複眼撮像装置
【課題】レンズへの指掛りの有無にかかわらず、良好な3D画像を撮像することができる複眼撮像装置を提供する。
【解決手段】カメラ本体の長手方向の位置に配設され、互いに視差を有する2つの画像を撮像する2つの撮像部のうち、レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像部を基準の撮像部とする。AE検出部又はAWB検出部は、それぞれ基準の撮像部を介して取得される画像信号に基づいて被写体の明るさを測光し、又はホワイトバランスゲインを求める。そして、前記検出した検出結果を他の撮像部でのAE制御又はAWB補正に適用する。
【解決手段】カメラ本体の長手方向の位置に配設され、互いに視差を有する2つの画像を撮像する2つの撮像部のうち、レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像部を基準の撮像部とする。AE検出部又はAWB検出部は、それぞれ基準の撮像部を介して取得される画像信号に基づいて被写体の明るさを測光し、又はホワイトバランスゲインを求める。そして、前記検出した検出結果を他の撮像部でのAE制御又はAWB補正に適用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複眼撮像装置に係り、特に互いに視差を有する2つの画像を撮像する複眼撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに視差を有する視差画像からなる立体視可能な3次元画像(3D画像)の撮像機能を持つ複眼撮像装置において、装置本体の小型化のために、プリズムを用いた屈曲光学系の撮影レンズ(以下、「屈曲レンズ」という)を使用したものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、2つのフォーカスレンズを同時に駆動し、所定の送り量ごとに画像のコントラストを示す評価値(AF評価値)を算出し、AF評価値の最大値を先に検出したフォーカスレンズの位置に、他方のフォーカスレンズを設定する複眼撮像装置が提案されている(特許文献2)。例えば、一方のフォーカスレンズは至近から無限遠に向けてAFサーチを行い、他方のフォーカスレンズは無限遠から至近に向けてAFサーチを行うことで、短時間に効率よくAF動作を完了できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−48181号公報
【特許文献2】特開2006−162990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の複眼撮像装置は、屈曲レンズを使用することにより小型化されているが、左右の屈曲レンズは、立体感、臨場感を高めるために(基線長を長くとるために)、装置本体の左右の端部にそれぞれ配置されている。
【0006】
従って、装置本体のグリップ部(レリーズボタン側の端部)を把持した場合には、把持した手の指がレリーズボタン側の屈曲レンズに掛かりやすいという問題がある。
【0007】
尚、左右のレンズの一方に指が掛かると、左右のレンズに入射する光量が大きく変化し、左眼画像と右眼画像の明るさが大きく変化するという問題がある。同様に、左眼画像と右眼画像の焦点調節やホワイトバランス補正が異なり、良好な3D画像が得られないという問題がある。
【0008】
一方、特許文献2に記載の複眼撮像装置は、沈胴式の鏡筒を使用しているため(特許文献2の図1、段落[0016])、撮影時にレンズへの指掛かりの問題はないが、装置の薄型化、小型化を図ることができない。また、特許文献2に記載の複眼撮像装置は、先に合焦したフォーカスレンズの合焦位置に、他方のフォーカスレンズの位置を合わせるようにしているため、基準となる撮像部を固定化することができない。
【0009】
尚、従来のデジタルカメラでは、本撮像前に被写体の構図を確認するために、カメラ背面の液晶モニタにライブビュー画像(スルー画像)を表示させているが、3Dのスルー画像は、2次元(2D)のスルー画像に比べて指掛りが確認しにくいという問題がある。これは、一方のレンズに指掛りがあっても、他方のレンズに指掛りがない場合には、指掛りのある画像と指掛りのない画像とが重畳されて表示されるからである。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、レンズへの指掛りの有無にかかわらず、良好な3D画像を撮像することができる複眼撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために本発明の一の態様に係る複眼撮像装置は、装置本体の長手方向の位置に配設され、互いに視差を有する2つの画像を撮像する2つの撮像手段であって、それぞれ装置本体の前面から突出しない、あるいは突出が小さい撮影レンズを有する2つの撮像手段と、前記装置本体に配設されたレリーズボタンと、前記レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段を介して取得される画像信号に基づいて被写体の明るさを測光する測光手段と、前記測光手段により測光された被写体の明るさに基づいて前記2つの撮像手段の露出をそれぞれ制御する露出制御手段と、を備え、前記2つの撮像手段の撮影レンズの長手方向の中心位置が、装置本体の長手方向の中心位置に対して前記レリーズボタンの位置から遠ざかる方向にずれて配置されている。
【0012】
前記2つの撮像手段のうちのレリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段を基準の撮像手段とし、前記測光手段は、前記基準の撮像手段を介して取得される画像信号に基づいて被写体の明るさを測光するようにしている。前記基準の撮像手段は、レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有するため、前記レリーズボタンを操作する手の指は前記撮影レンズに掛かることがない。前記測光手段は、前記指掛りのない撮像レンズを有する撮像手段(基準の撮像手段)から取得される画像信号に基づいて被写体の明るさを測光するため、良好な測光を行うことができる。また、前記測光結果に基づいて2つの撮像手段の露出をそれぞれ制御するようにしたため、2つの撮像手段によって撮像される2つの画像をそれぞれ適正な露出で撮像することができるとともに、2つの画像の明るさを合わせることができ、良好な3D画像が得られる。
【0013】
また、2つの撮影レンズの長手方向の中心位置が、装置本体の長手方向の中心位置に対して前記レリーズボタンの位置から遠ざかる方向にずれて配置されているため、レリーズボタンを操作する手で前記装置本体を把持する際に、その手で把持するためのグリップ部を前記装置本体に確保することができる。
【0014】
本発明の更に他の態様に係る複眼撮像装置において、前記レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段を介して取得される画像信号に基づいてホワイトバランス補正値を算出する算出手段と、前記算出手段により算出されたホワイトバランス補正値に基づいて前記2つの撮像手段から取得された視差画像のホワイトバランスをそれぞれ補正するホワイトバランス補正手段と、を更に備えることができる。
【0015】
本発明の更に他の態様によれば、前記2つの撮像手段のうちの基準の撮像手段は、レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有するため、前記レリーズボタンを操作する手の指は前記撮影レンズに掛かることがない。これにより、前記算出手段は、前記基準の撮像手段から得られる画像信号に基づいて適正なホワイトバランス補正値を算出することができ、また、2つの撮像手段から取得される2つの画像のホワイトバランスを合わせることができ、良好な3D画像が得られる。
【0016】
本発明の更に他の態様に係る複眼撮像装置において、前記ホワイトバランス補正値を算出する算出手段は、前記レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段と他の撮像手段とのカラーバランスの感度比を記憶する記憶手段を有し、前記算出したホワイトバランス補正値と前記記憶手段から読み出した感度比とに基づいて他の撮像手段から取得した視差画像に対するホワイトバランス補正値を算出することができる。これにより2つの撮像手段の個体差を吸収してホワイトバランスを揃えることができる。
【0017】
本発明の更に他の態様に係る複眼撮像装置において、前記2つの撮影レンズは、それぞれ屈曲光学系の撮影レンズとすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、装置本体の長手方向の位置に配設され、装置本体の前面から突出しない、あるいは突出が小さい撮影レンズを有する2つの撮像手段のうち、レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段を基準の撮像手段とし、この基準の撮像手段を介して取得される画像信号に基づいて2つの撮像手段の露出制御(AE制御)を行い、又は2つの視差を有する画像のホワイトバランス補正(AWB補正)を行うようにしたため、他の撮影レンズへの指掛りの有無にかかわらず、良好な3D画像を撮像することができる。また、2つの撮像手段の撮影レンズの長手方向の中心位置が、装置本体の長手方向の中心位置に対して前記レリーズボタンの位置から遠ざかる方向にずれて配置するようにしたため、レリーズボタンを操作する手で前記装置本体を把持する際に、その手で把持するためのグリップ部を前記装置本体に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は本発明に係る複眼撮像装置の外観を示す図である。
【図2】図2は図1に示した複眼撮像装置の撮像時の正面図である。
【図3】図3は本発明に係る複眼撮像装置の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図4】図4は本発明の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図5】図5は本発明の第1の実施形態の要部のブロック図である。
