説明

複方タンジン滴丸剤のカプセル剤

複方タンジン滴丸剤のカプセル剤が開示される。カプセルシェルの色は、橙色、黄色、緑色または青色であり、これらの色すべては446〜620nmの波長範囲にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品の技術分野に関し、特に異なる色および異なる材料を用いたカプセルシェルから作られるカプセル製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
複方タンジン滴丸剤(CSDP)は、心血管疾患治療の次世代薬であると考えられており、天士力製薬(Tasly Pharmaceutical Group Co.,Ltd.)より独占的に供給されている。CSDPは、タンジンが君薬として作用し、田七人参が臣薬として作用し、ボルネオールが佐薬として作用する漢方薬(TCM)からなり、血液を循環することによって鬱血をとり除き、双坐骨(Bi)を解放することにとって痛みを和らげ、薬草芳香植物を用いて蘇生を誘発する効能を有する。臨床的に、主に心血管疾患を治療するために使用されてきた。現在、中国市場で市販されているCSDPは、高密度ポリエチレン(HDPE)の薬瓶に180丸剤/瓶、150丸剤/瓶、100丸剤/瓶および60丸剤/瓶の仕様で包装されている。毎回使用の度に、経口投与のために10粒の滴丸剤を瓶から取り出す。しかし、中国国外の患者がこのようなCSDPの服用の仕方を受け入れることは難しい。国際市場に参入するために、出願人は、本CSDPをCSDPカプセル剤にさらに発展させることを計画した。
【0003】
食品および薬物のための食用パッケージ材料として、異なる特性をもつカプセルシェルは、食品および薬の安定性にいくらか影響しうる。現在、市販のカプセルシェルは通常2つのタイプ:ゼラチンカプセルシェルおよび植物由来カプセルシェルに分類される。
【0004】
供給源に関して、ゼラチンカプセルシェルは、主に部分加水分解によって精製された動物の皮膚、骨および腱に由来するタンパク質の一種であるコラーゲンから作られ、それ故に大量のプリンを含有する。魚類ゼラチンカプセルシェルは、近年開発された新型のゼラチンカプセルシェルである。
【0005】
また、植物由来のカプセルシェルは、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を原料として使用することによって、主に植物に由来し、その原料は多糖類および植物細胞壁の基本的構成要素を含有する。現在、一般的な植物由来のカプセルシェルとしては、次のものが挙げられる:プルランから作られた植物由来のカプセルシェル、海藻類の多糖類から作られた植物由来のカプセルシェルおよびHPMCから作られた植物由来のカプセルシェル。
【0006】
実用的に、透明なカプセルシェルは、消費者の感覚的な理解を直接向上するので、TCM使用への関心を容易に高めることができる。よって、透明なカプセルシェルによって、TCMが世界的に大きな需要を得ることになると予期できる。しかしながら、異なる色をもつ透明なカプセルシェルは、異なる波長にて光を反射し得、カプセル内容物を異なる波エネルギーを有する光に曝される状態となる。結果として、異なる色をもつ透明なカプセルシェルは、内容物の安定性にいくらか影響し得る。同様に、異なる材料から作られるカプセルシェルは、それ自身の吸湿性、安定性および物理化学特性の違いのため、薬物内容物の安定性に異なる影響を及ぼす。
【0007】
薬物内容物に対する最適な保護をより良く達成するために、本発明の発明者らは、異なる材料から作られる異なる色をもつカプセルシェルのカプセル剤の内容物への影響についての長年の研究後、カプセル剤の内容物の安定性に役立つ数種類のカプセルシェルを探求して最適化した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、安定した複方タンジン滴丸剤カプセル剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の前記カプセル剤は、カプセルシェル、および前記カプセルシェルに充填されている薬物内容物からなり、前記カプセルシェルが、着色シェルおよび前記薬物内容物が、複方タンジン滴丸剤であることを特徴とする。
【0010】
好ましくは、カプセルシェルは、446〜620nmの範囲の対応波長をもつ橙色、黄色、緑色または青色である。
【0011】
さらに、カプセルシェルの好ましい色は、592〜620nmの範囲の対応波長をもつ橙色、446〜500nmの範囲の対応波長をもつ青色、577〜592nmの範囲の対応波長をもつ黄色、および500〜577nmの範囲の対応波長をもつ緑色である。
【0012】
最も好ましくは、カプセルシェルの色は、577〜592nmの範囲の対応波長をもつ黄色、または500〜577nmの範囲の対応波長をもつ緑色である。
【0013】
本発明によれば、前記カプセルシェルは、ゼラチンカプセルシェルまたは植物由来のカプセルシェルである。
【0014】
材料の観点から、好ましくは、前記カプセルシェルは植物由来のカプセルシェルである。
【0015】
本発明によれば、前記CSDPは、タンジン、田七人参およびボルネオールの3つのTCMから作られる。好ましくは、3つのTCMの合計重量に対して、以下の重量割合:
タンジン 48.0%〜97.0%
田七人参 1.0%〜50.0%
ボルネオール 0.1%〜3.0%
の生薬からなる製剤から調製される。
【0016】
より好ましくは、3つのTCMの合計重量に対して、重量割合:
タンジン 63.0%〜94.0%
田七人参 4.0%〜35.0%
ボルネオール 0.5%〜2.0%
の生薬からなる製剤から調製される。
【0017】
最も好ましくは、3つのTCMの合計重量に対して、重量割合:
タンジン 82.87%
田七人参 16.21%
ボルネオール 0.92%
の生薬からなる製剤から調製される。
【0018】
本明細書において、前記生薬は、製剤中で薬理学的に活性な物質であり、それは補助剤と異なる成分である。さらに、本明細書において、前記生薬は、未加工の生のTCMまたはTCMを煎じたものを指す。くわえて、前記補助剤は、生薬を除く、薬学的に許容されるあらゆる成分の一般的名称である。前記補助剤は、成形性、有効性、安定性および安全性における医薬品の課題を解決するために、処方を考案する際に、処方に加えられる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態によると、上述した製剤化の前に、生薬を以下の手順によって加工する。
