説明

複数色化粧料の充填成形装置

【課題】複数色化粧料の境界部分での色混じりがなく、高品質の製品を製造効率よく得ることができる複数色化粧料の充填成形装置を提供する。
【解決手段】化粧料容器2の開口部に、吸引孔13を設けた吸引端面部14を嵌め込むとともに、吸引端面部14から間隔をもって突設した2個の仕切り片により化粧料容器2内を容器上面から3個の化粧料充填室に仕切り、3色の化粧料の充填に応じて化粧料充填室に対する減圧吸引を行う仕切り・吸引部11と、仕切り片により仕切られた化粧料容器2内に容器底部における3個の充填孔3から3色の化粧料を各々充填する複数色化粧料充填部21と、各化粧料が充填された後、3色の化粧料が仕切り片の厚さに相当する隙間をもって存在する化粧料容器2の開口部内に下降し、各化粧料間の隙間を無くして化粧料容器2内に3色の化粧料が境界線を境とし連続分布するように成形する押圧成形部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数色化粧料の充填成形装置に関し、詳しくは、化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴とし、複数色化粧料の境界部分での色混じりがなく、高品質の製品を製造効率よく得ることができる複数色化粧料の充填成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、単一の皿状容器内に、例えば3色等、複数色の化粧料を充填し、複数色の化粧料を境界線を境として連続的に分布させる構造の複数色化粧料を得るための複数色化粧料の充填成形装置、方法が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、底壁部に挿入穴を設け、底壁部外側から挿脱自在に配置した中仕切りにより内部に複数の区分室が形成された容器に対し、上面開口部を基体で対向閉止した後、各区分室底壁部に形成した充填孔からスラリー状化粧料を色別に注入し、中仕切りの抜き取りを行い、この後基体を外し、圧縮、乾燥、固化する構成とした複数色固形状化粧料の充填成形方法が提案されている。
【0004】
特許文献1の場合、容器の底壁部に中仕切りを挿脱するための挿入穴を設けることが不可欠で、このため、容器の強度低下や、挿入穴が外観に現れることによる視覚性の悪化を招くという問題を包含している。
【0005】
特許文献2には、有底皿状の容器に、別パーツとした形成した仕切り付きプレートを嵌め込んで、容器内を複数室に区画し、巻紙を介在させつつ多孔質吸収体を容器の上面開口位置に圧接し、容器の底部に設けた複数の充填孔から各室内に色別に化粧料を充填し、多孔質吸収体により溶剤を吸収除去し、巻紙、多孔質吸収体及び仕切り付きプレートを取り外し、容器の開口側からプレスヘッドを下降させて圧縮成形し、完成中身を乾燥する構成とした多色粉末化粧料の充填方法が提案されている。
【0006】
特許文献2の場合においては、仕切り付きプレートを別途用意する必要があり部品点数が増加してしまうという問題を包含している。
【0007】
特許文献3には、有底皿状の化粧皿の上方から、充填ヘッドに設けた可動式の仕切り板を下降させ、充填ヘッドの擦切面で化粧皿の開口部を覆うとともに仕切り板により化粧皿内を複数室に区画し、この状態でスラリー状化粧料を上方から複数室に色別に充填し、次いで仕切り板を擦切面以上の高さに上昇させるとともに、充填ヘッドの化粧皿に対する相対移動によって充填された各色のスラリー状化粧料を擦切面で擦り切るように構成した多色湿式化粧料の充填方法が提案されている。
【0008】
特許文献3の場合、化粧料を化粧皿の上部から充填する方法を採用することから製品となった際の各色の境界部を整然と整えることが難しいという問題を包含している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平2−142504号公報
【特許文献2】特開2005−143606号公報
【特許文献3】特開2011−32247号号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする問題点は、複数色化粧料の境界部分での色混じりがなく、高品質の製品を製造効率よく得ることができ、化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴構成とするような複数色化粧料の充填成形装置が存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数色化粧料充填用の複数の充填孔を設けた底板部と、この底板部の外周端から立設した側壁部とを有する有底皿状の化粧料容器に対して複数色の化粧料を充填し成形する複数色化粧料の充填成形装置であって、前記化粧料容器の開口部に、吸引孔を設けた吸引端面部を嵌め込むとともに、吸引端面部から間隔をもって突設した複数個の仕切り片により前記化粧料容器内を複数の化粧料充填室に仕切り、複数色の化粧料の充填に応じて前記複数の化粧料充填室に対する減圧吸引を行う仕切り・吸引部を有する仕切り・吸引手段と、前記複数個の仕切り片により仕切られた前記化粧料容器内に、前記複数の充填孔から複数色の化粧料を各々充填する複数色化粧料充填部を有する複数色化粧料充填手段と、複数色の化粧料が充填された後、前記仕切り・吸引部、及び前記複数色化粧料充填部が除去されて、複数色の化粧料が前記仕切り片の厚さに相当する隙間をもって存在する前記化粧料容器の開口部内に下降し、前記複数色の化粧料間の隙間を無くして前記化粧料容器内に前記複数色の化粧料が境界線を境とし連続分布するように成形する押圧成形部を有する押圧成形手段と、を有し、化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴とすることを最も主要な特徴とする