【図6】図6は本発明に係る露出制御時に適用されるプログラム線図である。
【図7】図7は本発明に係る複眼撮像装置の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図8】図8は本発明の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【図9】図9は本発明に係る焦点調節を説明するために用いて図である。
【図10】図10は本発明の第2の実施形態の要部のブロック図である。
【図11】図11は本発明に係る複眼撮像装置の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図12】図12は本発明の第3の実施形態を示すフローチャートである。
【図13】図13は本発明の第3の実施形態の要部のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面に従って本発明に係る複眼撮像装置の実施の形態について説明する。
【0021】
[複眼撮像装置の外観]
図1は本発明に係る複眼撮像装置の外観を示す図であり、同図(A)〜(D)はそれぞれ複眼撮像装置の上面図、正面図、背面図、及び左側面図である。また、図2は図1に示した複眼撮像装置の撮像時の正面図である。
【0022】
この複眼撮像装置(複眼カメラ)10は、2D/3Dの静止画、及び2D/3Dの動画の記録再生が可能なデジタルカメラであり、図1に示すように薄型の直方体状のカメラ本体の上面には、レリーズボタン11、ズームボタン12が配設されている。
【0023】
カメラ本体の前面には、カメラ本体の左右方向の幅と略一の幅を有するレンズバリア13が、カメラ本体の上下方向に移動自在に配設されており、このレンズバリア13を上下方向に移動させることにより、図2に示すように左右一対の撮影レンズ14-1,14-2の前面を同時に開閉できるようになっている。尚、撮影レンズ14-1,14-2としては、屈曲レンズが使用されている。
【0024】
また、レンズバリア13の表面には、左右方向にわたって指掛り用の凸部13Aが形成されている。この指掛り用の凸部13Aは、レンズバリア13を操作する際に指掛りになるとともに、撮像時にはレンズへの指掛りを防止する役割を果たす。また、レンズバリア13によるレンズ前面の開閉動作に連動して、カメラ電源をON/OFFさせることができるようになっている。
【0025】
カメラ本体の背面には、その中央部に3D用の液晶モニタ16が配設されている。液晶モニタ16は、2つの画像(右目用画像、左目用画像)をパララックスバリアによりそれぞれ所定の指向性をもった指向性画像として表示できるものである。尚、3D用の液晶モニタ16としては、レンチキュラレンズを使用するものや、偏光メガネ、液晶シャッタメガネなどの専用メガネをかけることで右目用画像と左目用画像とを個別に見ることができるものなどが適用できる。
【0026】
上記液晶モニタ16の左右には、各種の操作スイッチが配設されている(図1(C))。操作スイッチ18Aは、静止画撮影と動画撮影とを切り替える切替えスイッチであり、操作スイッチ18Bは、2D撮影と3D撮影とを切り替える切替えスイッチである。また、操作スイッチ18Cは、MENU/OKボタンと再生ボタンとを兼ねたシーソーキーであり、操作スイッチ18Dは、マルチファンクションの十字キーであり、操作スイッチ18Eは、DISP/BACKキーである。
【0027】
MENU/OKボタンは、液晶モニタ16の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作スイッチである。再生ボタンは、撮影モードから再生モードに切り替えるボタンである。十字キーは、上下左右の4方向の指示を入力する操作スイッチであり、マクロボタン、フラッシュボタン、セルフタイマーボタン等が割り当てられており、また、メニューが選択されている場合には、そのメニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示するスイッチ(カーソル移動操作手段)として機能する。また、十字キーの左/右キーは再生モード時のコマ送り(順方向/逆方向送り)ボタンとして機能する。DISP/BACKキーは、液晶モニタ16の表示形態を切り替えたり、メニュー画面上での指示内容の取消し、あるいは1つ前の操作状態に戻らせる時などに使用される。
【0028】
図2に示すように、カメラ本体の左右方向の中心をC1,左右の撮影レンズ14-1,14-2の中心をC2とすると、C2は、C1よりも長さLだけ図2上で右側(正面側から見て右側)にずれている。即ち、各撮影レンズ14-1,14-2は、カメラ本体の中心C1に対してレンズ中心C2がレリーズボタン11側から遠ざかる方向にずれて配設されており、これによりカメラ本体を右手で把持してレリーズボタン11を操作する際のグリップ部を確保できるようにしている。
【0029】
[第1の実施形態]
図3は上記複眼撮像装置(複眼カメラ)10の第1の実施形態を示すブロック図である。
【0030】
図3に示すように、この複眼カメラ10は、主として2つの撮像部20-1,20-2、中央処理装置(CPU)32、AE(Automatic Exposure:自動露出)測光部33、前述したレリーズボタン11、ズームボタン12、及び各種の操作スイッチを含む操作部34、表示制御部36、液晶モニタ16、記録制御部38、圧縮/伸張処理部42、デジタル信号処理部44、AF(Auto Focus:自動焦点)検出部46、AWB(Automatic White Balance:自動ホワイトバランス)検出部48、VRAM50、RAM52、フラッシュメモリ54、ROM56、及び露出設定算出部58等から構成されている。尚、撮像部20-1,20-2は、互いに視差を有する左眼用画像と右眼用画像の2枚の視差画像を撮像するが、撮像部20は、3つ以上あってもよい。
【0031】
左眼用画像を撮像する撮像部20-1は、プリズム(図示せず)、フォーカスレンズ及びズームレンズ21からなる屈曲レンズ、絞り22及びメカシャッター23からなる光学ユニットと、固体撮像素子(CCD)24と、アナログ信号処理部25と、A/D変換器26と、画像入力コントローラ27と、前記光学ユニットを駆動するレンズ駆動部28、絞り駆動部29及びシャッター制御部30と、CCD24を制御するCCD制御部31とを備えている。尚、右眼用画像を撮像する撮像部20-2は、前記左眼用画像を撮像する撮像部20-1と同じ構成を有するため、その具体的な構成の説明は省略する。
【0032】
CPU32は、操作部34からの入力に基づき所定の制御プログラムに従って複眼カメラ全体の動作を統括制御する。尚、ROM56には、CPU32が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データ等が格納され、フラッシュメモリ54には、ユーザ設定情報等の複眼カメラの動作に関する各種設定情報等が格納される。また、VRAM50は、液晶モニタ16に表示する表示用の画像データを一時記憶するメモリであり、RAM52は、CPU32の演算作業用領域及び画像データの一時記憶領域を含んでいる。
【0033】
屈曲レンズに含まれるフォーカスレンズ及びズームレンズ21は、レンズ駆動部28により駆動されて光軸に沿って前後に移動する。CPU32は、レンズ駆動部28の駆動を制御することにより、フォーカスレンズの位置を制御して被写体に焦点が合うように焦点調節を行うとともに、操作部34中のズームボタン12からのズーム指令に応じてズームレンズの位置を制御してズーミングを行う。
【0034】
絞り22は、例えば、アイリス絞りで構成されており、絞り駆動部29に駆動されて動作する。CPU32は、絞り駆動部29を介して絞り22の開口量(絞り値)を制御し、CCD24への入射光量を制御する。
【0035】
メカシャッター23は、光路を開閉することによりCCD24での露光時間を決めるとともに、CCD24からの画像信号の読み出し時に不要光がCCD24に入射しないようにしてスミアの発生を防止する。CPU32は、シャッター速度に対応する露光終了時点に同期したシャッター閉信号をシャッター制御部30に出力し、メカシャッター23を制御する。
【0036】
CCD24は、2次元のカラーCCD固体撮像素子により構成されている。CCD24の受光面には、多数のフォトダイオードが2次元的に配列されており、各フォトダイオードには所定の配列でカラーフィルタが配置されている。
【0037】
上記構成の光学ユニットを介してCCD受光面上に結像された被写体の光学像は、このフォトダイオードによって入射光量に応じた信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU32の指令に従ってCCD制御部31から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)としてCCD24から順次読み出される。CCD24は、電子シャッター機能を備えており、フォトダイオードへの電荷蓄積時間を制御することにより、露光時間(シャッター速度)が制御される。尚、電子シャッターによりシャッター速度に対応する電荷蓄積開始時点が制御され、前記メカシャッター23を閉じることにより露光終了時点(電荷蓄積終了時点)が制御される。本実施の形態では、撮像素子としてCCD24を用いているが、CMOSセンサ等の他の構成の撮像素子を用いることもできる。
【0038】
CCD44から読み出されたR、G、Bのアナログ信号は、アナログ信号処理部25により相関二重サンプリング(CDS)や増幅が行われた後、A/D変換器26によりR、G、Bのデジタル信号に変換される。
【0039】
画像入力コントローラ27は、所定容量のラインバッファを内蔵しており、A/D変換器26によりA/D変換されたR、G、Bの画像信号を一時蓄積したのち、バス60を介してRAM52に格納する。
【0040】
