説明

複数の通信網を利用する通信の課金処理装置

【課題】複数の通信網を利用する通信の課金処理を行うことを目的とする。
【解決手段】通信網間発信管理装置6が第1通信網ゲートウェイ5を通過する第1通信網1から第2通信網2への発信又は第2通信網2から第1通信網1への発信を検出した信号を出力し、第1通信網課金管理装置7が通信網間発信管理装置6から出力される第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への発信を検出した信号又は第2通信網電話機9から第1通信網電話機1への発信を検出した信号により第1通信網電話機1の第2通信網電話機2への回線使用量及び第1通信網電話機1の通信料金を検出して第1通信網課金管理装置7に記録し、第1通信網課金管理装置7が通信料金の請求単位期間ごとに第1通信網課金管理装置7に記録された第1通信網電話機1の第2通信網電話機9への回線使用量により割引率を求めた後に上記第1通信網電話機1の通信料金の割引された通信料金を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信網を利用する通信の課金処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図17及び図18を参照し、特許文献1で開示された課金処理について説明する。図17において課金処理装置の構成について説明すると、課金処理装置は、1つの通信網81での通信の課金処理を行うものであり、当該1つの通信網81に接続された課金管理装置82を備える。課金管理装置82は、CPU83、ROM84、RAM85、通信検出部86、演算処理部87、単位時間通信料金データベース88、個別使用量データベース89、割引率データベース90を備える。CPU83は、ROM84に格納されたコンピュータプログラムにしたがいRAM85に記録されている情報を使用しながら動作して通信検出部86、演算処理部87、単位時間通信料金データベース88、個別使用量データベース89、割引率データベース90を制御するものである。通信検出部86は、通信網81を利用する通信における着信時の着信回数や通信料金を検出して個別使用量データベース89に記録するものである。単位時間通信料金データベース88には、割引を行わない通常の単位時間にかかる基本通信料金が例えば30秒で25円というように記録されている。割引率データベース90には、着信回数に対応する割引率が例えば着信回数「0〜100」までは割引率「5%」、着信回数「101〜200」までは割引率「10%」、着信回数「201〜300」までは割引率「15%」などのように記録されている。第1電話機91及び第2電話機92は、通信網81による通信サービスに正規に加入している携帯通信端末である。
【0003】
図18において、1つの通信網81だけでの通信に対する課金処理ついて第1電話機91を例として説明する。ステップ701では課金管理装置82の通信検出部86が第1電話機91の着信回数と発信に対する通信料金とを検出して課金管理装置82の個別使用量データベース89に累積して記憶する。ステップ702では、課金管理装置82の演算処理部87が月ごとのような通信料金の請求単位期間ごとに個別使用量データベース89に記録された先月の着信回数により割引率データベース90から割引率を求めた後に個別使用量データベース89に記録された今月の通信料金の割引された通信料金を求める課金演算処理を行う。
【0004】
例えば、図17に示す個別使用量データベース89の第1電話機91を特定する識別情報として第1電話機91の電話番号の表示された記憶領域における先月の着信回数が「50回」で今月の通信料金が「10000円」と記録されている場合には、演算処理部87は次のような課金演算処理を行う。まず、演算処理部87は個別使用量データベース89の第1電話機91の電話番号の表示された記憶領域から先月の着信回数の「50回」と抽出し、次に、演算処理部87は上記抽出した着信回数「50回」に対応する割引率「5%」を割引率データベース90から抽出してRAM85に記録する。また、演算処理部87は個別使用量データベース89の第1電話機91の電話番号の表示された記憶領域から今月の通信料金の「10000円」を抽出すると共にRAM85から割引率「5%」と抽出し、さらに、演算処理部87は当該抽出した今月の通信料金の「10000円」に当該抽出した割引率「5%」を乗算して今月の請求するべき通信料金としての割引通信料金を演算してROM84の書き換え可能な部分に記録する。この演算処理部87による課金演算処理の結果としてROM84の書き換え可能な部分に記録された割引通信料金を通信網の図外の請求管理機器が第1電話機91の支払名義人に請求するようになっている。
【0005】
しかしながら、図17及び図18に示した課金処理は、同じ通信事業会社が運営する1つの通信網81での課金処理であるので、互いに経営の異なる複数の通信事業会社が運営する複数の通信網を利用する通信の課金処理に採用することができないという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】2001−245071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、第1通信網に設けられたゲートウェイ又は基地局又はITX又は中継装置を通過する第1通信網電話機から第2通信網電話機への発信を検出した信号又は第2通信網電話機から第1通信網電話機への発信を検出した信号により複数の通信網を利用する通信の課金処理を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1通信網を使用する第1通信網電話機と第2通信網を使用する第2通信網電話機とを通信可能に接続する複数の通信網を利用する通信の課金処理装置であって、第1通信網には通信網間発信管理装置と第1通信網課金管理装置とを備え、第1通信網課金管理装置には単位時間通信料金データベースと個別使用量データベースと割引率データベースと通信検出部と演算処理部とを備え、上記通信網間発信管理装置が第1通信網に設けられたゲートウェイ又は基地局又はITXを通過する第1通信網から第2通信網への発信又は第2通信網から第1通信網への発信を検出した信号を出力し、上記第1通信網課金管理装置の通信検出部が上記通信網間発信管理装置から出力される第1通信網電話機から第2通信網電話機への発信を検出した信号又は第2通信網電話機から第1通信網電話機への発信を検出した信号により第1通信網電話機の第2通信網電話機への回線使用量及び第1通信網電話機の通信料金を検出して上記第1通信網課金管理装置の個別使用量データベースに記録し、上記第1通信網課金管理装置の演算処理部が通信料金の請求単位期間ごとに個別使用量データベースに記録された上記第1通信網電話機の第2通信網電話機への回線使用量により割引率データベースから割引率を求めた後に