複数プラグ付き接続ユニット
【課題】相手方レセプタクル間に若干の位置ずれがあってもスムーズに嵌合でき、小型化となる複数プラグ付き接続ユニットを提供する。
【解決手段】複数のコンタクト40Kと複数のコンタクトを保持するインシュレータ40Zとを有するプラグ40と、前記プラグ40と同じ又は異なるプラグ30を1個以上と、各プラグ30、40の各複数のコンタクト30K、40Kの下端30K3、40K3と半田付けされるパターン53、54を備えた基板50と、各プラグ30、40を纏めて収容し各プラグの嵌合部のみを露出させる穴63、64を形成したケース60と、から成る複数プラグ付き接続ユニット20において、複数プラグの少なくとも1個が各嵌合部と半田付け部との間で可動構造を備えるようにした。
【解決手段】複数のコンタクト40Kと複数のコンタクトを保持するインシュレータ40Zとを有するプラグ40と、前記プラグ40と同じ又は異なるプラグ30を1個以上と、各プラグ30、40の各複数のコンタクト30K、40Kの下端30K3、40K3と半田付けされるパターン53、54を備えた基板50と、各プラグ30、40を纏めて収容し各プラグの嵌合部のみを露出させる穴63、64を形成したケース60と、から成る複数プラグ付き接続ユニット20において、複数プラグの少なくとも1個が各嵌合部と半田付け部との間で可動構造を備えるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロUSB用プラグとHDMIタイプD用プラグといった異種のプラグを2個またはそれ以上備えた複数プラグ付き接続ユニットに関するもので、特に、それぞれの相手方レセプタクル同士の離間距離に若干の製作誤差があってもそれぞれプラグを接続できて、しかも小型化に寄与する複数プラグ付き接続ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
〈従来の接続ユニット〉
受容スロットを区画する複数の側壁を有するシールドハウジングと、複数のコネクタ及びこれらコネクタの各々に組み込まれた複数の導電性コンタクトを備えた本体部とを具備したソケットコネクタは、例えば特許公報1などにより公知である。
また、複数のコネクタとして、マイクロUSB用プラグ400とHDMIタイプD用プラグから成る接続ユニットとしては、図11に示すようなものが市販されている。
図11は従来公知の2個プラグ付き接続ユニットの一部破断斜視図である。
図11において、2個プラグ付き接続ユニット200はマイクロUSB用プラグ400とHDMIタイプD用プラグ300とを備えている。マイクロUSBはパソコン等に用いられ、HDMIタイプDはデジタルテレビ等に用いられているので、パソコンとデジタルテレビとをスマートフォンに接続して同時に使う場合、スマートフォン側のHDMIタイプD用プラグのレセプタクルとマイクロUSB用のレセプタクルにそれぞれこのマイクロUSB用プラグ400とHDMIタイプD用プラグ300とを嵌合させる必要がある。
ところが、相手方レセプタクル同士の離間距離に若干の製作誤差があるような場合、2個のプラグが完全固定(デジット)であると2個同時に接続できないことが起こりうる。
これを解決するものとして、図11の2個プラグ付き接続ユニット200では、マイクロUSB用プラグ400にケーブル740を接続して、かつ、マイクロUSB用プラグ400の周囲にクッション材400Kを介してケースに固定し、マイクロUSB用プラグ400の嵌合部を露出させる穴を若干大きめに作っている。
このようにすることで、マイクロUSB用プラグ400の嵌合部はある程度可動できるようになり、HDMIタイプD用プラグ300が相手方レセプタクルに嵌合した状態で、マイクロUSB用プラグ400が相手方レセプタクルに嵌合するとき若干位置ずれがあっても可動して相手方レセプタクルに嵌合することができる。
このように、図11の2個プラグ付き接続ユニットであれば、相手方レセプタクル同士の離間距離に若干の製作誤差があっても、問題なく両レセプタクルと接続可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−3540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
〈公知の複数プラグ付き接続ユニットの問題点〉
ところが図11で示す複数プラグ付き接続ユニットは、ケーブルを用いているので、嵌合方向と直角方向にケーブルを引き回す場合にケーブルは直角に曲がることができず、大きなカーブを描いて曲がることとなり、したがって嵌合方向のプラグ奥行きの寸法T20(図11)が大きくなってしまい、小型化のニーズに適合しなくなってしまうという問題があった。
特に、スマートフォン等の携帯機器市場においては、サイズの縮小化にこだわっており、従来公知の複数プラグ付き接続ユニットは小型化の点で問題があった。
【0005】
〈本発明の目的〉
本発明は、上記欠点を解決するためになされたもので、嵌合方向のプラグ奥行きの寸法を小さくできて、しかもHDMIタイプD用プラグが相手方レセプタクルに嵌合した状態で、マイクロUSB用プラグの相手方レセプタクルに若干位置ずれがあってもマイクロUSB用プラグを相手方レセプタクルに嵌合することができる複数プラグ付き接続ユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本願発明(1)〜(6)は次のことを特徴としている。
(1)複数のコンタクトと前記複数のコンタクトを保持するインシュレータとを有するプラグと、前記プラグと同じ又は異なるプラグを1個以上と、前記各プラグを半田付け搭載する基板と、前記各プラグを纏めて収容し前記各プラグの嵌合部のみを露出させる穴を形成したケースと、から成る複数プラグ付き接続ユニットにおいて、前記複数プラグの少なくとも1個が、前記各嵌合部と前記半田付け部との間で可動構造を備えたこと。
(2)複数本のケーブルを半田付け又はコネクタを介して結線できるパターンを前記基板に設けたこと。
(3)前記複数プラグのうちの少なくとも1個のプラグの前記嵌合部が、マイクロUSBコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合するものであること。
(4)前記複数プラグのうちの少なくとも1個のプラグの前記嵌合部が、HDMIタイプDコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合するものであること。
(5)前記複数プラグのうちの少なくとも1個のプラグの前記嵌合部がマイクロUSBコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合し、かつ少なくとも1個のプラグの前記嵌合部がHDMIタイプDコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合するものであること。
(6)前記複数本のケーブルがマイクロUSBの信号を伝送するケーブルとHDMIタイプDの信号を伝送するケーブルのどちらか一方または双方であること。
【発明の効果】
【0007】
(1)の構成によれば、少なくとも1個のプラグが各嵌合部と半田付け部との間で可動構造を備えているので、相手方レセプタクルに若干位置ずれがあってもそのプラグを相手方レセプタクルにスムーズに嵌合できるようになる。