【0020】
前記タンジンは、双子葉植物シソ科タンジン(Salvia miltiorrhiza)Bgeの乾燥した根および根茎であり、薄切りまたは粉砕するかして、後の使用のために保存することができる。
【0021】
前記田七人参は、ウコギ科田七人参(Panax notoginseng)(Burk.)F.H.Chen.の乾燥した根および根茎である。
【0022】
前記ボルネオールは、フタバガキ科のカンホールの松やにおよび揮発性油の加工生成物から抽出するかまたは化学合成するかのいずれかによって得られる結晶であり、続いて粉砕してふるいで分け、後の使用のために保存することができる。
【0023】
本発明によれば、薬草組成物は、先行技術、例えば中国特許出願第01136155.7号、同第01820875.4号、同第03144300.1号、同第200310107279.5号、同第200410018758.4号、同第200410019827.3および同第02100884.1号において公知の方法によって調製することができる。これらの特許出願文書は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
例えば、滴丸剤を次のように調製することができる。タンジンおよび田七人参の生薬を準備し、沸騰水またはアルカリ性水溶液で抽出し、ろ過する。濾液を合わせ、ある程度まで濃縮する。濃縮溶液にエタノールを加えて沈殿させ、静置して上澄みを得る。さらに、エタノールを回収することによって、得られた上澄みを濃縮し、タンジンおよび田七人参の抽出物を得た。最後に、得られた抽出物を、ボルネオールおよび補助剤と均一に混ぜ、滴丸剤を調製した。
【0025】
具体的には、前記CSDPを以下の工程を含む方法によって調製することができる。タンジンおよび田七人参の生薬を上述した比率に従って計量し、水または水溶液(pH7〜9)で、各回、60〜100℃の還流温度にて0.5〜3時間の加熱を2〜4回することによって還流抽出する。毎回加えられる水の重量は、生薬の重量の2〜12倍である。得られた抽出溶液をろ過、混合し、濾液を得て、さらに、その濾液を1.05〜1.25の相対密度をもつ抽出溶液に濃縮する。次いで、得られた抽出溶液にエタノールを加え、最終的なエタノール含有量が50%〜85%(v/v)として、4〜36時間静置して上澄みを得て、その得られた上澄みをろ過して濾液を得る。エタノールを回収することによって、濾液を濃縮し、50〜90ブリックスの糖度をもつ抽出物、すなわちタンジンおよび田七人参抽出物を得る。
【0026】
本発明の前記CSDPに使用されるマトリックス補助剤(matrix adjuvant)は、53〜58℃の凝凝固点を有するポリエチレングリコール−6000(PEG−6000)であり得る。生薬のマトリックス補助剤に対する重量比は、1:(0.31〜0.49)である。前述の如く得られた抽出物およびボルネオールを、マトリックス補助剤と均一に混ぜ、混合物を得る。その混合物をさらに溶融によって加熱し(すなわち融解し)、滴下タンクに移し、そこで融解した混合物を低温冷却液体(例えば流体パラフィン)に滴下する。次に、冷却液を拭い取り、その後、適格な丸剤を選び、最終生成物を得る。ここで、融点は60〜100℃に保たれ、冷却液の温度は0〜10℃、好ましくは5〜10℃である。
【0027】
付加的には、本発明によれば、前記CSDPは、1つまたは複数の補助剤を含有する。その1つまたは複数の補助剤は、マトリックス補助剤単独、またはマトリックス補助剤および可塑化補助剤(plastifying adjuvant)の組合せのいずれかであり得る。ここで、前記マトリックス補助剤は、例えば、薬学的に許容されるD−リボース、フルクトース、キシロース、フコース、ラフィノース、マルトース、アガロース、蔗糖エステル、D−リボン酸−γ−ラクトン、エリトリトール、ソルビトール、キシリトール、アラビトール、イソマルチトール、ラクチトール、リンゴ酸、ステリン、セラック、フェニルエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、および水和水を含有する前記化合物からなる群から選択される、植物由来の天然のマトリックス補助剤であり得る。それら以外に、マトリックス補助剤は、例えば、アルファ化澱粉、カルボキシメチル澱粉、アラビアゴム、デキストラン、セスバニアガム、カラゲーニン、インドゴム、ファーセレラン(fureellaran)、トラガカントゴム、タマリンドガム、ペクチン、キサンタンガム、アルギン酸およびそれらの塩、寒天、ラクトース、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびシリカなどからなる群から選択される、可塑化補助剤をさらに含み得る。
【0028】
本発明によれば、前記CSDPは、コーティングされた丸剤またはコーティングされていない丸剤のいずれかでありうる。ここで、前記コーティングされていないCSDPは、例えば、以下の手順に従って調製される。
成分:
タンジン、田七人参およびボルネオール
調製:
タンジンおよび田七人参の抽出物にPEG−6000を加え、添加PEG−6000の重量は、抽出物の重量の2.5〜3.5倍であり、85〜90℃の温度にて溶解する。よく溶解するまで、粉砕してふるいで分けられたボルネオールを処方の用量に従って加える。ホモジナイズして混合した後、その混合物を滴下機(dripping machine)に移し、80〜85℃の温度で滴下して、最終生成物を得る。
【0029】
前記コーティングされたCSDPを調製する具体的な方法は、例えば次の通りでありうる。
成分:
タンジン、田七人参およびボルネオール
調製:
