説明

複数の3次元超音波映像を提供する超音波システムおよび方法

【課題】2次元超音波映像に複数のROIを設定して複数のROIのそれぞれに対応する3次元超音波映像を提供する超音波システムおよび方法を提供すること。
【解決手段】超音波システムは、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第1の超音波データを取得する超音波データ取得部と、第1の超音波データを用いて2次元超音波映像を形成するプロセッサと、ユーザからの入力情報を受信するユーザ入力部とを備え、プロセッサは、入力情報に基づいてマルチROI方式または単一ROI方式のいずれかの方式で2次元超音波映像に複数または単一のROIを設定し、超音波データ取得部は、入力情報および複数または単一のROIに基づいて、複数の第2の超音波データを取得し、プロセッサは、複数の第2の超音波データを用いて複数または単一のROIのそれぞれに対応する3次元超音波映像を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波システムに関し、特に、複数の3次元超音波映像を提供する超音波システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波システムは、無侵襲および非破壊特性を有しており、対象体内部の情報を得るために医療分野で広く用いられている。超音波システムは、対象体を直接切開して観察する外科手術の必要がなく、対象体の内部組織を高解像度の映像で医師に提供することができるため、医療分野で非常に重要なものとして用いられている。
【0003】
3次元の超音波映像を用いた超音波システムは、2次元超音波映像では提供することができない空間情報や解剖学的な形態情報を提供してくれる。即ち、この超音波システムは、超音波信号を対象体に送信して対象体から反射される超音波信号(即ち、超音波エコー信号)を受信して対象体に対する2次元超音波映像を形成し、2次元超音波映像に関心領域、即ちROI(region of interest)を設定する。超音波システムは、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号)を受信してROIに対応するボリュームデータを形成し、ボリュームデータをレンダリングして3次元超音波映像を形成する。
【0004】
従来は、まず2次元超音波映像にROIを設定し、次に3Dモードに切り換えてROIに対応する3次元超音波映像を形成している。しかしこれでは、対象体の他の部位を観測するためには、3Dモードから2Dモードに切り換えて2次元超音波映像にROIを設定した後、再度3Dモードに切り換えなければならないため、極めて不便であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−018115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、2次元超音波映像にROI(region of interest)を設定する方式に従って、2次元超音波映像に複数のROIを設定して複数のROIのそれぞれに対応する3次元超音波映像を提供する超音波システムおよび方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における超音波システムは、超音波信号を対象体に送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第1の超音波データを取得する超音波データ取得部と、前記第1の超音波データを用いて2次元超音波映像を形成するプロセッサと、ユーザからの入力情報を受信するユーザ入力部とを備え、前記プロセッサは、前記入力情報に基づいてマルチROI(region of interest)方式または単一ROI方式のいずれかの方式で前記2次元超音波映像に複数または単一のROIを設定し、前記超音波データ取得部は、入力情報および前記複数または単一のROIに基づいて、前記超音波信号を前記対象体に送信し、前記対象体から反射される前記超音波エコー信号を受信して複数の第2の超音波データを取得し、前記プロセッサは、前記複数の第2の超音波データを用いて前記複数または単一のROIのそれぞれに対応する3次元超音波映像を形成する。
【0008】
また、本発明における複数の3次元超音波映像提供方法は、a)超音波信号を対象体に送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第1の超音波データを取得する段階と、b)前記第1の超音波データを用いて2次元超音波映像を形成する段階と、c)ユーザの入力情報に基づいて、マルチROI(region of interest)方式または単一ROI方式のいずれかの方式で前記2次元超音波映像に複数または単一のROIを設定して前記複数または単一のROIのそれぞれに対応するボリュームデータを形成する段階と、d)前記複数のボリュームデータのそれぞれをレンダリングして複数の3次元超音波映像を形成する段階とを備える。
【0009】