上記個別使用量データベースに記録された第1通信網電話機の通信料金の割引された通信料金を求めることを特徴とするか、又は、第1通信網を使用する第1通信網電話機と第2通信網を使用する第2通信網電話機とを通信可能に接続する中継装置を備えた複数の通信網を利用する通信の課金処理装置であって、中継装置には第1通信網を使用する第1通信網中継電話機と第2通信網を使用する第2通信網中継電話機と中継制御部とを備え、第1通信網電話機が第1通信網中継電話機の電話番号を発信して、この発信元である第1通信網電話機と第1通信網中継電話機とが第1通信網で接続されると、この第1通信網中継電話機が第1通信網の接続を維持したまま発信元である第1通信網電話機の電話番号を中継制御部に転送し、中継制御部が第1通信網中継電話機を返信の動作をするように制御し、この制御により第1通信網中継電話機が通信をしようとする相手先の電話番号を発信するように第1通信網に繋がっている発信元である第1通信網電話機に返信し、その返信を受信した発信元である第1通信網電話機が通話をしようとする相手先である第2通信網電話機の電話番号を第1通信網を経由して第1通信網中継電話機に送信して、その第1通信網中継電話機が相手先として受信した第2通信網電話機の電話番号を中継制御部に転送し、中継制御部が第2通信網中継電話機を発信の動作をするように制御し、この制御により第2通信網中継電話機が自分の電話番号と相手先である第2通信網電話機の電話番号とを第2通信網に発信して、第1通信網電話機と第2通信網電話機とが通信可能に接続される一方、第1通信網又は中継装置には第1通信網課金管理装置を備え、第1通信網課金管理装置には単位時間通信料金データベースと個別使用量データベースと割引率データベースと通信検出部と演算処理部とを備え、上記第1通信網課金管理装置の通信検出部が上記中継装置から出力される第1通信網電話機から第2通信網電話機への発信を検出した信号又は第2通信網電話機から第1通信網電話機への発信を検出した信号により第1通信網電話機の第2通信網電話機への回線使用量及び第1通信網電話機の通信料金を検出して上記第1通信網課金管理装置の個別使用量データベースに記録し、上記第1通信網課金管理装置の演算処理部が通信料金の請求単位期間ごとに個別使用量データベースに記録された上記第1通信網電話機の第2通信網電話機への回線使用量により割引率データベースから割引率を求めた後に上記個別使用量データベースに記録された第1通信網電話機の通信料金の割引された通信料金を求めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、通信網に設けられたゲートウェイ又は基地局又はITX又は中継装置を利用して割引に関する通信回線使用量というデータ取りを行い、その通信回線使用量に応じた通信料金の割引を行うことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置を示す構成図。
【図2】実施形態1に係る第1通信網課金管理装置を示す構成図。
【図3】実施形態1に係る第2通信網課金管理装置を示す構成図。
【図4】実施形態1に係る第1通信網電話機の発信に対する複数の通信網を利用する通信の課金処理を示すフローチャート。
【図5】実施形態1に係る第2通信網電話機の発信に対する複数の通信網を利用する通信の課金処理を示すフローチャート。
【図6】実施形態2に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置を示す構成図。
【図7】実施形態3に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置を示す構成図。
【図8】実施形態3に係る第1通信網課金管理装置を示す構成図。
【図9】実施形態3に係る第3通信網課金管理装置を示す構成図。
【図10】実施形態3に係る第1通信網電話機の発信に対する複数の通信網を利用する通信の課金処理を示すフローチャート。
【図11】実施形態3に係る第3通信網電話機の発信に対する複数の通信網を利用する通信の課金処理を示すフローチャート。
【図12】第4実施形態に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置を示す構成図。
【図13】第4実施形態に係る中継制御部を示す構成図。
【図14】第4実施形態に係る第2通信網課金管理装置を示す構成図。
【図15】実施形態4に係る第1通信網電話機の発信に対する複数の通信網を利用する通信の課金処理を示すフローチャート。
【図16】実施形態4に係る第2通信網電話機の発信に対する複数の通信網を利用する通信の課金処理を示すフローチャート。
【図17】従来の1つの通信網を利用する通信の課金処理装置を示す構成図。
【図18】従来の1つの通信網を利用する通信の課金処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「実施形態1」
図1を参照し、実施形態1に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置について説明する。実施形態1に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置は、互いに経営の異なる複数の通信網として、PHS網のような第1通信網1とPHS網以外の第2通信網とを例示する。第1通信網1には、第1通信網電話機3、基地局4、第1通信網ゲートウェイ5、通信網間発信管理装置6、第1通信網課金管理装置7が設けられる。第1通信網電話機3は、第1通信網1による通信サービスに正規に加入している携帯通信端末を例示し、搭載されたバッテリーからの電力で基地局4と無線通信を行うものであって、次の3つの構成が考えられる。その1つは通話機能だけを備えた構成、もう1つはデータ通信機能だけを備えた構成、さらなる1つは通話機能とデータ通信機能とを併有した構成である。通話機能は、音声により通話する機能であり、例えば、一方の通話者が「もしもし」という言葉を発するのに対し、他方の通話者が「はいはい」という言葉で応じて会話することができる機能である。データ通信機能は、文字や記号あるいは画像(静止画像、動画像、またはそれら両方の画像)を双方向に送受信する機能である。通信網間発信管理装置6は、第1通信網ゲートウェイ5を通過する第1通信網1から第2通信網2への発信を検出するか又は第2通信網2から第1通信網1への発信を検出するものである。第1通信網課金管理装置7は、通信網間発信管理装置6から出力される第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への発信を検出した信号又は第2通信網電話機9から第1通信網電話機3への発信を検出した信号により、第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への通信回線使用量に応じた通信料金の割引、又は、第2通信網電話機9から第1通信網電話機3への通信回線使用量に応じた通信料金の割引を行うものである。よって、第1通信網課金管理装置7が複数の通信網を通信可能に接続する第1通信網ゲートウェイ5を利用して割引に関する通信回線使用量というデータ取りを行い、その通信回線使用量に応じた通信料金の割引を行うことができる。