(2)の構成によれば、複数本のケーブルを半田付け又はコネクタを介して結線できるパターンを基板に設けたので、ケーブルを嵌合方向と直角方向に引き回すことをしなくてよくなり、小型化に寄与できる。
(3)〜(6)の構成によれば、マイクロUSBコネクタおよびHDMIタイプDコネクタに嵌合して各信号を伝送することができるようになり、スマートフォン等の携帯機器市場におけるニーズに応えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1(A)は本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットを使用したケーブルの正面図、図1(B)は同じく平面図である。
【図2】図2(A)は本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットに用いる基板の平面図、図2(B)は複数プラグ付き接続ユニットの各プラグの中心を通る縦断面で切った正面断面図である。
【図3】図3(A)は複数プラグ付き接続ユニットの拡大斜視図、図3(B)は複数プラグを収容するケースをケースの裏側から見た斜視図、図3(C)は図3(A)の複数プラグ付き接続ユニットを裏側から見た斜視図である。
【図4】図4(A)はマイクロUSB用プラグの平面図、図4(B)は同じく正面図、図4(C)は同じく斜視図である。
【図5】図5(A)はマイクロUSB用プラグのベースシェルの一部を破断して示す斜視図、図5(B)はさらにマイクロUSB用プラグの嵌合部シェルの一部を破断して示す斜視図、図5(C)はマイクロUSB用プラグの嵌合部シェルの斜視図である。
【図6】図6(A)は図4(A)のA−A矢視断面図、図6(B)は図4(B)のB−B矢視断面図である。
【図7】図7はマイクロUSB用プラグの組み立て工程の前半を示す斜視図である。
【図8】図8はマイクロUSB用プラグの組み立て工程の後半を示す斜視図である。
【図9】図9はHDMIタイプD用プラグの組み立て工程を示す斜視図である。
【図10】図10(A)はHDMIタイプD用プラグの正面断面図、図10(B)はその側面断面図である。
【図11】図11は従来公知の2個プラグ付き接続ユニットの一部破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、相手方レセプタクルに若干位置ずれがあってもそのプラグを相手方レセプタクルにスムーズに嵌合でき、しかも小型化に寄与する複数プラグ付き接続ユニットについて、図面を用いて説明する。
【0010】
〈本発明によるとプラグ奥行き寸法が小さくなる理由〉
図1は本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットを使用したケーブルを説明する図で、複数プラグ付き接続ユニットはHDMIタイプD用プラグ30とマイクロUSB用プラグ40とを備え、ハウジング72に収容されて、ケーブル70に接続されている。図1の複数プラグ付き接続ユニットは、図11で示した市販のものと比べて嵌合方向のプラグ奥行きの寸法T10が小さくなった小型化された複数プラグ付き接続ユニットとなっている。
このように本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットのプラグ奥行き寸法が小さくなる理由について図2及び図3を用いて説明する。
図2(A)は本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットの基板の平面図、図2(B)は複数プラグ付き接続ユニットの各プラグの中心を通る縦断面で切った正面断面図である。本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットを使用したケーブル10は本発明に係る複数プラグ付き接続ユニット20にケーブル70を取り付けたものである。複数プラグ付き接続ユニット20はHDMIタイプD用プラグ30とマイクロUSB用プラグ40と、両プラグ30、40のそれぞれのコンタクト30K、40Kと半田付けされるパターン53、54を備えている基板50とを含み、これらをケース60に収容して成っている。
ケーブル70は、基板50の裏側のパターンと半田付け結線されている各種電線71とケース60を収容しているハウジング72から成っている。
図2(A)の基板50には、HDMIタイプD用プラグ30用のパターン53とマイクロUSB用プラグ40用のパターン54とがそれぞれ設けられており、それぞれのパターン53とパターン54は基板50を貫通して基板50の表側から裏側(図3(c)参照)に延びている。図3(C)は図3(A)の複数プラグ付き接続ユニットを背面側から見た斜視図で、基板50を貫通して基板50の裏側に延びた各パターン53とパターン54はケーブル70のHDMI信号電線73とUSB信号電線74とそれぞれ半田付けによる電気的接続がなされている。
なお、ここでは、各パターン53とパターン54はケーブル70のHDMI信号電線73とUSB信号電線74とそれぞれ半田付けによる電気的接続がなされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、半田付けによる電気的接続の他に、コネクタを介して両者間を電気的に接続することも、もちろん可能である。
図3(C)の各パターン53とパターン54と各種電線73、74とのそれぞれの電気的接続から判るように、電線71は基板50の各パターン53とパターン54の上に横方向から直接アクセスしており、図11のようにケーブル70がカーブを描かないため、嵌合方向のプラグ奥行きの寸法T10(図1(A)、図2(B))が小さくでき、サイズの縮小化にこだわるスマートフォン等の携帯機器市場において有用となる。
【0011】
〈位置ずれのある相手方レセプタクルと嵌合できる。〉
次に、マイクロUSB用プラグ40が相手方レセプタクルに若干位置ずれがあってもスムーズに嵌合できるようになる可動構造について説明する。
【0012】
〈複数プラグ付き接続ユニット20〉
図3(A)は複数プラグ付き接続ユニットの拡大斜視図である。図3(A)において、HDMIタイプD用プラグ30の嵌合部とマイクロUSB用プラグ40の嵌合部が、それぞれケース60の穴63、64から露出している。このとき、マイクロUSB用プラグ40側の穴64はマイクロUSB用プラグ40の嵌合部の周囲から若干の隙間をあけるように大きめの穴となっている。
これに対して、HDMIタイプD用プラグ30側の穴63はHDMIタイプD用プラグ30に対して隙間なくHDMIタイプD用プラグ30の嵌合部を露出させている。
【0013】
図3(B)は図3(A)の複数プラグを収納するケースをケースの裏側から見た斜視図で、樹脂成型されたケース60は内側にHDMIタイプD用プラグ30の収容室63RとマイクロUSB用プラグ40の収容室64Rとが形成され、それぞれの頂部にHDMIタイプD用プラグ30の嵌合部が露出する穴63とマイクロUSB用プラグ40の嵌合部が露出する穴64があけられている。
【0014】
図4(A)はマイクロUSB用プラグの平面図、図4(B)は同じく正面図、図4(C)は同じく斜視図である。マイクロUSB用プラグ40は、嵌合部を形成する嵌合部シェル40S1と、基板を覆うベースシェル40S2を最外側に備えて、全体の信号の電気シールドを行っている。
