説明

複数モジュールシステムにおける知的バスアドレス自己設定

【課題】モジュールが同一に製造され、動作時は各モジュールの固有のアドレスを使用して、個別にアクセスできるようにする。
【解決手段】第1モジュールは、第1モジュールをバスに接続するバスポートと、第1モジュールのアドレス割当がイネーブルか又はディセーブルかを示す入力を受信する第1設定ポートと、第2モジュールのアドレス割当がイネーブルか又はディセーブルかを示す出力を提供する第2設定ポートと、第1モジュールの固有アドレスを格納するメモリと、制御部は中央管理ユニットから固有アドレスを受信して、第1モジュールについてアドレス割当がイネーブルの場合には固有アドレスをメモリに格納し、第2モジュールが第1モジュールが接続されると、第2モジュールのアドレス割当をイネーブル又はディセーブルし、制御部は、中央管理ユニットからのメッセージに基づいて、第2モジュールのアドレス割当をイネーブル又はディセーブルする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
複数のモジュールを、バスと接続することができる。複数のモジュールのそれぞれが個別にアクセスを行うためには、モジュール各々が固有のID、すなわち、アドレスを持つ必要がある。ある場合には、複数のモジュールは、最初は同一に製造され、付加的製造工程において、モジュール各々に対して、個別のアドレスが設定される。例えば、複数のスイッチのアレイを使用して、モジュールのアドレスを設定してもよい。別の例では、複数の抵抗器からなるアレイの中の抵抗器をそれぞれ、VCC(例えば、正の電圧電源)又はVSS(例えば、接地電位、又は負の電圧電源)に接続して、モジュールのアドレスを設定してもよい。別の例では、モジュールをバスに接続する前に、モジュールのアドレスをメモリに格納してもよい。
【0002】
上記の全ての例において、製造段階で、又は、少なくとも個別に、モジュールをバスに接続する前に、モジュールにアドレスが設定されている。このアドレスを設定するための工程によって、製造コストが増加してしまう。さらに、個別のアドレスセットを有する複数のモジュールは、個体が識別されるようにアドレスを設定しなければならず、同じアドレスを有する2つのモジュールを、同じバスに接続することはできない。したがって、在庫管理のコストが増加し、また、同じアドレスを有する2つのモジュールが同じバスに接続されてしまう危険性が含まれていた。これらの例において、モジュールのアドレス変更には、一般的にモジュールに直接アクセスすることが必要なため、保守点検及びシステム拡張を難しくしていた。
【0003】
モジュールがそれぞれ互いに同一に製造されることが望ましく、それによって、製造コスト及び製造時間を削減することができる。しかしながら、動作時には、例えば、各モジュールの固有のアドレスを使用して、個別にアクセスできることが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
一側面によれば、装置を開示する。装置は、第1モジュールを備え、第1モジュールは、第1モジュールをバスに接続する少なくとも1つのバスポートと、第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す入力を受信する第1設定ポートと、第2モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す出力を提供する第2設定ポートと、第1モジュールを特定する固有アドレスを格納するメモリと、バスを介して中央管理ユニットと接続される制御部とを有し、制御部は、中央管理ユニットから固有アドレスを受信して、第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているか判断し、第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされている場合には固有アドレスをメモリに格納し、第2モジュールが第1モジュールが接続されると、第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブル又はディセーブルし、制御部は、中央管理ユニットからのメッセージに少なくとも一部基づいて、第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブル又はディセーブルする。
【0005】
別の側面によれば、固有アドレスを複数のモジュールに割り当てる方法を開示する。方法は、バスに接続され、第2モジュールに接続された第1モジュールを含み、1つの初期アドレスによって特定される複数のモジュールについて、アドレス割り当てをディセーブルする段階を備えてもよい。方法は更に、第1モジュールについてアドレス割り当てをイネーブルする段階と、新たなアドレスを第1モジュールに格納する段階と、第1モジュールについてアドレス割り当てをディセーブルする段階と、第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブルする段階とを備えてもよい。
【0006】