【0012】
第2通信網2には、第2通信網電話機9、基地局10、第2通信網ゲートウェイ11、第2通信網課金管理装置12が設けられる。第2通信網電話機9は、第2通信網2による通信サービスに正規に加入している携帯通信端末を例示し、搭載されたバッテリーからの電力で基地局10と無線通信を行うものであって、次の3つの構成が考えられる。その1つは通話機能だけを備えた構成、もう1つはデータ通信機能だけを備えた構成、さらなる1つは通話機能とデータ通信機能とを併有した構成である。第2通信網課金管理装置12は、通信網間発信管理装置6から第1通信網ゲートウェイ5及び第2通信網ゲートウェイ11を経由して出力される第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への発信を検出した信号又は第2通信網電話機9から第1通信網電話機3への発信を検出した信号により、第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への通信回線使用量に応じた通信料金の割引、又は、第2通信網電話機9から第1通信網電話機3への通信回線使用量に応じた通信料金の割引を行うものである。よって、第2通信網課金管理装置12が複数の通信網を通信可能に接続する第1通信網ゲートウェイ5を利用して割引に関する通信回線使用量というデータ取りを行い、その通信回線使用量に応じた通信料金の割引を行うことができる。
【0013】
図2を参照し、実施形態1に係る第1通信網課金管理装置7の構成について説明する。実施形態1に係る第1通信網課金管理装置7は、CPU15、ROM16、RAM17、通信検出部18、演算処理部19、単位時間通信料金データベース20、個別使用量データベース21、割引率データベース22を備える。CPU15は、ROM16に格納されたコンピュータプログラムにしたがいRAM17に記録されている情報を使用しながら動作して通信検出部18、演算処理部19、単位時間通信料金データベース20、個別使用量データベース21、割引率データベース22を制御するものである。通信検出部18は、通信網間発信管理装置6から出力される第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への発信を検出した信号又は第2通信網電話機9から第1通信網電話機3への発信を検出した信号により、第1通信網1及び第2通信網2などの複数の通信網を利用する通信における第1通信網電話機3の第2通信網電話機9への発信回数と第1通信網電話機3の第2通信網電話機9からの着信回数及び第1通信網電話機3の通信料金を検出して個別使用量データベース21に記録するものである。単位時間通信料金データベース20には、割引を行わない通常の単位時間にかかる基本通信料金が例えば30秒で20円というように予め記録されている。割引率データベース22には、着信回数に対応する割引率が例えば発信回数「0〜100」までは割引率「5%」、発信回数「101〜200」までは割引率「10%」、発信回数「201〜300」までは割引率「15%」、着信回数「0〜100」までは割引率「10%」、着信回数「101〜200」までは割引率「20%」、着信回数「201〜300」までは割引率「30%」などのように予め記録されている。
【0014】
図3を参照し、実施形態1に係る第2通信網課金管理装置12の構成について説明する。実施形態1に係る第2通信網課金管理装置12は、CPU25、ROM26、RAM27、通信検出部28、演算処理部29、単位時間通信料金データベース30、個別使用量データベース31、割引率データベース32を備える。CPU25は、ROM26に格納されたコンピュータプログラムにしたがいRAM27に記録されている情報を使用しながら動作して通信検出部28、演算処理部29、単位時間通信料金データベース30、個別使用量データベース31、割引率データベース32を制御するものである。通信検出部28は、通信網間発信管理装置6から第1通信網ゲートウェイ5及び第2通信網ゲートウェイ11を経由して出力される第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への発信を検出した信号又は第2通信網電話機9から第1通信網電話機3への発信を検出した信号により、第1通信網1及び第2通信網2の複数の通信網を利用する通信における第2通信網電話機9の第1通信網電話機3への発信回数と第2通信網電話機9の第1通信網電話機3からの着信回数及び第2通信網電話機9の通信料金を検出して個別使用量データベース31に累積して記録するものである。単位時間通信料金データベース30には、割引を行わない通常の単位時間にかかる基本通信料金が例えば30秒で25円というように予め記録されている。割引率データベース32には、着信回数に対応する割引率が例えば発信回数「0〜100」までは割引率「4%」、発信回数「101〜200」までは割引率「8%」、発信回数「201〜300」までは割引率「12%」、着信回数「0〜100」までは割引率「12%」、着信回数「101〜200」までは割引率「24%」、着信回数「201〜300」までは割引率「36%」などのように記録されている。
【0015】
図4において、実施形態1に係る複数の通信網を利用する通信に対する課金処理ついて第1通信網電話機3の発信を例として説明する。ステップ101では第1通信網課金管理装置7の通信検出部18が通信網間発信管理装置6から出力される第1通信網1から第2通信網2への発信を検出した信号又は第2通信網2から第1通信網1への発信を検出した信号により第1通信網電話機3の第2通信網電話機9への発信回数と第1通信網電話機3の第2通信網電話機9からの着信回数と第1通信網電話機3の発信に対する通信料金とを検出して第1通信網課金管理装置7の個別使用量データベース21に累積して記憶する。ステップ102では、第1通信網課金管理装置7の演算処理部19が月ごとのような通信料金の請求単位期間ごとに個別使用量データベース21に記録された先月の第2通信網電話機9への発信回数と先月の第2通信網電話機9からの着信回数とにより割引率データベース22から割引率を求めた後に個別使用量データベース21に記録された今月の第1通信網電話機3の通信料金の割引された通信料金を求める課金演算処理を行う。上記第1通信網課金管理装置7での通信料金の請求単位期間とは、第1通信網1を経営する通信事業者が支払名義人への請求の事務処理を行うことを支払名義人との間で定めた期間である。
【0016】
