説明

複数の送信機エンティティを介してデータ信号を送信する方法

本発明は、受信機向けの一連の記号を備えるデータ信号を送信する方法に関し、前記方法は複数の送信機エンティティ(EEi)によってそれぞれ送信された複数のOFDM信号の生成を備える。本方法は、一連の記号の現在の記号の組に直交する、少なくとも1組の記号を生成するステップと、現在の記号の組を複製することによって少なくとも1組の記号を生成するステップと、少なくとも1つの現在の組、少なくとも1組の直交する記号、および少なくとも1組の複製された記号を複数の送信機エンティティのうちの送信機エンティティに割り当てるステップとのサブステップであって、前記一連の記号の組の全ての記号の組について繰り返されるサブステップを含む、複数の一連の記号の組を生成するステップと、複数の一連の記号の組に従って複数のOFDM信号を生成するステップであって、OFDM信号が送信機エンティティの数の2倍と等しい複数の副搬送波を備えるステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は遠隔通信の分野である。本発明は、より具体的には複数の送信機エンティティから少なくとも1つの受信機にデータ信号を送信することに関する。
【背景技術】
【0002】
送信機エンティティによって送信される信号は伝搬状態に応じてひずみを受け、特に受信機によって受信される信号電力は時間および空間によって変化する。無線遠隔通信ネットワークにおいて、送信機エンティティは、たとえば送信機アンテナ、無線基地局、あるいは無線基地局から発せられる信号を送信するための装置を含む固定またはモバイル無線中継局を含む、無線送信機である。送信機エンティティは、同様に海底メディアにおける音響的手段による信号の送信機でもよく、光ファイバネットワークまたは銅線ネットワークなどの固定遠隔通信ネットワーク用の送信機でもよい。
【0003】
受信機によって受信される信号の品質を改善するために、受信機に信号のレプリカも送信できる。このように時間をおいて信号とレプリカを送信することによって時間的ダイバーシティが得られ、異なるアンテナを介して信号とレプリカを送信することによって空間的ダイバーシティが得られ、異なる周波数で信号とレプリカを送信することによって周波数ダイバーシティが得られる。
【0004】
こうして、コロケートされた送信機エンティティによって信号の異なるレプリカが送信されるMISO(multiple input single output)遠隔通信ネットワークにおいて、空間的および時間的ダイバーシティ特性が活用される。
【0005】
信号のレプリカは、一連の記号で構成される時空間符号を、送信されるべき時間信号に適用することによって生成される。時空間符号は、時空間符号化後に得られた信号とレプリカとの間の時間的直交性の特性に応じて選択される。符号の選択は、特に送信機エンティティの数に依存する。2つのコロケートされた送信機エンティティがある場合、文献「A simple transmit diversity technique for wireless communications」、by S.M. Alamouti published in IEEE Journal on Select Areas in Communications、第16巻、1998に記述されたように、Alamouti符号を使用することがルーティンである。Alamouti符号の適用後に得られた信号のレプリカは、符号化前の一連の記号に直交する一連の記号で構成される。
【0006】
これらの時空間符号を使用することによって、様々な送信機エンティティと受信機との間で同様のひずみを受けており、また、とりわけそれらの電力に同質の減衰を受けており、同じ伝搬遅延を被っている信号、および信号の1つまたは複数の直交レプリカを同じ場所から送信することによって得られる空間的および時間的ダイバーシティを活用できるようになる。
【0007】
しかし、異なるおよび地理的に離れた送信機エンティティによって様々なレプリカが送信される分散型MISO遠隔通信ネットワークでは、信号とレプリカとの間の時間的直交性の特性は受信機レベルではもはや配慮されない。各送信機エンティティと受信機との間の伝搬状態は異なり、とりわけ信号およびレプリカが被る伝搬時間は異なりやすい。したがって、信号およびレプリカは、送信時に補正が不可能であると証明しうる異なる時間シフトを受けやすく、信号とレプリカとの間の直交性の特性は受信機レベルではもはや配慮されない。したがって、受信機における時空間符号化はもはや不可能である。
【0008】
文献「System Performance of Distributed Transmit Diversity of OFDL-based 1xEV-DO Broadcast Network」、Young C. Yoon、Alpaslan Savas、Wanshi Chen、the proceedings of the Wireless Communications and Networking Conference、IEEE-WCNC 2006、第3巻、1475〜1479頁は、周波数ドメインにおけるAlamouti符号の直交性の原則を分散型MISOタイプネットワークに適用している。したがって、OFDM(直交周波数分割多重)信号、および送信されるべき一連の記号にAlamouti符号を適用することによって生成された周波数ドメインにおける信号の直交レプリカが、2つの地理的に離れた送信エンティティによって受信機に送信される。したがって、周波数ドメインにおける位相シフトに反映されているあらゆる時間シフト、信号とそのレプリカとの間の時間シフトは、送信時にOFDM信号を、および受信時にOFDM復調を構成するために実行される周波数処理による受信機におけるAlamouti復号にはもはや影響しない。しかし、これは2つの地理的に離れた送信機エンティティから信号および単一のレプリカを受信機に送信している分散型MISOネットワークについてのみ可能である。この制限は、たとえばいわゆるコラボレーティブ遠隔通信ネットワークにおける、複数の送信機エンティティによって信号を送信する分散型MISO遠隔通信ネットワークの展開を妨げる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「A simple transmit diversity technique for wireless communications」、S.M. Alamouti、IEEE Journal on Select Areas in Communications、第16巻、1998
