説明

複数種の危険に対して防護する物品およびそれらを作製するための方法

【課題】布地およびフィルム層を有する物品であって、放射線、化学品、生物剤、金属飛来物および火炎の危険を含む複数の危険に対する防護が可能な物品を提供すること。
【解決手段】いくつかの実施の形態において、本発明の布地およびフィルムが、複数種の危険に対する防護と優れた熱放散特性とを有する衣類の製造に使用される。放射線防護用化合物は、好ましくは、バリウム、ビスマス、タングステンまたはこれらの化合物などの放射線不透過性材料を、粉末状ポリマー、ペレット状ポリマー、あるいは溶媒または水によるポリマーの溶液、乳液または懸濁液と混合することによって生成される。次いで、この放射線防護用混合物を、化学品防護用衣類、生物剤防護用衣類、防弾チョッキまたは難燃性衣類に使用される防護用ポリマー・フィルムや布地など、他の種類の防護用フィルムまたは布地に積層し、あるいは他の方法で付着させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
この出願は、係属中の「Lightweight Radiation Protective Articles And Methods For Making Them」という名称の2002年9月9日付の出願第10/238,160号の部分係属出願であり、この出願自身は、2001年8月27日に出願され2002年10月1日に米国特許第6,459,091号として発行された「Lightweight Radiation Protective Garments」という名称の出願第09/940,681号の部分継続出願であり、さらにこの出願は、1998年12月7日に出願され2001年8月28日に米国特許第6,281,515号として発行された「Lightweight Radiation Protective Garments」という名称の出願第09/206,671号の部分継続出願であった。
【0002】
(技術分野)
本発明は、布地、化合物、およびフィルム層を含む物品に関し、放射線、化学品、生物剤、金属飛来物および火炎などの生命を脅かす危険に対する防護をもたらすことができる物品に関する。いくつかの実施の形態において、本発明の布地およびフィルムは、複数種の危険に対する防護と優れた熱放散特性とを備える衣類を製造するために使用される。
【背景技術】
【0003】
(背景技術)
今日においては、深刻な傷害や死亡でさえ引き起こしかねないような多くの種類の危険が存在する。これらの危険には、放射線、腐食性または毒性の化学品、感染性の生物剤、弾丸や爆発物の破片などの金属飛来物、および火炎などがある。これらの危険の多くは以前から知られていたが、2001年9月11日のワールド・トレード・センターへのテロ攻撃を含む近年のテロリストたちの活動に照らし、これらに対する防護がより火急かつ困難になっている。
【0004】
今日直面する危険の多くは、原子力発電所、核燃料処理工場、核廃棄物処理施設、X線スキャナ、化学品生成施設および生物学研究所などの場所に限られるものと考えられてきた。しかしながら、テロリズムの拡大は、これらの危険をほぼあらゆる場所へと広げた。放射線の場合、核廃棄物材料を取り入れた「汚い爆弾」など携帯できる核爆弾の爆発によって、致死的な放射線が大都市地域の全体に広がりうる。同様に、もはや感染性生物剤の放出を生物学研究施設に閉じ込めておくことはできず、テロリストがそのような感染性生物剤を放出することを選択したあらゆる場所で生じうる。
【0005】
生命を脅かす危険に対する防護がきわめて広い地域にわたって必要とされることに加え、複数の種類の危険に対する同時の防護も求められる。例えば、原子力発電所の核の危険について、テロリストの出現が、同じ原子力発電所に致死的な生物剤または化学剤を放出する可能性を意味することは、容易に理解できる。同様に、生物学研究施設において致死的な生物剤の放出に対する防護を試みるとき、テロリストによるそのような研究施設の付近での「汚い爆弾」の爆発が、放射線の深刻な危険を引き起こしうる。これらの理由から、最も予測される種類の危険を考慮するだけでは、もはや効果的な防護をもたらすことができない。
【0006】
今日では、複数の種類の危険に対する防護を効果的かつ経済的に提供するための方法が求められている。過去においては、例えば、衣服が特定の脅威に対する防護をもたらすように作られていた。放射線の場合には、放射線不透過性の防護服の製造を通じて放射線の有害な影響を緩和する試みが、過去に多数存在している。典型的には、これら放射線不透過性の衣服は、ゴムなどの堅い材料で構成されており、放射線を遮ることができる鉛や他のいくつかの重金属が含浸されている。鉛を含浸させてなる放射線不透過性の防護服の例は、Hollandの米国特許第3,052,799号、Whittakerの米国特許第3,883,749号、Leguillonの米国特許第3,045,121号、Viaの米国特許第3,569,713号、およびStillの米国特許第5,038,047号に見つけることができる。他の場合には、Shahの米国特許第5,245,195号およびLagaceの米国特許6,153,666号など、放射線不透過性の材料が重合体フィルムに組み合わされている。
【0007】
弾丸や爆発物の破片など、金属飛来物という特定の脅威に対処すべく作られた衣服も存在する。例えば、Borgeseの米国特許第4,989,266号およびStoneの米国特許第5,331,683号が、2種類の防弾チョッキを開示している。
【0008】
さらに、腐食性または毒性の化学品に対する耐性をもたらすため、布地が開発されている。そのような化学品防護布の例は、インターネットを検索して見つけることができる。そのような化学品防護布には、DuPont社のTyvek(登録商標)などのポリエチレン布地、Kimberly‐Clark社のKleenguard(登録商標)やKappler社のProshield(登録商標)などのポリプロピレン布地、DuPont社のTyChem(登録商標)やKimberly Clark社のHazardGard I(登録商標)などのプラスチック積層布地、およびDuPont社のNexGen(登録商標)やKappler社のProshield 2(登録商標)などの微小孔フィルムを基本とする布地などがある。これらの化学品防護布は、通常は、生物剤に対する防護も提供している。
【0009】
これら先行技術の布地、化合物および衣類は、それらが対処するように設計された特定の脅威に対して防護を提供するが、多くの欠点を抱えている。例えば、鉛を満たしてなる従来技術の衣類は、放射線の有害な影響に対して良好な防護手段を提供するが、これら先行技術の衣類は、重く、堅く、高価であって、かさばることがしばしばである。このように、これらの衣類は、多くの場合快適ではなく、煩わしいものであり、拘束を感じさせるものである。また、当然ながら、鉛は、きわめて注意深く取り扱わなければならない毒性物質であり、安易に廃棄することはできない。さらに、従来技術の放射線防護服は、通常は、かさばり、高価であり、有毒であるため、使用のたびごとに捨ててしまうことはできず、したがって消毒および汚染除去の問題が存在する。
【0010】
同様に、従来技術の防弾チョッキおよび防爆スーツは、熱の放散特性が好ましくない傾向にある。これらの防弾チョッキおよび防爆スーツは、高温時には、ユーザが熱さでオーバーヒートする恐れを避けて防護をあきらめるほどに、装着が不快になる可能性がある。さらに、この乏しい熱の放散は、軍用においてさらなる欠点を有している。兵士の体の熱が防弾チョッキまたは防爆スーツの内側に蓄積されるようなことがあると、その兵士は、熱を放出することができる体の他の領域中に、高温のいわゆる「熱痕跡」を有することになる。この不均一な「熱痕跡」のため、この兵士の所在が、敵の熱画像化装置によって容易に突き止められてしまう。ハイテク戦の戦場における生存のため、体の全体からすみやかに熱を放出して「熱痕跡」を均一にすることが、兵士にとって好ましい。
【0011】
さらに、或る1つの危険に対して効果的であるよう設計された衣類が、他の危険に対して効果がないという場合が、しばしばありうる。例えば、従来技術の放射線防護服は、弾丸の遮断においてはおそらく有効ではないであろう。反対に、従来技術の防弾チョッキおよび防爆スーツは、放射線の遮蔽においては有効でないだろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の開示)
本発明は、布地およびフィルム層を含む物品であって、放射線、化学品、生物剤、金属飛来物および火災の危険を含む複数の危険に対する防護が可能な物品に向けられている。いくつかの実施の形態において、本発明の布地およびフィルムは、複数種の危険に対する防護と優れた熱放散特性とを有する衣類の製造に使用される。他の実施の形態においては、この防護性の布地またはフィルムを、ポンチョ、保護用テント、核物質検出プローブ、壁紙、家屋の羽目板、屋根材、家屋の基礎用複合材、あるいは商用航空機の客室、空港のスキャナ、食品照射装置またはX線室の裏打ち材の製造に使用することができる。さらに、本発明の材料を、塗料または被覆に取り入れることができ、幅広い種類の表面に適用することができる。
【0013】
放射線防護用化合物は、好ましくは、バリウム、ビスマス、タングステンまたはこれらの化合物などの放射線防護材料を、粉末状ポリマー、ペレット状ポリマー、あるいは溶媒または水によるポリマーの溶液、乳液または懸濁液と混合することによって生成される。ポリマーは、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、天然ラテックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテートおよびポリエステルを含む幅広い範囲のプラスチックから好都合に選択することができるが、これらに限られるわけではない。次いで、この放射線防護用重合体混合物が、好ましくは1つ以上の布地の層に組み合わされる。
【0014】
この結果、他の種類の危険防護を、放射線に対する防護に組み合わせることができる。例えば、この放射線不透過性のポリマー化合物を、有害な化学品、生物剤、金属飛来物または火炎に対する防護を提供する1つ以上の市販の布地に積層することができる。これら市販の布地には、DuPont社のTyvek(登録商標)などのポリエチレン布地、Kimberly‐Clark社のKleenguard(登録商標)やKappler社のProshield(登録商標)などのポリプロピレン布地、DuPont社のTyChem(登録商標)やKimberly Clark社のHazardGard I(登録商標)などのプラスチック積層布地、DuPont社のNexGen(登録商標)やKappler社のProshield 2(登録商標)などの微細孔フィルム主体の布地、Blucher GmbHのSaratoga(商標)などのカーボン球複合布地、およびDuPont社のKevlar(登録商標)やNomex(登録商標)などのアラミド布地がある。
【0015】
あるいは、有害な化学品、生物剤、火炎または金属飛来物に対する防護を提供することができるフィルムを、本発明の放射線防護布地またはフィルムに積層することができ、あるいは他の方法で貼り付けることができる。この追加のフィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ネオプレン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))、カプトン(登録商標)、Mylar(登録商標)、またはこれらの組み合わせなど、種々の重合体材料から形成することができる。
【0016】
熱、湿気または兵士の熱痕跡が問題となる場合、銅、銀、アルミニウム、金、ベリリウム、タングステン、マグネシウム、カルシウム、炭素、モリブデン、および/または亜鉛などの熱放散化合物を、1つ以上の布地層へと塗布する前の放射線防護重合体混合物に、加えることができる。あるいは、熱放散重合体層を特有に製造し、放射線防護布に貼り付けることができる。
【0017】