また、本発明における、複数の3次元超音波映像を提供する方法を行うためのプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記方法が、a)対象体に対する第1の超音波データを取得する段階と、b)前記第1の超音波データを用いて2次元超音波映像を形成する段階と、c)ユーザの入力情報に基づいて、マルチROI(region of interest)方式または単一ROI方式のいずれかの方式で前記2次元超音波映像に複数または単一のROIを設定して前記複数または単一のROIのそれぞれに該当するボリュームデータを形成する段階と、d)前記複数のボリュームデータのそれぞれをレンダリングして複数の3次元超音波映像を形成する段階とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、2次元超音波映像にROI(region of interest)を設定する方式により、2次元超音波映像に複数のROIを設定して複数のROIのそれぞれに対応する3次元超音波映像を形成することができるだけでなく、ユーザの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例における超音波システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例における超音波データ取得部の構成を示すブロック図である。
【図3】フレームのスキャン方向を示す例示図である。
【図4】本発明の実施例におけるマルチROI方式を示す例示図である。
【図5】本発明の実施例における単一ROI方式を示す例示図である。
【図6】本発明の実施例におけるプロセッサの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施例によって複数の3次元超音波映像を形成する順序を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施例における超音波システムを示すブロック図である。図1を参照すると、超音波システム100は、超音波データ取得部110、ユーザ入力部120、プロセッサ130、格納部140およびディスプレイ部150を備える。
【0014】
超音波データ取得部110は、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波信号(即ち、超音波エコー信号)を受信して超音波データを取得する。
【0015】
図2は、本発明の実施例における超音波データ取得部の構成を示すブロック図である。図2を参照すると、超音波データ取得部110は、送信信号形成部111、複数の電気音響変換素子(transducer element:以下単に変換素子と呼ぶ)(図示せず)を含む超音波プローブ112、ビームフォーマ113および超音波データ形成部114を備える。
【0016】
送信信号形成部111は、変換素子および集束点を考慮して送信信号を形成する。本実施例において、送信信号形成部111は、2次元超音波映像に対するフレームを得るための第1の送信信号を形成する。また、送信信号形成部111は、図3に示すように、3次元超音波映像に対するフレーム(F(1≦i≦N))を得るための複数の第2の送信信号を形成する。2次元超音波映像は、Bモード(brightness mode)映像を含む。
【0017】
超音波プローブ112は、送信信号形成部111から提供される送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信する。また、超音波プローブ112は、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して受信信号を形成する。受信信号は、アナログ信号である。超音波プローブ112は、3Dメカニカルプローブ(three-dimensional mechanical probe)、2Dアレイプローブ(two-dimensional array probe)などを含む。
【0018】
本実施例において、超音波プローブ112は、送信信号形成部111から第1の送信信号が提供されると、第1の送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第1の受信信号を形成する。また、超音波プローブ112は、送信信号形成部111から第2の送信信号が提供されると、第2の送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第2の受信信号を形成する。
【0019】
ビームフォーマ113は、超音波プローブ112から提供される受信信号をアナログデジタル変換してデジタル信号を形成する。また、ビームフォーマ113は、変換素子および集束点を考慮して、デジタル信号を受信集束させて受信集束信号を形成する。
【0020】
本実施例において、ビームフォーマ113は、超音波プローブ112から第1の受信信号が提供されると、第1の受信信号をアナログデジタル変換して第1のデジタル信号を形成する。ビームフォーマ113は、変換素子および集束点を考慮して、第1のデジタル信号を受信集束させて第1の受信集束信号を形成する。また、ビームフォーマ113は、超音波プローブ112から第2の受信信号が提供されると、第2の受信信号をアナログデジタル変換して第2のデジタル信号を形成する。ビームフォーマ113は、変換素子および集束点を考慮して、第2のデジタル信号を受信集束させて第2の受信集束信号を形成する。
【0021】
超音波データ形成部114は、ビームフォーマ113から提供される受信集束信号を用いて超音波データを形成する。超音波データは、RF(radio frequency)データを含む。しかし、超音波データは、必ずしもこれに限定されない。また、超音波データ形成部114は、超音波データを形成するのに必要な様々な信号処理(例えば、利得(gain)調節等)を受信集束信号に行うこともできる。
【0022】
本実施例において、超音波データ形成部114は、ビームフォーマ113から第1の受信集束信号が提供されると、第1の受信集束信号を用いて第1の超音波データを形成する。また、超音波データ形成部114は、ビームフォーマ113から第2の受信集束信号が提供されると、第2の受信集束信号を用いて該当フレーム(F(1≦i≦N))に対応する第2の超音波データを形成する。