【非特許文献2】「System Performance of Distributed Transmit Diversity of OFDL-based 1xEV-DO Broadcast Network」、Young C. Yoon、Alpaslan Savas、Wanshi Chen、the proceedings of the Wireless Communications and Networking Conference、IEEE-WCNC 2006、第3巻、1475〜1479頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、送信機エンティティがコロケートされていようと、および/または地理的に異なる地点に設置されていようと、複数の送信機エンティティからデータ信号を少なくとも1つの受信機に送信する方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために、本発明は、一連の記号を備えるデータ信号を受信機に送信する方法であって、複数の送信機エンティティによってそれぞれ送信された複数のOFDM信号を生成するステップを含む方法を提供する。本方法は、
一連の記号の組の現在の記号の組に直交する、少なくとも1組の記号を生成するステップと、
現在の記号の組を複製することによって少なくとも1つのレプリカを生成するステップと、
前記少なくとも1組の直交する記号の前記現在の記号の組、および前記少なくとも1つのレプリカを、複数の送信機エンティティのうちの送信機エンティティに割り当てるステップと、のサブステップであって、一連の記号の組の全ての記号の組について繰り返されるサブステップを含む、一連の記号から複数の一連の記号の組を生成するステップと、
複数の一連の記号の組から複数のOFDM信号を生成するステップであって、OFDM信号が送信機エンティティの数の2倍と等しい複数の副搬送波を含むステップと、を含む。
【0012】
したがって、同様に良好にコロケートされ得る、または地理的に異なる地点に設置され得る複数の送信エンティティによって送信される信号の直交性と共直線性の特性の組合せによって、空間的ダイバーシティにおける利得、および時間的ダイバーシティにおける利得が得られる。送信されるべき記号の組、直交する記号の組、または複製された記号の組の反復割当てにより、特定の伝搬チャネルが送信機エンティティと受信機との間に誘発する可能性がある悪影響の分散がさらに可能になる。さらに、受信機は地理的に離れたエンティティによって送信された信号を受信する可能性が高く、コロケートされた送信機エンティティと地理的に離れた送信機エンティティとを結合する遠隔通信ネットワークのセットアップを可能にする。
【0013】
少なくとも1組の直交する記号は、現在の記号の組に時空間符号化を適用することによって生成される。
【0014】
これにより、記号の組に符号語を単に適用することによって、直交性の特性を保証できる。
【0015】
本発明のある特定の実装形態では、送信されるべき記号の組、少なくとも1組の直交する記号、および少なくとも1組の複製された記号が、複数の送信機エンティティに周期的に割り当てられる。
【0016】
送信されるべき記号の組、直交する記号の組、または複製された記号の組の周期的割当てにより、特定の伝搬チャネルが送信機エンティティと受信機との間に誘発する可能性がある悪影響を平均できるようになる。周期割当てには、伝搬チャネル品質情報は必要ない。受信機がこのタイプの情報を送信するために、追加のスペクトルリソースの消費は必要ではない。この割当ては、たとえばデータの放送に適している。
【0017】
ある特定の実装形態では、複数の一連の組を生成するステップは、
送信機エンティティと受信機との間の伝搬チャネルの品質指数のセットを収集するステップと、
前記品質指数のセットに従って、複数の送信機エンティティに割り当てられた現在の記号の組、少なくとも1組の直交する記号、および少なくとも1組の複製された記号を選択するステップと、のサブステップをさらに含む。
【0018】
したがって、様々な伝搬チャネルの品質指数を収集するステップにより、直交または共直線コンポーネントを増強できるように、すなわち時間的ダイバーシティまたは空間的ダイバーシティ利得を選択し、したがって得られる全体的なダイバーシティ利得を最大化できるようになる。
【0019】
本発明は、本発明の様々な実施形態における装置も提供する。
【0020】
本発明の第1実施形態では、送信機エンティティのための装置が、複数の送信機エンティティを介して送信されるべきOFDM信号を一連の記号から生成して送信する。
【0021】
本発明の第2実施形態では、方法のステップが管理エンティティによって実行され、送信機エンティティは管理エンティティに接続される。管理エンティティのための装置は、送信されるべき記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組を生成して、送信機エンティティに周期的に割り当てる。送信機エンティティは、一連の受信記号からOFDM信号を送信できる。
【0022】
本発明の第3実施形態では、方法のステップが管理エンティティによって実行され、送信機エンティティは管理エンティティに接続される。管理エンティティのための装置は、送信されるべき記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組を生成して、送信機エンティティに選択的に割り当てる。送信機エンティティは、一連の受信記号からOFDM信号を送信できる。
【0023】
本発明の第4実施形態では、管理エンティティのための装置が、送信されるべき記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組の選択的割当てを通知し、選択は送信機エンティティと受信機との間の収集された伝搬チャネルの品質指数に基づいて決定される。選択の通知を受信後、送信機エンティティのための装置が、一連の送信されるべき組、複製された組、および直交する組を生成し、OFDM信号を送信する。
【0024】
本発明の装置は、上述の方法の装置と同様の利点がある。
【0025】
本発明は、上記の装置のうちの1つを含む管理エンティティも提供する。
【0026】
本発明は、複数の送信機エンティティを介して送信されるべき一連の記号からOFDM信号を生成および送信するための上述の装置を含む、送信エンティティを含むシステムも提供する。
【0027】
本発明は、送信されるべき記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組を生成して送信機エンティティに選択的に割り当てるための上述の装置を含む管理エンティティを含むシステムも提供する。