放射線防護布は、単独または他の層(例えば、化学品防護、熱放散)との組み合わせにて、防弾チョッキまたは防爆スーツに組み込むことができる。通常は、防弾チョッキおよび防爆スーツは、一体に縫合されたアラミドおよび/またはポリエチレン布地層で構成される。このような防弾チョッキまたは防爆スーツに放射線防護を付加するため、放射線防護布層を、アラミドおよび/またはポリエチレン繊維層の間に縫い付けることができ、あるいはアラミドおよび/またはポリエチレン繊維層に積層することができる。化学品および生物剤に対する防護も、化学品防護フィルムをアラミドおよび/またはポリエチレン防弾布地に縫い込む、あるいは積層することによって付与することができる。
【0018】
同様の原理を用い、DuPont社が製造するアラミド布地であるNomex(登録商標)またはKevlar(登録商標)などの公知の難燃性布地を、本発明の防弾、放射線防護、耐化学品、耐生物剤および/または熱放散の布地層に縫合または積層によって組み合わせ、生命を脅かすさまざまな形式の危険に対して防護を提供する衣類を生み出すことができる。そのような衣類を、「汎用」防護用衣類として特徴付けることができる。さらに、本発明の原理は、手術用頭巾、病院用ガウン、手袋、患者用掛け布、ポンチョ、間仕切り、覆い、ツナギ、軍服、作業着、テント、包装材料、小袋、壁紙、裏打ち材、乾式壁体、家屋の羽目板、家屋の基礎、放射線プローブなど、幅広い範囲の他の物品に適用することができる。さらに、含浸による眼前シールドなど、放射線不透過特性を備えた透明な品物を、本発明の防護用衣類に取り付け、あるいは組み込むことができる。
例えば、本発明は、以下を提供する。
(項目1)
50重量%超の放射線防護材料および50重量%未満のポリマーを含み、該放射線防護材料が、タングステンおよび/または硫酸バリウムを含んでいる放射線防護用重合体混合物。
(項目2)
前記ポリマーが、エチルビニルアセテートおよびポリエチレンからなる群から選択される項目1に記載の放射線防護用重合体混合物。
(項目3)
約85重量%の放射線防護材料および約15重量%のポリマーを含む項目1に記載の放射線防護用重合体混合物。
(項目4)
前記放射線防護材料が、約75重量%のタングステン、約20重量%の硫酸バリウム、および約5重量%のビスマスである項目3に記載の放射線防護用重合体混合物。
(項目5)
布地の層、および
該布地へと接着され、あるいは他の方法で取り付けられた放射線防護用重合体混合物、を含む放射線防護用複合布地であって、
該放射線防護用重合体混合物が、ポリマーと、バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料とを含む、
放射線防護用布地。
(項目6)
前記放射線防護材料が、タングステンおよび/または硫酸バリウムを含んでいる項目5に記載の放射線防護用布地。
(項目7)
前記重合体混合物が、50重量%超の放射線防護材料および50重量%未満のポリマーを含む項目6に記載の放射線防護用布地。
(項目8)
前記ポリマーが、エチルビニルアセテートおよびポリエチレンからなる群から選択される項目5に記載の放射線防護用布地。
(項目9)
前記放射線防護材料が、約75重量%のタングステン、約20重量%の硫酸バリウム、および約5重量%のビスマスである項目5に記載の放射線防護用布地。
(項目10)
前記布地の層が、織布および不織布からなる群から選択される項目5に記載の放射線防護用布地。
(項目11)
前記織布が、織った布である項目10に記載の放射線防護用布地。
(項目12)
前記不織布が、高速紡ぎのポリエチレンを含んでいる項目10に記載の放射線防護用布地。
(項目13)
織布の層、
不織布の層、および
2つの布地層の間に介装された放射線防護用重合体混合物、
を含む放射線防護用複合布地であって、
該放射線防護用重合体混合物が、タングステンおよび/または硫酸バリウムを含んでいる50重量%超の放射線防護材料、ならびに50重量%未満のポリマーを含む、
放射線防護用布地。
(項目14)
前記織布の層が、織った布であり、前記不織布の層が、高速紡ぎのポリエチレンを含んでいる項目13に記載の放射線防護用布地。
(項目15)
前記ポリマーが、エチルビニルアセテートおよびポリエチレンからなる群から選択される項目13に記載の放射線防護用複合布地。
(項目16)
項目13に記載の複合布地から構成された衣類。
(項目17)
項目13に記載の複合布地から構成された上下続きのツナギ衣類。
(項目18)
項目13に記載の複合布地から構成されたズボンおよびジャケットから構成されるツーピースの衣類。
(項目19)
ユーザを放射線の危険および飛来物の貫通の危険の両者に対して防護することができる物品であって、
飛来物の貫通に対する耐性を有する重合体層、および
該耐飛来物貫通層へと接着され、あるいは他の方法で取り付けられた放射線防護用重合体混合物、
を含み、
該放射線防護用重合体混合物が、ポリマーと、バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料とを含む、
危険防護用物品。
(項目20)
前記放射線防護材料が、タングステンおよび/または硫酸バリウムを含んでいる項目19に記載の危険防護用物品。
(項目21)
前記放射線防護用重合体混合物中のポリマーが、エチルビニルアセテート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、天然ラテックス、ポリプロピレンおよびポリエステルからなる群から選択される項目19に記載の危険防護用物品。
(項目22)
前記耐飛来物貫通層が、アラミド布地およびポリエチレン布地からなる群から選択される項目19に記載の危険防護用物品。
(項目23)
前記耐飛来物貫通層が、アラミド布地および/またはポリエチレン布地の複数の層を含んでいる項目22に記載の危険防護用物品。
(項目24)
前記アラミド布地および/またはポリエチレン布地の複数層の少なくともいくつかが、熱可塑性材料によって包まれている項目23に記載の危険防護用物品。
(項目25)
前記放射線防護用重合体混合物が、前記耐飛来物貫通層へと積層されている項目19に記載の危険防護用物品。
(項目26)
前記物品が防弾チョッキである項目19に記載の危険防護用物品。
(項目27)
前記物品が防爆スーツである項目19に記載の危険防護用物品。
(項目28)
ユーザを放射線の危険および火炎の危険の両者に対して防護することができる物品であって、
火炎に対する耐性を有する重合体層、および
該耐火層へと接着され、あるいは他の方法で取り付けられた放射線防護用重合体混合物を含み、
該放射線防護用重合体混合物が、ポリマーと、バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料とを含む、
危険防護用物品。
(項目29)
前記放射線防護材料が、タングステンおよび/または硫酸バリウムを含んでいる項目28に記載の危険防護用物品。
(項目30)
前記放射線防護用重合体混合物中のポリマーが、エチルビニルアセテート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、天然ラテックス、ポリプロピレン、およびポリエステルからなる群から選択される項目28に記載の危険防護用物品。
(項目31)
前記耐火層が、アラミド繊維および/またはポリテトラフルオロエチレンを含んでいる項目28に記載の危険防護用物品。
(項目32)
前記放射線防護用重合体混合物が、前記耐火層へと積層されている項目28に記載の危険防護用物品。
(項目33)
前記物品が上下続きの火炎防護用ツナギである項目28に記載の危険防護用物品。
(項目34)
前記物品がツーピースの火炎防護用スーツである項目28に記載の危険防護用物品。
(項目35)
放射線防護特性および熱放散特性を有する重合体混合物であって、
ポリマー、
銀、銅、金、アルミニウム、ベリリウム、カルシウム、タングステン、マグネシウム、亜鉛、鉄、ニッケル、炭素、モリブデンおよび錫からなる群から選択された熱放散材料、ならびに
バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic
Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料、
を含む重合体混合物。
(項目36)
前記熱放散材料が、銅またはアルミニウムであり、前記放射線防護材料が、硫酸バリウムまたはタングステンである項目35に記載の重合体混合物。
(項目37)
織布または不織布上に積層されている項目35に記載の重合体混合物。
(項目38)
ユーザを飛来物の貫通および有害な化学品の両者に対して防護することができる物品であって、
アラミド布地およびポリエチレン布地からなる群から選択され、飛来物の貫通に対する耐性を有している重合体層、および
該耐飛来物貫通層へと接着され、あるいは他の方法で取り付けられた耐化学品防護層
を含み、
該耐化学品防護層が、高速紡ぎのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、ナイロン、ポリウレタン、アラミド、ポリテトラフルオロエチレンおよびネオプレンからなる群から選択された1つ以上のポリマーを組み込む、
物品。
(項目39)
放射線防護層を、前記耐飛来物層および前記耐化学品防護層へと接着、または他の方法で取り付けてさらに備え、
該放射線防護層が、ポリマーと、バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料とを含む、
項目38に記載の物品。
(項目40)
前記放射線防護層中のポリマーが、エチルビニルアセテート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、天然ラテックス、ポリプロピレンおよびポリエステルからなる群から選択される項目39に記載の物品。
(項目41)
耐火層を、前記耐飛来物層および前記耐化学品防護層へと接着、または他の方法で取り付けてさらに備え、
該耐火層が、アラミド繊維および/またはポリテトラフルオロエチレンを含んでいる項目38に記載の物品。
(項目42)
熱放散層を、前記耐飛来物層および前記耐化学品防護層へと接着、または他の方法で取り付けてさらに備え、
該熱放散層が、ポリマーと、銀、銅、金、アルミニウム、ベリリウム、カルシウム、タングステン、マグネシウム、亜鉛、鉄、ニッケル、炭素、モリブデンおよび錫からなる群から選択された熱放散材料とを含む、
項目38に記載の物品。
(項目43)
ユーザを飛来物の貫通、有害な化学品、放射線、火炎、および過熱に対して防護することができる多層の物品であって、
アラミド布地およびポリエチレン布地からなる群から選択され、飛来物の貫通に対する耐性を有している重合体層、
高速紡ぎのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩素化エチレン、ナイロン、ポリウレタン、アラミドおよびネオプレンからなる群から選択された1つ以上のポリマーを含む耐化学品防護層、
エチルビニルアセテート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、天然ラテックス、ポリプロピレンおよびポリエステルからなる群から選択されたポリマーと、バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料とを含む放射線防護層、
アラミド繊維および/またはポリテトラフルオロエチレンを含む耐火層、および
ポリマーと、銀、銅、金、アルミニウム、ベリリウム、カルシウム、タングステン、マグネシウム、亜鉛、鉄、ニッケル、炭素、モリブデンおよび錫からなる群から選択された熱放散材料とを含む熱放散層、
を有する多層の物品。
(項目44)
建築物の基礎、建築物の壁体、建築物の屋根、または機械装置のための耐放射線裏打ち材であって、
布地の層、および
該布地へと接着され、あるいは他の方法で取り付けられた放射線防護用重合体混合物、を含み、
該放射線防護用重合体混合物が、ポリマーと、バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料とを含む、
裏打ち材。
(項目45)
放射線検出用プローブであって、
