説明

複数成分スパンボンドウェブ

スパンボンド繊維がポリエチレンと酸コポリマーとのブレンドでできたシースおよびポリエステルまたはポリアミド・コアのポリマー・シース−コア繊維である複数成分スパンボンドウェブが提供される。スパンボンドウェブは熱接合することができ、強度、ソフトさ、およびヒートシール性の改善された組合せを有し、医療衣および他の最終用途での使用に好適なスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド布を含む多層複合シートを製造するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトで、強い、かつ、改善された熱接合特性を有する、複数成分スパンボンド不織布およびその複合シートに関する。
【背景技術】
【0002】
コアポリマーより低い融点を有するシースポリマーを含んでなるシース−コア・ステープルファイバーは、バインダー繊維としての使用のために当該技術で公知である。バインダー繊維は、バインダー繊維を活性化して、バインダー繊維の表面を隣接する繊維に接着させるのに十分である温度に加熱することによって接合できる不織ウェブを形成するために単独でまたは他のステープルファイバーとのブレンドで使用することができるステープルファイバーである。アーン(Ahn)らの特許文献1は、ポリエステル・コアおよび本質的にエチレンと極性コモノマーとの有機コポリマーよりなるシースを有するシース/コア・バインダー繊維を記載している。キム(Kim)らの特許文献2は、バインダー繊維としての使用に好適なシース−コア・ステープルファイバーであって、シースが0.1〜10重量パーセントのアイオノマーを高密度ポリエチレンまたは直鎖低密度ポリエチレンに添加することによって製造されるステープルファイバーを記載している。クボ(Kubo)らの特許文献3は、不飽和カルボン酸、その誘導体、および不飽和カルボン酸無水物よりなる群から選択される0.1〜5モルパーセントの量での少なくとも1つの成分と共重合されたエチレンで形成されたシース成分と、コポリマーシースより少なくとも30℃高い融点を有する繊維形成ポリマーから形成されたコア成分とを含んでなる熱接合可能なバインダー繊維を記載している。ある種の最終用途、例えば、医療衣では、かかるステープル−ベースの製品は十分な表面安定性を持たず、使用中に布からの繊維の剥離(毛羽立ち)をもたらすかもしれない。かかる材料の強度はまた、所望されるものより低いかもしれない。
【0003】
コアポリマーより低い温度で溶融するシースポリマーを含んでなるシース−コア繊維から形成されたスパンボンド不織布もまた公知である。例えば、テラカワ(Terakawa)らの特許文献4は、低融点樹脂と高融点樹脂とから形成された複数成分スパンボンド繊維であって、低融点樹脂成分がスパンボンド繊維表面の少なくとも一部を形成するスパンボンド繊維より構成される複合スパンボンド不織布を含んでなる多層不織布を記載している。スパンボンド繊維は、シース−コア構造、サイド−バイ−サイド、または多層構造で紡糸することができる。スパンボンド不織布は、低融点樹脂の仲介による複数成分スパンボンド繊維の部分的な熱融合生成物として記載されている。
【0004】
スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(「SMS」)不織布のような、スパンボンドおよびメルトブローン層を含んでなる多層不織ラミネートもまた当該技術で公知である。SMS不織布の外面層は全体複合体に強度を与えるスパンボンド不織ウェブであるが、中間またはコア層はバリア性を与えるメルトブローンウェブを含んでなる。同様に、スパンボンドまたはメルトブローンウェブの追加の層を含んでなる複合不織布は、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(「SMMS」)不織布におけるように製造することができる。
【0005】
低融点ポリマーと高融点ポリマーとのブレンドでできた繊維を含んでなる熱接合不織布を形成することもまた公知である。ゲスナー(Gessner)の特許文献5は、少なくとも2つの異なる不混和性の熱可塑性ポリマーの高度に分散されたブレンドよりなる多成分繊維を含んでなる熱接合不織布であって、主要な連続ポリマー相とその中に分散された少なくとも1つの不連続相とを有する不織布を記載している。不連続相のポリマーは、連
続相のポリマー溶融温度より少なくとも30℃低いポリマー溶融温度を有し、繊維は不連続相が繊維表面の大部分を占めるように配置構成される。ハリントン(Harrington)の特許文献6は、ポリオレフィンとエチレン・酢酸ビニルポリマーのような、ポリマー接合曲線増強剤(polymeric bond curve enhancing
agent)とのポリマーブレンドよりなるスキン−コア繊維を含んでなる熱接合不織布を記載している。ポリオレフィンは好ましくはポリプロピレンであり、スキン層は、繊維の内部コア中のポリマーブレンドと比較して繊維の表面でのポリマーブレンドの酸化、分解および/または分子量の低下によって生み出される。このように、スキン−コア構造は、スキン−コア構造を得るためのポリマーのブレンドの変性を含んでなり、シース−コアおよびサイド−バイ−サイド複合繊維におけるような、軸方向に伸びる接合部分に沿って接合されている別個の成分を含んでならない。
【0006】
ある種の不織布最終用途のためには、不織布は、同一の不織布層にまたは異なるポリマー組成物の繊維を含んでなる不織布のような異なる層に熱接合される時に良好なヒートシール性を有することが望ましい。例えば医療衣のような防護服用途では、針が縫合中に挿入される時に起こる穴の形成を避けるために継ぎ目をヒートシールすることによって衣類を製造することが望ましいかもしれない。あるいはまた、強化ピースが接着剤または縫合法を用いる代わりに適所に熱接合されてもよい。良好なヒートシール性に加えて、不織布は高強度を有し、その上できるだけソフトでドレープ性でもあることが望ましい。医療最終用途向けには、不織布はガンマ放射線で殺菌できるポリマーの繊維でできていることもまた望ましい。SMS布は伝統的にポリプロピレン−ベースであったし、布が殺菌工程の結果として変色し、弱くなるために、それらはガンマ放射線で殺菌できないという制限を有する。さらに、ポリプロピレンベース布のガンマ照射は不快な臭気の発生をもたらす。これは、放射線殺菌が医療業界の至る所で一般に用いられるので、ポリプロピレン−ベースSMS布にとって重大な問題を提起する。
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0366379号明細書
【特許文献2】韓国特許第9104459号明細書
【特許文献3】米国特許第5,277,974号明細書
【特許文献4】米国特許第6,187,699号明細書
【特許文献5】米国特許第5,294,482号明細書
【特許文献6】米国特許第6,458,726号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