例えば、図2に示す第1通信網課金管理装置7の個別使用量データベース21の第1通信網電話機3を特定する識別情報として第1通信網電話機3の電話番号の表示された記憶領域における先月の第2通信網電話機9への発信回数が「51回」で先月の第2通信網電話機9からの着信回数が「250回」で今月の第1通信網電話機3の通信料金が「25000円」であると通信検出部18による処理に伴って記録された場合には、第1通信網課金管理装置7の演算処理部19は次のような課金演算処理を行う。まず、演算処理部19は個別使用量データベース21の第1通信網電話機3の電話番号の表示された記憶領域から先月の第2通信網電話機9への発信回数の「51回」と先月の第2通信網電話機9からの着信回数の「250回」とを抽出し、次に、演算処理部19は上記抽出した発信回数「51回」に対応する発信割引率「5%」と上記抽出した着信回数「250回」に対応する着信割引率「30%」とを割引率データベース22から抽出してRAM17に演算処理部19の処理に伴って記録する。また、演算処理部19は個別使用量データベース21の第1通信網電話機3の電話番号の表示された記憶領域から今月の通信料金の「25000円」を抽出すると共にRAM17から発信割引率「5%」と着信割引率「30%」とを抽出し、さらに、演算処理部19は当該抽出した今月の通信料金の「250000円」に当該抽出した発信割引率「5%」と着信割引率「30%」との総和の「35%」を乗算して今月の請求するべき通信料金としての割引通信料金を演算してROM16の書き換え可能な部分に記録する。この演算処理部19による課金演算処理の結果としてROM16の書き換え可能な部分に記録された割引通信料金を第1通信網1の図外の請求管理機器が第1通信網電話機3の支払名義人に請求する。
【0017】
図5において、実施形態1に係る複数の通信網を利用する通信に対する課金処理ついて第2通信網電話機9の発信を例として説明する。ステップ201では第1通信網課金管理装置7の通信検出部28が通信網間発信管理装置6から出力される第1通信網1から第2通信網2への発信を検出した信号又は第2通信網2から第1通信網1への発信を検出した信号により第2通信網電話機9の第1通信網電話機3への発信回数と第2通信網電話機9の第1通信網電話機3からの着信回数と第2通信網電話機9の発信に対する通信料金とを検出して第2通信網課金管理装置12の個別使用量データベース31に累積して記憶する。ステップ202では、第2通信網課金管理装置12の演算処理部29が月ごとのような通信料金の請求単位期間ごとに個別使用量データベース31に記録された先月の第1通信網電話機3への発信回数と先月の第1通信網電話機3からの着信回数とにより割引率データベース32から割引率を求めた後に個別使用量データベース31に記録された今月の第2通信網電話機9の通信料金の割引された通信料金を求める課金演算処理を行う。上記第2通信網課金管理装置12での通信料金の請求単位期間とは、第2通信網2を経営する通信事業者が支払名義人への請求の事務処理を行うことを支払名義人との間で定めた期間である。
【0018】
例えば、図3に示す第2通信網課金管理装置12の個別使用量データベース31の第2通信網電話機9を特定する識別情報として第2通信網電話機9の電話番号の表示された記憶領域における先月の第1通信網電話機3への発信回数が「250回」で先月の第1通信網電話機3からの着信回数が「51回」で今月の第2通信網電話機9の通信料金が「45000円」と記録されている場合には、第1通信網課金管理装置7の演算処理部29は次のような課金演算処理を行う。まず、演算処理部29は個別使用量データベース31の第2通信網電話機9の電話番号の表示された記憶領域から先月の第1通信網電話機3への発信回数の「250回」と先月の第1通信網電話機3からの着信回数の「51回」とを抽出し、次に、演算処理部29は上記抽出した発信回数「250回」に対応する発信割引率「12%」と上記抽出した着信回数「51回」に対応する着信割引率「12%」とを割引率データベース32から抽出してRAM27に記録する。また、演算処理部29は個別使用量データベース31の第2通信網電話機9の電話番号の表示された記憶領域から今月の通信料金の「45000円」を抽出すると共にRAM27から発信割引率「12%」と着信割引率「12%」とを抽出し、さらに、演算処理部29は当該抽出した今月の通信料金の「450000円」に当該抽出した発信割引率「12%」と着信割引率「12%」との総和の「24%」を乗算して今月の請求するべき通信料金としての割引通信料金を演算してROM26の書き換え可能な部分に記録する。この演算処理部29による課金演算処理の結果としてROM26の書き換え可能な部分に記録された割引通信料金を第1通信網1の図外の請求管理機器が第2通信網電話機9の支払名義人に請求する。
【0019】
「実施形態2」
図6を参照し、実施形態2に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置について説明する。図6では図1と同じ機能を有する部分には、図1と同じ符号を付して重複する説明を省略する。実施形態2に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置は、通信網間発信管理装置6が第1通信網1の基地局4を利用して割引に関する通信回線使用量というデータ取りを行い、その通信回線使用量に応じた通信料金の割引を行うことができるように基地局4に接続されたことが図1に示す実施形態1に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置と相違する。なお、実施形態2に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置の動作は、実施形態1に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置と同じなので詳細な説明は省略する。
【0020】
「実施形態3」
図7を参照し、実施形態3に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置について説明する。図7では図1と同じ機能を有する部分には、図1と同じ符号を付して重複する説明を省略する。実施形態3に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置は、通信網間発信管理装置6が第1通信網1のITX40を利用して割引に関する通信回線使用量というデータ取り行い、その通信回線使用量に応じた通信料金の割引を行うことができるように第1通信網1に接続されたことが図1に示す実施形態1に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置と相違する。ITX40は、IP Transit eXchangeの略号であり、PHS網である第1通信網1の基地局4の通信をNTTの交換機に通さずにIP網で構成されている第3通信網41にバイパスする電話交換機である。なお、ITX40を用いたことにより、第2通信網2としては固定網を使用し、第2通信網電話機9としては加入電話機を例示した。また、第3通信網41には、IP電話機としての第3通信網電話機42、第3通信網ゲートウェイ43、第3通信網課金管理装置44が設けられる。なお、第2通信網課金管理装置12は、通信網間発信管理装置6からITX40及び第2通信網ゲートウェイ11を経由して出力される第1通信網電話機3から第3通信網電話機42への発信を検出した信号又は第3通信網電話機42から第1通信網電話機3への発信を検出した信号により、第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への通信回線使用量に応じた通信料金の割引、又は、第2通信網電話機9から第1通信網電話機3への通信回線使用量に応じた通信料金の割引を行うようになっている。