CPU32は、3D撮影モード時には左目用画像を撮像する撮像部20-1と同様に右眼用画像を撮像する撮像部20-2を制御する。
【0041】
AE測光部33は、レリーズボタン11の半押し時に取り込まれる画像信号に基づいてAE制御に必要な被写体輝度を算出する。露出設定算出部58は、AE測光部33により測光された測光値に基づいて2つの撮像部20-1,20-2におけるシャッター速度(露光時間)、絞り値、撮影感度を設定する。
【0042】
AF検出部46は、レリーズボタン11の半押し時に取り込まれるAFエリアの画像信号の高周波成分の絶対値を積算し、この積算した値(AF評価値)をCPU32に出力する。CPU32は、フォーカスレンズを至近から無限遠側に移動させ、AF検出部46により検出されるAF評価値が最大となる合焦位置をサーチし、その合焦位置にフォーカスレンズを移動させることにより、被写体(主要被写体)への焦点調節を行う。AWB検出部48は、本撮像時に取得されたR、G、Bの画像信号に基づいて自動的に光源種(被写界の色温度)を求め、予め光源種別に設定されたR、G、Bのホワイトバランスゲイン(ホワイトバランス補正値)を記憶するテーブルから対応するホワイトバランスゲインを読み出す。
【0043】
尚、AE測光部33、AF検出部46、AWB検出部48及び露出設定算出部58の詳細については後述する。
【0044】
デジタル信号処理部44は、ホワイトバランス補正回路、階調変換処理回路(例えば、ガンマ補正回路)、単板CCDのカラーフィルタ配列に伴うR,G,Bなどの色信号の空間的なズレを補間して各色信号の位置を合わせる処理回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含む画像処理手段として機能し、RAM52に格納されたR、G、Bの画像信号に対して所定の信号処理を行う。即ち、R、G、Bの画像信号は、デジタル信号処理部44において、AWB検出部48により検出されたホワイトバランスゲインが乗算されてホワイトバランス補正が行われ、その後、階調変換処理(例えば、ガンマ補正)等の所定の処理が施された後、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb信号)からなるYC信号に変換される。デジタル信号処理部44により処理されたYC信号はRAM52に格納される。
【0045】
圧縮/伸張処理部42は、記録メディア40への記録時にはCPU32からの指令に従い、RAM52に格納されたYC信号を圧縮処理し、また、記録メディア40に記録された圧縮された圧縮データを伸張処理してYC信号にする。記録制御部38は、圧縮/伸張処理部42により圧縮された圧縮データを所定形式の画像ファイル(例えば、3Dの静止画は、MP(マルチピクチャ)フォーマットの画像ファイル)にして記録メディア40に記録し、又は記録メディア40から画像ファイルの読み出しを行う。
【0046】
液晶モニタ16は、撮影済み画像を表示するための画像表示部として使用されるとともに、各種設定時にGUI(グラフィカルユーザインターフェース)として使用される。また、液晶モニタ16は、撮影モード時に画角を確認するための電子ファインダとして利用される。表示制御部36は、液晶モニタ16に3D画像を表示させる場合には、VRAM50に保持されている左目用画像と右眼用画像とを1画素ずつ交互に表示させる。液晶モニタ16に設けられているパララックスバリアにより、所定の距離から観察するユーザの左右の眼には、1画素ずつ交互に配列された左右の画像がそれぞれ別々に視認される。これにより、立体視を可能にしている。
【0047】
<AE制御>
図4は本発明の第1の実施形態を示すフローチャートであり、各撮像部における露出設定値の算出手順に関して示している。
【0048】
図4において、レリーズボタン11が半押しされると、AE測光部33は、レリーズボタン11から最も離れたレンズを有する撮像部から取得される画像信号に基づいて被写体輝度の測光を行う(ステップS10)。即ち、AE測光部33は、レリーズボタン11から最も離れたレンズを有する撮像部(この実施の形態では、撮影レンズ14-1を有する左眼用画像を撮像する撮像部20-1)から取得される画像信号の積算平均値を算出することにより被写体輝度を測光する。尚、測光方式は、平均測光に限らず、中央重点測光やスポット測光などの各種の測光方式を適応することができる。
【0049】
AE測光部33により測光された測光値は、図5に示すように露出設定算出部58に入力される。露出設定算出部58の他の入力には、全て撮像部の絞り22及びメカシャッター23の、基準値に対する絞りズレ量及びメカシャッター遅れのズレ量が加えられており、露出設定算出部58は、上記入力した測光値と、全ての撮像部の絞りズレ量及びメカシャッター遅れのズレ量とに基づいて全ての撮像部の露出設定値を算出する(ステップS12〜S20)。
【0050】
尚、露出設定算出部58は、予め記憶部58Aに記憶されている感度/絞りの基準値に対する全ての撮像部の感度/絞りのズレ量、及びメカシャッター遅れの基準値に対する全ての撮像部のメカシャッターのズレ量から、それぞれ対応する感度/絞りのズレ量及びメカシャッター遅れのズレ量を入力できるようになっている。
【0051】
続いて、露出設定算出部58は、上記補正により得られた測光値から露出値(撮影EV値)を求め、この露出値と予め設定されたプログラム線図より撮影感度、絞り値及び露光時間(シャッター速度)を求める(ステップS14)。
【0052】
図6にプログラム線図の一例を示す。例えば、露出値が9の場合、図4のプログラム線図によれば、露光時間は1/125(秒)(TV7)、撮影感度はISO400、絞り値はF2.9(AV3)となる。
【0053】
次に、露出設定算出部58は、上記のようにして求めたレリーズボタン11から最も離れたレンズを有する撮像部に対する露出設定値(撮影感度/絞り値/露光時間)を、他のレンズを有する撮像部に対する露出設定値として反映させる(ステップS16)。
【0054】
ここで、前記設定される各撮像部の撮影感度としては、その撮像部の感度/絞りの基準値からのズレ量により感度を補正し、この補正した感度を設定する(ステップS18)。
【0055】
また、各撮像部のメカシャッターは、その撮像部のメカシャッターの、メカシャッター遅れの基準値からのズレ量により、メカシャッター閉じ予定位置が修正される(ステップS20)。
【0056】
露出設定算出部58は、上記のようにして算出した全ての撮像部の露出設定値をCPU32に渡し、CPU32は、各撮像部ごとに設定された露出設定値に基づいて絞り22、電子シャッター、メカシャッター23及び撮影感度を制御する。尚、撮影感度の設定は、アナログ信号処理部25のアンプゲインを設定することにより行われる。
【0057】
上記のように屈曲レンズで構成された複眼カメラにおいて、レリーズボタンから最も離れたレンズを有する撮像部から取得された画像信号に基づいて被写体輝度を測光するようにしたため、指掛りしにくいレンズ側(片手持ちの時は、100%指掛りしないレンズ側)の撮像部により測光できるため、測光・露出精度が向上する。また、それぞれの撮像部の感度/絞り/メカシャッター遅れの基準値からのズレ量をそれぞれ補正することで、各撮像部の個体差を吸収して高精度に露出制御することができ、可視性の高い立体画像を行うことができる。
【0058】
[第2の実施形態]
図7は本発明に係る複眼カメラの第2の実施形態を示すブロック図である。尚、図3に示した第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0059】
図7に示す第2の実施形態の複眼カメラは、図3に示したAE測光部33、AWB検出部48の代わりにAE/AWB検出部49が設けられ、また、露出設定算出部58の代わりにフォーカス範囲算出部62が設けられている点で、第1の実施形態と相違する。尚、AE/AWB検出部49は、図3に示したAE測光部33及びAWB検出部48と同様な検出を行うものである。
【0060】
<AF制御>
図8は本発明の第2の実施形態を示すフローチャートであり、各撮像部における焦点調節方法に関して示している。
【0061】
図8において、レリーズボタン11が半押しされると、AF検出部46は、レリーズボタン11から最も離れたレンズを有する撮像部から取得されるAFエリアの画像信号の高周波成分の絶対値を積算し、その積算値(AF評価値)をCPU32に出力する。CPU32は、フォーカスレンズを至近から無限遠側に移動させ、AF検出部46により検出されるAF評価値が最大となる合焦位置P1をサーチし、その合焦位置P1にフォーカスレンズを移動させることにより、被写体(主要被写体)への焦点調節を行う(ステップS30)。
【0062】
図9(A)はレリーズボタン11から最も離れた1番目のレンズのフォーカスレンズのサーチ位置とAF評価値との関係を示す図であり、フォーカスレンズは、AF評価値が最大となる合焦位置P1に移動させられる。レリーズボタン11から最も離れた1番目のレンズの焦点調節手段にて合焦位置P1を得ることで、指掛りの影響のない合焦位置を得ることができる。尚、レリーズボタン11側にはグリップがあるため、レリーズボタン11に近いレンズには指が掛かる可能性がある。
【0063】
続いて、複眼カメラの撮像部を示す変数iを2に初期設定する(ステップS32)。
【0064】
図10に示すようにフォーカス範囲算出部62には、レリーズボタン11から最も離れた1番目のレンズの合焦位置Pi、予め記憶部62Aに調査・保存されているi番目のレンズと1番目のレンズとのフォーカスズレ量Dfi、及びサーチ余裕分(Ni,Fi)の焦点調節幅が入力される。
【0065】
フォーカス範囲算出部62は、1番目のレンズの合焦位置P1と、i番目のレンズと1番目のレンズとのフォーカスズレ量Dfiにより、i番目のレンズの焦点調節手段の中心位置PiをP1−Dfiとして求める(ステップS34、図9(B))。
【0066】
また、フォーカス範囲算出部62は、上記求めたi番目のレンズの焦点調節手段の中心位置Piと、記憶部62Aに保存されているサーチ余裕分の焦点調節幅をCPU32に渡す。CPU32は、中心位置Piを中心にした近側にNiパルス、遠側にFiパルス(温度や姿勢等によるサーチ余裕分)の範囲で、i番目のレンズのフォーカスレンズによるAFサーチを行わせる(ステップS36)。