【0028】
本発明は、直交する記号の組、および複製された記号の組の送信機エンティティへの選択的割当ての通知を含む上述の装置を含む管理エンティティを含むシステムも提供し、送信機エンティティは通知の受信後にOFDM信号を生成するための上述の装置を含む管理エンティティに接続されている。
【0029】
本発明は、管理エンティティによってプログラムが実行されると、管理エンティティによって実行される方法のそれらのステップの実行を制御するためのソフトウェア命令を含む、管理エンティティのためのコンピュータプログラムも提供する。
【0030】
本発明は、送信機エンティティによってプログラムが実行されると、送信機エンティティによって実行される方法のそれらのステップの実行を制御するためのソフトウェア命令を含む、送信機エンティティのためのコンピュータプログラムも提供する。
【0031】
本発明の他の特徴および利点は、本方法のいくつかの特定の実装形態の以下の説明を読めばより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】分散型MISO遠隔通信ネットワークアーキテクチャの例を示す図である。
【図2】送信機エンティティによって信号を受信機に送信するための、本発明の方法のステップの図である。
【図3】本発明のある特定の実装形態における、記号の組を送信機エンティティに割り当てるサブステップの図である。
【図4】送信機エンティティによって送信された信号を受信するための、本発明の方法の一例のステップを示す図である。
【図5】本発明の第1実装形態における、複数の送信機エンティティによって受信機に送信されるべき一連の記号から決定されるOFDM信号を、送信機エンティティから送信するための装置を図式的に示す図である。
【図6】本発明の第2実装形態における、複数の一連の記号の組を生成するための管理エンティティの装置、および管理エンティティに接続された送信機エンティティからOFDM信号を送信するための装置を図式的に示す図である。
【図7】本発明の第3実装形態における、複数の一連の記号の組を生成するための管理エンティティの装置、および管理エンティティに接続された送信機エンティティからOFDM信号を送信するための装置を図式的に示す図である。
【図8】本発明の第4実装形態における、記号の組の割当てを選択するための管理エンティティの装置、および管理エンティティに接続された送信機エンティティからOFDM信号を送信するための装置を図式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
定義を明確にするために、以下のパラグラフは、信号および直交レプリカを送信するMISO遠隔通信ネットワーク内にコロケートされた送信機エンティティの原則のリマインダの役割を果たす。
【0034】
送信されるべき一連の記号に時空間符号を適用することによって、直交レプリカが生成される。これらの符号により、信号および直交レプリカを送信することによって得られる空間的および時間的ダイバーシティを活用できるようになる。
【0035】
2つのコロケートされた送信機エンティティがある場合、Alamouti符号を使用するのが普通である。したがって、一連の記号Sorthoが送信されるべき一連の記号S={s0, s1, s2, s3, ... s2k, s2k+l, ...}から生成され、
Sortho={ - s1*, s0*, - s3*, s2*...- s2k+1*, s2k*,...}
であり、上式で、*は複素共役を示している。
【0036】
同等の方法で、送信されるべき一連の記号Sからの連続する組に行列符号語(matrix code word)CAlamoutiを適用することによって、一連の記号Sorthoが生成される。
【0037】
【数1】

【0038】
第1の一連の記号の組は、行列符号語の第1行を読み取ることによって得られて、第1送信機エンティティによって送信される。対応する一連の記号は、送信されるべき記号の一連の記号Sと同一である。
【0039】
第2の一連の記号の組は、行列符号語の第2行を読み取ることによって得られて、第2送信機エンティティによって送信される。対応する一連の記号は、送信されるべき記号の一連の記号Sと直交する一連の記号Sorthoである。
【0040】
送信された信号とそのレプリカとの間の直交性の特性は、符号語の特性によって表され、
【0041】
【数2】

【0042】
であり、上式で†は共役転置を示しており、行列Id2はサイズ(2,2)の恒等行列である。
【0043】
Alamouti符号により、時間軸上および空間軸上の直交を、第1送信機エンティティと受信機との間の伝搬チャネルH1、および第2送信機エンティティと受信機との間の伝搬チャネルH2にすることが可能になる。
【0044】
受信機は、最大尤度センス(maximum likelihood sense)においてAlamouti復号を適用することによって送信された一連の記号の推定Sestimを、それぞれ第1および第2送信機エンティティからの一連の記号SおよびSorthoの送信の結果生じる一連の受信した記号のSrecuに返す。復号は、伝搬チャネルH1およびH2を推定すること、ならびにシステム:
Sestim=Hequi×Srecu
を解くことによって送信された記号の組を連続的に推定することによって影響され、上式で、
【0045】
【数3】

【0046】
であり、このシステムはコードの直交性特性によって以下の同等の形式:
【0047】
【数4】

【0048】
をとり、上式でNは受信された雑音成分ベクトルである。
【0049】
地理的に離れた送信機エンティティの場合、上述のYoung、C. Yoon、Alpaslan、およびWanshiによる論文内で取り扱われたような、2つの送信機エンティティの特定の環境において、ならびにOFDM信号についての直交性特性が保持され、また受信原則は同様である。
【0050】
次に、同様に良好にコロケートされる、または地理的に相互に離れている、複数のNE個の送信機エンティティを説明する。
【0051】
図1は、送信機エンティティEE1、EE2、EE3から受信機RECにデータ信号を送信するための分散型MISO遠隔通信ネットワークアーキテクチャの例を示している。
【0052】