少なくとも一部が、バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線遮断材料を組み込む重合体複合材料で構成されているプローブ・ハウジング、
該プローブ・ハウジングに位置し、放射線を通過させる窓、および
該窓を通過する放射線を検出するため、該ハウジング内に位置する放射線検出器、
を有する放射線検出用プローブ。
(項目46)
放射線防護用物品を製造するための方法であって、
バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料を、ポリマーと混合し、重合体混合物を生成する工程、
該重合体混合物を、布地または他の可撓性材料へと付着させ、該布地または他の可撓性材料を放射線防護性にする工程、および
該放射線防護性の布地または他の可撓性材料から、機能性物品を構成する工程、
を含んでいる方法。
(項目47)
前記放射線防護材料が、前記重合体混合物の少なくとも50重量%を構成する項目46に記載の方法。
(項目48)
前記重合体混合物中に複数の前記放射線防護材料をさらに含んでいる項目46に記載の方法。
(項目49)
前記複数の放射線防護材料が、タングステン、硫酸バリウム、およびビスマスを含んでいる項目48に記載の方法。
(項目50)
前記重合体混合物が、1つ以上の添加物をさらに含んでいる項目46に記載の方法。
(項目51)
前記1つ以上の添加物が、エポキシ大豆油、エチレングリコールおよびプロピレングリコールからなる群から選択される項目50に記載の方法。
(項目52)
前記物品が、上下続きのツナギである項目46に記載の方法。
(項目53)
前記物品が、ツーピースのジャケットとズボンの組み合わせである項目46に記載の方法。
(項目54)
前記物品が、医療用エプロンである項目46に記載の方法。
(項目55)
前記ポリマーが、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、天然ラテックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテートおよびポリエステルからなる群から選択される項目46に記載の方法。
(項目56)
前記布地または他の可撓性材料が、不織重合体布地である項目46に記載の方法。
(項目57)
前記不織重合体布地が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルおよびレーヨンからなる群から選択される項目56に記載の方法。
(項目58)
前記布地または他の可撓性材料が、紙である項目46に記載の方法。
(項目59)
放射線および飛来物の貫通に対する防護を提供する物品を製造するための方法であって、
バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料を、ポリマーと混合し、重合体混合物を生成する工程、
該重合体混合物を、飛来物の貫通に対する耐性を有する布地または他の可撓性材料へと付着させる工程、および
該放射線および飛来物防護性の布地または他の可撓性材料から、機能性物品を構成する工程、
を含んでいる方法。
(項目60)
前記放射線防護材料が、前記重合体混合物の少なくとも50重量%を構成する項目59に記載の方法。
(項目61)
前記重合体混合物中に複数の前記放射線防護材料をさらに含んでいる項目59に記載の方法。
(項目62)
前記耐飛来物貫通布地または他の材料が、アラミド布地および/またはポリエチレン布地を含んでいる項目59に記載の方法。
(項目63)
前記耐飛来物貫通層が、複数のアラミド布地および/またはポリエチレン布地の層を含んでいる項目62に記載の方法。
(項目64)
前記物品が、上下続きのツナギである項目59に記載の方法。
(項目65)
前記物品が、ツーピースのジャケットとズボンの組み合わせである項目59に記載の方法。
(項目66)
前記物品が、防弾チョッキである項目59に記載の方法。
(項目67)
前記ポリマーが、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、天然ラテックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテートおよびポリエステルからなる群から選択される項目59に記載の方法。
(項目68)
放射線および火炎の危険に対する防護を提供する物品を製造するための方法であって、
バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料を、ポリマーと混合し、重合体混合物を生成する工程、
該重合体混合物を、火炎に対する耐性を有する布地または他の可撓性材料へと付着させる工程、および
該放射線および火炎防護性の布地または他の可撓性材料から、機能性物品を構成する工程、
を含んでいる方法。
(項目69)
前記放射線防護材料が、前記重合体混合物の少なくとも50重量%を構成する項目68に記載の方法。
(項目70)
前記耐火性の布地または他の可撓性材料が、アラミド繊維および/またはポリテトラフルオロエチレンを含んでいる項目68に記載の方法。
(項目71)
前記物品が、上下続きのツナギである項目68に記載の方法。
(項目72)
前記物品が、ツーピースのジャケットとズボンの組み合わせである項目68に記載の方法。
(項目73)
前記ポリマーが、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、天然ラテックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテートおよびポリエステルからなる群から選択される項目68に記載の方法。
(項目74)
放射線および過熱に対する防護を提供する物品を製造するための方法であって、
バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料、ならびに銀、銅、金、アルミニウム、ベリリウム、カルシウム、タングステン、マグネシウム、亜鉛、鉄、ニッケル、炭素、モリブデンおよび錫からなる群から選択された熱放散材料の両者を、ポリマーと混合し、重合体混合物を生成する工程、
該重合体混合物を、布地または他の可撓性材料へと付着させる工程、および
該放射線防護性かつ熱放散性の布地または他の可撓性材料から、機能性物品を構成する工程、
を含んでいる方法。
(項目75)
前記物品が、上下続きのツナギである項目74に記載の方法。
(項目76)
前記物品が、ツーピースのジャケットとズボンの組み合わせである項目74に記載の方法。
(項目77)
前記ポリマーが、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、天然ラテックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテートおよびポリエステルからなる群から選択される項目74に記載の方法。
(項目78)
放射線防護用の物品を製造するための方法であって、
バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料を、ポリマーと混合し、重合体混合物を生成する工程、
該重合体混合物を、液体の形態をとるまで加熱する工程、
該液状の重合体混合物を、布地または他の可撓性材料の第1のシートに塗布する工程、
布地または他の可撓性材料の第2のシートを、該重合体混合物を有する層が布地または他の可撓性材料の該第1のシートと該第2のシートとの間に介装されるよう、布地または他の可撓性材料の該第1のシートと一体に押し付ける工程、および
該放射線防護性の布地複合体または他の可撓性材料複合体から、物品を構成する工程、を含んでいる方法。
(項目79)
前記重合体混合物が、1つ以上の押出し機にて混合および加熱され、該押出し機のうちの1つから、布地または他の可撓性材料の前記第1のシートおよび前記第2のシートへと同時に塗布される項目78に記載の方法。
(項目80)
前記放射線防護材料が、前記重合体混合物の少なくとも50重量%を構成する項目78に記載の方法。
(項目81)
前記重合体混合物中に複数の前記放射線防護材料をさらに含んでいる項目78に記載の方法。
(項目82)
布地または他の可撓性材料の前記シートの1つ以上が、飛来物の貫通に対する耐性を有している項目78に記載の方法。
(項目83)
前記耐飛来物貫通布地または他の材料が、アラミド繊維および/またはポリエチレン繊維を含んでいる項目82に記載の方法。
(項目84)
布地または他の可撓性材料の前記シートの1つ以上が、耐火性の布地である項目78に記載の方法。
(項目85)
前記耐火性の布地が、アラミド繊維および/またはポリテトラフルオロエチレンを含んでいる項目84に記載の方法。
(項目86)
前記重合体混合物が、銀、銅、金、アルミニウム、ベリリウム、カルシウム、タングステン、マグネシウム、亜鉛、鉄、ニッケル、炭素、モリブデンおよび錫からなる群から選択された熱放散材料をさらに含んでいる項目78に記載の方法。
(項目87)
放射線防護フィルムを製造するための方法であって、
バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic
Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料を、ポリマーと混合し、重合体混合物を生成する工程、
該重合体混合物を、柔軟な形態をとるまで加熱する工程、および
該柔軟な重合体混合物を、フィルムに形成する工程、
を含んでいる方法。
(項目88)
前記重合体混合物が、押出し機において混合および加熱され、次いで環状コンベア上に堆積させられる項目87に記載の方法。
(項目89)
前記柔軟な重合体混合物をカレンダー・ロール間で圧縮する工程をさらに含んでいる項目87に記載の方法。
(項目90)
前記放射線防護材料が、前記重合体混合物の少なくとも50重量%を構成する項目87に記載の方法。
(項目91)
塗料に放射線不透過特性を付加するための方法であって、
塗料に放射線防護材料を加える工程、および混合する工程を含んでおり、
前記放射線防護材料が、バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate
Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択される方法。
(項目92)
放射線防護材料、ポリマー、および添加物を含む液体重合体混合物であって、
前記放射線防護材料が、バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択され、
前記ポリマーが、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、天然ラテックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテートおよびポリエステルからなる群から選択され、さらに
前記添加物が、エポキシ大豆油、エチレングリコールおよびプロピレングリコールからなる群から選択される、
液体重合体混合物。
(項目93)
複数の危険に対する防護を提供する物品を製造するための方法であって、
バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料を、ポリマーと混合し、第1の重合体混合物を生成する工程、
該第1の重合体混合物を、液体の形態をとるまで加熱する工程、
該液状の第1の重合体混合物を、布地または他の可撓性材料のシートに塗布する工程、
該液状の第1の重合体混合物を、布地または他の可撓性材料の該シート上で硬化させる工程、
別種の危険に対する防護を提供することができる第2の重合体混合物を加熱する工程、
該第2の重合体混合物を、硬化した該第1の重合体混合物の上に塗布する工程、および
重合体化された該布地複合体または他の可撓性材料複合体から、物品を構成する工程、を含んでいる方法。
(項目94)
前記第2の重合体混合物が、耐火性を提供する項目93に記載の方法。
(項目95)
前記第2の重合体混合物が、飛来物の貫通に抵抗する項目93に記載の方法。
(項目96)