嵌合部シェル40S1の内側には、5本のコンタクト40Kを固定する固定インシュレータが収容され、5本のコンタクト40Kの下端部40K3はベースシェル40S2の袴(はかま)部の下から外方へ突出して、基板50のパターン54と半田付けされる(図2(B))。
ベースシェル40S2の頂部には嵌合部シェル40S1の貫通する開口S2L(図4(C))があけられており、この開口S2Lから嵌合部シェル40S1が露出している。
嵌合部シェル40S1とベースシェル40S2とは後述するように電気的に接続されており、また、両者は機械的には完全固定ではなく、嵌合部シェル40S1とベースシェル40S2とが可動できるようになっている。
【0015】
〈マイクロUSB用プラグ40の構成〉
図5(A)はマイクロUSB用プラグのベースシェルの一部を破断して示す斜視図、図5(B)はさらにマイクロUSB用プラグの嵌合部シェルの一部をも破断して示す斜視図、図5(C)はマイクロUSB用プラグの嵌合部シェルの斜視図、図6(A)は図4(A)のA−A矢視断面図、図6(B)は図4(B)のB−B矢視断面図である。
マイクロUSB用プラグ40は、5本のコンタクト40Kとインシュレータ40Zとシェル40Sとから構成される。
【0016】
〈インシュレータ40Z〉
インシュレータ40Zは、固定インシュレータ40Z1と嵌合インシュレータ40Z3とベースインシュレータ40Z4と固定インシュレータ40Z5とから構成されている。
【0017】
〈嵌合インシュレータ40Z3〉
嵌合インシュレータ40Z3(図6(A)、図7(4))は5本のコンタクト40Kをモールド固定している固定インシュレータ40Z1(図6(A)、図7(3))を中央部に収容する絶縁樹脂製筐体である。この筐体の下部は両側外方に膨出部B3を形成してあり、この膨出部B3がベースインシュレータ40Z4に形成された嵌合インシュレータ収容部B4(図6(A)、図7(6))に収容されることで、全体のインシュレータ40Zが完成する。
【0018】
〈5本のコンタクト40K〉
5本のコンタクト40K(図5(B)、図7(3))は、上方先端部40K1が相手方レセプタクルと接触する部位であり、中間部40K2がS字状に曲折して弾性を持たせる部位であり、下端部40K3が基板50(図2(A))のパターン54と半田付けされる(図2(B))。
図5(B)において、嵌合インシュレータ40Z3とベースインシュレータ40Z4とで形成される内部空間に、長尺状の5本のコンタクト40Kが収容される(図7(5)参照)。
S字状に曲折して弾性を持たせる中間部40K2によって、下端部40K3が基板50に固定されていても上方先端部40K1は水平面で上下左右方向に動くことができるので、マイクロUSB用プラグ40は基板50との半田付け部と各嵌合部(嵌合インシュレータ40Z3)との間で可動できるようになる。
なお、ここでは中間部40K2をS字状に曲折させて弾性を持たせているが、本発明はこれに限定されるものではなく、S字状の他にL字状、U字状、W字状に曲折させたり、さらにこれら形状を複数回繰り返した形状のものでも、弾性を持たせることができる。
【0019】
〈シェル40S〉
シェル40S(図5(A))は電気シールドを行なうもので金属薄板から形成され、プラグの嵌合部を形成する嵌合部シェル40S1と、基板を覆うベースシェル40S2とから構成されている。
【0020】
〈嵌合部シェル40S1〉
嵌合部シェル40S1は、ベースシェル40S2の開口S2L(図4(C))から露出する嵌合部S11(図5(C))と、嵌合部S11の両平坦部下方左右側から下方に延出する弾性接続部S12(図5(C))とから構成される。
【0021】
〈嵌合部S11〉
嵌合部S11は金属薄板の中空円筒を両側から潰して平坦にした形状をしており、この中に、5本のコンタクト40K(図5(B)、図6(A))を収容する嵌合インシュレータ40Z3(図5(B)、図6(A))が収容される。嵌合部S11の平坦部には嵌合インシュレータ40Z3の溝部に係止する係止片S1Kが複数箇所に形成され、嵌合部S11の下方にはベースシェル40S2(図5(B))の下に潜り込んで安定して直立できるようにする足片S1F(図5(B))が4箇所(両平坦部の下方にそれぞれ2箇所)に形成されている。
【0022】
〈弾性接続部S12〉
弾性接続部S12(図5(C))は嵌合部S11の両平坦部の下方の左右側のつごう4箇所から下方にS字状に複数回蛇行して成る金属長尺体で、それぞれの先端に上向きのU字状をしたクリップC1が形成されている。これら4箇所のクリップC1は、嵌合部シェル40S1がベースシェル40S2に組み付けられた状態で、ベースシェル40S2の袴部F1(図5(A))に食い込むことで、嵌合部シェル40S1をベースシェル40S2の中で可動できるようにかつ安定的に直立させると共に嵌合部シェル40S1とベースシェル40S2間の電気的接続がなされている。
【0023】
〈マイクロUSB用プラグの組み立て順序〉
以上述べた各部品を用いてマイクロUSB用プラグを組み立てる順序について、図7および図8を用いて説明する。 図7および図8はマイクロUSB用プラグの組み立て工程を示す斜視図で、図7は工程の前半、図8は工程の後半を示している。
まず、図7(1)において、1枚の金属薄板から長尺体となる5本のコンタクト40Kを打ち抜き、プレス加工する。
図7(2)において、5本のコンタクト40Kの上下2箇所をそれぞれ固定インシュレータ40Z1と40Z5でモールド固定する。
図7(3)において、5本のコンタクト40Kの固定インシュレータ40Z1と40Z5の間の固定インシュレータ40Z5の近傍の部位をS字状にフォーミングする。
図7(4)において、嵌合インシュレータ40Z3を別途成形する。嵌合インシュレータ40Z3には固定インシュレータ40Z1の全体を収容する固定インシュレータ収容室R1が形成されている。
図7(5)において、S字状にフォーミングされた5本のコンタクト40Kを束ねて固定している固定インシュレータ40Z1を嵌合インシュレータ40Z3の固定インシュレータ収容室R1に嵌め込んで固定する。
図7(6)において、ベースインシュレータ40Z4を別途成形する。ベースインシュレータ40Z4には中央に嵌合インシュレータ収容部B4が形成されている。
図7(7)において、嵌合インシュレータ40Z3の下部に形成されている膨出部B3(図7(5))をベースインシュレータ40Z4の嵌合インシュレータ収容部B4(図7(6))に嵌合させてインシュレータ40Zを完成させる。インシュレータ40Zの下部から5本のコンタクト40Kの先端50K3が出ている。
図8(8)において、嵌合部シェル40S1をプレス加工する。嵌合部シェル40S1は嵌合部S11と弾性接続部S12とから構成されており、弾性接続部S12の先端にU字状をしたクリップC1が形成されている。
図8(9)において、プレス加工された嵌合部シェル40S1をコンタクト付きインシュレータ40Zに組み立てる。
図8(10)において、ベースシェル40S2をプレス加工する。
図8(11)において、プレス加工されたベースシェル40S2をコンタクト付きインシュレータ40Zの上から嵌め込み、嵌合部シェル40S1の弾性接続部S12の4個のクリップC1をベースシェル40S2袴部に挟み込むことで、嵌合部シェル40S1はベースシェル40S2と電気的接続かつ機械的接続が行われ、マイクロUSB用プラグ40が完成する。弾性接続部S12の存在により嵌合部シェル40S1はベースシェル40S2の中で上下左右方向に若干可動できるようになっている。