タンジンおよび田七人参の抽出物にPEG−6000を加え、添加PEG−6000の重量は、抽出物の重量の2.5〜3.5倍であり、85〜90℃の温度にて溶解する。よく溶解するまで、粉砕してふるいで分けられたボルネオールを処方の用量に従って加える。ホモジナイズして混合した後、その混合物を滴下機に移し、80〜85℃の温度で滴下して、コーティングしていない滴丸剤を得る。胃溶性コーティング材料を、水によく溶かす。ホモジナイズして混合した後、コーティングされていない滴丸剤をコーティング機に移し、コーティング後6%の重量増加に準ずる以下のコーティング条件:平均流入空気温度85℃、平均コーティング床温度35〜38℃、吹き付け圧力2bar、平均回転速度15〜23rpmおよび平均的材料流速3〜4g/min、にてコーティング操作を行った。
【0030】
本発明によれば、幾つかの予想外の効果がもたらされ、以下の試験によってさらに証明される。
【0031】
なお、本試験に使用されたカプセルシェルは、ファイザーカプスゲル(Pfizer CAPSUGEL、米国)の生産基地の1つである、中国−米国合弁事業であるカプスゲ
ル(蘇州)社(Capsugel(Suzhou)Inc.)より購入した。
【0032】
1.方法
CSDPが充填された異なる材料および色をもつカプセルシェルが選ばれ、試験試料として提供された。例えば、HPLC、UVおよびGCなど、さまざまな試験方法が採用され、タンジン、田七人参およびボルネオールのそれぞれに含有される指標成分の含有量変化を加速安定性試験の環境および集中光曝露試験(intensive light exposure test)の環境においてアッセイした。
【0033】
2.装置および試験サンプル
2.1 装置
安定性試験用観察箱(Observation box): 付加的照明装置を備えた(MMM)CLIMACELL 404;
高速液体クロマトグラフィー(HPLC): アジレント1100
紫外線可視分光光度計: 日立U3010
ガスクロマトグラフィー: アジレント8890
【0034】
2.2 試験試料
2.2.1 天士力製薬グループ社(Tasly Pharmaceutical Group Co.Ltd)製造部門によって調製されたCSDP
試験目的および技術的な実現可能性に照らして、天士力製薬グループ社(Tasly Pharmaceutical Group Co.Ltd)生産ラインによって調製された、10mg/丸剤の平均丸剤重量をもつ小さいCSDPを、試験試料として選択し、30〜35丸剤を各々一般的な#1カプセルに充填した。選択された試料を、2つの種類:コーティングされた滴丸剤およびコーティングしてない滴丸剤に分けた。
【0035】
前記CSDPの滴下プロセスは以下の通りである。
(1)小さいコーティングされていないCSDP
タンジン 41.06g
田七人参 8.03g
ボルネオール 0.46g
補助剤PEG−6000 18g
1000滴丸剤を調製した。
【0036】
タンジンおよび田七人参の抽出:
粗く粉砕したタンジンおよび田七人参を、抽出タンクに入れ、タンジンおよび田七人参生薬の重量の5倍の水を注ぎ、2時間煎じた。溶液をろ過した後、その残渣で二度目の抽出を続けた。この抽出では、残渣にタンジンおよび田七人参生薬の重量の4倍の水を加え、1時間煎じた。溶液をろ過し、残渣を破棄した。上記二度の抽出で得られた濾液を合わせ、減圧下で、1.05の相対密度をもつ抽出溶液に濃縮した。次いで、95%(v/v)エタノールを得られた抽出溶液にゆっくりと加え、最終的なエタノール含有量を69%〜71%(v/v)にして、12時間静置して上澄みを分離し、その上澄みをろ過した。エタノールを回収することによって、濾液を濃縮し、50ブリックスの糖度をもつ抽出物(すなわち、タンジンおよび田七人参抽出物)を得た。
【0037】
生成物の調製
前述の如く得られた抽出物を計量し、抽出物の重量の2.5〜3.5倍のPEG−6000を抽出物に加え、85〜90℃の温度にて溶解した。よく溶解するまで、粉砕してふるいで分けられたボルネオールを処方の用量に従って溶解物に加えた。ホモジナイズして混合した後、その混合物を滴下機に移し、80〜85℃の温度で滴下して、小さいコーテ
ィングしていないCSDPを得た。
仕様: 10mg/丸剤(平均重量)
【0038】
(2)小さいコーティングされたCSDP
タンジン 41.06g
田七人参 8.03g
ボルネオール 0.46g
補助剤PEG−6000 18g
1000滴丸剤を調製した。
【0039】
タンジンおよび田七人参の抽出:
粗く粉砕したタンジンおよび田七人参を、抽出タンクに入れ、タンジンおよび田七人参生薬の重量の5倍の水酸化ナトリウム水溶液(pH9)を注ぎ、2時間煎じた。溶液をろ過した後、その残渣で二度目の抽出を続けた。この抽出では、タンジンおよび田七人参生薬の重量の4倍の水酸化ナトリウム水溶液(pH9)を加え、1時間煎じた。溶液をろ過し、残渣を破棄した。上記二度の抽出で得られた濾液を合わせ、減圧下で、1.25の相対密度をもつ抽出物に濃縮した。次いで、95%(v/v)エタノールを得られた抽出溶液にゆっくりと加え、最終的なエタノール含有量を69%〜71%(v/v)にして、12時間静置して上澄みを分離し、その上澄みをろ過した。エタノールを回収することによって、濾液を濃縮し、90ブリックスの糖密度をもつ抽出物(すなわち、タンジンおよび田七人参抽出物)を得た。
【0040】
生成物の調製
前述の如く得られた抽出物を計量し、抽出物の重量の2.5〜3.5倍のPEG−6000を抽出物に加え、85〜90℃の温度にて溶解した。よく溶解するまで、粉砕してふるいで分けられたボルネオールを処方の用量に従って溶解物に加えた。ホモジナイズして混合した後、その混合物を滴下機に移し、80〜85℃の温度で滴下して、小さいコーティングしていないCSDPを得た。続けて、胃溶性コーティング材料を、水によく溶かす。得られたコーティングされていない丸剤をコーティング機に移し、コーティング後6%の重量増加に準ずる以下のコーティング条件:平均流入空気温度85℃、平均コーティング床温度35〜38℃、吹き付け圧力2bar、平均回転速度15〜23rpmおよび平均的材料流速3〜4g/min、にてコーティング操作を行い、小さいコーティングされたCSDPを得た。
仕様: 11mg/丸剤(平均重量)
【0041】
2.2.2 カプセルシェル(中国−米国合弁事業プスゲル(蘇州)社により製造)
全体として、赤色、橙色、黄色、緑色、青緑色、青色および紫色の全スペクトルの可視光をカバーする16種類のカプセルシェルを含む、ゼラチンカプセルシェルおよび植物由来のカプセルシェルの両方が選択された(表1を参照のこと)。
【0042】
【表1】