前記第2の重合体混合物が、熱を容易に放散する項目93に記載の方法。
(項目97)
複数の危険に対する防護を提供する物品を製造するための方法であって、
バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料を、ポリマーと混合し、第1の重合体混合物を生成する工程、
該第1の重合体混合物を、液体の形態をとるまで加熱する工程、
該液状の第1の重合体混合物を、布地または他の可撓性材料の第1のシートに塗布する工程、
布地または他の可撓性材料の第2のシートを、該第1の重合体混合物を有する層が布地または他の可撓性材料の該第1のシートと該第2のシートとの間に介装されるよう、布地または他の可撓性材料の該第1のシートと一体に押し付ける工程、
別種の危険防護を提供することができる第2の重合体混合物を、液体の形態をとるまで加熱する工程、
該第2の重合体混合物を、該第1の重合体混合物が存在しない布地または他の可撓性材料の該第1のシートまたは該第2のシートの表面に塗布する工程、および
該放射線防護性の布地複合体または他の可撓性材料複合体から、物品を構成する工程、
を含んでいる方法。
(項目98)
前記第2の重合体混合物が、耐火性を提供する項目97に記載の方法。
(項目99)
前記第2の重合体混合物が、飛来物の貫通に抵抗する項目97に記載の方法。
(項目100)
前記第2の重合体混合物が、熱を容易に放散する項目97に記載の方法。
(項目101)
ユーザを放射線の危険および化学品の危険の両者に対して防護することができる物品であって、
化学品の危険に対する耐性を有する重合体層、および
該耐化学品層へと接着され、あるいは他の方法で取り付けられた放射線防護用重合体混合物、
を含み、
該放射線防護用重合体混合物が、ポリマーと、バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料とを含む、
危険防護用物品。
(項目102)
前記放射線防護材料が、タングステンおよび/または硫酸バリウムを含んでいる項目101に記載の危険防護用物品。
(項目103)
前記放射線防護用重合体混合物中のポリマーが、エチレンビニルアセテート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、天然ラテックス、ポリプロピレンおよびポリエステルからなる群から選択される項目101に記載の危険防護用物品
(項目104)
前記耐化学品防護層が、少なくとも部分的に、ポリエチレン、高速紡ぎのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩素化エチレン、ナイロン、ポリウレタン、アラミドおよびネオプレンからなる群から構成されている項目101に記載の方法。
(項目105)
前記物品が、上下続きのツナギである項目101に記載の方法。
(項目106)
前記物品が、ツーピースのジャケットとズボンの組み合わせである項目101に記載の方法。
(項目107)
放射線の危険および化学品の危険に対する防護を提供する物品を製造するための方法であって、
バリウム、硫酸バリウム、塩化バリウム、その他のバリウム化合物、タングステン、炭化タングステン、酸化タングステン、その他のタングステン化合物、ビスマス、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、その他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium OxideおよびTrypanoate Sodiumからなる群から選択された放射線防護材料を、ポリマーと混合し、重合体混合物を生成する工程、
該重合体混合物を、化学品に対する耐性を有する布地または他の可撓性材料に付着させる工程、および
該放射線および化学品防護性の布地または他の可撓性材料から、機能性物品を構成する工程、
を含んでいる方法。
(項目108)
前記放射線防護材料が、前記重合体混合物の少なくとも50重量%を構成する項目107に記載の方法。
(項目109)
前記耐化学品の布地または他の可撓性材料が、少なくとも部分的に、高速紡ぎのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩素化エチレン、ナイロン、ポリウレタン、アラミド、および/またはネオプレンを含んでいる項目107に記載の方法。
(項目110)
前記物品が、上下続きのツナギである項目107に記載の方法。
(項目111)
前記物品が、ツーピースのジャケットとズボンの組み合わせである項目107に記載の方法。
(項目112)
前記重合体混合物用の前記ポリマーが、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、天然ラテックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテートおよびポリエステルからなる群から選択される項目68に記載の方法。
(項目113)
前記第2の重合体混合物が、化学品に対する耐性を提供する項目93に記載の方法。
(項目114)
前記第2の重合体混合物が、化学品に対する耐性を提供する項目97に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、生命を脅かす1つ以上の危険に対してユーザを防護することができる全身スーツを示している。
【図2】図2は、複数の種類の放射線防護材料を含んだ重合体層を中央に有する複合布地の断面を示している。
【図3】図3は、2層構成の放射線防護複合布地の断面を示しており、どのようにして布地に通気性および放射線防護性の両者を備えることができるのかが示されている。
【図4】図4は、より向上した放射線防護をもたらす多層構成の放射線防護用物品の断面を示している。
【図5】図5Aは、生命を脅かす1つ以上の危険に対してユーザを防護することができる医療用エプロンの正面図を示している。図5Bは、図5Aの医療用エプロンの後面図を示している。
【図6】図6は、生命を脅かす1つ以上の危険に対してユーザを防護することができるツーピース構成のスーツを示している。
【図7】図7は、本発明の放射線防護材料を取り入れてなる放射線防護乾式壁体の断面を示している。
【図8】図8は、本発明の放射線防護材料を取り入れてなる壁体の断面を示している。
【図9】図9は、本発明の放射線防護材料を取り入れてなる基礎の断面を示している。
【図10】図10は、本発明の放射線防護材料を取り入れてなるプローブの斜視図である。
【図11】図11は、複数の種類の危険防護を提供する6層布地の断面を示している。
【図12】図12は、本発明の放射線防護フィルムまたはその他の防護布地を取り入れてなる防弾チョッキを示している。
【図13】図13は、放射線防護材料を取り入れた液状ポリマーを2枚のシートの間に塗布することによって放射線防護用の布地または他の材料を形成するための好ましいプロセスを示している。
【図14】図14は、図13に示したプロセスの改良版であり、追加の危険防護層が生成されている。
【図15】図15は、放射線防護材料を取り入れた液状ポリマーを2枚のシートの間に塗布することによって放射線防護用の布地または他の材料を形成するための第2の好ましいプロセスを示している。
【図16】図16は、図15に示したプロセスの改良版を示しており、追加の危険防護層が生成されている。
【図17】図17は、複数の種類の危険防護を備えた布地を生成するための拡張されたプロセスを示している。
【図18】図18は、放射線防護材料を取り入れてなる重合体フィルムを製造するための好ましいプロセスを示している。
【図19】図19は、放射線防護材料を取り入れてなる重合体フィルムを製造するための他のプロセスを示している。
【図20】図20は、図19のプロセスの改良版を示しており、複数の危険防護特性を有するフィルムを生成している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の危険防護用布地から作られた全身スーツ10を示している。表面の完全な防護を提供するため、全身スーツ10は、好ましくは、人体のあらゆる部位を覆う上下続きのツナギでなければならない。密な装着の確保を助けるため弾性バンド12、14を、手および足の領域の周囲に使用することができる。あるいは、手袋16、長靴18および頭巾20を、皮膚表面が露出したまま残ることがないよう、ツナギの残りの部分に重なり合う別個の部品とすることができる。さらに、全身スーツ10は、ユーザが容易に全身スーツ10の中に入ることができるよう、フックとループとからなるファスナまたはチャック付きのフラップ28を備えることができる。
【0021】
顔面の防護をもたらすため、好ましくは、全身スーツ10に透明な眼前シールド24が備えられる。ユーザが眼前シールド24を上下に反転させることができるよう、眼前シールド24を角部のリベット26などでヒンジ付けすると便利である。あるいは、眼の保護を、安全眼鏡(図示されていない)などの別個独立した装置とすることも可能である。放射線防護をもたらすため、眼前シールド24は、好ましくは鉛や同様の放射線防護ガラスを取り入れている。
【0022】
図2は、放射線防護重合体中間層60を有する複合布地50の断面を示しており、放射線防護をもたらすべく図1の全身スーツに使用することができる。図2の図においては、ポリマー52と放射線防護材料62、64、66、68とを含んでいる重合体中間層60が、布地または他の材料34、36からなる2つの層の間に挟まれている。外側の布地または他の材料34、36は、好ましくは平坦であって可撓性である。これらは、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、アラミド繊維、レーヨン、またはこれらの任意の混合など、不織重合体布地であってよい。代案として、外側の布地または他の材料は、織物などの織成布地であってよく、あるいは、紙またはフィルムなど他の平坦かつ可撓性のある材料でもよい。
【0023】
放射線防護材料としては、例えば鉛と比べて重量が軽く、より安価であり、既知の健康への危険が少ないため、硫酸バリウム、タングステン、およびビスマスが、本発明においては好ましい選択である。バリウム、他のバリウム化合物(例えば、塩化バリウム)、タングステン化合物(例えば、炭化タングステンおよび酸化タングステン)、ビスマス化合物、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、Diatrizoate Meglumine Inj.USP(HYPAQUE(商標)という商品名でNycomed Corporationから市販されている)、Acetrizoate Sodium、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ素塩、他のホウ素化合物、ベリリウム、ベリリウム化合物、Bunamiodyl Sodium、Diatrizoate Sodium、Ethiodized Oil、Iobenzamic Acid、Iocarmic Acid、Iocetamic Acid、Iodipamide、Iodixanol、Iodized Oil、Iodoalphionic Acid、o‐Iodohippurate Sodium、Iodophthalein Sodium、Iodopyracet、Ioglycamic Acid、Iohexol、Iomeglamic Acid、Iopamidol、Iopanoic Acid、Iopentol、Iophendylate、Iophenoxic Acid、Iopromide、Iopronic Acid、Iopydol、Iopydone、Iothalamic Acid、Iotrolan、Ioversol、Ioxaglic Acid、Ioxilan、Ipodate、Meglumine Acetrizoate、Meglumine Ditrizoate Methiodal Sodium、Metrizamide、Metrizoic Acid、Phenobutiodil、Phentetiothalein Sodium、Propryliodone、Sodium Iodomethamate、Sozoiodolic Acid、Thorium Oxide、およびTrypanoate Sodiumなど、他の放射線防護材料も使用可能であるが、これらに限られるわけではない。これらの放射線不透過性材料は、P.O.Box 4829,Norcross,Georgia 30091のFisher Scientific社(電話番号:1‐800‐766‐7000)、P.O.Box 2060,Milwaukee,WisconsinのAldrich Chemical Company(電話番号:1‐800‐558‐9160)、およびP.O.Box 14508,St.Louis,Missouri 63178のSigma社(電話番号:1‐800‐325‐3010)など、さまざまな化学品供給企業から購入することができる。放射線に対して最良の防護を得るため、放射線防護材料の粒子サイズは、例えばサブミクロンのサイズなど、より小さいと好ましい。しかしながら、そのような小さいサイズの粒子の購入のために必要な追加のコストを、得られる上乗せの保護の重要性と比べ、軽重を計らなければならない。当業者であれば、前記列挙した放射線防護材料の代わりに、同じ金属を取り入れてなる他の放射線防護材料を使用できることを、容易に理解できるであろう。