図6において、嵌合部シェル40S1の幅方向に移動可能となる距離をT1、嵌合部シェル40S1の厚み方向に移動可能となる距離をT2で示している。
【0024】
次のステップで、このマイクロUSB用プラグ40と後述するHDMIタイプD用プラグ30をケース60(図3(B))のHDMIタイプD用プラグ30の収容室63RとマイクロUSB用プラグ40の収容室64Rに収容し、パターン53、54付き基板50でHDMIタイプD用プラグ30のコンタクトの下端30K3とマイクロUSB用プラグ40のコンタクトの下端部40K3とそれぞれ半田付けされた状態でケース60を覆い、パターン53、54(図3(C))のそれぞれにケーブル70のHDMI信号電線73とUSB信号電線74を半田付けし、この部分をハウジング72(図2(B))で覆うことにより複数プラグ付き接続ユニットを使用したケーブル10(図1)が完成する。
【0025】
〈HDMIタイプD用プラグの可動構造〉
次に、HDMIタイプD用プラグもマイクロUSB用プラグ40と同じく可動構造を次のように有していることについて、図9を用いて説明する。
図9はHDMIタイプD用プラグの組み立て工程を示す斜視図である。
図9(1)において、嵌合インシュレータ30Z3内には、それぞれS字状にフォーミングされたコンタクト30Kが複数本1列横隊で並び、これと同じくS字状にフォーミングされたコンタクト30K’が複数本1列横隊でコンタクト30Kとを互いに背中合わせ状態で収容されている。
各コンタクト30Kと30K’の材質・機能・形状は、前述したマイクロUSB用プラグ40のコンタクト40Kと原則同じである。すなわち、上方先端部が相手方レセプタクルと接触する部位であり、中間部がS字状に曲折して弾性を持たせることで若干可動できるようにし、下端部30K近傍には上向きにU字状に形成されたクリップC2を形成し、ベースインシュレータ30Z4の袴(はかま)部をクリップできるようにしている。
図9(2)において、ベースインシュレータ30Z4の上に形成された溝M1内に、嵌合部シェル30S1の下端から水平方向に延出する帯状部N1を嵌め込んで、嵌合部シェル30S1をベースインシュレータ30Z4の上に垂直に固定する。
溝M1と帯状部N1とは緩く嵌め込まれており、したがって嵌合部シェル30S1はベースインシュレータ30Z4に対して水平面で上下左右方向に若干可動できるようになっている。
図9(3)において、図9(1)で組み立てられたコンタクト付き嵌合インシュレータ30Z3の上に、図9(2)で組み立てられたベースインシュレータ30Z4を嵌め込み、コンタクト30Kと30K’の各クリップC2でベースインシュレータ30Z4の袴(はかま)部をクリップすることで、コンタクト30K、30K’付き嵌合インシュレータ30Z3とベースインシュレータ30Z4は機械的に固定されたHDMIタイプD用プラグが出来上がる。HDMIタイプD用プラグはコンタクト30K、30K’のS字状にフォーミングされた部位の存在により嵌合部シェル40S1はベースシェル40S2の中で上下左右方向に若干可動できるようになっている。
次のステップで、このHDMIタイプD用プラグ30はマイクロUSB用プラグ40と同じようにケース60(図3(B))に収容され、上述したステップを経て複数プラグ付き接続ユニットを使用したケーブル10(図1)が完成する。
【0026】
〈HDMIタイプD用プラグの構造〉
図10(A)はHDMIタイプD用プラグの正面図、図10(B)はHDMIタイプD用プラグの側面図である。嵌合インシュレータ30Z3内に、コンタクト30Kとコンタクト30K’が互いに背中合わせ状態で収容されている。コンタクト30K、30K’の各下端部30K3近傍には上向きにU字状に形成されたクリップC2を形成し、これがベースインシュレータ30Z4の袴部をクリップしている(図10(B))。
また、コンタクト30K、30K’の各下端部30K3は、下方に向けて突出しており、ここが図2(A)のパターン53と半田付けされることにより、コンタクト30K、30K’と各パターン53とが電気的に接続されるようになる。
【0027】
〈まとめ〉
(1)以上のように本発明によれば、プラグが各嵌合部と半田付け部との間で可動構造を備えているので、相手方レセプタクルに若干位置ずれがあってもそのプラグを相手方レセプタクルにスムーズに嵌合できるようになる。
(2)また、複数本のケーブルを半田付け結線できるパターンを基板に設けたので、ケーブルを嵌合方向と直角方向に引き回すことをしなくてよくなり、小型化に寄与できる。
(3)したがって、マイクロUSBコネクタおよびHDMIタイプDコネクタに嵌合して各信号を伝送することができるようになり、スマートフォン等の携帯機器市場におけるニーズに応えることができるようになる。
【符号の説明】
【0028】
10:本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットを使用したケーブル
20:本発明に係る複数プラグ付き接続ユニット
30:HDMIタイプD用プラグ
30K、40K:コンタクト
30Z、40Z:インシュレータ
30Z3、40Z3:嵌合インシュレータ
30Z4、40Z4:ベースインシュレータ
40:マイクロUSB用プラグ
40S1:嵌合部シェル
40S2:ベースシェル
40K3:下端部
40Z1、40Z5:固定インシュレータ
40K1:上方先端部
40K2:中間部
50:基板
53、54:パターン
60:ケース
63、64:穴
63R、64R:収容室
70:ケーブル
71:各種電線
72:ハウジング
73:HDMI信号電線
74:USB信号電線
S2L:開口
C1:下方後端部
N1:帯状部
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロUSB用プラグとHDMIタイプD用プラグといった異種のプラグを2個またはそれ以上備えた複数プラグ付き接続ユニットに関するもので、特に、それぞれの相手方レセプタクル同士の離間距離に若干の製作誤差があってもそれぞれプラグを接続できて、しかも小型化に寄与する複数プラグ付き接続ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
〈従来の接続ユニット〉
受容スロットを区画する複数の側壁を有するシールドハウジングと、複数のコネクタ及びこれらコネクタの各々に組み込まれた複数の導電性コンタクトを備えた本体部とを具備したソケットコネクタは、例えば特許公報1などにより公知である。
また、複数のコネクタとして、マイクロUSB用プラグ400とHDMIタイプD用プラグから成る接続ユニットとしては、図11に示すようなものが市販されている。
図11は従来公知の2個プラグ付き接続ユニットの一部破断斜視図である。
図11において、2個プラグ付き接続ユニット200はマイクロUSB用プラグ400とHDMIタイプD用プラグ300とを備えている。マイクロUSBはパソコン等に用いられ、HDMIタイプDはデジタルテレビ等に用いられているので、パソコンとデジタルテレビとをスマートフォンに接続して同時に使う場合、スマートフォン側のHDMIタイプD用プラグのレセプタクルとマイクロUSB用のレセプタクルにそれぞれこのマイクロUSB用プラグ400とHDMIタイプD用プラグ300とを嵌合させる必要がある。
