説明

複数磁束量子出力ドライバ及び電子デバイス

【課題】 複数磁束量子出力ドライバ及び電子デバイスに関し、占有面積やバイアス電流を増加することなく高速のデーターレートや広いパルス幅を有した出力信号を発生する。
【解決手段】 一つの単一磁束量子パルスを複数に分配するスプリッタの一方の出力側の終端に単一磁束量子パルス反射回路からなる第1の磁束量子回路を接続し、スプリッタの他方の出力側に第2の磁束量子回路を接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数磁束量子出力ドライバに関し、例えば、超電導体を用いた単一磁束量子回路(SFQ回路)を用いたさまざまな超電導ディジタル回路の出力信号を半導体回路に出力するための複数磁束量子出力ドライバ及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
単一磁束量子(SFQ)を用いた超電導アナログ/ディジタル回路は半導体回路に比べて高速かつ低消費電力で動作するという特長を有する。その応用として超高速のプロセッサ、ネットワーク用のルータースイッチ、ADコンバータなどへの応用をめざして研究開発が精力的に行われている。
【0003】
SFQ論理回路ではSFQパルスを用いた論理演算・信号処理が高速に行われるが(例えば、非特許文献1参照)、超高速な信号処理後のデータは最終的には室温環境の半導体回路・素子に受け渡す必要がある。そのためには電圧振幅がmV、時間幅がpsオーダーのSFQパルスを半導体が動作する信号波形に変換する必要がある。
【0004】
そのため、従来、SFQパルス論理から電圧出力となるレベル論理に変換する出力インターフェイス回路として種々のドライバが開発されてきた(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
例えば、
(a)磁界結合入力でヒステリシスのないSQUIDを直列接続したDC駆動のSQUID型(例えば、非特許文献2参照)、
(b)ヒステリシスのある接合を直並列に接続したAC駆動のスタック型(例えば、非特許文献3参照)、或いは、
(c)セルフリセット回路を設けたDC駆動のDCラッチ型(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0006】
図7は、従来のSQUID型ドライバの説明図であり、図7(a)はSQUID一個分の回路構成図であり、図7(b)はSQUID型ドライバの回路構成図であり、図7(c)は入力SFQパルスと出力パルスの説明図である。
【0007】
スプリッタ(SPL)で一つのSFQパルスを複数に分配した後RS(セットリセット)フリップフロップ(RSFF)を介してSQUIDで出力する構成である。この場合にはRSFFにSFQを蓄積することで出力信号のパルス幅を広くするとともに、多数(図の例では16個)のSQUIDを直列接続することで出力電圧を増加させている。
【0008】
このSQUIDドライバは比較的高速動作が可能であるが、回路規模が大きくバイアス電流の総量が多くなるとともに占有面積も大きくなる。
【0009】
図8は、従来のAC駆動のスタック型ドライバの回路構成図であり、n+1個のヒステリシスを有するジョセフソン接合と抵抗の直列接続回路とn個のヒステリシスを有するジョセフソン接合と抵抗の直列接続回路との並列接続回路に交流バイアス(AC Bias)を印加したものである。
【0010】
SFQ信号が入力されると、n+1個のジョセフソン接合と抵抗からなる左側の直列接続回路の入力端子に隣接するジョセフソン接合J1がスイッチして電圧状態となり、右側の直列接続回路に電流が流れる。
【0011】
この時、右側の直列接続回路のすべてのジョセフソン接合がスイッチして電圧状態になるとともに、リセットされて超電導状態になっている左側の直列接続回路に再び電流が流れて、左側の直列接続回路でまだ超電導状態であったジョセフソン接合が電圧状態となる。その結果、負荷回路に電流が流れ、負荷回路に出力電圧が発生する。この回路では、ヒステリシスのあるジョセフソン接合を用いるために、一度発生した電圧は維持されるので、電圧状態を停止するために、交流バイアス(AC Bias)を一旦ゼロにする必要がある。
【0012】
このドライバは回路規模が小さく出力電圧を大きくとれることと交流(AC)バイアス電流で動作するためにパルス幅を広くできる特徴がある。一方、動作速度はパンチスルーの問題などもありSFQ回路に比べて遅くなり、また高周波になるほどACバイアス電流の供給が難しくなりグランド電位の変動も問題となる。