強度、ソフトさ、およびヒートシール性の改善された組合せを有する、かつ、布の特性を有意に劣化させることなくおよび/または不快な臭気を発生させることなくガンマ放射線によって殺菌することができる低コスト不織布を求める要求が存続している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、実質的に連続のポリマー・シース−コア・スパンボンド繊維を含んでなる複数成分スパンボンド不織ウェブであって、シース成分がポリエチレンと、エチレンとメタクリル酸、アクリル酸、またはそれらの組合せとのコポリマー、前記コポリマーの金属塩、およびそれらのブレンドよりなる群から選択される約5〜30重量パーセントの酸コポリマーとを含んでなるブレンドを含んでなり、コア成分がポリエステルおよびポリアミドよりなる群から選択されるポリマーを含んでなり、シース成分対コア成分の重量比が約10:90〜90:10である不織ウェブである。
【0010】
本発明の別の実施形態では、本発明の複数成分スパンボンドウェブは1つもしくはそれ以上の追加のシート状の層に熱接合されて多層複合シートを形成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、実質的に連続のポリマー・シース−コア・スパンボンド繊維を含んでなる複数成分スパンボンドウェブに関する。実質的に連続の複数成分シース−コア・スパンボンド繊維のポリマーシース成分は、ポリエチレンと酸コポリマーとを含んでなるブレンドを含んでなる。酸コポリマーは、エチレンとメタクリル酸、アクリル酸、またはそれらの組合せとのコポリマー、前記コポリマーの金属塩、およびそれらのブレンドよりなる群から選択される。実質的に連続の複数成分シース−コア・スパンボンド繊維のポリマーコア成分は、ポリエステルおよびポリアミドよりなる群から選択されるポリマーを含んでなる。本発明はまた、層の少なくとも1つが複数成分シース−コア・スパンボンドウェブを含んでなる多層複合シートにも関する。
【0012】
用語「コポリマー」は、本明細書で用いるところでは2つもしくはそれ以上のコモノマーを重合させることによって製造されるランダム、ブロック、交互、およびグラフトコポリマーを含み、従ってダイポリマー、ターポリマーなどを含む。
【0013】
用語「ポリエチレン」(PE)は、本明細書で用いるところではエチレンのホモポリマーだけでなく、繰り返し単位の少なくとも85%がエチレン単位であるコポリマーも包含することを意図される。
【0014】
用語「線状低密度ポリエチレン」(LLDPE)は、本明細書で用いるところでは約0.955g/cm未満、好ましくは0.91g/cm〜0.95g/cmの範囲の、より好ましくは0.92g/cm〜0.95g/cmの範囲の密度を有する線状エチレン/α−オレフィンコポリマーを意味する。線状低密度ポリエチレンは、エチレンとα−オレフィン分子当たり3〜12個の炭素原子、好ましくはα−オレフィン分子当たり4〜8個の炭素原子を有する、少量のα,β−エチレン性不飽和アルケンコモノマー(α−オレフィン)とを共重合させることによって製造される。エチレンと共重合させてLLDPEを製造することができるα−オレフィンには、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、またはそれらの混合物が含まれる。好ましくは、α−オレフィンは1−ヘキセンまたは1−オクテンである。
【0015】
用語「高密度ポリエチレン」(HDPE)は、本明細書で用いるところでは少なくとも約0.94g/cm、好ましくは約0.94g/cm〜約0.965g/cmの範囲の密度を有するポリエチレンホモポリマーを意味する。
【0016】
用語「ポリエステル」は、本明細書で用いるところでは繰り返し単位の少なくとも85%がエステル単位の形成によって生み出された結合を持ったジカルボン酸と二価アルコールとの縮合生成物であるポリマーを包含することを意図される。これは芳香族、脂肪族、飽和、および不飽和の二酸およびジアルコールを含む。用語「ポリエステル」は、本明細書で用いるところではまたコポリマー(ブロック、グラフト、ランダムおよび交互コポリマーのような)、ブレンド、およびそれらの変性物をも含む。ポリエステルの例には、エチレングリコールとテレフタル酸との縮合生成物であるポリ(エチレンテレフタレート)(PET)および1,3−プロパンジオールとテレフタル酸との縮合生成物であるポリ(1,3−プロピレンテレフタレート)が挙げられる。
【0017】
用語「ポリアミド」は、本明細書で用いるところでは繰り返しアミド(−CONH−)基を含むポリマーを包含することを意図される。1クラスのポリアミドは、1つもしくはそれ以上のジカルボン酸を1つもしくはそれ以上のジアミンと共重合させることによって製造される。本発明での使用に好適なポリアミドの例には、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(ナイロン6,6)およびポリカプロラクタム(ナイロン6)が挙げられる。
【0018】
用語「アイオノマー」は、本明細書で用いるところではエチレン性不飽和カルボン酸またはエチレン性不飽和カルボン酸の無水物前駆体から誘導される複数のコモノマーを含むエチレンコポリマーの金属塩を意味する。カルボン酸基または酸無水物基の少なくとも一部は中和されて一価または多価金属カチオンの塩を形成している。
【0019】
用語「不織布、シート、層またはウェブ」は、本明細書で用いるところではランダムに置かれて編布または織布とは対照的に、特定可能なパターンなしに平面材料を形成している個々の繊維、フィラメント、またはスレッドの構造体を意味する。不織布の例には、メルトブローンウェブ、スパンボンドウェブ、カードウェブ、エア−レイドウェブ、ウェット−レイドウェブ、ならびにスパンレースウェブおよび2つ以上の不織層を含んでなる複合ウェブが挙げられる。
【0020】
用語「多層複合シート」は、本明細書で用いるところでは少なくとも第1層が不織布である少なくとも第1および第2のシート状の層を含んでなる多層構造体を意味する。第2層は不織布(第1層と同じまたはそれとは異なる)、織布、編布、またはフィルムであることができる。
【0021】
用語「縦方向」(MD)は、本明細書で用いるところでは不織ウェブが製造される方向(例えば繊維が不織ウェブの形成中にその上にレイダウンされる支持面の移動の方向)を意味する。用語「横方向」(XD)は、ウェブの平面で縦方向に一般に垂直の方向を意味する。
【0022】
用語「スパンボンド繊維」は、本明細書で用いるところでは溶融した熱可塑性ポリマー材料を、紡糸口金の複数の細かい通常円形の、押し出された繊維の直径を持った毛管から繊維として押し出し、次に延伸によって急速に小さくし、次に繊維を急冷することによって形成される繊維を意味する。卵形、多葉形などのような他の繊維断面形状もまた用いることができる。スパンボンド繊維は一般に実質的に連続であり、通常、約5マイクロメートルより大きい平均直径を有する。スパンボンド不織布またはウェブは、スパンボンド繊維を小孔のあるスクリーンまたはベルトのような収集面上にランダムに置くことによって形成される。スパンボンドウェブは、ホット−ロールカレンダー加工によってまたはウェブを高圧で飽和スチーム室を通過させることによってのような当該技術で公知の方法によって一般に接合される。例えば、ウェブは、スパンボンド布にわたって置かれた複数の熱接合点で熱接合することができる。
【0023】