【0023】
再び図1を参照すると、ユーザ入力部120は、ユーザからの入力情報を受信する。本実施例において、入力情報は、マルチROI(region of interest)方式または単一ROI方式のいずれかの方式を選択する第1の入力情報を含む。マルチROI方式は、2次元超音波映像に複数のROIを設定することができる方式で、以前に設定したROIと新たなROIを同時に2次元超音波映像に設定することができる。一方、単一ROI方式は、2次元超音波映像に単一のROIを順次設定して複数回ROIを設定することができる方式であって、以前に設定したROIを新たなROIに置き換えて2次元超音波映像を設定することができる。
【0024】
一例として、マルチROI方式は、図4に示すように、2次元超音波映像210に第1〜第3のROI221、222、223を設定することができる方式であり、単一ROI方式は、図5に示すように、2次元超音波映像210に第1のROI221、第2のROI222および第3のROI223を順次設定することができる方式である。この場合、ROI221は、ROI222、ROI223に順次置き換えられてもよい。図5において、第1のROI221、第2のROI222および第3のROI223が設定される2次元超音波映像は、図4の映像と同じ映像であっても相違する映像であってもよい。
【0025】
また、入力情報は、マルチROI方式で2次元超音波映像にROIを設定する第2の入力情報、マルチROI方式に対するROI設定の終了を要請する第3の入力情報、単一ROI方式で2次元超音波映像にROIを設定する第4の入力情報および単一ROI方式に対するROI設定の終了を要請する第5の入力情報を含む。ユーザ入力部120は、コントロールパネル(control panel)、キーボード(keyboard)、マウス(mouse)などを含む。
【0026】
プロセッサ130は、超音波データ取得部110およびユーザ入力部120に連結される。プロセッサ130は、超音波データ取得部110から提供される第1の超音波データを用いて2次元超音波映像を形成する。また、プロセッサ130は、ユーザ入力部120から提供される入力情報に基づいて超音波データ取得部110から提供される複数の第2の超音波データを用いて複数の3次元超音波映像を形成する。
【0027】
図6は、本発明の実施例におけるプロセッサの構成を示すブロック図である。図6を参照すると、プロセッサ130は、第1の映像形成部131、判断部132、ROI設定部133、ボリュームデータ形成部134および第2の映像形成部135を備える。
【0028】
第1の映像形成部131は、超音波データ取得部110から第1の超音波データが提供されると、第1の超音波データを用いて2次元超音波映像を形成する。本実施例において、2次元超音波映像はBモード(brightness mode)映像を含む。
【0029】
判断部132は、ユーザ入力部120から第1の入力情報が提供されると、第1の入力情報を分析して2次元超音波映像にROIを設定する方式を決定する。本実施例において、判断部132は、第1の入力情報を分析してマルチROI方式を行うための第1の分析情報または単一ROI方式を行うための第2の分析情報を出力する。
【0030】
ROI設定部133は、判断部132から第1の分析情報が提供されると、ユーザ入力部120から提供される第2の入力情報に基づいてマルチROI方式で2次元超音波映像に複数のROIを設定する。一方、ROI設定部133は、判断部132から第2の分析情報が提供されると、ユーザ入力部120から提供される第4の入力情報に基づいて単一ROI方式で2次元超音波映像にROIを設定する。
【0031】
ボリュームデータ形成部134は、超音波データ取得部110から提供される複数の第2の超音波データを用いて、複数のROIのそれぞれに対応するボリュームデータを形成する。
【0032】
第2の映像形成部135は、ボリュームデータ形成部134から提供される複数のボリュームデータのそれぞれをレンダリングして複数の3次元超音波映像を形成する。レンダリングは、レイキャスティング・レンダリング(ray-casting rendering)、表面レンダリング(surface rendering)などを含む。
【0033】
再び図1を参照すると、格納部140は、プロセッサ130で形成されたボリュームデータを格納する。また、格納部140は、プロセッサ130で形成された3次元超音波映像を格納する。
【0034】
ディスプレイ部150は、プロセッサ130で形成された2次元超音波映像を表示する。また、ディスプレイ部150は、プロセッサ130で形成された複数の3次元超音波映像を表示する。
【0035】
以下、添付の図面を参照して複数の3次元超音波映像を形成する順序をさらに詳細に説明する。
【0036】
図7は、本発明の実施例によって複数の3次元超音波映像を形成する順序を示すフローチャートである。図7を参照すると、超音波データ取得部110は、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第1の超音波データを取得する(S102)。第1の映像形成部131は、超音波データ取得部110から提供される第1の超音波データを用いて2次元超音波映像を形成する(S104)。
【0037】
判断部132は、ユーザ入力部120から第1の入力情報が提供されると、第1の入力情報を分析して(S106)、第1の入力情報がマルチROI方式を選択する入力情報であると判断されれば、マルチROI方式を行うための第1の分析情報を出力する(S108)。