【0021】
図8を参照し、実施形態3に係る第1通信網課金管理装置7の構成ついて説明する。実施形態3に係る第1通信網課金管理装置7は、CPU15、ROM16、RAM17、通信検出部18、演算処理部19、単位時間通信料金データベース20、個別使用量データベース21、割引率データベース22を備える点は1実施形態に係る第1通信網課金管理装置7と同じであるものの、通信検出部18が通信網間発信管理装置6から出力される第1通信網1から第2通信網2又は第3通信網41への発信を検出した信号或いは第2通信網2又は第3通信網41から第1通信網1への発信を検出した信号により、第1通信網1及び第2通信網2などの複数の通信網を利用する通信における第1通信網電話機3の第2通信網電話機9への発信回数と第1通信網電話機3の第2通信網電話機9からの着信回数と第1通信網電話機3の第3通信網電話機42への発信回数と第1通信網電話機3の第3通信網電話機42からの着信回数及び第1通信網電話機3の通信料金を検出して個別使用量データベース21に記録する点で第1通信網課金管理装置7と異なっている。
【0022】
図9を参照し、実施形態3に係る第3通信網課金管理装置44の構成ついて説明する。実施形態3に係る第3通信網課金管理装置44は、CPU45、ROM46、RAM47、通信検出部48、演算処理部49、単位時間通信料金データベース50、個別使用量データベース51、割引率データベース52を備える。CPU45は、ROM46に格納されたコンピュータプログラムにしたがいRAM47に記録されている情報を使用しながら動作して通信検出部48、演算処理部49、単位時間通信料金データベース50、個別使用量データベース51、割引率データベース52を制御するものである。通信検出部48は、通信網間発信管理装置6からITX40及び第3通信網ゲートウェイ43を経由して出力される第1通信網電話機3から第3通信網電話機42への発信を検出した信号又は第3通信網電話機42から第1通信網電話機3への発信を検出した信号により、第1通信網1及び第3通信網41の複数の通信網を利用する通信における第3通信網電話機42の第1通信網電話機3からの発信回数と第3通信網電話機42の第1通信網電話機3への着信回数及び第3通信網電話機42の通信料金を検出して個別使用量データベース51に記録するものである。単位時間通信料金データベース50には、割引を行わない通常の単位時間にかかる基本通信料金が例えば30秒で25円というように記録されている。割引率データベース52には、着信回数に対応する割引率が例えば発信回数「0〜100」までは割引率「4%」、発信回数「101〜200」までは割引率「8%」、発信回数「201〜300」までは割引率「12%」、着信回数「0〜100」までは割引率「12%」、着信回数「101〜200」までは割引率「24%」、着信回数「201〜300」までは割引率「36%」などのように記録されている。
【0023】
図10において、実施形態3に係る複数の通信網を利用する通信に対する課金処理ついて第1通信網電話機3の発信を例として説明する。ステップ301では、第1通信網課金管理装置7の通信検出部18が通信網間発信管理装置6から出力される第1通信網1から第2通信網2又は第3通信網41への発信を検出した信号又は第2通信網2又は第3通信網41から第1通信網1への発信を検出した信号により第1通信網電話機3の第2通信網電話機9への発信回数と第1通信網電話機3の第2通信網電話機9からの着信回数と第1通信網電話機3の第3通信網電話機42への発信回数と第1通信網電話機3の第3通信網電話機42からの着信回数と第1通信網電話機3の発信に対する通信料金とを検出して第1通信網課金管理装置7の個別使用量データベース21に累積して記憶する。ステップ302では、第1通信網課金管理装置7の演算処理部19が月ごとのような通信料金の請求単位期間ごとに個別使用量データベース21に記録された先月の第2通信網電話機9への発信回数と先月の第2通信網電話機9からの着信回数と先月の第3通信網電話機42への発信回数と先月の第3通信網電話機42からの着信回数とにより割引率データベースから割引率を求めた後に個別使用量データベース21に記録された今月の第1通信網電話機3の通信料金の割引された通信料金を求める課金演算処理を行う。
【0024】
例えば、図8に示す第1通信網課金管理装置7の個別使用量データベース21の第1通信網電話機3を特定する識別情報として第1通信網電話機3の電話番号の表示された記憶領域における先月の第2通信網電話機9への発信回数が「51回」で先月の第2通信網電話機9からの着信回数が「250回」で先月の第3通信網電話機42への発信回数が「41回」で先月の第3通信網電話機42からの着信回数が「110回」で今月の第1通信網電話機3の通信料金が「35000円」と記録されている場合には、第1通信網課金管理装置7の演算処理部19は次のような課金演算処理を行う。まず、演算処理部19は個別使用量データベース21の第1通信網電話機3の電話番号の表示された記憶領域から先月の第2通信網電話機9への発信回数の「51回」と先月の第2通信網電話機9からの着信回数の「250回」と先月の第3通信網電話機42への発信回数の「41回」と先月の第3通信網電話機42からの着信回数の「110回」とを抽出し、次に、演算処理部19は上記抽出した先月の第2通信網電話機9への発信回数「51回」に対応する発信割引率「5%」と上記抽出した先月の第2通信網電話機9からの着信回数「250回」に対応する着信割引率「30%」と上記抽出した先月の第3通信網電話機42への発信回数「41回」に対応する発信割引率「5%」と上記抽出した先月の第3通信網電話機42からの着信回数「110回」に対応する発信割引率「20%」とを割引率データベース22から抽出してRAM17に記録する。また、演算処理部19は個別使用量データベース21の第1通信網電話機3の電話番号の表示された記憶領域から今月の通信料金の「35000円」を抽出すると共にRAM17から発信割引率「5%×2=10%」と着信割引率「30%+20%=50%」とを抽出し、さらに、演算処理部19は当該抽出した今月の通信料金の「350000円」に当該抽出した発信割引率「10%」と着信割引率「50%」との総和の「60%」を乗算して今月の請求するべき通信料金としての割引通信料金を演算してROM16の書き換え可能な部分に記録する。この演算処理部19による課金演算処理の結果としてROM16の書き換え可能な部分に記録された割引通信料金を第1通信網1の図外の請求管理機器が第1通信網電話機3の支払名義人に請求する。