【0043】
2.2.3 試験試料
滴丸剤およびカプセルシェルの17の代表的な異なる組合せを選び、試験した。コーティングされた滴丸剤またはコーティングされていない滴丸剤を異なる材料から作られた異なる色のカプセルシェルに充填した(表2を参照のこと)。
【0044】
【表2】

【0045】
3.試験プロセス
3.1 試験
試験は、集中光曝露試験および加速安定性試験を含む2つの部分に分けられた。
【0046】
3.1.1 集中光曝露試験
集中光曝露条件:温度25℃、相対湿度60%、気流速度100%。光曝露条件は、距離10cmの40%光である。光曝露強度は、4500ルクスである。試験試料は、0日目、5日目および10日目に集めた。初めに、試料MWBおよびMWSを選び、光に起因するなんらかの影響がCSDPにあるか否かを調べた。次いで、同一ゼラチン材料から作られた異なる色のMBBB、MBZBB、MCB、MZB、MHB、MHUB、MLB、MGBおよびMBHBの9試料を、集中光に曝露することによって調べ、そのCSDPへの保護効果を観察した。
【0047】
3.1.2 加速安定性試験
加速安定性試験条件:温度40℃、相対湿度75%。試験試料は、0か月目、1か月目、2か月目、3か月目、4.5か月目および6か月目に集めた。
コーティングされたCSDPまたはコーティングされていないCSDPを、異なる材料から作られた異なる色の上記17の選ばれたカプセルシェルに充填し、加速試験の期間中、CSDPの変化を調べた。
【0048】
3.2 試験における調査指標
以下の成分の含有量を測定した。
タンジン中の指標成分: サルビアン酸(salvianic acid)A、プロトカテクアルデヒド、サルビアノール酸L、サルビアノール酸M、サルビアノール酸D、ロスマリン酸、サルビアノール酸Bおよびサルビアノール酸A;
田七人参中の指標成分: R1、Rg1+Re、Rb1、Rc、Rb2、Rb3およびRd;
総フェノール酸、総サポニンおよび全糖;ならびに
ボルネオール。
【0049】
外観変化: 極限環境に曝した後、乾燥亀裂、湿潤接着性、固化、表面の白色沈殿が生じたかどうか、ならびに色および丸剤重量の変化を含む、滴丸剤の外観変化を観察した。
【0050】
3.3 試験方法
3.3.1 タンジンのフィンガープリントグラフ(Fingerprint graph)および含有量測定方法
3.3.1.1 試験試料の調製
それぞれ、各試料の10粒のCSDPを計量し、10mLメスフラスコに入れ、適当量の蒸留水を加え、15分間、超音波によって溶かし、10mLに希釈した。得られた溶液を遠心ろ過した。2つの並行試料を調製した。各試料の注入量は、10μLであった。
サルビアン酸(salvianic acid)A、プロトカテクアルデヒド、サルビアノール酸L、サルビアノール酸M、サルビアノール酸D、ロスマリン酸、サルビアノール酸Bおよびサルビアノール酸Aの標準物質をそれぞれ計量し、標準溶液を調製した。各試料の注入量は、10μLであった。
【0051】
3.3.1.2 HPLC法
アジレントSB−C18分析カラム(4.6mm×250mm)
移動相: A:0.02%(v/v)リン酸水溶液、B:0.02%(v/v)リン酸を含有する80%アセトニトリル水溶液
直線勾配溶出プログラム: 0分(90:10)、8分(78:22)、15分(74:26)、35分(61:39)
流速: 1mL/min
検出波長: 280nm
カラム温度: 30℃
タンジン中の各指標成分のそれぞれの保持時間は、サルビアン酸(salvianic
acid)A 5.842分、プロトカテクアルデヒド 9.750分、サルビアノール酸L 17.106分、サルビアノール酸M 18.041分、サルビアノール酸D 20.588分、ロスマリン酸 24.005分、サルビアノール酸B 27.908分およびサルビアノール酸A 31.085分である。
【0052】
3.3.2 田七人参のフィンガープリントグラフ(Fingerprint graph)および含有量測定方法
3.3.2.1 試験試料の調製
それぞれ、各試料1gを計量し、10mLの4%(v/v)アンモニア水に超音波によって完全に溶かし、0.45μmフィルター膜に通した。5mLの濾液をC18小カラムに載せ、10mLの水で洗った後、メタノールで溶出した。得られた溶出液を10mLメスフラスコに移し、10mLに希釈した。
2つの並行試料を調製した。各試料の注入量は、20μLであった。
R1、Rg1+Re、Rb1、Rc、Rb2、Rb3、Rdの標準物質をそれぞれ計量して、標準溶液を調製した。各試料の注入量は、20μLであった。
【0053】
3.3.2.2 HPLC法
アジレントSB−C18分析カラム(4.6mm×250mm)
移動相: A:0.01%(v/v)酢酸水溶液、B:0.01%(v/v)酢酸を含有するアセトニトリル水溶液
直線勾配溶出プログラムを次の表に示す。
【0054】
【表3】