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴とし、化粧料容器内に複数色の化粧料を色混じりがなく外観体裁が良好な状態で充填成形でき、高品質の製品を効率よく製造することができる複数色化粧料の充填成形装置を実現し提供することができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様な効果を奏し、かつ、複数色の化粧料の上面に紙模様又は布模様を付した見栄えの良好な製品を製造することができる複数色化粧料の充填成形装置を実現し提供することができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明と同様な効果を奏し、かつ、複数色の化粧料の上面を立体状とした一層見栄えの良好な製品を製造することができる複数色化粧料の充填成形装置を実現し提供することができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴とし、化粧料容器内に複数色の化粧料を色混じりがなく境界線を鮮明とした外観体裁が良好な状態で充填成形でき、一層高品質の製品を効率よく製造することができる複数色化粧料の充填成形装置を実現し提供することができる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明と同様な効果を奏し、かつ、複数色の化粧料の上面に紙模様又は布模様を付した見栄えの良好な製品を製造することができる複数色化粧料の充填成形装置を実現し提供することができる。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明と同様な効果を奏し、かつ、複数色の化粧料の上面を立体状とした一層見栄えの良好な製品を製造することができる複数色化粧料の充填成形装置を実現し提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置の主要部の概略構成を示す説明図である。
【図2】図2は本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置の制御系を示す概略ブロック図である。
【図3】図3は本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置における充填及び減圧吸引動作準備時の化粧料容器に対する仕切り・吸引部、吸引補助シート、複数色化粧料充填部の配置を示す概略説明図である。
【図4】図4は本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置における充填及び減圧吸引動作開始時の化粧料容器に対する仕切り・吸引部、吸引補助シート、複数色化粧料充填部の配置を示す概略説明図である。
【図5】図5は本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置における充填及び減圧吸引動作工程を示す説明図である。
【図6】図6は本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置における充填及び減圧吸引動作終了後の3色の化粧料が隙間をもって充填された化粧料容器を示す概略断面図である。
【図7】図7は本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置における押圧成形部の化粧料容器に対する配置を示す概略説明図である。
【図8】図8は本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置における3色の化粧料に対する押圧成形動作を示す概略説明図である。
【図9】図9は本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置により3色の化粧料を充填成形した化粧料容器を示す概略断面図である。
【図10】図10は本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置における押圧成形部の変形例を示す概略説明図である。
【図11】図11は本発明の実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置の主要部の概略構成を示す説明図である。
【図12】図12は本実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置の制御系を示す概略ブロック図である。
【図13】図13は本実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置における充填及び減圧吸引動作準備時の化粧料容器に対する可動仕切り体を含む仕切り・吸引部、吸引補助シート、複数色化粧料充填部の配置を示す概略説明図である。
【図14】図14は本実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置における充填及び減圧吸引動作開始時の化粧料容器に対する可動仕切り体を含む仕切り・吸引部、吸引補助シート、複数色化粧料充填部の配置を示す概略説明図である。
【図15】図15は本実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置における充填及び減圧吸引動作工程を示す説明図である。
【図16】図16は本実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置における可動仕切り体を上昇させつつ充填及び減圧吸引動作を行う工程を示す説明図である。
【図17】図17は本実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置における充填及び減圧吸引動作終了後の3色の化粧料が隙間をもって充填された化粧料容器を示す概略断面図である。
【図18】図18は本実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置により3色の化粧料を充填成形した化粧料容器を示す概略断面図である。