用語「メルトブローン繊維」は、本明細書で用いるところでは、溶融加工可能なポリマーを高速ガス(例えば空気)流れ中へ溶融流れとして複数の毛管を通して押し出すことを含んでなる、メルトブローすることによって形成される繊維を意味する。高速ガス流れは溶融した熱可塑性ポリマー材料の流れを減衰してそれらの直径を減らし、約0.5〜10マイクロメートルの直径を有するメルトブローン繊維を形成する。メルトブローン繊維は一般に不連続繊維であるが、連続であることもできる。高速ガス流れによって運ばれたメルトブローン繊維は、収集面上に一般に沈積してランダムに分散した繊維のメルトブローンウェブを形成する。メルトブローン繊維は、それらが収集面上に沈積した時には粘着性であることができ、それはメルトブローンウェブ中のメルトブローン繊維間に接合をもたらす。メルトブローンウェブはまた、熱接合のような、当該技術で公知の方法を用いて接合することもできる。
【0024】
用語「スパンレース不織ウェブ」は、本明細書で用いるところではバインダーを含まない強い布を提供するためにウェブ中の繊維を絡ませることによって製造される不織布を意味する。例えば、スパンレース布は、繊維の不織ウェブをメッシュスクリーンのような多
孔性支持体上に支持し、支持されたウェブを水圧ニードリング法でのような水ジェットの下を通すことによって製造することができる。繊維は繰り返しパターンで絡ませることができる。
【0025】
用語「スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布」(SMS)は、本明細書で用いるところでは2つのスパンボンド層の間に挟まれ、それらに接合されたメルトブローン繊維のウェブを含んでなる多層複合シートを意味する。SMS不織布は、順次にスパンボンド繊維の第1層、メルトブローン繊維の層、およびスパンボンド繊維の第2層を移動する多孔性収集面上に沈積することによってインラインで形成することができる。組み立てられた層は、加熱されていても非加熱であってもよく、また滑らかであってもパターン化されていてもよい2つのロール間に形成されたニップにそれらを通すことによって接合することができる。あるいはまた、個々のスパンボンドおよびメルトブローン層は、予備成形し、場合により接合し、例えば巻取ロール上に布を巻き付けることによってなど個々に集めることができる。個々の層は、しばらく経って層状にすることによって組み立て、一緒に接合してSMS不織布を形成することができる。例えばスパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(SMMS)など、追加のスパンボンドおよび/またはメルトブローン層をSMS布に組み入れることができる。
【0026】
用語「複数成分繊維」は、本明細書で用いるところでは一緒に紡糸されて単繊維を形成した少なくとも2つの別個のポリマー成分よりなる繊維を意味する。少なくとも2つのポリマー成分は、複数成分繊維の断面を横切って別個の実質的に一定に置かれたゾーンであって、繊維の長さに沿って実質的に連続して伸びるゾーンに配置されている。本発明のスパンボンド布を形成する複数成分スパンボンド繊維は好ましくは、第1ポリマー成分がシースを形成し、第2ポリマー成分がコアを形成する、2つの別個のポリマー成分でできた複合繊維である。シース−コア繊維は当該技術で公知であり、コア成分が繊維の内側に置かれ、繊維の全体長さに沿って実質的に伸び、シース成分が繊維の外周面を形成するようにシース成分によって取り囲まれている断面を有する。当該技術で公知の別の複合断面はサイド−バイ−サイド断面であり、その場合には第1ポリマー成分は第2ポリマー成分で形成された少なくとも1つのセグメントに隣接している少なくとも1つのセグメントを形成し、両ポリマーが繊維表面上に曝された状態で各セグメントは繊維の長さに沿って実質的に連続である。複数成分繊維は、ポリマー材料の単一の均一なまたは不均一なブレンドから押し出された繊維とは区別される。しかしながら、複数成分繊維を形成するために使用される別個のポリマー成分の1つもしくはそれ以上は、2つもしくはそれ以上のポリマー材料のブレンドを含んでなることができる。例えば、本発明のスパンボンド布を形成するシース−コア繊維は、少なくとも2つの異なるポリマー材料のブレンドであるシースを含んでなる。用語「複数成分不織ウェブ」は、本明細書で用いるところでは複数成分繊維を含んでなる不織ウェブを意味する。用語「複合ウェブ」は、本明細書で用いるところでは複合繊維を含んでなる不織ウェブを意味する。複数成分ウェブは、複数成分繊維および単一成分繊維の両方を含んでなることができる。
【0027】
本発明のシース−コア・スパンボンド繊維のシース成分で使用される酸コポリマーは、エチレンとメタクリル酸、アクリル酸、またはそれらの組合せとのコポリマー、前記コポリマーの金属塩(「アイオノマー」)、およびそれらのブレンドよりなる群から選択される。好ましい非アイオノマーの酸コポリマーは、約4〜20重量パーセント、より好ましくは約4〜15重量パーセントの酸含有率(アクリル酸、メタクリル酸、またはそれらの組合せ)を有する。本発明での使用に好適な非アイオノマーの酸コポリマーは、多数の製造業者から商業的に入手可能であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デラウェア州ウィルミントン)(E.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE))から入手可能なヌクレル(Nucrel)(登録商標)樹脂を含む。本発明の複数成分スパンボンド繊維のシ
ース成分での酸コポリマーとしての使用に好適なアイオノマーは、金属水酸化物のようなイオン性金属化合物での酸コポリマーの部分中和によって製造される。アイオノマーは、約5〜25重量パーセント、好ましくは8〜20重量パーセント、最も好ましくは8〜15重量パーセントのアクリル酸、メタクリル酸、またはそれらの組合せを好ましくは含む。酸基の好ましくは約5〜70パーセント、より好ましくは約25〜60パーセントが金属イオンで中和される。好ましい金属イオンには、ナトリウム、亜鉛、リチウム、マグネシウム、およびそれらの組合せが含まれる。場合により、アイオノマーは、アルキル基が1〜8個の炭素原子を有するアクリル酸アルキルを含んでなる、第3モノマーがエチレンおよびアクリル酸(またはメタクリル酸もしくはそのアクリル酸との組合せ)と共重合しているターポリマーであることができる。これは「軟化」モノマーと言われ、全モノマーを基準にして約40重量パーセント以下存在することができる。本発明での使用に好適なアイオノマーは多数の製造業者から商業的に入手可能であり、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能なサーリン(Surlyn)(登録商標)アイオノマー樹脂を含む。酸コポリマーは、改善された「ホットタック」(溶融ポリマーはそれ自体と強い接合を形成する)および「ヒートシール」(強い接合が広範囲の温度にわたって形成され、室温で維持され得る)性を示す。酸コポリマーはまた、ガンマ殺菌に用いられる条件下で、ポリエチレンと同様に、ガンマ−放射線安定であるとも考えられる。非アイオノマーのエチレン・アクリル酸/メタクリル酸コポリマーは、それらが安上がりであるので、アイオノマーよりも好ましいかもしれない。アイオノマーはまた湿度により敏感であるかもしれない。
【0028】
酸コポリマーの酸含有率が低く過ぎる場合、改善された接合は実現されないであろう。酸含有率が高過ぎる場合、酸コポリマーの低い粘着温度のために加工問題が起こるかもしれない。例えば、酸コポリマーを含んでなるペレットは粘着し合うかもしれない。酸コポリマーは好ましくは約5〜50g/10分(ASTM D−1238に従って、2.16kg、190℃で測定されて)の範囲のメルトインデックスを有する。酸コポリマーは、シースに使用されるポリエチレンの融点未満である融点を好ましくは有する。