【0067】
CPU32は、i番目のレンズのフォーカスレンズによるAFサーチにより取得したAF評価値に基づいて該AF評価値が最大となる合焦位置Pi’の有無を判別し(ステップS38)、合焦位置Pi’があった場合には、i番目のレンズのフォーカスレンズを合焦位置Pi’に移動させ(ステップS40)、合焦位置Pi’がなかった場合には、i番目のレンズのフォーカスレンズを前記算出した位置Piに移動させる(ステップS42)。
【0068】
続いて、CPU32は、全てのレンズの焦点調節が終わったか否かを判別し(ステップS44)、全てのレンズの焦点調節が終わっていない場合には、変数iを1だけインクリメントし(ステップS46)、ステップS34に遷移させ、次のi番目のレンズについて上記と同様な焦点調節を行う。尚、撮像部が3以上の場合には、上記フローラインにしたがってステップS34に戻る場合があるが、2つの撮像部の場合は、ステップS34には戻らない。
【0069】
上記のように屈曲レンズで構成された複眼カメラにおいて、レリーズボタンから最も離れたレンズを有する撮像部から取得された画像信号に基づいて焦点調節するようにしたため、指掛りしにくいレンズ側(片手持ちの時は、100%指掛りしないレンズ側)の撮像部から取得された画像信号に基づいて焦点調節することができ、正しい合焦位置が得られ、精度の高い焦点調節を行うことができる。また、予め求められているレリーズボタンから最も離れているレンズとi番目のレンズのフォーカスレンズのズレ量(Dfi)と、温度や姿勢等によるサーチ余裕分(Ni,Fi)を考慮してi番目のレンズを焦点調節することで、正しい合焦位置(同じ被写体に合焦させる合焦位置)を得られる可能性が高くなる。
【0070】
更に、何らかの原因(例えば、レンズへの指掛りの原因)でi番目の合焦位置が得られなかった場合でも、予め求められているフォーカスレンズのズレ量から求めた位置に他のフォーカスレンズを移動させることで、合焦している可能性を上げることができる。以上により、可視性の高い立体画像を撮像することができる。
【0071】
尚、上記の実施形態では、至近から無限遠に向けてAFサーチを行うようにしたが、例えば、風景モードによる撮影時には無限遠から至近に向けてAFサーチを行うようにしてもよい。
【0072】
[第3の実施形態]
図11は本発明に係る複眼カメラの第3の実施形態を示すブロック図である。尚、図3に示した第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0073】
図11に示す第3の実施形態の複眼カメラは、図3に示したAWB検出部48の代わりにAWB検出部64が設けられ、また、AE測光部33の代わりにAE検出部51が設けられ、更に露出設定算出部58の代わりにWB算出部66が設けられている点で、第1の実施形態と相違する。尚、AE検出部51は、図3に示したAE測光部33と同様な検出を行うものである。
【0074】
<AWB補正>
図12は本発明の第3の実施形態を示すフローチャートであり、各撮像部におけるAWB補正方法に関して示している。
【0075】
図12において、AWB検出部64は、レリーズボタン11の全押しにより本撮像され、RAM52に格納された複数視点の画像信号のうち、レリーズボタン11から最も離れたレンズを有する撮像部から取得された1画面分の画像信号を取り込み、この画像信号の画面を複数の分割エリア(例えば、8×8)に分割し、各分割エリアごとにR、G、B信号を積算し、積算値R/G/Bの比で表される各分割エリアの色情報(R/G,B/G)を算出する(ステップS50)。AWB検出部64は、得られた各分割エリアの色情報(R/G,B/G)の、R/G軸,B/G軸を座標軸とする色空間上の分布から日陰、曇り、晴れ、蛍光灯、及び電球等の各光源種の中から光源種を推定する(ステップS52)。この光源種の推定方法としては、特開2000−224608号公報、特開2004−304695号公報等に記載の公知のものを使用することができる。
【0076】
AWB検出部64は、光源種を推定すると、その推定した光源種に合わせてホワイトバランスゲイン(ホワイトバランス補正値)を求める(ステップS53)。尚、前記ホワイトバランスゲインは、予め光源種別に最適なホワイトバランス補正を行うためのホワイトバランスゲインのテーブルを準備しておき、前記求めた光源種に応じて対応するホワイトバランスゲインを読み出すことで求めることができる。
【0077】
続いて、複眼カメラの撮像部を示す変数iを2に初期設定する(ステップS54)。
【0078】
図13に示すようにWB算出部66には、レリーズボタン11から最も離れた1番目のレンズのホワイトバランスゲインが前記AWB検出部64から入力されるとともに、撮像部感度比を記憶する記憶部66Aから全てのレンズにおけるレリーズボタンから最も離れたレンズとの撮像部の感度比が入力できるようになっている。
【0079】
WB算出部66は、レリーズボタンから最も離れた1番目のレンズとi番目のレンズとの感度比と、1番目のレンズに対して求めたホワイトバランスゲインとに基づいてi番目のレンズのホワイトバランスゲインを算出する(ステップS56)。
【0080】
いま、1番目のレンズのホワイトバランスゲインを、R、G、B信号別にWBR1/WBG1/WBB1とし、1番目のレンズの撮像部とi番目のレンズの撮像部との感度比をGRi/GGi/GBiとすると、i番目のレンズのホワイトバランスゲイン(WBRi/WBGi/WBBi)は、次の[数1]式により求めることができる。
【0081】
[数1]
WBRi=WBR1*GRi
WBGi=WBG1*GGi
WBBi=WBB1*GBi
WB算出部66は、全てのレンズのホワイトバランスゲインの算出が終了したか否かを判別し(ステップS58)、全てのレンズのホワイトバランスゲインの算出が終了していない場合には、変数iを1だけインクリメントし(ステップS60)、ステップS56に遷移させ、次のi番目のレンズについて上記と同様にしてホワイトバランスゲインの算出を行う。尚、撮像部が3以上の場合には、上記フローラインにしたがってステップS56に戻る場合があるが、2つの撮像部の場合は、ステップS56には戻らない。
【0082】
上記のように屈曲レンズで構成された複眼カメラにおいて、レリーズボタンから最も離れたレンズを有する撮像部から取得された画像信号に基づいてホワイトバランスゲインを算出するようにしたため、指掛りしにくいレンズ側(片手持ちの時は、100%指掛りしないレンズ側)の撮像部から取得された画像信号に基づいてホワイトバランスゲインを算出することができ、正しいホワイトバランスゲインが得られ、正しいホワイトバランス補正を行うことができる。また、予め求められているレリーズボタンから最も離れているレンズの撮像部と他のレンズの撮像部との感度比を用いて、レリーズボタンから最も離れているレンズのホワイトバランスゲインから、他のレンズのホワイトバランスゲインを算出することで、それぞれのレンズの撮像部の個体差を吸収してホワイトバランスを揃えることができる。以上により、可視性の高い立体画像が得られる。
【0083】
[その他]
本発明は、上記第1から第3の実施形態に示したものに限らず、各実施形態を適宜組み合わせたものでもよい。
【0084】
また、本発明に適用される撮影レンズは屈曲レンズに限らず、カメラ前面からレンズが突出しないレンズであれば、如何なるものでもよい。
【0085】
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0086】
10…複眼撮像装置(複眼カメラ)、11…レリーズボタン、13…レンズバリア、13A…凸部、16…液晶モニタ、20-1,20-2…撮像部、21…フォーカスレンズ及びズームレンズ、22…絞り、23…メカシャッター、24…CCD、25…アナログ信号処理部、28…レンズ駆動部、29…絞り駆動部、30…シャッター制御部、31…CCD制御部、32…中央処理装置(CPU)、34…操作部、44…デジタル信号処理部、46…AF検出部、48、64…AWB検出部、52…RAM、56…ROM、58…露出設定算出部、58A、66A、62A…記憶部、62…フォーカス範囲算出部、66…WB算出部
【技術分野】
【0001】
本発明は複眼撮像装置に係り、特に互いに視差を有する2つの画像を撮像する複眼撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに視差を有する視差画像からなる立体視可能な3次元画像(3D画像)の撮像機能を持つ複眼撮像装置において、装置本体の小型化のために、プリズムを用いた屈曲光学系の撮影レンズ(以下、「屈曲レンズ」という)を使用したものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、2つのフォーカスレンズを同時に駆動し、所定の送り量ごとに画像のコントラストを示す評価値(AF評価値)を算出し、AF評価値の最大値を先に検出したフォーカスレンズの位置に、他方のフォーカスレンズを設定する複眼撮像装置が提案されている(特許文献2)。例えば、一方のフォーカスレンズは至近から無限遠に向けてAFサーチを行い、他方のフォーカスレンズは無限遠から至近に向けてAFサーチを行うことで、短時間に効率よくAF動作を完了できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−48181号公報
【特許文献2】特開2006−162990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の複眼撮像装置は、屈曲レンズを使用することにより小型化されているが、左右の屈曲レンズは、立体感、臨場感を高めるために(基線長を長くとるために)、装置本体の左右の端部にそれぞれ配置されている。
【0006】
従って、装置本体のグリップ部(レリーズボタン側の端部)を把持した場合には、把持した手の指がレリーズボタン側の屈曲レンズに掛かりやすいという問題がある。
【0007】