【図19】図19は本実施例1、2に係る変形した仕切り片を用いて複数色化粧料の充填成形装置により各色の化粧料を充填成形した化粧料容器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、複数色化粧料の境界部分での色混じりがなく、高品質の製品を製造効率よく得ることができる複数色化粧料の充填成形装置を提供するという目的を、複数色の化粧料充填用の複数の充填孔を設けた底板部と、この底板部の外周端から立設した側壁部とを有する有底皿状の化粧料容器に対して複数色の化粧料を充填し成形する複数色化粧料の充填成形装置であって、前記化粧料容器の開口部に、吸引孔を設けた吸引端面部を嵌め込むとともに、吸引端面部から間隔をもって突設した複数個の仕切り片により前記化粧料容器内を複数の化粧料充填室に仕切り、複数色の化粧料の充填に応じて前記複数の化粧料充填室に対する減圧吸引を行う仕切り・吸引部を有する仕切り・吸引手段と、前記複数個の仕切り片により仕切られた前記化粧料容器内に、前記複数の充填孔から複数色の化粧料を各々充填する複数色化粧料充填部を有する複数色化粧料充填手段と、複数色の化粧料が充填された後、前記仕切り・吸引部、及び前記複数色化粧料充填部が除去されて、複数色の化粧料が前記仕切り片の厚さに相当する隙間をもって存在する前記化粧料容器の開口部内に下降し、前記複数色の化粧料間の隙間を無くして前記化粧料容器内に前記複数色の化粧料が境界線を境とし連続分布するように成形する押圧成形部を有する押圧成形手段と、前記仕切り・吸引部の吸引端面部及び仕切り片と化粧料容器の開口部との間、又は前記押圧成形部の押圧端面と、複数色の化粧料の上面との間に介在させる布或いは紙からなる吸引補助シートと、を有し、化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴とする構成により実現した。
【実施例】
【0020】
以下、本発明の実施例に係る複数色化粧料の充填成形装置について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
(実施例1)
本発明の実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置1について図1乃至図10を参照して詳細に説明する。
【0022】
本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置1は、化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴とするものである。
すなわち、本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置1は、図1、図2に示すように、複数色、例えば3色の化粧料充填用の3個の充填孔3を間隔を隔てて設けた底板部2aと、この底板部2aの外周端から立設した側壁部2bとを有する例えば四角形状で、かつ、有底皿状の化粧料容器2に対して、この化粧料容器2を前記3個の充填孔3を表出させるための抜穴4aを設けた基台4上に載置した状態で、例えば3色のスラリー状化した化粧料又は粉末化粧料を化粧料容器2の下方から充填し、化粧料容器2内に2本の境界線を境とし3色の化粧料が連続的に分布するように成形する構成としたものである。
【0023】
本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置1は、図1、図2に示すように、仕切り・吸引手段を構成する仕切り・吸引部11と、複数色化粧料充填手段を構成する複数色化粧料充填部21と、押圧成形手段を構成する押圧成形部31と、前記仕切り・吸引部11の吸引端面部14及び仕切り片15と、化粧料容器2の開口部との間に介在させる例えば(模様付)紙シート又は織物や編物からなる(模様付)布シート或いは不織布等からなる空気の流通可能な図1において二点鎖線で示す吸引補助シート41と、を有している。
【0024】
前記仕切り・吸引部11は、全体として中空の直方体状に形成した吸引パット本体12を具備し、この吸引パット本体12の底部に前記化粧料容器2の開口部に対して、前記吸引パット本体12におけるその内部空間に連通する多数の細径の吸引孔13を設けた吸引端面部14を嵌め込み、前記化粧料容器2の開口部を閉塞可能に構成している。
【0025】
また、前記吸引端面部14から下方に向けて間隔をもって突設した例えば2個の仕切り片15を前記化粧料容器2内に挿入し、これにより、前記化粧料容器2内を3個の化粧料充填室5a、5b、5cに仕切るように構成している。
【0026】
前記仕切り片15の形状は、(例えば底面が曲線の容器、或いは底面に角のない曲面形状の容器等の)化粧料容器2の内部形状に沿って形成され、仕切り片15の突出端は、最も下降した位置で化粧料容器2の内底面に当接するように形成されている。また、前記仕切り片15の厚さは、例えば0.2mm〜1.0mmの範囲で、かつ、突出端に至るほど薄厚となるように形成している。
【0027】
なお、前記仕切り片15自体の形状は、各実施例に示す直線的な形状の他、例えば、各種の曲線形状の仕切り片に形成して実施したり、また、仕切り片の端部が化粧料容器2のいずれの内面にも接しないような曲面形状の仕切り片に形成して実施したり、更には、各種の曲線形状の仕切り片と仕切り片の端部が化粧料容器2のいずれの内面にも接しないような曲面形状の仕切り片とを用いて実施することもできる。
上記各種の曲線形状の仕切り片15を用いて製品化した場合、図19の左欄に示すような異なる色の各化粧料の境界線15aが表出され、また、仕切り片の端部が化粧料容器2のいずれの内面にも接しないような曲面形状の仕切り片15を用いて製品化した場合、図19の右欄に示すような異なる色の各化粧料の境界線15bが表出され、更に、各種の曲線形状の仕切り片15と仕切り片の端部が化粧料容器2のいずれの内面にも接しないような曲面形状の仕切り片15とを用いて製品化した場合、図19の右欄に示すような異なる色の各化粧料の境界線15b、15cが表出される。
【0028】
前記吸引パット本体12には、その一端を吸引パット本体12自体の内部空間に臨ませた吸引ホース16を接続している。
本実施例の仕切り・吸引手段は、図2に示すように、前記仕切り・吸引部11の動作を実行するための仕切り・吸引部駆動部17を具備している。
【0029】
前記仕切り・吸引部駆動部17は、詳細は省略するが、前記吸引パット本体12の前記化粧料容器2に対する上下移動を行う駆動機構部と、前記吸引ホース16を介して吸引パット本体12の内部空間、したがって、化粧料容器2内の3個の化粧料充填室5a、5b、5cから、前記吸引補助シート41、前記吸引孔13、吸引パット本体12の内部空間を経ての減圧吸引を行うエアーポンプのような吸引源とを具備している。
【0030】
前記複数色化粧料充填部21は、前記化粧料容器2の3個の充填孔3に各々装着する3個の充填ノズル22を具備している。
【0031】