【0024】
図2の放射線防護複合布地50においては、放射線防護材料が、重合体混合物60に埋め込まれている。重合体混合物60は、好ましくは、ポリマー52、1つ以上の放射線防護材料62、64、66、68、および1つ以上の添加物を含んでいる。ポリマー52は、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、天然ラテックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート(EVA)およびポリエステルを含む幅広い範囲のプラスチックから選択することができるが、これらに限られるわけではない。添加物は、通常は、柔軟性、強度、耐久性あるいはその他の最終製品の特性を改善し、かつ/または重合体混合物における適度な均一性および粘度の確保を助けるための化学品である。これらの添加物は、適切な場合において、可塑剤(例えば、エポキシ化大豆油、エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、乳化剤、界面活性剤、懸濁化剤、均染剤、乾燥促進剤、流動促進剤などであってよい。プラスチック・プロセスの当業者であれば、このような添加物の選択および使用については精通しているであろう。
【0025】
重合体混合物のこれら種々の構成材料の割合は、さまざまであることができる。一般に、放射線防護材料の割合を多くすることによって、より大きな放射線防護が付与される。しかしながら、放射線防護材料の割合が高すぎると、乾燥または冷却されたときに重合体混合物が脆くなり、容易に砕けてしまう。本発明者らは、本発明者らの研究から、重合体混合物の50重量%以上を、混合物の残りの大部分をポリマーで構成しつつ、硫化バリウム、タングステン、ビスマスまたは他の放射線防護材料とできることを見出した。
【0026】
Miami,FloridaのRadiation Shield Technologies社によって販売されているDEMRON(商標)という本発明者らの市販の放射線防護化合物、布地および全身スーツにおいて、本発明者らは、これらの放射線防護化合物として、通常、約85重量%の放射線防護材料と約15重量%のポリマーとを含んでいる重合体混合物を使用している。DEMRON(商標)重合体混合物において使用される現時点の好ましい放射線防護材料の組み合わせは、タングステン(75%)、硫化バリウム(20%)およびビスマス(5%)である。DEMRON(商標)重合体混合物において使用される現時点の好ましいポリマーは、エチルビニルアセテート(EVA)およびポリエチレンである。DEMRON(商標)において使用される現時点において好ましい外側布地層は、織布ならびにDuPont社の高速紡ぎ(flashspun)のポリエチレン繊維Tyvek(登録商標)およびTyChem(登録商標)などの不織布である。DEMRON(商標)におけるTyvek(登録商標)および/またはTyChem(登録商標)布地の使用は、DEMRON(商標)の放射線防護特性に、化学および生物防護特性が付加されるという利点を有している。
【0027】
本発明者らによる市販のDEMRON(商標)製品と同様、図2に示されている重合体中間層60は、いくつかの種類の放射線防護材料62、64、66、68を含んでいる。これらの放射線防護材料62、64、66、68は、例えば、バリウム化合物62、タングステン化合物64、ビスマス化合物66、およびヨウ素化合物68であってよい。複数の異なる放射線防護材料を使用することによって、放射線防護用物品を、ただ1つの放射線防護材料を有する同様の物品と比べ、異なる形式の放射線の遮断において、より効果的にできる。例えば、或るいくつかの放射線防護材料が、ベータ粒子の遮断においてより効果的であり、他の放射線防護材料が、ガンマ線の遮断においてより効果的かもしれない。本発明の放射線防護用布地またはその他の材料に両方の種類の放射線防護材料を使用することによって、物品にベータ粒子およびガンマ線の両者に対する大きな遮断能力をもたせることができる。
【0028】
この点に関し、このような混合使用のため、さらに広く言えば本明細書に開示の可塑性を与えられた物品種のため、放射線防護材料の1つとして鉛の使用を検討することが適切かもしれない。健康に危険を及ぼす可能性があるため、鉛は前記列挙した他の放射線防護材料と同様に好ましいわけではないが、それにもかかわらず、鉛は、可塑性を与えられた放射線防護混合物において、あるいは或る他のプラスチック・フィルムへの適用において、一定の役割を有するであろう。
【0029】
手術用マスク用、あるいは全身スーツがとくに高温多湿の環境で使用される場合など、放射線防護服または物品に通気性を備えることが重要である用途においては、図3に示すように、前記形式の2つの放射線防護層110、112に孔を設けて互い違いに配置することができる。図3に示されているとおり、2つの放射線防護層110、112は、間隙114によって隔てられている。間隙114が潰れてしまうことがないよう、間隙114を、布地(図示されていない)などのきわめて多孔性の織布または不織布で満たすことができる。2つの放射線防護層110、112の両者は、孔116、118、120のパターンを生成すべく孔が開けられている。2枚のシート110、112の孔116、118、120を図3に示すようにずらすことによって、基本的に直線移動する放射性粒子が少なくとも2つの層の1つにおいて遮断される一方で、障害物を巡って屈曲することができる空気は、依然として通過することが可能である。
【0030】
同じ流れにおいて、布地衣料の柔軟性および金属鉛衣料の放射線防護の両者をもたらすため、前記した放射線防護材料またはアルミニウムを繊維に形成し、衣服へと織り上げる、あるいは布などの通常の衣料用の材料と織り合わせることができる。さらに、例えば放射線不透過特性を有する図1に示した形式の透明眼前シールド24を製作するため、放射線防護材料を、種々の透明プラスチックまたはガラスに取り入れることができる。代案となる他の実施の形態においては、アルミニウムなど、混ざりもののない放射線防護材料のシートに孔を開け、あるいは孔を設けずに、放射線不透過特性を付与すべく物品中へと挿入することができる。
【0031】
図4は、或る特定の多層構成80によって放射線防護を強化する第2のアプローチを示している。この多層製品80の各層81、82、83は、異なる厚さを有している。或る厚さの層81が、或る波動特性の放射線84を遮断することができるかもしれないが、異なる波動特性の放射線86の貫通を許してしまうかもしれない。しかしながら、厚さの異なる追加の層を第1の層81の後備とすることによって、異なる種類の放射線をそれらの波動特性にかかわらず遮断できる可能性が大きくなる。さらなる例として、層81、82、83を、異なる放射線防護材料で構成してもよい。例えば、バリウム、タングステンおよび/またはビスマス放射線防護材料が、アルファおよびベータ粒子に対して費用対効果の大きい防護をもたらすが、中性子に対する防護はそれほどでもないことを、本発明者らは見出した。中性子に対するよりよい防護を提供するため、本発明者らは、ホウ素および/またはベリリウム放射線防護材料を密に詰め込んでなるフィルムが、最も有効であることを見出した。そのようなボロンおよび/またはベリリウム・フィルムは、約50重量%の放射線防護材料、ならびに約50重量%のポリマーおよび添加物を有していると好都合であろう。アルファ、ベータ、および中性子粒子に対して費用対効果の大きい防護を提供するため、効果的なアプローチは、バリウム、タングステン、および/またはビスマス化合物を有する重合体層81を、ボロンおよび/またはベリリウム化合物を有する重合体層82に組み合わせることである。さらに、当業者であれば理解できるであろうが、所与の重量および厚さにおいて最大量の放射線防護を提供する放射線防護用物品を生み出すため、図2に示した異なる放射線防護材料62、64、66、68を、図4に示した異なる厚さの層81、82、83の使用と組み合わせることによって、相乗効果が達成される。
【0032】
図5A、5Bおよび6は、本発明の危険防止フィルムおよび布地から形成することができる幅広い種類の衣類を示しており、そのような衣類は、図1に示した全身スーツ10に限られるわけではない。例えば、図5Aは、本発明の危険防止フィルムおよび/または布地から作られた医療用エプロン130の正面図を示している。図示のエプロン130は、ユーザの胸部132、上腕部134、および首部136を、前記した放射線防護布などの危険防止フィルムまたは布地で覆っている。当業者であれば容易に理解できるとおり、所望のレベルの防護を提供するよう、このエプロン130によって体の表面をより広く、あるいはより狭く覆うことができる。エプロン130をユーザの体にしっかりと固定できるよう、エプロン130の下方の腰の部分に、巻き付けストラップ138が形成されている。巻き付けストラップ138は、ストラップの両端部139を一体に堅固に保持するため、フックとループとからなるファスナ(図示されていない)を備えていると好都合である。
【0033】
図5Bは、図5Aの医療用エプロン130の後面図を示している。この後面図は、巻き付けストラップ138が、両端部139がエプロン130の前側で出会うことができるよう、背面においてどのように交差しているのかを示している。さらに、この後面図は、エプロンをユーザの胴体上部にぴったりと装着させて保つ上体部接続ストラップ140を示している。やはり、上体部接続ストラップ140を医療用エプロン130へと着脱可能に固定するため、フックとループとからなるファスナ(図示されていない)を好都合に使用することができる。図5Bの図においては、開放領域142が医療用エプロン130の背中側に残されており、エプロン全体をより容易にユーザの体に装着することができる。この領域142は、ユーザの背中側よりもむしろユーザの前面および側面が危険にさらされるとの仮定にもとづいて、開いたまま残されている。当然ながら、ユーザの背中が危険にさらされる場合には、この領域142を開いたまま残すべきではない。
【0034】
図6は、本発明の危険防止フィルムおよび布地を、ツーピースのスーツ150へと形成できることを示している。このツーピースのスーツ150は、本発明の危険防止フィルムおよび布地から作られたズボン152、ジャケット154、および頭巾158を含んでいる。ジャケット154をズボン152に対してしっかりと保持するため、ベルト156を使用することができる。さらに、有害ガスの吸入に対する防護を提供するため、ガス・マスク159を使用することができる。図1に示した全身スーツ10と比べ、このツーピースのスーツ150は、柔軟性が必要とされる軍用用途において好都合である。例えば、暑い日には、兵士は、涼しい状態を保つべくズボン152およびベルト156のみを着用し、化学品、放射線または生物剤の脅威が切迫した場合に備えてジャケット154、頭巾158、およびガス・マスク159を近くに置くことを望むかもしれない。