【0029】
シース−コア・スパンボンド繊維のシース成分に使用されるポリエチレンは、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、またはそれらのブレンドであることができる。ポリエチレンのメルトインデックスは好ましくは約10〜40g/10分(ASTM D−1238に従って、2.16kg、190℃で測定されて)の範囲に、より好ましくは約15〜30g/10分の範囲にある。線状低密度ポリエチレンが一般には好ましく、複合スパンボンド法で高密度ポリエチレンより良好に紡糸されることが分かったし、また、医療衣または他のアパレルでのようなある種の最終用途では望ましい、高密度ポリエチレンよりソフトな手触りをも提供する。
【0030】
スパンボンド繊維のシース成分は好ましくは約5〜30重量パーセントの酸コポリマー、より好ましくは約5〜20重量パーセントの酸コポリマーを含んでなる。酸コポリマーのより高いレベルでは、紡糸口金面上でのドリップの形成および相互のおよびレイダウンジェットの表面へ繊維の粘着のような紡糸問題が起こるかもしれない。ポリエチレンおよび酸コポリマーは、溶融ブレンディングか乾式ブレンディングかのどちらかによって、スパンボンディング法での押出の前に一緒にブレンドしてシース成分を形成することができる。溶融ブレンディングは、混合押出機、ブラベンダー(Brabender)ミキサー、バンバリー(Banbury)ミキサー、ロールミルなどのような従来のブレンディング装置で成し遂げることができる。溶融ブレンドを押し出し、押出物をカットしてペレットを形成することができ、それはスパンボンディング工程へ供給することができる。あるいはまた、ポリエチレンのペレットおよび酸コポリマーのペレットを乾式ブレンドし、各成分のペレットがポリエチレン対酸コポリマーの所望の比を生み出すための速度で計量供給される状態でペレットのブレンドとしてスパンボンディング工程へ供給することができ
る。酸コポリマーはまた、スパンボンド工程で添加物供給機を用いて押出機中でポリエチレンポリマー流れに添加することができる。
【0031】
本発明の複数成分スパンボンド不織布のコア成分での使用に好適なポリエステルには、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(1,3−プロピレンテレフタレート)、およびそれらの5−スルホイソフタル酸とのコポリマーが含まれる。好ましい実施形態では、ポリエステル成分は、0.4〜0.7dl/g(毛管粘度計中30℃で25容量%トリフルオロ酢酸と75容量%塩化メチレンとを用いて、ASTM D2857に従って測定されて)、より好ましくは0.5〜0.6dl/gの範囲の開始固有粘度を有するポリ(エチレンテレフタレート)である。本発明の複数成分スパンボンド不織布のコア成分での使用に好適なポリアミドには、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(ナイロン6,6)、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、およびそれらのコポリマーが含まれる。
【0032】
シース−コア・スパンボンド繊維のシースおよび/またはコア成分は、染料、顔料、酸化防止剤、紫外線安定剤、紡糸仕上剤などのような他の従来の添加剤を含むことができる。
【0033】
本発明の複数成分スパンボンドウェブは、参照により本明細書によって援用される、例えば1999年8月2日に出願されたルディシル(Rudisill)ら米国特許出願第60/146,896号明細書(PCT出願国際公開第01/09425号パンフレットとして公開された)に記載されているような、当該技術で公知のスパンボンディング法を用いて製造することができる。複数成分スパンボンディング法は、別個のポリマー成分が押出オリフィスからの押出前に接触する前合体ダイか、別個のポリマー成分が別々の押出オリフィスを通して押し出され、毛管を出た後で接触して複数成分繊維を形成する後合体ダイかのどちらかを用いて行うことができる。
【0034】
スパンボンド繊維は一般に円形であるが、様々な他の形状(例えば、卵形、三葉または多葉、平坦、中空など)で製造することができる。複数成分シース−コア・スパンボンド繊維は、同心か横方向偏心断面かのどちらかを有することができる。横方向偏心断面は当該技術で公知であり、3次元捲縮を有する繊維を一般に生み出す。スパンボンド繊維のシース成分とコア成分との重量比は好ましくは約10:90〜90:10、より好ましくは約30:70〜70:30、最も好ましくは約40:60〜60:40である。
【0035】
本発明のスパンボンドウェブは、当該技術で公知の方法を用いて熱接合することができる。一実施形態では、スパンボンドウェブは、当該技術で公知の方法を用いて点、線の不連続パターン、またはすき合わせ接合の他のパターンで熱接合される。すき合わせ熱接合は、スパンボンドウェブの表面上の不連続のスポットに熱および圧力をかけることによって、例えば層状にされた構造体を、パターン化されたカレンダーロールと滑らかなロールとによって形成されるニップ中に、または2つのパターン化されたロール間に通すことによって形成することができる。ロールの1つまたは両方が布を熱接合するために加熱される。衣類最終用途におけるような、布通気性が重要である場合、布はより通気性の布を提供するため好ましくは断続的に接合される。
【0036】
接合条件および接合パターンは、接合布の強度、ソフトさ、およびドレープ適性の所望の組合せを提供するために選択することができる。本発明のシース−コア・スパンボンドウェブについては、110℃〜130℃の範囲のロール接合温度および100〜400ポンド/線インチ(175〜700N/cm)の範囲の接合ニップ圧力が良好な熱接合を提供することが分かった。最適接合温度および圧力は接合中のライン速度の関数であり、より速いライン速度は一般により高い接合温度を必要とする。
【0037】
熱パターン接合中に、スパンボンド繊維のシース成分の酸コポリマーは、パターン化されたロール上の隆起した突起に対応する不連続の区域で部分的に溶融して融合接合を形成し、その融合接合はスパンボンド繊維を一緒に接合して密着接合スパンボンド・シートを形成する。接合条件およびシース成分に使用されたポリマーに依存して、シース成分中のポリエチレンもまた熱パターン接合中に部分溶融するかもしれない。ポリエステルまたはポリアミド・コア成分は熱接合中に溶融せず、布の強度に貢献する。接合ロールパターンは当該技術で公知の任意のものであってもよく、好ましくは不連続の点または線接合のパターンである。
【0038】
スパンボンドウェブはまた、超音波エネルギーを用いて、例えばホーンと回転アンビル・ロール、例えばその表面に突起部のパターンを有するアンビル・ロールとの間に布を通すことによって熱接合することもできる。
【0039】
あるいはまた、スパンボンドウェブは、布が多孔性表面上に支持されたまま、繊維がそれらの交差点で互いに接触しているところでそれらを一緒に接合するのに十分な温度で空気のような加熱されたガスが布を通過する、当該技術で公知の通気接合法を用いて接合することができる。
【0040】