【0013】
図9は、従来のDC駆動のラッチ型ドライバの回路構成図であり、2個のヒステリシスを有するジョセフソン接合と抵抗の直列接続回路と1個のヒステリシスを有するジョセフソン接合と抵抗の直列接続回路との並列接続回路に直流バイアスDCBiasを印加するとともに、出力側にインダクタLと抵抗Rとの直列接続回路からなるセルフリセット回路を設けたものである。
【0014】
SFQ信号が入力されると、左側の直列接続回路の入力端子に隣接するジョセフソン接合J1がスイッチして電圧状態となり、右側の直列接続回路に電流が流れてジョセフソン接合が電圧状態にスイッチする。その後、リセットされて超電導状態になっている左側の直列接続回路に再び電流が流れて、左側の直列接続回路でまだ超電導状態であったジョセフソン接合が電圧状態となる。その結果、負荷回路に電流が流れ、負荷回路に出力電圧が発生する。
【0015】
この時、左右のジョセフソン接合がともにスイッチして電圧状態になるが、セルフリセット回路の時定数LRに応じてリセット回路に電流が流れて電圧状態が解除されて初期状態に復帰する。このDC駆動のラッチ型ドライバの場合には、バイアス電流を一旦ゼロにする必要がないので、動作が簡単になる。
【0016】
但し、回路規模が小さくDCバイアスで動作するが出力のパルス幅は比較的狭く、セルフリセット回路の時定数などにより動作速度はスタック型ドライバと同程度に制限される。このように、これら従来の出力インターフェイス回路は、回路規模や動作速度などの観点からそれぞれ一長一短がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2009−188779号公報
【特許文献2】特開2005−260364号公報
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】K.K.Likharev and V.K.Semenov, “RSFQ Logic/Memory Family:A new Josephson−JunctionTechnology for Digital Systems,“ IEEETrams.Appl.Supercond,Vol.1,MARCH 1991
【非特許文献2】O.A.Mukhanov et al.,IEEE Trans.onAppl.Superconductivity,Vol.7,No.2,pp.2826〜2831,JUNE 1997
【非特許文献3】H.Suzuki et al.,IEEE Trans.on Electron Devices,Vol.37,No.11,pp.2399〜2405,Nov.1990
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
上述のように、従来の回路において課題となっている高速動作に関しては外部の半導体回路を動作させるに必要な電圧出力を得るためにSFQ回路に比べて動作速度が遅くならざるを得ないという本質的な問題がある。また、回路規模が大きくなり占有面積が増加したり或いはバイアス電流が増加するという問題がある。
【0020】
したがって、本発明は、占有面積やバイアス電流を増加することなく高速のデーターレートや広いパルス幅を有した出力信号を発生することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
開示する一観点からは、一つの単一磁束量子パルスを複数に分配するスプリッタと、前記スプリッタの一方の出力側の終端に接続された第1の磁束量子回路と、前記スプリッタの他方の出力側の接続された第2の磁束量子回路とを少なくとも有し、前記第1の磁束量子回路は入力された単一磁束量子パルスを反射させる単一磁束量子パルス反射回路であることを特徴とする複数磁束量子出力ドライバが提供される。
【0022】
また、開示する別の観点からは、少なくとも最終段の出力部が、終端を開放したジョセフソン伝送線路の終端のジョセフソン接合をアンダーダンピング状態にしたダブル磁束量子回路であることを特徴とする複数磁束量子出力ドライバが提供される。
【0023】
また、開示するさらに別の観点からは、上述の複数磁束量子出力ドライバの出力端と、半導体回路の入力端とを接続したことを特徴とする電子デバイスが提供される。
【発明の効果】
【0024】
開示の複数磁束量子出力ドライバ及び電子デバイスによれば、占有面積やバイアス電流を増加することなく高速のデーターレートや広いパルス幅を有した出力信号を発生することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態のMFQ出力ドライバの説明図である。