【0025】
図11において、実施形態3に係る複数の通信網を利用する通信に対する課金処理ついて第3通信網電話機42の発信を例として説明する。ステップ401では第3通信網課金管理装置44の通信検出部48が通信網間発信管理装置6から出力される第1通信網電話機3から第3通信網電話機42への発信を検出した信号又は第3通信網電話機42から第1通信網電話機3への発信を検出した信号により第3通信網電話機42の第1通信網電話機3からの発信回数と第3通信網電話機42の第1通信網電話機3への着信回数と第3通信網電話機42の発信に対する通信料金とを検出して第3通信網課金管理装置44の個別使用量データベース51に累積して記憶する。ステップ402では、第3通信網課金管理装置44の演算処理部49が月ごとのような通信料金の請求単位期間ごとに個別使用量データベース51に記録された先月の第1通信網電話機3への発信回数と先月の第1通信網電話機3からの着信回数とにより割引率データベース52から割引率を求めた後に個別使用量データベース51に記録された今月の第3通信網電話機42の通信料金の割引された通信料金を求める課金演算処理を行う。上記第3通信網課金管理装置44の通信料金の請求単位期間とは、第3通信網41を経営する通信事業会社が支払名義人への請求の事務処理を行うことを支払名義人との間で定めた期間である。
【0026】
例えば、図9に示す第3通信網課金管理装置44の個別使用量データベース51の第3通信網電話機42を特定する識別情報として第3通信網電話機42の電話番号の表示された記憶領域における先月の第1通信網電話機3への発信回数が[110回」で先月の第1通信網電話機3からの着信回数が「40回」で今月の第3通信網電話機42の通信料金が「55000円」と記録された場合には、第3通信網課金管理装置44の演算処理部49は次のような課金演算処理を行う。まず、演算処理部49は個別使用量データベース51の第3通信網電話機42の電話番号の表示された記憶領域から先月の第1通信網電話機3への発信回数の「110回」と先月の第1通信網電話機3からの着信回数の「40回」とを抽出し、次に、演算処理部49は上記抽出した発信回数「110回」に対応する発信割引率「8%」と上記抽出した着信回数「40回」に対応する着信割引率「12%」とを割引率データベース52から抽出してRAM47に記録する。また、演算処理部49は個別使用量データベース51の第2通信網電話機9の電話番号の表示された記憶領域から今月の通信料金の「55000円」を抽出すると共にRAM47から発信割引率「8%」と着信割引率「12%」とを抽出し、さらに、演算処理部49は当該抽出した今月の通信料金の「550000円」に当該抽出した発信割引率「8%」と着信割引率「12%」との総和の「20%」を乗算して今月の請求するべき通信料金としての割引通信料金を演算してROM46の書き換え可能な部分に記録する。この演算処理部49による課金演算処理の結果としてROM46の書き換え可能な部分に記録された割引通信料金を第1通信網1の図外の請求管理機器が第3通信網電話機42の支払名義人に請求する。
【0027】
「実施形態4」
図12を参照し、第4実施形態に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置について説明する。第4実施形態に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置は、第1通信網1を使用する第1通信網電話機3と第2通信網2を使用する第2通信電話機9とを通信可能に接続する中継装置61を備えることが、第4実施形態に係る複数の通信網を利用する通信の課金処理装置と相違する。中継装置61は持ち運び可能な携帯型の電話機の構成でもよいし、特定場所に設置して使用される加入電話機の構成でもよい。中継装置61は、第1通信網中継電話機62、第2通信網中継電話機63、中継制御部64を備える。第1通信網中継電話機62及び第2通信網中継電話機63は、市販される携帯電話機と同様の構成でも市販される携帯電話機からスピーカーとマイク及びディスプレイを除去した構成でもよい。図12では、第1通信網中継電話機62が第1通信網1における基地局59と無線通信を行い、第2通信網中継電話機63が第2通信網2における基地局60と無線通信を行う構成を例示する。なお、第1通信網課金管理装置7は、中継制御部64から出力される第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への発信を検出した信号又は第2通信網電話機9から第1通信網電話機3への発信を検出した信号により、第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への通信回線使用量に応じた通信料金の割引、又は、第2通信網電話機9から第1通信網電話機3への通信回線使用量に応じた通信料金の割引を行うようになっている。また、第2通信網課金管理装置12は、中継制御部64から第2通信網中継電話機63及び基地局60を経由して出力される第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への発信を検出した信号又は第2通信網電話機9から第1通信網電話機3への発信を検出した信号により、第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への通信回線使用量に応じた通信料金の割引、又は、第2通信網電話機9から第1通信網電話機3への通信回線使用量に応じた通信料金の割引を行うようになっている。
【0028】
図13を参照し、第4実施形態に係る中継制御部64の構成ついて説明する。中継制御部64は、CPU65、ROM66、RAM67、第1送受信制御手段68、第2送受信制御手段69、通信管理手段70を備える。CPU65は、ROM66に格納されたコンピュータプログラムにしたがいRAM67に記録されている情報を使用しながら第1送受信制御手段68、第2送受信制御手段69、通信管理手段70のそれぞれを動作して第1通信網中継電話機62及び第2通信網中継電話機63を制御するものである。通信管理手段70は、第1通信網1から第2通信網2への発信又は第2通信網2から第1通信網1への発信を検出した信号を出力するようになっている。
【0029】
