説明

複数ユーザ共同使用プロセス上でライフサイクルを管理される製品の環境負荷決定システムおよび装置

【課題】製品別環境負荷の高精度把握と管理を、ユーザ負担を少なく実現する。
【解決手段】
サプライチェーン上の環境負荷を、設計情報や過去の統計情報のみならず、実行中の業務プロセスと接続することにより、実行中の製品負荷関連情報を取得・反映して、個別の製品ごとに細かい管理を行なう。これにより、プロセス途中での環境負荷増大の抑止も可能とする。また、この機能を多くのユーザが、簡便に使用できるよう、相互の情報遮蔽機能を持たせた、共同利用のICTシステム上で実現する。環境管理にて必要とされるパラメータ・コンテンツもシステム管理者が提供することにより、ユーザは大きな負担を負わずに最新の環境科学や法令の成果を反映した、製品環境負荷管理ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数ユーザが共同で使用する、サプライチェーン上の複数種類の製品環境負荷の測定・管理を行うシステム及び関連装置にかかわるものである。
【背景技術】
【0002】
製品のライフサイクルにわたり、その製品がもたらす環境負荷を測定・管理するLCA(Life Cycle Assessment)手法において、従来は、個々の製品毎のLCAに係る情報を集約し、バッチにて積算する方法が主流であった。また、使用されるコンピュータシステムも、製品が実際に流れているプロセスとは直接情報のやり取りをしないオフラインシステムであった。このため、従来技術で求められた、製品のライフサイクルにわたる環境負荷は、当該製品の平均的な数値を示すものの、特定の製品個々の情報を忠実に反映するものではなかった。例えば、特許文献1の環境負荷原単位を求める技術の説明では、必要なデータをすべて集めてから、その集積データを母集団とした仮説を立てて連立方程式に還元して解を求めている。
【0003】
一方、事業のプロセスを外部に委託するアウトソーシングが盛んに行われるようになり、サプライチェーン上の各プロセスを複数の事業者が共同で使用し、同一プロセスが同時に複数種類の異なる製品をあつかうことも行われている。このため、依頼した側から見た場合、自社の特定の製品の環境負荷情報を正確に把握することが、従来の方法では難しくなってきている。同一設備で複数製品を製造した場合のエネルギー負荷であるとか、複数事業者が複数種類の製品を共同輸送する場合のエネルギー負荷は、予め指標を決めて按分するような形にせざるを得ない。
【0004】
さらに、製品のライフサイクルにわたる環境負荷を算定し管理するITシステムはオフラインで使用されることが多く、また事業者ごとに専用のシステムを持って算定している場合が多い。同一プロセスを共同で同時使用している事業者が、同じ条件・環境で製品の環境負荷を算定・把握できるようになっていない。これは特許文献Iの技術によっても実現できていない。
【0005】
また、最近は同一のITシステムリソースを共同で使用し、ITシステムの機能を利用するSaaSというサービス形態が広がっており、製品のライフサイクルの環境負荷計算にも使用されているが、対象プロセスとは接続されず、従来の専用システム同様、現在のサプライチェーン上で発生している環境負荷の実績を同様に反映できていない。
【0006】
さらに、製品の環境負荷の把握を、業務の進行と連動するリアルタイムで行っていないので、当該製品の環境負荷が処理中あるいはそれに続く業務プロセスで増大する可能性が見出された場合に、その場で負荷増大を防ぐ適切な処置をとることができない。
【0007】
このように、サプライチェーン上での複数種類の製品の環境負荷を適切に把握することは、現時点では実現されていない。このため、実操業に即してきめ細かく環境負荷の増大を防ぐ手段も提供されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006-195916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとしている課題は、複数の事業者が、サプライチェーン上の複数の設備・プロセスを同時に使用して、複数の製品の製造・販売・保守・廃棄などの事業を行うことが一般化してきているが、このような状況下で、個々の製品のライフサイクルに渡る環境負荷を、適切に把握するための課題であり、具体的には下記である。
(1):サプライチェーン上の各設備・プロセスの運営状況を把握し、各製品に帰属する環境負荷を適切に把握すること。
(2):(1)の機能を専用のITシステムではなく、共同利用のシステムで実現することで、ユーザの負担を軽減するとともに、把握内容の精度をあげること。(3):(2)で把握した各製品の環境負荷情報の検証を可能にすること。
(4):サプライチェーン上の実業務おいて、あつかっている製品(商品)の環境負荷が増大する可能性が発見された場合に、以降の処理内容や処理順序を変更することで、当該の環境負荷の増大を抑止する機能をもつこと。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題を解決するための手段として、以下の処理を行う。