例示のために、送信機エンティティは無線基地局、あるいは固定またはモバイル中継局である。送信機エンティティは、図示されていない遠隔通信ネットワークの管理エンティティEGに接続されている。遠隔通信ネットワークは、たとえば、LTE(ロングタームエボリューション)世代などの第3世代に続く世代のUMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム)モバイル無線遠隔通信ネットワーク、またはWIMAX(ワールドワイドインターオペラビリティーフォーマイクロウェイブアクセス)ネットワークなどの無線ローカルエリアネットワークである。遠隔通信ネットワークは、コラボレーティブネットワークタイプのモバイル無線遠隔通信ネットワークでもよい。
【0053】
受信機は、たとえばモバイル端末、または送信機エンティティから無線信号を受信できる通信モジュールを含むどのような装置でもよい。
【0054】
この例では、送信機エンティティは地理的に異なる地点にあり、それぞれが個々の無線サービスエリアZ1、Z2、Z3をカバーしている。
【0055】
このアーキテクチャは、海底遠隔通信ネットワークの分野に置き換えられてよく、その場合サービスエリアは海底音波の範囲に応じて定義される。同様に、固定ネットワークの場合、サービスエリアは様々な送信機エンティティのケーブル設置によって定義される。
【0056】
このようなアーキテクチャでは、受信信号の品質を改善するために、様々なエンティティによって一連の記号を備えるデータ信号が受信機RECに送信される。
【0057】
図2は、同様に良好にコロケートされ得る、および/または地理的に相互に離れている送信機エンティティによって一連の記号を備えるデータ信号を送信する方法のステップを示している。NE個の送信機エンティティEEiによってデータ信号を送信するための方法のステップを説明し、iは1からNEまで変化し、NEは1より大きい。明確にするために、3つの送信機エンティティEE1、EE2、EE3の特定の構成について、より具体的にステップを説明する。
【0058】
データ信号は、N個の一連の記号Sのsnを備え、指数nは0からN-1まで変化する。記号は、たとえばPSK(位相偏移キーイング)記号またはQAM(直交振幅変調)記号などの変調された記号である。一連の記号Sは連続記号の組と見なされ、k番目の組は連続記号s2k、s2k+1に対応する。
【0059】
本方法は、一連の記号の組に反復して適用されるステップE2-1からE2-3を備える。反復は、送信されるべき記号上の指数kを開始するステップINIT、および指数kをインクリメントするステップITEによって記号化される。
【0060】
ステップE2-1で、現在の記号の組[s2k, s2k+1]に直交する少なくとも1組の記号[y2k, y2k+1]が生成される。直交する記号の組は、たとえばAlamouti符号などの時空間符号を適用することによって得られる。
【0061】
以下に示す様々なステップがAlamouti符号を適用するが、現在の記号の組に直交する記号の組の生成に適したどのような符号に置き換えられてもよい。上述のようにAlamouti符号から生成された直交する記号の組は、以下の式により与えられる:
[y2k, y2k+1]=[- s*2k+1, s*2k]
上式で、*は複素共役を示している。
【0062】
直交する記号の組の数は、Northoと等しい。
【0063】
ステップE2-2で、レプリカと呼ばれる少なくとも1組の複製された記号が現在の記号の組[s2k, s2k+1]から生成される。
【0064】
生成された、複製された記号の組の数は、Nduplicと等しい。
【0065】
ステップE2-1およびE2-2の間に生成された記号の組の総数は、
Northo+Nduplic+1=NE
であり、NorthoおよびNduplicの数は設定可能である。
【0066】
したがって、3つの送信機エンティティがある場合、たとえば1組の複製された記号[s2k, s2k+1]が生成される。
【0067】
ステップE2-3で、ステップE1-2およびE2-2の間にそれぞれ生成された、直交する記号の組および複製された記号の組、ならびに現在の記号の組が、様々な送信機エンティティに割り当てられる。本発明のある特定の実装形態では、現在の記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組が、様々な送信機エンティティに周期的に割り当てられる。
【0068】
したがって、3つの送信機エンティティがある場合、先行する2つの反復の間に生成された2つの直交する組が送信機エンティティEE2そしてEE3にそれぞれ割り当てられると、現在の記号の組に直交する記号の組は、たとえば送信機ユニットEE1に割り当てられる。
【0069】
したがって、k番目の反復で、エンティティEE1に反復して割り当てられた一連のSC_EE1(k)の組は、以下の式によって与えられる:
SC_EE1(k)={[y0, y1],[s2, s3],[s4, s5],[y6, y7],…[s2k-4, s2k-3],[s2k-2, s2k-1],[y2k, y2k+1]}
また、エンティティEE2およびEE3に割り当てられた一連のSC_EE2(k)およびSC_EE3(k)の組は、それぞれ:
SC_EE2(k)={[s0, s1],[y2, y3],[s4, s5],[s6, s7],… [y2k-4, y2k-3],[s2k-2, s2k-1],[s2k, s2k+1]
SC_EE3(k)={[s0, s1],[s2, s3],[y4, y5],[s6, s7],… [s2k-4, y2k-3],[y2k-2, y2k-1],[s2k, s2k+1]
【0070】
この特定の例では、割当て周期は3つの連続する直交の組を3つの送信機エンティティに反復して割り当てることに対応する。原則として、割当て周期は設定可能である。
【0071】
あるいは、ステップE2-3の間に行われる記号の組の割当ては、選択的である。その場合、ステップE2-3は図3に示されたサブステップE2-31およびE2-32を含む。
【0072】
サブステップE2-31の間、それぞれの送信機エンティティEEiと受信機との間の伝搬チャネルについての品質指数のセットの収集から割当てが行われ、それぞれの指数はINDiと書かれ、iは1からNEまで変化する。
【0073】
例を挙げると、この収集は受信機によって送信された伝搬チャネルについての品質指数を受信することによって行われる。これらの指数は、たとえば電力測定または受信信号減衰推定である。これらの測定または推定は、たとえば様々な送信機エンティティによって送信される受信信号またはパイロット信号に基づいて受信機によって行われる。
【0074】
サブステップE2-32の間、直交する記号の組が、収集された品質指数のセットの値に応じて現在の記号の組に割り当てられる。
【0075】