別の側面によれば、システムを開示する。システムは、第2モジュールと接続された第1モジュールを含み、バスと接続されている複数のモジュールを備え、第1モジュールは、第1モジュールをバスに接続する少なくとも1つのバスポートと、第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す入力を受信する第1設定ポートと、第2モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す出力を供給する第2設定ポートと、第1モジュールを特定する固有アドレスを格納するメモリと、固有アドレスを受信し、第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているかを判断し、第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされている場合に、固有アドレスをメモリに格納し、第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブル又はディセーブルする制御部とを有する。システムは、バスと接続され、制御部に固有アドレスを供給し、制御部に、第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブル又はディセーブルさせるメッセージを制御部に供給する中央管理ユニットとを更に含み、制御部は、中央管理ユニットからのメッセージに少なくとも一部基づいて、第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブル又はディセーブルする。
【0007】
本発明の特許請求される特徴の効果は、以下の実施形態の説明及び添付の図面を参照することにより、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本開示に係るシステムのブロック図である。
【図2】本開示に係る、バスに接続された複数のモジュールにアドレスを割り当てるオペレーションの一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示に係るシステム、装置及び/又は方法は、バスに接続された複数のモジュールにアドレスを割り当てるように構成される。本開示に係るシステム、装置及び/又は方法は、最初のアドレスが割り当てられた後に、新しくバスに接続されたモジュールにアドスを割り当てることができる、例えば、"ホットスワップ(活線挿抜)"モジュールで構成される。モジュールはそれぞれ、バスと接続され、バスを介して、中央管理ユニットに接続される。モジュール各々は更に、少なくとも1つの別のモジュールと接続される。例えば、第1モジュールは、第2モジュールと接続される。
【0010】
図1は、本開示に係る回路を含むシステム100の一実施形態のブロック図である。システム100は、複数のモジュールを備える。モジュール102それぞれは、モジュール回路を有する。例えば、システム100は、複数のモジュール、モジュール1、モジュール2、・・・、モジュールnを備える。説明を簡易にするため、特定のモジュールを以降"モジュールx"と称し、ここで、xは、1、2、又はnである。複数のモジュールのうちいずれのモジュールであってもよい1個のモジュールは、以下、"モジュール102"と称することにする。各モジュール102は、バス106と接続される。システム100は、バス106と接続された中央管理ユニット(CMU)回路104を更に備える。そして、モジュールはそれぞれ、互いに接続され、また、バス106を通じてCMU104とも接続される。CMU104は、CMU104とモジュール102との間のバス106を使用せずに、モジュール102と接続されていてもよい。例えば、CMU104は、モジュール1と接続されてもよい。各モジュール102は、バス106を通過することなく、少なくとも1つの別のモジュールと接続されていてもよい。例えば、モジュール1は、モジュール2と接続されてもよい。
【0011】
バス106は、CMU104と各モジュール102との間、及び/又は、2つ以上のモジュール102との間の通信を提供するよう構成される。バス106は、シリアル通信を提供するよう構成されたシリアルバスであってもよい。例えば、バスは、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)、IC(Inter‐Integrated Circuit)、SPI(シリアル・ペリフェラル・インターフェース)、RS485、(EIA‐485、TIA/EIA‐485、"アメリカ電気通信工業会/米国電子工業会"規格)、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)及び/又は、当業者に知られたその他のバス技術であってもよい。バス106を使用して、CMU104と1以上のモジュール102との間、及び/又は2以上のモジュール102との間で、1以上のメッセージが通信される。メッセージは、コマンド、例えば命令、識別子及び/又はデータを含んでもよい。例えば、メッセージはそれぞれ、1つの識別子を含んでもよい。識別子は、例えば、個別のモジュール102に対応する固有のアドレス、又は、複数のモジュールに対応する1つの識別子であってもよい。識別子は、メッセージを受信するモジュールに対応していてもよいし、及び/又は、メッセージに応答するよう要求されているモジュールに対応していてもよい。例えば、コマンドは、固有のアドレスを格納する命令を含んでもよく、この固有のアドレスを使用して、モジュールにアクセスするようにしてもよい。データは、モジュール102に割り当てられるべき固有アドレスを含んでもよい。コマンドは、当業者にとって明らかなその他の命令を含んでもよい。