(1):サプライチェーン上の設備・プロセスの環境負荷にかかわる個別仕様の把握。
(2):各製品の原料・部品および部品構成、生産手順の情報の把握。
(3):サプライチェーン上で、実際に個々の製品が製造・輸送・販売・使用・保守・廃棄/リサイクルされる際に、各設備・プロセスで発生する、消費エネルギー、発生化学物質、の実績値を測定。
(4):それら実績値を、ネットワークを通じて、環境情報収集・管理サーバに情報を通信する。
(5):サプライチェーン上の設備・プロセスからの測定値と、当該サプライチェーン上の設備・プロセス間を移動し、形態と所在場所を変えて行く個別の製品の識別と状態、更に関係する設備・プロセス・個別の製品の仕様および各種緒元、情報取得の時刻などの情報を組合せ、適切な判定処理・演算処理を行って、個別製品の当該サプライチェーン上での帰属環境負荷を求める。
(6):(5)の処置を行う過程において、環境負荷の増大の可能性をチェックし、当該プロセスや以降のプロセスでの環境負荷の増大を抑止し、あるいは計画よりも更に削減する手段を提供するか、情報を提供する。
【0011】
上記、1)〜6)を行うことで、サプライチェーン上の各設備・プロセスで発生する環境負荷の、個別製品への帰属量を知ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数ユーザが共同利用する機能サービス形態の環境情報収集管理サーバであっても、サプライチェーン上で発生する環境負荷を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】環境情報管理サーバのハードウェア構成
【図2】環境情報管理サーバのソフトウェア機能構成
【図3】設備、プロセスの個別の環境負荷特性の把握
【図4】本発明を実施するための形態(その1)の説明図:全体構成
【図5】本発明を実施するための形態(その1)の説明図:環境負荷関連情報の流れ
【図6】本発明を実施するための形態(その1)の説明図:環境負荷の個別製品への分離方法
【図7】本発明を実施するための形態(その1)の説明図:設備負荷の個別製品への分離方法
【図8】本発明を実施するための形態(その2)の説明図:全体構成
【図9】本発明を実施するための形態(その2)の説明図:環境負荷関連情報の流れ
【図10】本発明を実施するための形態(その2)の説明図:環境負荷の個別製品への分離方法
【発明を実施するための形態】
【実施形態共通説明】
【0014】
図1〜図3を用いて、以下に述べる本発明の二つの実施例に共通する技術要素について、まず説明する。
【0015】
図1は、環境管理サーバ関連のハードウェアの構成を示す。サーバ1は、中央演算処理装置2、主記憶装置3、LANアダプタ4、外部補助記憶装置5からなり、LANアダプタ4を介し、ネットワーク6に接続されている。ネットワークは、通常TCP/IPプロトコールによって情報授受がなされる、インターネットまたはイントラネットワークの場合が多いが、他の形状・プロトコールであっても、サーバ、クライアント間が常時接続されていて、情報授受が可能であれば、同様の運用が可能である。
【0016】
ネットワーク6には、クライアントPC7が一台以上接続され、一部のクライアントPCには、プリンタ8が接続されている場合もある。
【0017】
運用時には、クライアントPC7より、当該クライアントPCが受け持つ部署の環境情報が入力され、一定に手続きを経て環境情報管理サーバ1を構成する外部補助記憶装置5にあるリレーショナルデータベースに収納される。報告書出力や、環境情報の評価などを行う場合、それを必要とする部署の端末PC7からの要求を受けて、中央演算処理装置で該当する機能を持つソフトウェアを稼動させて、得れた結果を、要求元のクライアントPC7に送付する。
【0018】
このような環境情報管理サーバとしての機能を実現するためのソフトウェアの機能構成を、図2に示す。環境情報管理サーバのソフトウェア構成は大きく二つに分けて説明する。
【0019】
まず、サーバシステムの基本部分11について説明する。この部分は、サーバとしてITシステムを構成する場合に、サービスの種類に関わらず必要になる部分である。基礎となるオペレーティングシステム11は、Windows(登録商標)、Unix(登録商標)などの汎用性の高いものを使用する。もちろん全く別個の独自のものであってもコンピュータシステムの稼動やリソース管理が整合性を持って実行できれば問題はない。
【0020】
ファイル管理機能を分担するリレーショナルデータベースパッケージ14、ネットワークを管理する、ネットワーク管理パッケージ13、当該サーバのリソース全体を管理するシステム管理ソフト12、クライアントとの間で、データ表示やキーイン取り込みを行うWebサービス処理ソフト16、などを実装し、環境方法管理サーバとしての前提機能を構成する。これらは、全て、サーバシステムの前提機能を実現する汎用性の高いソフトウェア群である。