本発明のある特定の実装形態では、現在の記号の組に直交する記号の組が、最大値である収集された品質指数のセットから、対応する品質指数値を有する送信機エンティティのセットに割り当てられる。これにより、直交する記号の組の送信を増強できるようになり、したがって空間的ダイバーシティ利得を選択できるようになる。
【0076】
あるいは、現在の記号の組に直交する記号の組が、最小値である収集された品質指数のセットから、対応する品質指数を有する送信機エンティティのセットに割り当てられる。これにより、現在の記号の組および複製された記号の組の送信を増強できるようになり、したがって時間的ダイバーシティ利得を選択できるようになる。
【0077】
あるいは、直交する記号の組が、空間的ダイバーシティと時間的ダイバーシティの間の妥協点を満たす選択基準に応じて割り当てられる。非制限的な、および説明に役立つ例を挙げると、第1セットに対応する品質指数の意味が第2セットに対応する品質指数の意味と比較できるように、第1セットの送信機エンティティへの直交する記号の組の割当て、および第2セットの送信機エンティティへの複製された記号の組の割当てに対応する2セットの送信機エンティティが定義される。この選択基準により、直交および共直線的なコンポーネントの全体的な受信品質を均一にできるようになる。
【0078】
3つの送信機エンティティEE1、EE2、EE3がある場合、このように記号の3つの一連のSCS_EE1(k)、SCS_EE2(k)、およびSCS_EE3(k)が生成される。
【0079】
ステップE2-4の間、iが1からNEまで変化し、複数のNf個の副搬送波を含むNE個のODFM信号である信号(i)が、ステップE2-1からE2-3の間にNE個の送信機エンティティに反復して割り当てられるNE個の一連の記号から生成される。この目的を達成するために、当業者によく知られているOFDM送信機がNE個の送信機エンティティにおいて使用される。
【0080】
送信機エンティティEEiによって送信されたOFDM信号の副搬送波の数Nfは、送信機の数NEの2倍である。したがって、3つの送信機エンティティがある場合、3つのOFDM信号である信号(i)は、それぞれ6つの副搬送波を含む。
【0081】
次いで、同様に良好にコロケートされ得る、または地理的に離れているNE個の送信機エンティティから受信機はNE個のODFM信号を受信して、コロケートされた送信機エンティティでMISOシステムについての上述の原則に従ってAlamouti復号を行う前にOFDM復調器を使用する。
【0082】
NE個のODFM信号を受信する方法の例を、図4を参照して説明する。明確にするために、3つの送信機エンティティ、ならびに現在の記号の組、1組の直交する記号、および1組の複製された記号の周期的割当ての特定の環境における方法のステップを説明する。
【0083】
現在の記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組の周期的割当ては、行列符号語Cを送信されるべき一連の記号S={ s0, s1, s2, s3,...s2k, s2k+1,...}に適用することによって同様の方法で表すことができる:
【0084】
【数5】

【0085】
送信機エンティティEE1は、符号語の第1行に対応する一連の記号を送信し、通信しているエンティティEE2は符号の第2行に対応する一連の記号を送信し、エンティティEE3は符号の第3行に対応する一連の記号を送信する。この例では、組[s0, s1]に直交する組が送信機エンティティEE3に割り当てられ、次の組[s2, s3]に直交する組が送信機エンティティEE2に割り当てられ、組[s4, s5]に直交する組が送信機エンティティEE1に割り当てられる。
【0086】
符号語Cの6列は、それぞれの送信機エンティティによって送信されたOFDM信号の6つの副搬送波にそれぞれ対応する。したがって、第1副搬送波は、送信機エンティティEE1で記号s0によって、送信機エンティティEE2で記号s0によって、および送信機エンティティEE3で記号-s1*によって変調される。
【0087】
次いで、符号語は3組の連続する記号を割り当てる全ての周期にわたって反復される。
【0088】
ステップE3-1で、3つのOFDM信号の送信に対応し、それぞれが6つの副搬送波を備え、それぞれの送信機エンティティによって送信された、受信したOFDM信号全体が、たとえばフーリエ変換を適用することによってOFDM復調器によって復調される。
【0089】
ステップE3-2からE3-4は、データ信号の一連の記号を復元するために3組の連続記号のグループごとに繰り返される。指数に関して明確にするために、3組の第1グループについてこの反復を説明する。
【0090】
ステップE3-2で、それぞれの送信機エンティティによる3つの連続する組の送信に対応する6つの受信記号rj, j=0から5のセットを復調器が復元する。同等の方法で、受信記号は以下の通り行列フォームで表される:
R=H C+N
上式で、
【0091】
【数6】

【0092】
および、
【0093】
【数7】

【0094】
である。
【0095】
ベクトルNのコンポーネントは、それぞれの副搬送波で受信された信号に影響を及ぼす雑音コンポーネントを表す。行列HのコンポーネントHi(f1)は、送信機エンティティEEiによって送信されたOFDM信号の信号(i)の副搬送波f1によって伝達された信号に影響を与える伝搬チャネルに対応し、lは1から6まで変化し、iは1から3まで変化する。
【0096】
結果として得られる、送信機エンティティによって送信された様々な記号の組の間の直交性および共直線性の特性により、受信記号を以下の等価形式で表すことができるようになる:
R=Hequi×Sd+N
上式で、
【0097】
【数8】

【0098】
および、
【0099】
【数9】

【0100】
である。
【0101】
行列Hequiは直交行列なので、送信された記号の推定は、Hの推定から開始して最大尤度センスで復号することによって得られる。
【0102】
したがってステップE3-3で、チャネル推定器が、たとえば送信機エンティティによるパイロットの送信に基づく最大尤度センスにおけるあらゆる推定方法で、またはパイロットを必要としないブラインド推定方法で、受信した全体的なOFDM信号から行列Hを決定する。
【0103】
ステップE3-4で、記号推定器は、たとえば受信したベクトルRに共役転置行列Hequiを掛けることによって送信された6つの連続記号s0、s1、s2、s3、s4、s5の推定を含むベクトルSestimを決定し、行列Hequiについては:
Sestim=Hequi×R
以下の式からも得られる:
Sestim=Id6×DIV×S+N