【0038】
ROI設定部133は、判断部132から第1の分析情報が提供されると、ユーザ入力部120から第2の入力情報を受信し(S110)、受信された第2の入力情報に基づいてマルチROI方式で2次元超音波映像にROIを設定する(S112)。ROI設定部133は、ユーザ入力部120から第3の入力情報が提供されるのを監視して(S114)、第3の入力情報が提供されなければ第3の入力情報が入力されるまで段階S110およびS112を繰り返し行う。第3の入力情報が提供されれば、次の段階へ進む。
【0039】
超音波データ取得部110は、判断部132から提供される第1の分析情報およびユーザ入力部120から提供される第2の入力情報に基づいて、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して、複数の第2の超音波データを取得する(S116)。
【0040】
ボリュームデータ形成部134は、超音波データ取得部110から提供される複数の第2の超音波データを用いて、複数のROIのそれぞれに対応するボリュームデータを形成する(S118)。
【0041】
第2の映像形成部135は、ボリュームデータ形成部134から提供される複数のボリュームデータのそれぞれをレンダリングして、複数のROIのそれぞれに対応する3次元超音波映像を形成する(S120)。
【0042】
一方、第1の入力情報が単一ROI方式を選択する入力情報であると判断されれば、判断部132は、単一ROI方式を行うための第2の分析情報を出力する(S122)。
【0043】
ROI設定部133は、判断部132から第2の分析情報が提供されると、ユーザ入力部120から第4の入力情報を受信し(S124)、第4の入力情報に基づいて2次元超音波映像にROIを設定する(S126)。
【0044】
超音波データ取得部110は、判断部132から提供される第2の分析情報およびユーザ入力部120から提供される第4の入力情報に基づいて、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して、複数の第2の超音波データを取得する(S128)。
【0045】
ボリュームデータ形成部134は、超音波データ取得部110から提供される複数の第2の超音波データを用いて、ROIに対応するボリュームデータを形成する(S130)。形成されたボリュームデータは、格納部140に格納される(S132)。
【0046】
ROI設定部133は、ユーザ入力部120から第5の入力情報が提供されるのを監視する(S134)。段階S134において、第5の入力情報が提供されないと、第5の入力情報がユーザ入力部120から提供されるまで、ROI設定部133は段階S124およびS126を行い、超音波データ取得部110は段階S128を行い、ボリュームデータ形成部134は段階S130を行い、格納部140は段階S132を行う。
【0047】
一方、段階S134において、第5の入力情報がユーザ入力部120から提供されると、第2の映像形成部135は、格納部140に格納された複数のボリュームデータを抽出し(S135)、抽出された複数のボリュームデータのそれぞれをレンダリングして複数の3次元超音波映像を形成する(S138)。
【0048】
以上、本発明の複数の3次元超音波映像を提供する超音波システムおよび方法を説明したが、当該方法は、コンピュータで読出し可能な記録媒体に記録させることができる。この記録媒体は、コンピュータシステムによって読み出されるデータが保存される全ての種類の記録装置を含む。このコンピュータで読み出し可能な記録媒体の例としては、ROM、RAM、CDROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ格納装置などの他、キャリアウェーブ(例えば、インターネットを通じた伝送)の形態で具現されるものも含む。また、コンピュータで読み出し可能な記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散され、読み出しをコードにより行うようにすることも可能である。上述した実施例を具現するための機能的なプログラム、コードおよびコードセグメント方法は、本発明が属する技術分野の各プログラマにとっては容易に推定されることである。
【0049】
本発明は、望ましい実施例によって説明および例示をしたが、当業者であれば添付した特許請求の範囲の事項および範疇を逸脱することなく、様々な変形および変更が可能である。
【0050】
一例として、上述した実施例ではユーザの第1の入力情報に従って超音波映像にROIを設定する方式を設定するものとして説明したが、他の実施例では、ユーザによって予め定められたプリセット(preset)値によって超音波映像にROIを設定する方式を設定することもできる。ここで、プリセット値は、格納部140に格納されることができる。
【符号の説明】
【0051】
100 超音波システム
110 超音波データ取得部
111 送信信号形成部
112 超音波プローブ
113 ビームフォーマ
114 超音波データ形成部
120 ユーザ入力部
130 プロセッサ
140 格納部
150 ディスプレイ部
131 第1の映像形成部
132 判断部
133 ROI設定部
134 ボリュームデータ形成部
135 第2の映像形成部
210 2次元超音波映像
221〜223 ROI

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波信号を対象体に送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第1の超音波データを取得する超音波データ取得部と、