【0021】
ついで、これらの基本部分11の上に、環境管理サーバとして必要な機能を持つアプリケーション部分20を付加する。サーバ1は複数のユーザからそれぞれ独立に同時に使用される。基本部分11のソフトウェア群は、複数のソフトウェアを相互に矛盾無く稼動させる機能を備えているが、この並行処理の機能は、ソフトウェアに対するものであり、複数のユーザの必要とする機能に対するものではない。これに対して、アプリケーション部分は、複数ユーザの必要とする機能を、それぞれ独立にかつ、ユーザ相互間で固有データの参照や書込みなどができないよう情報を遮蔽する機能を持つよう設計・実装されている。図2では、ユーザ数が、n個の場合について記載している。
【0022】
各ユーザが共通的に参照するデータとして、共同利用する設備に関する関連設備情報22、環境情報管理共通基本情報23(例えば、ある特定の設備が稼動した時の、稼働率に対応した消費電力のCO2発生換算値のような環境負荷など)、設備稼働計画などの可変の共通データ25がある。また、各ユーザに共通の処理を行う、共通処理機能24や、共通の関数ライブラリ21が、共通部分に属する。これらに加えて、各ユーザが共同で利用する実プロセス(設備や装置類)の稼動状況と、その中を通過している製品に関する情報などを、リアルタイムで収集する、実プロセス情報リアルタイム収集29と、各ユーザが個別に使用するユーザ固有処理機能26-1、26-2、 ・・・26-n、および自社製品に関する情報などの固有データ27-1、27-2、・・27-n が実装され、報告書などのための個別出力機能28-1、28-2、・・・28-nもユーザごとに設けられている。これらの、固有処理機能および、固有データは、相互に遮蔽され、他からは参照も書き込みもできないソフトウェアの構造になっている。
【0023】
図3は、環境管理情報サービスが設備・プロセスの個別の環境負荷特性を把握するための方法を説明するためのものである。設備・プロセスの個別の環境負荷特性は、各ユーザが当該設備・プロセスを使用して、製品の製造や移動など処置を行った場合に、当該の処置によって発生したCO2などの環境負荷を、稼働率や稼働時間から算出するために必要な情報である。
【0024】
これらの情報を手順によって求める。まず、設備やプロセスを構成している機器などの設計数値を整理して(30)、定格消費電力、運転負荷〜消費電力関連情報、標準燃費など、稼動することによって生ずる環境負荷に関わる設計数値31を取得する。
【0025】
また、過去に当該設備・プロセスと同様の設備・プロセスを稼動させたことがある場合は、過去の稼動情報の収集(33)を行い、この中から、設計数値から求めた場合と同様に、稼動することによって生ずる環境負荷に関わる実績数値34を取得する。これら二種類の環境負荷特性データを、重要性を考慮して加重平均を取るなどの処理32を行い、m種類の機器プロセスの、運転時負荷特性35-1、35-2、・・・35-nを取得する。
【0026】
さらに、当該設備・プロセスを使用して製造や移動を行った製品の負荷の精度を高めるために、当該設備・プロセスの構築および耐用年数経過後の廃棄によって発生している、環境負荷も特性に反映されるよう、下記の処理を行う。まず、当該設備・プロセスの構築時に発生する環境負荷(設計値または実績値)を、当該設備が使用されるp年間に分割し(実際には、p年の間の時間単位で分割)、当該の機器・プロセスの運転時負荷に加える。同様に、p年間の使用期間を終了した後の、廃棄処分で発生する環境負荷も同様に加える。このようにして、稼動時に発生する負荷以外の関係する負荷を加えることによって、製品に帰属する環境負荷の精度を高めることができる。設備・プロセスの構築・廃棄時の環境負荷以外にも、保守点検・修理などで発生する環境負荷も、加算することも可能である
【実施形態1】
【0027】
本発明を実施するための一形態として、サプライチェーンを構成する設備・プロセスの中から、複数事業者から生産委託を受け複数製品を共通の設備で生産する事業を行っているファウンドリーの事業所における、各製品の環境負荷の把握について述べる。
【0028】
図4に本実施例の全体構成を示す。環境情報管理サーバ101内にデータベース102を設置し、必要な情報を収納する。環境情報管理サーバのハードウェア構成は、中央演算処理装置、主記憶装置、ハードディスク記憶装置、操作用のコンソール入出力装置、Ethernet接続アダプタ、プリンタからなる。また、ソフトウェア構成は、Windows(あるいはUNIX(登録商標))などのオペレーティングシステム、データベース管理用のリレーショナルデータベース管理パッケージ、ネットワーク管理パッケージ、環境情報管理パッケージ、共通データ、ユーザ固有データなどからなる。
【0029】