本実施例の複数色化粧料充填手段は、図2に示すように、前記複数色化粧料充填部21の動作を実行するための複数色化粧料充填部駆動部23を具備している。
【0032】
前記複数色化粧料充填部駆動部23は、詳細は省略するが、3個の充填ノズル22を前記化粧料容器2の各充填孔3に対する装着及び離脱駆動を行う駆動機構部と、3個の充填ノズル22に対して個別に例えばA色化粧料、B色化粧料、C色化粧料を供給する3色化粧料供給源と、を具備している。
【0033】
前記A色化粧料としては、例えば有機溶剤を用いてスラリー状とした赤色化粧料を採用し、前記B色化粧料としては、例えば有機溶剤を用いてスラリー状とした紫色化粧料を採用し、前記C色化粧料としては、例えば有機溶剤を用いてスラリー状としたピンク色化粧料を採用するものである。
【0034】
前記押圧成形部31は、前記化粧料容器2の開口部に対応する寸法の押圧端面32aを具備する押圧治具32を具備している。
【0035】
本実施例の押圧成形手段は、図2に示すように、前記押圧成形部31の動作を実行するための押圧成形部駆動部33を具備している。
【0036】
前記押圧成形部駆動部33は、詳細は省略するが、押圧治具32の前記化粧料容器2に対する上下移動を行う駆動機構部を具備している。
【0037】
前記吸引補助シート41は、図2に示す吸引補助シート駆動部42により各化粧料容器2に対する化粧料の充填工程が順に行われる都度繰り出し、巻き取り駆動される。但し、この場合、吸引補助シート41の巻き取り駆動は必須のものではなく、巻き取り駆動を行わない場合もある。
【0038】
また、前記吸引パット本体12の吸引端面部14を化粧料容器2の開口部に嵌め込んで、2個の仕切り片15を前記化粧料容器2内に挿入し、前記3色の化粧料を化粧料容器2の3個の各化粧料充填室5a、5b、5c内に充填した状態では、前記吸引補助シート41は、吸引端面部14に接合するとともに2個の各仕切り片15の外周に密接する状態となる。
【0039】
図2は、本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置1の制御系を示すもので、この制御系は、全体の動作を実行させるための動作プログラムを格納したプログラムメモリ52と、前記動作プログラムに基づいて前記仕切り・吸引部駆動部17、複数色化粧料充填部駆動部23、押圧成形部駆動部33及び吸引補助シート駆動部42の各動作制御を行う制御部51と、を有している。
【0040】
次に、本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置1による化粧料容器2に対する充填成形動作について、図3乃至図9をも参照して説明する。
【0041】
まず、図3に示すように、前記化粧料容器2を基台4上に載置し、3個の充填孔3を抜穴4aの部分に表出させる。
【0042】
そして、前記制御部51による制御の基に仕切り・吸引部駆動部17により仕切り・吸引部11を前記化粧料容器2の上方に配置し、前記制御部51による制御の基に吸引補助シート駆動部42により前記吸引補助シート41を仕切り・吸引部11と前記化粧料容器2と間に配置し、前記制御部51による制御の基に複数色化粧料充填部駆動部23により複数色化粧料充填部21の各充填ノズル22を化粧料容器2の3個の充填孔3の下方に各々配置する。
【0043】
更に、前記吸引補助シート41を前記仕切り・吸引部11と、前記化粧料容器2との間に配置する。
【0044】
次に、図4に示すように、前記仕切り・吸引部駆動部17により仕切り・吸引部11を下降させ、前記吸引補助シート41を下方に押しながら吸引パット本体12の吸引端面部14を前記化粧料容器2の開口部に嵌め込み、その開口部を閉塞するとともに、前記2個の仕切り片15を前記化粧料容器2内に挿入し、これにより、前記化粧料容器2内を3個の化粧料充填室5a、5b、5cに仕切る。
【0045】
このとき、前記吸引補助シート41は、吸引端面部14にほぼ接合するとともに2個の仕切り片15にほぼ密接する状態となる。
【0046】
また、複数色化粧料充填部駆動部23により各充填ノズル22を上昇させ、各充填ノズル22を化粧料容器2の3個の充填孔3に各々装着する。
【0047】
次に、図5に示すように、複数色化粧料充填部駆動部23により、3個の充填ノズル22に対して個別に例えばA色化粧料、B色化粧料、C色化粧料を各々供給して、前記化粧料容器2内を3個の化粧料充填室5a、5b、5c内におのおのA色化粧料、B色化粧料、C色化粧料を充填するとともに、前記仕切り・吸引部駆動部17によって、前記化粧料容器2内の3個の化粧料充填室5a、5b、5cから、前記吸引補助シート41、前記吸引孔13、吸引パット本体12の内部空間を経ての減圧吸引を行う。
【0048】
このようにして、前記化粧料容器2内の3個の化粧料充填室5a、5b、5cに対するA色化粧料、B色化粧料、C色化粧料の充填を行い、かつ、前記仕切り・吸引部駆動部17による前記化粧料容器2内のA色化粧料、B色化粧料、C色化粧料に対する減圧吸引を行うことで、A色化粧料、B色化粧料及びC色化粧料に含まれる液体が十分に吸引除去されるという利点がある。
【0049】
また、前記吸引補助シート41を用いることによって、A色化粧料、B色化粧料、C色化粧料の各上面に紙模様(模様付紙シートを用いた場合)又は布模様(模様付布シートを用いた場合)を転写することができる。
【0050】
次に、仕切り・吸引部駆動部17により仕切り・吸引部11を、前記仕切り片15を含めて前記化粧料容器2の上方に移動し、また、前記吸引補助シート41を除去し、複数色化粧料充填部駆動部23により3個の充填ノズル22を前記化粧料容器2の下方に移動し、次の化粧料容器2に対する充填工程に備えるとともに、3色の化粧料が充填された前記化粧料容器2を基台4から取り出す。
【0051】
この状態では前記化粧料容器2の内部には、図6に示すように、3色の化粧料が前記仕切り片15の厚さに相当する隙間Sをもって存在することになる。
【0052】
次に、図7に示すように、押圧成形部駆動部33により押圧成形部31の押圧治具32を前記化粧料容器2の上方に配置し、次いで図8に示すように押圧治具32を下降させて前記押圧端面32aにより前記化粧料容器2内の3色の化粧料の上面を所定の圧力により押圧し固化することで、3色の化粧料間の各隙間Sを無くし、前記化粧料容器2内に3色の化粧料が2本の境界線を境とし連続分布するように成形する。