前記第1の超音波データを用いて2次元超音波映像を形成するプロセッサと、
ユーザからの入力情報を受信するユーザ入力部と
を備え、
前記プロセッサは、前記入力情報に基づいてマルチROI(region of interest)方式または単一ROI方式のいずれかの方式で前記2次元超音波映像に複数または単一のROIを設定し、
前記超音波データ取得部は、前記入力情報および前記複数または単一のROIに基づいて、前記超音波信号を前記対象体に送信し、前記対象体から反射される前記超音波エコー信号を受信して複数の第2の超音波データを取得し、
前記プロセッサは、前記複数の第2の超音波データを用いて前記複数または単一のROIのそれぞれに対応する3次元超音波映像を形成することを特徴とする超音波システム。
【請求項2】
前記入力情報は、
前記マルチROI方式または前記単一ROI方式のいずれかの方式を選択するための第1の入力情報と、
前記マルチROI方式で前記2次元超音波映像に前記複数のROIを設定するための第2の入力情報と、
前記マルチROI方式に対しROI設定の終了を要請するための第3の入力情報と、
前記単一ROI方式で前記第2の超音波映像に前記ROIを設定するための第4の入力情報と、
前記単一ROI方式に対しROI設定の終了を要請するための第5の入力情報と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第1の超音波データを用いて前記2次元超音波映像を形成する第1の映像形成部と、
前記第1の入力情報を分析して分析情報を出力する判断部と、
前記分析情報に従って前記第2の入力情報または前記第4の入力情報のいずれかの入力情報に基づいて前記2次元超音波映像に前記複数または単一のROIを設定するROI設定部と、
前記第2の入力情報または前記第4の入力情報のいずれかの入力情報に基づいて前記複数の第2の超音波データを用いて前記複数または単一のROIのそれぞれに対応するボリュームデータを形成するボリュームデータ形成部と、
前記複数のボリュームデータのそれぞれをレンダリングして複数の3次元超音波映像を形成する第2の映像形成部と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の超音波システム。
【請求項4】
前記判断部は、
前記第1の入力情報が前記マルチROI方式を選択する入力情報であると判断すれば、前記マルチROI方式を行うための第1の分析情報を出力し、
前記第1の入力情報が前記単一ROI方式を選択する入力情報であると判断すれば、前記単一ROI方式を行うための第2の分析情報を出力することを特徴とする請求項3に記載の超音波システム。
【請求項5】
前記ROI設定部は、前記第1の分析情報に基づいて、前記第3の入力情報が提供されるまで前記ユーザ入力部から前記第2の入力情報を受信し、前記第2の入力情報に基づいて前記2次元超音波映像に前記ROIを設定し、
前記超音波データ取得部は、前記第1の分析情報に基づいて前記超音波信号を前記対象体に送信し、前記対象体から反射される前記超音波エコー信号を受信して前記複数の第2の超音波データを取得し、
前記ボリュームデータ形成部は、前記複数の第2の超音波データを用いて前記複数のROIのそれぞれに対応する前記ボリュームデータを形成することを特徴とする請求項4に記載の超音波システム。
【請求項6】
前記ROI設定部は、前記第2の分析情報に基づいて、前記ユーザ入力部から第4の入力情報を受信し、前記第4の入力情報に基づいて前記2次元超音波映像に前記ROIを設定し、
前記超音波データ取得部は、前記第2の分析情報に基づいて、前記超音波信号を前記対象体に送信し、前記対象体から反射される前記超音波エコー信号を受信して前記複数の第2の超音波データを取得し、
前記ボリュームデータ形成部は、前記複数の第2の超音波データを用いて前記ROIに対応する前記ボリュームデータを形成し、
前記ROI設定部、前記超音波データ取得部および前記ボリュームデータ形成部は、前記ユーザ入力部から前記第5の入力情報が提供されるまで前記動作を繰り返し行うことを特徴とする請求項4に記載の超音波システム。
【請求項7】
前記複数のボリュームデータを格納する格納部をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項8】
前記第2の映像形成部は、前記格納部から前記複数のボリュームデータを抽出し、前記抽出された複数のボリュームデータのそれぞれをレンダリングして前記複数の3次元超音波映像を形成することを特徴とする請求項3ないし7のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項9】
a)超音波信号を対象体に送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第1の超音波データを取得する段階と、
b)前記第1の超音波データを用いて2次元超音波映像を形成する段階と、
c)ユーザの入力情報に基づいて、マルチROI(region of interest)方式または単一ROI方式のいずれかの方式で前記2次元超音波映像に複数または単一のROIを設定して前記複数または単一のROIのそれぞれに対応するボリュームデータを形成する段階と、
d)前記複数のボリュームデータのそれぞれをレンダリングして複数の3次元超音波映像を形成する段階と
を備えることを特徴とする複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項10】
前記入力情報は、
