説明

複数個の宝石を使用した装身具の製造方法

【課題】少なくとも2個以上の複数個の宝石を使用する装身具において、その機能性と自由性とデザイン性を高め、作業性も大幅に向上することができる装身具を提供する。
【解決手段】少なくとも2個以上の宝石5を使用する装身具10において、貴金属あるいは金属製の台の複数面にあらかじめ孔などの設置場所が設けられていて、その台に宝石5を設置した後、宝石5の上に透明ガラス2を置いた後、透明ガラス2を固定することによって作られる装身具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は少なくとも2個以上の複数個の宝石を使用する装身具において、その機能性と自由性とデザイン性を高め、作業性も大幅に向上することができる装身具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
装身具において、ダイヤモンドなどの宝石を貴金属の台に固定する場合、貴金属の台に宝石を取り囲むように爪と称される棒形状を付帯させ、宝石を所定の位置に設置した後、棒形状部分を宝石側に曲げて倒し込み宝石を固定している。
【0003】
しかし、棒形状を貴金属の台に設置し宝石を固定するこの技法では、固定する宝石の数の数倍の棒形状を曲げていく必要があるため、加工時間が長時間になることや、固定した宝石が装身具の使用中に欠落してしまうという問題などがあった。
【0004】
このことから、特許3341082のように、宝石を2枚の板状部分の空間に挟み込む技法などある。
【0005】
しかしながら、特許3341082ではあらかじめ宝石を別の固定用個体に設置しておく必要があり、固定作業に多くの時間がかかってしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許3341082
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は前述した問題点を解決するものであり、少なくとも2個以上の複数個の宝石を使用する装身具において、その機能性と自由性とデザイン性を高め、作業性も大幅に向上することができる装身具の製造方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、この発明は一少なくとも2個以上の複数個の宝石を使用する装身具において、少なくとも2ヶ所以上の設置箇所か孔が複数面に設けられている貴金属、あるいは金属製の台と、複数の透明なガラスから成り立っていて、前述の問題点を解決し機能性と自由性とデザイン性を高めることができる装身具の製造方法をすることができることを特徴とするものである。
【0009】
この発明は、少なくとも2個以上の複数個の宝石を使用する装身具において、宝石の設置が容易で、自由なデザインの装身具を簡単に製造できることを特徴とする。
【0010】
この発明の装飾体の一部には、貴金属あるいは金属製の台が用いられていて、その台の複数面には2ヶ所以上の設置箇所か孔が設けられていて、複数の透明なガラスによって宝石が固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、少なくとも2個以上の複数個の宝石を使用する装身具において、宝石の固定に多くの時間を費やす、宝石が欠落する、デザインの制限が生じるという問題点を取り除き、その機能性と自由性とデザイン性を高め、作業性も大幅に向上することができる装身具の提供をすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の全体図である。
【図2】この発明の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の形態で、少なくとも2個以上の複数個の宝石を使用する装身具である。
図1に示すように、少なくとも2個以上の複数個の宝石を使用する装身具10は複数面に孔3の設けられた貴金属台1と、複数の透明ガラス2から形成されている。
【0014】
少なくとも2個以上の複数個の宝石を使用する装身具10の台1は貴金属製か金属製であるので、指輪やペンダントやイヤリング、ブローチ、ブレスレットなど全ての装身具を作ることができる。
【0015】
装身具10の台1は、一般的に使用されている素材なので、自由な形状で製作することができ、宝石の設置箇所や孔も自由に作ることができる。
【0016】
装身具10に用いられる透明ガラス2は硬質であるので、宝石をしっかりと固定することができる。
【0017】
図2に示すように、装身具10は台1と透明ガラス2と宝石5で形成されている。
【0018】
図2のように、装身具10の台1にはあらかじめ、宝石を設置するための孔などの加工が施されていて、そこに宝石を設置する。
【0019】
その後に、硬質の透明ガラス2を台1に設置し、倒し込部4をガラス側に倒し込み、透明ガラス2を固定することによって複数の宝石も固定される。
【0020】
台1に固定される宝石表面には、一般的に宝石を固定するのに用いられる爪と呼ばれる金属突起がないので、宝石の輝きを損なうことはなく、本来の輝きを得ることができるとともに、宝石の欠落の心配がない。
【0021】
また、台1に宝石を密集させることによって、実際に使用している宝石よりも大きな宝石として見ることができる。
【0022】
さらに、台1に固定する宝石に様々な色のついた宝石を使用することによって、文字や図形などを表現することもできる。
【0023】
そして、台1は複数面に宝石を設置する孔が設けられているので、複数面の宝石の色やデザインを楽しむこともできる。
【0024】
このような工程を経て製造された装身具10は、石留めなどの工程を大幅に省くことが可能で、従来になかった斬新なデザインが展開できる機能的なものとなった。
【産業上の利用可能性】
【0025】
この発明の装身具は、従来のような複雑で難しい宝石を留める工程がないので、製作時間を大幅に削減し、しかも宝石が欠落する心配のない、文字や図形も自在に表現することのできるため、装身具市場に新たに付加価値の高い製品を提供できるものである。
【符号の説明】
【0026】
1 台1
2 透明ガラス2
3 孔3
4 倒し込部4
5 宝石5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2個以上の宝石を使用する装身具において、貴金属あるいは金属製の台の複数面にあらかじめ孔などの設置場所が設けられていて、その台に宝石を設置した後、宝石の正面及び裏面に透明ガラスを置いた後、透明ガラスを固定することによって宝石を固定する装身具。
【請求項2】
透明ガラスがサファイヤガラスであることを特徴とする請求項1に記載の装身具。
【請求項3】
透明ガラスに半透明の着色が施された請求項1に記載の装身具。
【請求項4】
宝石が天然及び人工である請求項1に記載の装身具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−212063(P2011−212063A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80545(P2010−80545)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(591043101)株式会社内藤貴金属製作所 (14)
【出願人】(510089889)
【Fターム(参考)】