本発明のシース−コア繊維の熱接合されたスパンボンドウェブは、シース成分が酸コポリマーを含まないシース−コア繊維の匹敵するスパンボンドウェブより高いグラブ(Grab)引張強度を有することが分かった。これは、スパンボンド層内の繊維間の改善された接合のためであると考えられる。本発明の熱接合されたスパンボンド布は、布の縦方向および横方向の両方で測定されて、少なくともオンス/ヤード当たり5ポンド(g/m当たり0.66N)のグラブ引張強度対坪量の比を好ましくは有する。
【0041】
さらに、本発明の複数成分スパンボンド不織ウェブは、他の層に積層されたまたは接合された時に層間に改善された接合を提供する。本発明のスパンボンド材料は、シース−コア・スパンボンド繊維のシース成分中に比較的低い濃度の酸コポリマーを使用して強度にかなりの改善を示すので、本発明のスパンボンドウェブは、シースがエチレンとメタクリル酸、アクリル酸、またはそれらの組合せとのコポリマー、前記コポリマーの金属塩、およびそれらのブレンドよりなる群から選択される酸コポリマーより本質的になるものより製造するのに安上がりである。さらに、酸コポリマーは分岐した材料であるので、それらは一般にLLDPEのような線状ポリマーと同様にうまく紡糸/減衰されない。スパンボンド繊維のシースで比較的低いレベルの酸コポリマーをLLDPEとブレンドすることによって、シースでの酸コポリマーだけの使用と比較してヒートシール性、グラブ引張強度、および低コストの改善された組合せを有するスパンボンド布を提供することに加えて改善された紡糸性も達成される。
【0042】
本発明の一実施形態では、本発明の複数成分スパンボンドウェブは、1つもしくはそれ以上の追加のシート状の層に熱接合されて多層複合シートを形成する。例えば、本発明の複数成分スパンボンドウェブは、メルトブローン不織ウェブ、スパンボンド不織ウェブ、カード不織ウェブ、エア−レイド不織ウェブ、ウェット−レイド不織ウェブ、スパンレース不織ウェブ、編布、織布、およびフィルムよりなる群から選択される1つもしくはそれ以上の追加の層に接合することができる。例えば複数成分スパンボンド布は、通気性の微小孔性フィルムに接合することができる。粒状フィラーを含むポリオレフィン(例えばポリエチレン)フィルムから形成されるもののような、微小孔性フィルムは当該技術で周知である。
【0043】
本発明の多層複合シートの別の実施形態では、本発明のスパンボンドウェブはその側面の1つ上でメルトブローンウェブに熱接合される。あるいはまた、スパンボンド層の少な
くとも1つが本発明によるスパンボンドウェブを含んでなるSMS複合不織布を形成することができる。メルトブローンウェブは単成分メルトブローンウェブまたは複数成分メルトブローンウェブであることができる。一実施形態では、多層複合シートは、複合メルトブローンウェブを本発明の2つのスパンボンドウェブの間に挟み、層を一緒に接合することによって形成される。かかる一実施形態では、複合メルトブローンウェブは、線状低密度ポリエチレン成分とポリエステル成分とを含んでなる実質的にサイド−バイ−サイド構造を有するメルトブローン繊維よりなる。ポリエチレン成分はメルトブローンウェブの7%〜99重量%を占める。好ましくは、ポリエチレン成分はメルトブローンウェブの7%〜50重量%を占め、ポリエステル成分はメルトブローンウェブの50%〜93重量%を占める。より好ましくは、ポリエチレン成分はメルトブローンウェブの15%〜40重量%を占め、ポリエステル成分はメルトブローンウェブの60%〜85重量%を占める。最も好ましくは、ポリエチレン成分はメルトブローンウェブの20%〜30重量%を占め、ポリエステル成分はメルトブローンウェブの70%〜80重量%を占める。
【0044】
本発明の多層複合シートを形成するのに有用な複合メルトブローンウェブは、当該技術で公知のメルトブローイング法を用いて、例えばルディシルら(国際公開第01/09425号パンフレット)に記載されるように製造することができる。複合メルトブローイング法は、別個のポリマー成分が押出オリフィスからの押出前に接触する前合体ダイか、別個のポリマー成分が別々の押出オリフィスを通して押し出され、毛管を出た後で接触して複合繊維を形成する後合体ダイかのどちらかを用いて行うことができる。SMS布を製造する場合、メルトブローン繊維は、本発明のスパンボンド層および前記メルトブローン層上に形成された別のスパンボンド層の上へ沈積することができる。メルトブローンウェブの複数層および/またはスパンボンド層をかかる方法で形成できることは当業者によって理解されるであろう。層状にされたウェブは上記のように接合することができる。
【0045】
本発明の別の実施形態では、本発明の複数成分スパンボンドウェブは、その外周面の少なくとも一部上にポリエステルを含んでなる繊維を含んでなる第2のシート状の層に熱接合される。スパンボンド・ポリエチレン繊維はポリエステル繊維に十分に接合しないが、本発明の複数成分スパンボンドウェブは、その表面の少なくとも一部上にポリエステルを含んでなる繊維を含む基材に十分に接合することが分かった。例えば、本発明の複数成分スパンボンドウェブは、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能なソンタラ(Sontara)(登録商標)スパンレース不織布のようなポリエステル繊維を含んでなるスパンレース布に十分に接合することが分かった。スパンレース布は、スパンボンド層のみと比較して改善された手触りを提供する。さらに、スパンレース層は、それをスパンボンド層に熱接合することによってスパンレース布のみよりもっと耐久性にされるかもしれない。
【0046】
経験的証拠を用いて、本発明の複数成分スパンボンドウェブの他のシート状の層への接合の程度を最適化することができる。例えば、ブレンド中の酸コポリマーの量、酸コポリマーのメルトインデックス、および/または酸コポリマー中の酸の量を変更することができる。より極性のコポリマー(より高い酸含有率を有する)は、より極性の基材により良好に接合するかもしれない。
【0047】
本発明の複数成分スパンボンドウェブは、1つもしくはそれ以上の追加のシート状の層に熱接合する前に熱接合することができる。あるいはまた、本発明の実質的に非接合の複数成分スパンボンドウェブは、上記のもののような当該技術で公知の熱接合方法を用いて所望の追加のシート状の層および熱接合された層と共に層状にして熱接合多層複合シートを形成することができる。多層複合シートの熱接合中に、本発明のスパンボンドウェブ中のスパンボンド繊維は、スパンボンドウェブ内で一緒に接合され、本発明のスパンボンドウェブの表面上の繊維もまた追加のシート状の層に接合される。
【0048】
スパンボンド布が複合シートを形成することなしに使用される最終用途向けには、スパンボンド布は1.2〜7.0オンス/ヤード(40〜238g/m)、好ましくは約1.8〜5.0オンス/ヤード(61〜170g/m)、最も好ましくは約1.8〜3.0オンス/ヤード(61〜102g/m)の坪量を好ましくは有する。しかしながら、複合シートで、例えば1つもしくはそれ以上のメルトブローン層とまたはフィルムと組み合わせて使用される場合、個々のスパンボンド層の坪量ははるかにより低いものであることができ、例えば約0.3〜0.9オンス/ヤード(10〜31g/m)、好ましくは約0.5〜0.7オンス/ヤード(17〜24g/m)の坪量が一般に複合シートで有用である。本発明のスパンボンド布のための潜在的な最終用途には、ヒートシールテープおよびヒートシール可能な包装材料が含まれる。本発明の多層複合シートは、医療衣または他の衣類および医療包装のようなヒートシール可能なバリア包装で有用である。