予め、環境情報管理サーバには、ファウンドリー事業に使用する設備の共通基本情報 (例えば、定格電力、稼働率と消費電力関係、標準燃費、加工能力など当該設備の特性を現す数値)や環境負荷計算パラメータ(例えば、電力量をCO2発生量に換算するパラメータ)などの共通データ108、事業者別・製品別の固有情報(部品環境負荷情報、部品表情報、製法など)109−α(製品α用)、109−β(製品β用)・・と、製品別の生産計画110−α、110−βなどが個別に収納されている。個別データは、事業者間で相互に参照できないようソフトウエアにより遮断されている。ここで、「部品環境情報」は、当該製品を製造する際に、外部から供給される部品が、当該部品として製造され納入されるまでの環境負荷を示す。また、「部品表情報」とは、当該製品を組み立てるために必要な部品の種類とその個数を表記したもので、BOM(Bill of Material)と呼ばれる。この二種類の情報により、使用される部品の環境負荷を、当該製品に反映することが可能になる。
【0030】
一方、各製品はファウンドリー内の設備からなるプロセスを通過しながら製品として加工・組立される。これらの工程・手順は製品ごとに異なる。本特許の特性から、製品間の干渉排除などは適切な手段で解決されている前提で、製品αの場合について詳細を説明し、個別環境負荷を求める手順についても、製品αを取り上げて説明する。
製品αは、部品106-a,106-b,106-c,106-d,106-e,106-fから成立するが、完成までに、プロセス104-a(設備105-aからなる)、プロセス104-b(プロセス105-b、105-cからなる)、プロセス104-c(設備105-d、105-e、105-f、105-gからなる)、プロセス104-d(設備105-hからなる)を通過し、完成品107となる。
【0031】
詳細を以下に示す。
まず、部品106-a,106-b,106-c,106-d,106-eが、プロセス104-aに、経路113-1にて投入される。設備105-aで一定の組立が行われ、経路113-2を通じてプロセス104-bに投入される。ここで、経路114-1により、プロセス104-bに投入され、設備105-cで加工された、部品106-fと設備105-bにて組み合わせが行われる。その後、経路113-3により、プロセス104-cの設備105-dに送られる。ここで、二つに別れて、一方は経路113-4を通って設備105-eに送られて加工され、さらに経路113-5を経て設備105-gに送られる。他方は、経路114-3を通って設備105-fで加工され、経路114-4を通って設備105-gに送られる。設備105-gで双方が一つに組み立てられ、その後、経路113-6を通ってプロセス104-dの設備105-hに送られる。ここで加工された後、経路113-7を通り、完成品107となる。
【0032】
これらのプロセスで、各設備から設備稼働や製品移動にかかわる情報、109-a,109-b,109-c・・・・,109-hがリアルタイムで取得され、ネットワーク103を介して、環境情報管理システム101内のデータベース102に収納される。これらのデータの流れは、他の製品β、γ・・・についても同様であり、得られた情報は全てデータベース102に収納される。プロセス104-a、b、・・・、設備105-a、105-b、・・・、完成品107にかかわる情報は、製品αとして製品αの事業者のみ参照可能な形でソフトウェア的に相互に遮蔽して扱われる。これは他の製品β、γ、・・・・についても同様である。
【0033】
収納されたデータは、環境管理サーバ101で事業者ごとに情報遮蔽された環境で、製品ごとに分別・割振処理をされ、製品ごとの環境負荷情報111−α(製品αの場合)、111−β(製品βの場合)・・・として、それぞれの事業者に提供される。また、分別・割振処理の過程や使用された情報類は、結果とともに保存され、それぞれの製品環境負荷のエビデンス情報112−α、112−β、112−γ・・・として提供され、後日の確認や第三者による監査に使用することができる。近々に施行が想定されている、EUの新環境規制Eup(Proposal for a DIRECTIVE on establishing a framework for the setting of Eco-design requirement for Energy Using Products)への対応も予定できる。
【0034】
