を逆にするために必要な磁場である、記録層の短期スイッチング磁界(H)も増加する。ほとんどの磁性材料に関して、Hは、ずっと長い時間尺度で測定した保磁場または保磁力Hよりかなり大きいが、Hに直接関係する。従って、書き込み磁界のみ(通常、従来の誘導型書き込みヘッドからの約12kOe以下)では、磁化をスイッチングするのに不十分である。しかしながら、NFTからの放射線により、高K磁性材料が局所的に、場合によってはキュリー温度付近にまで、またはそれを上回る温度にまで加熱され、それによって、保磁力が低下し、誘導型書き込みヘッドによって書き込みが生じるのに十分な程度にスイッチング磁界が低下する。
【0033】
従って、上記に説明した図1には、垂直BPMディスク200と、書き込みヘッドおよび読み取りヘッドを支持する空気軸受スライダー120とを備えた従来の磁気記録システムが描かれている。図5には、TARシステムで使用する空気軸受スライダー120’およびTARディスク200’の一部の断面図(非常に小さな特徴を示すことが難しいため、原寸に比例して描かれてはいない)が描かれている。空気軸受スライダー120’は、書き込みヘッド50(ヨーク54および書き込みポール52を有する)、読み取りヘッド60、およびシールドS1およびS2を支持する。TARディスク200’においては、ヒートシンク層21が、アイランド30および非磁性領域32の下に位置する。アイランド30は、図4におけるアイランドのような、本発明によるアイランドでもよい。ヒートシンク層21は、CuまたはCuZr、Au、Agまたは他の適切な金属または金属合金のような、良好な熱導体である材料から形成される。層19は、ヒートシンク層21とアイランド30との間の、MgOまたはSiOの層等の熱レジスト層でもよく、それによって、熱がヒートシンク層21へと非常に急激に分配されないように熱流量が制御されることの助けとなる。TARディスク200’は、存在する場合は、ヒートシンク層21の下に位置するであろう任意のSULも含み得る。SULが存在しない場合には、EBLの必要性はない。スライダー120’は、ディスク200’に対向する空気軸受面(ABS)を有する。スライダー120’は、レーザー70、ミラー71、光導波路またはチャネル72およびABSに出力を有するNFT74も支持する。
【0034】
書き込み電流が、コイル56を通るように指向されると、書き込みポール52は、データアイランド30の1つに指向された矢印80によって表されるように、磁束をデータアイランド30へと指向する。矢印を有する点線17は、リターンポール54へ戻る磁束リターンパスを示す。NFT74は、波状矢印82によって示されるように、TARディスク200’がスライダーに対して方向20に移動する際に、近接場放射線をデータアイランド30へと指向する。NFTにおける電荷振動は、データアイランドが書き込みポール52からの書き込み磁界に暴露されると同時に、データアイランド30を加熱する。これにより、データアイランドにおける磁気記録材料の温度が上昇し、それによって、材料の保磁力が低下し、書き込み磁界によるデータアイランドの磁化のスイッチングが可能となる。
【0035】
従って、本発明によるBPMディスクの他の実施形態においては、BPMディスクは、TARディスクドライブにおいて使用可能なTARディスクである。第1のTARディスク実施形態においては、ディスク構造は、図4に示す、上記と同じMAG1、IL1およびIL2を有するが、MAG2は、高異方性CoPtCr合金材料から形成されるようなものでもよい。特定の組成に応じて、高KのCoPtCr合金は、最大約20kOeのスイッチング磁界を有し得る。NFTは、MAG2のスイッチング磁界が書き込み磁界を大幅に下回る値にまで減少するように、MAG2の保磁力を減少させなければならない。MAG2のCoPtCr合金層の組成は、キュリー温度の調節を可能にするために変更され得る。
【0036】
第2のTARディスク実施形態においては、ディスク構造は、図4に示す、同じMAG1を有するが、IL1およびIL2に関して異なる材料を有し、MAG2として化学的配列秩序がある高K合金を有するようなものでもよい。IL1は、0.1〜2nmの範囲の厚さを有するMgOまたはRuAl(Al=30〜70アトミックパーセント)またはTiN(N=40〜60アトミックパーセント)である。IL2は、0.1〜1nmの範囲の厚さを有するTa、Ru、RuCo(Co=30〜70アトミックパーセント)またはRu−Ta(Ta酸化物=1〜25アトミックパーセント)である。MAG2は、好ましくは、L1相に基づく、化学的配列秩序がある等原子二元合金FePtまたはCoPt(chemically-ordered equiatomic binary alloy FePt or CoPt)である。L1で秩序立てられたFePtおよびCoPt(およびFePdおよびCoPd)の化学的配列秩序がある合金は、高磁気結晶異方性および磁化と、高密度磁気記録材料に望ましい特性とで知られている。バルク形態での、化学的配列秩序があるFePtまたはCoPt合金が、面心正方(FCT)のL1秩序相材料(CuAu材料とも呼ばれる)として知られる。L1相のc軸は、磁化容易軸であり、ディスク基板に対して垂直に方向付けられる。