【0035】
図7〜10は、本発明の危険防止材料の有用性が、布地および衣料にのみ限られるわけではないことを示している。例えば、図7は、放射線防護材料をどのように一般的な乾式の壁体120に組み合わせることができるのかを示している。この場合には、硫酸バリウム、タングステン、またはビスマスなどの本発明の放射線防護材料を、乾式の壁体において広く用いられている石膏に混ぜることができ、次いで、厚紙からなる2枚の層124、126の間に挿入物122として挿入することができる。
【0036】
図8および9は、さらに、本発明の危険防止材料を、どのように他の建築用途に使用できるのかを示している。例えば、図8は、家屋やその他の建築物に使用することができる種類の壁体160について、断面を示している。この壁体160は、乾式壁体162、断熱材166、外壁164、外壁水切り紙168、および保護用覆い169を含んでいる。本発明の危険防止は、壁体のこれらの層のいずれか、またはすべてに組み合わせることができる。一般的な乾式壁体への放射線防護の組み合わせは、図7に関してすでに説明した。さらに、硫酸バリウム、タングステン、またはビスマスなどの放射線防護材料を、断熱材料166に混合することができ、あるいは噴霧によって断熱材料166に付着させることができる。建築において使用される保護用覆い169は、DuPont社のTyvek(登録商標)などの重合体フィルムであることが多い。本発明者らのDEMRON(商標)布地についてすでに述べたように、高速紡ぎのポリエチレン繊維Tyvek(登録商標)型の布地には、Tyvek(登録商標)型の布地に放射線防護重合体混合物を積層することによって、放射線防護を付加することができる。同様の積層または他の付着法を使用して、外壁164および外壁水切り紙168に通常使用されている材料に、放射線防護を付加することができる。
【0037】
図9は、家屋または他の建築物の基礎170に、どのようにして危険防護を付加できるのかを示している。そのような基礎は、床板172および家屋または建築物の壁体160が設置される強化コンクリート174で構成することができる。例えば、下方の地面から上方へと染み出してくるラドンに対する放射線防護を付与するため、硫酸バリウム、タングステン化合物、またはビスマス化合物などの放射線防護材料を、基礎170に使用される強化コンクリート174に混ぜ合わせることができる。あるいは、本発明のフィルムまたは布地からなる層176を、基礎170の強化コンクリート174と床板172との間に挿入することができる。これらと同じ原理を、家屋または建築物の屋根(図示されていない)を太陽放射の貫通から保護するために使用することができる。屋根の場合には、放射線防護材料を、外側の屋根葺き材料(例えば、セラミック・タイル)に混ぜ合わせることができ、外側の屋根葺き材料(例えば、屋根板)に積層することができ、さらに/または図9に示した形式の危険防止フィルムまたは布地176を、外側の屋根葺き材料と内側の屋根構造との間に挿入することができる。
【0038】
図10は、本発明の放射線防護用化合物複合体を、どのように射出成型の物体を製作するために使用できるのかを示している。図10に示した射出成形による物体は、地面へと挿し込んで放射性物質の埋蔵の発見を助けるために使用できる放射線測定プローブ180である。この放射線測定プローブ180は、スライド可能な外側筒182、内側ハウジング184、検出窓188、およびスライド式の外側筒182のためのストッパとして用いられるフランジ186を備えている。現在までのところ、このような放射線測定プローブの問題点は、外側筒182および内側ハウジング184を通って余分な放射線をかなり多く導き入れてしまい、検出された放射線が検出窓188の方向から来たのか否かについて、信頼できる読み取りを困難にしている点にある。この問題点を克服するため、外側筒182、内側ハウジング184、およびフランジ186を、前記した放射線防護材料を組み込んでなる種類の重合体混合物から構成することができる。すでに述べたように、一般に、混合物に加える放射線防護材料の割合を多くすることによって、より大きな放射線防護が付与されるが、放射線防護材料の割合が高すぎると、乾燥または冷却されたときに重合体混合物が脆くなり、容易に砕けてしまう。したがって、ポリマーおよび放射線防護材料の割合は、バックグラウンドの放射線を遮断するために充分な量の放射線防護材料を含みつつ、射出成型プロセスによって製造されたときに頑丈なプローブを生み出すように選択されなければならない。本発明の放射線防護重合体混合物を図10の放射線測定プローブ180に使用することによって、検出される放射線は、プローブ180の残りの部分を通過した放射線よりも、はるかに高い確度で窓188を通過した放射線に由来することになる。
【0039】
図11に眼を向けると、放射線によるものに加え、有毒な化学品、感染性の生物剤、火炎、および金属飛来物などの生命を脅かす危険に対して保護を提供すべく使用することができる複合布地の断面200が示されている。この複数の危険に対応する防護用複合布地の一部として、すでに述べた放射線防護用重合体混合物34、36、60を有する3層の複合布地(図2を参照)が存在している。これらの3つの層34、36、60に、種々の危険を防止することができる追加の層210、220、230が加えられている。例えば、孔のない化学品防護層210および/または220を、3つの放射線防護層34、36、60に追加することができる。この穴のない耐化学品層は、3つの放射線防護層34、36、60に積層される重合体フィルム210であってよく、さらに/または3つの放射線防護層に縫い付けられ、あるいは何らかの方法で貼り付けられる化学品防護布220であってよい。
【0040】
この化学品防護層210、220は、公知の化学品防護ポリマーおよび/または布地で構成することができる。例えば、公知の化学品防護布の種類の1つは、DuPont社からTyvek(登録商標)という商品名で販売されている高速紡ぎのポリエチレン布地などの不織布、Kimberly‐Clark社のKleenguard(商標)、Kappler社のProshield 1(商標)、Lakeland社のSafeguard 76(商標)などのポリプロピレン布地、ポリエチレンをポリプロピレンに混合してなる布地、ならびにDuPont社のSontara(商標)およびKimberly Clark社のPrevail(商標)などのセルロース主体の布地などである。同種の不織布は、不織布の両側または片側にプラスチック・フィルムを積層した種類であってもよく、DuPont社のTyChem(登録商標)シリーズの布地、Kimberly Clark社のHazardGard I、II(商標)布地、Kappler社のCPF(商標)およびResponderシリーズの布地、ならびにILC Dover社のReady 1 fabric(商標)が含まれる。これらの不織布は、通常は、縫い合わせによって、あるいは他の方法で布地を一体に貼り付けることによって、3つの放射線防護層34、36、60に組み合わされる。
【0041】
また、化学品防護は、ポリ塩化ビニルおよび/またはILC Dover社のChemturion(商標)などの塩素化ポリエチレンフィルムを使用して付与することもできる。これらのフィルムは、本発明の3つの放射線防護層34、36、60に積層することができ、あるいは本発明の3つの放射線防護層34、36、60上に押し出し成型することができる。
【0042】
他の種類の化学品防護層は、Gore‐tax(登録商標)などの布地、またはDuPont社のNexGen(商標)、Kimberly Clark社のKleenguard Ultra(商標)、Lakeland社のMicro‐Max(商標)、およびKappler社のProshield 2(商標)などのポリプロピレン主体の布地へと積層させた微細な孔を有するポリマー・フィルムである。さらに、化学品防護を、Blucher GmbHおよびLanx社から販売されている炭素/布地の組み合わせなど、吸収層を組み合わせてなる材料によってもたらすこともできる。他の種類の化学品防護布地は、片面または両面をゴムまたはプラスチックで被覆してなる織布である。これら被覆付きの化学品防護布地には、ポリ塩化ビニルとナイロンの複合材料、ポリウレタン/ナイロン複合材料、ネオプレン/アラミド複合材料、ブチル/ナイロン複合材料、塩素化ポリエチレン/ナイロン複合材料、ポリテトラフルオロエチレン(すなわち、Teflon(登録商標))/ガラス繊維複合材料、およびクロロブチル/アラミド複合材料が含まれる。
【0043】
これら化学品防護層210、220は、好ましくは無孔であるため、感染性の生物剤に対する防護をももたらすであろう。
【0044】
図11に示されている布地は、3つの放射線防護層34、36、60に化学品防護層210、220を追加するだけで、幅広い防護の手段を提供できるが、追加または代替の層210、220、230を、さらなる危険を防止し、あるいは熱の放散を促進するよう選択することも可能である。例えば、化学的防護層210がプラスチックの積層である場合、図11の層220を他の織布または不織布層とすることができ、層230を、DuPont社の製造するNomex(登録商標)耐火アラミド布地から作られる層など、火炎防護層とすることができる。他の種類の耐火材料としては、Southern Mills社の販売しているものなどのNomex(登録商標)およびKevlar(登録商標)アラミド布地の組み合わせ、メラミン樹脂とアラミド繊維の組み合わせ、ポリテトラフルオロエチレン(すなわち、Teflon(登録商標))とアラミド繊維の組み合わせ、レーヨンとアラミド繊維の組み合わせ、ポリベンゾイミダゾールとアラミド繊維の組み合わせ、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾールとアラミド繊維の組み合わせ、ポリイミドとアラミド繊維の組み合わせ、およびMylar(商標)プラスチック・フィルムがある。或いは、層230は、防弾アラミドおよび/またはポリエチレン繊維から作られた弾丸や爆発物の破片に対する防護層であってもよい。
【0045】
あるいは、層230を熱放散材料で形成することが思慮深いかもしれない。そのような熱放散層を形成するための一方法は、銀、銅、金、アルミニウム、ベリリウム、カルシウム、タングステン、マグネシウム、亜鉛、鉄、ニッケル、モリブデン、炭素、および/またはスズなどの高熱伝導の材料を、放射線防護材料をポリマーと混合して放射線防護層60を形成するのと同じやり方で、ポリマーに混合することである。
【0046】
図11には、6層からなる危険防止布200が示されているが、当業者であれば、6層以上または6層以下で複数の危険に対する防護布を作り出すことができることは、容易に理解できるであろう。例えば、図11に示した織布または不織布層34、36、220を、省略することができる。さらに、異なる危険防止層または熱放散層を、1つの層へと一体に組み合わせることも可能である。例えば、本発明の放射線防護層60は、それ自身優れた熱の放散特性をもたらすことが見出されているが、これらの熱放散特性を、銀、銅、および/またはアルミニウムなどの強力な熱伝導体を、放射線防護層60の放射線不透過性材料混合物に加えることによって、向上させることができる。
【0047】