上式で、行列Id6は、サイズ6×6の単位行列であり、行列DIVは:
【0104】
【数10】

【0105】
である。
【0106】
行列DIVのそれぞれの行は、現在の記号の組およびそのレプリカを送信することによって得られた時間的ダイバーシティ利得項を含み、直交する記号の組を送信することによって得られた空間的ダイバーシティ利得項が追加される点に留意されたい。
【0107】
複数のNE個の送信機エンティティについて、復調器は2×NE個の副搬送波を復調し、同等の方法でサイズ(2×NE, 2×NE)の行列HについてステップE3-2からE3-4が実行される。
【0108】
複数の直交する組を複数の送信機エンティティに同時に割り当てる場合、行列DIVの行は、現在の組およびそのレプリカの送信に対応する第1合計によって与えられた時間的ダイバーシティ利得項を同じ方法で含み、直交する組の送信に対応する第2合計によって与えられた空間的ダイバーシティ利得項が追加される。
【0109】
送信機エンティティに割り当てられた、直交する記号の組、現在の記号の組、および複製された記号の組を選択するモード、すなわち周期的または選択的割当ては、受信機に影響を与えず、考慮されるべき唯一のパラメータはOFDM信号の副搬送波の数を決定する送信機エンティティの数である点に留意されたい。
【0110】
受信機は、本発明に従って生成されて、コロケートされた、または地理的に離れた送信機エンティティによって同様に良好に送信される複数のOFDM信号を受信するように構成される。副搬送波の数は、コロケートされた、および離れた送信機エンティティの合計数の2倍である。
【0111】
送信されたデータ信号のデータ速度を向上するために、一連の記号は事前に複数のM個の準連続の記号にさらに分割されてよい。この準連続は、本発明の送信機エンティティによってパラレルに送信される。これらのそれぞれのNE個のODFM信号は、それに特有の、また2×NE×M個の副搬送波のセットから得られる、2×NE個の副搬送波のサブセットを含む。
【0112】
同様に良好にコロケートされ得たおよび/または地理的に離れた複数の送信機エンティティから一連の記号を備えるデータ信号を送信するための本発明の方法を以下で説明する。
【0113】
本発明の第1実装形態では、送信機エンティティは、連続する組において処理された、送信されるべき一連の記号からOFDM信号を決定するように構成され、OFDM信号は送信機エンティティの数の2倍と等しい複数の副搬送波を備える。本発明のこの実装形態では、本発明を実行する手段は送信機エンティティに組み込まれる。
【0114】
図5は、本発明の第1実装形態の送信機エンティティのOFDM信号を送信するための装置の線図である。
【0115】
図5は本発明を実行する手段だけを示している。送信機エンティティは、
送信されるべき記号の組に直交する記号の組を生成するための手段ORTHOと、
送信されるべき記号の組から複製された記号の組を生成するための手段DUPLICと、
現在の記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組から記号の組を周期的に選択するための手段SELECT-EEであって、同等の方法で生成手段ORTHOまたはDUPLICを周期的に起動するための手段でよい手段SELECT-EEと、
手段SELECT-EEによって配信された一連の記号の組から開始して、送信機エンティティの数の2倍と等しい複数の副搬送波上でOFDM信号を送信するための手段EMETとを含む。
【0116】
本発明の第2実装形態では、方法のステップは遠隔通信ネットワークの管理エンティティ、および管理エンティティに接続された送信機エンティティによって実行される。管理エンティティは、たとえばモバイル無線遠隔通信ネットワークの基地局コントローラである。本発明のこの実装形態では、管理エンティティは、現在の記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組を生成して、送信機エンティティに周期的に割り当てる手段を含む。送信機エンティティは、一連の受信記号から開始して、OFDM信号を送信する手段を含む。
【0117】
図6は、複数の一連の記号の組を生成するための管理エンティティの装置、および本発明の第2実装形態における管理エンティティに接続された送信機エンティティからOFDM信号を送信するための装置の線図である。以前同様、OFDM信号は、複数の送信機エンティティによって受信機に送信されるべき一連の記号から決定される。
【0118】
図6は、本発明を実行するための管理ユニットおよび送信機ユニットの手段だけを示している。
【0119】
管理エンティティは、
送信されるべき記号の組と直交する記号の組を生成するための手段ORTHOと、
送信されるべき記号の組から複製された記号の組を生成するための手段DUPLICと、
生成手段ORTHOおよびDUPLICによってそれぞれ配信された、送信されるべき記号の組(現在の組)、直交する記号の組、および複製された記号の組を複数の送信機エンティティに周期的に割り当てるための手段ALLOUE-Cと、を含む。
【0120】
送信機エンティティは、
管理エンティティから一連の記号の組を受信するための手段REC-EEと、
手段REC-EEによって受信された一連の記号の組から開始する、送信機エンティティの数の2倍と等しい複数の副搬送波上でOFDM信号を送信するための手段EMETとを含む。
【0121】
本発明の第3実装形態では、方法のステップが遠隔通信ネットワークの管理エンティティ、および管理エンティティに接続された送信機エンティティによって実行される。管理エンティティは、たとえばモバイル無線遠隔通信ネットワークの基地局コントローラである。本発明のこの実装形態では、管理エンティティは、直交する記号の組、および複製された記号の組を生成して、送信機エンティティに選択的に割り当てる手段を含む。送信機エンティティは、一連の受信記号から開始して、OFDM信号を送信する手段を含む。
【0122】
図7は、複数の一連の記号の組を生成するための管理エンティティの装置、および本発明の第3実装形態の管理エンティティに接続された送信機エンティティからOFDM信号を送信するための装置の線図である。
【0123】
図7は、本発明を実行するための管理エンティティおよび送信機エンティティの手段だけを示している。管理エンティティは、たとえばモバイル無線遠隔通信ネットワークの基地局コントローラである。
【0124】
管理エンティティは、
送信されるべき記号の組に直交する記号の組を生成するための手段ORTHOと、
送信されるべき記号の組から複製された記号の組を生成するための手段DUPLICと、