【0012】
モジュール102はそれぞれ、制御部112及びメモリ116を有する。また、モジュール102はそれぞれ、例えば、製造段階に設定された又はモジュール102をバス106に接続する前に設定された初期アドレス114を含んでもよい。初期アドレス114は、規定値であるモジュールの識別子に対応していてもよい。初期アドレス114は、メモリ116に格納されていてもよく、及び/又は、当業者にとって明らかなように、回路内に提供されていてもよい。モジュール102はそれぞれ、複数のポートを有してもよい。複数のポートは、少なくとも1つのバスポート及び複数の設定ポートを含んでもよい。例えば、バスポートは、バス入力ポート"バス入力"、及び、バス出力ポート"バス出力"を含んでもよい。設定ポートは、第1設定ポートEn_In、及び第2設定ポートEn_Outを含んでもよい。第1設定ポートEn_Inは、以下に説明するように、モジュール102に対して、アドレスの割り当てをイネーブル又はディセーブルすることを示す入力を受信するよう設定される。第2設定ポートEn_Outは、以下に説明するように、第2モジュールに対して、アドレスの割り当てをイネーブル又はディセーブルすることを示す出力を提供するよう設定される。
【0013】
制御部112は、バス106と接続され、バス106を介してCMU104と通信する。例えば、制御部112は、バスポートである"バス入力"及び"バス出力"を介して、バス106と接続されてもよい。制御部は、バスポート"バス出力"を介してメッセージを送信してもよく、また、バスポート"バス入力"を介してメッセージを受信してもよい。CMU104は、固有アドレスを各モジュールに割り当てる。制御部112は、CMU104から、モジュール102の固有アドレス118を受信し、固有アドレス118をメモリ116に格納するよう構成されていてもよい。複数のモジュール102に固有アドレスが割り当てられた後、CMU104は、メッセージを受信するべきモジュールに対応する固有アドレスを含むメッセージを送信してもよい。制御部112はそれぞれ、CMU104からメッセージを受信して、固有アドレスに向けられたメッセージのみに応答するようにしてもよい。すなわち、モジュール102にはそれぞれ、バス106と接続されたモジュールに対して互いに固有のアドレスが割り当てられてもよい。
【0014】
メモリ116は、固有のモジュールアドレス118を格納する。制御部112は、固有のモジュールアドレス118を格納又は読み出すために、メモリ116にアクセスする。例えば、制御部112は、"バス入力"ポートで受信されたメッセージが、制御部112と関連付けられたモジュール102を意図しているのかを判断するために、モジュールアドレスを読み出してもよい。固有のモジュールアドレス118がメモリ116に格納されていない場合には、制御部112は、モジュール識別子を判断するために初期アドレス114を読み出してもよい。
【0015】
第1設定ポートEn_Inは、モジュール102について、アドレス割り当てがイネーブル又はディセーブルされているかを示す入力を受信してもよい。アドレス割り当てがイネーブルされている場合には、モジュール102は、固有アドレスを受信及び格納してもよい。制御部112は、モジュール102についてアドレス割り当てがイネーブル又はディセーブルされているかを判断するために、En_Inポートを読み出してもよい。例えば、論理値1がイネーブルに、論理値0がディセーブルに対応していてもよい。例えば、論理値1が、第1電圧に、論理値0が、第2電圧に対応していてもよい。第1設定状態120は、第1設定ポートEn_Inで入力を受信した状態に対応する。すなわち、制御部は、アドレス割り当てが、イネーブル又はディセーブルされているかを判断するべく、第1設定状態を読み出してもよい。第1設定状態120は、取りうる2つの値を有する。第1の値は、アドレス割り当てがモジュール102に対してイネーブルされたことを示すイネーブル通知に対応する。第2の値は、アドレス割り当てがモジュール102に対してディセーブルされたことを示すディセーブル通知に対応する。
【0016】
第2設定ポートEn_Outは、第2モジュールについて、アドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す出力を提供する。制御部112は、出力を、第2設定ポートEn_Outに供給する。第1設定ポートEn_Inと同様に、論理値1がアドレス割り当てがイネーブルされていることに対応していてもよく、論理値0が、アドレス割り当てがディセーブルされていることに対応してもよい。第2設定状態122は、第2設定ポートEn_Outに値が供給されることに対応していてもよい。すなわち、制御部112は、第2モジュールにおけるアドレス割り当てがイネーブル又はディセーブルされたことを示すべく、第2設定状態を設定してもよい。第2設定状態122は、取りうる2つの値を有する。第1の値は、アドレス割り当てが第2モジュールに対してイネーブルされたことを示すイネーブル通知に対応する。第2の値は、アドレス割り当てが第2モジュールに対してディセーブルされたことを示すディセーブル通知に対応する。