尚、左右のレンズの一方に指が掛かると、左右のレンズに入射する光量が大きく変化し、左眼画像と右眼画像の明るさが大きく変化するという問題がある。同様に、左眼画像と右眼画像の焦点調節やホワイトバランス補正が異なり、良好な3D画像が得られないという問題がある。
【0008】
一方、特許文献2に記載の複眼撮像装置は、沈胴式の鏡筒を使用しているため(特許文献2の図1、段落[0016])、撮影時にレンズへの指掛かりの問題はないが、装置の薄型化、小型化を図ることができない。また、特許文献2に記載の複眼撮像装置は、先に合焦したフォーカスレンズの合焦位置に、他方のフォーカスレンズの位置を合わせるようにしているため、基準となる撮像部を固定化することができない。
【0009】
尚、従来のデジタルカメラでは、本撮像前に被写体の構図を確認するために、カメラ背面の液晶モニタにライブビュー画像(スルー画像)を表示させているが、3Dのスルー画像は、2次元(2D)のスルー画像に比べて指掛りが確認しにくいという問題がある。これは、一方のレンズに指掛りがあっても、他方のレンズに指掛りがない場合には、指掛りのある画像と指掛りのない画像とが重畳されて表示されるからである。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、レンズへの指掛りの有無にかかわらず、良好な3D画像を撮像することができる複眼撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために本発明の一の態様に係る複眼撮像装置は、装置本体の長手方向の位置に配設され、互いに視差を有する2つの画像を撮像する2つの撮像手段であって、それぞれ装置本体の前面から突出しない、あるいは突出が小さい撮影レンズを有する2つの撮像手段と、前記装置本体に配設されたレリーズボタンと、前記レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段を介して取得される画像信号に基づいて被写体の明るさを測光する測光手段と、前記測光手段により測光された被写体の明るさに基づいて前記2つの撮像手段の露出をそれぞれ制御する露出制御手段と、を備え、前記2つの撮像手段の撮影レンズの長手方向の中心位置が、装置本体の長手方向の中心位置に対して前記レリーズボタンの位置から遠ざかる方向にずれて配置されている。
【0012】
前記2つの撮像手段のうちのレリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段を基準の撮像手段とし、前記測光手段は、前記基準の撮像手段を介して取得される画像信号に基づいて被写体の明るさを測光するようにしている。前記基準の撮像手段は、レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有するため、前記レリーズボタンを操作する手の指は前記撮影レンズに掛かることがない。前記測光手段は、前記指掛りのない撮像レンズを有する撮像手段(基準の撮像手段)から取得される画像信号に基づいて被写体の明るさを測光するため、良好な測光を行うことができる。また、前記測光結果に基づいて2つの撮像手段の露出をそれぞれ制御するようにしたため、2つの撮像手段によって撮像される2つの画像をそれぞれ適正な露出で撮像することができるとともに、2つの画像の明るさを合わせることができ、良好な3D画像が得られる。
【0013】
また、2つの撮影レンズの長手方向の中心位置が、装置本体の長手方向の中心位置に対して前記レリーズボタンの位置から遠ざかる方向にずれて配置されているため、レリーズボタンを操作する手で前記装置本体を把持する際に、その手で把持するためのグリップ部を前記装置本体に確保することができる。
【0014】
本発明の更に他の態様に係る複眼撮像装置において、前記レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段を介して取得される画像信号に基づいてホワイトバランス補正値を算出する算出手段と、前記算出手段により算出されたホワイトバランス補正値に基づいて前記2つの撮像手段から取得された視差画像のホワイトバランスをそれぞれ補正するホワイトバランス補正手段と、を更に備えることができる。
【0015】
本発明の更に他の態様によれば、前記2つの撮像手段のうちの基準の撮像手段は、レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有するため、前記レリーズボタンを操作する手の指は前記撮影レンズに掛かることがない。これにより、前記算出手段は、前記基準の撮像手段から得られる画像信号に基づいて適正なホワイトバランス補正値を算出することができ、また、2つの撮像手段から取得される2つの画像のホワイトバランスを合わせることができ、良好な3D画像が得られる。
【0016】
本発明の更に他の態様に係る複眼撮像装置において、前記ホワイトバランス補正値を算出する算出手段は、前記レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段と他の撮像手段とのカラーバランスの感度比を記憶する記憶手段を有し、前記算出したホワイトバランス補正値と前記記憶手段から読み出した感度比とに基づいて他の撮像手段から取得した視差画像に対するホワイトバランス補正値を算出することができる。これにより2つの撮像手段の個体差を吸収してホワイトバランスを揃えることができる。
【0017】
本発明の更に他の態様に係る複眼撮像装置において、前記2つの撮影レンズは、それぞれ屈曲光学系の撮影レンズとすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、装置本体の長手方向の位置に配設され、装置本体の前面から突出しない、あるいは突出が小さい撮影レンズを有する2つの撮像手段のうち、レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段を基準の撮像手段とし、この基準の撮像手段を介して取得される画像信号に基づいて2つの撮像手段の露出制御(AE制御)を行い、又は2つの視差を有する画像のホワイトバランス補正(AWB補正)を行うようにしたため、他の撮影レンズへの指掛りの有無にかかわらず、良好な3D画像を撮像することができる。また、2つの撮像手段の撮影レンズの長手方向の中心位置が、装置本体の長手方向の中心位置に対して前記レリーズボタンの位置から遠ざかる方向にずれて配置するようにしたため、レリーズボタンを操作する手で前記装置本体を把持する際に、その手で把持するためのグリップ部を前記装置本体に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は本発明に係る複眼撮像装置の外観を示す図である。
【図2】図2は図1に示した複眼撮像装置の撮像時の正面図である。
【図3】図3は本発明に係る複眼撮像装置の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図4】図4は本発明の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図5】図5は本発明の第1の実施形態の要部のブロック図である。
【図6】図6は本発明に係る露出制御時に適用されるプログラム線図である。
【図7】図7は本発明に係る複眼撮像装置の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図8】図8は本発明の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【図9】図9は本発明に係る焦点調節を説明するために用いて図である。
【図10】図10は本発明の第2の実施形態の要部のブロック図である。
【図11】図11は本発明に係る複眼撮像装置の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図12】図12は本発明の第3の実施形態を示すフローチャートである。
【図13】図13は本発明の第3の実施形態の要部のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面に従って本発明に係る複眼撮像装置の実施の形態について説明する。
【0021】
[複眼撮像装置の外観]
図1は本発明に係る複眼撮像装置の外観を示す図であり、同図(A)〜(D)はそれぞれ複眼撮像装置の上面図、正面図、背面図、及び左側面図である。また、図2は図1に示した複眼撮像装置の撮像時の正面図である。
【0022】
この複眼撮像装置(複眼カメラ)10は、2D/3Dの静止画、及び2D/3Dの動画の記録再生が可能なデジタルカメラであり、図1に示すように薄型の直方体状のカメラ本体の上面には、レリーズボタン11、ズームボタン12が配設されている。
【0023】
カメラ本体の前面には、カメラ本体の左右方向の幅と略一の幅を有するレンズバリア13が、カメラ本体の上下方向に移動自在に配設されており、このレンズバリア13を上下方向に移動させることにより、図2に示すように左右一対の撮影レンズ14-1,14-2の前面を同時に開閉できるようになっている。尚、撮影レンズ14-1,14-2としては、屈曲レンズが使用されている。
【0024】
また、レンズバリア13の表面には、左右方向にわたって指掛り用の凸部13Aが形成されている。この指掛り用の凸部13Aは、レンズバリア13を操作する際に指掛りになるとともに、撮像時にはレンズへの指掛りを防止する役割を果たす。また、レンズバリア13によるレンズ前面の開閉動作に連動して、カメラ電源をON/OFFさせることができるようになっている。
【0025】
カメラ本体の背面には、その中央部に3D用の液晶モニタ16が配設されている。液晶モニタ16は、2つの画像(右目用画像、左目用画像)をパララックスバリアによりそれぞれ所定の指向性をもった指向性画像として表示できるものである。尚、3D用の液晶モニタ16としては、レンチキュラレンズを使用するものや、偏光メガネ、液晶シャッタメガネなどの専用メガネをかけることで右目用画像と左目用画像とを個別に見ることができるものなどが適用できる。