【図2】本発明の実施例1のMFQ出力ドライバの概念的回路構成図である。
【図3】本発明の実施例2のMFQ出力ドライバの概念的回路構成図である。
【図4】本発明の実施例3のMFQ出力ドライバの概念的回路構成図である。
【図5】本発明の実施例4のMFQ出力ドライバの概念的回路構成図である。
【図6】本発明の実施例5のMFQ出力ドライバの概念的回路構成図である。
【図7】従来のSQUID型ドライバの説明図である。
【図8】従来のAC駆動のスタック型ドライバの回路構成図である。
【図9】従来のDC駆動のラッチ型ドライバの回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで、図1を参照して、本発明の実施の形態の複数磁束量子出力ドライバを説明する。SFQ(単一磁束量子)パルスの電圧を時間的に積分した値が、磁束量子(Φ=2.07×10−15 Wb)である。また、SFQ集積回路の動作速度を速めるために回路を構成するジョセフソン接合の臨界電流密度を高くするのに伴い、SFQパルスの電圧振幅は大きく且つパルス幅は狭くなる。即ち、スイッチング速度をτ、臨界電流をJ、SFQパルスの電圧振幅をVとすると、
τ∝1/(J1/2
V∝(J1/2
である。したがって高速化した集積回路では、臨界電流Jcを高めることによりSFQパルスの電圧振幅Vを高くすることはできるので、半導体回路に信号を受け渡す出力ドライバではパルス幅を広くすることが特に重要になる。
【0027】
図1は、本発明の実施の形態の複数磁束量子(MFQ)出力ドライバの説明図である。図1(a)は概念的回路構成図であり、図1(b)は、単一磁束量子パルス反射回路の一例となる終端を開放したジョセフソン伝送線路の終端のジョセフソン接合をアンダーダンピング状態にしたダブル磁束量子回路の概念的回路構成図である。
【0028】
本発明の実施の形態のMFQ出力ドライバは、一つのSFQパルスを分岐するスプリッタ11と、スプリッタ11の一方の出力側の終端に接続された第1の磁束量子回路12と、スプリッタ11の他方の出力側に接続された第2の磁束量子回路13とを備えている。
【0029】
第1の磁束量子回路12は、入力されたSFQパルスを反射させる単一磁束量子(SFQ)パルス反射回路である。図1(b)に示すように、このSFQパルス反射回路は、通常は、終端を開放したジョセフソン伝送線路の終端のジョセフソン接合をアンダーダンピング状態にしたダブル磁束量子(DFQ)パルス発生回路からなる。
【0030】
第2の磁束量子回路13は、最初に分配されたSFQパルスと第1の磁束量子回路12で反射された反射SFQパルスとを合成して出力するDFQパルス発生回路或いはジョセフソン伝送線路(JTL)からなる。第2の磁束量子回路13をDFQパルス発生回路とした場合には、一つのSFQパルスに対して4つのSFQパルスが出力される。
【0031】
反射SFQパルスとあらかじめ分配されたSFQパルスがスプリッタ11で合成されて出力回路に伝わる。さらに、出力回路の終端もDFQ発生回路にすることで出力パルス数をさらに2倍にすることができる。したがって、この場合には、一つのSFQパルス入力に対して4つのSFQパルスが出力され、実効的にはパルス幅が広がったパルスを出力できる。
【0032】
或いは、スプリッタ11を用いることなく、出力回路の終端部にDFQパルス発生回路を設けるだけでも半導体回路に2つのSFQパルスを出力できる。
【0033】
このように、本発明の実施の形態では、一つのSFQパルスを分岐し、反射により発生したSFQパルスと合成することで、高速のデーターレートや広いパルス幅を有した出力信号を発生することが可能になる。また、それによって、システムの簡素化や安定化をはかることができる。
【0034】
また、必要に応じてこれらを多段(N段)接続することでSFQのパルス数をN個に増やすことができ、また、半導体に接続する出力回路部においてもSFQパルスを2倍に増やすことでSFQのパルス数を2N個に増やすことができる。
【実施例1】
【0035】
次に、図2を参照して、本発明の実施例1のMFQ出力ドライバを説明するが、図2は、本発明の実施例1のMFQ出力ドライバの概念的回路構成図である。入力段のJTL21、スプリッタ22、スプリッタ22の一方の出力側に接続されたJTL23、JTL23に接続されたDFQパルス発生回路24、スプリッタ22の他方の出力側に接続されたJTL25、JTL25に接続されたDFQパルス発生回路26からなる。