送信機エンティティと受信機との間の伝搬チャネルの品質指数のセットを収集するための手段COLLECTと、
生成手段ORTHOおよびDUPLICによってそれぞれ配信された、送信されるべき割り当てられた(現在の)記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組を選択するための手段SELECT-EGと、
送信されるべき記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組を送信機エンティティに割り当てるための手段ALLOUE-Sと、を含む。
【0125】
送信機エンティティは、
管理エンティティから一連の記号の組を受信するための手段REC-EEと、
手段REC-EEによって受信された一連の組から開始して、離れた送信機エンティティの数の2倍と等しい複数の副搬送波上でOFDM信号を送信するための手段とを含む。
【0126】
本発明の第4実装形態では、方法のステップが遠隔通信ネットワークの管理エンティティ、および管理エンティティに接続された送信機エンティティによって実行される。管理エンティティは、たとえばモバイル無線遠隔通信ネットワークの基地局コントローラである。本発明のこの実装形態では、管理エンティティは、送信されるべき記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組の選択的割当てを通知する手段を含み、選択は送信機エンティティと受信機との間の伝搬チャネルの品質指数の収集に基づいて決定される。送信機エンティティは、受信した選択通知およびOFDM信号を送信するための手段に従って、送信されるべき一連の記号の組、複製された記号の組、および直交する記号の組を生成する手段を含む。
【0127】
図8は、少なくとも1組の割り当てられた送信されるべき記号、直交する記号の組、および複製された記号の組の選択を管理するためのエンティティの装置、および本発明のこの第4実装形態の管理エンティティに接続された送信機エンティティのOFDM信号を送信するための装置の線図である。
【0128】
図8は、本発明を実行するための管理エンティティおよび送信機エンティティの手段だけを示している。管理エンティティは、たとえばモバイル無線遠隔通信ネットワークの基地局コントローラである。
【0129】
管理エンティティは、
複数の送信機エンティティと受信機との間の伝搬チャネルの品質指数のセットを収集するための手段COLLECTと、
送信されるべき記号の組から開始して、少なくとも1組の割り当てられた送信されるべき記号、少なくとも1組の直交する記号、および少なくとも1組の複製された記号を選択するための手段SELECT-EGと、
複数の送信機エンティティに選択を通知するための手段NOTIFと、を含む。
【0130】
送信機エンティティは、
送信されるべき記号の組に直交する少なくとも1組の記号を生成するための手段ORTHOと、
送信されるべき記号の組から少なくとも1組の複製された記号を生成するための手段DUPLICと、
管理エンティティによって送信された、送信されるべき記号の組、直交する記号の組、または複製された記号の組の選択の通知を受信するための手段REC-NOTIFと、
受信手段REC-NOTIFによって受信された通知において通知された、選択された一連の組から開始して、送信機エンティティの数の2倍と等しい複数の副搬送波上でOFDM信号を送信するための手段EMETとを含む。
【0131】
上述の本発明は、一連の記号を備えるデータ信号を送信するための装置にも関する。したがって、本発明はコンピュータプログラム、特に、本発明を実行するように構成された情報記憶メディア上またはその中のコンピュータプログラムも提供する。これらのプログラムはどのようなプログラミング言語を使用してもよく、ソースコード、オブジェクトコード、または部分的にコンパイルされた形式などのソースコードとオブジェクトコードとの間の中間コードの形式をとってもよく、あるいは本発明の方法のステップを実行するための他の何らかの所望の形式をとってもよい。
【符号の説明】
【0132】
EG 管理エンティティ
EEi 送信機エンティティ
REC 受信機
Z1、Z2、Z3 無線サービスエリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の記号(S)を備えるデータ信号を受信機に送信する方法であって、
複数の送信機エンティティ(EEi)によってそれぞれ送信された複数のOFDM信号の生成を含み、
一連の記号の組の現在の記号の組に直交する、少なくとも1組の記号を生成するサブステップ(E2-1)と、
前記現在の記号の組を複製することによって少なくとも1つのレプリカを生成するサブステップ(E2-2)と、
前記少なくとも1組の直交する記号の前記現在の記号の組、および前記少なくとも1つのレプリカを、前記複数の送信機エンティティのうちの送信機エンティティに割り当てるサブステップ(E2-3)と、
を具備する前記一連の記号から複数の一連の記号の組を生成するステップと、
前記複数の一連の記号の組から前記複数のOFDM信号を生成するステップ(E2-4)と、
を具備し、
前記サブステップは、前記一連の記号の組の全ての記号の組について繰り返され、
前記OFDM信号は、送信機エンティティの数の2倍と等しい複数の副搬送波を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1組の直交する記号が、前記現在の記号の組に時空間符号化を適用することによって生成されることを特徴とする請求項1に記載の送信方法。
【請求項3】
前記現在の記号の組、少なくとも1組の直交する記号、および少なくとも1つのレプリカ、の前記複数の送信機エンティティへの割当てが周期的であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送信方法。
【請求項4】
複数の一連の記号の組を生成する前記ステップが、
前記送信機エンティティと前記受信機との間の伝搬チャネルの品質指数のセットを収集するサブステップと、
前記品質指数のセットに従って前記複数の送信機エンティティに割り当てられた、少なくとも1組の送信されるべき記号、少なくとも1組の直交する記号、および少なくとも1つのレプリカ、を選択するサブステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送信方法。
【請求項5】
一連の記号(S)を備えるデータ信号を受信機に送信するための送信機エンティティのための装置であって、