次に図12に眼を向けると、さらなる危険防止特性を有する防弾チョッキ300が示されている。多くの防弾チョッキ300は、Borgeseの米国特許第4,989,266号に示されているものと同様の従来からの設計を有しており、この米国特許の開示は、ここでの言及によって本明細書に組み込まれたものとする。対弾丸の防護は、基本的には、ポリエチレン繊維314および/またはアラミド繊維316の層によって提供される。防弾チョッキに使用される市販のポリエチレン布地には、Honeywell社のSpectra(商標)シリーズの超高分子量ポリエチレン布地、およびガラス繊維をさらに含んだHoneywell社のSpectraguard(商標)超高分子量ポリエチレン布地がある。防弾チョッキにおいて使用される市販のアラミド布地には、DuPont社のKevlar(登録商標)シリーズのアラミド布地、およびAkzo社のTwaron(商標)シリーズのアラミド布地がある。この好ましい例においては、防弾チョッキが、1つ以上のアラミド繊維の層316を、ポリエチレン繊維の層314の間に挟んで備えている。弾丸や爆発物の破片に対してより高い水準の防護を得るため、通常は、より多数のアラミド繊維層314および/またはポリエチレン繊維層316が作られる。追加の強度を、防弾材料の層を互いに90°の向きで重ね合わせて熱可塑性材料の層の間に閉じ込めることによって、生み出すことができる。さらに高い水準の防護をもたらすべく、セラミックおよび板を追加することも可能である。図7に示した防弾チョッキ300は、好ましくは布地を挿入する外被312によって、一体に保つことができる。
【0048】
図12に示した防弾チョッキ300に追加の危険防止を加えるため、図2、4または11に示した種類の追加の層320を挿入することができる。一実施の形態においては、この追加の層320は、図2および4に示した種類の複合放射線防護層50、80であってよい。防弾チョッキにこのような放射線防護層50、80を加えることによって、防弾チョッキが、弾丸や爆発物の破片に加え、放射線に対する防護も達成できる。同様に、図11に関連して説明した種類の多層布地を使用することにより、火炎、化学品および/または生物剤への防護を付与することができる。放射線防護のみの場合には、通常は、本発明の放射線防護層50、80の優れた熱放散特性を利用するため、追加の層320がユーザの体の近くに位置することが望まれる。対照的に、火炎、化学品および/または生物剤への防護を付与する布地の場合には、通常は、それら汚染物質が防弾チョッキへ300へと浸透することがないよう、この層が防弾チョッキの外側付近にあることが望まれる。
【0049】
図13〜20は、本発明の危険防止布を生み出すために好都合に使用できるさまざまな製造技法を示している。例えば、図13は、衣類または他の物品に使用するための図2に示した種類の放射線不透過性布地または他の平坦な可撓性材料について、大量生産にとくに適した製造技法を示している。図13のプロセスは、重合体混合物を塗布すべき布地または他の平坦な可撓性材料34、36からなる1つ以上のロール430、432から出発する。このプロセスにおいては、それらが液体重合体混合物と良好に結合し、場合によっては危険に対する固有の防護をもたらすことから、ポリプロピレン、ポリエチレン、アラミド、レーヨン、またはこれらの任意の混合物などの不織の重合体布地が好ましい。あるいは、このプロセスを、布などの織布、あるいは紙やフィルムなど他の平坦な可撓性材料を用いて達成してもよい。布地または他の材料34、36の重合体混合物との付着能力を高めるため、1つ以上のコロナ処理器438、439によって布地または他の材料にコロナ処理を加えてもよい。
【0050】
このプロセスにおいては、液状の放射線防護重合体混合物が、塗布ユニット440を使用することによって、不織布または他の材料34の片側に塗布される。この塗布ユニット440は、典型的には、引き出された布地または他の材料34の片側に液状の重合体混合物の薄い層(例えば、好ましくは厚さ0.1〜20ミリメートル)を塗布するためのローラ442を備えている。
【0051】
塗布ユニット440の後、積層ユニット488へと送る前に重合体混合物の薄い層を途中まで乾燥させるため、好ましくは重合した布地444を、高温空気炉446に通過させる。積層ユニット448において、好ましくは、被覆がなされた布地444が、熱および圧力のもとで第2の布地または他の材料36のシートと組み合わされ、サンドイッチ状の放射線防護布50が製造される。次いで、このサンドイッチ状の放射線防護布または他の材料に、所望に応じて、穿孔/型押しユニット452において穿孔および/または型押しを加えることができる。続いて、通常は、完成した放射線防護製品が、衣類または他の物品の製造に使用すべく適切な場所へと出荷するため、最終ロール454へと巻き取られる。この図4の例では、布地または他の材料の層34、36が2つ示されているが、代案として、布地または他の材料のただ1枚の層34に、重合体混合物を塗布することも可能である(すなわち、片面が開放されているサンドイッチ状)。
【0052】
図14は、図13に示したプロセスの改良版を示しており、複数の危険に対する防護を備える布地を製造することができる。図13と同様、布地の2つのロール430、432および塗布ユニット440を、図2に示した種類のサンドイッチ状放射線防護布を製造すべく使用することができる。弾丸または爆弾の破片に対する防護を加えるため、布地の2つのロール430、432が、防弾アラミドおよび/またはポリエチレン繊維布のロールであってよい。他の種類の防護を付与するため、プロセスに第3の布地ロール470および第2の塗布ユニット476を追加することができる。ロール470の布地は、通常は、ロール430、432と同じ織布、不織布、または防弾布地である。したがって、第2の塗布ユニット476は、好ましくは、化学品、生物剤または火炎に対する防護など、放射線ではない別の種類の危険防止を備える液状の重合体混合物を付与すべきである。あるいは、第2の塗布ユニット476からの液状の重合体混合物が、銀、銅またはアルミニウムなどの強力な熱伝導体を重合体混合物中に取り込んで有する熱放散層を堆積させてもよい。
【0053】
積層ユニット484において、サンドイッチ状の放射線防護布が危険防止布による追加の層480と組み合わされ、複数種の危険防止を有する複合布地490が製造される。次いで、この複合布地490に、所望に応じて、穿孔/型押しユニット452において穿孔および/または型押しを加えることができ、続いて、最終ロール494へと巻き取ることができる。しかしながら、追加の層が化学品および/または生物剤に対する防護を付与する場合、この穿孔/型押し工程は回避すべきである。
【0054】
次に図15に眼を向けると、本発明の危険防止布を製造するための第2の一般的な種類のプロセスが示されている。図15のプロセスにおいては、重合体混合物材料570が、第1の押出し機572のホッパー571に配置されている。放射線防護を実現するため、重合体混合物570は、好ましくは、ポリマー、1つ以上の放射線不透過性材料、および1つ以上の添加物を含んでいる。このプロセスにおいては、これら重合体混合物材料570を、固体の形でホッパー571に入れることができる。ホッパー571が重合体混合物材料570を第1の押出し機572に供給するとき、好ましくは重合体混合物材料が粘性流体状態へと加熱され、動力付きの押出し機スクリュ573の回転動作によって一緒くたに混合される。この動力付きの押出し機スクリュ573が重合体混合物材料を第1の押出し機572から押し出すとき、穴開き板と回転カッター574の組み合わせが、出て行く重合体混合物をペレット575へと切断する。次いで、これらのペレット575が、好ましくは第2の押出し機577のホッパー576へと導入される。やはり、加熱と動力付きのスクリュ578とによって、重合体混合物が溶融状態にされる。重合体混合物材料が押出し機577から押し出されるとき、今度は、第2の押出し機の端部に位置する切れ目付きの板579が、液化した重合体混合物の薄いフィルム600を押し出すために使用される。この薄いフィルムは、厚さ0.1〜20ミリメートルの次元にあると好都合である。プロセス工程の簡略化のため、この薄い層600を、第1の押出し機572単独で生成することも可能である。しかしながら、第2の押出し機577を省略することで、重合体混合物が押出しに先立って均一に混合されない可能性が大きくなる。
【0055】
図13および14に示したプロセスにおけるのと同様、図15のプロセスにおいても、液状となった重合体混合物が、好ましくは布地または他の材料の2枚のシート590、592の間にサンドイッチされる。前記と同様、布地シートが好ましくは布地ロール594、596から引き出される。やはり、コロナ処理器596、598を、接合プロセスをより強力にするために使用することができる。この場合には、液状の重合体混合物の薄いフィルム600が、同時に布地または他の材料の両方のシート590、592の間に適用される。ひとたび液状重合体混合物の薄フィルム600が2枚のシート590、592の間に挿入されると、次いで、この2枚のシート590、592が、好ましくは積層ユニット602のローラ間で圧縮および加熱され、所望に応じて、穿孔/型押しユニット604において穿孔および/または型押しされる。続いて、保管に便利なように、完成した放射線防護布または他の材料606を、最終ロール608へと巻き取ることができる。
【0056】
図16および17は、図15に示したプロセスの改良版を示しており、複数種の危険に対する防護を備える布地を製造することができる。図15のプロセスと同様、図16のプロセスは、放射線防護フィルム626を生成するための押出し機622を備えている。この放射線防護フィルムは、重合体混合物材料620をホッパー621内に配置することによって作り出すことができる。前記と同様、重合体混合物は、好ましくは、ポリマー、1つ以上の放射線不透過性材料、および1つ以上の添加剤を含んでいる。ホッパー621が、重合体混合物材料620を押出し機622へと供給する。押出し機622において、好ましくは重合体混合物材料が粘性流体状態へと加熱され、動力付きの押出し機スクリュ623の回転動作によって一緒くたに混合される。この重合体混合物材料が押出し機622から押し出されるとき、押出し機の端部に位置する切れ目付きの板624が、液状の重合体混合物の薄いフィルム626を押し出すべく使用される。必要に応じ、図15の押出し機572と同様の前置の押出し機を、押出し機622のホッパー621内に配置された重合体混合物の均一な混合をより確実にするために使用することができる。
【0057】
図15のプロセスと異なり、図16のプロセスの第2の押出し機632は、放射線防護の第1のフィルム626に組み合わされる第2のフィルム636を同時に生成するため、第1の押出し機622と並列に配置されている。好ましくは、第2の押出し機632によって生成されるフィルム636は、第1の押出し機622によって生成されるフィルムとは異なる種類の危険防止を提供する。例えば、第1の押出し機622を放射線防護フィルム626を生成すべく好都合に利用できる一方で、第2の押出し機632を、これを補完する化学品、生物剤または火炎用の防護フィルム636を生成すべく好都合に使用することができる。この補完用のフィルム636を生成するため、異なる種類の重合体混合物がホッパー631に装填され、液体の姿へと加熱され、動力付きの押出し機スクリュ633の回転動作によって一緒くたに混合される。動力付きの押出し機スクリュ633が、この別の重合体混合物の材料を押出し機632から押し出すとき、押出し機632の端部に位置する切れ目付きの板634が、液状の重合体材料の薄いフィルム636を押し出すために使用される。
【0058】
次いで、2つの押出し機622、632からの液状の重合体フィルム626、636が、好ましくは布地または他の材料の2枚のシート590、592の間にサンドイッチされるときに一体化される。前記と同様、布地シートは、好ましくは布地ロール594、596から引き出される。やはり、コロナ処理器596、598を、接合プロセスをより強力にするために使用することができる。ひとたび複合フィルム638が2枚のシート590、592の間に挿入されると、続いて、この2枚のシート590、592が、好ましくは積層ユニット602のローラ間で圧縮および加熱され、所望に応じて、穿孔/型押しユニット604において穿孔および/または型押しされる。次いで、保管に便利なように、完成した複数種の危険防護の製品640を、最終ロール650へと巻き取ることができる。
【0059】