【0017】
第1設定ポートEn_Inで受信されるモジュール102に対する入力は、別のモジュールによって提供されてもよいし、CMU104によって提供されてもよい。例えば、CMU104は、モジュール1の第1設定ポートEn_Inに信号を供給して、モジュール1に対するアドレス割り当てをイネーブル又はディセーブルしてもよい。CMUは、この信号を供給するのに、バス106を利用しなくてもよい。この信号を供給するために、CMUは、モジュール1の第1設定ポートEn_Inと接続されていてもよい。そして、モジュール1の制御部112は、モジュール1の第1設定状態120を判断する、すなわち、モジュール1に対してアドレス割り当てがイネーブル又はディセーブルされているかを判断するために、モジュール1のポートEn_Inを読み出してもよい。アドレスがイネーブルされている場合には、モジュール1は、本明細書に記載されるように、バス106を介して、CMU104から固有アドレスを受信して格納してもよい。
【0018】
モジュール1の制御部112は、モジュール2についてアドレス割り当てがイネーブル又はディセーブルされているかを示す、第2設定状態122を、モジュール1の第2設定ポートEn_Outに提供してもよい。この例において、モジュール1の第2設定ポートEn_Outは、モジュール2の第1設定ポートEn_Inに接続される。モジュール2の制御部112は、モジュール2の第1設定ポートEn_Inを読み出して、モジュール2についてアドレス割り当てがイネーブルされているか又はディセーブルされているかを判断してもよい。モジュール2に対してアドレス割り当てがイネーブルされている場合には、モジュール2は、本明細書に記載されるように、バス106を介してCMU104から固有アドレスを受信して格納する。
【0019】
このように、モジュール102はそれぞれ、バス106を介して、CMU及びモジュール102と互いに通信を行う。各モジュール102は、少なくとも1つの別のモジュールと更に接続される。モジュール同士の接続は、モジュールにおけるアドレス割り当てをイネーブル又はディセーブルするように構成される。ここで使用される"第1モジュール"及び"第2モジュール"という言葉は、第1モジュールの第2設定ポートが、第2モジュールの第1設定ポートに接続されている状態にある、あらゆる2つのモジュールに対応する。固有アドレスが、バス106を介して、CMU104からモジュール102に提供されてもよい。
【0020】
図2は、本開示に係る複数のモジュールにアドレスを割り当てるオペレーションの一例を示したフローチャート200である。例えば、アドレスは、16進数の000からFFFまでの間のいかなる値を有してもよい。プログラムのフローは、初期化205から開始してもよい。初期化205において、複数のモジュールは互いに接続されており、また、図1に示すように、バス106及びCMU104とも接続されていると仮定している。また、各モジュール102が、初期規定値アドレス114を有すると仮定している。モジュール102はそれぞれ、初期化段階において、アドレス割り当てがディセーブルされた状態に設定される。例えば、CMU104は、第2モジュールアドレス割り当てをディセーブルするコマンドを使用して、メッセージを初期規定値アドレスに送信して、モジュール1の第1設定ポートEn_Inにアドレス割り当てディセーブル信号を供給してもよい。そして、完了オペレーション205において、各モジュール102について、第1設定状態120がゼロになり(すなわち、ディセーブルされる)、第2設定状態122がゼロ(すなわち、ディセーブルされる)となる。
【0021】
オペレーション210は、第1モジュール、モジュール1に対してアドレス割り当てをイネーブルすることを含んでもよい。例えば、CMU104は、モジュール1の第1設定状態120に、イネーブルした状態に対応する値、例えば、1を設定することにより、モジュール1に対してアドレス割り当てをイネーブルしてもよい。例えば、CMU104は、アドレス割り当てをイネーブルしたことを示す信号を、モジュール1の第1設定ポートEn_Inに供給してもよい。
【0022】
オペレーション215において、アドレス割り当てがイネーブルされたモジュールが存在するかが判断される。例えば、CMU104は、全てのモジュールにメッセージをブロードキャストして、第1設定状態120がイネーブルされているモジュールからの応答を要求してもよい。初期状態において、各モジュール102のアドレスは、初期アドレス114となっている。メッセージは、初期アドレスを有するモジュールに送信されてもよいし、当業者に明らかなように、全モジュールに対応するアドレスを使用して、全てのモジュールにメッセージをブロードキャストしてもよい。アドレス割り当てがイネーブルされたモジュールが存在する場合には、オペレーション220において、初期(デフォルト)アドレスを有しアドレス割り当てがイネーブルされたモジュールに、新しい(固有)アドレスが格納されてもよい。例えば、モジュール1は、CMU104によってモジュール1についてアドレス割り当てがイネーブルされたことに少なくとも一部基づく固有アドレスが割り当てられた第1モジュールであってもよい。