前記一連の記号は、複数の送信機エンティティ(EEi)によってそれぞれ送信された複数のOFDM信号の形式で送信されることを目的としており、
送信されるべき記号の組に直交する少なくとも1組の記号を生成するための手段(ORTHO)と、
送信されるべき記号の組を複製することによって少なくとも1つのレプリカを生成するための手段(DUPLIC)と、
送信されるべき前記記号の組、前記直交する記号の組、および前記複製された記号の組を周期的に選択するための手段(SELECT-EE)と、
前記送信機エンティティの数の2倍と等しい複数の副搬送波上で、一連の前記選択された組から形成されたOFDM信号を送信するための手段(EMET)と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項6】
一連の記号(S)を備えるデータ信号を受信機に送信するための管理エンティティ用の装置であって、
前記一連の記号が、前記管理エンティティ(EG)に接続された複数の送信機エンティティ(EEi)によってそれぞれ送信された複数のOFDM信号の形式で送信されることを目的としており、
送信されるべき記号の組と直交する少なくとも1組の記号を生成するための手段(ORTHO)と、
送信されるべき記号の組から少なくとも1組の複製された記号を生成するための手段(DUPLIC)と、
送信されるべき記号の組、および前記直交する記号の組、ならびに複製された記号の組を前記複数の送信機エンティティに周期的に割り当てるための手段(ALLOUE-C)と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項7】
一連の記号(S)を備えるデータ信号を受信機に送信するための管理エンティティ用の装置であって、
前記一連の記号が、前記管理エンティティ(EG)に接続された複数の送信機エンティティ(EEi)によってそれぞれ送信された複数のOFDM信号の形式で送信されることを目的としており、
送信されるべき記号の組に直交する少なくとも1組の記号を生成するための手段(ORTHO)と、
送信されるべき記号の組から少なくとも1組の複製された記号を生成するための手段(DUPLIC)と、
前記複数の送信機エンティティと前記受信機との間の伝搬チャネルの品質指数のセットを収集するための手段(COLLECT)と、
前記割り当てられた記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組を選択するための手段(SELECT-EG)と、
送信されるべき記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組を前記複数の送信機エンティティに割り当てるための手段(ALLOUE-S)と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項8】
一連の記号(S)を備えるデータ信号を受信機に送信するための管理エンティティ用の装置であって、
前記一連の記号が、前記管理エンティティ(EG)に接続された複数の送信機エンティティ(EEi)によってそれぞれ送信された複数のOFDM信号の形式で送信されることを目的としており、
前記複数の送信機エンティティと前記受信機との間の伝搬チャネルの品質指数のセットを収集するための手段(COLLECT)と、
送信されるべき記号の組に割り当てられた、少なくとも1組の送信されるべき記号、少なくとも1組の直交する記号、および少なくとも1組の複製された記号を選択するための手段(SELECT-EG)と、
前記複数の送信機エンティティに前記選択を通知するための手段(NOTIF)と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項9】
一連の記号(S)を備えるデータ信号を受信機に送信するための送信機エンティティ用の装置であって、
前記一連の記号が、管理エンティティに接続された複数の送信機エンティティ(EEi)によってそれぞれ送信された複数のOFDM信号の形式で送信されることを目的としており、
送信されるべき記号の組に直交する少なくとも1組の記号を生成するための手段(ORTHO)と、
送信されるべき記号の組から少なくとも1組の複製された記号を生成するための手段(DUPLIC)と、
前記送信されるべき記号の組、直交する記号の組、および複製された記号の組の選択の通知を受信するための手段(REC-NOTIF)と、
前記送信機エンティティの数の2倍と等しい複数の副搬送波上で、一連の前記選択された組から形成されるOFDM信号を送信するための手段(EMET)と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項10】
複数の送信機エンティティに接続された管理エンティティであって、
前記管理エンティティは、請求項6から8のいずれか一項による装置を含むことを特徴とする管理エンティティ。
【請求項11】
請求項5に記載の装置を含む複数の送信機エンティティを具備することを特徴とするシステム。
【請求項12】
複数の送信機ユニットに接続された請求項7に記載の管理エンティティを含む複数の送信機エンティティを具備することを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項9に記載の装置を含む複数の送信機エンティティに接続された請求項8に記載の管理エンティティを備えることを特徴とするシステム。
【請求項14】
プログラムが送信機エンティティによって実行されると前記送信機エンティティによって実行される、請求項1から4のいずれか一項に記載の前記方法の前記ステップの実行を制御するためのソフトウェア命令を含むことを特徴とする送信機エンティティのためのコンピュータプログラム。
【請求項15】
プログラムが管理エンティティによって実行されると前記管理エンティティによって実行される、請求項1から4のいずれか一項に記載の前記方法の前記ステップの実行を制御するためのソフトウェア命令を含むことを特徴とする管理エンティティのためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−513717(P2012−513717A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542882(P2011−542882)
【出願日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【国際出願番号】PCT/FR2009/052674
【国際公開番号】WO2010/072979
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】