例えば、図12、図13及び図14を参照し、第1通信網電話機3から第2通信網電話機9に電話を掛ける場合の中継処理について説明する。第1通信網電話機3が第1通信網中継電話機62の電話番号を発信すると、第1送受信制御手段68が第1通信網電話機3と第1通信網中継電話機62とを第1通信網1で接続し、第1通信網電話機3が上記第1通信網1による第1通信網電話機3と第1通信網中継電話機62との接続を維持したまま第1通信網電話機3の電話番号を中継制御部64に送信する。この第1通信網電話機3の電話番号が中継制御部64に到達すると、第1送受信制御手段68が第1通信網中継電話機62に対し返信の動作をするように制御し、第1通信網中継電話機62が通信をしようとする相手先の電話番号(この場合、第2通信網電話機9の電話番号)を発信するように第1通信網1に繋がっている第1通信網電話機3に返信する。すると、第1通信網電話機3が通信をしようとする相手先である第2通信網電話機9の電話番号を第1通信網1を使用して第1通信網中継電話機62に送信し、第1通信網中継電話機62が受信した相手先の電話番号(第2通信網電話機9の電話番号)を中継制御部64に転送する。その後、第2送受信制御手段69が第2通信網中継電話機63に対して発信の動作をするように制御し、第2通信網中継電話機63が通信をしようとする相手先である第2通信網電話機9の電話番号及び第2通信網中継電話機63の電話番号を第2通信網電話機9に発信し、第2通信網中継電話機63と第2通信網電話機9とが第2通信網2で接続される。このように第2通信網電話機9には通信をしようとする発信元である第1通信網電話機3の電話番号が通知されることがなく、発信者のセキュリティを守ることができる。
【0030】
また、図12、図13及び図14を参照し、第2通信網電話機9から第1通信網電話機3に電話を掛ける場合の中継処理について説明する。第2通信網電話機9が第2通信網中継電話機63の電話番号を発信すると、第2送受信制御手段69が第2通信網電話機9と第2通信網中継電話機63とを第2通信網2で接続し、第2通信網電話機9が上記第2通信網2による第2通信網電話機9と第2通信網中継電話機63との接続を維持したまま第2通信網電話機9の電話番号を中継制御部64に送信する。この第2通信網電話機9の電話番号が中継制御部64に到達すると、第2送受信制御手段が第2通信網中継電話機63に対し返信の動作をするように制御し、第2通信網中継電話機63が通信をしようとする相手先の電話番号(この場合、第1通信網電話機3の電話番号)を発信するように第2通信網2に繋がっている第2通信網電話機9に返信する。すると、第2通信網電話機9が通信をしようとする相手先である第1通信網電話機3の電話番号を第2通信網2を使用して第2通信網中継電話機63に送信し、第2通信網中継電話機63が受信した相手先の電話番号(第1通信網電話機3の電話番号)を中継制御部64に転送する。その後、第1送受信制御手段68が第1通信網中継電話機62に対して発信の動作をするように制御し、第1通信網中継電話機62が通信をしようとする相手先である第1通信網電話機3の電話番号及び第1通信網中継電話機62の電話番号を第1通信網電話機3に発信し、第1通信網中継電話機62と第2通信網電話機9とが第1通信網1で接続される。このように第1通信網電話機3には通信をしようとする発信元である第2通信網電話機9の電話番号が通知されることがなく、発信者の中継セキュリティを守ることができる。
【0031】
図13に示す実施形態4に係る第1通信網課金管理装置7の構成は図2に示す実施形態1に係る第1通信網課金管理装置7と同じであり、図14に示す実施形態4に係る第2通信網課金管理装置12の構成は図3に示す実施形態1に係る第2通信網課金管理装置12と同じであるので、同一の機能を有する部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。なお、図13の通信検出部18は、中継制御部64の通信管理手段70から出力される第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への発信を検出した信号又は第2通信網電話機9から第1通信網電話機3への発信を検出した信号により、第1通信網1及び第2通信網2の複数の通信網を利用する通信における第2通信網電話機9の第1通信網電話機3への発信回数と第2通信網電話機9の第1通信網電話機3からの着信回数及び第2通信網電話機9の通信料金を検出して個別使用量データベース31に累積して記録するようになっている。また、図14の通信検出部28は、中継制御部64の通信管理手段70から基地局60を経由して出力される第1通信網電話機3から第2通信網電話機9への発信を検出した信号又は第2通信網電話機9から第1通信網電話機3への発信を検出した信号により、第1通信網1及び第2通信網2の複数の通信網を利用する通信における第2通信網電話機9の第1通信網電話機3への発信回数と第2通信網電話機9の第1通信網電話機3からの着信回数及び第2通信網電話機9の通信料金を検出して個別使用量データベース31に累積して記録するようになっている。
【0032】
図15において、実施形態4に係る複数の通信網を利用する通信に対する課金処理ついて第1通信網電話機3の発信を例として説明する。ステップ501では、第1通信網課金管理装置7の通信検出部18が中継装置61から出力される第1通信網1から第2通信網2への発信を検出した信号又は第2通信網2から第1通信網1への発信を検出した信号により第1通信網電話機3の第2通信網電話機9への発信回数と第1通信網電話機3の第2通信網電話機9からの着信回数と第1通信網電話機3の発信に対する通信料金とを検出して第1通信網課金管理装置7の個別使用量データベース21に累積して記憶する。ステップ502では、第1通信網課金管理装置7の演算処理部19が月ごとのような通信料金の請求単位期間ごとに個別使用量データベース21に記録された先月の第2通信網電話機9への発信回数と先月の第2通信網電話機9からの着信回数とにより割引率データベース22から割引率を求めた後に個別使用量データベース21に記録された今月の第1通信網電話機3の通信料金の割引された通信料金を求める課金演算処理を行う。よって、第1通信網課金管理装置7が複数の通信網を通信可能に接続する中継装置61を利用して割引に関する通信回線使用量というデータ取り行い、その通信回線使用量に応じた通信料金の割引を行うことができる。
【0033】