前記マルチROI方式または前記単一ROI方式のいずれかの方式を選択するための第1の入力情報と、
前記マルチROI方式で前記2次元超音波映像に前記複数のROIを設定するための第2の入力情報と、
前記マルチROI方式に対するROI設定の終了を要請するための第3の入力情報と、
前記単一ROI方式で前記第2の超音波映像に前記複数のROIを設定するための第4の入力情報と、
前記単一ROI方式に対するROI設定の終了を要請するための第5の入力情報と
を含むことを特徴とする請求項9に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項11】
前記段階c)は、
c1)ユーザから前記第1の入力情報を受信する段階と、
c2)前記第1の入力情報を分析して分析情報を出力する段階と、
c3)前記分析情報に従って前記第2の入力情報または前記第4の入力情報のいずれかの入力情報に基づいて前記複数または単一のROIのそれぞれに対応するボリュームデータを形成する段階と
を備えることを特徴とする請求項9または10に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項12】
段階c2)は、
前記第1の入力情報が前記マルチROI方式を選択する入力情報であると判断すれば、前記マルチROI方式を行うための第1の分析情報を出力する段階と、
前記第1の入力情報が前記単一ROI方式を選択する入力情報であると判断すれば、前記単一ROI方式を行うための第2の分析情報を出力する段階と
を備えることを特徴とする請求項11に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項13】
前記段階c3)は、
c31)前記第1の分析情報に従って、前記ユーザから前記第2の入力情報を受信する段階と、
c32)前記第2の入力情報に基づいて前記2次元超音波映像に前記複数のROIを設定する段階と、
c33)前記ユーザから前記第3の入力情報が提供されるのを監視して、前記第3の入力情報が提供されていないと判断すれば、前記段階c31)および前記段階c32)を行う段階と、
c34)前記段階c33)において前記第3の入力情報が提供されたと判断すれば、前記対象体に対する前記複数の第2の超音波データを取得する段階と、
c35)前記複数の第2の超音波データを用いて前記複数のROIのそれぞれに対応する前記ボリュームデータを形成する段階と
を備えることを特徴とする請求項11または12に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項14】
前記段階c3)は、
c31)前記第2の分析情報に従って、前記ユーザから前記第4の入力情報を受信する段階と、
c32)前記第4の入力情報に基づいて前記2次元超音波映像に前記ROIを設定する段階と、
c33)前記対象体に対する前記複数の第2の超音波データを取得する段階と、
c34)前記複数の第2の超音波データを用いて前記段階c32)で設定されたROIに対応するボリュームデータを形成する段階と、
c35)前記ユーザから前記第5の入力情報が提供されるのを監視して、前記第5の入力情報が提供されていないと判断すれば、前記段階c31)〜前記段階c34)を行う段階と
を備えることを特徴とする請求項11または12に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項15】
前記段階c34)は、
前記ボリュームデータを格納部に格納する段階
をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項16】
前記段階d)は、
前記格納部から前記ボリュームデータを抽出する段階と、
前記抽出されたボリュームデータのそれぞれをレンダリングして前記複数の3次元超音波映像を形成する段階と
を備えることを特徴とする請求項15に記載の複数の3次元超音波映像提供方法。
【請求項17】
複数の3次元超音波映像を提供する方法を行うためのプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記方法は、
a)対象体に対する第1の超音波データを取得する段階と、
b)前記第1の超音波データを用いて2次元超音波映像を形成する段階と、
c)ユーザの入力情報に基づいて、マルチROI(region of interest)方式または単一ROI方式のいずれかの方式で前記2次元超音波映像に複数または単一のROIを設定して前記複数または単一のROIのそれぞれに該当するボリュームデータを形成する段階と、
d)前記複数のボリュームデータのそれぞれをレンダリングして複数の3次元超音波映像を形成する段階と
を備えることを特徴とするコンピュータ読み出し可能記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−125704(P2011−125704A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278376(P2010−278376)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(597096909)株式会社 メディソン (269)
【氏名又は名称原語表記】MEDISON CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】114 Yangdukwon−ri,Nam−myun,Hongchun−gun,Kangwon−do 250−870,Republic of Korea
【Fターム(参考)】