図17は、図13〜16の原理を、どのようにして任意の数の危険防止特性を有する布地の製造に使用できるのかを示している。図17のプロセスは、布地または他の材料のロール656から出発する。この布地ロール656からシート658が引き出され、押出し機660からの重合体層を堆積させるための基板として使用される。一例として、シート658は、アラミドおよび/またはポリエチレン繊維から作られた弾丸および爆弾片用防護布であってよく、重合体層661は、前記した放射線防護重合体混合物の一種でよい。代案として、シート658が、高速紡ぎのポリエチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリプロピレン化学品防護布、あるいはアラミド耐火布などの耐化学品または耐火布であってよい。次いで、第2の押出し機670を使用し、化学品または生物剤防護重合体層などの危険防止材料からなる追加の層を、製造途上の布地664に付け加えることができる。続いて、製造途上の布地が前方に移動するとき、第3の押出し機680を使用し、耐火または熱放散ポリマーなどの第3の種類の危険防止ポリマー681を付け加えることができる。当業者であれば容易に理解できるとおり、このプロセスが、所望するすべての危険防止特性を付与するために必要な数の押出し機によって続けられる。所望のすべてのポリマー層を堆積させた後、複合布地は、積層ユニット682において加熱および圧縮される。次いで、最終的な危険防止布地684が、保管および使用に便利なよう、ロール690に巻き取られる。
【0060】
次いで図18に眼を向けると、布地や他の材料に貼り付ける必要のない危険防止ポリマーの自立フィルムの形成のためのプロセスが示されている。図15〜17のプロセスと同様、この防護フィルム・プロセスは、好ましくは、適切な重合体混合物732を押出し機730のホッパー734内に置くことから出発する。放射線防護フィルムを製造するため、この重合体混合物732は、好ましくは、ポリマー、1つ以上の放射線防護材料、および任意の適当な添加物からなる。ホッパー734が重合体混合物を押出し機730に供給するとき、この重合体混合物が粘性流体状態へと加熱され、動力付きの押出し機スクリュ736によって攪拌される。重合体混合物が動力付きの押出し機スクリュ736によって押出し機730から押し出されるとき、押出し機の端部に位置する切れ目付きの板738が、放射線防護ポリマーのフィルム740を生み出し、これが環状(endless)コンベア・ベルト742上に堆積させられて冷却される。環状コンベア・ベルト742は、フィルムがコンベア・ベルト742に必要以上に付着することがないよう、好ましくは研磨処理された金属またはテフロン(登録商標)被膜を有している。冷却プロセスを迅速化するため、ファン、ブロア、または冷却ユニット(図示されていない)を使用してもよい。防護フィルム740が充分に冷却されたとき、これを保管に便利なように最終ロール744に巻き取ることができる。次いで、危険防護フィルムの最終ロール744を、衣類、テント、包装材料、壁紙、裏地、家屋の羽目板、家屋の屋根材、家屋の基礎などの製造を含み、本明細書で説明した任意の数の用途に使用することができる。
【0061】
図19は、図18に示したプロセスの一変形例を示している。図18のプロセスと同様、図19のプロセスは、重合体混合物732を押出し機730のホッパー734内に置くことから出発する。ホッパー734が重合体混合物を押出し機730に供給するとき、やはりこの重合体混合物が加熱され、動力付きの押出し機スクリュ736によって攪拌される。しかしながら、このとき、好ましくは重合体材料が、粘性流体状態ではなく、ペーストの粘度へと加熱される。動力付きの押出し機スクリュ736が重合体混合物748を押出し機730から押し出すとき、押出し機の端部に位置する切れ目付きの板738が、やはり危険防護ポリマーのフィルム748を生み出し、これが環状コンベア・ベルト742上に堆積させられる。今度は、環状コンベア・ベルト742を出たペースト状のフィルム748が、カレンダー・ロール750、752へと供給され、カレンダー・ロール750、752が、ペースト状のフィルム748の加熱および圧縮を同時に行なう。このカレンダー・プロセスの際に、通常は重合体分子がより長い分子鎖を形成すべく架橋重合し、強度の高い材料をもたらす。カレンダー・ロール750、752を離れた後、完成したフィルム754が、引き取りローラ755、756によって引っ張られ、次いで、好ましくは保管および後の使用に便利なように、最終ロール758へと巻き取られる。
【0062】
図20は、図19のプロセスの改良版を示しており、複数の危険に対する防護を提供できる自立フィルムを製作すべく使用することができる。図19のプロセスと同様、図20のプロセスは、重合体混合物732をペースト状フィルム748へと加熱および攪拌するための押出し機730の使用を含んでいる。好ましい実施の形態においては、このペースト状フィルム748が、放射線防護特性を有する重合体である。図19のプロセスのように、このペースト状のフィルム748が、カレンダー・ロール750、752へと供給され、カレンダー・ロール750、752が、ペースト状のフィルム748の加熱および圧縮を同時に行なう。カレンダー・ロール750、752を離れた後、フィルム754は、引き取りローラ755、756、758によって引っ張られ、第2の組のカレンダー・ロール850、852へと前方に送られる。第2の組のカレンダー・ロールにおいて、フィルム754が、第2の押出し機800によって製造された第2のフィルム810と組み合わされる。すでに述べたように、第2の押出し機800が、化学品、生物剤、火炎、または熱に対する防護などの異なる種類の危険防護を備えたフィルム810を生成すると好ましい。第2の組のカレンダー・ロールにおいて、2つのフィルム754、810が一体に加熱および圧縮される。次いで、複合フィルム854が第2の組の引き取りローラ854、855、858によって引っ張られ、好ましくは保管および後の使用に便利なように、最終ロール870へと巻き取られる。
【0063】
これまで説明した危険防護用の布地またはフィルムの製造のためのプロセスは、重合体混合物を必要としていた。しかしながら、少なくとも放射線防護を付与するという文脈においては、そのような重合体が常に必要というわけではない。例えば、放射線防護を布および紙を含む多数の種類の布地へと、当該布地を硫酸バリウムなどの放射線防護材料、または塩化バリウムおよび硫酸試薬などの当該放射線防護材料の形成に使用される試薬の高濃度溶液に浸す、あるいはさらすことによって、付与することができる。硫酸バリウムの場合には、この溶液が、1または2モル濃度の硫酸バリウム沈殿物の水溶液(他の濃度でも機能するが)であると好都合である。(例えば、一晩浸漬することによって)硫酸バリウムの沈殿物に布地に完全に染み込む機会を与えた後、この布地を硫酸バリウム水溶液から取り出して空気で乾燥させることができる。乾燥は、乾燥ランプまたは電子レンジ組立体を使用して実行することも可能である。硫酸バリウムは放射線を遮断することができるため、布地への硫酸バリウムの含浸によって、通気性を依然として可能にしつつ、放射線遮断能力をもたらすことができる。
【0064】
含浸プロセスの効率を改善するため、種々の添加物を好都合に使用することができる。これらの添加剤には、放射線防護材料の付着を強化し、さらに/あるいは放射線防護材料の溶液の濃度を高めるための粘着剤、固定剤および/または乳化剤が含まれうる。例えば、Gum ArabicまたはGuar Gumなどの粘着剤を、すでに述べた硫酸バリウム溶液に加え、溶液の濃度を濃くするとともに硫酸バリウムの布地への付着を強化することができる。あるいは、粘着剤を、硫酸バリウム溶液ではなく布地に加えることができる。次いで、前処理された布地を、硫酸バリウム溶液に浸す、あるいはさらすことができる。
【0065】
さらに、放射線防護材料を含んだ溶液に浸す、またはさらすほか、他の技法を使用して本発明の放射線防護材料を布地に含浸させることも可能である。放射線防護材料が溶液中に粒子の形態で(例えば、沈殿物として)存在する場合、代案となる1つの方法は、放射線不透過性材料の粒子よりも寸法が小さいが、この放射線不透過性溶液に使用されている溶媒(例えば、水またはアルコール)よりも寸法が大きい孔を有する布地を選択することである。次いで、この布地に放射線不透過性溶液を、この布地がフィルタとして機能して、溶媒の通過を許しつつ放射線不透過性粒子を濾し取るようなやり方で、通過させることができる。硫酸バリウム沈殿物を含んだ水溶液の場合には、フィルタの孔寸法は2ミクロンの次元にあるべきであり、Whatman社の孔寸法5番に相当すべきである。同様に、放射線不透過性粒子の溶液を、布地へと吹き付けることが可能である。やはり、布地を放射線不透過性材料で充分に含浸した後、乾燥させて衣類または他の種類の物品へと組み立てることができる。
【0066】
重合体を使用しない放射線防護の他の実施の形態においては、対になる試薬の溶液を両側に置き、布地を中央に置いて反応室を製作することができる。硫酸バリウム放射線不透過性化合物の場合には、それらの試薬は、それぞれ塩化バリウムおよび硫酸であってよい。この硫酸バリウムの例では、塩化バリウムが硫酸へと自然に引き寄せられるため、塩化バリウムと硫酸の間で化学反応が発生し、布地中に硫酸バリウムの沈殿物が残される。
【0067】
重合体を使用しない放射線防護のさらなる代案においては、布地を、一方の試薬を(例えば、化合物またはフリーラジカルとして)布地内に取り込んで形成し、次いで他方の試薬へと暴露して、結果として放射線不透過性の含浸を生成することができる。やはり、硫酸バリウム放射線不透過性化合物の場合には、布地を、バリウムまたは硫酸塩を布地の一部として形成し、次いで、硫酸バリウムの含浸を生成するため、他方の化合物へと暴露すると好都合である。
【0068】
以上の明細書においては、本発明を、いくつかの具体的な好ましい実施の形態および方法を参照して説明した。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の幅広い技術的思想および技術的範囲から離れることなく種々の変形または変更が可能であることは、当業者にとって明らかである。例えば、多くの好ましい実施の形態は、防護用衣類の製造に関係している。しかしながら、放射線、化学品、生物剤、金属飛来物および火炎の危険に対する防護が、他の多数の文脈においても必要とされることは、当業者であれば承知のとおりである。例えば、本件出願において説明した種類の可撓性防護布地は、例えば、車両、X線スキャン装置、X線室、または航空機の客室における裏打ち材として使用することができる。あるいは、本発明の放射線防護布または他の材料は、敏感な材料(例えば、写真フィルム、電子機器)を損傷から保護するための封筒または小袋へと形成することができる。さらに、鉛の毒性が現実の関心事であるため、本発明の放射線防護材料は、プリント配線基板に使用されるはんだを含め、現在の鉛の用途の多くにおいて、鉛を置き替えるために使用することができる。さらにまた別の例として、本発明の放射線不透過性材料を、微細に挽き砕いてゴム製品または油性の塗料に混ぜ合わせることができる。放射線防護材料をよく混ざった状態に保って溶液、乳濁液または懸濁液から析出することがないようにするため、乳化剤、結合材または懸濁剤を、そのような塗料に加えてもよい。このような放射線防護材料の添加によって、放射線の危険からの防護を提供するため、放射線防護をあらゆる種類の表面に塗装または被覆することが可能である。
【0069】
本件出願において説明した原理および技法を、放射線、有害な化学品、感染性の生物剤、金属飛来物、あるいは火炎が存在するあらゆる分野に適用できることは、当業者であれば容易に理解できるであろう。したがって、明細書および図面は、例示として考えるべきものであって本発明を限定する意味ではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−133487(P2011−133487A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−44521(P2011−44521)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【分割の表示】特願2004−534753(P2004−534753)の分割
【原出願日】平成15年9月5日(2003.9.5)
【出願人】(505086749)
【Fターム(参考)】