図16において、実施形態4に係る複数の通信網を利用する通信に対する課金処理ついて第2通信網電話機9の発信を例として説明する。ステップ601では、第2通信網課金管理装置12の通信検出部28が中継装置61から出力される第1通信網1から第2通信網2への発信を検出した信号又は第2通信網2から第1通信網1への発信を検出した信号により第2通信網電話機9の第1通信網電話機3への発信回数と第2通信網電話機9の第1通信網電話機3からの着信回数と第2通信網電話機9の発信に対する通信料金とを検出して第2通信網課金管理装置12の個別使用量データベース31に累積して記憶する。ステップ602では、第2通信網課金管理装置12の演算処理部29が月ごとのような請求単位期間ごとに個別使用量データベース31に記録された先月の第1通信網電話機3への発信回数と先月の第1通信網電話機3からの着信回数とにより割引率データベース32から割引率を求めた後に個別使用量データベース31に記録された今月の第2通信網電話機9の通信料金の割引された通信料金を求める課金演算処理を行う。よって、第2通信網課金管理装置12が複数の通信網を通信可能に接続する中継装置61を利用して割引に関する通信回線使用量というデータ取りを行い、その通信回線使用量に応じた通信料金の割引を行うことができる。
【符号の説明】
【0034】
1は第1通信網、2は第2通信網、3は第1通信網電話機、4は基地局、5は第1通信ゲートウェイ、6は通信網間発信管理装置、7は第1通信網課金管理装置、8は第1送受信制御手段、9は第2通信網電話機、10は基地局、11は第2通信ゲートウェイ、12は第2通信網課金管理装置、13;14は欠番、15はCPU、16はROM、17はRAM、18は通信検出部、19は演算処理部、20は単位時間通信料金データベース、21は個別使用量データベース、22は割引率データベース、23;24は欠番、25はCPU、26はROM、27はRAM、28は通信検出部、29は演算処理部、30は単位時間通信料金データベース、31は個別使用量データベース、32は割引率データベース、33乃至39は欠番、40はITX、41は第3通信網、42は第3通信網電話機、43は第3通信網ゲートウェイ、44は第3通信網課金管理装置、45はCPU、46はROM、47はRAM、48は通信検出部、49は演算処理部、50は単位時間通信料金データベース、51は個別使用量データベース、52は割引率データベース、53乃至60は欠番、61は中継装置、62は第1通信網中継電話機、63は第2通信網中継電話機、64は中継制御部、65はCPU、66はROM、67はRAM、68は第1送受信制御手段、69は第2送受信制御手段、70は通信管理手段、71乃至80は欠番、81は通信網、82は課金管理装置、83はCPU、84はROM、85はRAM、86は通信検出部、87は演算処理部、88は単位時間通信料金データベース、89は個別使用量データベース、90は割引率データベース、91は第1電話機、92は第2電話機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信網を使用する第1通信網電話機と第2通信網を使用する第2通信網電話機とを通信可能に接続する複数の通信網を利用する通信の課金処理装置であって、第1通信網には通信網間発信管理装置と第1通信網課金管理装置とを備え、第1通信網課金管理装置には単位時間通信料金データベースと個別使用量データベースと割引率データベースと通信検出部と演算処理部とを備え、上記通信網間発信管理装置が第1通信網に設けられたゲートウェイ又は基地局又はITXを通過する第1通信網から第2通信網への発信又は第2通信網から第1通信網への発信を検出した信号を出力し、上記第1通信網課金管理装置の通信検出部が上記通信網間発信管理装置から出力される第1通信網電話機から第2通信網電話機への発信を検出した信号又は第2通信網電話機から第1通信網電話機への発信を検出した信号により第1通信網電話機の第2通信網電話機への回線使用量及び第1通信網電話機の通信料金を検出して上記第1通信網課金管理装置の個別使用量データベースに記録し、上記第1通信網課金管理装置の演算処理部が通信料金の請求単位期間ごとに個別使用量データベースに記録された上記第1通信網電話機の第2通信網電話機への回線使用量により割引率データベースから割引率を求めた後に上記個別使用量データベースに記録された第1通信網電話機の通信料金の割引された通信料金を求めることを特徴とする複数の通信網を利用する通信の課金処理装置。
【請求項2】
第1通信網を使用する第1通信網電話機と第2通信網を使用する第2通信網電話機とを通信可能に接続する中継装置を備えた複数の通信網を利用する通信の課金処理装置であって、中継装置には第1通信網を使用する第1通信網中継電話機と第2通信網を使用する第2通信網中継電話機と中継制御部とを備え、第1通信網電話機が第1通信網中継電話機の電話番号を発信して、この発信元である第1通信網電話機と第1通信網中継電話機とが第1通信網で接続されると、この第1通信網中継電話機が第1通信網の接続を維持したまま発信元である第1通信網電話機の電話番号を中継制御部に転送し、中継制御部が第1通信網中継電話機を返信の動作をするように制御し、この制御により第1通信網中継電話機が通信をしようとする相手先の電話番号を発信するように第1通信網に繋がっている発信元である第1通信網電話機に返信し、その返信を受信した発信元である第1通信網電話機が通話をしようとする相手先である第2通信網電話機の電話番号を第1通信網を経由して第1通信網中継電話機に送信して、その第1通信網中継電話機が相手先として受信した第2通信網電話機の電話番号を中継制御部に転送し、中継制御部が第2通信網中継電話機を発信の動作をするように制御し、この制御により第2通信網中継電話機が自分の電話番号と相手先である第2通信網電話機の電話番号とを第2通信網に発信して、第1通信網電話機と第2通信網電話機とが通信可能に接続される一方、第1通信網又は中継装置には第1通信網課金管理装置を備え、第1通信網課金管理装置には単位時間通信料金データベースと個別使用量データベースと割引率データベースと通信検出部と演算処理部とを備え、上記第1通信網課金管理装置の通信検出部が上記中継装置から出力される第1通信網電話機から第2通信網電話機への発信を検出した信号又は第2通信網電話機から第1通信網電話機への発信を検出した信号により第1通信網電話機の第2通信網電話機への回線使用量及び第1通信網電話機の通信料金を検出して上記第1通信網課金管理装置の個別使用量データベースに記録し、上記第1通信網課金管理装置の演算処理部が通信料金の請求単位期間ごとに個別使用量データベースに記録された上記第1通信網電話機の第2通信網電話機への回線使用量により割引率データベースから割引率を求めた後に上記個別使用量データベースに記録された第1通信網電話機の通信料金の割引された通信料金を求めることを特徴とする複数の通信網を利用する通信の課金処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−239084(P2012−239084A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107630(P2011−107630)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(304058826)株式会社ウィルコム (56)
【Fターム(参考)】