図5に本実施例を実現するための環境負荷情報の流れを示す。複数事業者の複数製品が並行して加工・組立されているファウンドリー事業所で、個別の製品の環境負荷が求められるまでの本実施例の情報の流れは下記のようになっている。処理に使用される情報は、設備の定格消費電力や、環境負荷をCO2量に変換する換算係数など、当該ファウンドリーを利用する全ての事業者あるいは生産される全ての製品に共通の情報群120(図4の共通データ108に相当)、各製品ごとの部品の持つ環境負荷情報や部品表情報。製法情報などを含む製品固有情報122-α、122−β、122−γ・・・(図4の事業者別・製品別の固有情報109−α、109−β・・・に相当)、当該製品の生産計画123−α、123−β、123−γ・・・・(図4の製品別の生産計画110−α、110−β・・・に相当)が初期入力となり、実製品識別情報・生産実績情報など加工・組立が行われた際に取得される情報124−α、124−β、124−γ・・・・を合わせて、環境情報分別、製品ごと単位環境負荷算出処理125に入力する。この処理により、各製品の単位数量あたりの環境負荷が算出される。結果は、データベース102内のそれぞれの製品情報ファイル121−α、121−β、121−γ・・・に収納される。
【0035】
データベースに収納された情報は、必要に応じて製品ごとの単位環境負荷情報111−α、111−β、111−γ・・・として該当する事業者に提供され、その環境負荷値が算出された根拠となる情報112−α、112−β、112−γ・・・も必要に応じて同様な形で提供される。
【0036】
図6を用いて、本実施例を実現するための環境負荷の個別製品への分離方法を示す。
(1)固定情報である設備緒元(電力定格など)130、操業時の可変情報である一定時間内の設備稼働情報131、用役(電気・ガス。水道など)の使用量の積算値、および 瞬時値の推移(トレンド)情報132を取り込む。各製品が各設備を通過するごとに、製品識別情報133を取得する(ステップ101)。
(2)取り込んだ情報を元に、各設備を使用した製品の分別135を行う。その分別はタイムスタンプによる設備使用製品の分別、製品識別情報による、設備使用製品の分別である。生産計画、操業計画142に基づき、当該時間帯に各設備を使用したと考えられる個別製品の割り出しを行う(ステップ102)。
【0037】
(3)ついで136にて、各製品が当該の設備で加工されていた時間(加工時間)を求める(ステップ103)。
(4)個別製品識別情報を元に、当該製品の加工個数(最終工程では完成品個数)143を求める(ステップ104)。
(5)設備の稼動時間の中で、個々の製品が使用した時刻・時間からその間に使用された用役量を求め、その時間内に加工された当該製品の個数から、一個あたりの消費用役量(環境負荷増加量)を求める。さらに、環境負荷パラメータ類144を用いて、CO2発生量に換算する(ステップ105)。
【0038】
(6)(5)の処理を行う際に、当該製品の設計段階での環境負荷設計情報を元に、環境負荷増分のチェックを行う(ステップ106)。
【0039】
(7)当該製品を構成ずるために投入された部品の持つ環境負荷量141を加え、当該製品の製品単位環境負荷量139を求める(ステップ107)。
【0040】
上記の中で、ステップ105の設備を共有する製品の設備から求められた負荷の分担について、図7を用いて説明する。
【0041】
(8)設備105-a、設備105-b、設備105-cにて製品α、β、γが、それぞれ図示されたスケジュールで加工・組立された時に、負荷150−aα、150−aβ、150−aγ、・・・・・150−cγが、それぞれの設備の用役使用実績、から製品識別情報によって該当部分のデータを算出する。横軸は、時間を表す。
【0042】
(9)製品が加工・組立されていない時間帯にも用役は消費され、それぞれ、設備アイドル時エネルギー消費150-a1、150-a2、・・・・150-c4と認識される。これらのアイドル時エネルギー消費を、各製品の設計エネルギー消費量で比例配分して、各製品に配賦する。
【0043】
上記により、一定期間内に設備にて発生したエネルギー負荷の製品への帰属が決定される。他の工程、他の製品についても同じ時間区間で同様な処理を行えば、全ての製品の帰属環境負荷(この場合は、エネルギー消費量)を決めることができる。
【実施形態2】
【0044】
本発明を実施するための一形態として、サプライチェーンを構成する設備・プロセスの中から、複数事業者から輸送委託を受け複数製品を共通の設備で輸送する事業を行っている運輸事業者の事業所における、各製品の環境負荷の把握について述べる。
【0045】
図8に本実施例の全体構成を示す。
【0046】
輸送を担当する車両206-1、206-2・・・は、車両基地207から予め決められた輸送ルート208上にある、複数事業者の複数事業所209-a、209-b、209-c・・・209-fを回って、貨物の積み込みあるいは荷降ろしを行う運用とする。本実施例では、一台の車両が稼動する場合を説明するが、車両は複数台であっても単数台であっても同様である。個々の製品(商品)の輸送負荷を求めるため、基本情報204(使用車両の完成までに使用されたエネルギーなどの環境負荷)、車両の輸送に係る計画情報205(事業所間の距離情報などを含むルートマップ、各商品の送り元・送付先、数量、重量、総重量)を、予め、環境情報管理サーバ201内のデータベース202に収納しておく。各事業所の端末は、車両が実際に輸送業務を行う際の、各事業所209-a、209-b、209-c・・・・への到着時刻、出発時刻を、ネットワーク203を介して環境情報管理サーバ201に送付する。また、車両はルート208上の全ての事業所を回ったあと、車両基地に戻るが、このとき、走行距離211-x、消費燃料211-yに関する情報を同様にネットワーク203を介して、環境情報管理サーバ202に送付する。