ところが、相手方レセプタクル同士の離間距離に若干の製作誤差があるような場合、2個のプラグが完全固定(デジット)であると2個同時に接続できないことが起こりうる。
これを解決するものとして、図11の2個プラグ付き接続ユニット200では、マイクロUSB用プラグ400にケーブル740を接続して、かつ、マイクロUSB用プラグ400の周囲にクッション材400Kを介してケースに固定し、マイクロUSB用プラグ400の嵌合部を露出させる穴を若干大きめに作っている。
このようにすることで、マイクロUSB用プラグ400の嵌合部はある程度可動できるようになり、HDMIタイプD用プラグ300が相手方レセプタクルに嵌合した状態で、マイクロUSB用プラグ400が相手方レセプタクルに嵌合するとき若干位置ずれがあっても可動して相手方レセプタクルに嵌合することができる。
このように、図11の2個プラグ付き接続ユニットであれば、相手方レセプタクル同士の離間距離に若干の製作誤差があっても、問題なく両レセプタクルと接続可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−3540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
〈公知の複数プラグ付き接続ユニットの問題点〉
ところが図11で示す複数プラグ付き接続ユニットは、ケーブルを用いているので、嵌合方向と直角方向にケーブルを引き回す場合にケーブルは直角に曲がることができず、大きなカーブを描いて曲がることとなり、したがって嵌合方向のプラグ奥行きの寸法T20(図11)が大きくなってしまい、小型化のニーズに適合しなくなってしまうという問題があった。
特に、スマートフォン等の携帯機器市場においては、サイズの縮小化にこだわっており、従来公知の複数プラグ付き接続ユニットは小型化の点で問題があった。
【0005】
〈本発明の目的〉
本発明は、上記欠点を解決するためになされたもので、嵌合方向のプラグ奥行きの寸法を小さくできて、しかもHDMIタイプD用プラグが相手方レセプタクルに嵌合した状態で、マイクロUSB用プラグの相手方レセプタクルに若干位置ずれがあってもマイクロUSB用プラグを相手方レセプタクルに嵌合することができる複数プラグ付き接続ユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本願発明(1)〜(6)は次のことを特徴としている。
(1)複数のコンタクトと前記複数のコンタクトを保持するインシュレータとを有するプラグと、前記プラグと同じ又は異なるプラグを1個以上と、前記各プラグを半田付け搭載する基板と、前記各プラグを纏めて収容し前記各プラグの嵌合部のみを露出させる穴を形成したケースと、から成る複数プラグ付き接続ユニットにおいて、前記複数プラグの少なくとも1個が、前記各嵌合部と前記半田付け部との間で可動構造を備えたこと。
(2)複数本のケーブルを半田付け又はコネクタを介して結線できるパターンを前記基板に設けたこと。
(3)前記複数プラグのうちの少なくとも1個のプラグの前記嵌合部が、マイクロUSBコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合するものであること。
(4)前記複数プラグのうちの少なくとも1個のプラグの前記嵌合部が、HDMIタイプDコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合するものであること。
(5)前記複数プラグのうちの少なくとも1個のプラグの前記嵌合部がマイクロUSBコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合し、かつ少なくとも1個のプラグの前記嵌合部がHDMIタイプDコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合するものであること。
(6)前記複数本のケーブルがマイクロUSBの信号を伝送するケーブルとHDMIタイプDの信号を伝送するケーブルのどちらか一方または双方であること。
【発明の効果】
【0007】
(1)の構成によれば、少なくとも1個のプラグが各嵌合部と半田付け部との間で可動構造を備えているので、相手方レセプタクルに若干位置ずれがあってもそのプラグを相手方レセプタクルにスムーズに嵌合できるようになる。
(2)の構成によれば、複数本のケーブルを半田付け又はコネクタを介して結線できるパターンを基板に設けたので、ケーブルを嵌合方向と直角方向に引き回すことをしなくてよくなり、小型化に寄与できる。
(3)〜(6)の構成によれば、マイクロUSBコネクタおよびHDMIタイプDコネクタに嵌合して各信号を伝送することができるようになり、スマートフォン等の携帯機器市場におけるニーズに応えることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1(A)は本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットを使用したケーブルの正面図、図1(B)は同じく平面図である。
【図2】図2(A)は本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットに用いる基板の平面図、図2(B)は複数プラグ付き接続ユニットの各プラグの中心を通る縦断面で切った正面断面図である。
【図3】図3(A)は複数プラグ付き接続ユニットの拡大斜視図、図3(B)は複数プラグを収容するケースをケースの裏側から見た斜視図、図3(C)は図3(A)の複数プラグ付き接続ユニットを裏側から見た斜視図である。
【図4】図4(A)はマイクロUSB用プラグの平面図、図4(B)は同じく正面図、図4(C)は同じく斜視図である。
【図5】図5(A)はマイクロUSB用プラグのベースシェルの一部を破断して示す斜視図、図5(B)はさらにマイクロUSB用プラグの嵌合部シェルの一部を破断して示す斜視図、図5(C)はマイクロUSB用プラグの嵌合部シェルの斜視図である。
【図6】図6(A)は図4(A)のA−A矢視断面図、図6(B)は図4(B)のB−B矢視断面図である。
【図7】図7はマイクロUSB用プラグの組み立て工程の前半を示す斜視図である。
【図8】図8はマイクロUSB用プラグの組み立て工程の後半を示す斜視図である。
【図9】図9はHDMIタイプD用プラグの組み立て工程を示す斜視図である。
【図10】図10(A)はHDMIタイプD用プラグの正面断面図、図10(B)はその側面断面図である。
【図11】図11は従来公知の2個プラグ付き接続ユニットの一部破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、相手方レセプタクルに若干位置ずれがあってもそのプラグを相手方レセプタクルにスムーズに嵌合でき、しかも小型化に寄与する複数プラグ付き接続ユニットについて、図面を用いて説明する。
【0010】
〈本発明によるとプラグ奥行き寸法が小さくなる理由〉
図1は本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットを使用したケーブルを説明する図で、複数プラグ付き接続ユニットはHDMIタイプD用プラグ30とマイクロUSB用プラグ40とを備え、ハウジング72に収容されて、ケーブル70に接続されている。図1の複数プラグ付き接続ユニットは、図11で示した市販のものと比べて嵌合方向のプラグ奥行きの寸法T10が小さくなった小型化された複数プラグ付き接続ユニットとなっている。