【0023】
オペレーション225では、オペレーション220において、新たなアドレスが割り当てられたモジュールについてアドレス割り当てをディセーブルしてもよい。例えば、モジュール1に対して、CMU104は、第1設定状態120をディセーブルに設定してもよい。すなわち、CMU104は、モジュール1のアドレス割り当てがディセーブルされたことを示す信号を、モジュール1の第1設定ポートEn_Inに供給してもよい。
【0024】
オペレーション230において、第2モジュール、例えば、モジュール2について、アドレス割り当てをイネーブルしてもよい。例えば、CMU104は、オペレーション220において新たなアドレスが割り当てられたモジュール(第1モジュール、例えば、モジュール1)にメッセージを供給して、そのモジュールの第2設定状態をイネーブルされた状態に変更してもよい。すなわち、CMU104は、新たなアドレスを有するモジュール(第1モジュール)の制御部112にメッセージを供給して、第2設定状態の値をイネーブルに設定してもよい。第2設定状態は、第1モジュールの第2設定ポートにおける出力に対応する。第2モジュールの第1設定ポートEn_Inが、(オペレーション220において新たな固有アドレスが割り当てられた)第1モジュールの第2設定ポートEn_Outに接続されると、第2モジュールの第1設定ポートEn_Inは、この値を受信する。その結果、第2モジュールにおいて、アドレス割り当てがイネーブルされる。
【0025】
そして、プログラムフローは、再びオペレーション215に進み、アドレス割り当てがイネーブルされたモジュール102が存在するかが判断される。バス106を介してCMU104接続されたモジュールのそれぞれに、固有アドレスが割り当てられるまで、オペレーション215、220、225及び230を繰り返してもよい。
【0026】
例えば、図1及び図2に示したアドレス割り当てを、次のように進めてもよい。まず初めに、モジュール102それぞれについてアドレス割り当てをディセーブルし、モジュール102それぞれと関連付けられた識別子を、初期アドレス114としてもよい。CMU104は、アドレス割り当てをイネーブルすることを表す信号を、モジュール1の第1設定ポートEn_Inに供給することにより、モジュールに1についてアドレス割り当てをイネーブルしてもよい。そして、CMUは、新たな固有アドレスを、モジュール1の制御部112に供給して、制御部112は、例えば、CMU104からのメッセージに応答して、メモリ116に新たな固有アドレス118を格納してよい。制御部112は、新たなアドレスを、モジュール1の識別子として認識するように構成されていてもよい。CMU104は、例えば、新たなアドレスを有するモジュール、すなわち、モジュール1に向けたメッセージを送信することにより、モジュール1ついてアドレス割り当てをディセーブルしてもよい。そして、CMUは、第2モジュールについてのアドレス割り当てをイネーブルするべく、モジュール1にメッセージを送信する。モジュール1は、例えば、CMU104からのメッセージに基づいて、モジュール2に対するアドレス割り当てをイネーブルする。メッセージに応答して、モジュール1の制御部112は、モジュール1の第2設定状態をイネーブルに変更してもよく、その結果、モジュール1の第2設定ポートEn_Outがイネーブルされていることを示す値が設定され、モジュール2の第1設定ポートEn_Inがイネーブルされていることを示す値が設定される。そして、CMUは、モジュール2の制御部112に、新たな固有アドレスを供給してもよい。モジュール2の制御部112は、モジュール2の第1設定状態に対応するモジュール2の第1設定ポートEn_Inにおけるイネーブルを示す値に少なくとも一部基づいて、メモリ116に新たなアドレス118を格納してもよい。制御部112は、新たなアドレスを、モジュール2に対する識別子として認識するように設定されてもよい。そして、CMU104は、例えば、モジュール1の固有アドレスを使用してモジュール1にメッセージを送信することによって、モジュール2についてアドレス割り当てをディセーブルしてもよく、モジュール1の第2設定状態をディセーブルにする。バス106を介してCMUに接続されたモジュールのそれぞれに新たなアドレスが割り当てられるまで、このプロセスを繰り返してもよい。このようにして、本明細書に記載するように、新たな固有アドレスを、バス及び少なくとも1つの別のモジュールに接続された複数のモジュールに割り当ててもよい。
【0027】