【0047】
車両運用の都合で、出発した車両基地と到着した車両基地が異なる場合もあるが、その場合も当該輸送ルート上の走行距離211-xと消費燃料211-yが把握できれば、後述の処理によって環境負荷情報を算出できる。
【0048】
この様にして集められた情報を元に、環境情報管理サーバ201で製品(商品)ごとの環境負荷量212−α、212−β、212−γ・・・・が求められ、環境負荷量を求める際に使用された情報、中間データなどが、根拠情報213−α、213−β、213−γ・・・として保存される。環境情報管理サーバ201内では、データベース202は、製品や事業者に関する情報は、ソフトウェア的に遮蔽されており、事業者は相互に他の事業者に帰属する情報は参照できない。
【0049】
ついで、図9に本実施例を実現するための環境負荷情報の流れを示す。環境情報管理サーバ201内に、製品(商品別)輸送負荷計算処理226を実装し、これに、車両固有環境負荷などの基本情報221と、ルートマップ(事業所間距離など)情報222と、送付状(製品(商品)個数、重量、総重量、送り先、送り元)の情報223と、実際の輸送作業時に得られる各事業所225-a、225-b、225-c・・・の到着時刻、出発時刻210-a、210-b、210-c・・・の情報を入力し、個別の環境負荷量に分別する。その結果は、製品(商品)別環境負荷量212−α、212−β、212−β、212−γ・・・と、根拠情報213−α、213−β、213−γ・・にて出力されるが、データベース202内では、227−α、227−β、227−γ・・・のうに、製品(商品)ごとに分別して管理し、他の事業者との情報とは遮断される。
【0050】
図10に本実施例を実現するための環境負荷の個別製品への分離方法を示す。
【0051】
共同輸送により輸送された、個々の製品(商品)の個別輸送負荷を求める方法について説明する。
【0052】
(1)まず、ルート情報222の事業所間の距離と、各製品(商品)の送付状223の、商品個数、重量、総重量、送付元事業所、送付先事業をもとに、各輸送区間ごとの製品(商品)積載重量と、総重量を求める。(ステップ201) 事業所ごとに製品の積み込み・積み下ろしがあるので、輸送区間ごとの製品(商品)総重量は変化する。
【0053】
(2)ついで、車両がルート上の事業所を全て回って、車両基地207に帰着した時に得られる、走行距離211-xと消費燃料211-y、および各事業所の到着時刻・発車時刻210-a、210-b、210-c・・・をもとに下記手順で、各輸送区間ごとの製品(商品)ごとの燃料消費量を求める(ステップ202)。
【0054】
まず、消費燃料の輸送区間ごとの分離を行う(ステップ203)。車両基地207から事業所209-aまでの区間を208-a、事業所209-bから事業所209-cまでの区間を208-b・・・とし、事業所209-fから車両基地207までの区間を208-xとする。ルートマップとおりの走行を車両が行っていれば、ルートの地図上の距離をd(ルート)として、ルート208の全長Dを算出する。
【0055】
D(208)=Σd(209−i) :{i=a〜f}+d(209-x)=212-x ・・・(式1)
なお、実際には走行誤差がある。よって、走行距離実績212-xを、下記により、区間ごとの実走行距離D()に分割する。
D(209-i):{i=a〜f}=(212−x)×d(209−i):{i=a〜f}/d(208)・・・(式2)
D(209−x)=(212−x)×d(209−x)/d(208)・・・(式3)
これで、各区間の実走行距離が求められた。この距離を、走行時間で重み付けを行う。重み付けを行う目的は、順調に走行した区間と、そうでない区間の燃費効率の違いを、環境負荷評価に反映させるためである。
【0056】
区間ごとの消費燃料を、F(209i: i=a〜f,x})で表し、区間ごとの走行時間Tを次式で求める。
T (209i: {i=a〜f,x})=到着時刻-前事業所の出発時刻 ・・・(式4)
各区間の重み付け係数Wは、次式で表される。
=〔D(209 i: {i=a〜f,x}}/ T (209i: {i=a〜f,x}) 〕
÷〔ΣD (209i: {i=a〜f,x})/(ΣT (209i: {i=a〜f,x}〕・・・(式5)
これは、区間毎の速度と平均速度との比率であり、数値が小さいほど、走行効率が悪いことになる。この係数を用いて使用燃料を各区間毎に分割する。
【0057】
F(209i: i=a〜f,x})=消費燃料(211−y)×D(209i: i=a〜f,x})
÷W(209i: {i=a〜f,x}} ・・・(式6)
次に一輸送区間毎の商品ごとの燃料消費量を算出する。