【0055】
流速: 0.8mL/min
検出波長: 203nm
カラム温度: 30℃
田七人参中の各指標成分のそれぞれの保持時間は、R1 11.001分、Rg1+Re 12.252分、Rb1 20.142分、Rc 20.877分、Rb2 22.418分、Rb3 23.422分およびRd 25.151分である。
【0056】
3.3.3 数種類の有効画分の含有量測定方法
3.3.3.1 総フェノール酸の含有量
プロトカテクアルデヒド溶液を標準液とした。それぞれ、0.3重量%ドデシル硫酸ナトリウムおよび0.6重量%フェリシアン化カリウムの溶液、ならびに0.9重量%塩化鉄溶液を、標準液、試料溶液およびブランク溶液に加えた。呈色反応を使用することによって、総フェノール酸の含有量を、標準物質比較法に従って算出した。
【0057】
3.3.3.2 総サポニンの含有量
ジンセノサイドRg1溶液を標準液として、5重量%バニリン−氷酢酸溶液および過塩素酸を加えて、呈色反応を起こした。標準曲線を、異なる濃度をもつ標準液の吸光度に照らして描いた。試料中の総サポニンの含有量を、標準曲線を使用することによって算出した。
【0058】
3.3.3.3 全糖の含有量
グルコースを標準液とし、アントロン試薬を加えて呈色反応を起こした。標準曲線を、異なる濃度をもつ標準液の吸光度に照らして描いた。試料中の全糖の含有量を、標準曲線を使用することによって算出した。
【0059】
3.3.4 ボルネオール含有量の測定法
3.3.4.1 試験試料の調製
ナフタレン標準物質を使用して、内部標準液を調製し、ボルネオールおよびイソボルネオール標準物質を使用して、標準溶液を調製した。注入量は1μLであった。
【0060】
破砕コーティング(crushed coating)における0.5gの滴丸剤を計量し、50mLプラスチック遠心分離機チューブに入れ、10mLの水を加えた。次いで、25mLの酢酸エチルを、激しい振とうによって抽出物に加えた。抽出液をピペットで吸い取り、50mLメスフラスコに移した。この方法で、溶液を酢酸エチルを用いて二度再抽出し、毎回使用した酢酸エチルは10mLであった。抽出液を合わせ、4mLの内部標準液を加え、酢酸エチルで50mLに希釈した。得られた溶液をよく振って、テスト試験溶液として使用した。注入量は1μLであった。
【0061】
3.3.4.2 クロマトグラフィー条件
HP 5%PHME siloxana 30m(長さ)×0.25mm(フィルム厚)石英キャピラリーカラム
カラム温度: 60℃から135(150)℃へ15℃/minのペースで増加し、2分間維持して、全手順は8分間続く
検出器: FID(水素炎イオン化検出器)
温度: 240℃
キャリアガス: N2
流速: 2.6mL/min
気化器内温度: 200℃
ナフタレンによって算出された理論段(theoretical plates)の数は、10000以上であった。
解像度は2より大きかった。
【0062】
3.3.5 データ統計法
対応のある両側t検定(ソフトウェア:SPSS13.0)を使用して、t検定を行い、試験条件下において各指標に有意な変化があったかどうかを確認した。有効性評価モデルを利用して、包装を評価し、包絡分析法(DEA)を導入した。特定のモデルは、調査対象として異なる包装を用いることによる超有効性モデルであった。異なる包装の初期の指標を入力オブジェクトとし、各月に測定された実際の値を出力オブジェクトとした。MYDEAソフトウェアによって算出後、異なる月ごとにおける異なる包装の成分の保持有効性を得た。結果として、成分の損失が少ないほど、保持効率がより高く、逆もまた同様である。
【0063】
4 結果
4.1 集中光曝露試験の試験データ
19の指標成分を、9色のカプセルシェル試料中において、0日目、5日目および10
日目に検証した(表3〜6に示す)。前記19の指標成分は、タンジン由来の8指標成分(表3)、田七人参由来の7指標成分(表4)、3種類の有効画分(総フェノール酸、総サポニンおよび全糖)(表5)ならびにボルネオール(表6)を含む。
【0064】
4.2 加速安定性試験のデータ
それぞれ、異なる材料から作られた異なる色の17のカプセルシェル試料を、0か月、1か月、2か月、3か月、4.5か月および6か月にサンプリングした。19の指標成分を検証して(表7〜10に示す)、外観の変化を決定した(表11に示す)。
【0065】
4.3 データの分析結果
4.3.1 集中光曝露試験の統計分析結果(表12に示す)
4.3.2 加速安定性試験の統計分析結果(表13に示す)
4.3.3 すべての指標の評価結果と加速安定性試験において有意でない変化をした指標を除外した後の指標の評価結果との間のt検定結果(表14に示す)
4.3.4 17カプセルシェルの最終的な評価結果(表15に示す)
【0066】
【表4】