このように本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットのプラグ奥行き寸法が小さくなる理由について図2及び図3を用いて説明する。
図2(A)は本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットの基板の平面図、図2(B)は複数プラグ付き接続ユニットの各プラグの中心を通る縦断面で切った正面断面図である。本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットを使用したケーブル10は本発明に係る複数プラグ付き接続ユニット20にケーブル70を取り付けたものである。複数プラグ付き接続ユニット20はHDMIタイプD用プラグ30とマイクロUSB用プラグ40と、両プラグ30、40のそれぞれのコンタクト30K、40Kと半田付けされるパターン53、54を備えている基板50とを含み、これらをケース60に収容して成っている。
ケーブル70は、基板50の裏側のパターンと半田付け結線されている各種電線71とケース60を収容しているハウジング72から成っている。
図2(A)の基板50には、HDMIタイプD用プラグ30用のパターン53とマイクロUSB用プラグ40用のパターン54とがそれぞれ設けられており、それぞれのパターン53とパターン54は基板50を貫通して基板50の表側から裏側(図3(c)参照)に延びている。図3(C)は図3(A)の複数プラグ付き接続ユニットを背面側から見た斜視図で、基板50を貫通して基板50の裏側に延びた各パターン53とパターン54はケーブル70のHDMI信号電線73とUSB信号電線74とそれぞれ半田付けによる電気的接続がなされている。
なお、ここでは、各パターン53とパターン54はケーブル70のHDMI信号電線73とUSB信号電線74とそれぞれ半田付けによる電気的接続がなされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、半田付けによる電気的接続の他に、コネクタを介して両者間を電気的に接続することも、もちろん可能である。
図3(C)の各パターン53とパターン54と各種電線73、74とのそれぞれの電気的接続から判るように、電線71は基板50の各パターン53とパターン54の上に横方向から直接アクセスしており、図11のようにケーブル70がカーブを描かないため、嵌合方向のプラグ奥行きの寸法T10(図1(A)、図2(B))が小さくでき、サイズの縮小化にこだわるスマートフォン等の携帯機器市場において有用となる。
【0011】
〈位置ずれのある相手方レセプタクルと嵌合できる。〉
次に、マイクロUSB用プラグ40が相手方レセプタクルに若干位置ずれがあってもスムーズに嵌合できるようになる可動構造について説明する。
【0012】
〈複数プラグ付き接続ユニット20〉
図3(A)は複数プラグ付き接続ユニットの拡大斜視図である。図3(A)において、HDMIタイプD用プラグ30の嵌合部とマイクロUSB用プラグ40の嵌合部が、それぞれケース60の穴63、64から露出している。このとき、マイクロUSB用プラグ40側の穴64はマイクロUSB用プラグ40の嵌合部の周囲から若干の隙間をあけるように大きめの穴となっている。
これに対して、HDMIタイプD用プラグ30側の穴63はHDMIタイプD用プラグ30に対して隙間なくHDMIタイプD用プラグ30の嵌合部を露出させている。
【0013】
図3(B)は図3(A)の複数プラグを収納するケースをケースの裏側から見た斜視図で、樹脂成型されたケース60は内側にHDMIタイプD用プラグ30の収容室63RとマイクロUSB用プラグ40の収容室64Rとが形成され、それぞれの頂部にHDMIタイプD用プラグ30の嵌合部が露出する穴63とマイクロUSB用プラグ40の嵌合部が露出する穴64があけられている。
【0014】
図4(A)はマイクロUSB用プラグの平面図、図4(B)は同じく正面図、図4(C)は同じく斜視図である。マイクロUSB用プラグ40は、嵌合部を形成する嵌合部シェル40S1と、基板を覆うベースシェル40S2を最外側に備えて、全体の信号の電気シールドを行っている。
嵌合部シェル40S1の内側には、5本のコンタクト40Kを固定する固定インシュレータが収容され、5本のコンタクト40Kの下端部40K3はベースシェル40S2の袴(はかま)部の下から外方へ突出して、基板50のパターン54と半田付けされる(図2(B))。
ベースシェル40S2の頂部には嵌合部シェル40S1の貫通する開口S2L(図4(C))があけられており、この開口S2Lから嵌合部シェル40S1が露出している。
嵌合部シェル40S1とベースシェル40S2とは後述するように電気的に接続されており、また、両者は機械的には完全固定ではなく、嵌合部シェル40S1とベースシェル40S2とが可動できるようになっている。
【0015】
〈マイクロUSB用プラグ40の構成〉
図5(A)はマイクロUSB用プラグのベースシェルの一部を破断して示す斜視図、図5(B)はさらにマイクロUSB用プラグの嵌合部シェルの一部をも破断して示す斜視図、図5(C)はマイクロUSB用プラグの嵌合部シェルの斜視図、図6(A)は図4(A)のA−A矢視断面図、図6(B)は図4(B)のB−B矢視断面図である。
マイクロUSB用プラグ40は、5本のコンタクト40Kとインシュレータ40Zとシェル40Sとから構成される。
【0016】
〈インシュレータ40Z〉
インシュレータ40Zは、固定インシュレータ40Z1と嵌合インシュレータ40Z3とベースインシュレータ40Z4と固定インシュレータ40Z5とから構成されている。
【0017】
〈嵌合インシュレータ40Z3〉
嵌合インシュレータ40Z3(図6(A)、図7(4))は5本のコンタクト40Kをモールド固定している固定インシュレータ40Z1(図6(A)、図7(3))を中央部に収容する絶縁樹脂製筐体である。この筐体の下部は両側外方に膨出部B3を形成してあり、この膨出部B3がベースインシュレータ40Z4に形成された嵌合インシュレータ収容部B4(図6(A)、図7(6))に収容されることで、全体のインシュレータ40Zが完成する。
【0018】
〈5本のコンタクト40K〉
5本のコンタクト40K(図5(B)、図7(3))は、上方先端部40K1が相手方レセプタクルと接触する部位であり、中間部40K2がS字状に曲折して弾性を持たせる部位であり、下端部40K3が基板50(図2(A))のパターン54と半田付けされる(図2(B))。
図5(B)において、嵌合インシュレータ40Z3とベースインシュレータ40Z4とで形成される内部空間に、長尺状の5本のコンタクト40Kが収容される(図7(5)参照)。
S字状に曲折して弾性を持たせる中間部40K2によって、下端部40K3が基板50に固定されていても上方先端部40K1は水平面で上下左右方向に動くことができるので、マイクロUSB用プラグ40は基板50との半田付け部と各嵌合部(嵌合インシュレータ40Z3)との間で可動できるようになる。
なお、ここでは中間部40K2をS字状に曲折させて弾性を持たせているが、本発明はこれに限定されるものではなく、S字状の他にL字状、U字状、W字状に曲折させたり、さらにこれら形状を複数回繰り返した形状のものでも、弾性を持たせることができる。