図2に戻り、バス106及びCMU104に初期状態で接続されているモジュールのそれぞれに新たな固有アドレスが割り当てられた後、オペレーション250において、更なる別の新しいモジュールがバス106に接続されたか否かが判断される。新たなモジュールが検出された場合には、オペレーション225においてアドレスが新たなモジュールに割り当てられてもよい。例えば、新たなモジュールは、バス106及びモジュールnと接続されていてもよい。モジュールnは、オペレーション215、220、225及び230の間に、アドレスが割り当てられる最後のモジュールとして理解されてもよい。すなわち、モジュールnの第2設定ポートEn_Outは、新しいモジュールの第1設定ポートEn_Inに接続されてもよい。モジュールnのアドレスは、CMU104に知られており、新しいモジュールのアドレスは初期アドレスであってもよい。そして、CMUは、メッセージをモジュールnに送信し、別のモジュールについてアドレス割り当てをイネーブルしてもよい。モジュールnは、例えば、CMU104からのメッセージに基づいて、新たなモジュールにおけるアドレス割り当てをイネーブルしてもよい。CMU104は、メッセージを、初期アドレスを有する新たなモジュールに供給し、アドレス割り当てをイネーブルして、新しいアドレスを格納してもよい。そして、新たなモジュールは、CMU104及びモジュールnの第2設定状態に対応する新たなモジュールの第1設定状態に少なくとも一部基づいて、新しいアドレスを格納してもよい。プログラムフローは、オペレーション250に戻り、別の新たなモジュールがバス106に接続されたか否かを判断する。
【0028】
好ましくは、それぞれ初期アドレスを有する一般的なモジュールが製造される。各モジュールに固有アドレスが割り当てられる前に、これらのモジュールが、バスを介して、CMU及び互いに接続されてもよい。そして、固有アドレスを、モジュールそれぞれに割り当ててもよい。その後、新たなモジュールが、バス及び別のモジュールに接続されてもよい。そして、固有アドレスが新たなモジュールそれぞれにも割り当てられて、"ホットスワップ"可能なモジュールを提供することができる。
【0029】
図2には、幾つかの実施形態に係るオペレーションの例が示されているが、別の実施形態では、図2に示されたオペレーションの全てが必ずしも必要ではない。本明細書では、本開示のその他の実施形態は、図2に示されたオペレーションのサブコンビネーション及び/又は更なるオペレーションを含むことも考えられている。したがって、1つの図面に示されていないオペレーション及び/又は特徴を対象とする請求項も、本開示の範囲及び内容に含まれる。
【0030】
メモリ116は、半導体ファームウェアメモリ、プログラム可能メモリ、不揮発性メモリ、リードオンリーメモリ、電気的プログラム可能メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスクメモリ、及び/又は光ディスクのようなメモリを1以上含んでもよい。さらに又はこれに替えて、メモリ116は、別の及び/又は後に開発された種類のコンピュータ可読メモリを含んでもよい。
【0031】
本明細書に記載される方法の実施形態は、プロセス及び/又はその他のプログラム可能デバイスを使用して実装されてもよい。この点において、本明細書に記載された方法は、1以上のプロセッサによって実行されると方法を実行する命令が格納される有形コンピュータ読み出し可能媒体に上に実装されてもよい。記憶媒体としては、あらゆる種類の有形媒体を含んでもよく、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、コンパクトディスク・リードオンリーメモリ(CD−ROM)、書き換え可能コンパクトディスク(CD−RW)、光磁気ディスクのようなあらゆる種類のディスク、リードオンリーメモリ(ROM)、ダイナミックRAM及びスタティックRAMのようなランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリを含む半導体デバイス、磁気カード又は光学カード、その他電気的命令を格納するのに好適なあらゆる種類の媒体を含む。
【0032】
特に記載がない限り、上述の説明から明らかなように、明細書全体に渡って使用されている"オペレーション"、"処理"、"コンピューティング"、"計算"、"判断"等の言葉は、コンピュータ又はコンピューティングシステムの動作及び/又は処理を意味している、又は、そのコンピューティングシステムのレジスタ及び/又はメモリ内の物理的な量、例えば、電子的な量、で表されるデータを、そのコンピューティングシステムのレジスタメモリ、レジスタ又は情報伝送、ディスプレイ装置のようなその他の情報記憶装置内に存在する物理量で表される他の同様なデータへと、操作する及び/又は変換することを意味する。
【0033】
また、本明細書の実施形態で使用されている"回路"という言葉は、例えば、有線接続された回路、ブログラム可能回路、状態機械回路、及び/又はプログラム可能回路によって実行される命令を格納するファームウェア単体又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0034】
本明細書で使用された言葉及び表現は、限定するためでなく説明するために使用された言葉であり、このような言葉及び表現の使用において、示された及び説明された特徴(又は、その一部)の均等物を除外することを意図しておらず、特許請求の範囲内において様々な改良が可能であることは明らかである。したがって、特許請求の範囲は、これら均等物の全てを網羅することを意図していない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1モジュールを備える装置であって、