化学的配列秩序があるFePt(またはCoPt)合金層は、例えば(Fe(y)Pt(100−y))−Xである、FePtのL1相に基づく疑似二元合金でもよく、yは、約45〜55アトミックパーセントの範囲であり、元素Xは、Ni、Au、Cu、PdまたはAgでもよく、約0〜約20アトミックパーセントの範囲に存在する。疑似二元合金FePt−Xは、一般的に、二元合金FePtと同様に高異方性を有するが、これにより、MAG2の磁気および構造特性に対してさらなる制御が可能となる。MAG2は、化学的配列秩序があるFePt合金層である場合には、IL2構造上にスパッタ堆積されるが、ディスク基板は、300℃を超える、好ましくは450℃を超える高温に維持される。高温の堆積により、高スイッチング磁界を達成できることが確実となる。スイッチング磁界は、好ましくは、約30〜150kOeの間である。ディスク基板の温度は、堆積中に、例えば約600℃の開始温度から約300℃の最終温度へと、徐々に低下させられ、それによって、段階的異方性を有し、厚さが増すにつれて異方性が減少するFePt合金層が設けられることが可能である。
【0037】
図6は、ディスクリートアイランドへのパターニング前の、MAG2上に任意のバリア層(BL)を有する、本発明によるディスクの一部の断面図である。BLは、ディスクリートアイランドを形成するための後続のエッチング中に、下部の層を保護する。BLは、Ru、WまたはMo等の金属、またはHf、WまたはMoの酸化物等の金属酸化物、または窒化ケイ素(SiN)等の他の低エッチ速度材料から形成され得る。BLは、約0.5〜5nmの厚さを有し得る。
【0038】
図7は、リソグラフィーパターニングおよびエッチング後の1つのデータアイランドを示す、本発明によるBPMディスクの一部の断面図である。エッチングは、好ましくは、MAG1の材料を全て除去する深さにまで行われる。エッチングは、少量のEBL材料を除去し得る。典型的には、データアイランド間の凹部の下面の下に、EBL材料の層が存在する。
【0039】
本発明を好適な実施形態を参照して具体的に示し、説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細に関して様々な変更が行われ得ることが当業者には理解されるであろう。従って、開示された発明は、単なる例示としてみなされるものであり、添付の特許請求の範囲に規定される範囲にのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0040】
50 書き込みヘッド
30 データアイランド
60 読み取りヘッド
72 光データチャネル
74 近接場変換器
EBL 非磁性下地層
MAG1 第1の強磁性層
IL1 第1の非磁性中間層
IL2 第2の非磁性中間層
MAG2 第2の強磁性層
BL バリア層
OC 保護膜
N−OX ナノ酸化膜
SUL 軟磁性下地層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上の非磁性下地層と、
垂直磁気異方性を有する第1の強磁性層(MAG1)であって、コバルト、プラチナおよびクロムを含む酸化物非含有合金である第1の強磁性層と、
前記第1の強磁性層上の第1の非磁性中間層(IL1)と、
前記IL1上の第2の非磁性中間層(IL2)と、
前記IL2上の第2の強磁性層(MAG2)と、
を備え、
前記MAG1、IL1、IL2およびMAG2は、複数のディスクリートアイランドへとパターン化される、パターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項2】
前記MAG2は、垂直磁気異方性を有し、Co、PtおよびCrを含む酸化物非含有合金であり、前記MAG2およびMAG1は、前記IL1および前記IL2を渡って交換結合される、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項3】
前記MAG2は、前記MAG1と比較して、Ptがより多く、かつCrがより少ない、請求項2に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項4】
前記MAG2は、Co、Fe、CoPtCr合金、CoPtCrB、NiFeおよびCoFe合金から選択された材料から形成され、600emu/cmを上回る飽和磁化および2,000Oeを下回る保磁力を有する書き込み補助層である、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項5】
前記MAG2およびMAG1は、交換スプリング構造であり、
ILは、約0.1〜3nmの厚さを有し、
前記IL2は、Ru、RuCo(30アトミックパーセント以上かつ60アトミックパーセント以下のCo)およびRu−Ta(1アトミックパーセント以上かつ25アトミックパーセント以下のTa酸化物)から選択された材料から形成される交換スプリングカップリング層である、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項6】
前記IL1は、RuおよびRu基合金から選択され、0.1nm以上かつ1.5nm以下の厚さを有する材料を含み、