【0019】
〈シェル40S〉
シェル40S(図5(A))は電気シールドを行なうもので金属薄板から形成され、プラグの嵌合部を形成する嵌合部シェル40S1と、基板を覆うベースシェル40S2とから構成されている。
【0020】
〈嵌合部シェル40S1〉
嵌合部シェル40S1は、ベースシェル40S2の開口S2L(図4(C))から露出する嵌合部S11(図5(C))と、嵌合部S11の両平坦部下方左右側から下方に延出する弾性接続部S12(図5(C))とから構成される。
【0021】
〈嵌合部S11〉
嵌合部S11は金属薄板の中空円筒を両側から潰して平坦にした形状をしており、この中に、5本のコンタクト40K(図5(B)、図6(A))を収容する嵌合インシュレータ40Z3(図5(B)、図6(A))が収容される。嵌合部S11の平坦部には嵌合インシュレータ40Z3の溝部に係止する係止片S1Kが複数箇所に形成され、嵌合部S11の下方にはベースシェル40S2(図5(B))の下に潜り込んで安定して直立できるようにする足片S1F(図5(B))が4箇所(両平坦部の下方にそれぞれ2箇所)に形成されている。
【0022】
〈弾性接続部S12〉
弾性接続部S12(図5(C))は嵌合部S11の両平坦部の下方の左右側のつごう4箇所から下方にS字状に複数回蛇行して成る金属長尺体で、それぞれの先端に上向きのU字状をしたクリップC1が形成されている。これら4箇所のクリップC1は、嵌合部シェル40S1がベースシェル40S2に組み付けられた状態で、ベースシェル40S2の袴部F1(図5(A))に食い込むことで、嵌合部シェル40S1をベースシェル40S2の中で可動できるようにかつ安定的に直立させると共に嵌合部シェル40S1とベースシェル40S2間の電気的接続がなされている。
【0023】
〈マイクロUSB用プラグの組み立て順序〉
以上述べた各部品を用いてマイクロUSB用プラグを組み立てる順序について、図7および図8を用いて説明する。 図7および図8はマイクロUSB用プラグの組み立て工程を示す斜視図で、図7は工程の前半、図8は工程の後半を示している。
まず、図7(1)において、1枚の金属薄板から長尺体となる5本のコンタクト40Kを打ち抜き、プレス加工する。
図7(2)において、5本のコンタクト40Kの上下2箇所をそれぞれ固定インシュレータ40Z1と40Z5でモールド固定する。
図7(3)において、5本のコンタクト40Kの固定インシュレータ40Z1と40Z5の間の固定インシュレータ40Z5の近傍の部位をS字状にフォーミングする。
図7(4)において、嵌合インシュレータ40Z3を別途成形する。嵌合インシュレータ40Z3には固定インシュレータ40Z1の全体を収容する固定インシュレータ収容室R1が形成されている。
図7(5)において、S字状にフォーミングされた5本のコンタクト40Kを束ねて固定している固定インシュレータ40Z1を嵌合インシュレータ40Z3の固定インシュレータ収容室R1に嵌め込んで固定する。
図7(6)において、ベースインシュレータ40Z4を別途成形する。ベースインシュレータ40Z4には中央に嵌合インシュレータ収容部B4が形成されている。
図7(7)において、嵌合インシュレータ40Z3の下部に形成されている膨出部B3(図7(5))をベースインシュレータ40Z4の嵌合インシュレータ収容部B4(図7(6))に嵌合させてインシュレータ40Zを完成させる。インシュレータ40Zの下部から5本のコンタクト40Kの先端50K3が出ている。
図8(8)において、嵌合部シェル40S1をプレス加工する。嵌合部シェル40S1は嵌合部S11と弾性接続部S12とから構成されており、弾性接続部S12の先端にU字状をしたクリップC1が形成されている。
図8(9)において、プレス加工された嵌合部シェル40S1をコンタクト付きインシュレータ40Zに組み立てる。
図8(10)において、ベースシェル40S2をプレス加工する。
図8(11)において、プレス加工されたベースシェル40S2をコンタクト付きインシュレータ40Zの上から嵌め込み、嵌合部シェル40S1の弾性接続部S12の4個のクリップC1をベースシェル40S2袴部に挟み込むことで、嵌合部シェル40S1はベースシェル40S2と電気的接続かつ機械的接続が行われ、マイクロUSB用プラグ40が完成する。弾性接続部S12の存在により嵌合部シェル40S1はベースシェル40S2の中で上下左右方向に若干可動できるようになっている。
図6において、嵌合部シェル40S1の幅方向に移動可能となる距離をT1、嵌合部シェル40S1の厚み方向に移動可能となる距離をT2で示している。
【0024】
次のステップで、このマイクロUSB用プラグ40と後述するHDMIタイプD用プラグ30をケース60(図3(B))のHDMIタイプD用プラグ30の収容室63RとマイクロUSB用プラグ40の収容室64Rに収容し、パターン53、54付き基板50でHDMIタイプD用プラグ30のコンタクトの下端30K3とマイクロUSB用プラグ40のコンタクトの下端部40K3とそれぞれ半田付けされた状態でケース60を覆い、パターン53、54(図3(C))のそれぞれにケーブル70のHDMI信号電線73とUSB信号電線74を半田付けし、この部分をハウジング72(図2(B))で覆うことにより複数プラグ付き接続ユニットを使用したケーブル10(図1)が完成する。
【0025】
〈HDMIタイプD用プラグの可動構造〉
次に、HDMIタイプD用プラグもマイクロUSB用プラグ40と同じく可動構造を次のように有していることについて、図9を用いて説明する。
図9はHDMIタイプD用プラグの組み立て工程を示す斜視図である。
図9(1)において、嵌合インシュレータ30Z3内には、それぞれS字状にフォーミングされたコンタクト30Kが複数本1列横隊で並び、これと同じくS字状にフォーミングされたコンタクト30K’が複数本1列横隊でコンタクト30Kとを互いに背中合わせ状態で収容されている。
各コンタクト30Kと30K’の材質・機能・形状は、前述したマイクロUSB用プラグ40のコンタクト40Kと原則同じである。すなわち、上方先端部が相手方レセプタクルと接触する部位であり、中間部がS字状に曲折して弾性を持たせることで若干可動できるようにし、下端部30K近傍には上向きにU字状に形成されたクリップC2を形成し、ベースインシュレータ30Z4の袴(はかま)部をクリップできるようにしている。
図9(2)において、ベースインシュレータ30Z4の上に形成された溝M1内に、嵌合部シェル30S1の下端から水平方向に延出する帯状部N1を嵌め込んで、嵌合部シェル30S1をベースインシュレータ30Z4の上に垂直に固定する。
溝M1と帯状部N1とは緩く嵌め込まれており、したがって嵌合部シェル30S1はベースインシュレータ30Z4に対して水平面で上下左右方向に若干可動できるようになっている。
図9(3)において、図9(1)で組み立てられたコンタクト付き嵌合インシュレータ30Z3の上に、図9(2)で組み立てられたベースインシュレータ30Z4を嵌め込み、コンタクト30Kと30K’の各クリップC2でベースインシュレータ30Z4の袴(はかま)部をクリップすることで、コンタクト30K、30K’付き嵌合インシュレータ30Z3とベースインシュレータ30Z4は機械的に固定されたHDMIタイプD用プラグが出来上がる。HDMIタイプD用プラグはコンタクト30K、30K’のS字状にフォーミングされた部位の存在により嵌合部シェル40S1はベースシェル40S2の中で上下左右方向に若干可動できるようになっている。