前記第1モジュールは、
前記第1モジュールをバスに接続する少なくとも1つのバスポートと、
前記第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す入力を受信する第1設定ポートと、
第2モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す出力を提供する第2設定ポートと、
前記第1モジュールを特定する固有アドレスを格納するメモリと、
前記バスを介して中央管理ユニットと接続される制御部とを有し、
前記制御部は、前記中央管理ユニットから前記固有アドレスを受信し、前記第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているか判断し、前記第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされている場合には前記固有アドレスを前記メモリに格納し、第2モジュールが前記第1モジュールに接続されると、前記第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブル又はディセーブルし、
前記制御部は、前記中央管理ユニットからのメッセージに少なくとも一部基づいて、前記第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブル又はディセーブルする、装置。
【請求項2】
前記第1モジュールは、前記第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているか又はディセーブルされているかを示す前記入力を、別のモジュールから受信する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1モジュールは、前記第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す前記入力を、前記中央管理ユニットから受信する請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1モジュールの第1設定状態に少なくとも一部基づいて、前記第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているかを判断し、
前記第1設定状態は、アドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す前記入力に基づいている請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1モジュールは更に、初期アドレスを有する請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2モジュールが前記第1モジュールの前記第2設定ポートに接続されると、前記第1モジュールに第2設定状態を設定することにより、前記第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブル又はディセーブルする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
複数のモジュールに固有アドレスを割り当てる方法であって、
バスに接続され、第2モジュールに接続された第1モジュールを含み、1つの初期アドレスによって特定される前記複数のモジュールについて、アドレス割り当てをディセーブルする段階と、
前記第1モジュールについてアドレス割り当てをイネーブルする段階と、
新たなアドレスを前記第1モジュールに格納する段階と、
前記第1モジュールについてアドレス割り当てをディセーブルする段階と、
前記第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブルする段階と
を備える方法。
【請求項8】
前記第1モジュールについてアドレス割り当てをイネーブルする段階は、前記第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされていることを示す入力を、前記第1モジュールの第1設定ポートで受信することを含み、
前記第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブルする段階は、前記第1モジュールのバスポートでメッセージを受信すること、及び、前記受信されたメッセージに少なくとも一部基づいて、前記第2モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされていることを示す出力を、前記第1モジュールの第2設定ポートに供給することを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記新たなアドレスは、前記バスに接続された中央管理ユニットによって、前記第1モジュールに供給される請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のモジュールのうちの1つにおいて、アドレス割り当てがイネーブルされているかを判断する段階を更に備える請求項7に記載の方法。