【0053】
次に、押圧成形部駆動部33により押圧成形部31を上昇させ除去することで一連の充填成形工程を終了する。
【0054】
これにより、図9に示すように、前記化粧料容器2内において、前記隙間Sを無くし境界線を境としてA色化粧料、B色化粧料及びC色化粧料が連続分布し、かつ、これらの上面に紙模様又は布模様を付した外観体裁の良好な3色態様の化粧料を得て製品とすることができる。
【0055】
本実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置1によれば、化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴としつつ、化粧料容器2内にA色化粧料、B色化粧料及びC色化粧料からなる3色態様の化粧料を色混じりがなく外観体裁が良好な状態で充填成形でき、高品質の製品を効率よく製造することができる複数色化粧料の充填成形装置を実現し提供することができる。
【0056】
また、模様付紙シート又は模様付布シートからなる吸引補助シート41を用いることによって、A色化粧料、B色化粧料及びC色化粧料の上面に紙模様又は布模様を付した見栄えの良好な3色態様の化粧料を製造することができる複数色化粧料の充填成形装置を実現し提供することができる。
【0057】
図10は、前記押圧成形部31の変形例である押圧成形部31Aを示すもので、この押圧成形部31Aは、押圧治具32の押圧端面32aを平面以外の面形状、例えば前記A色化粧料、B色化粧料及びC色化粧料に対応させた3つの湾曲面が連続する形状としたことが特徴である。
更に、前記押圧成形部31の変形例として、図示するものではないが、前記押圧成形部31における押圧治具32の押圧端面32aを、例えば、各種曲面状の凹凸形状に形成して実施することもできる。このような押圧成形部31を用いた場合、前記化粧料容器2内の複数色化粧料の夫々の各上面を各々立体的な各種曲面状の凹凸形状に膨出させつつ連続的に分布させた一層見栄えの良好な複数色態様の化粧料を得て製品とすることができる。
【0058】
このような押圧成形部31Aを用いる場合には、図10下欄に示すように、前記化粧料容器2内のA色化粧料、B色化粧料及びC色化粧料の各上面を各々立体的な山形状に膨出させつつ連続的に分布させた一層見栄えの良好な3色態様の化粧料を得て製品とすることができる。
【0059】
前記押圧端面32aを平面以外の面形状とする別の態様としては、例えば押圧端面32aを細かい凹凸状としたり、小さいサイズの三角錐を多数均一に突出させた形状としたりする例を挙げることができる。
なお、上述したA色化粧料、B色化粧料及びC色化粧料の各上面を各々立体的形状とする場合には、上述した押圧成形部31Aを用いることに替えて、前記吸引パット本体12の吸引端面部14を平面以外の面形状とする構成を採用するようにしてもよい。
【0060】
また、前記吸引補助シート41は、上述した場合の他、押圧成形部31の押圧治具32と、3色の化粧料が隙間Sをもって存在する前記化粧料容器2との間に介在させ、押圧成形時にA色化粧料、B色化粧料、C色化粧料の各上面に紙模様又は布模様を転写する構成を採用することもできる。
【0061】
(実施例2)
本発明の実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置1Aについて図11乃至図18を参照して詳細に説明する。
【0062】
なお、本実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置1Aは、基本的構成は上述した実施例1に係る複数色化粧料の充填成形装置1と同様であるため、同一の要素には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0063】
本実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置1Aは、図11に示すように、前記仕切り・吸引部11に替えて、前記吸引パット本体12内に配置した仕切り支持板62により支持された2個の仕切り片63が化粧料容器内を3個の化粧料充填室5a、5b、5cに仕切る位置と、吸引端面部14に没入する位置とにわたって上下するように駆動される可動仕切り体61を備える仕切り・吸引部11Aを採用したこと、及び図12に示すように、前記可動仕切り体61を上下駆動する図示しないがモータ等及び上下駆動機構部を備えた仕切り体駆動部64を付加したことが特徴である。
この場合、前記実施例1の図2に示す制御部51における仕切り・吸引部駆動部17に代替して、制御部51に仕切り体駆動部と吸引部駆動部とが設けられることになる。
【0064】
前記可動仕切り体61は、平板状の仕切り支持板62と、この仕切り支持板62の下面から下方に向けて突設した2個の仕切り片63とを具備し、2個の仕切り片63の間隔を実施例1の2個の仕切り片15の間隔と同一に形成している。
【0065】
そして、2個の仕切り片63が、前記吸引パット本体12内から吸引端面部14にわたって設けた2個の挿通溝部14aを貫通する状態で、かつ、上下動可能な状態で配置している。
【0066】
前記仕切り片63の形状は、(例えば底面が曲線の容器、或いは底面に角のない曲面形状の容器等の)化粧料容器2の内部形状に沿って形成され、仕切り片63の突出端は、最も下降した位置で化粧料容器2の内底面に当接するように形成されている。
【0067】
更に、前記仕切り片63の厚さは、例えば0.2mm〜1.0mmの範囲で、かつ、突出端に至るほど薄厚となるように形成している。
【0068】
図12は、本実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置1Aの制御系を示すものであり、この制御系は、全体の動作を実行させるための動作プログラムを格納したプログラムメモリ52と、前記動作プログラムに基づいて前記仕切り・吸引部駆動部17、複数色化粧料充填部駆動部23、押圧成形部駆動部33、吸引補助シート駆動部42の各動作制御を行う制御部51とを有し、更に前記可動仕切り体61を上下駆動する仕切り体駆動部64の動作制御も前記制御部51により行うように構成している。
【0069】
次に、本実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置1Aによる化粧料容器2に対する充填成形動作について、図13乃至図18をも参照して説明する。