【0067】
【表5】

【0068】
【表6】

【0069】
【表7】

【0070】
【表8−1】

【0071】
【表8−2】

【0072】
【表8−3】

【0073】
【表8−4】

【0074】
【表9−1】

【0075】
【表9−2】

【0076】
【表9−3】

【0077】
【表9−4】

【0078】
【表10−1】

【0079】
【表10−2】

【0080】
【表11】

【0081】
【表12】

【0082】
【表13】

【0083】
【表14】

【0084】
【表15】

【0085】
【表16】

【0086】
5 結論
5.1 カプセルシェルの好ましい材料
上述した加速安定性結果において明らかなように、カプセルの内容物の外観および成分濃度の変化の点からみて、植物由来のカプセルシェルは、ゼラチンカプセルシェルと比べて、より良い保護効果を示した。
【0087】
5.2 カプセルシェルの好ましい色
集中光曝露試験において得られた試験データの統計結果から(表12)、集中光はCSDPの成分すべてに影響し、異なる色のカプセルシェルは異なる保護効果を示した。しか
しながら、いずれの着色カプセルシェルも内容物に保護効果をもたらすことができ、不透明白色が、有意な指標評価およびすべての指標評価の両方の場合で最下位にランクされた。異なる着色カプセルシェルを、試験データに基づいてランク付けすることができる。総合的に、カプセルシェルの好ましい色は、446〜620nmの範囲の対応波長をもつ橙色、黄色、緑色または青色である。具体的に、カプセルシェルの色は次のとおりである:
592〜620nmに対応波長をもつ橙色、446〜500nmに対応波長をもつ青色、577〜592nmに対応波長をもつ黄色、および500〜577nmに対応波長をもつ緑色。ここで、中間の波長の可視光(500〜592nm)を散乱することができる黄色(577〜592nm)および緑色(500〜577nm)カプセルシェルが、CSDPに対して最も効果的な保護を提供する。
【0088】
5.3 長期の安定性試験についての選択基準
加速安定性試験(表15)の最終的な統計結果に照らして、結論を以下のように導くことができる。(1)材料の点では、植物由来のカプセルシェルが、ゼラチンより良い。(2)色の点では、カプセルシェルの好ましい色は、446〜620nmの範囲の対応波長をもつ橙色、黄色、緑色または青色である。より好ましくは、色は、黄色(577〜592nm)および緑色(500〜577nm)である。(3)上述した2つの面を考慮して、CSDPカプセルのシェルは、次から選択されることが好ましい:黄色の植物由来カプセルシェル、緑色の植物由来カプセルシェル、黄色のゼラチンカプセルシェル、緑色のゼラチンカプセルシェル。くわえて、カプセルシェルの色について、波長範囲を橙色および青色に広げることができる。要約すれば、本発明のCSDPカプセルは、CSDPの物理化学特性および生理活性成分の安定性を維持するにあたって有用でありうる。
【実施例】
【0089】
以下の実施例は、本発明をさらに説明する目的でのみ提供される。
【0090】
実施例1: 小さいコーティングされていないCSDPの調製
(1)配合
タンジン 41.06g
田七人参 8.03g
ボルネオール 0.46g
補助剤PEG−6000 18g
1000滴丸剤を調製した。
【0091】
タンジンおよび田七人参の抽出:
粗く粉砕したタンジンおよび田七人参を、抽出タンクに入れ、タンジンおよび田七人参生薬の重量の5倍の水を注ぎ、2時間煎じた。溶液をろ過した後、その残渣で二度目の抽出を続けた。この抽出では、残渣にタンジンおよび田七人参生薬の重量の4倍の水を加え、1時間煎じた。溶液をろ過し、残渣を破棄した。上記二度の抽出で得られた濾液を合わせ、減圧下で、1.05の相対密度をもつ抽出物を得た。次いで、95%(v/v)エタノールを得られた抽出溶液にゆっくりと加え、最終的なエタノール含有量を69%〜71%(v/v)にして、12時間静置して上澄みを分離し、その上澄みをろ過した。エタノールを回収することによって、濾液を濃縮し、50ブリックスの糖度をもつ抽出物(すなわち、タンジンおよび田七人参抽出物)を得た。
【0092】
前述の如く得られた抽出物を計量し、抽出物の重量の2.5〜3.5倍のPEG−6000を抽出物に加え、85〜90℃の温度にて溶解した。よく溶解するまで、粉砕してふるいで分けられたボルネオールを処方の用量に従って溶解物に加えた。ホモジナイズして混合した後、その混合物を滴下機に移し、80〜85℃の温度で滴下して、コーティングしていないCSDPを得た。最後に、コーティングされていないCSDPを、586nm
の対応波長をもつ黄色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0093】
実施例2: 小さいコーティングされていないCSDPの調製
小さいコーティングされていないCSDPを、実施例1と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を572nmの対応波長をもつ緑色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0094】
実施例3: 小さいコーティングされていないCSDPの調製
小さいコーティングされていないCSDPを、実施例1と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を500nmの対応波長をもつ植物由来のカプセルシェルに充填した。
【0095】
実施例4: 小さいコーティングされていないCSDPの調製
小さいコーティングされていないCSDPを、実施例1と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を592nmの対応波長をもつ黄色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0096】