次のステップで、このHDMIタイプD用プラグ30はマイクロUSB用プラグ40と同じようにケース60(図3(B))に収容され、上述したステップを経て複数プラグ付き接続ユニットを使用したケーブル10(図1)が完成する。
【0026】
〈HDMIタイプD用プラグの構造〉
図10(A)はHDMIタイプD用プラグの正面図、図10(B)はHDMIタイプD用プラグの側面図である。嵌合インシュレータ30Z3内に、コンタクト30Kとコンタクト30K’が互いに背中合わせ状態で収容されている。コンタクト30K、30K’の各下端部30K3近傍には上向きにU字状に形成されたクリップC2を形成し、これがベースインシュレータ30Z4の袴部をクリップしている(図10(B))。
また、コンタクト30K、30K’の各下端部30K3は、下方に向けて突出しており、ここが図2(A)のパターン53と半田付けされることにより、コンタクト30K、30K’と各パターン53とが電気的に接続されるようになる。
【0027】
〈まとめ〉
(1)以上のように本発明によれば、プラグが各嵌合部と半田付け部との間で可動構造を備えているので、相手方レセプタクルに若干位置ずれがあってもそのプラグを相手方レセプタクルにスムーズに嵌合できるようになる。
(2)また、複数本のケーブルを半田付け結線できるパターンを基板に設けたので、ケーブルを嵌合方向と直角方向に引き回すことをしなくてよくなり、小型化に寄与できる。
(3)したがって、マイクロUSBコネクタおよびHDMIタイプDコネクタに嵌合して各信号を伝送することができるようになり、スマートフォン等の携帯機器市場におけるニーズに応えることができるようになる。
【符号の説明】
【0028】
10:本発明に係る複数プラグ付き接続ユニットを使用したケーブル
20:本発明に係る複数プラグ付き接続ユニット
30:HDMIタイプD用プラグ
30K、40K:コンタクト
30Z、40Z:インシュレータ
30Z3、40Z3:嵌合インシュレータ
30Z4、40Z4:ベースインシュレータ
40:マイクロUSB用プラグ
40S1:嵌合部シェル
40S2:ベースシェル
40K3:下端部
40Z1、40Z5:固定インシュレータ
40K1:上方先端部
40K2:中間部
50:基板
53、54:パターン
60:ケース
63、64:穴
63R、64R:収容室
70:ケーブル
71:各種電線
72:ハウジング
73:HDMI信号電線
74:USB信号電線
S2L:開口
C1:下方後端部
N1:帯状部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンタクトと前記複数のコンタクトを保持するインシュレータとを有するプラグと、前記プラグと同じ又は異なるプラグを1個以上と、前記各プラグを半田付け搭載する基板と、前記各プラグを纏めて収容し前記各プラグの嵌合部のみを露出させる穴を形成したケースと、から成る複数プラグ付き接続ユニットにおいて、
前記複数プラグの少なくとも1個が、前記各嵌合部と半田付け部との間で可動構造を備えたことを特徴とする複数プラグ付き接続ユニット。
【請求項2】
前記複数本のケーブルを半田付け又はコネクタを介して結線できるパターンを前記基板に設けたことを特徴とする請求項1記載の複数プラグ付き接続ユニット。
【請求項3】
前記複数プラグのうちの少なくとも1個のプラグの前記嵌合部が、マイクロUSBコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合するものであることを特徴とする請求項2記載の複数プラグ付き接続ユニット。
【請求項4】
前記複数プラグのうちの少なくとも1個のプラグの前記嵌合部が、HDMIタイプDコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合するものであることを特徴とする請求項2記載の複数プラグ付き接続ユニット。
【請求項5】
前記複数プラグのうちの少なくとも1個のプラグの前記嵌合部がマイクロUSBコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合し、かつ少なくとも1個のプラグの前記嵌合部がHDMIタイプDコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合するものであることを特徴とする請求項2記載の複数プラグ付き接続ユニット。
【請求項6】
前記複数本のケーブルがマイクロUSBの信号を伝送するケーブルとHDMIタイプDの信号を伝送するケーブルのどちらか一方または双方であることを特徴とする請求項2記載の複数プラグ付き接続ユニット。
【請求項1】
複数のコンタクトと前記複数のコンタクトを保持するインシュレータとを有するプラグと、前記プラグと同じ又は異なるプラグを1個以上と、前記各プラグを半田付け搭載する基板と、前記各プラグを纏めて収容し前記各プラグの嵌合部のみを露出させる穴を形成したケースと、から成る複数プラグ付き接続ユニットにおいて、
前記複数プラグの少なくとも1個が、前記各嵌合部と半田付け部との間で可動構造を備えたことを特徴とする複数プラグ付き接続ユニット。
【請求項2】
前記複数本のケーブルを半田付け又はコネクタを介して結線できるパターンを前記基板に設けたことを特徴とする請求項1記載の複数プラグ付き接続ユニット。
【請求項3】
前記複数プラグのうちの少なくとも1個のプラグの前記嵌合部が、マイクロUSBコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合するものであることを特徴とする請求項2記載の複数プラグ付き接続ユニット。
【請求項4】
前記複数プラグのうちの少なくとも1個のプラグの前記嵌合部が、HDMIタイプDコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合するものであることを特徴とする請求項2記載の複数プラグ付き接続ユニット。
【請求項5】
前記複数プラグのうちの少なくとも1個のプラグの前記嵌合部がマイクロUSBコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合し、かつ少なくとも1個のプラグの前記嵌合部がHDMIタイプDコネクタのレセプタクルの嵌合部と嵌合するものであることを特徴とする請求項2記載の複数プラグ付き接続ユニット。
【請求項6】
前記複数本のケーブルがマイクロUSBの信号を伝送するケーブルとHDMIタイプDの信号を伝送するケーブルのどちらか一方または双方であることを特徴とする請求項2記載の複数プラグ付き接続ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−48073(P2013−48073A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186586(P2011−186586)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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