【0070】
まず、図13に示すように、前記化粧料容器2を基台4上に載置し、3個の充填孔3を抜穴4aの部分に表出させる。
【0071】
そして、前記制御部51による制御の基に仕切り・吸引部駆動部17により仕切り・吸引部11Aを前記化粧料容器2の上方に配置し、前記制御部51による制御の基に吸引補助シート駆動部42により前記吸引補助シート41を仕切り・吸引部11Aと前記化粧料容器2と間に配置し、前記制御部51による制御の基に複数色化粧料充填部駆動部23により複数色化粧料充填部21の各充填ノズル22を化粧料容器2の3個の充填孔3の下方に各々配置する。
【0072】
このとき、前記可動仕切り体61は、仕切り体駆動部64により図13において最も下側の位置となるように駆動する。
【0073】
次に、図14に示すように、前記仕切り・吸引部駆動部17により仕切り・吸引部11Aを下降させ、前記吸引補助シート41を下方に押しながら吸引パット本体12の吸引端面部14を前記化粧料容器2の開口部に嵌め込み、その開口部を閉塞するとともに、前記可動仕切り体61の2個の仕切り片63を前記化粧料容器2内に挿入し、これにより、前記化粧料容器2内を3個の化粧料充填室5a、5b、5cに仕切る。
【0074】
このとき、前記吸引補助シート41は、吸引端面部14にほぼ接合するとともに2個の仕切り片15にほぼ密接する状態となる。
【0075】
また、複数色化粧料充填部駆動部23により各充填ノズル22を上昇させ、各充填ノズル22を化粧料容器2の3個の充填孔3に各々装着する。
【0076】
次に、図15に示すように、複数色化粧料充填部駆動部23により、3個の充填ノズル22に対して個別に例えばA色化粧料、B色化粧料、C色化粧料を各々供給して、前記化粧料容器2内を3個の化粧料充填室5a、5b、5c内におのおのA色化粧料、B色化粧料、C色化粧料を充填するとともに、前記仕切り・吸引部駆動部17によって、前記化粧料容器2内の3個の化粧料充填室5a、5b、5cから、前記吸引補助シート41、前記吸引孔13、吸引パット本体12の内部空間を経ての減圧吸引を行う。
このとき、前記仕切り体駆動部64により、A色化粧料、B色化粧料、C色化粧料の化粧料充填室5a、5b、5cに対する充填量の増加とともに可動仕切り体61を図16に示すように上昇駆動し、2個の仕切り片63を上方に引き上げる。
【0077】
このようにして、前記化粧料容器2内の3個の化粧料充填室5a、5b、5cに対するA色化粧料、B色化粧料、C色化粧料の充填を行い、かつ、前記仕切り・吸引部駆動部17による前記化粧料容器2内のA色化粧料、B色化粧料、C色化粧料に対する減圧吸引を行うことで、A色化粧料、B色化粧料及びC色化粧料に含まれる液体が十分に吸引除去されるという利点がある。
【0078】
また、前記吸引補助シート41を用いることによって、A色化粧料、B色化粧料、C色化粧料の各上面に紙模様(模様付紙シートを用いた場合)又は布模様(模様付布シートを用いた場合)を転写することができる。
【0079】
更に、上述した各化粧料の充填時における2個の突出端に至るほど薄厚とした仕切り片63の上方への引き上げ動作により、後述するように化粧料容器2内における3色の化粧料間の隙間S1を実施例1の場合に比べ小さく(S1<S)することができる。
【0080】
次に、仕切り・吸引部駆動部17により仕切り・吸引部11を前記可動仕切り体61を含めて前記化粧料容器2の上方に移動し、また、前記吸引補助シート41を除去し、複数色化粧料充填部駆動部23により3個の充填ノズル22を前記化粧料容器2の下方に移動し、次の化粧料容器2に対する充填工程に備えるとともに、3色の化粧料が充填された前記化粧料容器2を基台4から取り出す。
【0081】
この状態では前記化粧料容器2の内部には、図17に示すように、3色の化粧料が前記仕切り片63の厚さに相当し、かつ、仕切り片63の上方への引き上げに対応して実施例1の場合に比べて小さい隙間S1をもって存在することになる。
【0082】
次に、実施例1の場合と同様にして、押圧成形部駆動部33により押圧成形部31の押圧治具32を前記化粧料容器2の上方に配置し、押圧治具32を下降させて前記押圧端面32aにより前記化粧料容器2内の3色の化粧料の上面を所定の圧力により押圧し固化することで、3色の化粧料間の各隙間S1を無くし、前記化粧料容器2内に3色の化粧料が2本の境界線を境とし連続分布するように成形する。
【0083】
この場合、本実施例2においては、前記化粧料容器2内の実施例1の場合に比べて小さい隙間S1を有する3色の化粧料の上面を、前記押圧治具32で所定の圧力により押圧し固化するものであるから、3色の化粧料の隣り合うものの間に色混じりが生じることを一層確実に防止し境界線を一層鮮明とした仕上りがとすることができる。
【0084】
次に、押圧成形部駆動部33により押圧成形部31を上昇させ除去することで一連の充填成形工程を終了する。
【0085】
これにより、図18に示すように、前記化粧料容器2内において、前記隙間S1を無くし境界線を境としてA色化粧料、B色化粧料及びC色化粧料が連続分布し、かつ、これらの上面に紙模様又は布模様を付した外観体裁の良好な3色態様の化粧料を得て製品とすることができる。
【0086】
本実施例2に係る複数色化粧料の充填成形装置1Aによれば、化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴としつつ、化粧料容器2内にA色化粧料、B色化粧料及びC色化粧料からなる3色態様の化粧料を色混じりがなく外観体裁が良好な状態で充填成形でき、高品質の製品を効率よく製造することができる複数色化粧料の充填成形装置を実現し提供することができる。
【0087】
また、模様付紙シート又は模様付布シートからなる吸引補助シート41を用いることによって、A色化粧料、B色化粧料及びC色化粧料の上面に紙模様又は布模様を付した見栄えの良好な3色態様の化粧料を製造することができる複数色化粧料の充填成形装置を実現し提供することができる。
【0088】
本実施例2においても、既述した図10に示す変形例の押圧成形部31Aを用いることによって、前記化粧料容器2内のA色化粧料、B色化粧料及びC色化粧料の各上面を各々立体的に膨出させつつ連続的に分布させた一層見栄えの良好な3色態様の化粧料を得て製品とすることができる。