【0058】
区間毎の車両の燃料消費量、F(209i: i=a〜f,x})が上記により求められたので、これをその区間で積載されていた製品(商品)ごとの燃料に分割する。送付状から、それぞれの輸送区間でどのような製品(商品)が積載されていたかを、割り出す。送付元と、送付先から当該区間に当該製品(商品)が積載されていたかいなかったか、識別することができる。その区間で、積算されていた全ての製品(商品)の重量と、当該製品(商品)の重量比率で、先に求めた当該区間の燃料消費量を分別する。当該区間の製品(商品)ごとの燃料消費量を、Fp(209i: i=a〜f,x、α・β・γ・・・}と表すと、当該製品(商品)の総重量(梱包も含む重量)を、Wp(α・β、γ・・・)として、
Fp(209i: i=a〜f,x、α・β・γ・・・}= F(209i: i=a〜f,x})
×FWp(α・β、γ・・・)/ΣWp(α・β、γ・・・)・・・(式7)
となる。
【0059】
(3)各区間、各商品の輸送区間毎の燃料消費量が求められたので、当該商品が輸送された区間分の合計燃料消費量Fp (α)、Fp(β)、Fp(γ)・・・を求める。
Fp(α)= ΣFp(209i:i= a〜f,x、α) ・・・(式8)
Fp(β)= ΣFp(209i:i= a〜f,x、β) ・・・(式9)
Fp(γ)= ΣFp(209i:i= a〜f,x、γ) ・・・(式10)
(4)先に求めた、製品(商品)ごとの燃料使用量Fp(α)・・・・を、環境負荷演算パラメータを用いて環境負荷量に変換し、車両固有の環境負荷量を加え、更に、輸送された製品(商品個数)で除して、製品(商品)の単位輸送負荷が求められる。
【0060】
ここで、車両固有の環境負荷量は、当該車両を製作するために要した環境負荷を耐用年数で除し、さらに当日の輸送商品種類数で割った値とする。
【0061】
上記1)〜4)により求められた、製品(商品)ごとの単位環境負荷量を、データべース202上の、事業所間で相互遮蔽された、製品(商品)ごとの環境負荷ファイル227−α、227−β、227−γ・・・に収納する。同時に、上記計算の根拠となった入力情報および、主要な中間計算値を、後日の検証などのために保存する。
【符号の説明】
【0062】
101:環境情報管理サーバ、102:環境管理データベース、103:環境情報管理用ネットワーク、104:生産プロセス、105:生産設備、106:投入部品、107:完成製品、108:設備緒元、環境負荷計算用共通データ、109:事業者別・製品別固有情報(部品表など)、110:製品別生産計画、111:製品ごとの環境負荷情報、112:製品環境負荷のエビデンス情報、120:共通情報群、121:製品毎環境負荷情報、122:各製品ごとの部品の環境負荷情報、123:当該製品の生産計画、124:製品毎の生産実績情報、125:単位環境負荷算出処理、130:設備緒元、131:稼動設備情報、132:用役瞬時値トレンド、133:個別製品識別情報、134:製品別環境負荷計算プロセス、135:設備負荷の製品への分別処理、136:加工時間算出処理、137:製品一単位あたりの環境負荷増分計算、138:製品単位環境負荷量、139:製品別負荷設計情報、140:投入部品環境負荷量、141:生産計画、操業計画、142:生産実績値(完成個数)、143:環境負荷演算パラメータ類、144:計算結果収納ディスク、150:設備負荷の設備毎、製品毎細分化、201:環境情報管理システム、202:環境情報管理データベース、203:環境情報システムネットワーク、204:使用車両の環境基本情報、205:製品(商品)の送り状情報、206:車両、207:車両基地、208:輸送ルート、209:輸送ルート上の事業所、210:車両到着時刻、発車時刻、211:車両基地からの走行距離、使用燃料実績、212:製品別輸送環境負荷、213:製品別輸送環境負荷算出エビデンス情報、221:車両固有環境負荷、222:ルートマップ、223:送付状情報、224:車両基地、225:各事業所、226;製品別輸送環境負荷計算処理、227:製品別環境輸送負荷計算結果、230:一輸送区間の積載構成、総重量計算、231:一輸送区間毎の製品(商品)毎の燃料消費量計算、232:製品(商品)の輸送区間に応じた燃料消費量計算、234:輸送時間計算、235:車両の基本環境負量計算、236:環境負荷演算パラメータ類。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器が環境に与える情報である環境負荷情報を管理する環境負荷データ管理装置であって、
前記設備機器から、当該設備機器で製造する複数の製品についての情報と、当該製品に対して処理を行なった時のエネルギー情報を示す環境負荷情報と、を受信する通信部と、
前記通信部で受信した情報に基づいて前記設備機器の使用することで発生した環境負荷データのうち、前記製品が寄与する割合を決定する、寄与割合決定部と、