実施例5: 小さいコーティングされていないCSDPの調製
小さいコーティングされていないCSDPを、実施例1と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を577nmの対応波長をもつ植物由来のカプセルシェルに充填した。
【0097】
実施例6: 小さいコーティングされていないCSDPの調製
小さいコーティングされていないCSDPを、実施例1と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を592nmの対応波長をもつ植物由来のカプセルシェルに充填した。
【0098】
実施例7: 小さいコーティングされていないCSDPの調製
小さいコーティングされていないCSDPを、実施例1と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を620nmの対応波長をもつ橙色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0099】
実施例8: 小さいコーティングされていないCSDPの調製
小さいコーティングされていないCSDPを、実施例1と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を446nmの対応波長をもつ青色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0100】
実施例9: 小さいコーティングされていないCSDPの調製
小さいコーティングされていないCSDPを、実施例1と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を580nmの対応波長をもつ黄色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0101】
実施例10: 小さいコーティングされていないCSDPの調製
小さいコーティングされていないCSDPを、実施例1と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を460nmの対応波長をもつ青色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0102】
実施例11: 小さいコーティングされていないCSDPの調製
小さいコーティングされていないCSDPを、実施例1と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を550nmの対応波長をもつ緑色の植物由来カプ
セルシェルに充填した。
【0103】
実施例12: 小さいコーティングされたCSDPの調製
(1)配合
タンジン 41.06g
田七人参 8.03g
ボルネオール 0.46g
補助剤PEG−6000 18g
1000滴丸剤を調製した。
【0104】
タンジンおよび田七人参の抽出:
粗く粉砕したタンジンおよび田七人参を、抽出タンクに入れ、タンジンおよび田七人参生薬の重量の5倍の水酸化ナトリウム水溶液(pH9)を注ぎ、2時間煎じた。溶液をろ過した後、その残渣で二度目の抽出を続けた。この抽出では、タンジンおよび田七人参生薬の重量の4倍の水酸化ナトリウム水溶液(pH9)を加え、1時間煎じた。溶液をろ過し、残渣を破棄した。上記二度の抽出で得られた濾液を合わせ、減圧下で、1.25の相対密度をもつ抽出物に濃縮した。次いで、95%(v/v)エタノールを得られた抽出溶液にゆっくりと加え、最終的なエタノール含有量を69%〜71%(v/v)にして、12時間静置して上澄みを分離し、その上澄みをろ過した。エタノールを回収することによって、濾液を濃縮し、90ブリックスの糖度をもつ抽出物(すなわち、タンジンおよび田七人参抽出物)を得た。
【0105】
前述の如く得られた抽出物を計量し、抽出物の重量の2.5〜3.5倍のPEG−6000を抽出物に加え、85〜90℃の温度にて溶解した。よく溶解するまで、粉砕してふるいで分けられたボルネオールを処方の用量に従って溶解物に加えた。ホモジナイズして混合した後、その混合物を滴下機に移し、80〜85℃の温度で滴下して、小さいコーティングしていないCSDPを得た。
【0106】
続けて、胃溶性コーティング材料を、水によく溶かした。ホモジナイズして混合した後、得られたコーティングされていない丸剤をコーティング機に移し、コーティング後6%の重量増加に準ずる以下のコーティング条件:平均流入空気温度85℃、平均コーティング床温度35〜38℃、吹き付け圧力2bar、平均回転速度15〜23rpmおよび平均的材料流速3〜4g/min、にてコーティング操作を行い、小さいコーティングされたCSDPを得た。
【0107】
最後に、コーティングされたCSDPを、586nmの対応波長をもつ黄色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0108】
実施例13: 小さいコーティングされたCSDPの調製
小さいコーティングされたCSDPを、実施例12と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を572nmの対応波長をもつ緑色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0109】
実施例14: 小さいコーティングされたCSDPの調製
小さいコーティングされたCSDPを、実施例12と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を500nmの対応波長をもつ植物由来のカプセルシェルに充填した。
【0110】
実施例15: 小さいコーティングされたCSDPの調製
小さいコーティングされたCSDPを、実施例12と同じ薬物成分および方法によって