【0089】
また、前記押圧端面32aを平面以外の細かい凹凸状としたり、小さいサイズの三角錐を多数均一に突出させた形状としたりすることも可能である。
【0090】
更に、実施例1で述べた場合と同様、A色化粧料、B色化粧料及びC色化粧料の各上面を各々立体的形状とする場合に、上述した押圧成形部31Aを用いることに替えて、前記吸引パット本体12の吸引端面部14を平面以外の面形状とする構成を採用するようにしてもよい。
【0091】
また、実施例1で述べた場合と同様、前記吸引補助シート41は、上述した場合の他に、押圧成形部31の押圧治具32と、3色の化粧料が隙間S1をもって存在する前記化粧料容器2との間に介在させ、押圧成形時にA色化粧料、B色化粧料、C色化粧料の各上面に紙模様又は布模様を転写する構成を採用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、化粧料容器の充填孔、仕切り片、複数色化粧料充填部の充填ノズルの構成を、各々2色対応、4色対応、5色対応として構成する等、種々の応用が可能であり、外観体裁の良好な複数色の化粧料を化粧料容器の内部に連続成形可能な斬新で実用価値の高い複数色化粧料の充填成形装置として広範に活用できる。
【符号の説明】
【0093】
1 複数色化粧料の充填成形装置
1A 複数色化粧料の充填成形装置
2 化粧料容器
3 充填孔
4 基台
4a 抜穴
5a 化粧料充填室
5b 化粧料充填室
5c 化粧料充填室
11 仕切り・吸引部
11A 仕切り・吸引部
12 吸引パット本体
13 吸引孔
14 吸引端面部
14a 挿通溝部
15 仕切り片
15a、15b、15c 異なる色の各化粧料の境界線
16 吸引ホース
17 仕切り・吸引部駆動部
21 複数色化粧料充填部
22 充填ノズル
23 複数色化粧料充填部駆動部
31 押圧成形部
31A 押圧成形部
32 押圧治具
32a 押圧端面
33 押圧成形部駆動部
41 吸引補助シート
42 吸引補助シート駆動部
51 制御部
52 プログラムメモリ
61 可動仕切り体
62 仕切り支持板
63 仕切り片
64 切り体駆動部
S 隙間
S1 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数色の化粧料充填用の複数の充填孔を設けた底板部と、この底板部の外周端から立設した側壁部とを有する有底皿状の化粧料容器に対して複数色の化粧料を充填し成形する複数色化粧料の充填成形装置であって、
前記化粧料容器の開口部に、吸引孔を設けた吸引端面部を嵌め込むとともに、吸引端面部から間隔をもって突設した複数個の仕切り片により前記化粧料容器内を複数の化粧料充填室に仕切り、複数色の化粧料の充填に応じて前記複数の化粧料充填室に対する減圧吸引を行う仕切り・吸引部を有する仕切り・吸引手段と、
前記複数個の仕切り片により仕切られた前記化粧料容器内に、前記複数の充填孔から複数色の化粧料を各々充填する複数色化粧料充填部を有する複数色化粧料充填手段と、
複数色の化粧料が充填された後、前記仕切り・吸引部、及び前記複数色化粧料充填部が除去されて、複数色の化粧料が前記仕切り片の厚さに相当する隙間をもって充填されて存在する前記化粧料容器の開口部内に下降して、前記複数色の化粧料間の隙間を無くして前記化粧料容器内に前記複数色の化粧料が境界線を境とし連続分布するように成形する押圧成形部を有する押圧成形手段と、
を有し、
化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴とする複数色化粧料の充填成形装置。
【請求項2】
複数色の化粧料充填用の複数の充填孔を設けた底板部と、この底板部の外周端から立設した側壁部とを有する有底皿状の化粧料容器に対して複数色の化粧料を充填し成形する複数色化粧料の充填成形装置であって、
前記化粧料容器の開口部に、吸引孔を設けた吸引端面部を嵌め込むとともに、吸引端面部から間隔をもって突設した複数個の仕切り片により前記化粧料容器内を複数の化粧料充填室に仕切り、複数色の化粧料の充填に応じて前記複数の化粧料充填室に対する減圧吸引を行う仕切り・吸引部を有する仕切り・吸引手段と、
前記複数個の仕切り片により仕切られた前記化粧料容器内に、前記複数の充填孔から複数色の化粧料を各々充填する複数色化粧料充填部を有する複数色化粧料充填手段と、
複数色の化粧料が充填された後、前記仕切り・吸引部、及び前記複数色化粧料充填部が除去されて、複数色の化粧料が前記仕切り片の厚さに相当する隙間をもって充填されて存在する前記化粧料容器の開口部内に下降して、前記複数色の化粧料間の隙間を無くして前記化粧料容器内に前記複数色の化粧料が境界線を境とし連続分布するように成形する押圧成形部を有する押圧成形手段と、
前記仕切り・吸引部の吸引端面部及び仕切り片と化粧料容器の開口部との間、又は前記押圧成形部の押圧端面と、複数色の化粧料の上面との間に介在させる布又は紙或いは不織布からなる吸引補助シートと、
を有し、
化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴とする複数色化粧料の充填成形装置。
【請求項3】
複数色の化粧料充填用の複数の充填孔を設けた底板部と、この底板部の外周端から立設した側壁部とを有する有底皿状の化粧料容器に対して複数色の化粧料を充填し成形する複数色化粧料の充填成形装置であって、
前記化粧料容器の開口部に、吸引孔を設けた吸引端面部を嵌め込むとともに、吸引端面部から間隔をもって突設した複数個の仕切り片により前記化粧料容器内を複数の化粧料充填室に仕切り、複数色の化粧料の充填に応じて前記複数の化粧料充填室に対する減圧吸引を行う仕切り・吸引部を有する仕切り・吸引手段と、
前記複数個の仕切り片により仕切られた前記化粧料容器内に、前記複数の充填孔から複数色の化粧料を各々充填する複数色化粧料充填部を有する複数色化粧料充填手段と、
複数色の化粧料が充填された後、前記仕切り・吸引部、及び前記複数色化粧料充填部が除去されて、複数色の化粧料が前記仕切り片の厚さに相当する隙間をもって充填されて存在する前記化粧料容器の開口部内に下降して、前記複数色の化粧料間の隙間を無くして前記化粧料容器内に前記複数色の化粧料が境界線を境とし連続分布するように成形する押圧端面を平面以外の面形状とした押圧成形部を有する押圧成形手段と、