【0049】
試験方法
上の説明でおよび次に続く実施例で、次の試験方法を用いて様々な報告される特性および性質を測定した。ASTM米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials)を意味する。
【0050】
坪量は、布またはシートの単位面積当たりの質量の尺度であり、参照により本明細書によって援用されるASTM D−3776によって測定し、g/m単位で報告する。
【0051】
グラブ引張強度は、シートの破壊強度の尺度であり、参照により本明細書によって援用されるASTM D 5034に従って実施し、ニュートン単位で報告する。
【0052】
層間のヒートシール強度は、次の手順に従って実施例3A〜3C、4A〜4C、ならびに比較例CおよびDについて測定した。スパンボンド布を1インチ(2.54cm)幅×1.5インチ(3.81cm)長さのストリップへカットし、2つの1インチ(2.54cm)幅×3インチ(7.62cm)長さのソンタラ(登録商標)スパンレース・サンプルの間に挟んだ。層状サンプルを2.54cm幅のヒートシール棒(センコープ、マサチューセッツ州ハイアニス(Sencorp,Hyannis,MA)から入手可能なセンチネル・ヒートシーラー(Sentinel Heat Sealer)モデル#110
12A3)を用いてヒートシールした。ヒートシーリングは40psi(275.8kPa)圧力下で指定の温度下に1秒間で成し遂げた。ヒートシールしたサンプルを次に、インストロン(Instron)によって約12インチ/分(30.5cm/分)のクロスヘッド速度で引き離す前に50%相対湿度および72°F(22.2℃)で24時間順化させた。シールしたストリップを分離するための最大力を、ニュートン単位のヒートシール強度として記録した。報告するヒートシール強度は、比較例CおよびDについては3サンプルの平均であり、実施例3A〜3Cおよび実施例4A〜4Cについては5サンプルの平均である。
【実施例】
【0053】
実施例1Aおよび1B
実施例1Aおよび1Bは、本発明の熱接合シース−コア・スパンボンド複合布であって、複合スパンボンド繊維のシースが酸コポリマーとポリエチレンとのブレンドで製造され、スパンボンド繊維のコアが本質的にポリエステルよりなった複合布の製造を実証する。
【0054】
ポリエチレン成分は、ダウ・アスパン(Dow Aspun)(登録商標)61800−34としてダウ・ケミカル社(ミシガン州ミッドランド)(Dow Chemical
Co.(Midland,MI))から入手可能な、20g/10分(ASTM D−
1238に従って測定されて)のメルトインデックスの線状低密度ポリエチレンであった。ポリエステル成分は、クライスター(Crystar)(登録商標)ポリエステル(マージ(Merge)4449)としてイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能な0.53dl/g(米国特許第4,743,504号明細書で測定されているように)の固有粘度のポリ(エチレンテレフタレート)であった。ポリエステル樹脂を通気乾燥機中120℃の空気温度で、百万当たり50部未満のポリマー含水率まで乾燥した。ポリエチレンポリマーを250℃に加熱し、ポリエステルポリマーを別個の押出機で290℃に加熱した。
【0055】
イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能な、8.7重量パーセントのメタクリル酸を含んでなり、10dg/分(ASTM D1238に従って測定されて)のメルトインデックスを有するヌクレル(登録商標)0910エチレン−メタクリル酸コポリマーを、添加物供給機によって押出機の喉でポリエチレン・ペレットに添加した。個々の成分を別々に押し出し、紡糸パック・アセンブリに計量供給し、アセンブリで2つの溶融流れを別々に濾過し、次に分配プレートの積重ねによって混ぜ合わせて多数列のシース−コア繊維断面を提供した。添加のレベルを表1に示す。
【0056】
紡糸パック・アセンブリは合計2016の丸い毛管開口部(各列に72毛管の28列)よりなった。紡糸パックの幅は縦方向に11.3cmであり、横方向に50.4cmであった。ポリマー毛管のそれぞれは0.35mmの直径および1.40mmの長さを有した。
【0057】
紡糸パック・アセンブリを295℃に加熱した。ポリマーを1.0g/穴/分のポリマー押出量速度で各毛管を通して紡糸した。ポリ(エチレンテレフタレート)成分がコアを構成し、ポリエチレン/酸コポリマーブレンドがシースを構成した。ポリエステル成分は繊維の70重量%よりなった。繊維の束を19インチ(48.3cm)の長さにわたって伸びるクロス−フロー急冷で冷却した。減衰力を、直角のスロットジェットによって繊維の束に提供した。紡糸パックと該ジェットの入口との間の距離は25インチ(63.5cm)であった。
【0058】
ジェットを出た繊維を成形ベルト上に集めた。繊維をベルトに固定するのを助けるために減圧をベルトの下にかけた。スパンボンドウェブを、彫刻したオイル加熱金属カレンダーロールと滑らかなオイル加熱金属カレンダーロールとの間で熱接合した。両ロールは466mmの直径を有した。彫刻ロールは、0.466mmのポイントサイズ、0.86mmのポイント深さ、1.2mmのポイント空間、および14.6%の接合面積を有するダイヤモンド・パターン付きクロム被覆未硬化スチール面を有した。滑らかなロールは硬化スチール面を有した。両ロールを110℃ロール温度に加熱し、400ポンド/線インチ(700N/cm)ニップ圧力を用いた。熱接合シートを巻取ロール上へ巻き付けた。スパンボンド・シート特性を下の表1で熱接合シートについて報告する。
【0059】
比較例A
本比較例のスパンボンド・シートは、スパンボンド繊維のポリマーシース成分が本質的にダウ・アスパン(登録商標)61800−34線状低密度ポリエチレンよりなったことを除いて、上の実施例1Aおよび1Bに記載したように製造した。スパンボンド・シート特性を下の表1で熱接合シートについて報告する。
【0060】
【表1】

【0061】
上の結果は、シースが本質的にLLDPEよりなる比較例と比較してシース中にLLDPE/酸コポリマーのブレンドを含む熱接合複合スパンボンドウェブのグラブ引張強度の改善を実証している。
【0062】
実施例2Aおよび2B
実施例2Aおよび2Bは、本発明による熱接合多層SMS不織シートの製造を実証する。実施例2Aのために使用したスパンボンド層は、上の実施例1Aについて記載したものと類似の方法で製造し、実施例2Bのために使用したスパンボンド層は、上の実施例1Bのために用いたものと類似の方法で製造した。スパンボンド層のそれぞれは、実施例1Aおよび1Bと比較して収集ベルトの速度を上げることによって達成される、0.65オンス/ヤード(22.04g/m)の坪量を有した。
【0063】
メルトブローン層は、ポリエチレン成分およびポリエステル成分を含んでなるサイド−バイ−サイド・メルトブローン繊維を含んでなる複合メルトブローンウェブであった。メルトブローンウェブを製造するために使用したポリエチレン成分は、イクィスター(Equistar)GA594−000としてイクィスター・ケミカルズ(Equistar