を備えることを特徴とする環境負荷データ管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の環境負荷データ管理装置において、
前記製品についての情報は、前記設備機器の全稼働時間における当該製品の製造に利用した時間についての情報を含み、
前記寄与割合決定部は、前記製品の製造に利用した時間についての情報に基づいて、当該製品が寄与する割合を決定する環境負荷データ管理装置。
【請求項3】
複数事業者の複数種類、複数個の製品が、物理的あるいは論理的に一体となっている設備群とそれらを計測管理制御するシステムから構成されるプロセス群からなるサプライチェーンにおいて、当該プロセスを、時間的・空間的に分割して共同使用して、それぞれのプロセスで製品ごとに定められた処理を行う際に、当該プロセスを使用することで発生し測定・記録された環境負荷データの帰属先製品を、当該設備の環境負荷にかかわる緒元と、原材料および部品情報・製法など当該製品の特性を表す情報と、当該製品に対して必要な処理を当該サプライチェーン上の設備において行った時のエネルギー情報などの環境負荷情報、処理個数・処理時間などの運営実績に係る情報などに基づき、決定する機能を具備する、サーバー装置と環境負荷情報を取り込む端末装置と両者を結ぶ通信手段からなる、環境負荷データ管理装置。
【請求項4】
請求項3のうち、製造プロセスにおいて、当該製造プロセスを使用することで発生し測定・記録された環境負荷データの帰属先製品を、当該プロセスに属する製造設備の環境負荷に係る緒元と、原材料、部品情報・部品票情報・製法など当該製品の特性を表す情報と、生産計画など当該製品に関する製造計画情報と、製造状況・製造設備稼働状況など製造プロセスにて発生した実績情報などに基づき、決定する機能を具備する、サーバー装置と環境負荷情報を取り込む端末装置と両者を結ぶ通信手段からなる、環境負荷データ管理装置。
【請求項5】
請求項3のうち、輸送プロセスにおいて、当該輸送プロセスを使用することで発生し測定・記録された環境負荷データの帰属先製品を、当該プロセスに属する輸送設備の環境負荷に係る緒元と、輸送計画など当該製品に関する輸送計画情報と、輸送状況・輸送設備稼働状況など輸送プロセスにて発生した実績情報などに基づき、決定する機能を具備する、サーバー装置と環境負荷情報を取り込む端末装置と両者を結ぶ通信手段からなる、環境負荷データ管理装置。
【請求項6】
請求項3のうち、販売プロセスにいて、当該販売プロセスを使用することで発生し測定・記録された環境負荷データの帰属先製品を、当該プロセスに属する販売設備の環境負荷に係る緒元と、販売計画、店舗運営計画など当該製品に関する販売計画情報と、販売状況・販売設備稼働状況など販売プロセスにて発生した実績情報などに基づき、決定する機能を具備する、サーバー装置と環境負荷情報を取り込む端末装置と両者を結ぶ通信手段からなる、環境負荷データ管理装置。
【請求項7】
請求項3のうち、保守プロセスにおいて、当該保守プロセスを使用することで発生し測定・記録された環境負荷データの帰属先製品を、当該プロセスに属する保守設備の環境負荷に係る緒元と、保守計画など当該製品に関する保守計画情報と、保守状況・保守設備稼働状況など保守プロセスにて発生した実績情報などに基づき、決定する機能を具備する、サーバー装置と環境負荷情報を取り込む端末装置と両者を結ぶ通信手段からなる、環境負荷データ管理装置。
【請求項8】
請求項3のうち、廃棄/再生プロセスにおいて、当該廃棄/再生プロセスを使用することで発生し測定・記録された環境負荷データの帰属先製品を、当該プロセスに属する廃棄/再生設備の環境負荷に係る緒元と、廃棄/再生計画など当該製品に関する廃棄/再生計画情報と、廃棄/再生状況・廃棄/再生設備稼働状況など廃棄/再生プロセスにて発生した実績情報などに基づき、決定する機能を具備する、サーバー装置と環境負荷情報を取り込む端末装置と両者を結ぶ通信手段からなる、環境負荷データ管理装置。
【請求項9】
請求項5のうち、輸送プロセスに使用される運搬手段の環境負荷効率を、輸送開始・終了時刻と、輸送距離から求めて、当該商品の環境負荷計算に、反映する機能を具備することを特長とする、サーバー装置と環境負荷情報を取り込む端末装置と両者を結ぶ通信手段からなる、環境負荷データ管理装置。
【請求項10】
請求項3乃至請求項9のいずれか一項に記載のにおいて、
発生・測定された環境負荷の帰属する製品の決定に使用された情報について、その取得内容と評価の経緯を後日第三者が確認して検証できる機能を具備することを特長とする、環境負荷データ管理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−113512(P2012−113512A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261904(P2010−261904)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)