前記仕切り・吸引部の吸引端面部及び仕切り片と化粧料容器の開口部との間、又は前記押圧成形部の押圧端面と、複数色の化粧料の上面との間に介在させる布又は紙或いは不織布からなる吸引補助シートと、
を有し、
化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴とする複数色化粧料の充填成形装置。
【請求項4】
複数色の化粧料充填用の複数の充填孔を設けた底板部と、この底板部の外周端から立設した側壁部とを有する有底皿状の化粧料容器に対して複数色の化粧料を充填し成形する複数色化粧料の充填成形装置であって、
前記化粧料容器の開口部に、吸引孔を設けた吸引端面部を嵌め込むとともに、吸引端面部から下方に間隔をもって複数個の突出端に至るほど薄厚の仕切り片を突出し前記化粧料容器内を複数の化粧料充填室に仕切る位置と、前記複数個の仕切り片が吸引端面部に没入する位置とにわたって上下するように駆動される可動仕切り体を備え、前記複数個の各仕切り片により前記化粧料容器内を複数の化粧料充填室に仕切った状態で、複数色の化粧料の充填に応じて前記複数の化粧料充填室に対する減圧吸引を行うとともに前記可動仕切り体の仕切り片を吸引端面部側にスライドさせる仕切り・吸引部を有する仕切り・吸引手段と、
前記複数個の仕切り片により仕切られた前記化粧料容器内に、前記複数の充填孔から複数色の化粧料を各々充填する複数色化粧料充填部を有する複数色化粧料充填手段と、
複数色の化粧料が充填された後、前記可動仕切り体を含む仕切り・吸引部、及び前記複数色化粧料充填部が除去されて、複数色の化粧料が前記仕切り片の厚さに相当する隙間をもって充填されて存在する前記化粧料容器の開口部内に下降して、前記複数色の化粧料間の隙間を無くして前記化粧料容器内に前記複数色の化粧料が境界線を境とし連続分布するように成形する押圧成形部を有する押圧成形手段と、
を有し、
化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴とする複数色化粧料の充填成形装置。
【請求項5】
複数色の化粧料充填用の複数の充填孔を設けた底板部と、この底板部の外周端から立設した側壁部とを有する有底皿状の化粧料容器に対して複数色の化粧料を充填し成形する複数色化粧料の充填成形装置であって、
前記化粧料容器の開口部に、吸引孔を設けた吸引端面部を嵌め込むとともに、吸引端面部から下方に間隔をもって複数個の突出端に至るほど薄厚の仕切り片を突出し前記化粧料容器内を複数の化粧料充填室に仕切る位置と、前記複数個の仕切り片が吸引端面部に没入する位置とにわたって上下するように駆動される可動仕切り体を備え、前記複数個の各仕切り片により前記化粧料容器内を複数の化粧料充填室に仕切った状態で、複数色の化粧料の充填に応じて前記複数の化粧料充填室に対する減圧吸引を行うとともに前記可動仕切り体の仕切り片を吸引端面部側にスライドさせる仕切り・吸引部を有する仕切り・吸引手段と、
前記複数個の仕切り片により仕切られた前記化粧料容器内に、前記複数の充填孔から複数色の化粧料を各々充填する複数色化粧料充填部を有する複数色化粧料充填手段と、
複数色の化粧料が充填された後、前記可動仕切り体を含む仕切り・吸引部、及び前記複数色化粧料充填部が除去されて、複数色の化粧料が前記仕切り片の厚さに相当する隙間をもって充填されて存在する前記化粧料容器の開口部内に下降して、前記複数色の化粧料間の隙間を無くして前記化粧料容器内に前記複数色の化粧料が境界線を境とし連続分布するように成形する押圧成形部を有する押圧成形手段と、
前記仕切り・吸引部の吸引端面部及び仕切り片と化粧料容器の開口部との間、又は前記押圧成形部の押圧端面と複数色の化粧料の上面との間に介在させる布又は紙或いは不織布からなる吸引補助シートと、
を有し、
化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴とする複数色化粧料の充填成形装置。
【請求項6】
複数色の化粧料充填用の複数の充填孔を設けた底板部と、この底板部の外周端から立設した側壁部とを有する有底皿状の化粧料容器に対して複数色の化粧料を充填し成形する複数色化粧料の充填成形装置であって、
前記化粧料容器の開口部に、吸引孔を設けた吸引端面部を嵌め込むとともに、吸引端面部から下方に間隔をもって複数個の突出端に至るほど薄厚の仕切り片を突出し前記化粧料容器内を複数の化粧料充填室に仕切る位置と、前記複数個の仕切り片が吸引端面部に没入する位置とにわたって上下するように駆動される可動仕切り体を備え、前記複数個の各仕切り片により前記化粧料容器内を複数の化粧料充填室に仕切った状態で、複数色の化粧料の充填に応じて前記複数の化粧料充填室に対する減圧吸引を行うとともに前記可動仕切り体の仕切り片を吸引端面部側にスライドさせる仕切り・吸引部を有する仕切り・吸引手段と、
前記複数個の仕切り片により仕切られた前記化粧料容器内に、前記複数の充填孔から複数色の化粧料を各々充填する複数色化粧料充填部を有する複数色化粧料充填手段と、
複数色の化粧料が充填された後、前記可動仕切り体を含む仕切り・吸引部、及び前記複数色化粧料充填部が除去されて、複数色の化粧料が前記仕切り片の厚さに相当する隙間をもって充填されて存在する前記化粧料容器の開口部内に下降して、前記複数色の化粧料間の隙間を無くして前記化粧料容器内に前記複数色の化粧料が境界線を境とし連続分布するように成形する押圧端面を平面以外の面形状とした押圧成形部を有する押圧成形手段と、
前記仕切り・吸引部の吸引端面部及び仕切り片と化粧料容器の開口部との間、又は前記押圧成形部の押圧端面と複数色の化粧料の上面との間に介在させる布又は紙或いは不織布からなる吸引補助シートと、
を有し、
化粧料容器上面から複数の化粧料充填室を仕切り、化粧料容器の底部から当該各化粧料充填室に複数色の化粧料を充填するようにしたことを特徴とする複数色化粧料の充填成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−85751(P2013−85751A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229681(P2011−229681)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(593051098)株式会社宮内 (5)