調製した。次いで、得られた丸剤を592nmの対応波長をもつ黄色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0111】
実施例16: 小さいコーティングされたCSDPの調製
小さいコーティングされたCSDPを、実施例12と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を577nmの対応波長をもつ植物由来のカプセルシェルに充填した。
【0112】
実施例17: 小さいコーティングされたCSDPの調製
小さいコーティングされたCSDPを、実施例12と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を592nmの対応波長をもつ植物由来のカプセルシェルに充填した。
【0113】
実施例18: 小さいコーティングされたCSDPの調製
小さいコーティングされたCSDPを、実施例12と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を620nmの対応波長をもつ橙色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0114】
実施例19: 小さいコーティングされたCSDPの調製
小さいコーティングされたCSDPを、実施例12と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を446nmの対応波長をもつ青色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0115】
実施例20: 小さいコーティングされたCSDPの調製
小さいコーティングされたCSDPを、実施例12と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を580nmの対応波長をもつ黄色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0116】
実施例21: 小さいコーティングされたCSDPの調製
小さいコーティングされたCSDPを、実施例12と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を460nmの対応波長をもつ青色の植物由来カプセルシェルに充填した。
【0117】
実施例22: 小さいコーティングされたCSDPの調製
小さいコーティングされたCSDPを、実施例12と同じ薬物成分および方法によって調製した。次いで、得られた丸剤を550nmの対応波長をもつ緑色の植物由来カプセルシェルに充填した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセルシェル、および前記カプセルシェルに充填されている薬物内容物からなり、前記カプセルシェルが着色シェルであり、前記薬物内容物が複方タンジン滴丸剤であることを特徴とするカプセル剤。
【請求項2】
前記カプセルシェルが、446〜620nmの範囲の対応波長をもつ橙色、黄色、緑色または青色であることを特徴とする請求項1に記載のカプセル剤。
【請求項3】
前記カプセルシェルの色が、577〜592nmの範囲の対応波長をもつ黄色、または500〜577nmの範囲の対応波長をもつ緑色であることを特徴とする、請求項1に記載のカプセル剤。
【請求項4】
前記カプセルシェルの色が、592〜620nmの範囲の対応波長をもつ橙色であることを特徴とする、請求項1に記載のカプセル剤。
【請求項5】
前記カプセルシェルの色が、446〜500nmの範囲の対応波長をもつ青色であることを特徴とする、請求項1に記載のカプセル剤。
【請求項6】
前記カプセルシェルが、ゼラチンカプセルシェルまたは植物由来のカプセルシェルであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のカプセル剤。
【請求項7】
前記複方タンジン滴丸剤が、コーティングされているかまたはコーティングされていないことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のカプセル剤。
【請求項8】
タンジン、田七人参およびボルネオールの3つの漢方薬の合計重量に対して、前記複方タンジン滴丸剤が、以下の重量割合:
タンジン 48.0%〜97.0%
田七人参 1.0%〜50.0%
ボルネオール 0.1%〜3.0%
の生薬からなる製剤から調製されることを特徴とする、請求項1に記載のカプセル剤。
【請求項9】
タンジン、田七人参およびボルネオールの3つの漢方薬の合計重量に対して、前記複方タンジン滴丸剤が、以下の重量割合:
タンジン 63.0%〜94.0%
田七人参 4.0%〜35.0%
ボルネオール 0.5%〜2.0%
の生薬からなる製剤から調製されることを特徴とする、請求項1に記載のカプセル剤。
【請求項10】
タンジン、田七人参およびボルネオールの3つの漢方薬の合計重量に対して、前記複方タンジン滴丸剤が、以下の重量割合:
タンジン 82.87%
田七人参 16.21%
ボルネオール 0.92%
の生薬からなる製剤から調製されることを特徴とする、請求項1に記載のカプセル剤。

【公表番号】特表2013−520450(P2013−520450A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554204(P2012−554204)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際出願番号】PCT/CN2011/071050
【国際公開番号】WO2011/103789
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(509346243)テースリー ファーマシューティカル グループ カンパニー リミテッド (4)
【Fターム(参考)】