【0026】
上記液晶モニタ16の左右には、各種の操作スイッチが配設されている(図1(C))。操作スイッチ18Aは、静止画撮影と動画撮影とを切り替える切替えスイッチであり、操作スイッチ18Bは、2D撮影と3D撮影とを切り替える切替えスイッチである。また、操作スイッチ18Cは、MENU/OKボタンと再生ボタンとを兼ねたシーソーキーであり、操作スイッチ18Dは、マルチファンクションの十字キーであり、操作スイッチ18Eは、DISP/BACKキーである。
【0027】
MENU/OKボタンは、液晶モニタ16の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作スイッチである。再生ボタンは、撮影モードから再生モードに切り替えるボタンである。十字キーは、上下左右の4方向の指示を入力する操作スイッチであり、マクロボタン、フラッシュボタン、セルフタイマーボタン等が割り当てられており、また、メニューが選択されている場合には、そのメニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示するスイッチ(カーソル移動操作手段)として機能する。また、十字キーの左/右キーは再生モード時のコマ送り(順方向/逆方向送り)ボタンとして機能する。DISP/BACKキーは、液晶モニタ16の表示形態を切り替えたり、メニュー画面上での指示内容の取消し、あるいは1つ前の操作状態に戻らせる時などに使用される。
【0028】
図2に示すように、カメラ本体の左右方向の中心をC1,左右の撮影レンズ14-1,14-2の中心をC2とすると、C2は、C1よりも長さLだけ図2上で右側(正面側から見て右側)にずれている。即ち、各撮影レンズ14-1,14-2は、カメラ本体の中心C1に対してレンズ中心C2がレリーズボタン11側から遠ざかる方向にずれて配設されており、これによりカメラ本体を右手で把持してレリーズボタン11を操作する際のグリップ部を確保できるようにしている。
【0029】
[第1の実施形態]
図3は上記複眼撮像装置(複眼カメラ)10の第1の実施形態を示すブロック図である。
【0030】
図3に示すように、この複眼カメラ10は、主として2つの撮像部20-1,20-2、中央処理装置(CPU)32、AE(Automatic Exposure:自動露出)測光部33、前述したレリーズボタン11、ズームボタン12、及び各種の操作スイッチを含む操作部34、表示制御部36、液晶モニタ16、記録制御部38、圧縮/伸張処理部42、デジタル信号処理部44、AF(Auto Focus:自動焦点)検出部46、AWB(Automatic White Balance:自動ホワイトバランス)検出部48、VRAM50、RAM52、フラッシュメモリ54、ROM56、及び露出設定算出部58等から構成されている。尚、撮像部20-1,20-2は、互いに視差を有する左眼用画像と右眼用画像の2枚の視差画像を撮像するが、撮像部20は、3つ以上あってもよい。
【0031】
左眼用画像を撮像する撮像部20-1は、プリズム(図示せず)、フォーカスレンズ及びズームレンズ21からなる屈曲レンズ、絞り22及びメカシャッター23からなる光学ユニットと、固体撮像素子(CCD)24と、アナログ信号処理部25と、A/D変換器26と、画像入力コントローラ27と、前記光学ユニットを駆動するレンズ駆動部28、絞り駆動部29及びシャッター制御部30と、CCD24を制御するCCD制御部31とを備えている。尚、右眼用画像を撮像する撮像部20-2は、前記左眼用画像を撮像する撮像部20-1と同じ構成を有するため、その具体的な構成の説明は省略する。
【0032】
CPU32は、操作部34からの入力に基づき所定の制御プログラムに従って複眼カメラ全体の動作を統括制御する。尚、ROM56には、CPU32が実行する制御プログラム及び制御に必要な各種データ等が格納され、フラッシュメモリ54には、ユーザ設定情報等の複眼カメラの動作に関する各種設定情報等が格納される。また、VRAM50は、液晶モニタ16に表示する表示用の画像データを一時記憶するメモリであり、RAM52は、CPU32の演算作業用領域及び画像データの一時記憶領域を含んでいる。
【0033】
屈曲レンズに含まれるフォーカスレンズ及びズームレンズ21は、レンズ駆動部28により駆動されて光軸に沿って前後に移動する。CPU32は、レンズ駆動部28の駆動を制御することにより、フォーカスレンズの位置を制御して被写体に焦点が合うように焦点調節を行うとともに、操作部34中のズームボタン12からのズーム指令に応じてズームレンズの位置を制御してズーミングを行う。
【0034】
絞り22は、例えば、アイリス絞りで構成されており、絞り駆動部29に駆動されて動作する。CPU32は、絞り駆動部29を介して絞り22の開口量(絞り値)を制御し、CCD24への入射光量を制御する。
【0035】
メカシャッター23は、光路を開閉することによりCCD24での露光時間を決めるとともに、CCD24からの画像信号の読み出し時に不要光がCCD24に入射しないようにしてスミアの発生を防止する。CPU32は、シャッター速度に対応する露光終了時点に同期したシャッター閉信号をシャッター制御部30に出力し、メカシャッター23を制御する。
【0036】
CCD24は、2次元のカラーCCD固体撮像素子により構成されている。CCD24の受光面には、多数のフォトダイオードが2次元的に配列されており、各フォトダイオードには所定の配列でカラーフィルタが配置されている。
【0037】
上記構成の光学ユニットを介してCCD受光面上に結像された被写体の光学像は、このフォトダイオードによって入射光量に応じた信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU32の指令に従ってCCD制御部31から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)としてCCD24から順次読み出される。CCD24は、電子シャッター機能を備えており、フォトダイオードへの電荷蓄積時間を制御することにより、露光時間(シャッター速度)が制御される。尚、電子シャッターによりシャッター速度に対応する電荷蓄積開始時点が制御され、前記メカシャッター23を閉じることにより露光終了時点(電荷蓄積終了時点)が制御される。本実施の形態では、撮像素子としてCCD24を用いているが、CMOSセンサ等の他の構成の撮像素子を用いることもできる。
【0038】
CCD44から読み出されたR、G、Bのアナログ信号は、アナログ信号処理部25により相関二重サンプリング(CDS)や増幅が行われた後、A/D変換器26によりR、G、Bのデジタル信号に変換される。
【0039】
画像入力コントローラ27は、所定容量のラインバッファを内蔵しており、A/D変換器26によりA/D変換されたR、G、Bの画像信号を一時蓄積したのち、バス60を介してRAM52に格納する。
【0040】
CPU32は、3D撮影モード時には左目用画像を撮像する撮像部20-1と同様に右眼用画像を撮像する撮像部20-2を制御する。
【0041】
AE測光部33は、レリーズボタン11の半押し時に取り込まれる画像信号に基づいてAE制御に必要な被写体輝度を算出する。露出設定算出部58は、AE測光部33により測光された測光値に基づいて2つの撮像部20-1,20-2におけるシャッター速度(露光時間)、絞り値、撮影感度を設定する。
【0042】
AF検出部46は、レリーズボタン11の半押し時に取り込まれるAFエリアの画像信号の高周波成分の絶対値を積算し、この積算した値(AF評価値)をCPU32に出力する。CPU32は、フォーカスレンズを至近から無限遠側に移動させ、AF検出部46により検出されるAF評価値が最大となる合焦位置をサーチし、その合焦位置にフォーカスレンズを移動させることにより、被写体(主要被写体)への焦点調節を行う。AWB検出部48は、本撮像時に取得されたR、G、Bの画像信号に基づいて自動的に光源種(被写界の色温度)を求め、予め光源種別に設定されたR、G、Bのホワイトバランスゲイン(ホワイトバランス補正値)を記憶するテーブルから対応するホワイトバランスゲインを読み出す。
【0043】
尚、AE測光部33、AF検出部46、AWB検出部48及び露出設定算出部58の詳細については後述する。
【0044】
デジタル信号処理部44は、ホワイトバランス補正回路、階調変換処理回路(例えば、ガンマ補正回路)、単板CCDのカラーフィルタ配列に伴うR,G,Bなどの色信号の空間的なズレを補間して各色信号の位置を合わせる処理回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含む画像処理手段として機能し、RAM52に格納されたR、G、Bの画像信号に対して所定の信号処理を行う。即ち、R、G、Bの画像信号は、デジタル信号処理部44において、AWB検出部48により検出されたホワイトバランスゲインが乗算されてホワイトバランス補正が行われ、その後、階調変換処理(例えば、ガンマ補正)等の所定の処理が施された後、輝度信号(Y信号)及び色差信号(Cr、Cb信号)からなるYC信号に変換される。デジタル信号処理部44により処理されたYC信号はRAM52に格納される。
【0045】
圧縮/伸張処理部42は、記録メディア40への記録時にはCPU32からの指令に従い、RAM52に格納されたYC信号を圧縮処理し、また、記録メディア40に記録された圧縮された圧縮データを伸張処理してYC信号にする。記録制御部38は、圧縮/伸張処理部42により圧縮された圧縮データを所定形式の画像ファイル(例えば、3Dの静止画は、MP(マルチピクチャ)フォーマットの画像ファイル)にして記録メディア40に記録し、又は記録メディア40から画像ファイルの読み出しを行う。
【0046】
液晶モニタ16は、撮影済み画像を表示するための画像表示部として使用されるとともに、各種設定時にGUI(グラフィカルユーザインターフェース)として使用される。また、液晶モニタ16は、撮影モード時に画角を確認するための電子ファインダとして利用される。表示制御部36は、液晶モニタ16に3D画像を表示させる場合には、VRAM50に保持されている左目用画像と右眼用画像とを1画素ずつ交互に表示させる。液晶モニタ16に設けられているパララックスバリアにより、所定の距離から観察するユーザの左右の眼には、1画素ずつ交互に配列された左右の画像がそれぞれ別々に視認される。これにより、立体視を可能にしている。