前記IL2は、0.2nm以上かつ1.0nm以下の厚さを有し、Ta、Nb、Ti、Si、Mn、およびHfからなる群から選択された元素の1つ以上の酸化物を含む、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項7】
前記IL2は、Ta酸化物から実質的になる、請求項6に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項8】
前記IL2は、前記IL1上の酸化物クラスターの不連続膜であり、前記MAG2は、前記IL1および前記IL2の酸化物クラスターと接触する、請求項6に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項9】
前記IL1は、前記MAG1上のIL1材料の共形膜である、請求項6に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項10】
前記IL1は、前記MAG1上のIL1材料の不連続膜である、請求項6に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項11】
前記MAG2は、FePt合金、CoPt合金、FePt−X合金およびCoPt−X合金から選択された化学的配列秩序合金であり、前記元素Xは、Ni、Au、Cu、PdおよびAgからなる群から選択され、20アトミックパーセント以下の量で存在する、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項12】
前記MAG2は、30kOe以上のスイッチング磁界を有する、請求項11に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項13】
前記IL1は、MgOおよびRuAl(30アトミックパーセント以上かつ70アトミックパーセント以下のAl)から選択される、請求項11に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項14】
前記IL2は、Ta、Ru、RuCo(30アトミックパーセント以上かつ70アトミックパーセント以下のCo)およびRu−Ta(1アトミックパーセント以上かつ25アトミックパーセント以下のTa酸化物)から選択される、請求項13に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項15】
前記MAG2上にバリア層(BL)と、前記BL上に保護膜(OC)とをさらに備えた、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項16】
前記BLは、0.5nm以上かつ5nm以下の厚さを有し、Ru、W、Mo、Hf、WまたはMoの酸化物、および窒化ケイ素から選択される、請求項15に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項17】
前記非磁性下地層と前記MAG1との間にナノ酸化膜(N−OX)をさらに備え、前記N−OXは、Ta酸化物、Co酸化物およびTi酸化物から選択された酸化物を含み、0.1nm以上かつ1.5nm以下の厚さを有する、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項18】
前記非磁性下地層の下の前記基板上に軟磁性透過材料の軟磁性下地層(SUL)をさらに備え、前記SULは、CoFe、CoNiFe、NiFe、FeCoB、CoCuFe、FeAlSi、FeTaN、FeN、FeTaC、CoTaZrおよびCoZrNbの合金からなる群から選択された材料を含む、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項19】
請求項1の前記パターン化垂直磁気記録媒体と、
データアイランドにおいて前記MAG1を磁化するための書き込みヘッドと、
前記磁化されたデータアイランドを読み取るための読み取りヘッドと、
を備えた、磁気記録ディスクドライブ。
【請求項20】
請求項12の前記パターン化垂直磁気記録媒体と、
データアイランドにおいて前記MAG2を磁化するために、前記データアイランドへと書き込み磁界を加える書き込みヘッドと、
前記MAG2を加熱するために、前記データアイランドへと放射線を指向するための光データチャネルおよび近接場変換器と、
前記磁化されたMAG2を用いて前記データアイランドを読み取るための読み取りヘッドと、
を備えた、熱アシスト記録(TAR)磁気記録ディスクドライブ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−25862(P2013−25862A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−161301(P2012−161301)
【出願日】平成24年7月20日(2012.7.20)
【出願人】(503116280)エイチジーエスティーネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】