Chemicals)から入手可能な135g/10分(ASTM D−1238に従って測定されて)のメルトインデックスの線状低密度ポリエチレンであった。ポリエステル成分は、クライスター(登録商標)ポリエステル(マージ4449)としてデュポン(DuPont)から入手可能な0.53dl/g(米国特許第4,743,504号明細書で測定されているように)の固有粘度のポリ(エチレンテレフタレート)であった。ポリエチレンポリマーを260℃に加熱し、ポリエステルポリマーを別個の押出機で305℃に加熱した。
【0064】
2つのポリマーを別々に押し出し、メルトブローするダイ装置に計量供給した。2つのポリマー流れを独立してこのダイ装置中で濾過し、次に混ぜ合わせてサイド−バイ−サイド繊維断面を提供した。ダイは、52.4cmラインに配置された624の毛管開口部を有し、305℃に加熱された。ポリマーを、0.80g/穴/分のポリマー押出量速度で各毛管を通して紡糸した。
【0065】
減衰空気を305℃の温度に加熱し、2つの1.5mm幅の空気チャネルを通して6psig(41.4kPa)の圧力で供給した。2つの空気チャネルは、毛管のラインの両側上のチャネルが毛管開口部から1.5mm後方にセットされた状態で、毛管開口部の5
2.4cmラインの全長にわたった。ポリエチレンを6.0kg/時の速度で紡糸パックに供給し、ポリエステルを24.0kg/時の速度で紡糸パックに供給した。20重量パーセントのポリエチレンおよび80重量パーセントのポリエステルである複合メルトブローンウェブを製造した。メルトブローンウェブを製造するためにメルトブローン繊維を移動成形スクリーン上に13.7cmのダイ−コレクター距離で集めた。メルトブローンウェブをロール上に集めた。メルトブローンウェブは17g/mの坪量を有した。
【0066】
メルトブローンウェブを2つのスパンボンドウェブの間に挟み、層状構造体を上記の加熱エンボッサーとアンビル・ロールとよりなるニップ中で接合した。接合条件は110℃ロール温度、200ポンド/線インチ(350N/cm)ニップ圧力、および20m/分のライン速度であった。SMSシート特性を下の表2で熱接合多層シートについて報告する。
【0067】
比較例B
本比較例の多層SMSシートは、スパンボンド繊維のポリマーシース成分が本質的にダウ・アスパン(登録商標)61800−34線状低密度ポリエチレンよりなったことを除いて、上の実施例2Aおよび2Bに記載したように製造した。SMSシート特性を下の表2で熱接合多層シートについて報告する。
【0068】
【表2】

【0069】
上の結果は、シースが本質的にLLDPEよりなる比較例と比較して複合スパンボンドウェブのシース成分がLLDPE/酸コポリマーのブレンドでできている時の熱接合SMS多層複合シートのグラブ引張強度の改善を実証している。
【0070】
実施例3A〜3C
これらの実施例は、本発明による複合スパンボンド層のソンタラ(登録商標)ポリエステル・スパンレース布への接合を実証する。
【0071】
スパンボンド層は、シースがスパンボンド繊維の30重量パーセントを占め、コアがスパンボンド繊維の70重量パーセントを占めるシース−コア・スパンボンド繊維よりなった。シースは、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能な10重量パーセントのヌクレル(登録商標)0910とダウ・アスパン(登録商標)61800−34としてダウ・ケミカル社(ミシガン州ミッドランド)から入手可能な、20g/10分(ASTM D−1238に従って測定
されて)のメルトインデックスの90重量パーセントの線状低密度ポリエチレンとを含んでなった。ポリエステル・コア成分は、クライスター(登録商標)ポリエステル(マージ4449)としてイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能な0.53dl/g(米国特許第4,743,504号明細書で測定されているように)の固有粘度のポリ(エチレンテレフタレート)であった。スパンボンド布は、実施例1Aおよび1Bについて上に記載したプロセス条件および紡糸装置を用いて製造した。それぞれ50g/m、40g/m、および20g/mの坪量を有する実施例3A、3B、および3Cを製造した。
【0072】
スパンボンド層を、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能な、1.2オンス/ヤード(40.7g/m)の坪量を有するソンタラ(登録商標)8003スパンレース・ポリエステル布の2層の間でヒートシールし、上記の試験方法を用いてヒートシール強度について試験した。ヒートシーリング中に用いた温度およびヒートシール強度を下の表3に報告する。
【0073】
実施例4A〜4C
これらの実施例は、本発明による複合スパンボンド層のソンタラ(登録商標)ポリエステル・スパンレース布への接合を実証する。
【0074】
スパンボンド層は、シースがLLDPEとアイオノマーとのブレンドであるシース−コア・スパンボンド繊維よりなった。使用したポリエチレンはダウ・アスパン(登録商標)61800−34であった。実施例4Aでは、シースは繊維の9重量%、実施例4Bおよび4Cではシースは繊維の10重量%を占めた。実施例4Aでは、シースはイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能な10重量%のサーリン(登録商標)8660アイオノマーを含んだ。サーリン(登録商標)8660アイオノマーは、メタクリル酸基単位がナトリウムイオンで部分中和された、10g/10分(ASTM D−1238に従って190℃で測定されて)のメルトフローインデックスを有するエチレン/メタクリル酸コポリマーである。実施例4Bおよび4Cでは、シースは20重量%のサーリン(登録商標)アイオノマーを含んだ。スパンボンド布は、実施例1Aおよび1Bについて上に記載したプロセス条件および紡糸装置を用いて製造した。実施例4A、4B、および4Cで使用したスパンボンド布はそれぞれ、20g/m、40g/m、および30g/mの坪量を有した。
【0075】
スパンボンド層を、ソンタラ(登録商標)8003スパンレース・ポリエステル布の2層の間でヒートシールし、上の試験方法で記載したようにヒートシール強度について試験した。ヒートシーリング中に用いた温度およびヒートシール強度を下の表3に報告する。
【0076】
比較例CおよびD
これらの比較例は、複合スパンボンド繊維のシースが線状低密度ポリエチレンのブレンドを含んでなる複合スパンボンド層のソンタラ(登録商標)ポリエステル・スパンレース布への接合を実証する。
【0077】
スパンボンド繊維のシースは、繊維の30重量パーセントを占め、80重量%ダウ・アスパン(登録商標)61800−34LLDPEと27g/10分(ASTM D−1238に従って測定されて)のメルトインデックスを有する20重量%ダウ・アスパン(登録商標)6811A LLDPEとを含んでなった。スパンボンド層は、実施例1Aおよび1Bについて上に記載したプロセス条件および紡糸装置を用いて製造した。比較例Cで使用したスパンボンド層は40g/mの坪量を有し、比較例Dで使用したスパンボンド層は20g/mの坪量を有した。
【0078】
スパンボンド層を、ソンタラ(登録商標)8003スパンレース・ポリエステル布の2層の間でヒートシールし、上の試験方法で記載したようにヒートシール強度について試験した。ヒートシーリング中に用いた温度およびヒートシール強度を下の表3に報告する。
【0079】
【表3】

【0080】
これらの実施例は、シース/コア・スパンボンド層のシースがいかなる酸コポリマー添加物も含まない比較例と比較して本発明の実施例についてスパンボンド層とソンタラ(登録商標)スパンレース布との間のヒートシール強度の改善を実証している。