【0047】
<AE制御>
図4は本発明の第1の実施形態を示すフローチャートであり、各撮像部における露出設定値の算出手順に関して示している。
【0048】
図4において、レリーズボタン11が半押しされると、AE測光部33は、レリーズボタン11から最も離れたレンズを有する撮像部から取得される画像信号に基づいて被写体輝度の測光を行う(ステップS10)。即ち、AE測光部33は、レリーズボタン11から最も離れたレンズを有する撮像部(この実施の形態では、撮影レンズ14-1を有する左眼用画像を撮像する撮像部20-1)から取得される画像信号の積算平均値を算出することにより被写体輝度を測光する。尚、測光方式は、平均測光に限らず、中央重点測光やスポット測光などの各種の測光方式を適応することができる。
【0049】
AE測光部33により測光された測光値は、図5に示すように露出設定算出部58に入力される。露出設定算出部58の他の入力には、全て撮像部の絞り22及びメカシャッター23の、基準値に対する絞りズレ量及びメカシャッター遅れのズレ量が加えられており、露出設定算出部58は、上記入力した測光値と、全ての撮像部の絞りズレ量及びメカシャッター遅れのズレ量とに基づいて全ての撮像部の露出設定値を算出する(ステップS12〜S20)。
【0050】
尚、露出設定算出部58は、予め記憶部58Aに記憶されている感度/絞りの基準値に対する全ての撮像部の感度/絞りのズレ量、及びメカシャッター遅れの基準値に対する全ての撮像部のメカシャッターのズレ量から、それぞれ対応する感度/絞りのズレ量及びメカシャッター遅れのズレ量を入力できるようになっている。
【0051】
続いて、露出設定算出部58は、上記補正により得られた測光値から露出値(撮影EV値)を求め、この露出値と予め設定されたプログラム線図より撮影感度、絞り値及び露光時間(シャッター速度)を求める(ステップS14)。
【0052】
図6にプログラム線図の一例を示す。例えば、露出値が9の場合、図4のプログラム線図によれば、露光時間は1/125(秒)(TV7)、撮影感度はISO400、絞り値はF2.9(AV3)となる。
【0053】
次に、露出設定算出部58は、上記のようにして求めたレリーズボタン11から最も離れたレンズを有する撮像部に対する露出設定値(撮影感度/絞り値/露光時間)を、他のレンズを有する撮像部に対する露出設定値として反映させる(ステップS16)。
【0054】
ここで、前記設定される各撮像部の撮影感度としては、その撮像部の感度/絞りの基準値からのズレ量により感度を補正し、この補正した感度を設定する(ステップS18)。
【0055】
また、各撮像部のメカシャッターは、その撮像部のメカシャッターの、メカシャッター遅れの基準値からのズレ量により、メカシャッター閉じ予定位置が修正される(ステップS20)。
【0056】
露出設定算出部58は、上記のようにして算出した全ての撮像部の露出設定値をCPU32に渡し、CPU32は、各撮像部ごとに設定された露出設定値に基づいて絞り22、電子シャッター、メカシャッター23及び撮影感度を制御する。尚、撮影感度の設定は、アナログ信号処理部25のアンプゲインを設定することにより行われる。
【0057】
上記のように屈曲レンズで構成された複眼カメラにおいて、レリーズボタンから最も離れたレンズを有する撮像部から取得された画像信号に基づいて被写体輝度を測光するようにしたため、指掛りしにくいレンズ側(片手持ちの時は、100%指掛りしないレンズ側)の撮像部により測光できるため、測光・露出精度が向上する。また、それぞれの撮像部の感度/絞り/メカシャッター遅れの基準値からのズレ量をそれぞれ補正することで、各撮像部の個体差を吸収して高精度に露出制御することができ、可視性の高い立体画像を行うことができる。
【0058】
[第2の実施形態]
図7は本発明に係る複眼カメラの第2の実施形態を示すブロック図である。尚、図3に示した第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0059】
図7に示す第2の実施形態の複眼カメラは、図3に示したAE測光部33、AWB検出部48の代わりにAE/AWB検出部49が設けられ、また、露出設定算出部58の代わりにフォーカス範囲算出部62が設けられている点で、第1の実施形態と相違する。尚、AE/AWB検出部49は、図3に示したAE測光部33及びAWB検出部48と同様な検出を行うものである。
【0060】
<AF制御>
図8は本発明の第2の実施形態を示すフローチャートであり、各撮像部における焦点調節方法に関して示している。
【0061】
図8において、レリーズボタン11が半押しされると、AF検出部46は、レリーズボタン11から最も離れたレンズを有する撮像部から取得されるAFエリアの画像信号の高周波成分の絶対値を積算し、その積算値(AF評価値)をCPU32に出力する。CPU32は、フォーカスレンズを至近から無限遠側に移動させ、AF検出部46により検出されるAF評価値が最大となる合焦位置P1をサーチし、その合焦位置P1にフォーカスレンズを移動させることにより、被写体(主要被写体)への焦点調節を行う(ステップS30)。
【0062】
図9(A)はレリーズボタン11から最も離れた1番目のレンズのフォーカスレンズのサーチ位置とAF評価値との関係を示す図であり、フォーカスレンズは、AF評価値が最大となる合焦位置P1に移動させられる。レリーズボタン11から最も離れた1番目のレンズの焦点調節手段にて合焦位置P1を得ることで、指掛りの影響のない合焦位置を得ることができる。尚、レリーズボタン11側にはグリップがあるため、レリーズボタン11に近いレンズには指が掛かる可能性がある。
【0063】
続いて、複眼カメラの撮像部を示す変数iを2に初期設定する(ステップS32)。
【0064】
図10に示すようにフォーカス範囲算出部62には、レリーズボタン11から最も離れた1番目のレンズの合焦位置Pi、予め記憶部62Aに調査・保存されているi番目のレンズと1番目のレンズとのフォーカスズレ量Dfi、及びサーチ余裕分(Ni,Fi)の焦点調節幅が入力される。
【0065】
フォーカス範囲算出部62は、1番目のレンズの合焦位置P1と、i番目のレンズと1番目のレンズとのフォーカスズレ量Dfiにより、i番目のレンズの焦点調節手段の中心位置PiをP1−Dfiとして求める(ステップS34、図9(B))。
【0066】
また、フォーカス範囲算出部62は、上記求めたi番目のレンズの焦点調節手段の中心位置Piと、記憶部62Aに保存されているサーチ余裕分の焦点調節幅をCPU32に渡す。CPU32は、中心位置Piを中心にした近側にNiパルス、遠側にFiパルス(温度や姿勢等によるサーチ余裕分)の範囲で、i番目のレンズのフォーカスレンズによるAFサーチを行わせる(ステップS36)。
【0067】
CPU32は、i番目のレンズのフォーカスレンズによるAFサーチにより取得したAF評価値に基づいて該AF評価値が最大となる合焦位置Pi’の有無を判別し(ステップS38)、合焦位置Pi’があった場合には、i番目のレンズのフォーカスレンズを合焦位置Pi’に移動させ(ステップS40)、合焦位置Pi’がなかった場合には、i番目のレンズのフォーカスレンズを前記算出した位置Piに移動させる(ステップS42)。
【0068】
続いて、CPU32は、全てのレンズの焦点調節が終わったか否かを判別し(ステップS44)、全てのレンズの焦点調節が終わっていない場合には、変数iを1だけインクリメントし(ステップS46)、ステップS34に遷移させ、次のi番目のレンズについて上記と同様な焦点調節を行う。尚、撮像部が3以上の場合には、上記フローラインにしたがってステップS34に戻る場合があるが、2つの撮像部の場合は、ステップS34には戻らない。
【0069】
上記のように屈曲レンズで構成された複眼カメラにおいて、レリーズボタンから最も離れたレンズを有する撮像部から取得された画像信号に基づいて焦点調節するようにしたため、指掛りしにくいレンズ側(片手持ちの時は、100%指掛りしないレンズ側)の撮像部から取得された画像信号に基づいて焦点調節することができ、正しい合焦位置が得られ、精度の高い焦点調節を行うことができる。また、予め求められているレリーズボタンから最も離れているレンズとi番目のレンズのフォーカスレンズのズレ量(Dfi)と、温度や姿勢等によるサーチ余裕分(Ni,Fi)を考慮してi番目のレンズを焦点調節することで、正しい合焦位置(同じ被写体に合焦させる合焦位置)を得られる可能性が高くなる。
【0070】
更に、何らかの原因(例えば、レンズへの指掛りの原因)でi番目の合焦位置が得られなかった場合でも、予め求められているフォーカスレンズのズレ量から求めた位置に他のフォーカスレンズを移動させることで、合焦している可能性を上げることができる。以上により、可視性の高い立体画像を撮像することができる。
【0071】
尚、上記の実施形態では、至近から無限遠に向けてAFサーチを行うようにしたが、例えば、風景モードによる撮影時には無限遠から至近に向けてAFサーチを行うようにしてもよい。
【0072】
[第3の実施形態]
図11は本発明に係る複眼カメラの第3の実施形態を示すブロック図である。尚、図3に示した第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0073】
図11に示す第3の実施形態の複眼カメラは、図3に示したAWB検出部48の代わりにAWB検出部64が設けられ、また、AE測光部33の代わりにAE検出部51が設けられ、更に露出設定算出部58の代わりにWB算出部66が設けられている点で、第1の実施形態と相違する。尚、AE検出部51は、図3に示したAE測光部33と同様な検出を行うものである。
【0074】
<AWB補正>
図12は本発明の第3の実施形態を示すフローチャートであり、各撮像部におけるAWB補正方法に関して示している。