【請求項11】
新たなモジュールが、前記バスに接続されたかを判断する段階を更に備える請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記新たなモジュールが前記バスに接続され、且つ、前記新たなモジュールが前記複数のモジュールのうちの1つと接続されている場合に、前記新たなモジュールに新たなアドレスを割り当てる段階を更に備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第2モジュールと接続された第1モジュールを含み、バスと接続されている複数のモジュールを備えるシステムであって、
前記第1モジュールは、
前記第1モジュールを前記バスに接続する少なくとも1つのバスポートと、
前記第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す入力を受信する第1設定ポートと、
前記第2モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す出力を供給する第2設定ポートと、
前記第1モジュールを特定する固有アドレスを格納するメモリと、
前記固有アドレスを受信し、前記第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているかを判断し、前記第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされている場合に、前記固有アドレスを前記メモリに格納し、前記第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブル又はディセーブルする制御部と、
前記バスと接続され、前記制御部に前記固有アドレスを供給し、前記制御部に、前記第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブル又はディセーブルさせるメッセージを前記制御部に供給する中央管理ユニットとを有し、
前記制御部は、前記中央管理ユニットからの前記メッセージに少なくとも一部基づいて、前記第2モジュールについてアドレス割り当てをイネーブル又はディセーブルする、システム。
【請求項14】
前記バス及び前記複数のモジュールのうちの1つのモジュールと接続される新たなモジュールを更に備え、
前記中央管理ユニットは更に、前記新たなモジュールを検出する請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記中央管理ユニットは更に、前記新たなモジュールに新たな固有アドレスを割り当てる請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記中央管理ユニットは、前記複数のモジュールのうちの前記1つのモジュールに、前記新たなモジュールにおけるアドレス割り当てをイネーブルさせる又はディセーブルさせるメッセージを、前記1つのモジュールに送信し、
前記中央管理ユニットは更に、前記新たなモジュールに前記新たな固有アドレスを供給し、
前記新たなモジュールにおいてアドレス割り当てがイネーブルされた場合に、前記新たなモジュールは、前記新たな固有アドレスを受信し格納する請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記中央管理ユニットは、前記第1モジュールにおいてアドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す前記入力を提供する請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
別のモジュールが、前記第1モジュールにおいてアドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す前記入力を提供する請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
前記制御部は、前記第1モジュールにおける第1設定状態に少なくとも一部基づいて、前記第1モジュールについてアドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを判断し、
前記第1設定状態は、アドレス割り当てがイネーブルされているかディセーブルされているかを示す前記入力に基づく請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数のモジュールは、1つの初期アドレスを有する請求項13に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−34144(P2013−34144A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−169922(P2011−169922)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】