【0036】
また、スプリッタ22の入力端及びDFQパルス発生回路26の入力端には、SFQパルスの逆流防止のためのエスケープ用ジョセフソン接合27,28が接続されている。なお、JTL21,23,25は、接合と並列に抵抗を接続した通常のクリティカルダンピングのJTLであり、以下においてJTLで表記する場合にも同様である。
【0037】
この実施例1においては、入力された1つのSFQパルスをスプリッタ22により2つに分配し、その一方の出力DFQパルス発生回路24で反射して反射SFQパルスを発生している。この反射SFQパルスはスプリッタ22を通して他方のスプリッタ出力に伝えることで当初に分配されたSFQパルスと合わせて二つのSFQパルスが出力に伝わる。
【0038】
この例では、半導体回路に接続する出力にもDFQ発生回路26を用いることで4つのSFQパルス出力を発生する。この回路動作においてDFQパルス発生回路24で反射したSFQ反射パルスは入力側にも戻りそのままでは正しい動作ができない。しかし、スプリッタ22の入力端にエスケープ用ジョセフソン接合27を接続しているので、SFQ反射パルスは消滅し正常に回路が動作する。
【0039】
また、DFQ発生回路26で反射される反射SFQパルスも、エスケープ用ジョセフソン接合28により消滅するので、反射SFQパルスが逆流することはない。なお、これらのSFQパルスの逆流防止の方法として、上記の非特許文献1に記載されているSFQ論理回路ファミリーで用いられているバッファ回路を使用しても良い。因みに、各回路要素を構成するジョセフソン接合をNb/AlO/Al/Nbで形成した場合には、臨界電流密度は2.5kA/cmでパルス電圧振幅は0.3mV、10kA/cmで0.6mVとなる。
【実施例2】
【0040】
次に、図3を参照して、本発明の実施例2のMFQ出力ドライバを説明する。図3は本発明の実施例2のMFQ出力ドライバの概念的回路構成図であり、ここでは、図2におけるスプリッタ22とJTL23及びJTL25を合わせたものをスプリッタ合成回路29として示している。
【0041】
図に示すように、スプリッタ合成回路29,29,・・・を多段接続するとともに、各スプリッタ合成回路29,29、・・・のスプリッタの一方の出力側に接続されるJTLにそれぞれDFQパルス発生回路30,30,・・・を接続したものである。また、各スプリッタ合成回路29,29,・・・の間には、反射SFQパルス逆流防止用のエスケープ用ジョセフソン接合31,31,・・・を接続する。このエスケープ用ジョセフソン接合は、スプリッタとJTLの間の任意の位置に配置可能である。
【0042】
このように、本発明の実施例2においては、スプリッタを多段(N段)に接続しているので、2N個のSFQパルスからなるMFQパルス出力を得ることができる。なお、最終段のスプリッタ合成回路29にDFQパルス発生回路を接続することによって、4N個のSFQパルスからなるMFQパルス出力を得ることができる。
【実施例3】
【0043】
次に、図4を参照して、本発明の実施例3のMFQ出力ドライバを説明する。図4は本発明の実施例3のMFQ出力ドライバの概念的回路構成図であり、ここでも、図2におけるスプリッタ22とJTL23及びJTL25を合わせたものをスプリッタ合成回路29として示している。
【0044】
この本発明の実施例3においては、入力段のスプリッタ22の両方の出力端に実施例2の回路構成を接続するとともに、両方の最終段のスプリッタ合成回路29の出力をパルス合成回路となるコンフルエンスバッファ32に入力したものである。この場合には、一つのSFQパルスを4N個のSFQパルスにしたMFQパルス出力を得ることができる。なお、ここでは、2つの回路の合成を示したが、さらに多くのパルスを合成することも可能である。
【実施例4】
【0045】
次に、図5を参照して、本発明の実施例4のMFQ出力ドライバを説明する。図5は本発明の実施例3のMFQ出力ドライバの概念的回路構成図であり、スプリッタは使用せずに単にDFQパルス発生回路33の出力を外部の半導体回路に接続した例である。なお、この場合にも、入力側に反射SFQパルス逆流防止用のエスケープ用ジョセフソン接合34を接続する。
【0046】
例えば、InPを用いたHEMTやHBT等の高周波動作が可能な半導体増幅器などをたとえば低温環境で動作させて低ノイズ化をはかることにより、このような簡単な回路構成でも、DFQ出力パルスを十分大きな振幅およびパルス幅に変換することができる。