【0075】
図12において、AWB検出部64は、レリーズボタン11の全押しにより本撮像され、RAM52に格納された複数視点の画像信号のうち、レリーズボタン11から最も離れたレンズを有する撮像部から取得された1画面分の画像信号を取り込み、この画像信号の画面を複数の分割エリア(例えば、8×8)に分割し、各分割エリアごとにR、G、B信号を積算し、積算値R/G/Bの比で表される各分割エリアの色情報(R/G,B/G)を算出する(ステップS50)。AWB検出部64は、得られた各分割エリアの色情報(R/G,B/G)の、R/G軸,B/G軸を座標軸とする色空間上の分布から日陰、曇り、晴れ、蛍光灯、及び電球等の各光源種の中から光源種を推定する(ステップS52)。この光源種の推定方法としては、特開2000−224608号公報、特開2004−304695号公報等に記載の公知のものを使用することができる。
【0076】
AWB検出部64は、光源種を推定すると、その推定した光源種に合わせてホワイトバランスゲイン(ホワイトバランス補正値)を求める(ステップS53)。尚、前記ホワイトバランスゲインは、予め光源種別に最適なホワイトバランス補正を行うためのホワイトバランスゲインのテーブルを準備しておき、前記求めた光源種に応じて対応するホワイトバランスゲインを読み出すことで求めることができる。
【0077】
続いて、複眼カメラの撮像部を示す変数iを2に初期設定する(ステップS54)。
【0078】
図13に示すようにWB算出部66には、レリーズボタン11から最も離れた1番目のレンズのホワイトバランスゲインが前記AWB検出部64から入力されるとともに、撮像部感度比を記憶する記憶部66Aから全てのレンズにおけるレリーズボタンから最も離れたレンズとの撮像部の感度比が入力できるようになっている。
【0079】
WB算出部66は、レリーズボタンから最も離れた1番目のレンズとi番目のレンズとの感度比と、1番目のレンズに対して求めたホワイトバランスゲインとに基づいてi番目のレンズのホワイトバランスゲインを算出する(ステップS56)。
【0080】
いま、1番目のレンズのホワイトバランスゲインを、R、G、B信号別にWBR1/WBG1/WBB1とし、1番目のレンズの撮像部とi番目のレンズの撮像部との感度比をGRi/GGi/GBiとすると、i番目のレンズのホワイトバランスゲイン(WBRi/WBGi/WBBi)は、次の[数1]式により求めることができる。
【0081】
[数1]
WBRi=WBR1*GRi
WBGi=WBG1*GGi
WBBi=WBB1*GBi
WB算出部66は、全てのレンズのホワイトバランスゲインの算出が終了したか否かを判別し(ステップS58)、全てのレンズのホワイトバランスゲインの算出が終了していない場合には、変数iを1だけインクリメントし(ステップS60)、ステップS56に遷移させ、次のi番目のレンズについて上記と同様にしてホワイトバランスゲインの算出を行う。尚、撮像部が3以上の場合には、上記フローラインにしたがってステップS56に戻る場合があるが、2つの撮像部の場合は、ステップS56には戻らない。
【0082】
上記のように屈曲レンズで構成された複眼カメラにおいて、レリーズボタンから最も離れたレンズを有する撮像部から取得された画像信号に基づいてホワイトバランスゲインを算出するようにしたため、指掛りしにくいレンズ側(片手持ちの時は、100%指掛りしないレンズ側)の撮像部から取得された画像信号に基づいてホワイトバランスゲインを算出することができ、正しいホワイトバランスゲインが得られ、正しいホワイトバランス補正を行うことができる。また、予め求められているレリーズボタンから最も離れているレンズの撮像部と他のレンズの撮像部との感度比を用いて、レリーズボタンから最も離れているレンズのホワイトバランスゲインから、他のレンズのホワイトバランスゲインを算出することで、それぞれのレンズの撮像部の個体差を吸収してホワイトバランスを揃えることができる。以上により、可視性の高い立体画像が得られる。
【0083】
[その他]
本発明は、上記第1から第3の実施形態に示したものに限らず、各実施形態を適宜組み合わせたものでもよい。
【0084】
また、本発明に適用される撮影レンズは屈曲レンズに限らず、カメラ前面からレンズが突出しないレンズであれば、如何なるものでもよい。
【0085】
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0086】
10…複眼撮像装置(複眼カメラ)、11…レリーズボタン、13…レンズバリア、13A…凸部、16…液晶モニタ、20-1,20-2…撮像部、21…フォーカスレンズ及びズームレンズ、22…絞り、23…メカシャッター、24…CCD、25…アナログ信号処理部、28…レンズ駆動部、29…絞り駆動部、30…シャッター制御部、31…CCD制御部、32…中央処理装置(CPU)、34…操作部、44…デジタル信号処理部、46…AF検出部、48、64…AWB検出部、52…RAM、56…ROM、58…露出設定算出部、58A、66A、62A…記憶部、62…フォーカス範囲算出部、66…WB算出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の長手方向の位置に配設され、互いに視差を有する2つの画像を撮像する2つの撮像手段であって、それぞれ装置本体の前面から突出しない、あるいは突出が小さい撮影レンズを有する2つの撮像手段と、
前記装置本体に配設されたレリーズボタンと、
前記レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段を介して取得される画像信号に基づいて被写体の明るさを測光する測光手段と、
前記測光手段により測光された被写体の明るさに基づいて前記2つの撮像手段の露出をそれぞれ制御する露出制御手段と、を備え、
前記2つの撮像手段の撮影レンズの長手方向の中心位置が、装置本体の長手方向の中心位置に対して前記レリーズボタンの位置から遠ざかる方向にずれて配置されている複眼撮像装置。
【請求項2】
前記レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段を介して取得される画像信号に基づいてホワイトバランス補正値を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出されたホワイトバランス補正値に基づいて前記2つ撮像手段から取得された視差画像のホワイトバランスをそれぞれ補正するホワイトバランス補正手段と、
を更に備えた請求項1に記載の複眼撮像装置。
【請求項3】
前記ホワイトバランス補正値を算出する算出手段は、前記レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段と他の撮像手段とのカラーバランスの感度比を記憶する記憶手段を有し、前記算出したホワイトバランス補正値と前記記憶手段から読み出した感度比とに基づいて他の撮像手段から取得した視差画像に対するホワイトバランス補正値を算出する請求項2に記載の複眼撮像装置。
【請求項4】
前記2つの撮影レンズは、それぞれ屈曲光学系の撮影レンズである請求項1から3のいずれか1項に記載の複眼撮像装置。
【請求項1】
装置本体の長手方向の位置に配設され、互いに視差を有する2つの画像を撮像する2つの撮像手段であって、それぞれ装置本体の前面から突出しない、あるいは突出が小さい撮影レンズを有する2つの撮像手段と、
前記装置本体に配設されたレリーズボタンと、
前記レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段を介して取得される画像信号に基づいて被写体の明るさを測光する測光手段と、
前記測光手段により測光された被写体の明るさに基づいて前記2つの撮像手段の露出をそれぞれ制御する露出制御手段と、を備え、
前記2つの撮像手段の撮影レンズの長手方向の中心位置が、装置本体の長手方向の中心位置に対して前記レリーズボタンの位置から遠ざかる方向にずれて配置されている複眼撮像装置。
【請求項2】
前記レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段を介して取得される画像信号に基づいてホワイトバランス補正値を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出されたホワイトバランス補正値に基づいて前記2つ撮像手段から取得された視差画像のホワイトバランスをそれぞれ補正するホワイトバランス補正手段と、
を更に備えた請求項1に記載の複眼撮像装置。
【請求項3】
前記ホワイトバランス補正値を算出する算出手段は、前記レリーズボタンから最も離れた撮影レンズを有する撮像手段と他の撮像手段とのカラーバランスの感度比を記憶する記憶手段を有し、前記算出したホワイトバランス補正値と前記記憶手段から読み出した感度比とに基づいて他の撮像手段から取得した視差画像に対するホワイトバランス補正値を算出する請求項2に記載の複眼撮像装置。
【請求項4】
前記2つの撮影レンズは、それぞれ屈曲光学系の撮影レンズである請求項1から3のいずれか1項に記載の複眼撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−135014(P2012−135014A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−30472(P2012−30472)
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【分割の表示】特願2011−139905(P2011−139905)の分割
【原出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【分割の表示】特願2011−139905(P2011−139905)の分割
【原出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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