【0081】
ヌクレル(登録商標)酸コポリマーを使用した実施例は最高のヒートシール強度を提供した。20g/mの坪量を有するスパンボンド層を使用した本発明の実施例の幾つかで
は、スパンボンド層がより高い接合温度でソンタラ(登録商標)スパンレース層を通して溶融し、ヒートシール強度のかなりの低下をもたらすことが観察された。ある種の実施例で起こったようなスパンボンド層の溶融は、商用プロセスで材料を製造する時に適切な接合温度およびライン速度を選択することによって回避することができる。
【0082】
比較例で製造したサンプルは非常に低いヒートシール強度を有した。スパンボンド層が使用されず、2つのソンタラ(登録商標)スパンレース層が同一のヒートシール試験条件にさらされた時に、スパンレース層は互いに接合しなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に連続のポリマー・シース−コア・スパンボンド繊維を含んでなる複数成分スパンボンド不織ウェブであって、シース成分がポリエチレンと、エチレンとメタクリル酸、アクリル酸、またはそれらの組合せとのコポリマー、前記コポリマーの金属塩、およびそれらのブレンドよりなる群から選択される約5〜30重量パーセントの酸コポリマーとを含んでなるブレンドを含んでなり、コア成分がポリエステルおよびポリアミドよりなる群から選択されるポリマーを含んでなり、そしてシース成分対コア成分の重量比が約10:90〜90:10である不織ウェブ。
【請求項2】
スパンボンドウェブが熱接合され、かつ、縦方向および横方向の両方にg/m当たり少なくとも0.66Nのグラブ引張強度対坪量の比を有する請求項1に記載の複数成分スパンボンドウェブ。
【請求項3】
スパンボンドウェブがすき合わせ熱接合のパターンで熱接合されている請求項2に記載の複数成分スパンボンドウェブ。
【請求項4】
コア成分が実質的に酸コポリマーを含まない請求項2に記載の複数成分スパンボンド不織ウェブ。
【請求項5】
シース成分対コア成分の重量比が約40:60〜60:40である請求項4に記載の複数成分スパンボンドウェブ。
【請求項6】
シース成分中のポリエチレンが線状低密度ポリエチレンであり、酸コポリマーがエチレンと、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらのブレンドよりなる群から選択される酸とのコポリマーであり、酸コポリマーが約4〜20重量パーセントの酸含有率を有し、そしてコア成分がポリ(エチレンテレフタレート)を含んでなる請求項4に記載の複数成分スパンボンドウェブ。
【請求項7】
シース成分中のポリエチレンが線状低密度ポリエチレンであり、酸コポリマーがエチレンと、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらのブレンドよりなる群から選択される酸とのコポリマーの金属塩であり、酸コポリマーが約5〜25重量パーセントの酸含有率を有し、そしてコア成分がポリ(エチレンテレフタレート)を含んでなる請求項4に記載の複数成分スパンボンドウェブ。
【請求項8】
第1側面および第2側面を有する請求項1に記載の第1複数成分スパンボンド不織ウェブと、
複数成分スパンボンド不織ウェブの第1側面に熱接合されたシート状の層であって、不織ウェブ、織布、編布、およびフィルムよりなる群から選択されるシート状の層と
を含んでなる多層複合シート。
【請求項9】
シート状の層がメルトブローンウェブおよびスパンレースウェブよりなる群から選択される不織ウェブである請求項8に記載の多層複合シート。
【請求項10】
シート状の層がポリエステル繊維を含んでなるスパンレースウェブである請求項9に記載の多層複合シート。
【請求項11】
シート状の層がポリエステルを含んでなる外周面を有するメルトブローン繊維を含んでなるメルトブローンウェブである請求項9に記載の多層複合シート。
【請求項12】
シート状の層が第1および第2スパンボンド層の間に挟まれ、かつ、それらに熱接合されている、請求項1に記載の第2複数成分スパンボンド不織ウェブをさらに含んでなる請求項8に記載の多層複合シート。
【請求項13】
第1および第2複数成分スパンボンドウェブの両方のコア成分が実質的に酸コポリマーを含まない請求項12に記載の多層複合シート。
【請求項14】
シート状の層がポリエステルを含んでなる外周面を有するメルトブローン繊維を含んでなるメルトブローンウェブである請求項13に記載の多層複合シート。
【請求項15】
メルトブローン繊維が複合繊維である請求項14に記載の多層複合シート。
【請求項16】
メルトブローン繊維が線状低密度ポリエチレンをさらに含んでなり、そしてメルトブローン繊維中の線状低密度ポリエチレンおよびポリエステル成分がサイド−バイ−サイド構造に配置されている請求項15に記載の多層複合シート。
【請求項17】
第1および第2複数成分スパンボンドウェブのスパンボンド繊維のシース成分中のポリエチレンが線状低密度ポリエチレンであり、酸コポリマーがエチレンと、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらのブレンドよりなる群から選択される酸コモノマーとのコポリマーであり、酸コポリマーが約4〜20重量パーセントの酸含有率を有し、そして第1および第2複数成分ウェブのスパンボンド繊維のコア成分がポリ(エチレンテレフタレート)を含んでなる請求項14に記載の多層複合シート。
【請求項18】
第1および第2複数成分スパンボンドウェブのスパンボンド繊維のシース成分中のポリエチレンが線状低密度ポリエチレンであり、酸コポリマーがエチレンと、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらのブレンドよりなる群から選択される酸コモノマーとのコポリマーであり、酸コポリマーが約4〜20重量パーセントの酸含有率を有し、そして第1および第2複数成分ウェブのスパンボンド繊維のコア成分がポリ(エチレンテレフタレート)を含んでなる請求項10に記載の多層複合シート。
【請求項19】
複数成分スパンボンドウェブがシート状の層の間に挟まれるように複数成分スパンボンド不織ウェブの第2側面に熱接合された第2のシート状の層であって、不織ウェブ、織布、編布、およびフィルムよりなる群から選択される第2のシート状の層をさらに含んでなる請求項8に記載の多層複合シート。
【請求項20】
第1および第2のシート状の層がスパンレースウェブ、スパンボンドウェブ、編布、および織布よりなる群から選択される請求項19に記載の多層複合シート。
【請求項21】
シート状の層が複数成分スパンボンドウェブに熱点接合されている請求項20に記載の多層複合シート。
【請求項22】
第1および第2のシート状の層がスパンレースウェブを含んでなる請求項21に記載の多層複合シート。

【公表番号】特表2006−528735(P2006−528735A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521255(P2006−521255)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/023670
【国際公開番号】WO2005/010263
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】