【実施例5】
【0047】
次に、図6を参照して、本発明の実施例5のMFQ出力ドライバを説明する。図6は本発明の実施例5のMFQ出力ドライバの概念的回路構成図であり、実質的に実施例1のMFQ出力ドライバの最終出力段にローパスフィルタ35を設けて半導体回路36と接続したものである。
【0048】
この場合のローパスフィルタ35は、LR回路で実現できるものであり、コイルL及び抵抗Rは半導体チップの内部或いは外部に設けたローパスフィルタ専用のL及びRでも良い。或いは、半導体回路に備えられた抵抗をローパスフィルタの抵抗Rとして用いて、実効的なローパスフィルタとしても良い。なお、ローパスフィルタ35としてはLCやRCなどで構成することも可能である。
【符号の説明】
【0049】
11 スプリッタ
12 第1の磁束量子回路
13 第2の磁束量子回路
21,23,25 JTL
22 スプリッタ
24,26 DFQパルス発生回路
27,28 エスケープ用ジョセフソン接合
29,29,・・・ スプリッタ合成回路
30,30,・・・ DFQパルス発生回路
31,31,・・・エスケープ用ジョセフソン接合
32 コンフルエンスバッファ
33 DFQパルス発生回路
34 エスケープ用ジョセフソン接合
35 ローパスフィルタ
36 半導体回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの単一磁束量子パルスを複数に分配するスプリッタと、
前記スプリッタの一方の出力側の終端に接続された第1の磁束量子回路と、
前記スプリッタの他方の出力側に接続された第2の磁束量子回路と
を少なくとも有し、
前記第1の磁束量子回路は入力された単一磁束量子パルスを反射させる単一磁束量子パルス反射回路であることを特徴とする複数磁束量子出力ドライバ。
【請求項2】
前記第1の磁束量子回路が、終端を開放したジョセフソン伝送線路の終端のジョセフソン接合をアンダーダンピング状態にしたダブル磁束量子回路であることを特徴とする請求項1に記載の複数磁束量子出力ドライバ。
【請求項3】
前記複数磁束量子出力ドライバの外部の半導体回路と接続する出力回路が、ジョセフソン伝送線路或いは終端を開放したジョセフソン伝送線路の終端のジョセフソン接合をアンダーダンピング状態にしたダブル磁束量子回路のいずれかであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複数磁束量子出力ドライバ。
【請求項4】
前記スプリッタの入力側に、前記反射された単一磁束量子パルスが逆流しないように逃すためのジョセフソン接合を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の複数磁束量子出力ドライバ。
【請求項5】
前記スプリッタと第1の磁束量子回路と第2の磁束量子回路とを、前段の第2の磁束量子回路と後段のスプリッタを接続することにより多段接続構造にしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の複数磁束量子出力ドライバ。
【請求項6】
少なくとも最終段の出力部が、終端を開放したジョセフソン伝送線路の終端のジョセフソン接合をアンダーダンピング状態にしたダブル磁束量子回路であることを特徴とする複数磁束量子出力ドライバ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の複数磁束量子出力ドライバの出力端と、半導体回路の入力端とを接続したことを特徴とする電子デバイス。
【請求項8】
前記複数磁束量子出力ドライバの出力端と、半導体回路の入力端との間に、ローパスフィルタ或いは配線や半導体の入力回路からなる等価的なローパスフィルタのいずれかを接続したことを特徴とする請求項7に記載の電子デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−58998(P2013−58998A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197568(P2011−197568)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代高効率ネットワークデバイス技術開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(391004481)公益財団法人国際超電導産業技術研究センター (144)
【Fターム(参考)】